特許第6566447号(P6566447)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6566447バッテリー挿入を自動検知するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566447
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】バッテリー挿入を自動検知するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190819BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20190819BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   H02J7/00 S
   H02J7/00 301B
   H01M2/10 E
   H01M10/42 P
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-3919(P2017-3919)
(22)【出願日】2017年1月13日
(62)【分割の表示】特願2014-508161(P2014-508161)の分割
【原出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2017-112829(P2017-112829A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2017年2月10日
(31)【優先権主張番号】61/480,286
(32)【優先日】2011年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/522,203
(32)【優先日】2011年8月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510034982
【氏名又は名称】ゾール サーキュレイション インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Circulation,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リチャード スミス
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー レスニック
【審査官】 猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−164057(JP,A)
【文献】 特開2004−320982(JP,A)
【文献】 特開平09−289735(JP,A)
【文献】 特開2006−254650(JP,A)
【文献】 特開2002−238176(JP,A)
【文献】 特開平07−029554(JP,A)
【文献】 特開2009−229270(JP,A)
【文献】 特許第2556903(JP,B2)
【文献】 特表2004−534574(JP,A)
【文献】 特開平10−143295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0284383(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0207361(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0177793(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0208850(US,A1)
【文献】 米国特許第05477130(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H01M 2/10
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー・パックにおけるバッテリー内に配置されたバッテリー接続検知回路であって、前記バッテリー・パックは、低い内部抵抗を有し、前記バッテリー・パックは、前記バッテリーにより電力を供給される装置に前記バッテリーを接続するためのコネクタを有し、前記バッテリー接続検知回路は、
第1の基準電圧源および第2の基準電圧源と、
前記第1の基準電圧源によって高く駆動される検知回線と、
前記第2の基準電圧源からの信号を前記検知回線上の信号と比較してバッテリーとの接続を検知するための比較回路であって、該検知回線上の該信号が低くなったときに該比較回路の出力が低くなる、比較回路と、
前記検知回線と前記比較回路との間に接続された、極性とは独立した電圧の制限回路と、
低い内部抵抗を有するスイッチであって、前記バッテリー・パックが前記装置に接続されていないときに前記コネクタ間からの電圧を防止するために、前記コネクタから前記バッテリーを隔離するための前記比較回路により制御される、スイッチと
を備え、
前記第1の基準電圧源は、前記比較回路の第1の入力である正の入力に接続され、前記第2の基準電圧源は、前記比較回路の第2の入力である負の入力に接続され、前記極性とは独立した電圧の制限回路は、前記比較回路の前記正の入力に接続される、バッテリー接続検知回路。
【請求項2】
医療装置において使用するための再充電式バッテリーであって、
少なくとも一つのバッテリー・セルを有し、低い内部抵抗を有するバッテリー・パックと、
前記バッテリー・パックに配置されたコネクタであって、該コネクタは前記少なくとも一つのバッテリー・セルの正極側と負極側とそれぞれ電気的に接続された正極端子と負極端子を有し、該コネクタはまた該バッテリー・パックによって電力を供給される前記医療装置の中の対応する端子と係合するように構成された検知端子を有する、コネクタと、
前記少なくとも一つのバッテリー・セルの前記正極側と前記コネクタの前記正極端子の間に配置されたMOSFET素子スイッチであって、低い内部抵抗を有する、MOSFET素子スイッチと、
前記バッテリー・セルおよび前記MOSFET素子スイッチと電気的に接続され、前記バッテリー・パックに配置されたバッテリー管理プロセッサと、
前記検知端子と電気的に接続された、極性とは独立した電圧の制限回路と、
前記検知端子と電気的に接続され、前記バッテリー・パックに配置されたバッテリー接続検知回路であって、前記バッテリー・パックを受け入れるように構成された前記医療装置に該バッテリー・パックが挿入されたときに前記バッテリー管理プロセッサにバッテリー検知信号を送るように構成される、バッテリー接続検知回路と、
を含み、
前記バッテリー管理プロセッサは、前記バッテリー検知信号に反応して前記MOSFET素子スイッチに信号を送って該MOSFET素子スイッチを制御して、前記少なくとも一つのバッテリー・セルの前記正極側から前記コネクタの前記正極端子へ該MOSFET素子スイッチを通して電流が流れることを可能にし、
前記バッテリー接続検知回路は、
第1の基準電圧源および第2の基準電圧源と、
前記検知端子に接続され、前記第1の基準電圧源によって高く駆動される検知回線と、
前記第2の基準電圧源からの信号を前記検知回線上の信号と比較してバッテリーとの接続を検知するための比較回路であって、該検知回線上の該信号が低くなったときに該比較回路の出力が低くなる、比較回路と
を有し、
前記極性とは独立した電圧の制限回路は、前記検知回線と前記比較回路との間に接続され、
前記第1の基準電圧源は、前記比較回路の第1の入力である正の入力に接続され、前記第2の基準電圧源は、前記比較回路の第2の入力である負の入力に接続され、前記極性とは独立した電圧の制限回路は、前記比較回路の前記正の入力に接続される、再充電式バッテリー。
【請求項3】
前記少なくとも一つのバッテリー・セルがリチウム−イオン化学特性に基づく、請求項2に記載の再充電式バッテリー。
【請求項4】
記MOSFET素子スイッチがn−FETである、請求項2または3に記載の再充電式バッテリー。
【請求項5】
前記バッテリー・パックを受け入れるように構成された前記医療装置へ該バッテリー・パックが挿入されないときには前記バッテリー接続検知回路の出力は高くバイアスをかけられる、請求項2から4のいずれか一項に記載の再充電式バッテリー。
【請求項6】
前記バッテリー・パックを受け入れるように構成された前記医療装置へ該バッテリー・パックを挿入することにより、前記バッテリー接続検知回路の前記出力が低くなる、請求項5に記載の再充電式バッテリー。
【請求項7】
前記バッテリー検知信号は、前記バッテリー管理プロセッサによって受け取られるときに割り込みとしての役割を果たすエッジを有する、請求項2から6のいずれか一項に記載の再充電式バッテリー。
【請求項8】
前記エッジは、前記バッテリー検知信号が高い状態から低い状態に低下するにつれて形成される立ち下りエッジである、請求項7に記載の再充電式バッテリー。
【請求項9】
前記コネクタの前記検知端子が前記バッテリー・パックを受け入れるように構成された前記医療装置の中の前記対応する端子に係合するときに、該バッテリー検知信号が前記高い状態から前記低い状態に低下する、請求項8に記載の再充電式バッテリー。
【請求項10】
前記バッテリー・パックを受け入れるように構成された前記医療装置の中の前記対応する端子は、接地される、請求項9に記載の再充電式バッテリー。
【請求項11】
前記バッテリー管理プロセッサは前記割り込みを受け取り、前記バッテリー検知信号を分析して該バッテリー検知信号が高い状態を有するか低い状態を有するかを決定する、請求項7から10のいずれか一項に記載の再充電式バッテリー。
