特許第6566471号(P6566471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6566471自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法及び医療用画像処理システム並びにバイオマーカー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566471
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法及び医療用画像処理システム並びにバイオマーカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
   A61B5/055 382
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-132440(P2015-132440)
(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公開番号】特開2017-12480(P2017-12480A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】504145320
【氏名又は名称】国立大学法人福井大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100152319
【弁理士】
【氏名又は名称】曽我 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】小坂 浩隆
(72)【発明者】
【氏名】丁 ミンヨン
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/178323(WO,A1)
【文献】 特開2014−183924(JP,A)
【文献】 特表2014−505055(JP,A)
【文献】 特開2015−116213(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/178322(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0143041(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0004422(US,A1)
【文献】 ZOU, Qi-Hong et al.,An Improved approach to detection of amplitude of low-frequency fluctuation(ALFF) for resting-state fMRI: Fractional ALFF,Journal of Neuroscience Methods,Elsevier,2008年 7月15日,172(1),137-141
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/04 − 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を検知する工程を含む医療用画像処理方法であって、少なくとも以下の1)〜3)の工程を含む、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法:
1)安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、脳内のROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)から選択される少なくとも4箇所に含まれる複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を検知する工程;
2)前記検知された脳活動を示す信号(A)と、定型発達者について前記と同じ各ROIについて予め取得された脳活動を示す信号(B)と比較分析する工程;
3)各々のROIにおける信号(A)と信号(B)の比較分析結果より、自閉スペクトラム症診断支援情報の出力工程。
【請求項2】
脳活動を示す信号(A)が、安静時fMRI(rs-fMRI)撮影中の移動された頭の回転と平行移動を計算し、回転と移動の距離を基に脳画像の位置を補正する工程を経て得られた信号(A)である、請求項1に記載の医療用画像処理方法。
【請求項3】
脳活動を示す信号(A)が、安静時fMRI(rs-fMRI)で出力された一番上のスライスと一番下のスライスの撮影時間の差を計算し、時間の差による脳画像の位置を補正する工程を経て得られた信号(A)である、請求項1又は2に記載の医療用画像処理方法。
【請求項4】
脳活動を示す信号が、rs-fMRIで得た被験者の脳賦活の高度と幅の変動量を計算して得られる値である、請求項1〜3のいずれかに記載の医療用画像処理方法。
【請求項5】
脳活動を示す信号が、rs-fMRIで得た被験者の脳画像から算出された低周波振幅変動量(fALFF)のZ値である、請求項4に記載の医療用画像処理方法。
