特許第6566402号(P6566402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566402
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】薄形LEDポスターパネル
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20190819BHJP
   G09F 15/00 20060101ALI20190819BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20190819BHJP
【FI】
   G09F13/18 D
   G09F15/00 Z
   F21S2/00 443
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-41608(P2017-41608)
(22)【出願日】2017年3月6日
(65)【公開番号】特開2018-146780(P2018-146780A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】516172042
【氏名又は名称】佐野 達広
(73)【特許権者】
【識別番号】513196463
【氏名又は名称】FREE SHINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
(72)【発明者】
【氏名】佐野 達広
(72)【発明者】
【氏名】田村 豊
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−160397(JP,A)
【文献】 特開2006−208582(JP,A)
【文献】 特開2012−194581(JP,A)
【文献】 特開平11−125719(JP,A)
【文献】 特開平04−288527(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0053007(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00 − 13/46
G09F 15/00
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面より入射したLED光源の光を対向する他側面方向へ導く矩形状の透明樹脂製の導光パネル板と、
前記導光パネル板の後面部に配され、LED光源の側方からの光を前面方向に反射する反射手段と、
前記反射手段の反射光によって照明される前記導光パネル板の前面部の広告表示領域とを備えたLEDパネルにおいて、
前記広告表示領域の周囲の前記矩形状の導光パネル板の下面部と左右側面部とを覆う金属製枠材と、
前記導光パネル板の前記金属製枠材で覆われていない一辺側に形成された吊下用の掛止手段とを更に備え、
前記広告表示領域が、A2サイズ〜B1サイズのポスターを保持可能な面積を有し、
前記透明樹脂製の導光パネル板の厚さが、6mm未満2mm以上であり、
前記金属製枠材が、前記導光パネル板の下面部と左右側面部との各々の厚さ方向を挟んで表面及び裏面に折り曲げられた断面コ字状であり、
前記LED光源として、対向する左右両側の前記金属製枠材の断面コ字状の内側に複数のLED光源群が配され、
前記金属製枠材の前記導光パネル板の左右両側と下側との外方に向かって形成された空冷フィンを更に備えたことを特徴とする薄形LEDポスターパネル。
【請求項2】
前記反射手段として、前記導光パネル板側を反射層として加工した金属製や硬質樹脂製の単層又は複層の硬質板を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の薄形LEDポスターパネル。
【請求項3】
前記下側の金属製枠材が、前記導光パネル板を支え、
