(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1Aは、番号100によってこれ以降表される、例示的な多層研磨物品の構成層を示している。実寸で描写されていない
図1Aにおいて、研磨物品100は、一体化されたシート様配置で、互いに接合されている複数の層を含む。
【0014】
研磨物品100の作業表面を代表したものが、可撓性研磨層102である。例示されている通り、可撓性研磨層102は、第1及び第2の主表面105、107を対向して含む、キャリアフィルム104を含む。複数の成形された研磨用コンポジット106が、第1の主表面105上に配置されている。この研磨用コンポジット106は、一般に、結合剤と均一に混合されている研磨材粒子から構成されていて、スラリーを形成し、このスラリーは、次に、裏材の表面上で硬化される。可撓性研磨層102が、使用中、徐々に磨り減る場合でさえも、研磨材粒子と基材との間の直接的な摩擦接触が維持され得るよう、結合剤はそれ自体、好ましくは浸食性である。
【0015】
研磨用コンポジットを作製するための材料及び方法に関する詳細は、一般に、例えば、米国特許第4,927,431号(Buchananら)、同第5,014,468号(Ravipatiら)、同第5,378,251号(Cullerら)、同第5,942,015号(Cullerら)、同第6,261,682号(Law)、及び同第6,277,160号(Stubbsら)、同第6,929,539号(Annenら)、及び米国特許出願第2003/0207659号(Annenら)に見いだすことができる。
【0016】
図1Bは、キャリアフィルム104に対して構造化研磨材を成形することにより形成された、研磨用コンポジット106をより詳細に示している。構造化研磨物品は、一般に、研磨材粒子108のスラリーと硬化可能な適切な結合剤樹脂(又は、結合剤前駆体110)前駆体とを混合し、キャリアフィルム104と剥離可能な金型又はパターン型との間でスラリーをキャストし、次に、この結合剤前駆体を硬化させて、キャリアフィルム104に固定された、小さく精密に複製された研磨用コンポジット106の列を生じさせることにより調製される。結合剤の硬化は、エネルギー源に曝露することによって、実現することができる。こうしたエネルギー源としては、例えば、電子ビーム、紫外線又は可視光に由来する、熱エネルギー及び輻射エネルギーを挙げることができる。三次元突出部の個々のパターンは、好ましくは、金型成形された複製パターンである。
【0017】
研磨材粒子は、いかなる特定の限定も受けるものではなく、当分野で公知の幅広い任意の硬質な無機物から構成されてもよい。適切な研磨材粒子の例としては、例えば、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、白色溶融酸化アルミニウム、黒色炭化ケイ素、緑色炭化ケイ素、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、ガーネット、溶融アルミナジルコニア、アルミナをベースとするゾルゲル由来の研磨材粒子、シリカ、酸化鉄、クロミア、酸化セリウム、ジルコニア、チタニア、酸化チタン、ガンマアルミナ及びそれらの組合せが挙げられる。アルミナ研磨材粒子は、金属酸化物の改質剤を含有していてもよい。ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素の研磨材粒子は、単結晶性又は多結晶性であってもよい。
【0018】
ほとんどすべての場合において、研磨材粒子サイズには範囲又は分布がある。研磨材粒子の数平均粒子サイズは、0.001〜約300マイクロメートル、約0.01〜約250マイクロメートル、又は約0.02〜約100マイクロメートルの範囲とすることができる。この場合、研磨材粒子の粒子サイズは、研磨材粒子の最長寸法によって測定される。
【0019】
キャリアフィルム104も、特に制限はされないが、好ましくは、研磨材粒子108と研磨されることになる基材との間に実質的な接触を可能にする程、十分な可撓性及び形状適合性を有する。例えば、キャリアフィルム104は、ポリマーフィルム、下塗りポリマーフィルム、金属箔、布、紙、バルカンファイバー、不織材、それらの処理済みバージョン、及びそれらの組合せから作製することができる。適切なキャリアフィルムとしては、例えば、エラストマーポリウレタンフィルムが挙げられる。
【0020】
一部の実施形態では、キャリアフィルム104は、その主表面に、一般に、均一な厚さを有する。裏材の平均厚さは、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも60マイクロメートル、又は少なくとも75マイクロメートルとすることができる。裏材の平均厚さは、その上限は、最大でも200マイクロメートル、最大でも150マイクロメートル、最大でも100マイクロメートル、最大でも75マイクロメートル、又は最大でも50マイクロメートルとすることができる。研磨材コーティングとキャリアフィルム104との間の接着を強化するため、キャリアフィルム104は、化学的に下塗りされているか、あるいは、例えば、コロナ処理、UV処理、電子ビーム処理、火炎処理若しくは表面の粗化により処理されていてもよい。