【請求項6】
前記各々の脳領域における信号(A)と信号(B)の比較分析結果より、fALFFのZ値について、関心領域(ROI)がROI 4(中部帯状回)及びROI 7(左後部帯状回)の場合は各々(A値)>(B値)であり、関心領域(ROI)がROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 5(右舌状回)及びROI 6(左下前頭回)の場合は各々(B値)>(A値)の値を示す場合に、自閉スペクトラム症の危険性が高いとする診断支援情報を出力する、請求項1〜5のいずれかに記載の医療用画像処理方法。
【請求項7】
脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を検知する工程を含む医療用画像処理方法であって、少なくとも以下の1)〜3)の工程を含む、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法:
1)安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、脳内のROI 8(左島回)、ROI 9(左側頭極)、ROI 10(右補足運動野)、ROI 11(左補足運動野)、ROI 12(左中心前回)、ROI 13(右島回)に含まれる複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を、経時的に検知する工程;
2)前記経時的に検知して得られた信号(A)の変動の違いを出力する工程;
3)前記信号(A)の変動の違いから、自閉スペクトラム症の症状改善度の判断補助のためのデータを出力する工程。
【請求項8】
rs-fMRIで得た被験者の脳画像の入力部位(a)、当該入力された脳画像から、脳内の特定のROIについて脳活動を示す信号(A)を検知する部位(b)、当該信号(A)と、当該特定のROIについて予め作成された定型発達者の脳活動を示す信号(B)と比較分析する部位(c)及び当該特定のROIにおける信号(A)と信号(B)の比較分析結果の出力部位(d)を少なくとも備えてなる医療用画像処理システムであって脳内の特定のROIがROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)から選択される少なくとも4箇所、又はROI 8(左島回)、ROI 9(左側頭極)、ROI 10(右補足運動野)、ROI 11(左補足運動野)、ROI 12(左中心前回)、ROI 13(右島回)に含まれる複数箇所のROIである、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理システム。
【請求項9】
ROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)から選択される少なくとも4箇所に含まれる関心領域(ROI)より得られる脳活動を示す信号(A)からなる自閉スペクトラム症診断補助のためのバイオマーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法及び医療用画像処理システムに関し、自閉スペクトラム症診断補助のためのバイオマーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
自閉スペクトラム症(Autistic Spectrum Disorde:ASD)とは、自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害等の各疾患を連続体の要素として捉えたものである。自閉スペクトラム症の診断基準は、米国精神医学会による「精神障害の診断と統計の手引き-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-5:DSM-5)」に示され、世界保健機関(WHO)の作成した国際疾病分類第10版(ICD-10)では、自閉症、小児自閉症、アスペルガー症候群、他の広汎性発達障害など分類されている。主な特徴は、対人相互反応の質的な障害、意思伝達の著しい異常又はその発達の障害、活動と興味の範囲の著しい限局性等が挙げられる。自閉スペクトラム症は1%以上の高い有病率といわれているが、各診療医が臨床経験をもとに、上記の基準に基づいて診断を行うのが現状である。臨床現場に利用可能な明確なバイオマーカーが存在せず、脳内ネットワークについても明確に解明されていない。客観的かつ簡便に自閉スペクトラム症を判別可能なツールが求められている。
【0003】
