特許第6566504号(P6566504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6566504
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】バッテリーキャリア
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20190819BHJP
   B62B 3/04 20060101ALI20190819BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20190819BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20190819BHJP
   B66F 9/06 20060101ALI20190819BHJP
   B66F 9/12 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   B62B3/00 D
   B62B3/04 B
   B62B5/00 C
   B62B3/04 C
   B60K1/04 A
   B66F9/06 A
   B66F9/12 E
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-102161(P2018-102161)
(22)【出願日】2018年5月29日
【審査請求日】2018年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉元 啓朗
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−096144(JP,A)
【文献】 特開2004−026067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/00
B60K 1/04
B62B 3/04
B62B 5/00
B66F 9/06
B66F 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に用いられるバッテリーを運搬するバッテリーキャリアであって、
前記バッテリーをスライド可能に載置する載置部と、
前記載置部に載置された前記バッテリーのスライドを規制するストッパと、
前記バッテリーキャリアと前記車両の車体とを連結する連結手段と、
前記載置部を昇降させる昇降手段と、
を備え、
前記連結手段は、
前記昇降手段によって下降させられることにより前記車体の少なくとも一部に係止され、前記昇降手段によって上昇させられることにより係止状態が解除される係止部
を有し、
前記ストッパは、
前記バッテリーのスライドを規制するストッパ本体と、
前記バッテリーのスライドを規制する第1位置と、前記バッテリーのスライドの規制を解除する第2位置とに前記ストッパ本体を回転する回転軸と、
前記ストッパ本体を前記第1位置に向かって付勢する付勢手段と、
前記係止部が係止されるとき、前記車体の少なくとも一部によって押圧されることにより前記ストッパ本体を前記第1位置から前記第2位置に回転させるレバーと、
を有し、
前記ストッパ本体は、前記係止部が係止されるとき、前記第位置に配置され、前記係止部が解除されるとき、前記第位置に配置される
ことを特徴とするバッテリーキャリア。
【請求項2】
前記レバーは、前記ストッパ本体から突設された板状からなる
ことを特徴とする請求項1のバッテリーキャリア。
【請求項3】
前記付勢手段は、ねじりコイルばねからなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリーキャリア。
【請求項4】
前記係止部は、フック形状を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッテリーキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両用バッテリーの運搬に用いられるバッテリーキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電動車両に用いられるバッテリーは、車体に搭載された状態で充電することができる。しかしながら、電動車両のうち、例えば、フォークリフトといった荷役車両の場合、充電の間に荷役作業が中止されることは、荷役車両の稼働率の観点から好ましくない。そこで、荷役車両は、バッテリーが消費されると、当該バッテリーを予め充電がなされたバッテリーに交換されることにより、連続して稼働することができる。
【0003】
このような荷役車両に用いられるバッテリーは、重量が300kgを超えるものもあり、一般的な台車によってバッテリーの移動および交換を行うことが困難である。そこで、バッテリーの運搬および交換には、専用のバッテリーキャリアが利用されてきた。
【0004】
