(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気的特性は、等価抵抗、等価インダクタンス、共振周波数、複素共振周波数、減衰係数、Q値、インピーダンス、または前記コイルが共振へと同調され、正弦波信号源によって励振されるときの位相を含む、請求項1に記載の装置。
前記電気的特性は、前記コイルがパルス信号源によって励振されるときの前記コイルのインパルス応答、前記コイルが電圧もしくは電流時間関数のいずれかによって励振されるときの前記コイルの応答、または、前記コイルが共振へと同調され、電圧もしくは電流時間関数によって励振されるときの前記コイルの応答を含む、請求項1に記載の装置。
前記コイルは複数のコイルを含み、前記コントローラは、前記複数のコイルの前記電気的特性における複数の変化の測定値を多重化するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
前記コントローラは、前記曝露サイクル中の前記電気的特性における前記検出された変化がしきい値を超えたときに、前記物体の前記存在を判定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
前記コントローラは、前記曝露サイクルの時間の少なくとも一部分にわたる前記電気的特性における前記検出された変化の微分値を、前記同じ時間期間にわたる前記曝露サイクルと比較するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
前記受信機は、曝露磁場を生成するデバイスから、前記曝露磁場を生成するために使用される電力信号の電気的特性を示す基準信号を受信するようにさらに構成される、請求項8に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面に示された種々の特徴は、原寸に比例して描かれていない可能性がある。したがって、明確にするために、様々な特徴の寸法は任意に拡大または縮小されていることがある。加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを図示していないことがある。最後に、同様の参照番号が、明細書および図面全体を通じて同様の特徴を表すために使用される場合がある。
【0010】
添付の図面に関連させて以下に記載される詳細な説明は、例示的な実施形態の説明を目的としたものであり、本発明を実践できる唯一の実施形態を表すことを意図したものではない。本説明全体にわたって使用される「例示的」という用語は、「一例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味し、必ずしも、他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、例示的な実施形態を完全に理解してもらうために、具体的な詳細を含んでいる。場合によっては、いくつかのデバイスがブロック図の形式で示されている。
【0011】
電力をワイヤレスに伝達することは、物理的な導体を使用せずに、電場、磁場、電磁場などと関連付けられる任意の形態のエネルギーを送信機から受信機に伝達する(たとえば、電力は、自由空間を通じて伝達され得る)ことを指し得る。電力伝達を実現するために、電磁場(たとえば、磁場)へと出力された電力は、「受信コイル」によって受信され、捕捉され、または結合され得る。
【0012】
本明細書では、遠隔システムを説明するために電気車両が使用され、その一例は、その運動能力の一部として、充電可能なエネルギー蓄積デバイス(たとえば、1つまたは複数の再充電可能な電気化学セルまたは他のタイプのバッテリー)から導かれた電力を含む車両である。非限定的な例として、いくつかの電気車両は、電気モータ以外に、直接の運動のための、または車両のバッテリーを充電するための従来型の内燃機関を含むハイブリッド電気車両であり得る。他の電気車両は、電力からすべての運動能力を引き出すことができる。電気車両は自動車に限定されず、オートバイ、カート、スクーターなどを含み得る。限定ではなく例として、遠隔システムは本明細書において、電気車両(EV)の形態で説明される。さらに、充電可能なエネルギー蓄積デバイスを使用して少なくとも部分的に電力供給され得る他の遠隔システム(たとえば、パーソナルコンピューティングデバイスなどの電子デバイス)も企図される。
【0013】
図1は、例示的な実施形態による、電気車両112を充電するための例示的なワイヤレス電力伝達システム100の図である。ワイヤレス電力伝達システム100は、電気車両112がベースワイヤレス充電システム102aの近くに駐車されている間の、電気車両112の充電を可能にする。2つの電気車両のための空間が、対応するベースワイヤレス充電システム102aおよび102bの上方に駐車されることになる駐車エリアの中に示されている。いくつかの実施形態では、ローカル配電センタ130が、電力バックボーン132に接続され、電力リンク110を通じてベースワイヤレス充電システム102aに交流(AC)または直流(DC)電源を提供するように構成され得る。ベースワイヤレス充電システム102aはまた、電力をワイヤレスに伝達または受信するためのベースシステム誘導コイル104aを含む。電気車両112は、バッテリーユニット118、電気車両誘導コイル116、および電気車両ワイヤレス充電システム114を含み得る。電気車両誘導コイル116は、たとえば、ベースシステム誘導コイル104aによって生成される電磁場の領域を介して、ベースシステム誘導コイル104aと相互作用し得る。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、電気車両誘導コイル116は、電気車両誘導コイル116がベースシステム誘導コイル104aによって生成されるエネルギー場の中に位置するとき、電力を受信することができる。この場は、ベースシステム誘導コイル104aによって出力されるエネルギーが電気車両誘導コイル116によって捕捉され得る領域に対応する。たとえば、ベースシステム誘導コイル104aによって出力されるエネルギーは、電気車両112を充電または給電するのに十分なレベルにあり得る。いくつかの場合には、この場は、ベースシステム誘導コイル104aの「近接場」に対応し得る。近接場は、ベースシステム誘導コイル104aから遠くに電力を放射しない、ベースシステム誘導コイル104aの中の電流および電荷に起因する強い反応場がある、領域に対応し得る。いくつかの場合には、近接場は、以下でさらに説明されるように、ベースシステム誘導コイル104aの波長の約1/2π内にある(かつ電気車両誘導コイル116に対しては電気車両誘導コイル116の波長の約1/2π外にある)領域に対応し得る。
【0015】
ローカル配電センタ130は、通信バックホール134を介して外部の電力源(たとえば、電力網)と、かつ通信リンク108を介してベースワイヤレス充電システム102aと通信するように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、電気車両誘導コイル116は、ベースシステム誘導コイル104aと揃えられ得るので、単に運転手が電気車両112をベースシステム誘導コイル104aに対して正しく配置することによって、近接場領域内に配設され得る。他の実施形態では、運転手は、電気車両112がワイヤレス電力伝達のために適切に配置されているときを判定するために、視覚的なフィードバック、音声のフィードバック、またはそれらの組合せを与えられ得る。さらに他の実施形態では、電気車両112は、整列の誤差が許容可能な値に達するまで電気車両112を前後に(たとえば、ジグザグの動きで)動かすことができる、オートパイロットシステムによって配置され得る。これは、電気車両112が車両を調整するためのサーボ式ハンドル、超音波センサ、および知能を備えている限り、運転手の介入を伴うことなく、または運転手の最小限の介入を伴うことで、電気車両112によって自動的かつ自律的に実行され得る。さらに他の実施形態では、電気車両誘導コイル116、ベースシステム誘導コイル104a、またはそれらの組合せは、誘導コイル116および104aを互いに対してずらして移動させて、それらをより正確に配向し、それらの間のより効率的な結合を促進するための機能を有し得る。
【0017】
ベースワイヤレス充電システム102aは、種々の位置に位置し得る。非限定的な例として、いくつかの適切な位置は、電気車両112の所有者の自宅の駐車エリア、従来型の石油ベースの給油所にならって作られた電気車両のワイヤレス充電のために確保された駐車エリア、ならびにショッピングセンタおよび職場などの他の位置にある駐車場を含む。
【0018】
電気車両をワイヤレスで充電すると、多くの利点がもたらされ得る。たとえば、充電が実質的に運転手の介入および操作を伴わずに自動的に実行され得るので、ユーザの利便性が向上する。また、露出した電気的接点および機械的な摩耗がなくなり得るので、ワイヤレス電力伝達システム100の信頼性が向上する。ケーブルおよびコネクタによる操作が必要とされなくてよく、屋外環境において蒸気および水に曝され得るケーブル、プラグ、またはソケットがなくなり得るので、安全性が向上する。また、目に見える、または手の届くソケット、ケーブル、およびプラグがなくなり得るので、電力の充電デバイスの損壊の可能性が減る。さらに、電気車両112は、電力網を安定化するための分散蓄電デバイスとして使用され得るので、Vehicle-to-Grid(V2G)動作のための車両の利用可能性を上げるために、docking-to-grid解決法が使用されることが可能である。
【0019】
図1を参照して説明されるようなワイヤレス電力伝達システム100はまた、美観上の利点および障害にならないという利点をもたらし得る。たとえば、車両および/または歩行者の障害となり得る充電用の柱およびケーブルがなくなり得る。
【0020】
