特許第6566199号(P6566199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566199
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20190819BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20190819BHJP
   F21V 21/005 20060101ALI20190819BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190819BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20190819BHJP
【FI】
   F21S8/04 410
   F21S8/04 110
   F21S2/00 230
   F21V21/005
   F21Y115:10
   F21Y115:15
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-130831(P2015-130831)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-16823(P2017-16823A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石井 靖彦
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−037915(JP,A)
【文献】 特開2011−113748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 21/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ長尺状で長手方向の端部が互いに連結される複数の器具本体と;
前記器具本体にそれぞれ設けられる光源と;
一端側に係合部を有するとともに、他端側に被係合部を有し、前記係合部および前記被係合部を前記器具本体の長手方向の一端側および他端側にそれぞれ向けて、前記器具本体の前記端部にそれぞれ取り付けられる複数の連結部材と;
を具備し、
前記端部が互いに連結される前記器具本体のうちの一方の前記器具本体の一端側に取り付けられている前記連結部材の前記係合部と他方の前記器具本体の他端側に取り付けられている前記連結部材の前記被係合部とが係合されて、一方の前記器具本体と他方の器具本体とが互いに連結される照明装置であって、
前記器具本体は、前記器具本体の一端側および他端側にそれぞれ設けられ、前記連結部材を取り付ける連結部材取付部を有し、
前記連結部材は、一端側に突出部を有するとともに、他端側に窪み部を有し、前記器具本体の一端側の前記連結部材取付部に取り付けられた状態で、前記突出部が前記器具本体の一端側から突出され、かつ、前記器具本体の他端側の前記連結部材取付部に取り付けられた状態で、前記窪み部が前記器具本体の他端側よりも内側に位置して前記突出部が前記器具本体の他端側に係合可能とし、
前記係合部および前記被係合部はそれぞれ前記突出部および前記窪み部に設けられ、前記係合部は前記被係合部と前記器具本体との間に係合する
ことを特徴とする照明装置
【請求項2】
それぞれ長尺状で長手方向の端部が互いに連結される複数の器具本体と;
前記器具本体にそれぞれ設けられる光源と;
一端側に係合部を有するとともに、他端側に被係合部を有し、前記係合部および前記被係合部を前記器具本体の長手方向の一端側および他端側にそれぞれ向けて、前記器具本体の前記端部にそれぞれ取り付けられる複数の連結部材と;
を具備し、
前記端部が互いに連結される前記器具本体のうちの一方の前記器具本体の一端側に取り付けられている前記連結部材の前記係合部と他方の前記器具本体の他端側に取り付けられている前記連結部材の前記被係合部とが係合されて、一方の前記器具本体と他方の器具本体とが互いに連結される照明装置であって、
前記端部が互いに連結される前記器具本体のうちの一方の前記器具本体の前記端部から突設され、前記係合部と前記被係合部が係合する前に他方の前記器具本体に嵌り込むガイド部材を具備する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記光源は、前記ガイド部材に当接して前記器具本体に取り付けられている
