(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アクチュエータ支持部は、前記ファン支持部に対して、前記エンジンの出力部から伝動機構を介して動力が伝達される前記正逆転切換機構の入力部とは反対側に配設されている請求項1記載の作業機。
前記正逆転切換機構は、前記エンジンの出力部から伝動機構を介して動力が伝達される入力部としての入力プーリと、前記ファン主軸に装備された出力プーリと、その出力プーリと前記入力プーリとにわたって巻回された伝動ベルトを備え、
前記出力プーリと前記入力プーリが、前記冷却部支持フレームに取り付けられている請求項1又は2記載の作業機。
前記正逆転切換機構は、前記伝動ベルトの外周側に当接可能な外接輪体と、前記伝動ベルトの内周側に当接可能な内接輪体と、これらの外接輪体及び内接輪体と前記出力プーリとにわたって巻回された正逆転伝動ベルトと、前記外接輪体及び前記内接輪体を支持する揺動体と、を備え、
前記揺動体が、前記ファン主軸の軸心と同一の揺動軸心回りで揺動可能に枢支されている請求項3記載の作業機。
前記アクチュエータは、前記揺動体の揺動軸心に沿う方向の別の軸心回りで揺動操作される揺動操作体を備え、この揺動操作体と前記揺動体とを連結する連結部材が、前記揺動体の揺動軸心と前記別の軸心とを結ぶ仮想線分の両側に振り分けられて配設されている請求項4記載の作業機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載された構造のものでは、ラジエータファンに対して、正転駆動系の専用の伝動ベルトや伝動プーリ、及び逆転駆動系の専用の伝動ベルトや伝動プーリを、各別に装備させる必要がなく、兼用化して構造の簡素化、及び小型化を図り得る点で有用なものである。
しかしながら、この構造では、エンジンの出力プーリとラジエータファンの入力用プーリとが、共にエンジン側に支持されていて、エンジンの横側部位置にまとめて配設されているものでるため、ラジエータの位置もエンジンの横側部から外れた位置に配設することができず、ラジエータの位置を変更したい場合には採用し難い点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、ラジエータがエンジンから離れた位置に配設される際における、ラジエータファン及び正逆転切換機構の配設構造を、構造簡単に構成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における作業機の特徴は、エンジンと、前記エンジンを冷却するラジエータと、前記エンジンの動力で回転駆動されるラジエータファンと、が備えられているとともに、前記エンジンから前記ラジエータファンへの動力伝達系に正逆転切換機構が設けられ、前記正逆転切換機構は、前記ラジエータに対向して配置された前記ラジエータファンの回転方向を、そのラジエータファンの存在する側とは反対側から前記ラジエータの通気面を通して前記ラジエータファン側へ冷却風を引き込む正転状態と、前記ラジエータファン側から前記通気面側へ冷却風を吹き付ける逆転状態と、に切換可能に構成され、前記正逆転切換機構による正転状態と逆転状態とを切り換え操作可能なアクチュエータが備えられ、前記ラジエータファン、前記正逆転切換機構、及び前記アクチュエータが、前記エンジンから離れた箇所に位置する冷却部支持フレームに支持され、
前記冷却部支持フレームに、前記ラジエータファンのファン主軸を枢支するファン支持部が備えられているとともに、そのファン支持部から片持ち状に延出された延出アーム部の遊端側箇所に前記アクチュエータを装着可能なアクチュエータ支持部が備えられていることである。
【0007】
本発明によれば、ラジエータファン及び正逆転切換機構と、その正逆転切換機構を切換操作するためのアクチュエータとが、エンジンから離れた位置の冷却部支持フレームに支持されている。これにより、ラジエータファン、正逆転切換機構、及びアクチュエータの相対的な位置関係を、エンジンの出力部との位置などに関係なく、冷却部支持フレーム上で自在に設定することができる。
したがって、エンジンの出力部から正逆転切換機構の入力部に至る伝動機構としては、自由な配設位置や構造を採用し易く、またラジエータファン、正逆転切換機構、及びアクチュエータの配設位置やその支持構造も自在に設定し易いという利点がある。
そして、ラジエータファン、正逆転切換機構、及びアクチュエータは、互いの位置関係を適正に維持した状態で冷却部支持フレームにまとめて支持されるので、エンジンの出力部から正逆転切換機構の入力部に至る距離の大小や、伝動機構の構造や製作精度などによる影響を受けずに、適正位置に精度良く配設し易い。
【0008】
【0009】
また、本構成を備えることで、ファン支持部との位置関係が固定された延出アーム部にアクチュエータ支持部が設けられるので、ファン支持部との位置関係を精度良く設定した状態でアクチュエータを配設し易いものである。
【0010】
本発明においては、前記アクチュエータ支持部は、前記ファン支持部に対して、前記エンジンの出力部から伝動機構を介して動力が伝達される前記正逆転切換機構の入力部とは反対側に配設されていると好適である。
【0011】
本構成を備えることで、アクチュエータ支持部と正逆転切換機構の入力部とが、ファン支持部を挟んで両側に振り分けられた状態に配設される。これにより、ファン支持部周りでの配設スペースや機器重量を両側に振り分けた状態にして、バランス良く配設し易いものである。
