特許第6566482号(P6566482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6566482無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566482
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/20 20090101AFI20190819BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20190819BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20190819BHJP
【FI】
   H04W84/20
   H04W84/12
   H04W76/10
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-208526(P2016-208526)
(22)【出願日】2016年10月25日
(65)【公開番号】特開2018-74236(P2018-74236A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】橋村 出
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−103570(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/159588(WO,A1)
【文献】 特開2015−119314(JP,A)
【文献】 特開2010−258619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機または子機として無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶する無線接続情報記憶部と、
前記親機と前記子機の切替処理を行う切替処理部と、
前記親機から前記子機へ切替える場合、次の親機として動作する次の無線通信装置へ親機権と前記無線接続情報とを送信し、前記子機として動作する他の無線通信装置へ、前記親機から前記次の親機への切替指示と前記無線接続情報と、前記親機権を破棄するための親機権破棄指示と、を送信する切替情報送信部と、
を備え、
前記切替処理部は、通信品質又は累積通信量に基づいて前記次の親機を決定する、
無線通信装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、前記他の無線通信装置の累積通信量を受信し、
前記切替処理部は、前記無線通信装置の累積通信量と前記他の無線通信装置の累積通信量とに基づいて、前記他の無線通信装置の中から前記次の親機を決定する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記切替処理部は、前記切替情報送信部が前記切替指示を送信後、前記子機へ切替える、
請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
ユーザインタフェース機能部をさらに備え、
前記ユーザインタフェース機能部を使用して前記無線接続情報は設定される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線接続情報は、SSID(Service Set Identifier)及びパスワードの少なくともいずれか一方を含む、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
親機または子機として無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶する無線接続情報記憶部と、
前記親機として動作する他の無線通信装置から、前記親機から次の親機への切替指示と前記無線接続情報と、親機権を破棄するための親機権破棄指示と、を受信する切替情報受信部と、
前記切替指示に応じて前記親機への切替処理を実行し、前記受信した前記無線接続情報を前記無線接続情報記憶部に記憶する切替処理部と、
を備える、無線通信装置。
【請求項7】
前記切替処理部は、前記子機から前記親機へ切替えを行う、又は、接続している前記親機を切替える、
請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
親機として動作する無線通信装置と、前記無線通信装置と無線通信を行い子機として動作する他の無線通信装置と、を備えた無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶し、
前記親機と前記子機の切替処理を行い、
前記親機から前記子機へ切替える場合、次の親機として動作する次の無線通信装置へ親機権と前記無線接続情報とを送信し、前記子機として動作する前記他の無線通信装置へ、前記親機から前記次の親機への切替指示と前記無線接続情報と、前記親機権を破棄するための親機権破棄指示と、を送信し、
通信品質又は累積通信量に基づいて前記次の親機を決定し、
前記他の無線通信装置は、
前記親機として動作する前記無線通信装置から、前記親機から前記次の親機への前記切替指示と前記無線接続情報と、前記親機権を破棄するための親機権破棄指示と、を受信し、
前記切替指示に応じて前記親機への切替処理を実行し、前記受信した前記無線接続情報を無線接続情報記憶部に記憶する、
無線通信システム。
【請求項9】
親機または子機として無線通信を行うステップと、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶するステップと、
前記親機と前記子機の切替処理を行うステップと、
前記親機から前記子機へ切替える場合、次の親機として動作する次の無線通信装置へ親機権と前記無線接続情報とを送信し、前記子機として動作する他の無線通信装置へ、前記親機から前記次の親機への切替指示と前記無線接続情報と、前記親機権を破棄するための親機権破棄指示と、を送信するステップと、
通信品質又は累積通信量に基づいて前記次の親機を決定するステップと、
を備える、無線通信方法。
【請求項10】
親機または子機として無線通信を行うステップと、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶するステップと、
前記親機と前記子機の切替処理を行うステップと、
前記親機から前記子機へ切替える場合、次の親機として動作する次の無線通信装置へ親機権と前記無線接続情報とを送信し、前記子機として動作する他の無線通信装置へ、前記親機から前記次の親機への切替指示と前記無線接続情報と、前記親機権を破棄するための親機権破棄指示と、を送信するステップと、
通信品質又は累積通信量に基づいて前記次の親機を決定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関するものであり、特に、親機と子機を容易に切替えることが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
回線事業者が提供する通信網(以下、ICS(Internet Service Provider)網)を用いて無線通信を行う際、通信量に、例えば、7GB(ギガバイト)などの制限が課せられることがある。デサリングなどを用いた親機は、帰属する子機の通信を取り扱うため、その通信量は増える。一方で、親機に接続する子機は、親機として動作する場合と比べて通信量は少ない。よって、子機は、その通信量の制限を回避することが可能であるが、親機は、通信量が増大するので制限されることがある。また、無線通信装置が、電波環境が悪い中で通信を行う場合、通信の安定性を確保するために電池の消費量は増大する。
【0003】
このような場合、通信量や電池残量に応じて、親機と子機を入れ替えることで、複数の無線通信装置間で通信量を平均化することができる。そして、例えば、電波環境が安定した無線通信装置を親機として動作する無線通信装置に設定したり、電池残量が多い無線通信装置を親機として動作する無線通信装置に設定することができる。
【0004】
