(54)【発明の名称】統合電気化学的インピーダンス分光法(「EIS」)に配慮して複数の燃料電池および電力エレクトロニクスが負荷に並列に給電する燃料電池システムのための構造および方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、その全体が本願明細書において参照により援用されている米国特許出願第13/937,312号明細書(特許文献2)に記載されているように、1つの典型的な燃料電池システムは、情報技術(IT)負荷(すなわち、データセンター環境に見出される1つまたは複数のコンピュータ、1つまたは複数のサーバ、1つまたは複数のモデム、1つまたは複数のルータ、1つまたは複数のラック、電源接続部、およびその他のコンポーネントのうちの1つ以上を含み得るITシステムで動作するデバイス)などのDC負荷102と、入出力モジュール(IOM)104と、1つ以上の電力モジュール106とを含む。
【0009】
IOM104は、1つ以上の電力調整コンポーネントを含むことができる。電力調整コンポーネントは、DC/ACインバータ104A(例えば、その全体が本願明細書において参照により援用されている米国特許第7,705,490号明細書(特許文献3)に記載されているDC/ACインバータ)、グリッドに出力されるAC電力のための電気コネクタ、電気的過渡状態を管理するための回路、システムコントローラ(例えば、コンピュータまたは専用制御論理デバイスもしくは回路)などの、DC電力をAC電力に変換するためのコンポーネントを含むことができる。電力調整コンポーネントは、燃料電池モジュールからのDC電力を様々なAC電圧および周波数に変換するように設計され得る。208V/60Hz、480V/60Hz、415V/50Hzおよび他の普通の電圧および周波数のためのデザインが提供され得る。
【0010】
各電力モジュール106のキャビネットは、1つ以上のホットボックスを収容するように構成される。各ホットボックスは、導電性相互接続板により分離されるセラミック酸化物電解質を有する固体酸化物燃料電池の1つ以上のスタックまたはコラムなどの、燃料電池106Aの1つ以上のスタックまたはコラム(一般的に「セグメント」と称される)を含む。PEM、溶融炭酸塩、リン酸などの他の燃料電池タイプも使用され得る。
【0011】
燃料電池はしばしば組み合わされて「スタック」と呼ばれる単位とされ、燃料電池同士は電気的に直列に接続され、相互接続体として機能するガスセパレータ板などの導電性相互接続体により分離される。燃料電池スタックは、その端部に導電性端板を含むことができる。燃料電池スタックの一般化は燃料電池セグメントまたはコラムであり、これは直列に接続された1つ以上の燃料電池スタックを含むことができる(例えば、1つのスタックの端板が次のスタックの端板に電気的に接続される)。燃料電池セグメントまたはコラムは、セグメントまたはコラムからの直流電流を電力調整システムに出力する電気リード線を含むことができる。燃料電池システムは1つ以上の燃料電池コラムを含むことができ、その各々は、固体酸化物燃料電池スタックなどの1つ以上の燃料電池スタックを含むことができる。
【0012】
燃料電池スタックは内部に燃料のためのマニホルドを有することができ、外部に空気のためのマニホルドを有することができ、その全体が本願明細書において参照により援用されている米国特許第7,713,649号明細書(特許文献4)に記載されているように燃料入口および排出ライザだけが燃料電池層および/または燃料電池間の相互接続板の開口部を通って延びる。燃料電池は、直交流(空気および燃料が各燃料電池において電解質の両側で互いにほぼ垂直に流れる)、逆流平行(各燃料電池において電解質の両側で空気および燃料が互いにほぼ平行だが反対方向に流れる)、または共通流平行(各燃料電池において電解質の両側で空気および燃料が互いにほぼ平行で同じ方向に流れる)構成を持つことができる。
【0013】
電力モジュールは、太陽電池、風力タービン、地熱または水力発電装置などの、直流電流の他の発電装置を含むこともできる。
【0014】
燃料電池の1つまたは複数のセグメント106Aは、モジュール106内に位置する1つ以上のDC/DCコンバータ106Bによって、スプリットDCバスなどの1つ以上のDCバス112に接続され得る。DC/DCコンバータ106Bは、燃料電池システム内のどこにでも(例えば、電力モジュール106の代わりにIOM104内に)置かれ得る。
【0015】
システムは、任意に、スーパーキャパシタ、バッテリ、フライホイールなどのバンクなどの蓄積装置を含むエネルギー蓄積モジュール108を含むこともできる。蓄積装置も、
図1に示されているように1つ以上のDC/DCコンバータを用いてDCバス112に接続され得る。代わりに、蓄積装置は、電力モジュール106内および/またはIT付加102とともに置かれ得る。
【0016】
図2および
図5は、その全体が本願明細書において参照により援用されている米国特許第8,440,362号明細書(特許文献5)に記載されている典型的なモジュラー燃料電池システムを示す。
【0017】
モジュラーシステムは、前述したようなモジュールおよびコンポーネント、ならびにその全体が本願明細書において参照により援用されている「Modular Fuel Cell System」という2007年1月22日に出願された米国特許出願第11/656,006号明細書(特許文献6)に記載されているモジュールおよびコンポーネントを含むことができる。燃料電池システムエンクロージャ10のモジュラーデザインは、フレキシブルなシステム設置および動作を提供する。モジュールは、設置される発電能力のスケーリング、信頼し得る発電、燃料処理の柔軟性、および単一のデザインセットでの電力出力電圧および周波数の柔軟性を可能にする。モジュラーデザインは、非常に高度の稼働率および信頼性を有する「常時オン」ユニットをもたらす。このデザインは、スケールアップの容易な手段を提供し、顧客の設備の具体的な必要条件を満たす。モジュラーデザインは、顧客および/または地域により変化し得る、利用可能な燃料ならびに必要とされる電圧および周波数の使用をも可能にする。
【0018】
モジュラー燃料電池システムエンクロージャ10は、複数の電力モジュールハウジング12(燃料電池電力モジュールコンポーネント70を含み、ハウジング12およびそのコンポーネント70は
図1において共同で番号106を付している)、1つ以上の燃料入力(すなわち、燃料処理)モジュールハウジング16、および1つ以上の電力調整(すなわち、電気出力)モジュールハウジング18(ハウジングおよびその内容は
図1において番号104を付して「IOM」と称される)を含む。例えば、システムエンクロージャは、2〜30電力モジュールなどの任意の所望の数のモジュール(例えば、6〜12電力モジュール)を含むことができる。
図2は、共通ベース20上の6個の電力モジュール(1列に横並びに積み重ねられた6個のモジュール)、1個の燃料処理モジュール、および1個の電力調整モジュールを含むシステムエンクロージャ10を示す。各モジュールは、それ自身のキャビネットまたはハウジングを備えることができる。代わりに、以下でより詳しく記載するように、電力調整モジュール(すなわち、IOM)および燃料処理モジュールを、組み合わせて1つのキャビネットまたはハウジング14内に位置する単一の入出力モジュールとすることができる。簡潔性を目的として、以下では各ハウジング12、14、16、18を「モジュール」と称する。
【0019】
1列の電力モジュール12が示されているが、システムは2列以上のモジュール12を含むことができる。例えば、システムは、背中合わせに積み重ねられた2列の電力モジュールを含むことができる。
【0020】
各電力モジュール12は、1つ以上のホットボックス13を収容するように構成されている。各ホットボックスは、導電性相互接続板により分離されたセラミック酸化物電解質を有する固体酸化物燃料電池の1つ以上のスタックまたはコラムなど、燃料電池の1つ以上のスタックまたはコラム(明瞭性を目的として図示せず)を含む。PEM、溶融炭酸塩、リン酸などの他の燃料電池タイプも使用され得る。
【0021】
モジュラー燃料電池システムエンクロージャ10は、1つ以上の入力または燃料処理モジュール16も含む。このモジュール16は、脱硫ベッドなどの、燃料の前処理のために使用されるコンポーネントを包含するキャビネットを含む。燃料処理モジュール16は、いろいろなタイプの燃料を処理するように設計され得る。例えば、ディーゼル燃料処理モジュール、天然ガス燃料処理モジュール、およびエタノール燃料処理モジュールが同じかまたは別のキャビネット内に設けられ得る。特定の燃料に合わせられた異なるベッド構成が各モジュール内に設けられ得る。1つまたは複数の処理モジュール16は、パイプラインから供給される天然ガス、圧縮天然ガス、メタン、プロパン、液体石油ガス、ガソリン、ディーゼル、家庭用暖房オイル、灯油、JP−5、JP−8、航空燃料、水素、アンモニア、エタノール、メタノール、合成ガス、バイオガス、バイオディーゼル、および他の適切な炭化水素もしくは水素含有燃料から選択されたこれら燃料のうちの少なくとも1つを処理することができる。所望ならば、燃料処理モジュール16内に改質装置17を置くことができる。あるいは、改質装置17を1つまたは複数の燃料電池スタックと熱的に統合することが望ましければ、それぞれの電力モジュール12内の各ホットボックス13内に別々の改質装置17を置くことができる。さらに、内部改質燃料電池が使用されるならば、外部改質装置17は完全に省略され得る。