vehicle-to-grid機能のさらなる説明として、ワイヤレス電力送受信機能は、ベースワイヤレス充電システム102aが電力を電気車両112に伝達し、たとえばエネルギー不足のときに電気車両112が電力をベースワイヤレス充電システム102aに伝達するように、相互的であるように構成され得る。この能力は、過大な需要または再生可能エネルギーの産生(たとえば、風力または太陽光)の不足により引き起こされるエネルギー不足の際に、電気車両が配電系統全体へ電力を供給することを可能にすることによって、配電網を安定化するのに有用であり得る。
【0021】
図2は、
図1のワイヤレス電力伝達システム100の例示的なコア構成要素の概略図である。
図2に示すように、ワイヤレス電力伝達システム200は、インダクタンスL
1を有するベースシステム誘導コイル204を含むベースシステム送信回路206を含み得る。ワイヤレス電力伝達システム200は、インダクタンスL
2を有する電気車両誘導コイル216を含む電気車両受信回路222をさらに含む。本明細書に記載される実施形態は、1次構造(送信機)と2次構造(受信機)の両方が共通の共振周波数に同調されている場合、磁気または電磁気の近接場を介して1次構造から2次構造にエネルギーを効率的に結合することが可能な共振構造を形成する、容量装荷ワイヤループ(すなわち、多巻きコイル)を使用することができる。このコイルは、電気車両誘導コイル216およびベースシステム誘導コイル204のために使用され得る。エネルギーを結合するための共振構造を使用することは、「磁気結合共振」、「電磁結合共振」、および/または「共振誘導」と呼ばれ得る。ワイヤレス電力伝達システム200の動作は、ベースワイヤレス充電システム202から電気車両112への電力伝達に基づいて説明されるが、それには限定されない。たとえば、上で論じられたように、電気車両112は、電力をベースワイヤレス充電システム102aに伝達することができる。
【0022】
図2を参照すると、電源208(たとえば、ACまたはDC)が、電力P
SDCをベースワイヤレス充電システム202に供給して、エネルギーを電気車両112に伝達する。ベースワイヤレス充電システム202は、ベース充電システム電力コンバータ236を含む。ベース充電システム電力コンバータ236は、標準的な商用AC電力から適切な電圧レベルのDC電力へと電力を変換するように構成されるAC/DCコンバータ、および、DC電力をワイヤレス高電力伝達に適した動作周波数の電力に変換するように構成されるDC/低周波(LF)コンバータのような、回路を含み得る。ベース充電システム電力コンバータ236は、電力P
1をベースシステム誘導コイル204と直列のキャパシタC
1を含むベースシステム送信回路206に供給して、所望の周波数で電磁場を放出する。キャパシタC
1は、並列もしくは直列のいずれかでベースシステム誘導コイル204に結合されてよく、または並列トポロジもしくは直列トポロジの任意の組合せでいくつかの反応性要素から形成されてよい。キャパシタC
1は、所望の周波数で共振するベースシステム誘導コイル204を伴う共振回路を形成するために設けられ得る。ベースシステム誘導コイル204は、電力P
1を受信し、電気車両112を充電または給電するのに十分なレベルの電力をワイヤレスに送信する。たとえば、ベースシステム誘導コイル204によってワイヤレスに提供される電力レベルは、キロワット(kW)のオーダー(たとえば、1kWから110kWまで、またはそれ以上まで、またはそれ以下までのどこか)にあり得る。
【0023】
ベースシステム誘導コイル204を含むベースシステム送信回路206および電気車両誘導コイル216を含む電気車両受信回路222は、実質的に同じ周波数に同調されてよく、ベースシステム誘導コイル204と電気車両誘導コイル116の1つによって送信される電磁場の近接場の中に配置され得る。この場合、ベースシステム誘導コイル204および電気車両誘導コイル116は、キャパシタC
2と電気車両誘導コイル116とを含む電気車両受信回路222に電力が伝達され得るように、互いに結合されるようになり得る。キャパシタC
2は、所望の周波数で共振する電気車両誘導コイル216とともに共振回路を形成するために設けられ得る。キャパシタC
2は、並列もしくは直列のいずれかで電気車両誘導コイル204に結合されてよく、または並列トポロジもしくは直列トポロジの任意の組合せでいくつかの反応性要素から形成されてよい。要素k(d)は、コイルの離隔に起因する相互結合係数を表す。等価抵抗R
eq,1およびR
eq,2は、誘導コイル204および216ならびに反リアクタンスキャパシタC
1およびC
2に固有であり得る損失を表す。電気車両誘導コイル316およびキャパシタC
2を含む電気車両受信回路222は、電力P
2を受信し、電力P
2を電気車両充電システム214の電気車両電力コンバータ238に提供する。
【0024】
電気車両電力コンバータ238は、とりわけ、動作周波数の電力を、電気車両バッテリーユニット218の電圧レベルに一致した電圧レベルのDC電力へと戻す形で変換するように構成される、LF/DCコンバータを含み得る。電気車両電力コンバータ238は、電気車両バッテリーユニット218を充電するために、変換された電力P
LDCを提供することができる。電源208、ベース充電システム電力コンバータ236、およびベースシステム誘導コイル204は固定され、上で論じられたような種々の位置に位置し得る。バッテリーユニット218、電気車両電力コンバータ238、および電気車両誘導コイル216は、電気車両112の一部またはバッテリーパック(図示せず)の一部である電気車両充電システム214に含まれ得る。電気車両充電システム214はまた、電気車両誘導コイル216を通じてベースワイヤレス充電システム202に電力をワイヤレスに提供して、電力を電力網に戻すように構成され得る。電気車両誘導コイル216およびベースシステム誘導コイル204の各々は、動作のモードに基づいて、送信誘導コイルまたは受信誘導コイルとして動作し得る。
【0025】
示されないが、ワイヤレス電力伝達システム200は、電気車両バッテリーユニット218または電源208をワイヤレス電力伝達システム200から安全に切り離すための、負荷切断ユニット(LDU)を含み得る。たとえば、緊急事態またはシステム障害の場合、LDUは、負荷をワイヤレス電力伝達システム200から切断することをトリガされ得る。LDUは、バッテリーへの充電を管理するためのバッテリー管理システムに加えて設けられてよく、または、バッテリー管理システムの一部であってよい。
【0026】
さらに、電気車両充電システム214は、電気車両誘導コイル216を電気車両電力コンバータ238に選択的に接続し、かつそれから切り離すための、スイッチング回路(図示せず)を含み得る。電気車両誘導コイル216を切り離すことは、充電を中断することができ、また、(送信機として動作する)ベースワイヤレス充電システム102aによって「見られる」ような「負荷」を調整することができ、このことは、ベースワイヤレス充電システム102aから(受信機として動作する)電気車両充電システム114を「隠す」ために使用され得る。送信機が負荷感知回路を含む場合、負荷の変化が検出され得る。したがって、ベースワイヤレス充電システム202のような送信機は、電気車両充電システム114のような受信機がベースシステム誘導コイル204の近接場に存在するときを決定するための機構を有し得る。
【0027】
上で説明されたように、動作において、車両またはバッテリーへのエネルギー伝達を仮定すると、ベースシステム誘導コイル204がエネルギー伝達を提供するための場を生成するように、入力電力が電源208から提供される。電気車両誘導コイル216は、放射された場に結合し、電気車両112による蓄積または消費のための出力電力を生成する。上で説明されたように、いくつかの実施形態では、ベースシステム誘導コイル204および電気車両誘導コイル116は、電気車両誘導コイル116の共振周波数とベースシステム誘導コイル204の共振周波数が非常に近いときのように、または実質的に同じであるときのように、相互共振の関係に従って構成される。ベースワイヤレス充電システム202と電気車両充電システム214との間の送信損失は、電気車両誘導コイル216がベースシステム誘導コイル204の近接場に位置しているときは最小限である。
【0028】
述べられたように、効率的なエネルギー伝達は、エネルギーの大半を電磁波で非近接場に伝播するのではなく、送信側誘導コイルの近接場におけるエネルギーの大部分を受信側誘導コイルに結合することによって発生する。近接場の中にあるとき、送信誘導コイルと受信誘導コイルとの間にある結合モードが確立され得る。この近接場結合が発生し得る、誘導コイルの周りの領域は、本明細書では近接場結合モード領域と呼ばれる。
【0029】
示されないが、ベース充電システム電力コンバータ236および電気車両電力コンバータ238はともに、発振器と、電力増幅器のような駆動回路と、フィルタと、ワイヤレス電力誘導コイルとの効率的な結合のための整合回路とを含み得る。発振器は、調整信号に応答して調整され得る所望の周波数を生成するように構成され得る。発振器信号は、制御信号に応答した増幅量で電力増幅器によって増幅され得る。フィルタおよび整合回路は、高調波または他の不要な周波数を除去し、電力変換モジュールのインピーダンスをワイヤレス電力誘導コイルに整合するために含まれ得る。電力コンバータ236および238はまた、バッテリーを充電するのに適切な電力出力を生成するための、整流器およびスイッチング回路を含み得る。
【0030】
開示される実施形態全体で説明されるような電気車両誘導コイル216およびベースシステム誘導コイル204は、「ループ」アンテナ、より具体的には多巻ループアンテナと呼ばれることがあり、またはそれとして構成され得る。誘導コイル204および216はまた、「磁気」アンテナと本明細書では呼ばれることがあり、またはそれとして構成され得る。「コイル」という用語は、別の「コイル」に結合するためのエネルギーをワイヤレスに出力または受信することができる構成要素を指すことが意図される。コイルは、電力をワイヤレスに出力または受信するように構成されるタイプの「アンテナ」とも呼ばれ得る。本明細書で使用される場合、コイル204および216は、電力をワイヤレスに出力し、ワイヤレスに受信し、かつ/またはワイヤレスに中継するように構成される、あるタイプの「電力伝達構成要素」の例である。ループ(たとえば、多巻ループ)アンテナは、空芯、またはフェライトコアのような物理的コアを含むように構成され得る。空芯ループアンテナは、コア領域内への他の構成要素の配置を可能にし得る。強磁性体または強磁性材料を含む物理的コアアンテナは、より強い電磁場の展開および結合の改善を可能にし得る。