【請求項12】
前記バッテリー管理プロセッサは該MOSFET素子スイッチに信号を送り、前記バッテリー検知信号が前記低い状態を有するならば、前記MOSFET素子スイッチを通して電流が流れることを可能にする、請求項11に記載の再充電式バッテリー。
【請求項13】
前記バッテリー接続検知回路は、第1の電圧を用いてバイアスをかけられた検知回線および第2の電圧を用いてバイアスをかけられた基準回線を含み、また前記第1の電圧を前記第2の電圧に比較するための比較回路を有し、前記比較回路は、該第1の電圧が該第2の電圧よりも大きいときに第1の状態を、該第1の電圧が該第2の電圧よりも小さいときに第2の状態を有する出力を有する、請求項2から12のいずれか一項に記載の再充電式バッテリー。
【請求項14】
前記第2の状態は、前記バッテリー・パックを受け入れるように構成された前記医療装置へ該バッテリー・パックが挿入されたことを示す、請求項13に記載の再充電式バッテリー。
【請求項15】
前記比較回路はコンパレータとして構成されたオペアンプを含む、請求項13または14に記載の再充電式バッテリー。
【請求項16】
前記バッテリー接続検知回路は静電気保護要素を含む、請求項2から15のいずれか一項に記載の再充電式バッテリー。
【請求項17】
前記バッテリー管理プロセッサは、前記コネクタを通して前記電力を供給される前記医療装置へハンドシェーキング信号を送るように構成される、請求項2から16のいずれか一項に記載の再充電式バッテリー。
【請求項18】
前記ハンドシェーキング信号は暗号化される、請求項17に記載の再充電式バッテリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願では、2011年8月10日に提出された米国仮出願第61/522,203号および2011年8月28日に提出された米国仮出願第61/480,286号に基づく優先権があるものとする。
【0002】
本出願は、米国出願番号「リチウム電力セルの制御のためのバッテリー管理システム」_提出日;米国出願番号「バッテリー保持用ラッチ機構」提出日;米国出願番号「MOSFETブーストシステム搭載バッテリー管理システム」提出日;米国出願番号「バッテリー性能データを追跡および保管するためのシステムおよび方法」提出日;米国出願番号「データの拡散型配布、動作パラメータ、およびキャリアとしてバッテリーを使用するソフトウェア」提出日、に関連し、これらは全て参照により本明細書に含まれる。
【0003】
本発明は装置へ電力を供給するためのバッテリー・パックに関する。より具体的には、本発明は、装置の使用中にその装置から利用可能な電力量を最大限にしてバッテリーの使用可能期間を延ばすような形態でバッテリーを再充電するように、バッテリー・パックの充電および電力の放出(以下、放電)を管理するためのバッテリー・パックおよびバッテリー管理システムに関する。
【背景技術】
【0004】
心肺蘇生法(CPR)は、心拍停止状態にある人々を蘇生させるために使用される広く知られた価値ある救急処置法である。CPRでは、身体に血液を送り込むために、心臓および胸腔に圧力を加える反復的胸部圧迫が必要である。マウス・ツー・マウス呼吸法やバッグ・マスク装置などによる人工呼吸は、肺に空気を供給するために使用される。救急処置者が手動で有効に胸部圧迫を行ったときは、身体の血流は通常の血流の約25%から30%である。しかし、経験豊富な救急救命士でも数分以上十分な胸部圧迫を維持することはできない(Hightowerら「胸部圧迫の経時的な質の低下」26 Ann.Emerg.Med.300(1995年9月))。従って、CPRでは患者の生命を維持したり生き返らせることが頻繁には成功しない。それにも拘わらず、胸部圧迫が十分維持されるならは、心拍停止の患者はより長い間生命を維持できる。CPRの努力を延長し(45分から90分)、患者が最終的には冠状動脈のバイパス手術で助かったという報告が時折報告されている(Tovarら「心筋血行再建術と神経回復の成功例」22 Texas Heart J.271(1995年)参照)。
【0005】
より良い血流を供給し、居合わせた人による蘇生努力の有効性を増加させるために、CPRを実施するための様々な機械装置が提案されてきた。このような装置の一つの形態では、患者の胸部の周りにベルトを配置し、自動的胸部圧迫装置がベルトを締め胸部圧迫を行う。我々自身の特許である、Mollenauer他による「胸部を収縮/圧縮するためのモータ駆動式ベルトを備えた蘇生装置」米国特許第6,142,962号(2000年11月7日);Bystrom他による「蘇生および警告システム」米国特許第6,090,056号(2000年7月18日);Sherman他による「モジュール式CPR支援装置」米国特許第6,398,745号(2002年6月4日);および2001年5月25日に提出した我々の出願第09/866,377号、2002年7月10日に提出した我々の出願第10/192,771号、2010年3月17日に提出した我々の出願第12/726,262号は、患者の胸部をベルトで圧迫する胸部圧迫装置を示す。これらの特許または出願はそれぞれ参照により本明細書に含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
緊急時には秒単位でのことが重要であるので、いかなるCPR装置も使い易く、患者に装置を素早く配備することが容易でなければならない。我々自身の装置は迅速な配備が容易であり、患者の生存可能性を有意に増大させることもできる。
【0007】
このような装置の一つの重要な側面は、装置に電力を供給するための小型で強力且つ信頼できる電力供給機器が必要なことである。CPRが少なくとも30分間実施されることは稀ではない。従って、電力供給機器は、少なくともその間は圧迫装置を駆動するモーターに十分なエネルギーを供給することが可能でなければならない。更に、胸部圧迫装置の搬送性を高めるために電力供給機器は比較的軽量でなければならないが、処置時間に亘って圧迫の一貫性が確保できるように、大幅な電圧または電流の低下を伴うことなく長時間電力を供給しなければならない。
【0008】
機械式圧迫装置に電力を供給するために必要な種類の高電流電力セルバッテリーを備えるための様々なアプローチが設計されてきた。より効率の良いバッテリー設計および化学的特性が使用されるにつれて、バッテリーの充電および放電を注意深く管理する必要が生じてきた。この必要性を充たすために、プロセッサ、メモリー、およびその他の要素を含む、複雑なバッテリー管理回路が設計されてきた。これらの要素はすべて電力を供給される一つの機器の中で使用されるように設計されたバッテリー・ケース内に収める必要がある。
【0009】
バッテリー端子の不意の短絡を防ぐために有望であることが示されているアプローチの一つは、バッテリーが電力供給対象装置、充電器、または他の認可された装置に適切に挿入されない限り、端子からバッテリー・セルを電気的に隔離することである。このような隔離は、バッテリー管理用ソフトウェアおよびハードウェアによって制御されうるある種のスイッチの使用を必要とする。
【0010】
必要とされながらもこれまで利用可能でないものは、例えば医療装置に電力を供給するために高電流出力を出すことの出来る軽量で信頼できるバッテリー・パックである。このようなバッテリーは、バッテリー端子の偶発的な短絡が起きた場合にバッテリーの急速な高電流放電を防ぐための機構および/または回路も含むべきである。本発明は上記、およびその他のニーズを充たす。
【課題を解決するための手段】
【0011】
最も一般的な態様として、本発明は、長時間に亘り装置に電力を供給するための大きな電力および電流を安定して供給できる高性能バッテリー・パックを提供する。更にこのバッテリー・パックは、バッテリーの充電および放電を含むバッテリー動作のすべての態様を監視および制御するバッテリー管理システムを含む。またこのバッテリー管理システムは、バッテリー・パックの充電および放電中に起きる事象を記録し、これらの事象を後の解析のために通信することもできる。更にこのバッテリー管理システムは、改善または改良した動作パラメータに更新でき、前方互換性(forward compatibility)および後方互換性(backwards compatibility)を供えるための様々なバッテリーの化学的特性も管理することができる。
【0012】
一つの態様では、本発明のバッテリー管理システムは、例えばバッテリーによって電力を供給されるよう予定された装置およびバッテリー充電器などのバッテリーを受け入れるように設計された機器にバッテリーが適切に挿入されない限り、バッテリーの電力供給端子に電流または電圧が流れることを防ぐ回路を含む。このような態様では、バッテリー管理システムは、適当なプログラミング・コマンドを用いて、バッテリーのコネクタ上の所定のピンを監視して、所定の状態の検知に反応して、バッテリーの電力端子を介して電流が流れることを可能にするよう構成される。
【0013】
もう一つの態様では、本発明はバッテリー接続検知回路であって:第1の基準電圧源および第2の基準電圧源と;第1の基準電圧源によって高く駆動される検知回線と;第2の電圧源からの信号を検知回線上の信号と比較するための比較回路であって、検知回線上の信号が低くなったときに比較回路の出力が低くなることを特徴とする比較回路、を含む検知回路を含む。
【0014】
