(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1および
図2は、本実施の形態に係る照明装置1を例示するための模式斜視図である。
なお、
図1は照明装置1の模式斜視図、
図2は照明装置1の模式斜視分解図である。
また、
図1および
図2においては、図を見やすくするために封止部27を省いて描いている。
図3は、発光部20の模式平面図である。
図4は、他の実施形態に係る発光部20の模式平面図である。
なお、
図3と
図4とでは、発光素子22の数と、配線25の設置形態が異なる。
【0009】
図1および
図2に示すように、照明装置1には、本体部10、発光部20、給電部30、およびソケット40が設けられている。
本体部10には、収納部11、フランジ部12、およびフィン13が設けられている。 収納部11は、円筒状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11の内側には、発光部20が収納されている。また、収納部11の内側には、給電部30の給電端子31が突出している。
【0010】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0011】
本体部10は、発光部20および給電部30などを収納する機能と、発光部20や給電部30で発生した熱を照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、本体部10を熱伝導率の高い材料から形成することができる。例えば、本体部10は、アルミニウム、アルミニウム合金、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PETやナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等の繊維や粒子を混合させたものである。
この場合、フィン13などの熱を外部に放出する部分を熱伝導率の高い材料から形成し、その他の部分を樹脂などから形成することもできる。
【0012】
また、本体部10の主要部分を導電性材料で構成する場合は、給電端子31と本体部10の導電性材料との間の電気的絶縁を確保するため、給電端子31の周囲を絶縁材料(図示しない)で覆い、更に、その周囲に導電性材料を配置する構成としても良い。絶縁材料は、例えば、樹脂などであって、熱伝導率が高い材料が好ましい。また、本体部10には、車両用灯具に脱着可能な取り付け部が設けられても良い。
【0013】
図3または
図4に示すように、発光部20には、基板21、発光素子22、制御素子23、配線パターン24、配線25、包囲壁部材26、封止部27、および接合部28が設けられている。
基板21は、本体部10の収納部11の内側に設けられている。
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁体で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁体で被覆する場合には、絶縁体は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0014】
この場合、発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁体で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0015】
発光素子22は、基板21の表面に設けられた配線パターン24の上に複数実装されている。
発光素子22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に電極29を有したものとすることができる(
図8を参照)。なお、電極29は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)のみに設けられていてもよい。
【0016】
発光素子22の下面に設けられた電極29は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して配線パターン24に設けられた実装パッド24bと電気的に接続されている。発光素子22の上面に設けられた電極29は、配線25を介して配線パターン24に設けられた配線パッド24cと電気的に接続されている。
【0017】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22の光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0018】
制御素子23は、配線パターン24の上に実装されている。
制御素子23は、発光素子22に流れる電流を制御する。すなわち、制御素子23は、発光素子22の発光を制御する。
制御素子23の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0019】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電部30の給電端子31が電気的に接続されている。そのため、発光素子22は、配線パターン24を介して、給電部30と電気的に接続されている。
【0020】
配線25は、発光素子22の上面に設けられた電極29と、配線パターン24に設けられた配線パッド24cとを電気的に接続する。
配線25は、例えば、金を主成分とする線とすることができる。ただし、配線25の材料は、金を主成分とするものに限定されるわけではなく、例えば、銅を主成分とするものや、アルミニウムを主成分とするものなどであってもよい。
【0021】
配線25は、例えば、超音波溶着または熱溶着により、発光素子22の上面に設けられた電極29と、配線パターン24に設けられた配線パッド24cとに電気的に接続される。配線25は、例えば、ワイヤボンディング法を用いて、発光素子22の上面に設けられた電極29と、配線パターン24に設けられた配線パッド24cとに電気的に接続することができる。
【0022】
その他、必要に応じて、図示しない回路部品などを適宜設けることができる。図示しない回路部品は、例えば、配線パターン24上に実装することができる。
【0023】
包囲壁部材26は、複数の発光素子22を囲むようにして、基板21上に設けられている。包囲壁部材26は、例えば、環状形状を有し、中央部26aに複数の発光素子22が配置されるようになっている。
包囲壁部材26は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
