特許第6567037号(P6567037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6567037線状αオレフィンを調製するための触媒組成物および方法
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  • 特許6567037-線状αオレフィンを調製するための触媒組成物および方法 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567037
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】線状αオレフィンを調製するための触媒組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/22 20060101AFI20190819BHJP
   C07C 2/08 20060101ALI20190819BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20190819BHJP
   C07C 11/08 20060101ALI20190819BHJP
   C07C 11/107 20060101ALI20190819BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20190819BHJP
【FI】
   B01J31/22 Z
   C07C2/08
   C07C11/02
   C07C11/08
   C07C11/107
   !C07B61/00 300
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-502785(P2017-502785)
(86)(22)【出願日】2015年7月14日
(65)【公表番号】特表2017-522180(P2017-522180A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】IB2015055333
(87)【国際公開番号】WO2016009360
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2017年3月15日
(31)【優先権主張番号】62/026,123
(32)【優先日】2014年7月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508171804
【氏名又は名称】サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アザム シャヒド
(72)【発明者】
【氏名】バワレス バンダー
(72)【発明者】
【氏名】アル−ハズミ ムハンマド エイチ
(72)【発明者】
【氏名】アルシャフラニ ダファー エム
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−525855(JP,A)
【文献】 特表2009−506103(JP,A)
【文献】 特表2011−505244(JP,A)
【文献】 特開平08−259472(JP,A)
【文献】 特開平06−166638(JP,A)
【文献】 特開2015−120732(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0152398(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0306449(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0054130(US,A1)
【文献】 米国特許第05345023(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
C07B31/00−61/00,63/00−63/04
C07C1/00−409/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒および共触媒を含むエチレンのオリゴマー化のための触媒組成物であって、前記触媒が、カルボン酸ジルコニウムを含み、前記共触媒が、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、Al:Zrのモル比が35:1であり、前記共触媒が質量で3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含むことを特徴とする触媒組成物。
【請求項2】
オレフィン、溶媒および触媒組成物を反応器にフィードするステップと;
前記オレフィンを前記反応器中でオリゴマー化して、線状αオレフィンを含む反応生成物を生成させるステップ;
を含むオレフィンのオリゴマー化のための方法であって、
前記触媒組成物が触媒および共触媒を含み;
前記触媒が、カルボン酸ジルコニウムを含み、
前記共触媒が、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、Al:Zrのモル比が35:1であり、前記共触媒が質量で3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、前記オレフィンがエチレンであり、前記溶媒がトルエンであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項のいずれか1項に記載の方法であって、前記触媒組成物が、78℃で、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物より10%高い触媒活性を有し、前記線状αオレフィン反応生成物が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物と比べて、78℃で、2%以上の線状性の増大を有するC8−C18画分を含み、前記異なる触媒組成物は前記カルボン酸ジルコニウム触媒及びエチルアルミニウムセスキクロリドを有する、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