【0022】
モジュラー燃料電池システムエンクロージャ10は、1つ以上の電力調整モジュール18も含む。電力調整モジュール18は、燃料電池スタックが生成したDC電力をAC電力に変換するためのコンポーネント(例えば、その全体が本願明細書において参照により援用されている米国特許第7,705,490号明細書(特許文献7)に記載されているDC/DCおよびDC/ACコンバータ)、グリッドに出力されるAC電力のための電気コネクタ、電気的過渡状態を管理するための回路、システムコントローラ(例えば、コンピュータまたは専用制御論理デバイスもしくは回路)を包含するキャビネットを含む。電力調整モジュール18は、燃料電池モジュールからのDC電力をいろいろなAC電圧および周波数に変換するように設計され得る。208V/60Hz、480V/60Hz、415V/50Hzおよび他の普通の電圧および周波数のための設計が提供され得る。
【0023】
燃料処理モジュール16および電力調整モジュール18は、1つの入出力キャビネット14内に収容され得る。単一の入出力キャビネット14が設けられるならば、モジュール16および18は、キャビネット14内で垂直(例えば、燃料処理モジュール16の脱硫キャニスタ/ベッドの上に電力調整モジュール18のコンポーネント)またはキャビネット14内で横並びに置かれることができる。
【0024】
図2で1つの典型的な実施形態として示されているように、1つの入出力キャビネット14が1列の6個の電力モジュール12のために設けられ、電力モジュールは入出力モジュール14の片側で線形横並びに配置される。モジュールの列は、例えば、システムが電力を提供するビルに隣接して(例えば、モジュールのキャビネットの背部がビルの壁に面するように)位置決めされ得る。1列の電力モジュール12が図に示されているけれども、システムは2列以上のモジュール12を含むことができる。例えば、前述したように、システムは、背中合わせに積み重ねられた2列の電力モジュールを含むことができる。
【0025】
電力モジュール12の線形アレイは、容易にスケーリングされる。例えば、燃料電池システム10によりサービスされるビルまたは他の施設の電力需要に応じて、より多くあるいはより少ない電力モジュール12を設けることができる。電力モジュール12および入出力モジュール14を他の比率で設けることもできる。例えば、他の典型的な実施形態では、入出力モジュール14に隣接してより多くまたはより少ない電力モジュール12を設けることができる。さらに、サポート機能は、2個以上の入出力モジュール14によりサービスされ得る(例えば、別個の燃料処理モジュール16および電力調整モジュール18キャビネットで)。さらに、一実施形態では、入出力モジュール14は電力モジュール12の列の端部にあるけれども、それを電力モジュール12の列の中央に置くこともできる。
【0026】
モジュラー燃料電池システムエンクロージャ10は、システムのサービス作業を容易にする仕方で構成され得る。日常的あるいは頻繁にサービスされるコンポーネント(消耗コンポーネントなど)の全てを、サービス要員が必要とする時間の長さを減らすために単一のモジュール内に置くことができる。例えば、天然ガス燃料を供給されるシステムのための脱硫材料を、単一のモジュール内(例えば、燃料処理モジュール16または複合入出力モジュール14のキャビネット)に置くことができる。これは、日常保全中にアクセスされる唯一のモジュールキャビネットであり得る。従って、各モジュール12、14、16、および18を、他のモジュールキャビネットを開けずに、さらに他のモジュールをサービスしたり、修理したり、あるいは取り外したりせずに、サービスしたり、修理したり、あるいはシステムから取り外したりすることができる。
【0027】
例えば、前述したように、エンクロージャ10は、複数の電力モジュール12を含むことができる。少なくとも1つの電力モジュール12がオフラインにされるとき(すなわち、そのオフラインのモジュール12内のホットボックス13内のスタックが電力を全く生成しないとき)、残りの電力モジュール12、燃料処理モジュール16および電力調整モジュール18(または複合入出力モジュール14)はオフラインにされない。さらに、燃料電池エンクロージャ10は、各タイプのモジュール12、14、16、または18を2つ以上包含することができる。特定のタイプの少なくとも1つのモジュールがオフラインにされるとき、同じタイプの残りのモジュールはオフラインにされない。
【0028】
このように、複数のモジュールを有するシステムでは、モジュール12、14、16、または18の各々を、システム内の他のモジュールの動作を止めることなく電気的に切り離したり、燃料電池エンクロージャ10から取り外したり、および/またはサービスもしくは修理したりすることができ、燃料電池システムが発電し続けることを可能にする。1つのホットボックス13内の燃料電池の1つのスタックが故障したりあるいはサービスのためにオフラインにされたりしても、燃料電池システム全体を運転停止させなくてもよい。
【0029】
電力モジュール12および入出力モジュール14の各々は、(例えば、保守点検、修理、交換などのために)モジュールの内部コンポーネントにアクセスできるようにするドア30(例えば、ハッチ、アクセスパネルなど)を含む。一実施形態では、モジュール12および14は各キャビネットの1面のみにドア30を有する線形アレイを成して配置され、端部で互いに当接するようにシステム同士を1つの連続的な列を成すように設置することを可能にする。このように、既存のモジュール12および14およびベース20のために最小限の再配置を必要とするだけで、燃料電池エンクロージャ10のサイズおよび能力を追加のモジュール12または14およびベース20で調整することができる。所望ならば、モジュール14のドアは、キャビネットの正面ではなくて側面にあってもよい。
【0030】
ドア30は、実質的に垂直の旋回およびその後の実質的に水平の旋回(例えば、「ガルウィング」式)と協力して開くことができる。換言すれば、ドア30は、上へ動かされてから少なくとも部分的にエンクロージャ10の頂部の上で実質的に水平の方向に動かされることによって開く。この実施形態の実質的に垂直および実質的に水平という用語は、それぞれ、正確な垂直方向および水平方向から0〜10度などの0〜30度の逸脱を含む。
【0031】
ドア30は、複数の独立の機械的アームでモジュール12または14のエンクロージャまたはキャビネット10の壁に取り付けられる。開放位置において、ドア30の上側部分はエンクロージャまたはキャビネット10の上に位置することができ、ドアの下側部分は任意にエンクロージャ10の開口部の上に突き出ることができる。この構成では、ドアの下側部分が燃料電池システムエンクロージャ10から突出するので、ドア30は、開放時にユーザのための雨および雪遮蔽を提供する。あるいは、ドア30全体を、開放位置でエンクロージャ10の上に置くことができる。
【0032】
図3は、モジュール12およびホットボックス31のコンポーネントの略プロセスフロー図を表すものであり、コンポーネントを通る種々の流れを示す。
図3に示されている構成において、ATO310への燃料および空気流入はないかもしれない。外部天然ガスまたは他の外部燃料はATO310に供給されないかもしれない。代わりに、1つまたは複数の燃料電池スタック39からのホット燃料(アノード)排気流がATOにATO燃料入口流として部分的にリサイクルされる。同様に、ATOに流入される外気もない。代わりに、1つまたは複数の燃料電池スタック39からのホットエアー(カソード)排気流がATOの中にATO空気入口流として供給される。
【0033】
さらに、燃料排気流は、ホットボックス1内に位置するスプリッタ3107で分割される。スプリッタ3107は、アノード復熱器(例えば、燃料熱交換器)3137の燃料排気出口とアノード冷却器3100(例えば、空気プレヒータ熱交換器)の燃料排気入口との間に位置する。このように、燃料排気流は、アノード冷却器3100に入る前にミキサ3105とATO310との間で分割される。これは、燃料排気流が未だアノード冷却器3100で空気入口流と熱を交換していないので、従来技術よりも高温の燃料排気流がATO内に供給されることを可能にする。例えば、スプリッタ3107からATO310内に供給される燃料排気流は、350〜500℃などの350℃より高い温度(例えば、390〜410℃などの375〜425℃の温度)を有することができる。さらに、より少量の燃料排気がアノード冷却器3100内に供給される(例えば、スプリッタ3107でアノード排気が分割されるので100%ではないアノード排気がアノード冷却器内に供給される)ので、アノード冷却器3100の熱交換面積が縮小され得る。
【0034】
ホットボックス31は、固体酸化物燃料電池スタックなどの複数の燃料電池スタック39を包含する(スタックの1つの固体酸化物燃料電池は、イットリア安定化ジルコニアYSZ)もしくはスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)などのセラミック電解質と、ニッケル−YSZもしくはNi−SSZサーメットなどのアノード電極と、ランタンストロンチウム亜マンガン酸塩(LSM)などのカソード電極とを含む)。スタック39は、複数のコラムまたはセグメントを成して互いの上に配置され得る。