【0012】
本発明においては、前記正逆転切換機構は、前記エンジンの出力部から伝動機構を介して動力が伝達される入力部としての入力プーリと、前記ファン主軸に装備された出力プーリと、その出力プーリと前記入力プーリとにわたって巻回された伝動ベルトを備え、前記出力プーリと前記入力プーリが、前記冷却部支持フレームに取り付けられていると好適である。
【0013】
本構成を備えることで、正逆転切換機構の出力プーリと入力プーリとが、共に冷却部支持フレームに取り付けられているので、互いの位置を精度良く位置決めし易い。したがって、これらに巻回される伝動ベルトや、その伝動ベルトを操作する機構を含めて、正逆転機構を精度良く構成し易いものである。
【0014】
本発明においては、前記正逆転切換機構は、前記伝動ベルトの外周側に当接可能な外接輪体と、前記伝動ベルトの内周側に当接可能な内接輪体と、これらの外接輪体及び内接輪体と前記出力プーリとにわたって巻回された正逆転伝動ベルトと、前記外接輪体及び前記内接輪体を支持する揺動体と、を備え、前記揺動体が、前記ファン主軸の軸心と同一の揺動軸心回りで揺動可能に枢支されていると好適である。
【0015】
本構成を備えることで、伝動ベルトの外周側に当接可能な外接輪体と、伝動ベルトの内周側に当接可能な内接輪体と、を支持する揺動体により、正逆転伝動ベルトの正逆転を切り換えられるようにして、正逆的切換機構を構造簡単に構成し易いものである。
【0016】
本発明においては、前記アクチュエータは、前記揺動体の揺動軸心に沿う方向の別の軸心回りで揺動操作される揺動操作体を備え、この揺動操作体と前記揺動体とを連結する連結部材が、前記揺動体の揺動軸心と前記別の軸心とを結ぶ仮想線分の両側に振り分けられて配設されていると好適である。
【0017】
本構成を備えることで、揺動体の存在箇所から離れた位置にアクチュエータを配備して、アクチュエータで揺動操作体を操作することにより連結部材を介して揺動体を操作することができる。したがって、アクチュエータを各種操作機構の錯綜する揺動体の近く位置から離れた箇所に配置することができ、スペースの有効利用や構造の簡素化を図ることができる。
【0018】
本発明においては、前記ラジエータファンが前記エンジンよりも後方側で高い位置に配設され、前記ラジエータファンよりも前方上方側に前記正逆転切換機構の入力部が配置され、前記ラジエータファンよりも後方下方側に、前記アクチュエータが配設されていると好適である。
【0019】
本構成を備えることで、正逆転切換機構の入力部を高い位置に配備して、エンジンから前記入力部への伝動機構を対地的に高く配設することができる。これにより、エンジンよりも後方側における伝動機構の下方側スペースを大きく確保して、エンジン周りのメンテナンスを行い易く構成し得るものである。それでいて、アクチュエータはラジエータファンよりも後方下方側に配設されているので、ラジエータファンよりも前方側の伝動機構や各種機器に邪魔されることなく、後方下方側の低い位置からメンテナンス作業を行い易いものである。
【0020】
本発明においては、前記ラジエータファンよりも高い位置に配備されている作業部を支持するための作業部フレームが、機体フレーム上に立設されているとともに、前記冷却部支持フレームは、下端側が前記機体フレームに支持され、上端側が前記作業部フレームに連結されていると好適である。
【0021】
本構成を備えることで、冷却部支持フレームの上端側を、作業部フレームによって支持することができる。したがって、冷却部支持フレームの支持強度を、作業部フレームの有効利用によって高め得るものである。
【0022】
本発明においては、機体後部において機体フレームから前記冷却部支持フレームが立設されていると好適である。
【0023】
本構成を備えることで、冷却部支持フレームの機体後方側に回り込んで、機体後方側からのメンテナンス作業等を行い易いものである。
【0024】
本発明においては、前記ラジエータファンのファン主軸は、前記冷却部支持フレームの前後方向幅の中心に対して前後方向で芯ずれした位置に取り付けられていると好適である。
【0025】
本構成を備えることで、ファン主軸の全体が冷却部支持フレームの前後方向幅内に存在する構造のものに比べ、ファン主軸の径相当分だけ冷却部支持フレームの前後方向幅が削減されるという事態を避けられる。これにより、例えば、ファン主軸の径相当分だけ冷却部支持フレームの前後方向幅が削減されることを見越して、その削減による強度低下分を補うに足るように、冷却部支持フレーム全体の前後方向幅を太くする必要がない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明における実施形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明における作業機の作業走行時における前進側の進行方向(
図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(
図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(
図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(
図2における矢印L参照)が「左」である。
【0028】
〔全体構成〕
図1及び
図2は、本発明に係る作業機の一例である全稈投入型(普通型)コンバインを示している。
