(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567044
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】内燃機関用電磁弁
(51)【国際特許分類】
H01F 7/16 20060101AFI20190819BHJP
H01F 7/121 20060101ALI20190819BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20190819BHJP
F02B 33/00 20060101ALI20190819BHJP
F02B 37/12 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
H01F7/16 R
H01F7/121
F16K31/06 305A
F16K31/06 305K
F16K31/06 385A
F02B33/00 E
F02B37/12 303F
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-515061(P2017-515061)
(86)(22)【出願日】2015年8月25日
(65)【公表番号】特表2017-535068(P2017-535068A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2015069419
(87)【国際公開番号】WO2016041743
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2017年5月17日
(31)【優先権主張番号】102014113566.0
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593209987
【氏名又は名称】ピールブルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Pierburg GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン レンク
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー パウル
【審査官】
久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−531787(JP,A)
【文献】
特開2002−289426(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0147584(US,A1)
【文献】
特開2004−183681(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/068765(WO,A1)
【文献】
特開2014−047800(JP,A)
【文献】
特開2013−083339(JP,A)
【文献】
特開2000−161522(JP,A)
【文献】
実開平07−036410(JP,U)
【文献】
特開2002−027723(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/029814(WO,A1)
【文献】
特開2002−134316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/06−7/17
F16K 31/06−31/11
F02B 33/00−41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(12,36)と、
前記ハウジング(12,36)内に配置された電磁アクチュエータ(10)と、
前記ハウジング(12,36)から軸線方向で突出し、かつ、前記アクチュエータ(10)のアーマチュア(30)に接続されて運動可能であり、かつ、前記アーマチュア(30)とともに運動ユニット(44)を形成している、制御体(42)と、
前記アクチュエータ(10)のコア(18)から離れる向きでの前記運動ユニット(44)の軸線方向運動を軸線方向で制限する手段と、
を備えた、内燃機関用電磁弁において、
前記運動ユニット(44)の軸線方向運動を制限する前記手段は、前記ハウジング(12,36)に配置されておりかつ前記運動ユニット(44)の半径方向の凹部(76)に係合する少なくとも1つのフック(88)によって形成されており、
前記凹部(76)は、前記制御体(42)において、前記アーマチュア(30)の、前記コア(18)とは反対側の軸線方向端部から延在している、
ことを特徴とする、内燃機関用電磁弁。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフック(88)は、前記ハウジング(12,36)の1つのハウジング部(36)と一体に構成されている、
請求項1に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項3】
