特許第6567041号(P6567041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6567041特に自動車用途において湿った表面上に接着するための耐水性感圧接着剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567041
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】特に自動車用途において湿った表面上に接着するための耐水性感圧接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/04 20060101AFI20190819BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20190819BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20190819BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   C09J133/04
   C09J7/38
   B32B27/00 C
   B32B27/30 A
【請求項の数】20
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2017-511759(P2017-511759)
(86)(22)【出願日】2015年8月17日
(65)【公表番号】特表2017-532402(P2017-532402A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】EP2015068808
(87)【国際公開番号】WO2016030220
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2018年4月12日
(31)【優先権主張番号】102014217193.8
(32)【優先日】2014年8月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】プロイス・フィーリップ
(72)【発明者】
【氏名】エルリングマン・カーイ
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−128714(JP,A)
【文献】 特開2013−039829(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/081623(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B32B 27/00
B32B 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に架橋した、湿潤した、又は湿った表面である高極性の表面上に結合するための感圧接着剤Kの使用であって、その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが30℃以下であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至99重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分Bは、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B
を含み、
その際、該高極性の表面が、
(I)少なくとも一つのヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、SH基又はNH基及び/又は少なくとも一つのイオン基、及び/又は
(II)少なくとも一つのヒドロキシル基を含む、吸着されたマイグレーション可能な少なくとも一つの化合物を含み、
上記感圧接着剤Kが、少なくとも一つの層の形態であり、
その感圧接着剤層が、フィルム、ダイカット及びラベルを含む、レーザー書き込み可能な多層型物品におけるシート状の感圧接着剤の形態であり、その際、該物品は、少なくとも次の:
(1)少なくとも一つのグラビア層、
(2)該グラビア層の下に配置された、少なくとも一つのコントラスト層、及び
(3)該コントラスト層の下に配置された、前記感圧接着剤Kを含む少なくとも一つの接着層、
を含む、上記の使用。
【請求項2】
前記(i−a)少なくとも一種のモノマーaが、
(a1)0℃以上のT及び少なくとも一つのカルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa1、
(a2)0℃以上のT及び少なくとも一つのエステル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa2、及び/又は
(a3)0℃以上のTを有し、かつ、エチル残基及び/又はメチル残基を有するカルボキシル基(−COOH)もエステル基も有さないエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa3、
から選択され、
その際、該モノマーaの割合が、成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下であり、及びその際、そのうちの該モノマーa1の割合が、成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至8重量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項3】
前記少なくとも一種のモノマーa1が、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はそれら二つの混合物を含むカルボン酸の群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項4】
前記少なくとも一種のモノマーbが、線状、分岐状及び/又は官能基で置換されたアルキル残基を有するアクリル酸エステルを含む群から選択され、その際、該線状のアルキル残基は、3個以上乃至14個以下の炭素原子を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項5】
前記少なくとも一種のモノマーbが、
a)アクリル酸メチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、プロピルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−のニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−テトラデシルアクリレートを含む、置換されていない、線状のアクリル酸エステル、及び/又は
b)2−ヘプチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−メチルブチルアクリレート及びイソデシルアクリレートを含む、分岐状の置換されていない及び/又は置換されたアクリル酸エステル、
から選択され、成分A1の全含有量に基づいて、87重量%以上乃至100重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項6】
前記高極性表面が、
(I)鉱物建材の材料の表面であって、尿素基、アミド基及び/又はイソシアネート基の少なくとも一つを含む、該表面、及び/又は
(II)湿潤表面及び/又は湿った表面であって、それぞれ独立して、少なくとも一つの吸着されたマイグレーション可能な、少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する、HO、凝縮相中のHO、蒸気中のHO、水蒸気、水溶液中のHO、HO結晶、湿気中のHO、油を含む混合物中のHO、エマルション中のHO、分散液中のHO、煙中のHO、少なくとも一種のアルコール、水性アルコール溶液、エステルとの混合物における少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する化合物及び/又は少なくとも二種の上述の成分の混合物から選択される化合物、
を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項7】
前記ポリマー材料における成分A1の少なくとも一つのカルボン酸基が、前記極性表面及び/又は該極性表面上の前記吸着されたマイグレーション可能な化合物と一緒に水素ブリッジ結合のネットワークをベースとする超分子構造を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項8】
前記レーザー書き込み可能な多層型物品が、さらに、
(1.1)前記(1)グラビア層上に配置された支持フィルム、
(1)前記グラビア層が、放射線硬化性塗料を含み、
(2)前記コントラスト層が、電子ビーム硬化性塗料を含み、その際、該グラビア層及びコントラスト層が互いに最高のコントラストにあり、
(3)前記接着層が、7μm以上乃至70μm以下の厚さを有し、及び
(4)任意に、該接着層上に保護層が施用されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の感圧接着剤Kの使用。
【請求項9】
前記シート状の感圧接着剤が、水負荷試験において、100時間以上乃至1000時間以下の40℃における耐水性を示すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の使用。
【請求項10】
前記シート状の感圧接着剤が、40℃における水負荷試験において、100時間以上乃至1000時間以下後に、最大でも可逆的な気泡の形成を示すことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の使用。
【請求項11】
(1)少なくとも一つのグラビア層、
(2)該グラビア層の下に配置された、少なくとも一つのコントラスト層、及び
(3)該コントラスト層の下に配置された、感圧接着剤Kを含む少なくとも一つの接着層、
を含む、耐水性、レーザー書き込み可能な多層型物品であって、
その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、2.5重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至97.5重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分は、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B
を含み、
感圧接着剤Kにおける水素ブリッジ結合を形成する官能性基のより高い割合によって、接着された物品の耐水性がもたらされる、
吸着されたマイグレーション可能な少なくとも一つの化合物を含む、上記の物品。
【請求項12】
前記モノマーa1を含む前記感圧接着剤Kの接着層が、成分A1の全含有量に基づいて、2.5重量%以上乃至15重量%以下、好ましくは、2.5重量%以上乃至8重量%以下の割合で、アクリル酸及び/又はメタクリル酸から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記コントラスト層が、
(a)30重量%以上乃至80重量%以下の三官能性オリゴマーA、
(b)0重量%以上乃至20重量%以下の三官能性モノマーB、
(c)1重量%以上乃至30重量%以下の二官能性モノマーC、及び
(d)2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料、
を含む、硬化したアクリル系塗料組成物をベースとすることを特徴とする、請求項11又は12に記載の物品。
【請求項14】
100℃における高温水負荷試験において、15分間耐水性であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一つに記載の物品。
【請求項15】
ISO29862に準拠した剥離強度として測定された、23℃において5N/cm以上の接着力を有することを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一つに記載の物品。
【請求項16】
ラベル、フィルム及び/又はダイカットの形態にあることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一つに記載の物品。
【請求項17】
40℃における水負荷試験において、100時間以上の間耐水性であることを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一つに記載の耐水性、レーザー書き込み可能かつ多層型物品の使用。
【請求項18】
40℃における水負荷試験において、100時間以上の間、最大でも可逆的な気泡の形成を示すことを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一つに記載の物品の使用。
【請求項19】
請求項11〜16のいずれか一つに記載の多層型物品の製造方法であって、該方法が、1)支持フィルムを提供する工程、
2)該支持フィルムにグラビア層を施用する工程、
3)該グラビア層上にコントラスト層を製造するための組成物を施用する工程、
4)コントラスト層を得るために、前記工程3)からの該組成物を硬化させる工程、
5)前記コントラスト層上に感圧接着剤Kを施用し、該感圧接着剤Kを保護紙又は剥離ライナーでカバーする工程であって、
その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至97重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分Bは、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B
を含む、工程、及び
6)該支持フィルムを除去する工程、
を含む、上記の方法。
【請求項20】
前記工程3)において、
(a)30重量%以上乃至80重量%以下の三官能性オリゴマーA、
(b)0重量%以上乃至20重量%以下の三官能性モノマーB、
(c)1重量%以上乃至30重量%以下の二官能性モノマーC、及び
(d)2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料、
を含む組成物が塗工されることを特徴とする、請求項19に記載の多層型物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリルポリマー及び少なくとも一つのカルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含む感圧接着剤の使用、並びに、高極性の表面上に物品を接着するためのこの感圧接着剤を含む平坦な感圧接着剤に関する。物品は、特に、レーザー書き込み可能、かつ、改ざん防止フィルムである。高極性表面は、少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する吸着されたマイグレーションする化合物を含む。これは、例えば、少なくとも部分的に架橋した、湿潤した、又は湿った表面である。
