(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記搬送後の所定位置で、前記筒状体の中心部の開口に挿入される押出軸を用い、前記筒状体と前記押出軸とを相対的に上下動させることで、筒状体から所定数の環状部材を取り出す取出工程を有する請求項1又は請求項2に記載の環状部材の搬送方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態を列記して説明する。
【0014】
(1)本発明の一形態に係る環状部材の搬送方法は、次の収納工程と移送工程とを備える。
収納工程:複数の環状部材を積層体として筒状体に収納し、上記筒状体の中心部に開口を有するように内周側に突出した内周突起で上記積層体を支持した状態とする。
移送工程:収納工程を経た筒状体を搬送前の所定位置から搬送後の所定位置へ移送する。
【0015】
上記の搬送方法によれば、環状部材を積層状態で筒状体に収納して搬送するため、次の効果を奏する。
・複数の環状部材を積み重ねた積層体として移送できるため、一旦横置きにする必要がなく、効率的に搬送できる。
・積層体の外周が筒状体に支持されるため、筒状体ごと環状部材を移送する際、ある程度素早く移送を行っても、環状部材が崩れることがなく、効率的な搬送ができる。この環状部材の崩れが抑制できることに伴い、複数の積層体(筒状体)を並列した状態としても、各積層体同士が接触して環状部材が損傷することも抑制できる。
・筒状体が内周突起を備え、中心部に開口を有する構成とすることで、内周突起で環状部材を容易に支持することができ、筒状体内で環状部材を積層状態で収納しやすい。
【0016】
(2)上記搬送方法の一形態として、上記収納工程において、上記積層体の最下段の環状部材と内周突起との間に、上記筒状体の中心部の開口よりも外径が大きく、筒状体内でその軸方向に移動自在の介在板を介在させる形態が挙げられる。
【0017】
上記の搬送方法によれば、後工程で筒状体の開口から押出軸を挿入して介在板ごと環状部材を相対的に押し上げて取り出す際、押出軸の端部が直接環状部材に接することがないため、環状部材の損傷を抑制できる。また、環状部材に大きな孔部が形成されている場合、上記押出軸で直接環状部材を相対的に押し上げるには、押出軸の端面と環状部材との接触面積が十分に確保できず、安定して環状部材の押し上げが困難な場合がある。そのような場合でも、介在板があれば、押出軸は環状部材の形状や寸法に関係なく介在板を安定して押し上げることができ、環状部材の効率的で安定した取り出しが可能になる。
【0018】
(3)上記搬送方法の一形態として、さらに、上記収納工程を経た複数の筒状体をパレット上に並列する配列工程を有する形態が挙げられる。この形態では、上記移送工程は、上記パレットごと複数の筒状体をまとめて移送する。
【0019】
上記の搬送方法によれば、複数の筒状体をパレットごとまとめて移送することで、多くの環状部材を効率的に、かつ荷崩れなど生じることなく安定して搬送することができる。
【0020】
(4)上記(3)に係る搬送方法の一形態として、上記パレットは、各筒状体を位置決めして載置する凹部台座を有する形態が挙げられる。
【0021】
上記の搬送方法によれば、筒状体を凹部台座に嵌め込むことで、パレット上で筒状体が傾いたり倒れたりすることを抑制でき、パレットごと筒状体を移送する場合の安定性を一層向上することができる。
【0022】
(5)上記搬送方法の一形態として、さらに、上記搬送後の所定位置で、上記筒状体の中心部の開口に挿入される押出軸を用い、上記筒状体と押出軸とを相対的に上下動させることで、筒状体から所定数の環状部材を取り出す取出工程を有する形態が挙げられる。
【0023】
上記の搬送方法によれば、押出軸を筒状体の開口から挿入することで、筒状体に対して環状部材を相対的に押し上げ、筒状体内から環状部材を容易に取り出すことができる。よって、筒状体に収納した環状部材を取り出す工程まで含めても、効率的な搬送が可能になる。
【0024】
(6)上記(5)に係る搬送方法の一形態として、上記取出工程は、上記押出軸で介在板ごと積層体を支持する形態が挙げられる。