しかしながら、親機と子機を入れ替え後に次の親機に接続する場合、無線接続情報は無線親機ごとに違うため、子機に次の親機の無線接続情報を設定しなければならない。よって、無線親機を切替えることは、ユーザにとって負担となる。すなわち、親機と子機を容易に切替えることは難しいという問題があった。
【0005】
特許文献1には、第1端末と第2端末は、外部通信システムからの干渉に関する統計情報を記録し、記録した統計情報を親局に通知し、親局は、収集した統計情報に基づいて、親局機能の移譲先の候補の局として第2端末を選定し、親局は、第2端末に対して親局機能の移譲を要求し、それに応じて第2端末は、親局機能を移譲してもよいと判断した場合、以後、親局として機能することが開示されている。特許文献2に開示の通信方法は、PLC(Power Line Communication)の通信方法に関連した技術である。従って、特許文献2に開示の通信方法は、WiFi接続に必要なSSID(Service Set Identifier)やパスワードなどの無線接続情報のやりとりを開示していない。
【0006】
特許文献2には、親機のバッテリ残量が設定値以下になったときなどを親/子機切替条件とし、親機である無線通信装置から次の親機となる子機の端末に対して親/子機切替命令を発して、親/子機の役割を切替えることが開示されている。特許文献3に開示の方法は、切替えた場合の無線接続情報のやりとりを開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−045800号公報
【特許文献2】特開2001−103570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、複数の無線通信装置間で、親機と子機を容易に切替えることは難しいという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、親機と子機を容易に切替えることが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る無線通信装置は、
親機または子機として無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶する無線接続情報記憶部と、
前記親機と前記子機の切替処理を行う切替処理部と、
前記親機から前記子機へ切替える場合、前記子機として動作する他の無線通信装置へ、前記親機への切替指示と前記無線接続情報とを送信する切替情報送信部と、
を備える。
【0011】
本発明に係る無線通信装置は、
親機または子機として無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶する無線接続情報記憶部と、
前記親機として動作する他の無線通信装置から、前記親機への切替指示と前記無線接続情報とを受信する切替情報受信部と、
前記切替指示に応じて前記親機への切替処理を実行し、前記受信した前記無線接続情報を前記無線接続情報記憶部に記憶する切替処理部と、
を備える。
【0012】
本発明に係る無線通信システムは、
親機として動作する無線通信装置と、
前記無線通信装置と無線通信を行い子機として動作する他の無線通信装置と、を備え、
前記無線通信装置は、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶し、
前記親機と前記子機の切替処理を行い、
前記親機から前記子機へ切替える場合、前記子機として動作する前記他の無線通信装置へ、前記親機への切替指示と前記無線接続情報とを送信し、
前記他の無線通信装置は、
前記親機として動作する前記無線通信装置から、前記親機への前記切替指示と前記無線接続情報とを受信し、
前記切替指示に応じて前記親機への切替処理を実行し、
前記受信した前記無線接続情報を無線接続情報記憶部に記憶する。
【0013】
本発明に係る無線通信方法は、
親機または子機として無線通信を行うステップと、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶するステップと、
前記親機と前記子機の切替処理を行うステップと、
前記親機から前記子機へ切替える場合、前記子機として動作する他の無線通信装置へ、前記親機への切替指示と前記無線接続情報とを送信するステップと、
を備える。
【0014】
本発明に係るプログラムは、
親機または子機として無線通信を行うステップと、
前記無線通信のための無線接続情報を記憶するステップと、
前記親機と前記子機の切替処理を行うステップと、
前記親機から前記子機へ切替える場合、前記子機として動作する他の無線通信装置へ、前記親機への切替指示と前記無線接続情報とを送信するステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、親機と子機を容易に切替えることが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係る無線通信装置を例示するブロック図である。
図2】実施の形態1に係る無線通信装置の機能を例示するブロック図である。
図3】実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を例示するブロック図である。
図4】実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を例示するブロック図である。
図5】実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を例示するブロック図である。
図6】実施の形態1に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
図7】実施の形態1に係る無線通信装置の動作を例示するフローチャートである。
図8】実施の形態1に係る無線通信装置の動作を例示するフローチャートである。
図9】実施の形態2に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
図10】実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図11】実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図12】実施の形態3に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
図13】実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図14】実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図15】実施の形態3に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
図16】親機と子機と子機のユーザインタフェースを例示する図である。
図17】親機と子機と子機のユーザインタフェースを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0018】
[実施の形態1]
実施の形態1に係る無線通信装置の構成ついて説明する。
図1は、実施の形態1に係る無線通信装置を例示するブロック図である。
【0019】
図1に示すように、実施の形態1に係る無線通信装置100は、複数の無線通信装置200、300及び400のそれぞれと通信を行う。無線通信装置100は、親機権Rpを保有する親機、又は、親機と通信を行う親機権Rpを保有しない子機に切替可能な無線通信装置である。親機権Rpを保有する無線通信装置は、親機として動作する。親機権Rpを保有しない無線通信装置は、子機として動作する。この例では、無線通信装置100が親機であり、無線通信装置200、300及び400が子機であり、次の親機は無線通信装置200であるものとする。
尚、この例では、親機権Rpは、親機として動作するための権利であるものとする。
【0020】
無線通信装置100は、無線通信部110と無線接続情報記憶部114と切替処理部112とを有する。無線通信部110は、受信部111と送信部113とを有する。受信部111は、切替情報受信部115を有し、送信部113は、切替情報送信部116を有する。無線通信部110は、親機または子機として無線通信を行う。無線接続情報記憶部114は、無線通信のための無線接続情報Csを記憶する。切替処理部112は、親機と子機の切替処理を行う。切替情報送信部116は、親機から子機へ切替える場合、子機として動作する他の無線通信装置200、300及び400へ、親機への切替指示Psと無線接続情報Csとを送信する。
