(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光透過領域が行方向もしくは列方向のうち何れかの一方向に沿って直線状に並ぶようにして前記第1の透明基板上に縦横に配置されており、前記導電性パターンが直線状の形状であり、前記光透過領域が直線状に配置された方向に対する前記直線状の導電性パターンの角度が0°より大きく90°以下の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子。
外部からの信号に応じて前記導電性パターン及び前記透明導電膜に印加する電圧を調整し、前記導電性パターン及び前記透明導電膜のそれぞれの極性を変化させる電圧印加制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の光学素子。
前記導電性パターンに対する前記透明導電膜の相対電位を前記電気泳動粒子の表面電荷と同じ極性にし、前記電気泳動粒子を前記導電性パターンの表面近傍に集めることで、
前記第1の透明基板の表面において、前記導電性パターンが配置されていない領域には前記電気泳動粒子がない状態とすることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
前記光透過領域が行方向もしくは列方向のうち何れかの一方向に沿って直線状に並ぶようにして前記第1の透明基板上に縦横に配置されており、前記導電性パターンと前記透明導電性パターンが直線状の形状であり、前記光透過領域が直線状に配置された方向に対する前記導電性パターン及び前記透明導電性パターンの角度が0°より大きく90°以下の範囲であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の光学素子。
外部からの信号に応じて前記導電性パターン,前記透明導電性パターン及び前記透明導電膜に印加する電圧を調整し、前記導電性パターン,前記透明導電性パターン及び前記透明導電膜のそれぞれの極性を変化させる電圧印加制御手段を有することを特徴とする請求項9乃至請求項14の何れか1つに記載の光学素子。
前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ,無機ELディスプレイ,LEDディスプレイ,フィールドエミッションディスプレイ,ブラウン管,蛍光表示管の何れかであることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の表示装置。
前記光学素子は、前記導電性パターンもしくは前記透明導電性パターンと前記透明導電膜の間の電位差によって前記電気泳動粒子の分散状態を変化させることで、前記光透過領域及び前記分散材を透過する光の出射方向の範囲が変化することを特徴とする請求項24に記載の照明装置。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1の光学素子を狭視野モードの状態で示した図で、
図1(a)は光学素子の表示面と直交する面で光学素子を切断して示した縦断面図、また、
図1(b)は其の表示面を法線方向から示した表面図である。
【
図2】実施形態1の光学素子を広視野モードの状態で示した図で、
図2(a)は光学素子の表示面と直交する面で光学素子を切断して示した縦断面図、また、
図2(b)は其の表示面を法線方向から示した表面図である。
【
図3】実施形態1の光学素子の製造方法を段階を追って示す断面図であり、
図3(a)は導電性パターンを透明基板の表面に形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図3(b)は透明感光性樹脂層を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図3(c)は透明感光性樹脂層を露光する工程について簡略化して示した縦断面図、
図3(d)は互いに離間した複数の光透過領域を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図3(e)は光透過領域の表面上に透明導電膜を備えた透明基板を配置する工程について簡略化して示した縦断面図、
図3(f)は電気泳動素子を充填する工程について簡略化して示した縦断面図である。
【
図4】実施形態1の光学素子の別の製造方法を段階を追って示す断面図であり、
図4(a)は導電性パターンを透明基板の表面に形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図4(b)は透明感光性樹脂層を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図4(c)は透明感光性樹脂層を露光する工程について簡略化して示した縦断面図、
図4(d)は互いに離間した複数の光透過領域を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図4(e)は電気泳動素子を充填する工程について簡略化して示した縦断面図、
図4(f)は光透過領域の表面上に透明導電膜を備えた透明基板を配置する工程について簡略化して示した縦断面図である。
【
図5】実施形態1の光学素子の更に別の製造方法を段階を追って示す断面図であり、
図5(a)は透明基板の表面に透明導電膜を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図5(b)は透明導電膜の上に透明感光性樹脂層を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図5(c)はマスクパターンを用いて透明感光性樹脂層をパターニングする工程について簡略化して示した縦断面図、
図5(d)は現像を実施して光透過領域を形成する工程について簡略化して示した縦断面図、
図5(e)は光透過領域の上に他の透明基板を配置する工程について簡略化して示した縦断面図、
図5(f)は透明基板と他の透明基板の間の空隙に電気泳動素子を充填する工程について簡略化して示した縦断面図である。
【
図6】実施形態2の光学素子を示す縦断面図であり、
図6(a)では狭視野モードにおける光学素子の状態について、また、
図6(b)では広視野モードにおける光学素子の状態について示している。
【
図7】実施形態3の光学素子を示す縦断面図であり、
図7(a)では狭視野モードにおける光学素子の状態について、また、
図7(b)では広視野モードにおける光学素子の状態について示している。
【
図8】実施形態1の光学素子の広視野モードにおける電気泳動粒子の凝集の様子を示した図で、
図8(a)は其の平面図、また、
図8(b)は其の縦断面図である。
【
図9】実施形態1の光学素子における光透過領域と導電性パターンの位置関係を示す平面図であり、
図9(a)では上下の面が正方形となる光透過領域を配置した場合の例について、また、
図9(b)では上下の面が長方形となる光透過領域を配置した場合の例について示している。
【
図10】実施形態1の光学素子における光透過領域と導電性パターンの位置関係を示す斜視図であり、
図10(a)では上下の面が正方形となる光透過領域を配置した場合の例について、また、
図10(b)では上下の面が長方形となる光透過領域を配置した場合の例について示している。
【
図11】実施形態1の光学素子における光透過領域と導電性パターンの位置関係を示す平面図であり、
図11(a)では上下の面が正方形となる光透過領域を配置した場合の他の例について、
図11(b)では上下の面が長方形となる光透過領域を配置した場合の他の例について、また、
図11(c)では上下の面が長尺の長方形となる光透過領域を幅方向に離間させて配置した場合の例について示している。
【
図12】実施形態1の光学素子における光透過領域と導電性パターンの位置関係を示す斜視図であり、
図12(a)では上下の面が正方形となる光透過領域を配置した場合の他の例について、
図12(b)では上下の面が長方形となる光透過領域を配置した場合の他の例について、また、
図12(c)では上下の面が長尺の長方形となる光透過領域を幅方向に離間させて配置した場合の例について示している。
【
図13】実施形態4の光学素子を示す縦断面図であり、
図13(a)では狭視野モードにおける光学素子の状態について、また、
図13(b)では広視野モードにおける光学素子の状態について示している。
【
図14】実施形態4の光学素子における光透過領域と導電性パターンと透明導電性パターンの位置関係を示す図であり、
図14(a)は実施形態4における光透過領域と導電性パターンおよび透明導電性パターンの配置を示した平面図、また、
図14(b)は其の斜視図である。
【
図15】実施形態4の光学素子において導電性パターンと透明導電性パターンの表面に保護カバー膜を形成した構造の断面図であり、
図15(a)では狭視野モードにおける光学素子の状態について、また、
図15(b)では広視野モードにおける光学素子の状態について示している。
【
図16】実施形態4の光学素子において導電性パターンおよび透明導電性パターンの表面と透明導電膜表面の両方に保護カバー膜を形成した構造の断面図であり、
図16(a)では狭視野モードにおける光学素子の状態について、また、
図16(b)では広視野モードにおける光学素子の状態について示している。
【
図17】関連技術の光学素子の動作原理を示す縦断面図であり、
図17(a)は狭視野モードにおける電気泳動素子の状態について、また、
図17(b)は広視野モードにおける電気泳動素子の状態について示している。
【
図18】関連技術の光学素子の構成を示す縦断面図である。
【
図19】其の他の実施形態における光学素子を表示画面に設けた表示装置の構成を示す断面図である。
【
図20】其の他の実施形態における光学素子を表示画面に固定した表示装置の構成を示す断面図である。
【
図21】其の他の実施形態における光学素子を内部に搭載する表示装置の構成を示す縦断面図である。
【
図22】其の他の実施形態における光学素子を内部に固定した表示装置の構成を示す断面図である。
【
図23】其の他の実施形態における光学素子を搭載する照明装置の構成を示す断面図である。
【
図24】関連技術の光学素子における狭視野モードでの電気泳動粒子の状態を示す図であり、
図24(a)は電気泳動素子の状態について光学素子の表示面の法線方向から見た表面図、また、
図24(b)は電気泳動素子の状態について光学素子の表示面と直交する面で光学素子を切断して示した縦断面図である。
【
図25】関連技術の光学素子における広視野モードでの電気泳動粒子の状態を示す図であり、
図25(a)は電気泳動素子の状態について光学素子の表示面の法線方向から見た表面図、また、
図25(b)は電気泳動素子の状態について光学素子の表示面と直交する面で光学素子を切断して示した縦断面図である。
【
図26】実施形態1の光学素子における導電性パターンと透明導電膜の電位の状態を示す断面図であり、
図26(a)では狭視野モードとする際の電位の状態について、
図26(b)では電気泳動粒子の表面電荷が(−)の場合において広視野モードとする際の電位の状態について、
図26(c)では電気泳動粒子の表面電荷が(+)の場合において広視野モードとする際の電位の状態について示している。
【
図27】其の他の実施形態における電子機器を示す図であり、