ことを特徴とする請求項記載の照明装置。
【請求項4】
前記器具本体は、前記光源が設けられる本体部、およびこの本体部の両側に設けられる一対の反射板部を有し、
前記連結部材は、前記器具本体の前記本体部および前記反射板部に亘って設けられているとともに、前記反射板部の位置に対応して前記係合部および前記被係合部が設けられ、
前記ガイド部材は、前記本体部に設けられている
ことを特徴とする請求項または記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数の器具本体を長手方向に連結して構成される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等に設置される長尺状の照明装置は、単体で設置されることが多いが、複数の器具本体を長手方向に連結して設置することがある。
【0003】
この場合、器具本体を長手方向に連結するには、連結しようとする2つの器具本体から端板をそれぞれ取り外し、2つの器具本体にまたがるように連結部材を取り付け、2つの器具本体の端部を連結している。そのため、複数の器具本体の連結が容易ではなく、施工性の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−15166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の器具本体を簡単に連結でき、施工性を向上できる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、複数の器具本体、光源および複数の連結部材を備える。器具本体は、それぞれ長尺状で長手方向の端部が互いに連結される。光源は、器具本体にそれぞれ設けられる。連結部材は、一端側に係合部を有するとともに、他端側に被係合部を有し、係合部および被係合部を器具本体の長手方向の一端側および他端側にそれぞれ向けて、器具本体の端部にそれぞれ取り付けられる。端部が互いに連結される器具本体のうちの一方の器具本体の一端側に取り付けられている連結部材の係合部と他方の器具本体の他端側に取り付けられている連結部材の被係合部とが係合されて、一方の器具本体と他方の器具本体とが互いに連結される。器具本体は、器具本体の一端側および他端側にそれぞれ設けられ、連結部材を取り付ける連結部材取付部を有する。連結部材は、一端側に突出部を有するとともに、他端側に窪み部を有し、器具本体の一端側の連結部材取付部に取り付けられた状態で、突出部が器具本体の一端側から突出され、かつ、器具本体の他端側の連結部材取付部に取り付けられた状態で、窪み部が器具本体の他端側よりも内側に位置して突出部が器具本体の他端側に係合可能とする。係合部および被係合部はそれぞれ突出部および窪み部に設けられ、係合部は被係合部と器具本体との間に係合する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の器具本体を簡単に連結でき、施工性を向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の斜視図である。
図3】同上照明装置の連結状態の斜視図である。
図4】同上照明装置の分解状態の斜視図である。
図5】同上照明装置の断面図である。
図6】同上照明装置の断面図である。
図7】同上照明装置の器具本体の平面図である。
図8】同上照明装置の器具本体および連結部材の平面図である。
図9】同上照明装置の器具本体および連結部材の斜視図である。
図10】同上照明装置の器具本体および端板の平面図である。
図11】同上照明装置の光源の斜視図である。
図12】同上照明装置の全体の斜視図である。
図13】同上照明装置の全体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図1ないし図13を参照して説明する。
【0010】
図12および図13に、天井埋込形の照明装置10を示す。照明装置10は、複数の長尺状の器具ユニット11(以下、11a,11b,11cとも記す)を備え、これら複数の器具ユニット11a,11b,11cが長手方向に沿って一連に連結されて構成される。なお、本実施形態では、照明装置10は、3つの器具ユニット11a,11b,11cを連結して構成される例を示すが、2つあるいは4つ以上の器具ユニット11を連結して構成してもよい。