【0021】
場合により、及び
図1Aに更に図示されている通り、可撓性研磨層102が、第1の接着剤層112によって、その下の層に接着剤により接合されている。この例示的な実施形態では、第1の接着剤層112は、その第2の主表面107に沿ってキャリアフィルム104に接触しており、このキャリアフィルム104を不織ウェブ114に接合している。ここでは示されていないが、キャリアフィルム104はまた、不織ウェブ114の第2の主表面107に直接、積層されることができ、この場合、キャリアフィルム104及び不織ウェブ114は、境界面において、ポリマー鎖のからみによって相互に固定される。
【0022】
図1Aに例示されている通り、不織ウェブ114は、可撓性研磨層102の方を向いている構造化主表面を有する、テクスチャー化不織ウェブである。この構造化主表面は、その隣接層上に重ね合わせた形状適合パターンを生じる程、十分に突出した三次元パターンを有する。例示的な実施形態では、この三次元パターンは、二次元に並んだ別々の突出部によって表される。例示的な実施形態では、この三次元パターンの特徴部は、第1及び第2の主表面105、107に平行に延在する複数の交差チャネルによって、互いに分離されている。
【0023】
実際の研磨物品に伴う突出部の三次元パターンが、
図5に示されており、実施例の項目において一層詳細に記載されている。
図5の画像は、MikroCAD Lite Fringe Projection 3D表面形状測定装置(GF Messtechnik GmbH,Berlin、ドイツ)を使用して得たものであった。示された通り、突出部は、研磨物品の作業表面に広がる、二次元の交互配列したドットとして表される。
【0024】
キャリアフィルム104及び研磨用コンポジット106のどちらも、可撓性があり、かつかなり薄く、その結果、研磨層102は、下にある不織ウェブ114の形状及び表面テクスチャーであると部分的に又は完全に見なされることが好ましい。その結果、不織ウェブ114及びキャリアフィルム104は、互いに整列されている別々の三次元突出部の個々のパターンを有する。
【0025】
三次元突出部は、いくつかの異なる形状のいずれかの形態をとることができる。この形状としては、半球型、ピラミッド型、ポスト型、プリズム型又は他の幾何学的形状、及びそれらの組合せによって表される、突出形状を挙げることができる。この形状は、性質が不規則となり得る。例えば、この突出部は、不規則な境界を有するアイランド型と見ることができ、場合により、形状及び/又はサイズの分布を有する。境界はそれ自体、くっきりと画定されないことがある。例えば、突出部は、傾斜している側壁を有することがある。
【0026】
三次元突出部の高さは、均一であることが理想であるが、実際には、平均値あたりでかなり変動する傾向がある。これは、例えば、同じ表面形状測定装置を使用して得た
図6及び7の高さプロファイルにおいて明白であり、これらの図は、キャリアフィルム104の下にある不織ウェブ114の三次元突出部からの主要なばらつきの上に重ね合わせた、成形された研磨用コンポジットに由来する高さ寸法に小さなばらつきがあることを示している。これらのプロファイルから、三次元突出部の直径(例えば、
図6におけるD
1、D
2及びD
3)とその高さ(例えば、
図7におけるH
1、H
2及びH
3)との両方にばらつきが存在していることが明白である。
【0027】
研磨物品100の性能は、三次元突出部のアスペクト比、すなわちその平均高さとその平均直径との比に一部、依存することが観察された。一部の実施形態では、不織ウェブ114の三次元突出部は、少なくとも1:200、少なくとも1:175、少なくとも1:150、少なくとも1:140、又は少なくとも1:130の平均高さ:平均直径比を有する。一部の実施形態では、不織ウェブ114の三次元突出部は、最大でも1:25、最大でも1:35、最大でも1:50、最大でも1:85、又は最大でも1:100の平均高さ:平均直径比を有する。
【0028】
図6〜7に更に示されている通り、研磨用コンポジット106の形状特徴部は、不織ウェブ114の三次元突出部よりも小さな実質的に小さく、不織ウェブ114の三次元パターンが、研磨物品100の作業表面において発現されることを可能にしている。好ましい実施形態では、研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部は、少なくとも1:50、少なくとも1:45、少なくとも1:40、少なくとも1:35、又は少なくとも1:30の平均直径:平均直径比を有する。同一又は代替実施形態では、研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部は、最大でも1:5、最大でも1:7、最大でも1:10、最大でも1:15、又は最大でも1:20の平均直径:平均直径比を有することができる。
【0029】