図27(a)はタッチパネルにより入力する機器、また、
図27(b)はタッチパネルとキーボードとマウスにより入力する機器について示している。
【
図28】実施形態1の光学素子において導電性パターンと光透過領域の相対的な位置がずれた場合を示す縦断面図である。
【
図29】実施形態4の光学素子における導電性パターンと透明導電性パターンと透明導電膜の電位の様子を示す断面図であり、
図29(a)では狭視野モードとする際の電位の状態について、
図29(b)では電気泳動粒子の表面電荷が(−)の場合において広視野モードとする際の電位の状態について、
図29(c)では電気泳動粒子の表面電荷が(+)の場合において広視野モードとする際の電位の状態について示している。
【
図30】実施形態4の光学素子において導電性パターンおよび透明導電性パターンと光透過領域の相対的な位置がずれた場合を示す縦断面図である。
【
図31】実施形態1の光学素子における光透過領域と導電性パターンの位置関係を示す平面図であり、
図31(a)では上下の面が正方形となる光透過領域を配置した場合の例について、また、
図31(b)では上下の面が長方形となる光透過領域を配置した場合の例について示している。
【
図32】実施形態1の光学素子における光透過領域と導電性パターンの位置関係を示す斜視図であり、
図32(a)では上下の面が正方形となる光透過領域を配置した場合の例について、また、
図32(b)では上下の面が長方形となる光透過領域を配置した場合の例について示している。
【
図33】実施形態4の光学素子における光透過領域と導電性パターンと透明導電性パターンの位置関係を示す図であり、
図33(a)は実施形態4における光透過領域と導電性パターンおよび透明導電性パターンの配置を示した平面図、また、
図33(b)は其の斜視図である。
【
図34】実施形態1の光学素子における電気泳動粒子の移動の様子を示す平面図であり、
図34(a)では光透過領域が直線状に並んだ方向と同じ向きに直線状の導電性パターンを配置した場合の例について、また、
図34(b)では光透過領域が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターンを配置した場合の例について示している。
【
図35】実施形態4の光学素子における電気泳動粒子の移動の様子を示す平面図であり、
図35(a)では光透過領域が直線状に並んだ方向と同じ向きに直線状の導電性パターン及び透明導電性パターンを配置した場合の例について、また、
図35(b)では光透過領域が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン及び透明導電性パターンを配置した場合の例について示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いる。図面に描かれた形状は、実際の寸法および比率とは必ずしも一致していない。
【0017】
[実施形態1]
図1は実施形態1の光学素子200を狭視野モードの状態で示した図で、
図1(a)は光学素子200の表示面と直交する面で光学素子200を切断して示した縦断面図、また、
図1(b)は其の表示面を法線方向から示した表面図である。また、
図2は同実施形態1の光学素子200を広視野モードの状態で示した図で、
図2(a)は光学素子200の表示面と直交する面で光学素子200を切断して示した縦断面図、また、
図2(b)は其の表示面を法線方向から示した表面図である。以下、実施形態1の光学素子の詳細を説明する。
【0018】
実施形態1の光学素子200は、第1の透明基板110と、第1の透明基板110に対向して存在する第2の透明基板115と、第1の透明基板110の表面から第2の透明基板115の表面に達するように、それぞれ離間して配置された複数の光透域領域120と、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部で第1の透明基板110の表面に配置された導電性パターン250と、第2の透明基板115の第1の透明基板110に対する面に配置した透明導電膜125と、隣接する光透過領域120の間に配置された電気泳動素子140とを備えている。
光透過領域120は、その下面121と上面122がそれぞれ透明基板110と第2の透明基板115に達するように設けられた構造体(透明樹脂パターン)である。以下の実施形態でも、この点は同様である。
電気泳動素子140は、特定の電荷を帯びた遮光性の電気泳動粒子141と透過性の分散材142とから成る混合物である。
より具体的には、実施形態1の光学素子200は、第1の透明基板110と、第1の透明基板110に対向して間隔を置いて存在する第2の透明基板115と、第1の透明基板110に対向する側の第2の透明基板115の表面に配置された透明導電膜125と、第1の透明基板110と透明導電膜125の間の間隙にあって光学素子200の表示面に平行し且つ相互に直交する2方向すなわち
図1(b)における縦方向と横方向の各々にそれぞれ離間して、其の下面121が第1の透明基板110に当接すると共に其の上面122が第2の透明基板115に達するようにして配置された複数の光透過領域120と、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部で第1の透明基板110の表面に配置された導電性パターン250と、導電性パターン250の有無に関わらず、離間して配置された隣接する光透過領域120の間の空隙を埋めるようにして配置された電気泳動素子140とを備えている。
図1(a),(b)の狭視野モードは、導電性パターン250と透明導電膜125を同じ電位にすることで、各光透過領域120の間隙に配された電気泳動素子140中の電気泳動粒子141を分散材142内の全体に分散させることによって実現している(
図26(a)参照)。これに対して
図2(a),(b)の広視野モードは、電気泳動粒子141を導電性パターン250の近傍に凝集させることによって実現している。このとき、透明導電膜125に対する導電性パターン250の相対電位は電気泳動粒子141の表面電荷とは逆の極性とすることで透明導電膜125と導電性パターン250の間に電界を発生し、電気泳動粒子141を導電性パターン250の近傍に集めている。つまり、電気泳動粒子141の表面電荷が(−)の場合には導電性パターン250を正極とし(
図26(b)参照)、電気泳動粒子141の表面電荷が(+)の場合には導電性パターン250を負極とすること(
図26(c)参照)、要するに、導電性パターン250に対する透明導電膜125の相対電位を電気泳動粒子141の表面電荷と同じ極性とし、電気泳動粒子141を導電性パターン250の表面近傍に集めることにより、透明基板110の表面において導電性パターン250が配置されていない領域に電気泳動粒子141が存在しなくなるようにしている。
ここで、
図25(a),(b)のように、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域に面状に配置されている場合、つまり、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の全てを含むようにして透明導電膜123が透明基板110の表面に配置されている場合にあっては、広視野モードにおいて、電気泳動粒子141が隣接する光透過領域120に挟まれた領域の全てにおいて、透明導電膜123の表面近傍に凝集する為、透明基板110の表面のうち光透過領域120を除く領域が全て電気泳動粒子141で覆い隠されることになり、光透過領域120以外の領域が全て遮光状態となってしまう。
これに対し、
図1(a),(b)および
図2(a),(b)のように、透明基板110の表面にそれぞれ離間して複数の光透過領域120を配置し、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部で透明基板110の表面に導電性パターン250を配置するとした実施形態1の構成では、狭視野モードにおいては、
図1(a),(b)に示すように、電気泳動素子140の中に電気泳動粒子141が拡散することで隣接する光透過領域120間のスペースの遮光性を実現し、また、広視野モードにおいては、
図2(a),(b)に示すように、透明導電膜125と導電性パターン250で発生させた電界によって、電気泳動粒子141が分散材142の中を、第1の透明基板110と透明導電膜125の間の間隙にあって光学素子200の表示面に平行し且つ相互に直交する2方向すなわち
図1(b),
図2(b)における縦方向の各々にそれぞれ離間した光透過領域120の間の経路に沿って泳動し、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にある導電性パターン250の表面近傍だけに集まることになり、其の結果、隣接する光透過領域120パターン間の中で導電性パターン250が配置されていない部分の電気泳動粒子141が例えば
図2(b)に示されるようにして取り除かれて、光が透過可能な状態となる。
図1(a),(b)および
図2(a),(b)では光透過領域120を全体として千鳥足配置とした例について示したが、光透過領域120は、
図8(a),(b)に示すように格子状の配置としてもよい。なお、
図8(a),(b)では電気泳動粒子141が導電性パターン250の近傍に凝集した広視野モードの状態を示している。
以上のように、
図26(a),(b),(c)に示されるような電圧印加制御手段145により導電性パターン250と透明導電膜125の電位を制御し、狭視野モードと広視野モードの表示を実現することができる。電圧印加制御手段145は、外部からの信号に応じて導電性パターン250および透明導電膜125に印加する電圧を調整し、導電性パターン250および透明導電膜125のそれぞれの極性を変化させるための手段である。
【0019】
以降は電気泳動粒子の表面電荷が(−)の場合について説明するが、電気泳動粒子の表面電荷が(+)の場合には電極の極性を逆にすることで対応可能である。
【0020】
図3は、実施形態1の光学素子の製造方法を示す断面図である。以下、実施形態1の光学素子を製造する方法の一例について、其の概略を説明する。
【0021】
実施形態1の光学素子の製造方法は、次の工程を含む。
【0022】
導電性パターン250を透明基板110の表面に形成する工程(
図3(a)参照)。
光透過領域120となるネガ型のフォトレジスト膜として透明感光性樹脂層150を形成する工程(
図3(b)参照)。
マスクパターン161を備えたフォトマスク160を通して、透明感光性樹脂層150に露光光165を照射することにより、透明感光性樹脂層150を露光する工程(
図3(c)参照)。この際、導電性パターン250の位置がマスクパターン161と重なるようにフォトマスク160と透明基板110の位置を制御する。
露光された透明感光性樹脂層150を現像することによって、互いに離間した複数の光透過領域120を形成する工程(
図3(d)参照)。なお、ここでいう離間の方向は
図3(d)の左右方向および
図3(d)の紙面垂直方向の両方であり、個々の光透過領域120は島状に形成されることになる。
光透過領域120の表面上に透明導電膜125を備えた透明基板115を配置する工程(
図3(e)参照)。
