(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について図を用いて説明する。
図1は、投影装置10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、投影装置10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とは投影装置10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0017】
そして、投影装置10は、
図1に示すように、略直方体形状であって、投影装置10の筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の排気孔17を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0018】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源装置や表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0019】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子(群)20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、
図1に示した側板である左側パネル15や正面パネル12には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部や背面パネルには、吸気孔18も形成されている。
【0020】
次に、投影装置10の投影装置制御部について
図2の機能ブロック図を用いて述べる。投影装置制御部は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0021】
この制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPU、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0022】
そして、この投影装置制御部により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換されたあと、表示エンコーダ24に出力される。
【0023】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0024】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。そして、この投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を後述の光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0025】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0026】
さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0027】
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0028】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0029】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、励起光源や赤色光源装置から所定のタイミングで赤色、緑色及び青色の波長帯域光を発光させる個別の制御を行う。
【0030】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置10本体の電源オフ後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置10本体の電源をオフにする等の制御も行う。
【0031】
次に、この投影装置10の内部構造について
図3に基づいて述べる。
図3は、投影装置10の内部構造を示す平面模式図である。投影装置10は、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、投影装置10は、制御回路基板241の側方、つまり、投影装置10筐体の略中央部分に光源装置60を備えている。さらに、投影装置10は、光源装置60と左側パネル15との間に、光源側光学系170や投影側光学系220が配置されている。
【0032】
光源装置60は、赤色波長帯域光の光源とされる赤色光源装置120と、青色波長帯域光の光源とされる青色光源装置であって、励起光源ともされる励起光照射装置70と、緑色波長帯域光の光源とされる緑色光源装置80と、を備える。緑色光源装置80は、励起光照射装置70と、光学ホイール装置100とにより構成される。そして、光源装置60には、赤、緑、青の各色波長帯域光を導光し、出射する導光光学系140が配置されている。導光光学系140は、各色光源装置から出射される各色波長帯域光をライトトンネル175の入射口に集光する。
【0033】
