特許第6566797号(P6566797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6566797
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/00 20060101AFI20190819BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   B65F3/00 C
   B60P3/00 Q
   B65F3/00 L
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-175065(P2015-175065)
(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公開番号】特開2017-48048(P2017-48048A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】沖元 宏旨
(72)【発明者】
【氏名】宮本 隆之
(72)【発明者】
【氏名】高村 和儀
(72)【発明者】
【氏名】間橋 利行
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−047378(JP,A)
【文献】 実公平03−044725(JP,Y2)
【文献】 実公昭52−047209(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 3/00−3/28
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台上に搭載された塵芥収容箱と、塵芥が投入される投入口を有しかつ前記塵芥収容箱に接続された塵芥投入箱とを備えた塵芥収集車であって、
前記塵芥投入箱の前記投入口の上方へ移動することにより前記投入口を開放し、前記投入口の方へ移動することにより前記投入口を閉じる開閉扉と、
前記開閉扉の下部に設けられた1または複数の窓部と、
前記塵芥投入箱に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に送り込む塵芥積込装置と、
前記塵芥投入箱内に設けられた作業灯と、
前記塵芥積込装置の駆動源の作動を開始させると共に、前記作動に連動して前記作業灯を点灯させる駆動源作動スイッチと、
を備えた、塵芥収集車。
【請求項2】
前記窓部は、前記開閉扉の左部に設けられた第1窓部と、前記開閉扉の右部に設けられた第2窓部とを含む、請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記窓部は、前記開閉扉の中央に設けられた第3窓部を含む、請求項2に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記窓部の一部は、前記開閉扉に埋め込まれて設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の塵芥収集車。
【請求項5】
前記塵芥投入箱の後面上部に、前記塵芥投入箱の側壁の上縁部と隙間を空けて設けられたカバーをさらに備え、
前記開閉扉が前記投入口を開放する状態のとき、前記窓部は前記塵芥投入箱の前記上縁部と前記カバーとの前記隙間に配置される、請求項1〜のいずれか1項に記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車に関し、特に塵芥投入箱内の塵芥の残留物を確認する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車台上に搭載され、後方開口部を有する塵芥収容箱と、前記後方開口部の上縁に設けた回動軸により当該後方開口部を開閉可能に覆う塵芥投入箱とを備えた塵芥収集車が知られている。上記の塵芥投入箱は、塵芥が投入される投入口を有している。塵芥投入箱内には、投入口から投入された塵芥を圧縮して塵芥収容箱に送り込む塵芥積込装置が備わっている。また、塵芥投入箱には、昇降することにより上記の投入口を開閉する扉が設けられている(例えば、特許文献1参照)。上記の扉は、一般にテールゲートと呼ばれることがある。
【0003】
上記の扉は開閉アームにより昇降される。この開閉アームの一端部は、塵芥投入箱の側面に回動可能に支持されており、開閉アームの他端部は、扉の上端側部に回動可能に接続されている。開閉アームの回動は一般的には手動で行われるが、オプション品で油圧シリンダによって行われるものも存在する。
【0004】