【0011】
器具ユニット11a,11b,11cは、長手状の器具本体12(以下、12a,12b,12cとも記す)、この器具本体12に取り付けられる光源13および電源装置14をそれぞれ備え、さらに、互いに連結する器具本体12の端部にそれぞれ設けられる連結部材15を備えるとともに、互いに連結する器具本体12のいずれか一方の端部にそれぞれ設けられるガイド部材16を備え、さらに、互いに連結する器具本体12の端部近傍に設けられる補強部材17をそれぞれ備えている。また、長手方向の両端に配置される器具ユニット11a,11cは、器具本体12の外端部に設けられる端板18をそれぞれ備えている。
【0012】
そして、図1ないし図10に示すように、器具本体12は、長尺状で、複数の器具ユニット11a,11b,11cに共通の構造となっている。器具本体12は、中央の本体部21、およびこの本体部21の両側から突出された反射板部22を備えている。器具本体12は、例えば板金製で、本体部21および反射板部22が一体に形成されている。なお、器具本体12の長手方向の一端側の端部を第1の端部23a、他端側の端部を第2の端部23bと呼ぶ。
【0013】
本体部21は、上面部24、およびこの上面部24の両側から折曲された側面部25を有し、下面が開口されている。また、反射板部22は、本体部21から下方に向けて拡開するように斜めに突出されている。反射板部22の側縁には側面部26が立ち上げられ、この側面部26の先端から側面部26の裏面側に向けて折返し部27が折り返されている。
【0014】
器具本体12の両端部23a,23bには、連結部材15を取り付けるための連結部材取付部28、ガイド部材16を取り付けるためのガイド部材取付部29、および端板18を取り付けるための端板取付部30がそれぞれ共通の位置に形成されている。
【0015】
連結部材取付部28は、本体部21の上面部24および反射板部22の折返し部27にそれぞれ設けられており、上面部24には連結部材15をかしめて取り付ける複数のかしめ孔31が設けられ、折返し部27には複数のスリット32が設けられている。図7および図10に示すように、器具本体12の両端部23a,23bに設けられるかしめ孔31は、器具本体12の端面に沿って幅方向に2つ並んでそれぞれ配列されているとともに、連結部材15の取付方向を規制するために器具本体12の幅方向の一側(図7および図10の図中下側)に偏った位置にそれぞれ設けられている。かしめ孔31は、器具本体12の長手方向に対応する開口縁のうち、一方の開口縁の中央に他方の開口縁よりも幅が狭い幅狭部31aが設けられ、この幅狭部31aの両側にかしめ孔31内に斜めに突出するようにかしめ受部31bが設けられている。さらに連結部材15の取付方向を規制するために、2つのかしめ孔31のうち、一方のかしめ孔31は幅狭部31aおよびかしめ受部31bが器具本体12の一端側に向けられて設けられ、他方のかしめ孔31は幅狭部31aおよびかしめ受部31bが器具本体12の他端側に向けられて設けられており、一方のかしめ孔31と他方のかしめ孔31とが向きが異なっている。そして、器具本体12の両端部23a,23bに設けられるかしめ孔31はそれぞれ同じ位置および同じ向きに設けられており、器具本体12に取り付けられる連結部材15の取付方向が一定になるように規制する。
【0016】
ガイド部材取付部29は、本体部21の側面部25に設けられており、側面部25にはガイド部材16の後述するかしめ部81が挿通する溝部33が設けられている。
【0017】
端板取付部30は、本体部21の上面部24に設けられており、上面部24には端板18をかしめて取り付ける複数のかしめ孔34が設けられている。図7および図10に示すように、器具本体12の両端部23a,23bに設けられるかしめ孔34は、器具本体12の端面に沿って幅方向に2つ並んでそれぞれ配列されているとともに、かしめ孔31の位置よりも器具本体12の外端側の位置でかつ器具本体12の幅方向に対称となる位置にそれぞれ設けられている。かしめ孔34は、器具本体12の外端側に近い一方の開口縁の中央に他方の開口縁よりも幅が狭い幅狭部34aが設けられ、この幅狭部34aの両側にかしめ孔34内に斜めに突出するようにかしめ受部34bが設けられている。2つのかしめ孔34は、器具本体12に同じ向きおよび同じ形状に設けられている。そして、かしめ孔34は、かしめ孔31に対して器具本体12の長手方向および幅方向にそれぞれ異なる位置に設けられている。