少なくとも90%の平均線状性を有するC4〜C14画分を含む、線状αオレフィン組成物の製造方法であって、C4線状αオレフィンが少なくとも99%の線状性を有し、C6線状αオレフィンが少なくとも98%の線状性を有し、C8線状αオレフィンが少なくとも96%の線状性を有し、C10−C20線状αオレフィンが少なくとも80%の線状性を有し、前記線状αオレフィン組成物の製造方法は、前記オレフィン、溶媒、触媒組成物を反応器に供給することと、前記反応器中で前記オレフィンをオリゴマー化し、線状αオレフィンを含む反応生成物を形成することとを含むプロセスを有し、前記触媒組成物は、触媒と共触媒とを含み、前記触媒はカルボン酸ジルコニウムを含み、前記共触媒はエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、Al:Zrのモル比が35:1であり、前記共触媒が質量で3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、ことを特徴とする線状αオレフィン組成物の製造方法。
【請求項6】
ポリエチレン組成物の製造方法であって、前記ポリエチレンが、オレフィン、溶媒、触媒組成物を反応器に供給することと、前記反応器中で前記オレフィンをオリゴマー化し、線状αオレフィンを含む反応生成物を形成することとを含むプロセスによって作製された少なくとも1つの線状αオレフィンから誘導される工程を有し、前記触媒組成物は、触媒と共触媒とを含み、前記触媒はカルボン酸ジルコニウムを含み、前記共触媒はエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、Al:Zrのモル比が35:1であり、前記共触媒が質量で3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、ことを特徴とするポリエチレン組成物の製造方法。
【請求項7】
カルボン酸ジルコニウム触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含む触媒組成物を含む反応を有するオレフィンオリゴマー化の方法であって、78℃での前記触媒組成物の触媒活性が、前記カルボン酸ジルコニウム触媒および前記少なくとも2つの共触媒組合せのうちの1つの共触媒を含む触媒組成物と比べて92%増大しており、前記少なくとも2つの共触媒組合せがエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、Al:Zrのモル比が35:1であり、前記共触媒が質量で3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、前記オレフィンがエチレンであることを特徴とするオレフィンオリゴマー化の方法。
【請求項8】
C4、C6およびC8線状オレフィン画分を含む線状αオレフィン組成物をもたらす、カルボン酸ジルコニウム触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含み、前記共触媒はエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含み、Al:Zrのモル比が35:1であり、前記共触媒が質量で3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、触媒組成物を含む反応を有するオレフィンオリゴマー化の方法であって、前記C4画分の純度が少なくとも99%であり、前記C6画分の純度が少なくとも98%であり、前記C8画分の純度が少なくとも96%であることを特徴とするオレフィンオリゴマー化の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、触媒および共触媒、特にジルコニウム含有触媒および有機アルミニウム共触媒を含む触媒組成物を開示する。その触媒組成物を使用するエチレンのオリゴマー化のための方法、およびそれによって調製される線状αオレフィンも開示する。
【背景技術】
【0002】
線状αオレフィン(LAO)は、炭化水素鎖の線状性(linearity)および第一位またはα位での二重結合の位置によって、類似の分子式を有する他のモノ−オレフィンと区別される、化学式C2xを有するオレフィンである。線状αオレフィンは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンならびにより高次のC20〜C24、C24〜C30およびC20〜C30オレフィンのブレンドを含む工業的に重要な部類のαオレフィンである。線状αオレフィンは、合成洗剤、合成潤滑剤、コポリマー、可塑剤および多くの他の重要な製品の製造のための非常に有用な中間体である。線状αオレフィンの製造のための既存の方法は、一般に、エチレンのオリゴマー化に依存する。
【0003】
線状αオレフィンは、チーグラー・ナッタ型触媒の存在下でのエチレンの触媒的オリゴマー化によって調製することができる。エチレンオリゴマー化の重要な考慮事項は、所望の選択性および所望の生成物分布である。適用される触媒およびプロセス条件は、所望の特徴を得るために本質的な特性である。チタンおよびジルコニウム含有触媒系を含むエチレンのオリゴマー化のための方法において、様々な種類の触媒が適用されてきた。そうした触媒の主な欠点には、低い溶解性、過酷な操作条件および低い触媒選択性が含まれる。オリゴマー化プロセスの間、これらの触媒の存在下で、相当な量の望ましくない蝋状物およびポリマーの生成が起こり得る。