通常、扉は車両移動中において閉鎖状態とされ、収集現場で収集作業を行うときに開放状態とされる。しかし、塵芥収集業者によっては、塵芥積込装置の動作中に汚水等が後方へ飛散するのを防止するために、投入口から塵芥を投入した後、扉を閉鎖状態にして塵芥積込装置を動作させる場合もある。このように、扉が閉鎖状態で塵芥積込装置を動作させる場合には、塵芥積込装置の動作後、塵芥投入箱内に塵芥の残留物が残っていないかどうか確認する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−228850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の塵芥収集車において塵芥投入箱内の塵芥の残留物を確認しようとするときは、開閉アームにより扉を開放していた。すなわち、前記残留物を確認する際には、扉を開放する作業が必要となっていた。そのため、作業者が迅速かつ容易に残留物を確認することができる塵芥収集車が望まれていた。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、塵芥投入箱内の塵芥の残留物を容易かつ迅速に確認することができる塵芥収集車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る塵芥収集車は、車台上に搭載された塵芥収容箱と、塵芥が投入される投入口を有しかつ前記塵芥収容箱に接続された塵芥投入箱とを備えた塵芥収集車であって、前記塵芥投入箱の前記投入口の上方へ移動することにより前記投入口を開放し、前記投入口の方へ移動することにより前記投入口を閉じる開閉扉と、前記開閉扉の下部に設けられた1または複数の窓部と、を備えている。
【0009】
本発明に係る塵芥収集車によれば、開閉扉の下部に窓部が設けられているので、開閉扉を開放しなくても、塵芥投入箱内の塵芥の残留物を確認することができる。これによって、塵芥投入箱内の上記残留物を確認する際に、開閉扉を開ける作業が不要となるので、作業者は容易かつ迅速に上記確認作業を行うことができる。
【0010】
本発明の好ましい一態様によれば、前記窓部は、前記開閉扉の左部に設けられた第1窓部と、前記開閉扉の右部に設けられた第2窓部とを含む。
【0011】
上記態様によれば、作業者が第1窓部または第2窓部を介して塵芥投入箱内の残留物を確認し易くなる。具体的には、運転席または助手席から降りた作業者が、車両後方を大きく回り込むことなく、窓部を視認することができる。これにより、確認作業が楽になる。
【0012】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記窓部は、前記開閉扉の中央に設けられた第3窓部を含む。
【0013】
上記態様によれば、作業者は、上述の第1窓部および第2窓部と併せて第3窓部を視認することにより、塵芥投入箱の幅方向(つまり、左右方向)の部分を全体的に確認することができる。これにより、塵芥投入箱内の残留物の確認漏れを抑制または防止することができる。
【0014】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記塵芥投入箱に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に送り込む塵芥積込装置と、前記塵芥投入箱内に設けられた作業灯と、前記塵芥積込装置の駆動源の作動を開始させると共に、前記作動に連動して前記作業灯を点灯させる駆動源作動スイッチと、をさらに備えている。
【0015】
上記態様によれば、作業者により駆動源作動スイッチが操作されると、塵芥積込装置の駆動源の作動が開始され、塵芥積込装置を積込スイッチにより作動させることが可能となる。また、作業灯の点灯により塵芥投入箱内が明るくなる。これにより、塵芥投入箱内が明るい状態で塵芥積込装置による塵芥の積み込み漏れを確実に確認することができる。
【0016】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記窓部の一部は、前記開閉扉に埋め込まれて設けられている。
【0017】
上記態様によれば、窓部の全部が開閉扉に埋め込まれていない場合に比べて、当該開閉扉の厚さ方向の部分をコンパクトにすることができる。
【0018】
本発明の好ましい他の一態様によれば、前記塵芥投入箱の後面上部に、前記塵芥投入箱の側壁の上縁部と隙間を空けて設けられたカバーをさらに備え、前記開閉扉が前記投入口を開放する状態のとき、前記窓部は前記塵芥投入箱の前記上縁部と前記カバーとの前記隙間に配置される。
【0019】
上記態様によれば、窓部を設けても、塵芥投入箱の側壁の上縁部とカバーとの位置関係を変更する必要がない。すなわち、既存の塵芥投入箱とカバーとをそのまま用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、塵芥投入箱内の塵芥の残留物を容易かつ迅速に確認することができる塵芥収集車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車を後方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る塵芥積込装置の側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る塵芥投入箱の側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る制御系統を示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係る窓部の斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る塵芥収集車を後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の塵芥収集車1について説明する。