この種のバッテリーキャリアは、バッテリーを載置するバッテリー載置部と、バッテリーキャリアと車体とを連結する連結手段と、バッテリーが載置部からスライドして落下することを防止するストッパとを備えている。ストッパは、バッテリーの前後方向のスライドを規制するよう設けられており、バッテリーのスライドを規制する第1位置と、規制を解除する第2位置とに切り替えられる。作業者は、車体に搭載されたバッテリーを運搬する際には、連結手段によってバッテリーキャリアを車体に連結し、ストッパを第1位置から第2位置に切り替え、車体のバッテリー収納部から載置部にバッテリーをスライドさせながら移動し、ストッパを第2位置から第1位置に切り替え、車体との連結を解除し、バッテリーキャリアを移動する。
【0005】
しかしながら、当該バッテリーの運搬の際に、作業者がストッパを第2位置に配置した状態で車体との連結を解除しバッテリーキャリアを移動することにより、バッテリーがスライドして落下するという危険性があった。そこで、このようなバッテリーの落下を防止するバッテリーキャリアが開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に開示のバッテリーキャリアの連結手段は、係止部を有する。当該係止部は、連結時に車体の一部に係止される係止位置と、当該係止状態から解除される解除位置とに切り替えられる。当該係止部とストッパとは連動しており、ストッパが第1位置に配置された状態でない限り、係止部が係止状態から解除されない。すなわち、バッテリーキャリアを車体に連結後、ストッパが第1位置に配置されていない限り、作業者がバッテリーキャリアを移動することができず、これにより、バッテリーの落下が防止されるというものである。
【0007】
しかしながら、上記連結作業のたびにストッパの位置を切り替えることは、面倒である。また、バッテリーキャリアと車体とが連結されているか否かがストッパの位置切り替えの条件でないことから、バッテリーキャリアと車体とが非連結であるときに作業者がストッパを第1位置から第2位置に切り替え、その状態でバッテリーキャリアを移動することが可能である。したがって、バッテリーキャリアによるバッテリーの運搬時にバッテリーが落下する問題は、完全に解決されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−96144
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の課題とするところは、作業者の意思に関わらず、バッテリーキャリアと車体とが非連結であるときには、バッテリーの落下を防止することができ、バッテリーキャリアと車体とが連結するときには、バッテリーがスライド可能な位置に容易に配置することができるストッパを備えたバッテリーキャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るバッテリーキャリアは、
電動車両に用いられるバッテリーを運搬するバッテリーキャリアであって、
バッテリーをスライド可能に載置する載置部と、
載置部に載置されたバッテリーのスライドを規制するストッパと、
バッテリーキャリアと車両の車体とを連結する連結手段と、
載置部を昇降させる昇降手段と、
を備え、
連結手段は、
昇降手段によって下降させられることにより車体の少なくとも一部に係止され、昇降手段によって上昇させられることにより係止状態が解除される係止部
を有し、
ストッパは、
バッテリーのスライドを規制するストッパ本体と、
バッテリーのスライドを規制する第1位置と、バッテリーのスライドの規制を解除する第2位置とにストッパ本体を回転する回転軸と、
ストッパ本体を第1位置に向かって付勢する付勢手段と、
係止部が係止されるとき、前記車体の少なくとも一部によって押圧されることによりストッパ本体を第1位置から第2位置に回転させるレバーと、
を有し、
ストッパ本体は、係止部が係止されるとき、第位置に配置され、係止部が解除されるとき、第位置に配置される
ことを特徴とする。
【0011】
上記バッテリーキャリアは、
具体的には、
レバーが、ストッパ本体から突設された板状からなる。
【0012】
上記バッテリーキャリアは、
具体的には、
付勢手段が、ねじりコイルばねからなる。
【0013】
上記バッテリーキャリアは、
具体的には、
係止部が、フック形状を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者の意思に関わらず、バッテリーキャリアと車体とが非連結であるときには、バッテリーの落下を防止することができ、バッテリーキャリアと車体とが連結するときには、バッテリーがスライド可能な位置に容易に配置することができるストッパを備えたバッテリーキャリアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は、本発明に係るバッテリーキャリアの概要を示す正面図であり、(b)は、その側面図である。
図2図1のバッテリーキャリアのハンドルを示す拡大正面図である。
図3図1に示すストッパ周辺を示す上面図である。
図4図1に示すストッパの動作を示す斜視図である。
図5】(a)〜(d)は、図1に示すバッテリーキャリアのストッパ周辺を示す拡大図であり、(a)は、ストッパが第1位置のときの正面図であり、(b)は、その側面図であり、(c)は、ストッパが第2位置のときの正面図であり、(d)は、その側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係るバッテリーキャリアの一実施形態について説明する。前後、左右および上下の方向X、Y、Zは、添付図面に記載のとおり、バッテリーキャリアを電動車両の車体に連結する際の方向を基準としている。