【0025】
上記の搬送方法によれば、押出軸は介在板に接触し、環状部材に直接接触しないため、環状部材の損傷を容易に抑制できる。また、介在板を用いた環状部材の取り出しを行うことで、環状部材の形状や寸法に依存することなく、安定して環状部材の取り出しを行うことができる。
【0026】
(7)上記搬送方法の一形態として、上記収納工程は、環状部材を内側から外側に押圧することで保持する内張りチャックを用いて行う形態が挙げられる。
【0027】
上記の搬送方法によれば、内張りチャックを用いることで、環状部材の外周に突出する機器が存在しないため、環状部材を外周から把持するチャックを用いる場合に比べて、筒状体の内周面と環状部材の外周面とのクリアランスを小さくすることができる。それに伴い、筒状体内での環状部材同士のずれを抑制しやすい。
【0028】
(8)上記搬送方法の一形態として、上記環状部材が焼結体である形態が挙げられる。
【0029】
上記の搬送方法によれば、各種焼結部品の搬送を効率的に行うことができる。
【0030】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る環状部材の搬送方法を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0031】
[実施形態1]
{概要}
焼結後にサイジングを経た環状部材を次工程に搬送する場合を例として、
図1〜
図3に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0032】
この実施形態は、複数の環状部材10を筒状体20に積層状態で収納する収納工程と、環状部材10を収納した筒状体20をパレット50(
図2)上に並列する配列工程と、移送前の所定位置から移送後の所定位置へ筒状体20をパレット50ごと移送する移送工程とを備える。さらに、移送後の所定位置において、筒状体20から環状部材10を取り出す取出工程をも備える。これらの各工程は、ロボットハンドを用いて自動的に環状部材10を収納・搬送・取出しすることが好ましい。以下、各工程を詳細に説明する。
【0033】
{収納工程}
収納工程では、
図1に示すように、複数の環状部材10を筒状体20内に積み重ねて積層体とした状態に収納する。本例では、環状部材10と共に、筒状体20の底部に介在板30を収納している。まず、搬送対象である環状部材10を説明し、順次、筒状体20、介在板30、及び環状部材10の収納に利用するロボットハンドについて説明する。
【0034】
(環状部材〉
環状部材10は、筒状体20への収納対象であり、代表的には厚みが幅(径)に比べて小さい薄型の環状部品で、その中央部に貫通孔を有する。本例ではオイルポンプロータのインナーロータやアウターロータなどの焼結機械部品を環状部材10としている。このような環状部材10は、次の筒状体20に収納されて搬送される。
【0035】
(筒状体)
筒状体20は、複数の環状部材10を、その軸方向が筒状体20の軸方向と沿うように積み重ねて収納する部材で、一端(上部)が開口した筒本体22と、環状部材10を支持する内周突起24とを備え、さらに必要に応じて外周突起(図示せず)を備える。
【0036】
・筒本体
筒本体22は、積み重ねられた環状部材10(積層体)の外周を取り囲む部材である。代表的には、
図1に示すように、断面が円形の筒本体22が好適に利用できる。勿論、筒本体22の断面形状は円形に限定されるわけではなく、環状部材10を筒本体22の内周面と一定のクリアランスをもって収納できれば、多角形であってもよいし、環状部材10を軸方向から平面視した輪郭形状と相似形状であってもよい。
【0037】
筒本体22の内径或いは対辺寸法など筒本体22の横断面における最小内寸は、環状部材10の包絡円径よりも若干大きい寸法とすることが好適である。例えば、環状部材10の寸法に応じて、内径が60、90、100mmなど複数種類用意することが好ましい。
【0038】