緑色光源装置80を構成する励起光源である励起光照射装置70は、投影装置10筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される。そして、励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の半導体発光素子である青色レーザダイオード71から成る光源群、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75、反射ミラー群75で反射した各青色レーザダイオード71からの出射光を集光する集光レンズ78、及び、青色レーザダイオード71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81等を備える。
【0034】
光源群は、複数の青色レーザダイオード71がマトリクス状に配列されて成る。また、各青色レーザダイオード71の光軸上には、各青色レーザダイオード71からの各出射光の指向性を高めるように各々平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてミラー基板76と一体化されて位置調整を行って生成され、青色レーザダイオード71から出射される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に出射する。
【0035】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって青色レーザダイオード71が冷却される。
【0036】
赤色光源装置120には、青色レーザダイオード71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの出射光を集光する集光レンズ群125と、が備えられる。この赤色光源121は、赤色波長帯域の光を発する半導体発光素子である赤色発光ダイオードである。そして、赤色光源装置120は、赤色光源装置120が出射する赤色波長帯域光の光軸が励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び光学ホイール101から出射される緑色波長帯域光の光軸と交差するように配置されている。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261及びヒートシンク130によって赤色光源121が冷却される。
【0037】
光学ホイール装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように配置された光学ホイール101と、この光学ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、励起光照射装置70から出射される励起光の光線束を光学ホイール101に集光するとともに光学ホイール101から背面パネル13方向に出射される光線束を集光する光学部品とされる集光レンズ群109を保持するバレル等のレンズホルダ107と、光学ホイール101から正面パネル12方向に出射される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。なお、ホイールモータ110と正面パネル12との間にはヒートシンク262が配置されており、このヒートシンク262によって光学ホイール装置100等が冷却される。
【0038】
光学ホイール101は、
図4に示されるように、円板状に形成される。そして、光学ホイール101の基材102は、銅やアルミニウム等からなる金属基材である。基材102は、ホイールモータ110のモータ軸114に固定される。この基材102の正面側、すなわち励起光照射装置70側の表面には、環状の溝が形成される。そして、この溝の底部は、銀蒸着等によってミラー加工される。蛍光発光領域103は、このミラー加工された溝の表面に緑色蛍光体の層が敷設されてなる。さらに、拡散透過領域104は、基材102の切り抜き透孔部に、表面をサンドブラスト等で微細凹凸を形成した透明基材が嵌入されてなる。このようにして、蛍光発光領域103と拡散透過領域104は円周方向に並設される。
【0039】
蛍光発光領域103の蛍光体層に励起光照射装置70からの励起光としての青色波長帯域光が照射されると、緑色蛍光体が励起され、この緑色蛍光体から全方位に緑色波長帯域光が出射される。蛍光発光された光線束は、
図3に示す光学ホイール101の正面側(換言すれば、背面パネル13側)へ出射され、集光レンズ群109を備えるレンズホルダ107に入射する。一方、光学ホイール101における拡散透過領域104に入射された励起光照射装置70からの青色波長帯域光は、光学ホイール101を拡散透過され、光学ホイール101の背面側(換言すれば、正面パネル12側)に配置された集光レンズ115に入射する。
【0040】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、導光光学系140には、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光及び光学ホイール101から出射される緑色波長帯域光と、赤色光源装置120から出射される赤色波長帯域光とが交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射して、この緑色波長帯域光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0041】
また、光学ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射して、この青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。第一反射ミラー143における左側パネル15側には、集光レンズ146が配置され、さらにこの集光レンズ146の左側パネル15側には、第二反射ミラー145が配置されている。第二反射ミラー145の背面パネル13側には、集光レンズ147が配置されている。第二反射ミラー145は、第一反射ミラー143により反射され、集光レンズ146を介して入射される青色波長帯域光の光軸を背面パネル13側に90度変換する。
