(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネット本体の網目が円形を除いた幾何学形状を呈するように、前記複数の単索と複数の中継連結具とを組み合せて構成したことを特徴とする、請求項1に記載の流下物捕捉ネット。
前記ネット本体が縦列方向及び横列方向に交差して配置した複数の単索と、各単索の交点に介装した複数の中継連結具とからなり、網目が方形を呈することを特徴とする、請求項1又は2に記載の流下物捕捉ネット。
前記ネット本体が斜めに交差して配置した複数の単索と、各単索の交点に介装した複数の中継連結具とからなり、網目が菱形を呈することを特徴とする、請求項1又は2に記載の流下物捕捉ネット。
前記ネット本体が縦列方向又は横列方向の何れか一方向に配置すると共に、斜めに交差して配置した複数の単索と、各単索の交点に介装した複数の中継連結具とからなり、網目が三角形を呈することを特徴とする、請求項1又は2に記載の流下物捕捉ネット。
前記中継連結具が着脱可能な複数の係留ピンを具備し、該係留ピンを介して単索の端輪と回動自在に連結してあることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の流下物捕捉ネット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の流下物捕捉ネットにはつぎのような問題点がある。
<1>鋼製ロープの交点を固定しない流下物捕捉ネットにあっては、受撃時に網目が簡単に拡張してしまい、捕捉効果が著しく低下する。
<2>流下物捕捉ネットが本来の捕捉効果を発揮するには、鋼製ロープの交点を固定して当初の網目寸法を維持する必要がある。
鋼製ロープの交点をワイヤクリップ等の把持具で固定しても、受撃時に鋼製ロープが摺動して網目の拡縮変形を抑止することが難しい。
<3>鋼製ロープの交点を把持具で固定した流下物捕捉ネットでは、鋼製ロープの交点で摺動を生じることによる衝撃荷重の伝達ロスを生じるために、衝撃力の拡散範囲が狭く、受撃範囲に位置する横ロープに応力が集中して破断し易い。
<4>鋼製ロープの交点を把持具で固定した流下物捕捉ネットでは、受撃範囲に位置する縦横の鋼製ロープには大きな荷重が作用するが、非受撃範囲に位置する鋼製ロープにはそれほど大きな衝撃荷重が作用しないため、流下物捕捉ネット全体の強度を活かしきれていない。
<5>網目の定形性を維持するには、漁網のようにロープの交点を結節することが考えられるが、鋼製ロープ径に比例して剛性が高くなるため、高剛性ロープを用いて交点を結節させて土石流等の巨大衝撃が作用する用途の流下物捕捉ネットを編成することは技術的に困難である。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところはつぎの流下物捕捉ネットを提供することにある。
<1>流下物捕捉ネットの衝撃力の分散性能を高めてネット本体の強度を最大限に発揮できること。
<2>製作加工性に優れ、低コストに製作できること。
<3>設置現場に合せてネット本体の輪郭形状を変更でき、更に網目サイズと網目形状を簡易に選択できること。
<4>受撃時に網目寸法が変化しないこと。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、透過型捕捉構造物に用いられる流下物捕捉ネットであって、複数の網目を有するネット本体と、前記ネット本体の左右両側辺から延出した複数の端末取付ロープとを具備し、前記ネット本体は両端部に端輪を有する複数の単索と、前記単索の交点に配置し、該単索の端輪とピン式連結が可能な複数の中継連結具とを組み合せて構成し、前記端末取付ロープは中継連結具を介してネット本体の左右両側辺に接続した前記単索で構成したものである。
本発明の他の形態において、ネット本体の網目が円形を除いた幾何学形状を呈するように、前記複数の単索と複数の中継連結具とを組み合せて構成する。