【0004】
これらの金属触媒によるエチレンオリゴマー化プロセスのすべてに内在する問題は、分離するのが困難であり、その組成物がしばしば市場の需要に適合しない可能性がある鎖長4、6、8などの線状αオレフィン混合物の生成である。これは、シュルツ・フローリーまたはポアソン生成物分布をもたらす、競争的な連鎖成長ステップと置換反応ステップによって広く支配される化学反応機構に起因している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5345023号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1759766号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/071164号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術的な限界を克服し、非選択的なエチレンオリゴマー化反応をより選択的なプロセスに変換し、高い触媒活性を有するオリゴマー化触媒を提供しようとする積極的関心が存在している。したがって、高い市場の需要を満たす改善された線状性を有する線状αオレフィンを生産する、エチレンのオリゴマー化のための改善された方法に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
触媒および共触媒を含むエチレンのオリゴマー化のための触媒組成物であって、前記共触媒がエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む触媒組成物。
【0008】
オレフィン、溶媒および触媒組成物を反応器にフィードするステップと;反応器中でオレフィンをオリゴマー化して、線状αオレフィンを含む反応生成物を生成させるステップを含む、オレフィンのオリゴマー化のための方法であって;前記触媒組成物が触媒および共触媒を含み;前記共触媒が、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む方法。
【0009】
ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含む触媒組成物を含むオレフィンオリゴマー化反応であって、前記触媒組成物の触媒活性が、ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せのうちの1つの共触媒を含む触媒組成物と比べて、約92%増大しているオレフィンオリゴマー化反応。
【0010】
C4、C6およびC8線状オレフィン画分を含む線状αオレフィン組成物をもたらす、ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含む触媒組成物を含むオレフィンオリゴマー化反応であって、前記C4画分の純度が少なくとも約99%であるオレフィンオリゴマー化反応。
【0011】
C4〜C14線状オレフィン画分を含む、オリゴマー化反応によって得られる線状αオレフィン組成物であって、前記C4〜C14画分の純度が少なくとも約90%である線状αオレフィン組成物。
【0012】
上に記載した特性および他の特性を、以下の図面および詳細な説明によって例証する。
【0013】
以下の図は例示的な実施形態である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、気泡塔型反応器でのエチレンのオリゴマー化の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、線状αオレフィンの製造ための触媒組成物および方法、ならびにその触媒組成物によって製造される線状αオレフィンを説明する。エチレンのオリゴマー化におけるエチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)およびジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)を含む混合共触媒の使用は、予想外に、本明細書で説明する混合共触媒の使用なしで作製された線状αオレフィン(例えば、EASCまたはDEACで作製された線状αオレフィン)と比べて、改善された線状性を有する線状αオレフィンを提供できることを発見した。例えば、C8+線状αオレフィン画分の純度を大幅に改善することができる。さらに、共触媒混合物は、高い触媒活性をもたらすことができる。さらに、この共触媒混合物は、より低い操作温度で改善された線状αオレフィン線状性をもたらすことができる。
【0016】
本明細書で開示する方法によって作製される線状αオレフィンは、一般に、2つ以上のエチレン単位ではあるが、ポリエチレンと称される比較的大きい分子量の付加生成物のようには多くはないエチレン単位を含む付加生成物であってよい。本出願の方法は、線状モノ−オレフィンオリゴマー、例えば4〜20個の炭素原子を有するαオレフィンの製造のために適合させることができる。
【0017】
本開示の触媒組成物は、2つの成分、すなわち触媒および共触媒を含むことができる。本開示の触媒組成物は、触媒と共触媒からなってよい。本開示の触媒組成物は、触媒と共触媒媒から本質的になってよい。この触媒は遷移金属化合物を含むことができ、例えば、その触媒はジルコニウム含有触媒であってよい。ジルコニウム含有触媒は、式Zr(OOCR)4−m(Rはルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはシクロアルキルであり、Xはハライドであり、例えばXは塩素または臭素であり、mは0〜4である)を有するカルボン酸ジルコニウムであってよい。例えば、Rは、1〜20個の炭素原子、例えば1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であってよい。例えば、その触媒はジルコニウムテトライソブチラートであってよい。