更にもう一つの態様では、本発明は医療装置において使用するための再充電式バッテリーであって:少なくとも一つのバッテリー・セルを有するバッテリー・パックと;バッテリー・パック上に置かれたコネクタであって、コネクタは少なくとも一つのバッテリー・セルの正極側と負極側とそれぞれ電気的に接続された正極端子と負極端子を有し、コネクタはまたバッテリー・パックによって電力を供給される装置の中の対応する端子と係合するように構成された検知端子を有することを特徴とするコネクタと;少なくとも一つのバッテリー・セルの正極側とコネクタの正極端子の間に置かれるスイッチと;バッテリー・セルおよびスイッチ手段と電気的に接続されたバッテリー管理プロセッサと;検知端子と電気的に接続されたバッテリー検知回路であって、バッテリー・パックを受け入れるように構成された装置にバッテリー・パックが挿入されたときにバッテリー管理プロセッサにバッテリー検知信号を送るように構成されたことを特徴とするバッテリー検知回路とを含み;バッテリー管理プロセッサは、バッテリー検知信号に反応してスイッチ手段に信号を送ってスイッチ手段を制御して、少なくとも一つのバッテリー・セルの正極側からコネクタの正極端子へスイッチ手段を通して電流が流れることを可能にすることを特徴とする、再充電式バッテリーを含む。
【0015】
またもう一つの態様では、少なくとも一つのバッテリー・セルはリチウム−イオン化学に基づく。更にもう一つの代替的態様では、スイッチはn−FET MOSFET素子である。
【0016】
もう一つの代替的態様では、バッテリー・パックを受け入れるように構成された装置へバッテリー・パックが挿入されないときにはバッテリー検知回路の出力はバイアスがかけられて高くなっている。またもう一つの代替的態様では、バッテリー・パックを受け入れるように構成された装置へバッテリー・パックを挿入することにより、バッテリー検知回路の出力が低くなる。更にもう一つの態様では、バッテリー検知信号は、バッテリー管理プロセッサによってエッジが受け取られるときに割り込みとしての役割を果たすエッジを有し、またもう一つの態様では、エッジは、検知信号が高い状態から低い状態に低下するにつれて形成される立ち下りエッジである。
【0017】
また更なる態様では、コネクタの検知端子がバッテリー・パックを受け入れるように構成された装置の中の対応する端子に係合するときに、検知信号が高い状態から低い状態に低下する。
【0018】
またもう一つの態様では、バッテリー・パックを受け入れるように構成された装置の中の対応する端子は、接地される。
【0019】
もう一つの態様では、バッテリー管理プロセッサは割り込みを受け取り、検知信号を分析して信号が高い状態を有するか低い状態を有するかを決定する。代替的な態様では、検知信号が低い状態を有するならば、バッテリー管理プロセッサはスイッチに信号を送り、スイッチを通して電流が流れることを可能にする。
【0020】
更にもう一つの態様では、バッテリー検知回路は、第1の電圧を用いてバイアスをかけられた検知回線および第2の電圧を用いてバイアスをかけられた基準回線を含み、また第1の電圧を第2の電圧に比較するための比較回路を有し、比較回路は、第1の電圧が第2の電圧よりも大きいときに第1の状態を、第1の電圧が第2の電圧よりも小さいときに第2の状態を有する出力を有する。代替的態様では、第2の状態は、バッテリー・パックを受け入れるように構成された装置へバッテリー・パックが挿入されていることを示し、もう一つの代替的態様では、比較回路はコンパレータとして構成されたオペアンプを含む。
【0021】
またもう一つの態様では、バッテリー検知回路は静電気保護手段を含む。
【0022】
更にもう一つの態様では、スイッチは機械スイッチまたはインターロックである。
【0023】
更なる態様では、バッテリー管理プロセッサは、コネクタを通して電力供給対象装置へハンドシェーキング信号を送るように構成される。また更なる態様ではハンドシェーキング信号は暗号化される。
【0024】
本発明の他の特徴および利点は下記の詳細な説明と、それに続く本発明の特徴を例示する図を組み合わせると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、機械胸部圧迫装置を使用することにより患者に胸部圧迫を実施する方法を示す。
図2図2は、装置の底面側および前面側を示した、図1の機械胸部圧迫装置の斜視図である。
図3図3は、装置の底面および後ろ側のカバープレートを取り除いた、図1の機械胸部圧迫装置の斜視図である。
図4A図4Aは、バッテリー・パックの前面側に置かれたバッテリー・ラッチを示す本発明に従うバッテリー・パックの斜視図である。
図4B図4Bは、バッテリー・パックの後ろ側に置かれたコネクタ、表示器、ボタンを示す図4Aのバッテリー・パックの斜視図である。
図5図5は、本発明のバッテリー・パックの一つの実施態様の様々な要素を示す展開斜視図である。
図6図6図6−a,図6−b,図6−c,図6−dを連続した総合概略図である。
図6-a】図6−aは、本発明の原則に従うバッテリー管理システムの実施態様の概略図(一部)であって、図6の中の図6−aに対応する。
図6-b】図6−bは、本発明の原則に従うバッテリー管理システムの実施態様の概略図(一部)であって、図6の中の図6−bに対応する。
図6-c】図6−cは、本発明の原則に従うバッテリー管理システムの実施態様の概略図(一部)であって、図6の中の図6−cに対応する。
図6-d】図6−dは、本発明の原則に従うバッテリー管理システムの実施態様の概略図(一部)であって、図6の中の図6−dに対応する。
図7図7は、バッテリーが装置に挿入されるときを検知するのに使用される例示的な回路を示す本発明の実施態様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の様々な実施態様は、携帯機器、特に医療装置に電力を供給するための再充電式バッテリーの供給に関する。本発明の実施態様は、予測可能な時間の間バッテリーが多くの電流を供給する必要があるときに特に利点がある。更に、本発明の実施態様は、バッテリーの動作に関するあらゆる側面を制御し、バッテリーの寿命中に起きるバッテリーに関係する事象を保存するメモリーも含むバッテリー管理システムを含む。更に、バッテリー管理システムの実施態様は、種々のバッテリーの化学的特性を使用するバッテリーに適応する機能も含み、通信ポートを通して更新することも可能である。
【0027】
本発明の様々な実施態様は機械式圧迫装置に関連して説明されるが、当業者は直ちに、これらの実施態様がこのような装置に電力を供給することに限られていないことを理解するであろう。事実、このような使用は単なる例示に過ぎず、本発明の様々な実施態様に従うバッテリーは、装置の設計上の要件がこのようなバッテリーの能力によって充たされる場合に、あらゆる装置、特に医療装置に電力を供給するために使用可能である。
【0028】
本発明の様々な実施態様に従うバッテリーが機械式圧迫装置と共に使用されるとき、バッテリーは、現場だけでなく現場から医療センターに患者を搬送する間にも患者を処置するために、十分長い時間機械式圧迫装置に電力を供給できなければならない。しかし、患者の体格および体重が処置中のバッテリーの電流ドレイン量を決定する要因であることを経験は示している。従って、平均よりも大きい患者の処置にはバッテリーからの電流流出量が多くなる。
【0029】
例えば、幾つかの調査では、胸深、胸部横径、および胸囲が、機械式圧迫装置に電力を供給するバッテリーの電流ドレイン量に影響を及ぼす要因であることが示されている。他の調査では、平均的成人男性の平均胸深は9.4インチ、胸部横径は12.2インチ、平均胸囲は39.7インチであることが観察されている。Young,JW,RF Chandler,CC Snow,KM Robinette,GF Zehner,MS Lofberg「成人女性の身体測定値および体重分布の特徴」FAA民間航空医学研究機関、オクラホマ州オクラホマ・シティ、報告番号FAA−AM−83−16号,1983年;人体モデルの身体測定値および体重分布:第1巻:軍隊の男性飛行士、報告番号USAFSAM−TR−88−6、1988年3月;Haslegrave,CM「集団の身体測定異常値の特性化」Ergonomics,29:2,281−301ページ,1986年;Diffrient,N,AR Tilley,JC Bardagy,ヒトの体格1/2/3,MIT出版,マサチューセッチュ州ケンブリッジ1974年;およびPeopleSize Proソフトウェア、Open Ergonomics社,LEI15QY、レスターシャー州、ラフバラ、ベイクウェル・ロード、英国を参照。これらは本文書で全体を参考文献として挙げる。平均的な体格の患者では少なくとも30分間、平均より体格の大きい患者では少なくとも20分間機械式圧迫装置の動作を維持できるバッテリーに利点がある。
【0030】
これから図の詳細な説明に入るが、図の中の類似の参照番号は、幾つかの図にある類似または対応する要素を示し、図1には患者1に適合させた胸部圧迫ベルトが示されている。胸部圧迫装置2は、ベルト右側部3Rおよびベルト左側部3Lを有するベルト3による圧迫に適用する。胸部圧迫装置2はベルト駆動台4と(ベルトを含む)圧迫ベルト・カートリッジ5を含む。ベルト駆動台は、患者を配置するハウジング6、ベルトを締める手段、プロセッサ、およびハウジング上に置かれたユーザー・インターフェイスを含む。ベルトは、引き出し用ストラップ18および19と、ベルトの端の広い荷重分散部16および17を含む。ベルトを締める手段は、使用中にベルトが周囲に巻き取られ締まる駆動スプールに取り付けられたモーターを含む。ここで示すように胸部圧迫装置の設計により、軽量の電子機械胸部圧迫装置が可能となっている。全体を組み立てた胸部圧迫装置は29ポンドしか重量がないので、遠距離でも手で持ち運べる。装置自体の重量は約22.0から23.0ポンドで、バッテリーは、本発明の少なくとも一つの実施態様では、2から5.0ポンドの重量で、好ましくは3ポンドである。ベルト・カートリッジは約0.8ポンドの重量で、患者を安定させるためのストラップの重量は約1.6ポンドである。