筒本体22の長さは、環状部材10の厚さと積層数に応じて適宜選択できる。例えば、環状部材10の積層数が20〜40程度の場合、筒本体22の長さは30〜40cm程度とすることができる。
【0039】
筒本体22の材質としては、環状部材10の構成材料よりも低硬度の材質が好適に利用できる。環状部材10と筒状体20との接触に伴う環状部材10の損傷を抑制しやすいからである。例えば、環状部材10が鋼系焼結部品の場合、筒本体22の材質には樹脂が好適に利用できる。樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリアミド(ナイロン)などが挙げられる。
【0040】
・内周突起
内周突起24は、筒本体22の他端側(底部側)に設けられて、収納された積層体を下方から支持するための突起である。例えば、筒本体22の他端(底部)から内周側に突出する環状突起が挙げられる。内周突起24は、筒本体22の底部を塞ぐ封止面でもよいが、環状突起など、筒状体20の中心部には開口が形成される形状とすれば、この開口に後述する押出軸60(
図3)を挿入することで、筒本体22から容易に環状部材10を取り出すことができる。この内周突起24の形状は、周方向に連続して形成されている必要はなく、周方向に断続的に形成される複数の突片であっても構わない。要は、筒状体22の中央部に形成される開口の内径が環状部材10の外径よりも小さく、積層体の重量を支持できる強度を備えていればよい。この内周突起24の材質は、筒本体22と同一材質が好適に利用でき、筒本体22が樹脂であれば、内周突起24も筒本体22と樹脂で一体に成形することが好ましい。
【0041】
・外周突起
外周突起(図示せず)は、筒本体22の外周面に径方向外方に突出するように設けられる突起で、必要に応じて設ければよい。例えば、外周突起の形状としては、筒本体22の外周面からフランジ状に突出する環状突起や、外周面の周方向に断続的に設けられる複数の突片とすることが挙げられる。この外周突起は、環状部材10が収納されているか否かに関係なく筒状体20自体を移送する場合に好適に利用できる。例えば、外周突起の下方で筒本体22を外周からロボットハンドで把持すれば、外周突起がロボットハンドに掛かるため、筒状体20を脱落することなく確実に保持できる。その他、筒状体20から環状部材10を取り出す際にも外周突起を利用できる。例えば、上記内周突起24の内側に形成される開口に後述する押出軸60を配置し、外周突起の上方で筒本体22をロボットハンドで把持した状態で筒状体20を押出軸60に対して押し下げる。その際、外周突起がロボットハンドに掛かるため、確実に筒状体20を押し下げることができ、相対的に筒状体20内の環状部材10を筒状体20の上部開口から露出させることができる。外周突起の形成位置は、筒本体22の軸方向のいずれであっても構わないが、筒状体20をロボットハンドでバランスよく扱うことを考慮すると、筒本体22の両端に極端に偏らない位置が好適である。外周突起の材質は内周突起24と同様に筒本体22と同一材質が好適に利用できる。樹脂により筒本体22と一体に外周突起を成形することが好ましい。この外周突起と同様の機能は、筒状体の外周面に凹部を形成することで達成することもできる。例えば、筒状体の肉厚を局所的に薄くした環状凹部や周方向の少なくとも対向位置に形成される凹部群を設けることが挙げられる。
【0042】
(介在板)
介在板30は、内周突起24と最下段の環状部材10との間に介在される板材で、環状部材10(積層体)における底板の機能を有する。この板材は筒本体22に収納可能で、かつ内周突起24により支持される外寸を有し、積層体の重量により変形しない程度の剛性を備える材質・形状を有する。円筒状の筒状体20の場合、円板状の介在板30が好適に利用できる。具体的な材質としては、筒本体22と同様の各種樹脂が利用できる。
【0043】
この介在板30は筒状体20内で固定されることなく、軸方向に移動自在に収納されている。そのため、内周突起24の内側の開口から後述する押出軸60を挿入することで、押出軸60の端部で介在板30ごと環状部材10を押圧して、相対的に環状部材10を筒状体20から露出させることができる。
