【文献】
SUBSTANCE RECORD FOR SID 171909074; AGN-PC-0DAKUB,PUBCHEM OPEN CHEMISTRY DATABASE,2014年 1月 9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例】
【0185】
実施例1:N−アリル−1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−N−メチルブタ−3−イン−2−アミン(2)の調製
【化24】
撹拌棒を装備した500mL圧力フラスコに、4−メトキシフェニルアセチレン(5.35mL、40.5mmol)、N−アリルメチルアミン(3.46mL、36.4mmol)、p−ベンジルオキシ−フェニルアセトアルデヒド(9.16g、40.5mmol)、CuBr(0.52g、3.64mmol)、アセトニトリル(140mL)および1gのオーブン乾燥させた4Åモレキュラーシーブスを添加した。フラスコを80℃で24時間加熱した後、室温まで放冷した。混合物をセライト珪藻土で濾過し、EtOAc(500mL)ですすいだ。有機層を飽和NaHCO
3(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。濾過後、有機層を濃縮し、4:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2を暗赤色の油状物質として得た(10.8g、65%)。R
f=0.35(4:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.37−7.27(m,4H),7.24(d,J=8.8Hz,3H),7.15(d,J=8.3Hz,2H),6.84(d,J=8.8Hz,2H),6.73(d,J=8.8Hz,2H),5.78(ddt,J=6.4,10.7,17.1Hz,1H),5.14(dd,J=1.5,17.1Hz,1H),5.05(dd,J=2.0,10.3Hz,1H),4.95(s,2H),3.72(dd,J=6.3,8.8Hz,1H),3.70(s,3H),3.15(dd,J=5.9,13.7Hz,1H),3.03(dd,J=7.3,13.5Hz,1H),2.27(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ159.2,157.4,137.2,136.0,133.0 131.2,130.4,128.5,127.8,127.4,117.6,115.5,114.5,113.8,88.5,85.0,69.9,65.8,58.4,58.2,55.2,39.5,37.7,15.2ppm。IR(薄膜)2954、1606、1508、1454、1420、1381、1289、1243、1173、1106、1026、921、831、807、791、732、696cm
−1。
【0186】
実施例2:1−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−N−メチルブタ−3−イン−2−アミン(3)の調製
【化25】
撹拌棒を装備した500mL丸底フラスコに、2(10.7g、26.0mmol)、チオサリチル酸(8.0g、52.0mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.6g、0.52mmol)、およびCH
2Cl
2(260mL)を添加した。反応物をN
2下、室温で一晩撹拌させた。反応混合物を濃縮し、EtOAc(200mL)に再溶解した。有機層を飽和NaHCO
3(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。濾過後、有機層を濃縮し、100%EtOAc(0.5%NEt
3を含む)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3を橙色の油状物質として得た(6.6g、91%)。
R
f=0.35(100%EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.45(d,J=7.3,2H),7.40(t,J=6.8Hz,2H),7.34(d,J=8.8Hz,3H),7.27(d,J=8.3Hz,2H),6.95(d,J=8.8Hz,2H),6.83(d,J=8.8Hz,2H),5.06(s,2H),3.80(s,3H),3.72(t,J=6.4Hz,1H),2.98(dd,J=2.4,9.4Hz,2H),2.55(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,125MHz):δ159.4,157.7,137.2,133.0,130.8,128.7,128.0,127.6,115.5,114.7,88.7,84.6,70.1,55.3,53.9,41.3,34.2ppm。IR(薄膜)2933、1606、1508、1454、1441、1380、1289、1244、1173、1107、1027、831、737、697、668cm
−1。計算値C
25H
26NO
2 m/z(M+H)372.1964、測定値372.1966。
【0187】
実施例3:Cbz−保護グアニジン4の調製
【化26】
撹拌棒を装備した250mL丸底フラスコに、TMSCl(1.65mL、13.0mmol)、ベンジルオキシカルボニルシアナミドカリウム塩(2.58g、12.0mmol)および50mLアセトニトリルを添加した。反応混合物を、N
2下で10分間撹拌させた。3(4.8g、13.0mmol)のアセトニトリル(15mol)の溶液を懸濁液に添加し、反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を元の体積のほぼ4分の1に濃縮した後、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を飽和Na
2CO
3(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。濾過後、有機層を濃縮し、1:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4を黄色の泡沫として得た(5.91g、90%)。R
f=0.42(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.44(d,J=7.3Hz,4H),7.42−7.27(m,8H),7.20(d,J=8.8Hz,2H),6.90(d,J=8.3Hz,2H),6.83(d,J=8.8Hz,2H),6.02(bs,2H),5.16(d,J=2.4Hz,2H),5.03(s,2H),3.80(s,3H),3.04(dd,J=7.3,13.2Hz,1H),2.95(dd,J=6.4,13.2Hz,1H),2.90(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,125MHz):δ173.1,164.0,160.7,159.8,157.9,137.8,137.1,133.2,130.7,129.1,128.7,128.4,128.0,127.9,127.7,114.8,114.0,86.1,84.9,70.1,66.8,55.4,50.2,39.7ppm。IR(薄膜)2934、1642、1589、1536、1508、1440、1378、1280、1244、1172、1152、1107、1026、909、831、799、732、696cm
−1。計算値C
34H
34N
3O
4 m/z(M+H)548.2549、測定値548.2556。
【0188】
実施例4:(Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−イミノ−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(5)の調製
【化27】
撹拌棒を装備した25mL丸底フラスコに、4(0.51g、0.91mmol)、AgNO
3(0.016g、0.09mmol)およびジクロロメタン(9.1mL)を添加した。フラスコをアルミニウム箔で包み、反応物をN
2下、室温で一晩撹拌させた。反応混合物を濃縮し、CH
2Cl
2中5%MeOHを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5を淡黄色の泡沫として得た(0.43g、87%)。R
f=0.28(CH
2Cl
2中5%MeOH);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.46−7.20(m,8H),6.97(d,J=8.7Hz,2H),6.94−6.87(m,4H),6.74(d,J=4.3Hz,2H),6.71(d,J=4.0Hz,2H),5.39(s,1H),4.99(s,2H),4.91(d,J=11.8Hz,1H),4.29(d,J=11.8Hz,1H),4.08(dd,J=3.6,4.1,6.6Hz,1H),3.77(s,3H),3.08(s,3H),2.99(dd,J=4.2,13.7Hz,1H),2.73(dd,J=7.3,13.6Hz,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,125MHz):δ158.7,157.9,154.0,151.2,137.1,134.2,131.1,129.5,128.8,128.7,128.5,128.4,128.3,128.1,127.5,114.8,113.8,113.4,70.0,68.6,65.0,55.4,37.8ppm。IR(薄膜)2923、2851、1734、1607、1510、1454、1382、1299、1247、1178、1033、830、738、698cm
−1。計算値C
34H
34N
3O
4 m/z(M+H)548.2549、測定値548.2555。
【0189】
実施例5:ナアミンA(6)の調製
【化28】
撹拌棒を装備した10mL丸底フラスコに、5(0.25g、0.46mmol)、Pd(OH)
2炭素(20重量%、0.032g、0.046mmol)およびMeOH(4.6mL)を添加した。H
2バルーンを取り付け、反応物を一晩撹拌させた。反応混合物をセライト珪藻土で濾過し、ジクロロメタンですすいだ。反応混合物を淡黄色の固体(0.123g、84%)に濃縮し、ナアミンA(6)を得、さらなる精製を行わずに使用した。
1H NMR(CD
3OD,500MHz):δ7.08(d,J=8.3Hz,2H),6.84(d,J=8.3Hz,2H),6.76(d,J=8.3Hz,2H),6.64(d,J=8.8Hz,2H),3.76(s,2H),3.72(s,3H),3.69(s,2H),3.08(s,3H)ppm。
13C NMR(CD
3OD,125MHz):δ168.5,157.8,156.2,148.9,134.5,132.4,130.6,130.1,129.5,120.3,115.8,114.0,55.6,32.7,29.4,28.6ppm。IR(薄膜)2923、2852、1610、1511、1457、1369、1245、1175、1035、814、773、668、652cm
−1。計算値C
19H
22N
3O
2 m/z(M+H)324.1712、測定値324.1714。
【0190】
実施例6:ナアミジンA(7)の調製
【化29】
ナアミジンA(1)を、Ohta et al.Heterocycles 2000,53(9),1939−1955の手順に従って調製した。撹拌棒および還流冷却器を装備した50mL丸底二口フラスコに、1−メチルパラバン酸(2.04g、15.9mmol)およびアセトニトリル(14.5mL)を添加した。ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(4.9mL、19.9mmol)をシリンジを介して添加し、反応混合物を2時間還流させた。反応フラスコを開放された大気にさらすことなく、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物をN
2下に置き、トルエン(10.5mL)で希釈した。撹拌棒および還流冷却器を装備した、6(1.03g、3.2mmol)を含有する50mL丸底二口フラスコに溶液をN
2雰囲気下で移した。反応混合物を16時間還流させた。反応物を室温まで放冷し、EtOAc(10mL)で希釈した後、濃縮させるための100mL丸底
フラスコに移した。混合物を、85:15 PhMe/MeOHと1%NEt
3を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、7を明るい黄色の固体として得た(1.05g、76%)。R
f=0.4(85:15 PhMe/MeOH+1%NEt
3);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.11(d,J=8.8Hz,2H),6.83(d,J=7.8Hz,2H),6.81(d,J=8.8Hz,2H),6.73(d,J=8.8Hz,2H),3.87(s,4H),3.77(s,3H),3.40(s,3H),3.17(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,125MHz):δ163.3,158.5,157.0,155.2,146.7,134.7,131.3,129.5,129.3,128.7,127.0,115.0,114.3,55.5,32.1,30.0,28.8,25.0ppm。IR(薄膜)3335、1789、1736、1665、1612、1569、1512、1486、1445、1392、1303、1247、1174、1153、1035、821、776、727、606cm
−1。計算値C
23H
24N
5O
4 m/z(M+H)434.1828、測定値434.1840。
【0191】
実施例7:(2Z,5Z)−ベンジル 2−(ベンゾイルイミノ)−4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(8)の調製
【化30】
撹拌棒を装備した25mL丸底フラスコに、5(0.5g、0.91mmol)、NEt
3(0.25mL、1.8mmol)、塩化ベンゾイル(0.16mL、1.4mmol)およびジクロロメタン(9.1mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、1:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、8を淡黄色の泡沫として得た(0.54g、92%)。R
f=0.43(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.12(d,J=7.0Hz,2H),7.51−7.11(m,13H),7.08(d,J=8.8Hz,2H),6.98(d,J=8.7Hz,2H),6.78(d,J=8.7Hz,2H),6.75(d,J=8.9Hz,2H),5.45(s,1H),5.01(s,2H),4.80(d,J=11.9Hz,1H),4.42(d,J=11.8Hz,1H),4.08(dd,J=4.1,6.6Hz,1H),3.77(s,3H),3.14(s,3H),3.03(dd,J=4.3,13.5Hz,1H),2.78(dd,J=7.6,13.5Hz,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ175,6,158.7,157.9,151.9,149.1,137.3,137.0,134.5,131.4,131.1,129.7,129.3,128,7,128.6,128.2,128.1,128.0,127.8,127.5,127.1,117.4,114.8,113.7,70.0,68.7,64.6,55.3,37.9,31.0ppm。IR(薄膜)3033、2933、1746、1647、1607、1511、1455、1379、1315、1282、1248、1178、1075、1037、1024、866、826、739、713、697cm
−1。計算値C
41H
37N
3O
5 m/z(M+Na)674.2631、測定値674.2632。
【0192】
実施例8:(2Z,5Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−((2−フルオロ−ベンゾイル)イミノ)−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(9)の調製
【化31】
撹拌棒を装備した25mL丸底フラスコに、5(0.64g、1.2mmol)、NEt
3(0.33mL、2.4mmol)、2−フルオロベンゾイルクロライド(0.16mL、1.4mmol)およびジクロロメタン(12mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、1:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、9を黄色の油状物質として得た(0.71g、89%)。R
f=0.42(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.91(dt,J=2.0,7.8Hz,1H),7.44−7.01(m,11H),6.97(d,J=8.8Hz,4H),6.85(t,J=8.8Hz,2H),6.77(d,J=8.8Hz,2H),6.66(d,J=8.8Hz,2H),5.46(s,1H),5.00(s,2H),4.83(d,J=11.7Hz,1H),4.46(d,J=12.3Hz,1H),4.11(dd,J=3.4,7.3Hz,1H),3.76(s,3H),3.15(s,3H),3.00(dd,J=4.4,13.7Hz,1H),2.78(dd,J=7.7,13.7Hz,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ172.7,163.0,159.7,158.8,158.0,151.9,149.1,137.0,134.4,132.6,132.4,132.3,131.1,129.5,128.7,128.3,128.2,127.7,127.5,127.0,123.7,117.4,116.6,116.3,114.9,113.7,70.1,68.9,64.6,55.3,37.9,31.0ppm。IR(薄膜)3033、2930、1743、1598、1510、1483、1452、1407、1379、1314、1282、1246、1177、1116、1029、909、862、817、756、733、696cm
−1。
計算値C
41H
36N
3O
5F m/z(M+Na)692.2537、測定値692.2545。
【0193】
実施例9:(2Z,5Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−((2,4−ジクロロ−ベンゾイル)イミノ)−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(10)の調製
【化32】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、5(0.05g、0.09mmol)、NEt
3(0.025mL、0.18mmol)、2,4−ジクロロベンゾイルクロライド(0.017mL、0.14mmol)およびジクロロメタン(0.9mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、2:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、10を黄色の油状物質として得た(0.054g、86%)。R
f=0.26(2:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.76(d,J=8.3Hz,1H),7.44−7.14(m,10H),6.97(d,J=8.8Hz,2H),6.90(d,J=8.8Hz,2H),6.83(d,J=7.1Hz,2H),6.77(d,J=8.3Hz,2H),6.70(d,J=8.8Hz,2H),5.54(s,1H),5.00(s,2H),4.70(d,J=11.7Hz,1H),4.48(d,J=12.2Hz,1H),4.15(dd,J=3.9,6.3Hz,1H),3.38(s,3H),3.16(s,3H),3.00(dd,J=3.9,13.7Hz,1H),2.82(dd,J=6.8,13.7Hz,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ173.3,158.9,158.0,152.7,137.0,135.9,135.7,134.2,133.4,133.2,131.0,130.1,129.5,129.1,128.8,128.7,128.3,128.2,128.1,127.5,126.7,126.6,117.6,114.9,113.7,70.0,69.0,64.7,55.2,37.8,31.1ppm。IR(薄膜)3032、2931、1743、1582、1510、1455、1375、1284、1247、1177、1100、1030、909、862、831、757、734、696cm
−1。計算値C
41H
35N
3O
5Cl
2 m/z(M+Na)742.1851、測定値742.1868。
【0194】
実施例10:(2Z,5Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−5−(4−メトキシ−ベンジリデン)−3−メチル−2−((チアゾール−2−カルボニル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(11)の調製
【化33】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、5(0.05g、0.09mmol)、NEt
3(0.025mL、0.18mmol)、1,3−チアゾールベンゾイルクロライド(0.02g、0.14mmol)およびジクロロメタン(0.9mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、EtOAc中5%MeOHを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、11を黄色の油状物質として得た(0.054g、92%)。R
f=0.58(EtOAc中5%MeOH);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.91(d,J=2.9Hz,1H),7.49(d,J=2.9,1H),7.44−7.29(m,5H),7.21(t,J=7.3Hz,1H),7.16(t,J=7.8Hz,2H),7.01(d,J=8.8Hz,2H),6.96(d,J=8.8Hz,2H),6.82(d,J=9.3Hz,2H),6.77(d,J=8.8Hz,2H),6.71(d,J=8.8Hz,2H),5.38(s,1H),5.00(s,2H),4.87(d,J=12.2Hz,1H),4.39(d,J=11.7Hz,1H),4.12(dd,J=4.4,7.8Hz,1H),3.76(s,3H),3.17(s,3H),3.04(dd,J=4.9,13.7Hz,1H),2.73(dd,J=8.8,13.7Hz,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,125MHz):δ173.1,167.4,167.1,158.8,158.0,153.6,149.0,144.2,137.0,134.2,131.1,129.5,128.9,128.7,128.3,128.2,128.1,127.7,127.5,126.9,124.1,117.6,114.9,113.7,70.0,69.0,65.0,55.3,37.7,31.2ppm。IR(薄膜)3032、2932、1741、1594、1510、1489、1454、1397、1380、1281、1236、1176、1076、1026、908、863、847、821、727、696、644、609cm
−1。
【0195】
実施例11:(2Z,5Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−(イソブチリルイミノ)−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(12)の調製
【化34】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、5(0.05g、0.09mmol)、NEt
3(0.025mL、0.18mmol)、イソブチリルクロライド(0.014mL、0.14mmol)およびジクロロメタン(0.9mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、1:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、12を黄色の油状物質として得た(0.044g、87%)。R
f=0.32(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.64−7.37(m,10H),7.28(d,J=8.8Hz,2H),7.15(d,J=8.8Hz,2H),7.08(d,J=7.8Hz,2H),6.96(d,J=8.8Hz,2H),5.60(s,1H),5.21(s,2H),5.08(d,J=11.7Hz,1H),4.71(d,J=11.7Hz,1H),4.20(dd,J=3.9,6.8Hz,1H),3.97(s,3H),3.24(s,3H),3.18(dd,J=4.4,13.7Hz,1H),2.93(dd,J=7.3,13.2Hz,1H),2.84(sep,J=6.8Hz,1H),1.44(d,J=6.8Hz,3H),1.39(d,J=6.8Hz,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ188.0,158.7,157.9,150.3,149.2,137.0,134..6,131.0,129.5,129.4,128.7,128.6,128.2,128.0,127.9,127.4,127.2,117.0,114.8,113.7,70.0,68.6,64.6,55.2,38.6,37.9,30.8,20.1ppm。IR(薄膜)3033、2964、2929、1745、1663、1607、1455、1379、1273、1249、1179、1123、1077、1037、923、864、826、738、697cm
−1。
計算値C
38H
39N
3O
5 m/z(M+Na)640.2787、測定値640.2775。
【0196】
実施例12:(2Z,5Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−5−(4−メトキシ−ベンジリデン)−3−メチル−2−((2−メチルブタノイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(13)の調製
【化35】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、5(0.05g、0.09mmol)、NEt
3(0.025mL、0.18mmol)、2−メチルブチリルクロライド(0.017mL、0.14mmol)およびジクロロメタン(0.9mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、1:1 ヘキサン/EtOAcを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、13を黄色の油状物質として得た(0.049g、85%)。R
f=0.44(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.44−7.17(m,8H),7.08(d,J=8.7Hz,2H),6.94(d,J=8.5Hz,2H),6.86(d,J=7.3Hz,2H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),5.39(d,J=5.8Hz,1H),5.00(s,2H),4.87(dd,J=2.3,12.0Hz,1H),4.51(dd,J=3.8,12.0Hz,1H),3.99(p,J=3.7,1H),3.75(s,3H),3.03(s,3H),2.97(dd,J=4.4,13.5Hz,1H),2.72(m,1H),2.46(ddq,J=6.9,6.8,5.6,7.0Hz,1H),1.83(m,1H),1.51(m,1H),1.18(dd,J=6.9,7.0,3H),0.97(dt,J=4.0,7.4,7.6Hz,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ187.5,158.9,158.0,151.1,150.7,149.4,137.2,134.7,131.2,129.7,128.8,128.7,128.4,128.2,128.0,127.6,127.4,127.3,117.2,114.9,113.8,70.1,68.8,64.8,55.4,45.9,45.5,38.1,31.1,27.7,27.5,17.2,16.4,12.2,12.0。IR(薄膜)2963、2931、2873、1746、1653、1607、1511、1456、1378、1249、1179、1119、1077、1039、827、741、696cm
−1。計算値C
39H
41N
3O
5 m/z(M+Na)654.2944、測定値654.2941。
【0197】
実施例13:(E)−N−(5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−(4−メトキシベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)イソブチルアミド(14)
【化36】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、12(0.05g、0.08mmol)、PdCl
2(0.025mL、0.18mmol)およびメタノール(0.9mL)を添加した。反応物をH2雰囲気バルーン下で一晩撹拌させた。反応混合物をセライト珪藻土で濾過し、さらなるメタノールですすいだ。溶媒を除去し、混合物をジクロロメタンに溶かした。有機層を、飽和NaHCO3、次いでブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた後、濃縮した。粗生成物をメタノールでトリチュレートすることにより精製し、メタノールに溶かし、生成物をトリチュレーションによって単離して灰白色の固体を得た。