【0042】
また、第一ダイクロイックミラー141の左側パネル15側には、集光レンズ149が配置されている。さらに、集光レンズ149の左側パネル15側であって、集光レンズ147の背面パネル13側には、第二ダイクロイックミラー148が配置されている。第二ダイクロイックミラー148は、赤色波長帯域光及び緑色波長帯域光を反射して背面パネル13側に90度光軸を変換し、青色波長帯域光を透過させる。
【0043】
第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸は、第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と一致される。第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光及び第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光は、共に集光レンズ149に入射される。そして、集光レンズ149を透過した赤色及び緑色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148により反射され、光源側光学系170の集光レンズ173を介してライトトンネル175の入射口に集光される。一方、集光レンズ147を透過した青色波長帯域光は、第二ダイクロイックミラー148を透過して、集光レンズ173を介してライトトンネル175の入射口に集光される。
【0044】
光源側光学系170は、集光レンズ173,ライトトンネル175,集光レンズ178,光軸変換ミラー181,集光レンズ183,照射ミラー185,コンデンサレンズ195により構成されている。なお、コンデンサレンズ195は、コンデンサレンズ195の背面パネル13側に配置される表示素子51から出射された画像光を固定レンズ群225及び可動レンズ群235に向けて出射するので、投影側光学系220の一部ともされている。
【0045】
ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。よって、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光は、集光レンズ173により集光され、ライトトンネル175に入射される。ライトトンネル175に入射された光線束は、ライトトンネル175により均一な強度分布の光線束とされる。
【0046】
ライトトンネル175の背面パネル13側の光軸上には、集光レンズ178を介して、光軸変換ミラー181が配置されている。ライトトンネル175の出射口から出射した光線束は、集光レンズ178で集光された後、光軸変換ミラー181により、左側パネル15側に光軸を変換される。
【0047】
光軸変換ミラー181で反射した光線束は、集光レンズ183により集光された後、照射ミラー185により、コンデンサレンズ195を介して表示素子51に所定の角度で照射される。なお、DMDとされる表示素子51は、背面パネル13側にヒートシンク190が設けられ、このヒートシンク190により表示素子51は冷却される。
【0048】
光源側光学系170により表示素子51の画像形成面に照射された光源光である光線束は、表示素子51の画像形成面で反射され、投影光として投影側光学系220を介してスクリーンに投影される。ここで、投影側光学系220は、コンデンサレンズ195,可動レンズ群235,固定レンズ群225により構成されている。固定レンズ群225は、固定鏡筒に内蔵される。可動レンズ群235は、可動鏡筒に内蔵され、レンズモータにより移動可能とされることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0049】
このように投影装置10を構成することで、光学ホイール101を回転させるとともに励起光照射装置70及び赤色光源装置120から異なるタイミングで光を出射すると、赤色、緑色及び青色の各波長帯域光が導光光学系140を介して集光レンズ173及びライトトンネル175に順次入射され、さらに光源側光学系170を介して表示素子51に入射されるため、投影装置10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を投影することができる。
【0050】
ここで、光学ホイール装置100を投影装置10に配置する場合、光学ホイール101とレンズホルダ107の集光レンズ群109との間隔が光学設計上重要になる。すなわち、光学ホイール101の正面側とレンズホルダ107の集光レンズ群109との間隔は、スクリーンに適切な画像光が出射されるよう設計されている。そして、光学ホイール101とレンズホルダ107の集光レンズ群109との間隔が設計値と僅かに異なれば、スクリーンに投影される画像に色ムラや照度ムラ等が発生する恐れがある。
【0051】
従って、本実施形態においては、以下に説明するように光学ホイール装置100を構成することにより、光学ホイール101とレンズホルダ107の集光レンズ群109との間隔が調整される。