【0018】
本体部21の上面部24には、天井に器具本体12を設置するのに、天井の吊ボルト等に取り付けるための複数の取付孔35が設けられている。
【0019】
図5に示すように、本体部21の上面部24には、光源13を取り付けるための複数の取付金具36が取り付けられている。図5および図11に示すように、取付金具36は、本体部21の上面部24の下面に固定される固定部37、およびこの固定部37から下方に折曲された取付部38を備えている。取付部38内には開口部39が形成され、この開口部39の下縁中央から突片部40が突出されている。
【0020】
また、図12および図13に示すように、光源13は、長尺状で、複数の器具ユニット11a,11b,11cに共通の構造に形成されている。図5および図11に示すように、光源13は、ベース43、このベース43の下面に配設された発光モジュール44、この発光モジュール44を覆ってベース43に取り付けられた透光カバー45、ベース43および透光カバー45の両端にそれぞれ取り付けられたキャップ46、およびベース43の上面にそれぞれ取り付けられた複数の取付機構47を備えている。
【0021】
ベース43は、例えば板金製で、両側が上方に立ち上げられるとともに外面側に湾曲突出するように屈曲されている。
【0022】
発光モジュール44は、基板48、およびこの基板48に実装された発光素子49を備えている。発光素子49は、LEDが用いられる他、有機ELなどを用いてもよい。
【0023】
透光カバー45は、透光性を有し、上面および両端が開口されている。透光カバー45の両側には、ベース43の両側部に嵌合する嵌合部50、発光モジュール44の基板48をベース43に押え付ける押え部51、器具本体12の下面に当接する当接部52、およびこの当接部52から立設され器具本体12の本体部21の内側に嵌り込む突起部53を備えている。
【0024】
キャップ46は、透光カバー45の両端に嵌め込まれて取り付けられている。
【0025】
取付機構47は、ベース43の上面に取り付けられる取付部材54、およびこの取付部材54に保持された取付ばね55を備えている。取付部材54は、ベース43に固定され、両側部がベース43に対して透光カバー45の嵌合部50を押え付けている。取付ばね55は、中間部に器具本体12の取付金具36の突片部40に引っ掛けられる引掛部56が設けられ、両端部が取付部材54に連結され、引掛部56と両端部との間にコイル部57が設けられている。コイル部57が取付部材54に保持され、引掛部56がベース43の上面へ向けて近付く方向に弾性を有している。そして、取付ばね55の弾性により、器具本体12に対して光源13を引き上げて取り付けている。取付状態では、光源13が器具本体12およびガイド部材16に当接する。具体的には、透光カバー45の当接部52が器具本体12の下面に当接するとともに、キャップ46がガイド部材16の後述するガイド底面部78に当接する。ガイド底面部78には、連結される器具本体12に設けられた光源13のキャップ46も当接する。すなわち、ガイド部材16は隣接する2つの光源13の載置も兼ねている。
【0026】
また、図12に示すように、電源装置14は、器具本体12の本体部21内に設置されている。電源装置14は、外部から交流電源を入力し、所定の直流電力に変換して発光モジュール44に供給し、発光素子49を点灯させる。
【0027】
また、図1ないし図6に示すように、連結部材15は、共通の構造に形成されており、器具本体12の第1の端部23aおよび第2の端部23bのいずれにも一定の取付方向の向きで取り付けられる。なお、連結部材15についても、器具本体12の長手方向の一端側および他端側に対応した方向をそれぞれ一端側および他端側という。
【0028】
連結部材15は、器具本体12の本体部21の外面側に被着される固定部60、およびこの固定部60の両側から突設されていて器具本体12の反射板部22の裏面側に被着される連結部61を備えている。連結部材15は、例えば板金製で、固定部60および連結部61が一体に形成されている。
【0029】
固定部60は、本体部21の上面部24に被着される上面部62、およびこの上面部62の両側から折曲されて本体部21の側面部25に被着される側面部63を備えている。
【0030】