そして、導電性パターン250と透明導電膜125と光透過領域120の間の空隙に電気泳動素子140を充填する工程(
図3(f)参照)。
【0023】
この中で、光透過領域120の表面上に透明導電膜125を備えた別の透明基板115を配置する工程(
図3(e))と、導電性パターン250と透明導電膜125と光透過領域120との間の空隙に電気泳動素子140を充填する工程(
図3(f))については、順番が逆になってもよい。
つまり、
図3(a)〜
図3(d)の工程を実施した後に、
図4に示されるように、光透過領域120の間に電気泳動素子140を充填する工程(
図4(e))を実施し、次いで、光透過領域120および電気泳動素子140の表面上に透明導電膜125を備えた別の透明基板115を配置する工程(
図4(f))を実施する。
【0024】
また、上記したようにフォトマスク160を用いて透明感光性樹脂層150を露光する際に、マスクパターン161の位置が導電性パターン250からずれた場合には、光透過領域120の一部に導電性パターン250の一部が平面視で重なるように配置された構造の光学素子950となる(
図28参照)。
この場合も導電性パターン250の一部が光透過領域120から露出するように、言い換えると、光透過領域120の一部に導電性パターン250の一部が平面視つまり光学素子の表示面の法線方向から見て重なるように配置されているので動作可能である。
【0025】
次に、光学素子200について、更に詳細に説明する。
【0026】
図1(a),
図2(a)に示すように、光学素子200は透明基板110を有している。透明基板110は、ガラス基板製又はPET(Poly Ethylene Terephthalate)製又はPC(Poly Carbonate)製又はPEN(Poly Ethylene Naphthalate)製等である。
透明基板110の上には導電性パターン250が形成されている。導電性パターン250はアルミニウムやクロムや銅や酸化クロムやカーボンナノチューブ等の導電性材料、あるいは、ITOやZnO,IGZO,導電性ナノワイヤー等の透明導電性材料で構成される。
透明基板110上の導電性パターン250の間には1以上の光透過領域120が形成されている。光透過領域120の相互間には、電気泳動粒子141と分散材142の混合物である電気泳動素子140が配置されている。光透過領域120の高さは、30[μm]〜300[μm]の範囲が妥当であり、実施形態1では60[μm]である。
光透過領域120の幅は、1[μm]〜150[μm]の範囲が妥当であり、実施形態1では20[μm]である。また、光透過領域120の相互間の間隙の幅は、0.25[μm]〜40[μm]の範囲が妥当であり、実施形態1では5[μm]である。
また、導電性パターン250の膜厚は10[nm]から1000[nm]の範囲が妥当であり、実施形態1では300[nm]である。
【0027】
光透過領域120と導電性パターン250の配置例を
図9〜
図12に示す。
【0028】
図9(a)と
図10(a)は上下の面122,121が正方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向と同じ向きに直線状の導電性パターン250を配置した例であり、
図9(a)では光透過領域120の上面の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図10(a)では光透過領域120の上面の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図9(a)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。この例では、縦方向と横方向の各々にそれぞれ離間して配置された複数の光透過領域120で挟まれた領域のうち、
図9(a)に示される通り、光透過領域120に挟まれて縦方向に長く形成された間隙からなる縦長の部分領域に1つ置きに導電性パターン250が形成され、光透過領域120に挟まれて横方向に長く形成された間隙からなる横長の部分領域には導電性パターン250は全く形成されていないので、光透過領域120に挟まれた領域全体に対する導電性パターン250の面積割合は概ね1/4程度となる。つまり、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較した場合、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち広視野モードにおいて電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を1/4程度に減らせるということである。
図9(b)と
図10(b)は上下の面122,121が概ね縦横比1:2の長方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向と同じ向きに直線状の導電性パターン250を配置した例であり、
図9(b)では光透過領域120の上面の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図10(b)では光透過領域120の上面の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図9(b)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。この例でも、縦方向と横方向の各々にそれぞれ離間して配置された複数の光透過領域120で挟まれた領域のうち、
図9(b)に示される通り、光透過領域120に挟まれて縦方向に長く形成された間隙からなる縦長の部分領域に1つ置きに導電性パターン250が形成され、光透過領域120に挟まれて横方向に長く形成された間隙からなる横長の部分領域には導電性パターン250は全く形成されていないので、光透過領域120に挟まれた領域全体に対する導電性パターン250の面積割合は概ね1/3程度となる。つまり、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較した場合、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち広視野モードにおいて電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を1/3程度に減らせるということである。
【0029】
図11(a)と
図12(a)は上下の面122,121が正方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から90°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した例であり、
図11(a)では光透過領域120の上面の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図12(a)では光透過領域120の上面の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図11(a)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。前記と同様、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較して、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち広視野モードにおいて電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を大幅に減らせることが明らかである。
図11(a)と
図12(a)に示す例において電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250は、
図11(a)中でハッチングによって示される部分、つまり、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分であり、透明基板110と光透過領域120によって表裏を挟まれた部分は、単に、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分の導電性パターン250を電気的に接続するための手段として機能するに過ぎない。よって、上下の面122,121が正方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から90°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した構成であっても、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にのみ配置された導電性パターン250の表面近傍に電気泳動粒子141を集めることで、其れ以外の領域から電気泳動粒子141を排除するとした本発明の技術思想は踏襲されている。
また、
図11(b)と
図12(b)は上下の面122,121が概ね縦横比1:2の長方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から90°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した例であり、
図11(b)では光透過領域120の上面の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図12(b)では光透過領域120の上面の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図11(b)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。前記と同様、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較して、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち広視野モードにおいて電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を大幅に減らせることが明らかである。
図11(b)と
図12(b)に示す例において電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250は、
図11(b)中でハッチングによって示される部分、つまり、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分であり、透明基板110と光透過領域120によって表裏を挟まれた部分は、単に、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分の導電性パターン250を電気的に接続するための手段として機能するに過ぎない。よって、上下の面122,121が概ね縦横比1:2の長方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から90°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した構成であっても、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にのみ配置された導電性パターン250の表面近傍に電気泳動粒子141を集めることで、其れ以外の領域から電気泳動粒子141を排除するとした本発明の技術思想は踏襲されている。