有用な不織ウェブとしては、例えば、網目状のオープン繊維ウェブ(open fiber web)が挙げられ、ここでは繊維が結合剤によって格子様パターンで一緒に結合されている(例えば、結合剤前駆体材料を乾燥及び/又は硬化することによって形成される)。この不織ウェブは、例えば、米国特許第2,958,593号(Hooverら)に記載されている空気支持構造体から、カード及びクロスラップ構造体、又はメルトブロー構造体から作製することができる。有用な繊維としては、天然及び合成繊維、並びにそれらのブレンドが挙げられる。有用な合成繊維としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレン−テレフタレート)、高弾性又は低弾性ナイロン(例えば、ヘキサメチレン−アジポアミド、ポリカプロラクタム)、ポリプロピレン、アクリル(アクリロニトリルポリマーから形成)、レーヨン、酢酸セルロース、ビニル−アクリロニトリルの塩化物コポリマー、及びその他から作製された繊維が挙げられる。適切な天然繊維としては、綿、羊毛、黄麻及び麻に由来するものが挙げられる。
【0030】
一部の実施形態では、不織ウェブ114は、圧縮可能である。同一又は代替実施形態では、不織繊維の直径は、例えば、1、2、4、6、10、13、17、70、110、120又は200デニール以下とすることができるが、これは、必要要件ではない。
【0031】
最後に、
図1A中で示されている最後の2つの層は、第2の接着剤層116であり、これは、第1の接着剤層112の反対側の不織ウェブ114及び発泡体裏材118に延在している。この第2の接着剤層116は、不織ウェブ114を発泡体裏材118に接合している。前記の通り、不織ウェブ114は、場合により、第2の接着剤層116を必要とすることなく、発泡体裏材118に直接、積層されていてもよい。
【0032】
ある種の実施形態では、第1及び第2の接着剤層112、116は、一方又は両方が、圧性接着剤を含む。
【0033】
発泡体裏材118は、一般に、圧縮可能な発泡体である。こうした発泡体は、当分野で公知のいくつかの圧縮可能な発泡体料のいずれからも形成することができる。一部の実施形態では、発泡体は、弾性的に圧縮可能となるよう、弾性材料から作製される。弾性発泡体としては、例えば、クロロプレンゴム発泡体、エチレン/プロピレンゴム発泡体、ブチルゴム発泡体、ポリブタジエン発泡体、ポリイソプレン発泡体、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ポリマー発泡体、ポリウレタン発泡体、エチレン−酢酸ビニル発泡体、ネオプレン発泡体、及びスチレン/ブタジエンコポリマー発泡体が挙げられる。他の有用な発泡体としては、例えば、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリブチレン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリアミド発泡体、ポリエステル発泡体及び可塑性ポリ塩化ビニル発泡体を挙げることができる。
【0034】
発泡体裏材118は、連続気泡又は独立気泡のどちらであってもよい。研磨物品100が、液体と一緒に使用することが意図されている場合、液体の浸入を許す十分な孔隙率を有する連続気泡発泡体が好ましい。連続気泡発泡剤は、好ましくは、垂直方向及び水平方向(すなわち、研磨物品100の作業表面にそれぞれ垂直及び平行)に沿って、水又は他の液体が、発泡体裏材118に運ばれるのを可能にする。有用な連続気泡発泡体の具体的な例としては、Illbruck、Inc.(Minneapolis、Minnesota)により、商標名「R200U」、「R400U」、「R600U」、及び「EF3−700C」で販売されているポリエステルポリウレタン発泡体である。
【0035】
特に、適切な連続気泡発泡体は、少なくとも15個/cm、少なくとも16個/cm、少なくとも17個/cm、少なくとも18個/cm、少なくとも19個/cm、又は少なくとも20個/cmの数平均気泡数を有することができる。更に、これらの連続気泡発泡体は、最大でも40個/cm、最大でも38個/cm、最大でも36個/cm、最大でも34個/cm、最大でも32個/cm、又は最大でも30個/cmの数平均気泡数を有することができる。これらの同じ発泡体は、少なくとも3,500パスカル、少なくとも7,000パスカル、少なくとも10,000パスカル、少なくとも15,000パスカル、又は少なくとも20,000パスカルの一軸圧縮応力が施された場合、25%の圧縮率を示すことができる。更に、これらの発泡体は、最大でも138,000パスカル、最大でも120,000パスカル、最大でも110,000パスカル、最大でも100,000パスカル、又は最大でも82,000パスカルの一軸圧縮応力が施された場合、25%の圧縮率を示すことができる。
【0036】
図2は、陥没して示されている層を有する研磨物品100を図示しており、この層は、研磨層102、不織ウェブ114、第1及び第2の接着剤層112、116及び発泡体裏材118を含む。
【0037】
研磨物品100は、当業者によって使用される、いくつかの形態のいずれかで供給され得ることを理解すべきである。例えば、研磨物品100は、ハンドサンディング用シート、又は、代替として、電動工具に取り外し可能なように固定することができるベルト又はディスクとして供給され得る。研磨物品100はまた、手作業での用途に応じて、任意の所与の寸法で供給され得る。