【0002】
ドイツ国実用新案公開第81 30 861 U1号明細書(特許文献1)からは、外側の塗料層及びその下に配置された第二の塗料層を有するレーザー書き込み可能なラベルが知られており、この場合、該塗料層は、ポリウレタンアクリレート及びヘキサンジオールビスアクリレートから製造されている。塗膜耐候性試験装置における500時間の影響による材料の劣化は観察できなかった。これに基づいて、ドイツ国特許出願公開第100 48 665 A1号明細書(特許文献2)は、電子ビーム硬化した塗料層を有するレーザー書き込み可能なラベルを開示している。そのようなレーザー書き込み可能なラベルを製造する方法は、ドイツ国特許出願公開第101 42 638 A1号明細書(特許文献3)に記載されており、その際、グラビア層はUV硬化可能な塗料が組み込まれている。ドイツ国特許出願公開第10 2005 061 125 A1号明細書(特許文献4)では、追加的な補償層によって、140℃を超える高温による劣化が緩和されたラベルが実現されている。アクリレート系接着剤におけるひび割れが防止され、そしてそれにより基板上の接着性の劣化を防止することができる。しかしながら、そのようなレーザー書き込み可能なフィルム及び/又はラベルの耐水性は取り上げられてなく、また、接着剤が製品の耐水性に影響を及ぼすことなどについても触れられていない。
【0003】
耐水性の問題は、湿潤性の、湿った又は液体フィルムで部分的に濡れた表面上に十分な接着性が確保できないという実践上の事象に起因する。さらには、しばしば、外部の影響によりヒドロキシル基を含有する化合物が時間の経過において浸透し、接着に悪影響を及ぼす。
【0004】
欧州特許出願公開第2 179 858 A1号明細書(特許文献5)では、塗料層を有する耐熱性の脆性ラベルが開示されており、その場合、これが含有するグリコールポリマーについて、耐水性が説明されている。官能性の基、例えば、カルボキシ基及びOH基を有する塗料層として、アクリルポリマー(アクリルモノマー及びメタクリルモノマーからなる)が記載され、それにより、高められた親水性が得られることが記載されている。製品の潜在的な耐水性の詳細は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ国実用新案公開第81 30 861 U1号明細書
【特許文献2】ドイツ国特許出願公開第100 48 665 A1号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許出願公開第101 42 638 A1号明細書
【特許文献4】ドイツ国特許出願公開第10 2005 061 125 A1号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2 179 858 A1号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Hans Kittel und Juergen Spille, Hirzel Verlag (Stuttgart), 2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、本発明の課題は、高い耐水性(例えば、水中で貯蔵されている場合の)を有する感圧性接着剤を提供することである。本発明のさらなる課題は、レーザー書き込み可能な物品、特に、ラベル、フィルム又はスタンピング(Stanzlingen)における接着層のための感圧接着剤組成物を提供することである。さらに、この耐水性のレーザー書き込み可能な物品、並びにこれを製造するための適当な方法が提供される。さらに、本発明の課題は、感圧接着剤、特に、シート状の感圧接着剤、及び耐水性のレーザー書き込み可能な物品、特に、脱水時に、基板に対して及び基板においてあるいは永久的な粘着性を有する物品を提供することである。さらなる課題は、特に、上述した、高極性の表面、例えば、ヒドロキシル基含有の化合物により、例えば、少なくとも部分的に水溶液で湿らせた表面上への物品の十分な接着性を向上させ、それと同時に、そのレーザー書き込み可能な物品における技術的な要求を少なくとも維持するか又は改善することである。迅速に書き込み可能であること、高い空間分解能を提供すること、使用において、可能な限り簡単であること、そして、分解生成物が腐食性の作用をもたらさないこと、というさらなる要求に応じてそのような物品の書き込まれる材料は調節される。特に、本発明の課題は、他の上述の特性を制限することなく、レーザーアブレーション法に非常に適した物品を提供することである。
【0008】
驚くべきことに、予想に反して、感圧接着剤成分の高められた極性が、同等の接着性で改善された耐水性をもたらすことが見出された。より高い極性により、より改善された吸水性を可能にすること、そしてそれにより、感圧接着剤は湿った表面上で又は湿った環境では機能しないことが当業者に予想されていたことである。驚くべきことに、感圧接着剤におけるより高い割合の官能性基、特に水素ブリッジ結合を形成する基によって、この感圧接着剤を含む、接着された物品の改善された耐水性がもたらされる。
【0009】
これらの課題の解決法は、独立請求項の対象によって記載され、そして、さらに、より具体的な形態は、従属請求項に詳細に説明され、さらに、実施例において示される。
【0010】
驚くべきことに、アクリレートポリマーをベースとする感圧接着剤Kを使用する場合、高極性、特に湿った基板上の所望の性能が達成されることが見出された。同じことが、平坦な感圧接着剤及びレーザー書き込み可能な物品に適用される。
【0011】
それ故、本発明の第一の態様は、高極性の表面上に結合するための感圧接着剤Kの使用であって、その際該感圧接着剤Kは、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料が、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基(−COOH)を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する(A1の全含有量において最大15重量%)、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至99重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度T−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1(A1=ad100重量%)、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A(A=ad100重量%)、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分が、合計で、上記のポリマー材料(PM=ad100重量%)の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B、
を含み、
その際、該高極性の表面が、
(I)少なくとも一つのヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、SH基又はNH基及び/又は少なくとも一つのイオン基、及び/又は
(II)少なくとも一つのヒドロキシル基を含む、吸着されたマイグレーション可能な少なくとも一つの化合物を含む、上記の使用である。
【0012】
特に、該高極性の表面(高極性表面と同義)は、少なくとも部分的に湿気で湿らせた表面並びに湿った表面を含む。
【0013】
本発明によれば、感圧接着剤Kは、高極性の表面上、特に、(I)鉱物建築材料の表面上及び少なくとも一つの尿素基、アミド基及び/又はイソシアネート基を含む表面上に感圧接着される。天然由来の、主にアルカリ性及び/又は多孔質な鉱物建築材料には、石灰、セメント、石膏、粘土、石灰石含む生石灰とシリカ砂、セラミック建材、苛性マグネシア、硬石こう、ガラス、及び上記材料の少なくとも二種からなる混合物、又は、例えば、麻繊維又はセルロース繊維のような天然繊維との混合物が挙げられる。少なくとも一つの尿素基、アミド基及び/又はイソシアネート基を含む表面には、上述の基のうちの一種又は二種以上を含む、プラスチック、コーティング及び/又は塗料が挙げられる。そのようなプラスチックの例は、ポリアミドのような熱可塑性プラスチック、ポリウレタンのような熱硬化性プラスチック、ポリ尿素及びメラミンのようなアミノプラスチックである。
【0014】
同様に、本発明のさらなる態様は、感圧接着剤Kは、例えば、少なくとも部分的に湿った又は部分的に湿ったそれぞれ湿った表面のような、高極性を有する表面、又は(II)少なくとも一つのヒドロキシル基を含む、吸着されたマイグレーション可能な少なくとも一種の化合物を含む表面上で、又はそのような表面に対して、良好な流れ及び良好な接着性であり、その際、上述の化合物は、HO、凝縮相中のHO、蒸気中のHO、水蒸気、水溶液中のHO、HO結晶、湿気中のHO、油を含む混合物中のHO、エマルション中のHO、分散液中のHO、煙中のHO、少なくとも一種のアルコール、水性アルコール溶液、エステルとの混合物における少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する化合物及び/又は少なくとも二種の上述の成分の混合物から選択される。
【0015】
高極性の表面上で吸着される上述の少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する化合物は、周囲環境由来の、特に、上述の化合物を含む水性溶媒、水性混合物、例えば、エンジンルームからの低い割合で湿気を有するベンジン又はモーターオイル、冷却水、冷却液(グリセリン、エタノール又はエチレングリコール)、凍結防止剤、混合物、エンジンルームからのガス、例えば、排ガスを溶液に通して含む水性混合物、エンジンルームからの粒子、例えば、タイヤの摩耗、ブレーキの摩耗及び粒状物質を含有する水性混合物、及び例えば、誰もが知る洗車由来の水性混合物;さらには、湿った空気、霧、湿り気、氷、氷粒子、雪及び雪解け水、雨、結露、蒸気、エアロゾル並びに上述した水の凝集状態有する道路用塩を含有する混合物由来である。
【0016】
本発明の好ましい対象は、(II)少なくとも一つの、前述のヒドロキシル基を含有する化合物、特に、HO、HO含有の化合物が、感圧接着剤Kと水素ブリッジ結合を形成することである。それ故、本発明のさらなる態様は、高極性の表面上での感圧接着剤Kの使用であり、その際、ポリマー材料中の成分A1の少なくとも一つのカルボン酸基(−COOH)は、該極性表面と及び/又は該極性表面上で吸着されてマイグレーション可能な化合物と、水素ブリッジ結合のネットワークをベースとする超分子構造を形成する。
【0017】
特に、上述の吸着されたマイグレーション可能な化合物のHO分子は、感圧接着剤Kのカルボン酸基と水素ブリッジ結合を形成し、特に、上述の化合物は拡大した超分子ネットワークを形成する。該カルボン酸基は、好ましくは、成分A1由来、特に好ましくはモノマーa1由来である。
【0018】
感圧接着剤のシート状の成形物では、多数のそのような水素ブリッジ結合が形成され、そして、水素ブリッジ結合から多次元のネットワークが生ずる。そのような水素ブリッジ結合−ネットワークは、ある時点では、例えば、HOにより部分的にだけ湿った表面をもたらすか、又は、広く拡がって、ラベルと特徴づける表面、例えば、構造物との間の完全な感圧接着面にわたってランダムに形成することができる。これは、例えば、水蒸気飽和雰囲気中における表面の場合である。
【0019】
該水素ブリッジ結合は、(I)上述のモノマーa1のカルボン酸基を有する鉱物建設材料の表面と、少なくとも一つの尿素基、アミド基及び/又はイソシアネート基を含む表面との間、及び/又は(II)一つの、吸着され、マイグレーション可能な少なくとも一つのヒドロキシル基を含む少なくとも一種の化合物を含む表面との間に形成される。好ましくは、水素ブリッジ結合を形成するモノマーa1は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれら二つの混合物である。
【0020】
本発明のさらなる態様は、感圧接着剤Kの使用であって、その際、成分A1が(i−a)少なくとも一種のモノマーaを含み、該(i−a)少なくとも一種のモノマーaが、
・(a1)0℃以上のT及び少なくとも一つのカルボン酸基(−COOH)を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa1、
・(a2)0℃以上のT及び少なくとも一つのエステル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa2、及び/又は
・(a3)0℃以上のTを有し、かつ、カルボン酸基(−COOH)もエステル基も有さないエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa3、
から選択され、
その際、該モノマーaの割合が、成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下である。特に、その割合は、成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至3重量%以下である。特に好ましくは、その割合は、成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至8重量%以下、3重量%超乃至5重量%以下である。その場合、それぞれの場合において、成分A1は、該成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至8重量%以下、特に、1重量%以上、好ましくは3重量%以上、特に好ましくは、3重量%以上乃至8重量%以下、3重量%超乃至5重量%以下の割合を有する少なくとも一種のモノマーa1を含む。
【0021】
特に有利な方法において、成分A1における該モノマーa1の割合、つまり、少なくとも一つのカルボン酸基を有するモノマーの割合は、成分A1に基づいて3重量%以上乃至5重量%以下である。カルボン酸基を含有する少なくとも3重量%のモノマーaの割合により、添加された架橋剤に関して有意な反応性の増大に配慮したものであり、良好な架橋プロセスの反応速度をもたらす。同時に、3重量%以上乃至5重量%以下という含有量の、カルボン酸基を含むモノマーaにより、高極性の表面、特に、マイグレーション性で吸着された少なくとも一つのヒドロキシル基を含む化合物との十分な相互作用が確保され、それにより、拡張した、超分子構造の形成によって、湿った表面と、感圧接着剤又は感圧接着剤Kを含むレーザー書き込み可能及び/又は不正防止ラベル又はフィルムとの間に良好な接着が確保される(例、接着剤C、D及びE参照)。