上面部62には、器具本体12のかしめ孔31にそれぞれかしめられる複数のかしめ部64が切り起こされている。図8に示すように、かしめ部64は、固定部60の上面部62の端面に沿って幅方向に2つ並んで配列されているとともに、連結部材15の取付方向を規制するために器具本体12のかしめ孔31の位置に対応して上面部62の幅方向の一側(図8の図中下側)に偏った位置にそれぞれ設けられている。
【0031】
かしめ部64は、固定部60の上面部62に接続されている接続部64aを残して周囲が切り抜かれ、接続部64aで折り曲げられて器具本体12のかしめ孔31にかしめられる。
【0032】
さらに連結部材15の取付方向を規制するために、2つのかしめ部64のうち、一方のかしめ部64は接続部64aが連結部材15の一端側に向けられて設けられ、他方のかしめ部64は接続部64aが連結部材15の他端側に向けられて設けられており、一方のかしめ部64と他方のかしめ部64とで向きが異なっている。すなわち、器具本体12の2つのかしめ孔31の幅狭部31aの向きに、2つのかしめ部64の接続部64aの向きがそれぞれ対応するように設けられている。
【0033】
かしめ部64は、接続部64aの幅が先端側の幅よりも狭く、接続部64aの両側には接続部64aから先端方向に向けられて傾斜するかしめ縁部64bが設けられている。そして、図9に示すように、かしめ部64は、かしめ孔31から器具本体12の内面側に突出するように接続部64aで折り曲げられ、接続部64aがかしめ孔31の幅狭部31aに接触するとともに、かしめ縁部64bがかしめ孔31のかしめ受部31bに接触してかしめられる。このとき、傾斜状のかしめ縁部64bと傾斜状のかしめ受部31bとが接触するため、これらの接触によって連結部材15の上面部62と器具本体12とが密着するように力が働くとともにかしめ縁部64bがかしめ受部31bにスムーズにかしめられる。なお、かしめ部64は、図9に示すように略直角に折り曲げた状態で器具本体12にかしめられるが、さらに器具本体12の内面側に折り曲げてかしめてもよい。
【0034】
そして、連結部材15を器具本体12に取り付ける際、器具本体12に対する連結部材15の取付方向が正しい向きで、かつ器具本体12の長手方向に正しい位置に連結部材15が配置された場合には、器具本体12のかしめ孔31の位置と連結部材15のかしめ部64の位置とが一致するとともに、かしめ孔34の幅狭部34aとかしめ部64の接続部64aとの位置も一致するため、かしめ部64をかしめ孔31にかしめることができる。
【0035】
一方、器具本体12に対する連結部材15の取付方向が反対向きであった場合(例えば、器具本体12の第2の端部23bに、連結部材15の係合部72を器具本体12の端部側、被係合部74を器具本体12の中央側にそれぞれ向けた場合)には、器具本体12のかしめ孔31の位置と連結部材15のかしめ部64の位置とが器具本体12の幅方向にずれているため、連結部材15の取付方向の間違いに気付きやすく、さらに、かしめ部64をかしめ孔31にかしめることができない。そのため、連結部材15は器具本体12に対して一定の取付方向でないと取り付けることができず、連結部材15の取付方向の間違いを防止できる。
【0036】
さらに、連結部材15を器具本体12に取り付ける際、器具本体12の端板取付部30のかしめ孔34に対して、連結部材15のかしめ部64を合わせて取り付けようとした場合には、器具本体12のかしめ孔34の位置と連結部材15のかしめ部64の位置とが器具本体12の幅方向にずれていること、および、一方のかしめ孔34の幅狭部34aと一方のかしめ部64の接続部64aとのが反対向きとなってかしめることができないことにより、連結部材15の位置の間違いに気付きやすく、連結部材15を間違えて端板取付部30のかしめ孔34に取り付けてしまうのを防止できる。
【0037】
したがって、連結部材15は、器具本体12に対して一定の取付方向で、器具本体12の連結部材取付部28を利用して確実に取り付けることができる。
【0038】
側面部63の外面側には屈曲する屈曲部65が一端側から他端側に沿って設けられているとともに、側面部63の一端近傍には屈曲部65が設けられずに挿通孔66およびこの挿通孔66の一端側のかしめ受部67が設けられている。
【0039】
連結部61の両側部には、反射板部22の側面部26の内側に嵌り込む立上げ部68が立ち上げられ、この立上げ部68から連結部61の裏面側に係合部69が折り曲げられている。係合部69の上縁には溝部70が設けられ、この溝部70を通じて折返し部27のスリット32が係合部69に嵌り込んでいる。したがって、折返し部27によって連結部61の両側部が器具本体12にかしめ固定されている。