1H NMR(MeOD,300MHz):δ7.09(d,J=8.8Hz,2H),6.82(d,J=8.3Hz,2H),6.75(d,J=8.8Hz,2H),6.64(d,J=8.3Hz,2H),3.86(s,2H),3.80(s,2H),3.72(s,3H),3.16(s,3H),2.63(sep,J=6.8Hz,1H),1.19(d,J=6.8Hz,6H)ppm;
13C NMR(MeOD,75MHz):δ170.5,157.1,130.5,130.1,116.4,114.7,55.7,36.1,32.9,30.6,29.3,19.7ppm。IR(薄膜)3274、2986、2472、1670、1611、1510、1465、1404、1301、1255、1175、1102、1032、973、816cm
−1。
【0198】
実施例14:(E)−N−(5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−(4−メトキシベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−メチルブタンアミド(15)の調製
【化37】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、12(0.05g、0.08mmol)、PdCl
2(0.025mL、0.18mmol)およびメタノール(0.9mL)を添加した。反応物をH2雰囲気バルーン下で一晩撹拌させた。反応混合物をセライトで濾過し、さらなるメタノールですすいだ。溶媒を除去し、混合物をクロロホルムに溶かした。有機層を、10%NaHCO
3、次いでブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた後、濃縮した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させた後、濃縮して、15を黄色の油状物質として得た。
1H NMR(MeOD,300MHz):δ7.09(d,J=8.8Hz,2H),6.82(d,J=8.3Hz,2H),6.76(d,J=8.8Hz,2H),6.64(d,J=8.3Hz,2H),4.59(s,1H),3.87(s,2H),3.81(s,2H),3.72(s,3H),3.18(s,3H),2.44(sextet,J=6.8Hz,1H),1.71(m,J=7.3Hz,1H),1.48(m,J=6.8Hz,1H),1.19(d,J=6.8Hz,3H),0.97(t,J=7.3Hz,3H)ppm。
13C NMR(MeOD,75MHz):δ170.5,159.5,157.0,130.5,130.1,116.4,114.7,55.7,43.6,32.9,30.8,29.3,28.2,17.9,12.3ppm。IR(薄膜)3357、2965、2486、2076、1670、1653、1635、1612、1558、1510、1458、1405、1301、1245、1175、1118、1033、971、816cm
−1。
【0199】
実施例15:3成分カップリングの一般手順
【化38】
磁気撹拌子を含有する250mL高圧フラスコ内に、ベンズアルデヒド(3.1g、28.9mmol)、フェニルアセチレン(2.95g、28.9mmol)、N−アリルメチルアミン(1.88g、26.3mmol)、オーブン乾燥したモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約2g)およびアセトニトリル(200mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。次に、CuBr(0.38g、2.63mmol)を添加し、フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に戻して48時間置いた。反応管を油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライトで濾過し、EtOAc(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、9:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(1,3−ジフェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(16)を暗橙色の油状物質として得た(5.32g、88%)。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):
δ7.65(d,J=6.9Hz,2H),δ7.56−7.53(m,2H),δ7.40−7.26(m,6H),δ5.93(ddt,J=6.6Hz,10.5Hz,17.1Hz,1H),δ5.32(dd,J=17.1Hz,1.5Hz,1H),δ5.18(dd,J=10.3Hz,1.2Hz,1H),δ4.99(s,1H),δ3.89(s,3H),δ3.19(d,J=5.1Hz,2H),δ2.23(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ138.9,δ136.3,δ131.9,δ128.5,δ128.4,δ128.3,δ127.7,δ123.4,δ117.8,δ88.5,δ84.9,δ59.8,δ57.9ppm。IR(薄膜):3061、3030、2978、2945、2844、2788、1598、1489、1448、1324、1273、1196、1155、1127、1070、1023、994、963、917、754、726、689cm
−1。
【0200】
実施例16:N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(17)の調製
【化39】
磁気撹拌子を含有する250mL高圧フラスコ内に、p−アニスアルデヒド(10g、73.4mmol)、フェニルアセチレン(7.5g、73.4mmol)、N−アリルメチルアミン(4.75g、66.7mmol)、オーブン乾燥させたモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約2g)およびアセトニトリル(200mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。次に、CuBr(0.95g、6.67mmol)を添加し、フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に戻して48時間置いた。反応管を油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライト珪藻土で濾過し、EtOAc(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、9:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(17)を、暗橙色の油状物質として得た。R
f=0.78(2:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.59−7.53(m,4H),δ7.37−7.26(m,3H),δ6.49(d,J=8.7Hz,2H),δ5.92(ddt,J=6.6Hz,10.5Hz,17.1Hz,1H),δ5.33(dd,J=17.7Hz,2.1Hz,1H),δ5.19(dd,J=9.3Hz,1.9Hz,1H),δ4.94(s,1H),δ3.83(s,3H),δ3.19(d,J=6.6Hz,2H),δ2.24(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ159.1,δ136.3,δ131.9,δ131.1,δ129.7,δ128.4,δ128.2,δ123.4,δ117.7,δ113.6,δ88.3,δ85.3,δ59.3,δ57.8,δ55.4,δ37.8ppm。IR(薄膜)2948、2834、2786、1642、1609、1583、1507、1488、1441、1301、1244、1169、1126、1107、1033、994、962、916、850、807、778、754、689、583、524cm
−1。計算値C
20H
21NO m/z 291.1623、測定値292.1699(M+H)。
【0201】
実施例17:アリルアミンの脱アリル化の一般手順
【化40】
磁気撹拌子を含有する250mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(1.31g、1.14mmol)、チオサリチル酸(7.0g、45.4mmol)およびCH
2Cl
2(100mL)を添加した。$$$(5.25g、22.7mmol)のCH
2Cl
2中15mLの溶液を添加し、反応混合物をN2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(10mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、8:2 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−メチル−1,3−ジフェニルプロパ−2−イン−1−アミン(18)を暗橙色の油状物質として得た(3.12g、73%)。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.61−7.31(m,10H),δ4.76(s,1H),δ2.57(s,3H),δ1.47(s,1H)ppm。IR(薄膜)3060、3029、2933、2850、2793、1653、1598、1559、1540、1489、1473、1449、1306、1214、1177、1098、1071、1027、915、755、691cm
−1。
【0202】
実施例18:1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミン(19)の調製
【化41】
磁気撹拌子を含有する250mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(0.22g、0.192mmol)、N,N−ジメチルバルビツール酸(9g、57.69mmol)およびCH
2Cl
2(100mL)を添加した。$$$(5.6g、19.23mmol)のCH
2Cl
2中25mLの溶液を添加し、反応混合物をN2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(10mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、8:2 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミン(19)を暗橙色の油状物質として得た(2.13g、44%)。R
f=0.22(2:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.54−7.48(m,4H),δ7.33−7.31(m,3H),δ6.9(d,J=8.7Hz,2H),δ5.18(s,1H),δ3.81(s,3H),δ2.56(s,3H),δ1.81(s,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ159.2,δ132.4,δ131.7,δ128.8,128.3,128.1,δ123.1,δ113.8,δ89.2,δ85.5,δ55.6,δ55.3,δ33.7ppm。IR(薄膜)2953、2834、2790、1609、1584、1508、1488、1462、1440、1301、1243、1171、1095、1031、956、913、829、754、727、703、689、573、547、524cm
−1。計算値C
17H
17NO m/z(M+H)251.1310、測定値274.1213(M+Na)。
【0203】
実施例19:プロパルギルアミンのグアニル化の一般手順
【化42】
磁気撹拌子を含有する100mL丸底フラスコの中に、カリウムベンジルオキシカルボニルシアナミド(0.65g、3.0mmol)、TMSCl(0.34g、3.1mmol)およびアセトニトリル(15mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、18(0.46g、2.4mmol)のアセトニトリル(3.5mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(150mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、20を暗褐色の油状物質として得た(0.75g、85%)。IR(薄膜)3331、3031、2939、1736、1646、1596、1534、1491、1450、1379、1153、1050、1028、801、757、696cm
−1。
【0204】
実施例20:Cbz−保護グアニジン21の調製
【化43】
磁気撹拌子を含有する100mL丸底フラスコの中に、カリウムベンジルオキシカルボニルシアナミド(2.176g、10.16mmol)、TMSCl(1.15g、10.59mmol)およびアセトニトリル(45mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、19のアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(150mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、21を暗褐色の油状物質として得た(2.97g、82%)。R
f=0.48(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.51−7.43(m,6H),δ7.36−7.25(m,7H),δ6.9(d,J=6.3Hz,2H),δ5.18(s,2H),δ3.80(s,3H),δ2.80(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ164.1,δ160.9,δ159.4,δ137.6,δ131.9,δ129.0,δ128.7,δ128.6,δ128.4,δ128.0,δ127.7,δ122.2,δ113.9,δ86.6,δ85.2,δ66.9,δ55.3,δ50.6,δ29.7ppm。IR(薄膜)3403、2932、1646、1584、1532、1508、1488、1440、1376、1273、1246、1121、1150、1110、1027、908、845、799、775、755、729、690、647、586、552cm
−1。計算値C
26H
25N
3O
3 m/z(M+H)427.1896、測定値428.1979(M+H)。
【0205】
実施例21:プロパルギルグアニジンの環化の一般手順
【化44】
磁気撹拌子を含有する、箔で包んだ50mL丸底フラスコ内に、20(0.75、2.04mmol)、AgNO
3(35mg、0.204mmol)、およびCH
2Cl
2(20mL)の溶液を添加した。溶液を室温で6時間撹拌した。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(15mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−イミノ−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(22)を暗褐色の油状物質として得た(0.53g、71%)。R
f=0.31(1:1 ヘキサン/EtOAc)。IR(薄膜)3346、3031、1734、1684、1652、1495、1426、1386、1303、1249、1197、1161、1047、1026、957、797、696cm
−1。
【0206】
実施例22:(Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−イミノ−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレートの調製
【化45】
磁気撹拌子を含有する箔で包んだ50mL丸底フラスコ内に、21(1.37g、3.27mmol)、AgNO
3(55.5mg、0.327mmol)、およびCH
2Cl
2(25mL)の溶液を添加した。溶液を室温で6時間撹拌した。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(15mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、2:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−イミノ−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(23)を暗褐色の油状物質として得た(1.21g、87%)。R
f=0.18(ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.28−7.16(m,9H),δ7.10−7.08(m,2H),δ6.92−6.88(m,4H),δ5.47(d,J=2.1Hz,1H),δ4.92(d,J=2.1Hz,1H),δδ4.58(ABq,136.2,11.7Hz,2H),δ3.81(s,3H),δ2.75(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ106.1,δ153.5,δ151.4,δ136.5,δ135.1,δ134.4,δ129.7,δ129.6,δ128.7,δ128.4,δ127.4,δ127.0,δ114.5,δ113.0,δ62.2,δ67.0,δ55.4,δ30.1ppm。IR(薄膜)3404、2932、1646、1548、1532、1508、1488、1440、1376、1273、1246、1171、1150、1110、1027、908、845、799、779、755、728、690、647、586、552cm
−1。計算値C
26H
25N
3O
3 m/z(M+H)427.1896、測定値428.1979(M+H)。
【0207】
実施例23:一保護環状グアニジンのアシル化の一般手順
【化46】
磁気撹拌子を含有する10mL丸底フラスコの中に、22(73.1mg、0.18mmol)、ベンゾイルクロライド(0.032mL、0.276mmol)、トリエチルアミン(0.051mL、0.37mmol)、およびジクロロメタン(2mL)をN
2下で添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。溶液を減圧下、回転蒸発によって濃縮し、粗材料を20mL EtOAcに溶解した。有機層をNaHCO
3(15mL)およびブライン(15mL)で洗浄した。有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、得られる材料をフラッシュクロマトグラフィー(6:4 ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2Z,5Z)−ベンジル 2−(ベンゾイルイミノ)−5−ベンジリデン−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(24)を淡褐色の泡沫として得た(85.7mg、92.8%)。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.21−8.18(m,2H),δ7.51−7.32(m,8H),δ7.25−7.11(m,8H),δ6.8−6.78(m,2H),δ5.77(d,J=2.1Hz,1H),δ5.16(d,J=1.8Hz,1H),δ4.67(q,J=9.6Hz,2H),δ2.93(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ178.8,δ151.8,δ149.3,δ137.1,δ136.8,δ135.4,δ134.5,δ133.9,δ131.6,δ129.7,δ129.4,δ129.3,δ127.8,δ127.5,δ116.9,δ68.8,δ67.0,δ30.6ppm。IR(薄膜)3060、3029、1744、1557、1494、1448、1404、1377、1315、1277、1226、1173、1144、1080、1036、1020、976、909、856、794、752、727、696、668cm
−1。計算値m/z C
32H
27N
3O
3(M+H)501.2052、測定値524.1963(M+Na)。
【0208】
実施例24:(2Z,5Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−((2−フルオロベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(25)の調製
【化47】
2−フルオロベンゾイルクロライド(0.043mL、0.36mmol)、トリエチルアミン(0.067mL、0.48mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用いる22(95.5mg、0.24mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−((2−フルオロベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(25)を淡褐色の泡沫として得た(119.8mg、95%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.99(t,J=8Hz,1H),δ7.50−7.34(m,4H),δ7.34−7.29(m,2H),δ7.21−7.07(m,8H),δ6.99(d,J=8Hz,2H),δ6.84(d,J=7Hz)δ5.71(d,J=2Hz,1H),δ5.17(d,J=2Hz,1H),δ4.74(q,J=12Hz,2H),δ2.93(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ172.3,δ163.0,δ159.5,δ151.4,δ149.3,δ136.6,δ135.2,δ134.4,δ133.9,δ132.6,δ132.5,δ134.4,δ129.4,δ128.7,δ128.4,δ128.3,δ128.0,δ127.9,δ127.5,δ123.8,δ123.7,δ117.2,δ116.7,δ116.4,δ69.0,δ67.9,δ30.5ppm。IR(薄膜)3031、1745、1596、1483、1404、1378、1316、1280、1263、1223、1179、1157、1111、1081、1023、974、909、866、782、755、732、696、655cm
−1。計算値m/z C
32H
26N
3O
3(M+H)519.1958、測定値542.1865(M+Na)。
【0209】
実施例25:(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−2−((2,4−ジクロロベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(26)の調製
【化48】
2,4−ジクロロベンゾイルクロライド(0.023mL、0.161mmol)、トリエチルアミン(0.030mL、0.21mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用いる22(42.6mg、107mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−2−((2,4−ジクロロベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(26)を淡褐色の泡沫として得た(54.7mg、89.6%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.86(d,J=8Hz,1H),δ7.52−7.39(m,4H),δ7.32−7.29(m,2H),δ7.02(d,J=6.5Hz,2H),δ6.84(d,J=7Hz,2H),δ5.71(d,J=2Hz,1H),δ5.17(d,J=2Hz,1H),δ4.69(q,J=12Hz,2H),δ2.93(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ173.0,δ153,δ149,δ136.5,δ136.3,δ135.9,δ135.3,δ134.4,δ130.4,δ129.6,δ128.8,δ128.5,δ128.4,δ128.1,δ127.9,δ127.8,δ126.9,δ117.5,δ69.3,δ67.4,δ30.9ppm。IR(薄膜)3063、3031、1744、1580、1454、1456、1404、1373、1277、1222、1177、1138、1099、1055、1021、973、908、865、833、792、758、728、695cm
−1。計算値m/z C
32H
25Cl
2O
3(M+H)569.1273、測定値592.1183(M+Na)。
【0210】
実施例26:(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−3−メチル−4−フェニル−2−((チアゾール−2−カルボニル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(27)の調製
【化49】
チアゾール−2−カルボニルクロライド(20mg、0.133mmol)、トリエチルアミン(0.025mL、0.177mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用いる22(35.2mg、0.089mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−3−メチル−4−フェニル−2−((チアゾール−2−カルボニル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(27)を淡褐色の泡沫として得た(19.8mg、43.9%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.94(d,J=4.5Hz,1H),δ7.52(d,J=4.5Hz,1H),δ7.40−7.13(m,13H),δ6.82(d,J=7Hz,2H),δ5.76(d,J=2Hz,1H),δ5.21(d,J=2Hz,1H),δ4.69(q,J=12Hz,2H),δ2.96(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ162.1,δ153.8,δ149.1,δ144.2,δ136.5,δ135.4,δ134.2,δ133.9,δ129.7,δ129.6,δ128.8,δ128.6,δ128.5,δ128.4,δ128.2,δ128.1,δ127.7,δ124.4,δ117.2,δ69.2,δ67.4,δ30.8ppm。IR(薄膜)3031、1744、1595、1489、1456、1396、1328、1278、1228、1177、1133、1080、1057、1019、971、906、843、821、724、694、644、606cm
−1。計算値m/z C
29H
24N
4O
3S(M+H)508.1569、測定値531.1462(M+Na)。
【0211】
実施例27:(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−2−(イソブチリルイミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(28)の調製
【化50】
イソブチリルクロライド(isobutryl chloride)(0.013mL、0.134mmol)、トリエチルアミン(0.025mL、0.179mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用いる22(35.5mg、0.0893mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−2−(イソブチリルイミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(28)を淡褐色の泡沫として得た(38.2mg、91.5%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.42−7.35(m,3H),δ7.29−7.15(m,10H),δ6.86(d,J=7Hz,2H),δ5.72(d,J=2Hz,1H),δ5.07(d,J=2Hz,1H),δ4.71(q,J=10.5Hz,2H),δ2.81(s,3H),δ2.71(m,1H),δ1.26(d,J=7Hz,6H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ187.6,δ150.2,δ149.5,δ137.1,δ135.6,δ134.7,δ134.1,δ129.5,δ128.6,δ128.4,δ128.3,δ127.8,δ127.6,δ116.6,δ68.8,δ67.1,δ38.8,δ30.6,δ20.0ppm。IR(薄膜)3030、2966、2360、2340、1743、1653、1598、1494、1455、1403、1378、1345、1261、1175、1121、1080、1023、977、919、847、820、752、730、695、668、634、598、557cm
−1。計算値m/z C
29H
29N
3O
3(M+H)467.2209、測定値490.2103(M+Na)。
【0212】
実施例28:(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−3−メチル−2−((2−メチルブタノイル)イミノ)−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(29)の調製
【化51】