以下の説明において、特に断らない限り、前、後、左、右、上、下は、それぞれ塵芥収集車1の着座部に着座した乗員から見た前、後、左、右、上、下を意味するものとする。上、下は、それぞれ塵芥収集車1が水平面上に停止しているときの鉛直方向の上、下を意味するものとする。図面に付した符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る塵芥収集車1は、車台2上に搭載された塵芥収容箱3と、塵芥収容箱3に接続された塵芥投入箱4とを備えている。塵芥収容箱3の前方には、運転台1aが設けられている。運転台1aには、インストルメントパネル1bが設けられている。塵芥収容箱3の後部には開口部3aが形成されている。塵芥投入箱4は、塵芥収容箱3の開口部3aの上方において回動軸5により支持されている。塵芥投入箱4は、塵芥収容箱3と塵芥投入箱4との間に設けられた図示しない回動シリンダの伸縮動作により、回動軸5を中心に回動自在に構成されている。これにより、塵芥投入箱4は塵芥収容箱3の開口部3aを開閉することができる。図4は、塵芥投入箱4の側壁4cを覆う図1のサイドカバー4bを省略した塵芥投入箱4の側面図であるが、この図4に示すように、塵芥投入箱4の後面上部に、側壁4cの上縁部と隙間を空けてカバー4aが設けられている。塵芥投入箱4内には、塵芥積込装置8(図3参照)が設けられている。塵芥投入箱4を閉じた状態にし、塵芥積込装置8によって、塵芥投入箱4内の塵芥を塵芥収容箱3内に送り込む。塵芥収容箱3内の塵芥の排出は、塵芥投入箱4を開いた状態にして行う。
【0024】
図1に示すように、塵芥投入箱4の後部には投入口7が形成されている。塵芥は投入口7から塵芥投入箱4内に投入される。また、塵芥投入箱4の後部には、上記の投入口7を開閉する開閉扉6が設けられている。開閉扉6は、投入口7の開口形状と同じ外形を有している。なお、開閉扉6の下部には、作業者により把持される取っ手49(図2参照)が設けられている。開閉扉6は、投入口7の上方へ移動することにより当該投入口7を開放する。上方へ移動した開閉扉6が下降することにより、投入口7が閉じられた状態となる。塵芥投入箱4の後部には、塵芥積込装置8を作動させるための積込スイッチや、開閉扉6を上昇または下降させるためのスイッチ等の各種操作スイッチ39が設けられている。
【0025】
図2は閉じられた状態の開閉扉6を示している。開閉扉6が閉じられることにより、塵芥投入箱4の投入口7(図3参照)は閉鎖された状態となる。図2に示すように、開閉扉6の下部には、複数の窓部20が設けられている。窓部20の形状は平面視で円形となっている。窓部20の一部分は開閉扉6に埋め込まれている。複数の窓部20は、開閉扉6の左部に設けられた第1窓部20aと、開閉扉6の右部に設けられた第2窓部20bとを含む。なお、窓部20は、塵芥収集車の塵芥収容箱側部に設けられた窓を流用したものである。当該窓を窓部20として流用することによりコスト削減を図っている。
【0026】
次に、塵芥積込装置8について説明する。図3に示すように、塵芥投入箱4の内部には、塵芥を塵芥収容箱3内に送り込むための塵芥積込装置8が設けられている。この塵芥積込装置8は、塵芥投入箱4に投入された塵芥を圧縮し、圧縮された塵芥を塵芥収容箱3内に送り込むものである。図1に示すように、運転台1aのインストルメントパネル1bには、塵芥積込装置8の駆動源となる油圧ポンプ(図示省略)を駆動するための駆動源作動スイッチとしてのPTO(Power Take-Off)スイッチ21が設けられている。作業者によりPTOスイッチ21が押下されると、塵芥積込装置8の各油圧シリンダに作動油を供給するように油圧ポンプが作動する。なお、PTOスイッチ21の操作により、塵芥収集車1のエンジンの動力が例えばトランスミッションPTOによって油圧ポンプを介して塵芥積込装置8に伝達されるようになっている。
【0027】
塵芥積込装置8は、いわゆるプレス式のものであって、摺動板10と当該摺動板10に取り付けられた回転可能な案内ローラ11とを備えている。塵芥投入箱4の左右の側壁4cには、後斜め下向きに延びる案内溝部材9が設けられている。案内ローラ11は、案内溝部材9に摺動可能に係合されている。
【0028】
図3に示すように、摺動板10の上部の側部にはボス部19が形成されている。ボス部19には支持軸12が挿通されている。支持軸12には、油圧シリンダからなる摺動シリンダ13が連結されている。摺動シリンダ13は、支持軸12から後斜め下方に延びている。この摺動シリンダ13の伸縮動作により、摺動板10は案内溝部材9に沿って上下に往復移動するようになっている。本実施形態では、摺動シリンダ13は左右2つ設けられているが、摺動シリンダ13の数は限定されない。
【0029】
摺動板10の下端部には、圧縮板15が設けられている。この圧縮板15は、軸15bにより前後方向に揺動可能に支持されている。圧縮板15の軸15bよりも後方には、接続部15aが形成されている。接続部15aと支持軸12とには、油圧シリンダからなる揺動シリンダ14が連結されている。この揺動シリンダ14の伸縮動作により、圧縮板15は前後方向に揺動するようになっている。なお、揺動シリンダ14は、シリンダチューブ14aおよびシリンダロッド14bを含む。本実施形態では、揺動シリンダ14は左右2つ設けられているが、揺動シリンダ14の数は限定されない。