図5は、光学ホイール装置100の組み付け状態をより具体的に示す平面図である。光学ホイール装置100のホイールモータ110は、モータベースプレート110aを介して支持部材112に固定されている。支持部材112には、縦板状に平面部を前後方向に向けて、ボルト118によりモータベースプレート110aと連結される連結部112aが形成されている。支持部材112は、連結部112aの投影方向に対する右端(図における左端)から前方に向けて突設される縦板状の制御盤支持部112bと、連結部112aの投影方向に対する左端(図における右端)から前方に向けて突設される縦板状の支持板部112cと、が形成されている。
【0052】
制御盤支持部112bには、投影方向に対する右側(図の左側)にモータ制御部113が設けられている。一方、支持板部112cの下端(
図7(a),(b)参照)からは、投影方向に対する左方(図の右方)に向けて平板状の固定部112dが延設されている。固定部112dには、ボルト108が挿通される長孔112eが2箇所に形成されている。各長孔112eは、その長軸方向が、モータ軸114の中心軸方向、つまりホイールモータ110の回転軸の方向(換言すれば、レンズホルダ107の集光レンズ群109から出射される光線束の光軸L)と平行となるように形成されている。
【0053】
一方、投影装置10には、
図5の二点鎖線で示すように、投影装置10の筐体と一体的に固定されている台座117が形成されている。そして、固定部112dの2箇所の長孔112eに挿通されるボルト108は、台座117に螺合して固定される。このようにして、支持部材112は台座117に固定されて、ホイールモータ110及び光学ホイール101が投影装置10に対して固定される。このようにして、台座117の上面は支持部材112の取付面とされている。そして、ボルト108を緩めれば、長孔112eがボルト108に対して相対的に移動することにより支持部材112を前後に移動させて、光学ホイール101の前後の位置を調整することができる。このようにして、光学ホイール装置100における光学ホイール101の位置調整部は、長孔112eとボルト108とにより形成される。
【0054】
さらに、支持部材112の固定部112dには、ガイド用長孔112fがボルト108用の長孔112eの右横に形成されている。ガイド用長孔112fも、その長軸方向がモータ軸114の中心軸方向(ホイールモータ110の回転軸の方向)と平行となるように形成されている。そして、台座117から立設されるガイドピン117aが、このガイド用長孔112fに挿通されている。従って、ガイド用長孔112fとガイドピン117aとにより、光学ホイール101の位置調整時における支持部材112の前後移動をガイドすることができる。
【0055】
また、前述の通り、投影装置10には、光学ホイール101の表面側に対向して、レンズホルダ107が設けられている。レンズホルダ107は、
図6にも示されるように、略矩形の箱状に形成されている。そして、レンズホルダ107の内部には、複数の集光レンズからなる集光レンズ群109が保持されている。レンズホルダ107の集光レンズ群109には、励起光照射装置70(
図3参照)からの励起光の光線束が光軸Lで入射され、光学ホイール101の蛍光発光領域103(
図4参照)上に照射される。そして、蛍光発光領域103により発光された蛍光光は、光軸をLとする集光レンズ群109により第一ダイクロイックミラー141に向けて出射される。
【0056】
図6に示すように、レンズホルダ107の下面からは、2つの固定ピン107aが下方に突出して形成されている。そして、
図7(b)に示すように、固定ピン107aは、投影装置10の筐体に固定されるベース部材119a及び板状のスペーサ119bに形成される孔部に挿通されて固定される。スペーサ119bは、レンズホルダ107を取り外すことにより、ベース部材119aに対して着脱可能とされている。またはスペーサを差し込むための図示しないボルトを緩めてスペースを作っても良い。そして、ベース部材119aとスペーサ119bとを備えて、レンズホルダ107の下面に設けられるレンズホルダ移動部が構成される。
【0057】
また、
図5及び
図6に示されるように、レンズホルダ107の一方面とされる光学ホイール101の表面と対向する面(レンズホルダ107の光学ホイール101側の面)には、ボス部107bが光学ホイール101側に向かって突出して形成されている。このボス部107bは、板金で形成しても良いし、レンズホルダ107、207自体に突起を形成してボス部107bとしても良い。ボス部107bは、レンズホルダ107の一方面における略中心位置上方に形成されている。ボス部107bにおけるレンズホルダ107の一方面からボス部107bの突端までの距離(すなわち、ボス部107bの高さ)は、光学ホイール101の基材102の表面(
図4参照)がボス部107bの突端と当接した際に、光学ホイール101の蛍光発光領域103の表面と集光レンズ群109とが適正な距離となるよう設定されている。
【0058】
次に、
図7(a),(b)に基づいて、レンズホルダ107の集光レンズ群109と光学ホイール101との距離を調整するための光学ホイール装置100の位置調整方法について説明する。この位置調整方法は、ベース部材119aに直接固定されるレンズホルダ107と対向して配置される光学ホイール101を、レンズホルダ107に対して接近させて、光学ホイール101に向けて突出してレンズホルダ107に設けられるボス部107bに当接させる工程と、レンズホルダ107をベース部材119aから取り外す工程またはスペーサを横から差し込むための図示しないボルトを緩めてスペースを作る工程と、レンズホルダ107をベース部材119aにスペーサ119bを介して取り付けて、ボス部107bを光学ホイール101の外周により形成される領域よりも外側に位置させる工程と、が含まれる。