【0038】
図3は、別の例示的な実施形態による研磨物品200を示す。研磨物品200は、研磨物品100と同じ構成層をすべて本質的に有するが、取付け界面層220を更に含む。この取付け界面層220は、隣接発泡体裏材218に、接着剤により、化学的に、又は機械的に取り付けることができる。
【0039】
取付け界面層220は、例えば、バックアップパッド又はサンディングブロックなどの支持構造体への研磨物品200の取付けを容易にする。車両の仕上げ用途などの例示的な用途では、バックアップパッドは、ロータリー式又は回転式電動工具に固定され得る。取付け界面層220は、例えば、ここで示されている感圧性接着剤層、両面接着剤テープ、ホック及びループ取付け用のループファブリック(例えば、それに固定されているフック付き構造体を有する、バックアップ又は支持パッドを係合するための)とすることができる。あるいは、取付け界面層220は、フック及びループ取付け(例えば、それに固定するループファブリックを有するバックアップパッド又は支持パッドを係合するため)用のフック付き構造、又はかみ合い取付け界面層(バックアップパッド又は支持パッド上に、マッシュルームタイプのインターロックファスナーを係合するよう設計されている、別のマッシュルームタイプのインターロックファスナー)を含むことができる。こうした取付け界面層に関連する例示的な選択肢及び利点は、米国特許第5,152,917号(Pieperら)、同第5,254,194号(Ott)、同第5,201,101号(Rouserら)及び同第6,846,232号(Braunschweigら)、並びに米国特許公開第2003/0022604号(Annenら)に記載されている。
【0040】
図4は、発泡体裏材のない、別の実施形態の例示的な研磨物品300を示している。示されている通り、研磨物品300は、可撓性研磨層302、第1及び第2の接着剤層312、316の間に挟まれている不織ウェブ314、並びに取付け界面層320を含めた、研磨物品200の特徴部のすべてを実質的に有する。しかし、前の実施形態とは異なり、第2の接着剤層316は、不織ウェブ314と取付け界面層320との間に配置されており、この接着剤層は、これらの2層を互いに直接、接着剤により接合している。
【0041】
ここでは、発泡体裏材が存在しないが、発泡体裏材は、研磨物品300が取り付けられている再使用可能なバックアップパッド上に設けることができる。有利には、これにより、先の実施形態の組立体にかなり類似する最終組立体がもたらされるが、主要構成成分及び関連コストが電動工具にシフトする。発泡体裏材は、通常、かなり耐久性があり、発泡体裏材を使い捨て研磨物品に含ませるコストが高くなることが多いので、
図4の最も簡単な配置をとることにより、使用者は、経時的に、かなりのコスト削減を実現することができる。
【0042】
他の選択肢及び関連利点も可能である。例えば、本出願と同じ日に出願された、同時係属米国仮特許出願「ABRASIVE ARTICLE AND RELATED METHODS」、第62/060651号(Carter)において記載されている通り、この場合の研磨物品は、研磨材−基材の境界面において液体の分布を更に強化させるための、その作業表面に延在する1つ以上の深く浸透するスリットを有することができる。
【0043】
提供された研磨物品は、手作業により、又は、例えば、ロータリー式研磨器、回転式研磨器若しくはベルト式研磨器などの電動工具と組み合わせて、基材を研磨(仕上げを含む)するために使用することができる。
【0044】
提供された研磨物品を使用して、当業者に公知のいくつかの従来の方法のいずれかを用いて所望の表面仕上げをもたらすことができる。使用方法の1つは、例えば、研磨物品又は基材のいずれかに液体を適用して、次に、可撓性研磨物品を基材に摩擦接触させることを含む。次に、基材の表面を研磨するために、基材に対して、この研磨物品を回転させる、並進運動させる、又はそれらの両方を行うことができる。使用者の技法、又は使用される電動工具のタイプに応じて、研磨物品は、場合により、使用中、基材に対して、振動パターン又は偏心パターンで、基材の上で滑らすことができる。
【0045】
提供される研磨物品が基材と摩擦接触させられる場合、三次元突出部のパターンが、研磨用コンポジットと基材との間の境界面に沿って、液体を動的に分布させるチャネルを提供することが見いだされた。三次元突出部の有利な形状に基づくと、十分な液体が可撓性研磨層上に保持されて、静止摩擦の問題を緩和又はなくすことができる。研磨操作中に、圧力が透過性裏材に適用されると、液体及び削りくずがチャネルに強制的に向かい、これにより、境界面の過度に湿潤している部分から移動して離れること、及び境界面の比較的、乾燥した部分の方に移動することが容易になる。したがって、研磨物品の作業表面に浸透する相互連結経路を作製することにより、三次元突出部は、研磨材の境界面における液体/削りくずの蓄積を制御し、望ましくないハイドロプレーニング作用を回避する。
【0046】
排他的なものであることを意図するものではないが、本研磨物品及びその方法は、以下の実施形態A〜AHを列挙することによって、更に例示される。