前記ハウジング(12,36)は、アクチュエータハウジング部(12)と接続ハウジング部(36)とを有しており、
前記アクチュエータハウジング部(12)には、コイル(14)がコイル支持体(16)上に配置されており、
前記接続ハウジング部(36)は、前記制御体(42)の円筒外面(48)を包囲するリング状のハウジング壁(46)を有しており、
前記フック(88)は前記接続ハウジング部(36)に構成されている、
請求項1又は2に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項4】
前記接続ハウジング部(36)から軸線方向で少なくとも1つの保持エレメント(86)が延在しており、前記保持エレメント(86)の端部に、当該保持エレメント(86)の半径方向内側の縁部から延在する前記フック(88)が形成されている、
請求項3に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項5】
前記フック(88)の一方の端部から前記アーマチュア(30)の中心軸線までの半径方向距離は、前記アーマチュア(30)の半径より小さい、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項6】
前記コア(18)から前記フック(88)までの軸線方向距離は、少なくとも、前記制御体(42)が前記電磁弁の組み付け状態で弁座に載置された位置での、前記コア(18)とは反対側の前記アーマチュア(30)の軸線方向端部の距離に等しい、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項7】
前記凹部(76)の軸線方向高さは、少なくとも、前記電磁弁の組み付け状態での前記アーマチュア(30)の調整距離に、前記フック(88)の軸線方向の延在長さ、及び、前記制御体(42)が前記弁座に載置された位置での前記アーマチュア(30)から前記フック(88)までの距離を加算したものに等しい、
請求項6に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項8】
前記制御体(42)は、内側の中空体(56)と、これに固定されたほぼ円筒形の中空体(54)とを有し、
前記内側の中空体(56)は、半径方向で前記ほぼ円筒形の中空体(54)の内部に配置されており、
前記凹部(76)は、前記内側の中空体(56)の軸線方向セクション(74)に構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項9】
3つの前記フック(88)が、前記ハウジング(12,36)の周上に均等に分散されて構成されている、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項10】
前記3つのフック(88)とその保持エレメント(86)とが、前記周上に均等に分散されて、ばね(82)のガイドセクション(84)として用いられるリングセグメント状の複数の突出部の中間空間に配置されており、
前記複数の突出部は、前記接続ハウジング部(36)の中央開口(40)を包囲し、前記接続ハウジング部(36)から前記制御体(42)の方向で延在している、
請求項4を引用する請求項9に記載の内燃機関用電磁弁。
【請求項11】
少なくとも1つの前記フック(88)は、ばね(82)用の前記ガイドセクション(84)の軸線方向端部に構成されている、
請求項10に記載の内燃機関用電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと、ハウジング内に配置された電磁アクチュエータと、ハウジングから軸線方向で突出しかつアクチュエータのアーマチュアに接続されて運動可能でありかつアーマチュアとともに運動ユニットを形成している制御体と、アクチュエータのコアから離れる向きでの運動ユニットの軸線方向運動を軸線方向で制限する手段とを備えた、内燃機関用電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
このような電磁弁は、内燃機関において種々の用途に必要となる。このような弁の一例として、ターボチャージャのコンプレッサの圧力側から、圧縮された新気を、場合により再循環させられた排気ガスと共にコンプレッサの吸入側へ戻すように再循環させる電磁操作式のブローオフバルブを挙げることができる。コンプレッサの圧力側と吸入側との間のバイパス管路による接続は、内燃機関の高負荷からアクセルオフ運転への移行のために必要となり、これによって、閉鎖されたスロットルバルブへの過給圧ポンプの高い圧送と、これに基づき生じるポンピング作用と、ターボ回転数の過度の急降下の結果として生じる熱力学的な問題とが阻止される。
【0003】