前記LED光源が配される前記左右両側の金属製枠材が、前記導光パネル板に対して、遊びを持たせて保持していることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄形LEDポスターパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の壁や窓等に吊下げて広告ポスターを後面側から照明することもできる軽量で薄形のLEDポスターパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、写真フイルム等の透光性の広告デザインに対して、パネルのエッジ部分に収装したLED光源に基づき照射を行うことにより、広告デザインをはっきりと浮き立たせるようなLEDサインパネルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなLEDサインパネルは、矩形状を呈する透明資材製パネル板の外周縁寄りやや内輪の位置に形成された凹溝にLED群を嵌め込み、LED群の発する光が透明資材製パネル板の四周縁まで透過することができるようにLED群の嵌め込み部分に光伝達のための透明資材部分を設け、パネル板の後面側に凹溝全体を覆うことができる程度の大きさを具えた反射板を張設し、反射板の正面方向に反射光を乱反射させる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−95439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなLEDサインパネルについては、透明パネル板として主にアクリル樹脂基板等の透明樹脂パネル板が用いられているが、この透明樹脂パネル板は比較的重く、ポスター等の広い面積の広告を搭載させる広い面積のパネル板では、広告ポスターの張り替えが面倒であることが第1の課題であった。
【0006】
加えて、パネル板とこの基板を支持する枠材等の総重量が十数kg〜二十数kgとなり、枠材自体を軽量化する場合には、パネル板自体の強度を向上させる必要があるため、パネル板の厚さを厚くして、強度を高める必要があり、逆にパネル板の重さが増加し、軽量化が難しいことも課題であった。
【0007】
本発明は、大きな広告ポスターを保持する大型パネルであっても軽量化することができるLEDポスターパネルを得ることを目的とする。また、軽量化の伴って発生する弊害を更に解消した薄形LEDポスターパネルを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明に係る薄形LEDポスターパネルは、一側面より入射したLED光源の光を対向する他側面方向へ導く矩形状の透明樹脂製の導光パネル板と、
前記導光パネル板の後面部に配され、LED光源の側方からの光を前面方向に反射する反射手段と、
前記反射手段の反射光によって照明される前記導光パネル板の前面部の広告表示領域とを備えたLEDパネルにおいて、
前記広告表示領域の周囲の前記矩形状の導光パネル板の下面部と左右側面部とを覆う金属製枠材と、
前記導光パネル板の前記金属製枠材で覆われていない一辺側に形成された吊下用の掛止手段とを更に備え、
前記広告表示領域が、A2サイズ〜B1サイズのポスターを保持可能な面積を有し、
前記透明樹脂製の導光パネル板の厚さが、6mm未満2mm以上であり、
前記金属製枠材が、前記導光パネル板の下面部と左右側面部との各々の厚さ方向を挟んで表面及び裏面に折り曲げられた断面コ字状であり、
前記LED光源として、対向する左右両側の前記金属製枠材の断面コ字状の内側に複数のLED光源群が配され、
前記金属製枠材の前記導光パネル板の左右両側と下側との外方に向かって形成された空冷フィンを更に備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項に記載された発明に係る薄形LEDポスターパネルは、請求項に記載の反射手段として、前記導光パネル板側を反射層として加工した金属製や硬質樹脂製の単層又は複層の硬質板を更に備えたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項に記載された発明に係る薄形LEDポスターパネルは、請求項1又は2に記載の下側の金属製枠材が、前記導光パネル板を支え、
前記LED光源が配される前記左右両側の金属製枠材が、前記導光パネル板に対して、遊びを持たせて保持していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、大きな広告ポスターを保持する大型パネルであっても軽量化することができるLEDポスターパネルを得ることができる。更に、軽量化の伴って発生する弊害を更に解消した薄形LEDポスターパネルを得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の薄形LEDポスターパネルの一実施例の構成を説明する正面図である。