また、包囲壁部材26の材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22から出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22から出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、包囲壁部材26は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0024】
包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面26bは斜面となっている。発光素子22から出射した光の一部は、包囲壁部材26の側壁面26bで反射されて、照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、発光素子22から照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部27の上面(封止部27と外気との界面)で全反射した光は、包囲壁部材26の中央部26a側の側壁面26bで反射して、再び照明装置1の正面側に向けて出射される。
【0025】
すなわち、包囲壁部材26は、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、包囲壁部材26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0026】
封止部27は、包囲壁部材26の中央部26aに設けられている。封止部27は、包囲壁部材26の内側を覆うように設けられている。すなわち、封止部27は、包囲壁部材26の内側に設けられ、発光素子22と配線25とを覆っている。
封止部27は、透光性を有する材料から形成されている。封止部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部27は、例えば、包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0027】
包囲壁部材26の中央部26aに樹脂を充填すれば、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線25などに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、空気・水分などが、発光素子22、包囲壁部材26の中央部26aに配置された配線パターン24、および配線25などに付着することを抑制することができる。そのため、照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
【0028】
また、封止部27には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0029】
接合部28は、包囲壁部材26と、基板21とを接合する。
接合部28は、膜状を呈し、包囲壁部材26と、基板21との間に設けられている。
接合部28は、例えば、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤を硬化させることで形成されたものとすることができる。
【0030】
接合部28は、例えば、以下の手順により形成することができる。
まず、基板21の表面の包囲壁部材26が設けられる領域に、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤を塗布する。
例えば、ディスペンサなどを用いて、基板21の表面の包囲壁部材26が設けられる領域に接着剤を塗布する。
次に、溶剤などを蒸発させることで接着剤を硬化させ、接合部28を形成するとともに、包囲壁部材26と、基板21とを接合する。
例えば、まず、塗布された接着剤の上に包囲壁部材26を載置する。
続いて、包囲壁部材26を押圧して接着剤を包囲壁部材26に密着させるとともに、包囲壁部材26の位置(接着剤の厚み)を調整する。
その後、溶剤などを蒸発させることで接着剤を硬化させる。
【0031】
ここで、接着剤の硬化前の粘度は、1Pa・s〜15Pa・sであることが好ましい。 この様な粘度とすれば、ディスペンサなどを用いて塗布を行う際に、任意の形状に塗布することが容易となる。
また、この様な粘度とすれば、接着剤を硬化させる際に、包囲壁部材26の位置を安定させることができる。
【0032】
給電部30には、複数の給電端子31が設けられている。
複数の給電端子31は、収納部11およびフランジ部12の内側を延びている。複数の給電端子31の一方の端部は、収納部11の底面から突出し、配線パターン24の入力端子24aと電気的に接続されている。複数の給電端子31の他方の端部は、本体部10の基板21が設けられる側とは反対の側から露出している。
【0033】
なお、給電端子31の数、配置、形態などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、給電部30は、図示しない基板や、コンデンサや抵抗などの回路部品を備えたものとすることもできる。なお、図示しない基板や回路部品は、例えば、収納部11またはフランジ部12の内部に設けることができる。
【0034】
ソケット40は、本体部10の基板21が設けられる側とは反対の側に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。
ソケット40には、図示しない電源などが電気的に接続されている。
そのため、ソケット40を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とが電気的に接続される。
ソケット40は、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接合することができる。
【0035】
ここで、発光素子22の点灯と消灯などにより、封止部27には熱変形(膨張・収縮)が生じる。
図5(a)、(b)は、封止部27の熱変形の影響を例示するための模式断面図である。
なお、
図5(a)は、基板21、配線25、包囲壁部材26、および封止部27の温度が低い場合における封止部27の熱変形を例示するための模式断面図である。
図5(b)は、基板21、配線25、包囲壁部材26、および封止部27の温度が高い場合における封止部27の熱変形を例示するための模式断面図である。
また、
図5(a)、(b)中の矢印の向きは、封止部27の変形方向を表している。
図5(a)、(b)中の矢印の長さは、封止部27において発生した応力の大きさ、または、封止部27の変形量を表している。例えば、矢印の長さが長いほど、封止部27において発生した応力の大きさが大きい、または、封止部27の変形量が大きいことを表している。
【0036】