【0040】
連結部61の一端側には、固定部60よりも突出する突出部71が突出されているとともに、この突出部71の中央領域から係合部72がさらに突設されている。連結部61の他端側に、固定部60の他端よりも窪む窪み部73が形成されているとともに、この窪み部73の中央領域から被係合部74が突設されている。被係合部74は、連結部61から上方に折り曲げられた後に下方に折り曲げられて挟持部75が設けられ、さらに挟持部75から先端側が上方に折り曲げられている。
【0041】
連結部材15が器具本体12の第1の端部23aに取り付けられた状態では、連結部材15の固定部60の一端部が器具本体12の一端部と面一で、突出部71が器具本体12から突出されている。
【0042】
連結部材15が器具本体12の第2の端部23bに取り付けられた状態では、連結部材15の固定部60の他端部が器具本体12の他端部と面一で、窪み部73が器具本体12の他端部よりも内側に配置されているとともに、被係合部74の先端が器具本体12の他端部と略面一となっている。被係合部74の挟持部75と器具本体12の上面との間に突出部71の厚みよりも小さい隙間が形成されているか、挟持部75が器具本体12の上面に接触して挟持部75の先端側が器具本体12の上面から離反されている。
【0043】
また、図1図2図4および図6に示すように、ガイド部材16は、例えば板金製で、ガイド底面部78、このガイド底面部78の両側からそれぞれ立ち上げられたガイド側面部79、およびこれらガイド側面部79の上端からそれぞれ折曲されたガイド上面部80を備えている。
【0044】
ガイド側面部79の外側面には、かしめ部81が切り起こされている。そして、ガイド部材16は、器具本体12の本体部21の内側に配置され、かしめ部81が器具本体12の溝部33および連結部材15の挿通孔66を挿通して連結部材15のかしめ受部67にかしめられ、連結部材15に固定されている。
【0045】
ガイド底面部78およびガイド側面部79の一端側が器具本体12の一端部から突出されている。ガイド側面部79の一端側の角部には、内側に折り曲げられた挿入ガイド部82が形成されている。
【0046】
また、図4および図5に示すように、補強部材17は、器具本体12の本体部21上に固定される繋ぎ部85、およびこの繋ぎ部85の両側にそれぞれ連結され器具本体12の折返し部27にかしめて固定される結合部86を備えている。
【0047】
また、図10図12および図13に示すように、端板18は、器具本体12の端部に嵌め込まれ、端板18に設けられているかしめ部89を器具本体12のかしめ孔34にかしめることにより、器具本体12に固定されている。
【0048】
図10に示すように、かしめ部89は、端板18の端面に沿って幅方向に2つ並んで配列されているとともに、器具本体12のかしめ孔34の位置に対応して端板18の幅方向に対称となる位置にそれぞれ設けられている。
【0049】
かしめ部89は、かしめ部64と同様の形状に設けられている。すなわち、かしめ部89は、端板18の上面部分に接続されている接続部89aを残して周囲が切り抜かれ、接続部89aで折り曲げられて器具本体12のかしめ孔34にかしめられる。
【0050】
2つのかしめ部89は、接続部89aが端板18の外端面側に向けられて設けられ、同じ向きおよび同じ形状に設けられている。すなわち、器具本体12の2つのかしめ孔34の幅狭部34aの向きに、2つのかしめ部89の接続部89aの向きがそれぞれ対応するように設けられている。
【0051】
かしめ部89は、接続部89aの幅が先端側の幅よりも狭く、接続部89aの両側には接続部89aから先端方向に向けられて傾斜するかしめ縁部89bが設けられている。そして、かしめ部89は、かしめ孔34から器具本体12の内面側に突出するように接続部89aで折り曲げられ、接続部89aがかしめ孔34の幅狭部34aに接触するとともに、かしめ縁部89bがかしめ孔34のかしめ受部34bに接触してかしめられる。このとき、傾斜状のかしめ縁部89bと傾斜状のかしめ受部34bとが接触するため、これらの接触によって端板18の上面部分と器具本体12とが密着するように力が働くとともにかしめ縁部89bがかしめ受部34bにスムーズにかしめられる。なお、かしめ部89は、図10に示すように略直角に折り曲げた状態で器具本体12にかしめられるが、さらに器具本体12の内面側に折り曲げてかしめてもよい。