図1が機体全体の右側面を示し、
図2が平面を示している。
【0029】
これらの図に示すように、上記の全稈投入型コンバインは、機体フレーム1の下側に左右一対の前輪2F,2F(前走行装置に相当する)、及び左右一対の後輪2R,2R(後走行装置に相当する)からなる走行装置2を備えている。
機体フレーム1の前部に運転キャビン15(運転部に相当する)を備え、その後方側に脱穀装置4、及びグレンタンク5を夫々備え、最後部に排ワラ処理装置16(排ワラ処理部に相当する)を備えている。前記グレンタンク5には、後述する穀粒排出装置54が装備されている。
さらに、機体フレーム1に対して左右方向に沿う横軸心(図示せず)周りで昇降作動する刈取処理装置17を前部に備えて自走機体を構成している。
【0030】
機体フレーム1には、その機体フレーム1の前部で、脱穀装置4の右横側部に相当する箇所にエンジン3が搭載されている。エンジン3から離れた後方位置にラジエータ7が配設され、脱穀装置4を挟んでエンジン3やラジエータ7とは反対側に燃料タンク(図示せず)が搭載されている。エンジン3の動力は、上記の走行装置2の他、脱穀装置4、刈取処理装置17、及びラジエータ7の冷却を行うラジエータファン70などに対して伝達される。
【0031】
前記走行装置2の前輪2Fには、
図1に示すように、機体フレーム1の前部に装着されたトランスミッション20から左右に延出された前輪駆動軸(図示せず)を介して動力が伝達される。つまり、前輪駆動軸に連結された前車軸2aを介して、駆動輪としての前輪2Fに動力が伝達されるように構成してある。
前記後輪2Rは、
図1に示すように、機体フレーム1の後部で、前後方向軸心(図示せず)周りで左右揺動自在に装着された後輪支持フレーム(図示せず)の左右両端側に設けてある。この後輪2Rは、上下揺動軸心(図示せず)周りで操向操作可能な後車軸2bを備えた操向車輪によって構成されている。
【0032】
自走機体の左右両横側部には、グレンタンク5よりも下方側で、前輪2Fと後輪2Rとの間に位置して機体横側部を覆うように外装カバー9(側部カバーに相当する)が設けられている。
外装カバー9は、上端辺付近に設けてある前後方向に沿う揺動支点z1周りで起伏揺動可能に支持され、幅広のカバー面9Aが上下方向に沿う閉塞姿勢と、そのカバー面9Aが水平方向に沿う開放姿勢とに姿勢切換可能に構成されている上部カバー部90と、閉塞姿勢にある上部カバー部90の下縁よりも下方側で、脱穀装置4、及びエンジン3の横外側に位置するように配設された下部カバー部91とを備えている。下部カバー部91は、上部カバー部90のように揺動軸心z1周りで揺動開閉されるものではないが、エンジン3の下部側を覆うように、グレンタンク5を載置支持するために備えられたタンク支持台13(作業部フレームに相当する)に対して、適宜係合金具を介して、脱着可能に構成されている。
【0033】
刈取処理装置17は、脱穀装置4に対して刈り取られた茎稈などの作物を供給するフィーダ17A、植立茎稈などの作物穂先側を掻き込む掻き込みリール17B、株元側を切断する刈取装置17C、及び刈り取った作物を刈幅方向の中央部に寄せ集める横送りオーガ17Dを備えて、作物を刈り取ってフィーダ17Aに送り込み、脱穀装置4に供給するように構成されている。
【0034】
〔脱穀装置〕
脱穀装置4は、
図2に示すように、機体フレーム1上で、扱胴回転軸心p0が前後方向に沿うように配設されている。この脱穀装置4は、前後方向で前輪2Fと後輪2Rとの前後方向間隔内に配備され、左右方向でも、左右の前輪2F及び後輪2Rの間隔幅内に位置する状態で配設されている。
また、脱穀装置4は、その下面が
図1に示すように、非操向車輪である前輪2Fの前車軸2aよりも少し低く、操向車輪である後輪2Rの後車軸2bよりも少し高い位置にある。つまり、非操向車輪である前輪2Fの前車軸2a、もしくは操向車輪である後輪2Rの後車軸2bと略同じ高さに位置するように配設されている。
このように配設された脱穀装置4は、機体の左右方向での中心線CLに対して、脱穀装置4の扱胴回転軸心p0が、左側へ偏倚した状態で配設されている。脱穀装置4の左右方向での中心線は、内部に配設されている扱胴(図示せず)の前後方向の扱胴回転軸心p0と同一の位置に存在しているので、脱穀装置4の全体も、機体の左右方向での中心線CLに対して左側へ偏倚した状態で配設されている。
【0035】
脱穀装置4は、機体前後方向に長い矩形箱状に形成され、内部には、前記フィーダ17A側から送り込まれる刈取作物を脱穀処理するための扱胴が、前後方向の扱胴回転軸心p0の回りで回転駆動されるように配備されている。この扱胴の他に、前記唐箕(図示せず)よる送風作用とともに、前記扱胴で脱穀処理された刈取作物を揺動選別処理する選別処理装置(図示せず)などが配備されている。
【0036】
〔グレンタンク〕
グレンタンク5は、
図1及び
図2に示すように、運転キャビン15の後方側で、機体フレーム1上の右横側部に立設されたタンク支持台13と、その左横側部に位置する脱穀装置4の上側とにわたる幅広のタンク本体50を備えている。このタンク本体50は、前記タンク支持台13と脱穀装置4とに支持されている。
このタンク本体50は、その右横側部に、機体前後方向に延びる底スクリュー51が備えられている。
【0037】