脳機能画像法の1つであるfMRI(functional magnetic resonance imaging)は、感覚刺激や認知課題遂行による脳活動と安静時や対照課題遂行による脳活動の違いを検出して、脳全体もしくは関心のある脳領域(Region-of-interest:ROI)での課題遂行機能の構成要素に対応する脳賦活を探求することに用いられてきた。一方で、複数の脳領域(ROI)間において課題などの違いによる活動の相関関係の変化をみることにより、それら脳領域間の機能的結合(functional connectivity)が評価されてきた。通常、安静時にも脳は活動を休止しているわけではなく、安静時のBOLD(blood oxygenation level-dependent)信号の低周波性(0.1Hz以下)の揺らぎ成分に着目すると、両側運動野の信号に時間的相関関係があることを1995年Biswalらが示し、安静時の信号にも自発的脳活動に由来する機能的結合の情報が含まれていることが示唆された。安静時のfMRI(functional magnetic resonance imaging)によるBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)の評価はrs-fMRI(resting state functional MRI)ともいう。
【0004】
近年技術的に進歩の著しいMRIを用いた脳画像研究が行なわれ、自閉スペクトラム症に関連した脳の機能的・形態的異常が報告されている。fMRIはMRIを用い、ヒト及び動物の脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する脳機能を画像でとらえる方法の一つである。近年のニューロイメージングの中でも最も発達した手法の一つであり、コンピュータ技術の飛躍的な進歩と共に画像解析方法も発展しつつある。そして自閉スペクトラム症の臨床像の背景をなす脳基盤についても徐々に明らかにされつつある。例えば、fMRIによる1箇所又は複数箇所の脳領域から自閉症を判定する方法(特許文献1:米国出願US2012/0143041号公報)や、複数の脳内所定領域の信号を安静時fMRI(rs-fMRI)で時系列に検出して、脳領域間の結合状態から自閉症の診断を行う方法(特許文献2:特許第5641531号公報)などが開示されている。また、自閉症診断への新しいアプローチとして、fMRIによる脳画像診断の可能性が記載されている(非特許文献1:Dana Davies-Shaw, Proc. of SPIE Vol.6863 68630A-1)。しかしながら、rs-fMRIは解析に時間を要し、数字では判断しにくいという問題点があり、また患者間の比較が困難であるとの問題もある。rs-fMRIの結果を基に低周波数振幅変動量(fALFF:fractional amplitude of low-frequency fluctuation)を解析したものについて報告がある(非特許文献2:J Neurosci Methods 2008, 172:137-41、非特許文献3:Hum Brain Mapp 2014, 35:627-637)。rs-fMRIの結果について、自閉スペクトラム症診断補助のため、臨床現場で応用可能な解析方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国出願US2012/0143041号公報
【特許文献2】特許第5641531号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Dana Davies-Shaw, Proc. of SPIE Vol.6863 68630A-1
【非特許文献2】Zou Q-H. et al., J Neurosci Methods 2008, 172:137-41
【非特許文献3】Yu R. et al., Hum Brain Mapp 2014, 35:627-637
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、短時間かつ客観的に自閉スペクトラム症(ASD)の診断補助のための医療用画像処理方法及び画像処理システムを提供することを課題とし、更には自閉スペクトラム症の診断補助のためのバイオマーカーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、被験者における脳内の複数箇所の関心領域(Region-of-interest:ROI)について、少なくとも4箇所以上の領域における脳活動を示す信号を、同ROIにおける定型発達者(Typically Developing:TD)の信号と比較することで、客観的かつ簡便に自閉スペクトラム症を判別可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、以下よりなる。
1.少なくとも以下の1)〜3)の工程を含む、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法:
1)安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を検知する工程;
2)前記検知された脳活動を示す信号(A)と、定型発達者について前記と同じ各ROIについて予め取得された脳活動を示す信号(B)と比較分析する工程;
3)各々のROIにおける信号(A)と信号(B)の比較分析結果より、自閉スペクトラム症診断支援情報の出力工程。