図2図1の側部の部分的な拡大断面図である。
図3図1の背面図である。
図4】本発明の薄形LEDポスターパネルの別の実施例の構成を説明する正面図である。
図5図4の側部の部分的な拡大断面図である。
図6図4の背面図である。
図7】本発明の薄形LEDポスターパネルの更に別の実施例の構成を説明する正面図である。
図8図7の側部の部分的な拡大断面図である。
図9図7の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明においては、一側面より入射したLED光源の光を対向する他側面方向へ導く矩形状の透明樹脂製の導光パネル板と、導光パネル板の後面部に配され、LED光源の側方からの光を前面方向に反射する反射手段と、反射手段の反射光によって照明される前記導光パネル板の前面部の広告表示領域とを備えたたLEDパネルであり、特に、大きな広告ポスターを保持する大型パネルである。
【0016】
このようなパネルにおいて、広告表示領域の周囲の前記矩形状の導光パネル板のLED光源を含む三側面を覆う金属製枠材を備え、透明樹脂製の導光パネル板の厚さが、6mm未満2mm以上の薄さとすることにより、大きな広告ポスターを保持する大型パネルであっても、透明樹脂製の導光パネル板の厚さを従来よりも低減することができるため、導光パネル板等を保持する金属製枠材自体の重量も低減することができるため、大型パネルであっても従来よりも軽量化することができ、店舗の壁や窓等に吊下げて広告印刷シートを後面側から照明することも可能となる。
【0017】
本発明の導光パネル板としての透明樹脂製の板としては、一側面より入射したLED光源の光を対向する他側面方向へ導く矩形状の透明樹脂製の板であればよい。例えば、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂(Polymethyl methacrylate)、ポリカーボネート樹脂(polycarbonate)等が挙げられる。本発明では、導光パネル板の厚さが、6mm未満2mm以上の薄さとしているが、6mm以上では従来のポスターパネルと同等であり、2mmよりも小さい場合には、この厚さに適合する小さいLED光源が高価となるからであり、より好ましくは3mm程度とすることで、従来のパネルの約半分の軽量化が可能となる。
【0018】
また、本発明の反射手段としては、導光パネル板の後面部に配され、LED光源の側方からの光を前面方向に反射するものであり、広告表示領域の投映面を後面側から覆うように配される。反射手段は、透明板に高い反射を行うように平滑な高輝度の反射層を形成させてもよいし、鏡面状又は高輝度で反射する白色のシール材を鋼板等の硬質板材に貼着して構成してもよい。尚、透明板に反射層を形成させたものでは、後面側にもLED光源の光を反射させることもできるため、後面側も広告表示領域とすることができる。
【0019】
更に、本発明のポスター保持手段の透明板としては、最も外方に配置されるため、透明性が高く、軽量で、耐クリープや耐疲労性が大きく、耐熱性・耐寒性に優れ、電気絶縁性、耐薬品性、耐摩耗性が良い材質ものものが選択される。後述する実施例ではPET(ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate))が選択されている。
【0020】
また、本発明の金属製枠材としては、広告表示領域の周囲の矩形状の導光パネル板のLED光源を含む三側面を覆ってLED光源の放熱を行うものであればよく、放熱性の高く、強度が高く、軽量な金属が選択される。好ましくは安価なアルミニウム等が選択される。店舗の壁や窓等に吊下げて広告ポスターを後面側から照明することを考慮すると、金属製枠材で覆われていない一側部に広告印刷シートの出し入れ口を形成するため、好ましくは出し入れ口を上辺部として、金属製枠材はこのパネル板の下面部と左右側面部とを覆うように配置される。また、LED光源は視認性を向上させるため、好ましくは、左右側面部に配置することにより、高い照度を得ることが可能となる。尚、金属製枠材は導光パネル板の少なくとも三側面を覆うものであればよく、他の一側面についてもこれを塞いで四側面を覆う枠材としてもよい。