【0017】
図1(a)および(b)は、本発明に係るバッテリーキャリア1の概要を示す図である。バッテリーキャリア1は、電動車両に用いられるバッテリーBの運搬を行うよう構成されている。
【0018】
バッテリーキャリア1は、左右一対の前輪21、22と、旋回可能な後輪3と、前輪21、22の上に連結された支持台部4と、支持台部4に支持された載置部5と、後輪3の上に設けられるとともに支持台部4に連結された昇降手段6と、昇降手段6に連結されたハンドル7と、載置部5に設けられたストッパ8と、バッテリーキャリア1を車体100に連結させる連結手段9と、を備える。
【0019】
図2に示されるように、ハンドル7は、ハンドル本体70と、下降レバー71とを有する。ハンドル本体70は、昇降手段6に回動可能に連結されたパイプ部材70aとパイプ部材70aの上側部分に設けられたループ状の握り部70bとからなる。下降レバー71は、ハンドル本体70のループ状の握り部70bに囲まれ、かつ、パイプ部材70aの上側部分に設けられている。バッテリーキャリア1は、典型的には、ハンドル本体70を使って牽引されることにより、移動することができる。したがって、当該移動時には、後輪3側が先頭になる。
【0020】
図1(b)に示されるように、昇降手段6は、ハンドル本体70が操作されることによって載置部5を地上から任意の高さに昇降させるよう構成されている。昇降手段6は、後輪3の上に設けられた昇降手段本体60と、昇降手段本体60に内蔵された油圧シリンダ(不図示)と、昇降手段本体60の上部に設けられた昇降部61と、を有する。
【0021】
油圧シリンダは、ハンドル本体70を上下に回動させるポンピング動作によって作動させられる。これにより、昇降部61は、上昇させられる。また、昇降部61は、下降レバー71が引き操作され、油圧シリンダの油圧が開放されることにより、下降させられる。
【0022】
図1(a)および(b)に示されるように、支持台部4は、4角錐台状の4角錐台部40と、4角錐台部40の下部から前方に向かって延設される左右一対のフォークアーム41、42と、フォークアーム41、42それぞれの前側部分および後側部分の上面から上方に向かって立設されるとともに載置部5を支持する4本のサイドフレーム43、44、45、46と、を有する。
【0023】
4角錐台部40は、昇降部61の上部に連結され前方に延びる昇降手段連結部14と、昇降手段本体60の下部に連結され前方に延びる左右一対の第1回動アーム10、11とを介して昇降手段6に連結されている。第1回動アーム10、11は、具体的には、昇降手段本体60側を支点として回動可能に昇降手段本体60および4角錐台部40に連結されている。
【0024】
フォークアーム41、42の前側部分は、第2回動アーム12、13を介して前輪21、22に連結されている。第2回動アーム12、13は、具体的には、前輪21、22側を支点として回動可能にフォークアーム41、42および前輪21、22に連結されている。
【0025】
以上の構成を備えることにより、ハンドル本体70のポンピング動作によって昇降手段6の油圧シリンダが作動させられると、昇降部61および昇降部61に連結された支持台部4が上昇させられ、第1および第2回動アーム10、11、12、13が連動して回動させられ、載置部5が地面と平行に上昇させられる。また、下降レバー71が引き操作されると、油圧シリンダの油圧が開放され、昇降部61、および昇降部61に連結された支持台部4が下降させられ、第1および第2回動アーム10、11、12、13が連動して回動させられ、載置部5が地面と平行に下降させられる。
【0026】
載置部5は、バッテリーBを載置することができ、かつ、バッテリーBを前後方向Xに容易にスライドすることができるよう構成されている。載置部5は、サイドフレーム43、44、45、46に支持された左右一対のサイドガイド50、51と、サイドガイド50、51間に左右方向Yに平行に設けられた複数の支軸52と、支軸52それぞれに左右一対に設けられたローラベアリング53、54と、両サイドガイド50、51の後端間に設けられたリアガイド55と、両サイドガイド50、51の前端に設けられた前板56とを備える。前板56には、後述するレバー82が動作可能になるよう中央右上に第1切欠き560が設けられている。
【0027】
ローラベアリング53、54は、転動自在に設けられており、バッテリーBを載置することができ、かつ、バッテリーBを前後方向Xへ容易にスライドすることができる。サイドガイド50、51およびリアガイド55は、載置されたバッテリーBが落下することを防止するよう所定の高さを有する。
【0028】
図1および図3に示されるように、ストッパ8は、前板56の後側に設けられており、載置部5に載置されたバッテリーBのスライドを規制することによりバッテリーBが載置部5から落下することを防止するよう構成されている。ストッパ8は、板状のストッパ本体80と、回転軸81と、板状のレバー82と、ねじりコイルばね83と、板状の第1バネ受け部84と、板状の第2バネ受け部85と、を有する。
【0029】