2.脳活動を示す信号(A)が、安静時fMRI(rs-fMRI)撮影中の移動された頭の回転と平行移動を計算し、回転と移動の距離を基に脳画像の位置を補正する工程を経て得られた信号(A)である、前項1に記載の医療用画像処理方法。
3.脳活動を示す信号(A)が、安静時fMRI(rs-fMRI)で出力された一番上のスライスと一番下のスライスの撮影時間の差を計算し、時間の差による脳画像の位置を補正する工程を経て得られた信号(A)である、前項1又は2に記載の医療用画像処理方法。
4.前記複数箇所のROIが、ROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)から選択される少なくとも4箇所に含まれる関心領域(ROI)である、前項1〜3のいずれかに記載の医療用画像処理方法。
5.脳活動を示す信号が、rs-fMRIで得た被験者の脳賦活の高度と幅の変動量を計算して得られる値である、前項1〜4のいずれかに記載の医療用画像処理方法。
6.脳活動を示す信号が、rs-fMRIで得た被験者の脳画像から算出されたfALFFのZ値である、前項5に記載の医療用画像処理方法。
7.前記各々の脳領域における信号(A)と信号(B)の比較分析結果より、fALFFのZ値について、関心領域(ROI)がROI 4(中部帯状回)及びROI 7(左後部帯状回)の場合は各々(A値)>(B値)であり、関心領域(ROI)がROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 5(右舌状回)及びROI 6(左下前頭回)の場合は各々(B値)>(A値)の値を示す場合に、自閉スペクトラム症の危険性が高いとする診断支援情報を出力する、前項1〜6のいずれかに記載の医療用画像処理方法。
8.少なくとも以下の1)〜3)の工程を含む、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法:
1)安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を、経時的に検知する工程;
2)前記経時的に検知して得られた信号(A)の変動の違いを出力する工程;
3)前記信号(A)の変動の違いから、自閉スペクトラム症の症状改善度の判断補助のためのデータを出力する工程。
9.前記複数箇所のROIが、ROI 8(左島回)、ROI 9(左側頭極)、ROI 10(右補足運動野)、ROI 11(左補足運動野)、ROI 12(左中心前回)、ROI 13(右島回)に含まれる関心領域(ROI)である、前項8に記載の医療用画像処理方法。
10.rs-fMRIで得た被験者の脳画像の入力部位(a)、当該入力された脳画像から、脳内の特定のROIについて脳活動を示す信号(A)を検知する部位(b)、当該信号(A)と、当該特定のROIについて予め作成された定型発達者の脳活動を示す信号(B)と比較分析する部位(c)及び当該特定のROIにおける信号(A)と信号(B)の比較分析結果の出力部位(d)を少なくとも備えてなる、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理システム。
11.ROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)から選択される少なくとも4箇所に含まれる関心領域(ROI)より得られる脳活動を示す信号(A)からなる自閉スペクトラム症診断補助のためのバイオマーカー。
【発明の効果】
【0010】
本発明の医療用画像処理方法及び画像処理システムにより、自閉スペクトラム症の診断補助のために感度、特異度、陽性的中率及び陰性的中率が優れた診断支援情報を出力することができる。従来は自閉スペクトラム症について世界保健機関(WHO)の作成した診断基準や米国精神医学会による診断基準に基づいて、各診療医が臨床経験をもとに診断を行なっており、客観的な判断が困難であったのに対し、客観的かつ簡便に自閉スペクトラム症を判別可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の医療用画像処理を行うためのフローチャート及びrs-fMRIに取得されたデータについて、標準化(Normalization)処理画像、空間的平滑化(Smoothing)処理画像及び、fALFFのマップ(map)画像を各々示す図である。(実施例1)
図2】本発明の医療用画像処理システムの概念を示す図である。(実施例1)
図3】自閉スペクトラム症(ASD)及び定型発達者(TD)より得たfALFFのZ値の比較値を示す図である。(実施例1)
図4】ROI数による支援情報の出力情報に基づく、自閉スペクトラム症(ASD)診断に対する感度、特異度、陽性的中率及び陰性的中率の結果を示す図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0012】
近年MRIをはじめとした脳の活動に関連した血流動態反応を視覚化する脳機能画像処理システムの進歩に伴い、脳内の特定の関心領域(以下「ROI」ともいう。)に的を絞ったROI法や、全脳的に探索を行う全脳解析法などにより、自閉スペクトラム症(ASD)における脳の様々な領域での異常が確認されつつある。