A.第1の主表面及び反対側の第2の主表面を有するキャリアフィルム、複数の形状特徴部を含む研磨用コンポジットであって、キャリアフィルムの第1の主表面に配置されている研磨用コンポジット、キャリアフィルムの第2の主表面に配置されている不織ウェブであって、この不織ウェブ及びこのキャリアフィルムが、互いに整列されている別々の三次元突出部の個々のパターンを有する不織ウェブ、並びにキャリアフィルムとは反対側の不織ウェブの主表面に延在している発泡体裏材であって、弾性的に圧縮可能な発泡体裏材を含む、研磨物品。
B.研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部が、1:50〜1:5の範囲の平均直径:平均直径比を有する、実施形態Aに記載の研磨物品。
C.研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部が、1:40〜1:10の範囲の平均直径:平均直径比を有する、実施形態Bに記載の研磨物品。
D.研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部が、1:30〜1:20の範囲の平均直径:平均直径比を有する、実施形態Cに記載の研磨物品。
E.第1の主表面及び反対側の第2の主表面を有するキャリアフィルム、複数の形状特徴部を含む研磨用コンポジットであって、キャリアフィルムの第1の主表面に配置されている研磨用コンポジット、並びにキャリアフィルムの第2の主表面に配置されている不織ウェブであって、この不織ウェブ及びこのキャリアフィルムが、互いに整列されている別々の三次元突出部の個々のパターンを有しており、研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部が、1:50〜1:5の範囲の平均直径:平均直径比を有する不織ウェブを含む、研磨物品。
F.研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部が、1:40〜1:10の範囲の平均直径:平均直径比を有する、実施形態Eに記載の研磨物品。
G.研磨用コンポジットの形状特徴部及び不織ウェブの三次元突出部が、1:20〜1:30の範囲の平均直径:平均直径比を有する、実施形態Fに記載の研磨物品。
H.キャリアフィルムとは反対側の不織ウェブの主表面に延在する取付け界面層を更に含む、実施形態E〜Gのいずれか1つに記載の研磨物品。
I.キャリアフィルムの第2の主表面に延在する第1の接着剤層であって、キャリアフィルムと不織ウェブとを互いに接合している第1の接着剤層を更に含む、実施形態A〜Hのいずれか1つに記載の研磨物品。
J.不織ウェブと発泡体裏材との間に配置されている第2の接着剤層であって、不織ウェブと発泡体裏材とを互いに接合している第2の接着剤層を更に含む、実施形態A〜Dのいずれか1つに記載の研磨物品。
K.不織ウェブと取付け界面層との間に配置されている第2の接着剤層であって、不織ウェブと取付け界面層とを互いに接合している第2の接着剤層を更に含む、実施形態Hに記載の研磨物品。
L.三次元突出部の個々のパターンが複製パターンである、実施形態A〜Kのいずれか1つに記載の研磨物品。
M.不織ウェブの三次元突出部が、半球型、ポスト型、ピラミッド型、プリズム型及びそれらの組合せからなる群から選択される、予め画定されている形状を有する、実施形態Lに記載の研磨物品。
N.不織ウェブが圧縮可能である、実施形態A〜Mのいずれか1つに記載の研磨物品。
O.不織ウェブが網目状の不織材料を含む、実施形態A〜Nのいずれか1つに記載の研磨物品。
P.三次元突出部が、1:200〜1:25の範囲の平均高さ:平均直径比を有する、実施形態A〜Oのいずれか1つに記載の研磨物品。
Q.三次元突出部が、1:150〜1:50の範囲の平均高さ:平均直径比を有する、実施形態Pに記載の研磨物品。
R.三次元突出部が、1:130〜1:100の範囲の平均高さ:平均直径比を有する、実施形態Qに記載の研磨物品。
S.キャリアフィルムが形状適合性である、実施形態A〜Rのいずれか1つに記載の研磨物品。
T.キャリアフィルムがポリウレタンフィルムを含む、実施形態Sに記載の研磨物品。
U.ポリウレタンフィルムが、10マイクロメートル〜200マイクロメートルの範囲の厚さを有する、実施形態Tに記載の研磨物品。
V.ポリウレタンキャリアフィルムが、15マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲の厚さを有する、実施形態Uに記載の研磨物品。
W.ポリウレタンキャリアフィルムが、20マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲の厚さを有する、実施形態Vに記載の研磨物品。
X.発泡体裏材が連続気泡ポリウレタン発泡体を含む、実施形態A〜Wのいずれか1つに記載の研磨物品。
Y.連続気泡ポリウレタン発泡体が、15個/センチメートル〜40個/センチメートルの範囲の数平均気泡数を有する、実施形態Xに記載の研磨物品。
Z.連続気泡ポリウレタン発泡体が、17個/センチメートル〜36個/センチメートルの範囲の数平均気泡数を有する、実施形態Yに記載の研磨物品。