【0044】
この介在板30の筒状体20への収納は、適宜手作業などで環状部材10の収納前に行っておけばよい。一旦、筒状体20に収納された介在板30は、環状部材10が取り出されても、そのまま筒状体20内に残されることで、再度の環状部材20の収納時に利用できる。
【0045】
(環状部材用ロボットハンド)
上述した筒状体20への環状部材10の収納は、環状部材用ロボットハンド40を用いて行うことが好ましい。このロボットハンド40は、
図1に示すように、環状部材10の貫通孔を内側から支持する内張りチャックを用いることが好適である。内張りチャックであれば、筒状体20と環状部材10の外周とのクリアランスを小さくでき、筒状体20を小さくできる。それに伴い、筒状体20内で積層された環状部材10の過度のずれを抑制できる。この環状部材用ロボットハンド40は、筒状体20の底部にまで環状部材10を保持して収納できる長さを有するものとする。
【0046】
{配列工程}
配列工程は、環状部材10を積層状態で収納した複数の筒状体20をパレット50上に立てた状態で並列する。
【0047】
(パレット)
パレット50は、複数の筒状体20を所定の並列状態で支持する部材である。本例では、
図2に示すように、底板部52と側壁部54とを備え、上部が開口した矩形容器状のパレット50を用いている。
【0048】
底板部52には、環状部材10を収納した筒状体20が位置決めした状態に嵌められる凹部台座52hを備えている。この凹部台座52hは、筒状体20の横断面形状に対応した開口を有する凹部で、本例では、筒状体20の外径よりも若干大きな内径を有する円形凹部としている。この凹部台座52hに筒状体20の底部側を嵌め込むことで、パレット50上で複数の筒状体20をずれることなく整列状態に保持することができる。凹部台座52hの深さは、環状部材10を収納した筒状体20が容易に傾いたり倒れたりしない程度の深さであればよい。例えば、10〜30mm程度が挙げられる。凹部台座52hの数は、一パレットあたりに並列する筒状体20の数に応じて決めればよく、例えば、20〜100個程度が挙げられる。底板部52の材質には、所定数の筒状体20を並列した状態で支持できる強度を有するものであれば、特に限定されない。各種金属や樹脂が好適に利用できる。
【0049】
側壁部54は、凹部台座52hに嵌め込んだ筒状体20の上端よりも高い位置まで及んで、並列された筒状体20群の周囲を取り囲む壁部である。本例では、
図2に示すように、金網で側壁部54を構成している。但し、
図2では、背面側の側壁部54を部分的に示し、他の面の側壁部は省略している。この側壁部54は、複数のパレット50を所定段数に積み重ねて搬送する場合、その積み重ねが可能な強度を備える材質で構成すればよい。
【0050】
(筒状体用ロボットハンド)
上記のパレットへの筒状体20の移送は、手作業で行っても構わないが、筒状体用ロボットハンドで行うことが好適である。このロボットハンドの具体例としては、筒本体22を外周から保持する構成としたり、筒本体22の開口縁部の複数個所を挟み込むことで保持する構成とすることが挙げられる。
【0051】
{移送工程}
移送工程は、環状部材10を収納した筒状体20を個別に、或いは上述したパレット50に並列した状態でパレット50ごと移送する。この移送により移送前の所定位置(移送元)から移送後の所定位置(移送先)に環状部材10が移動される。
【0052】
この移送手段としては、筒状体10を個別に移送する場合は、コンベアベルトが挙げられ、パレット50ごと移送する場合は、コンベアベルトの他、フォークリフトなどが利用できる。勿論、工場から他の工場、或いは客先に搬送することもできる。
【0053】
移送元と移送先の具体例としては、焼結部品が取り出される焼結炉の出口付近と各種次工程の入口とが挙げられる。次工程には、切削などの機械加工工程や、各種熱処理(水蒸気処理、浸炭焼入れ処理、高周波焼入れ処理、メッキなどの表面処理)の他、焼結部品の検査工程が挙げられる。さらに、焼結部品の生産工場を移送元とし、客先を移送先とする搬送過程にも本発明の搬送方法が利用できる。