2−メチルブチリルクロライド(methylbutryl chloride)(0.037mL、0.256mmol)、トリエチルアミン(0.048mL、0.341mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用いる22(56.9mg、0.171mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−3−メチル−2−((2−メチルブタノイル)イミノ)−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(29)を淡褐色の泡沫として得た(56.9mg、69.5%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.42−7.12(m,13H),δ6.86(d,J=7.5Hz,2H),δ5.72(d,J=2Hz,1H),δ5.08(d,J=2Hz,1H),δ4.71(q,J=10.5Hz,2H),δ2.81(s,3H),δ2.53(m,1H),δ1.87(m,1H),δ1.55(m,1H),δ1.23(d,J=7Hz,3H),δ1.01(t,J=6.5Hz,3H),ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ186.8,δ150.6,δ149.6,δ137.3,δ137.1,δ135.6,δ134.7,δ134.3,δ134.1,δ129.5,δ129.4,δ128.5,δ128.4,δ128.3,δ127.9,δ127.8,δ127.5,δ116.4,δ68.8,δ45.8,δ45.8,δ30.7,δ27.6,δ16.8,δ12.1ppm。IR(薄膜)3031、2963、2931、2873、1744、1653、1597、1494、1456、1403、1375、1264、1175、1113、1080、1039、978、908、752、730、695、668、633、588cm
−1。計算値m/z C
30H
31N
3O
3(M+H)481.2365、測定値504.2275(M+Na)。
【0213】
実施例29:(2Z,5Z)−ベンジル−2−(ベンゾイルイミノ)−5−ベンジリデン−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(30)の調製
【化52】
ベンゾイルクロライド(0.040mL、0.341mmol)、トリエチルアミン(0.063mL、0.454mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用いる23(97mg、0.227mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル−2−(ベンゾイルイミノ)−5−ベンジリデン−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(30)を淡褐色の泡沫として得た(96.9mg、80.3%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.18(d,J=8Hz,2H),δ7.50−7.21(m,14H),δ6.91(d,J=8.5Hz,2H),δ6.80(d,J=7Hz,2H),δ5.74(d,J=2Hz,1H),δ5.13(d,J=1.5Hz,1H),δ4.67(q,J=22.5,11.5,2H),δ3.82(s,3H),δ2.90(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.2,δ160.5,δ151.9,δ149.4,δ137.3,δ135.6,δ134.7,δ134.6,δ134.4,δ131.7,δ129.8,δ129.4,δ128.7,δ128.5,δ128.4,δ128.3,δ128.2,δ127.6,δ116.8,δ114.9,δ69.0,δ66.8,δ55.6,δ30.71ppm。IR(薄膜)3030、2929、1746、162、1607、1510、1447、1378、1317、1244、1173、1131、1081、1021、972、908、832、727、694、6672、646、612cm
−1。計算値 m/z C
33H
29N
3O
4(M+H)531.2158、測定値554.2066(M+Na)。
【0214】
実施例30:(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−2−((2−フルオロベンゾイル)イミノ)−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(31)の調製
【化53】
2−フルオロベンゾイルクロライド(0.38mL、3.21mmol)、トリエチルアミン(0.6mL、4.28mmol)、およびジクロロメタン(20mL)を用いる23(0.9156g、2.14mmol)のアシル化により、(2Z,5Z)−ベンジル−5−ベンジリデン−2−((2−フルオロベンゾイル)イミノ)−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(31)を淡褐色の泡沫として得た(0.9795g、83.0%)。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.99(t,J=6Hz,1H),δ7.44(m,1H),δ7.24−7.05(m,10H),δ6.99−6.83(m,5H)δ5.69(d,J=1.5Hz,1H),δ5.15(d,J=2.1Hz,1H),δ4.71(q,J=11.7Hz,2H),δ3.82(s,3H),δ2.89(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ164.1,δ160.5,δ152.6,δ149.6,δ135.3,δ134.4,δ134.3,δ132.7,δ132.6,δ129.4,δ128.8,δ128.4,δ128.3,δ128.0,δ127.5,δ123.8,δ117.1,δ116.7,δ116.6,δ114.8,δ69.0,δ66.6,δ55.4,δ30.4ppm。IR(薄膜)2933、2834、2790、109、1584、1508、1488、1462、1440、1301、1243、1171、1095、1031、956、913、829、783、754、727、689、660、634、618、573、547、524cm
−1。計算値m/z C
33H
28N
3O
4(M+H)549.2064、測定値554.2056(M+Na)。
【0215】
実施例31:アシル化された保護環状グアニジンの水素化の一般手順
【化54】
磁気撹拌子を含有する5mL試験管の中に、24(84.4mg、0.17mmol)、Pd/C(10% w/w、9mg)、および蒸留したMeOH(2mL)をN
2の蒸気下で添加した。次に、反応管を圧力容器内で密封し、H
2で3回パージした。次に、圧力容器にH
2を装入し、反応物を室温で24時間撹拌した。H
2を圧力容器から放出した後、溶液を濾過し、それに続いて5mLの熱メタノールを添加してフィルターを洗浄した。濾液を減圧下で回転蒸発により濃縮し、得られる材料をフラッシュクロマトグラフィー(6:4 ヘキサン/EtOAc)により精製して、(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)ベンズアミド(32)を淡褐色の泡沫として得た(44.4mg、72%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.28(d,J=8.5Hz,2H),δ7.51−7.46(m,8H),δ7.36−7.26(m,2H),δ7.18−7.09(m,3H),δ3.80(s,2H),δ3.50(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ170.9,δ137.9,δ137.2,δ132.8,δ132.6,δ130.6,δ130.2,δ129.7,δ129.4,δ129.2,δ128.9,δ128.6,δ128.5,δ127,δ34.6,δ31ppm。計算値m/z C
24H
21N
3O(M+H)367.1685、測定値368.1768(M+H)。
【0216】
実施例32:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(33)の調製
【化55】
Pd/C(10% w/w、2mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用いる25(10.8mg、0.021mmol)の水素化により、(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(33)を淡褐色の泡沫として得た(7.1mg、89%)。IR(薄膜)3029、1683、1560、1494、1452、1350、1286、1250、1222、1155、1127、1075、1054、1030、1014、967、817、755、725、696、643、558、539cm
−1。
【0217】
実施例33:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,4−ジクロロベンズアミド(34)の調製の調製
【化56】
Pd/C(10% w/w、4mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用いる26(34.5mg、0.060mmol)の水素化により、(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2,4−ジクロロベンズアミド(34)を淡褐色の泡沫として得た(20.8mg、79%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.27(d,J=7Hz,2H),δ7.62−7.51(m,4H),δ7.47(t,J=7.5Hz 2H),δ7.36−7.32(m,2H),δ7.29−7.20(m,4H)δ3.95(s,2H),δ3.62(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ162.1,δ136.2,δ135.9,δ130.8,δ129.7,δ129.4,δ129.3,δ129.0,δ128.7,δ127.6,δ126.5,δ125.5,δ34.6,δ30.6ppm。IR(薄膜)2934、2835、2359、2340、1652、1609、1585、1558、1540、1509、1489、1472、1457、1441、1302、1246、1172、1097、1034、831、784、755、691、667cm
−1。
【0218】
実施例34:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)イソブチルアミド(35)の調製
【化57】
Pd/C(10% w/w、5mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用いる28(45.1mg、0.096mmol)の水素化により、(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)イソブチルアミド(35)を淡褐色の泡沫として得た(23.8mg、74%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.42−7.39(m,3H),δ7.33(d,J=8Hz,2H),δ7.24−7.20(m,3H),δ7.13(d,J=8Hz 2H),δ3.83(s,2H),δ3.31(s,3H),δ2.49(m,1H),δ1.13(d,7Hz,6H)ppm。IR(薄膜)3028、2968、2873、1695、1653、1602、1540、1506、1494、1466、1456、1437、1399、1383、1312、1221、1190、1156、1098、1014、950、910、867、725、697cm
−1。計算値m/z C
21H
23N
3O(M+H)333.1841、測定値334.1919(M+H)。
【0219】
実施例35:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−メチルブタンアミド(36)の調製
【化58】
Pd/C(10% w/w、6mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用いる29(56.9mg、0.118mmol)の水素化により、(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−メチルブタンアミド(36)を淡褐色の泡沫として得た(32.8mg、80%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.42−7.39(m,3H),δ7.29(d,J=8Hz,2H),δ7.24−7.20(m,3H),δ7.05(d,J=8Hz 2H),δ3.77(s,2H),δ3.30(s,3H),δ2.43(m,1H),δ1.69(m,1H),δ1.41(m,1H),δ1.10(d,7Hz,3H),δ0.87(t,7Hz,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ139.9,δ130.3,δ129.1,δ128.8,δ128.6,δ128.5,δ42.8,δ32.3,δ27.2,δ17.7,δ11.1ppm。IR(薄膜)2835、1609、1583、1508、1488、1442、1419、1301、1244、1169、1126、1107、1069、1033、994、962、917、850、807、778、754、690、584cm
−1。計算値m/z C22H25N3O(M+H)347.1998、測定値348.2082(M+H)。
【0220】
実施例36:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)ベンズアミド(37)の調製
【化59】
Pd/C(10% w/w、2mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用いる30(15.4mg、0.029mmol)の水素化により、(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)ベンズアミド(37)を淡褐色の泡沫として得た(9.7mg、84%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.27(d,J=7Hz,2H),δ7.45−7.40(m,3H),δ7.32−7.27(m,4H),δ7.22(m,1H),δ7.15(d,J=7.5Hz,2H),δ7.01(d,J=9Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.83(s,2H),δ3.49(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ160.5,δ138.7,δ131.9,δ130.8,δ129.2,δ128.9,δ128.4,δ128.1,δ127.2,δ124.5,δ120.0,δ114.8,δ55.7,δ32.4,δ31.0ppm。IR(薄膜)3061、2933、1675、1636、1566、1541、1494、1464、1453、199、1350、1288、1246、1174、1108、1025、1004、906、832、718、709、645、593cm
−1。計算値m/z C
22H
25N
3O(M+H)397.1790、測定値420.1698(M+Na)。
【0221】
実施例37:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(38)(ジナアミドール、ZNA)の調製
【化60】
Pd/C(10% w/w、3mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用いる31(20.8mg、0.038mmol)の水素化により、(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(38)を淡褐色の泡沫として得た(12.7mg、81%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.07(t,J=8Hz,2H),δ7.34(m,1H),δ7.32−7.27(m,4H),δ7.21(t,J=8.5Hz,1H),δ7.19−7.16(m,3H),δ7.08(t,J=9.5Hz,1H),δ7.00(d,J=8.5Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.81(s,2H),δ3.44(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ162.9,δ160.9,δ132.0,δ129.1,δ128.4,δ127.1,δ123.9,δ120.1,δ116.6,δ116.8,δ114.7,δ55.7,δ32.4,δ30.4ppm。IR(薄膜)2929、2360、2340、1684、1569、1511、1494、1455、1401、1339、1290、1248、1176、1032、834、815、757、731、696、667cm
−1。計算値m/z C
22H
25N
3O(M+H)347.1998、測定値438.1594(M+Na)。
【0222】
実施例38:NaH介在性環化の一般手順
【化61】
磁気撹拌子を含有する25mL丸底フラスコの中に、(E)−N−(アミノ((1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−2−フルオロベンズアミド(44.5mg、0.107mmol)、NaH(3mg、0.107mmol)およびTHF(10mL)をN
2下で添加した。溶液を室温で30分間撹拌し、その後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(25mL)に再溶解した。有機層を飽和NH
4Cl水溶液(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られる黄色の固体(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(38)はさらなる精製を必要としなかった(33.8mg、75.9%)。
【0223】
実施例39:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−クロロベンズアミド(39)の調製
【化62】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−クロロベンズアミド(39)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−4−クロロベンズアミドのNaH介在性環化によって収量81.6%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.19(d,J=8Hz,2H),δ7.34(d,J=8Hz,2H),δ7.30−7.21(m,5H),δ7.12(d,J=7.5Hz,2H),δ7.01(d,J=8Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.82(s,2H),δ3.47(s,3H)ppm。
【0224】
実施例40:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(37)の調製
【化63】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(37)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)ベンズアミドのNaH介在性環化によって収量63.2%で白色の固体として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.26(dd,J=0.6Hz,6Hz,2H),δ7.44−7.39(m,3H),δ7.29−7.26(m,5H),δ7.14(d,J=4.8Hz,2H),δ7.00(d,J=5.1Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.82(s,2H),δ3.48(s,3H)ppm。
【0225】
実施例41:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(40)の調製
【化64】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(40)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−4−メトキシベンズアミドのNaH介在性環化によって収量84.1%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.08(d,J=8.7Hz,2H),δ7.30−7.21(m,5H),δ7.14(d,J=8.7,2H),δ7.01(d,J=9,2H),δ6.90(d,J=8.7Hz,2H),δ3.87(s,3H),δ3.85(s,3H),δ3.82(s,2H),δ3.47(s,3H)ppm。
【0226】
実施例42:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(41)の調製
【化65】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(41)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−2−フルオロベンズアミドのNaH介在性環化によって収量62%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.08(t,J=2.5Hz,1H),δ7.46(d,J=8Hz,2H),δ7.40(m,1H),δ7.30−7.25(m,4H),δ7.22−7.10(m,5H),δ3.84(s,2H),δ3.43(s,3H)ppm。
【0227】
実施例43:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−クロロベンズアミド(42)の調製
【化66】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−クロロベンズアミド(42)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−4−クロロベンズアミドのNaH介在性環化によって収量64%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.18(d,J=8.5Hz,2H),δ7.47(d,J=8Hz,2H),δ7.35(d,J=8Hz,2H),δ7.30−7.25(m,5H),δ7.12(d,J=7Hz,2H),δ3.83(s,2H),δ3.48(s,3H)ppm。
【0228】
実施例44:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(43)の調製
【化67】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(43)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)ベンズアミドのNaH介在性環化によって収量77%で白色の固体として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.24(d,J=8Hz,2H),δ7.46(d,J=8Hz,2H),δ7.45−7.39(m,3H),δ7.30−7.20(m,5H),δ7.12(d,J=7Hz,2H),δ3.83(s,2H),δ3.48(s,3H)ppm。
【0229】
実施例45:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(44)の調製
【化68】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(44)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−4−メトキシベンズアミドの環化によって得た。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.19(d,J=8.7Hz,2H),δ7.46(d,J=8.4Hz,2H),δ7.30−7.23(m,5H),δ7.13(d,J=8.4Hz,2H),δ6.90(d,J=9Hz,2H),δ3.84(s,2H),δ3.83(s,2H),δ3.48(s,3H)ppm。
【0230】
実施例46:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(45)の調製
【化69】
(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(45)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−4−メトキシベンズアミドの環化によって得た。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.19(d,J=8.7Hz,2H),δ7.46(d,J=8.4Hz,2H),δ7.30−7.23(m,5H),δ7.13(d,J=8.4Hz,2H),δ6.90(d,J=9Hz,2H),δ3.84(s,2H),δ3.83(s,2H),δ3.48(s,3H)ppm。
【0231】
実施例47:(E)−N−(5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−4−(2−モルホリノエチル)−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(46)の調製
【化70】
(E)−N−(5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−4−(2−モルホリノエチル)−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(46)を、THF中、(E)−N−(アミノ((1−(4−クロロフェニル)−4−モルホリノブタ−2−イン−1−イル)(メチル)アミノ)メチレン)−2−フルオロベンズアミドのNaH介在性環化によって収量50%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.05(dt,J=3Hz,12.5Hz,1H),δ7.46(d,J=14Hz,2H),δ7.42−7.34(m,1H),δ7.28−7.24(m,2H),δ7.17(dt,J=2Hz,10.5Hz,1H),δ7.13−7.06(m,1H),δ3.82(t,J=7.5Hz,4H),δ3.44(s,3H),2.68−2.58(m,4H),2.53−2.46(m,4H)ppm。計算値C
23H
24N
4O
2FNaCl m/z(M+Na)465.1470、測定値465.1469(M+Na)。
【0232】
実施例48:(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(47)の調製
【化71】
(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(47)を、THF中、N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミドのNaH介在性環
化によって収量91%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.31(d,J=7.3Hz,2H),δ7.47−7.39(m,4H),δ7.24(d,J=9.0Hz,3H),δ7.01(d,J=8.7Hz,2H),δ3.87(s,3H),δ3.47(s,3H),δ2.41(d,J=7.03Hz,2H),δ0.97−0.89(m,1H),δ0.58(d,J=7.8Hz,2H),δ0.19(d,J=4.8Hz,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ174.9,173.2,160.2,138.8,130.7,128.9,128.0,123.1,120.2,114.5,55.6,29.9,29.3,10.3,4.7ppm。
【0233】
実施例49:(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(48)の調製
【化72】
(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(48)を、THF中、N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−4−メトキシベンズアミドのNaH介在性環
化によって収量84%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.27(d,J=8.1Hz,2H),δ7.24(d,J=8.4Hz,2H),δ7.00(d,J=8.7Hz,2H),δ6.92(d,J=8.2Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.85(s,3H),δ3.45(s,3H),δ2.39(d,J=6.8Hz,2H),δ0.97−0.88 (m,1H),δ0.57(d,J=8.1Hz,2H),δ0.17(d,J=4.7Hz,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ174.6,173.1,161.9,160.2,131.8,130.6,122.9,120.9,114.5,113.2,95.1,55.7,29.9,29.3,10.3,4.7ppm。
【0234】
実施例50:(E)−4−クロロ−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(49)の調製
【化73】
(E)−4−クロロ−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(49)を、THF中、4−クロロ−N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミドのNaH介在性環