本発明の他の形態において、前記ネット本体が縦列方向及び横列方向に交差して配置した複数の単索と、各単索の交点に介装した複数の中継連結具とからなり、網目が方形を呈する。
本発明の他の形態において、前記ネット本体が斜めに交差して配置した複数の単索と、各単索の交点に介装した複数の中継連結具とからなり、網目が菱形を呈する。
本発明の他の形態において、前記ネット本体が縦列方向又は横列方向の何れか一方向に配置すると共に、斜めに交差して配置した複数の単索と、各単索の交点に介装した複数の中継連結具とからなり、網目が三角形を呈する。
本発明の他の形態において、前記中継連結具が着脱可能な複数の係留ピンを具備し、該係留ピンを介して単索の端輪と回動自在に連結してある。
本発明の他の形態において、前記中継連結具が相対向して配置した一対の単板と、該単板間に貫挿させて着脱可能な複数の係留ピンとを具備する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上記した構成を有することから、つぎの何れかひとつの効果が得られる。
<1>単索の交点に中継連結具を介装してネット本体を構成することで、各単索の交点のずれがなくなり、中継連結具を通じて複数の単索へ衝撃荷重を分散伝達できる。
したがって、流下物捕捉ネットの一部に作用した衝撃力をネット全体へ伝達できて、流下物捕捉ネットが本来有する強度を最大限に発揮することができる。
<2>中継連結具を介して複数の単索を連結するだけの簡単な作業で流下物捕捉ネットを製作できるので、流下物捕捉ネットの製作加工性に優れ、低コストに製作できる。
しかも共通構造の単索を用いてネット本体と端末取付ロープを形成できるので、構成部品点数が少なくなる。
<3>一本の連続もののロープ材を用いずに、複数の単索と複数の中継連結具を用いるだけで設置現場に合せてネット本体を製作できると共に、単索の配置方向や全長を変更するだけで網目サイズや網目形状を任意に選択できる。
<4>受撃時に各単索の交点のずれがなく、しかも単索の全長が変化しないので網目寸法が変化せず、流下物の捕捉機能を保証できる。
<5>単索の端輪と中継連結具の間が着脱可能な係留ピンで連結してあるため、損傷した単索や中継連結具の部分交換が簡単に行えるので、流下物捕捉ネットの補修性がよくなる。
<6>ロープの交点を結節せずにネット状に形成できるので、単索に大径で高強度の鋼製ロープ材を使用することができる。
したがって、土石流等の巨大衝撃に対抗し得る高強度の流下物捕捉ネットを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
<1>流下物捕捉ネットの概要
図1〜5を参照しながら本実施例に係る流下物捕捉ネット10について説明する。
流下物捕捉ネット10は透過型捕捉構造物に用いられる格子ネット状物である。
流下物捕捉ネット10は帯状のネット本体20と、ネット本体20の左右両側辺から水平に延出した複数の端末取付ロープ30とにより構成する。
ネット本体20及び端末取付ロープ30は、両端部に無端の端輪41,41を有する複数の単索40と、これら複数の単索40の端部と連結可能な複数の中継連結具50とを組み合せて構成されている。
【0010】
<2>ネット本体
ネット本体20は複数の単索40を縦列方向及び横列方向に配置し、各単索40の交点に中継連結具50を介装して組み立てたネット状物である。
横方向に配列した複数の単索40は中継連結具50を介して同一線上に位置していて、連続した横索42を構成する。
縦方向に配列した複数の単索40は中継連結具50を介して同一線上に位置していて、連続した縦索43を構成する。
これら複数の横索42と複数の縦索43とが交差して格子状に組み立てられている。
【0011】
<2.1>単索
単索40はネット本体20及び端末取付ロープ30を構成する兼用ロープ材である。