【0031】
図2は、上方向から見た胸部圧迫装置の後ろ側23を示す。図2の斜視図では、平均的な体格の患者の臀部と患者の脚部の裏側が、下位バンパー40を超えて伸びる。装置は、ハウジングの両側方向に向かう強固なチャネル・ビーム41の周りに構築される。チャネル・ビームは圧迫中に生じる力に対して装置を支持する。チャネル・ビームは、ベルト・カートリッジを取り付ける構造としても役立つ。
【0032】
チャネル・ビーム41は、装置の横幅方向に伸びるチャネルを形成する。圧迫中に、ベルトはチャネルの中に置かれ、チャネルに沿って動く。ベルトは、チャネルに広がる駆動スプール42に取り付けられる。
【0033】
図3は、胸部圧迫装置2の内部要素を示す。モーター79はクラッチ80およびギアボックス81を通して駆動スプール42にトルクを供給するよう動作可能である。ブレーキ82はモーターの上側に取り付けられており、駆動スプールのモーションにブレーキをかけるよう動作可能である。ブレーキ・ハブはモーターの回転子軸に直接接続する。
【0034】
モーター79およびブレーキ82は、すべて前方カバー・プレート60の内側に載せられるプロセッサ・ユニット83、モーター制御器84、電力分配制御器84によって制御される。プロセッサ・ユニットは、コンピュータ・プロセッサ、非揮発性メモリー装置、および表示器を含む。
【0035】
プロセッサ・ユニットには、電力制御器およびモーター制御器を制御するために使用されるソフトウェアが備えられる。プロセッサ・ユニット、電力制御器、モーター制御器は共に、モーターの動作を精確に制御することができる制御システムを構成する。従って、圧迫のタイミングと力は様々な体格の患者用に自動的に精確に制御される。
【0036】
図2および3は、患者の頭部に近いバッテリー格納部121の位置も示す。バッテリー・パックおよびバッテリー格納部の位置および設計は、迅速なバッテリー交換を可能にする。バッテリー・パックが完全且つ正確に収納部に挿入されていなければ、格納部の裏側にあるばねはバッテリー・パックを押し出す。バッテリー・パックの一つの端にあるラッチは、バッテリー・パックがバッテリー格納部に挿入される時にバッテリー格納部の内部にバッテリー・パックを保持するように、バッテリー格納部121の中の受容部と係合する。凹部120は、バッテリー格納部121の内側のばねの位置を示す。バッテリー格納部の端にあるプラスチック製グリル122は凹部を補強する。
【0037】
図4Aおよび4Bは、バッテリー・パックの前面側205および後側210それぞれを示すバッテリー・パック200の斜視図である。バッテリー・パックの前面側205は外方向に面し、バッテリー・パックがバッテリー格納部121に挿入される時にユーザーから見える(図3)。図4Aに示すように、前面側205は、バッテリー格納部内にバッテリー・パック200を保持するように、バッテリー格納部121の内部の受容部と係合するラッチ215を含む。図4Aは、バッテリー・パックの前面側の端の最上部に置かれた一対の隆起タブ217も示す。これらのタブはラッチと共に作動して、バッテリー挿入の間にバッテリーの最上部がずり上がるのを防いでラッチをバッテリー・ラッチ受容部またはバッテリー格納部の縁に適切に係合させることにより、バッテリーが確実にバッテリー格納部に適切に収まるようにする。
【0038】
図4Bに見られるようなバッテリー・パックの裏側210は、機械式圧迫装置の制御器またはプロセッサとバッテリー・パック200の間の電気通信を可能にするために、バッテリー格納部121内のコネクタに接続する接続220を含む。このコネクタは、機械式圧迫装置に電力を供給するためにバッテリー・パックからの電流の流れを可能にするだけでなく、バッテリー・パックと機械式圧迫装置の動作を制御するプロセッサまたはコンピュータの間の、バッテリー充電状態、放電率、放電までの残り時間などのデータ、プログラミング・コマンド、および他の情報の流れも提供する。同様に、バッテリー・パックのセルを充電するために、ならびに充電器とバッテリー・パックの間のデータ、ソフトウェア・プログラムまたはコマンド、および/または他の情報の流れを可能にするために、コネクタ220はバッテリー充電器の中のコネクタに接続するように構成できる。また、バッテリー・パックとネットワークにも接続される他のコンピュータ、サーバー、プロセッサ、または装置との間の情報の流れを可能にするような通信ネットワークにバッテリー・パックを接続するのにも、コネクタ220が使用できることも企図されている。ネットワークは、例えばイーサネット(登録商標)などの有線ネットワークでもありうるし、無線ネットワークでもありうることは理解されるであろう。ネットワークはローカル・ネットワークであったり、WLANまたはインターネットなどの広域ネットワークの場合もある。
【0039】
例えば一つ以上の発光ダイオード(LED)または同様の装置でありうる状態インジケータ225も、バッテリー・パック200の裏側の端210上に置かれ、例えばバッテリー・パックの充電/放電状態、バッテリー・パックの動作に影響するあらゆる不具合、またはバッテリーの使用者にとって有益となりうる他の情報を視覚的に表示する。押しボタン230も含まれる;ボタン230は、例えばバッテリー・パックのリセットを開始するために使用することもある。
【0040】
別の態様として、ボタン230は診断テストを開始するのに使用でき、その結果は状態インジケータ225によって表示される。他の実施態様では、押しボタン230は、例えばバッテリーの残存容量の決定や状態インジケータ225の使用を通じた不具合コードの表示などを含むが、それらだけには限定されない、バッテリー・パック内のプロセッサの他の機能を開始することもある。
【0041】
図5はバッテリー・パック200の展開斜視図である。この展開図におけるバッテリー・パック200は図4Aおよび4Bの図を逆にしたものである。バッテリー・パックは底部筐体234および最上部筐体232を有する。バッテリー・ラッチ236、レバー・ベース238、およびレバー・ラッチ240を有するバッテリー・ラッチ機構は、バッテリー格納部にバッテリー・パックを挿入する時に外側に向くバッテリー・パックの側面に載せられ、底部および最上部筐体によってその場所に保持される。レバー・ラッチ240は、バッテリー・ラッチ236の外面に形成される溝またはスロット243に挿入されるウィング部241を有し、レバー・ベース238は、筐体の中のレバー・ラッチ240を枢動可能に保持するために底部筐体上に載せられる。圧迫ばね254は、バッテリー・ラッチ236の底部の端と最上部筐体232の間に配置される。突出部255はバッテリー・ラッチ236の最上部の端に置かれ、底部筐体234の厚さ方向に伸びるスロット251を通して突出するように構成される。この方式により、バッテリー格納部にバッテリーを挿入しバッテリー格納部121から取り除くようにバッテリー・パックを取り外すために、バッテリー・ラッチ236はユーザーによって、機械式圧迫装置の中に位置するラッチ・レシーバーに突出部255を係合し外すために、操作されることもある。
【0042】
バッテリー・パックの裏側の端210には、コネクタ220、インジケータ225、およびボタン230が載せられたバッテリー入力ボード242が置かれる(図4B)。入力ボード242は一つ以上のねじ250を用いて底部筐体232に載せられる。入力ボードは、一つ以上のねじ256を用いて最上部筐体252に留めることもできる。幾つかの実施態様では、バッテリー・パックの内側への液体の流入に抵抗するために、耐水性ガスケット262を使用できる。更に、一つ以上のインジケータ225によって提示されうる様々な表示に関してユーザーに情報を提供するためにラベル260を使用することもある。
【0043】
バッテリーの様々な動作(以下により詳細に説明する)を管理するためにプロセッサ、メモリー、電気回路を載せたバッテリー管理ボード244は、ねじまたは他の留め具258を用いてバッテリー・セル構体246に載せる。バッテリー・セル構体246は一つ以上のバッテリー・セル248を含む。バッテリー・セル248は、例えばニッケル水素、水素化リチウム、リチウムイオンなどの様々なバッテリー化学構造を利用するセルの場合もある。バッテリー管理ボード244およびバッテリー・セル構体246は、構体の他の部品との不意の接触から個々のバッテリー・セル248の端子を保護して、それによりバッテリー・セルの短絡回路に対する遮蔽を備えるように、バッテリー・セル構体246の左側および右側に載せられる一対のスプラッター・シールド266も含められる。
【0044】
バッテリー・パック200は、バッテリー・パックの充電または放電中にバッテリー・セル248によって発生する燃焼または爆発する可能性のあるガスの蓄積を防ぐために、バッテリー・パックの通気を可能にするための最上部筐体の中に置かれることが示されている少なくとも一つの通気口264も含む。最上部筐体の中に置かれることが示されているが、当業者は通気口がバッテリー・パックのいずれの壁面または側面に通してでも置かれうることも理解するであろう。通気口264は、バッテリー・パックの壁面または側面を通して延びる単純な穴でよい。別の態様として、バッテリー・パックの内側への微粒子または液体または湿気の流入を防ぐために、通気口264は、スクリーンまたは疎水性膜などのフィルタリング手段265を含むこともある。このような通気口の更なる利点は、バッテリー・パックをより高いまたは低い標高に搬送する時に起こるような、バッテリー・パックの内側と外側の間の圧力の均等化を一つ以上の通気口が可能にすることである。