この場合、弁座は、通常、ターボチャージャハウジングに組み付けられたバイパス管路内に構成されている。このことは、制御体がバイパス管路の相応の開口を通って弁座へ案内され、さらにアクチュエータがバイパス管路のハウジングにねじ止めされることを意味する。ただし、こうした弁では、アクチュエータ及び制御体から成るモジュール群を先行時点ではアクチュエータから取り外せず、このため組み付け及び搬送が著しく困難であることに注意が必要である。したがって、弁を予め組み立てて完成させ、流れハウジングに挿入し、そこに固定できることが望ましい。
【0004】
独国特許出願公開第19749641号明細書(DE19749641A1)から、スリーブ及びシールリングから成る制御体の上方へ弁を搬送するために、付加的な保護キャップが押し込まれる電磁弁が公知である。なお、組み付け前には当該保護キャップは取り外されなければならないので、組み立ての際には制御ユニットの個々の部材の相互の正確な位置決めにさらに注意が必要である。
【0005】
独国特許出願公開第102004044439号明細書(DE102004044439B4)からは、制御体に外部へ向かうシールが配置されたブローオフバルブが公知である。当該シールはハウジング部上に載置されるので、制御体はアーマチュアによってハウジングから滑り出すことがない。ただし、これは、シールが機械的負荷に曝され、シールリングに障害が生じてその結果動作中に漏れが発生しうることを意味する。
【0006】
同様の問題は、欧州特許第1941138号明細書(EP1941138B1)に開示されているようなブローオフバルブにおいても生じる。この場合、アクチュエータに向かう閉鎖体の領域にリング状の拡張部が設けられており、この拡張部は、弁の組み付け前、断面で見てV字状のシールに接している。したがって、当該構成においても、アーマチュア及び制御体から成るモジュール群の脱落はシールによって防止されるが、このシールは損傷を受けるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第19749641号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102004044439号明細書
【特許文献3】欧州特許第1941138号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、管路の開口へ弁を搬送して組み付ける際に、アーマチュア‐制御体モジュール群の脱落が確実に防止され、その際に制御体を閉鎖状態で封止するシールが障害を受けるおそれのない電磁弁を提供することを課題とする。また、このために付加的な部材を使用する必要がないことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項1の特徴を有する内燃機関用電磁弁によって解決される。
【0010】
運動ユニットの軸線方向運動を制限する手段が、ハウジングに配置されかつ運動ユニットの凹部に係合する少なくとも1つのフックによって形成されていることにより、搬送時にハウジングと制御体との間のシールにかかる負荷が排除される。また、付加的な組み付け部材も必要ない。
【0011】
好ましくは、少なくとも1つのフックが、ハウジングの1つのハウジング部と一体に構成される。したがって、フックは、1ステップでハウジング部と同時に製造可能であり、これにより付加的な組み付けステップもしくは製造ステップを省略できる。
【0012】
有利には、ハウジングは、アクチュエータハウジング部と接続ハウジング部とを有し、フックは接続ハウジング部に構成される。当該接続ハウジング部は、動作中、制御体の収容に用いられる。これは、簡単なプラスチック射出成形によって製造可能な部材である。
【0013】
ここで、フックは、接続ハウジング部の、アーマチュアが貫通している領域において、半径方向内側の縁部から延在する。当該位置は特別な寸法において特に適する。なぜなら、フックは、運動するユニットの近傍に配置されるため、小さく構成されることがあるからである。
【0014】
特に好ましい実施形態では、フックの一方の端部からアーマチュアの中心軸線までの距離は、アーマチュアの半径より小さい。これにより、フックはアーマチュアの後方で係合することができるので、安定なアーマチュアに支持力が作用し、よって、他の部材での障害が確実に回避される。
【0015】
さらに有利には、コアからフックまでの軸線方向距離は、少なくとも、制御体が弁座に載置された位置での、コアとは反対側のアーマチュアの軸線方向端部の距離に等しい。このようにすれば、フックが制御すべき管路の閉鎖を阻害せず、電磁弁の動作時よりも大きな軸線方向運動が生じた場合にのみアーマチュアでの接触が生じることが保証される。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態では、凹部の軸線方向高さは、少なくとも、アーマチュアの調整距離に、フックの軸線方向の広がり、及び、制御体が弁座に載置された位置でのアーマチュアからフックまでの距離を加算したものに等しい。これにより、動作中、アーマチュアと制御体との完全に自由な運動が可能となる。
【0017】