尚、親機権Rpは、例えば、無線接続情報記憶部114に記憶されていてもよい。また、受信部111と切替情報受信部115とが別々の構成であってもよい。また、送信部113と切替情報送信部116とが別々の構成であってもよい。
【0021】
無線通信装置100が親機として動作する場合を説明する。
受信部111は、複数の子機として動作する無線通信装置200、300及び400のそれぞれから通信に関する情報J200、J300及びJ400を受信する。
【0022】
切替処理部112は、無線通信装置100の通信に関する情報J100(図示せず)と、複数の子機である無線通信装置200、300及び400の通信に関する情報J200、J300及びJ400とに基づいて、複数の子機である無線通信装置200、300及び400の中から次の親機を決定する。切替処理部112は、送信部113が親機を切替えるための切替指示Psを送信後、自無線通信装置100を子機へ切替える。
【0023】
送信部113は、受信部111が受信した通信に関する情報J200の通信情報受信レスポンスRj200(図示せず)、親機を切替えるための切替指示Ps及び通信を行うための無線接続情報Csを、子機である無線通信装置200へ送信する。送信部113は、受信部111が受信した通信に関する情報J300の通信情報受信レスポンスRj300(図示せず)、親機を切替えるための切替指示Ps及び通信を行うための無線接続情報Csを、子機である無線通信装置300へ送信する。送信部113は、受信部111が受信した通信に関する情報J400の通信情報受信レスポンスRj400(図示せず)、親機を切替えるための切替指示Ps及び通信を行うための無線接続情報Csを、子機である無線通信装置400へ送信する。送信部113は、親機権Rpを次の親機である無線通信装置200へ送信する。
【0024】
尚、無線通信装置100が子機として動作する場合は、以下のように動作する。
無線通信部110は、子機として無線通信を行う。無線通信装置100の切替情報受信部115は、親機として動作する他の無線通信装置、例えば、無線通信装置200から、親機への切替指示Psと無線接続情報Csとを受信する。切替処理部112は、切替指示Psに応じて親機への切替処理を実行する。切替処理部112は、受信した無線接続情報Csを無線接続情報記憶部114に記憶する。
【0025】
また、切替処理部112は、子機から親機へ切替えを行う、又は、接続している親機を切替える。接続している親機を切替えるとは、現在の親機である無線通信装置から次に親機となる無線通信装置へ接続先を切替えるということである。
【0026】
無線通信装置100が子機として動作する場合を、より具体的に説明する。
送信部113は、親機へ無線通信装置100の通信に関する情報J100を送信する。受信部111は、親機から通信情報受信レスポンスRj100、切替指示Ps及び無線接続情報Csを受信する。受信部111は、無線通信装置100が次の親機である場合、親機から親機権Rpを受信する。切替処理部112は、受信部111が親機権Rp及び切替指示Psを受信した場合、又は、親機権Rpを受信し自無線通信装置100の通信に関する情報J100の送信時から起算して所定の期間Th内に通信情報受信レスポンスRj100を受信しない場合、自無線通信装置100を親機へ切替える。
【0027】
尚、通信情報受信レスポンスを、単に、受信レスポンスと称することもある。また、無線接続情報Csは、無線接続を行うための設定であり、例えば、SSID(Service Set Identifier)や無線接続のためのパスワードなどである。通信に関する情報を、通信情報と称することもある。また、無線接続情報Csは、子機からの無線接続情報取得要求Csrに応じて送信されてもよい。また、通信情報J200及び通信情報J300は、定期的に送信されてもよい。
【0028】
また、この例では、複数の無線通信装置200、300及び400の中から、次に親機権Rpが設定される無線通信装置を決定した。これには限定されずに、自無線通信装置100を含めた無線通信装置100、200、300及び400の中から、次に親機権Rpが設定される無線通信装置を決定してもよい。
【0029】
また、親機権Rpを保有する無線通信装置を、親機権Rpが設定される無線通信装置と称することもある。また、親機権Rpが設定される無線通信装置を親機と称し、親機権Rpが設定されない無線通信装置を子機と称することもある。また、無線通信装置を、単に、端末と称することもある。
【0030】
実施の形態1においては、無線通信装置100の切替処理部112が無線通信装置100を子機へ切替えると判断した場合、親機を切替えるための切替指示Ps及び通信を行うための無線接続情報Csを複数の子機200、300及び400へ送信する。これにより、ユーザが無線接続情報Csを行う必要はなく、ユーザの無線接続情報Csの設定を簡易化することができる。よって、親機から子機、又は、子機から親機へ、無線通信装置の状態に合わせて自動的且つ高速に切替えることができる。
【0031】
また、実施の形態1においては、子機である無線通信装置200、300及び400から親機である無線通信装置100へ、通信情報J200、J300及びJ400は、定期的に送信される。これにより、何らかの理由で親機がネットワークから離脱して、これらの通信情報を受信しなくなった場合、親機は通信情報受信レスポンスを送信しなくなる。これをもって、子機は親機がネットワークから離脱したことを検出することができる。離脱を検出することで、親機権Rpを保有する子機と親機権Rpを保有していない子機とが共に切替指示Psを受信したときと同様に振る舞い、スムースな親機切替えをすることができる。また、親機切替時には、無線接続情報Csも共有しているので、ユーザは新たな設定が不要である。よって、親機がネットワークから離脱した場合でも、安定した動作が実現できる。
【0032】
実施の形態1に係る無線通信装置の機能について説明する。
図2は、実施の形態1に係る無線通信装置の機能を例示するブロック図である。
この例では、最初は、無線通信装置100は親機権Rpが設定され親機として動作し、それ以外の無線通信装置200、300及び400は、親機権Rpが設定されず子機として動作するものとする。
【0033】
図2に示すように、無線通信装置100は、親機機能部101と子機機能部102と端末状態管理部103と無線接続情報管理部104と親機権委譲機能部105とユーザインタフェース機能部106とを有する。
【0034】
無線通信装置100が親機として動作する場合、親機機能部101に、複数の子機200、300及び400から通信に関する情報J200、J300及びJ400を受信する受信部111の機能や、親機権Rpを次の親機へ送信する送信部113の機能等が含まれる。また、端末状態管理部103は、切替処理部112の機能が含まれる。
【0035】
また、無線通信装置100が子機として動作する場合、子機機能部102に、無線通信装置100の通信に関する情報J100を親機へ送信する送信部113の機能や、親機から切替指示Ps及び無線接続情報Csを受信する受信部111の機能等が含まれる。
【0036】
親機機能部101は、例えば、子機として動作している無線通信装置200から適正な無線接続情報Csで無線接続要求Rq(図示せず)があった場合、無線接続を許可する。そして、親機機能部101は、無線接続後、自無線通信装置100を介して外部に設けられた通信装置等との接続を提供する。
【0037】
子機機能部102は、親機権Rpが設定され、親機として機能する無線通信装置100に対し、無線接続情報Csで無線接続要求Rqを行う。そして、無線通信装置100から無線接続を許可された場合、無線接続を行い無線通信装置100を介して外部に設けられた通信装置等と通信を行う。
【0038】
端末状態管理部103は、親機と子機の状態を管理する機能を有する。端末状態管理部103は、親機として動作する場合、配下の子機200の通信情報J200、子機300の通信情報J300、子機400の通信情報J400及び自無線通信装置100の通信情報J100を受信し収集し解析する。