【0045】
上記の機械式圧迫装置は、確実動作する電力源を必要とする。緊急時に患者を蘇生させるために、30分以上装置の使用が必要なことは稀ではない。機械式圧迫装置のモーターのトルクおよび電力に対する要求は、圧迫時に電流のピークが70アンペアまで必要なことである。バッテリーにより圧迫を制御するモーターに十分な電流を送ることができないときは、電圧が落ち、モーターは患者の胸部の完全な圧迫を確保するために十分なトルクを生成できないかもしれない。
【0046】
本発明の発明者らは、バッテリーから常に電力流出する時にバッテリーの長時間に渡る信頼できる動作を確保するためには、極めて低い合計内部抵抗を有することが鍵であることを認識している。高電力を要する装置において有用性が示されてきたこのような一つのバッテリーの化学的性質は、A123 システムズ社が提供するモデルANR26650M1−AまたはANR26650M1−Bリチウムイオン・セルなどの、リチウムイオンの化学的特性を用いるバッテリーである。
【0047】
図6は、本発明に従うバッテリー・パック300の一つの実施態様を示す概略図である。バッテリー・パック300は、上記のモデルANR26650M1−AまたはANR26650M1−Bなどの、11個のリチウムイオン化学構造セルを含む。それぞれのセルは3.3ボルトを備え、11個のセルは合計36.3ボルトを備えるように直列で接続される。このようなセルを用いると、本発明の原則に従うバッテリー・パックの一つの実施態様は、約3ポンドの重量で製造できる。このようなバッテリーは1550から2000ワットを送ることが観察されており、ピーク電力1800ワットを送ることが好ましい。これは、望ましい重量と電力の比を備える。更にこのような実施形態では、100ワット/時を少し下回るエネルギーを送ることが可能であることも判明している。この例示的な実施態様では11個のバッテリー・セルを使用するが、電力供給対象装置の必要性に応じてより多いまたは少ない数のセルが使用できる。
【0048】
圧迫装置のモーターを動作させるために必要な電流量を供給するために、本発明者らは、バッテリー・パックの内部抵抗を最小限にするのが重要であることを発見した。従って使用するリチウムイオン(Li−イオン)セルは、好ましくは15ミリオーム未満、更に好ましくはセル当たり12.5ミリオーム未満の低い内部DC抵抗を有するべきである。
【0049】
Li−イオン・バッテリーは、長時間に亘り機械式圧迫装置を動作するのに必要な電圧および電流を供給することができるが、バッテリーがその望ましい寿命の間に亘り確実に機能し続けることができるように、バッテリーの放電段階および再充電の両方において注意しなければならない。Li−イオンセルは過剰充電または過剰放電すべきでないことは良く知られている。従って本発明の様々な実施態様は、セルの放電および再充電のサイクルを両方監視および制御する能力を含む。これらの実施態様については以下により詳細に論じる。
【0050】
上記に述べたように、11個のLi−イオン・セル310は、主要電力バス320により直列に接続される。バス320はDC回路では典型的なように、陽極側と陰極側すなわち接地側の両方を有する。バス320は、インターフェース330を通して電気機器(この例では機械式圧迫装置)にバッテリー・セルによって供給される直流を送る。図6に示すように、インターフェース330は7個の接続ピンを有するピン・コネクタである。別の態様として、ソケットを使用することもでき、または7個よりも多いまたは少ない数のピンまたはソケットを用いたピンとソケットの組み合わせを使用することもできる。
【0051】
バス320の陽極側はインターフェース330のピン7に接続される。同様に、バス320の陰極側はインターフェース330のピン6に接続される。インターフェースのピン1〜5は、バッテリー・パックと電力供給対象装置の間の情報と制御信号の交換を可能にするように、バッテリー・パックの監視および制御に関わる様々な信号を通信するため、並びに電力供給対象装置に通信するために使用される。これらの特徴を組み入れた本発明の様々な例示的実施態様は、以下により詳細に論じる。
【0052】
再び図6に戻ると、バス320の陽極側は過剰電流状態から回路を保護するためのヒューズ342を含む。ヒューズ342は、例えば、30アンペアのヒューズである場合もある。そのような場合には、30アンペアを超えるヒューズ342を通る電流の継続的な流れによりヒューズは開き、バス320によって生成された回路を切り、バッテリー・セルからの電流の流れを停止させる。図示はしていないが、ヒューズを監視し、ヒューズが飛んだ場合にはヒューズが飛んだという信号をパック・コントローラに送る、飛んだヒューズの検知器もある。その後パック・コントローラは、バッテリーが使用に適さないことを示す信号を送ることもある。このような信号は例えば、LEDの色の変化または他の状態表示の起動または解除となることもある。別の態様として、パック制御がバッテリーによって電力が供給される機器へ信号を送り、その機器がその後ユーザーに対して、バッテリーがユーザーが使用するのに準備できていないことを示す表示を送ることもできる。
【0053】
主バス320の陽極側は幾つかのn−チャンネル磁界効果トランジスタ(n−FET)340、350、360も含む。これらのn−FETは回路の切り替えおよび制御を行う。n−FETが使用されるのはバッテリーの合計内部抵抗を最小限にするという設計上の必要性に適合する極めて低い抵抗スイッチを備えるためである。n−FETのもう一つの独特な能力は、損傷を与えることなく、余剰な熱量を生成することなく、高い電流負荷を実施できることである。本発明の様々な実施態様で使用するのに適していると判明しているn−FETの一つの例は、Digi−Key社が提供するモデルIRLS3036である。
【0054】
典型的な設計では、p−FET素子がスイッチとして使用され、主バスの高い側面に置かれる。しかし、p−FETはn−FET素子の2倍以上のオン抵抗を有する。n−FET素子と同じ電流を扱うには、幾つかのp−FETを並列に繋ぐ必要がある。更に幾つかのp−FETを使用するには、p−FETがオンの間に生成される熱を発散させるためのヒートシンクの使用も必要である。バッテリー・パック内のスペースは限られているので、これは不都合である。
【0055】
同様に、n−FET素子は通常は、バスの中の電流のオン/オフを切り替えるために、主バスのローサイドで使用される。しかしこの状況におけるn−FETの使用は、バッテリーの接地を壊し、これは回路の中にノイズを発生させバッテリー管理システムの回路の様々な要素間の通信を妨害しうる。従って、本発明ではn−FETスイッチをバスの高い側面に置き、これによりp−FETが使用される時に起こりうる過剰な熱の発生なしに、バスの効率良い切り替えが可能となる。バスの高い側面にn−FETを置くことは、回路の接地を壊す問題も取り除く。
【0056】
幾つかの実施態様では、抵抗器370および380などの一つ以上の抵抗器を、主バス回路の陰極側すなわち低い側に挿入しうる。これらの抵抗器は、回路を通じて流れる電流の様々な側面を監視するために、主バスをタップする能力を備える。例えば、一つの実施態様では、抵抗器370はセル均衡および1次保護回路の入力データ線を横切って接続されるが、これについては以下により詳細に論じる。抵抗器370の典型的な値は例えば2.5ミリオームである。
【0057】
もう一つの実施態様では、抵抗器380は「ガス測定器」としても知られる充電状態モニターを横切って接続されうる。この実施形態では、抵抗器380の値は例えば5ミリオームの場合もある。
【0058】
セル310のそれぞれは、充電および放電率それぞれを制御するために、充電中および放電中の両方において個々に監視される。一つの例示的な実施態様では、図6に示すように、別個のセル・タップ線390がそれぞれのセルおよびセル監視および均衡回路400に接続される。
【0059】
1次保護
充電中にそれぞれのセルの電圧は、セルの過剰充電を防ぐために独立して監視される。一つの例示的な実施態様では、例えばO2 マイクロ社が提供するOZ890などのバッテリー・パック保護および監視集積回路(IC)410でありうるマイクロチップ上の監視システムが、様々なセルの充電を制御するために使用される。このような配置においては、セル監視線390は、IC410の代表的なピン入力にポジティブな信号を送る。例えば、セル1はIC410の入力線BC1を用いて監視され、同様にIC410の入力線BC11を用いて監視されるセル11まで続く。
【0060】
IC410の制御回路がセルの中の不均衡を検知すると、IC410は適当な外部ブリード制御線CB1〜CB11上に信号を送る。図6に示すように、適当な外部ブリード制御線上の信号がn−FET420のゲートに適用される時に、n−FET420のソースとドレイン間およびそれに続き抵抗器430の中を電流が通ることができ、それによりセルをバイパスしセルの充電を停止させる結果となる。図6からわかるように、それぞれのセルを監視しそれぞれ個々のセルの過剰充電を防ぐために、それぞれのセルはそれ自体の専用の抵抗器とIC410と電気的に接続されたn−FETの組み合わせを有する。
【0061】