AA.連続気泡ポリウレタン発泡体が、20個/センチメートル〜0個/センチメートルの範囲の数平均気泡数を有する、実施形態Zに記載の研磨物品。
AB.3,500パスカル〜138,000パスカルの範囲の一軸圧縮応力が施された場合、連続気泡ポリウレタン発泡体が25%の圧縮率を示す、実施形態X〜AAのいずれか1つに記載の研磨物品。
AC.10,000パスカル〜110,000パスカルの範囲の一軸圧縮応力が施された場合、連続気泡ポリウレタン発泡体が25%の圧縮率を示す、実施形態ABに記載の研磨物品。
AD.20,000パスカル〜82,000パスカルの範囲の一軸圧縮応力が施された場合、連続気泡ポリウレタン発泡体が25%の圧縮率を示す、実施形態ACに記載の研磨物品。
AE.キャリアフィルムとは反対側の不織ウェブの主表面に配置されている取付け界面層を更に含む、実施形態A〜ADのいずれか1つに記載の研磨物品。
AF.実施形態A〜AEのいずれか1つに記載の研磨物品を使用する、基材の研磨方法であって、研磨物品又は基材のいずれかに液体を適用すること、及び研磨物品を基材と摩擦接触させ、これにより、三次元突出部のパターンが、研磨用コンポジットと基材との間の境界面に沿って、液体を動的に分布させるチャネルを提供することを含む、方法。
AG.研磨物品を作製する方法であって、形状適合性キャリアフィルム上に研磨用コンポジットを配置して、塗布研磨層を提供すること、及び三次元突出部のパターンを有する不織ウェブ上に塗布研磨層を配置して、不織ウェブから見て外側を向いている塗布研磨層の主表面上に三次元突出部のパターンを転写することを含む、方法。
AH.塗布研磨層とは反対側の不織ウェブの主表面上に取付け界面層を配置して、研磨物品と電動工具との間の取り外し可能な接続を可能にすることを更に含む、実施形態AGに記載の方法。
【実施例】
【0047】
特に記載しない限り、実施例及び本明細書の残りの箇所におけるすべての部、百分率、比などは、重量基準であり、実施例において使用されている試薬はすべて、例えば、Sigma−Aldrich社(Saint Louis,Missouri)などの一般的な化学品供給業者から入手可能であるか、又は従来の方法によって合成することができる。
【0048】
以下の略記を用いて実施例を説明する。
℃: 摂氏度
ミル: 10
−3インチ
μm: マイクロメートル
ft/min:フィート/分
m/min:メートル/分
mm: ミリメートル
cm: センチメートル
kPa: キロパスカル
psi: ポンド/平方インチ
s: 秒
UV: 紫外線
W/in:ワット/インチ
W/cm:ワット/センチメートル
【0049】
A−174:ガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、Momentive(Columbus,OH)から商標名「SILQUEST A174」で入手可能。
【0050】
GC2500:JIS 2500グレードの炭化ケイ素研磨材無機物、Fujimi Corp.(Tualatin,OR)から商標名「GC2500」で市販。
【0051】
SR339:2−フェノキシエチルアクリレートモノマー、Sartomer Company(Exton,Pennsylvania)から商標名「SR339」で入手可能。
【0052】
SR351:トリメチロールプロパントリアクリレート、Sartomer Companyから商標名「SR351H」で入手可能。
【0053】
TPO−L:アシルホスフィンオキサイド、BASF Corp.(Florham Park,New Jersey)から商標名「LUCERIN TPO−L」で市販。
【0054】
研磨材スラリーAS−1の調製
以下の構成成分を20℃で30分間、均一に分散させることにより、樹脂のプレミックスを作製した:
TPO−L 33.6グラム
A−174 60.0グラム
SR339 403.0グラム
SR351 607.0グラム
S24000 96.0グラム
【0055】
AS−1
高速せん断ミキサーを使用し、上記の樹脂プレミックス600グラムに、21℃で15分間、958グラムのGC2500を均一に分散させ、その後、このスラリーを60℃まで加熱して、2時間、保持し、次に、冷却して21℃に戻した。
【0056】
微細複製工具(Microreplicated Tooling)MRT1の調製
米国特許第6,200,840号の
図4に見られる、微細複製された研磨パターンに対応する窪みを、ダイヤモンド旋盤によりニッケルめっきマスター(nickel-plated master)の平面30cmの区域に刻んだ。次に、刻みを入れた区域を、隣接区域の溝に隣接している各区域の溝と一緒に、逐次、溶接し、得られた単一マスターをドラムに取り付けた。次に、ポリプロピレン樹脂をこのマスター上でキャストし、ニップロールの間に押し出して冷却し、シート状の可撓性ポリマー製工具(polymeric production tool)とした。ポリマー製工具の表面に形成された一列の空洞が、微細複製された研磨パターンの反転パターンに相当した。
【0057】
(実施例1)