【0030】
更に、
図11(c)と
図12(c)は上下の面122,121が長尺の長方形となる光透過領域120を幅方向に離間させて配置し、光透過領域120の直線状の並び方向つまり光透過領域120の幅方向と同じ向きに直線状の導電性パターン250を配置した例であり、
図11(c)では光透過領域120の上面の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図12(c)では光透過領域120の上面の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。前記と同様、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較して、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち広視野モードにおいて電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を大幅に減らせることが明らかである。
図11(c)と
図12(c)に示す例で電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250は、
図11(c)中でハッチングによって示される部分、つまり、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分であり、透明基板110と光透過領域120によって表裏を挟まれた部分は、単に、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分の導電性パターン250を電気的に接続するための手段として機能するに過ぎない。よって、長尺の光透過領域120の直線状の並び方向、つまり、隣接する光透過領域120の間に形成される間隙の長手方向に対し90°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した構成であっても、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にのみ配置された導電性パターン250の表面近傍に電気泳動粒子141を集めることで、其れ以外の領域から電気泳動粒子141を排除するとした本発明の技術思想は踏襲されている。
【0031】
なお、
図10と
図12の各図に示すA−A方向の狭視野モードでの可視角度は、約±30°に制限される。
【0032】
図31(a)と
図32(a)は上下の面122,121が正方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した例である。
図31(a)では光透過領域120の上面122の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図32(a)では光透過領域120の上面122の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図31(a)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。前記と同様、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較して、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち、広視野モードにおいて、電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を大幅に減らせることが明らかである。
図31(a)と
図32(a)に示す例において、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250は、
図31(a)中でハッチングによって示される部分、つまり、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分である。透明基板110と光透過領域120によって表裏を挟まれた導電性パターン250の部分は、単に、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分の導電性パターン250を電気的に接続するための手段として機能するに過ぎない。よって、上下の面122,121が正方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した構成であっても、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にのみ配置された導電性パターン250の表面近傍に電気泳動粒子141を集めることで、其れ以外の領域から電気泳動粒子141を排除するとした本発明の技術思想は踏襲されている。
【0033】
また、
図31(b)と
図32(b)は上下の面122,121が概ね縦横比1:2の長方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した例である。
図31(b)では光透過領域120の上面122の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250の配列を平面的に示し、また、
図32(b)では光透過領域120の上面122の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図31(b)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。前記と同様、透明基板115側の透明導電膜125と透明基板110側の透明導電膜123がどちらも素子領域の全域に亘って面状に配置されている従来の構成のものと比較して、隣接する光透過領域120に挟まれる領域のうち、広視野モードにおいて、電気泳動粒子141で覆い隠される部分の面積を大幅に減らせることが明らかである。
図31(b)と
図32(b)に示す例において、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250は、
図31(b)中でハッチングによって示される部分、つまり、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分である。透明基板110と光透過領域120によって表裏を挟まれた導電性パターン250の部分は、単に、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分の導電性パターン250を電気的に接続するための手段として機能するに過ぎない。よって、上下の面122,121が概ね縦横比1:2の長方形となる光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した構成であっても、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にのみ配置された導電性パターン250の表面近傍に電気泳動粒子141を集めることで、其れ以外の領域から電気泳動粒子141を排除するとした本発明の技術思想は踏襲されている。
【0034】
ここで、
図34(a)のように、光透過領域120が直線状に並んだ方向と同じ向きに直線状の導電性パターン250を配置した場合、
図34(a)中の位置A、つまり、隣接する光透過領域120に挟まれて光透過領域120が直線状に並ぶ方向に沿って画成された領域内に存在する電気泳動粒子141は、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250に向けて移動する際に、隣接する光透過領域120に挟まれて光透過領域120が直線状に並ぶ方向と直交して画成された領域のうち自らの位置に直近する領域と自らが存在する領域とが合流する位置にまで、自らが存在する領域を光透過領域120が直線状に並ぶ方向に沿って移動する。更に、前述した合流位置で90°進行方向を変えて、隣接する光透過領域120に挟まれて光透過領域120が直線状に並ぶ方向と直交して画成された領域を、光透過領域120が直線状に並ぶ方向と直交する方向に移動することによって直近の導電性パターン250に到達する必要がある。
これに対し、
図34(b)のように、光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置することで、
図34(b)中の位置Aに存在する電気泳動粒子141は、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250に向けて移動する際に、自らが存在する領域を光透過領域120が直線状に並ぶ方向に沿って直線状に移動するだけでよくなるので、導電性パターン250の表面付近へ電気泳動粒子141を集める場合に要する時間を短縮することができ、良好な応答性の可視範囲制御が可能となる。
なお、
図31及び
図32では、光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250を配置した例について示しているが、光透過領域120が直線状に並んだ方向に対する直線状の導電性パターン250の回転角度を0°より大きく90°以下の範囲とすることで、前記と同様の理由により、可視範囲制御における応答性の良好化を達成し得る。また、
図32(a),(b)の各図に示すA−A方向の狭視野モードでの可視角度は、約±30°に制限される。
【0035】
次に、実施形態1の光学素子の製造工程について
図3を参照して更に詳しく説明する。
【0036】
まず、ガラス,PET,PCまたはPENからなる透明基板110の表面に導電性パターン250を形成し(
図3(a)参照)、其の上に透明感光性樹脂層150を形成する(
図3(b)参照)。導電性パターン250は、アルミニウム,クロム,銅,酸化クロム,カーボンナノチューブ等の導電性材料や、ITO,ZnO,IGZO,導電性ナノワイヤー等の透明導電性材料にて構成することができ、実施形態1ではアルミニウムを用いる。
【0037】
透明感光性樹脂層150の形成方法としては、例えば、スリットダイコータ,ワイヤコータ,アプリケータ,ドライフィルム転写,スプレイ塗布,スクリーン印刷などのいずれかの成膜方法を用いることができる。透明感光性樹脂層150の厚さは、30[μm]〜300[μm]の範囲が妥当であり、実施形態1では60[μm]である。透明感光性樹脂層150に用いる透明感光性樹脂は、例えば、化薬マイクロケム(Microchem)社の化学増幅型フォトレジスト(商品名「SU−8」)である。
この透明感光性樹脂の特徴は、次の通りである。
・紫外線を照射することで光開始剤が酸を発生し、このプロトン酸を触媒として硬化性モノマーを重合させるエポキシ系(具体的には、ビスフェノールAノボラックのグリシジルエーテル誘導体)のネガレジストである。
・可視光領域において非常に透明性の高い特性を有している。