セル均衡および1次保護IC410は、幾つかの実施態様ではバッテリー・セル・パックの合計電圧を監視するためにも使用しうる。例えば、すべてのセルがその最大電圧を達成した時には、n−FET350のソースとドレインの間のチャネルを開き、それにより主バス回路320を開くために、IC410はn−FET350のゲートに低信号を送ることができる。これにより、セルを通る電流の充電は終了し、それにより充電プロセスが停止する。
【0062】
同様に、IC410はバッテリーの放電中にセル両端の電圧を監視する。セル両端の電圧が例えば21ボルトなどの閾値レベル未満に低下する時、IC410は信号線450の信号を低くし、それによりn−FET360が閉じ、主バス回路が遮断される。これによりセルの充電を過剰に取り除きバッテリーの寿命を短縮しうることによって起こりうるバッテリー・セルへの損傷を防ぐ。
【0063】
IC410は加熱を防ぐためにバッテリー・パックおよび/または個々のバッテリー・セルの温度を監視するように設計された温度測定能力も含み制御する場合もある。この実施態様では、信号線470を通してIC410に温度信号を送るために一つ以上のサーミスタ460を使用する。IC410がバッテリーの温度が高すぎるか低すぎると判断する場合は、IC410はN−FET350および360の何れかまたは両方を低くし、主バス320を開きバッテリー・パックを隔離できる。単一の信号線470のみが明確性を期するために示されているが、IC410と通信する温度監視回路で使用されるすべてのサーミスタの機能を監視するために、回線470は適当数の導体を含む。
【0064】
IC410は更に、LED 490を発光させるために使用されうる不具合信号を信号線480上に送ることにより、不具合状態の視覚表示を行える。1次保護回路によって感知される不具合状態のこの視覚信号は、バッテリー・パックがIC410によって機能しない状態になったこと、およびバッテリー・パックの修理または維持管理が必要でありうることを示す。
【0065】
2次保護
本発明の幾つかの実施態様は、壊滅的な不具合に対する2次的保護または過剰電圧保護も含みうる。このような2次的保護は、バッテリー・パックの電圧および/または主バスを通る電流の流れを監視し、特定の電流または電圧の閾値を超える時に処理を行うように設計された様々な回路によって備えられる。一つの実施態様では、このような保護は、例えばO2マイクロ社が提供するOZ8800などの集積回路500によって備えられうる。バッテリー・パックに使用されるセルの数によって複数のIC500が必要になるかもしれないことを当業者は理解するであろう。例えば、OZ8800の2次的レベルバッテリー保護集積回路は3個から7個の個々のセルを監視できる。従って、11個のセルを使用する場合には、2個のOZ8800が必要となる。
【0066】
IC500は監視線312を通してそれぞれのセルの電圧を監視する。幾つかの実施態様では、一時的な電圧過剰状態が存在するように時間遅延を利用できる。電圧が許容可能な範囲まで再び低下しなかったので時間閾値を超える場合は、IC500はn−FET340を切るためにn−FET340に不具合回線510を通して低信号を送る。それぞれのセルは同様の回路によって監視される。
【0067】
それぞれのn−FETのゲートに正の電圧が適用されない場合には上記のn−FETは通常はオフ状態にあることは図6から明らかであろう。従って、ゲートのn−FETの閾値未満のレベルまで電圧を低下させるいかなる不具合も、n−FETを開かせ、セルおよびバッテリー管理回路に更なる保護を与える。
【0068】
ガス測定
本発明のもう一つの実施態様ではバッテリー・パック中に残存する有用な充電量を監視する「ガス測定」機能を含む。このような燃料測定機能性は、使用時間、放電率、およびバッテリーの温度に基づき使用および待機状態のための残余バッテリー容量を計算するなど、様々なタスクを実行するよう設計された集積回路を用いて具備される。このような回路はまた、ほぼ完全な充電状態からほぼ完全な放電状態までの放電サイクルのプロセスにおける真のバッテリー容量も決定しうる。
【0069】
図6はこのようなガス測定回路600の一例を示す。バッテリー・パックの監視は、テキサス・インストラメンツ社が提供するbq2060Aのような集積回路610を用いて達成される。IC610は外部EEPROM620と連結して作動する。EEPROM620は、バッテリー・セルで使用した化学構造、バッテリーの自己放電率、様々な率補償因子、測定値較正、およびバッテリーの設計電圧および容量などのIC610の構成情報を保存する。これらの設定はすべて様々なバッテリーの種類にシステムが使用できるように変更可能である。更にIC610は裏側バス回路630を通して中央プロセッサおよびメモリーと通信できる。この方式では、システム内に含まれる他の回路によって検知および同定されるか、またはユーザーによって手作業で同定される異なる種類のバッテリーを収容するために、中央プロセッサからの制御信号を用いて、IC610およびEEPROM620が構成されうる。代替的な実施態様では、この機能を実施するのに必要なアルゴリズムを実行するためのパック・コントローラおよびガス測定の動作を制御するソフトウェアに埋め込まれた適切な制御コマンドを用いて、低電流引き込みの場合にガス測定の報告正確性を高めるために、IC610はパック・コントローラと共に作動する。
【0070】
一般的に充電入力量またはバッテリー・セルから取り除かれた量を監視することにより完全な充電バッテリー容量を、またいかなる時点における残余容量を求めるために、IC610によって実行されるガス測定機能はIC800と連結する。更に、IC610は抵抗器380を通して検知されるバッテリーの電圧、バッテリーの温度および電流を測定する。IC610はまた、幾つかの実施態様では、バッテリーの自己放電率を推定し、バッテリーの低電圧閾値を監視することもある。説明されるように、(直列に接続されたセルの)第1のセル310の負極とバッテリー・パックの負極の間に位置する抵抗器380を横切る電圧を監視することにより、IC610はバッテリーの充電および放電量を測定する。利用可能なバッテリー充電は、この測定された電圧と測定値を環境および動作上の条件について補正することから決定される。
【0071】
IC610は、上記の推定および補正を実行するためにバッテリー・パックの温度を測定することもある。一つの実施態様では、バッテリー・パックの一つ以上のセルの温度が測定できるような方式で、バッテリー・パックの一つ以上のセルの近くにサーミスタ640を載せる。一つ以上のセルの温度が測定される間にサーミスタ640にバイアス電圧ソースを接続するために、信号線660を通して適切な信号を送ることにより、IC610はn−FET650のゲートを高くする。測定が完了すると、IC610はn−FET650のゲートを低くして、n−FETを開くことによりサーミスタ640をバイアス・ソースから切り離す。
【0072】
IC610は、バッテリーに残る報告された充電量が正確になるように、バッテリーを充電する毎にリセット可能である。以下により詳細に説明するバッテリー・パック監視回路またはパック・コントローラ800は、n−FET680のゲートを高くするためにリセット線670を通して信号を送る。これにより電流はn−FET680を通じて流れ、IC610のバッテリー容量カウンターをリセットするためにリセット信号がIC610に送られる。
【0073】
もう一つの実施態様では、IC610は、IC610またはEEPROM620の中に保存されたパラメータへの不正アクセスを防ぐ封印/封印解除機能を含むこともある。パック・コントローラ800は、n−FET690のゲートを高くさせる信号を信号線680を通じて送り、それによりFETが閉じてIC610とEEPROM620の間をコマンドおよびデータが流れるようになることもある。このようなデータは例えば更新された較正情報などを含むこともある。代替的な実施態様では、n−FET690を必要としないでIC610およびEEPROM620を制御するようにパック・コントローラからのソフトウェア・コマンドのみを用いて、IC610とEEPROM620の間のデータの流れを制御することもある。
【0074】
パック・コントローラ
本発明のもう一つの実施態様では、バッテリー管理システムは、バッテリー管理システムが実行する様々な機能の全般的な監視装置としての役割を果たすパック・コントローラ800を含む。パック・コントローラ800は典型的には集積回路であるが、バッテリー・パックの範囲内で利用可能なスペース量によって、同じ機能を実行する離散回路を使用することもできる。
【0075】
例えば、パック・コントローラ800は、テキサス・インストラメンツ社が提供するMSP430F2418混合信号制御器などの低または超低電力マイクロ制御器である場合もある。バッテリー管理システムの様々な機能を迅速且つ効率良く実行するために、このような制御器は、無作為アクセスメモリーまたはフラッシュ・メモリーなどのメモリーを含むこともある。パック・コントローラ800は、裏側バス630および前面側810などの一つ以上の通信バスを通して、周辺装置、回路、またはメモリーと通信する能力も有する。通信バスは典型的には、例えばI2Cバス(フィリップス社の商標)またはシステム管理バス(SMBus)などの通信プロトコルを使用する。SMBusは以下により詳細に説明する。
【0076】
パック・コントローラ800の機能をプログラムするために適当なソフトウェア・コマンドが使用される。このようなソフトウェアは、例えばSMBusインターフェースなどの通信プロトコル・インターフェースを構成するコマンドを含む。ソフトウェアは、通信線810、820、822、裏側バス630、前面側バス810、および検知線824、並びに図示されていないか、または将来追加されうる他の通信回線を通じてそれが利用できるようになる不可欠なバッテリー・パック・パラメータを監視するためのパック・コントローラも構成する。