【0059】
具体的には、まず、
図7(a)に示すように、レンズホルダ107の固定ピン107aをベース部材119aの孔部に挿通させて、レンズホルダ107を直接ベース部材119aに固定して、レンズホルダ107を仮置きする。このとき、ボス部107bの突端の一部は、光学ホイール101の外周により形成される領域の内側に位置されている。具体的には、ボス部107bの突端の一部は、光学ホイール101の蛍光発光領域103の径方向外周の面102aと当接可能な位置関係とされている。
【0060】
そして、ボルト108を緩めた状態で、支持部材112を、光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)に対して平行に、レンズホルダ107に向けて移動させる。このとき、ボス部107bの突端の一部に、基材102の面102aが当接する当接状態となるまで支持部材112をレンズホルダ107に向けて接近させるよう移動させる。ボス部107bの突端の一部と面102aが当接すると、光学ホイール101の表面(蛍光発光領域103の表面)と集光レンズ群109との距離は、光学設計上適正な距離となる。この位置で、ボルト108を締めて、支持部材112を台座117に固定する。
【0061】
ボルト108を締めた後、レンズホルダ107をベース部材119aから一度取り外す。またはスペーサを横から差し込むための図示しないボルトを緩めてスペースを作る。その後、スペーサ119bをベース部材119a上に載置する。そして、
図7(b)に示すように、スペーサ119bを介して、レンズホルダ107をベース部材119aに固定する。このとき、レンズホルダ107は、スペーサ119bの厚みT1の分だけ、光学ホイール101に対して
図7(b)の矢印D1で示す上方に移動している。そうすると、ボス部107bは、光学ホイール101の外周で形成される領域の外側に位置されることとなる。従って、光学ホイール101が回転しても、光学ホイール101とボス部107bは干渉しない非当接状態とされる。
【0062】
すなわち、ベース部材119a及びスペーサ119bを備えるレンズホルダ移動部により、ボス部107bが光学ホイール101の外周により形成される領域の内側から外側に位置されるように(換言すれば、ボス部107bが光学ホイール101の所定領域に当接した状態から非当接した状態に位置されるように)、レンズホルダ107は、光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)に対して直交方向に移動される。従って、簡単な構成で、容易に光学ホイール装置100の位置調整をすることができる。そしてこのとき、光学ホイール101の蛍光発光領域103に励起光の光軸が対応するように、レンズホルダ107は非当接した状態に移動されることとなる。
【0063】
(第二実施形態)
次に、
図8及び
図9(a),(b)に基づいて、本発明に係る第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と同様の部材や箇所には同じ符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。本実施形態においては、第一実施形態におけるレンズホルダ107に換えて、投影方向に対して右側面(図では左側面)から2つの固定ピン207aが突出されるレンズホルダ207とされている。レンズホルダ207には、集光レンズ群109が保持されている。レンズホルダ207は、略矩形箱状に形成されている。
【0064】
さらに、本実施形態においては、ベース部材219aは、投影装置10の筐体に縦板状に立設して設けられる。そして、ベース部材219aの平面部は、レンズホルダ207の右側面と対向して配置されている。ベース部材219aとレンズホルダ207の右側面との間にはスペーサ219bが設けられる。一方、レンズホルダ207の投影方向に対して右側面(図では左側面)には、上下2箇所に固定ピン207aが設けられている。固定ピン207aは、スペーサ219b及びベース部材219aに設けられる孔に挿通されて、レンズホルダ207はベース部材219aに固定される。レンズホルダ207を取り外せば、スペーサ219bはベース部材219aに対して着脱可能とされている。そして、ベース部材219aとスペーサ219bとを備えて、レンズホルダ移動部が構成されている。
【0065】
また、レンズホルダ207の一方面とされる光学ホイール101の表面と対向する面には、ボス部207bが光学ホイール101に向かって突出して形成されている。ボス部207bは、レンズホルダ207の一方面における略中心位置から投影方向に対して左側(図では右側)にずれた上方に形成されている(
図9(a),(b)参照)。本実施形態においても、ボス部207bの高さは、光学ホイール101の基材102の表面がボス部207bの突端と当接した際に、光学ホイール101の蛍光発光領域103の表面と集光レンズ群109とが適正な距離となるよう設定されている。
【0066】
本実施形態においても、前述の実施形態と同様に、レンズホルダ207の集光レンズ群109に対する光学ホイール101の位置調整を行うことができる。すなわち、
図9(a)に示すように、先ず、レンズホルダ207の投影方向に対して右側面(図では左側面)に設けられる固定ピン207aをベース部材219aに直接挿入して、レンズホルダ207をベース部材219aに直接固定して、仮配置する。このとき、ボス部207bの突端の一部は、光学ホイール101の外周により形成される領域の内側に位置される。具体的には、ボス部207bの突端の一部は、光学ホイール101の蛍光発光領域103の径方向外周の面102aと当接可能な位置関係とされている。