【0013】
本発明は、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法に関する。本発明の画像処理方法に関し、予め自閉スペクトラム症患者(ASD)と定型発達者(TD)の各領域における脳活動の信号は、データベース化しておくのが好ましい(図1、2)。作成されたデータベースの値に基づいて、被験者より得られた脳活動の信号の比較を行い、自閉スペクトラム症の診断補助のための画像処理を行うことができる。
【0014】
本明細書において、「信号(A)」とは、被験者より得られた脳内の複数箇所の関心領域(ROI)の各々の脳活動を示す信号をいい、「信号(B)」とは定型発達者(TD)より得られた脳内の複数箇所の関心領域(ROI)の各々の脳活動を示す信号をいう。本明細書において被験者とは、例えば自閉スペクトラム症の診断を所望する対象者が挙げられる。一方、信号(B)は、上記作成したデータベースに示す信号のうち定型発達者(TD)に基づく信号である。信号(B)は、本発明の自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法の対照となる。
【0015】
本発明の医療用画像処理方法は、少なくとも以下の1)〜3)の工程を含む方法により行われる。
1)安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を検知する工程;
2)前記検知された脳活動を示す信号(A)と、定型発達者(TD)について前記と同じ各ROIについて予め取得された脳活動を示す信号(B)と比較分析する工程;
3)各々のROIにおける信号(A)と信号(B)の比較分析結果より、自閉スペクトラム症診断支援情報の出力工程。
【0016】
本発明において、脳活動を示す信号、即ち本明細書の「信号(A)」及び「信号(B)」は、rs-fMRIから得られた結果に基づき取得することができる。rs-fMRIで得た脳画像データは、実験中の体動や心拍などによる頭部の動きにより影響を受けるため、解析可能な信号を取得するために、前処理を行うことが必要である。具体的には、標準化MRI画像に適合させるための位置補正(Realignment、Slice timing correction)、標準化(Normalization)及び空間的平滑化(Smoothing)等が挙げられる。補正の方法は、例えば撮影中の移動された頭の回転と平行移動を計算し、回転と移動の距離を基に脳画像の位置を補正したり、fMRI時間の補正をする等、自体公知の方法を適用することができ、特に限定されない。補正は、具体的にはRealignment処理では、6のパラメータ(x軸,y軸,z軸方向の平行移動、x軸を中心とした回転(pitch)、y軸を中心とした回転(roll)、z軸を中心とした回転(yaw))に基づく最少2情報を用いた剛体変換の操作を行うことによって達成される。さらに24のパラメータに基づく補正方法も報告されており、例えばFriston KJ. et al.(Magn Reson Med 1996, 35:346-355)やYan CG. et al.(Neuroimage 2013, 76:183-201)に開示される方法を適用することができる。さらに、fMRIで出力された一番上のスライスと一番下のスライスの撮影時間の差を計算し、時間の差による脳画像の位置を補正する時間の補正(Slice timing correction)を行うのが好ましい。本発明において、脳活動を示す信号は、上記が行われたのちに標準脳に変換(標準化)される。標準脳とは、MNI(Montreal Neurological Institute)の標準脳モデルが適用される(http://www.bic.mni.mcgill.ca/~louis/stx_history.htmlを参照)。標準化については、特に限定されず自体公知の方法、又は今後開発される方法を適用することができる。空間的平滑化は、前記補正処理や標準化処理の際に生じたノイズを除いたり統計解析を行う上で重要なフィルター処理である。空間的平滑化処理法も、自体公知の方法及び今後開発されるあらゆる方法を適用することができる。
【0017】
本発明で取得される脳活動を示す信号により、被験者個人の脳機能マップを作成することができる。本明細書において、脳活動を示す信号とは、rs-fMRIで得た被験者の脳賦活の高度と幅の変動量を計算して得られる値であり、より具体的には上述の前処理を行ったfMRI画像処理データから算出された低周波振幅変動量(fALFF:fractional amplitude of low-frequency fluctuation)のZ値をいう。低周波振幅変動量(fALFF)の概念は非特許文献2及び3に開示されている。本明細書において低周波振幅変動量を、以下単に「fALFF」という。fMRI画像処理データは、例えばSPM8(http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)を用いて測定することができ、データ処理のためにDPARSF(Chao-Ganら、2010年)用いることができる。fMRIは、例えばDiscovery MR750 3.0T (3.0T MRI装置:GEヘルスケア社)を用いてエコープラナー法(echo planar imaging, EPI)で測定することができる。全脳をカバーするために、EPIは約3.5〜4.5mmの厚さで0.5〜1.0mmのギャップを含む30〜40枚のスライスにより測定することができる。被験者は、眠らない状態で安静を維持し、測定は5〜12分、好ましくは7〜10分かけて行なうことができる。