・透明感光性樹脂に含まれる硬化性モノマーは、硬化前の分子量が比較的小さいため、シクロペンタノン,プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PEGMEA),ガンマブチルラクトン(GBL)やイソブチルケトン(MIBK)などの溶媒に非常に良く溶けることから、厚膜形成が容易である。
・近紫外領域の波長においても光透過性が非常に良いので、厚膜であっても紫外線を透過させる。
・以上のような特徴を有することからアスペクト比が3以上の高アスペクト比のパターンを形成できる。
・硬化性モノマーには官能基が多く存在していることから、硬化後、非常に高密度な架橋となり、熱的にも化学的にも非常に安定である。このため、パターン形成後の加工も容易となる。
無論、透明感光性樹脂層150は、ここで述べた透明感光性樹脂(商品名「SU−8」)に限られるわけではなく、同様の特性を有するものであれば、どのような光硬化性材料を用いてもよい。
【0038】
続いて、フォトマスク160のマスクパターン161を用いて、透明感光性樹脂層150をパターニングする(
図3(c)参照)。この露光に用いる光165は平行光である。光源としてはUV光源を用いており、波長365[nm]のUV光を露光光165として照射する。この際の露光量は、50[mJ/cm
2]〜1000[mJ/cm
2]の範囲が妥当であり、実施形態1では200[mJ/cm
2]である。
【0039】
露光後に現像を実施し、次に、熱アニールを120[℃]かつ30[分]の条件で実施することにより光透過領域120が形成される(
図3(d)参照)。SU−8で形成した光透過領域120の屈折率は1.5〜1.6となる。このように、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部で透明基板110の表面に導電性パターン250が配置されるという構造になっている。
【0040】
続いて、光透過領域120の上に、透明導電膜125を備えた別の透明基板115を配置する(
図3(e)参照)。別の透明基板115は、光透過領域120の上面と透明導電膜125とを接着し、更に図中に示していない樹脂によって透明基板110の外周部を接着封止することで固定する。このとき用いる接着剤は熱硬化性でもUV硬化性でも良い。
【0041】
最後に、透明基板110と他の透明基板115の間の空隙に電気泳動素子140を充填する(
図3(f)参照)。電気泳動素子140は電気泳動粒子141と分散材142の混合物である。
【0042】
尚、既に述べた通り、
図3(e)に示した別の透明導電膜125を備えた別の透明基板115の配置と、
図3(f)に示した各光透過領域120間のスペースへの電気泳動素子140の充填の順番は逆でも良い(
図4参照)。
【0043】
図5は、実施形態1の光学素子の更に別の製造工程を示す断面図である。以下、光学素子の更に別の製造工程について詳しく説明する。
【0044】
まず、ガラス,PET,PCまたはPENからなる別の透明基板115の表面に透明導電膜125を形成し(
図5(a)参照)、其の上に透明感光性樹脂層150を形成する(
図5(b)参照)。
【0045】
続いて、フォトマスク160のマスクパターン161を用いて、透明感光性樹脂層150をパターニングする(
図5(c)参照)。露光後に現像を実施し、次に熱アニールを120[℃]かつ30[分]の条件で実施することによって光透過領域120が形成される(
図5(d)参照)。
【0046】
続いて、光透過領域120の上に、導電性パターン250を備えた透明基板110を配置し(
図5(e)参照)、最後に、透明基板110と他の透明基板115の間の空隙に電気泳動素子140を充填する(
図5(f)参照)。このとき、導電性パターン250が光透過領域120から光透過領域120間の間隙に向けて少なくとも一部が露出するように透明基板110の位置を制御する。
【0047】
尚、
図5(e)に示した導電性パターン250を備えた透明基板110の配置と、
図5(f)に示した各光透過領域120間のスペースへの電気泳動素子140の充填の順番は逆でも良い。
【0048】
[実施形態2]
図6は実施形態2の光学素子300を示す縦断面図であり、
図6(a)では狭視野モードにおける光学素子300の状態について、また、
図6(b)では広視野モードにおける光学素子300の状態について示している。
図6(a),(b)において、
図1(a),(b)と同じ部分は
図1(a),(b)と同じ符号を付している。以下、実施形態2における光学素子300の詳細を説明する。
【0049】
図6(a)に示すように、実施形態2では、導電性パターン250を配置した透明基板110と光透過領域120の間に導電性パターン250を覆う保護カバー膜130を配置している。
保護カバー膜130の膜厚は、10[nm]から1000[nm]の範囲が妥当であり、実施形態2では300[nm]である。保護カバー膜130の構成材料としては、シリコン酸化膜,シリコン窒化膜,シリコン酸窒化膜等とし、実施形態2ではシリコン酸化膜とする。また、
図6では保護カバー膜130が導電性パターン250を配置した透明基板110の表面全体に形成されているが、これは必須ではなく、導電性パターン250の表面が覆われていれば良い。
以上の構成によれば、導電性パターン250が保護カバー膜130によって覆われることで、導電性パターン250と電気泳動素子140の接触を防止できるので、電気泳動素子140が導電性パターン250へ付着することによる動作劣化等が発生せず、動作安定性の良好な可視範囲制御が実現できる。また、電気泳動素子140を保持する環境として、従来の構造に加えて、保護カバー膜130が加わることで気密性が向上し、良好な信頼性の光学素子が実現できる。
【0050】
実施形態2における其の他の構成,作用,効果に関しては、実施形態1で述べたものと同様である。
【0051】
[実施形態3]
図7は実施形態3の光学素子400を示す縦断面図であり、
図7(a)では狭視野モードにおける光学素子400の状態について、また、
図7(b)では広視野モードにおける光学素子400の状態について示している。
図7(a),(b)において、
図1(a),(b)や
図6(a),(b)と同じ部分は
図1(a),(b)と同じ符号を付している。
以下、実施形態3における光学素子400の詳細を説明する。
【0052】
図7(a),(b)に示したように、実施形態3では、実施形態2と同様に透明基板110上に導電性パターン250と保護カバー膜130と光透過領域120が形成されており、光透過領域120の上面には、透明導電膜125を覆う第2の保護カバー膜135を表面に積層した別の透明基板115が配置されている。
透明導電膜125と第2の保護カバー膜135の膜厚は10[nm]から1000[nm]の範囲が妥当であり、実施形態3では300[nm]である。保護カバー膜130の構成材料としては、シリコン酸化膜,シリコン窒化膜,シリコン酸窒化膜等とし、実施形態3ではシリコン酸化膜であり、保護カバー膜130の構成材料と同じとする。また
図7では、第2の保護カバー膜135が透明導電膜125と光透過領域120の間にも形成されているが、これは必須ではなく、透明導電膜125のうち、光透過領域120と接する領域以外の領域つまり電気泳動素子140と接触する領域が第2の保護カバー膜135で覆われていれば良い。
以上の構成によれば、透明導電膜125と電気泳動素子140の接触を防止できるので、電気泳動素子140の透明導電膜125への付着等も発生せず、其の結果として動作安定性が更に良好な可視範囲制御が実現できる。また、電気泳動素子を保持する環境として、実施形態3の構造に加えて、第2の保護カバー膜135が加わることで更に気密性が向上し、良好な信頼性の光学素子が実現できる。
【0053】
実施形態3における其の他の構成,作用,効果は、実施形態1や実施形態2で述べた通りである。
【0054】
[実施形態4]
図13は実施形態4の光学素子600を示す縦断面図であり、
図13(a)では狭視野モードにおける光学素子600の状態について、また、
図13(b)では広視野モードにおける光学素子600の状態について示している。また、
図14(a)は実施形態4における光透過領域120と導電性パターン250および透明導電性パターン280の配置の様子を示した平面図であり、
図14(b)は其の斜視図である。
図13(a),(b)と
図14(a),(b)において、
図1(a),(b)と同じ部分は
図1と同じ符号を付す。以下、実施形態4の光学素子の詳細を説明する。
【0055】
図13(a)に示すように、実施形態4では、第1の透明基板110の上に導電性パターン250と透明導電性パターン280を配置し、導電性パターン250と透明導電性パターン280の間に光透過領域120を配置している。
図14(a)に示されるように、導電性パターン250と透明導電性パターン280は、光透過領域120に挟まれて縦方向に長く形成された間隙からなる縦長の部分領域に交互に1つ置きに配置されている。
つまり、実施形態4の光学素子600は、第1の透明基板110と、第1の透明基板110に対向して存在する第2の透明基板115と、第1の透明基板110の表面から第2の透明基板115の表面に達するように、それぞれ離間して配置された複数の光透過領域120と、隣接する光透過領域120で挟まれた領域の一部で第1の透明基板110の表面に配置された導電性パターン250と、第1の透明基板110の表面の導電性パターン250が配置されていない部分の一部に配置された透明導電性パターン280と、第2の透明基板115の第1の透明基板110に対する面に配置した透明導電膜125と、隣接する光透過領域120の間に配置された電気泳動素子140とを備えている。
電気泳動素子140は、特定の電荷を帯びた遮光性の電気泳動粒子141と透過性の分散材142とから成る混合物である。
より具体的には、実施形態4の光学素子600は、第1の透明基板110と、第1の透明基板110に対向して間隔を置いて存在する第2の透明基板115と、第1の透明基板110に対向する側の第2の透明基板115の表面に配置された透明導電膜125と、第1の透明基板110と透明導電膜125の間の間隙にあって光学素子600の表示面に平行し且つ相互に直交する2方向すなわち
図14(a)における縦方向と横方向の各々にそれぞれ離間して、其の下面121を第1の透明基板110に当接させると共に其の上面122が第2の透明基板115に達するようにして配置された複数の光透過領域120と、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部で第1の透明基板110の表面に配置された導電性パターン250と、第1の透明基板110の表面において導電性パターン250が配置されていない部分の一部、より厳密には、隣接する光透過領域120に挟まれた領域から導電性パターン250が配置された領域を除いて残る領域の一部に更に配置された透明導電性パターン280と、導電性パターン250や透明導電性パターン280の有無に関わらず、離間して配置された隣接する光透過領域120の間の空隙を埋めるようにして配置された電気泳動素子140とを備えている。
導電性パターン250と透明導電性パターン280の膜厚は、10[nm]から1000[nm]の範囲が妥当であり、実施形態4では共に300[nm]である。透明導電性パターン280の構成材料としては、ITO,ZnO,IGZO,導電性ナノワイヤー等とし、実施形態4ではITOとする。