化によって収量87%で白色の固体として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.24(d,J=7.8Hz,2H),δ7.37(d,J=8.5Hz,2H),δ7.23(d,J=8.2Hz,2H),δ7.00(d,J=8.4Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.45(s,3H),δ2.40(d,J=6.8Hz,2H),δ0.97−0.88(m,1H),δ0.57(d,J=7.1Hz,2H),δ0.18(d,J=5.5Hz,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ173.8,173.2,160.3,150.3,137.3,136.7,131.8,130.3,128.1,123.2,121.7,120.0,114.5,55.6,29.9,29.3,10.2,4.7ppm。
【0235】
実施例51:(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(50)の調製
【化74】
(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(50)を、THF中、N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミドのNaH介在性環
化によって収量86%で黄色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.09(dt,J=1.7,6.1Hz,1H),δ7.40−7.34(m,2H),δ7.23(d,J=7.3Hz,2H),δ7.16(t,J=8.4,1H),δ7.09(dd,J=3.0,8.4Hz,1H),δ6.99(d,J=9.0Hz,2H),δ3.86(s,3H),δ3.42(s,3H),δ2.40(d,J=6.7Hz,2H),δ0.97−0.88(m,1H),δ0.56(d,J=8.3Hz,2H),δ0.17(d,J=4.8Hz,2H)ppm。
【0236】
実施例52:(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−イソプロピル−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(51)の調製
【化75】
(E)−N−(4−(シクロプロピルメチル)−5−イソプロピル−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(51)を、THF中、N−(N−(1−シクロプロピル−4−メチルペンタ−1−イン−3−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミドのNaH介在性環
化によって収量47%で無色の油状物質として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.29(d,J=6.4Hz,2H),δ7.43−7.38(m,3H),δ3.63(s,3H),δ3.02(sp,J=7.9Hz,1H),δ2.49(d,J=6.8Hz,2H),δ1.33(d,J=6.8Hz,6H),δ0.99−0.90(m,1H),δ0.63(q,J=4.8Hz,2H),δ0.26(q,J=4.8Hz,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ174.7,173.2,138.7,130.5,128.7,127.9,126.4,118.9,29.4,24.5,21.8,10.3,4.7ppm。
【0237】
実施例53:生物学的実験のための一般的方法
組織培養:自発的な乳房縮小術を受ける、同意した患者から採取したヒト正常乳腺上皮細胞を、レンチウイルスに誘導されるヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT−HMEC)の発現によって不死化させ、すでにGligorich et al.,Breast Cancer Res 2013;15(4):R58に記載されるように改変M87培地で培養した。化学療法抵抗性乳癌患者の胸水から生じる一次転移性腫瘍組織を特徴づけ、Gligorich et alに既に記載されているように培養した。MCF−10AおよびMCF−7細胞は、DMEM/F−12(Life Technologies、米国ニューヨーク州グランドアイランド)、10%ウシ胎児血清(FBS、HyClone、米国ユタ州ローガン)、5.0μg/mLインスリン−トランスフェリン−セレン−X(Life Technologies)、ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(Life Technologies)、および2.5nMヒト組換え型上皮細胞増殖因子(BD Biosciences、米国カリフォルニア州サンノゼ)からなる増殖培地で培養した。T47DおよびMDA−MB−231細胞は、RPMI−1640(Life Technologies)、10%ウシ胎児血清(FBS、HyClone、米国ユタ州ローガン)、5.0μg/mLインスリン−トランスフェリン−セレン−X(Life Technologies)、ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミン(Life Technologies)、および2.5nMヒト組換え型上皮細胞増殖因子(BD Biosciences、米国カリフォルニア州サンノゼ)からなる増殖培地で培養した。全ての細胞は、加湿したインキュベーター中5%CO
2で37℃で培養した。全ての細胞株は、ショートタンデムリピート分析を用いてPromegaと合同してATCCによって認証された。
【0238】
試薬および抗体:ヨウ化プロピジウムは、Cell Signaling(米国マサチューセッツ州ダンバース)より入手した。Zn
2+指示薬FluoZin−3は、Life Technologiesより入手した。アクチノマイシンDは、Sigma(米国ミズーリ州セントルイス)より入手した。LC3A/B(Cell Signaling)およびα−チューブリン(Sigma)に対する抗体は、1:1000の濃度で使用した。IR800CWおよびIR680二次抗体は、LI−COR(米国ネブラスカ州リンカーン)より入手し、1:7500の濃度で使用した。
【0239】
用量反応アッセイ:hTERT−HMECおよび胸水細胞を96穴プレートに播種し、および一晩回復させた。次に、細胞を、DMSOに溶解した化合物または対応させたDMSO溶媒対照群で三連で処理した;次に、細胞を薬剤中で96時間培養した後、ルシフェラーゼに基づくATP定量アッセイ(ATPlite、PerkinElmer、米国マサチューセッツ州ウォルサム)を用いて細胞生存率を測定した。発光を、PerkinElmer 2104 EnVisionプレートリーダー(PerkinElmer)で測定し、生データを平均し、対応する溶媒対照に正規化した。MCF−10A細胞は、標準培地中の96穴プレートに8,000細胞/穴で播種した;MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231細胞は、標準培地中の96穴プレートに1,500細胞/穴で播種した。細胞を一晩回復させた後、培地を、化合物または溶媒対照としてDMSOを含有する、血清を減少させた(2%FBS)培地と交換した。処置の開始以降、培地は48および96時間に新鮮な薬剤含有培地と交換した。細胞生存率は、処置の開始から120時間後にATPliteアッセイ(PerkinElmer)を用いて測定した;生データを平均し、対応する溶媒対照に正規化した。全ての用量反応アッセイに関して、正規化した値を、3回の反復実験の平均±標準偏差としてプロットした後、Prism6.0(GraphPad Software、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から用量反応非線形曲線フィッティング機能を用いて分析してEC
50を算出した。クローン形成性細胞生存アッセイを、Franken NAP,Rodermond HM,Stap J,Haveman J,van Bree C.Clonogenic assay of cells in vitro.Nat Protocols 2006;1(5):2315−19に記載されるように実施した。
【0240】
トランスクリプトームシーケンシング:トランスクリプトームシーケンシングの準備において、MCF−7細胞を、10cmの組織培養処理プレートにプレートが薬剤処理の時点で80%コンフルエントとなるように三連で播種した。細胞を、30μM ZNAかまたは溶媒対照としてDMSOのいずれかを含有する10mLの低血清培地で3時間または12時間処理した。処置の終了後、RNeasy RNA単離および精製キット(Qiagen、ドイツ、ヒルデン)を製造業者のプロトコールに従って用いてRNAを単離した。
【0241】
ライブラリー構築は、本明細書に記載されるIllumina TruSeq Stranded mRNA試料調製キットを用いて実施した。手短に言えば、全RNA(100ng〜4μg)を、ポリTオリゴに結合した磁性ビーズを用いてポリA選択させた。磁性ビーズから溶離したポリA RNAを断片化し、cDNA合成の準備のためにランダムヘキサマーでプライムした。第1の鎖の逆転写は、Superscript II逆転写酵素(Life Technologies)を用いて達成した。第2の鎖のcDNA合成は、dUTPをdTTPに対して置換する条件下で、DNAポリメラーゼIおよびRNアーゼHを用いて達成して、平滑末端cDNA断片を得た。アダプター連結の準備のために、かつコンカテマー形成を防ぐために、A塩基を平滑末端に付加した。T塩基のオーバーハングを含むアダプターを、A尾部DNA断片に連結した。連結した断片を、第1の鎖のcDNA生成物の増幅だけを可能にする条件下でPCR増幅させた(12〜15サイクル)。PCR増幅させたライブラリーは、Agencourt AMPure XPビーズ(Beckman Coulter Genomics)を用いて精製した。増幅させたライブラリーの濃度をNanoDrop分光光度計で測定し、ライブラリーのアリコートを、D1KまたはHigh Sensitivity D1Kアッセイを用いてAgilent 2200 Tape Stationで分離して、シーケンシングライブラリーのサイズ分布を明確にした。ライブラリーを10nMの濃度に調節し、Kapaライブラリー定量キット(Kapa Biosystems、米国マサチューセッツ州ボストン)で定量的PCR(qPCR)を実施して、アダプター連結ライブラリー分子のモル濃度を算出した。濃度をqPCRの後にさらに調節してIllumina HiSeq計測器での配列分析用のライブラリーを準備した。シーケンシングの終了後、NCBIの構築したGRch37を用いてゲノムアラインメントを実行し、差次的発現分析を、DESeq Bioconductorパッケージを含むRNAseqアプリケーション(http://useq.sourceforge.net/cmdLnMenus.html#RNASeq)を用いて実施した;統計的有意性は、AndersおよびHuberに記載される通り算出した。Anders S,Huber W.Genome Biol 2010;11(10):R106。シーケンシングデータは、Gene Expression Omnibus(受託番号GSE59251)に寄託した。
【0242】
リアルタイムPCR(RT−PCR):遺伝子発現を測定するよう設計されている実験には、LightCycler480(Roche、スイス、バーゼル)およびKAPA SYBR FAST qPCR Master Mix(Kapa Biosystems、米国マサチューセッツ州ボストン)を用いてリアルタイムPCR(RT−PCR)を実施した。薬剤処置の後、RNeasy RNA単離および精製キット(Qiagen)を製造業者のプロトコールに従って用いてRNAを単離した。ゲノムDNAをDNアーゼ消化によって除去し、1μgのRNAを使用して、Invitrogen製Superscript III逆転写酵素キットを製造業者のプロトコールに従って用いてcDNAを合成した;RNアーゼH消化の後、KAPA SYBR FAST qPCR Master Mix(Kapa Biosystems、米国マサチューセッツ州ボストン)を用いてRT−PCRを5μLの反応物で実施した。以下のプライマーセットを使用した:MT1F 5’−AGTCTCTCCTCGGCTTGC−3’および5’−ACATCTGGGAGAAAGGTTGTC−3’;MT1X 5’−TCTCCTTGCCTCGAAATGGAC−3’および5’−GGGCACACTTGGCACAGC−3’;MT2A 5’−CCGACTCTAGCCGCCTCTT−3’および5’−GTGGAAGTCGCGTTCTTTACA−3’;SLC30A2 5’−ACAGCAGCAGATCACGAACA−3’および5’−GGACAACCTTGACCATCCTG−3’;SLC30A1 5’−TCACCACTTCTGGGGTTTTC−3’および5’−ACCAGGAGGAGACCAACACC−3’(3)。データを内部対照遺伝子(GAPDH 5’−AAATTCCATGGCACCGTC−3’および5’−GATGGTGATGGGATTTCCA−3’)に対して正規化し、Schmittgen TD、Livak KJ.Analyzing real−time PCR data by the comparative CT method.Nat Protocols 2008;3(6):1101−08に記載される比較CT法を用いて相対遺伝子発現を評価した。マウスインビボ実験由来の組織には、RNAを単離する前にTissueLyser IIを用いて30Hzで3分間、新鮮な組織をホモジナイズした。
【0243】
FluoZin−3染色による細胞内Zn
2+の測定:細胞を、分析の時点で穴が70〜80%コンフルエントになるような密度で6穴プレートに播種した。処置の終了後、薬剤を含有する培地を除去し、2.5μM FluoZin−3を含有するハンクス平衡塩類溶液(HBSS、Life Technologies)と交換した。細胞を、暗所で室温で30分間、指示薬とともにインキュベートした。染色後、細胞をトリプシン処理し、2%FBSを含有するHBSSに再懸濁し、相対平均蛍光を、フローサイトメトリー(FACscan、BD Biosciences、米国カリフォルニア州サンノゼ)によって測定した。
【0244】
ヨウ化プロピジウム染色による細胞死の測定:細胞を80%コンフルエントになるまで6穴プレートで培養し、その後、増殖培地を低血清(2%FBS)薬剤含有培地と交換した。各条件は三連で評価した。処置の終了後、培地および浮遊細胞を回収し、トリプシン処理した付着細胞と合した。細胞を2%FBS/HBSSで洗浄し、フローサイトメトリーによる分析のためにヨウ化プロピジウム溶液(Cell Signaling)に再懸濁した。各処置のヨウ化プロピジウム陽性細胞の百分率を平均し、溶媒処置対照に正規化した。正規化したデータを、3回の反復実験の平均±標準誤差としてプロットした。
【0245】
誘導結合プラズマ−原子発光分析(ICP−AES)分析:細胞を80%コンフルエントになるまで10cmプレートで培養し、その後、増殖培地を低血清(2%FBS)薬剤含有培地と交換した。3時間の処置後、培地を廃棄し、細胞を1xPBSで洗浄した。各々の10cmプレートに対し、1mLの硝酸(追跡分析用TraceSELECT Ultra、Sigma)を、直接プレートに添加した。硝酸混合物は、米国環境保護局によって確立された方法に従う誘導結合プラズマ−原子発光分析(ICP−AES)分析に提出された。Martin TD,Brockhoff CA,Creed JT.Method 200.7 Determination of Metals and Trace Elements in Water and Wastes by Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectrometry.米国環境保護局環境モニタリングシステム研究所、1994。実験は、各細胞株について三連で実施され、第4の細胞プレートを使用して総タンパク質を測定した(BCAアッセイ、Thermo Fisher、米国マサチューセッツ州ウォルサム)。次に、ICP−AESデータを、使用した各細胞株の総タンパク質に正規化した。
【0246】
カスパーゼ活性の測定:カスパーゼ3/7、8、および9の活性を、Promega(米国ウィスコンシン州マディソン)Caspase−Gloアッセイを用いて測定した。手短に言えば、細胞を、分析の時点で穴が80%コンフルエントになるような密度で96穴の白底白壁プレートに播種した。処置の終了後、Caspase−Gloアッセイを製造業者のプロトコールに従って実施し、PerkinElmer 2104 EnVisionプレートリーダー(PerkinElmer)で発光を測定した。生データを平均し、対応する溶媒対照に正規化した;その後、正規化した値を平均±標準偏差としてプロットした。
【0247】
ウエスタンブロット解析:ウエスタンブロット解析によるタンパク質発現の解析には、Gligorich et al.に記載の手順を使用した。Gligorich K,Vaden R,Shelton D,Wang G,Matsen C,Looper R,et al.「患者由来の転移性および化学療法抵抗性乳癌細胞に対して活性な選択的小分子を同定するためのスクリーニングの開発(Development of a screen to identify selective small molecules active against patient−derived metastatic and chemoresistant breast cancer cells)」。Breast Cancer Res 2013;15(4):R58。細胞を培養し、10cmプレート中で処置した。細胞を、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(Sigma)を添加した、非放射性の放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)緩衝液(50mM Tris−HCl、150mM NaCl、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、および1%Triton X−100)中で収集した。タンパク質濃度を、BCAアッセイ(Thermo Scientific)を用いて測定し、SDSポリアクリルアミドゲルを用いるゲル電気泳動によって50μgのタンパク質を分離した。タンパク質をImmobilon−FL PVDF膜(Millipore、米国マサチューセッツ州ビレリカ)に移し、Odysseyブロッキングバッファー(Li−COR)を用いて室温で1時間、膜をブロッキングした。Odysseyブロッキングバッファーに希釈した一次抗体とともに膜を4℃で一晩インキュベートした後、トリス緩衝生理食塩水で洗浄した。Odysseyブロッキングバッファーに希釈した二次抗体を用いる室温で1時間のインキュベーションの後、Odyssey Infrared Imaging System(LI−COR)でブロットを画像化した。
【0248】
細胞増殖の測定:細胞を、処置の終わりに穴が約80%コンフルエントとなるような密度で6穴プレートに播種した。細胞を、低血清(2%FBS)培地に希釈した薬剤で適切な時間の間処置した後、5−エチニル−2’−デオキシウリジン(EdU、Life Technologies)を直接培地に添加して、10μM EdUの終濃度を達成した;次に、細胞を37℃で30分間インキュベートした。EdU取り込みおよびヨウ化プロピジウム染色は、製造業者のプロトコールに従ってフローサイトメトリー(Life Technologies)によって評価し、Gligorich et alに記載されるように分析した。
【0249】
酸化ストレスの測定:薬剤処置により誘発される酸化ストレスを、2’,7’−ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(H2DCFDA)の酸化を測定することにより評価した。手短に言えば、細胞を6穴プレートに播種し、低血清(2%FBS)培地に希釈した薬剤で適切な時間の間処置した。次に、30μM H2DCFDAを含有するHBSSと培地を交換し、プレートを室温で30分間インキュベートした。次に、細胞をトリプシン処理し、2% FBS/HBSSで洗浄し、フローサイトメトリーによる分析のために2% FBS/HBSSに再懸濁した。各条件の相対平均蛍光を対応する溶媒処理対照に正規化し、その後、値を平均±標準誤差としてプロットした。
【0250】
インビボZNA研究:マウス研究は、施設の実験動物委員会の認可を得て実施した。FVB/NJマウスは、The Jackson Laboratory(米国メイン州バーハーバー)より入手した。インビボ研究の準備のために、EF1α−PyMTマウス乳房腫瘍をドナーマウスにおいて作成し、腫瘍を切除し、Smith et al(6)によって既に記載されているように単細胞として調製した。これらの細胞をマトリゲル(BD Biosciences)に懸濁し、3週齢の雌レシピエントFVB/NJマウスの取り除かれていない乳房の脂肪パッドに注射した(注射10μLあたり細胞50,000個)。移植の21日後に、マウスを無作為化し、薬剤処置を開始した;マウスは21日間1日1回処置され、腫瘍直径≧2cmをエンドポイントとして定めた。DMSOに希釈し、次にリン酸緩衝生理食塩水に希釈して最終DMSO濃度が5%のZNAを200μL腹腔内注射によって、ZNA(100mg/kg)またはマッチさせた溶媒対照を各々のマウスに投与した。ZnSO
4を、21日の処置期間の間、適切な群に飲水(25mM ZnSO
4・7H
2O)経由で連続的に投与した。
【0251】
統計:スチューデントt検定(独立標本)を使用して統計的有意性を評価し、p≦0.05を統計学的に有意であるとした。カプラン−マイヤー生存曲線間の統計的有意性は、Prism6.0(GraphPad Software)を用いるマンテル・コックス検定により測定した。統計的有意性に注釈を施すために以下のP値を使用した:p≦0.05=*;p≦0.01=**;p≦0.001=***。
実施例54:癌細胞に対するジナアミドール(ZNA)の選択的細胞毒性
【0252】
患者由来の転移性癌細胞を選択的に死滅させることのできる新規な小分子を同定するため、検査(screen)を、560の化合物を用いて設計した。Gligorich K.,Vaden R.,Shelton D.,Wang G.,Matsen C.,Looper R.,et al.Breast Cancer Res 2013;15(4):R58。ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT−HMECs)のレンチウイルス誘導性発現によって不死化させた正常なヒト乳腺上皮細胞を、化学療法抵抗性乳癌患者の胸水から得た一次転移細胞(PE1007070)とともに使用して、化合物選択性をモデル化した。hTERT−HMECおよびPE1007070細胞を、ライブラリーからの各化合物20μMで4日間処理し、ATP定量アッセイを用いてその後に細胞生存率を測定した;次に、データを溶媒処理対照に正規化した。
【0253】
この検査から、環式グアニジンコアを含有する小分子が、転移性腫瘍細胞を死滅させる一方で、正常な乳房上皮細胞を温存するその能力について特定された。異なる化学療法抵抗性乳癌患者から得た第2の胸水(PE1100025)に対する12ポイントの用量反応アッセイおける初期結果の検証により、小分子のジナアミドール(ZNA)が、腫瘍細胞に対して低いマイクロモル濃度で有効であり、高濃度でさえも比較的大きな治療処置ウィンドウを維持することが明らかになった(
図1Aおよび1B)。ZNAは、一次転移性乳癌細胞を選択的に死滅させる一方で、正常な乳腺上皮細胞の大部分に影響を及ぼさなかった。
【0254】
ZNAの乳癌選択性および細胞毒性の普遍性をさらに評価するために、3つの乳癌細胞株(MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231)および正常な乳腺上皮細胞株(MCF−10A)を用いて用量反応アッセイを実施した;細胞生存率を、ZNAかまたは溶媒対照の何れかによる処置の5日後に、ルシフェラーゼに基づくATPアッセイを用いて再び測定した。不死化ヒト乳腺上皮細胞および一次患者由来癌細胞と同様に、ZNAによる処置の結果、調査した悪性細胞株において細胞生存率が低下したが、正常な乳腺上皮細胞の大部分は影響を受けなかった(
図1C)。
【0255】
また、長期の細胞生存および増殖への短期のZNA処置の効果を評価するために、さらなる実験を実施した。細胞を24時間ZNAで処置した後、小分子の不在下で培養した;3週間の増殖の後、クリスタルバイオレットでコロニーを染色し、定量した(
図1D)。このアッセイから、短期の曝露は、たとえ通常致死量以下の濃度でさえも、癌細胞での長期の増殖ポテンシャルに大きな影響を及ぼしたことが見出された;この場合も、用量反応アッセイと同様に、非形質転換MCF−10A細胞への効果は、試験した悪性細胞種と比較して大きく弱められた。
【0256】
ZNAが、3つの乳癌細胞株に加えて、悪性度の高い転移性患者由来の癌細胞に対して細胞障害性であったことを確立すると、トランスクリプトームシーケンシング実験を実施して、ZNAの有効性および癌選択性の基本機構を研究した。MCF−7乳癌細胞を、30μM ZNAまたはマッチさせた溶媒対照で3時間かまたは12時間処置した;次に、RNAを単離し、次世代シーケンシングによってトランスクリプトームの特性を明らかにした。ZNAによる処置の3時間後に最もアップレギュレートされた3つの遺伝子は、メタロチオネイン遺伝子MT1F、MT1X、およびMT2Aであった;この増加したメタロチオネイン遺伝子発現は、ZNA処置の12時間後に維持されていた(
図1E)。
【0257】
メタロチオネインファミリーのメンバーは、銅および亜鉛などの遷移金属を直接結合することが公知の、システインに富むレドックス活性タンパク質である(Thirumoorthy et al.に総説されている通り)。Thirumoorthy N,Shyam Sunder A,Manisenthil Kumar KT,Senthil kumar M,Ganesh GNK,Chatterjee M.「A Review of Metallothionein Isoforms and their Role in Pathophysiology」。World J Surg Oncol 2011;9(1):54。さらに、メタロチオネインは、細胞内金属分布および金属イオン封鎖に関与し、適切な細胞の酸化還元状態の維持に役割を果たすと考えられる。Thornalley PJ,Vasak M.Possible role for metallothionein in protection against radiation−induced oxidative stress.Kinetics and mechanism of its reaction with superoxide and hydroxyl radicals.Biochim Biophys Acta−Protein Structure and Molecular Enzymology 1985;827(1):36−44。Chiaverini N,De Ley M.Protective effect of metallothionein on oxidative stress−induced DNA damage.FRA 2010;44(6):605−13。
【0258】
トランスクリプトームのプロファイリングはまた、ZNA処置の結果、亜鉛輸送タンパク質SLC30A1およびSLC30A2をコードする2つの転写物の発現の増加も明らかにした。しかし、この効果は3時間の処置の後にのみ明らかであり、転写の増加はZNAによる処置の12時間後に維持されなかった。SLC30A2およびSLC30A1は、Zn
2+輸送体のZnTファミリーの2つのメンバーをコードする遺伝子である。
【0259】
MTタンパク質は細胞内金属輸送および金属イオン封鎖に関与していることが公知であり、ZnTタンパク質はZn
2+輸送能力において機能することが示されているので、処置の後に観察される遺伝子発現の変化が、ZNA誘発性金属ホメオスタシス不全、特にZn
2+不均衡に応答して起こることは納得できる。Palmiter et al.EMBO J 1996;15(8):1784−91;Qin et al.Neurosci Lett 2009;450(2):206−10を参照されたい。
【0260】
その他の細胞株での転写へのZNAの効果の程度を評価するために、リアルタイムPCR(RT−PCR)実験を、トランスクリプトームシーケンシング分析から同定した5つの金属輸送遺伝子に対するプライマーを用いて実施した。3つの乳癌細胞株(MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231)および正常な乳腺上皮細胞株(MCF−10A)を、30μMのZNAまたはマッチさせた溶媒対照で3時間かまたは24時間処理し、遺伝子発現をRT−PCRにより測定した(
図1F)。ZNAによる処置は、調査した4つの細胞株において金属輸送遺伝子の転写の増加を刺激したが、これらの変化は細胞株によって規模も一時的誘導も異なった。まとめると、トランスクリプトームのプロファイリングおよびRT−PCRの結果は、ZNA処置が細胞内金属輸送に影響を及ぼすことを示唆し、一方でSLC30A1およびSLC30A2に関連する転写の変化は、亜鉛ホメオスタシス不全の特別な役割を示唆する。MTタンパク質は細胞内金属輸送および金属イオン封鎖に関与していることが公知であり、ZnTタンパク質はZn
2+輸送能力において機能を果たすことが示されているので、遺伝子発現の変化が、ZNAに誘導されたZn
2+不均衡の結果であると仮定した。Palmiter et al.EMBO J 1996;15(8):1784−91;Qin et al.Neurosci Lett 2009;450(2):206−10を参照されたい。
【0261】
金属輸送遺伝子の転写の変化がZNAの作用機構に機能的に関連しているかどうかを判断するために、蛍光指示薬FluoZin−3を用い、それに続いてフローサイトメトリー分析によって細胞内Zn
2+を定量した(
図1G)。4つの細胞株を、30μM ZNAまたはマッチさせた溶媒対照で1、3、24または48時間処理した後、Zn