図3に示されるように、回転軸81は、前板56の後面略中央から垂直に突設されている。
【0030】
図4に示されるように、ストッパ本体80は、その略中央に軸孔Hが設けられ、当該軸孔Hに回転軸81が通され、回動可能に支持されている。これにより、ストッパ本体80は、バッテリーBのスライドを規制する第1位置(図4の破線の位置)とバッテリーBのスライドの規制を解除する第2位置(図4の実線の位置)とに切り替えることができる。
【0031】
図3および図5に示されるように、第1バネ受け部84は、ストッパ本体80の後面中央上側から垂直に突設されている。第2バネ受け部85は、前板56の下面の略中央から後方に向かって地面と略平行に延びるよう設けられている。
【0032】
ねじりコイルばね83は、本発明の「付勢手段」に相当する。ねじりコイルばね83は、本体部分が案内棒としての回転軸81に固定部材によって固定され、一端が第1バネ受け部84に固定され、他端が第2バネ受け部85に固定されている。これにより、ストッパ本体80がねじりコイルばね83によって第1位置に付勢される。
【0033】
連結手段9は、支持板90と、左右一対の係止部91、92と、を有する。支持板90は、前板56の上側面から前方に向かって延び、かつ、左右方向Yに延びるように設けられている。係止部91、92は、支持板90前部の下面に下方に向かって突設されている。すなわち、支持板90と係止部91(92)とでフック形状をなしている。
【0034】
図3に示されるように、ストッパ本体80の前面右上からレバー82が垂直に突設されている。支持板90には、上面視中央右側においてレバー82が動作可能なように第2切欠き900が設けられている。また、その第2切欠き900の左方には、バッテリーキャリア1と車体100との連結時の位置決めに用いられる位置決め孔901が設けられている。
【0035】
図5(a)および(b)に示されるように、レバー82は、ストッパ本体80が第1位置のときには、支持板90の下方、かつ、前板56と係止部91、92との間に位置し、図5(c)および(d)に示されるように、ストッパ本体80が第2位置のときには、前板56の上方に位置する。また、ストッパ本体80の左上側は、ストッパ本体80が第1位置のとき、バッテリーBのスライドを妨げるようバッテリーBの下面から突き出ており、ストッパ本体80が第2位置のとき、バッテリーBの下方に位置する。
【0036】
次に、載置部5に載置されたバッテリーBを電動車両の車体100に搭載するときのバッテリーキャリア1の動作について説明する。
【0037】
図5(b)に示されるように、車体100は、バッテリーBを収納するバッテリー収納部101(以下、単に「収納部101」という)と、収納部101の開口の下側フレーム103と、収納部101内に設けられた載置ローラー102を有する。下側フレーム103上端面中央には、位置決め用凸部104が設けられている。位置決め用凸部104の外径は、バッテリーキャリア1の位置決め孔901の内径よりも小さく形成されている。
【0038】
バッテリーキャリア1は、ハンドル本体70が操作されることにより、車体100の収納部101の開口に向かって移動される。このとき、図5(a)および(b)に示されるように、ストッパ本体80は、ねじりコイルばね83によってバッテリーBのスライドを妨げる第1位置に配置されている。
【0039】
次いで、図5(b)に示されるように、載置部5は、昇降手段6によって下側フレーム103の位置決め用凸部104の位置よりも係止部91、92の位置が高くなるよう上昇させられる。次いで、バッテリーキャリア1は、前後方向Xにおいて係止部91、92と前板56との間に下側フレーム103が位置するように、かつ、左右方向Yにおいて位置決め孔901の下方に位置決め用凸部104が位置するように移動される。
【0040】
次いで、図5(b)の矢印および図5(d)に示されるように、載置部5は、ローラベアリング53、54によって規定される載置面と、収納部101の載置ローラー102によって規定される載置面とが同じ高さになるように昇降手段6によって下降させられる。このとき、レバー82は、ねじりコイルばね83の付勢力に対向して、図5(a)の矢印の方向に下側フレーム103によって押圧され、図5(c)および(d)に示されるように、ストッパ本体80が第2位置に配置される。
【0041】
次いで、図5(d)に示されるように、バッテリーBが載置部5から収納部101内の載置ローラー102上にスライド移動される。
【0042】
次に、収納部101内のバッテリーBをバッテリーキャリア1によって運搬する方法について説明する。
【0043】
載置部5に載置されたバッテリーBを車体100に搭載するときと同様の手法で、バッテリーキャリア1を車体100に連結する。このとき、ストッパ本体80は、レバー82が下側フレーム103に押圧されることにより、第2位置に切り替えられている。次いで、収納部101内のバッテリーBをスライドさせながら収納部101から引き出し、バッテリーキャリア1の載置部5に移動する。次いで、昇降手段6によって載置部5が上昇させられ、係止部91、92の係止状態が解除されるとともに、下側フレーム103によるレバー82の押圧状態も解除される。これにより、ストッパ本体80が第2位置から第1位置に切り替えられる。次いで、昇降手段6によって載置部5が下降させられ、バッテリーキャリア1が車体100から移動される。