【0022】
本発明の使用とは、特に、レーザー書き込み可能な及び/又は不正防止の物品、例えば、ラベル及びフィルムを接着する際に、マイグレーション性の及び吸着された少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する化合物間特に、HO又は上述のような混合物と、少なくとも一つのモノマーa1のカルボン酸基との間に水素ブリッジ結合を形成させることである。好ましくは、少なくとも一つのモノマーa1は、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はそれら二つの混合物を含むエチレン性不飽和カルボン酸の群から選択された化合物を含む。その結果、マイグレーション性の及び/又は吸着されたヒドロキシル基を含有する化合物と、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はそれら二つの混合物のカルボン酸基との間に水素ブリッジ結合からなる上述のネットワークが形成される。
【0023】
驚くべきことに、上述の水素ブリッジ結合のネットワークにより、感圧接着剤K、特に、それから得られるシート状の感圧接着剤と、上述した高極性表面との間に強い感圧接着力がもたらされる(例3、5及び6)。これは、感圧接着剤Kを含むラベルの、特徴付ける表面上、例えば、特に自動車分野での部品や電子機器、への特に良好な感圧接着を意味する。
【0024】
これらは、(接着剤C、D、及び接着剤Eのように)感圧接着剤の高められた極性により、高められた耐水性がもたらされることが示されている例1〜6により証明されている。さらに、例は、感圧接着剤の高められた凝集性/軟化性が、耐水性に対して好ましい影響を与えることを示している。特に、やや硬質の感圧接着剤は、基板、例えば、基材の表面上でそれほど良好に流れること、基板を湿らせること、そして粘着することはできないため、感圧接着剤と基板、例えば、表面との間の界面に、特に、微細孔及びチャネルを介して水が簡単に浸入し得る。その浸入する水によって、水素ブリッジ結合−ネットワークが中断され、それにより、最初に接着が局所に減少する。これは、接着を全体的に弱め、そして、剥がれた感圧接着剤から粘着している感圧接着剤への移行部に発生するせん断力により、水素ブリッジ結合−ネットワークが弱まり、これは、連鎖反応を招いて、物品、例えばラベルの完全な剥離を引き起こし得る。
【0025】
接着剤D又はEのような軟質の感圧接着剤は、表面上で非常に良好に流れることができる。さらに有利に、1時間以上、好ましくは24時間以上、特に好ましくは72時間以上のより高められた接着時間は、感圧接着剤と基板との間の接着に有利に働く。該接着時間とは、引っ張り強度又はせん断力のような力の妨害による影響を受けることなく、基板に対する感圧性接着剤の流出、湿潤、及び粘着が可能である時間である。
【0026】
それと同時に、より長い接着時間によって微小気泡の発生が回避される。というのも、特に、接着剤Dにおけるような軟質の感圧性接着剤の場合に、空気を良好に逃すことができるからである。マイクロ気泡の低減により、水素ブリッジ結合の形態における分子間相互作用の数が高められたことに起因して、感圧接着剤のより改善された接着がもたらされる。その結果、強い水素ブリッジ結合−ネットワークによって、特に、ラベルの縁部における改善された気密性がもたらされ、それにより、外部から浸入する水を少なくすることができる。それ故、本発明の感圧接着剤Kを用いることにより、耐水性のレーザー書き込み可能な物品、特にそのようなラベルが得られる。
【0027】
好ましい実施形態において、該接着剤、特に、感圧接着剤は、40℃及び60℃における卓越した耐水性だけではなく、90℃の高温においても良好な耐水性を有する(例5及び6)。
【0028】
そのような水素ブリッジ結合を形成するために、成分A1は、モノマーa1だけを含むことができる。しかしながら、モノマーa1の一部を、別のコモノマー(i−a)の一部で置き換えることも考慮可能であり、該コモノマーはいずれの場合も、ガラス転移温度Tが、少なくとも0℃であるが、カルボン酸基(−COOH)を有さないものから選択される。当然ながら、少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも5重量%のモノマーa1、好ましくは、アクリル酸が成分A1中に含まれたままであることが条件である。
【0029】
コモノマー(i−a)の意味において、特に部分的に、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物、特に、それぞれのモノマーa2からなる対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが、少なくとも0℃であり、その際、モノマーa2は、さらに、エチル残基及び/又はメチル残基を有する少なくとも一つのエステル基を有する化合物の群から選択されるモノマーa2を使用することができる。特に、それらは、アクリル酸残基及び/又はメタクリル酸残基であり、そのため、モノマーa2の群は、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メチルエステル及びメタクリル酸エチルエステルを含む。モノマーa2を用いる場合、感圧接着剤Kの極性に影響をおよぼすことができる
【0030】
成分A1は、モノマーa1だけ、又はモノマーa1及びモノマーa2だけを含むことができる。ただし、該成分A1中に、モノマーa1の一部、モノマーa2の一部及びさらなるコモノマーa3の一部を含ませることができる。その際、該モノマーa3は、エチル残基及び/又はメチル残基を有するカルボン酸基(−COOH)もエステル基も含まない。成分A1が、モノマーa1及びa3だけを含むことも可能である。モノマーa3を用いる場合、得られる感圧接着剤Kのガラス転移温度及び/又はガラス転移頻度(Glasuebergangsfrequenz)は、最終的に所望される値に向けて調整される。いずれの場合も、少なくとも3重量%以上乃至8重量%以下の割合のモノマーa1が成分A1で保たれる。
【0031】
モノマーa3としては、エチル残基及び/又はメチル残基を有するカルボン酸基(−COOH)もエステル基も含まない、例えば、完全に網羅していない次のモノマーを使用することができる:ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、t−ブチルフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4−ビフェニルアクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−ナフチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、さらに、N,N−ジアルキル−置換アミド、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルニトリル、ビニルエーテル、例えば、ビニルメチルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエステル、スチレン、a−及びp−メチルスチレン、マクロモノマー、例えば、2−ポリスチレンエチルメタクリレート(分子量M、4000〜13000g/mol)、ポリ(メチルメタクリレート)エチルメタクリレート(M、2000〜8000g/mol)。
【0032】
本発明のさらなる態様は、本発明の感圧接着剤Kの使用であって、その際、−30℃以下のTを有する少なくとも一つのモノマーbが、線状、分岐状及び/又は官能基で置換されたアルキル残基を有するアクリル酸エステルを含む群から選択され、その際、該線状アルキル残基は、3個以上の炭素原子乃至14以下の炭素原子、好ましくは、4個以上乃至9個以下の炭素原子を有する。好ましくは、少なくとも一つのモノマーbは、
(a)メチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−テトラデシルアクリレートを含む、置換されていない線状のアクリル酸エステル、及び/又は
(b)2−ヘプチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−メチルブチルアクリレート及びイソデシルアクリレートを含む、分岐状の置換されていない及び/又は置換されたアクリル酸エステル、
から選択される。
【0033】
感圧接着剤Kにおけるモノマーbの含有量は、成分A1の全含有量に対して、87重量%以上乃至100重量%以下、好ましくは、95重量%〜97重量%以下である。
【0034】
モノマーbの意味における、好ましいアクリル酸の置換されていない線状のエステルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルのようなアルキル残基を有するアクリル酸アルキルエステルである。特に好ましい分岐状のアクリル酸エステルは、メチルアクリレート及びブチルアクリレートである。モノマーbの意味において、特に好ましいアクリル酸エステルは、エチルヘキシルエステル及び2−エトキシエチルアクリレートである。
【0035】
それ故、成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、特に、成分A1の全含有量に基づいて少なくとも3重量%〜8重量%以下の割合で、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基(−COOH)を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量(A1=ad100重量%)に基づいて、85重量%以上乃至99重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1(A=ad100重量%)中、合計100重量%の割合で存在する。
【0036】
成分A1の組成におけるモノマーa及びモノマーbの好ましい組み合わせは、モノマーa1としてのアクリル酸及び/又はメタクリル酸、及びモノマーbとしての線状の置換されていないアクリル酸エステル、好ましくは、メチルアクリレート及び/又はブチルアクリレート、及び分岐状の置換されていないアクリル酸エステル、好ましくはエチルヘキシルアクリレート(それぞれ独立して、−30℃以下のTを有する)である。
【0037】
好ましくは、成分A1は(100重量%の成分A1に基づく重量%で):
モノマーa1:3重量%〜5重量%のアクリル酸
モノマーb: ブチルアクリレート、40重量%〜48.5重量%、
好ましくは、43.5重量%〜48.5重量%、
特に、43.5重量%、47.5重量%又は48.5重量%;
エチルヘキシルアクリレート、40重量%〜48.5重量%、
好ましくは、43.5重量%〜48.5重量%、
特に、43.5重量%、47.5重量%又は48.5重量%;
メチルアクリレート、0.0重量%〜15重量%、
好ましくは、10重量%
を含む。
【0038】
ガラス転移温度Tのデータは、別途示さない限り、動的機械分析(DMA)を使った、低い周波数での測定に関連する(“測定方法”の欄を参照)。
【0039】
ポリマー成分A(A=A1+A2)は、成分A1の他に、樹脂成分A2を含む。該ポリマー成分Aにおける該樹脂成分A2の割合は、20重量%以上乃至40重量%以下、特に、20重量%以上、25重量%、30重量%及び35重量%又は40重量%以下であり、その際、該樹脂成分A2は、一種又は二種以上の樹脂を含む。本発明の意味における樹脂としては、5,000g/モル以下の数平均分子量M(ゲル浸透クロマトグラフィで測定)を有するオリゴマー化合物及びポリマー化合物が例示される。特に、樹脂の大部分の割合(全樹脂成分の重量割合に基づく)は、好ましくは、全ての樹脂が、80℃以上乃至150℃以下の軟化点を有する。ポリマー化合物の軟化点Tに関するデータは、別途示さない限り、ASTM E28−99(2009年)によるリング−ボール法を使って測定した値に関連して示される。
【0040】
樹脂成分A2の意味において、天然及び/又は合成樹脂を使用することができる。原則的に、上述の温度範囲の軟化点の樹脂全部を使用することができる。適切な接着樹脂は、ほんの数例を挙げると、特に、ロジン及びロジン誘導体(ロジンエステル、例えば、不均化又は水素化により安定化されたロジン誘導体)、ポリエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、脂肪族、芳香族、及び脂肪芳香族の炭化水素樹脂を包含する。特に好ましくは、樹脂は、ポリアクリレート成分と適合性を有する、特に、その中に溶解するか又はそれらと均質に混合可能であるものから選択される。本発明の意味において、テルペンフェノール樹脂がとりわけ非常に適している。樹脂成分の混合物は、(全体として)感圧接着剤のガラス転移範囲を有利に調節するために使用できる。
【0041】
感圧接着剤Kを架橋するための、ポリマー材料(PM=A+B)の架橋生成物を得るために、少なくとも一つの二官能性又は多官能性の架橋剤(架橋剤成分B)を、定義された量でポリマー成分Aに添加する。該架橋剤は、成分Aのカルボン酸基のカルボニルを介して、特に、導入されたモノマーa1を介して、共有結合的に架橋させる。
【0042】
本発明によれば、少なくとも一つの架橋剤は、0.15〜0.6の範囲の比率V(V=nZ/nP)である量で感圧接着剤Kに添加される。好ましくは、該値Vは0.2以上、特に、0.22〜0.58の範囲にある。
【0043】
好ましい一実施形態において、感圧接着剤Kはある組成物において使用され、該組成物において、架橋剤の架橋活性中心物質の物質量nZの、成分A1のマクロ分子の理論物質量nPに対する量の比、V=nZ/nPが、0.15以上乃至0.60以下、好ましくは、0.38以上乃至0.59以下の値を有する架橋剤成分Bを感圧接着剤Kが含み、その際、架橋剤の架橋活性中心物質の物質量nZは、架橋剤分子当たりの架橋活性中心物質の数fで乗じた架橋剤の量mVを、架橋剤のモル量MVで割った、すなわち、nZ=f.mV/MVで与えられ、そして、成分A1のマクロ分子の理論物質量nPは、感圧接着剤K中のポリマー成分の量mPを、この成分の数平均モル質量Mn,Pで割った、すなわち、nP=mP/Mn,Pで与えられ、その際、(A)少なくとも一つのポリマー成分A、及び(B)少なくとも一つの架橋剤成分Bは、感圧接着剤K(K=ad100重量%)に対し、合計で95重量%以上、好ましくは97重量%の割分で存在している。
【0044】
本発明によれば、いくつかの架橋剤を使用することもできる。いくつかの架橋剤、特に、異なる機能を有する架橋剤を使用する場合、該比Vは前述の実施形態の定義内に設定される:
【0045】
V=n/n
【0046】
式中、nは、全ての架橋剤を介した架橋活性の中心の合計物質量になる:
【0047】
=f・mV,1/MV,1+f・mV,2/MV,2
【0048】