【0035】
ホットボックス31は、蒸気発生器3103も含む。蒸気発生器3103は、給水タンクまたは送水管(すなわち、連続的給水)などの水源3104から導管330Aを通して水を供給され、その水を水蒸気に変換する。水蒸気は、発生器3103から導管330Bを通してミキサ3105に供給され、ミキサ3105内でスタックアノード(燃料)リサイクル流と混合される。ミキサ3105を、ホットボックス31のホットボックスの内側あるいは外側に置くことができる。好ましくは、
図3に略図に示されているように、加湿されたアノード排気流がミキサ3105の下流側で燃料入口管路または導管329内の燃料入口流と結合される。あるいは、所望ならば、燃料入口流をミキサ3105内に直接供給することができ、あるいは水蒸気を燃料入口流内に直接供給することができ、および/またはアノード排気流を燃料入口流内に直接供給してから、それらの結合された燃料流の加湿を行うことができる。
【0036】
蒸気発生器3103は、蒸気発生器3103と熱交換関係に導管3119に通される高温ATO310排気流により加熱される。
【0037】
システムは次のとおりに動作する。炭化水素流(例えば、天然ガス)などの燃料入口流は、燃料入口導管329内に、さらにホットボックス外に置かれた触媒分圧酸化(CPOx)反応装置3111を通して供給される。システム始動中、燃料入口流を触媒により部分的に酸化するために空気もCPOx空気入口導管3113を通してCPOx反応装置3111内に供給される。空気を、CPOxエアーブロワ3114によって空気入口導管3113を通してCPOx反応装置3111に送りこむことができる。CPOxエアーブロワ3114は、始動中にのみ動作することができる。定常状態システム動作中、空気流はオフにされ(例えば、CPOxエアーブロワ3114への給電を止めることにより)、CPOx反応装置は、中で燃料が部分的に酸化されない燃料通路として作用する。このように、ホットボックス31は、始動モードおよび定常状態モードの両方においてCPOx反応装置3111を通して燃料を供給する唯一の燃料入口導管を含むことができる。従って、定常状態動作中にCPOx反応装置をバイパスする別の燃料入口導管は不要である。
【0038】
燃料入口流は、燃料熱交換器(アノード復熱器)/前改質装置3137に供給され、その温度はスタック39のアノード(燃料)排気流との熱交換により高められる。燃料入口流は熱交換器3137の前改質装置セクションにおいてSMR反応を介して前改質され、改質後の燃料入口流(水素、一酸化炭素、水蒸気および改質されていないメタンを含む)は1つまたは複数の燃料入口導管321を通ってスタック39内に供給される。燃料入口流は、スタックを通ってスタック39内の燃料入口ライザを通って上へ移動し、発電中にスタック39内で酸化される。酸化された燃料(すなわち、アノードまたは燃料排気流)は、燃料排気ライザを通ってスタック39を下って移動し、次にスタックから燃料排気導管323Aを通って燃料熱交換器3137内へ排出される。
【0039】
燃料熱交換器3137において、アノード排気流は、熱交換を介して燃料入口流を熱する。アノード排気流は、次に燃料排気導管323Bを介してスプリッタ3107内に供給される。アノード排気流の第1の部分は、スプリッタ3107から導管(例えば、スリット)3133を介してATO310に供給される。
【0040】
アノード排気流の第2の部分は、スプリッタ3107からアノード冷却器3100内に、次に燃料入口流内にリサイクルされる。例えば、アノード排気流の第2の部分は、導管331を通ってアノード冷却器(すなわち、空気プレヒータ熱交換器)内にリサイクルされ、ここでアノード排気流は導管333からの空気入口流を予熱する。アノード排気流は、次にアノードリサイクルブロワ3123によってミキサ3105内に供給される。アノード排気流は、蒸気発生器3103から供給される水蒸気と混合することによってミキサ3105内で加湿される。加湿後のアノード排気流は、次にミキサ3105から加湿済みアノード排気流導管3121を介して燃料入口導管329内に供給され、ここで燃料入口流と混合する。
【0041】
空気入口流は、主エアーブロワ3125により空気入口導管333からアノード冷却器/空気プレヒータ熱交換器3100内に供給される。ブロワ3125は、前述したように、システム全体のための単一の気流コントローラを含むことができる。アノード冷却器/空気プレヒータ熱交換器3100において、空気入口流は熱交換を介してアノード排気流により熱せられる。熱せられた空気入口流は、次に導管3314を介して空気熱交換器(カソード復熱器3200)内に供給される。熱せられた空気入口流は、熱交換器3200から空気入口導管および/またはマニホルド325を介して1つまたは複数のスタック39内に供給される。
【0042】
空気は、スタック39を通ってカソード排気導管324に入り、導管324およびミキサ3801を通ってATO310に入る。ATO310において、空気排気流は、導管3133からのアノード排気流の分割済みの第1の部分を酸化してATO排気流を生成する。ATO排気流は、ATO排気導管327を通って空気熱交換器3200内に排出される。ATO排気流は、空気熱交換器3200内で熱交換を介して空気入口流を熱する。ATO排気流(これは、依然として室温より高い)は、次に空気熱交換器3200から導管3119を介して蒸気発生器3103に供給される。ATO排気流からの熱は、水を蒸気発生器3103で熱交換を介して水蒸気に変換するために使用される。ATO排気流は、次に排気導管335を介してシステムから除去される。このように、空気入口ブロワ出力(すなわち、電力または速度)を制御することにより、システムに導入される空気のマグニチュード(すなわち、体積、圧力、速度など)を制御することができる。カソード(空気)およびアノード(燃料)排気流は、それぞれATO空気および燃料入口流として使用され、従って別々のATO空気および燃料入口コントローラ/ブロワを不要にする。さらに、ATO排気流が空気入口流を熱するために使用されるので、ブロワ3125による導管333内の単一の空気入口流の速度の制御を用いてスタック39およびATO310の温度を制御することができる。
【0043】
従って、前述したように、可変速度ブロワ3125および/または制御バルブを用いて導管333内の主空気流を変化させることによりスタック39の温度および/またはATO310の温度を維持する。この場合、ブロワ3125またはバルブを介しての主空気流量制御は、主システム温度コントローラとして作用する。さらに、ATO310の温度は燃料利用(例えば、1つまたは複数のスタック39により生成される電流の、1つまたは複数のスタック39に供給される燃料入口流に対する比)を変化させることによって制御され得る。最後に、導管331および3117内のアノードリサイクル流は、可変速度アノードリサイクルブロワ3123および/またはATO310へのアノード排気と、ミキサ3105および燃料入口導管329へのアノードリサイクルのためのアノード排気との分割を制御する制御バルブによって制御され得る。
【0044】
図4に示されているように、現場交換可能な電力モジュールコンポーネント(PMC)70は、
図2に示されている円筒状ホットボックス13などのホットボックスサブシステム13を含む。ホットボックス13は、燃料電池スタックおよび熱交換器アセンブリを含む。PMC70は、ブロワ、バルブ、および制御ボードなど(明瞭性を目的として図示せず)を含むバランスオブプラント(BOP)サブシステムを支持するフレーム71と、ホットボックスおよびフレームを支持するフォークリフトレールなどの取り外し可能なサポート72とをも含む。サポート72は、PMC70を電力モジュール12のキャビネットから単一のユニットまたはアセンブリとして取り外すことを可能にする。他の構成も使用され得る。例えば、ホットボックス13は、円筒形以外の多角形などの形状を持つことができる。サポート72は、レールではなくてプラットホームを含むことができる。フレームは、異なる構成を持つことができ、あるいは完全に省略して、代わりにBOPコンポーネントをホットボックス13および/またはサポート72に取り付けることができる。PMC70は、寸法的には電力モジュール12の開口部(例えば、ドア30により閉じられる開口部)よりも小さい。さらに、PMC70は、PMCおよびモジュール12内からの空気などのガスを外部環境へ排出/換気するための1つ以上のベント81を含むことができる。PMC70は、空気および/またはATO排気などのガスをPMC70の外(例えば、1つ以上のベント81から外)へ強制的に排出することのできる交流電動機により駆動される換気ファンなどの、1つ以上の換気ファンまたはブロワ80をも含むことができる。
【0045】
前に論じられた電力モジュール12内の燃料スタックなどの燃料電池スタックの効率および/または耐用寿命を最大にするためには、適切な運転条件が維持されなければならない。例えば、燃料システムにより使用される燃料が多すぎたり少なすぎたりしたならば、あるいは燃料電池スタックの個々の燃料電池の温度が好ましい温度範囲から逸脱したならば、運転の効率が悪くなるかもしれない。適切な運転条件を維持するためには、燃料電池システム、そのサポート装置(例えば、ブロワ、ポンプ、バルブなどのサポート装置)、および燃料電池システムに接続されている周辺装置を頻繁に監視し調整することが望ましい。