【0077】
パック・コントローラ800は、適当にプログラムされると、例えばイベント記録装置EEPROM900などの一つ以上のメモリー装置とも通信する。このような記録保存体は、例えば全充電量、全放電量、バッテリー・セルの温度、発生するあらゆる不具合、またはバッテリーの動作を管理および制御するために使用される個々のバッテリー・セルおよび/または様々な回路に関係する他の情報などの、バッテリー・パックの充電および放電サイクル中に発生する様々な事象歴を保存するのに使用できる例えば64キロバイトであるがこれに限定されないメモリーを有する。
【0078】
パック・コントローラ800は、例えばEEPROM1000などのメモリーおよび/またはプロセッサと通信するようにもプログラム可能である。図6に示される例示的な実施態様では、EEPROM1000はバッテリー・パックによって電力を供給される機械式圧迫装置の中に位置するか、またはバッテリー・パックの中に組み込まれてバッテリーによって電力を供給される装置によってアクセスされるように構成されることもある。この例ではパック・コントローラ800は、機械式圧迫装置の中にあるEEPROM1000および/またはプロセッサと前面側バス810を通じて通信し、このバスがコネクタ330を通して機械式圧迫装置の中の類似のバスにアクセスする。この方式により、バッテリー・パックと、バッテリー・パックによって電力を供給される装置との間に双方向通信接続が確立されうるようになり、バッテリー・パックと電力供給対象装置との間の情報交換が可能になる。例えば、更新したソフトウェアを含む更新した動作パラメータまたはコマンドは、バッテリー・パックが電力供給対象装置と通信を行う状態になったときに、電力供給対象装置からバッテリー・パックにロードされることもある。同様に、イベント記録装置EEPROM900の中に含まれる情報は、EEPROM1000、またはバッテリー・パック中に存在するメモリーの何れかから裏側バス810を通じて通信するように構成された如何なる他のメモリー(携帯メモリー装置など)へ送信されることもある。
【0079】
この通信能力によって、バッテリーによって電力が供給される装置以外の装置ともバッテリーが通信できることは理解されるであろう。例えば、典型的には、バッテリー・パックは再充電のため、電力供給対象装置からは取り除かれる。バッテリー・パックがバッテリー充電器に接続されると、メモリーまたはバッテリー・パックのメモリーから情報を検索し、および/または更新されたデータ、情報、プログラミング・コマンド、またはソフトウェアを前面側バス810を通じてバッテリーに送信するために、バッテリー充電器が使用されることもある。この通信プロセスは典型的には、充電器中にあるプロセッサまたは他の装置とバッテリー・パックのパック・コントローラ800の間で交換されるSMBusプロトコルなどの通信を可能にするために使用される通信プロトコルに規定された様々なハンドシェーキング通信ダイアログを用いて管理されるであろう。幾つかの実施態様では、電力供給中の装置が外部電力供給にも接続されている場合には、バッテリーを電力供給対象装置に挿入する時、バッテリーはトリクル充電されることもある。
【0080】
本発明の更に他の実施態様では、バッテリー・パックがいつバッテリー充電器または機械式圧迫装置などの電力供給対象装置に挿入されるかを認識する、パック・コントローラ800に管理された能力を含むこともある。例えば、バッテリー・パックが電力供給対象装置に適切に搭載されたことを示すために検知回路1100が信号線824を通してパック・コントローラ800に適当な信号を送る時のみ、IC410およびIC500に信号を送りn−FET340、350、360のゲートに高信号を送ることによりこれらのスイッチを閉じてそれによりコネクタ330の陽極および陰極ピンに完全なバッテリー電圧を供給するように、パック・コントローラ800は適切なソフトウェアおよび/またはハードウェアを用いて構成可能である。
【0081】
一つの実施態様では、パック・コントローラ800は、バッテリーが充電器または電力供給対象装置に適切に挿入されたときに閉じられる機械的スイッチまたはインターロックに接続された回線を監視する。もう一つの実施態様では、パック・コントローラ800はバッテリーコネクタの一つ以上のピンに接続された信号回線を監視する。この信号回線を通して適当な信号が受信された時に、パック・コントローラ800は、バッテリーが充電器または電力供給対象装置に挿入されたことを判断し、上記の通りn−FET340、350、360のゲートに高信号を送る。この実施態様に特に利点があるのは、特定の信号が受信された時のみ反応するようにパック・コントローラ800をプログラムでき、それによりn−FET340、350、360のゲートに高信号を送る前にバッテリーを収納するように設計された充電器または電力供給対象装置の特定の種類または型にバッテリーが挿入されることを保証できることである。
【0082】
これらの実施態様には、コネクタ330の正極および負極を通る偶発的短絡回路発生時におけるバッテリーの放電が防がれるという利点がある。バッテリー・パックのセル中に保存されるエネルギー量を考慮すると、このような放電は壊滅的になる可能性がある。従ってこの実施態様では、検知回路1100に適当な信号を送るように構成された装置の中にバッテリー・パックが適切に搭載されなければバッテリー・パックのコネクタ330の正極および負極の間に電圧はなく、それによりバッテリー・パックが充電器または上記の機械式圧迫装置などの電力供給対象装置に接続されていない時のバッテリー・パックの安全な扱い、保存、搬送が可能になる。
【0083】
パック・コントローラ800は、EEPROM900および620中に保存された設定およびパラメータの変更を可能にするパスワード・アクセスを備え、不具合発生時においてLED490を駆動させるための適当な信号を送るようにプログラムされることもある。バッテリー管理システムに追加機能を備えるように、適当なソフトウェアおよび/またはハードウェア・コマンドを用いて構成される追加的能力も含めることができる。例えば、このような機能には、バッテリーに残存する合計充電量を示すディスプレイを駆動させることなどが含まれることもある。特にパック・コントローラ800がMSP430F2418(またはこの一群の制御器に含まれる別の制御器)であるときに、パック・コントローラ800に組み込むことができる様々な能力のより詳細な説明は、テキサス・インストラメンツ社が提供する「MSP430F241x、MSP430F261x混合信号マイクロ制御器」と題する文書SLAS541F−2007年6月;改訂2009年12月−に含まれており、この文書全体を本文書では参考文献として挙げる。
【0084】
スマートバス通信
以下で明らかにされる通り、本発明の様々な実施態様に組み込まれる様々なプロセッサおよび集積回路および論理システムは、前面側バス320および裏側バス630を通じて互いに通信する能力を有するため一つの統合システムとして機能することができる。幾つかの実施態様では、これらのバスを通じる通信はシステム管理バス(SMBus)仕様を用いて実行される。SMBusは、IC410、IC610、2次的保護システム500、事象保存装置900、EEPROM1000、パック・コントローラ800、およびその他の回路などの様々なシステム要素チップが互いに、およびシステムの残りの部分と通信できるようにする2線インターフェースである。SMBus仕様に関する更なる情報は、「システム管理バス(SMBus)仕様バージョン2.0」−SBS実行者フォーラム2000年8月3日−に含まれており、この文書全体は本文書では参考文献として挙げる。
【0085】
ブースト回路
発明者らは、本発明の幾つかの実施態様において、n−FETを閉じさせるのに必要な電圧が、バッテリー・パックから利用可能な電圧を超えることを観察してきた。例えば、10ボルトのバイアス電圧を要するn−FETを用いると、バッテリーを充電または放電するためにn−FETを適当な電圧が通るようにするのに十分なほどn−FETを駆動させるためのバッテリー電圧が、バイアス電圧の駆動電圧に加えてn−FETには必要である。従って、バッテリー・セルによって供給される電流をn−FETが伝導できるようにするために、n−FETのゲートに供給される電圧を上げるための電圧ブースト回路が含まれる。
【0086】
当業者は、本発明におけるn−FETの使用によってブースト回路などの複雑な回路が必要になることを理解するであろう。このような複雑性はp−FETの使用によって取り除くことができる。しかし、単一のn−FETによって処理できるのと同じ電流を処理するには幾つかのp−FETが必要かもしれないので、p−FETの使用は不利であることが明らかになっている。更に、複数のp−FETの使用により生成される熱のため、熱を発散させるための一つ以上のヒートシンクを追加する必要があるかもしれず、これにより小型バッテリー内で利用可能な以上のスペースが必要となりうる。その上、p−FETはn−FETの少なくとも2倍のオン抵抗を有することが良く知られており、これによりバッテリー・パックの全般的内部抵抗が増加するであろう。
【0087】
装置検知