式中、指数1は、第一の架橋剤の値、指数2は、第二の架橋剤の値を意味する。
【0049】
ポリマー試料の数平均分子量(GPC)のデータによれば、架橋剤の数平均分子量のデータその官能性における感圧接着剤Kの好ましい実施形態による添加すべき架橋剤の量は容易に決定することができる。架橋剤だけが存在する限り、対応する値の導入された定義により有利に投入される架橋剤の正味量mは、ポリマー成分の正味量m及びその数平均モル質量Mn,Pから次のように与えられる(M=架橋剤の分子量)。
【0050】
【数1】
【0051】
特に、異なる官能性を有するいくつかの架橋剤が存在する場合、この式はそれに応じて適合させなければならない。架橋した感圧接着剤のために、特に、架橋反応が、広範囲にわたって完全に反応するまで遂行される場合、架橋密度の良好な近似において、これはポリマー成分のマクロ分子当たり平均で0.15〜0.60、好ましくは0.38以上乃至0.59以下に相当する。
【0052】
少なくとも一つの架橋剤は、共有結合的に架橋する化合物であり、これは、カルボキシル基及びカルボン酸基と反応することができる。十分な耐熱性を確保するために架橋剤成分Bとして、化学的に結合(共有結合的に架橋)する系が特に有利に選択される(例えばキレートなど、化学的に結合しない架橋剤において架橋した材料において、高温で結合部位が再び増大し、その結果、系は、その凝集特性を失った。)。つまり、該架橋剤は、カルボン酸基を介したポリアクリレートのマクロ分子との共有結合が組み込まれることによって特に得られ、その際、架橋剤分子の官能性毎に、それぞれの場合において、1つの結合点を提供することができる。(二官能性架橋剤は、このように、二つの結合部位を介して二つのマクロ分子を互いに結合させ、三官能性架橋剤は、三つの結合部位を介して二つのマクロ分子を互いに結合させることができる(それぞれの場合、マクロ分子当たり一個のカルボン酸基が利用される。)か、又は、二つのマクロ分子を、三つの結合部位を介して互いに結合させることができる(一つのマクロ分子の一個のカルボン酸基及び二番目のマクロ分子の二つのカルボン酸基を利用される。)等。)。架橋密度が実現されている場合、平均してポリマー成分のマクロ分子当たり、0.15以上乃至0.6以下、特に、0.22以上乃至0.58以下の架橋部位に対応することが非常に有利であることが証明されている。このために、架橋反応が可能な限り完全な変換(好ましくは、>90%、特に好ましくは>95%)に向けて行われる場合が特に有利である。有利に実現された架橋度により、架橋した材料の凝集性は十分に高く、それにより、それは、曲げ応力下で分割するが、曲げ応力下で、材料の接着性破壊には至らない(架橋部位の数を適切に選択することにより、過剰な架橋は回避される。)。
【0053】
有利には、未架橋の感圧接着剤がしばしばさらされる通常の貯蔵条件下で、ヒドロキシル官能基及び/又は、とりわけ、水と顕著に反応しないように架橋剤は選択される。イソシアネートなどの架橋剤の使用における場合のような反応による反応性の低下を回避することができる。
【0054】
非常に適した架橋剤は、架橋剤分子一個当たり三つ又は四つの官能基を有するような架橋剤である(三官能性又は四官能性架橋剤)。エポキシ基及びアミン基の両方を有する化学的な化合物が良好な貯蔵性を有する特に適した架橋剤として見出されている。就中適したそのような架橋剤は、例えば、少なくとも一つのアミン基及び少なくとも二つのエポキシ基を一分子中に有し、非常に有効な架橋剤は、例えば、二つのアミン基及び四つのエポキシ基を一分子中に有する。優れた適当な架橋剤は、N,N,N‘N‘−テトラグリシジル−メタ−キシレンジアミン(CAS No. 63738−22−7)である。さらに非常に適しているのは、1,3−bis(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(CAS No. 65992−66−7)である。一分子中にエポキシ基及びアミン基を有するこの架橋剤は、架橋液の長い耐性(可能な加工可能時間“ポットライフ”)を特徴とし、水との反応による反応性の低下を示すことなく、そして、依然として高い架橋速度を特徴する。この架橋剤を用いることによって、さらに、貯蔵時に架橋した生成物に著しい後架橋をもたらすことなく、本発明の目的の範囲で定義された架橋度を実現することが可能である。
【0055】
可能な限り最高の架橋を確保するためには、選択された共有結合の架橋剤以外に、他の架橋機構で反応する架橋剤(例えば、キレート架橋剤)がさらに与えられない場合が有利である。特に好ましくは、架橋剤成分は、テトラグリシジル−メタ−キシレンジアミンである。
【0056】
要約すると、ポリマー材料(PM)は、少なくとも一つのポリマー成分Aを含み、そして少なくとも一つの架橋成分Bを含み、故に、PM=A+Bである。
【0057】
ポリマー成分Aは、少なくとも一つの成分A1及び少なくとも一つの樹脂成分A2を含み、故に、A=A1+A2である。
【0058】
成分A1は、少なくとも一つのモノマーa及び少なくとも一つのモノマーbを含み、故に、A1=a+bである。
【0059】
モノマーaは、少なくとも一つのモノマーa1及び、さらに別のモノマーa2及びモノマーa3を含むことができ、故に、a=a1+a2+a3である。
【0060】
成分A1の製造
ポリアクリレートを含む成分A1は、上述の成分を、当業者に通常知られている方法に従って重合させることによって、特に、ラジカル重合によって製造できる。その重合は、好ましくは、結果として得られるポリマーが、少なくとも50,000g/モルの数平均分子量Mを有するように遂行される。数平均分子量Mに関する250,000g/モルの値は、好ましくは超えるべきではない。特に好ましくは、成分A1の数平均分子量Mは、50,000g/モル〜150,000g/モルの範囲にある。ポリマーの分子量に対する全てのデータは、ゲル浸透クロマトグラフィによる測定値に関連している;以下の“測定方法”の欄を参照。
【0061】
同様に、本発明の意味において、感圧接着剤Kは、上述したように、少なくとも一つの層の形態で使用される。特に、これは、少なくとも一つの層を含むシート状の感圧接着剤の形態であり、そして、5μm以上乃至70μm以下、好ましくは、10μm以上乃至60μm以下、特に好ましくは、10μm以上乃至30μm以下の層の厚さを有する。該少なくとも一つの層の層の厚さ又は層厚は、感圧接着剤Kを、高極性表面、特に、吸着されたマイグレーション可能なヒドロキシル基を含有する化合物を有する表面上に使用する際、十分な粘着性又は接着性が確保されるように選択され、その際、少なくとも一つのモノマーa1、特に、成分A1に対し、3重量%以上乃至8重量%の好ましい割合を有するアクリル酸のカルボン酸基は、少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する上述の化合物と、水素ブリッジ結合を形成する。
【0062】
シート状の感圧接着剤は感圧接着剤Kから形成され、その際、感圧接着剤Kは、当業者に高知の方法に従って製造され、一工程において、該感圧接着剤Kは、組み立てラインのような基板、又は特にライナーのような支持体のようなシート状要素の上に施用され、その際、該感圧接着剤Kは、5μm以上乃至70μm以下、好ましくは、10μm以上乃至60μm以下、特に好ましくは、10μm以上乃至30μm以下の層厚を有する少なくとも一つの層(又はそれぞれに対応する面密度[g/m])に適用される。その後、感圧接着剤Kのシート状の感圧接着剤を得るために、任意の工程において、感圧接着層は冷却される。任意に、剥離ライナーのような保護層を、該感圧接着層の上に施用することもできる。
【0063】
好ましくは、本発明によりシート状の感圧接着剤の形態にある該少なくとも一つの感圧接着層は、フィルム、ダイカット品及びラケットを含むレーザー書き込み可能な多層型の物品、好ましくは、レーザー書き込み可能かつ不正防止ラベル及びフィルムに使用され、その際、該物品は、次の層を含む。
(1)特に、1μm以上乃至25μm以下、好ましくは2μm以上、3μm以上、5μm以上乃至20μm以下、乃至15μm以下、特に好ましくは、3μm以上乃至10μmの層厚を有する、アクリレート塗料層又は金属塗料を含む、少なくとも一つのグラビア層、
(2)特に塗料、好ましくはアクリレート塗料を含み、かつ、該グラビア層の下に配置された、少なくとも一つのコントラスト層、及び
(3)感圧接着剤を含む、該コントラスト層の下に配置された、前記感圧接着剤Kを含む少なくとも一つの接着層。
【0064】
好ましくは、(3)感圧接着層は、成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至8重量%以下の割合を有するモノマーa1、好ましくは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む。
【0065】
本発明によれば、さらなる実施形態において、感圧接着剤Kは、レーザー書き込み可能な多層型の物品において使用され、その際、上述の層に追加して、
(1.1)好ましくは、フィルムの形態のポリエステル及びポリアミドのような熱硬化性プラスチックを含む、前記(1)グラビア層上に配置された支持フィルムであって、その際、個別に印刷可能である、支持フィルム、
(1)前記グラビア層は、好ましくは溶媒を含まず、放射線硬化性塗料、好ましくは、電子ビーム及び/又はUV硬化性塗料を含み、
(2)前記コントラスト層は、電子ビーム硬化性塗料を含み、特に、20μm以上乃至500μm以下、好ましくは、30μm以上乃至300μm以下、特に好ましくは30μm以上乃至100μm以下の層厚を有し、その際、該グラビア層とコントラスト層とが互いに最高のコントラストにあり、
(3)前記接着層は、7μm以上乃至70μm以下、好ましくは、10μm以上乃至60μm以下、特に好ましくは10μm以上乃至30μm以下の厚さを有し、及び
(4)任意に、該接着層上に施用されている保護層、好ましくはシリコーン処理した紙、シリコーン処理したフィルム又はシリコーンフィルムを含む。
【0066】
好ましくは、(3)感圧接着層は、成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至8重量%以下の割合を有する、モノマーa1、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む。
【0067】
レーザー書き込み可能な物品は、効率的な、制御可能なレーザー(例えば、ND:YAG−レーザー又はCO−レーザー)によって、スクリプト及びコードなどマークが焼き付けられた、特に接着テープ、ケーブルラッピングテープ、標識、ラベル、フィルムを含む。そのようなレーザー書き込み可能な物品、特に、ラベルは、好ましくは、レーベルセットを製造するための合理的かつ可変の標識化に使用される。これらのレーベルセットは、完全な数のラベル、例えば、自動車においてラベル表示を必要とするコンポーネントのラベル(例えば、モータ又は発電機などの自動車の様々なコンポーネント上のVINプレート、タイヤ圧、燃料、トランクロードによるサイン、識別データ等)を含む。同様に、そのようなラベル及び/又はフィルムは、ネームプレートとして、プロセスシーケンスの制御ラベルとして、及び保証ラベル及び試料ラベルなどとして使用される。
【0068】
そのような技術情報以外に、レーザー書き込み可能なラベル及びフィルム、シャーシ番号及び車両識別番号などの安全情報を含むことができる。適切なラベルは、盗難や事故の場合には、その製造時に車両と製造段階に基づく推定を可能にする。その上にラベルが接着された基板上に、ホログラム、安定したUV印刷(フットプリント)などの特殊なセキュリティマークの使用、及びレーザー書き込み可能なラベルの合目的な材料の選択は、一方で、材料の模造を困難にし、他方で改ざんを示すために利用される。そのような偽造防止レーザー書き込み可能なラベル又はフィルムは、個別化又は真正特性によって、好ましくは、グラビア層の上又は該層の中に特徴付けることができる。好ましくはそのような真正特性は、識別して、真正であることを証明するために、多かれ少なかれ装置による手間暇が必要とされる限り、直接視認することができない。それ故、グラビア層は、例えば、紫外光で蛍光する着色料を含有し、これは、UVランプで照明した場合に視認できる。他の例は、加熱時に色を変更するサーモクロミック色素である。他の検出可能な物質をグラビア層の塗料にドープすることも考慮可能であり、これは、例えば、“Biocode”又は“Microtaggent”のような物質で、真正の証明を提供することができる。“Biocode”という特徴は、Biocode社からのシステムであり、エージェント、マーカー及びレセプターでマーク付けされ、これは、生物学的サンプルにおける特異的な検出を可能にする。“Microtaggent”は、Microtrace Inc.社のマークであり、顕微鏡による観察時にのみ、カスタムのカラーコードを識別できる。この真正特性は、様々な実施形態において使用可能であると知られている。それらは、製品の正確な識別及び特徴付けのために、多様に使用することができる。
【0069】
(1)グラビア層は、(2)コントラスト層の上に配置された層であり、これは、いくつかのレーザー照射を使って、又は多数のレーザー照射を使って刻印することができる。この刻印(Beschriftung)過程では、該グラビア層は、レーザー照射が適切なエネルギーで方向付けされた箇所において少なくとも部分的に摩滅される。十分なエネルギーが導入された場合、グラビア層は、局所的に完全に除去されるため、この箇所は、光透過性となる。グラビア層が部分的にのみ、いくつかの場所で摩滅されていることも考慮され、それにより、これらの位置においてグラビア層の不透明な外観がもたらされる。グラビア層は、好ましくは塗料層であり、これは、印刷法を使って施用することができる。対応する印刷塗料層の好ましい例は、電子ビーム硬化性又はUV硬化性のアクリレート塗料、特に、ポリウレタンアクリレート塗料をベースとする印刷塗料を含む。本発明の別の実施形態において、該グラビア層は、薄い金属層からなる。該グラビア層は、好ましくは、1μm以上乃至30μm以下、好ましくは、1μm以上乃至20μm以下、特に好ましくは、1μm以上乃至10μm以下の厚さを有する。グラビア層の厚さがこの範囲で移動する場合、特に耐熱性のレーザー書き込み可能なフィルムを提供することが可能であり、これは、同時に、カルボン酸基を含有する感圧接着剤Kと組み合わせて耐水性であることも可能である。コントラスト層に比べて、これは厚さが、20μm以上乃至300μm、好ましくは、40μm以上乃至200μm以下、特に好ましくは、60μm以上乃至150μm以下であり、グラビア層の厚さは、好ましくは、例えば、そのコントラスト層の厚さの10%以下である。完成したフィルムは、上述した、露出したグラビア層を有する。
【0070】