好ましくは、凹部は、制御体において、アーマチュアの、コアとは反対側の軸線方向端部から延在する。つまり、アーマチュアは、通常のごとく、フックが搬送中下方で接するほぼ円筒形のボディとして製造可能である。制御体そのものに相応の凹部を設けることは、構造的に簡単に行える。
【0018】
これを発展させた構成として、制御体は、内側の中空体とこれに固定されたほぼ円筒形の中空体とを有し、凹部は内側の中空体の軸線方向セクションに形成される。このようにすれば、制御体の側方に通じている管路を、完全に円筒形に形成された中空体によって封止でき、フックを内側の通流の無い領域に配置できる。
【0019】
好ましくは、3つのフックが、ハウジングの周上に均等に分散されて構成される。これにより、アーマチュアの全周での把持が行われ、片側のみの負荷に起因するアーマチュアもしくは制御体の摩耗が排除される。
【0020】
好ましくは、3つのフックとその保持エレメントとが、周上に均等に分散されて、ばねのガイドセクションとして用いられるリングセグメント状の複数の突出部の中間空間に配置される。このようにすれば、ばねの確実なガイドと搬送安全性とが達成され、さらに、射出成形の際に使用される材料を低減できる。
【0021】
特に好ましくは、少なくとも1つのフックが、ばね用のガイドセクションの軸線方向端部に構成される。こうしたガイドセクションは、例えば、相応に傾動もしくは半径方向移動を防止するねじばねによって包囲される。
【0022】
このようにして、アーマチュア及び制御体の確実な搬送安全性を有し、その際に弁のシールが負荷を受けない、内燃機関用電磁弁が提供される。また、動作中、こうしたユニットの自由な運動性が保証される。付加的な組み付けステップ又は製造コストも回避される。
【0023】
本発明の電磁弁の実施形態を、内燃機関の圧縮器用のブローオフバルブの例に則して説明及び図示する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明のブローオフバルブの側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示されている本発明のブローオフバルブは、アクチュエータハウジング部12を備えた電磁アクチュエータ10から形成されており、このアクチュエータハウジング部12では、コネクタ15を介して電流を供給可能なコイル14がコイル支持体16上に配置されている。コイル支持体16の半径方向内側の領域には磁化可能コア18が固定されており、その軸線方向端部はコイル支持体16から突出している。ここで、コア18は、その軸線方向端部において、コイル14を包囲するヨーク22に接続されたフィードバックプレート20によって包囲されている。コイル支持体16の、コア18とは反対側の端部には別のフィードバックプレート24が設けられており、この別のフィードバックプレート24は、半径方向外側の領域でヨーク22に接触し、かつ、コイル支持体16内へ延在する、軸線方向内側の延長部26を有する。
【0026】
軸線方向の延長部26の半径方向内側には、アーマチュア30を運動時に軸線方向でガイドするガイドスリーブ28が配置されている。
【0027】
アクチュエータハウジング部12は、コア18とは反対側の軸線方向端部に、接続ハウジング部36のベースボディ34が収容される円形の凹部32を有する。当該ベースボディ34は、アクチュエータハウジング部12の箇所で中間のシール38を介してフィードバックプレート24に接し、アクチュエータハウジング部とともにブローオフバルブのハウジングを形成している。
【0028】
ベースボディ34には、アーマチュア30又は当該アーマチュア30及び制御体42から成る運動ユニット44が通過して突出する中央開口40が形成されている。半径方向外側の領域では、接続ハウジング部36のベースボディ34から軸線方向に、制御体42の円筒外面48を包囲するリング状のハウジング壁46が延在している。当該ハウジング壁46に、シール50の、断面で見てV字状の一方の脚部が接しており、他方の脚部は円筒外面48に接しているので、ハウジング壁46と制御体42との間の空隙は封止される。当該シール50は保護リング52上に載置されており、この保護リング52は、接続ハウジング部36に固定されており、かつ、アクチュエータ10の反対側から接続ハウジング部36に押し当てられている。これにより、ハウジング壁46は半径方向で保護リング52によって包囲され、軸線方向で保護リング52によって画定される。
【0029】