【0018】
fALFFのZ値は、fMRIの周波数に応じて解析し、算出することができる。波長の周波数は、0.01-0.1により適宜決定することができる。例えば(1)0.01-0.08 Hz(Typical band)、(2)0.01-0.027 Hz(Slow-5)及び(3)0.027-0.08 Hz(Slow-4)のように周波数を変えて解析し、算出することができる。
【0019】
具体的には、fALFFのZ値は以下の式(1)〜(3)により算出することができる。以下において、aはBOLD信号値の高度、bはBOLD信号値の幅、kはvoexl数及びNはtime pointを意味する。本明細書において、取得された信号(A)と信号(B)の値を解析し、算出されたfALFFのZ値は、各々「A値」と「B値」で示す。
【数1】
【数2】
【数3】
【0020】
本発明における複数箇所のROIとは、脳領域におけるROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)が挙げられる。本発明において比較分析の対象となる関心領域(ROI)は、上記ROI 1〜7から選択される4箇所以上である。ROIによる関心領域の位置は、標準脳モデル座標(MNI座標、x軸,y軸,z軸形式)で特定することができる。
【0021】
ROI 1〜7の位置は、具体的には以下で特定することができる。
ROI 1(右紡錘状回) :x=20〜55、y=-86〜-19及びz=-24〜5
ROI 2(左舌状回) :x=-52〜-4、y=-93〜-49及びz=-15〜15
ROI 3(右舌状回) :x=4〜32、y=-96 〜-53及びz=-12〜9
ROI 4(中部帯状回):x=-6〜7、y=-7〜7及びz=35〜41
ROI 5(右舌状回) :x=4〜32、y=-96 〜-53及びz=-12〜9
ROI 6(左下前頭回) :x=-61〜-8、y=-32〜50及びz=-21〜37
ROI 7(左後部帯状回) :x=-15〜15、y=-72〜-17及びz=10〜38
【0022】
自閉スペクトラム症の診断支援情報は、取得された信号(A)と信号(B)の値を解析することで出力することができる。解析して得られた各信号のfALFFのZ値は、各々(A値)、(B値)で示す。例えば、fALFFのZ値について、関心領域がROI 4(中部帯状回)及びROI 7(左後部帯状回)の場合は各々(A値)>(B値)であり、関心領域(ROI)がROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 5(右舌状回)及びROI 6(左下前頭回)の場合は各々(B値)>(A値)の値を示す場合に、自閉スペクトラム症の危険性が高いとする診断支援情報を出力することができる(図3参照)。
【0023】
本発明において、関心領域であるROI 1〜7のいずれか4箇所以上の脳活動を示す信号(A)の値、即ち4箇所以上のfALFFのZ値を、自閉スペクトラム症診断補助のためのバイオマーカーとすることができる。当該バイオマーカーも本発明の範囲に含まれる。具体的にはROI 4(中部帯状回)及びROI 7(後部帯状回)の場合は、(A値)>(B値)のものをバイオマーカーとすることができ、ROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 5(右舌状回)及びROI 6(左下前頭回)の場合は(B値)>(A値)のものをバイオマーカーとすることができる。
【0024】
本発明は、上述の医療用画像処理を行うための医療用画像処理システムにも及ぶ。本発明の医療用画像処理システムは、少なくとも以下の(a)〜(d)を備えることを特徴とする(図2参照)。
1)rs-fMRIで得た被験者の脳画像の入力部位(a);
2)当該入力された脳画像から、脳内の特定のROIについて脳活動を示す信号(A)を検知する部位(b);
3)当該信号(A)と、当該特定のROIについて予め作成された定型発達者(TD)の脳活動を示す信号(B)と比較分析する部位(c);
4)当該特定のROIにおける信号(A)と信号(B)の比較分析結果の出力部位(d)
【0025】