例えば、基板21をセラミックスを用いて形成すると、基板21の線膨張係数は、7ppm/K程度となる。配線25を金を用いて形成すると、配線25の線膨張係数は、14ppm/K程度となる。包囲壁部材26をPBTを用いて形成すると、包囲壁部材26の線膨張係数は、90ppm/K程度となる。包囲壁部材26をPCを用いて形成すると、包囲壁部材26の線膨張係数は、65ppm/K程度となる。封止部27をシリコーン樹脂を用いて形成すると、封止部27の線膨張係数は、200ppm/K程度となる。
そのため、温度変化による膨張量と収縮量は、封止部27が最も大きくなる。例えば、封止部27の膨張量と収縮量は、基板21の膨張量と収縮量の29倍程度となる。
【0037】
温度が低い場合には、
図5(a)に示すように、相対的に、封止部27は基板21に向かって収縮し、封止部27は上面がへこむ方向に変形する。また、基板21の包囲壁部材26により囲まれた部分(包囲壁部材26の内側の部分)の中心位置100から封止部27の周縁方向に離れるほど、封止部27に発生する応力および変形量は大きくなる。また、基板21の表面から封止部27の上面方向に離れるほど、封止部27に発生する応力および変形量は大きくなる。
【0038】
温度が高い場合には、
図5(b)に示すように、相対的に、封止部27は基板21がある側とは反対の側に向かって膨張し、封止部27は上面が出っ張る方向に変形する。また、基板21の包囲壁部材26により囲まれた部分の中心位置100から封止部27の周縁方向に離れるほど、封止部27に発生する応力および変形量は大きくなる。また、基板21の表面から封止部27の上面方向に離れるほど、封止部27に発生する応力および変形量は大きくなる。
【0039】
この場合、封止部27中には、配線25がある。そのため、封止部27に熱変形が生じると配線25に外力が作用することになる。
そして、高光量とするために複数の発光素子22を用いる場合には、封止部27のサイズ・体積が大きくなるので、熱変形の影響はより大きくなる。また、照明装置1が車載用である場合には、雰囲気温度の変化が大きい(例えば、−40℃と+85℃の範囲)ことがさらに加わり、熱変形の影響はさらに大きくなる。
【0040】
図6は、比較例に係る配線25の配置を例示するための模式平面図である。
図7は、配線パッド24cに接続された配線25の端部を例示するための模式斜視図である。
前述したように、封止部27に生じた熱変形により配線25には外力が作用する。また、
図5(a)、(b)に例示をしたように、封止部27の平面方向における変形方向は、基板21の包囲壁部材26により囲まれた部分の中心位置100からほぼ動径方向となる。
【0041】
そのため、配線25には、動径方向の分力と、上下方向の分力とからなる外力が作用することになる。
【0042】
ここで、
図6に示すように、中心位置100と、配線25が配線パッド24cに接続されている位置(例えば、セカンドボンディングの位置)とを結ぶ線分と、配線25の軸線(配線25が延びる方向の線分)とがなす角度(以後、配線25の設置角度と称する)をθとする。
この場合、中心位置100と、配線25が配線パッド24cに接続されている位置とを結ぶ線分が延びる方向は、動径方向の分力が作用する方向である。
そのため、配線25の設置角度θが90°に近づくほど、配線25の軸線と直交する方向に作用する力は大きくなる。すなわち、配線25の設置角度θが90°に近づくほど、配線25に対する横荷重が大きくなる。
【0043】
そして、
図7に示すように、配線25の配線パッド24c側の端部は、荷重と超音波が印加されることでつぶれている。そのため、つぶれている部分25aと、つぶれていない部分との間の部分(ネック部)25bは、構造的に弱くなっている。
そのため、横荷重Fが余り大きくなると、ネック部25bにおいて断線が発生するおそれがある。
【0044】
この場合、後述するように、配線25の設置角度θが所定の範囲内にあるようにすれば、横荷重Fを抑制することができるので、配線25の断線を抑制できる。
図8は、配線25の設置角度θを例示するための模式図である。
図8に示すように、配線25の設置角度θは、0°以上180°以下となる。
【0045】
この場合、配線25の設置角度θが90°に近づくほど、配線25に対する横荷重が大きくなるので、断線しやすくなる。
【0046】
表1は、配線25の設置角度θと、断線との関係を示す表である。
表1は、熱衝撃試験を行い、配線25の設置角度θと、断線との関係を求めたものである。
熱衝撃試験においては、−40℃の環境に発光部20を30分間放置し、その後、+85℃の環境に発光部20を30分間放置するとともに発光素子22を点灯した。そして、この手順を500回繰り返した。
また、配線25の設置角度θが異なるサンプルをそれぞれ10個ずつ作成し、断線発生の有無と、断線が発生した個数により温度変化に対する耐性を判定した。
なお、判定においては、配線25の断線なしの場合を「○」、断線が発生した個数が1/10個〜5個/10個の場合を「△」、断線が発生した個数が6/10個〜10個/10個の場合を「×」としている。
【0047】
【表1】
表1から分かるように、配線25の設置角度θが0°以上45°以下、または、135°以上180°以下となるようにすれば、断線の発生確率を極めて低くすることができる。
【0048】
また、前述したように、基板21の表面から封止部27の上面方向に離れるほど、封止部27に発生する応力および変形量は大きくなる。
そのため、配線25に作用する上下方向の分力は、封止部27の上面に近づくほど大きくなる。
そして、上下方向の分力が余り大きくなると、配線25と電極29との接合部分近傍において断線が発生するおそれがある。
【0049】
図9は、配線25のループ高さhを例示するための模式図である。
図9に示すように、配線25のループ高さhは、発光素子22の上面から、配線25のループの上端までの高さである。
本発明者の得た知見によれば、配線25のループ高さhを160μm以下とすれば、配線25と電極29との接合部分近傍における断線の発生確率を極めて低くすることができる。
【0050】
また、包囲壁部材26の線膨張係数が、封止部27の線膨張係数以上となれば、封止部27の熱変形が助長され、配線25の断線が発生しやすくなる。
この場合、包囲壁部材26の線膨張係数が、基板21の線膨張係数以上で、封止部27の線膨張係数以下となるようにすれば、封止部27の熱変形を抑え込むことができる。
例えば、基板21をセラミックス(7ppm/K程度)を用いて形成し、封止部27をシリコーン樹脂を用いて形成する場合は、包囲壁部材26をPBT(90ppm/K程度)やPC(65ppm/K程度)を用いて形成することができる。
【0051】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。