【0018】
触媒組成物の第2の成分は共触媒であってよい。その共触媒は、有機アルミニウム化合物、例えばアルキルアルミニウムハライドであってよい。共触媒は、エチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)、ジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)または上記の少なくとも1つを含む組合せを含むことができる。例えば、共触媒は、エチルアルミニウムセスキクロリドとジエチルアルミニウムクロリドを含む混合物であってよい。例えば、共触媒は、エチルアルミニウムセスキクロリドとジエチルアルミニウムクロリドからなる混合物であってよい。本明細書で使用する「混合物」という用語は、一般に、挙げられた成分の組合せを指す。例えば、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む共触媒混合物は、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドの組合せを含む共触媒を指す。エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む共触媒混合物を使用する場合、EASC:DEACの相対量は変化してよい。例えば、EASC:DEACの比は1:1〜10:1であってよく、例えばEASC:DEACの比は1:1であってよく、例えばEASC:DEACの比は3:1であってよく、例えばEASC:DEACの比は6:1であってよく、例えばEASC:DEACの比は9:1であってよい。
【0019】
一実施形態では、本開示の触媒組成物は、任意の追加の成分を排除することができる。例えば、この触媒組成物は、有機化合物または添加剤を排除することができる。
【0020】
本明細書で開示する触媒組成物は、その成分を、芳香族、ハライド芳香族および/または脂肪族溶媒中に溶解させることによって調製することができる。触媒組成物を調製するため、触媒成分の添加の順番に特に制限はない。線状αオレフィンの製造のために使用される得られる触媒組成物を、不活性有機溶媒に溶解させることができる。
【0021】
望ましい有機溶媒の例は、これらに限定されないが、ハロゲンで置換されていなくても置換されていてもよい芳香族炭化水素溶媒、例えばトルエン、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、脂肪族パラフィン炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、脂環式炭化水素化合物、例えばシクロヘキサン、デカヒドロナフタレンおよびハロゲン化アルカン、例えばジクロロエタンおよびジクロロブタンを含むことができる。
【0022】
触媒組成物を構成する触媒と共触媒の相対量は変化させることができる。例えば、Al:Zrの比は1:1〜50:1であってよく、例えばAl:Zrの比は10:1であってよく、例えばAl:Zrの比は20:1であってよく、例えばAl:Zrの比は25:1であってよく、例えばAl:Zrの比は35:1であってよく、例えばAl:Zrの比は40:1であってよい。
【0023】
本開示は、さらに、エチレンのオリゴマー化のための方法であって、反応器中でエチレンを上記触媒組成物と接触させて線状αオレフィンを生成させることができる方法を対象とする。生成される線状αオレフィンは、増大した線状性を有することができる。本明細書で使用する、線状αオレフィンと関連するような「線状性」という用語は「純度」と同等である。例えば、線状αオレフィンの線状性を、線状αオレフィンを生成させるために使用される異なる触媒組成物と比べて、C8+線状αオレフィンについて1.5%以上、例えば6%以上、例えば10%以上、例えば50%以上、例えば80%以上、例えば90%以上増大させることができる。
【0024】
上記の触媒組成物は、さらに、オリゴマー化プロセスにおいて高い活性を有することができる。例えば、触媒組成物の活性を、線状αオレフィンを生成させるために使用される異なる触媒組成物と比べて、50%以上、例えば60%以上、例えば75%以上、例えば85%以上、例えば90%以上、例えば92%以上、例えば95%以上増大させることができる。予想外に、触媒組成物の活性を、線状αオレフィンを生成させるのに使用される異なる触媒組成物のために必要な温度より低い温度で増大させることもできる。例えば、その活性を、異なる触媒組成物のために必要な温度より低い温度で、10%以上、例えば20%以上、例えば25%以上、例えば26%以上増大させることができる。
【0025】
オリゴマー化反応は、ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの触媒の組合せを含む触媒組成物であって、その触媒組成物の触媒活性が、ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せの1つの共触媒を含む触媒組成物と比べて、約92%増大され得る触媒組成物を含むことができる。少なくとも2つのその共触媒組合せは、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含むことができる。そのオレフィンはエチレンであってよい。線状αオレフィン組成物は、そのC4画分の純度が少なくとも約99%であってよく、例えばそのC6画分の純度が少なくとも約98%であってよく、例えばそのC8画分の純度が少なくとも約96%であってよいオレフィンオリゴマー化反応によって得ることができる。
【0026】