2+指示薬で染色し、それらの蛍光を測定した。MCF−7乳癌細胞で、ZNAは48時間の処置後にFluoZin−3蛍光が13倍増加した。しかし、MCF−7細胞でのこの結果は、調査したその他の3つの細胞株の細胞内亜鉛のあまり多くない増加を上回ったにすぎない。
【0262】
メタロチオネイン遺伝子発現の増加が細胞内亜鉛の上昇を弱めることに関与する可能性を考慮して、細胞を転写阻害剤(アクチノマイシンD、ACTD)とともに24時間ZNAに曝露し、その後に細胞内亜鉛をFluoZin−3染色によって測定した(
図7)。ZNA非感受性のMCF−10A細胞を除いて、全ての細胞をZNAおよびACTDで同時に処置することにより、ZNA単独と比較して、細胞内Zn
2+に統計学的に有意な増加がもたらされ、MCF−7およびMDA−MB−231細胞が最も劇的に反応した。これらのデータは、ZNAが細胞内Zn
2+の増加を刺激するので、金属輸送遺伝子転写の同時増加が細胞内Zn
2+の蓄積を弱める働きをすることを示唆する。
実施例55:ZNAとのCu
2+およびZn
2+の相乗作用
【0263】
細胞内亜鉛の増加を刺激するZNAの能力および金属輸送遺伝子の転写へのその影響を考慮して、研究を次に開始して、外因的に添加した遷移金属と組み合わせて処置される細胞へのZNAの影響を判断した。3つの乳癌細胞株(MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231)と正常な乳腺上皮細胞株(MCF−10A)を、30μM ZNAで、30μM CuSO
4、ZnSO
4、Fe(III)Cl
3、Fe(II)SO
4、NiSO
4、MnCl
2、またはCoCl
2とともに、48時間処置した;処置の終了後、ATP定量化アッセイを用いて細胞生存率を測定した(
図2A)。驚くべきことに、ZNAとCu
2+の間に相乗作用が見出され、細胞生存率のかなりの低下が、処置後のあらゆる細胞株で観察された。同様の著しい相乗作用は、ZNAとZn
2+の間にも観察されたが、この例では、乳癌細胞株だけが併用療法の結果として細胞生存率の低下を経験した;正常な乳腺上皮細胞は、細胞数の部分的減少だけを示した。対照的に、残留する5つの遷移金属との組合せ処置は、ZNA単独による処置と比較して、細胞生存率に重要な変化をもたらさなかった。
【0264】
遷移金属検査を第2の細胞生存率アッセイで検証するために、ヨウ化プロピジウム取り込みを、単独かまたは30μM CuSO
4もしくは30μM ZnSO
4と組み合わせた30μM ZNAによる24時間処置後に、フローサイトメトリーによって4つの細胞株で測定した(
図2B)。ATP定量化アッセイを用いて48時間で得た測定値に一致して、ヨウ化プロピジウム染色実験は、ZNAはCu
2+とZn
2+の両方と相乗的であり、組合せはZNA単独よりも急速に癌細胞において細胞死を誘発することを明らかにした。しかし最も特に、正常な乳腺上皮細胞株はZNAおよびZn
2+の組合せによる影響を受けなかった。実施例56:細胞外Zn
2+取り込みのZNAの促進
【0265】
ZNAとZn
2+の間に観察される癌選択的相乗作用をより理解するために、蛍光Zn
2+指示薬FluoZin−3を用いて細胞内Zn
2+を測定する実験を行った。MCF−10A、MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231細胞を、30μM ZNA単独かまたは30μM ZnSO
4と併せた30μM ZNAのいずれかで3時間処理した後、FluoZin−3で染色し、その後フローサイトメトリーにより分析した(
図3A)。調査した3つの乳癌細胞株は、ZNAとZn
2+の組合せ処置の結果としてFluoZin−3蛍光の34倍以上の増加を経験し、一方、ZNA非感受性の正常な乳腺上皮細胞株では、FluoZin−3蛍光の9倍の増加しか観察されなかった。
【0266】
ZNAが細胞内Zn
2+の増加を刺激する能力をさらに調査し、MCF−10AおよびMCF−7細胞を、亜鉛を含まない培地中で30μM ZNA(外因性のZnSO
4を含むものと含まないもの)で3時間処置した;その後、細胞内亜鉛をFluoZin−3染色により定量した(
図3B)。この実験から、いずれの細胞株においてもZNA単独による処置の後に、FluoZin−3蛍光の有意な増加は観察されなかった。しかし、ZNAとZnSO
4による組合せ処置は、MCF−7細胞でZnSO
4単独と比較して蛍光の4.3倍の増加をもたらし、一方MCF−10A細胞は、同じ条件下で蛍光の低下を経験した。この結果は、MCF−7細胞において、ZNAが主に細胞膜を横切るZn
2+輸送を調節することを示唆する。
【0267】
ZNAとZn
2+の組合せ効果をさらに検証するために、高周波誘導結合プラズマ−原子発光分析(ICP−AES)を用いて、処置後の細胞のZn
2+の絶対レベルを定量化した。4つの細胞株を、回収の前に、30μM ZNA単独かまたは30μM ZnSO
4と併せた30μM ZNAのいずれかで3時間処置した。次に、試料をICP−AESにより分析し、得られるデータを総タンパク質に正規化した(
図8)。MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231細胞中のZn
2+の濃度は、ZNAとZnSO
4による組合せ処置の後に、タンパク質1マイクログラムあたり、それぞれ、1.35、0.52、および0.82ng Zn
2+であることが分かった。対照的に、イオンは、他の細胞種に類似するタンパク質濃度の分析にもかかわらず、同じ処置の後にZNA非感受性のMCF−10A細胞において、ICP−AESによって検出不能であった(すなわちレベルが1.00μg/Lの検出限界よりも低かった)。ICP−AES実験から得た値は、Zn
2+のFluoZin−3測定の後に観察される傾向に相関し、フルオロフォアの他のイオンよりもZn
2+に対する特異性が確認される。まとめると、これらの研究の結果は、ZNAが、細胞膜を横切る輸送によって細胞内Zn
2+の増加を促進することを実証する。しかし特に注目されるのは、ZNA非感受性のMCF−10A細胞が、調査した3つの乳癌細胞株よりも処置後の細胞内Zn
2+の変動が小さく、ZNAの癌選択性の原理が示唆されることである。
【0268】
実施例57:選択的増殖抑制およびカスパーゼ非依存性細胞死誘導
ZNAが外因的に付加されたZn
2+と強く協同して急速かつ癌特異的な細胞死を促進することを見出したので、処置の細胞増殖への影響を判定し、組合せ処置によって誘導された細胞死を特徴づけるための実験を実施した。最初に、5−エチニル−2’−デオキシウリジン(EdU)取り込みアッセイを利用して、ZNAおよびZNA/ZnSO
4処置の細胞増殖への影響を評価した。組合せ処置は、ZNA単独での処置よりも急速に細胞死をもたらし、これは単一の時点で検証する単一処置と組合せ処置の比較を行うものであるので、2つの時点を増殖アッセイに選択した;細胞を小分子とともに6時間(組合せ処置用)または24時間(ZNA単独処置の場合)培養し、その後にEdUとともにインキュベートした。MCF−10A、MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231細胞を、小分子とともに6時間培養し、その後にEdUとともにインキュベートした;その後、EdU取り込みをフローサイトメトリーによって測定した(
図4A)ZNA単独での処置は、MCF−7およびT47D細胞においてEdU取り込みの統計学的に有意な低下をもたらしたが、MCF−10AおよびMDA−MB−231細胞ではそうではなかった。しかし、最も興味深いことは、ZNA/ZnSO
4の増殖への組合せ効果であった:たった6時間の処置の後に、正常な乳腺上皮細胞株も多少影響を受けたものの、調査した3つの癌細胞株は、増殖の完全な遮断を提示した。これらの著しい結果は、Zn
2+ホメオスタシス不全が、ZNA処置によって観察される癌選択的表現型に直接寄与するという考えを再び裏付ける。
【0269】
ZNA処置細胞がアポトーシスを受けるかどうかを確立するため、カスパーゼ3/7、8および9の活性を、ルシフェラーゼに基づくカスパーゼ−Gloアッセイを用いて測定した。MCF−10A、T47D、およびMDA−MB−231細胞を、30μM ZNA、30μM ZnSO
4と組み合わせた30μM ZNA、または適切な対照で6時間処理した;MCF−7細胞は、これらの細胞が機能性カスパーゼ3を欠くために実験に含めなかった。Janicke RU,Sprengart ML,Wati MR,Porter AG.Caspase−3 Is Required for DNA Fragmentation and Morphological Changes Associated with Apoptosis.J Biol Chem 1998;273(16):9357−60。次に、カスパーゼ活性を各条件について測定し、溶媒処理対照に正規化した(
図4B)。驚くことに、カスパーゼ 3/7、8、または9活性は、陽性対照(1μMスタウロスポリン、STS)を除いて、調査した4つの細胞株において何れの処置条件についても観察されなかった。さらに、4つの細胞種の長期間(72時間)の30μM ZNAによる処置も、カスパーゼ3/7、8または9を活性化しなかった。これらのデータは、単独のZNAまたはZnSO
4と組み合わせたZNAが、従来のカスパーゼ媒介アポトーシス細胞死を促進しないことを示唆する。
【0270】
ZNA処置により癌細胞で誘導される細胞死の種類をさらに解明するため、次の実験は、ZNAが受容体相互作用プロテインキナーゼ1(RIP1)を伴う機構によって細胞死を媒介するかどうかを調査した。RIP1は、ネクロトーシス(壊死の形態学的特徴を提示し、カスパーゼ活性化とは独立して起こり、RIP1抑制により阻止することのできるプログラム細胞死の一形態)に直接関与することが示されている。Degterev et al.Nat Chem Biol 2005;1(2):112−19。
【0271】
したがって、MCF−7細胞を、単独でもしくはZnSO
4と組み合わせた30μM ZNAおよび/あるいはRIP1阻害剤ネクロスタチン−1で24時間処理した;陽性対照である小分子シコニンもアッセイに含めた。Han W et al.Shikonin circumvents cancer drug resistance by induction of a necroptotic death.Mol Cancer Ther 2007;6(5):1641−49。細胞を、その後にヨウ化プロピジウムで染色し、蛍光をフローサイトメトリーによって測定して細胞死を定量した(
図5A)。ZNAおよびZnSO
4の相乗的な組合せの結果、ZNA単独よりも大幅に高いレベルの細胞死がもたらされたが、ネクロスタチン−1を添加しても細胞死の救済は観察されなかった。これらのデータは、RIP1がZNAに促進されるMCF−7細胞死を媒介しないことを示唆する;そのため、ZNAの作用機構はネクロトーシスの誘導によって起こりそうにない。
【0272】
さらなる細胞死の特徴づけ研究も実施して、ZNAに媒介される細胞死におけるオートファジーの役割を確立した。ZNAによる処置の後のオートファジー誘導のレベルを評価するために、オートファゴソーム関連タンパク質LC3A/Bのレベルをウエスタンブロット分析により測定した。LC3の発現の増加と16kDa LC3−Iアイソフォームの加工された14kDa LC3−IIアイソフォームへの変換の両方が、オートファジープロセスの指示役として使用されている。Kabeya et al.EMBO J 2000;19(21):5720−28。MCF−10A、MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231細胞を、30μM ZNA、30μM ZnSO
4と組み合わせた30μM ZNA、または適切な対照で6時間処理した後、ウエスタンブロットによる分析のために細胞を回収した(
図5B)。ZNA処置の48時間および72時間後にLC3の増加を観察したが、癌細胞株においてのみであった。ZNAとZnSO
4の組合せによって誘導される急速な細胞死を考慮して、より早い時点(6時間)を選択して組合せ処置条件のLC3レベルを評価した。組合せ処置の結果、T47D細胞のLC3タンパク質の明らかな増加がもたらされたが、著しい増加は試験したその他の3つの細胞株で観察されなかった。
【0273】
オートファジーは、プロ死経路とプロ生存経路の両方を刺激することができるので、オートファジー阻害剤がどのようにZNAの細胞死プロフィールに影響するのかを評価する実験を次に実施した。オートファジーがZNA誘導性の細胞死の一因となるならば、オートファジープロセスの阻害剤は、ZNAに促進される細胞死を減らすものと期待される。Dalby et al.,Autophagy 2010;6(3):322−29を参照されたい。したがって、オートファゴソーム機能の阻害剤であるクロロキンと組み合わせたZNAで細胞を処置し、72時間の処置後にヨウ化プロピジウム染色によって細胞死を評価した。Kimura et al.Cancer Res 2013;73(1):3−7。これらの実験から、クロロキン処置はT47D細胞においてZNA誘導性細胞死を減少させたが、評価した他の3つの細胞種において細胞死にあまり影響を及ぼさなかったことが見出された(
図5C)。
【0274】
まとめると、これらの実験の結果は、ZNA処置だけでも、癌細胞においてオートファジープロセスを刺激することができ、少なくともT47D細胞の場合、これらのプロセスが細胞死表現型に寄与することを示唆する。ZNAおよびZnSO
4による組合せ処置がZNA単独と同じレベルのLC3を誘導しないことは、2つの処置条件の異なる細胞死速度を反映する可能性がある;組合せ処置は、細胞のオートファジー応答の開始よりも迅速に傷害を誘導する可能性がある。ZNAは、リソソームを破裂させ、それによりカテプシンおよびその他の加水分解酵素(迅速な壊死性細胞死をもたらす)を放出することによって細胞死を引き起こす可能性がある。
【0275】
ZNAによって誘導されるカスパーゼ非依存性細胞死をさらに調査し、細胞死プロセス中の酸化ストレスの程度を特徴づける実験を次に実施した。そのため、MCF−10A、MCF−7、T47D、およびMDA−MB−231細胞を、30μM ZNA、30μM ZnSO
4と組み合わせた30μM ZNA、または適切な対照で最大48時間処置し、2’,7’−ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(H2DCFDA、DCF)の酸化を酸化不均衡の指示薬として使用した;DCF蛍光をフローサイトメトリーにより測定し、その後に適切な溶媒処理対照に正規化した(
図5C)。これらの結果により、ZNAは単独でDCF蛍光のわずかな増加を刺激し;対照的に、ZNAおよびZnSO
4の組合せ処置は、結果としてそれらのそれぞれの対照と比較して3つの癌細胞株においてH2DCFDA酸化の統計学的に有意な減少をもたらしたことが明らかになった。ZNAとZnSO
4の組合せ処置で観察されたH2DCFDA酸化のレベルの低下は、細胞内Zn
2+の増加と酸化ストレスの低下との間の関連を詳しく述べる文献報告と一致している。例えば、Ho E,Ames BN,Proc Natl Acad Sci USA 2002;99(26):16770−75。抗酸化薬N−アセチルシステイン(NAC)によるこの増加を抑制する試みはT47D細胞でのみ成功した;しかし、付随する細胞死の減少は観察されなかった(
図9)。まとめてこれらは酸化ストレスのZNAに媒介される細胞死における重要な役割を裏付けることはできない。
【0276】
要するに、ZNA処置の結果、乳癌細胞の迅速な増殖停止およびカスパーゼ非依存性細胞死がもたらされた。アポトーシスの代わりの細胞死経路を考慮して、ネクロトーシスまたはオートファジーがZNAに媒介される細胞死に役割を果たすのかどうかを確証するためのさらなる研究を実施した。これらの実験の結果は、ネクロトーシスに対して示唆されたが、オートファジー関連タンパク質LC3の誘導を測定するウエスタンブロット実験により、ZNA単独の処置がLC3の癌細胞特異的増加を刺激した;しかし、ZnSO
4と組み合わせたZNAによる処置は、T47D細胞においてのみLC3の増加をもたらしたことが明らかになった。組合せ処置がZNA単独処置よりもはるかに急速に癌細胞死をもたらしたので、2つの処置条件は異なる細胞死経路を惹起すると思われる。ZNA単独による処置はオートファジーを誘導すると思われるが、組合せ処置は、オートファジー開始が起こり得る前に大きな損傷を誘導する可能性がある。この場合、ヨウ化プロピジウム染色によって識別される膜の完全性の急速な喪失は壊死と一致し、それは単独で、あるいは調査した細胞種に依存するオートファジーと併せて起こることがある。壊死は、LC3誘導が観察される場合でも、ZNA処置によってMCF−7およびMDA−MB−231乳癌細胞により惹起される細胞死の一形態であり得る。
【0277】
ネクロトーシスまたはオートファジーがZNAに媒介される細胞死に役割を果たすのかどうかを確証するためのさらなる研究を実施した。これらの実験の結果は、ネクロトーシスに対して示唆されたが、オートファジー関連タンパク質LC3の測定により、ZNAの処置がLC3の癌細胞特異的増加を刺激した;しかし、ZnSO
4と組み合わせたZNAによる処置は、T47D細胞においてのみLC3の増加をもたらしたことが明らかとなった。興味深いことに、細胞をZNAとオートファジーの阻害剤であるクロロキンで同時に処置すると、細胞死はT47D細胞においてのみ低下し、オートファジーがT47D細胞死の一部の成分を媒介することを示唆する結果となる。試験した他の3つの細胞種での細胞死を抑制(または促進)する際のクロロキンの相対的な無効性は、オートファジープロセスがZNAによる処置後の細胞の結果にあまり影響を及ぼさないことを示唆する。したがって、
【0278】
ZNA処置が金属輸送遺伝子の誘導を刺激したという知見は、培養細胞に外因的に付加された生体関連遷移金属と組み合わせて使用された場合の小分子の影響の評価を促した。興味深いことに、試験した7つの遷移金属のうち2つだけが、ZNAだけの処置と比較して、ZNAと同時に添加された場合に、細胞生存率に影響を及ぼした。Cu
2+は相乗的であるが非選択的であり、おそらく銅の一般的な毒性のためにMCF10AとMCF7を死滅させる。しかし、Zn
2+は選択的に相乗的であり、MCF7の死滅に効果的であるが、非形質転換10Aには効果的でない。細胞をZNAとZnSO
4で同時に処置することにより、相乗的かつ癌選択的細胞毒性がもたらされ、一方、ZNAとCuSO
4で同時に処置することにより、正常な細胞と癌細胞の両方が死滅する。これは、ZNAの癌選択的細胞毒性が細胞内Zn
2+のホメオスタシス不全を伴う機構に基づくという仮説に一致する知見である。小分子と亜鉛かまたは銅のいずれかとの間の直接相互作用を試験するよう設計された等温滴定熱量測定研究は、直接結合を示唆する証拠をもたらさなかった(データは示さず)。正常な乳腺上皮細胞においてZNAと組み合わせて使用した場合に亜鉛および銅によって誘発される反応差の説明を考える場合、ZNAは、Zn
2+とCu
2+の取り込みを等しく促進することができるが、非形質転換細胞は形質転換細胞よりも効率的にZn
2+を輸送および排出する能力を有すると仮定することが合理的である。
【0279】
実施例58:インビボ腫瘍増殖の抑制−マウス乳房腫瘍モデル
次の実験は、生物腫瘍モデル全体におけるZNAにより標的化された生物学的経路の関連性を確立した。生物活性を確立するため、ZNAに対する正常組織の応答を評価した。腫瘍を持たないFVB/NJマウスを、ZNA(100mg/kgで腹腔内注射により投与)または対照で3時間かまたは24時間処置した。RT−PCRを使用して、処置マウス由来の腎および肝組織のマウスメタロチオネイン発現(MT1およびMT2)を評価した。結果から、MT1およびMT2発現は、対照処理マウスと比較して3時間のZNA処置後に増加したが、24時間後に低下したことが明らかになった。この傾向は乳癌細胞株で実施した類似するインビトロRT−PCR実験の結果に一致する(
図6Aおよび
図1F)。これらの予備実験は、ZNAがインビボモデルおよびインビトロモデル間で同様に金属輸送経路を調節することを示唆した。
【0280】
次に、化合物の有効性をインビボ腫瘍モデルで試験した。マウス乳房腫瘍を3週齢の雌レシピエントFVB/NJマウスの脂肪パッドにSmith et al.Genes Cancer 2012;3(9−10):550−63の手順に従って移植した。処置を開始する前に腫瘍を3週間増殖させた。マウスは21日間1日1回処置し、4つの処置条件を評価した:ZNA(100mg/kg、腹腔内投与による)、ZnSO
4(25mM、飲水経由で処置期間の間連続的に投与)、ZNAとZnSO
4の組合せ、および対照群(PBS、腹腔内注射により投与);2cmよりも大きい腫瘍直径をエンドポイントとして定めた。21日の薬剤処置の終了後、ZNAだけか、またはZnSO
4と組み合わせて投与されたZNAによる処置は、対照処置群またはZnSO
4のみの群と比較して、それぞれ、統計学的に有意な生存優位性をもたらした(
図6B)。その上、一般的な毒性、有害反応、または体重の減少は、ZNAまたはZNAとZnSO
4の組合せで処置したマウスにおいて観察されなかった。
【0281】
要するに、ZNAは、Zn
2+と強い相乗作用を示してカスパーゼ非依存的機構による癌選択的細胞死を誘導する。ZNAは、複数の第一線の化学療法薬で処置した乳癌患者に由来する一次転移細胞に対して効果的であることが見出され、小分子のインビボ有効性は、マウス乳房腫瘍モデルを用いて確立された。ZNAとZnSO
4の同時処置は、ZNAかまたはZnSO
4のいずれかのみでの処置と比較して、細胞内Zn
2+の著しい増加を誘導し(イオノフォアの明確な特徴)、急速な癌細胞死をもたらした。
【0282】
合わせて考えると、本明細書に提示されるデータは、Zn
2+輸送経路を不安定化することおよび細胞内Zn
2+ホメオスタシス不全を誘発することが、乳癌を選択的に標的化するための実行可能な機構であることを示唆する。さらに、化学療法抵抗性患者由来の腫瘍細胞に対するZNAの活性(これは、患者の処置開始後に乳癌の分子およびゲノムの特徴をモデル化したものである)は、影響を受けた経路が臨床的に関連することを示唆し、将来の治療学の開発戦略への洞察をもたらす。
【0283】
実施例59:ベンジル(E)−4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−((4−メトキシベンゾイル)イミノ)−5−((Z)−4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(52)の調製
【化76】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、(Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−イミノ−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(0.05g、0.09mmol)、NEt
3(0.025mL、0.18mmol)、4−メトキシベンゾイルクロライド(0.023g、0.14mmol)およびジクロロメタン(0.9mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、2:1 EtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物52を黄色の油状物質として得た(0.054g、88%)。R
f=0.48(2:1 EtOAc/ヘキサン);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.08(d,J=8.7Hz,2H),7.44−7.28(m,5H),7.24−7.04(m,5H),6.98(d,J=8.4Hz,2H),6.89(d,J=9.0Hz,2H),6.83−6.71(m,6H),5.44(s,1H),5.00(s,2H),4.80(d,J=12.0Hz,1H),4.43(d,J=12.0Hz,1H),4.06(dd,J=3.9,6.9Hz,1H),3.84(s,3H),3.76(s,3H),3.12(s,3H),3.02(dd,J=4.2,13.5Hz,1H),2.77(dd,J=7.2,13.5Hz,1H);
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ175.3,162.5,158.9,158.0,151.6,149.3,137.1,134.7,133.7,131.8,131.2,130.2,129.8,129.5,128.8,128.7,128.3,128.2,128.0,127.6,127.4,117.4,114.9,113.8,70.1,68.6,64.7,55.6,55.4,38.1,31.1;IR(薄膜)3033、2933、2837、1743、1598、1509、1454、1378、1281、1236、1176、1163、1110、1074、1027、907、861、844、826、726、696cm
−1。計算値C
42H
39N
3O
6 m/z(M+Na)704.2737、測定値704.2742。
【0284】
実施例60:ベンジル(E)−4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−5−((Z)−4−メトキシベンジリデン)−3−メチル−2−((3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(53)の調製
【化77】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、(Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−イミノ−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(0.05g、0.09mmol)、NEt
3(0.025mL、0.18mmol)、3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド(0.020mL、0.14mmol)およびジクロロメタン(0.9mL)を添加した。反応物を1時間撹拌させた。反応混合物を濃縮し、2:1 EtOAc/ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物53を黄色の油状物質として得た(0.060g、94%)。R
f=0.66(2:1 EtOAc/ヘキサン);
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.41(s,2H),8.35(d,J=7.5Hz,1H),8.30(d,J=8.0Hz,1H),7.96(d,J=8.0Hz,1H),7.72(t,J=7.5Hz,2H),7.50(t,J=8.0Hz,1H),7.42−7.29(m,4H),7.22−7.11(m,4H),7.00(d,J=8.5Hz,2H),6.80(d,J=9.0Hz,2H),6.77(d,J=8.0Hz,2H),5.53(s,1H),5.00(s,2H),4.79(d,J=12.0Hz,1H),4.42(d,J=12.0Hz,1H),4.13(dd,J=4.5,7.5Hz,1H),3.77(s,3H),3.18(s,3H),3.04(dd,J=4.5,14.0Hz,1H),2.84(dd,J=7.0,13.5Hz,1H);
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ173.9,160.9,158.9,158.0,152.9,149.0,138.0,137.0,134.2,133.8,132.9,132.0,131.8,131.4,131.1,130.4,129.9,129.5,129.2,128.5,128.2,127.5,126.8,125.4,124.4,123.3,122.3,117.7,114.8,113.7,70.0,68.9,64.6,55.2,37.8,30.9;IR(薄膜)2935.1797、1743、1606、1511、1455、1379、1332、1313、1300、1275、1249、1226、1167、1124、1070、1033、996、908、858、818、789、729、693cm
−1。計算値C
42H
37N
3O
5F
3 m/z(M+Na)720.2685、測定値720.2689。
【0285】
実施例61:(E)−N−(5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−(4−メトキシベンジル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(54)の調製
【化78】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、(2Z,5Z)−ベンジル 2−(ベンゾイルイミノ)−4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(0.05g、0.08mmol)、PdCl
2(0.025mL、0.18mmol)およびメタノール(0.9mL)を添加した。反応物をH
2雰囲気バルーン下で完了するまで撹拌させた。反応混合物を、Waters0.45μM PTFE アクロディスクシリンジフィルターで重力濾過し、さらなるメタノールおよびCH
2Cl
2ですすいだ。溶媒を除去し、生成物をジエチルエーテルでトリチュレートした。固体を単離して、化合物54を灰白色固体として得た。R
f=0.40(CH
2Cl
2中5%MeOH);
1H NMR(DMSO−d
6,500MHz):δ9.41(s,1H),8.10(d,J=7.3Hz,2H),7.63(t,J=7.33Hz,1H),7.53(t,J=7.8Hz,2H),7.20(d,J=8.8Hz,2H),6.88(d,J=8.3Hz,2H)6.86(d,J=8.8Hz,2H),6.69(d,J=6.4Hz,2H)4.03(s,2H),4.00(s,2H),3.69(s,3H),3.15(s,3H)ppm。
13C NMR(DMSO−d
6,125MHz):δ158.5,156.7,133.3,130.4,130.0,129.5,129.0,128.9,127.0,116.0,114.4,55.6,49.0,31.7,28.7,27.4ppm。IR(薄膜)3926、2932、1688 1612、1510、1474、1453、1408、1363、1301、1246、1174、1104、1033、908、818、731、706cm