図13(a)に示す狭視野モードは、導電性パターン250と透明導電性パターン280と透明導電膜125を同電位にすることで、各光透過領域120の間隙に配された電気泳動素子140中の電気泳動粒子141を分散材142内に分散させることによって実現している(
図29(a)参照)。これに対し、
図13(b)の広視野モードは、透明導電性パターン280と透明導電膜125を同電位とし、導電性パターン250を透明導電性パターン280および透明導電膜125よりも高電位とすることで実現している(
図29(b)参照/但し、電気泳動粒子141の表面電荷が(−)の場合)。また、電気泳動粒子141の表面電荷が(+)である場合には、
図29(c)のような電位関係にすること、つまり、電極の極性を逆にすることで
図13(b)の広視野モードが実現される。要するに、何れの場合においても、導電性パターン250に対する透明導電性パターン280の相対電位を電気泳動粒子141の表面電荷と同じ極性にし、透明導電性パターン280に対する透明導電膜125の相対電位を電気泳動粒子141の表面電荷と同じ極性にすることにより、電気泳動粒子141を導電性パターン250の表面近傍に集めることで、透明基板110の表面において導電性パターン250が配置されていない領域に電気泳動粒子141が存在しなくなるようにしている。
このように、透明導電膜125と導電性パターン250の間の電界に加えて、導電性パターン250と透明導電性パターン280の間でも電界を発生させることで、
図13(b)のように導電性パターン250の表面付近へ電気泳動粒子141を集める場合に要する時間を短縮することができ、良好な応答性の可視範囲制御が可能となる。
以上のように、
図29(a),(b),(c)に示されるような電圧印加制御手段145により導電性パターン250と透明導電性パターン280と透明導電膜125の電位を制御し、狭視野モードと広視野モードの表示を実現することができる。電圧印加制御手段145は、外部からの信号に応じて導電性パターン250,透明導電性パターン280および透明導電膜125に印加する電圧を調整し、導電性パターン250,透明導電性パターン280および透明導電膜125のそれぞれの極性を変化させるための手段である。
【0056】
図33(a),(b)は光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250及び透明導電性パターン280を配置した例である。
図33(a)では光透過領域120の上面122の法線方向から見た光透過領域120と導電性パターン250及び透明導電性パターン280の配列を平面的に示し、また、
図33(b)では光透過領域120の上面122の手前斜め上方から光透過領域120と導電性パターン250と透明導電性パターン280を見た状態を立体的に示している。光透過領域120の並びは
図33(a)に明らかなように、全体として千鳥足配置である。
図33(a)に示す例において、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250は、
図33(a)中でハッチングによって示される部分、つまり、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分であり、透明基板110と光透過領域120によって表裏を挟まれた導電性パターン250の部分は、単に、隣接する光透過領域120よって挟まれた部分の導電性パターン250を電気的に接続するための手段として機能するに過ぎない。よって、光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250及び透明導電性パターン280を配置した構成であっても、隣接する光透過領域120に挟まれた領域の一部にのみ配置された導電性パターン250の表面近傍に電気泳動粒子141を集めることで、其れ以外の領域から電気泳動粒子141を排除するとした本発明の技術思想は踏襲されている。
【0057】
図35(a)のように、光透過領域120が直線状に並んだ方向と同じ向きに直線状の導電性パターン250及び透明導電性パターン280を配置した場合、
図35(a)中の位置A、つまり、隣接する光透過領域120に挟まれて光透過領域120が直線状に並ぶ方向に沿って画成された領域内に存在する電気泳動粒子141は、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250に向けて移動する際に、隣接する光透過領域120に挟まれて光透過領域120が直線状に並ぶ方向と直交して画成された領域のうち自らの位置に直近する領域と自らが存在する領域とが合流する位置にまで、自らが存在する領域を光透過領域120が直線状に並ぶ方向に沿って移動する。更に、前述した合流位置で90°進行方向を変えて、隣接する光透過領域120に挟まれて光透過領域120が直線状に並ぶ方向と直交して画成された領域を、光透過領域120が直線状に並ぶ方向と直交する方向に移動することによって直近の導電性パターン250に到達する必要がある。
これに対し、
図35(b)のように、光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250及び透明導電性パターン280を配置することで、
図35(b)中の位置Aに存在する電気泳動素子141は、電気泳動粒子141を引き寄せて凝集させる導電性パターン250に向けて移動する際に、自らが存在する領域を光透過領域120が直線状に並ぶ方向に沿って直線状に移動するだけで良くなり、導電性パターン250の表面付近へ電気泳動粒子141を集める場合に要する時間を短縮することができ、良好な応答性の可視範囲制御が可能となる。
なお、
図33では、光透過領域120が直線状に並んだ方向から45°回転した向きに直線状の導電性パターン250及び透明導電性パターン280を配置した例について示しているが、光透過領域120が直線状に並んだ方向に対する直線状の導電性パターン250及び透明導電性パターン280の回転角度を0°より大きく90°以下の範囲とすることで、前記と同様の理由により、可視範囲制御における応答性の良好化を達成し得る。また、
図33においては、導電性パターン250と透明導電性パターン280を互いに平行に配置した例について示しているが、導電性パターン250と透明導電性パターン280が互いに離間していれば、平行でなくても良い。
【0058】
実施形態4における其の他の構成,作用,効果は、実施形態1で述べた通りである。
また、
図15(a),(b)に示すように導電性パターン250と透明導電性パターン280上へ保護カバー膜130を形成した光学素子700や
図16(a),(b)に示すように、保護カバー膜130に加えて更に透明導電膜125の表面へ第2の保護カバー膜135を形成した光学素子800による作用,効果は、それぞれ実施形態2や実施形態3の場合と同様である。
なお、実施形態1で光透過領域120の一部に導電性パターン250の一部が平面視で重なるように配置された構造でも動作可能であることを説明したが、
図30に示すように、実施形態4でも同様に、導電性パターン250および透明導電性パターン280が光透過領域120から少なくとも一部露出するように、言い換えると、光透過領域120の一部に導電性パターン250および透明導電性パターン280の一部が平面視つまり光学素子の表示面の法線方向から見て重なるように配置されていても動作可能である。
【0059】
[其の他の実施形態]
以上説明した本発明の光学素子は、液晶表示装置だけでなく、映像を表示する表示面(表示パネル)を備えた他の表示装置、例えば、有機ELディスプレイ,無機ELディスプレイ,LEDディスプレイ,プラズマディスプレイ,フィールドエミッションディスプレイ(FED),ブラウン管,蛍光表示管等のディスプレイを備えた表示装置にも適用することができる。
【0060】
また、本発明の光学素子の使用形態としては、表示パネルの表面に直に貼り付けて使用する形態や表示装置内に搭載する形態など種々の使用形態が考えられる。以下に、それぞれの使用形態における構成例を具体的に説明する。なお、光学素子は第1の実施形態で説明した光学素子を例に説明するものとする。
【0061】
まず、本発明の光学素子を内部に搭載する表示装置について説明する。
【0062】
図21に、本発明の光学素子を内部に搭載する表示装置1400の構成例を示す。表示装置1400は、光学制御素子1800と、表示装置1400の背面側に配されて光学制御素子1800を照明するバックライトである照明光学装置1700と、光学制御素子1800と照明光学装置1700の間に設けられた光学素子1100からなる。
【0063】
光学素子1100は、実施形態1で説明したように、狭視野モードと広視野モードを実現可能であり、広視野モードでの輝度が高いマイクロルーバーである。
照明光学装置1700は、
図21に示した冷陰極管に代表される光源1021,反射シート1022,導光板1023,拡散板1024,プリズムシート1025a,プリズムシート1025bからなり、プリズムシート1025a,1025bを通過した光が光学素子1100を介して光学制御素子1800に照明される。
【0064】
導光板1023は、アクリル樹脂などからなり、一方の端面に光源1021からの光が入射し、入射光が導光板内を伝播して表面(所定の側面)側から一様に射出されるように構成されている。導光板1023の裏面側には、裏面から射出した光を表面方向に反射する反射シート1022が設けられている。図には示されていないが、導光板1023の他方の端面および側面にも反射手段が設けられている。
【0065】
導光板1023の表面から射出された光は、拡散板1024およびプリズムシート1025a,1025bを介して光学制御素子1800に入射する。拡散板1024は、導光板1023から入射する光を拡散させるためのものである。導光板1023の左右端では、其の構造上、射出した光の輝度が異なる。このため、導光板1023からの光を拡散板1024で拡散させる。
【0066】
プリズムシート1025a,1025bは、導光板1023から拡散板1024を介して入射する光の輝度を向上させる。プリズムシート1025aは、一定方向に一定周期で配置した複数のプリズムからなる。プリズムシート1025bも同じ構成であるが、プリズムの規則的な配置方向がプリズムシート1025aのプリズムの規則的な配置方向に対して交差するようになっている。これらプリズムシート1025a,1025bによって、拡散板1024にて拡散された光の指向性を強めることができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、光源として、冷陰極管を例に挙げて説明したが、これに限るわけではなく、白色LEDや3色LEDなどを光源として用いても構わない。また、本実施の形態では、サイドライト型の光源を例に挙げて説明しているが、これに限るわけでなく、直下型の光源を用いても構わない。
【0068】