【0030】
塵芥積込装置8は、摺動板10が上昇位置にあるときに圧縮板15を後方に揺動させる反転工程と、圧縮板15が後方位置にあるときに摺動板10を下方に摺動させる下降工程と、摺動板10が下降位置にあるときに圧縮板15を前方に揺動させる圧縮工程と、圧縮板15が前方位置にあるときに摺動板10を上方に摺動させる上昇工程と、を1サイクルとして動作するようになっている。このように、塵芥積込装置8は、上記サイクルを行うことによって、塵芥投入箱4に投入された塵芥を塵芥収容箱3内に送り込む。
【0031】
次に、開閉扉6を開閉させる開閉機構について説明する。図4に示すように、塵芥投入箱4の投入口7の左右両側の上端から下端に亘ってそれぞれガイドレール40が設けられている。このガイドレール40は、塵芥投入箱4のサイドカバー4b(図1参照)の湾曲した後縁部に沿った形状を有している。ガイドレール40は、例えば断面凹状(つまり、溝状)に形成されている。開閉扉6の下端両側部には、それぞれガイドレール40に沿って移動する案内子41が設けられている。この案内子41は、ローラにより構成され、ガイドレール40の溝内を移動自在に設けられている。また、開閉扉6の上端両側部には、それぞれ左右方向に突出し、開閉アーム43に連結された連結軸42が設けられている。
【0032】
塵芥投入箱4の前縁部分には、それぞれ縁部4dが設けられている。この縁部4dには支持部44が設けられている。支持部44は、開閉アーム43の基端部を回動自在に支持している。開閉アーム43の先端部は、開閉扉6の側部に回動自在に接続されている。なお、各部との干渉を避けるために、開閉アーム43は屈曲して形成されている。開閉アーム43の屈曲部には、当該屈曲部の曲げ応力を軽減するための補強板43aが固定されている。なお、開閉アーム43を屈曲させるようにしたが、当該開閉アーム43の形状は限定されるものではない。
【0033】
開閉アーム43は回動可能に構成されている。開閉アーム43の回動は、油圧シリンダであるアーム用シリンダ45の伸縮動作によって行われる。アーム用シリンダ45は、シリンダロッド45aおよびシリンダチューブ45bを含む。以下、詳しく説明する。開閉アーム43の基端部には接続部46が固定されている。この接続部46には、アーム用シリンダ45のシリンダロッド45aの一端が接続されている。アーム用シリンダ45のシリンダチューブ45bは、縁部4dに固定されている。ここで、図4に示すように、塵芥投入箱4の側壁4cに沿うように、付勢部材47が設けられている。この付勢部材47は、例えば引張りコイルばねである。付勢部材47の一端は開閉アーム43に掛止され、当該付勢部材47の他端は側壁4cの所定位置に掛止されている。これにより、開閉アーム43は、付勢部材47の付勢力により上方へ回動する方向に付勢されている。なお、付勢部材47には、張力調整機構48が接続されている。この張力調整機構48は、付勢部材47の撓み量を調整するためのものである。
【0034】
上記のような構成において、開閉扉6を閉鎖状態から開放状態にする際には、アーム用シリンダ45を伸長させる。それにより、接続部46を押し上げる力が当該接続部46に作用するので、開閉アーム43は、支持部44の支点を中心に図4において反時計回りに回動する。これに伴って、開閉アーム43に接続された開閉扉6が上昇する。これにより、塵芥投入箱4の投入口7が開放される。開閉扉6が塵芥投入箱4の投入口7を開放した状態のとき、窓部20は、塵芥投入箱4の後面上部とカバー4aとの隙間に配置される。
【0035】
一方、開閉扉6を開放状態から閉鎖状態にする際には、アーム用シリンダ45を収縮させる。それにより、接続部46を押し下げる力が当該接続部46に作用するので、開閉アーム43は、支持部44の支点を中心に図4において時計回りに回動する。これに伴って、開閉扉6が下降する。これにより、塵芥投入箱4の投入口7が閉鎖される。以上のような方法により、開閉扉6の開閉が行われる。
【0036】
塵芥投入箱4内には、作業灯50が設けられている。開閉扉6が閉鎖状態のとき、塵芥投入箱4内は通常暗くなっている。そのため、作業者が窓部20を介して塵芥投入箱4内を視認しても、当該塵芥投入箱4内に塵芥の残留物が残留しているか否かの判別を行うことは容易ではない。作業灯50は、点灯することにより塵芥投入箱4内を明るくする。これにより、作業者が窓部20を介して塵芥投入箱4内を視認したときに、当該塵芥投入箱4内に塵芥の残留物が残留しているか否かの判別を良好に行うことができる。
【0037】
図5に示すように、塵芥収集車1(図1参照)は制御装置60を備えている。PTOスイッチ21が作業者により操作されたときに、制御装置60は、塵芥積込装置8の駆動源である油圧ポンプを駆動すると共に作業灯50を点灯させる。このように、本実施形態では、PTOスイッチ21は、塵芥積込装置8の駆動源の油圧ポンプを作動させると共に、当該油圧ポンプの作動に連動して作業灯50を点灯させるためのスイッチとなっている。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、開閉扉6の下部に窓部20が設けられているので、開閉扉6を開放しなくても、塵芥投入箱4内の塵芥の残留物を確認することができる。これによって、塵芥投入箱4内の上記残留物を確認する際に、開閉扉6を開ける作業が不要となるので、図6に示すように、作業者は容易かつ迅速に上記確認作業を行うことができる。また、塵芥投入箱4の外への汚水飛散を心配することなく、開閉扉6が閉鎖状態で塵芥投入箱4内部を確認しながら塵芥の積込作業を行うことができる。塵芥投入箱4内に残留物が残っていることが確認されれば、再度、塵芥積込装置8を作動させればよい。