−1。計算値C
26H
26N
3O
3 m/z(M+H)428.1974、測定値428.1973。
【0286】
実施例62:(E)−2−フルオロ−N−(5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−(4−メトキシベンジル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)ベンズアミド(55)の調製
【化79】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、(2Z,5Z)−ベンジル 4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−((2−フルオロ−ベンゾイル)イミノ)−5−(4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(0.05g、0.08mmol)、PdCl
2(0.025mL、0.18mmol)およびメタノール(0.9mL)を添加した。反応物をH
2雰囲気バルーン下で一晩撹拌させた。反応混合物をセライトで濾過し、さらなるメタノールですすいだ。一滴の(iPr)
2NHを溶液に添加し、混合させた。溶媒を除去し、1:1 ヘキサン/EtOAcに溶かした。固体を濾過によって単離し、ジクロロメタンですすいで、化合物55を灰白色固体として得た。R
f=0.30(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ9.29(s,1H),7.80(s,1H),7.43(s,1H),7.19(d,J=8.1Hz,4H),6.89(d,J=8.1Hz,2H),6.84(d,J=8.4Hz,2H),6.67(d,J=8.1Hz,2H),3.89(s,4H),3.71(s,3H),3.20(s,3H)ppm。
13C NMR(DMSO−d
6,125MHz):δ157.8,155.9,131.3,129.9,129.7,129.4,128.3,116.8,116.6,115.8,114.2,55.4,29.5,27.7ppm。IR(薄膜)1686、1581、1512、1478、1441、1305、1247、1173、1156、1105、904cm
−1。計算値C
26H
24N
3O
3F m/z(M+Na)468.1699、測定値468.1700。
【0287】
実施例63:(E)−N−(5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−(4−メトキシベンジル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(56)の調製
【化80】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、ベンジル(E)−4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−2−((4−メトキシベンゾイル)イミノ)−5−((Z)−4−メトキシベンジリデン)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(0.05g、0.08mmol)、PdCl
2(0.025mL、0.18mmol)およびメタノール(0.9mL)を添加した。反応物をH
2雰囲気バルーン下で一晩撹拌させた。反応混合物をセライトで濾過し、さらなるメタノールですすいだ。一滴の(iPr)
2NHを溶液に添加し、混合させた。溶媒を除去し、1:1 ヘキサン/EtOAcに溶かした。固体を濾過によって単離し、ジクロロメタンですすいで、化合物56を灰白色固体として得た。R
f=0.30(1:1 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ9.44(s,1H),8.07(d,J=9.3Hz,2H),7.21(d,J=8.8Hz,2H),7.10(d,J=8.8Hz,2H),6.89(d,J=8.3Hz,2H),6.87(d,J=8.3Hz,2H),6.69(d,J=8.3Hz,2H),4.06(s,2H),4.01(s,2H),3.85(s,3H),3.72(s,3H),3.43(s,3H)ppm。
13C NMR(DMSO−d
6,75MHz):δ162.8,157.8,155.9,130.4,129.6,129.2,128.8,126.2,115.2,113.7,64.6,55.3,54.8,31.5,27.8,26.6,14.9ppm。IR(薄膜)2929、1605、1585、1569、1510、1465、1367、1303、1248、1166、1101、1030、906、843、815、770、728、692、668cm
−1。計算値C
27H
28N
3O
4 m/z(M+H)458.2080、測定値458.2083。
【0288】
実施例64:(E)−N−(5−(4−ヒドロキシベンジル)−4−(4−メトキシベンジル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(57)の調製
【化81】
撹拌棒を装備した5mL丸底フラスコに、ベンジル(E)−4−(4−(ベンジルオキシ)ベンジル)−5−((Z)−4−メトキシベンジリデン)−3−メチル−2−((3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(0.05g、0.08mmol)、PdCl
2(0.025mL、0.18mmol)およびメタノール(0.9mL)を添加した。反応物をH
2雰囲気バルーン下で一晩撹拌させた。反応混合物をセライトで濾過し、さらなるメタノールですすいだ。一滴の(iPr)
2NHを溶液に添加し、混合させた。溶媒を除去し、1:1 ヘキサン/EtOAcに溶かした。固体を濾過によって単離し、ジクロロメタンですすいで、化合物57を灰白色固体として得た。R
f=0.40(2:1 EtOAc/ヘキサン);
1H NMR(DMSO−d
6,300MHz):δ9.32(s,2H),8.38(s,2H),7.79(d,J=7.8Hz,1H),7.64(t,J=7.5Hz,2H),7.21(d,J=8.7Hz,2H),6.91(d,J=8.4Hz,2H),6.85(d,J=8.7Hz,2H),6.69(d,J=8.4Hz,2H),3.93(s,4H),3.71(s,3H),3.29(s,3H)ppm。
13C NMR(DMSO−d
6,75MHz):δ157.8,155.9,132.2,129.5,129.0,124.5,115.4,113.9,55.1,28.9,27.1ppm。IR(薄膜)1564、1532、1512、1483、1383、1322、1277、1248、1170、1153、1113、916cm
−1。計算値C
27H
25N
3O
3F
3 m/z(M+H)496.1848、測定値496.1850。
【0289】
実施例65:N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(58)の調製
【化82】
磁気撹拌子を含有する250mL高圧フラスコ内に、4−クロロベンズアルデヒド(5g、35.57mmol)、フェニルアセチレン(3.9mL、35.57mmol)、N−アリルメチルアミン(3.07mL、32.34mmol)、オーブン乾燥させたモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約2g)およびアセトニトリル(200mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。次に、CuBr(0.46g、3.23mmol)を添加し、フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に戻して48時間置いた。反応管を油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライトで濾過し、EtOAc(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、95:5 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(58)を暗橙色の油状物質として得た(5.84g、61%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.65−7.61(m,2H),δ7.59−7.56(m,2H),δ7.40−7.34(m,5H),δ5.90−5.91(m,1H),δ5.35(dd,J=17Hz,2Hz,1H),δ5.23(dd,J=10.5Hz,2Hz,1H),δ4.98(s,1H),δ3.21(d,J=6Hz,2H),δ2.26(s,3H)。IR(薄膜):1487、1442、1402、1089、1014、994、962、920、853、796、689、592、582cm
−1。
【0290】
実施例66:N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(59)の調製
【化83】
磁気撹拌子を含有する250mL高圧フラスコ内に、p−アニスアルデヒド(500mg、4.12mmol)、シクロプロピルアセチレン(0.35mL、4.12mmol)、N−アリルメチルアミン(0.36mL、.38mmol)、オーブン乾燥させたモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約2g)およびアセトニトリル(100mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。次に、CuBr(0.46g、3.23mmol)を添加し、フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に戻して48時間置いた。反応管を油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライトで濾過し、EtOAc(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、95:5 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(59)を暗橙色の油状物質として得た(226mg、22%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.43(d,J=8.5Hz,2H),δ6.86(d,J=8.5Hz,2H),5.84−5.81(m,1H),δ5.23(dd,J=17Hz,1.5Hz,1H),δ5.12(d,J=6.5Hz,1H),δ4.62(s,1H),δ3.04(t,J=7.5Hz,2H),δ2.10(s,3H),δ1.40−1.32(m,1H),δ0.84−0.80(m,2H),δ0.75−0.71(m,2H)。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ159.1,δ136.6,δ131.7,δ129.7,δ117.5,δ113.5,δ91.7,δ77.5,δ59.0,δ57.7,δ55.5,δ37.8,δ8.8,δ0.2ppm。IR(薄膜):1610、1507、1361、1243、1109、1035、1016、999、918、982、850、808、777、584cm
−1。
【0291】
実施例67:N−メチル−N−(1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(60)の調製
【化84】
磁気撹拌子を含有する250mL高圧フラスコ内に、4−(2−モルホリノエトキシ)ベンズアルデヒド(500mg、2.13mmol)、フェニルアセチレン(0.233mL、2.13mmol)、n−アリルメチルアミン(0.184mL、1.94mmol)、CuBr(38mg、0.2mmol)、オーブン乾燥させたモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約0.5g)およびアセトニトリル(50mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライトで濾過し、EtOAc(25mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−メチル−N−(1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(60)を暗橙色の油状物質として得た(0.394g、52%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.58−7.51(m,4H),δ7.35−7.32(m,2H),δ6.89(d,J=10.5Hz),5.90−5.85(m,1H),δ5.27(d,J=21.5Hz,1H),δ5.16(d,J=13Hz,1H),δ4.92(t,J=6.5Hz,2 H),δ3.73(t,J=6Hz,4H),δ3.17−3.15(m,2H),δ2.80(t,J=6.5Hz,2H),δ2.58(t,J=6Hz,3H),δ2.21(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ158.2,δ136.2,δ131.8,δ131,2,δ129.6,δ128.5,δ128.1,δ123.2,δ117.6,δ114.1,δ88.1,δ88.0,δ85.1,δ66.9,δ59.2,δ57.6,δ54.1,δ37.7ppm。IR(薄膜):2852、2798、1609、1507、1489、1452、1298、1243、1170、1144、1116、1087、1025、1011、960、916、853、809、756、691cm
−1。
【0292】
実施例68:N−アリル−1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−4−モルホリノブタ−2−イン−1−アミン(61)の調製
【化85】
磁気撹拌子を含有する250mL高圧フラスコ内に、4−クロロベンズアルデヒド(2.7g、19.27mmol)、4−(プロパ−2−イン−1−イル)モルホリン(2.63g、21.2mmol)、n−アリルメチルアミン(2.2mL、23.12mmol)、CuBr(272mg、1.9mmol)、オーブン乾燥させたモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約1g)およびアセトニトリル(100mL)を添加した。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライトで濾過し、EtOAc(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、6:4 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−アリル−1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−4−モルホリノブタ−2−イン−1−アミン(61)を暗橙色の油状物質として得た(2.217g、36%)。R
f=0.12(6:4 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.44(d,J=8Hz,2H),δ7.24(d,J=8Hz,2H),5.81−5.76(m,1H),δ5.17(d,J=17Hz,1H),δ5.08(d,J=10Hz,1H),δ4.69(s,1H),δ3.70−3.66(m,4H),δ3.43−3.31(m,2H),δ3.03−3.00(m,2H),δ2.57−2.55(m,4H),δ2.07(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ158.2,δ136.2,δ131.8,δ131.2,δ129.6,δ128.3,δ123.2,δ117.6,δ114.1,δ88.1,δ88.0,δ85.1,δ66.9,δ65.8,δ59.2,δ57.6,δ54.1,δ37.7ppm。
【0293】
実施例69:N−アリル−N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(62)の調製
【化86】
250mL高圧フラスコ内に、p−アニスアルデヒド(4mL、33mmol)、フェニルアセチレン(3.55mL、33mmol)、n−ジアリルアミン(3.7mL、30mmol)、CuBr(430mg、3mmol)、オーブン乾燥させたモレキュラーシーブス(グレード564、3Å、8〜12メッシュ)(約1g)およびアセトニトリル(100mL)。フラスコを密封し、80℃に予熱した油浴に24時間入れた。反応フラスコを油浴から取り出し、室温まで放冷した。混合物をセライトで濾過し、EtOAc(50mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、95:5 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−アリル−N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(62)を暗橙色の油状物質として得た(3.55g、38%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.59(d,J=8.5Hz,2H),δ7.55−7.54(m,2H),7.53−7.51(m,3H),δ6.89(d,J=8.5Hz,2H),δ5.90−5.83(m,1H),δ5.27(d,J=17Hz,1H),δ5.14(d,J=10Hz,1H),δ5.05(s,1H),δ3.82(s,3H),δ3.28(dd,J=14Hz,2Hz,2H),δ3.04(dd,J=14Hz,8Hz,2H)。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ159.1,δ136.8,δ132.1,δ132.0,δ131.6,δ129.6,δ128.5,δ128.3,δ123.6,δ117.5,δ113.7,δ88.9,δ85.9,δ56.2,δ55.5,δ53.7ppm。IR(薄膜):1609、1508、1489、1447、1301、1246、1170、1108、1036、995、971、919、848、811、759、691cm
−1。
【0294】
実施例70:1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミン(63)の調製
【化87】
磁気撹拌子を含有する250mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(310mg、0.27mmol)、チオサリチル酸(12.4g、80.37mmol)およびCH
2Cl
2(100mL)を添加した。N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(8.0g、26.29mmol)のCH
2Cl
2中15mLの溶液を添加し、反応混合物をN
2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(10mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、8:2 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミン(63)を暗橙色の油状物質として得た(3.29g、49%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.54−7.61(m,2H),δ7.50−7.48(m,2H),δ7.36−7.29(m,5H),δ4.72(s,1H),δ2.54(s,3H),δ1.43(s,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ139.9,δ133.4,δ132.0,δ129.3,δ128.8,δ128.6,δ128.5,δ123.1,δ88.7,δ86.3,δ55.8,δ33.9ppm。
【0295】
実施例71:3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)−N−メチルプロパ−2−イン−1−アミン(64)の調製
【化88】
磁気撹拌子を含有する100mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(137mg、0.12mmol)、1,3−ジメチルバルビツール酸(5.54g、35.5mmol)およびCH
2Cl
2(50mL)を添加した。(8.0g、26.29mmol)のCH
2Cl
2中15mLの溶液を添加し、反応混合物をN
2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(10mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、8:2 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(64)を暗橙色の油状物質として得た(1.07g、42%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.38(d,J=8.5Hz,2H),δ6.85(d,J=8.5Hz,2H),δ4.40(s,1H),δ2.42(s,3H),δ1.31−1.25(m,1H),δ0.79−0.73(m,2H),δ0.70−0.66(m,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ159.3,δ133.0,δ132.3,128.9,δ113.9,δ89.2,δ75.0,δ55.5,δ33.7,δ8.5,δ0.2ppm。IR(薄膜)1609、1508、1463、1440、1301、1243、1171、1029、892、831、810、779、722、585、541cm
−1。
【0296】
実施例72:N−メチル−1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミン(65)の調製
【化89】
磁気撹拌子を含有する15mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(11mg、0.01mmol)、1,3−ジメチルバルビツール酸(88mg、0.56mmol)およびCH
2Cl
2(5mL)を添加した。N−メチル−N−(1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(74mg、0.19mmol)のCH
2Cl
2中2mLの溶液を添加し、反応混合物をN
2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(10mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−メチル−1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミン(65)を暗橙色の油状物質として得た(25mg、34%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.51(d,J=11.5Hz,2H),δ7.48−7.44(m,2H),δ7.32−7.30(m,3H),δ6.90(d,J=11.5Hz,2H),δ4.75(s,1H),δ4.11(t,J=7.5Hz,2H),δ3.73(t,J=5.5Hz,4H),δ3.20(s,1H),δ2.80(t,J=7.5Hz,2H),δ2.57(t,J=5.5Hz,4H),δ2.54(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ158.5,δ131,7,δ131.6,δ128.9,δ128.5,δ128.2,δ122.9,δ114.6,δ88.2,δ86.0,δ66.9,δ65.9,δ57.6,δ55.4,δ33.1ppm。
【0297】
実施例73:1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−4−モルホリノブタ−2−イン−1−アミン(66)の調製
【化90】
磁気撹拌子を含有する100mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(241mg、0.21mmol)、1,3−ジメチルバルビツール酸(3.25g、20.85mmol)およびCH
2Cl
2(25mL)を添加した。N−アリル−1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−4−モルホリノブタ−2−イン−1−アミン(2.22g、6.95mmol)のCH
2Cl
2中5mLの溶液を添加し、反応混合物をN
2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−4−モルホリノブタ−2−イン−1−アミン(66)を暗橙色の油状物質として得た(1.10g、57%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.42(d,J=6.5Hz,2H),δ7.29(d,J=6.5Hz,2H),δ4.50(s,1H),δ3.72−3.70(m,4H),δ3.36(s,2H),δ2.55−2.54(m,4H),δ2.43(s,3H),δ1.29(s,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ138.9,δ133.7,δ129.1,δ128.8,δ84.8,δ80.5,δ67.0,δ55.4,δ52.6,δ47.8,δ33.9ppm。
【0298】
実施例74:N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(67)の調製
【化91】
磁気撹拌子を含有する100mL丸底フラスコ内に、Pd(PPh
3)
4(130mg、0.11mmol)、1,3−ジメチルバルビツール酸(3.50g、22.4mmol)およびCH
2Cl
2(25mL)を添加した。N−アリル−N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(3.55g、11.2mmol)のCH
2Cl
2中5mLの溶液を添加し、反応混合物をN
2下、室温で12時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt
2O(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミン(67)を暗橙色の油状物質として得た(0.96g、31%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.52(d,J=8.5Hz,2H),δ7.49−7.47(m,2H),δ7.33−7.31(m,3H),δ6.92(d,J=8.5Hz,2H),δ5.97(ddt,J=7Hz,10.5Hz,6.5Hz,1H),δ5.27(dd,J=17Hz,1.5Hz),δ5.14(dd,10.5Hz,1.5Hz),δ4.70(s,1H),δ3.82(s,3H),δ3.44(dqt,J=6Hz,13.5Hz,1.5Hz,2H),δ1.67(s,1H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ159.4,δ136.6,δ132.8,δ131.9,δ129.0,δ128.5,δ128.4,δ116.7,δ114.1,δ89.7,δ85.6,δ55.6,δ53.5,δ30.1ppm。
【0299】
実施例75:2−フルオロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(68)の調製
【化92】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミド(89mg、0.48mmol)、TMSCl(0.064mL、0.50mmol)およびアセトニトリル(10mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンのアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2−フルオロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(68)を白色の泡沫として得た(134mg、75%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.06(t,J=12.5Hz,1H),δ7.65(s,1H),δ7.58−7.51(m,4H),δ7.38−7.32(m,4H),δ7.18(t,J=13Hz,1H),δ7.07(t,J=13Hz,1H),δ6.92(d,J=14.5Hz,2H),δ3.81(s,3H),δ2.86(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.6,δ174.3,δ163.0,δ160.7,δ159.7,δ132.1,δ129.8,δ129.0,δ128.6,δ127.9,δ123.6,δ122.7,δ116.9,δ114.2,δ87.0,δ75.4,δ55.6,δ50.9,δ29.3ppm。
【0300】
実施例76:4−クロロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(69)の調製
【化93】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノ−4−クロロベンズアミド(105mg、0.48mmol)、TMSCl(0.064mL、0.50mmol)およびアセトニトリル(10mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンのアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、4−クロロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(69)を白色の泡沫として得た(140mg、81%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.20(d,J=8.5Hz,2H),δ7.65(s,1H),δ7.57−7.51(m,4H),δ7.38−7.33(m,5H),δ6.92(d,J=8.5Hz,2H),δ3.82(s,3H),δ2.89(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.1,δ160.9,δ159.8,δ137.5,δ137.4,δ132.1,δ130.8,δ129.4,δ129.0,δ128.9,δ128.6,δ128.3,δ122.6,δ114.3,δ87.2,δ85.2,δ55.6,δ50.9,δ29.5ppm。