【0052】
そして、端板18を器具本体12に取り付ける際、端板18を器具本体12の端部に被着することにより、端板18のかしめ部89が器具本体12の端板取付部30のかしめ孔34に一致し、かしめ部89をかしめ孔34にかしめることができる。端板18を器具本体12の端部に被着することで、器具本体12の端面で端板18の位置が規制されるため、端板18のかしめ部89は、連結部材取付部28のかしめ孔31まで届かず、間違って連結部材取付部28のかしめ孔31にかしめることはない。
【0053】
端板18には、器具本体12に取り付けられた光源13のキャップ46が当接する係止部90が設けられている。
【0054】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0055】
図12および図13に、3つの器具本体12a,12b,12cを連結する場合を示す。
【0056】
一方の端の器具本体12aは、一端側に連結部材15およびガイド部材16がそれぞれ取り付けられ、他端側に端板18が取り付けられ、さらに、一端側近傍に補強部材17が取り付けられている。
【0057】
中間の器具本体12bは、一端側に連結部材15およびガイド部材16がそれぞれ取り付けられているとともに、他端側に連結部材15が取り付けられ、さらに、両端近傍に補強部材17がそれぞれ取り付けられている。
【0058】
他方の端の器具本体12cは、一端側に端板18が取り付けられ、他端側に連結部材15が取り付けられ、さらに、他端側近傍に補強部材17が取り付けられている。
【0059】
そして、図1ないし図4において、複数の器具本体12の連結について説明する。なお、図には器具本体12aの第1の端部23aと器具本体12bの第2の端部23bとの連結を示し、以下、器具本体12aの第1の端部23aに取り付けられている連結部材15の符号を15aとし、器具本体12bの第2の端部23bに取り付けられている連結部材15の符号を15bとして説明する。
【0060】
器具本体12aの第1の端部23aと器具本体12bの第2の端部23bとを互いに近付けていくと、まず、器具本体12aから突出しているガイド部材16が器具本体12bの本体部21内に挿入され、器具本体12aと器具本体12bとの連結方向が位置決めされる。
【0061】
さらに、器具本体12aの第1の端部23aと器具本体12bの第2の端部23bとを互いに近付けていくと、図3に示すように、連結部材15aの係合部72が器具本体12bの反射板部22と連結部材15bの被係合部74との間に差し込まれ、連結部材15aの突出部71が器具本体12bの反射板部22の裏面側に嵌り込むとともに、連結部材15aの立上げ部68が器具本体12bの側面部26と折返し部27との間に挿入される。
【0062】
反射板部22と被係合部74の挟持部75との間は、突出部71の厚みよりも小さい隙間が形成されているか、挟持部75が器具本体12の上面に接触しているため、連結部材15aの係合部72は器具本体12bの反射板部22と連結部材15bの被係合部74との間に圧入されることになり、器具本体12a,12bの連結状態が保持される。
【0063】
そして、器具本体12aの第1の端部23aと器具本体12bの第2の端部23bとが当接し、器具本体12aと器具本体12bとが連結される。
【0064】
また、施工時において、例えば、器具本体12aを天井に設置し、この器具本体12aに連結しながら器具本体12bを天井に設置し、さらに、この器具本体12bに連結しながら器具本体12cを天井に設置する。また、器具本体12c,12b,12aの順序で設置してもよく、あるいは器具本体12b,12a,12cまたは器具本体12b,12c,12aの順序で設置してもよい。
【0065】
天井に設置された器具本体12a,12b,12cの電源装置14に電源線をそれぞれ接続し、電源装置14と光源13とをそれぞれ電気的に配線し、光源13を器具本体12a,12b,12cにそれぞれ取り付ける。
【0066】