研磨材スラリーAS−1を、ナイフコーティングによって、コーティング剤重量約5.5mg/cm2で、微細複製されたポリプロピレン製工具MRT−1に適用した。次に、スラリーを充填したポリプロピレン製工具を、3M Company(St.Paul,Minnesota)から商標名TEGADERMで市販されているポリウレタンエラストマーフィルム上のニップロールに接触させ、Fusion Systems Inc.(Gaithersburg、Maryland)製の、2つの「D」型電球を有するUV加工器を使用して、600W/インチ(236W/cm)、70ft/分(21.3m/分)のライン速度、及び60psi(413.7kPa)のニップ圧でUV硬化させた。続いて、この工具を取り出し、キャリアフィルム上の微細複製された研磨材コーティングに曝露させた。
【0058】
N.R.Spuntech Industries Ltd.(Hinckley,Leics.、英国)から市販されている製品番号「2EO70V40P50M10」で得られる、
図5に見られるものなどの、約4mmの幅、3mmの長さ及び85μmの高さの寸法の突出部を有する不織ウェブは、両方の表面に適用されている3M Company(St.Paul,Minn.)から市販されている、商標名「HS300LSE」という接着剤の層を有した。次に、Rubberlite Inc(Huntington,West Virginia)製の商標名「HYPUR−CEL S0601」で入手可能なポリウレタン発泡体の90ミル(2.29mm)の層を、上記の不織ウェブの一方の表面に積層した。研磨材フィルムを、この不織ウェブの第2の表面の第2の表面に適用した。3M Company(St.Paul,Minnesota)製の商標名「HOOKIT BACKUP PAD、部品番号05551」で市販されているブラシ付きナイロン取付けシステムを、発泡体の第2の表面に取り付けた。
【0059】
(実施例2)
実施例2は、実施例1に由来する不織ウェブを、N.R.Spuntech Industries Ltd.(Hinckley,Leics.、英国)から市販されている製品番号「2SQ70V40P50M10」で、約5mm幅、5mm長さ及び50μm高さの寸法の突出部を有する不織材料に置き換えた以外、実施例1に記載されている通り調製した。
【0060】
(実施例3)
実施例3は、実施例1に由来する不織ウェブを、N.R.Spuntech Industries Ltd.(Hinckley,Leics.、英国)から市販されている製品番号「13SD50V50P40Y10」で、約3mm幅、3mm長さ及び30μm高さの寸法の突出部を有する不織材料に置き換えた以外、実施例1に記載されている通り調製した。
【0061】
比較例A
比較例Aは、ポリウレタンフィルムをRubberlite,Inc.(Huntington,West Virginia)から商標名「HYPUR−CEL S0601」で入手可能なポリウレタン発泡体により置き換えた以外、実施例1に記載されている通り調製した。
【0062】
切削試験
切削試験のために、直径6インチ(15.4cm)のディスクを実施例1、実施例2及び比較例Aからダイカットした。
【0063】
研磨性能試験は、PPG Industries、Inc.(Pitts、PA)から入手した、「NEXA 6690」タイプのクリアコートを有する、50cm×50cm(19.6インチ×19.インチ)の黒色冷温ロール鋼試験パネル上で実施した。パネルは、試験を行う24時間前に、スプレーをした。直径が6インチ(15.2cm)の商標名「260L P1200 HOOKIT FINISHING FILM」という研磨ディスクを、同じサイズの「HOOKIT SOFT INTERFACE PAD、部品番号05777」に取り付け、次に、これを「HOOKIT BACKUP PAD、部品番号05551」に取り付けた。このディスクを、デュアルアクション型空気作動式研磨器(Rupes S.p.A(イタリア)から商標名「RA 150A」で入手可能な)に取り付けた。パネルに、1分間、予め傷をつけた。次に、この傷をつけたパネルを、マイクロファイバーの布により拭き、秤量した。260L仕上げフィルム及び軟質境界面のパッドを実施例1及び比較例からの試料ディスクに置き換え、パネルに約6mlの水を軽くスプレーし、研磨を10分間、1分毎に繰り返した。1分後毎に、パネルを清浄し、秤量して、最初にスプレーした水と同じ体積を用いて再度、スプレーした。各実施例について、これを4つの試料ディスクに行った。平均切削速度(グラム)は、各試料ディスクについて、1分毎に記録した重量からパネルの初期重量を減算したものを総和し、次に、使用した試料ディスクの数で除算することにより算出した。表1にこれが示されている。グラムでの累積切削量は、表1からの1分毎の切削量をその前までの分数の切削量まで連続して総和することにより算出した。例えば、2分間で測定された切削量を1分間において測定された切削量に加えて、2分間における累積切削量を得た。これを10分間のそれぞれで繰り返し、表2に報告している。試験中になされた観察を表2に示している。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