上記医療用画像処理システムでは、rs-fMRIで得た被験者の脳画像データより解析可能な信号を取得するために、標準化MRI画像に適合させるための位置補正(Realignment、Slice timing correction)、標準化(Normalization)及び空間的平滑化(Smoothing)等の処理システムを備えておくのが好適である。当該医療用画像処理システムにおいて、これらの前処理を行うため、及び上述の医療用画像処理方法により診断支援情報を出力するために、定型発達者(TD)の脳活動を示す信号(B)をデータベース化し、当該システムにデータベースの情報を組み込んでおくことが特に好適である。
【0026】
本発明は、少なくとも以下の1)〜3)の工程を含む、自閉スペクトラム症診断補助のための医療用画像処理方法にも及ぶ。下記工程を含む方法により、自閉スペクトラム症に対して治療を行った場合に、治療効果を確認することができる。
1)安静時fMRI(rs-fMRI)で得た被験者の脳画像について、脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、各々の脳活動を示す信号(A)を、経時的に検知する工程;
2)前記経時的に検知して得られた信号(A)の変動の違いを出力する工程;
3)前記信号(A)の変動の違いから、自閉スペクトラム症の症状改善度の判断補助のためのデータを出力する工程。
【0027】
この場合において、前記複数箇所のROIが、ROI 8(左島回)、ROI 9(左側頭極)、ROI 10(右補足運動野)、ROI 11(左補足運動野)、ROI 12(左中心前回)、ROI 13(右島回)の他、ROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 4(中部帯状回)、ROI 5(右舌状回)、ROI 6(左下前頭回)、ROI 7(左後部帯状回)が挙げられる。本発明において対象となる関心領域(ROI)は、上記各ROIから選択される4箇所以上である。ROIによる関心領域の位置は、標準脳モデル座標(MNI座標、x軸,y軸,z軸形式)で特定することができる。
【0028】
ROI 8〜13の位置は、具体的には以下で特定することができる。
ROI 8(左島回) :x=-53〜-20、y=-25〜22及びz=-17〜17
ROI 9(左側頭極) :x=-57〜-24、y=-3〜26及びz=-27〜24
ROI 10(右補足運動野) :x=0〜59、y=-20〜31及びz=12〜71
ROI 11(左補足運動野) :x=-59〜0、y=-20〜31及びz=12〜71
ROI 12(左中心前回) :x=0〜-65、y=-35〜15及びz=5〜72
ROI 13(右島回) :x=20〜53、y=-25〜22及びz=-17〜17
【0029】
例えば、本発明は自閉スペクトラム症(ASD)と診断された患者において、薬剤等の治療を行った場合にも、rs-fMRIで得た被験者の脳画像データより脳内の複数箇所の関心領域(ROI)における活動を示す信号、例えばfALFFのZ値を観察し、治療効果との関係を確認することができる。例えば、オキシトシンを継続投与した場合に、ROI 8(左島回)、ROI 9(左側頭極)、ROI 10(右補足運動野)、ROI 11(左補足運動野)、ROI 12(左中心前回)、ROI 13(右島回)等で変動が認められた。具体的には、fALFFのZ値が、オキシトシン継続投与で上昇したのが、ROI 8(左島回)及びROI 9(左側頭極)の2箇所であり、 fALFFのZ値が、オキシトシン継続投与で低下したのが、ROI 10(右補足運動野)、ROI 11(左補足運動野)、ROI 12(左中心前回)、ROI 13(右島回)の4箇所であった。この結果より。オキシトキシンの継続投与による症状の変化を、rs-fMRIの画像処理の結果で確認することが可能と考えられる。
【実施例】
【0030】
本発明の理解を深めるために、図面に記載の内容を参照しつつ、本発明の内容を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことは明らかである。
【0031】
(実施例1)
本実施例では、自閉スペクトラム症者(ASD)及び定型発達者(TD)について、自閉スペクトラム症診断補助のために以下の手順により医療用画像処理行なった。
【0032】
本実施例において、本発明の画像処理を行うために精神障害(DSM-5)の診断・統計マニュアルによりASDと診断された18名の患者(年齢16-40歳、平均年齢25.6歳)及び26名のTD(年齢19-35歳)について、表1に示す7箇所のROIについてfMRIを用いて測定し、fALFFのZ値を解析し、データベースを作成した(図1)。参加者には、てんかん、頭部の深刻な外傷、アルコール又は薬物依存症の患者は含まれていない。
【0033】
【表1】
【0034】
1)データベースの作成
安静時におけるfMRIで得たASD及びTDの脳画像について、複数箇所の関心領域(ROI)の脳活動を示す信号(fALFFのZ値)を得た。本実施例では、ASDより発せられた脳活動を示す信号を信号(A)といい、TDより発せられた脳活動を示す信号を信号(B)という。また、信号(A)、信号(B)より算出して得たfALFFのZ値を各々(A値)、(B値)という。
【0035】