【0039】
端末状態管理部103(切替処理部112)は、自無線通信装置100の通信情報J100と、複数の子機である無線通信装置200、300及び400の通信情報J200、J300及びJ400に基づいて複数の子機である無線通信装置200、300及び400の中から次の親機を決定する。
【0040】
端末状態管理部103は、例えば、子機200からの通信情報J200を受信すると、それに対して通信情報受信レスポンスRj200を子機200へ送信する。端末状態管理部103は、通信情報J100、J200、J300及びJ400を受信し収集し解析した後、それらの結果を親機権委譲機能部105へ引き渡す。
【0041】
端末状態管理部103は、親機権Rpを次の親機へ委譲する指示を出す。端末状態管理部103は、自無線通信装置100の通信情報J100と所定の閾値Jhとに基づいて、自無線通信装置100を子機へ切替えるかどうかの判断を行う。端末状態管理部103は、自無線通信装置100を子機へ切替えると判断した場合、切替指示Ps及び無線接続情報Csを含み、親機切替えを示す親機切替パケットPspを他の無線通信装置200、300及び400へ送信する指示を送信部113へ出す。親機から子機に切替わるとき、端末状態管理部103を用いて、自無線通信装置に帰属している全ての子機に、親機切替パケットPspを送信する。
【0042】
尚、端末状態管理部103は、親機として動作する場合、自無線通信装置100の通信に関する情報J100が所定の閾値Jh以下で、自無線通信装置100を子機へ切替えると判断してもよい。
【0043】
端末状態管理部103が親機を切替えない場合、すなわち、自無線通信装置100を親機として動作したままの場合、親機切替パケットPspを他の無線通信装置200、300及び400へ送信しない。
【0044】
端末状態管理部103は、子機として機能する場合、帰属している親機に対して通信情報J100を送信し、その返信である通信情報受信レスポンスRj100を受信する。また、親機から親機切替パケットPspを受信する。
【0045】
無線接続情報管理部104は、無線接続で使用する無線接続情報Csを管理する。無線通信装置が、次の親機となって子機と無線接続する場合、無線接続情報管理部104に設定された無線接続情報Csが使用される。
【0046】
尚、無線接続情報Cs及び所定の閾値Jhは、例えば、ユーザが全ての無線通信装置のそれぞれのユーザインタフェース機能部を使用して、予め設定されてもよい。そして、無線接続情報管理部104が、ユーザインタフェース機能部106から予め設定された無線接続情報Cs及び所定の閾値Jhを取得する。
【0047】
また、無線接続情報Csは、例えば、通信情報に含まれてもよい。無線接続情報管理部104は、通信情報を収集する端末状態管理部103から、通信情報に含まれる無線接続情報Csを取得してもよい。
【0048】
親機権委譲機能部105は、子機から親機に切替える権利である親機権Rpを委譲する機能を有する。親機権委譲機能部105は、現在、親機として動作する無線通信装置が、次の親機に決定した無線通信装置(次に親機権Rpが設定される無線通信装置)に対して親機権Rpを送信する。親機権Rpが設定された子機(親機権Rpを有する子機)は、親機切替えを示す親機切替パケットPspを受信した際、子機としての機能を停止し、親機としての機能を起動する。
【0049】
尚、親機権委譲機能部105は、次の親機に選んだ無線通信装置が、現在、親機として機能する無線通信装置である場合、親機権Rpを送信しない。
【0050】
ユーザインタフェース機能部106は、無線接続情報管理部104を操作する。ユーザインタフェース機能部106は、無線通信装置100上で、例えば、グラフィックユーザインターフェイス(以下、GUI(Graphic User Interface)と称する)として動作し、無線接続情報Csの設定及び端末状態管理部103の制御に使用される。
【0051】
実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を説明する。
【0052】
図3は、実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を例示するブロック図である。
図4は、実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を例示するブロック図である。
図5は、実施の形態1に係る複数の無線通信装置の動作を例示するブロック図である。
図6は、実施の形態1に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
図7は、実施の形態1に係る無線通信装置の動作を例示するフローチャートである。
図8は、実施の形態1に係る無線通信装置の動作を例示するフローチャートである。
【0053】
図3は、図6に示すステップS101〜ステップS106までの動作を示す。
図4は、図6に示すステップS108及びステップS109の動作を示す。
図5は、図6に示すステップS115及びステップS116の動作を示す。
図7は、図6に示す無線通信装置100の動作であって、親機から子機に切替える動作を示す。
図8は、図6に示す無線通信装置200の動作であって、子機から親機に切替える動作を示す。
【0054】
図7においては、図6のステップと同一又は対応するステップには、同一の符号が付されている。例えば、図7のステップS101及びステップS103の「通信情報受信?」は、図6のステップS101の「通信情報J200」とステップS103の「通信情報J300」に対応する。
【0055】
図8においては、図6のステップと同一又は対応するステップには、同一の符号が付されている。
【0056】
尚、無線通信装置400の動作は、無線通信装置200及び無線通信装置300と同様な動作であるので、図6においては、簡単の為、省略する。
【0057】
図3図6図7及び図8に示すように、親機権Rpが設定された無線通信装置100が親機として動作し、無線通信装置200、無線通信装置300及び無線通信装置400が子機として動作する。すなわち、子機である無線通信装置200、無線通信装置300及び無線通信装置400のそれぞれは、親機である無線通信装置100に無線接続する。尚、子機が親機に無線接続することを、子機が親機に帰属すると称することもある。また、上述したように、図6においては簡単の為、無線通信装置400を省略する。
【0058】
子機である無線通信装置200は、親機である無線通信装置100へ、端末状態管理部203を用いて自無線通信装置200の通信情報J200を送信する(ステップS101)。同様に、子機である無線通信装置300は、親機である無線通信装置100へ、端末状態管理部303を用いて通信情報J300を送信する(ステップS103)。
【0059】
無線通信装置100は通信情報J200を受け取った場合、端末状態管理部103を用いて通信情報受信レスポンスRj200を返す(ステップS102)。同様に、無線通信装置100は通信情報J300を受け取った場合、端末状態管理部103を用いて通信情報受信レスポンスRj300を返す(ステップS104)。また、無線通信装置100は、端末状態管理部103を用いて、無線通信装置100の通信情報J100を収集すると共に、子機の通信情報J200及びJ300を収集する(ステップS105)。すなわち、無線通信装置100は親機として動作し、子機として動作する無線通信装置200及び無線通信装置300からの通信情報J200及びJ300を収集する。
【0060】
尚、通信情報J200及び通信情報J300は、定期的に送信されてもよい。これにより、何らかの理由で親機が通信情報を受信しなくなった場合、親機は通信情報受信レスポンスを送信しなくなる。これをもって、子機は親機がネットワークから離脱したことを検出することができる。
【0061】
また、親機として動作する無線通信装置を親機と称し、子機として動作する無線通信装置を子機と称することもある。
【0062】