【0031】
上で論じられたように、送信機と受信機との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機と受信機との間の整合した共振またはほぼ整合した共振の間に発生する。しかしながら、送信機と受信機との間の共振が整合していないときでも、エネルギーはより低い効率で伝達され得る。エネルギーの伝達は、送信側誘導コイルからのエネルギーを自由空間へと伝播するのではなく、送信側誘導コイルの近接場からのエネルギーを、この近接場が確立される領域内に(たとえば、所定の周波数範囲の共振周波数内に、または近接場領域から所定の距離内に)存在する受信側誘導コイルに結合することによって発生する。
【0032】
共振周波数は、上で説明されたような誘導コイル(たとえば、ベースシステム誘導コイル204)を含む送信回路のインダクタンスおよびキャパシタンスに基づき得る。
図2に示されるように、インダクタンスは一般に誘導コイルのインダクタンスであり得るが、キャパシタンスは、所望の共振周波数において共振構造を作成するために、誘導コイルに追加され得る。非限定的な例として、
図2に示されるように、電磁場を生成する共振回路(たとえば、ベースシステム送信回路206)を作成するために、キャパシタが誘導コイルと直列に追加され得る。したがって、より直径の大きな誘導コイルでは、共振を引き起こすために必要とされる容量の値は、コイルの直径またはインダクタンスが増大するにつれて低下し得る。インダクタンスはまた、誘導コイルの巻数に依存し得る。さらに、誘導コイルの直径が増加するにつれて、近接場の効率的なエネルギー伝達面積が増加し得る。他の共振回路が可能である。別の非限定的な例として、キャパシタは、誘導コイル(たとえば、並列共振回路)の2つの端子間に並列に配置され得る。さらに、誘導コイルは、誘導コイルの共振を改善するために高い品質(Q)値を有するように設計され得る。たとえば、Q値は300以上であり得る。
【0033】
上で説明されたように、いくつかの実施形態によれば、互いの近接場の中にある2つの誘導コイルの間の結合電力が開示される。上で説明されたように、近接場は、電磁場が存在するが電磁場が誘導コイルから遠くに伝播または放射し得ない、誘導コイルの周りの領域に対応し得る。近接場結合モード領域は、誘導コイルの物理的容積の近く、通常は波長のごく一部の範囲内にある、容積に対応し得る。いくつかの実施形態によれば、1回巻きループアンテナおよび多巻きループアンテナなどの電磁誘導コイルは、送信と受信の両方に使用され、その理由は、実際の実施形態における磁気近接場振幅が、電気タイプのアンテナ(たとえば、小さいダイポール)の電気近接場と比較して、磁気タイプのコイルの場合に高い傾向があるためである。これは、ペアの間の潜在的により密な結合を可能にする。さらに、「電気」アンテナ(たとえば、ダイポールおよびモノポール)または磁気アンテナと電気アンテナの組合せが使用され得る。
【0034】
図3は、
図1のワイヤレス電力伝達システム300の例示的なコア構成要素および補助構成要素を示す別の機能ブロック図である。ワイヤレス電力伝達システム300は、通信リンク376、案内リンク366、ならびにベースシステム誘導コイル304および電気車両誘導コイル316のための位置合わせシステム352、354を示している。
図2に関して上述したように、電気車両112へのエネルギーフローを仮定すると、
図3では、ベース充電システム電力インターフェース354は、ACまたはDC電源126などの電源からの電力を充電システム電力コンバータ336に提供するように構成され得る。ベース充電システム電力コンバータ336は、ベース充電システム電力インターフェース354からACまたはDC電力を受信して、ベースシステム誘導コイル304をその共振周波数においてまたはその共振周波数近くで励磁することができる。電気車両誘導コイル316は、近接場結合モード領域にあるとき、近接場結合モード領域からエネルギーを受信して、共振周波数においてまたは共振周波数近くで発振することができる。電気車両電力コンバータ338は、電気車両誘導コイル316からの発振信号を、電気車両電力インターフェースを介してバッテリーを充電するのに適した電力信号に変換する。
【0035】
ベースワイヤレス充電システム302はベース充電システムコントローラ342を含み、電気車両充電システム314は電気車両コントローラ344を含む。ベース充電システムコントローラ342は、たとえば、コンピュータ、配電センタ、またはスマート電力網のような他のシステム(図示せず)へのベース充電システム通信インターフェース162を含み得る。電気車両コントローラ344は、たとえば、車両の車中コンピュータ、他のバッテリー充電コントローラ、車両内の他の電子システム、および遠隔電子システムのような、他のシステム(図示せず)への電気車両通信インターフェースを含み得る。
【0036】
ベース充電システムコントローラ342および電気車両コントローラ344は、別々の通信チャネルを伴う特定の用途のためのサブシステムまたはモジュールを含み得る。これらの通信チャネルは、別々の物理チャネルまたは別々の論理チャネルであってよい。非限定的な例として、ベース充電位置合わせシステム352は、通信リンク376を通じて電気車両位置合わせシステム354と通信して、自律的に、またはオペレータの支援により、ベースシステム誘導コイル304および電気車両誘導コイル316をより厳密に整列するための、フィードバック機構を提供することができる。同様に、ベース充電案内システム362は、案内リンクを通じて電気車両案内システム364と通信して、ベースシステム誘導コイル304および電気車両誘導コイル316を整列する際にオペレータを案内するためのフィードバック機構を提供することができる。加えて、ベースワイヤレス充電システム302と電気車両充電システム314との間で他の情報を通信するための、ベース充電通信システム372および電気車両通信システム374によってサポートされる別々の汎用通信リンク(たとえば、チャネル)があってよい。この情報は、電気車両の特性、バッテリーの特性、充電状態、および、ベースワイヤレス充電システム302と電気車両充電システム314の両方の電力能力についての情報、同様に、電気車両112のメンテナンスデータおよび診断データを含み得る。これらの通信チャネルは、たとえば、Bluetooth(登録商標)、zigbee、セルラーなどのような、別々の物理通信チャネルであり得る。
【0037】
電気車両コントローラ344はまた、電気車両の主要バッテリーの充電および放電を管理するバッテリー管理システム(BMS)(図示せず)と、マイクロ波または超音波レーダーの原理に基づく駐車支援システムと、半自動の駐車動作を実行するように構成されるブレーキシステムと、より高い駐車精度を提供できる大部分が自動化された駐車「park by wire」によって支援するように構成されるハンドルサーボシステムとを含み得るので、ベースワイヤレス充電システム102aと電気車両充電システム114のいずれにおいても機械的な水平方向の誘導コイル整列の必要性が減る。さらに、電気車両コントローラ344は、電気車両112の電子機器と通信するように構成され得る。たとえば、電気車両コントローラ344は、視覚的出力デバイス(たとえば、ダッシュボードのディスプレイ)、音響/オーディオ出力デバイス(たとえば、ブザー、スピーカ)、機械的入力デバイス(たとえば、キーボード、タッチスクリーン、および、ジョイスティック、トラックボールのようなポインティングデバイスなど)、およびオーディオ入力デバイス(たとえば、電子音声認識を伴うマイクロフォン)と通信するように構成され得る。
【0038】
さらに、ワイヤレス電力伝達システム300は、検出およびセンサシステムを含み得る。たとえば、ワイヤレス電力伝達システム300は、運転手または車両を充電スポットへと適切に案内するためのシステムとともに使用するためのセンサ、要求される離隔/結合を伴って誘導コイルを相互に整列するためのセンサ、電気車両誘導コイル316が結合を実現するために特定の高さおよび/または位置へと移動するのを妨げ得る物体を検出するためのセンサ、ならびに、信頼性のある、損傷を伴わない、かつ安全な、システムの動作を実行するためにシステムとともに使用するための安全センサを含み得る。たとえば、安全センサは、安全範囲を超えてワイヤレス電力誘導コイル104a、116に近づく動物または子供の存在の検出、加熱され得る(誘導加熱)ベースシステム誘導コイル304の近くの物体の検出、ベースシステム誘導コイル304上の白熱を発する物体などの危険な事象の検出、ならびに、ベースワイヤレス充電システム302および電気車両充電システム314構成要素の温度監視のための、センサを含み得る。
【0039】
ワイヤレス電力伝達システム300はまた、有線接続を介したプラグイン充電をサポートし得る。有線充電ポートは、電気車両112への、または電気車両112からの電力の伝達の前に、2つの異なる充電器の出力を統合し得る。スイッチング回路が、ワイヤレス充電と有線充電ポートを介した充電との両方をサポートするために必要とされるような機能を提供することができる。
【0040】
ベースワイヤレス充電システム302と電気車両充電システム314との間で通信するために、ワイヤレス電力伝達システム300は、帯域内シグナリングとRFデータモデム(たとえば、免許されていない帯域における無線を通じたイーサネット(登録商標))の両方を使用し得る。帯域外通信は、車両のユーザ/所有者への付加価値サービスの配分のために十分な帯域幅を提供することができる。ワイヤレス電力搬送波の低深度の振幅変調または位相変調が、最小限のインターフェースを伴う帯域内シグナリングシステムとして機能し得る。