【0046】
種々の実施形態のシステム、方法、および装置は、電気化学装置に対して、電気化学装置を共通負荷および/またはバスに並列に接続する電力エレクトロニクスによって、電気化学的インピーダンス分光法(「EIS」)(ACインピーダンス分光法とも称される)を実行することを可能にする。電気化学装置は、燃料電池スタックセグメント、バッテリーセル、電解セル、電気化学ポンピングセル(例えば、水素分離装置)、またはEISにより監視され得る他の任意の装置を含むことができる。
【0047】
EISは、電気化学装置の総インピーダンスを、電気化学装置における電圧または電流を変化するサンプリング周波数で測定することによって、判定することを可能にする。約1Hzの振動を伴う波形などの、変化するサンプリング周波数を達成するために選択される試験波形は、電気化学装置に接続されているライン上で、例えば電気化学装置をロードしたり、アンロードしたりするためにラインを急速にスイッチングし、それにより試験波形を電気化学装置に注入することによって、生成され得る。試験波形は、所望のサンプリング周波数を達成するために選択される正弦波または他のタイプの波とすることができる。電気化学装置の電圧または電流および結果としての位相角を、サンプリング周波数の各々において判定し、EISを用いてインピーダンスに変換することができる。
【0048】
EIS手続きの結果(例えば、変化する周波数でのインピーダンス)を、ナイキストプロットまたはボーデプロットを用いてグラフ的に表すことができ、電気化学装置の特性を電気化学装置のインピーダンス応答に基づいて判定することができる。測定される電気化学装置のインピーダンス応答を、既知の特性を有する電気化学装置のインピーダンス応答の既知の特徴と比較することにより、測定される装置の特性を特定することができる。少なくとも部分的にインピーダンス応答に基づいて判定し得る電気化学装置の特性は、燃料状態(例えば、燃料利用率)、空気状態(例えば、空気利用率)、触媒状態(例えば、アノード触媒コーティングの割れ)、および水状態(例えば、PEM燃料電池膜水充満)を含む。電気化学装置の特性に基づいて、電気化学装置のセッティングを調整することができる。例えば、燃料利用率および/または水流量に基づいて、電気化学装置に供給される燃料についての燃料入口流への燃料流および/または水流セッティングを調整することができる。さらに、電気化学装置の判定された特性を故障しきい値と比較することができ、特性が故障しきい値を超えたときに、燃料枯渇状態、触媒活性低下状態、あるいは水充満状態などの、電気化学装置の故障モードを指示することができる。
【0049】
1つの実施形態では、2つ以上の電気化学装置のグループの各電気化学装置に接続された電力エレクトロニクスは、共通負荷および/またはバスにおいて無リップルまたはリップルの減少が実現されるように、EIS中に発生したどんなリップルをも補償することができる。1つの電力エレクトロニクスが自身の電気化学装置に試験波形を注入すると、その電力エレクトロニクスからの結果としてのリップルは負荷および/またはバスに加えられ得る。EIS監視を行う電力エレクトロニクスからのこのリップルを打ち消すために、他の電力エレクトロニクスのうちの1つ以上によって1つまたは複数のオフセット(または相殺)リップルが生成され得る。その1つまたは複数のオフセット(または相殺)リップルを生成するために、EIS監視を現在行っていない他の電力エレクトロニクスのうちの1つ以上は、それぞれの電気化学装置のほうへオフセット波形を注入し、結果としてオフセットリップルを、電気化学装置に並列に接続されている共通負荷および/またはバスに加えることができる。EIS監視を行う電力エレクトロニクスからのリップルと、1つ以上の他の電力エレクトロニクからの1つまたは複数のオフセットリップルとの合計は、DC出力で、負荷および/または共通バスにおいて無リップルをもたらすことができる。
【0050】
他の1つの実施形態では、共通負荷および/またはバスに接続されている他の装置は、共通負荷および/またはバスにおいて無リップルまたはリップルの減少が実現されるように、EIS中に生成されるどんなリップルをも補償することができる。前に論じられたように、1つの電力エレクトロニクスが自身の電気化学装置に試験波形を注入するときに、その電力エレクトロニクスからの結果リップルは負荷および/またはバスに加えられ得る。EIS監視を行っている電力エレクトロニクスからのこのリップルを打ち消すために、波形発生装置などの1つ以上の他の装置により1つまたは複数のオフセット(または相殺)リップルを生成して、共通負荷および/またはバスに注入することができる。1つまたは複数のオフセット(または相殺)リップルを生成するために、他の1つ以上の装置は、電気化学装置に並列に接続されている共通負荷および/またはバスにオフセットリップルを加えることができる。EIS監視を行っている電力エレクトロニクスからのリップルと、他の装置により加えられる1つまたは複数のオフセットリップルとの合計は、DC出力で、負荷および/またはバスにおいて無リップルをもたらすことができる。
【0051】
1つの実施形態では、EIS監視中、セグメントのインピーダンスは、セグメントの極形式電圧割るセグメントの極形式電流として決定され得る。これは、完全な高速フーリエ変換を計算することを必要とせずに基本周波数での不完全な正弦波形リップルの解析を可能にするために、フーリエ級数計算を用いることを可能にし得る。これは、完全高速フーリエ変換を用いて行われるインピーダンス判定と比べると、インピーダンス計算の精度を高めるとともにインピーダンス応答を判定するために必要な処理時間を短縮することができる。
【0052】
1つの実施形態では、各電気化学装置に接続されている電力エレクトロニクスにエネルギー蓄積装置が含まれ得る。エネルギー蓄積装置は、キャパシタ、スーパーキャパシタ、バッテリなどの任意のタイプのエネルギー蓄積装置であり得る。種々の実施形態において、エネルギー蓄積装置は、リップルエネルギーを蓄積し、リップルエネルギーを位相外れに放電するように電力エレクトロニクスの変圧器の出力、入力、または巻線上に存在し得る。エネルギー蓄積装置は、バスへ行くリップル電流を減らすか、あるいはリップル電流をなくすることができる。EIS試験からもたらされるリップル電流を減らすか、および/またはリップル電流をなくする能力は、エネルギー蓄積装置なしで用いられ得る場合より高い周波数で試験波形を用いるEIS試験を可能にすることができる。例えば、400Hz以上の周波数の試験波形を使用することができ、試験波形を作り分析する電力エレクトロニクスの帯域幅を大幅に拡張することができる。エネルギー蓄積装置がなければ、試験波形周波数の帯域幅は、実際上、電力エレクトロニクスのスイッチング周波数より低い周波数に限定されるかもしれない。エネルギー蓄積装置があれば、試験波形周波数の帯域幅は、電力エレクトロニクスのスイッチング周波数より大きな周波数まで広がることができる。
【0053】
1つの特定の実施形態では、電気化学装置は、1つ、2つ、3つ、4つ、あるいはもっと多くの燃料電池スタックセグメントなどの、1つ以上の燃料電池スタックセグメントであり、電力エレクトロニクス装置はDC/DCコンバータであり得る。燃料電池スタックセグメントは、固体酸化物燃料電池、プロトン交換膜燃料電池、リン酸燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池、あるいは他のタイプの燃料電池のセグメントであり得る。例えば、燃料電池スタックセグメントは燃料電池106Aの燃料電池スタックセグメントであり、DC/DCコンバータは前述したDC/DCコンバータ106Bであり得る。
【0054】
図6は、1つの実施形態に従うシステム600のブロック図である。システム600は、4つの電気化学装置602、604、606、および608を含むことができる。例えば、電気化学装置602、604、606、および608は、各々、電力モジュール106の一部分106Aを構成し得る燃料電池の燃料電池スタックセグメントであり得る。各電気化学装置602、604、606、および608は、それぞれの入力接続部640、642、644、および646を介して電力エレクトロニクス610、612、614、および616のうちのそれぞれの1つに電気的に接続され得る。各入力接続部640、642、644、および646は、それぞれの正入力接続部640a、642a、644a、および644b、ならびにそれぞれの負入力接続部640b、642b、644b、および646bを含み得る。動作時には、電気化学装置602、604、606、および608は、それぞれの入力接続部640、642、644、および646を介してそれぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616にDC電圧を出力することができる。
【0055】