通信情報J200及び通信情報J300を収集した無線通信装置100は、親機権委譲機能部105を用いて、次に親機として動作する無線通信装置を、無線通信装置200、無線通信装置300及び無線通信装置400の中から決定し、親機権Rpを委譲する(ステップS106)。この例では、無線通信装置100は、無線通信装置200へ親機権Rpを委譲する。これにより、無線通信装置200は、親機権Rpを有することになる。
【0063】
尚、親機権を有するを、親機権を保持する、又は、親機権を保有すると称することもある。
また、親機権Rpの委譲先を決定し、委譲するステップS106は、通信情報J100、通信情報J200、通信情報J300及び通信情報J400の変化が起こる度に行われてもよい。これにより、最新の通信情報に基づいて親機権が設定される無線通信装置が決定されるので、親機として動作する無線通信装置に係る負荷を平均化することができる。
【0064】
図6図7及び図8に示すように、ステップS106の後、無線通信装置100は、親機切替を行う(ステップS107a:Yes)。無線通信装置200は、受信した親機権Rpを設定する(ステップS107b)。
【0065】
図4図6図7及び図8に示すように、親機である無線通信装置100が子機に切替わる場合、端末状態管理部103を用いて、今まで帰属していた子機である無線通信装置200に、親機切替えを示す親機切替パケットPspを送信する(ステップS108)。同様に、端末状態管理部103を用いて、今まで帰属していた子機である無線通信装置300に、親機切替パケットPspを送信する(ステップS109)。
【0066】
図5図6図7及び図8に示すように、親機切替パケットPspを送信した無線通信装置100は、親機として動作する機能を停止する(ステップS110)。無線通信装置100は、子機として動作する機能を起動する(ステップS113)。親機切替パケットPspを受信し、親機権Rpを有する無線通信装置200は、子機の機能を停止する(ステップS111)。親機権Rpを有する無線通信装置200は、親機の機能を動作させて親機となる(ステップS114)。
【0067】
子機である無線通信装置300は、今まで親機であった無線通信装置100との間の無線接続を切断する(ステップS112)。子機である無線通信装置300は、次の親機である無線通信装置200へ無線接続を試みて、無線通信装置200に帰属する(ステップS115)。子機としての機能を起動して子機となった無線通信装置100は、次の親機である無線通信装置200へ無線接続を試みて、無線通信装置200に帰属する(ステップS116)。
【0068】
無線通信装置200に関するステップS106、S108、S111及びS114をまとめると次のようになる。親機権Rpを受信し、切替指示Ps及び無線接続情報Csを含む親機切替パケットPspを受信した子機であった無線通信装置200は、子機の動作を停止し親機の動作を起動して次の親機へ切替える。
【0069】
無線通信装置100に関するステップS106、S108、S109、S110、S113及びS116をまとめると次のようになる。親機権Rpを送信し、切替指示Ps及び無線接続情報Csを含む親機切替パケットPspを送信した親機であった無線通信装置100は、親機の動作を停止し子機の動作を起動して子機へ切替え、次の親機である無線通信装置200へ無線接続情報Csで帰属する。
【0070】
無線通信装置300に関するステップS109、S112及びS115をまとめると次のようになる。親機権Rpを受信せず、切替指示Ps及び無線接続情報Csを含む親機切替パケットPspを受信した子機である無線通信装置300は、親機であった無線通信装置100との通信を切断し、次の親機である無線通信装置200へ無線接続情報Csで帰属する。
【0071】
その後、子機である無線通信装置100から親機である無線通信装置200へ、通信情報J100が送信される。子機である無線通信装置300から親機である無線通信装置200へ、通信情報J300が送信される。このようにして、今度は、無線通信装置200を親機とし、無線通信装置100及び無線通信装置300を子機として、ステップS101〜ステップS116と同様な動作を繰り返す。その後も複数の無線通信装置の中から1つの無線通信装置が親機となり、その他の無線通信装置が子機となり、ステップS101〜ステップS116と同様な動作を繰り返す。
【0072】
実施の形態1においては、無線接続情報Csは、親機切替パケットPspに含まれて送信される、ユーザにより予め設定される、又は、通信情報に含まれて送信される。これらいずれの方法によっても、無線通信装置を使用するユーザは、親機切替時に、特になんら操作を必要とせずに複数の無線通信装置の間で親機と子機とを切替えることが可能となる。その結果、親機と子機を容易に切替えることが可能な無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供することができる。
【0073】
また、実施の形態1においては、無線接続情報Csは、親機毎に別々に設定されるのでは無く、共通の無線接続情報Csを使用する。どの無線通信装置が親機となった場合でも、同じ共通の無線接続情報Csを使用して無線接続する。よって、親機切替え時、子機は再度、別の無線接続情報を設定する必要が無い。そして、ユーザが、再度、無線接続情報Csを設定せずとも、自動的に親機への切替えが可能となる。
【0074】
また、実施の形態1においては、親機が、自無線通信装置の通信情報と子機の通信情報とを収集しているので、通信情報に基づいた無線通信装置の状態に応じて、親機と子機との切替えが可能である。
【0075】
[実施の形態2]
実施の形態2に係る複数の無線通信装置の動作について説明する。
図9は、実施の形態2に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
実施の形態2は、無線通信装置100が電池残量不足のため、無線通信装置200に親機権Rpを委譲する例である。
【0076】
先ず、実施の形態2に係る無線通信装置の動作の概要を説明する。
無線通信装置100の無線通信部110は、他の無線通信装置200、300及び400の通信情報J200、J300及びJ400に含まれる電池残量J200a(図示せず)、J300a(図示せず)及びJ400a(図示せず)を受信する。切替処理部112は、無線通信装置100の電池残量J100aと他の無線通信装置200、300及び400の電池残量J200a、J300a及びJ400aとに基づいて、他の無線通信装置200、300及び400の中から次の親機を決定する。
【0077】
次に、実施の形態2に係る無線通信装置の動作を、具体的に説明する。
図9に示すように、無線通信装置200及び無線通信装置300は子機として、親機である無線通信装置100に帰属する。そして、無線通信装置200及び無線通信装置300のそれぞれが、端末状態管理部203及び端末状態管理部303で管理する自無線通信装置の通信情報J200及び通信情報J300を、親機である無線通信装置100へ定期的に送信する(ステップS151及びステップS153)。また、無線通信装置100は、それらの通信情報受信レスポンスRj200及びRj300を返す(ステップS152及びステップS154)。
【0078】
通信情報J200及び通信情報J300は、例えば、電波状況、電池残量及び通信量の少なくともいずれかを含む。電波状況は、例えば、受信電界強度や受信信号対雑音比やビットエラーレートなどの通信品質である。電池残量は、例えば、残りの電池容量や電池容量がゼロになるまでの時間などである。通信の量は、例えば、現在まで使用した累積(合計)の通信量や現在の通信速度などである。
【0079】
無線通信装置100は、通信情報J200及び通信情報J300を受信し収集する(ステップS155)。無線通信装置100は、通信情報J200及び通信情報J300を受信すると、端末状態管理部103にて、自無線通信装置100の通信情報J100に含まれる自無線通信装置100の電池残量J100aと、通信情報J200に含まれる無線通信装置200の電池残量J200aと、通信情報J300に含まれる無線通信装置300の電池残量J300aと、を比較する。そして、自無線通信装置100の電池残量J100aが、無線通信装置200の電池残量J200a及び無線通信装置300の電池残量J300aよりも少ない場合、電池残量に余裕のある無線通信装置200又は無線通信装置300に親機権Rpを委譲する判断を行う。この例では、先ず、無線通信装置300の電池残量J300aが最も多く、無線通信装置300へ親機権Rpを委譲するものとする。