上記の特許及び特許出願のすべてが、参照により本明細書に明確に組み込まれている。
本発明は、本明細書において、特定の実施形態を参照しながら記載されているが、これら
の実施形態は、本発明の原理及び適用の単なる説明にすぎないことを理解すべきである。
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び改変を本発明の方法及び装
置に行うことができることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明は、添付の
特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある、修正及び改変を含むことが意図される。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[15]に記載する。
[項目1]
第1の主表面及び反対側の第2の主表面を有するキャリアフィルム、
複数の形状特徴部を含む研磨用コンポジットであって、前記キャリアフィルムの前記第1の主表面に配置されている研磨用コンポジット、
前記キャリアフィルムの前記第2の主表面に配置されている不織ウェブであって、前記不織ウェブ及び前記キャリアフィルムが、互いに整列されている別々の三次元突出部の個々のパターンを有する不織ウェブ、並びに
前記キャリアフィルムとは反対側の前記不織ウェブの主表面に延在している発泡体裏材であって、弾性的に圧縮可能な発泡体裏材を含む、研磨物品。
[項目2]
前記研磨用コンポジットの前記形状特徴部及び前記不織ウェブの三次元突出部が、1:50〜1:5の範囲の平均直径:平均直径比を有する、項目1に記載の研磨物品。
[項目3]
前記研磨用コンポジットの前記形状特徴部及び前記不織ウェブの三次元突出部が、1:20〜1:30の範囲の平均直径:平均直径比を有する、項目2に記載の研磨物品。
[項目4]
第1の主表面及び反対側の第2の主表面を有するキャリアフィルム、
複数の形状特徴部を含む研磨用コンポジットであって、前記キャリアフィルムの前記第1の主表面に配置されている研磨用コンポジット、並びに
前記キャリアフィルムの前記第2の主表面に配置されている不織ウェブであって、前記不織ウェブ及び前記キャリアフィルムが、互いに整列されている別々の三次元突出部の個々のパターンを有しており、前記研磨用コンポジットの前記形状特徴部及び前記不織ウェブの三次元突出部が、1:5〜1:50の範囲の平均直径:平均直径比を有する不織ウェブを含む、研磨物品。
[項目5]
前記研磨用コンポジットの前記形状特徴部及び前記不織ウェブの三次元突出部が、1:30〜1:20の範囲の平均直径:平均直径比を有する、項目4に記載の研磨物品。
[項目6]
前記キャリアフィルムとは反対側の前記不織ウェブの主表面に延在する取付け界面層を更に含む、項目4又は項目5に記載の研磨物品。
[項目7]
前記キャリアフィルムの前記第2の主表面に延在する第1の接着剤層であって、前記キャリアフィルムと前記不織ウェブとを互いに接合している第1の接着剤層を更に含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の研磨物品。
[項目8]
前記不織ウェブと前記発泡体裏材との間に配置されている第2の接着剤層であって、前記不織ウェブと前記発泡体裏材とを互いに接合している第2の接着剤層を更に含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の研磨物品。
[項目9]
前記不織ウェブと前記取付け界面層との間に配置されている第2の接着剤層であって、前記不織ウェブと前記取付け界面層とを互いに接合している第2の接着剤層を更に含む、項目6に記載の研磨物品。
[項目10]
前記三次元突出部が、1:200〜1:25の範囲の平均高さ:平均直径比を有する、項目1〜9のいずれか一項に記載の研磨物品。
[項目11]
前記三次元突出部が、1:130〜1:100の範囲の平均高さ:平均直径比を有する、項目10に記載の研磨物品。
[項目12]
前記キャリアフィルムとは反対側の前記不織ウェブの主表面に配置されている取付け界面層を更に含む、項目1〜11のいずれか一項に記載の研磨物品。
[項目13]
項目1〜12のいずれか一項に記載の研磨物品を使用する、基材の研磨方法であって、
前記研磨物品又は前記基材のいずれかに液体を適用すること、及び
前記研磨物品を前記基材と摩擦接触させ、これにより、三次元突出部の前記パターンが、前記研磨用コンポジットと前記基材との間の境界面に沿って、前記液体を動的に分布させるチャネルを提供することを含む、方法。
[項目14]
研磨物品を作製する方法であって、
形状適合性キャリアフィルム上に研磨用コンポジットを配置して、塗布研磨層を提供すること、及び
三次元突出部のパターンを有する不織ウェブ上に前記塗布研磨層を配置して、前記不織ウェブから見て外側を向いている前記塗布研磨層の主表面上に三次元突出部の前記パターンを転写することを含む、方法。
[項目15]
前記塗布研磨層とは反対側の前記不織ウェブの主表面上に取付け界面層を配置して、前記研磨物品と電動工具との間の取り外し可能な接続を可能にすることを更に含む、項目14に記載の方法。