電力エレクトロニクス610、612、614、および616は、DC/DCコンバータ(例えば、380ボルト23アンペアDC/DCコンバータ)であり得る。電力エレクトロニクス610、612、614、および616は、それぞれ、有線または無線で中央コントローラ638にそれぞれ接続されているコントローラ630、632、634、および636を含むことができる。コントローラ630、632、634、および636は、それぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616を制御する動作を実行するようにプロセッサ実行可能な命令で構成されるプロセッサであり、コントローラ638は、それぞれのコントローラ630、632、634、および636を介して電力エレクトロニクス610、612、614、および616とデータを交換するとともに電力エレクトロニクスの動作を制御する動作を実行するプロセッサ実行可能な命令で構成されるプロセッサであり得る。電力エレクトロニクス610、612、614、および616に接続されているコントローラ630、632、634、636とコントローラ638との間の接続A、B、C、およびDを介して、コントローラ638は、電力エレクトロニクス610、612、614、および616に有効に接続されて電力エレクトロニクス610、612、614、および616の動作を制御することができる。
【0056】
電力エレクトロニクス610、612、614、および616を、それぞれの出力接続部620、622、624、および626によりDCバス618に並列に接続することができる。1つの実施形態では、DCバス618は正線618a、中性線618b、および負線618cから成る3相バスとすることができ、それぞれの出力接続部620、622、624、および626は、それぞれの正出力接続部620a、622a、624a、および626a、それぞれの中性出力接続部620b、622b、624b、および626b、ならびにそれぞれの負出力接続部620c、622c、624c、および626cを含むことができる。動作時、電力エレクトロニクス610、612、614、および616は、それぞれの出力接続部620、622、624、および626を介してDC電圧をバス618に出力することができる。1つの実施形態では、電力エレクトロニクス610、612、614、および616は、それぞれの電気化学装置602、604、606、および608から正および負のDC入力を受け取り、それぞれの正出力接続部620a、622a、624a、および626a、それぞれの中性出力接続部620b、622b、624b、および626b、ならびにそれぞれの負出力接続部620c、622c、624c、および626cを介して正DC、負DC、および中性出力をバス618に出力するように構成された3相コンバータとすることができる。1つの代わりの実施形態では、電力エレクトロニクス610、612、614、および616は、各々、デュアル2相コンバータから成ることができる。2相コンバータのうちの第1の2相コンバータの正出力をバス618の正線618aに接続することができ、2相コンバータのうちの第2の2相コンバータの負出力をバス618の負線618cに接続することができる。2相コンバータのうちの第1の2相コンバータの負出力と2相コンバータのうちの第2の2相コンバータの正出力とを一緒にバス618の中性線618bに接続することができる。
【0057】
1つの実施形態では、電力エレクトロニクス610、612、614、および616を、各々、それぞれの電気化学装置602、604、606、および608のEIS監視を行うように構成することができる。コントローラ638は、電気化学装置602、604、606、または608のうちの1つについてのEIS監視に用いられる試験波形を選択し、選択された試験波形をそれぞれの入力接続部640、642、644、または646に注入するためにその電気化学装置602、604、606、または608の電力エレクトロニクス610、612、614、または616を制御することができる。例えば、コントローラ638は、電気化学装置602に接続されている入力接続部640にパルス幅変調を介して選択された試験波形を生成するように電力エレクトロニクス610に存在するスイッチを開閉するべく電力エレクトロニクス610のコントローラ630に選択された試験波形の指示を送ることができる。試験波形を注入する電力エレクトロニクス610、612、614、または616は、結果として生じたそれぞれの電気化学装置602、604、606、または608のインピーダンス応答を監視し、それぞれのコントローラ630、632、634、または636を介して、監視されたインピーダンス応答の指示をコントローラ638に出力することができる。前の例を続行して、電力エレクトロニクス610は電気化学装置602への入力接続部640上のインピーダンス応答を監視することができ、コントローラ630は電気化学装置602のインピーダンス応答をコントローラ638に対して示すことができる。
【0058】
コントローラ638は、電気化学装置602、604、606、608のEIS監視により判定されたインピーダンス応答を用いてその電気化学装置602、604、606、608の特性を判定することができ、その判定された特性に基づいてシステム600のセッティングを調整することができる。例えば、コントローラ638は、
図10に関して以下でさらに記述される方法1000に従ってインピーダンス応答を判定することができる。コントローラ638は、インピーダンス応答のプロットおよび/または記憶されているインピーダンス値などの、電気化学装置602、604、606、608のEIS監視により判定されたインピーダンス応答と、既知の特性と関連付けられている同様の電気化学装置の、インピーダンス応答の記憶されているプロットおよび/または記憶されているインピーダンス値などの、メモリに記憶されているインピーダンス応答とを比較することができる。コントローラ638は、電気化学装置602、604、606、608のEIS監視により判定されたインピーダンス応答と記憶されているインピーダンス応答との間の整合を特定する任意の仕方で、電気化学装置602、604、606、608のEIS監視により判定されたインピーダンス応答を記憶されているインピーダンス応答と比較することができる。
【0059】
コントローラ638が電気化学装置602、604、606、608のEIS監視により判定されたインピーダンス応答と記憶されているインピーダンス応答との間の整合(例えば、同一または或る所定の分散値内の)を判定すると、コントローラ638は、その記憶されているインピーダンス応答と関連付けられている特性を、それぞれの電気化学装置602、604、606、608の特性であると判定することができる。例えば、コントローラ638は、EIS監視に基づいて電気化学装置602の燃料利用率および/または燃料入口流における蒸気対炭素比を判定することができ、その判定された燃料利用率に基づいてブロワ3123もしくは燃料入力ライン329または3104から蒸気発生器3103内への水流を調整することによってシステム600の燃料流量セッティングおよび/または燃料入口水蒸気への水入力セッティングを調整することができる。他の一例として、コントローラ638は、EIS監視に基づいて電気化学装置604の空気利用率を判定することができ、その判定された空気利用率に基づいて
図3に示されている空気ブロワ3125を調整することによってシステム600の空気流量セッティングを調整することができる。他の例として、EIS監視は、電気化学装置602、604、606、または608の判定された特性を故障しきい値と比較することを可能にすることができ、特性が故障しきい値を超えたときに、燃料枯渇状態(例えば、アノードで燃料不足)、アノード触媒ダメージもしくは活性低下状態(例えば、アノード上での炭素および/または硫黄ビルドアップ、アノード触媒割れなどによる)、または水充満状態(例えば、PEM燃料電池における)などの、電気化学装置602、604、606、または608の故障モードが指示され、これは、システムへの燃料および/または水流入が調整されるという結果をもたらすかあるいはシステムの運転停止をもたらすこともある。
【0060】
EIS監視を行うためにそれぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、または616により試験波形が入力接続部640、642、644、または646に注入されたときに、それぞれの出力接続部620、622、624、または626にリップルが生じ得る。補償が行われなければ、EIS監視を行う電力エレクトロニクス610、612、614、または616から生じるリップルは、DCバス618上に望ましくないリップルを生じさせることがある。DCバス618上のリップルを阻止するために、EIS監視を行う電力エレクトロニクス610、612、614、または616からのリップルは、DCバス618に注入される他のリップルによってオフセットまたは相殺され得る。1つの実施形態では、他のリップルは、EIS監視を行っていない他の電力エレクトロニクス610、612、614、または616のうちの1つ以上によって生成され得る。EIS監視を行っていない他の電力エレクトロニクス610、612、614、または616のうちの1つ以上からのリップルは、EIS監視を行っていない他の電力エレクトロニクス610、612、614、または616のうちの1つ以上を、それぞれの入力接続部640、642、644、または646にそれぞれの入力接続部内にオフセット波形を注入するように制御することによって、生成され得る。1つまたは複数のオフセット波形は、1つまたは複数のオフセット波形の注入に応答して生成されるそれぞれの出力接続部620、622、624、または626上のリップルがEIS監視を行う電力エレクトロニクス610、612、614、または616により生じたリップルを、DCバス618上で波形が合計されたときに相殺するように、コントローラ638によって選択され得る。他の1つの実施形態では、電力エレクトロニクス610、612、614、または616以外の装置からリップルを出力接続部620、622、624、または626に注入して、EIS監視を行う電力エレクトロニクス610、612、614、または616に起因するリップルを、波形同士がDCバス618上で合計されるときに、相殺することができる。例えば、EIS監視に応答して相殺リップルを注入するために出力接続部620、622、624、または626に波形発生装置を接続することができる。