【0080】
すなわち、親機として動作する無線通信装置100は、通信情報J100が電池残量J100aである場合、端末状態管理部103(切替処理部112)は、電池残量が最も多い無線通信装置300を、次の親機に決定し、親機権Rpを委譲する。
【0081】
無線通信装置100は、無線通信装置300への親機権Rpの委譲を決め、親機権委譲機能部105より親機権Rpを無線通信装置300へ送信して委譲する(ステップS156)。親機権Rpを受信した無線通信装置300は、端末状態管理部303にて、親機権Rpを保持する。このとき、無線通信装置300は、まだ、親機として動作していない。
【0082】
無線通信装置100は、無線通信装置200及び無線通信装置300から、定期的に通信情報J200及び通信情報J300を受信し収集するので、ステップS151〜ステップS155を繰り返す。このとき、親機である無線通信装置100が収集する通信情報J100、通信情報J200及びJ300に変化があった場合、再度、親機権Rpを委譲する無線通信装置を決める。今度は、無線通信装置200の電池残量J200aが最も多く、無線通信装置200へ親機権Rpを委譲するものとする。
【0083】
無線通信装置100は、無線通信装置200への親機権Rpの委譲を決め、親機権委譲機能部105より親機権Rpを無線通信装置200へ送信して委譲する(ステップS157)。親機権Rpを受信した無線通信装置200は、端末状態管理部203にて、親機権Rpを保持する。
【0084】
親機権Rpの委譲には、例えば、親機権委譲パケットRppを使用してもよい。親機権委譲パケットRppには、無線通信装置100の無線接続情報管理部104が保持する無線接続情報Csを含む。無線接続情報Csは、無線接続を行うための設定であり、例えば、SSID(Service Set Identifier)や無線接続のためのパスワードなどである。
【0085】
無線通信装置200は、無線接続情報Csを無線接続情報管理部204に保存する。無線通信装置200は、自無線通信装置200が親機として機能する場合、無線接続情報管理部204に保存された無線接続情報Csを使用する。従って、どの無線通信装置が親機に変わったとしても、同一の無線接続情報Csにより無線接続が可能となる。
【0086】
無線通信装置100は、親機権Rpを破棄するための親機権破棄指示Pdを、次の親機である無線通信装置200以外の無線通信装置である無線通信装置300へ送信する(ステップS158)。これにより、無線通信装置300へ委譲した前の親機権Rpは破棄される。このため、次に親機として動作する無線通信装置を一意に決めることができる。
【0087】
無線通信装置100は、自無線通信装置100の電池残量J100aが事前に設定された所定の閾値Bh以下となったことを検知した場合、端末状態管理部103により、無線通信装置200へ親機切替パケットPspを送信し(ステップS159)、無線通信装置300へ親機切替パケットPspを送信する(ステップS160)。
【0088】
尚、実施の形態2においては、電池残量が最も多い無線通信装置200を、次に親機権Rpが設定されるべき無線通信装置とし、その後、親機である無線通信装置100の電池残量J100aが所定の閾値Bh以下になった場合、親機切替パケットPspを送信する例を示した。これには限定されない。
【0089】
親機である無線通信装置100の電池残量J100aが所定の閾値Bh以下となった場合、電池残量が最も多い無線通信装置を次に親機権Rpが設定されるべき無線通信装置とし、直ちに親機権委譲パケットRpp及び親機切替パケットPspを送信してもよい。
【0090】
その後、実施の形態1と同様に、無線通信装置100は、親機機能部101を停止(ステップS110)し、子機機能部102を起動する(ステップS113)。無線通信装置100の子機機能部102は、無線通信装置200へ無線接続を試み、無線通信装置200に帰属する(ステップS116)。
【0091】
無線通信装置200は、端末状態管理部203が親機権Rpを保持しているかを確認する。この例では、無線通信装置200は親機権Rpを保持しているため、子機機能部202を停止し(ステップS111)、親機機能部201を起動する(ステップS114)。そして、無線通信装置200は、無線通信装置100から親機権Rpと共に送信されてきた無線接続情報Csを使用して、無線通信装置100及び無線通信装置300を自無線通信装置200に帰属させる。すなわち、無線通信装置200は、無線接続情報Csを使用して、無線通信装置100及び無線通信装置300を自無線通信装置200に無線接続する。無線通信装置200は、無線通信装置100から送信された無線接続情報Csを使用しているため、新たな無線接続情報を行うことをせずに、無線通信装置100及び無線通信装置300を自無線通信装置200に帰属させることができる。
【0092】
無線通信装置300は、旧親機である無線通信装置100との無線接続を切断する(ステップS112)。無線通信装置300の端末状態管理部303が親機権Rpを保持しているかを確認する。この例では、親機権Rpを保持していないため、無線通信装置300の端末状態管理部303は、次の親機である無線通信装置200へ無線接続を試み、無線通信装置200に帰属する(ステップS115)。
【0093】
親機権Rpを保有する無線通信装置200は、無線通信装置100から親機切替パケットPspを受信することで、無条件で親機となることが可能となる。このような方法により、親機と子機の切替えが、自動的且つ短時間で可能となる。
【0094】
尚、実施の形態2においては、通信情報である電池残量を収集し、収集した電池残量に基づいて、親機切替えを行っている。これには限定されずに、無線通信装置が親機である時間内において、電池残量に関わらずに切替えを行っても良い。すなわち、親機である無線通信装置100の端末状態管理部103が、無線通信装置100の親機機能部101が起動した時刻を保持し、起動した時刻から所定の時間の経過後に、親機切替パケットPspを送信してもよい。これにより、電池残量が所定の閾値Bh(任意の残量)に達していない場合でも、所定の時間で、親機として動作する無線通信装置を切替えることができる。そして、複数の無線通信装置において、それらの電池残量をさらに平均化することができる。
【0095】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作について説明する。
図10は、実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図11は、実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図12は、実施の形態3に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
【0096】
図10図11及び図12は、HGW500がLTE(Long Term Evolution)の累積通信量を超過したため、無線通信装置600に親機権Rpを委譲する場合の例である。すなわち、図10図11及び図12は、通信情報を各スマートフォンのLTE累積通信量とした場合であって、スマートフォン600が子機から親機に切替わるまでの動作を示す。
【0097】
図10に示すように、実施の形態3に係る複数の無線通信装置は、親機機能部が動作する無線通信装置として、自宅などのに設置されたHGW(Hone Gate Way)500を用い、子機機能部が動作する無線通信装置として、LTE通信を行うことが可能な複数のスマートフォンを用いる。
【0098】
スマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800は、子機としてHGW500に帰属している。HGW500は、インターネット(図示せず)に接続され、HGW500に接続されたスマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800は、HGW500を介してインターネットに接続され、インターネットを使用することが可能な状態である。