底スクリュー51の前端側は機体上方向きに延出された縦搬送部52に接続されている。縦搬送部52の上端部には、横向きに延出された横搬送部53が接続されている。前記底スクリュー51と、前記縦搬送部52と、前記横搬送部53とを備えることによって、タンク本体50内に貯留されている穀粒を機外へ排出する穀粒排出装置54が構成されている。
横搬送部53は、縦搬送部52の上端部に上下軸心y1周りで回動可能に支持されており、その横搬送部53の遊端側に備えた吐出口53aから穀粒を排出可能に構成されている。
【0038】
タンク本体50は、そのタンク本体50の底部と、タンク支持台13の下部とにわたって設けた油圧操作式のダンプシリンダ55の伸縮作動によって、底スクリュー51の回転軸心z2周りで揺動作動可能に構成されている。つまり、タンク本体50は、ダンプシリンダ55の収縮作動に伴って、その底面がほぼ水平姿勢となる貯留姿勢となり、ダンプシリンダ55の伸長作動に伴って、その底面を傾斜させた排出姿勢となるように、姿勢変更可能に構成されている。
【0039】
タンク支持台13は、
図1、及び
図3に示されるように、脱穀装置4の右横側方箇所で、前輪2Fと後輪2Rとの間で機体フレーム1上に配備されている。
このタンク支持台13は、脱穀装置4に近い位置と、それよりも遠い位置との内外に離れて配設された複数本の縦支柱13Aと、それらの縦支柱13Aの上端部同士を連結する上部枠13Bとを備え、縦支柱13Aによって支持された上部枠13Bに前記タンク本体50が搭載されている。
【0040】
タンク支持台13を備えた機体フレーム1上では、
図1,2、及び
図3に示すように、エンジン3の後方側に、タンク支持台13の下側空間を利用して、機器搭載台として使用可能な領域、及びメンテナンスなどの作業に用い易い作業用空間s1が設けられている。
機器搭載台として使用可能な領域では、コンプレッサー3Cや、そのコンプレッサー3Cの機体内方側に位置する状態でバルブユニット27が設けられ、これらのコンプレッサー3C、及びバルブユニット27の後方側に位置させてバッテリ28が搭載されている。
作業用空間s1はエンジン3の後端とラジエータ7の前端との間で、機体フレーム1の横外側端よりも機体内方側に形成されている。
これらの機器搭載台として使用可能な領域及び作業用空間s1は、その外側に位置する外装カバー9によって、外装カバー9が閉塞姿勢であるときには横外側が覆われ、外装カバー9が開放姿勢に切り換えられると横外側が開放される。
【0041】
〔動力伝達構造〕
次に、エンジン3の動力を、ラジエータファン70等に伝える動力伝達構造について説明する。
図2及び
図3に示すように、エンジン3は、クランク軸(図示せず)が機体左右方向に沿う状態で、機体フレーム1上の右外側寄り箇所に配設されている。
エンジン3の左右方向での一端側(機体内方側)には、軸線方向が機体左右方向に沿う状態で、フライホイール(図外)とともに走行系のトランスミッション20へ動力を出力する走行出力部としての出力プーリ(図外)が設けられている。
左右方向での他端側(機体外方側)には、出力部としての出力軸30が突出され、その出力軸30に、エンジン3に近い側から順に、第一出力プーリ31、第二出力プーリ32、及び第三出力プーリ33が一体回動するように装着されている。
【0042】
エンジン3の機体外方側には、出力軸30の軸心と平行な左右方向の軸心周りで回動するように、オルタネータ3Bを駆動するための発電用駆動プーリ34と、送風ファン3Aを駆動するための送風用駆動プーリ35とが設けられている。
そして、
図3に示すように、第一出力プーリ31と、発電用駆動プーリ34と、送風用駆動プーリ35とにわたって、無端回動帯の一例である1本のVベルトで構成された第一伝動ベルト36が巻回され、第一出力プーリ31の回転に伴ってオルタネータ3Bと送風ファン3Aとが回転駆動されるように構成されている。
【0043】
この送風ファン3Aは、
図3に示すように、外装カバー9に形成した多数の通気孔によって構成された給気部92を介して、外装カバー9の外側から外気を取り込んで、エンジン3に対して吹き付けるためのものである。
【0044】
出力軸30に装着された第二出力プーリ32、及び第三出力プーリ33のうち、エンジン3から最も遠い側の第三出力プーリ33は、前記第二出力プーリ32よりも小径に形成されている。
そして、この第三出力プーリ33には、エンジン3の後方側に備えられたコンプレッサー3Cに対して駆動力を伝達するように、第二伝動ベルト37が巻回されている。
【0045】
〔ラジエータファンへの伝動〕
ラジエータファン70への動力伝達は、
図3乃至
図6、に示すように、出力軸30に装着された第二出力プーリ32に巻回された第三伝動ベルト38と、エンジン3から離れた後方の上部に設けてある中継軸41と、後述する正逆転切換機構6とを介して、エンジン3の動力がラジエータファン70の駆動力として取り出されるように構成してある。
【0046】
中継軸41は、機体外方側の端部(左右方向では右側の端部)に中継入力プーリ41a(駆動回転体に相当する)を備え、機体内方側の端部(左右方向では左側の端部)に中継出力プーリ41b(駆動回転体に相当する)を備えている。中継入力プーリ41aと前記第二出力プーリ32とにわたって第三伝動ベルト38が巻回され、出力軸30の回転動力が中継軸41に伝達されるように構成されている。
このように、中継軸41を用いることにより、前方に位置するエンジン3と後方に位置するラジエータ7との間に、第三伝動ベルト38が、機器搭載台や作業用空間s1の上部を迂回する状態で配置される。これにより、第三伝動ベルト38等の存在することに関わらず、作業用空間s1をメンテナンスなどの作業に用い易い空間として利用できるようにしてある。