本発明の更に他の実施態様では、バッテリー・パックがいつバッテリー充電器または機械式圧迫装置などの電力供給対象装置に挿入されるかを認識する、パック・コントローラ800に管理された能力を含むこともある。例えば、バッテリー・パックが電力供給対象装置に適切に搭載されたことを示すために検知回路1100が回線824を通してパック・コントローラ800に適当な信号を送るときのみ、IC410およびIC500に信号を送りn−FET340、350、360のゲートに高信号を送ることによりこれらのスイッチを閉じてそれによりコネクタ330の陽極および陰極ピンに完全なバッテリー電圧を供給するように、パック・コントローラ800は適切なソフトウェアおよび/またはハードウェアを用いて構成可能である。
【0088】
一つの実施態様では、パック・コントローラ800は、バッテリーが充電器または電力供給対象装置に適切に挿入されたときに閉じられる機械スイッチまたはインターロックに接続された回線を監視する。もう一つの実施態様では、パック・コントローラ800はバッテリー・コネクタの一つ以上のピンに接続された信号回線を監視する。この信号回線を通して適当な信号が受信されたときに、パック・コントローラ800は、バッテリーが充電器または電力供給対象装置に挿入されたことを判断し、上記の通りn−FET340、350、360のゲートに高信号を送る。この実施態様に特に利点があるのは、特定の信号が受信されたときのみ反応するようにパック・コントローラ800をプログラムでき、それによりn−FET340、350、360のゲートに高信号を送る前にバッテリーを収納するように設計された充電器または電力供給対象装置の特定の種類または型にバッテリーが挿入されることを保証できることである。
【0089】
これらの実施態様には、コネクタ330の正極端子および負極端子を通る偶発的短絡回路発生時におけるバッテリーの放電が防がれるという利点がある。バッテリー・パックのセル中に保存されるエネルギー量を考慮すると、このような放電は壊滅的になる可能性がある。従ってこの実施態様では、検知回路1100に適当な信号を送るように構成された装置の中にバッテリー・パックが適切に搭載されなければバッテリー・パックのコネクタ330の正極端子および負極端子の間に電圧はなく、それによりバッテリー・パックが充電器または上記の機械式圧迫装置などの電力供給対象装置に接続されていないときのバッテリー・パックの安全な扱い、保存、搬送が可能になる。
【0090】
次は図7では、本発明を具体化する例示的な回路を示す。この回路は図6のボックス1100をより詳細に図示したものである。バッテリーと通信するように構成された装置にバッテリーが差し込まれると、コネクタ330(図6)は、バッテリーが挿入された装置の適切なコネクタに結合する。図示されるように、この実施態様ではバッテリーが適当な装置に挿入されたことを示す信号を受け取るために、コネクタ330のピン3が使用される。
【0091】
バッテリーが適当な装置に挿入されると、装置のコネクタは接地される対応するピンを有する。従って、バッテリーを装置に適切に挿入することにより、コネクタ330のピン3はグランドへ引かれる。図示される通り、バッテリーが適当な装置に接続されたことを示すためにピン3はDTEC信号をバッテリー管理システムに送る。
【0092】
自動検知システムを可能にするために、100万オームの抵抗を有するレジスタR429はピン3に接続された回線を、3P3によって示される3.3電圧供給機器まで引き上げる。従って、バッテリーが装置に挿入されないときは、コネクタ330のピン3上の電圧は約3.3ボルトである。DTEC回線上の電流は2000オームの抵抗を有するR428によって制限され、R428は、集積回路(IC)IC U405に不具合をもたらすようなレベルを電圧が超えないことを確実にするためにクランプダイオードD403と協調して作動する。ダイオード403は、例えばNXPセミコンダクターズが提供するBAS70−04Wなどのショットキー障壁二重ダイオードである場合もある。図示するようなダイオードD403の使用は、DTEC回線上に到達する電圧の極性とは独立して保護を与え、IC U405に不具合をもたらしうるレベルに電圧が上昇するのを防ぐ。
【0093】
図示された実施態様では、集積回路U405は例えば、マキシム・インテグレーテッド・プロダクツが提供するモデルMAX9060Eなどの高速電圧コンパレータである。U405は、U405のピン1への電圧インプットにより電力を供給される。この電圧は典型的には2.5ボルトであり、コンパレータの基準電圧も供給する。U405は、典型的には3.3ボルトであるピン4上の電圧を、ピン1上の2.5ボルトの基準電圧と比較する。バッテリーが挿入されないときは、ピン4は3.3ボルトであり、これはピン1における電圧よりも大きいので、U405の出力・ピン5における電圧は高い。更に、検知回線824は通常、100万オームの抵抗を有するレジスタR426を通して供給される電圧によって引かれて高くなっている。U405のピン2および3は接地され、コンデンサC415によって回路の残りの部分から分断される。コンデンサC414はノイズフィルタリングを備え、RF(無線周波数)も下げる。
【0094】
DTEC回線上の電圧を低くするように構成された装置にバッテリーが挿入されると、ピン4上の電圧は低くなり、すなわち、ピン4上の電圧はIC U405のピン1上の2.5ボルトの基準電圧を下回り、U405の出力・ピン5上の電圧も低くなる。
【0095】
この実施態様では、回線824は、真の装置検知を表す低信号として回線824上の信号を分析するようにプログラムされたパック・コントローラ800(図6)に流れ込む。換言すると、回線824上の電圧が高いならば、バッテリーは装置に挿入されていない。しかし、回線824が低くなると、パック・コントローラ800はバッテリーが適当な装置に挿入されたと判断し、1次保護回路410へ通信バスを通じて信号を送ることによりバッテリー・パックを使用可能にし、それにより回路410は主バスの回路を閉じるためにn−FET340、350、および360をオンにして、コネクタ330のバッテリー正極端子および負極端子へ電流が流れるようにする。
【0096】
代替的な実施態様では、受信されている信号が、信号が上昇または下降していることを示すエッジを有するかどうかを決定するために、パック・コントローラ800は回線824上の信号を監視するようにプログラムされている。エッジが検知されると、パック・コントローラのプログラミングはエッジを割り込みとして認識し、その割り込みはパック・コントローラに対して、信号を分析し、信号が下降しバッテリーが装置のバッテリー格納部に挿入されたことを示すのか、信号が上昇しバッテリーが装置から取り除かれたことを示すのかを決定するように指示する。パック・コントローラが信号が下降していると判断するときは、パック・コントローラは前面側バスにおける電流の流れを制御するn−FETをオンにするように1次保護回路へ信号を送り、機械式圧迫装置などの装置へ電力を供給するか、またはバッテリー充電器などの装置から電力を受け入れるために、バッテリー・パック・コネクタの正極端子および負極端子を通して電圧を供給する。更に、テスト装置がバッテリー検知回路を適当な状態に駆動するように構成されるとき、バッテリーのテストを可能にするために同じシステムを使用することもある。
【0097】
同様に、パック・コントローラが検知信号が上昇していると判断するときは、パック・コントローラはバッテリーが装置から取り除かれたと判断し、その後パック・コントローラは、主バスを通る電流の流れを制御するn−FETをオフにするように1次保護回路へ信号を送る。その結果、バッテリー・パックのコネクタの正極端子および負極端子を通る電圧は0ボルトに下がり、これによりバッテリー・コネクタの正極端子および負極端子の不意の短絡からバッテリーは保護される。
【0098】
代替的実施態様では、上記と同じ結果を達成するために回線824は適切な回路を通して機械スイッチまたはインターロックに接続されることもある。このような実施態様では、U405のピン4上の電圧を低下させるために電力供給対象装置またはバッテリー充電器へバッテリーが適切に挿入されると電気スイッチまたはインターロックは閉じることが可能であり、その結果検知回線824上の信号が低くなる。
【0099】
更にもう一つの実施態様では、バッテリーが電力供給対象装置のバッテリー格納部に挿入されるときにバッテリー・パックのパック・コントローラと通信するように構成されたプロセッサを、電力供給対象装置が含むこともある。このような実施態様では、バッテリーが電力供給対象装置と互換性があることを確実にするために追加的レベルの処理を実行することもある。この追加的レベルの処理は、バッテリーの動作を制御するためのプロセッサ間の通信を開始するためのプロセッサ間のダイアログ交換を含む。このような過程は通常「ハンドシェーキング」と呼ばれる。更に、ダイアログ交換の安全な性質を維持して不認可のノックオフまたは偽造バッテリー・パックの使用を防ぐために、プロセッサ間で交換されるダイアログが暗号化されることもある。このような暗号化のための様々な仕組みは当業者には良く知られている。また、暗号化を行う場合でも行わない場合でも、ハンドシェーキング過程は、上記の装置検知回路の様々な実施態様と結合して使用できるし、場合によっては装置検知回路なしで使用できることも理解されるであろう。
【0100】
本発明の幾つか特定の形態を示し説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更が可能であることは明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図6-a】
図6-b】
図6-c】
図6-d】
図7