【0021】
本発明における透明樹脂製の導光パネル板の厚さとしては、従来のポスターパネルの導光パネル板よりも薄いものであれば、軽量化の効果を奏することができる。特に大型の広告パネルを保持可能な大型のものであればより高い軽量化を行うことできる。従来の大型パネルの導光パネル板が6mm厚以上であるため、6mm未満とすることにより軽量化が図れる。また、2mm厚よりも薄くすると更なる軽量化が図れるが、LED光源の光を導く導光パネル板としての輝度が低減する可能性もあり、2mm厚以上とした。より好ましくは3mm厚とすることで従来のポスターパネルの半分の重量とすることができる。
【0022】
本発明においては、軽量化を実現することができるため、店舗の壁や窓等に吊下げて広告ポスターを後面側から照明することができる。この場合、好ましくは、本発明の矩形状の透明樹脂製の導光パネル板の金属製枠材で覆われていない一辺側に吊下用の掛止手段を更に備える。
【0023】
また、本発明の広告表示領域としては、より具体的には、A2サイズ(420mm×594mm)〜B1サイズ(728mm×1030mm)のポスターを保持可能な面積を有するものが挙げられる。
【0024】
更に、本発明においては、広告表示領域の周囲の矩形状の導光パネル板のLED光源を含む三側面を覆ってLED光源の放熱を行う金属製枠材と、金属製枠材で覆われていない一側部に広告印刷シートの出し入れ口を形成しこの金属製枠材の三側面に接続された透明板と導光パネル板の表面との間隙内に広告印刷シートを保持するポスター保持手段を備えてもよい。これにより、大きな広告印刷シートは出し入れ口から挿入することで容易に保持することができる。
【0025】
また、本発明の薄形LEDポスターパネルでは、アクリル樹脂等の透明樹脂の導光パネル板の厚さを薄くして軽量化を実現しているが、導光パネル板の厚さを薄くした場合には、LEDの点灯時に発生する熱によって、導光パネル板等が膨張し、その膨張の不均一さによってパネル自体に不均一な反りが発生して、捩り状の変形が生じる問題が生じる場合があった。
【0026】
具体的には、LED光源は熱の発生が白熱電球よりも遙かに小さいが、視認性を向上させるための高い照度(例えば、3500ルクス以上)を得るために、高輝度のLED光源を多数配置することもある。このため、高い照度を得る場合に、当然のことながら、熱が発生し、結果的にポスターパネルのLED光源が配置される箇所の近傍では30℃〜50℃程度の発熱が生じることとなる。この熱とポスターパネルの他の箇所との熱の不均一に起因して、導光パネル板が膨張し、その膨張の不均一さによってポスターパネル自体に不均一な反りが発生して、捩り状の変形が生じる問題が生じる場合があった。
【0027】
そのため、本発明では、好ましくは、軽量化に伴ってLED光源からの熱等で発生する導光パネル板の反りを防止する反り防止手段を更に備える。
【0028】
具体的な反り防止手段の一つは、導光パネル板の後面部に配されて導光パネル板に当接する表面を反射手段とする硬質板である。即ち、硬質板を導光パネル板の後面部に配して、導光パネル板の反りをこの硬質板で防止するものである。硬質板としては、導光パネル板側を反射層として加工した金属製や硬質樹脂製の単層又は複層の硬質板が挙げられる。
【0029】
他の反り防止手段は、金属製枠材で覆われたLED光源の放熱を行う放熱手段であって、この放熱手段がLED光源を少なくとも1側面に設置する金属製枠材に形成された放冷片である。即ち、金属製枠材の放熱性を向上させることで、LED光源からの熱が導光パネル板に影響を及ぼさないようにする。即ち、好ましくは、金属製枠材に放熱効果を向上させる放熱向上手段を更に備えるものである。
【0030】
より具体的には、広告表示領域の周囲の矩形状の導光パネル板のLED光源を含む三側面を覆ってLED光源の放熱を行う金属製枠材について、LED光源を金属製枠材へ確実に設置する。この金属製枠材の表面積を広く取ることで良好な空冷機構を備えるようにする。
【0031】
例えば、金属製枠材を導光パネル板の厚さ方向から裏面側に断面L字状に折り曲げて、裏面側の面積を大きく取ることにより、LED光源からの熱を良好に放出させるだけでなく、導光パネル板の捩り状の変形に対しても矯正する効果を奏する。また、導光パネル板の厚さ方向を挟んで表面及び裏面に断面コ字状に折り曲げた金属製枠材の場合には、金属製枠材の外方に向かって空冷フィンを形成した枠材としてLED光源からの熱を良好に放出させる。また、コ字状に導光パネル板を挟むことにより、捩り状の変形に対しても矯正する効果も奏する。