【0099】
尚、スマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800を、複数のスマートフォンと称することもある。また、スマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800のそれぞれを、各スマートフォンと称することもある。
また、親機機能部が動作するを、親機が動作すると称し、子機機能部が動作するを、子機が動作すると称することもある。
【0100】
HGW500、スマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800のそれぞれは、親機機能部、子機機能部、端末状態管理部、接続設定管理部、親機権委譲機能部及びユーザインタフェース機能部を有する。これらの機能部は、例えば、JAVA(登録商標)アプリケーションなどで提供されても良い。
【0101】
スマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800のそれぞれは、回線事業者がLTE通信にて提供するICS((Internet Service Provider))網に接続することが可能である。各スマートフォンは、子機として機能して接続する間は、LTE通信機能は停止する状態である。各スマートフォンは、回線事業者によりLTE通信での累積通信量を7GB(ギガバイト)までに制限される。
【0102】
図11及び図12に示すように、子機であるスマートフォン600は、親機であるHGW500へ、通信情報であるLTE累積通信量J600bを送信する(ステップS201)。子機であるスマートフォン700は、親機であるHGW500へ、通信情報であるLTE累積通信量J700bを送信する(ステップS203)。子機であるスマートフォン800は、親機であるHGW500へ、通信情報であるLTE累積通信量J800bを送信する(ステップS205)。
【0103】
すなわち、HGW500は、端末状態管理部503を用いて、自身(HGW500)に帰属するスマートフォン600、スマートフォン700及びスマートフォン800のそれぞれから、LTE累積通信量J600b、J700b及びJ800bを受信し、収集する(ステップS207)。このとき、HGW500は、LTE通信機能を有しないため、自身のLTE累積通信量J500bは収集しない。
尚、LTE累積通信量を、通信情報と称することもある。
【0104】
HGW500は、通信情報であるLTE累積通信量J600bを受け取った場合、LTE累積通信量受信レスポンスRj600を返す(ステップS202)。HGW500は、LTE累積通信量J700bを受け取った場合、LTE累積通信量受信レスポンスRj700を返す(ステップS204)。HGW500は、LTE累積通信量J800bを受け取った場合、LTE累積通信量受信レスポンスRj800を返す(ステップS206)。
尚、LTE累積通信量受信レスポンスを、通信情報受信レスポンスと称することもある。
【0105】
HGW500が収集した各スマートフォンのLTE累積通信量は、スマートフォン600のLTE累積通信量J600bが1GB、スマートフォン700のLTE累積通信量J700bが4GB、スマートフォン800のLTE累積通信量J800bが2GBである。
【0106】
HGW500は、収集したLTE累積通信量J600b、J700b及びJ800bに基づいて、次に親機として動作する無線通信装置をスマートフォン600に決定し、親機権委譲機能部505を用いて親機権Rpをスマートフォン600に委譲する(ステップS208)。HGW500は、例えば、収集したLTE累積通信量の最も少ないスマートフォン600を、次に親機として動作する無線通信装置として決定し、親機権委譲機能部505を用いて親機権Rpをスマートフォン600に委譲する。
【0107】
すなわち、親機として動作するHGW500は、通信情報が、例えば、LTE累積通信量などの通信量である場合、通信量の最も低い無線通信装置である無線通信装置600を、次の親機に決定する。
【0108】
通信情報にLTE累積通信量を用いることで、親機、子機を端末状態に合わせて自動的且つ高速に切替えることができる。また、LTE累積通信量の最も少ないスマートフォンを親機とし、その他のスマートフォンを子機として接続することにより、LTE累積通信量をスマートフォン間で共有化し平均化することができる。
【0109】
尚、親機権Rpの委譲、すなわちHGW500からスマートフォン600への親機切替は、各スマートフォンがHGW500に定期的に送信するLTE累積通信量J600b、J700b及びJ800bの受信レスポンスが無くなり、HGW500の通信圏外となる前に行う。
【0110】
また、親機として動作するHGW500は、通信情報が、例えば、通信品質である場合、通信品質の最も高い無線通信装置を、次の親機に決定してもよい。
【0111】
各スマートフォンは、例えば、外出することでHGW500の通信圏外に出る。各スマートフォンは、自身が送信したLTE累積通信量J600b、J700b及びJ800bに対する受信レスポンスが、HGW500から無いため、帰属が外れたことを検出する。帰属が外れたことを検出したスマートフォンであって親機権Rpを有するスマートフォン600は、子機の機能を停止し(ステップS211)、親機の機能を起動する(ステップS212)。このとき、使用する無線接続情報Csは、例えば、後述する図16に示す方法で、無線接続情報管理部604に事前に設定しておいても良い。
【0112】
親機が何らかの理由でネットワークから離脱した場合についても、子機である各スマートフォンが外出し、親機であるHGW500の通信圏外に出る場合と同様に考えることができる。
【0113】
このような場合、子機が定期的に送信している通信情報を親機が受信しなくなることで、通信情報受信レスポンスを送信しなくなる。これをもって、子機は親機がネットワークから離脱したことを検出する。検出後、親機権Rpを有する子機と親機権Rpを有しない子機とが、親機切替パケットPspを受信したときと同様に動作することで、スムースな親機切替えを行うことができる。
【0114】
このように、実施の形態3によれば、親機からの親機切替パケットPspを受信しない場合でも、親機切替動作が可能となる。
【0115】
その他のスマートフォンであって、親機権Rpを有さないスマートフォン700は、HGW500との間の無線接続を切断する(ステップS209)。その他のスマートフォンであって、親機権Rpを有さないスマートフォン800は、HGW500との間の無線接続を切断する(ステップS210)。
【0116】
HGW500との間の無線接続を切断したスマートフォン700は、新たに親機となったスマートフォン600へ無線接続を試みて、スマートフォン600に帰属する(ステップS213)。HGW500との間の無線接続を切断したスマートフォン800は、新たに親機となったスマートフォン600へ無線接続を試みて、スマートフォン600に帰属する(ステップS214)。
【0117】
このとき、子機であるスマートフォン700及びスマートフォン800は、スマートフォン600が接続するICS網を介してインターネットへ接続する。尚、子機として機能するを、子機であると称することもある。
【0118】
図13は、実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図14は、実施の形態3に係る複数の無線通信装置の動作を例示する図である。
図15は、実施の形態3に係る複数の無線通信装置間のシーケンスを例示する図である。
【0119】
図13図14及び図15は、各スマートフォンが外出し、HGW500の通信圏外に出た場合であって、スマートフォン600がLTEの累積通信量を超過したため、スマートフォン800に親機権Rpを委譲する場合の例である。
【0120】
図13は、ユーザが各スマートフォンを所持して外出した場合の例である。図14は、スマートフォン600のLTE累積通信量J600bが、所定の閾値Chを超えた場合の動作を示す。尚、所定の閾値Chは、例えば、後述する図17に示すユーザインタフェース機能部606により設定される。図15は、スマートフォン600が、親機から子機に切替わるまでを示す。