【0047】
第三伝動ベルト38には、その弛み側のベルト部分に弛み取り用のテンション機構40が設けられている。このテンション機構40は、タンク支持台13の縦支柱13Aの一部に設けた支軸40aに回動自在に枢支された固定側プーリ40bを備えている。そして、その固定側プーリ40bの支軸40a周りで揺動自在な揺動アーム40cを備え、その揺動アーム40cの遊端側に取り付けた支軸40d周りで回動する遊動側プーリ40eを備えている。さらに、前記揺動アーム40cを弛み取り側(
図3中における右上方側)へ引っ張り付勢するコイルスプリング40fを備えている。
これらの固定側プーリ40b、揺動アーム40c、遊動側プーリ40e、コイルスプリング40fを備えることによって、第三伝動ベルト38に対して、常時張り側へ付勢する弛み取り用のテンション機構40が構成されている。
【0048】
ラジエータファン70を正逆転駆動する正逆転切換機構6の入力部となる入力プーリ60と、前記中継軸41側の中継出力プーリ41bとにわたって、駆動ベルト42(伝動機構に相当する)が掛張されている。正逆転切換機構6については後述する。
【0049】
〔正逆転切換機構〕
ラジエータ7を冷却するためのラジエータファン70の伝動系には、次のように構成された正逆転切換機構6が介在されている。
正逆転切換機構6は、
図4乃至
図7に示すように、ラジエータ7の機体内方側に対向して配置されたラジエータファン70の回転方向を、正転状態と逆転状態とに切換操作するものである。
【0050】
ラジエータファン70の正転状態とは、ラジエータファン70の存在する側とは反対側から前記ラジエータ7の通気面を通してラジエータファン70側へ冷却風を引き込むように、ラジエータファン70の回転方向を設定した状態である。この状態では、ラジエータファン70による送風方向が機体横外方側から内方側へ向けられ、ラジエータ7に対してラジエータファン70による吸引作用が働く。
ラジエータファン70の逆転状態とは、ラジエータファン70側からラジエータ7の通気面側へ冷却風を吹き付けるように、ラジエータファン70の回転方向を設定した状態である。この状態では、ラジエータファン70による送風方向が機体内方側から横外側のラジエータ7側へ向けられ、ラジエータ7の機体横外側に存在する通気面に付着した塵埃を、冷却風で機体外方側へ吹き飛ばすように作用する。
【0051】
正逆転切換機構6は、エンジン3の出力軸30からの動力が伝動機構としての駆動ベルト42を介して伝達される入力プーリ60(入力部に相当する)と、ラジエータファン70のファン主軸71に一体回転可能に装備された出力プーリ61と、その出力プーリ61と入力プーリ60とにわたって巻回された伝動ベルト62とを備えている。これに加えて、前記伝動ベルト62の外周側に当接可能な外接輪体63と、伝動ベルト62の内周側に当接可能な内接輪体64と、これらの外接輪体63及び内接輪体64と出力プーリ61とにわたって巻回された正逆転伝動ベルト65と、外接輪体63及び内接輪体64を支持する揺動体66と、を備えている。
さらに、前記伝動ベルト62の巻回範囲内の空間を広くして、揺動体66の作動用空間を確保するように、入力プーリ60や出力プーリ61から離れた位置で伝動ベルト62に内接する遊転プーリ67と、その遊転プーリ67と出力プーリ61との間で、伝動ベルト62のテンション力を調節するテンションプーリ68とが備えられている。
【0052】
揺動体66は、ファン主軸71の軸心p1と同一の軸心回りで揺動可能に、かつファン主軸71に相対回転自在に外嵌して枢支されている。この揺動体66が
図5に示すように、図中で右下方に傾動すると、内接輪体64が伝動ベルト62の内周側に圧接する。この状態では、図中で時計回りに回動する伝動ベルト62の回転力が内接輪体64に伝達され、その内接輪体64に巻回されている正逆転伝動ベルト65が図中で時計回りに回転し、出力プーリ61を時計回りに回転させる。この出力プーリ61の時計回りの回転でラジエータファン70が正転状態に駆動される。
【0053】
揺動体66が
図6に示すように、図中で右上方に傾動すると、外接輪体63が伝動ベルト62の外周側に圧接する。この状態では、図中で時計回りに回動する伝動ベルト62の回転力を伝達された外接輪体63が図中で反時計回りに回動する。これによって、その外接輪体63に巻回されている正逆転伝動ベルト65が図中で反時計回りに回転し、出力プーリ61を反時計回りに回転させる。この出力プーリ61の反時計回りの回転でラジエータファン70が逆転状態に駆動される。
【0054】
正逆転切換機構6は、機体後部で機体フレーム1上に立設された冷却部支持フレーム8に支持されている。この冷却部支持フレーム8には、ラジエータファン70のファン主軸71を枢支するファン支持部84や、正逆転伝動ベルト65の回動方向を切り換える揺動体66を操作するための電動モータ100(アクチュエータに相当する)を支持するためのアクチュエータ支持部86も備えられている。
電動モータ100が設けられた箇所の近くにおけるアクチュエータ支持部86には、前記揺動体66の揺動軸心であるファン主軸71の軸心p1に沿う方向の別の軸心p2回りで揺動操作される揺動操作体101が装備されている。この揺動操作体101は、電動モータ100の正逆転作動にともなって、前記別の軸心p2回りで揺動作動するように、電動モータ100の出力軸(図示せず)に対して、図示しない適宜ギヤ連動機構を介して機械的に連係されている。