【0032】
更に他の反り防止手段は、導光パネル板の三側面を覆う前記金属製枠材の中間側面を覆う金属枠材を前記導光パネル板の下端縁を支持する支持枠とし、導光パネル板の左右側面を覆う前記金属製枠材に対して前記導光パネル板の両側端縁を遊嵌する遊嵌機構である。
【0033】
即ち、軽量化に伴って発生する弊害を解消する他の工夫としては、導光パネル板と金属製枠材とに遊びを持たせて、導光パネル板の不均一な膨張を直接的に金属製枠材に伝えないようにすることも有効である。このため、LED光源はしっかりと金属製枠材に設置させた上で、導光パネル板及びそのパネル板の後面部に配される反射手段とを、金属製枠材に遊びを持たせて保持させればよい。
【0034】
より具体的には、導光パネル板の左右側面の両側面を覆う金属製枠材の上方部に吊下用の掛止手段を備え、下側部の金属製枠材で導光パネル板を支え、LED光源が配される左右側面の金属製枠材に対して、若干小さい幅の導光パネル板を選択して、金属製枠材と導光パネル板とを遊びを持たせて保持させることにより、導光パネル板の不均一な膨張を直接的に金属製枠材に伝えないようにする。
【実施例】
【0035】
図1は本発明の薄形LEDポスターパネルの一実施例の構成を説明する正面図である。図2図1の側部の部分的な拡大断面図である。図3図1の背面図である。図4は本発明の薄形LEDポスターパネルの別の実施例の構成を説明する正面図である。図5図4の側部の部分的な拡大断面図である。図6図4の背面図である。
【0036】
図1図2及び図3に示す通り、本実施例の薄形LEDポスターパネル10は、一側方より入射したLED光源の光を対向する他側方へ導く導光板として機能する厚さ3mm、横619mm、縦889mmの矩形状の透明なアクリル樹脂製の導光パネル板11を備える。この導光パネル板11の後面部には、反射手段としてのPVC製の反射板12が配されいる。
【0037】
この導光パネル板11の下面部及び左右側面部の三面部を覆うようにアルミ製の金属製枠材15が配されている。本実施例の金属製枠材15は、導光パネル板11の側面の厚さ方向から裏面側に断面L字状に折り曲げて形成されている。図2に示す通り、断面L字状の金属製枠材15の左右側面内側には、導光パネル板11の左右側面に対向して複数のLED光源14群が配されている。
【0038】
導光パネル板11の前面部の金属製枠材15で囲まれた内側が広告表示領域13となる。広告表示領域13は、本実施例では、A1(594mm×841mm)の広告ポスターを保持可能な領域を確保している。本実施例では、広告表示領域13には広告印刷シートとしての広告ポスター30を保持するポスター保持手段としてのポスター保持部18を備える。
【0039】
詳しくは、図2に示す通り、ポスター保持部18は、金属製枠材15に配されたLED光源14群を覆い、尚且つ、導光パネル板11の両側と下側との3方の端縁部に貼着されるフォームラバー製のスペーサ帯17と、このスペーサ帯17に縁縁部が貼着される0.8mm厚のPET製の透明板16とを備える。
【0040】
スペーサ帯17が貼着されていない上部は、広告ポスター30の出し入れ口19が形成され、出し入れ口19の中央部には透明板16に切欠20が形成されている。また、透明板16の4側縁部には仮想のスペーサ帯17を隠し、出し入れ口19を明確にするために黒色又は灰色の印刷帯が印刷されている。また、出し入れ口19の上方には掛止手段としての掛止孔25が左右に均等に配されている。これにより薄形LEDポスターパネル10の吊り下げ固定が可能となる。
【0041】
本実施例の薄形LEDポスターパネル10の厚さは、導光パネル板の厚さを3mmとしたために、最も厚い部分で合計6mmとなっている。このため、同等サイズの従来のポスターパネルの半分以下の軽量化を実現した。更に、透明樹脂パネル板の厚さを薄くした場合には、LEDの点灯時に発生する熱によって、透明樹脂パネル板及びこのパネル板の後面に配されている反射板が膨張し、その膨張の不均一さによってパネル自体に不均一な反りが発生して、捩り状の変形が生じる問題を解消する反り防止手段を備えている。
【0042】