【0041】
加えて、一部の通信は、特定の通信アンテナを使用することなく、ワイヤレス電力リンクを介して実行され得る。たとえば、ワイヤレス電力誘導コイル304および316はまた、ワイヤレス通信送信機として動作するように構成され得る。したがって、ベースワイヤレス充電システム302のいくつかの実施形態は、ワイヤレス電力経路上でのキーイングタイプのプロトコルを可能にするためのコントローラ(図示せず)を含み得る。予め定められたプロトコルにより予め定められた間隔で送信電力レベルをキーイングすることによって(振幅シフトキーイング)、受信機は送信機からのシリアル通信を検出することができる。ベース充電システム電力コンバータ336は、ベースシステム誘導コイル304によって生成される近接場の近傍における動作中の電気車両受信機の存在または不在を検出するための負荷感知回路(図示せず)を含み得る。例として、負荷感知回路は、電力増幅器への電流の流れを監視し、この電流の流れは、ベースシステム誘導コイル104aによって生成される近接場の近傍での動作中の受信機の存在または不在の影響を受ける。電力増幅器上の負荷の変化の検出が、エネルギーを送信するための発振器を有効にするかどうか、動作中の受信機と通信するかどうか、またはそれらの組合せを決定する際に使用するために、ベース充電システムコントローラ342によって監視され得る。
【0042】
ワイヤレス大電力伝達を可能にするために、いくつかの実施形態は、20〜150kHzの範囲の周波数で電力を伝達するように構成され得る。この低周波結合は、ソリッドステートデバイスを使用して達成され得る高度に効率的な電力変換を可能にし得る。加えて、他の帯域と比較して、無線システムとの共存問題が少なくなり得る。
【0043】
誘導充電に関して、エネルギー伝達レート(電力レベル)、動作周波数、一次磁気構造および二次磁気構造のサイズおよび設計、ならびにそれらの間の距離に応じて、いくつかの位置でのエアギャップにおける磁束密度は0.5mTを上回ることがあり、数ミリテスラに達することもある。ある量の高導電性の材料(たとえば、金属)を含む物体が一次構造と二次構造との間の空間に挿入された場合、この物体に渦電流が生成され(ファラデーおよびレンツの法則)、それが電力の散逸およびその後の加熱効果をもたらすことがある。この誘導加熱効果は、磁束密度、交番磁場の周波数、物体の導電性構造のサイズ、形状、向き、および導電率に依存する。物体は、十分に長い時間にわたって磁場に曝されると、いくつかの面で危険と考えられ得る温度まで加熱することがある。1つの危険性として、物体が可燃材料を含んでいる場合、または物体がそのような材料、たとえば薄い金属化箔を含むシガレットパッケージと直接接触している場合に、自己発火があり得る。別の危険性として、そのような熱い物体、たとえばコインまたは鍵を取る人の手が焼けることがあり得る。別の危険性として、一次構造または二次構造のプラスチック筐体、たとえばプラスチックに溶け込んだ物体の損傷があり得る。
【0044】
実質的に非導電性であり得る強磁性材料を含むが顕著なヒステリシス効果を示す物体において、またはヒステリシスと渦電流損の両方を生成する材料においては、温度上昇も予想され得る。したがって、そのような物体を検出することは、対応する有害な結果を回避するために有益である。ワイヤレス電力を提供するためのシステムの中に物体検出システムが組み込まれている場合、有害な物体を検出したことに応答して、システムは、有害な物体を除去するための対策が取られ得るまで、電力レベルを下げ、または停止することができる。物体が誘導的に温度を変化させることに基づいて物体を感知することは、「誘導性熱感知」と呼ばれることもある。
【0045】
家庭内および公的なゾーンにおける電気車両の充電のような、誘導電力伝達のいくつかの適用例では、人々および機器の安全のために、危険な温度まで加熱する可能性のある異質な物体を検出できることは必須であり得る。これは、危険な空間が開放されていて到達可能であるために、異質な物体がこの空間に偶然入り込み得る、または意図的に置かれ得る(たとえば、妨害行為の場合)システムでは特に当てはまり得る。
【0046】
本明細書で説明する実施形態は、所定の空間に位置し得る危険な外来物体(たとえば、「金属物体」)を自動的に検出することを対象とする。特に、いくつかの実施形態は、磁束密度が特定の値(たとえば、0.5mT)を上回り得る一次磁気構造または二次磁気構造の表面に隣接して位置する小さい金属物体(たとえば、コイン)を検出することを対象とする。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、誘導性熱感知は、所定の3次元空間において特殊なカテゴリの金属製外来物体を検出するのに有用となり得る。この特殊なカテゴリには、典型的にはワイヤレス電力伝達システム(たとえば、ワイヤレス電力伝達システム100、200、および300)の重要な空間の内側で発生する交番磁場に曝露された場合に危険な温度に比較的迅速に昇温する物体が含まれ得る。このカテゴリに属する物体の非限定的な例が、金属製の箔を含んだたばこのパック、ヨーグルトカップのカバー、チューインガムの包み紙、および金属製のライターヘッドを備えたシガレットライターであり得る。いくつかの実施形態では、誘導性熱感知で用いられる構成要素および機能はまた、通常の誘導性感知に適用されてもよい。誘導性熱感知のいくつかの態様は、別個の付加的な装置ではなく、向上された外来物体検出器の付加的な特徴と解釈されてもよい。
【0048】
上記で定義したカテゴリの金属物体は、1mT超の束密度を有しかつ20kHz〜150kHzの範囲の周波数を有する交番磁場に曝露された場合、たとえば500ケルビン(K)を超える温度にまで昇温し得る。500K超の温度を有する物体は、その物体が、紙、乾燥した葉、油、燃料などのような可燃性材料と接触する場合、火災に対する潜在的リスクと見なされ得る。したがって、そのような物体は、開放されアクセス可能である場合の機能空間において、ミリテスラ(mT)の範囲の束密度レベルを生成するワイヤレス電力伝達システムに関する安全問題と見なされなければならない。
【0049】
いくつかの実施形態では、所定の空間における物体(たとえば、金属物体)の存在は、電気導体の少なくとも1つのループ(センスループまたはセンスコイル、たとえば、以下で説明するようなセンスコイル402またはセンスコイル702)を使用することによって、また測定可能な特性、たとえば、この少なくとも1つのセンスループの等価インダクタンス、等価抵抗、またはインパルス応答における変化を測定することによって、誘導的に検出され得る。本明細書で説明するセンスループ、センスコイル、または外来物体検出(FOD)システムは、ワイヤレス電力受信機(たとえば、電気車両誘導コイル116)またはワイヤレス電力送信機(たとえば、ベースワイヤレス充電システム102a)に内蔵されてよい。いくつかの実施形態では、FODシステムはまた、非統合的なスタンドアロン(離散的)ソリューションに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力受信機または送信機は、「サーキュラ」型のカプラである。このカプラの型は、例示的なものであり、組込みソリューションはそれに限定されないと解釈されるべきである。この例示的なカプラは、コイル構造(たとえば、銅リッツ線で作製される)、フェライト構造(たとえば、ソフトフェライト材料)、および導電性バックプレート(たとえばアルミニウム)から構成される。本明細書の説明および図面では、簡単のために単一の外来物体が想定されているが、2つ以上の外来物体が所定の空間内で検出されてもよい。センスループに近接された十分なサイズの物体(たとえば、金属物体)は、電流で駆動されるときにこのセンスループによって生成される磁場強度H、および束密度Bを変化させることがあり、したがって、センスループの測定可能な特性のうちの少なくとも1つを変化させることもある。したがって、いくつかの態様では、物体の存在は、物体の不在時に測定される同じ特性(参照測定)に対して、少なくとも1つの測定される特性において差を検出することによって検出されてもよい。参照測定は、外来物体検出システムを較正するプロセスにおいて取得されてもよい。
【0050】
しかしながら、高まる検出感度の要求に対し、少なくとも1つの測定された特性において差を検出するこのアプローチは、限界に達している可能性もある。いくつかの態様では、外来物体を、ワイヤレス電力伝達システムの感知範囲内にある任意の他の金属製または強磁性構造と識別することは、どちらもセンスループの特性に同様に影響を与え得るために、可能とならないこともある。このことは、構造が移動しているかまたはその電気的および磁気的性質を変化させており、そのため、センスループの特性に対する影響も同様に変化している場合に特に当てはまり得ることであり、したがって較正プロセスにおいて簡単には無効化され得ない。
【0051】
電気車両112の下方の地上でベースワイヤレス充電システム102aを用い、またベースワイヤレス充電システム102aに組み込まれた少なくとも1つのセンスコイルを用いる電気車両充電用途において、センスループの特性を変化させ得るそのような金属製構造は、電気車両誘導コイル116または車両のアンダーボディであり得る。加えて、ベースワイヤレス充電システム102a内の導電性または強磁性構造もまた、センスコイルの電気的パラメータを変化させ得る。変化は、たとえば、機械的応力および/もしくは変化する温度によって生じる微小運動に起因し得るか、または、たとえば温度が変化する結果としての、これらの導電性もしくは強磁性構造の電気的および/もしくは磁気的材料特性の変化に起因し得る。さらに、センスコイル自体は、センスコイルが中に埋め込まれている誘電体材料の機械的応力、温度効果、または特性の変化に起因して、その電気的パラメータを変化させ得る。
【0052】