図2に示すように、単索40は1本又は複数本を撚り合せた鋼製又は繊維製のロープからなり、その両端に無端の端輪41を有している。
透過型捕捉構造物用の捕捉ネット10としては、単索40に高強度の鋼製ロープ材を用い、鋼製ロープ材の両端部を折返してアイスプライス又は圧縮加工を施して端輪41を形成する。
単索40の全長は網目A寸法やネットの取付長等を考慮して適宜選択する。
【0012】
<2.2>中継連結具
中継連結具50は複数の単索40の間を着脱可能に連結するための連結具である。
図3,4に例示した中継連結具50について説明すると、中継連結具50は相対向して配置した一対の単板51,51と、単板51,51間に貫挿させた複数の係留ピン52とからなる。
各単板31の周縁には係留ピン52を貫挿可能な複数のピン孔53が開設されている。
本例では等間隔に4つのピン孔53を形成した形態を示すが、ピン孔53の形成数は適宜選択可能である。
係留ピン52には図示したボルト及びナットの他に連結ピンを使用することも可能である。
係留ピン52は一対の単板51,51と共に端輪41に貫挿することで単索40と中継連結具50との間をピン構造で連結可能であり、単索40は中継連結具50の係留ピン52を中心に回動可能である。
【0013】
<2.3>網目
図5を参照して説明すると、流下物捕捉ネット10には縦横方向に配索した4本の単索40と4つの中継連結具50に囲繞された方形の網目Aが画成されている。
網目Aの目合寸法(縦辺の長さと横辺の長さ)は各単索40の全長により求められる。
受撃時において、網目Aの平面形状は拡縮変化するが、網目Aを画成する各単索40の全長が変化しないので、網目Aの目合寸法は変わらない。
【0014】
<2.4>単索の交点
単索40の交点に中継連結具50が介装してあるために、各単索40の交点がずれ動くことがない。
しかも各単索40の交点がずれないために、中継連結具50に連結された複数の単索40の相互間における荷重が可能であるだけでなく、荷重の伝達ロスも大幅に縮小できる。
【0015】
<3>端末取付ロープ
端末取付ロープ30はネット本体20の左右側辺に設けたロープであり、ネット本体20は端末取付ロープ30を通じて渓床に立設した支柱等の剛構造物に取り付けられる。
複数の端末取付ロープ30は中継連結具50を介してネット本体20を構成する横索42の延長線上に位置する。
端末取付ロープ30とネット本体20間の連結構造は
図4に示した中継連結具50を用いた連結構造と同じである。
【0016】
<4>流下物捕捉ネットの組立方法
図1に示すように、複数の単索40を縦横方向に配置し、各単索40の交点に中継連結具50を介装して帯状のネット本体20を組み立てる。
中継連結具50を介してネット本体20の左右両側辺に複数の単索40の一端を連結して端末取付ロープ30を多段的に組み付けるだけの作業で流下物捕捉ネット10を組み立てることができる。
流下物捕捉ネット10は工場で組立てできることの他に、現場で組み立てることも可能である。
又、ネット本体20を複数の分割体として予め製作しておき、現場へ小分けして搬入した複数の分割体の間に単索40を継足して流下物捕捉ネット10を完成させてもよい。
完成した流下物捕捉ネット10は左右の両側辺から水平に延出した端末取付ロープ30の端輪41を介して、支柱(剛構造物)に取り付けることで透過型捕捉構造物を完成させる。
流下物捕捉ネット10は連続した一本もののロープを用いないので、複数の単索40と中継連結具50とを組み合せて現場の形状に合せて任意の形状に組み立てできる。
【0017】
[流下物捕捉ネットの砂防機能]
つぎに上記した流下物捕捉ネットの砂防機能について説明する。
【0018】
<1>中小規模の洪水時
図5は河川等の断面積を覆うように配設された流下物捕捉ネット10を示していて、流下物捕捉ネット10は渓床に対して起立状態で張設されている。