具体的には、LED光源の放熱効果を向上させる反り防止手段としての放熱手段としては、金属製枠材15の断面L字状の裏面側の折曲げ面積を広くしていることで放熱効果を大きくしている。加えて、裏面側の面積を大きく取ることにより導光パネル板の捩り状の変形に対しても矯正する効果も奏している。
【0043】
図4図5及び図6に示す通り、別の実施例の薄形LEDポスターパネル40は、一側方より入射したLED光源の光を対向する他側方へ導く導光板として機能する厚さ3mm、横610mm、縦889mmの矩形状の透明なアクリル樹脂製の導光パネル板41を備える。この導光パネル板41の後面部には、反射手段としてのPVC製の反射板42が配されいる。このPVC製の反射板42は後面側にもLED光源の光を反射することもできるため、後面側も広告表示領域43とすることができる。
【0044】
この導光パネル板41の下面部及び左右側面部の三面部を覆うようにアルミ製の金属製枠材45が配されている。本実施例の金属製枠材45は、導光パネル板の厚さ方向を挟んで表面及び裏面に断面コ字状に折り曲げた構成である。図5に示す通り、断面コ字状の金属製枠材45の左右側面内側には、導光パネル板41の左右側面に対向して複数のLED光源44群が配されている。
【0045】
本実施例では、導光パネル板41の前面部の金属製枠材45で囲まれた内側と、後面部の金属製枠材45で囲まれた内側との2面が広告表示領域43となる。広告表示領域43は、本実施例でも、A1(594mm×841mm)の広告印刷シートとしての広告ポスターを保持可能な領域を確保している。本実施例では、広告表示領域43の各々には広告ポスター60を保持するポスター保持手段としてのポスター保持部48を備える。
【0046】
詳しくは、図5に示す通り、ポスター保持部48は、導光パネル板41の表裏面の両側と下側との3方の端縁部に貼着されるフォームラバー製のスペーサ帯47と、このスペーサ帯47に縁縁部が貼着される0.8mm厚のPET製の透明板46とを各々備える。断面がコ字状の金属製枠材45はこれらポスター保持部48が配された導光パネル板41と反射板42との積層体を保持しつつ、LED光源44群の光を導光パネル板44の側面から導入する。
【0047】
表裏のスペーサ帯47が貼着されていない上部は、広告ポスター60の出し入れ口49が形成され、出し入れ口49の中央部には各々の透明板46に切欠50が形成されている。また、透明板46の上縁部には出し入れ口49を明確にするために黒色又は灰色の印刷帯が印刷されている。また、出し入れ口49の上方には掛止手段としての掛止孔55が左右に均等に配されている。これにより薄形LEDポスターパネル40の吊り下げ固定が可能となる。
【0048】
本実施例の薄形LEDポスターパネル40の厚さは、導光パネル板の厚さを3mmとし、表裏両面にポスター保持部48を備えたために、最も厚い部分で合計10mmとなっている。このため、同等サイズの従来のポスターパネルの約半分の軽量化を実現した。更に、透明樹脂パネル板の厚さを薄くした場合には、LEDの点灯時に発生する熱によって、透明樹脂パネル板及びこのパネル板の後面に配されている反射板が膨張し、その膨張の不均一さによってパネル自体に不均一な反りが発生して、捩り状の変形が生じる問題を解消する反り防止手段を備えている。
【0049】
具体的には、LED光源の放熱効果を向上させる反り防止手段としての放熱手段として、金属製枠材45の断面コ字状の金属製枠材の外方に向かって空冷フィン51を形成した枠材としてLED光源からの熱を良好に放出させる。また、コ字状に導光パネル板を挟むことにより、捩り状の変形に対しても矯正する効果も奏している。
【0050】
図7図8及び図9に示す通り、更に別の実施例の薄形LEDポスターパネル70は、一側方より入射したLED光源の光を対向する他側方へ導く導光板として機能する厚さ3mm、横610mm、縦889mmの矩形状の透明なアクリル樹脂製の導光パネル板71を備える。この導光パネル板71の後面部には、導光パネル板71面側に反射手段としての反射層72が形成された2mm厚の硬質板82が配されいる。本実施例の硬質板82は、硬質樹脂としてポリエチレン樹脂の表裏面に反射層72として白カラー塗装のアルミニウム材で挟み込んで形成されている。
【0051】