環境が変化する効果は、(本質的には2次元空間において)表面の近くにある金属物体を検出するように設計されたシステムにおいては重要性の低いものであり得るが、感度を向上させるように、たとえば、拡張された(3次元)空間において金属物体を検出するように設計されたシステムにおいては著しい影響を及ぼし得る。
【0053】
上記で定義したカテゴリの外来物体は、十分に強い交番磁場に曝露されたときに生じるような温度変動によって検出されてもよい。このことは、物体の温度が曝露オンサイクルと曝露オフインターバルに明確に追従するような方式で、磁場曝露を間欠的に施すことによって、物体の温度が刺激される場合に、特に当てはまり得る。
【0054】
ほとんどの金属の導電率および透磁率は一般に、温度
【0056】
の関数である。ほとんどの金属は、それらの抵抗率
【0058】
に関して、相当に線形の温度挙動を示し、以下のTable 1(表1)に示すような0.003〜0.006 1/Kの範囲の線形温度係数を有する。
【0060】
たとえば、コンスタンタン、すなわち、非常に低い温度係数を示すニッケル銅合金などの少数の例外はある。線形温度モデルは次のように表され得る。
【0064】
は、基準温度、たとえば300Kを示す。線形則の妥当性を仮定すると、
【0066】
の温度上昇は、0.005の温度係数を有する金属の電気抵抗を50%変化させることになる。
【0067】
金属の透磁率は一般に、単純な線形モデルでは近似され得ない、より複雑な挙動を示し得る。導電率および透磁率は、センスコイルの特性の変化に関与する材料特性であるので、物体の存在が測定可能な効果を発揮するとすれば、物体の温度の変化もまた、センスコイルの特性の変化に反映される。そのような変化は、物体の存在が少なくとも1つのセンスコイルの特性に相当に影響を及ぼす場合、物体の温度が相当に、たとえば少なくとも100Kの範囲にわたって変化する場合、または、交番磁場に曝露されたときに、物体の温度が金属性の環境の温度よりも迅速に(より大きな時間勾配)変化する場合、たとえば、妥当な複雑さおよびコストの分析器回路を用いて、場合によっては測定され得る。
【0068】
誘導性熱感知は、実質的に3次元に延びる所定の空間において上記で定義されたカテゴリの物体を検出することが可能な、拡張された外来物体検出(FOD)回路に対する解決策を場合によってはもたらし得る。このカテゴリは、上記で説明したように、磁場に曝露されると渦電流に起因して単位質量当たりに相当な電力を散逸させ、比較的低い熱容量を有し、そのため、磁場に曝露されると環境にある金属構造よりも迅速に昇温するか、または、上記の数値で与えられる程度の大きさ(たとえば、0.003〜0.006)の温度係数を有する金属を含むか、もしくは温度とともに相当に変動する透磁率を有する強磁性材料を含む金属物体を含み得る。
【0069】
図4は、外来物体検出のための例示的な回路400の図である。回路400は、誘導性センスコイル402を含み、この誘導性センスコイル402は、1つまたは複数のループのコイルと、磁場
【0071】
415に曝露された外来金属物体450とを含み得る。誘導性センスコイル402は、電圧v
s(t) 406およびセンス周波数(f
s)において正弦波信号源404によって励振され、結果としてセンス電流i
s(t) 408を生じ得る。磁場
【0073】
415は、誘導性電力伝達(IPT)周波数(f
ipt)において動作するワイヤレス電力伝達システムによって発生された磁場であってもよい。曝露場、すなわち磁場
【0075】
415は、ベースワイヤレス充電システム102a(ベースパッド)によって、もしくは電気車両誘導コイル116(車両パッド)によって生成されるような磁場であってもよく、または、たとえば電力伝達の間と同様に、両方の磁場の合計であってもよい。
【0078】
415は、f
iptにおいて、電気伝導率
【0080】
410を有する金属物体450の中へと渦電流を誘起し、これが温度の相当な上昇を引き起こし得る。この誘導加熱効果は、金属物体450もまた鉄や鋼鉄などの1よりも大きい比透磁率
【0082】
412を有する強磁性体である場合に、より強くなり得る。渦電流の表皮厚さδは、
【0084】
と表され得るものであり、μ
rを増大させるとともに減少し、ここでμ
0は透磁率定数であり、したがって、渦電流によって経験される抵抗が増加する。材料特性σとμ
rはともに、一般には
【0091】
図5は、ワイヤレス電力伝達システムの例示的な等価直接回路500の図である。等価直列回路500は、誘導センスコイル(センスコイル402)の電圧516を有する正弦波励振515の定常状態でf
sにおいて適用可能となり得る。等価直列回路500は、システムの全体的なエネルギー蓄積効果を表す直列インダクタンスL
SC 505と、システムの全体的な損失効果を表す直列抵抗R
SC 510とを備える。等価直列回路500はまた、無物体インダクタンスL
SC,0と無物体抵抗R
SC,0とに、そして微分インダクタンス
【0095】
511とに分解される直列インダクタンスL
SC505と直列抵抗R
SC 510とを備える。無物体インダクタンスL
SC,0および無物体抵抗R
SC,0は、外来物体の不在時のインダクタンスおよび抵抗をそれぞれ意味する。微分インダクタンス
【0099】
511は、センスコイルの影響圏において金属物体によって作用される効果を表す。物体の導電率と透磁率の少なくとも一方が温度
【0101】
の関数である場合、微分インダクタンス
【0105】
511もまた一般に、物体(たとえば外来物体450)の温度
【0108】
図6は、曝露サイクルと、物体の温度の様々な予想時間経過と、センスコイルの特性を示すタイムチャートである。
図6に示すように、外来物体(たとえば外来物体450)は、交番磁場に間欠的に曝露される。この検出方法は、「刺激」誘電性熱感知に基づくものであり、ここでは最低でも、刺激は、曝露オフ時間が後に続く少なくとも1つの曝露オンサイクルからなり得る。
図6はまた、曝露時間プロファイル
【0112】
601の典型的な指数関数的時間変動を示し、ここで、
【0116】
のエンベロープを示す。図示のように、物体の温度応答
【0118】
601は、曝露オンサイクル606の間は増加し、曝露オフインターバル607の間は減少する。
図6はまた、センスコイルの等価インダクタンスL
sc+ΔL
sc(t) 610および抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615の、結果として得られる時間変動を示している。図示のように、等価インダクタンスL
sc+ΔL
sc(t) 610と抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615はともに、曝露オンサイクル606の間は増加し、曝露オフインターバル607の間は減少する。これらの変動は、場合によっては対象となる外来物体を示し得るものであり、センサの環境においてそのような物体を他の金属構造と識別するための独特のシグネチャとして用いられてもよい。
【0119】
たとえば、ある例示的な実施形態では、センスコイル402の特性のうちの少なくとも1つ、たとえば等価抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615が絶えず測定され、開始点を含む曝露サイクルの少なくとも何分の1かの時間期間(たとえば、オンサイクル606とオフインターバル607)にわたって記録される。外来物体450の有無を判定するために、一実施形態では、抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615の少なくとも1つの記録された時間経過が曝露時間プロファイル
【0121】
605と比較されて、適切なメトリックを用いて定量化され得るコインシデンスまたはコヒーレンシが発見される。別の例示的な実施形態では、この比較は相関である。抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615または他のセンスコイル402の特性の記録された時間経過は、曝露時間プロファイル
【0123】
605と相関される。さらなる例示的な実施形態では、相関は、センスコイル402の特性のうちの少なくとも1つの記録された時間経過の時間微分、たとえば1次微分d/dt(時間勾配)の少なくとも1つを用いて実施される。
【0124】
いくつかの実施形態では、温度の指数関数的な減少/増加を伴う1次温度モデルの妥当性を想定すると、センスコイル402の特性のうちの1つ(たとえば、等価抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615)の増加/減少の時定数が、センスコイル402の環境において外来金属物体450を金属構造と識別するために有用なさらなる特性となり得る。一態様では、センスコイル402の特性のうちの少なくとも1つ、たとえば等価抵抗R
sc+ΔR
sc(t) 615が絶えず測定され、開始点を含む曝露サイクルの少なくとも何分の1かの時間期間にわたって記録される。外来金属物体(たとえば外来物体450)を検出するために、ワイヤレス電力伝達システムは、等価抵抗の時定数を、指数則を想定して推定し、その推定値を測定値と比較し、その差が許容可能なしきい値内にあるかどうかを判定し得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、センスコイル402の等価インダクタンスを代表するものと見なされ得る量が、センスコイル402およびキャパシタによって形成される共振回路の共振周波数に実質的にある周波数f
sを決定することによって測定されてもよい。この周波数は、測定ポートにおいて「見られる」ような共振回路のインピーダンス
【0129】
が、いくらかの許容差Δφ
tolで設定値φ
refを満たす場合の周波数として定義されてもよい。この設定値は、好ましくは、-30°から+30°の範囲内で選定され得る。センスコイル402の等価抵抗を代表するものと見なされ得る量が、周波数f
sで測定されるインピーダンスの大きさ(絶対値)