【0061】
図7Aは、時間の経過に伴うDCバス上の相殺リップルを示すグラフである。電力エレクトロニクスにより電気化学装置の入力接続部に注入された試験波形は、試験波形を注入した電力エレクトロニクスからDCバスのほうへ送られるリップル702をもたらし得る。他の1つの電力エレクトロニクスにより他の1つの電気化学装置の入力接続部に注入されたオフセット波形は、オフセット波形を注入した電力エレクトロニクスからリップル704がDCバスのほうへ送られるという結果をもたらすことができる。オフセット波形は、リップル704がリップル702と180度位相外れであるように、選択され得る。電力エレクトロニクスをDCバスに並列に接続することができ、リップル702およびリップル704の合計は、波形の合計がDCバス上で所望のDC電圧706となるように、相殺し合うことができる。
【0062】
図7Bは、2つ以上のオフセット波形を用いる、時間の経過に伴うDCバス上の相殺リップルを示す他のグラフである。前に論じられたように、電力エレクトロニクスによって電気化学装置の入力接続部に注入された試験波形は、その試験波形を注入した電力エレクトロニクスからDCバスのほうへ送られるリップル702をもたらし得る。他の3つの電気化学装置の入力接続部に注入されるオフセット波形を生成するために他の3つの電力エレクトロニクスを用いることができる。第1の他の電力エレクトロニクスにより第1の他の電気化学装置の入力接続部に注入された第1のオフセット波形は、オフセット波形を注入した第1の他の電力エレクトロニクスからDCバスのほうへ送られるリップル708をもたらすことができる。第2の他の電力エレクトロニクスにより第2の他の電気化学装置の入力接続部に注入された第2のオフセット波形は、オフセット波形を注入した第2の他の電力エレクトロニクスからDCバスのほうへ送られるリップル710をもたらすことができる。第3の他の電力エレクトロニクスにより第3の他の電気化学装置の入力接続部に注入された第3のオフセット波形は、オフセット波形を注入した第3の他の電力エレクトロニクスからDCバスのほうへ送られるリップル712をもたらすことができる。この3つのオフセット波形は、リップル708、710、および712の合計が、波形の合計がDCバス上の望ましいDC電圧706となるようにリップル702を相殺し得るように、選択されることができる。
図7Aおよび
図7Bには、リップル702と同じ周波数で生成される1つのオフセットリップル704または3つのオフセットリップル708、710、712として示されているけれども、オフセットリップルおよび試験波形を注入する電力エレクトロニクスからDCバスのほうへ送られるリップル702の合計がDCバス上にリップルのない所望のDC電圧706をもたらす限り、異なる波形、異なる周波数、位相、振幅などを有するより多くまたはより少ないオフセットリップルを生成してDCバスのほうへ注入することができる。
【0063】
図8は、試験波形に起因するDCバスへのリップルを相殺する実施形態の方法800を示す。1つの実施形態では、方法800の操作を、コントローラ638などのコントローラによって行うことができる。方法800の操作は燃料電池スタックセグメントおよびDCコンバータに関して論じられるけれども、燃料電池スタックセグメントおよびコンバータは単に例として用いられるに過ぎない。方法800の種々の操作において他の電気化学装置および/または他の電力エレクトロニクスを用いることができる。
【0064】
ブロック802で、コントローラ638は、インピーダンス試験のために複数の燃料電池スタックセグメントから1つの燃料電池スタックセグメントを選択することができる。例えば、燃料電池スタックセグメントを、燃料電池スタックセグメントが何時どんな順序で試験され得るかを管理する試験プロトコルに基づいて選択することができる。ブロック804で、コントローラ638は試験波形を選択することができる。試験波形を、約1Hzの振動などの、EIS監視のために必要な振動を生成するように選択することができる。
【0065】
ブロック806で、コントローラ638は、選択された試験波形に起因して生じるべき結果リップルを決定することができる。前に論じられたように、結果リップルは、試験波形を注入するDCコンバータからDCバスに出力されるリップルであり得る。ブロック808で、コントローラ638は、残りの燃料電池スタックセグメントを特定することができる。残りの燃料電池スタックセグメントは、インピーダンス試験のために選択されなかった燃料電池スタックセグメントであり得る。ブロック809で、コントローラ638は、特定された残りの燃料電池スタックセグメントの一部分を選択することができる。1つの実施形態では、その選択される部分は、全ての特定された残りの燃料電池スタックセグメントであり得る。他の1つの実施形態では、選択される部分は、唯一の特定された残りの燃料電池スタックセグメントなど、全ての特定された残りの燃料電池スタックセグメントよりは少なくてよい。
【0066】
ブロック810で、コントローラ638は、各々の選択された残りの燃料電池スタックセグメントについて決定されたそれぞれのオフセット波形に起因して生じる各結果リップルの合計が、選択された試験波形に起因して生じるべき決定された結果リップルを相殺するように、各々の選択された残りの燃料電池スタックセグメントについてオフセット波形を決定することができる。1つの実施形態では、各オフセット波形は、結果リップルが、試験波形からのリップルを共同で相殺する1つ、2つ、3つまたはそれ以上の同等のリップルなどの同じリップルであるように、生成され得る。他の1つの実施形態では、各オフセット波形は、結果リップルが、試験波形からのリップルを共同で相殺する2つ、3つ、またはそれ以上の異なるリップルなどの異なるリップルであるように、生成され得る。
【0067】
ブロック812で、コントローラ638は、試験波形を燃料電池スタックに注入するために、インピーダンス試験のために選択された燃料電池スタックセグメントのDCコンバータを制御することができる。例えば、コントローラ638は、DCコンバータのコントローラ(例えば、630、632、634、または636)に制御信号を送ってコンバータにパルス幅変調を行わせて燃料電池スタックセグメントへの入力接続部に試験波形を生成することができる。ブロック814で、コントローラ638は、各々の選択された残りの燃料電池スタックセグメントのDCコンバータを制御して、各々の選択された残りの燃料電池スタックセグメントのためのオフセット波形を各々の燃料電池スタックセグメントに注入することができる。例えば、コントローラ638は、DCコンバータのコントローラ(例えば、630、632、634、および/または636)に制御信号を送ってコンバータにパルス幅変調を行わせてそれぞれの燃料電池スタックセグメントへの入力接続部にオフセット波形を生成することができる。ブロック812および814で行われる方法800の操作は、試験波形およびオフセット波形が同時に注入されて互いに相殺し合うリップルが種々のDCコンバータから出力されて所望のDC電圧がDCバス上に生じるように、同時に行われてもよい。ブロック816で、コントローラ638は、インピーダンス試験のために選択された燃料電池スタックセグメントのDCコンバータを制御して、注入された試験波形に対する燃料電池スタックのインピーダンス応答を監視することができる。例えば、コントローラ638は、セグメントの電圧および電流応答を監視し、以下で
図10に関してさらに記述される方法1000に従ってインピーダンスを判定することができる。
【0068】