好ましい一実施形態において、(1.1)保護フィルムは印刷(物)を含み、その際、該印刷(物)は、保護支持フィルムの上で、0.1μm以上乃至15μmの高さ、好ましくは、1μm以上乃至5μm以下の高さを有する。特に、印刷された保護支持フィルムの印象(Abformung)は、(1)グラビア層中に凹み部として存在し、その際、その凹み部は、0.1μm以上乃至15μm以下、好ましくは、1μm以上5μm以下の深さを有する。
【0071】
(2)コントラスト層は、レーザー書き込み可能な、耐水性の多層型物品の好ましい実施形態において、硬化したアクリレート塗料組成物を含み、これは、30重量%以上乃至80重量%、好ましくは50重量%以上乃至60重量%以下、特に好ましくは52重量%以上乃至58重量%以下の三官能性オリゴマーA、0重量%以上乃至20重量%以下、好ましくは、5重量%以上乃至15重量%以下、特に好ましくは、8重量%以上乃至12重量%以下の三官能性モノマーB、1重量%以上乃至30重量%以下、好ましくは5重量%以上乃至15重量%以下、特に8重量%以上乃至12重量%以下の二官能性モノマーC、並びに2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料を含む組成物をベースとする。本発明のレーザー書き込み可能な耐水性の多層型物品のコントラスト層、特に、フィルムは、成分A、B及びC並びに着色顔料を含む組成物を硬化させることによって提供することができる。このために、該組成物を、UV照射、電子ビーム硬化(以下においてESH)又は熱により架橋させる。好ましくは、ESHを使って架橋が行われる。
【0072】
コントラスト層は、少なくとも一種の着色顔料を含む。本発明の意味における着色顔料は、制限されることなく、全ての着色顔料を含み、これらは、着色料及び塗料における着色料及び/又は光沢剤として使用されている。例示的な着色顔料は、ルチル型に改質された二酸化チタン(“TiO”例えば、Kronos社のルチル型)、着色カーボンブラック(例えば、Evonik社のPrintex型)又は他の当業者に公知の着色顔料、例えば、塗料及びコーティングのテキスト第5巻(Hans Kittel und Juergen Spille, Hirzel Verlag (Stuttgart), 2003年(非特許文献1)に挙げられているようなものである。好ましくは、該着色顔料は、可能な限り耐候性顔料である。コントラスト層に特に好ましいのは、ルチル型の二酸化チタンである。本発明に不可欠であるのは、顔料の色又はコントラスト層自体ではなく、グラビア層と比較して与えられる色差又はコントラストである。その際、本発明により使用される顔料は、フィルムの書き込み後、つまり、レーザーによるグラビア層の摩滅後に、コントラスト層とグラビア層との間に発生するコントラストを調節するのに利用される。
【0073】
本発明のさらなる実施形態において、レーザー書き込み可能な耐水性の多層型物品は、追加的に、グラビア層とコントラスト層との間に配置された中間層を含む。該中間層は、好ましくは、顔料化された、電子ビーム硬化性塗料、好ましくは、顔料化された、電子ビーム硬化性ポリウレタンアクリレート塗料を含む追加的な塗料層である。
【0074】
必要に応じて、該レーザー書き込み可能な耐水性の多層型物品は補償層を有し、これは、ラベルの内部に発生する応力を補償して、引裂又は剥離が起こらないようにするために、コントラスト層と接着層との間に配置される。そのような補償層は、可逆的に可撓性である。というのも、50℃以下の温度、及びより高い温度において軟性又は融解性であることができ、発生した応力を補償できるからである。好ましくは、該補償層は、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリ酢酸ビニル又はポリアミドからなる。さらに適切なのは、線状の、又は熱不安定性に架橋したポリマー分子からなる全てのプラスチック、例えば、ポリオレフィン、ビニルポリマー、ポリエステル、ポリアセテート、ポリカーボネート又はポリウレタン及びイオノマーである。それら以外に補償層として、熱可塑性プラスチックとして、いわゆる熱可塑性エラストマーとして使用される、顕著なエントロピー特性を有する熱可塑的に加工可能なプラスチックであることができる。該補償層の特性は、軟化剤、充填剤、安定剤及びその他の添加剤の添加によって、また、繊維強化材によって幅広く変更することができる。該補償層は、溶液からコーティングされるか、又はフィルムとして、支持層と感圧接着剤との間に導入できる。該補償層は、好ましくは、0.2μm以上乃至20μm以下の層厚を有する。さらに好ましい実施形態において、面密度は、0.5g/m乃至5g/mである。該補償層は、特に、所定の温度範囲で軟化又は溶融することによって、高い温度でラベルの内部に発生する応力を補償することができる。このプラスチックの挙動に基づいて、補償層の内部における応力は弱まる。それにより、ラベルは高温で可撓性である。その後、ラベル又は基板を冷却する場合、補償層は再び固体状態になるため、ラベルの接着力はどのような方法においても影響を受けない。補償層の溶融及びその後の固化は、しばしば頻繁に繰り返され得る。
【0075】
本発明の好ましい態様は、水負荷試験において、40℃以上、好ましくは、45℃、50℃及び55℃において100h以上、好ましくは、200、300、400、500、600、700、800、900h以上の、60℃以下において1000h以下(例1、5及び6を参照)の耐水性を有する感圧接着剤Kを含むシート状の感圧接着剤である。好ましくは、該シート状の感圧接着剤は、40℃以上における1000時間の水負荷試験において耐水性である。好ましくは、最大でも可逆的な気泡の形成が、特に、材料が変化せずに観察される。
【0076】
特に、本発明の意味において、シート状の感圧接着剤は、40℃以上における100h乃至60℃における1000hの水負荷試験後に、軽く接着剤を押して排除可能な、最大でも可逆的な気泡の形成を示す(図6図10参照)。好ましくは、縁部の持ち上がり(エッジリフト(Kantenabheben))が全く観察されず、かつ、該シート状の感圧接着剤は影響を受けないまま、特に、完全に、感圧接着性のままである(図8d参照)。特に、該シート状の感圧接着剤は、高温−水負荷試験において良好な耐水性を示し、その際、80℃以上乃至100℃以下における15分後に、最大で軽微な縁部の持ち上がり、そして好ましくは軽微な気泡の形成、特に可逆的な気泡の形成が発生する(例5)。
【0077】
本発明の好ましい実施形態において、例えば、100℃における水負荷試験のような水負荷作用の直後に、軽微な気泡の形成及び/又は軽微な縁部の持ち上がりが発生する。当然ながら、これらは可逆的であり、かつ、該シート状の感圧接着剤及び該感圧接着剤をそれぞれ含むラベルのような物品は、リハビリテーション段階を含む、特に、15分以上乃至72時間以下リコンディショニング時間後に、再び、全面的な感圧接着性が戻る(図9及び図10並びに表3参照)。
【0078】
好ましくは、該リコンディショニング時間は、15分以上、30分以上、1時間以上、12時間以上、24時間以上乃至48時間以下、60時間以下、72時間以下である。
【0079】
本発明のさらなる実施形態において感圧接着剤は、この高温−水負荷試験における良好な耐水性を示し、その際、該温度は、70℃以上乃至120℃以下であり、好ましくは、75℃以上乃至110℃以下、特に好ましくは、80℃以上乃至100℃以下である。好ましくは、上述の温度における耐水性は、接着された感圧接着剤、特に、シート状の感圧接着剤、及び本発明の物品が、軽微な縁部の持ち上がりだけ、好ましくは、軽微な気泡の形成だけを、特に好ましくは、材料が変化しないで示す程良好である(表4参照)。耐水性及び耐水性であるという語は、同義に使用される。
【0080】
好ましい実施形態において、本発明の感圧接着剤、特に、シート状の感圧接着剤は、レーザーフィルムと組み合わせて使用され、その際、該レーザーフィルムは、50℃の水中で3日間、レーザーフィルムを浸漬した後の電量分析のカールフィッシャー滴定で測定された、可逆的な吸水性を有する(例4)。該吸水性は、レーザーフィルムの膨潤に見え、好ましくは、レーザーフィルムは、それの当初の含水量の二倍量までの水を受容できる。好ましくは、60分以上乃至24時間以下のリコンディショニング時間後の吸水性は可逆的であり、好ましくは、完全に可逆的であり、そして、レーザーフィルムは、その元の形状及び当初の含水量を取り戻す。
【0081】
同様に、本発明の対象は、以下の層を含む、耐水性の、レーザー書き込み可能な、かつ、多層型の物品である。
(1)1μm以上乃至20μm、好ましくは5μm以上乃至15μm以下の好ましい層厚を有する、少なくとも一つのグラビア層、特に、アクリレート塗料を含むグラビア層か又は金属層、
(2)特に、塗料、好ましくは、アクリレート塗料を含み、かつ、該グラビア層の下に配置された、少なくとも一つのコントラスト層、及び
(3)該コントラスト層の下に配置された、前記感圧接着剤Kを含む少なくとも一つの接着層であって、その際、該感圧接着剤Kは、少なくとも次の成分を含むポリマー材料由来の架橋生成物である。
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基(−COOH)を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーaであって、好ましくは、成分A1の全含有量に基づいて3重量%以上乃至8重量%以下の該モノマーa1の割合を有する、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至97.5重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度T−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%(A1=ad100重量%)の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%(A=ad100重量%)の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性成分又は多官能性成分を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分は、合計で、上記のポリマー材料の全組成物(PM=ad100重量%)に対して95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B。
【0082】
好ましい実施形態において、耐水性のレーザー書き込み可能な、多層型の物品は、モノマーa1として少なくとも一つのアクリル酸及び/又はメタクリル酸を、成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至15重量%以下の割合、好ましくは、3重量%以上乃至8重量%以下の割合で含む該感圧接着剤Kの接着層を有する。特に好ましくは、本発明の物品は、モノマーa1として、少なくとも一つのアクリル酸及び/又はメタクリル酸を、成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至8重量%以下の割合で含む。
【0083】
耐水性のレーザー書き込み可能な、多層型の物品の好ましい実施形態において、該コントラスト層は、上述したような、次を含む硬化したアクリレート塗料組成物をベースとする。
(a)30重量%以上乃至80重量%以下の三官能性オリゴマーA、
(b)0重量%以上乃至20重量%以下の三官能性モノマーB、
(c)1重量%以上乃至30重量%以下の二官能性モノマーC、及び
(d)2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料。
【0084】
該三官能性オリゴマーAは、数平均分子料Mnが、1000g/モル以上乃至5000g/モル以下、好ましくは、1400g/モル以上乃至3600g/モル以下、好ましくは、1800g/モル以上乃至2200g/モル以下、特に好ましくは、1900g/モル以上乃至2100g/モル以下である、一分子当たり三つの不飽和(メタ)アクリレート単位を有するオリゴマーである。分子量が上記の範囲にある場合、硬化したアクリレート塗料組成物の長期間の耐熱性に好ましい影響が及ぼされ、その結果、特に、寸法形状が安定したコントラスト層を得ることができる。
【0085】
好ましい実施形態において、該三官能性オリゴマーAは、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート及びポリエステルトリ(メタ)アクリレートの群から選択され、その中でもポリウレタントリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。該用語(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレート、及びそれの混合物を含む。好ましくは、三官能性オリゴマーAは、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、特に好ましくは、ポリウレタントリアクリレートである。ポリウレタン(メタ)アクリレートは、それぞれ、一分子あたり、三つ、並びに多数の不飽和(メタ)アクリレート基を有する、つまり、少なくとも二つのウレタン単位を有するオリゴマーである。ポリウレタントリアクリレートの好ましい例は、Sartomer社の脂肪族ウレタントリアクリレート、CN9260D75(登録商標)及びCN9278D80(登録商標)であり、特に好ましくは、CN9260D75(登録商標)である。
【0086】
上記の三官能性モノマーBは、一分子当たり三つの不飽和(メタ)アクリレート単位を有し、そして、本発明の好ましい実施形態において、300g/モル以上乃至1000g/モル以下、好ましくは、350g/モル以上乃至800g/モル以下、好ましくは、350g/モル以上乃至600g/モル以下、特に好ましくは、400以上乃至450g/モル以下の分子量を有する。成分Bは、好ましくは、次の一般式(I)のプロポキシル化グリセリントリ(メタ)アクリレート及びエトキシル化グリセリントリ(メタ)アクリレート及びプロポキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びエトキシル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又はそれの混合物からなる群から選択される。
【0087】
【化1】
【0088】
ここで、式IのRは、水素又はメチル基を意味し;Aは、水素又はエチル基であり;X、Y及びZは、それぞれ互いに独立して、プロピレン単位又はエチレン単位を意味し;及び、a、b及びcは、それぞれ互いに独立して、1〜4、好ましくは1〜3の整数であり、かつ、a+b+cは、3〜12、好ましくは3〜9の間の数である。本発明の特に好ましい実施形態において、X、Y及びZはプロピレン単位である。特に好ましくは、該三官能性モノマーは、プロポキシル化グリセリントリアクリレートである。分子量が上述の範囲にあり、及び/又は、該モノマーBが上記の式Iに包含されるように該三官能性モノマーBが選択された場合、成分Bは、コントラスト層の熱的安定性、及びそれ故にレーザー書き込み可能なフィルムに好ましい影響を及ぼす。