オレフィンオリゴマー化反応は、そのC4画分の純度が少なくとも約99%であってよく、例えばそのC6画分の純度が少なくとも約98%であってよく、例えばそのC8画分の純度が少なくとも約96%であってよい、C4、C6およびC8線状αオレフィン画分を含む線状αオレフィン組成物をもたらす、ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含む触媒組成物を含むことができる。少なくとも2つのその共触媒組合せは、セスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含むことができる。線状αオレフィンは、そのC4〜C14画分の純度が少なくとも約90%であり、例えばそのC4画分の純度が少なくとも約99%であってよい、C4〜C14線状オレフィン画分を含むオリゴマー化反応により得ることができる。ポリエチレンポリマー組成物は、線状αオレフィン組成物から得ることができる。
【0027】
オリゴマー化は、10〜200℃、例えば20〜100℃、例えば50〜90℃、例えば55〜80℃、例えば60〜70℃の温度で行うことができる。操作圧力は、1〜5メガパスカル(MPa)、例えば2〜4MPaであってよい。本方法は連続式であってよく、平均滞留時間は、10分間〜20時間、例えば30分間〜4時間、例えば1〜2時間であってよい。滞留時間は、高い選択性で所望の転換率を達成するように選択することができる。
【0028】
本方法は、望ましくは触媒組成物に対して非反応性であり得る不活性溶媒を使用して、溶液中で実施することができる。あるいは、本方法を、液体αオレフィン、例えばC〜C100αオレフィンを含む溶媒の存在下で実施することができる。本方法で使用するための溶媒は、これらに限定されないが、芳香族または脂肪族の炭化水素およびハロゲン化芳香族、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンならびに上記の少なくとも1つを含む組合せを含むことができる。例えば、溶媒は、トルエン、キシレン、C〜C24アルカンおよび上記の少なくとも1つを含む組合せを含むことができる。例えば、溶媒はトルエンであってよい。
【0029】
本方法は、任意の反応器、例えばループ型反応器、プラグフロー型反応器または気泡塔型反応器で実行することができる。エチレンのオリゴマー化は発熱反応であり、これは、余剰流のエチレンで冷却することができる。二相レベル内での多点温度測定は、温度勾配(thermal gradient)の検出を可能にすることができる。反応器の頂部を出るガスは、一連の外部冷却器および凝縮器を使用して冷却することができる。さらに冷却した後、気相を循環させることができる。
【0030】
底部部分からオリゴマー化反応器を出る底部ストリームは、活性触媒および未反応エチレンを含むことができる。望ましくない副反応を回避するために、苛性水相での抽出により有機相から触媒成分を除去することによって、反応を終了させることができる。苛性水相との接触は、触媒成分に対応する非反応性鉱物の生成をもたらすことができる。
【0031】
触媒除去システムを通過させた後、有機相を、分子篩吸収床に通し、次いで、蒸留塔にフィードして溶解エチレンを回収することができる。回収エチレンを、エチレン再循環ループを介して再循環し、同時に、生成物を中間槽にフィードし、続いて生成物を分離セクションにフィードすることができる。
【0032】
一実施形態では、オリゴマー化プロセスを、気泡塔型反応器中で実施することができる。図1は、気泡塔型反応器を用いたオリゴマー化プロセスを表す。エチレン(1)は、気泡塔型反応器の底部セクションに取り付けられたガス分配システムを介して気泡塔型反応器に導入することができる。液状の重質線状αオレフィン(4)は、溶媒(2)および触媒(3)と一緒に、気泡塔型反応器(5)の底部セクションから抜き出すことができる。すでに述べたように、オリゴマー化反応は非常に発熱的である。有利なことに、気泡塔型反応器において、エチレンを、反応フィードと冷却媒体の両方として使用することができる。エチレンで熱を除去することによって、重質の汚染物を被ることになる反応領域内の熱交換器表面を避けることができる。反応条件下でガス状である、生成した線状αオレフィンの一部は、反応器の頂部で凝縮することができ、それぞれ対応する気化熱を利用して、冷却目的のための還流(6)の役目を果たすことができる。ガス状エチレンおよび軽質線状αオレフィンは、気泡塔型反応器の頂部(7)で取り出すことができる。
【0033】
線状αオレフィン生成物は、水性苛性触媒クエンチ、続く水洗浄および蒸留による最終生成物回収を含む手順を使用して単離することができる。例えば、溶解エチレンを有する溶媒(例えば、トルエン)を含む液体生成物を、分離セクションにフィードすることができる。第1の塔において、未消費エチレンを、線状αオレフィン生成物および溶媒から分離することができる。エチレンを、反応器へ再循環させて戻すことができる。より重質の画分を続く分離セクションへ送り、そこで、より重質の画分を、異なる線状αオレフィン画分(例えば、C8、C10、>C12)に分画することができる。溶媒を回収し、やはり、反応器へ再循環させて戻すことができる。
【0034】
エチレン原料に対する、本方法で使用される触媒の量は、エチレン原料とジルコニウムの重量比で表すことができる。一般に、その量は、触媒組成物中に存在するジルコニウムのグラム当たり10,000〜120,000グラムのエチレン、例えばジルコニウムのグラム当たり15,000〜100,000グラムのエチレン、例えばジルコニウムのグラム当たり20,000〜50,000グラムのエチレン、例えばジルコニウムのグラム当たり25,000〜35,000グラムのエチレン、例えばジルコニウムのグラム当たり31,000グラムのエチレンであってよい。これらの量は、生成物からの触媒除去、触媒コスト、および存在する水の量を最少化する必要性などの処理関連事項によって決定することができる。
【0035】