【0067】
そして、ボルト108を緩めて支持部材112及び光学ホイール101を光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)と平行にレンズホルダ207に向けて移動させる。すると、光学ホイール101の面102aとボス部207bの一部が当接される。このとき、光学ホイール101の表面(蛍光発光領域103の表面)と集光レンズ群109との距離は、光学設計上適正な距離となる。この位置で、ボルト108を締めて、支持部材112を台座117に固定する。
【0068】
その後、レンズホルダ207の右側面とベース部材219a間にスペーサ219bを挟み込んで、
図9(b)で示すように、スペーサ219bを介してレンズホルダ207をベース部材219aに固定する。このとき、レンズホルダ207は、スペーサ219bの厚み分だけ光学ホイール101に対して
図9(b)の矢印D2で示す投影方向に対して左方の径方向外方(図では右方の径方向外方)に移動する。すなわち、ベース部材219a及びスペーサ219bを備えるレンズホルダ移動部により、ボス部207bが光学ホイール101の外周により形成される領域の内側から外側に位置されるように(換言すれば、ボス部207bが光学ホイール101の所定領域に当接した状態から非当接した状態に位置されるように)、レンズホルダ207は、光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)に対して直交方向に移動される。従って、ボス部207bは、光学ホイール101の外周で形成される領域の外側に位置されることとなる。よって、光学ホイール101とボス部207bは干渉されない。
【0069】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態を
図10及び
図11に示す。本実施形態においても、第一実施形態と同じ部材や箇所には同じ符号を付して、その説明は省略又は簡略化する。本実施形態においては、光学ホイール装置100は、第一実施形態のレンズホルダ107に換えて、ボス部307b−1〜3を複数有するレンズホルダ307が備えられる。そして、レンズホルダ307の下面及び左右の側面にそれぞれ固定ピン307a−1〜3が、各側面に2個ずつ設けられている。
【0070】
本実施形態においても、ボス部307b−1〜3の高さは、それぞれ基材102の表面がボス部307b−1〜3と当接した際に、光学ホイール101の蛍光発光領域103の表面と集光レンズ群109とが光学設計上適正な距離となるよう設定されている。そして、レンズホルダ307の左右の側面及び下面にそれぞれ2個ずつ設けられる固定ピン307a−1〜3の何れかと、ボス部307b−1〜3の何れかを使用して、前述の調整方法と同様に、光学ホイール101の集光レンズ群109に対する位置を調整することができる。なお、
図11では、レンズホルダ307の下面に配置された、ベース部材319a及びスペーサ319bを備えるレンズホルダ移動部により位置調整がされる。
【0071】
このように、レンズホルダ307に複数のボス部307b−1〜3や固定ピン307a−1〜3を設けることにより、異なる製品であっても共通のレンズホルダ307を用いて、何れかのボス部307b−1〜3や固定ピン307a−1〜3を用いて光学ホイール101の位置調整をすることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態によっては限定されず、種々の変更を加えて実施することができる。例えば、レンズホルダ107,207,307は、固定ピン107a,207a,307a−1〜3によりベース部材119a,219a,319aに固定したが、これに限られず、ボルト等により固定するようにしても良い。
【0073】
また、レンズホルダ移動部は、ベース部材119a,219a,319a及びスペーサ119b,219b,319bを備えて構成したが、これに限られず、レンズホルダ107,207,307(ボス部107b,207b,307b−1〜3)を光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)に対して直交方向に移動させることができる機構であればよい。例えば、レンズホルダ107,207,307が載置されたテーブルを、ねじ機構によりスライドさせる機構とすることができる。同様に、光学ホイール101を移動させる位置調整部も、長孔112eとボルト108とによる構成に限定されない。
【0074】
また、本実施形態によれば、光学ホイール101とボス部107b,207b,307b−1〜3は、ボス部107b,207b,307b−1〜3の突端の一部で当接させているが、突端の全部で光学ホイール101と当接させるようにしても良い。なお、光学ホイール101におけるボス部107b,207b,307b−1〜3の当接部位は、面102aのように、画像形成に影響の無い面が望ましい。
【0075】
なお、各上記実施形態において、レンズホルダ107,207,307は、スペーサ119b,219b,319bを差し込んだ調整位置と、スペーサ119b、219b,319bを取り除いた最終の固定位置とを採るとした。しかし、レンズホルダ107、207,307が励起光の光軸Lと垂直な方向(ホイールモータの回転軸の方向と垂直な方向)に移動可能であり、レンズホルダ107、207,307を、調整位置での仮固定及び最終の固定位置での固定ができれば、スペーサ119b、219b,319bは無くても構わない。