【0054】
{取出工程}
環状部材10を収納した筒状体20を移送先の所定位置に移送した後、取出工程では、移送先にて筒状体20から環状部材10を取り出す。この取り出しには、押出軸60と収納工程で既述した環状部材用ロボットハンド40を用いることが好適である。
【0055】
押出軸60は、
図3に示すように、筒状体20の内周突起24の内側に形成される開口から挿入されることで、環状部材10を筒状体20の上部開口から露出させるための棒材である。
【0056】
押出軸60の端部は、内周突起24の中央側に形成される開口から挿入できる外径で、介在板30又は環状部材10との十分な接触面積を確保できる大きさを有することが好ましい。環状部材10を安定して支持するためである。本例では先端部のみ太径とした押出軸60を用いている。
【0057】
この押出軸60は、その端部を筒状体20と相対的に上下動できればよい。例えば、
図3に示すように、押出軸60を固定し、環状部材10を収納した筒状体20をプランジャなどを備える保持具70で押し下げることで、環状部材10が筒状体20の上部開口から露出させればよい。その他、環状部材10を収納した筒状体20を固定し、筒状体20の内周突起24の内側に形成される開口から押出軸60を挿入して上昇させることで、環状部材10が筒状体20の上部開口から露出させてもよい。いずれにおいても、筒状体20の上部開口から環状部材10を露出させることができ、露出された環状部材10を環状部材用ロボットハンド40で次工程に移動させることができる。
【0058】
筒状体20の押し下げや押出軸60の上昇は、段階的に行われることが一般的である。この段階的な移動単位は、1段分の環状部材10に応じた距離であってもよいし、数段分の環状部材10の厚さに応じた距離であっても構わない。移動単位に応じた段数の環状部材10を筒状体20の上部開口から露出することができる。
【0059】
(効果)
上述した環状部材10の搬送方法によれば、複数の環状部材10を筒状体20に積層状態で収納して搬送することで、次の効果を奏することができる。
【0060】
積層された環状部材10の外周は筒状体20で囲まれているため、各環状部材10がずれにくく、安定した積層状態で多数の環状部材10を効率的に搬送することができる。
【0061】
積層された環状部材10は筒状体20内で内周突起24に支持されるため抜け落ちることがない。そのため、環状部材10の筒状体20への収納は、深い筒状体20であっても適宜なロボットハンドなどの使用により、一旦、環状部材10を横積みすることなく行うことができる。環状部材10の筒状体20からの取り出しは、内周突起24の中心側に形成された開口から押出軸60を挿入することで、筒状体20が深くても最上段から最下段までの環状部材10を容易に取り出すことができる。つまり、深い筒状体20を利用することができ、一つの筒状体20に多数の環状部材10を収納できるため、効率的な搬送が可能になる。
【0062】
複数の筒状体20を立てた状態で並列して搬送しても、各筒状体20に収納される環状部材10同士が接触することがない。そのため、環状部材10の損傷を抑制できる。
【0063】
パレット50を用いることで、複数の筒状体20を立てた状態で一括して効率的に搬送できる。特に、パレット50に凹部台座52hを設けることで、筒状体20の傾きや転倒を抑制でき、確実な環状部材10の搬送が可能になる。
【0064】
介在板30を用いることで、押出軸60と環状部材10の直接接触を回避でき、環状部材10の損傷を抑制しやすい。この介在板30は、一旦筒状体20内に収納すれば、多数回の環状部材10の収納・取り出し時に、筒状体20の底板として繰り返し利用できる。介在板30の押出軸60との当接面が平面であれば、環状部材10が凹凸のある表面を有していても、安定して押出軸60で環状部材10を支持しやすい。
【0065】
外周突起を備えていれば、外周突起を支持或いは押圧することで、環状部材10を収納した筒状体20をロボットアームで保持することや、筒状体20を押出軸60に対して相対的に上下動させることが容易にできる。