制御体42は、第1の中空体54と、半径方向で第1の中空体54の内部に配置された第2の中空体56とから形成される。第1の中空体54は、周囲を閉鎖している円筒外面48を有しており、この外面のアーマチュア30から遠い側の端部に、半径方向内側へ延在するリング状プレート58が形成されている。第2の中空体56は半径方向外側のリング状プレート60を有しており、このリング状プレート60は、溶接によってリング状プレート58に固定されており、かつ、その内周から外套面62が第1の中空体54の内側領域へ延在している。第2の中空体56のリング状プレート60の半径方向外側の領域にはシールリング64が一体成形されており、接続されている流れハウジングを弁座上に載置するための当該シールリング64の有効直径は、第1の制御体42の円筒外面48の直径にほぼ対応する。第2の中空体44の外套面54には、流れハウジングの流入口とブローオフバルブのハウジング内室68とを恒常的に流体連通している開口66が形成されており、当該ハウジング内室68は、第1の中空体54と接続ハウジング部36とガイドスリーブ28とによって画定されている。これにより、ハウジング内室68内の圧力がブローオフバルブの閉鎖方向に作用する断面積は、流入口側で圧力がブローオフバルブの開放方向に作用する制御体42の断面積と等しいかもしくは僅かに大きくなる。
【0030】
内側の第2の中空体56は、まず、プレート60の内周から円筒状にアーマチュア30の方向へ延在している。当該軸線方向セクション70にも開口66が設けられている。さらなる延長部では、中空体56に段部72が形成されており、この段部72から直径の低減された中空体56が軸線方向にさらに延在している。したがって、第2の中空体56の当該円筒状セクション74は、アーマチュア30の直径より小さい直径を有する。当該セクション74の領域では、中空体56はアーマチュア30に接するエラストマー76とともに射出成形されている。制御体42をアーマチュア30に固定するために接続エレメント78が使用され、この接続エレメント78は、アーマチュア30の軸線方向端部に溶接によって固定され、実質的に半径方向でエラストマー76内に配置される。接続エレメント78は、アーマチュア30とは反対側に半径方向の拡張部80を有しており、この拡張部80は軸線方向でエラストマー76に接しており、このエラストマー76の軸線方向端部は段部72に接している。これにより、第2の中空体56はアーマチュア30に固定されている。
【0031】
さらに、コイル14に通電がないときに制御体42が弁座に載置された状態にあることを保証するために、第1の中空体54の内部にねじばね82が配置されており、このねじばね82は第1の中空体54のプレート58に対して付勢された状態で載置され、その軸線方向反対側の端部は接続ハウジング部36のベースボディ34に接している。当該ねじばね82は、制御体42の方向で軸線方向に延在するガイドセクション84を通り、リングセグメント状の3つの突出部の形態で周上に均等に分散されており、接続ハウジング部36の中央開口40を包囲し、その位置で半径方向にこれを保持している。このために、ガイドセクション84は、ねじばね82の内径より僅かに小さい外径を有している。
【0032】
本発明によれば、それぞれ、ガイドセクション84の中間空間に軸線方向でベースボディ34から3つの保持エレメント86が延在しており、その端部にそれぞれ1つずつ、円筒状セクション74の方向に延在するフック88が形成されている。当該セクション74は、本発明においては、フック88が係合する、アーマチュア30の半径方向の延長部に対応する凹部76を形成している。相応に、フック88の半径方向内側の端部は、アーマチュア30の外周までの距離よりも小さい、アーマチュア30の中心軸線までの距離を有する。このため、アーマチュア30の軸線方向運動は、フック88によって制限される。なぜなら、アーマチュア30は、コア18から離れる向きでの軸線方向運動が継続される際に、コア18とは反対側の端部で、フック88に当接しているからである。したがって、運動ユニット44は、組み付けもしくは搬送の際の脱落に対して確実に保護される。同時に、組み付け状態において運動ユニット44の運動が制限されないことを保証するために、アーマチュア30の軸線方向端部から第2の中空体の段部72までの距離は、少なくとも、アーマチュア30の調整距離に、フック88の軸線方向の広がりと、制御体42が弁座に載置された位置でのアーマチュア30からフック88までの距離とが加算されたものに等しくなるように選定される。さらに、保持エレメント86の長さは、フック88が、制御体42が弁座に載置された位置でのアーマチュア30の軸線方向端部までの小さな距離を有するように、つまり、コア18からフック88までの軸線方向距離が、少なくとも、制御体42が弁座に載置された位置での、アーマチュア30の、コア18とは反対側の軸線方向端部までの距離に等しくなるように選定される。
【0033】
相応に、組み付けの際にも搬送の際にも運動ユニット44の確実な固定が行われる一方、動作中、運動ユニット44の切り替えの際に、調整距離を任意に走行させることができる。このための付加的な方法ステップもしくはモジュールは必要ない。
【0034】
本発明の権利範囲が上述した実施形態に限定されないことは明らかなはずである。特に凹部は、アーマチュア又は制御体の他の位置にも形成できる。フックも相応にハウジングの別の位置に形成もしくは組み付け可能である。また、アーマチュアのエッジ摩耗を防止するために、凹部を、単独の制御体のスリットとして形成することもできるし、任意の数だけフックに設けることもできる。