【0131】
を計算することによって決定され得る。
【0132】
上記の量を測定することは、ノイズおよび他の線形または非線形の妨害効果を抑制するために、適切なフィルタリングおよび/または平均化を必要とし得る。センスコイル402を備えるセンス回路に対する好適な共振周波数(センス周波数)の選定は、特別な注意を必要とし得る。IPTシステムの基本および高調波ノイズは、所望の感度を達成するために測定信号の適切なフィルタリングを必要とするFODシステムの感度を場合によっては低下させ得る。いくつかの実施形態では、f
IPTを大きく上回る、たとえば1MHzのセンス周波数が望ましくなり得る。その主目的が金属物体(たとえば外来金属物体450)を検出することであるFODシステムの場合、センス周波数は、過度に高く、たとえば10MHz超に選定されるべきではなく、他の場合は、センスコイル402は、電場にも敏感となり得(容量性感知)、したがって非金属性の誘電物体(たとえば、水、雪、氷)にも敏感となり得る。
【0133】
図7は、例示的な実施形態による、外来物体検出(FOD)システム700の概略図である。この実施形態では、外来物体検出システム700は、IPTシステムの一部、たとえば、外来物体728を交番磁場
【0135】
725にさらすために電流I
IPT 721を生成するIPTの電源722であり、またその一部を再使用する。外来物体検出システム700は、測定ポート710に関して、また好ましくは1MHz〜10MHzの範囲内の共振周波数に対してキャパシタC
res 704と直列同調されるセンスコイル702を備える。外来物体検出システム700はまた、f
IPT、たとえば150kHz未満で誘起される電圧を低減するように働くシャントインダクタL
sh 706を備えて、測定ポート710における高い妨害電圧を防止している。シャントインダクタL
sh 706のインダクタンスは、f
IPTにおける誘起電圧を抑制するために必要なだけ低く、しかし、f
sにおけるごく少量のセンス電流のみがシャントインダクタL
sh 706によってバイパスされるように十分に高く選定され得る。
【0136】
必要に応じてセンス信号を生成してインピーダンス
【0138】
を測定するために、FODシステム700は、発振器周波数f
sを制御するための入力を提供する正弦波信号発振器712を使用する。発振器712は、実質的に、直列抵抗R
ser 711を介して測定ポート710に接続された電圧源として働き得る。この構成は、測定ポート710のインピーダンスが極めて低くなり得る共振周波数でまたはその近くで動作するとき、センス電流I
s 714を制限し得る。
【0142】
を決定するために必要なセンス電圧717およびセンス電流714は、センスコイル702の等価インダクタンスおよび抵抗への影響を最小限にして、それぞれ電圧トランスデューサ715および電流トランスデューサ716によって測定される。各々は、その出力において、センス電圧V
s 717およびセンス電流I
s 714の振幅および位相をそれぞれ表す信号を提供している。
【0143】
電圧トランスデューサ715と電流トランスデューサ716の出力はともに、必要な分解能で商
【0145】
を計算することによって、残留する低周波数成分と高調波ノイズをさらに抑制して、インピーダンス
【0147】
を計算するためのインピーダンス計算器732に必要なだけクリーンな信号を提供するために、フィルタ730においてフィルタリングされる。出力位相φ
s734が次いで、出力位相φ
s734を基準位相φ
ref 737と比較し、その差φ
s - φ
refをループ制御器738に出力する位相比較器735によって使用されるが、この差は、発振器712の周波数を調節するためにループ制御器738によって必要とされる制御ループ誤差である。ループが周波数f
sで安定しているとき、制御ループ誤差は、許容差|φ
s-φ
ref|<Δφ
tol内にあるはずである。
【0148】
周波数f
sのループ制御器738の出力はまた、外来物体728の存在を判定するために使用され得る評価ユニット740に送信される。インピーダンス
【0150】
の絶対値および出力位相φ
s 734は評価ユニット740に送信される。評価ユニット740は、たとえば、周期的に測定される量f
s、
【0152】
、φ
sなどの時系列(シーケンス)を評価することによって、f
sまたは
【0154】
の時間シーケンスを曝露時間関数と相関させることによって、また検出仮説H
i 750を最終的に決定することによって、物体の存在を判定する。
【0155】
外来物体728の時間変動はまた、Δφ
tolよりも小さい位相φ
s 734のかすかな変化において明らかとなり得、したがって周波数制御ループ738によって補償されないことがある。別の例示的な実施形態では、評価ユニット740はさらに、外来物体728の存在を判定するために、測定したφ
s 734の時間シーケンスを使用し得る。
【0156】
また別の例示的な実施形態では、評価ユニット740は、IPT電源722に対する制御を想定し、曝露制御信号741を送信することによって、磁場曝露を制御し得る。いくつかの態様では、評価ユニット740はまた、少なくとも1つのセンスコイル702によって感知された曝露サイクルの正確なタイミングおよび強度を示すフィードバックを受信および使用する。このフィードバックは、f
IPTでセンスコイル702の中に誘起される電流I
ind 703を表す信号I'
ind 739を介して達成される。いくつかの態様では、L
sh 706は電流I
ind 703を十分にはバイパスし得ず、そのため、I
ind 703のうちの小さいが測定可能な部分が電流トランスデューサ716を通じて流動する。信号I'
ind 739はまた、サンプルf
s、
【0158】
736およびφ
s 734の測定値を、IPTシステムによって生成される低周波磁場725と同期させるために、またより少量のノイズまたはより小さな妨害電圧/電流が存在する時間位相の利点を利用するために使用され得る。
【0159】
評価ユニット740はまた、IPT電源722によって提供される基準信号724を受信し得る。この基準信号724は、たとえばIPTコイル720に送達されるIPT電力信号の大きさ、位相、および周波数に関する情報を提供し得る。外来金属物体は一般に、物体の周囲の磁場の大きさと位相をも変え得るので、I'
ind 739とともに、この基準信号724は、外来物体728の存在を検出するのに有用となり得る。しかしながら、基準信号724はまた、信号I'
ind 739と同様に、同期の目的にも使用され得る。検出されるべき最小の物体のサイズよりもはるかに大きいエリアをカバーするため、FODシステム700は、所望の感度を与えるために、複数の、たとえばセンスコイル702の規則的アレイを必要とし得る。量f
s
【0161】
およびφ
sが次いで、各検知コイル702ごとに個別に測定され得る。2次元の規則的アレイを形成するために、等しいサイズのセンスコイル702が行と列に配列され得る。センスコイル702は、重なっていても重なっていなくてもよい。
【0162】
同じかまたは同等の共振周波数に同調された複数のセンスコイル702を使用することは、f
s、
【0164】
およびφ
sの測定値の時分割多重化を必要とし得、つまり、相互干渉の理由で、1つのセンスコイル702しか一度にアクティブになり(電流駆動され)得ないことを意味する。加えて、配列のセンスコイル702は、ある程度まで結合され得る。このことは特に、隣接するセンスコイル702に関して、また、同様にセンス周波数で磁束を伝導する大きなフェライト構造を有するIPTカプラ(ベースワイヤレス充電システム102a)に配列が組み込まれる場合に当てはまる。いくつかの態様では、相互干渉は、すべてのセンスコイル702またはセンスコイル702のグループを実質的に異なる共振周波数に同調することによって減少され得る。そうすることにより、配列の少なくとも2つのセンスコイル702の併用(周波数多重化)が可能となり得る。
【0165】
共通の共振周波数に基づく実装形態は、測定ポート710を備える測定回路から使用されていないセンスコイル702を切断する、
図8A〜
図8Fに関してさらに説明するようなマルチプレクサ(スイッチ)を必要とし得る。多重化/スイッチングは、以下で図示および説明するように、センス回路の種々の段で実施され得る。
【0166】
いくつかの態様では、センスコイル702のリアクタンス補償(同調)トポロジが、いくつかの利益をもたらし得る。
図7に示す例示的な実施形態は、直列同調に基づいている。スイッチング/多重化はキャパシタC
res 704およびシャントインダクタL
sh 706の後に実施され、結果としてマルチプレクサスイッチに対する電圧要件が軽減され得るので、直列同調は、並列同調と比べて多重化/スイッチングにより好適となり得る。いくつかの態様では、C
res 704とL
sh 706は、IPT周波数における誘起電圧のための電圧分割器を形成する。したがって、直列のトポロジは、たとえば、限られた電圧範囲を有するアナログスイッチ(たとえばFETスイッチ)の使用に特に有利と考えられ得る。さらに、センス信号源712から切断された直列共振回路は、完全に離調され、したがって使用中のセンス回路に悪影響を及ぼし得ない。さらに、使用されていないが、実質的に使用中のセンス回路の周波数で共振している任意のセンス回路は、使用中のセンス回路からエネルギーを吸収する寄生共振として働き、したがってその固有の感度を低下させ得る。
【0167】
しかしながら、スイッチング/多重化が並列キャパシタの前に、たとえば直接、センスコイル702の端子において実施され、より高い定格電圧を有するスイッチ/マルチプレクサが必要となる場合、または、センスコイル702が上記で説明したように異なる共振周波数に同調される場合、並列同調が同様に使用され得る。
【0168】
図8A〜
図8Fの概略図は、複数のセンスコイルに基づいた例示的な実施形態による、FODシステムのための種々の多重化および同調構成を示している。
図8Aは、直列同調に関連するセンス回路800の図であり、センスループ702とキャパシタC