【0089】
上記の三官能性モノマーCは、一分子当たり二つの不飽和アクリレート単位を有するモノマーである。成分Cは、好ましくは、100g/モル以上乃至1000g/モル以下、好ましくは、180g/モル以上乃至350g/モル以下、特に好ましくは220g/モル以上乃至280g/モル以下の分子量を有し、かつ、次の一般式(II)のエチレングリコールジアクリレートの群、
【0090】
【化2】
【0091】
及び、次の一般式(III)のプロピレングリコールジアクリレート、
【0092】
【化3】
【0093】
又は、それの混合物から選択され、その際、式II及び式IIIにおけるnは、それぞれ互いに独立して、1〜15、好ましくは1〜9、特に好ましくは2〜6の整数及び就中、3又は4の整数である。本発明の特に好ましい実施形態において、該三官能性モノマーCは、トリエチレングリコールジアクリレートである。分子量が上述の範囲にあり、及び/又は、該モノマーCが上記の式II又はIIIに包含されるように該三官能性モノマーCが選択された場合、成分Cは、コントラスト層の熱的安定性、及びそれ故にレーザー書き込み可能なフィルムに好ましい影響を及ぼす。
【0094】
本発明の特に好ましい実施形態において、レーザー書き込み可能な耐水性かつ多層型の物品におけるコントラスト層は、成分Aとして少なくとも一つのポリウレタントリアクリレート、好ましくは、Sartomer社のCN9260D75(登録商標)又はCN9278D80(登録商標)、成分Bとして上述した式Iのプロポキシル化グリセリントリアクリレート、成分Cとしてトリエチレングリコールジアクリレート、並びに、例えば、ルチル型の二酸化チタンのような顔料を含む組成物をベースとする。
【0095】
好ましくは、耐水性のレーザー書き込み可能な、多層型の物品は、ラベル、フィルム及び/又はダイカットの形態で提供され、そして、好ましくは、上述したように、同時に、特に、個別化によって偽造防止性である。
【0096】
好ましい実施形態において、該レーザー書き込み可能な耐水性かつ多層型の物品、特に、本発明の感圧接着剤及びさらに好ましくは本発明の感圧接着剤Kは、80℃以上乃至150℃以下における200時間超乃至2500時間以下、好ましくは、300時間以上2300時間以下、500時間以上乃至2500時間以下の耐熱性を有する。特に好ましいのは、80℃における500時間以上乃至1000時間以下及び150℃における500時間以上乃至2300時間以下の耐熱性である。該耐熱性は、特に、物品の低乃至零度の変形又は裂けがなく、最大で、物品に襞がある程度であり、好ましくは、物品のバーコードが判読可能であることを示す。
【0097】
好ましい実施形態において、該レーザー書き込み可能な耐水性かつ多層型の物品、特に、本発明の感圧接着剤及びさらに好ましくは本発明の感圧接着剤Kは、さらに、2.5%濃度以上及び5%濃度以下のHSO、並びにガラスクリーナー、1%濃度の苛性ソーダ、ベンジン、トルエン、モーターオイル/機械油、ディーゼル燃料等自動車分野の通常の液体に対抗して、室温で24時間以上の液体の作用に対する耐性を有する。好ましくは、20℃以上乃至50℃以下の温度で、かつ、15分以上乃至24時間以下、好ましくは30分以上乃至12時間以下の間、前述の耐性がある。
【0098】
好ましい実施形態において、該レーザー書き込み可能な耐水性かつ多層型の物品、特に、本発明の感圧接着剤及びさらに好ましくは本発明の感圧接着剤Kは、同様に、優れた耐摩耗性を有する。特に、本発明の物品は、200gのおもりで順方向及び逆方向で200回繰り返す摩耗試験において、材料の変化を全く示さず、好ましくは、バーコードが読み取り可能である。
【0099】
好ましい実施形態において、上述の感圧性接着剤Kを含むシート状感圧接着剤を含む、本発明のレーザー書き込み可能な物品は、2007年7月水準の、ドイツ連邦交通・建設・都市開発省の、接着による、プレート、ブリキ及びフィルム並びに接着によるそれの固定物から、工場出荷時の試験のためのリーフレットに準拠した、“銘板(Fabrikschilder)”の要求を満たす。
【0100】
本発明の物品は、100℃で15分間の高温−水負荷試験において良好な耐水性を有し、その際、該物品は、最大でも、軽微な縁部の持ち上がり(エッジリフト)、好ましくは、軽微かつ可逆的な気泡の形成を有する。好ましくは、本発明の物品は、ISO 29862(方法1、300mm/分の剥離速度)に準拠した剥離力として測定される、23℃で5N/cm以上、特に、40℃以下で5N/cm以上、好ましくは、70℃で4N/cm以上、そして、100℃で3N/cm以上の接着力を有する。
【0101】
本発明の、ラベル、フィルム、接着テープ及びダイカットを包含する耐水性のレーザー書き込み可能かつ多層型の物品の使用において、該物品は、該水負荷試験において40℃で100h以上、特に、1000時間以上まで、好ましくは、45℃、50℃及び55℃以上乃至60℃以下で200、300、400、500、600、700、800、900時間以上の耐水性及び/又は高温−水負荷試験において80℃以上乃至100℃以下で15分以上の耐水性を示す。
【0102】
好ましくは、水負荷試験における良好な耐性は、40℃以上で100h以上乃至1000h以下、特に、60℃以下で、最大でも、軽く加圧することで除去可能な、可逆的な気泡の形成を示す。本発明の意味において、好ましくは、耐水性のレーザー書き込み可能かつ多層型の物品における水負荷試験では、縁部の持ち上がりが全く視認できない(例1、表1、例5、表5;例6及び図6図10参照)。
【0103】
本発明の好ましい実施形態において、水負荷試験のような水負荷−作用の直後に、軽微な気泡の形成及び/又は軽微な縁部の持ち上がりを示すが、それらはリハビリテーション段階後に可逆的である。感圧接着剤を含有する上述の物品は、リハビリテーション段階後、特に、15分以上乃至72時間以下のリコンディショニン時間後に、再び全面的な感圧接着を取り戻す(図9及び図10並びに表3参照)。
【0104】
好ましくは、該リコンディショニング時間は、15分以上、30分以上、1時間以上、12時間以上、24時間以上乃至48時間以下、60時間以下、72時間以下である。
【0105】
本発明の物品のさらなる実施形態において、該物品は、高温−水負荷試験において良好な耐水性を示し、その際、70℃以上乃至120℃以下の温度、好ましくは75℃以上乃至110℃以下、特に好ましくは、80℃以上乃至100℃以下の温度である。好ましくは、上述の温度における耐水性は、接着された本発明の物品が、軽微な縁部の持ち上がりだけを示すように、好ましくは、軽微な気泡の形成だけを示すように、特に好ましくは、材料の変化を全く発生しない程度に良好である(表4参照)。
【0106】
本発明の耐水性のレーザー書き込み可能かつ多層型の物品は、様々な方法で製造できる。一実施形態において、本発明は、耐水性の多層型の、特に、レーザー書き込み可能な、そして好ましくは、追加的に偽造防止性の物品を製造する方法、並びに、この方法で得られた物品に関し、該方法は次の工程:
1)任意に支持フィルムを提供する工程、
2)該支持フィルムにグラビア層、特に、塗料層又は金属層を施用する工程、
3)該グラビア層上に、特に、アクリレート塗料組成物のコントラスト層を製造するための組成物を施用する工程、
4)コントラスト層を得るために、前記工程3)からの該組成物を硬化させる工程、
5)前記コントラスト層上に感圧接着剤Kを施用し、該感圧接着剤Kを保護紙又は剥離ライナーでカバーする工程であって、
その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を、好ましくは、成分A1の全含有量に基づいて3重量%以上乃至8重量%以下の割合で含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至97重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度T−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合(A1=ad100重量%)で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合(A=ad100重量%)で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分は、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合(PM=ad100重量%)で存在している、架橋剤成分B
を含む、工程、及び
6)該支持フィルムを除去する工程、
を含む。
【0107】
この方法において、プロセスライナーとも呼ばれる支持フィルムとして、様々な材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)をベースとする慣用的なフィルムが使用できる。グラビア層を支持フィルム上に施用することも、また、該グラビア層上にアクリレート塗料組成物を施用することも、慣用的な印刷方法及びコーティング方法を使って行うことができる。本発明の好ましい実施形態において、該アクリレート塗料組成物は、コンマバーを使って施用される。
【0108】
本発明の耐水性の多層型の物品を製造する方法の好ましい実施形態において、該方法の工程3)では、
(a)30重量%以上乃至80重量%以下の三官能性オリゴマーA、
(b)0重量%以上乃至20重量%以下の三官能性モノマーB、
(c)1重量%以上乃至30重量%以下の二官能性モノマーC、及び
(d)2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料、
を含む組成物が施用される。
【0109】
任意に、本発明の耐水性の多層型の物品を製造する方法において、グラビア層の施用後と、コントラスト層の施用前との間に、好ましくは、顔料化された電子ビーム硬化性塗料を有する中間層、及び/又はコントラスト層の施用後と、接着層の施用後との間に、好ましくは熱可塑性プラスチックポリマーを含む補償層が施用される。
【0110】
本発明を、以下に示して説明する実施例に基づいてより詳細に説明する。実施例は、実施例の値に言及したものに本発明を限定することなく、本発明を概説することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1図1は、本発明の物品の構造物を示す図である。
図2図2は、本発明の物品の構造物を示す図である。
図3図3は、本発明の物品の構造物を示す図である。
図4図4は、本発明の物品の構造物を示す図である。
図5図5は、水負荷試験の実験の構成を示す図である。
図6a図6aは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図6b図6bは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図7a図7aは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図7b図7bは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図8a図8aは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図8b図8bは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図8c図8cは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図8d図8dは、水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図9a図9aは、高温水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図9b図9bは、高温水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図10a図10aは、高温水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
図10b図10bは、高温水負荷試験における、ASTM鋼製の試験表面上に接着された試験接着テープの写真資料を示す図である。
【0112】
図面の説明
図面は、湿った及び/又は湿潤した表面上に接着するのに使用される、耐水性の多層型のレーザー書き込み可能な物品、特に、ラベルのような、の一般的な及び好ましい実施形態を示している。
【0113】
図1は、本発明の物品、好ましくは、ラベル、の一つの構造を示しており、これは、好ましくはアクリルペイント又は金属層を含む、外側に露出したグラビア層1.1;接着層2.1の形態の本発明の感圧接着剤K、及び該グラビア層1.1と接着層2.1との間に配置されたコントラスト層3.1を有する。
【0114】
図2は、本発明の物品、好ましくはそのようなラベル、の一つの構造を示しており、これは、好ましくはアクリルペイント又は金属層を含む、外側に露出したグラビア層1.2;モノマーa1として少なくとも一種のアクリル酸及び/又はメタクリル酸を、成分A1の割合に対して3重量%以上乃至8重量%以下の割合で含む、本発明の感圧接着剤Kを含む接着層2.2、及び該グラビア層1.2と接着層2.2との間に配置され、電子ビーム照射により硬化する塗料を含むコントラスト層3.2、及びその接着層2.2の上に配置された保護層4.2を有する。
【0115】
図3は、本発明の物品、好ましくはそのようなラベル、の一つの構造を示しており、これは、好ましくはアクリルペイント又は金属層を含む、外側に露出したグラビア層1.3;モノマーa1として少なくとも一種のアクリル酸及び/又はメタクリル酸を、成分A1の割合に対して3重量%以上乃至8重量%以下の割合で含む、本発明の感圧接着剤Kを含む接着層2.3、及び該グラビア層1.3と接着層2.3との間に配置され、電子ビーム照射により硬化する塗料を含むコントラスト層3.3、及びその接着層2.3の上に配置された保護層4.3を有する。
【0116】
図4は、本発明の物品、好ましくはそのようなラベル、の一つの構造を示しており、これは、好ましくはアクリルペイント又は金属層を含む、外側に露出したグラビア層1.4;モノマーa1として少なくとも一種のアクリル酸及び/又はメタクリル酸を、成分A1の割合に対して3重量%以上乃至5重量%以下の割合で含む、本発明の感圧接着剤Kを含む接着層2.4、及び該グラビア層1.4と接着層2.4との間に配置され、電子ビーム照射により硬化する塗料を含むコントラスト層3.4、及びその接着層2.3の上に配置された保護層4.4を有する。
【発明を実施するための形態】
【0117】
測定は、(特に指定のない限り)、23±1℃及び50±5%の相対空気湿度の試験気候で行われる。
【0118】
測定方法/上述のパラメータ値に関するデータ