【0055】
そして、揺動操作体101は、側面視において、揺動体66の揺動軸心であるファン主軸71の軸心p1と前記別の軸心p2とを結ぶ仮想線分の両側に振り分けられた状態の一対の連結部材102を介して、前記揺動体66と連結されている。
一対の連結部材102のうち、一方の連結部材102は、
図5に示すように前記揺動体66が右下方に傾動した姿勢で、揺動体66を時計回りに付勢するコイルスプリング102aによって構成されている。このコイルスプリング102aは、揺動体66が右下方に傾動した姿勢で、内接輪体64を伝動ベルト62の内周側に圧接する方向への付勢力を有し、ラジエータファン70の正転状態を維持する。
【0056】
他方の連結部材102は、
図6に示すように、前記揺動体66が右上方に傾動した姿勢で、外接輪体63を伝動ベルト62の外周側に圧接するように、揺動体66を反時計回りに回動させるワイヤー102bによって構成されている。この状態でラジエータファン70は逆転状態に維持される。このとき、揺動体66に対するコイルスプリング102aの連結点の位置は電動モータ100の位置から遠ざかる側に移動するが、揺動操作体101に対するコイルスプリング102aの連結点の位置も電動モータから遠ざかる側に移動する。しかも揺動操作体101側における連結点位置の移動量が揺動体66側における連結点位置の移動量よりも大きいので、両連結点間の距離は短くなり、コイルスプリング102aの張り長さは収縮して、時計回り方向への付勢力は減少する。
これにより、揺動体66を正転状態から逆転状態に切り換える際に、コイルスプリング102aがさらに引き延ばされるような構造のもののように、コイルスプリング102aが大きな操作抵抗として作用することを避けられる。その結果、電動モータ100として、コイルスプリング102aの増加抵抗分を加味した出力の大きなものを装備する必要がない点で有利である。
【0057】
前記電動モータ100の正逆転は、図示しない制御装置によって制御される。制御装置には、予めインプットされた制御プログラムが記憶されており、その制御プログラムに基づいて、予め設定された所定時間毎に、正転状態と逆転状態とが切り換えられるように構成されている。
電動モータ100が正転状態であるか、逆転状態であるかの判別は、ファン主軸71の軸心p1回りにおける揺動体66の位置によって検出される。つまり、揺動体66は、
図5乃至
図7に示すように、連係ロッド103を介してスイッチセンサ110の検出リンク110aに連結されている。
したがって、電動モータ100が正転状態で時計回りに回動し、
図5に示すように揺動体66が右下方に傾動した姿勢になると、連係ロッド103を介してスイッチセンサ110の検出リンク110aが引き下げられて右下方に傾動した姿勢となり、スイッチセンサ110が正転状態を検出する。逆に、電動モータ100が逆転状態で反時計回りに回動し、
図6に示すように揺動体66が右上方に傾動した姿勢になると、連係ロッド103を介してスイッチセンサ110の検出リンク110aが押し上げられて右上方に傾動した姿勢となり、スイッチセンサ110が正転状態を検出する。
【0058】
〔冷却部支持フレーム〕
図3に示すように、脱穀装置4の右横側部における機体フレーム1上にタンク支持台13が立設されていて、そのタンク支持台13に備えたラジエータ支持腕13C、及びその後方側で機体フレーム1から立設された下部支柱72によってラジエータ7が支持されている。
ラジエータ7の機体横外方側には、冷却部側板73を設けてある。この冷却部側板73は、タンク支持台13の後部の縦支柱13Aにヒンジ金具14を介して取り付けてあり、上下軸心y2回りで揺動開閉可能に構成されている。冷却部側板73のうち、ラジエータ7の通気面に対向する部位には、冷却風の通過を許容する多数の通気孔が形成されている。したがって、冷却部側板73がラジエータ7の通気面に対向する閉塞姿勢で、ラジエータファン70による冷却風の吸引及び排出が可能である。
【0059】
ラジエータ7の機体横内方側には、ラジエータ7の通気面に対向する姿勢でラジエータファン70が配置されている。このラジエータファン70は、
図3及び
図7に示すように、タンク支持台13の後部の縦支柱13Aよりも機体後方側で、機体フレーム1から立設された冷却部支持フレーム8に取り付けられている。
【0060】
冷却部支持フレーム8は、下端側が機体フレーム1に固定され、その固定箇所から斜め前方に向けて延出されたのち、上方へ向けて起立する起立支柱部80を備えている。その起立支柱部80の上端側に、前側が後側よりも少し低くなる前下がり傾斜姿勢の前後架材部81が一体に溶接接続されている。
前後架材部81の後部下方は、起立支柱部80の上端部近くで、補強ブラケット82により接続されている。前後架材部81の前部には、延長支柱部83が上方へ向けて起立する状態で一体に設けられている。この延長支柱部83は、ラジエータ7の上縁よりも高い位置にまで延設され、その上端部に固定ブラケット83Aを備えている。したがって、この固定ブラケット83Aをタンク支持台13の上部枠13Bの後部に備えた連結部13Dに対して連結することにより、冷却部支持フレーム8の上端側をタンク支持台13に対して連結固定することが可能に構成されている。
【0061】