res 704との間のマルチプレクサ805を示している。この構成では、電流トランスデューサ716とセンス信号源712とを含む測定回路は、N番のセンスコイル702に共通するものであり、結果として回路全体の複雑さが低減されている。しかしながら、この構成は、定格電圧および挿入抵抗の面で、マルチプレクサ805のスイッチに高度な要件を課し得る。センスコイル702の固有の感度を保存するために、後者は理想的には、たとえばセンスコイル702の等価直列抵抗の1/4を超えるべきではない。
【0169】
同じ多重化構成であるが、並列同調のためのものである多重化構成が
図8Bの略図に示されている。この構成は、結果として同様の複雑さを生じ、マルチプレクサ805の定格電圧および挿入抵抗に関して、同等に厳しいものである。測定がセンス電圧の最小値およびセンス電流の最大値で実施される直列共振とは対照的に、並列共振は、電圧最大値および電流最小値で測定を実施することを必要とする。
【0170】
図8Cは、直列同調を示すセンス回路802の図であり、キャパシタC
res,1 704およびインダクタL
sh,1 706の後方に配置されたマルチプレクサ806を示している。C
res,1 704およびインダクタL
sh,1 706がここではセンスコイル702ごとに個別となるため、この構成は複雑性の増大を示し得る。この構成は、マルチプレクサ806の挿入抵抗に関して同等に厳しいものであるが、定格電圧に対してはるかに小さい要件を課し得る。
【0171】
図8Dは、
図8Cと同じ多重化構成であるが並列同調のためのものである多重化構成を有するセンス回路803の図である。この構成は、結果として同様の複雑さを生じ、マルチプレクサ806の定格電圧に対して同様の要件を課し得るが、共振電流がスイッチを通過しなくなるので挿入抵抗に関する厳しさは軽減され得る。1つの欠点は、上記で説明したように、相当に異なる共振周波数にセンス回路803を同調させる必要性であり得る。電場上における低感度の要件と衝突し得る上位のエッジ周波数を用いると、センスコイル702の番号Nに応じて、比較的広い周波数帯域が必要とされ得る。
【0172】
図8Eは、直列同調構成をなす電圧/電流トランスデューサ715/716と信号源712との間のマルチプレクサ815を示すセンス回路810の図である。この構成では、測定ユニット850は電圧トランスデューサ715および電流トランスデューサ716から出力を受信し、測定ユニット850の出力はマルチプレクサ860に送信され、ここで、その出力は、他のNの測定ユニット850からの出力と多重化される。マルチプレクサ860は次いで、その出力をループ制御器(たとえばループ制御器738)、評価ユニット(たとえば評価ユニット740)などに送信する。いくつかの実施形態では、信号源712を除いて、同調、シャント、および測定ユニット850が、センスコイル702ごとに個別のものであり得、結果として全体的な回路の複雑性が比較的高くなり得る。しかしながら、この構成は、マルチプレクサ815および860の定格電圧および挿入抵抗に対して、より低い要件を課し得る。
【0173】
図8Fは、測定ユニット850と信号源712との間のループ制御器838を示すセンス回路811の図である。この実施形態では、完全なセンス回路811は、センスコイル702ごとを基準とし、センス回路811内に多重化はまったく存在しない。しかしながら、測定ユニット850の出力は、次いで評価ユニットまたは他の回路に送信される物理的または論理的多重化(たとえばマルチプレクサ861)を必要とし得る。未使用のセンス回路811が使用中のセンス回路811に悪影響を及ぼさないようにするため、低性能スイッチ816は、センスコイル702を信号源712から切断するために依然として必要とされ得る。
【0174】
すべての上記の概念および
図8A〜
図8Fの実装形態は、共振センス回路、連続正弦波信号源712を使用し、少なくとも量f
s、
【0176】
を、センスコイル702のインダクタンスおよび抵抗ならびにそれらの変化を表すものと見なして測定する。この測定方法はまた、減衰した共振の複素共振角周波数S
s = σ
s + jω
sを測定することに相当すると見なされてもよく、ここで、係数σ
sは
【0178】
に関連付けられ、ω
s = 2πf
sである。
【0179】
しかしながら、外来物体728の存在はまた、センスコイル702の特徴的なインパルス応答を解析することによって検出され得る。この基本的な方法はまた、外来物体728がそれらの温度変動によって検出される誘導性熱感知にも適用され得る。外来物体728の存在は、したがってその温度の変化は、少なくとも1つのセンスコイル702の特徴的なインパルス応答を変化させ得る。この方法は、共振同調を必要としないことがあり、短い時間期間にわたってDC電圧源を介して電流充電されたセンスコイル702を使用して達成され得る。
【0180】
図9は、本明細書で説明する例示的な実施形態による、インパルス応答法に基づいた外来金属物体検出システム900の概略図である。このシステムは、タイマ回路916と、電流充電時間を規定するパルス発生器914と、充電パルスを実行するスイッチ913と、センスコイル702を充電するためのDC電圧源V
DC 912と、放電期間中にセンスコイル702にかかる電圧v
S(t) 917を測定するための電圧トランスデューサ915と、既定の方式でセンスコイル702を放電するためのシャント抵抗R
sh 904と、対象の範囲を越えるレベルで測定信号をクリッピングし、測定増幅器922が飽和するのを防止するリミッタ920と、インデックスk = 1...Kとして既定の時刻T
0 + T
kで電圧応答信号v'
S(t)をサンプリングするためのサンプラー924とを備え、ここで、Kは、インパルス応答当たりの取得サンプル数を示す。いくつかの実施形態では、時間T
0において、センスコイル702は、スイッチ913によってDC電圧源912から切断され、既定のシャント抵抗R
sh 904を介した放電が開始される。センスコイル702を介して測定される電圧v
S(t) 917は、対象の範囲を越えるレベルでリミッタ920によってクリッピングされ、測定増幅器922が飽和することが防止され得る。電圧応答信号v'
S(t)は次いで、少なくとも1つの既定の時刻T
0 + T
kにサンプラー924によってサンプリングされる。サンプラー924は、タイマ回路916からサンプリング時点T
0 + T
kを受信する。少なくとも1つの時間サンプルv'
S(T
0 + T
k)が次いで評価ユニット940に送信されて、検出仮説H
i 950が決定される。
【0181】
いくつかの実施形態では、金属物体728の存在は、電圧パルス914をセンスコイル702に周期的に印加することによって、また少なくとも1つの既定の時刻T
0 + T
kに各インパルス応答v'
S(t)をサンプラー924においてサンプリングすることによって、また、最終的に検出仮説H
i 950をも決定する評価ユニット940によって少なくとも1つの時間サンプルv'
S(T
0 + T
k)の時間シーケンスを曝露時間プロファイル(たとえば、
【0183】
605)と相関させて、少なくとも1つの時間サンプルv'
S(T
0 + T
k)の時間シーケンスを評価することによって判定される。
【0184】
別の例示的な実施形態では、システム900は、IPT周波数に従って電圧パルス914のタイミングを調節し、また、たとえば、センスコイル702によって拾い上げられるノイズが最低レベルとなる時間に、IPT周波数と同期してインパルス応答を測定する。
【0185】
いくつかの実施形態では、インパルス応答法を複数(配列)のセンスコイル702に拡張することは、センス回路内に余分なマルチプレクサを必要としないこともある。センス回路ごとに個別のものであり得るパルススイッチ913は、たとえば、パルスが一度に1つのセンスコイル702にしか印加されないという点で、多重化機能を引き受け得る。DC電圧源912は、複数のセンスコイル702に共通のものであってもよい一方で、シャント抵抗R
sh 904および電圧トランスデューサ915、ならびにリミッタ920はまた、センスコイル702ごとに個別のものであってもよい。感知された電圧の多重化は、リミッタ920の後方で実施されてもよく、さらには、信号が、たとえばサンプラー924の一部としての増幅器922によって増幅された後に実施されてもよい。
【0186】
いくつかの実施形態では、誘導性熱感知に基づくFODは、まず、たとえば電気車両112を充電する目的で通常の誘導性電力伝達を開始する前に適用され得る。FODによって外来物体728の存在が判定されると、システムは、誘導性熱感知を停止し、通常の誘導性電力伝達を開始しない。通常の電力伝達の間、IPTシステムは、少なくとも1つの他の検出法、たとえば、重要空間に進入する物体を、たとえば時間差アプローチに基づいて検出するのに好適である方法を採用し得る。これは、別の誘導性感知法、レーダーベースの方法、動きベースの方法、および任意の他の感知法のうちのいずれかであり得る。FODシステムがトリップする場合、FODシステムは、まず通常の電力伝達を中止し、間欠的な磁場曝露を用いて誘導性熱感知を再適用することによって、この検出を検証し得る。このことは、低信頼度で検出する場合に当てはまり得る。外来物体の以前の発見が確認された場合、IPTシステムは通常の誘導性電力伝達を中止し、そうでない場合は、通常の電力伝達を再活動化する。
【0187】
システムの実装形態に応じて、誘導性熱感知の目的に必要となる磁場曝露(たとえば、磁場
【0189】
725)は、有効電力を負荷、たとえば電気車両112の電池に伝達することによって生成されてもよく、あるいは、ベースパッド(ベースワイヤレス充電システム102a)と車両パッド(電気車両誘導コイル116)の少なくとも一方を十分に強い電流で駆動することによって、本質的に無効電力によって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導性熱感知の目的で必要となる磁場曝露は、有効電力を負荷に伝達することによって生成される。いくつかの態様では、誘導性熱感知は、曝露サイクル中の危険な状況を防ぐためにより慎重に適用され得る。いくつかの実施形態では、磁場曝露は、重大でないレベルで開始し得る。異常な挙動が検出されない場合、FODシステムは、磁場曝露のレベルをサイクル間で連続的に増加させ得る。