中小規模の洪水の場合は、流下物捕捉ネット10の下段の網目Aを通じて、災害を及ぼさない程度の大きさの礫や泥水等が流下する。
【0019】
<2>土石流の発生時
土石流等が発生すると、流下物捕捉ネット10は網目Aより大きな流木や土石等の流下物を捕捉し、通過させてもよい網目Aより小さな土石等の流下物を流出させることができる。
従来の捕捉ネットでは鋼製ロープの交点がずれ動いて網目が拡張変形していたが、本発明ではネット本体20を構成する各単索40の交点が滑動不能に固定されているために網目Aが拡張変形することがなく、不用意に過大な流下物を流出させることがない。
又、従来の捕捉ネットでは鋼製ロープの交点がずれ動くために、衝撃力の拡散範囲が狭く、受撃範囲に位置する横ロープに応力が集中して破断し易いものであった。
これに対し本発明では、ネット本体20を構成する各単索40の交点がずれ動かないことと、中継連結具50を介して各単索40の交点における単索40の自由回動が可能な構造になっている。
そのために、本発明では中継連結具50に連結されたすべての単索40に対して衝撃荷重を分散して伝達できるので伝達ロスを極めて小さくできると共に、流下物捕捉ネット10の一部に作用した衝撃力をネット全体へ伝達できて、流下物捕捉ネット10が本来有する強度を最大限に発揮できる。
例えば
図5に示したネット本体20の中央部に衝撃力が作用した場合、矢印目で示すようにネット本体20の中央部の周囲に位置する各単索40へ衝撃力が連鎖的に伝達していく。
このように本発明では、ネット本体20の網目Aの拡張変形を効果的に阻止できることと、流下物捕捉ネット10全体への衝撃荷重の伝達性能が高まることに伴い、強大なエネルギーを有する土石流を効率的に制御、抑制できる。
更に流下物捕捉ネット10の衝撃伝達性能が高まることで、流下物捕捉ネット10を支持する支柱等の剛構造物の負担荷重も大幅に軽減できる。
【0020】
<3>流下物捕捉ネットの補修
流下物捕捉ネット10を構成する単索40は中継連結具50に着脱可能に組み立てられている。
そのため、一部の単索40が損傷した場合には、流下物捕捉ネット10全体を交換せずに、損傷した単索40のみを中継連結具50から取り外して新たな単索40に簡単に交換でき、又、中継連結具50が損傷した場合も同様に中継連結具50を簡単に付け替えて補修することができる。
【0021】
[実施例2]
図6,7に他の実施例に係る流下物捕捉ネット10について説明する。
先の実施例では、複数の単索40を縦横方向に交差して配置し、その交点に中継連結具50を介装してネット本体20を構成した形態について説明したが、複数の単索40を斜め方向に交差させて組み立ててもよい。
図6はネット本体20の上下辺、左右辺を除き、複数の単索40を斜め方向に交差させて、菱形の網目Aを形成した形態を示す。
図7は複数の横方向に配置した単索40と、交差斜め方向に配置した単索40とを交差させ、三角形の網目Aを形成した形態を示す。
図7に示したネット本体20を90度回転させた形態であってもよい。
また
図1,6,7に示した複数のネット本体20の形態を階層的に組み合わせて流下物捕捉ネット10を組み立ててもよい。
何れの形態もネット本体20の左右側辺に端末取付ロープ30が取り付けられている。
【0022】
本例にあっては、各中継連結具50に連結する単索40の連結数を変更することで、ネット本体20内の網目Aの形状を円形を除いた任意の幾何学形状(三角形、方形、菱形、多角形等)を選択してネット本体20の強度を変更できる。
更に複数の単索40と複数の中継連結具50の組み合わせることでネット本体20の輪郭形状も任意の形状に組み立てることが可能である。
【0023】
[実施例3]
図8,9を参照して流下物捕捉ネット10の取付例を説明する。
本例では渓床に所定の間隔を隔てて立設した剛構造物である支柱60,60の間に流下物捕捉ネット10を横架する場合について説明する。