ブロック818で、コントローラ638は、インピーダンス試験のために選択された燃料電池スタックセグメントの特性を少なくとも部分的にインピーダンス応答に基づいて判定することができる。前に論じられたように、コントローラは、EIS監視を用いて、注入された試験波形から生じる測定されたインピーダンスの実部および虚部をプロットし、そのプロットしたインピーダンスを、既知の特性を有する燃料電池スタックセグメントのインピーダンス応答の既知の特徴と比較することができる。既知の特性を有する燃料電池スタックセグメントのインピーダンス応答の既知の特徴は、コントローラが利用し得るメモリに記憶され得る。既知の特性を有する燃料電池スタックセグメントのインピーダンス応答の記憶されている既知の特徴は、正常な(すなわち、ダメージを受けていない/劣化していない)燃料電池スタックセグメントおよびダメージを受けた/劣化した燃料電池スタックセグメントを種々の形のダメージ(例えば、アノード割れ)および/または劣化(例えば、セグメントが燃料枯渇モードで動作する)で試験することから得られる、正常な燃料電池スタックセグメントおよびダメージを受けた/劣化した燃料電池スタックセグメントの測定されたインピーダンスの実部および虚部のプロットであり得る。その既知の特性は、メモリに記憶されている測定されたインピーダンスの実部および虚部のプロットと関連付けられ得る。測定されたインピーダンスをインピーダンス応答の既知の特徴と突き合わせることにより、燃料電池スタックの現在の特性または状態を、整合するインピーダンス応答の既知の特徴と関連付けられた特性であると判定することができる。任意のブロック820で、コントローラ638は、判定された特性が故障しきい値を超えていることに基づいて故障モードを指示することができる。例えば、判定された特性が故障しきい値を超えていれば、燃料枯渇状態、触媒ダメージおよび/または活性低下状態、あるいは水充満状態という故障モードを指示することができる。任意のブロック822で、コントローラ638は、判定された特性に基づいて燃料電池システムのセッティングを調整することができる。例えば、コントローラ638は、判定された特性に基づいて、燃料電池システムの燃料流量、風量、燃料電池セグメントから引き出される電流、および/または燃料入口流中への水流または運転停止を調整する(例えば、増やすかあるいは減らす)ことができる。このように、燃料電池システムにおいてEIS監視などのインピーダンス試験を用い、燃料電池スタックセグメントの現在の特性に基づいて燃料電池システムの動作を調整することができる。
【0069】
図9は、
図6に関して前述したシステム600のブロック図であり、1つの実施形態に従う注入される波形902、906、910、および914ならびに結果として生じる相殺リップル904、908、912、および916を示す。試験波形902が入力接続部640に注入されて、DCバス618への出力接続部620にリップル904を生じさせることができる。オフセット波形906は入力接続部642に注入され、DCバス618への出力接続部622にオフセットリップル908を生じさせることができる。オフセット波形910は入力接続部644に注入され、DCバス618への出力接続部624にオフセットリップル912を生じさせることができる。オフセット波形914は入力接続部646に注入され、DCバス618への出力接続部626にオフセットリップル916を生じさせることができる。リップル904、908、912、および916の合計は、出力接続部620、622、624、および626上にACリップルが生じるにもかかわらずDCバス618上にリップルのない一様なDC電圧918が生じるようなものであり得る。リップル904、908、912、および916の合計はリップルのない一様なDC電圧918がDCバス618上に生じるようなものであり得るけれども、オフセット波形906、910、および914ならびに試験波形902の合計はゼロに等しくなくてもよい。オフセットリップル908、912、および916は全て同じであってもよいし違っていてもよい。例えば、オフセットリップル908はオフセットリップル912および916より大きなリップルであり得る。さらに、オフセットリップル908、912、および916が同じであっても違っていてもいなくても、オフセット波形906、910、および914は同じでないかもしれない。3つのオフセット波形906、910、および914ならびにそれらがもたらすオフセットリップル908、912、および916が図に示されているけれども、2つだけのオフセット波形および結果としてのオフセットリップル、あるいは1つのオフセット波形および1つの結果としてのオフセットリップルなど、より少数のオフセット波形およびオフセットリップルがリップル904をオフセットするために生成されてもよい。
【0070】
1つの代わりの実施形態では、オフセットリップル908、912、および/または916は、電力エレクトロニクス612、614、および/または616ではなくて、出力接続部622、624、および626に接続されてコントローラ638により制御される波形発生装置などの他の装置によって生成されてもよい。オフセットリップル908、912、および/または916は、リップル904、908、912、および916の合計がDCバス618上のリップルのない一様なDC電圧918であり得るような他の装置により生成されてもよい。さらに、電力エレクトロニクス612、614、および/または616ならびに追加の波形発生装置などの他の装置により生成されるリップルの組み合わせを、リップル904を相殺してDCバス618上にリップルのない一様なDC電圧918を生じさせるために使用することができる。
【0071】
図10は、燃料電池セグメントについてインピーダンス応答を判定する実施形態の方法1000を示すプロセスフロー図である。1つの実施形態では、方法1000の操作を、コントローラ638などのコントローラによって行うことができる。方法1000の操作を、燃料電池スタックセグメントおよびDCコンバータに関して論じるけれども、燃料電池スタックセグメントおよびコンバータは単に例として用いられるに過ぎない。方法1000の種々の操作において他の電気化学装置および/または他の電力エレクトロニクスを用いることができる。1つの実施形態では、方法1000の操作を、
図8に関して前述した方法800の操作と関連して行うことができる。
【0072】
ブロック1003で、コントローラ638は、正弦波発生装置1005に摂動周波数として出力され得る周波数設定点(f)を選択することができる。正弦波発生装置1005は波形SIN(ωt+φ1)を出力することができ、ここでωは基本周波数(2πf)であり、φ1は位相角である。操作1007で、コントローラ638は出力波形に摂動振幅を乗じることができ、操作1009では、コントローラは、システムセッティング(I_Segシステムセッティング)としてセットされたセグメントのための電流を加えて試験波形を生成することができ、試験波形は電力エレクトロニクス610に送られて、電力エレクトロニクス610に波形をセグメントへと注入させることができる。システムセッティングとしてセットされるセグメントのための電流は、コントローラ638または他のコントローラからセグメントのためのターゲット電流セッティングとして提供される電流セッティングとすることができる。電力エレクトロニクス610が
図10に示されているが、電力エレクトロニクス610の代わりに電力エレクトロニクス612、614、または616のうちのどの1つを用いてもよく、同様の操作を行って電力エレクトロニクス612、614、および616を制御して試験波形を注入することができる。
【0073】
周波数設定点は、正弦公式モジュール1011および余弦公式モジュール1013にも出力され得る。正弦公式モジュール1011は波形SIN(ωt+φ2)を出力することができ、ここでωは基本周波数(2πf)であり、φ2は位相角であり、余弦公式モジュール1013は波形COS(ωt+φ2)を出力することができ、ここでωは基本周波数(2πf)であり、φ2は位相角である。操作1002で、コントローラ638は、正弦公式モジュール1011からの出力波形にセグメントの電圧(V_Seg)を乗じてセグメントの虚数電圧成分(V_Seg_Imaginary)を決定することができる。操作1006で、コントローラ638は、正弦公式モジュール1011からの出力波形にセグメントの電流(I_Seg)を乗じてセグメントの虚数電流成分(I_Seg_Imaginary)を決定することができる。操作1004で、コントローラ638は、余弦公式モジュール1013からの出力波形にセグメントの電圧(V_Seg)を乗じてセグメントの実数電圧成分(V_Seg_Real)を決定することができる。操作1008で、コントローラ638は、余弦公式モジュール1013からの出力波形にセグメントの電流(I_Seg)を乗じてセグメントの実数電流成分(I_Seg_Real)を決定することができる。ブロック1010および1012で、それぞれ、コントローラは、セグメントの電圧の実数および虚数成分ならびにセグメントの電流の実数および虚数成分をセグメントの極形式電圧およびセグメントの極形式電流に変換することができる。ブロック1014で、コントローラは、セグメントのインピーダンス「Z」をセグメントの極形式電圧割るセグメントの極形式電流として決定することができる。このように、方法1000の操作は、完全な高速フーリエ変換を計算することを必要とせずに、基本周波数での不完全な正弦波リップルの解析を可能にするためにフーリエ級数計算を用いることを可能にする。これは、完全な高速フーリエ変換を用いて行われるインピーダンス判定と比べてインピーダンス計算の精度を高めるとともに、インピーダンス応答を判定するのに要する処理時間を短縮することができる。
【0074】
図11は、他の1つの実施形態に従うシステム1100のブロック図である。システム1100は、
図6に示されているシステム600に類似し、いくつかのコンポーネントを共通に含む。両方のシステム600および1100に共通のコンポーネントには
図6および
図11で同じ数字が付されていて、これ以上は記述しない。
【0075】
システム1100は、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108がそれぞれ電力エレクトロニクス610、612、614、および616に含まれ得ることを除いて、