触媒は水の存在に対して敏感であるので、望ましくは、本明細書で開示するプロセスの間、その系における水の存在を最少化すべきである。少量の水は、望ましくない量の高分子量ポリエチレンを生成させる可能性があり、したがって、所望の線状αオレフィンオリゴマー生成物への転換率を低下させる可能性がある。
【0036】
使用される原料は、純粋なエチレン、またはエチレンと不活性ガスの混合物であってよい。場合により、非常に少ない割合の他のオレフィンが存在してよいが、これらは、転換率および線状性の付随した損失を伴って、望ましくないオレフィンコポリマーの生成を引き起こす可能性がある。
【0037】
本開示は、さらに、上記方法により作製された線状αオレフィンを含むポリエチレン生成物を対象とする。例えば、ポリエチレンを、本開示の方法によって作製された線状αオレフィン生成物から誘導することができる。高純度のオレフィンは、ポリエチレン、例えば線状低密度ポリエチレンの生産において、特に価値が高い。本開示の方法によって作製される線状αオレフィンの改善された純度および線状性は、例えば、一般に望ましくない可能性がある、結果として生じるポリエチレン生成物の特性において微妙な違いをもたらす恐れのある分岐状または内部のオレフィンの存在に関して、ポリエチレン生成における問題を排除することができる。
【0038】
本開示は、改善された触媒組成物、および線状αオレフィンの製造のための方法を提供する。エチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)とジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)の共触媒混合物は、線状αオレフィン生成物の線状性、およびより高い触媒活性における大幅な改善をもたらすことができる。本開示の共触媒組成物および線状αオレフィンの製造方法は、広範な用途のためのより高い純度の線状αオレフィン生成物に対する増大する需要を満たすことができる。したがって、高純度線状αオレフィン生成物をもたらすためのエチレンのオリゴマー化の大幅な改善が提供される。
【実施例】
【0039】
以下の実施例において、エチレンのオリゴマー化を、6カ月間の連続した期間にわたって、特定の触媒の存在下で1〜2時間実施した。比較例1(C1)および実施例1〜3(E1−E3)を、0.15メートル(m)の全径および2.0mの全高を有する気泡塔型反応器中で実施した。ガス状エチレンを、気相分配板を通してバブリングさせた。線状αオレフィンを、本発明による液相中での均一触媒によるエチレンオリゴマー化によって製造した。
nC→CH−(CH−CH=CH
(式中、mは奇数である)
【0040】
オリゴマー化を、ジルコニウム含有触媒(Zr(OOCR))、具体的にはジルコニウムテトライソブチラート、および3:1のEASC:DEAC比を用いたエチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)とジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)の混合共触媒によって触媒作用させた。上述した通り、エチレンのオリゴマー化は、余剰流のエチレンによって冷却される発熱反応である。二相レベル内での多点温度測定は、温度勾配の検出を可能にする。反応器の頂部を出るガスは、一連の外部冷却器および凝縮器を使用して冷却した。さらに冷却した後、気相を循環させた。
【0041】
オリゴマー化反応器を出る底部ストリームは、活性触媒および未反応エチレンを含んだ。望ましくない副反応を回避するために、苛性水相での抽出により有機相から触媒成分を除去することによって、反応を終了させた。
【0042】
触媒除去システムを通過させた後、有機相を分子篩吸収床に通し、次いで、蒸留塔にフィードして溶解エチレンを回収した。回収エチレンを、エチレン再循環ループを介して再循環し、同時に、生成物を中間槽に、最後に分離セクションにフィードした。
【0043】
線状αオレフィン生成物の線状性に対する、共触媒組成物を変化させることの効果を試験するために、3つの異なる温度60、70および78℃で、反応器を連続方式で操作した。アルミニウムとジルコニウム(Al:Zr)の比は35:1で一定に保持した。各実施例についての触媒活性および生成物分布を表1に示す。活性は、時間(hr)当たり、ジルコニウムのグラム(g)当たりに生成した、線状αオレフィンのキログラム(kg)で測定した。生成物分布は、重量パーセント(wt%)で測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
比較例1(C1)は、78℃の温度で共触媒としてEASCだけを使用する商業用反応器の条件を模倣している。実施例1〜3は、EASCおよびDEACを含む共触媒を使用し、可変の操作温度の効果を実証する。EASCおよびDEACを含む共触媒を使用した場合、触媒活性は増大しており、これは、温度に対する依存性を示している。比較例C1について決定された触媒活性は7.5kgLAO/gZr/hrであった。実施例E1は、EASCおよびDEACを含む共触媒を使用した場合、より低い操作温度(60℃)を、匹敵するかまたはより高い触媒活性(8.2kgLAO/gZr/hr)を得るために使用できることを示している。同様に、実施例E2は、70℃での9.5kgLAO/gZr/hrの改善された触媒活性を示した。EASCおよびDEACを含む共触媒を使用した場合、比較例C1と同じ操作温度の78℃で、触媒活性はほぼ倍増した(14.4kgLAO/gZr/hr)。別の言い方をすれば、78℃でEASCおよびDEACを含む共触媒を使用した場合、触媒活性は92%増大した。
【0046】
表2は、実施例のそれぞれについて、線状αオレフィン画分の純度を示し、さらに、気泡塔型反応器プラントデータを商業用プラントデータと比較している。表2のデータは、EASCおよびDEACを含む改変された共触媒は、LAO画分の線状性を大幅に改善できることを実証している。