【0024】
<1>流下物捕捉ネットの端末取付ロープの巻付け
断面円形の支柱60,60の側面に既述した流下物捕捉ネット10を配置し、ネット本体20の両側から延出した単索40製の各端末取付ロープ30の終端側を各支柱60の周面に半周分だけ巻き掛ける。
支柱60の外周面には端末取付ロープ30の取り付け高さに合せて複数のストッパ61を突設している。
本例ではストッパ61を支柱60の外側面に突設した形態を示すが、ストッパ61は支柱60の前面側(流下物捕捉ネット10の設置側)から支柱60の背面側(背面ループ材60の設置側)に至る区間の周面に突設してあればよい。
各支柱60の周面に巻き掛けた各端末取付ロープ30の端輪41を対応する各ストッパ61に外装する。
端末取付ロープ30の端輪41をストッパ61に外装したのは、端輪41の可動域(端末取付ロープ30の摺動量)をストッパ61によって一定範囲に規制するためである。
【0025】
<2>背面ループ材による流下物捕捉ネットの張設
各端末取付ロープ30を単独で引張りながら端輪41をストッパ61に掛止させて流下物捕捉ネット10を隣り合う支柱60,60間に張設することも可能であるが、流下物捕捉ネット10の重量が加わるために各端末取付ロープ30を個別に緊張するには大きな緊張力を必要とする。
そこで、
図9に示すように、左右両側の端末取付ロープ30の端輪41,41間に支柱60のスパンの2倍以上の長さを有するロープ材製の背面ループ材70を挿通して架け渡し、この背面ループ材70を縮径方向に締め付けることで各端末取付ロープ30を緊張する。
背面ループ材70の重合部はワイヤクリップ等の固定具71で摺動不能に固定する。
端末取付ロープ30の緊張にあたり、端末取付ロープ30の端輪41が動滑車の役割を果たすため、背面ループ材70を小さな緊張力で引っ張ることで、隣り合う支柱60,60の間に流下物捕捉ネット10を弛みのない状態で張設できる。
図9(b)では背面ループ材70を緊張して端末取付ロープ30の端輪41の基端側がストッパ61に衝当した状態を示している。
【0026】
<3>衝撃力の伝達経路
本例では流下物捕捉ネット10に作用する衝撃力はつぎの経路を通じて支持される。
【0027】
<3.1>背面ループ材による衝撃力の支持作用
土石流等が流下物捕捉ネット10に衝突すると、その衝撃力が端末取付ロープ30,30を介して背面ループ材70に伝達し、背面ループ材70によって衝撃力が支持される。
既述したように端末取付ロープ30の端輪41が動滑車の役割を果たすため、背面ループ材70による衝撃力の荷重負担を大幅に軽減することができる。
そのため、背面ループ材70は低強度の小径ロープ材で対応でき、固定具71も小型のもので対応できる。
流下物捕捉ネット10に作用した衝撃力は、シングル構造の流下物捕捉ネット10及び二重構造の背面ループ材70に分散されて支持される。
【0028】
<3.2>支柱による衝撃力の支持作用
受撃に伴い背面ループ材70が伸びる。背面ループ材70の伸びに伴い、支柱60に突設したストッパ61に対する端末取付ロープ30の端輪41が流下物捕捉ネット10側へ引き摺られ、端輪41の先端部がストッパ61に当接することで、端末取付ロープ30の摺動が規制される。
図9(c)は端末取付ロープ30の端輪41の先端部がストッパ61に衝当した状態を示している。
端末取付ロープ30の摺動量は、端末取付ロープ30の端輪41の全長により求められる。
そのため、流下物捕捉ネット10に作用した衝撃力はストッパ61を通じて支柱60へ伝わり、最終的に衝撃力は流下物捕捉ネット10と背面ループ材70だけでなく支柱60も協働して支持することになる。
衝撃力の支持部材に支柱60が加わることで、背面ループ材70の荷重負担が軽減される。
このように本例では流下物捕捉ネット10に作用した衝撃力を最初に背面ループ材70で支持した後に、最終的に支柱60で支持することができる。