図6に関して前述したシステム600と同様である。エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108は、キャパシタ、スーパーキャパシタ、バッテリなどの任意のタイプのエネルギー蓄積装置であり得る。1つの実施形態では、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108は、それぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616の出力上に存在して、リップルエネルギーを蓄積し、リップルエネルギーを位相外れに放電することができる。エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、または1108による位相外れ放電は、そのエネルギー蓄積装置1102、1104、1106、または1108と関連付けられている電力エレクトロニクス610、612、614、または616の入力接続部への試験波形の注入の結果としてそれぞれの出力接続部620、622、624、または626でDCバス618へ出力されるリップル電流の相殺をもたらすことができる。このように、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、または1108は、DCバス618へ行くリップル電流を減らすか、あるいはリップル電流を除去することができる。EIS試験からもたらされるリップル電流を減らし、かつ/または除去する能力は、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、または1108なしで用いられ得るよりも高い周波数の試験波形を用いてEIS試験を行うことを可能にする。例えば、400Hzまたはそれ以上の周波数の試験波形を使用して、試験波形を作り、分析するためのそれぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616の帯域幅を大幅に拡張することができる。エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、または1108がなければ、試験波形周波数の帯域幅は、実際上、電力エレクトロニクス610、612、614、および616のスイッチング周波数より低い周波数に限定され得る。エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、または1108があれば、試験波形周波数の帯域幅を、電力エレクトロニクス610、612、614、および616のスイッチング周波数より大きな周波数まで広げることができる。
【0076】
図11ではそれぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616の出力上に存在するものとして示されているが、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108は、リップルエネルギーを蓄積してリップルエネルギーを位相外れに放電するべくそれぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616の他の任意の部分に存在することができる。1つの代わりの実施形態では、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108は、それぞれの電力エレクトロニクス610、612、614、および616の入力上に存在してリップルエネルギーを蓄積してリップルエネルギーを位相外れに放電することができる。他の1つの代わりの実施形態では、エネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108の変圧器に追加の巻線を付け加えることができ、リップルエネルギーを蓄積してリップルエネルギーを位相外れに放電するためにエネルギー蓄積装置1102、1104、1106、および1108をこの追加の巻線に接続することができる。
【0077】
前述した方法の説明および図は単に実例として提供されたのであって、種々の実施形態のステップを提示された順に実行しなければならないと要求したり、示唆したりすることは意図されていない。当業者であれば認められ得るように、前述した実施形態のステップの順序は、任意の順序で実行され得る。さらに、「その後」、「それから」、「次に」などの語は、ステップの順序を限定するべく意図されているのではなくて、これらの語は単に読み手を方法の記述を通して案内するために用いられているに過ぎない。
【0078】
1つ以上の図が典型的な実施形態を記述するために用いられている。図の使用は、操作が行われる順序に関して限定をすることを意図していない。典型的な実施形態についての前述した説明は解説および記述を目的として提示されている。開示された正確な形に関して網羅的であることや限定をすることは意図されておらず、前の教示を考慮すれば改変および変形物が可能であったり、あるいは開示された実施形態の実施から取得されたりし得る。本発明の範囲は、本願明細書に添付の特許請求の範囲およびその同等物により定義されることが意図されている。
【0079】
制御エレメントを、プロセッサ、メモリおよび特定の機能を実行する命令でプログラムされている他のコンポーネントを含む計算装置(コンピュータなど)を用いて実装することができたり、あるいは指定された機能を実行するように設計されているプロセッサに実装することができたりする。プロセッサは、本願明細書に記載された種々の実施形態の機能を含む多様な機能を実行するソフトウェア命令(アプリケーション)により構成され得るプログラマブルなマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、または1つもしくは複数のマルチプロセッサチップであり得る。いくつかの計算装置では、マルチプロセッサが設けられ得る。通例、ソフトウェアアプリケーションは、アクセスされてプロセッサにロードされる前に内部メモリに格納され得る。いくつかの計算装置では、プロセッサは、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含み得る。
【0080】
本願明細書で開示された実施形態と関連して記述した種々の実例となる論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、あるいは両者の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明らかに解説するために、種々の実例となるコンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびステップを、前に一般的にそれらの機能に関連して記述している。そのような機能がハードウェアとして実装されるかあるいはソフトウェアとして実装されるかは、具体的アプリケーションとシステム全体に課される設計上の制約条件に依存する。当業者であれば、各々の特定のアプリケーションのために、既述の機能を様々な仕方で実装することができるが、そのような実装決定は本発明の範囲からの逸脱を生じさせるものと解されるべきでない。
【0081】
本願明細書で開示された態様に関連して記述した種々の実例としての論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するために使用されるハードウェアは、本願明細書に記載された機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルな論理装置、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、離散的ハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせで実装されるかあるいは実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代わりに、プロセッサは任意の在来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであり得る。プロセッサは、計算装置の組み合わせ(例えば、DSPおよびマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)としても実装され得る。代わりに、或るブロックまたは方法は、所与の機能に特有の回路により実行され得る。
【0082】
開示されている実施形態についての前述した説明は、記述された実施形態を当業者が作ったりまたは使用したりすることを可能にするために提供されている。これらの実施形態に対する種々の改変は当業者にとっては容易に明らかになるはずである。本願明細書で定義された包括的原理は、本願明細書での開示の範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。従って、本発明は、本願明細書で示された実施形態に限定されるべく意図されてはおらず、添付の特許請求の範囲ならびに本願明細書で開示された原理および新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。