光学制御素子1800は、液晶層1032を2枚の基板1030a,1030bで狭持した構造を有する。基板1030aは、一方の面(液晶層1032側の面)にカラーフィルタ1033が形成され、他方の面に偏光板・位相差板1031aが設けられている。基板1030bにおける液晶層1032側の面とは反対の面には、偏光板・位相差板1031bが設けられている。カラーフィルタ1033は、光を吸収する層よりなるブラックマトリクスにより区画された領域に、R(赤),G(緑),B(青)の色フィルタがマトリクス状に配置されている。各色フィルタは画素に対応しており、其のピッチは一定である。液晶層1032は、不図示の制御装置からの制御信号に従って、画素単位に、透明状態と遮光状態の切替が可能とされており、この状態切替により、入射した光を空間的に変調する。
【0069】
図21に示した表示装置では、プリズムシート1025a,1025bを通過した光は、偏光板・位相差板1031bに入射する。偏光板・位相差板1031bを通過した光は、基板1030bを介して液晶層1032に入射し、そこで画素単位に空間変調が施される。液晶層1032を通過した光(変調光)は、カラーフィルタ1033,基板1030aを順次通過して偏光板・位相差板1031aに入射する。偏光板・位相差板1031aを通過した光は、光学素子1100を介して出射される。ここで、
図21では、光学制御素子として偏光板・位相差板1031a,1031bを用いているが、これに限るわけでなく、偏光板のみの構成であっても構わない。
【0070】
上述した表示装置によれば、本発明を適用した光学素子1100によって光学制御素子1800の照明用の光を画面正面方向に収束させたり、させなかったりすることができるため、観察者の嗜好に応じて、視野角が狭い状態と広い状態を適宜選択することができる、という効果が得られる。尚、光学制御素子1800と光学素子1100の間でモアレが発生しないように、光学制御素子1800に対する光学制御素子1100の角度を適宜調整する。また、
図22に示す表示装置1500のように、透明接着層1060を用いて、光学素子1100を光学制御素子1800の偏光板・位相差板1031bに貼り付けてもよい。光学素子1100を光学制御素子1800に貼り付けることで、両者間での散乱光の発生が抑えられるため、透過率が向上して輝度が更に高い表示装置が実現可能となる。
【0071】
次に、本発明の光学素子を表示パネルの表面に配置して使用する実施の形態について説明する。
【0072】
図19に、本発明の光学素子を表示画面に設けた表示装置1200の構成例を示す。
図19を参照すると、表示装置1200は、光学制御素子1800,照明光学装置1700,光学素子1100からなる。
光学素子1100は、第1の実施形態で説明したように、狭視野モードと広視野モードを制御可能なマイクロルーバーである。
照明光学装置1700は、光源1021,反射シート1022,導光板1023,拡散板1024およびプリズムシート1025a,1025bからなり、プリズムシート1025a,1025bを通過した光で光学制御素子を照明する。ここで、光学素子1100の表面に、傷つきを防止するハードコート層や外光の写り込みを防止する反射防止層を形成しても構わない。
【0073】
上述した表示装置1200によれば、表示装置1200の最前面において、本発明を適用した光学素子1100により、光学制御素子1800から出射した光を画面正面方向に収束させたり、させなかったりすることができるため、光学素子1100を通過した光が観察者に直接届くことにより、光学素子を内部に搭載する表示装置に比べて光学素子を出射した光の散乱・屈折・反射等が発生せず、更に解像度の高い鮮明な画像が実現できる。またこの場合も、光学制御素子1800と光学素子1100の間でモアレが発生しないように、光学制御素子1800に対する光学制御素子1100の角度を適宜調整する。
【0074】
光学素子1100は、
図20に示した表示装置1300のように、光学制御素子1800の偏光板・位相差板1031aに透明接着層1060を介して貼り付けてもよい。このように構成することで、光学素子1100と偏光板・位相差板1031aの界面における表面反射ロスを低減することができ、より輝度の高い表示装置を実現することができる。
【0075】
本発明を他の電子機器である携帯電話機,ノート型パーソナルコンピュータ,フィーチャーフォン,スマートフォン,タブレット装置あるいはPDAなどの携帯型の情報処理端末への適用した例としては、例えば、
図27(a)に示した電子機器2000や
図27(b)に示した電子機器2010のように、上述した各表示装置1200,1300,1400,1500の何れかを電子機器の機器本体における表示手段として装備するものがある。更に、プラズマ型の各種表示装置に適用するようにしてもよい。
この場合、情報処理端末の側では、その制御装置が、マウスやキーボードやタッチパネルなどの入力装置からの入力を受け付けて、表示手段として装備した表示装置上に必要な情報を表示させるための制御を行う構成となっている。
【0076】
次に、
図23に、本発明の光学素子を搭載する照明装置1600の構成例を示す。
図23を参照すると、照明装置1600は、面状光源1900と光学素子1100とからなる。面状光源は、冷陰極管に代表される光源1021,反射シート1022,導光板1023,拡散板1024,プリズムシート1025a,プリズムシート1025bからなる。
光学素子1100は、実施形態1から実施形態3のマイクロルーバーのいずれかで構成される。
【0077】
導光板1023は、アクリル樹脂などにより構成されるものであって、一方の端面に光源1021からの光が入射し、入射光が導光板内を伝播して表面(所定の側面)側から一様に出射されるように構成されている。導光板1023の裏面側には、裏面から出射した光を表面方向に反射する反射シート1022が設けられている。図には示されていないが、導光板1023の他方の端面および側面にも反射手段が設けられている。
【0078】
導光板1023の表面から出射された光は、拡散板1024,プリズムシート1025a,プリズムシート1025bを介して光学素子1100に入射する。拡散板1024は、導光板1023から入射する光を拡散させるためのものである。導光板1023の左右端では、其の構造上、出射した光の輝度が異なる。このため、導光板1023からの光を導光板1023で拡散させる。
【0079】
プリズムシート1025a,1025bは、導光板1023から拡散板1024を介して入射する光の輝度を向上させる。
【0080】
この照明装置1600では、導光板1023の表面側から出射した光は、拡散板1024で拡散された後、プリズムシート1025a,1025bを介して光学素子1100に入射する。
【0081】
上述した照明装置1600によれば、本発明を適用した光学素子1100によって、面状光源1900の光を画面正面方向に収束させたり、させなかったりすることができるため、観察者の嗜好に応じて、広い範囲を照らすことができる光の出射角度が広い状態と、照明装置1600の直下近辺だけを照らすことが出来る光の出射角度が狭い状態を選択することが可能となる。
特に、実施形態1の光学素子200や実施形態2の光学素子300、実施形態3の光学素子400を光学素子1100として利用した照明装置1600においては、導電性パターン250と透明導電膜125の間の電位差によって電気泳動粒子141の分散状態を変化させることで光透過領域120および分散材142を透過する光の出射方向の範囲を変化させる構成となり、実施形態4の光学素子600を光学素子1100として利用した照明装置1600においては、導電性パターン250もしくは透明導電性パターン280と透明導電膜125の間の電位差によって電気泳動粒子141の分散状態を変化させることで光透過領域120および分散材142を透過する光の出射方向の範囲を変化させる構成となる。
【0082】
なお、本実施の形態では、光源として冷陰極管を例に挙げて説明したが、これに限るわけではなく、白色LEDや3色LEDなどを光源として用いても構わない。また、本実施の形態では、サイドライト型の光源を例に挙げて説明しているが、これに限るわけでなく、直下型の光源を用いても構わない。また、面状光源1900についても、本実施の形態に挙げた内容に限定されるわけでなく、LED照明,有機EL照明,無機EL照明,蛍光灯,電球といった光を発する光源が面状に配列されたものであれば構わない。
【0083】
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
【0084】
〔付記1〕
第1の透明基板(110)と、第1の透明基板(110)に対向して存在する第2の透明基板(115)と、
第1の透明基板(110)の表面から第2の透明基板(115)の表面に達するように、それぞれ離間して配置された複数の光透域領域(120)と、
隣接する光透過領域(120)に挟まれた領域の一部で第1の透明基板(110)の表面に配置された導電性パターン(250)と、
第2の透明基板(115)の第1の透明基板(110)に対する面に配置した透明導電膜(125)と、
隣接する光透過領域(120)の間に配置された、特定の電荷を帯び且つ遮光性の電気泳動粒子(141)と透過性の分散材(142)とから成る電気泳動素子(140)と、を有することを特徴とする光学素子(
図1参照)。
【0085】
〔付記2〕
第1の透明基板(110)と、第1の透明基板(110)に対向して間隔を置いて存在する第2の透明基板(115)と、
第1の透明基板(110)に対向する側の第2の透明基板(115)の表面に配置された透明導電膜(125)と、
第1の透明基板(110)と透明導電膜(125)の間の間隙にあって光学素子(200)の表示面に平行し且つ相互に直交する2方向の各々にそれぞれ離間して、其の下面(121)を第1の透明基板(110)に当接させると共に其の上面(122)が第2の透明基板(115)に達するようにして配置された複数の光透過領域(120)と、
隣接する光透過領域(120)に挟まれた領域の一部で第1の透明基板(110)の表面に配置された導電性パターン(250)と、
導電性パターン(250)の有無に関わらず、離間して配置された隣接する光透過領域(120)の間の空隙を埋めるようにして配置された、特定の電荷を帯び且つ遮光性の電気泳動粒子(141)と透過性の分散材(142)とから成る電気泳動素子(140)と、を有することを特徴とする光学素子(
図9(a)と
図10(a),
図9(b)と
図10(b)参照)。
【0086】
〔付記3〕
前記複数の光透過領域(120)が千鳥足配置とされ、前記導電性パターン(250)は、前記光透過領域(120)が直線状に並んだ方向と同じ向きに配置されていることを特徴とする付記2記載の光学素子(/
図9(a)と
図10(a),
図9(b)と
図10(b)参照)。
【0087】
〔付記4〕
前記複数の光透過領域(120)が千鳥足配置とされ、前記導電性パターン(250)は、前記光透過領域(120)が直線状に並んだ方向に対して90°回転した向きに配置されていることを特徴とする付記2記載の光学素子(
図11(a)と
図12(a),
図11(b)と
図12(b)参照)。
【0088】
〔付記5〕
前記複数の光透過領域(120)が行方向もしくは列方向のうち何れかの一方向に沿って直線状に並ぶようにして前記第1の透明基板(110)上に縦横に配置され、前記導電性パターン(250)が直線状の形状であり、前記光透過領域(120)が直線状に配置された方向に対する直線状の導電性パターン(250)の角度が0°より大きく90°以下の範囲であることを特徴とする付記2記載の光学素子(
図31(a)と