【0301】
実施例77:N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(70)の調製
【化94】
N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(70)を、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率76%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.28(d,J=7Hz,2H),δ7.71(s,1H),δ7.58(d,J=9Hz,2H),δ7.55−7.52(m,2H),δ7.47−7.33(m,7H),δ6.92(d,J=8Hz,2H),δ3.82(s,3H),δ2.89(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ177.2,δ160.9,δ159.7,δ139.0,δ132.1,δ131.3,δ129.6,δ129.4,δ129.0,δ128.9,δ128.6,δ128.1,δ122.6,δ114.2,δ87.1,δ85.4,δ55.6,δ50.9,δ29.4ppm。
【0302】
実施例78:4−メトキシ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(71)の調製
【化95】
4−メトキシ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(71)を、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−4−メトキシベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率70%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.25(d,J=9.5Hz,2H),δ7.65(s,1H),δ7.58(d,J=9Hz,2H),δ7.55−7.52(m,2H),δ7.37−7.35(m,3H),δ6.92−6.91(m,2H),δ3.84(s,3H),δ3.81(s,3H),δ2.87(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.9,δ162.3,δ160.7,δ159.7,δ132.1,δ131.8,δ131.3,δ129.0,δ128.6,δ122.7,δ114.3,δ113.3,δ87.0,δ85.5,δ55.6,δ55.5,δ50.8,δ29.4ppm。
【0303】
実施例79:4−フルオロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(72)の調製
【化96】
4−フルオロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(72)を、1−(4−メトキシフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−4−フルオロベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.27(dd,J=8.5Hz,6Hz,2H),δ7.59(s,1H),δ7.58−7.52(m,4H),δ7.37−7.35(m,4H),δ7.06(t,J=8.5Hz,2H),δ6.91(d,J=8.5,2H),δ3.81(s,3H),δ2.88(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.1,δ166.1,δ164.1,δ160.9,δ159.8,δ135.2,δ132.1,δ131.7,δ129.4,δ128.9,δ128.7,δ122.6,δ115.0,δ114.8,δ87.1,δ85.3,δ55.6,δ29.4ppm。
【0304】
実施例80:N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(73)の調製
【化97】
N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(73)を、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率62%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.03(t,J=7.5Hz,1H),δ7.69(s,1H),δ7.58(d,J=8.5Hz,2H),δ7.53−7.51(m,2H),δ7.39−7.33(m,6H),δ7.14(t,J=8,1H),δ7.13−7.05(m,1H),δ2.87(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.7,δ163.0,δ161.0,δ160.7,δ136.1,δ134.4,δ132.3,δ132.2,δ132.1,δ132.0,δ129.1,δ128.7,δ127.7,δ123.7,δ122.4,δ117.0,δ116.8,δ87.5,δ84.5,δ50.9,δ29.4ppm。
【0305】
実施例81:4−クロロ−N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(74)の調製
【化98】
4−クロロ−N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(74)を、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−4−クロロベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率47%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.17(d,J=8.5Hz,2H),δ7.68(s,1H),δ7.57(d,J=8.5Hz,2H),δ7.54−7.52(m,2H),δ7.39−7.35(m,7H),δ2.89(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.2,δ173.2,δ160.9,δ137.5,δ137.3,δ136.0,δ134.5,δ132.1,δ130.8,δ129.2,δ129.1,δ129.0,δ128.7,δ128.3,δ122.3,δ87.7,δ84.4,δ51.0,δ29.6ppm。
【0306】
実施例82:N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(75)の調製
【化99】
N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(75)を、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率57%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.26(d,J=8Hz,2H),δ7.55(s,1H),δ7.60(d,J=8.5Hz,2H),δ7.58−7.52(m,2H),δ7.48−7.33(m,8H),δ2.88(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ177.3,δ160.9,δ138.8,δ136.2,δ134.4,δ132.1,δ131.4,δ129.4,δ129.1,δ128.7,δ128.1,δ122.3,δ87.6,δ84.6,δ50.9,δ29.5ppm。
【0307】
実施例83:N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−4−メトキシベンズアミド(76)の調製
【化100】
N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−4−メトキシベンズアミド(76)を、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−4−メトキシベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率56%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.21(d,J=9Hz,2H),δ7.73(s,1H),δ7.59(d,J=8.5Hz,2H),δ7.53−7.51(m,2H),δ7.36−7.33(m,5H),δ6.89(d,J=9Hz,2H),δ3.83(s,3H),δ2.86(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ177.0,δ162.4,δ160.7,δ136.3,δ134.3,δ132.1,δ131.6,δ131.3,δ129.1,δ128.7,δ122.4,δ113.3,δ87.5,δ84.7,δ50.6,δ50.8,δ29.5ppm。
【0308】
実施例84:N−(N−(1−シクロプロピル−4−メチルペンタ−1−イン−3−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(77)の調製
【化101】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノベンズアミド(100mg、0.66mmol)、TMSCl(0.08mL、0.66mmol)およびアセトニトリル(5mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。N−アリル−1−シクロプロピル−N,4−ジメチルペンタ−1−イン−3−アミン(111mg、0.66mmol)のアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−(1−シクロプロピル−4−メチルペンタ−1−イン−3−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(77)を白色の泡沫として得た(収率78%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.18(d,J=9Hz,1H),δ7.46−7.35(m,2H),δ5.51(bs,2H),δ2.97(s,3H),δ1.96(sextet,J=7.3Hz,1H),δ1.3−1.22(m,1H),δ1.09(d,J=7.7Hz,3H),δ0.91(d,J=6.8Hz,3H),δ0.8−0.75(m,2H),δ0.7−0.65(m,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.7,139.1,131.0,129.1,127.8,89.2,77.4,54.8,33.0,19.6,19.3,8.5,8.4ppm。
【0309】
実施例85:4−クロロ−N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(78)の調製
【化102】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノ−4−クロロベンズアミド(100mg、0.46mmol)、TMSCl(0.07mL、0.46mmol)およびアセトニトリル(5mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(100mg、0.46mmol)のアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、4−クロロ−N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(78)を白色の泡沫として得た(収率80%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.17(d,J=8.4Hz,2H),δ7.45(d,J=7.9Hz,2H),δ7.43(d,J=9.1Hz,2H),δ6.87(d,J=8.4Hz,2H),δ3.79(s,3H),δ2.78(s,3H),1.40−1.33(m,1H),0.86−0.82(m,2H),0.79−0.74(m,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.9,160.8,159.5,137.6,137.3,130.7,128.7,128.1,114.2,91.0,71.1,55.8,50.5,8.6,8.5ppm。
【0310】
実施例86:N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(79)の調製
【化103】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノベンズアミド(85mg、0.46mmol)、TMSCl(0.07mL、0.46mmol)およびアセトニトリル(5mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(100mg、0.46mmol)のアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミド(79)を白色の泡沫として得た(収率65%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.25(d,J=7.2Hz,2H),δ7.48(d,J=9.7Hz,2H),δ7.44(d,J=7.9Hz,1H),δ7.39(d,J=7.9Hz,2H),δ6.87(d,J=8.8Hz,2H),δ3.79(s,3H),δ2.78(s,3H),δ1.4−1.33(m,1H),δ0.86−0.81(m,2H),δ0.79−0.75(m,2H)。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.9,160.8,159.4,139.1,131.2,129.3,128.8,127.9,114.0,90.7,77.4,71.2,55.41,55.4,8.6,8.5ppm。
【0311】
実施例87:N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(80)の調製
【化104】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミド(93mg、0.46mmol)、TMSCl(0.07mL、0.46mmol)およびアセトニトリル(5mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(100mg、0.46mmol)のアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(80)を白色の泡沫として得た(収率74%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.02(dt,J=1.8,7.9Hz,1H),δ7.45(d,J=8.5Hz,2H),δ7.38−7.33(m,1H),δ7.18(t,J=7.8Hz,1H),δ7.06(dd,J=1.0,8.3Hz,1H),δ6.87(d,J=7.3Hz,2H),δ3.79(s,3H),δ2.76(s,3H),δ1.39−1.31(m,1H),δ0.85−0.80(m,2H),δ0.78−0.73(m,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.4,162.8,160.9,160.4,159.5,131.9,128.8,123.5,116.8,116.6,113.9,90.7,71.2,55.5,50.4,8.5,8.48ppm。
【0312】
実施例88:N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−4−メトキシベンズアミド(81)の調製
【化105】
磁気撹拌子を含有する50mL丸底フラスコの中に、カリウム N−シアノ−4−メトキシベンズアミド(100mg、0.46mmol)、TMSCl(0.07mL、0.46mmol)およびアセトニトリル(5mL)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。次に、N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルプロパ−2−エン−1−アミン(100mg、0.46mmol)のアセトニトリル(10mL)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌させた。次に、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEtOAc(50mL)に再溶解した。有機層をNaHCO
3(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、Na
2SO
4で濾過した。粗生成物を、1:1 ヘキサン/EtOAcで溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(N−(3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−4−メトキシベンズアミド(81)を白色の泡沫として得た(収率83%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.2(d,J=6.0Hz,2H),δ7.47(d,J=7.5Hz,2H),δ6.87(t,J=7.5Hz,4H),δ3.83(s,3H),δ3.78(s,3H),δ2.77(s,3H),δ1.40−1.32(m,1H),δ0.86−0.80(m,2H),δ0.79−0.73(m,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ176.7,162.0,160.5,159.5,131.1,128.7,113.9,113.0,90.67,71.2,55.4,8.6,8.5ppm。
【0313】
実施例89:2−フルオロ−N−(N−メチル−N−(1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)カルバムイミドイル)ベンズアミド(82)の調製
【化106】
2−フルオロ−N−(N−メチル−N−(1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)カルバムイミドイル)ベンズアミド(82)を、N−メチル−1−(4−(2−モルホリノエトキシ)フェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミドのグアニル化によって、泡沫状の白色の油状物質として調製した(収率45%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.05(dt,J=7.5Hz,2Hz,2H),δ7.57(s,1H),δ7.56−7.50(m,4H),δ7.38−7.33(m,3H),δ7.14(t,J=7.5Hz,1H),δ7.10−7.05(m,1H),δ6.91(d,J=8.5Hz,2H),δ4.12(t,J=5.5Hz,2H),δ3.73(t,J=4.5Hz,4H),δ2.86(s,3H),δ3.83(s,3H),δ2.86(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.4,δ167.8,δ160.4,δ158.6,δ131.8,δ129.5,δ128.4,δ127.5,δ123.4,δ122.4,δ116.7,δ114.6,δ86.8,δ85.1,δ66.9,δ65.9,δ57.6,δ54.0,δ50.6ppm。
【0314】
実施例90:N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−4−モルホリノブタ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(83)の調製
【化107】
N−(N−(1−(4−クロロフェニル)−4−モルホリノブタ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(83)を、1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−4−モルホリノブタ−2−イン−1−アミンとカリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミドのグアニル化によって調製して、泡沫状の白色の油状物質として得た(収率44%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.96(dt,J=8Hz,2Hz,1H),δ7.47(d,J=8Hz,2H),δ7.36−7.28(m,3H),δ7.10(t,J=8Hz,1H),δ7.03(dd,J=11Hz,8Hz,1H),δ3.72(t,J=5.5Hz,4H),δ3.42(s,2H),δ2.77(s,3H),δ2.57(t,J=4.5Hz,4H)ppm。計算値C
23H
24N
4O
2FNaCl m/z(M+Na)465.1470、測定値465.1476(M+Na)。
【0315】
実施例91:N−(N−アリル−N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)カルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(84)の調製
【化108】
N−(N−アリル−N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)カルバムイミドイル)−2−フルオロベンズアミド(84)を、N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)プロパ−2−エン−1−アミンとカリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミドのグアニル化によって調製して、泡沫状の白色の油状物質として得た(収率54%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.08(dt,J=8Hz,2Hz,1H),δ7.64(s,1H),δ7.61(d,J=9Hz,2H),δ7.40−7.3(m,2H),δ7.15(t,J=7.5Hz,1H),δ7.08(dd,J=11Hz,8.5Hz,1H),δ6.91(d,9Hz,2H),δ5.77−5.72(m,1H),δ5.32(d,J=17Hz,1H),δ5.25(dd,J=10Hz,1.5Hz,1H),δ3.95(ABq,J=15Hz,38Hz,2H),δ3.82(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ175.8,δ163.0,δ161.1,δ159.8,δ134.0,δ132.0,δ129.7,δ129.2,δ128.7,δ127.9,δ123.7,δ121.7,δ118.5,δ117.0,δ114.2,δ87.1,δ85.7,δ55.6,δ50.8,δ47.1ppm。
【0316】
実施例92:ベンジル(E)−5−((Z)−ベンジリデン)−2−((4−メトキシベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(85)の調製
【化109】
ベンジル(E)−5−((Z)−ベンジリデン)−2−((4−メトキシベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(85)は、4−メトキシベンゾイルクロライド(0.043mL、0.36mmol)、トリエチルアミン(0.067mL、0.48mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用い、(Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−イミノ−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(95.5mg、0.24mmol)のアシル化から得、化合物85を淡褐色の泡沫として得た(119.8mg、95%)。R
f=0.19(3:2 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.16(d,J=9.0Hz,2H),7.41−7.37(m,3H),7.33−7.30(m,2H),7.26−7.12(m,8H),6.93(d,J=9.0Hz,2H),6.81(d,J=7.5Hz,2H),5.72(d,J=2.0Hz,1H),5.13(s,1H),3.86(s,3H),2.92(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ175.0,162.6,151.5,149.5,137.1,135.6,134.8,134.2,131.8,130.1,129.5,129.4,1283,127.9,127.6,116.9,113.4,68.9,67.2,55.6,30.8ppm。IR(薄膜)3058、2951、1745、1652、1597、1507、1456、1427、1249、1227、1177、1162、1022、974、863、843、731、693cm
−1。計算値m/z C
33H
29N
3O
4(M+Na)554.2056、測定値554.2061(M+Na)。
【0317】
実施例93:ベンジル(E)−5−((Z)−ベンジリデン)−3−メチル−4−フェニル−2−((3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(86)の調製
【化110】
ベンジル(E)−5−((Z)−ベンジリデン)−3−メチル−4−フェニル−2−((3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(86)は、3−トリフルオロメチルベンゾイルクロライド(0.043mL、0.36mmol)、トリエチルアミン(0.067mL、0.48mmol)、およびジクロロメタン(2mL)を用い、(Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−イミノ−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(95.5mg、0.24mmol)のアシル化から得、化合物86を淡褐色の泡沫として得た(119.8mg、95%)。R
f=0.31(3:2 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.47(s,1H),8.37(d,J=8.0Hz,1H),7.74(d,J=8.0Hz,1H),7.55(t,J=7.5Hz,1H),7.42(m,4H),7.34(m,2H),7.26(m,3H),7.19(d,J=7.0Hz,2H),7.15(t,J=7.5Hz,2H),6.78(d,J=7.0Hz,2H),5.80(s,1H),5.20(s,1H),4.66(ABq,J=12.0,15.5Hz,2H),2.95(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,300MHz):δ173.5,155.1,144.3,138.1,136.7,135.4,134.4,133.9,133.1,129.6,128.8,128.7,128.5,128.4,128.3,128.2,128.0,127.7,126.8,117.4,69.2,67.3,30.8ppm。IR(薄膜)1699、1652、1616、1325、1259、1166、1121、1070、998、920、855、817、758、692cm
−1。計算値m/z C
33H
26N
3O
3F
3(M+Na)592.1824、測定値592.1821(M+Na)。
【0318】
実施例94:(2Z,5Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−((フェニルカルバモイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(87)の調製
【化111】
(2Z,5Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−((フェニルカルバモイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(87)は、フェニルイソシアネート(0.026mL、0.24mmol)、およびTHF(2mL)を用い、(Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−2−イミノ−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(100mg、0.24mmol)のアシル化から得、化合物87を淡褐色の泡沫として得た(収率26%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.52−7.48(m,2H),7.34−7.13(m,6H),7.11−7.09(m,5H),7.09−7.01(m,2H),6.90−6.87(m,4H),5.77(s,1H),5.02(s,1H),4.69(s,2H),3.89=1(s,3H),2.83(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ160.4,151.6,150.1,139.8,135.6,134.9,134.4,129.1,129.0,128.7,128.6,128.4,128.3,127.6,122.8,119.2,117.3,114.9,69.0,66.5,55.6,30.3ppm。
