【実施例】
【0013】
本実施例では、記録媒体の一例としてプラテンに積層されたポリ袋に印刷される場合のインクジェットプリンタ−について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェットプリンタ−の筐体を取り除いたテーブルの概略斜視図であり、
図2は、本発明に係るインクジェットプリンタ−の筐体を取り除いたテーブルの長手方向の概略断面図であり、
図4は、本発明に係るインクジェットプリンタ−の筐体を取り除いたテーブルの概略平面図である。
図1、
図2および
図4において、インクジェットプリンタ−1は、主として筐体2(二点鎖線で示されている。)とテーブル3とから成り、筐体2は、ポリ袋Wの取り出し方向Aの上流側の後端を支点として前後方向に回動するようになっている。
【0014】
筐体2のポリ袋Wの取り出し方向Aの前面にポリ袋が取り出された時に、ポリ袋Wの移動量を検出する移動量検出装置4が筐体2の前面に設けられている。また、テーブル3の底板3aには、付勢手段の一例としてコイルバネ6が上方に付勢するように設けられ、ポリ袋Wが積層されたプラテン5を押し上げ、テーブル3の上面と同じ高さになるように設けられた押さえ板7に積層されたポリ袋Wの一部分が押圧されている。
【0015】
インクジェットプリンタ−1の幅方向の記録ヘッドの印刷方向Bに記録ヘッド8が走査し、記録ヘッド8からインクが吐出されてポリ袋Wに印刷され、印字領域9(二点鎖線で示されている。)が形成される。印刷後は、
図4のように記録ヘッド8が印字領域9から退避してテーブル3の左端から記録ヘッド8の左端までの距離Lのホームポジションの位置まで走査して待機する。また、押さえ板7の中央部は、印字領域9よりやや大きくなるように開口部10が形成されている。
【0016】
次に、移動量検出装置4について詳述する。
図3は、本発明に係るインクジェットプリンタ−の移動量検出装置の拡大斜視図であって、(a)図は、左斜目上から見た概略斜視図であり、(b)図は、右斜目上から見た概略斜視図である。
図3において、筐体2の前面に設けられた移動量検出装置4のコノ字状のフレーム11に枢軸14が回転自在に枢着されている。また、フレーム11の内方には、コの字状に形成された揺動フレーム15が枢軸14に回動するように枢着されている。一方、揺動フレーム15から横に突出したフック15aとフレーム11から横に突出したフック(フレーム11に隠れて見えない。)にコイルバネ16が懸架され、揺動フレーム15が枢軸14に対して時計方向に回動するように付勢力が作用している。
【0017】
フレーム11の下方には、片持ち軸17がフレーム11に回転自在に枢着され、ピックアップローラ12と駆動ギア13が一体となって片持ち軸17に嵌合され、片持ち軸17と一体となって回転する。また、枢軸14には、従動ギア18と回転ディスク19が嵌合され枢軸14と一体となって回転し、駆動ギア13と従動ギア18が歯合している。一方、ピックアップローラ12は、積層されたポリ袋Wの最上位のポリ袋Wの表面を押圧し、最上位のポリ袋Wを一枚ずつ取り出した時に、ポリ袋Wの移動に連動して回転するように高さ調整されている。
【0018】
回転ディスク19には、円周状に等角度でスリット19aが形成されるとともに、スリット19aを挟んで対向位置に図示されていない発光素子と受光素子が揺動フレーム15に一体に設けられたサブフレーム20に設けられ、回転ディスク19が回転することによってパルス出力が得られ、このパルス出力が図示されていないコントローラに入力されて回転数を検出することができる。ここでは、エンコーダ21は、主としてスリット19aが形成された回転ディスク19、発光素子と受光素子とコントローラを含んでいる。このようにして、移動量検出装置4が構成されている。
【0019】
次に、最上位のポリ袋Wを取り出した時の最上位のポリ袋Wの移動量の検出方法について詳述する。
図1および
図2において、積層されたポリ袋Wの一番上のポリ袋Wに印刷方向Bに記録ヘッド8が走査して印刷が終了すると、作業者が印刷が終了された最上位のポリ袋Wの前縁を摘んで取り出し方向Aへ取り出す。すると、ポリ袋Wの移動に連動してポリ袋Wを押圧しているピックアップローラ12が回転し、駆動ギア13もピックアップローラ12と一体となって回転し、駆動ギア13に歯合した従動ギア18も回転する。
【0020】
従動ギア18が回転すると、枢軸14とともに回転ディスク19も一体となって連動して回転し、スリット19aを挟んで対向位置に設けられた発光素子と受光素子によってパルス出力が得られ、コントローラに入力されることによって回転ディスク19の回転数が検出され取り出されたポリ袋Wの移動距離が検出される。
【0021】
図4は、本発明に係るインクジェットプリンタ−の筐体を取り除いたテーブルの概略平面図である。
図4において、距離Sは、プラテン5に積層されたポリ袋Wの後縁と印字領域9の前縁までの距離を示している。作業者が印刷が終了した最上位のポリ袋Wを取り出し方向Aへ取り出して、最上位のポリ袋Wが距離Sだけ移動したと検出されると、印字領域9を通過して全体が開放された状態となる。そうすると、複数枚の印刷をするように設定された時は、最上位のポリ袋Wが距離Sだけ移動したと検出されたら次のポリ袋Wの印刷が開始される。
【0022】
印刷された最上位のポリ袋Wが1枚ずつ取り出されるごとに、テーブル3の底板3aに設けられたコイルバネ6の上方向への付勢力によってプラテン5に積層されたポリ袋Wが押さえ板7の方へ押し上げられ、ピックアップローラ12が略一定の押圧力で最上位のポリ袋Wを押圧しながら回転することになる。
【0023】
記録媒体の一例としてのポリ袋は、材質が柔らかく可撓性があるため、最上位のポリ袋Wを取り出す時にゆるやかに波を打って移動するが、その場合でも、ピックアップローラ12は、枢軸14回りに揺動フレーム15が回動するので、取り出される最上位のポリ袋Wのゆるやかな波にスムーズに追従することができる。
【0024】
本実施例では、記録媒体の一例としてポリ袋が積層された場合について説明してあるが、ポリ袋のような材質の柔らかい可撓性のあるものから紙類やプラスチックのような硬いものまで適用することができる。