光源13を器具本体12a,12b,12cに取り付けるには、取付機構47の取付ばね55を器具本体12a,12b,12cの取付部材54に引っ掛け、光源13を押し上げることにより、取付ばね55の弾性によって、器具本体12a,12b,12cに対して光源13を引き上げて取り付けている。光源13の取付状態では、透光カバー45の当接部52が器具本体12a,12b,12cの下面に当接し、かつ、器具本体12a,12b,12cの連結部分ではキャップ46がガイド部材16に当接するとともに、両端の光源13の外端側のキャップ46は端板18の係止部90に当接する。これにより、光源13ががたつきなく器具本体12a,12b,12cに取り付けられる。
【0067】
本実施形態の照明装置10は、互いに連結する器具本体12の端部に連結部材15をそれぞれ取り付けておくことにより、施工時において、器具本体12を簡単に連結でき、施工性を向上できる。
【0068】
しかも、連結部材15は、一端側に係合部72、他端側に被係合部74を有し、これら係合部72および被係合部74を器具本体12の長手方向の一端側および他端側にそれぞれ向けて器具本体12の端部にそれぞれ取り付けることにより、器具本体12の端部間を連結できるため、連結部材15を共通化でき、コスト低減を図ることができる。
【0069】
さらに、連結部材15は一端側に突出部71を有するとともに他端側に窪み部73を有し、互いに連結する器具本体12のうちの一方の器具本体12の一端側の連結部材取付部28に連結部材15が取り付けられた状態で、突出部71が一方の器具本体12の一端側から突出され、かつ、他方の器具本体12の他端側の連結部材取付部28に連結部材15が取り付けられた状態で、窪み部73が他方の器具本体12の他端側よりも内側に位置し、一方の器具本体12から突出する突出部71が他方の器具本体12の他端側に係合可能とするため、一方の器具本体12と他方の器具本体12とをずれなく連結することができる。
【0070】
また、係合部72および被係合部74はそれぞれ突出部71および窪み部73に設けられ、係合部72は被係合部74と器具本体12との間に係合するため、器具本体12の連結状態を保持できる。
【0071】
また、器具本体12は、連結部材取付部28とともに端板18を取り付ける端板取付部30を有するため、端部に配置される器具本体12(12a,12c)および中間部に配置される器具本体12(12b)にかかわらず、器具本体12を共通化でき、コストを低減することができる。
【0072】
また、連結部材15は、器具本体12にかしめ構造のみで取り付けられているため、ねじ等の部品が不要で、部品点数を削減できる。
【0073】
また、端部が互いに連結される器具本体12のうちの一方の器具本体12の端部からガイド部材16が突設され、これガイド部材16が係合部72と被係合部74とが係合する前に他方の器具本体12に嵌り込むため、器具本体12を連結する際に、器具本体12の連結方向を位置決めでき、連結作業を容易にできる。
【0074】
さらに、光源13はガイド部材16に当接して器具本体12に取り付けられるため、光源13を位置決めできる。また、ガイド部材16は隣接する光源13も当接するため、部材数を削減できる。
【0075】
また、連結部材15は、器具本体12の本体部21および反射板部22に亘って設けられているとともに、反射板部22の位置に対応して係合部72および被係合部74が設けられているため、連結する器具本体12の反射板部22でのずれを防止できる。さらに、ガイド部材16は、本体部21に設けられているため、連結する器具本体12を確実に位置決めできる。
【0076】
また、上述したように、器具本体12の連結部材取付部28のかしめ孔31および連結部材15のかしめ部64を、それぞれ器具本体12の幅方向に偏らせていることにより、器具本体12に対する連結部材15の取付方向が正しい場合のみかしめることができ、器具本体12に対する連結部材15の取付方向の間違いを防止できる。さらに、器具本体12の連結部材取付部28のかしめ孔31の一方および連結部材15のかしめ部64の一方の向きを、それぞれ端板取付部30のかしめ孔34に対するかしめに適合しない向きとしているため、連結部材15を端板取付部30に間違って取り付けてしまうのを防止することができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10 照明装置
12 器具本体
13 光源
15 連結部材
16 ガイド部材
21 本体部
22 反射板部
28 連結部材取付部
71 突出部
72 係合部
73 窪み部
74 被係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13