【0121】
図13に示すように、ユーザが各スマートフォンを所持して外出した場合、子機であるスマートフォン700及びスマートフォン800は、親機であるスマートフォン600とそれぞれ通信を行う。このとき、無線接続情報Csは変更せずに、以前の無線接続情報Csのままで通信を行う。
【0122】
図14及び図15に示すように、スマートフォン700は、スマートフォン600へ、定期的に通信情報であるLTE累積通信量J700bを送信する(ステップS301)。スマートフォン600は、LTE累積通信量J700bに対するLTE累積通信量受信レスポンスRj700を返す(ステップS302)。スマートフォン800は、スマートフォン600へ、定期的に通信情報であるLTE累積通信量J800bを送信する(ステップS303)。スマートフォン600は、LTE累積通信量J800bに対するLTE累積通信量受信レスポンスRj800を返す(ステップS304)。
【0123】
スマートフォン600は、自身のLTE累積通信量J600bを収集すると共に、子機のLTE累積通信量J700b及びJ800bを収集する(ステップS305)。
【0124】
スマートフォン600は、端末状態管理部603に設定されたLTE累積通信量J600bが、所定の閾値Ch以上(達した)の場合、収集した各スマートフォンのLTE累積通信量に基づいて、複数のスマートフォンの中から、次に親機として動作する(親機権Rpが設定されるべき)スマートフォンを決定する。
【0125】
この例では、所定の閾値Chを、4.5GB(ギガバイト)とする。そして、LTE累積通信量J600bが、4.5GB、LTE累積通信量J700bが、4GB、LTE累積通信量J800bが、2GBとする。
【0126】
このような場合、スマートフォン600のLTE累積通信量J600bが、所定の閾値Chである4.5GB以上(達した)なので、スマートフォン600は、LTE累積通信量が最も少ないスマートフォン800を、次に親機として動作するスマートフォンに決定する。そして、親機権委譲機能部605は、スマートフォン600からスマートフォン800に親機権Rpを委譲する(ステップS306)。
【0127】
LTE累積通信量の最も少ないスマートフォンを親機とし、その他のスマートフォンを子機として接続することにより、LTE累積通信量をスマートフォン間で共有化し平均化することができる。
【0128】
スマートフォン600は、端末状態管理部603を用いて、親機切替えを示す親機切替パケットPspを送信し(ステップS307及びステップS308)、親機機能を停止した(ステップS311)後、子機機能を起動する(ステップS312)。親機切替パケットPspは、例えば、IP(Internet Protocol)パケットなどを使用する。
【0129】
親機権Rpを保有するスマートフォン800は、親機切替パケットPspを受信すると、子機機能を停止し(ステップS310)、親機機能を起動する(ステップS313)。このとき、無線接続で使用する無線接続情報Csは、例えば、後述する図16で示すスマートフォン600と同様な方法で、無線接続情報管理部804に事前に設定しておいても良い。
【0130】
親機権Rpを有さないスマートフォン700は、スマートフォン600との無線接続を切断する(ステップS309)。スマートフォン700及びスマートフォン600は、スマートフォン800へ帰属する(ステップS314及びステップS315)。
【0131】
図16は、親機と子機と子機のユーザインタフェースを例示する図である。
【0132】
図16に示すように、ユーザは、HGW500に帰属しているスマートフォン600のユーザインタフェース機能部606を使用して、親機であるHGW500の無線接続情報管理部504から無線接続情報Csをコピーする。そして、コピーした無線接続情報Csを、子機であるスマートフォン600の無線接続情報管理部604に設定する。このようにして、ユーザが子機を操作して親機から無線接続情報Csを取得する。同様にして、スマートフォン700及びスマートフォン800からも、無線接続情報Csを取得し設定することができる。
【0133】
尚、無線接続情報Csの取得は、無線接続情報Csは、子機であるスマートフォン600からの無線接続情報取得要求Csrに応じて親機であるHGW500からスマートフォン600へ送信されてもよい。
【0134】
無線接続情報Csは、スマートフォン600が、無線接続する際に、子機として、又は親機として動作する場合に使用される。無線接続情報Csは、スマートフォン700及びスマートフォン800が、親機として動作する場合に使用される。無線接続情報Csは、スマートフォン700及びスマートフォン800が、子機として動作する場合にも使用される。無線接続に際して、HGW500が有する無線接続情報Csと同一の無線接続情報Csを使用することで、スマートフォン700及びスマートフォン800は、新たな無線接続情報を行う必要がない。
【0135】
図17は、親機と子機と子機のユーザインタフェースを例示する図である。
【0136】
図17に示すように、ユーザは、ユーザインタフェース機能部606を使用して、親機を切替える際の通信情報を選択し、選択された通信情報の親機切替閾値の設定をすることができる。通信情報には、例えば、電波状況、電池残量、通信量などがある。図17に示す例では、親機切替の通信情報として、LTE累積通信量が選択され、その閾値を4.5GB(ギガバイト)と設定している。この設定によれば、親機であるHGW500のLTE累積通信量が閾値である4.5GB以上になった場合、親機は子機となり、複数の子機の中から次の親機が決定される。
【0137】
以上、説明したように、親機と子機が常に連携することで、親機と子機を高速かつ自動で切替えることが可能となる。また、複数の無線通信装置がネットワーク上に存在した場合でも、常に通信情報をやりとりし親機権を委譲するため、切替えにより通信速度に影響を与えることは少ない。
【0138】
また、実施の形態においては、子機として動作する無線通信装置の数を2台又は3台として説明した。これには、限定されずに、子機として動作する無線通信装置の数は2台、3台以外の台数でもよい。
【0139】
また、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0140】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(trangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0141】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0142】
100、200、300、400…無線通信装置 101、201、301、401、501、601、701、801…親機機能部 102、202、302、402、502、602、702、802…子機機能部 103、203、303、403、503、603、703、803…端末状態管理部 104、204、304、404、504、604、704、804…無線接続情報管理部 105、205、305、405、505、605、705、805…親機権委譲機能部 106、206、306、406、506、606、706、806…ユーザインタフェース機能部 110…無線通信部 111…受信部 112…切替処理部 113…送信部 114…無線接続情報記憶部 115…切替情報受信部 116…切替情報送信部 500…HGW 600、700、800…スマートフォン J100、J200、J300、J400…通信に関する情報 J100a、J200a、J300a、J400a…電池残量 J500b、J600b、J700b、J800b…LTE累積通信量 Jh、Bh、Ch…所定の閾値 Cs…無線接続情報 Csr…無線接続情報取得要求 Ps…切替指示 Psp…親機切替パケット Pd…親機権破棄指示 Rp…親機権 Rpp…親機権委譲パケット Rq…無線接続要求 Rj100、Rj200、Rj300、Rj400、Rj600、Rj700、Rj800…通信情報受信レスポンス Th…所定の期間
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