架橋しなかったポリアクリレート(重合生成物)の平均分子量の測定
この工程における重量平均分子量M、数平均モル質量M及び重合度Pは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による測定に関連する。該測定は、100μlの清澄ろ過試料(試料濃度4g/L)で行われる。使用される溶離剤は、0.1体積%のトリフルオロ酢酸を有するとテトラヒドロフランである。測定は、25℃で行う。
【0119】
プレカラムとして、カラムタイプPSS−SDV、5μm、10Å、8.0mm×50mm(ここで及び以下において、順に、タイプ、粒度、多孔度、内径×長さ;1Å=10〜10−10m)を使用する。分離のために、タイプPSS−SDV、5μm、10Å並びに10Å及び10Å(いずれも8.0mm×300mm)のカラムの組み合わせをしようする(Polymer Standards Service社のカラム;示差屈折計Shodex RI71を使って検出)。流量は毎分1.0mlである。キャリブレーションは、PMMA標準に対して行われる(ポリメチルメタクリレートキャリブレーション)。
【0120】
軟化点T
樹脂の軟化点Tの測定は、リング−ボール法を使って、対応するDIN EN 1427:2007を適用することによって行われる(そうでない場合に維持された方法ガイドの場合における瀝青に代わる樹脂試料の調査)。該測定は、グリセリン浴中で行われる。この測定の結果は、軟化点に対する指標である。
【0121】
ガラス転移温度T
樹脂のガラス転移温度Tは、動的機械分析(DMA)によって測定した;その際、次の処理法が選択された:ガラス転移温度を、Temperatursweepを使って測定した。本明細書の範囲における全ての指標は、別途、特に示さない限り、これらの測定結果に関連している。DMAの際に、正弦波の機械的応力下における粘弾性材料の特性が、応力の周波数(すなわち、時間)及び温度に依存していることが利用される。
【0122】
全DMA−処理法:
測定装置: Rheometric Scientific RDA III;測定ヘッド:標準力のばね負荷;テンパリング:加熱室;測定ジオメトリー:パラレルプレート装置、試料の厚さ1 (±0.1)mm;試料の径25mm(1mmの厚さの試料を製造するために、試験するための接着テープの5層(200μm)の厚さ1mmの試料を順次積層させた;なぜなら、PETキャリアがレオロジー特性に大きく寄与しないため、その存在を無視することができる。)。
【0123】
水負荷試験(図5参照)
水負荷試験又は試験接着テープの耐水性は、40℃の温度及び60℃の温度で、テンパリング可能なオーブン20で遂行した(図5参照)。そのオーブンの室内には、蓋(図示しない)でカバー可能な試料保持器7があり、それは、蒸留水8で満たされている。水の体積は、試験接着テープ5が、試験期間にわたり、蒸留水で完全に覆われるように選択される。試験期間にわたって、該試験保持器は、水の蒸発が最小限となるようにカバーされる。
【0124】
40℃及び60℃の温度を確認しそして制御するために、温度計10を備えた温度センサー9を利用し、その際、該センサーは、水に導入されている。該温度は、オーブンの外側で読み出すことができる。
【0125】
試験接着テープ5は、ASTM−鋼−試験表面6上に接着した。その試験接着テープ5を試験表面6上に施用した後、基板を接着剤で接着時間1h、24h及び72hの間湿らせ、その際、hは時間である。その後、わずかに傾斜して直立させた試験表面は、その後、水8で満たされた試料容器7に配置され、その際、表面は、水8で完全に覆われていた。試験接着テープ5で接着された試験表面6の配置は、試験表面6間の互いの重なり合い及び接触を回避するために、(図示しない)このために提供された装置で行うことができる。
【0126】
試験は500h又は1000hの期間、それぞれ40℃及び60℃で行った(図5)。引き続いて、光学的又は視覚的な査定及び評価を以下の分類に従って行った。
【0127】
−−=完全な分離、面積の50%超
−=縁部の持ち上げが困難、面積の10%超
○=縁部の持ち上げが簡単、可逆的
+=いくつかの気泡、可逆的、プレスにより除去可能
++=材料の変化なし
【0128】
評価は、説明した構造の試験表面及び室温における20分の再コンディショニング時間後に、図6図8に示された試験接着テープを除去した後に行った(図5)。
【0129】
高温−水負荷試験
基板上の試験接着テープ(ASTM−鋼板)の接着時間は1h、24h及び72hであった。引き続いて、試験接着テープを、80℃、90℃、及び100℃の水温で15分間貯蔵し、その際、試験接着テープは、水で完全に覆った。水から除去した直後及び24hの再コンディショニング後、評価を上述した分類に従って行った。結果を表4に示す。
【0130】
マイクロせん断接着試験に基づく凝集性/軟性の測定:
この試験は、接着剤、特に感圧接着剤の凝集性又は軟性を評価するための迅速な試験であり、μmで示される。値[μm]が高ければ高い程、接着剤、感圧接着剤は軟らかい。
【0131】
1cm幅の接着テープの細片を、研磨した鋼製プレート(試験基板)上に長さ5cmに、2kgのローラーで10回オーバーロールして接着する。該試験細片を、190μmの厚さのPETフィルムで強化し、そしてそれから固定装置を使って直線の縁部を有するよう切断する。その際に、強化された試験細片の縁部は、鋼製プレートの縁を1mm超えている。該プレートは、15分間、試験条件下(23℃、50%の相対空気湿度)で、測定装置ではあるが、負荷なく平衡化させる。引き続いて、所望の試験おもり(ここでは50g)をつり下げて、せん断応力が接着面に対して平行になるようにする。μm−範囲の解像度を有する変位センサーにより、時間によるせん断変位をグラフに記録する。
【0132】
マイクロせん断変位μS1として、定義された期間(ここでは10分)の重量負荷後のせん断変位(せん断力)を示す。
【0133】
ISO 29862:2007に準拠した剥離強度による感圧接着力の測定
接着剤、特に感圧接着剤の感圧接着力は、鋼製プレート上の接着した試験接着テープに対して180°の角度で300mm/分の剥離速度で剥離した剥離強度として測定した。
【0134】
接着力を測定するために、19mm幅の試料細片を、微粉砕(FEPA−グレイン 240のサンドペーパー)した、ステンレス鋼かなる鋼製プレート上に気泡のないように接着し、そして、10m/分の速度で、ゴムを巻き付けた2kg−ローラーで加圧した。その後、該鋼製プレート及びはみ出している接着テープの端部を、180°の剥離角度が生じるように、引張試験機の端部にクランプした。該接着テープを、300mm/分の速度で、該鋼製プレートから引き剥がした。接着力をN/cmで示す。
【0135】
調査した試験接着テープのN/cmの感圧接着力を、ASTM−鋼製プレート上で測定した。
【0136】
a)72hの接着時間後の23℃、40℃、70℃及び100℃における、温度依存性(表2a)及び
b)室温における0分(基板上に試験接着テープを適用した直後に測定)、20分、1h、24h及び72hの接着時間の依存性。
b)の後に測定したN/cm値を、%で追加的に表し、その際、該値は、72h後の値を100%と定義する(表2c)。
【0137】
レーザーフィルムの吸水性の測定
吸水性は、カール−フィッシャーの電量滴定を使って測定した。試料を72h、50℃の水温度で貯蔵し、その際、その試料は、水で完全に覆われていた。該試料を水から取り出して、そして、1h又は24hの再コンディショニング時間後に吸水性の測定を行った。結果を%で示す(表3)。
【0138】
例1:本発明の感圧接着剤の組成
表1に示すような組成の試験接着テープを製造し、水負荷試験で試験した。水負荷試験の結果を表1に示す。
【0139】
【表1】
【0140】
例2:調査した接着剤、特に感圧接着剤
以下の接着剤を、様々な試験接着テープで試験した。
接着剤A(参照1:製品tesa 6940 PV1−HHRの接着剤(比較接着剤)
接着剤Aは、アクリル系感圧接着剤であり、樹脂及びUV顔料で改質されている。凝集性/軟性:45.1μm
【0141】
接着剤B(参照2):6930 PV6 AF48の接着剤(比較接着剤)
接着剤Bは、アクリル系感圧接着剤であり、可塑剤及びUV顔料で改質されており、それ故、接着剤A及びCよりも軟性である。凝集性/軟性:117.6μm
【0142】
接着剤C(接着剤1):代替物I−接着剤Aからわずかに逸脱
接着剤Cは、アクリル系感圧接着剤であり、樹脂及びUV顔料で改質されており、そして、接着剤A及びBよりも高い極性を有する。その感圧接着力は、接着剤Aの感圧接着力に相当する。凝集性/軟性:60.0μm
【0143】
接着剤D(接着剤2):代替物II−接着剤Aからはるかに逸脱
接着剤Dは、アクリル系感圧接着剤であり、樹脂及びUV顔料で改質されており、そして、接着剤A、B及びCよりも軟性である。その感圧接着力は、接着剤Aの感圧接着力よりも高い。凝集性/軟性:206.1μm
【0144】
接着剤E(接着剤3):代替物III−接着剤Aからわずかに逸脱
接着剤Eは、アクリル系感圧接着剤であり、樹脂及びUV顔料で改質されており、そして、接着剤A、B、C及びDよりも高い極性を有する。その感圧接着力は、接着剤Aの感圧接着力よりも高い。
【0145】
例3:接着剤、特に感圧接着剤の感圧接着力
【0146】
【表2】
【0147】
感圧接着力の温度依存性の測定は、温度の上昇に伴い、感圧接着力の低下を示している。
【0148】
【表3】
【0149】
【表4】
【0150】
接着時間の増加に伴い、接着剤、特に感圧接着剤の基板に対する感圧接着力が増大する(表2b)。それぞれの感圧接着剤による基板の72h後の完全な濡れ(100%)から出発して、24時間の短い接着時間後では、感圧接着剤、特に、基板に対する接着剤A、B、C、D又はEの感圧接着による基板の濡れは、95%〜97%完了していない。感圧接着剤による表面の不完全な濡れを有する接着テープの領域において、水負荷試験中に気泡の形成又は接着テープの膨潤の危険性がある。接着剤IIIは、72hの接着時間後に9.42N/cmという最も高い感圧接着力を示し、これは、接着剤IIIに増加した凝集性/軟性をもたらし得る。72hの接着時間後、接着剤IIIは、参照接着剤I(6.43N/cm)よりも約31%高い感圧接着力を示し、そして、接着剤B(5.14N/cm)よりも約45%高い感圧接着力を示す。
【0151】
例4:レーザーフィルムの吸水性
【0152】
【表5】
【0153】
0.75%及び0.88%の含水量を有する未処理のレーザーフィルム 6930 PV6及び6940 PV1と比較して、水中で72h貯蔵した後の含水量の増加が検出可能である。1h及び24hの再コンディショニングに依存して、膨潤したレーザーフィルムから水が漏れ出て、これは、感圧接着剤中の1.44%〜0.99%及び1.56%〜1.22%の、減少した測定可能な含水量で検出可能である。
【0154】
例5:高温水負荷試験
【0155】
【表6】
【0156】
接着剤IIIは、全ての温度において一貫して、かつ、接着時間又は湿潤時間に依存しない良好な耐水性を示す。それに対して、接着剤Iの耐水性は、より短い接着時間及び増大する温度で減少している。接着剤Bは、100℃の温度及び1hの接着時間で最も低い耐水性を有する。接着剤Aは、一貫して、低い耐性乃至悪い耐水性を示し、90℃及び100℃で特に低い。
【0157】
再コンディショニング時間の影響を、図9及び図10に示す。参照接着剤Iで接着した試験接着テープに対する、1hの接着時間後、及び引き続く100℃の水温の作用後、これを水から取り出した直後に、それは明らかな縁部の持ち上がりを示した(図9a)。24hの再コンディショニング後に、その接着テープは、全面的な感圧接着状態を再び取り戻す(図9b)。
【0158】
参照接着剤とは対照的に、接着剤IIIで接着した試験接着テープは、1hの接着時間後、及び引き続く100℃の水温の作用後、これを水から取り出した直後に、気泡の形成を示した(図10a)。24hの再コンディショニング後に、気泡はもはや元に戻らず、そして、その接着テープは、気泡のない感圧接着状態を取り戻す(図10b)。
【0159】
例6:水負荷試験の結果
上述の接着剤を、説明した水負荷試験で試験した。
【0160】
図6a)及び図6b)における接着剤A及びBの例が示すように、40℃での500h後、試験表面は、全ての場合において、72hの接着時間後、材料の変化はなく、それ故、基板からの縁部のはがれや剥離はなかった。60℃での500h後、参照接着剤Iで接着した試験接着テープは、72hの前に、可逆的なわずかな縁部の持ち上がり及びわずかな気泡の形成を示した(図7a))。接着剤Bについて、72hの接着時間後に、重大な縁部の持ち上がり、気泡の形成及び基板から剥離が観察された(図7b))。接着剤I、II及びIIIについて、可逆的な、わずかな縁部の持ち上がりだけが認められたか、又は、材料の変化は認められなかった。それ故、接着剤I、II及びIIIは、水負荷試験において、参照接着剤I及びBに比べて、水に対する改善された耐性を有する。
【0161】
40℃で1000h後には、40℃で500h後と同様の結果が示され、その際、参照接着剤I及びBで72h接着された試験接着テープは、すでに、わずかに気泡の形成を示していた。接着剤I、II及びIIIは、材料における変化が全く示さず、そして、それにより、参照接着剤I及びBに比べて、水に対する改善された耐性を示す。
【0162】
60℃で1000h後には、参照接着剤で72h接着した試験接着テープには気泡の形成及びわずかな縁部の持ち上がりが認められる(図8a)。接着剤Bは、60℃で100hの水負荷試験に合格せず、また、重大な縁部の持ち上がり、気泡の形成及び基板からの剥離を示す(図8b)。接着剤I及びIIは、わずかな縁部の持ち上がりだけを示し、そして、それ故、参照接着剤I及びBに比べて、水に対する改善された耐性を示す(図8c及び図8d)。
【0163】
上記の接着剤による実験は、接着剤、特に感圧接着剤が、基板において十分高い感圧接着性を示すこと、及び/又は接着剤の十分高い軟性が、特に、フィルム上で、長さ及び幅で作用する伸縮力を補償できることを示している。接着剤I、II及びIIIは、水に対する高められた耐性を示し、これは、ポリマーの高められた極性及び接着剤、特に感圧接着剤の軟性に起因することを示している。三つの接着剤I、II及びIIIの全てが、40℃における水負荷試験に合格し、かつ、60℃において、参照接着剤A及びBよりも改善された特性を示す。
【符号の説明】
【0164】
0 本発明の意味におけるラベルの一般的な構造物
1.1、1.2、1.3及び1.4 それぞれ、本発明によるグラビア層
2.1、2.2、2.3及び2.4 それぞれ、本発明による接着層
3.1、3.2、3.3及び3.4 それぞれ本発明によるコントラスト層
4.2、4.3及び4.4 それぞれ、保護層
5 試験接着テープ
6 試験表面
7 試料保持器
8 蒸留水
9 温度センサー
10 温度計
20 オーブン

更に、本発明は以下の実施の態様を包含する:
1.