【0319】
実施例95:(E)−1−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−3−フェニルウレア(88)の調製
【化112】
(E)−1−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−3−フェニルウレア(88)は、Pd/C(10% w/w、12mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用い、(2Z,5Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−((フェニルカルバモイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(131mg、0.34mmol)の水素化から得、化合物88を淡褐色の泡沫として得た(収率39%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.48−7.43(m,2H),7.33−7.20(m,9H),7.03−6.98(m,3H),3.88(s,3H),3.81(s,2H),3.36(s,3H)ppm。計算値C
25H
24N
4O
2Na m/z(M+Na)435.1797、測定値435.1797(M+Na)。
【0320】
実施例96:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(89)の調製
【化113】
(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−4−メトキシベンズアミド(89)は、Pd/C(10% w/w、5mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用い、ベンジル(E)−5−((Z)−ベンジリデン)−2−((4−メトキシベンゾイル)イミノ)−3−メチル−4−フェニルイミダゾリジン−1−カルボキシレート(45.1mg、0.096mmol)の水素化から得、化合物89を淡褐色の泡沫として得た(23.8mg、74%)。R
f=0.29(3:2 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.30(d,J=9.0Hz,2H),7.48−7.44(m,3H),7.31−7.27(m,2H),7.10−7.02(m,3H),7.00−6.95(m,4H),3.85(s,3H),3.60(s,2H),3.48(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ163.3 137.8,131.4,130.5,129.7,129.3,128.9,128.4,127.3,126.9,113.9,55.7,32.9,30.8ppm。IR(薄膜)2858、1678、1603、1573、1514、1494、1453、1401、1348、1311、1176、1027、846、766cm
−1。計算値m/z C
25H
23N
3O
2(M+Na)420.1688、測定値420.1688(M+Na)。
【0321】
実施例97:(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(90)の調製
【化114】
(E)−N−(4−ベンジル−1−メチル−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(90)は、Pd/C(10% w/w、5mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用い、ベンジル (E)−5−((Z)−ベンジリデン)−3−メチル−4−フェニル−2−((3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(45.1mg、0.096mmol)の水素化から得、化合物90を淡褐色の泡沫として得た(23.8mg、74%)。R
f=0.76(3:2 ヘキサン/EtOAc);
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.55(s,1H),8.43(d,J=7.5Hz,1H),7.68(d,J=7.5Hz,1H),7.53−7.48(m,4H),7.40−7.37(m,2H),7.32−7.29(m,2H),7.26−7.24(m,1H),7.15(d,J=8.0Hz,2H),3.87(s,2H),3.54(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ173.3,150.8,139.5,137.3,132.1,120.5,129.5,129.3,129.2,128.5,128.4,127.7,127.3,127.2,125.9,124.8,120.6,95.0,30.8,30.3ppm。IR(薄膜)3062、1598、1568、1471、1362、1315、1276、1216、1162、1117、1084、1067、907、795、763、726cm
−1。計算値m/z C
25H
21N
3O
2F
3(M+H)436.1637、測定値436.1639(M+H)。
【0322】
実施例98:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(91)の調製
【化115】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド(91)は、Pd/C(10% w/w、25mg)および蒸留したMeOH(2mL)を用い、(2Z,5Z)−ベンジル 5−ベンジリデン−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−((3−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)イミノ)イミダゾリジン−1−カルボキシレート(240mg、0.4mmol)の水素化から得、化合物91を淡褐色の泡沫として得た(収率53%)。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ8.54(s,1H),8.42(d,J=7.8Hz,1H),7.67(d,J=7.2Hz,1H),7.50(t,J=8.4Hz,1H),7.32−7.23(m,5H),7.15(d,J=6.9Hz,2H),7.03(d,J=9.0Hz,2H),3.87(s,3H),3.84(s,2H),3.50(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ173.0,160.4,150.5,139.5,137.3,132.0,131.6,130.3,130.0,128.9,128.7,128.3,128.1,127.0,126.9,125.6,125.4,124.3,120.1,119.5,114.6,55.4,30.5,29.9ppm。
【0323】
実施例99:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−4−フルオロベンズアミド(92)の調製
【化116】
(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−4−フルオロベンズアミド(92)は、THF中の4−フルオロ−N−(N−(1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパ−2−イン−1−イル)−N−メチルカルバムイミドイル)ベンズアミドのNaH介在性環化によって収率84.1%で褐色の固体として得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.28−8.25(m,2H),δ7.32−7.25(m,4H),δ7.23−7.20(m,1H),δ7.17−7.14(m,2H),δ7.06−7.00(m,4H),δ3.86(s,3H),δ3.82(s,2H),δ3.46(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ173.8,165.8,163.8,160.5,150.7,137.6,134.9,131.8,131.2,131.1,129.2,128.4,127.2,124.5,119.8,114.9,114.7,55.6,30.8,30.1ppm。
【0324】
実施例100:(E)−ベンジル(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)カルバメート(93)の調製
【化117】
(E)−ベンジル(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)カルバメート(93)は、THF中のNaH介在性環化によって収率84.1%で褐色の固体として得た。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ160.4,138.0,137.8,131.8,129.1,128.5,128.4,128.1,127.8,127.1,124.7,120.1,114.7,66.9,55.6,30.9,30.2ppm。
【0325】
実施例101:N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(94)の調製
【化118】
磁気撹拌子を含有する25mLフラスコの中に、(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(100mg、0.24mmol)、NaH(12mg、0.48mmol)、MeI(0.015mL、0.24mmol)、および蒸留したDMF(5mL)をN
2の蒸気下で添加し、反応物を室温で24時間撹拌した。得られる溶液をEtOAc(30mL)に溶かし、ブライン(3x20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。次に、EtOAcを溶出剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより粗混合物を精製して、無色の油状物質を得た(収率34%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.37(t,J=7.0Hz,1H),7.32−7.28(m,1H),7.26−7.22(m,1H),7.16−7.11(m,3H),7.00−6.88(m,5H),6.83(d,J=7.0Hz,2H),3.82(s,3H),3.70(s,2H),3.47(s,3H),3.26(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ167.3,159.8,157.7,141.9,140.9,135.6,131.6,131.5,131.3,130.2,129.2,128.3,125.5,124.4,124.2,124.1,121.8,115.7,115.6,114.4,55.5,25.9,33.2,31.1ppm。
【0326】
実施例102:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミドのZnに結合した二量体(95)の調製
【化119】
磁気撹拌子を含有する25mLフラスコの中に、(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(100mg、0.24mmol)、ZnSO
4(345.9mg、1.2mmol)、および蒸留したMeOH(5mL)をN
2の蒸気下で添加し、反応物を室温で24時間撹拌した。得られる白色の沈殿物をZnに結合した二量体95として回収した。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ7.85(t,J=7.0Hz,2H),δ7.34−7.30(m,2H),δ7.22(d,J=9Hz,4H),δ7.12−7.03(m,4H),δ6.96−6.91(m,8H),6.90−6.84(m,6H),3.85(s,6H),3.59(ABq,J=16Hz,9.5Hz,4H),δ3.51(s,3H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ174.5,166.0,160.3,159.8,150.4,139.3,132.0,131.6,131.0,130.0,128.5,128.2,128.1,126.1,125.8,123.5,121.9,116.6,116.5,114.4,55.6,32.7,30.5ppm。
【0327】
実施例103:ジナアミドール(ZNA)の提案される作用機構
ナアミジンA(NA)は、ERKキナーゼを誘導する能力を示した最初の小分子であり、化学療法薬の新しいクラスを提示する。しかし、最初にあまり評価されなかったNAの活性の一側面は、それがZn
2+と結合する能力であった。いくつかの天然物がその由来する海洋性海綿動物からZn
2+二量体として単離されている(
図6B)。Mancini et al.Helv.Chim.Acta 1995,78,1178−1184。これらの海綿体は、生き残るために、通常海洋環境では制限される十分な亜鉛を得たことを確実にするために、これらの天然物をZn
2+シデロホアとして進化させたのかもしれない。
【0328】
豊富な天然物を掌中にして、本発明者らはITC実験を実施し、NAとZnCl
2の結合が、約2:1の化学量論とK
d約0.35μMでは起こらないことを見出した(
図6C)。これはこの結合の妥当な近似と考えられるが、これらのITC実験は異なる種の溶解度の問題に巻き込まれ、ITC実験の正確さに影響を及ぼし得るかなりの量のMeOHを必要とした。Fisicaro et al.Thermochim.Acta 2014,586(0),40−44。Zn
2+結合親和性が高いナノモル範囲にあるので、NAの表現型の活性は、おそらくキナーゼ調節と亜鉛結合の両方の結果である。
【0329】
ZNAは、Zn
2+とpH依存的に結合する。ZNAは、ナアミジンAに類似のZn
2+と結合する。MeOH中ZNAとMeOH中ZnSO
4の溶液を混合すると、(ZNA)
2Zn二量体が素早く沈殿する(
図14A)。固体生成物の構造は、X線結晶解析によって確認した(
図14B)。(ZNA)
2Znは、DMSO−d
6に自由に溶解できるが、二量体におけるジアステレオトピックなベンジルのAB四重線の消失およびモノマーの一重線としてのその消失から明らかなように、D
2O中2当量のHClの添加は、金属中心から離れてリガンドをプロトン化する。
【0330】
ZNA類似体は、電子的性質のチューニングへの反応を示唆する。これらの化合物の活性がpK
aおよびZn
2+結合親和性を支配する要素の複雑な相互作用から生じることを考慮して、最初の結果は、意味のある能力の増加が達成可能であることを示唆する(
図9C)。N
2メチル化誘導体は、Zn
2+と結合することができず、活性でない。評価した類似体のうち、C5またはN
2−カルボニルに多くの電子供与基を持つ類似体は、活性を改善するようである。ZNA(IC50=8.8μM、24時間処置)と比較すると、シングルポイントデータは、MCF−7に対する能力の4〜10倍の増加を示唆する。
【0331】
ZNAは、有望なPKPDパラメータを有する。ZNAの初期薬物動態(PK)分析を、静脈内1mg/kg、経口投与5mg/kgで実施した。ZNAを雌スプラーグドーリーラットに静脈内に1mg/kgかまたは経口的に5mg/kg投与した。血漿をK2EDTAと共に回収し、分析まで−80℃で貯蔵した。ZNAの定量化は、タンパク質沈殿と、それに続いてエレクトロスプレーイオン化法四重極飛行時間型質量分析(ESI−QTOF)にインターフェースされた超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)によって実施した。血漿濃度は、内部標準としてZNAを用い、検量線から求めた。求めた値をPhoenix WinNonlinにフィットさせ、薬物動態値を報告した。
【表3】
【表4】
【0332】
ZNAの血漿中濃度は非常に低く、大部分の試料がアッセイの定量下限値(10.0ng/mL)を下回った。このことが、WinNonlinでのフィッティングに利用できるデータを制限した。フィッティングのためのデータ量を増加させるために、曲線よりも低い値をLLOQの約40%と推定し、PKフィッティングに使用した。PO PK動物で推定された面積の百分率は、34〜70%に及び、これは非常に高いと考えられた。より妥当な値は、AUCの15〜20%である。求めた経口バイオアベイラビリティは約6%であった。この値は、求めた推定面積と異常に高いクリアランスに基づく大まかな見積もりとみなされる。静脈内データは、WinNonlinでの妥当なフィットを可能にし、ZNAが非常に高い分布容積と、肝血流(235%)を凌ぐクリアランスを有することを示唆した。高いクリアランスの可能性のある説明は、化合物と赤血球の結合、より正確なC0を確立するためにより早い時点の収集を必要とする非常に急速なクリアランス、および肝外排出である。
【0333】
これらの結果は、ZNAが速いクリアランス速度および比較的短い半減期(T
1/2=1.9時間)を有すると思われることを示す。(
図14C)(これらの結果は、主な循環代謝産物がZNAと1:1の比で現れることによって複雑化し、それは脱メチル化誘導体であり、活性もある。)ZNAは、既に説明したマウス腫瘍移植片研究においてマウスの体重および健康に有害作用なく100mg/kgで投与することができたので、それはおそらく忍容性が高い化合物である。
【0334】
上記およびこれまでの実施例に提示されるデータは、以下のZNAの作用機構に一致する(
図15):
【0335】
1)ZNAは、そのモノマー形態で細胞に進入する。中性の細胞質(pH=7.2)でのプロトンの損失と同時に、ZNA−Zn
2+錯体が形成される。Jobの分析の結果を考慮すると、おそらく2:1錯体(ZNA)
2Znは、優先的に溶液中で形成されるであろう。Job,P.,Formation and stability of inorganic complexes in solution.Ann.Chim.Appl.1928,9,113−203。
【0336】
2)(ZNA)
2Zn錯体は、リソソームに進入し、リソソームのpHの増加(pH約4.8)に遭遇する。酸性環境は、ZNAリガンドのプロトン化を引き起こし、Zn
2+をリソソームの内部に放出する。
【0337】
3)その後、ZNAはリソソームから自由に出ることができ、Zn
2+取り込みサイクルを4)(ZNA)
2Zn錯体を再形成するための錯化および脱プロトン化の後に繰り返す。
【0338】
5)細胞は、金属ハウスキーピング遺伝子、例えばメタロチオネイン(MT1F、MT1XおよびMT2A)などの発現を増加させ、亜鉛輸送タンパク質(SLC30A1およびSLC30A2)の発現を増加させることによってZn
2+流入を止めようと試みる。
【0339】
6)最終的にこの試みは失敗する。浸透圧の不均衡がリソソーム膜透過処理(LMP)を開始させ、オルガネラに含まれていたカテプシンおよびその他の加水分解酵素の放出を導き、最終的に細胞死を導く。
【0340】
文献に記されているように、クロロキンおよびクリキノール(これらも亜鉛イオノフォアとして作用すると考えられている)は、リソソームにおけるZn
2+蓄積を引き起こし、最終的にカスパーゼ依存性細胞死を導く。対照的に、ZNAは、カスパーゼ非依存性細胞死(この例では、壊死)を誘導する。これは、LMPの速度論に関連すると思われる、それは、ZNAで処置した場合、細胞死は非常に急速であるためである。LMPは、この例では破滅的であるかもしれないが、従来のアポトーシス機構を迂回する細胞質カテプシン活性の重要な増加を生じる。
【0341】
実施例104:カリウム N−シアノベンズアミド(96)の調製
【化120】
大気に解放され、電磁撹拌棒を装備した一口500mL丸底フラスコに、シアナミド(6.3g、0.15mol)および蒸留水(200mL)を装入した。次に、水酸化ナトリウムペレット(12.3g、0.308mol)を少量ずつ(約3x4g)15分間にわたって添加した。混合物を室温で30分間撹拌した後、0℃に冷却した。フラスコに、1000mL付加漏斗を取り付け、付加漏斗にベンゾイルクロライド(21.1g、17.4mL、0.15mol)を装入した。次に、ベンゾイルクロライド溶液を20分にわたって滴下した。ベンゾイルクロライドを添加した後、反応物をさらに3時間室温で撹拌した。次に、混合物を500mL分液漏斗に移し、ジエチルエーテルで洗浄した(1x50ML)。水層を、電磁撹拌棒を装備した1Lエルレンマイヤーフラスコに移し、濃HCl水溶液(約15mL)でpH2に酸性化した。次に、ジクロロメタン(200mL)を添加して固体を溶解し、混合物を500mL分液漏斗に移した。層を分離した後、水性の画分をジクロロメタン(dichlormethane)で抽出し(2x100mL)、合した有機物を無水Na
2SO
4で乾燥させた。有機物を焼結ガラス漏斗で濾過し、得られる硫酸ナトリウムをジクロロメタン(2x50mL)で洗浄した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した後、フラスコを高真空ライン3時間移した。得られる白色の固体を次にMeOH(50mL)に溶解し、0℃で、MeOH(200mL)に溶解した水酸化カリウム(8.0g、0.143mol)を含有する撹拌棒を装備した500mL丸底フラスコに溶液を滴下した。フラスコに栓をして、−20℃の冷凍庫の中に一晩置いた。粗固体をブフナー漏斗で回収し、冷MeOHで洗浄して(2x50mL)、十分に真空乾燥した後、カリウム N−シアノベンズアミドを微細な白色粉末として得た(17.9g、65%)。
1H NMR(CH
3OD,400MHz):δ7.95(t,J=7.2Hz,2H),δ7.44(d,J=7.2Hz,1H),δ7.35(t,J=7.2Hz,2H)ppm。計算値C
8H
5N
2O m/z(M−H)145.0402、測定値145.0398(M−H)。
【0342】
実施例105:カリウム N−シアノ−4−メトキシベンズアミド(97)の調製
【化121】
カリウム N−シアノ−4−メトキシベンズアミドを、実施例104と同様の方法で調製して、白色の固体を得た。
1H NMR(CH
3OD,500MHz):δ7.91(d,J=7.3Hz,2H),δ6.88(d,J=9.3Hz,2H),δ3.81(s,3H)ppm。計算値C
9H
7N
2O
2 m/z(M−H)175.0508、測定値175.0513(M−H)。
【0343】
実施例106:カリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミド(98)の調製
【化122】
カリウム N−シアノ−2−フルオロベンズアミドを、実施例104と同様の方法で調製して、白色の固体を得た。
1H NMR(CH
3OD,500MHz):δ7.68(t,J=7.3Hz,1H),δ7.43−7.37(m,1H),δ7.14(t,J=8.4Hz,1H),δ7.08(dd,J=2,8.4Hz,1H)ppm。計算値C
8H
4N
2OF m/z(M−H)163.0308、測定値163.0308(M−H)。
【0344】
実施例107:カリウム N−シアノ−4−クロロベンズアミド(99)の調製
【化123】
カリウム N−シアノ−4−フルオロベンズアミドを、実施例104と同様の方法で調製して、白色の固体を得た。
1H NMR(CH
3OD,500MHz):δ8.00(dd,J=3.4,6.1Hz,2H),δ7.06(t,J=9.1Hz,2H)ppm。計算値C
8H
4N
2OF m/z(M−H)163.0308、測定値163.0317(M−H)。
【0345】
実施例108:カリウム N−シアノ−4−フルオロベンズアミド(100)の調製
【化124】
カリウム N−シアノ−4−フルオロベンズアミドを、実施例104と同様の方法で調製して、白色の固体を得た。
1H NMR(CH
3OD,500MHz):δ8.00(dd,J=3.4,6.1Hz,2H),δ7.06(t,J=9.1Hz,2H)ppm。計算値C
8H
4N
2OF m/z(M−H)163.0308、測定値163.0317(M−H)。
【0346】
実施例109:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(101)の調製
【化125】
磁気撹拌子を含有する25mLフラスコの中に、(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(50mg、0.12mmol)、BBr
3(0.012mL、0.12mmol)、および蒸留したDCM(5mL)をN
2の蒸気下で添加し、反応物を室温で24時間撹拌した。得られる溶液をEtOAc(30mL)に溶かし、飽和NaHCO
3(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。次に、粗混合物をEt
2Oでトリチュレートすることにより精製して、化合物101を白色固体として得た(収率58%)。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.04(t,J=8.5Hz,1H),7.38−7.35(m,1H),7.35−7.05(m,9H),6.92−6.89(m,2H),3.80(s,2H),3.42(s,3H),3.26(s,3H)ppm。計算値C
24H
20N
3O
2FNa m/z(M+Na)424.1437、測定値424.1439(M+Na)。
【0347】
実施例110:(E)−N−(4−ベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2(3H)−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(102)の調製
【化126】
(E)−N−(1−アリル−4−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−イリデン)−2−フルオロベンズアミド(102)を、THF中の化合物84のNaH介在性環
化によって得た。
1H NMR(CDCl
3,500MHz):δ8.06(dt,J=1.5,8.0Hz,1H),δ7.56−7.53(m,1H),δ7.29−7.26(m,4H),δ7.23−7.20(m,1H),δ7.15−7.12(m,2H),δ7.09−7.05(m,1H),δ6.98(d,J=9Hz,2H),δ5.91−5.83(m,1H),δ5.12(dd,J=1Hz,10Hz,1H),δ4.96(dd,J=1Hz,17.5Hz,1H),δ3.86(s,3H),δ3.80(s,2H)ppm。
13C NMR(CDCl
3,500MHz):δ162.9,160.9,160.5,137.9,132.9,132.2,132.8,132.0,129.1,128.4,127.1,123.7,120.0,117.8,116.8,116.6,114.5,55.6,45.5,31.1ppm。
【0348】
実施例111:ナアミジンA、ケアリイニンB、およびケアリイニンCの抗菌活性
本明細書に記載される類似体の抗癌活性に加えて、ナアミジンAは、MTTアッセイによって示されるように、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(IC
50=0.94μMまたは0.41μg/mL)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(MIC
100=0.78μMおよびA.バウマニ(A.baumanii)MIC
100=79μM)に対する増殖抑制作用を有することも示された(詳細は下記;
図17)。関連する天然物ケアリイニンBおよびCも抗結核活性を示す(それぞれ、IC
50=8.9μMおよび42μM)。
【0349】
化合物のライブラリースクリーニングおよびMIC定量を、Koch et al.Planta Med 2009;75(12):1326−1330に既に記載されているように96穴プレートで実施した。それぞれの試験生物には異なる培地を使用した。ミュラー−ヒントンII培地(Difco BD、米国ニュージャージー州フランクリンレイクス)を大腸菌に使用した(ATCC 25922)。アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)(ATCC 19606)、枯草菌(Bacillus subtilis)(ATCC 6633)、カンジダ・アルビカンス(ATCC 90028)は、全てMOPS緩衝RPMI−1640(NCCLS 2007)で増殖させた。結核菌H37Ra(ATCC 25177)は、ADCを補充した7H9培地(Remel、米国カンザス州レネックサ)で増殖させた。最終の穴容積は200μLであった。各プレートは、未接種非増殖対照の4つの穴、増殖対照(DMSO)の4つの穴および陽性対照(枯草菌用のゲンタマイシン、大腸菌(E.coli)およびA・バウマンニ用のカナマイシン、カンジダ・アルビカンス用のイトラコナゾールならびに結核菌用のリファンピシン)として適切な抗生物質の8つの穴[Sigma Aldrich、米国ミズーリ州セントルイス)を有した。残りのウェルには、1μLのDMSO中試験化合物を、MIC定量のために三連で入れた。インキュベーションは、5日インキュベートされた結核菌を除いて、他の生物には37℃で一晩であった。枯草菌および結核菌には、それぞれ、1日目または4日目に11μLの無菌のPBS中5mg/mLの3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を与えた。ホルマザン沈殿物を50μLの可溶化試薬(50%DMF、5%SDS、45%水)で溶かした。プレートを、Muliskan FCプレートリーダー(Fisher Scientific、米国マサチューセッツ州ウォルサム)で評価した。Noro et al.J.Nat.Prod.2008,71,1623−1624に既に記載されるように、Excel(商標)スプレッドシートを用いて抑制率を算出した。
【0350】
特許および特許出願を含む全ての刊行物は、本願において、それらがはっきりと本願に矛盾しない限り(例えば、同じ用語についての2つの矛盾する定義)、その全文が参照により本明細書に援用される。
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