起立支柱部80の上下方向の中間部箇所に、ラジエータファン70のファン主軸71を枢支するファン支持部84が備えられている。このファン支持部84は、
図7に示すように、ファン主軸71を枢支する筒状ボス84Aが、起立支柱部80の前後方向幅内に、後方側から部分的入り込む状態で溶接固定されている。したがって、ファン主軸71は、その軸心p1が起立支柱部80の前後方向幅の中心に対して前後方向で芯ずれした状態でファン支持部84に枢支される。
【0062】
起立支柱部80の後方側には、ファン支持部84から後方下方へ向けて延出アーム部85が片持ち状に延出されている。その延出アーム部85の遊端側箇所には電動モータ100を装着可能なアクチュエータ支持部86が備えられている。
延出アーム部85は、上側に位置する断面L字形の上部アーム85Aと、下側に位置する断面L字形の下部アーム85Bとを備え、その上部アーム85Aと下部アーム85Bの遊端部同士を連結する状態でアクチュエータ支持部86が設けられている。
上部アーム85Aの基端側は、起立支柱部80の前後方向幅から後方側へはみ出している状態の筒状ボス84Aの外周面と、起立支柱部80の後面とにわたって溶接固定されている。これにより、起立支柱部80の前後方向幅から後方側へはみ出した状態の筒状ボス84Aの支持箇所における補強部材としての役割を果たすことにもなる。下部アーム85Bの基端側は、起立支柱部80の後面と側面とに溶接固定されている。
【0063】
前後架材部81の前端部には、正逆転切換機構6の入力部としての入力プーリ60が回転自在に枢支されている。
この入力プーリ60の存在箇所は、ファン支持部84に対して、前記アクチュエータ支持部86を備える延出アーム部85の延出方向とは反対側に位置するように配設されている。つまり、ファン支持部84を挟んで入力部とアクチュエータ支持部86とが互いに反対側に位置するように配設されている。
【0064】
前後架材部81の後端近くには、前記入力プーリ60や、ファン主軸71に一体回転自在に取り付けられた出力プーリ61から離れて位置する状態で遊転プーリ67が枢支されている。
その遊転プーリ67よりもさらに、前後架材部81の後端寄りの箇所に、テンションプーリ68の取付ブラケット87が設けられている。
また、前後架材部81の後端部側には、立ち上がり部材88が設けてあり、その立ち上がり部材88の上部にスイッチセンサ110が取り付けられている。スイッチセンサ110は上下揺動可能な検出リンク110aを備え、その検出リンク110aの遊端部に連係ロッド103の上端部が連結され、連係ロッド103の下端部が揺動体66に連結されている。
【0065】
揺動体66は、
図8及び
図9に示すように、ファン主軸71に外嵌するボス部66Aを中央部に備えている。そして、そのボス部66Aの外周面側に、内接輪体64及び外接輪体63を支持し、かつコイルスプリング84aを連結可能な第一板体66Bと、ワイヤー84bを連結可能な第二板体66Cとが溶接固定されている。
内接輪体64と外接輪体63のうち、内接輪体64の枢支軸64aは第一板体66Bに固定されているが、外接輪体63の枢支軸63aは第一板体66Bに形成されている長孔66Baを通して調節ボルト66Bbに支持され、長孔66Baの範囲内で位置調節可能に構成されている。
この第一板体66Bに形成されたバネ連結孔66Bcにコイルスプリング84aが連結され、ロッド連結孔66Bdに、連係ロッド103の下端側が連結される。
【0066】
第二板体66Cに形成されたワイヤー連結孔66Caにワイヤー84bが連結される。
そして、そのワイヤー84bは、第二板体66Cに設けられた湾曲ガイド部66Cbに案内されて、極端に大きな曲率で折り曲げられることのない状態で、引き操作、あるいは緩め操作される。
【0067】
前記延出アーム部85における上部アーム85Aの後端部と、タンク支持台13の上部枠13Bの後端部とにわたって板状の後部カバー74が設けられている。この後部カバー74は、
図4乃至
図7に示されるように、正逆転切換機構6及びラジエータファン70の後方及び上方側を覆うものである。この後部カバー74が存在させたことによって、正逆転切換機構6及びラジエータファン70が他物と接触する可能性を少なくし得るようにしたものである。
【0068】
〔リテーナ〕
図5乃至
図7に示すように、延長支柱部83における上下方向の中間箇所には、前向き突片83Bが前方側へ向けて突設され、その前向き突片83Bにリテーナ89が取り付けられている。
このリテーナ89は、正逆転切換機構6の伝動ベルト62の外周上面側に位置していて、揺動体66の揺動切り換え作動の際における伝動ベルト62の一時的な緩みに伴うベルト外れを規制するためのものである。
【0069】
リテーナ89は、取付板89aと、その取付板89aと一体に溶接固定されたL字状の規制ロッド89bとを備え、規制ロッド89bの水平方向に沿うロッド部分が伝動ベルト62の外周面に沿う状態で設けられている。
取付板89aには、上下方向に沿う一対の長孔89cが形成されていて、長孔89cに挿通された固定ボルト89dを緩めて上下に位置調節可能であるように構成されている。
【0070】
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、正逆転切換機構6を操作するアクチュエータとして電動モータ100を例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、アクチュエータとして、油圧モータを用いたり、電動シリンダや、油圧シリンダ、あるいは空気圧シリンダや電磁石などを用いるようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0071】