【0076】
また、各上記実施形態においては、ボス部107b,207b,307b−1〜3を、光学ホイール101の外周より内側に対応する領域から光学ホイール101の外周より外側に対応する領域に移動することで、ボス部107b,207b,307b−1〜3が光学ホイール101に当接しないようにした。しかし、これに限らない。例えば、光学ホイールの外周より内側に段差部を形成することで、ボス部が、光学ホイールの内側に対応する領域の光学ホイールに当接した状態から、光学ホイールの内側に対応する領域の光学ホイールに当接しない非当接した状態に移動するようにしても良い。このようにして、光学ホイール101の蛍光発光領域103に励起光の光軸が対応するように、レンズホルダを非当接した状態に移動するようにしてもよい。
【0077】
以上、本発明に係る実施形態によれば、光学ホイール装置100は、光学ホイール101と、ホイールモータ110と、光学部品である集光レンズ群109を有してボス部107b,207b,307b−1〜3が設けられるレンズホルダ107,207,307が備えられる。そして、位置調整手段は、レンズホルダ107,207,307から出射される光線束の光軸Lに対して平行(すなわち、ホイールモータ110の回転軸の方向)に光学ホイール101を移動させる。また、レンズホルダ移動部は、ボス部107b,207b,307b−1〜3が光学ホイール101の所定領域に当接した状態から非当接した状態に位置されるよう光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)に対して直交方向にレンズホルダ107,207,307を移動させる。
【0078】
これにより、光学ホイール101のレンズホルダ107,207,307に対する位置調整は、ボス部107b,207b,307b−1〜3に光学ホイール101の面を当接させるだけで、容易にすることができる。ボス部107b,207b,307b−1〜3と光学ホイール101を当接させた後、レンズホルダ移動部によりレンズホルダ107,207,307を光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)に対して直交方向に移動させて、ボス部107b,207b,307b−1〜3が光学ホイール101の所定領域と当接した状態から非当接した状態に位置させる。従って、ボス部107b,207b,307b−1〜3と光学ホイール101との干渉も回避することができる。
【0079】
また、光学ホイール101の外周より内側に段差部を形成して、ボス部107b,207b,307b−1〜3が光学ホイール101の所定領域に非当接した状態を光学ホイール101の内側に対応する領域の光学ホイール101にボス部107b,207b,307b−1〜3が当接しない状態とすることもできる。又は、光学ホイール101の外周より外側に対応する領域にボス部107b,207b,307b−1〜3を位置させて非当接の状態とすることもできる。これにより、光学ホイール装置100周辺の機器の配置状況に合わせて光学ホイール装置100を構成することができる。
【0080】
また、レンズホルダ移動部は、レンズホルダ107,207,307の側面とベース部材119aとがスペーサ119bを介して固定される。従って、レンズホルダ移動部は2枚のプレート(ベース部材119a及びスペーサ119b)を備えた簡単な構成とすることができる。
【0081】
また、レンズホルダ移動部は、レンズホルダ107,307の下面に設けられるベース部材119a,319aとスペーサ119b,319bにより構成される。これにより、光学ホイール101の位置調整の際にレンズホルダ107の取付け、取り外しを容易にすることができる。
【0082】
また、位置調整部は、ホイールモータ110を支持する支持部材に設けられる。これにより、光学ホイール101の位置調整作業がしやすい位置調整部を形成することができる。
【0083】
また、位置調整部は、光軸L(ホイールモータ110の回転軸の方向)と平行な長軸を備えて支持部材112に設けられる長孔112eと、この長孔112eに挿通されて支持部材112を取付面に固定するボルト108とを有する。これにより、ボルト108を緩めたり締めたりすることにより、容易に光学ホイール101の位置を調整することができる。
【0084】
また、ボス部307b−1〜3は、レンズホルダ307に複数設けられる。これにより、レンズホルダ307を共通部品として、種々の形態の光学ホイール装置100にレンズホルダ307を用いても、容易に光学ホイール101の位置調整作業を行うことができる。
【0085】
また、光源装置60は、励起光照射装置70と、励起光照射装置70からの励起光により蛍光光を発光する蛍光発光領域103を有する光学ホイール101を備える光学ホイール装置100を有する。これにより、蛍光発光領域103を有する光学ホイール101の位置調整において、隙間ゲージ等を用いる必要がなくなるので、傷つきやすく剥がれやすい蛍光体層の破損を低減させることができる。よって、光源装置60は、欠損の無い蛍光体層から適切な蛍光光を得ることができるので、明るい光源光を出射することができる。
【0086】
また、光源装置60は、蛍光発光領域103に対して円周方向に並設されて励起光を拡散透過させる拡散透過領域を有して緑色波長帯域光が発光される光学ホイール装置100と、青色波長帯域光を出射する青色レーザダイオード71により構成される励起光照射装置70と、赤色光源装置120と、を有する。これにより、光学ホイール101の位置調整の作業性を向上させ、各色波長帯域光を出射可能に形成された光源装置60を提供することができる。