【0039】
また、本実施形態によれば、開閉扉6の左部に第1窓部20aが設けられ、開閉扉6の右部に第2窓部20bが設けられている。これによって、作業者が第1窓部20aまたは第2窓部20bを介して塵芥投入箱4内の残留物を確認し易くなる。具体的には、運転席または助手席から降りた作業者が、車両後方を大きく回り込むことなく、これらの窓部を視認することができる。これにより、確認作業が楽になる。
【0040】
また、本実施形態によれば、作業者により駆動源作動スイッチとしてのPTOスイッチ21が操作されると、塵芥積込装置8の駆動源となる油圧ポンプの作動が開始され、塵芥積込装置8を操作スイッチ39(積込スイッチ)により作動させることが可能となる。また、作業灯50の点灯により塵芥投入箱4内が明るくなる。これにより、塵芥投入箱4内が明るい状態で塵芥積込装置8による塵芥の積み込み漏れを確実に確認することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、窓部20の一部は開閉扉6に埋め込まれて設けられている。これにより、窓部20の全部が開閉扉6に埋め込まれていない場合に比べて、当該開閉扉6の厚さ方向の部分をコンパクトにすることができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、開閉扉6が投入口7を開放する状態のとき、窓部20は塵芥投入箱4の側壁4cの上縁部とカバー4aとの隙間に配置されるようになっている。これによって、窓部20を設けても、塵芥投入箱4の側壁4cの上縁部とカバー4aとの位置関係を変更する必要がない。すなわち、既存の塵芥投入箱4とカバー4aとをそのまま用いることができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下のように他の形態で実施することが可能である。
【0044】
上記実施形態では、開閉扉6の下部の左側と右側とに窓部20を設けるようにしたが、これに限定されるものではない。図7に示すように、開閉扉6の下部の中央にも第3窓部20cを設けるようにしてもよい。このような構成において、作業者は、第1窓部20aおよび第2窓部20bと併せて第3窓部20cを視認することにより、塵芥投入箱4内の幅方向(つまり、左右方向)の部分を全体的に確認することができる。これにより、塵芥投入箱4内の残留物の確認漏れを防止することができる。
【0045】
また、上記実施形態では、窓部20の形状を平面視で円形としたが、これに限定されるものではない。窓部20の形状を平面視で正方形や矩形等の他の形状としてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、開閉扉6の下部に窓部20を設けるようにしたが、これに限定されるものではない。開閉扉6の下部に窓部20を設けると共に、例えば開閉扉20の高さ方向の中央にも窓部20を設けるようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、作業者がPTOスイッチ21を操作することにより、作業灯50が塵芥積込装置8の駆動源の作動に連動して点灯するように構成したが、これに限定されるものではない。作業灯50を点灯させるスイッチを別途設けるようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、開閉扉6の開閉を行う開閉アーム43を油圧シリンダのアーム用シリンダ45によって回動させるようにしたが、これに限定されるものではない。開閉アーム43を例えば電動モータにより回動させるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、塵芥積込装置8は、いわゆるプレス式のもので、摺動板10と摺動板10の下端部の圧縮板15とを有するように構成したが、これに限定されるものでない。塵芥積込装置を、押込板と回転板とを有するいわゆる回転板式やその他の方式に構成してもよい。
【0050】
さらに、上記実施形態では、塵芥積込装置8の駆動源は油圧ポンプであり、この油圧ポンプによりエンジンの動力をPTOによって伝達するように構成したが、これに限定されるものでない。例えば、油圧ポンプを電動モータによって駆動する、いわゆる電動塵芥収集車にも本発明は適用可能である。その場合、駆動源作動スイッチによって、電動モータによる油圧ポンプの作動が行われるようになる。
【符号の説明】
【0051】
1 塵芥収集車
2 車台
3 塵芥収容箱
4 塵芥投入箱
4a カバー
6 開閉扉
7 投入口
8 塵芥積込装置
20 窓部
20a 第1窓部
20b 第2窓部
20c 第3窓部
21 PTOスイッチ(駆動源作動スイッチ)
50 作業灯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7