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、正逆転切換機構6として、伝動ベルト62と、内接輪体64や外接輪体63を用いた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、正転用伝動ベルトと逆転用伝動ベルトとの複数種の伝動ベルトを用いて、択一的に回転方向を選択するようにしたり、伝動ベルト62自体を正逆転させてラジエータファン70の回転方向を変更するようにしてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0072】
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、正逆転切換機構6によるラジエータファン70の正逆転切り換えを、制御装置が備える制御プログラムのみに基づいて、予め設定された所定時間毎に、正逆に切り換えられるように構成された構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。
例えば、運転部に備えた制御ダイアルなどによって、正転駆動時間の割合と逆転駆動時間割合の比率を人為的に変更したり、強制入り切りスイッチによって、正転駆動中に強制的に逆転作動させるなど、適宜の変更が可能である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0073】
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、冷却部支持フレーム8として、下端側が機体フレーム1に固定され、上端側がタンク支持台13の上部枠13Bの後部に連結された構造のものを例示したが、必ずしもこの構造に限定されるものではない。
例えば、冷却部支持フレーム8の上端側がタンク支持台13の上部枠13B以外の機体固定部に連結されたもの、あるいは、冷却部支持フレーム8が、独立して自立可能であるように機体フレーム1に固定されたものであってもよい。
また、冷却部支持フレーム8の形状も、実施形態で示したような、一本の起立支柱部80と前後架材部81との組み合わせ構造に限らず、複数本の起立支柱部80を用いた構造や、全体を板状や箱状に形成したものなど、適宜の形状、構造を採用することができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0074】
〔別実施形態の5〕
上記の実施形態では、冷却部支持フレーム8として、アクチュエータ支持部86が、ファン支持部84に対して、入力部である入力プーリ60とは反対側に位置するように配設された構造のものを例示したが、この構造のものに限られるものではない。
例えば、アクチュエータ支持部86が、ファン支持部84に対して、入力部である入力プーリ60と同じ前側に位置するように配設された構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0075】
〔別実施形態の6〕
上記の実施形態では、ファン主軸71を枢支する筒状ボス84Aを、起立支柱部80の前後方向幅内に、後方側から部分的入り込む状態で溶接固定して、ファン主軸71が、冷却部支持フレーム8の前後方向幅の中心に対して前後方向で芯ずれした位置に存在させた構造のものを示したが、この構造に限定されるものではない。
例えば、筒状ボス84Aの全体が、起立支柱部80の前後方向幅内に位置するものであったり、筒状ボス84Aの全体が、起立支柱部80の前後方向幅の外側に位置する状態で固定されたものであってもよい。また、ファン主軸71は、冷却部支持フレーム8の前後方向幅の中心に対して必ずしも前後方向で芯ずれした位置に存在しなければならないものではなく、ファン主軸71の軸心p1が冷却部支持フレーム8の前後方向幅の中心と合致する位置に存在するものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0076】
〔別実施形態の7〕
上記の実施形態では、正逆転切換機構6への伝動機構を、ベルト伝動機構で構成した構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。例えば、ベルト伝動機構に限らず、軸伝動構造で構成したものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0077】
〔別実施形態の8〕
上記の実施形態では、走行装置2として、前輪2Fを非操向車輪で構成し、後輪2Rを操向車輪で構成したものを示したが、これに限らず、例えば、前輪2Fを操向車輪とし、後輪2Rを非操向車輪としてもよい。また、前輪2F及び後輪2Rをともに操向車輪で構成してもよい。
また、走行装置2として車輪だけで構成されたものに限らず、例えば前走行部をセミクローラタイプのクローラ走行装置で構成し、後走行部を操向車輪からなる後輪2Rで構成したものであってもよい。逆に、前走行部を操向車輪からなる前輪2Fで構成して、後走行部をセミクローラタイプのクローラ走行装置で構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。