高極性の表面上に結合するための感圧接着剤Kの使用であって、その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至99重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分Bは、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B
を含み、
その際、該高極性の表面が、
(I)少なくとも一つのヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、SH基又はNH基及び/又は少なくとも一つのイオン基、及び/又は
(II)少なくとも一つのヒドロキシル基を含む、吸着されたマイグレーション可能な少なくとも一つの化合物を含む、上記の使用。
2.
前記(i−a)少なくとも一種のモノマーaが、
(a1)0℃以上のT及び少なくとも一つのカルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa1、
(a2)0℃以上のT及び少なくとも一つのエステル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa2、及び/又は
(a3)0℃以上のTを有し、かつ、エチル残基及び/又はメチル残基を有するカルボキシル基(−COOH)もエステル基も有さないエチレン性不飽和化合物を含むモノマーa3、
から選択され、
その際、該モノマーaの割合が、成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至15重量%以下であり、及びその際、そのうちの該モノマーa1の割合が、成分A1の全含有量に基づいて、1重量%以上乃至8重量%以下であることを特徴とする、前記1に記載の感圧接着剤Kの使用。
3.
前記少なくとも一種のモノマーa1が、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はそれら二つの混合物を含むカルボン酸の群から選択されることを特徴とする、前記1又は2に記載の感圧接着剤Kの使用。
4.
前記少なくとも一種のモノマーbが、線状、分岐状及び/又は官能基で置換されたアルキル残基を有するアクリル酸エステルを含む群から選択され、その際、該線状のアルキル残基は、3個以上乃至14個以下の炭素原子を有することを特徴とする、前記1〜3のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
5.
前記少なくとも一種のモノマーbが、
a)アクリル酸メチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、プロピルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−のニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−テトラデシルアクリレートを含む、置換されていない、線状のアクリル酸エステル、及び/又は
b)2−ヘプチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−メチルブチルアクリレート及びイソデシルアクリレートを含む、分岐状の置換されていない及び/又は置換されたアクリル酸エステル、
から選択され、成分A1の全含有量に基づいて、87重量%以上乃至100重量%以下であることを特徴とする、前記1〜4のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
6.
前記高極性表面が、
(I)鉱物建材の材料の表面であって、尿素基、アミド基及び/又はイソシアネート基の少なくとも一つを含む、該表面、及び/又は
(II)湿潤表面及び/又は湿った表面であって、それぞれ独立して、少なくとも一つの吸着されたマイグレーション可能な、少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する、HO、凝縮相中のHO、蒸気中のHO、水蒸気、水溶液中のHO、HO結晶、湿気中のHO、油を含む混合物中のHO、エマルション中のHO、分散液中のHO、煙中のHO、少なくとも一種のアルコール、水性アルコール溶液、エステルとの混合物における少なくとも一つのヒドロキシル基を含有する化合物及び/又は少なくとも二種の上述の成分の混合物から選択される化合物、
を含むことを特徴とする、前記1〜5のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
7.
前記ポリマー材料における成分A1の少なくとも一つのカルボン酸基が、前記極性表面及び/又は該極性表面上の前記吸着されたマイグレーション可能な化合物と一緒に水素ブリッジ結合のネットワークをベースとする超分子構造を形成することを特徴とする、前記1〜6のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
8.
前記感圧接着剤Kが、少なくとも一つの層の形態であることを特徴とする、前記1〜7のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
9.
前記感圧接着剤層が、フィルム、ダイカット及びラベルを含む、レーザー書き込み可能な多層型物品におけるシート状の感圧接着剤の形態であり、その際、該物品は、少なくとも次の:
(1)少なくとも一つのグラビア層、
(2)該グラビア層の下に配置された、少なくとも一つのコントラスト層、及び
(3)該コントラスト層の下に配置された、前記感圧接着剤Kを含む少なくとも一つの接着層、
を含むことを特徴とする、前記1〜8のいずれか一つに記載の感圧接着剤Kの使用。
10.
前記レーザー書き込み可能な多層型物品が、さらに、
(1.1)前記(1)グラビア層上に配置された支持フィルム、
(1)前記グラビア層が、放射線硬化性塗料を含み、
(2)前記コントラスト層が、電子ビーム硬化性塗料を含み、その際、該グラビア層及びコントラスト層が互いに最高のコントラストにあり、
(3)前記接着層が、7μm以上乃至70μm以下の厚さを有し、及び
(4)任意に、該接着層上に保護層が施用されている、
ことを特徴とする、前記9に記載の感圧接着剤Kの使用。
11.
前記シート状の感圧接着剤が、水負荷試験において、100時間以上乃至1000時間以下の40℃における耐水性を示すことを特徴とする、前記8〜10のいずれか一つに記載の使用。
12.
前記シート状の感圧接着剤が、40℃における水負荷試験において、100時間以上乃至1000時間以下後に、最大でも可逆的な気泡の形成を示すことを特徴とする、前記8〜11のいずれか一つに記載の使用。
13.
(1)少なくとも一つのグラビア層、
(2)該グラビア層の下に配置された、少なくとも一つのコントラスト層、及び
(3)該コントラスト層の下に配置された、感圧接着剤Kを含む少なくとも一つの接着層、
を含む、耐水性、レーザー書き込み可能な多層型物品であって、
その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、2.5重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至97.5重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分は、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B
を含む、吸着されたマイグレーション可能な少なくとも一つの化合物を含む、上記の物品。
14.
前記モノマーa1を含む前記感圧接着剤Kの接着層が、成分A1の全含有量に基づいて、2.5重量%以上乃至15重量%以下、好ましくは、2.5重量%以上乃至8重量%以下の割合で、アクリル酸及び/又はメタクリル酸から選択されることを特徴とする、前記13に記載の物品。
15.
前記コントラスト層が、
(a)30重量%以上乃至80重量%以下の三官能性オリゴマーA、
(b)0重量%以上乃至20重量%以下の三官能性モノマーB、
(c)1重量%以上乃至30重量%以下の二官能性モノマーC、及び
(d)2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料、
を含む、硬化したアクリル系塗料組成物をベースとすることを特徴とする、前記13又は14に記載の物品。
16.
100℃における高温水負荷試験において、15分間耐水性であることを特徴とする、前記13〜15のいずれか一つに記載の物品。
17.
ISO29862に準拠した剥離強度として測定された、23℃において5N/cm以上の接着力を有することを特徴とする、前記13〜16のいずれか一つに記載の物品。
18.
ラベル、フィルム及び/又はダイカットの形態にあることを特徴とする、前記13〜17のいずれか一つに記載の物品。
19.
40℃における水負荷試験において、100時間以上の間耐水性であることを特徴とする、前記13〜18のいずれか一つに記載の耐水性、レーザー書き込み可能かつ多層型物品の使用。
20.
40℃における水負荷試験において、100時間以上の間、最大でも可逆的な気泡の形成を示すことを特徴とする、前記13〜18のいずれか一つに記載の物品の使用。
21.
前記13)〜18)のいずれか一つに記載の多層型物品の製造方法であって、該方法が、1)支持フィルムを提供する工程、
2)該支持フィルムにグラビア層を施用する工程、
3)該グラビア層上にコントラスト層を製造するための組成物を施用する工程、
4)コントラスト層を得るために、前記工程3)からの該組成物を硬化させる工程、
5)前記コントラスト層上に感圧接着剤Kを施用し、該感圧接着剤Kを保護紙又は剥離ライナーでカバーする工程であって、
その際、該感圧接着剤Kが、ポリマー材料由来の架橋生成物であって、該ポリマー材料は、少なくとも次の成分、
(A)少なくとも一種のポリマー成分Aであって、
(i)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、60重量%以上乃至80重量%以下の少なくとも一種の成分A1を含み、該成分A1は、
(i−a)成分A1の全含有量に基づいて、3重量%以上乃至15重量%以下の、少なくとも一種のモノマーaであって、該モノマーは少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物を含み、該モノマーは、それぞれのモノマーaの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが少なくとも0℃であるように選択され、その際、モノマーaの全割合の少なくとも一部が、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合及び少なくとも一つのカルボン酸基を有する化合物を含む少なくとも一種のモノマーa1として存在する、少なくとも一種のモノマーa、及び
(i−b)成分A1の全含有量に基づいて、85重量%以上乃至97重量%以下の、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種のモノマーbであって、該モノマーは、それぞれのモノマーbの対応するホモポリマーのガラス転移温度Tが−30℃以下であるように選択される、少なくとも一種のモノマーb、
を含み、
その際、(i−a)少なくとも一種のモノマーa及び(i−b)少なくとも一種のモノマーbは、該成分A1中、合計100重量%の割合で存在する、成分A1、及び
(ii)ポリマー成分Aの含有量に基づいて、20重量%以上乃至40重量%以下の少なくとも一種の樹脂成分A2、
を含み、
その際、(i)少なくとも一種の成分A1及び(ii)少なくとも一種の樹脂成分A2は、ポリマー成分A中、合計100重量%の割合で存在する、ポリマー成分A、
及び、
(B)共有結合により架橋する、二官能性化合物又は多官能性化合物を含む、少なくとも一種の架橋剤成分Bであって、
その際、(A)少なくとも一種のポリマー成分A及び(B)少なくとも一種の架橋剤成分Bは、合計で、上記のポリマー材料の全組成物の95重量%以上の割合で存在している、架橋剤成分B
を含む、工程、及び
6)該支持フィルムを除去する工程、
を含む、上記の方法。
22.
前記工程3)において、
(a)30重量%以上乃至80重量%以下の三官能性オリゴマーA、
(b)0重量%以上乃至20重量%以下の三官能性モノマーB、
(c)1重量%以上乃至30重量%以下の二官能性モノマーC、及び
(d)2重量%以上乃至40重量%以下の着色顔料、
を含む組成物が塗工されることを特徴とする、前記21に記載の多層型物品の製造方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a)】
図6b
図7a)】
図7b)】
図8a)】
図8b)】
図8c)】
図8d)】
図9a)】
図9b)】
図10a)】
図10b)】