【0047】
【表2】
【0048】
EASCおよびDEACを含む共触媒を使用した場合、C8+線状αオレフィン画分の線状性が改善されるのが観察され、C10+線状αオレフィン画分において、特に顕著な線状性の改善が見られた。実施例E1は、比較例C1(例えば、エチレンのオリゴマー化のための異なる触媒組成物を使用)について得られた対応する線状性と比べて、60℃の温度で、C8〜C18画分の線状性を約2〜約17%増大させることができ、C10〜C18画分の線状性を約9〜約17%増大させることができることを示している。実施例E1のC4〜C20線状αオレフィンは92.8%の平均線状性を有し、比較例C1のC4〜C20線状αオレフィンは81.8%の平均線状性を有していた。実施例E2は、比較例C1と比べて、70℃の温度で、C8〜18画分の線状性を約2〜約15%増大させることができ、C10〜C18画分の線状性を約6.5〜約15%増大させることができることを示している。実施例E2のC4〜C20線状αオレフィンは90.6%の平均線状性を有していた。実施例E3は、比較例C1と比べて、78℃の温度で、C8〜C18画分の線状性を約2〜約16.5%増大させることができ、C10〜C18画分の線状性を約6.5〜約16.5%増大させることができることを示している。実施例E3のC4〜C20線状αオレフィンは91.1%の平均線状性を有していた。興味深いことに、EASCおよびDEACを含む共触媒混合物を使用した場合、比較例C1のC20画分の線状性と比べて、C20画分の線状性は、劇的に約80〜約92%増大した。
【0049】
さらに、表2に示したデータは、EASCおよびDEACを含む共触媒混合物が、EASCおよびDEAC混合物と異なる共触媒を使用した場合に必要な操作温度より低い操作温度で改善された線状性をもたらすことができることを表している。実施例E1〜3は集合的に、比較例C1に対する線状性の増大を示しているが、線状性における最も大きい改善は、最も低い60℃の操作温度(実施例E1)で認められた。
【0050】
本明細書で開示される触媒組成物および作製方法は、少なくとも以下の実施形態を含む。
【0051】
実施形態1:触媒および共触媒を含むエチレンのオリゴマー化のための触媒組成物であって;前記共触媒が、エチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む触媒組成物。
【0052】
実施形態2:前記触媒がジルコニウムを含む、実施形態1の触媒組成物。
【0053】
実施形態3:前記触媒がジルコニウムテトライソブチラートである、実施形態1または2の触媒組成物。
【0054】
実施形態4:Al:Zr比が35:1である、実施形態1〜3のいずれかの触媒組成物。
【0055】
実施形態5:前記共触媒が、3:1の比でエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、実施形態1〜4のいずれかの触媒組成物。
【0056】
実施形態6:オレフィン、溶媒および触媒組成物を反応器にフィードするステップと;反応器中でそのオレフィンをオリゴマー化して線状αオレフィンを含む反応生成物を生成させるステップを含むオレフィンのオリゴマー化のための方法であって、前記触媒組成物が触媒および共触媒を含み、前記共触媒がエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む方法。
【0057】
実施形態7:前記オレフィンがエチレンである、実施形態6の方法。
【0058】
実施形態8:前記溶媒がトルエンである、実施形態6または7の方法。
【0059】
実施形態9:前記触媒がジルコニウムを含む、実施形態6〜8のいずれかの方法。
【0060】
実施形態10:前記触媒がジルコニウムテトライソブチラートである、実施形態6〜9のいずれかの方法。
【0061】
実施形態11:オリゴマー化を30〜120℃の温度で実施する、実施形態6〜10のいずれかの方法。
【0062】
実施形態12:前記反応器が気泡塔型反応器である、実施形態6〜11のいずれかの方法。
【0063】
実施形態13:前記触媒組成物が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物より10%高い触媒活性を有する、実施形態6〜12のいずれかの方法。
【0064】
実施形態14:前記触媒組成物が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物より26%高い触媒活性を有する、実施形態6〜13のいずれかの方法。
【0065】
実施形態15:前記触媒組成物が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物より92%高い触媒活性を有する、実施形態6〜14のいずれかの方法。
【0066】
実施形態16:線状αオレフィン反応生成物が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物と比べて、2%以上の線状性の増大を有するC8+画分を含む、実施形態6〜15のいずれかの方法。
【0067】
実施形態17:C8+画分が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物と比べて、6%以上の線状性の増大を有する、実施形態16の方法。
【0068】
実施形態18:C8+画分が、オレフィンのオリゴマー化のために使用される異なる触媒組成物と比べて、10%以上の線状性の増大を有する、実施形態16または17の方法。
【0069】
実施形態19:少なくとも90%の線状性を有するC4〜C14画分を含む、実施形態6〜18のいずれかの方法によって作製される線状αオレフィン組成物。
【0070】
実施形態20:少なくとも99%の線状性を有する、実施形態6〜19のいずれかの方法によって作製されるC4線状αオレフィン。