【0044】
以上、説明したように、バッテリーキャリア1によれば、ストッパ本体80は、バッテリーキャリア1と車体100とが非連結であるときには、第1位置に配置されている。これにより、バッテリーキャリア1は、作業者の意思にかかわらず、バッテリーBの運搬時にバッテリーBが落下することを防止することができる。また、ストッパ本体80は、バッテリーキャリア1と車体100とが連結するときには、容易に第2位置に配置することができる。
【0045】
以上、本発明に係るバッテリーキャリア1の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0046】
電動車両は、フォークリフトといった荷役車両でもよいし、荷役作業を行わない一般車両でもよい。また、例えば、バッテリーキャリア1は、複数のバッテリーB保管場所間のバッテリーBの移動に用いられてもよい。この場合、バッテリーB保管場所に設けられた連結用フレームに係止部91、92が係止されバッテリーキャリア1が保管場所に連結されるとき、レバー82が当該連結用フレームに押圧され、ストッパ本体80が第2位置に配置されることになる。
【0047】
バッテリーキャリア1は、前後方向XにバッテリーBをスライドさせることにより車体100の収納部101との間でバッテリーBを移動する方式としたが、例えば、左右方向YにバッテリーBをスライドさせることにより収納部101との間でバッテリーBを移動する方式としてもよく、バッテリーBをスライドさせる方向は、特に限定されない。
【0048】
載置部5の形態は、バッテリーBを載置し、かつ、バッテリーBをスライドすることができるのであれば、特に限定されない。
【0049】
昇降手段6は、載置部5を昇降させることができるのであれば、例えば、電動式のものでもよく、特に限定されない。
【0050】
ストッパ本体80の形態は、第1位置のときにバッテリーBのスライドを規制することができれば、特に限定されない。
【0051】
回転軸81は、ストッパ本体80に固定され、回転軸81自体が回転することによりストッパ本体80を第1位置と第2位置とに切り替えるものであってもよい。この場合、付勢手段は、ストッパ本体80を直接付勢してストッパ本体80を第1位置に配置するか、または回転軸81を回転させることによりストッパ本体80を間接的に付勢して第1位置に配置する構成となる。
【0052】
付勢手段は、ストッパ本体80を第1位置に付勢するものであれば、例えば、他のばねやゴム状の部材からなる構成であってもよく、特に限定されない。
【0053】
レバー82の形態は、バッテリーキャリア1が車体100と連結される際に、レバー82が車体100の少なくとも一部によって押圧されることによりストッパ本体80を第2位置に回転させるのであれば、特に限定されない。
【0054】
バッテリーキャリア1と車体100との連結時における位置決め方法は、特に限定されない。当該位置決めは、例えば、バッテリーキャリア1の前部において前方に向かって突設された位置決め棒を車体100側に設けられた位置決め穴に挿入することにより行ってもよい。この場合、係止部91、92およびレバー82は、位置決め棒から独立して昇降手段6によって昇降させられるか、または、位置決め穴が上下に拡張されていることにより位置決め棒が位置決め穴に挿入された状態で昇降可能な構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 バッテリーキャリア
21 前輪
22 前輪
3 後輪
4 支持台部
40 4角錐台部
41、42 フォークアーム
43、44、45、46 サイドフレーム
5 載置部
50、51 サイドガイド
52 支軸
53、54 ローラベアリング
55 リアガイド
56 前板
560 第1切欠き
6 昇降手段
60 昇降手段本体
61 昇降部
7 ハンドル
70 ハンドル本体
71 下降レバー
8 ストッパ
80 ストッパ本体
81 回転軸
82 レバー
83 ねじりコイルばね
84 第1バネ受け部
85 第2バネ受け部
9 連結手段
90 支持板
900 第2切欠き
901 位置決め孔
91、92 係止部
10、11 第1回動アーム
12、13 第2回動アーム
14 昇降手段連結部
100 車体
101 バッテリー収納部
102 載置ローラー
103 下側フレーム
104 位置決め用凸部
B バッテリー
H 軸孔
【要約】
【課題】バッテリーキャリアと車体とが非連結のときには、バッテリーの落下を防止することができ、バッテリーキャリアと車体とが連結するときにはバッテリーがスライド可能な位置に容易に配置することができるストッパを備えたバッテリーキャリアを提供する。
【解決手段】電動車両用バッテリーBを運搬するバッテリーキャリア1であって、バッテリーBを載置する載置部5と、バッテリーBのスライドを規制するストッパ8と、バッテリーキャリア1と車体100とを連結する連結手段9と、載置部5を昇降させる昇降手段6とを備える。ストッパ8は、ストッパ本体80と、回転軸81と、ねじりコイルばね83と、レバー82とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5