図32(a),
図31(b)と
図32(b)参照)。
【0089】
〔付記6〕
第1の透明基板(110)と、第1の透明基板(110)に対向して間隔を置いて存在する第2の透明基板(115)と、
第1の透明基板(110)に対向する側の第2の透明基板(115)の表面に配置された透明導電膜(125)と、
第1の透明基板(110)と透明導電膜(125)の間の間隙にあって光学素子(200)の表示面に平行し且つ其の長尺の長方形をなす上下面(122,121)の幅方向にそれぞれ離間して、其の下面(121)を第1の透明基板(110)に当接させると共に其の上面(122)が第2の透明基板(115)に達するようにして配置された複数の光透過領域(120)と、
隣接する光透過領域(120)に挟まれた領域の一部で第1の透明基板(110)の表面に配置された導電性パターン(250)と、
導電性パターン(250)の有無に関わらず、離間して配置された隣接する光透過領域(120)の間の空隙を埋めるようにして配置された、特定の電荷を帯び且つ遮光性の電気泳動粒子(141)と透過性の分散材(142)とから成る電気泳動素子(140)と、を有することを特徴とする光学素子(
図11(c)と
図12(c)参照)。
【0090】
〔付記7〕
前記導電性パターン(250)は、前記光透過領域(120)が並んだ方向に対して90°回転した向きに配置されていることを特徴とする付記6記載の光学素子(
図11(c)と
図12(c)参照)。
【0091】
〔付記8〕
前記複数の光透過領域(120)が行方向もしくは列方向のうち何れかの一方向に沿って直線状に並ぶようにして前記第1の透明基板(110)上に縦横に配置され、前記導電性パターン(250)が直線状の形状であり、前記光透過領域(120)が直線状に配置された方向に対する直線状の導電性パターン(250)の角度が0°より大きく90°以下の範囲であることを特徴とする付記6記載の光学素子(
図31(a)と
図32(a),
図31(b)と
図32(b)参照)。
【0092】
〔付記9〕
前記光透過領域(120)の一部に、前記導電性パターン(250)の一部が平面視で重なるように配置されていることを特徴とする付記1乃至付記8の何れか1つに記載の光学素子(
図28,
図31〜
図33,
図34(b),
図35(b)参照)。
【0093】
〔付記10〕
前記導電性パターン(250)を覆うように保護カバー膜(130)が形成されていることを特徴とする付記1乃至付記9の何れか1つに記載の光学素子(
図6参照)。
【0094】
〔付記11〕
前記透明導電膜(125)を覆うように第2の保護カバー膜(135)が形成されていることを特徴とする付記1乃至付記10の何れか1つに記載の光学素子(
図7参照)。
【0095】
〔付記12〕
外部からの信号に応じて前記導電性パターン(250)及び前記透明導電膜(125)に印加する電圧を調整し、前記導電性パターン(250)及び前記透明導電膜(125)のそれぞれの極性を変化させる電圧印加制御手段(145)を有することを特徴とする付記1乃至付記11の何れか1つに記載の光学素子(
図26参照)。
【0096】
〔付記13〕
前記導電性パターン(250)に対する前記透明導電膜(125)の相対電位を前記電気泳動粒子(141)の表面電荷と同じ極性にし、前記電気泳動粒子(141)を前記導電性パターン(250)の表面近傍に集めることで、
前記第1の透明基板(110)の表面において、前記導電性パターン(250)が配置されていない領域には前記電気泳動粒子(141)がない状態とすることを特徴とする付記12に記載の光学素子(
図26(b),(c)参照)。
【0097】
〔付記14〕
第1の透明基板(110)と、第1の透明基板(110)に対向して存在する第2の透明基板(115)と、
第1の透明基板(110)の表面から第2の透明基板(115)の表面に達するように、それぞれ離間して配置された複数の光透過領域(120)と、
隣接する光透過領域(120)で挟まれた領域の一部で第1の透明基板(110)の表面に配置された導電性パターン(250)と、
第1の透明基板(110)の表面の導電性パターン(250)が配置されていない部分の一部に更に配置された透明導電性パターン(280)と、
第2の透明基板(115)の第1の透明基板(110)に対する面に配置した透明導電膜(125)と、
隣接する光透過領域(120)の間に配置された、特定の電荷を帯び且つ遮光性の電気泳動粒子(141)と透過性の分散材(142)とから成る電気泳動素子(140)と、を有することを特徴とする光学素子(
図13参照)。
【0098】
〔付記15〕
第1の透明基板(110)と、第1の透明基板(110)に対向して間隔を置いて存在する第2の透明基板(115)と、
第1の透明基板(110)に対向する側の第2の透明基板(115)の表面に配置された透明導電膜(125)と、
第1の透明基板(110)と透明導電膜(125)の間の間隙にあって光学素子(600)の表示面に平行し且つ相互に直交する2方向の各々にそれぞれ離間して、其の下面(121)が第1の透明基板(110)に当接すると共に其の上面(122)が第2の透明基板(115)に達するようにして配置された複数の光透過領域(120)と、
隣接する光透過領域(120)に挟まれた領域の一部で第1の透明基板(110)の表面に配置された導電性パターン(250)と、
第1の透明基板(110)の表面において隣接する光透過領域(120)に挟まれた領域から導電性パターン(250)が配置された領域を除いて残る領域の一部に更に配置された透明導電性パターン(280)と、
導電性パターン(250)や透明導電性パターン(280)の有無に関わらず、離間して配置された隣接する光透過領域(120)の間の空隙を埋めるようにして配置された、特定の電荷を帯び且つ遮光性の電気泳動粒子(141)と透過性の分散材(142)とから成る電気泳動素子(140)と、を有することを特徴とする光学素子(
図13参照)。
【0099】
〔付記16〕
前記複数の光透過領域(120)が千鳥足配置とされ、前記導電性パターン(250)及び透明導電性パターン(280)は、前記光透過領域(120)が直線状に並んだ方向と同じ向きに交互に1つ置きに配置されていることを特徴とする付記15に記載の光学素子(
図14参照)。
【0100】
〔付記17〕
前記複数の光透過領域(120)が行方向もしくは列方向のうち何れかの一方向に沿って直線状に並ぶようにして前記第1の透明基板(110)上に縦横に配置され、前記導電性パターン(250)と前記透明導電性パターン(280)が直線状の形状であり、前記光透過領域(120)が直線状に配置された方向に対する前記導電性パターン(250)及び前記透明導電性パターン(280)の角度が0°より大きく90°以下の範囲であることを特徴とする付記15記載の光学素子(
図31(a)と
図32(a),
図31(b)と
図32(b)参照)。
【0101】
〔付記18〕
前記光透過領域(120)の一部に、前記導電性パターン(250)及び前記透明導電性パターン(280)の一部が平面視で重なるように配置されていることを特徴とする付記14乃至付記17の何れか1つに記載の光学素子(
図30参照)。
【0102】
〔付記19〕
前記導電性パターン(250)及び前記透明導電性パターン(280)を覆うように保護カバー膜(130)が形成されていることを特徴とする付記14乃至付記18の何れか1つに記載の光学素子(
図15参照)。
【0103】
〔付記20〕
前記透明導電膜(125)を覆うように第2の保護カバー膜(135)が形成されていることを特徴とする付記14乃至付記19の何れか1つに記載の光学素子(
図16参照)。
【0104】
〔付記21〕
外部からの信号に応じて前記導電性パターン(250),前記透明導電性パターン(280)及び前記透明導電膜(125)に印加する電圧を調整し、前記導電性パターン(250),前記透明導電性パターン(280)及び前記透明導電膜(125)のそれぞれの極性を変化させる電圧印加制御手段(145)を有することを特徴とする付記14乃至付記20の何れか1つに記載の光学素子(
図29参照)。
【0105】
〔付記22〕
前記導電性パターン(250)に対する前記透明導電性パターン(280)の相対電位を前記電気泳動粒子(141)の表面電荷と同じ極性にし、
前記透明導電性パターン(250)に対する前記透明導電膜(280)の相対電位を前記電気泳動粒子(141)の表面電荷と同じ極性にすることで、
前記電気泳動粒子(141)を前記導電性パターン(250)の表面近傍に集めることを特徴とする付記21に記載の光学素子(
図29(b),(c)参照)。
【0106】
〔付記23〕
前記導電性パターン(250)と前記透明導電性パターン(280)と前記透明導電膜(125)を同電位にすることで、
前記電気泳動粒子(141)を前記分散材(142)の全体に配置することを特徴とする付記21または付記22に記載の光学素子(
図29(a)参照)。
【0107】
〔付記24〕
映像を表示する表示面を備えたディスプレイ(1800)と、
前記ディスプレイ(1800)の前記表示面上に配置された付記1乃至付記23の何れか1つに記載の光学素子(1100)と、を有することを特徴とする表示装置(
図20参照)。
【0108】
〔付記25〕
前記ディスプレイと前記光学素子とが透明接着層(1060)で固定されていることを特徴とする付記24に記載の表示装置(
図20参照)。
【0109】
〔付記26〕
前記ディスプレイ(1800)は、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ,無機ELディスプレイ,LEDディスプレイ,フィールドエミッションディスプレイ,ブラウン管,蛍光表示管の何れかであることを特徴とする付記24または付記25に記載の表示装置(段落0055参照)。
【0110】
〔付記27〕
映像を表示する表示面を備えた液晶ディスプレイ(1800)と、
前記液晶ディスプレイ(1800)の背面側に配されて、前記液晶ディスプレイ(1800)に光を照射するバックライト(1700)と、
前記液晶ディスプレイ(1800)と前記バックライト(1700)との間に配置された付記1乃至付記23の何れか一に記載の光学素子(1100)と、を有することを特徴とする表示装置(
図21参照)。
【0111】
〔付記28〕
前記液晶ディスプレイ(1800)と前記光学素子(1100)とが透明接着層(1060)で固定されていることを特徴とする付記27に記載の表示装置(
図22参照)。
【0112】
〔付記29〕
付記24乃至付記28の何れか1つに記載の表示装置を、電子機器本体の表示手段として装備したことを特徴とする電子機器(
図27参照)。
【0113】
〔付記30〕
付記1乃至付記23の何れか1つに記載の光学素子(1100)と、前記光学素子(1100)の前記第1の透明基板(110)の背面に設けられた光源(1700)と、を有することを特徴とする照明装置(
図23参照)。
【0114】
〔付記31〕
前記光学素子(1100)は、前記導電性パターン(250)もしくは前記透明導電性パターン(280)と前記透明導電膜(125)の間の電位差によって前記電気泳動粒子(141)の分散状態を変化させることで、前記光透過領域(120)及び前記分散材(142)を透過する光の出射方向の範囲が変化することを特徴とする付記30に記載の照明装置。