【0190】
特定のカテゴリの物体、特により大きな熱容量を有する物体(ゆっくり昇温する物体)に対し、上記で説明したような刺激誘導性熱感知は、十分な検出性能をもたらさないことがある。ゆっくりと昇温する物体は、他の攪乱温度効果と、たとえば環境内の金属構造と容易には区別されないことがある。
【0191】
ゆっくりと昇温する物体を検出するための例示的なFODシステムは、外来金属物体728とセンサ環境内の金属構造とを区別するために、複数のセンスコイル702から取得された少なくとも1つの特徴の記録されたタイムシーケンスを比較し得る。センスコイル702のうちの大部分の時間経過が、曝露サイクルとの同様の相関を示す場合、システムは、環境効果が生じていると結論し得る。しかしながら、センスコイル702のうちの少数の時間経過のみが顕著な相関を示す場合、システムは、潜在的な外来金属物体728からの効果を想定し得る。このアプローチは、空間差アプローチと見なされてもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、FODシステムは、複数のセンスコイル702を使用し、第1のセンスコイル702から得られた第1の相関結果を、少なくとも1つの第2のセンスコイル702から得られた少なくとも1つの第2の相関結果と比較し得る。第1の相関結果と少なくとも1つの第2の相関結果との差が、既定のしきい値を超える場合、システムは、外来金属物体728の存在を結論し得る。
【0193】
いくつかの態様では、センスコイル702の環境内の金属構造、たとえば車両112のアンダーボディが、一時的に移動し得る。このことは、たとえば、人員が車両112に乗車もしくは降車するとき、または車両112が荷を積まれるかもしくは荷を降ろされるときに生じ得る。これらの移動は、刺激誘導性熱感知のために実施されることが必要となり得る測定を攪乱し得る。センスコイル702の配列を想定すると、これらの攪乱は、センスコイル702のすべてまたは少なくとも大多数で発生すると予想され得る。いくつかの実施形態では、FODシステムは、センスコイル702の大多数に攪乱が検出された場合に、刺激誘導性熱感知を中止してもよい。
【0194】
図10は、本明細書で説明するいくつかの実施形態による、物体の存在を検出するための例示的な方法1000のフローチャートである。方法1000は、
図4〜
図9を参照しながら上記で説明した回路および/またはデバイスに関して本明細書で説明されるが、方法1000が他の適切なデバイスおよびシステムによって実装され得ることを当業者は諒解されよう。方法1000は、特定の順序を参照して本明細書で説明されるが、様々な実施形態では、本明細書のブロックが異なる順序で実施されるか、または省略されることがあり、さらなるブロックが追加されることがある。
【0195】
動作ブロック1002は、物体が交番磁場に曝露されているときに物体の温度の関数として変動するコイルの電気的特性に基づいて、物体の存在を感知することを含む。動作ブロック1004は、電気的特性における変化を検出することを含む。
【0196】
図11は、本明細書で説明するいくつかの実施形態による、物体を検出するための装置1100の機能ブロック図である。装置1100が
図11に示す簡易化されたブロック図よりも多くの構成要素を有し得ることを、当業者は諒解されよう。
図11は、特許請求の範囲内の実装形態のいくつかの顕著な特徴を説明するのに有用な構成要素のみを含む。
【0197】
この装置1100は、物体が交番磁場に曝露されているときに物体の温度の関数として変動するコイルの電気的特性に基づいて、物体の存在を感知するための手段1102を備える。いくつかの実施形態では、感知するための手段1102は、センスコイル702(
図7)によって実装され得る。いくつかの実施形態では、感知するための手段1102は、ブロック1002(
図10)の機能を実施するように構成され得る。この装置1100は、電気的特性における変化を検出するための手段1104をさらに備える。いくつかの実施形態では、検出するための手段1104は、評価ユニット740(
図7)によって実装され得る。いくつかの実施形態では、検出するための手段1104は、ブロック1002(
図10)の機能を実施するように構成され得る。
【0198】
上で説明された方法の様々な動作は、様々なハードウェア構成要素および/もしくはソフトウェア構成要素、回路、ならびに/またはモジュールのような、動作を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行され得る。一般的に、図に示されている任意の動作は、その動作を実施することができる対応する機能的手段によって実施することができる。
【0199】
様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して、情報および信号が表され得る。たとえば、上記説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルおよびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光学場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0200】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、および方法ステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、全般にそれらの機能に関してこれまで説明されてきた。そのような機能がハードウェアとして実現されるか、ソフトウェアとして実現されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられる設計制約によって決まる。説明した機能は、特定の適用例ごとに様々な方法で実装できるが、そのような実施形態上の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を生じさせると解釈すべきではない。
【0201】
本明細書において開示されている実施形態に関連して説明されている様々な実例ブロック、モジュールおよび回路は、本明細書において説明されている機能を実施するために設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組合せを使用して実現または実施することができる。汎用ハードウェアプロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替形態では、ハードウェアプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。ハードウェアプロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえばDSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0202】
本明細書で開示される実施形態に関して説明される方法および機能のステップは、直接ハードウェアで具現化されても、ハードウェアプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化されても、またはその2つの組合せで具現化されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、または送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野において既知の任意の他の形の記憶媒体内に存在し得る。記憶媒体は、ハードウェアプロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、かつ記憶媒体に情報を書き込むことができるように、ハードウェアプロセッサに結合される。代替形態では、記憶媒体はハードウェアプロセッサと一体であり得る。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生する一方、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記のものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。ハードウェアプロセッサおよび記憶媒体は、ASIC中に存在し得る。ASICは、ユーザ端末中に存在し得る。代替形態では、ハードウェアプロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中の個別の構成要素として存在し得る。
【0203】
本開示の概要を述べるために、いくつかの態様、利点、および新規の特徴について本明細書で説明してきた。任意の特定の実施形態に従って、そのような利点の必ずしもすべてを実現できない場合があることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に教示される1つの利点または利点の群を、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも実現することなく実現または最適化するように具現化または実行され得る。
【0204】
上記で説明した実施形態への様々な修正が容易に明らかになり、本明細書で定義する一般原理は、本出願の趣旨または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって本出願は、本明細書において示された実施形態に限定されることは意図されておらず、本明細書において開示された原理および新規な特徴と無矛盾の最も広義の範囲と一致するものとする。