fMRIは、Discovery MR750 3.0T (3.0T MRI装置:GEヘルスケア社)を用いてエコープラナー法(echo planar imaging, EPI)で測定した。全脳をカバーするために、エコーは3.5mmの厚さで0.5mmのギャップを含む40のスライスにより測定した。被験者は、眠らない状態で安静を維持し、測定は7分42秒かけて行った。fMRIのデータは、SPM8(http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)及びデータ処理のためにFMRI(DPARSF(Chao-gangら、2010年))を用いて解析し、fALFFのZ値を算出した。fALFFのZ値は、以下の式で算出した。
【0036】
【数1】
【数2】
【数3】

以上において、aはBOLD信号値の高度、bはBOLD信号値の幅、kはvoexl数及びNはtime pointを意味する。
【0037】
本実施例において、ROI 1〜4についてはTypical band : 0.01-0.08 Hzで解析し、ROI 5についてはSlow-5 : 0.01-0.027 Hzで解析し、ROI 6〜7についてはSlow-4 : 0.027-0.0.08 Hzで解析した。
【0038】
2)ASD及びTD型より得たfALFFのZ値の比較
上記1)で作成したデータベースに基づき、ASD(信号(A))及びTD(信号(B))より得た各fALFFのZ値の平均値を計算し、図3に示した。ROI 4(中部帯状回)及びROI 7(後部帯状回)の場合は各々(A値)>(B値)であり、関心領域(ROI)がROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 5(右舌状回)及びROI 6(左下前頭回)の場合は各々(B値)>(A値)の値を示した。
【0039】
3)自閉スペクトラム症診断支援情報の出力
TD型のROI 1〜7における各fALFFのZ値の平均値を基準値とし、被験者のROI 1〜7における各fALFFのZ値を算出し、解析を行った。その結果、被験者のfALFFのZ値(A値)が基準値より高いROIが4箇所以上ある場合に、感度、特異度、陽性(ASD)的中率及び陰性的中率が正確な値を示した(図4)。即ち、ASDの診断支援情報を提供するために、被験者の信号(A)とTDの信号(B)の値(fALFFのZ値)について、関心領域(ROI)がROI 4(中部帯状回)及びROI 7(後部帯状回)の場合は各々(A値)>(B値)であり、関心領域(ROI)がROI 1(右紡錘状回)、ROI 2(左舌状回)、ROI 3(右舌状回)、ROI 5(右舌状回)及びROI 6(左下前頭回)の場合は各々(B値)>(A値)の値を示す場合に、自閉スペクトラム症の危険性が高いとする診断支援情報を出力することができる(図3参照)。基準値としては、各ROIについて、例えば表2に示す値が挙げられる。
【0040】
【表2】
【0041】
(実施例2)オキシトキシン投与による複数のROIの信号の変化について
本実施例では、インフォームドコンセントを得た10名の被験者について、オキシトシン(OXT)投与による治療効果と脳活動を示す信号(A)の関係について調べた。二重盲検のために、OXTを一日当たり16 IUを経鼻投与する低用量投与群(5名)及び偽薬(プラセボ)投与群(5名)に分類し12週間継続投与し、rs-fMRIで得た被験者の脳画像について、脳内の複数箇所の関心領域(ROI)について、本発明の画像処理法に基づき各々の脳活動を示す信号(A)である、fALFFのZ値を実施例1と同手法により算出した。その結果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】
表3より、fALFFのZ値が、オキシトシン継続投与で上昇したのが、左島回及び左側頭極の2箇所であり、 fALFFのZ値が、オキシトシン継続投与で低下したのが、右補足運動野、左補足運動野、左中心前回、右島回の4箇所であった。この結果より。オキシトキシンの継続投与による症状の変化を、rs-fMRIの画像処理の結果で確認することが可能と考えられた。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上詳述したように、本発明の脳機能画像処理方法により、自閉スペクトラム症の診断の補助ために感度、特異度、陽性(ASD)的中率及び陰性的中率が優れた診断支援情報を出力することができる。従来は各診療医が臨床経験をもとに、自閉スペクトラム症について世界保健機関(WHO)の作成した国際疾病分類(ICD)や米国精神医学会による「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:DSM)」に示されている診断基準に基づいて診断を行なっており客観的な判断が困難であったのに対し、客観的かつ簡便に自閉スペクトラム症を判別可能となる。
【0045】
客観的かつ簡便に自閉スペクトラム症を判別可能となることで、より効果的で、患者にとって最適な治療方法を提供することができる。
図1
図2
図3
図4