この導光パネル板71と硬質板82との下面部及び左右側面部の三面部を覆うようにアルミ製の金属製枠材75が配されている。本実施例の金属製枠材75は、導光パネル板の厚さ方向を挟んで表面及び裏面に断面コ字状に折り曲げた構成である。図8に示す通り、断面コ字状の金属製枠材75の左右側面内側には、導光パネル板71の左右側面に対向して複数のLED光源74群が配されている。
【0052】
本実施例では、導光パネル板71の前面部の金属製枠材75で囲まれた内側の面が広告表示領域73となる。広告表示領域73は、本実施例でも、A1(594mm×841mm)の広告印刷シートとしての広告ポスターを保持可能な領域を確保している。本実施例では、広告表示領域73の各々には広告ポスター90を保持するポスター保持手段としてのポスター保持部78を備える。
【0053】
詳しくは、図8に示す通り、ポスター保持部78は、導光パネル板71の表裏面の両側と下側との3方の端縁部に貼着されるフォームラバー製のスペーサ帯77と、このスペーサ帯77に縁縁部が貼着される0.8mm厚のPET製の透明板76とを各々備える。断面がコ字状の金属製枠材75はこれらポスター保持部78が配された導光パネル板71と反射板72との積層体を保持しつつ、LED光源74群の光を導光パネル板71の側面から導入する。
【0054】
スペーサ帯77が貼着されていない上部は、広告ポスター90の出し入れ口79が形成され、出し入れ口79の中央部には各々の透明板76に切欠80が形成されている。また、透明板76の上縁部には出し入れ口79を明確にするために黒色又は灰色の印刷帯が印刷されている。また、出し入れ口79の上方には掛止手段としての掛止孔85が左右に均等に配されている。これにより薄形LEDポスターパネル60の吊り下げ固定が可能となる。
【0055】
本実施例の薄形LEDポスターパネル60の厚さは、表面側に3mmのスペーサ帯77のポスター保持部78を備えたために、金属製枠材75を含まない厚さで9.5mm、金属製枠材75の厚さを含めて12mmとなっており、同等サイズの従来のポスターパネルの約半分の軽量化(4.5kg)を実現した。更に、透明樹脂パネル板の厚さを薄くした場合には、LEDの点灯時に発生する熱によって、透明樹脂パネル板及びこのパネル板の後面に配されている反射板が膨張し、その膨張の不均一さによってパネル自体に不均一な反りが発生して、捩り状の変形が生じる問題を解消する反り防止手段を備えている。
【0056】
具体的には、一つの反り防止手段としては、硬質板82の導光パネル板71の後面部への配置である。硬質板82の導光パネル板71の後面部へ配置されることにより、導光パネル板71の反りをこの硬質板82で防止することができる。また、図4のポスターパネル40と同様に、LED光源の放熱効果を向上させる工夫として、金属製枠材75の断面コ字状の金属製枠材75の外方に向かって空冷フィン81を形成した枠材としてLED光源からの熱を良好に放出させ、尚且つ、硬質板82のアルミニウム材が金属製枠材75に接続されていることからも放熱効果を向上させている。また、コ字状に導光パネル板を挟むことにより、捩り状の変形に対しても矯正する効果も奏している。
【符号の説明】
【0057】
10…薄形LEDポスターパネル、
11…導光パネル板、
12…反射板、
13…広告表示領域、
14…LED光源、
15…金属製枠材、
16…透明板、
17…スペーサ帯、
18…ポスター保持部(ポスター保持手段)、
19…出し入れ口、
20…切欠、
21…保持テープ、
25…掛止孔、
30…広告ポスター(広告印刷シート)、
40…薄形LEDポスターパネル、
41…導光パネル板、
42…反射板、
43…広告表示領域、
44…LED光源、
45…金属製枠材、
46…透明板、
47…スペーサ帯、
48…ポスター保持部(ポスター保持手段)、
49…出し入れ口、
50…切欠、
51…空冷フィン、
55…掛止孔、
60…広告ポスター(広告印刷シート)、
70…薄形LEDポスターパネル、
71…導光パネル板、
72…反射層、
73…広告表示領域、
74…LED光源、
75…金属製枠材、
76…透明板、
77…スペーサ帯、
78…ポスター保持部(ポスター保持手段)、
79…出し入れ口、
80…切欠、
81…空冷フィン、
82…硬質板、
85…掛止孔、
90…広告ポスター(広告印刷シート)、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9