【0087】
また、光学ホイール101の蛍光発光領域103に励起光の光軸が対応するようにレンズホルダ107,207,307を、ボス部107b,207b,307b−1〜3が光学ホイール101の所定領域と当接した状態から非当接した状態になるよう移動させる。これにより、励起光を蛍光発光領域103に確実に照射させることができる。
【0088】
また、投影装置10は、光源装置60と、表示素子51と、投影側光学系220と、投影装置制御部を有する。これにより、光学ホイール101の位置調整の作業性を向上させて製造コストを低減させ、光学ホイール101に備えられた光学要素の破損等を低減した投影装置10を提供することができる。
【0089】
また、光学ホイール装置100の位置調整方法は、光学部品である集光レンズ群109が保持されてベース部材119aに直接固定されるレンズホルダ107,207,307に対して光学ホイール101を接近させて、ボス部107b,207b,307b−1〜3に当接させる。その後、レンズホルダ107,207,307をベース部材119aから取り外して、ベース部材119aにスペーサ119bを取り付けることによりボス部107b,207b,307b−1〜3を光学ホイールの外周により形成される領域よりも外側に位置させる。
【0090】
これにより、光学ホイール101と光学部品である集光レンズ群109との距離を適切に調整することができるので、調整作業を容易にして、製品品質を向上させることができる。
【0091】
また、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0092】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]光学ホイールと、
前記光学ホイールを回転駆動するホイールモータと、
光学部品を保持して前記光学ホイールと対向して配置され、前記光学ホイールに向けて突出するボス部を有するレンズホルダと、
前記ホイールモータの回転軸の方向に前記光学ホイールを移動させる位置調整部と、
前記ボス部が前記光学ホイールの所定領域に当接した状態から非当接した状態に位置されるよう前記レンズホルダを前記ホイールモータの回転軸に対して直交方向に移動させるレンズホルダ移動部と、
を有することを特徴とする光学ホイール装置。
[2]前記光学ホイールの外周より内側に段差部が形成されており、前記非当接した状態は、前記光学ホイールの内側に対応する領域の前記光学ホイールに前記ボス部が当接しない状態である、
又は、前記非当接した状態は、前記光学ホイールの外周より外側に対応する領域に前記ボス部が位置する状態であることを特徴とする前記[1]に記載の光学ホイール装置。
[3]前記レンズホルダ移動部は、前記レンズホルダの側面と固定されるベース部材と、前記レンズホルダと前記ベース部材間に着脱可能に設けられるスペーサと、を備えることを特徴とする前記[1]又は前記[2]に記載の光学ホイール装置。
[4]前記レンズホルダ移動部は、前記レンズホルダの下面に設けられることを特徴とする前記[3]に記載の光学ホイール装置。
[5]前記位置調整部は、前記ホイールモータを支持する支持部材に設けられることを特徴とする前記[1]乃至前記[4]の何れか記載の光学ホイール装置。
[6]前記位置調整部は、前記ホイールモータの回転軸の方向と平行な長軸を備えて前記支持部材に設けられる長孔と、前記長孔に挿通されて前記支持部材を取付面に固定するボルトと、を有することを特徴とする前記[5]に記載の光学ホイール装置。
[7]前記ボス部は、前記レンズホルダに複数設けられることを特徴とする前記[1]乃至前記[6]の何れか記載の光学ホイール装置。
[8]前記[1]乃至前記[7]の何れか記載の光学ホイール装置と、
半導体発光素子により構成され、励起光を出射する励起光照射装置と、
を有し、
前記光学ホイールは、励起光が照射されることにより蛍光光を発光する蛍光発光領域を有することを特徴とする光源装置。
[9]前記光学ホイールは、前記蛍光発光領域に対して円周方向に並設されて前記励起光照射装置からの出射光を拡散透過させる拡散透過領域を有し、
前記蛍光発光領域は、前記蛍光光として緑色波長帯域光を発光し、
半導体発光素子により構成された赤色光源装置を備え、
前記励起光照射装置は、前記半導体発光素子により青色波長帯域光を出射することを特徴とする前記[8]に記載の光源装置。
[10]前記光学ホイールの前記蛍光発光領域に前記励起光の光軸が対応するように前記レンズホルダを前記非当接した状態に移動することを特徴とする前記[9]に記載の光源装置。
[11]前記[8]乃至前記[10]に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記表示素子と、前記光源装置を制御する投影装置制御部と、
を有することを特徴とする投影装置。
[12]光学部品が保持されてベース部材に直接固定されるレンズホルダと対向して配置される光学ホイールを、前記レンズホルダに対して接近させて、前記光学ホイールに向けて突出して前記レンズホルダに設けられるボス部に当接させる工程と、
前記レンズホルダを前記ベース部材から取り外す工程と、
前記レンズホルダを前記ベース部材にスペーサを介して取り付けて、前記ボス部を前記光学ホイールの外周により形成される領域よりも外側に位置させる工程と、
を含むことを特徴とする光学ホイール装置の位置調整方法。