【0071】
実施形態21:少なくとも98%の線状性を有する、実施形態6〜19のいずれかの方法によって作製されるC6線状αオレフィン。
【0072】
実施形態22:少なくとも96%の線状性を有する、実施形態6〜19のいずれかの方法によって作製されるC8線状αオレフィン。
【0073】
実施形態23:少なくとも80%の線状性を有する、実施形態6〜19のいずれかの方法によって作製されるC10+線状αオレフィン。
【0074】
実施形態24:前記ポリエチレンが実施形態6〜23のいずれかの方法によって作製される少なくとも1つの線状αオレフィンから誘導されるポリエチレン組成物。
【0075】
実施形態25:ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含む触媒組成物を含むオレフィンオリゴマー化反応であって、前記触媒組成物の触媒活性が、ジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せの1つの共触媒を含む触媒組成物と比べて、約92%増大しているオレフィンオリゴマー化反応。
【0076】
実施形態26:前記少なくとも2つの共触媒組合せがエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、実施形態25のオレフィンオリゴマー化反応。
【0077】
実施形態27:前記オレフィンがエチレンである、実施形態25〜26のいずれかのオレフィンオリゴマー化反応。
【0078】
実施形態28:線状αオレフィン組成物をもたらす実施形態25〜27のいずれかのオレフィンオリゴマー化反応であって、C4画分の純度が少なくとも約99%であるオレフィンオリゴマー化反応。
【0079】
実施形態29:線状αオレフィン組成物をもたらす実施形態25〜27のいずれかのオレフィンオリゴマー化反応であって、C6画分の純度が少なくとも約98%であるオレフィンオリゴマー化反応。
【0080】
実施形態30:線状αオレフィン組成物をもたらす実施形態25〜27のいずれかのオレフィンオリゴマー化反応であって、C8画分の純度が少なくとも96%であるオレフィンオリゴマー化反応。
【0081】
実施形態31:C4、C6およびC8線状オレフィン画分を含む線状αオレフィン組成物をもたらすジルコニウム系触媒および少なくとも2つの共触媒組合せを含む触媒組成物を含むオレフィンオリゴマー化反応であって、そのC4画分の純度が少なくとも約99%であるオレフィンオリゴマー化反応。
【0082】
実施形態32:前記C6画分の純度が少なくとも約98%である、実施形態31のオレフィンオリゴマー化反応。
【0083】
実施形態33:前記C8画分の純度が少なくとも約96%である、実施形態31のオレフィンオリゴマー化反応。
【0084】
実施形態34:前記少なくとも2つの共触媒組合せがエチルアルミニウムセスキクロリドおよびジエチルアルミニウムクロリドを含む、実施形態31〜33のいずれかのオレフィンオリゴマー化反応。
【0085】
実施形態35:C4〜C14線状オレフィン画分を含む、オリゴマー化反応によって得られる線状αオレフィン組成物であって、前記C4〜C14画分の純度が少なくとも約90%である線状αオレフィン組成物。
【0086】
実施形態36:前記C4画分の純度が少なくとも約99%である、実施形態35の線状αオレフィン組成物。
【0087】
実施形態37:実施形態36の線状αオレフィン組成物から得られるポリエチレンポリマー組成物。
【0088】
一般に、本発明は、本明細書で開示される適切な任意の成分を、含む、またはそれからなる、またはそれから本質的になる、のいずれかであり得る。これに加えてまたはこれに代えて、本発明は、従来技術の組成物において使用される任意の成分、材料、構成要素、補助剤もしくは種、または本発明の機能および/もしくは目的の達成のために必ずしも必要でないものを欠くかまたは実質的に含まないように組み立てられることができる。
【0089】
本明細書で開示されるすべての範囲はその端点を含み、その端点は独立に、互いに組み合わせることができる。「組合せ(combination)」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。さらに、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、本明細書では、いずれの順番、量または重要度を表すものでもなく、むしろ、別の要素に対して、1つの要素を表すために使用される。「a」、「an」および「the」という用語は、本明細書では、量の限界を表すものではなく、本明細書での別段の指定または文脈による明らかな矛盾のない限り、単数と複数の両方を含むものと解釈すべきである。本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「別の実施形態(another embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」等への参照は、その実施形態との関連で説明される特定の要素(例えば、特性、構造および/または特徴)が、本明細書で説明される少なくとも1つの実施形態に含まれており、それが他の実施形態中に存在していてもいなくてもよいことを意味する。さらに、記載された要素は、種々の実施形態において適切な任意の仕方で組み合わせることができることを理解すべきである。
【0090】
特定の実施形態を説明してきたが、現在予見されていないまたは予見されていない可能性がある代替形態、改変形態、変更形態、改善形態および実質的な均等形態が、出願者または他の当業者に想起される可能性がある。したがって、出願され、かつ修正され得る添付の特許請求の範囲は、そうしたすべての代替形態、改変形態、変更形態、改善形態および実質的な均等形態を包含するものとする。
図1