特許第6567053号(P6567053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6567053車両を動作させるための方法及び製造システムを稼働させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567053
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】車両を動作させるための方法及び製造システムを稼働させるための方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 65/18 20060101AFI20190819BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20190819BHJP
   G05D 1/02 20060101ALI20190819BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   B62D65/18 Z
   G05D1/00 B
   G05D1/02 H
   G05B19/418 P
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-528581(P2017-528581)
(86)(22)【出願日】2015年10月22日
(65)【公表番号】特表2017-538619(P2017-538619A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2015074455
(87)【国際公開番号】WO2016083029
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年5月26日
(31)【優先権主張番号】102014224082.4
(32)【優先日】2014年11月26日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102011109346(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102011113320(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102009022281(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102012016519(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102011108662(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102012008777(DE,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102011109597(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 65/00
G05D 1/02
G05B 19/418
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(401)を動作させるための方法において、
前記車両(401)は、自律的に又は遠隔制御により、車両を生産するための製造システム(501)内を走行し(101)、前記製造システム(501)は、車両製造のための組立ライン及び駐車場を有しており、
前記車両(401)は、前記組立ラインが終端すると前記駐車場まで走行し(201)、当該駐車場に停止し(203)、
前記車両(401)は、当該車両(401)の走行中に、車両外部のナビゲーションインフラストラクチャに含まれる1つ又は複数の信号発生器によって位置を確認し、前記車両(401)が前記組立ラインから前記駐車場に走行している間の前記車両(401)のルートは、前記車両外部のナビゲーションインフラストラクチャに含まれる前記1つ又は複数の信号発生器からの信号に従うことによって、前記車両(401)が1つ又は複数の目標位置に到達し得るものとなっており、前記ルートは、信号装置によって、人間または別の車両に関して遮断されている、
ことを特徴とする、車両(401)を動作させるための方法。
【請求項2】
前記車両(401)は、前記組立ラインの1つの製造装置から別の製造装置まで走行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両(401)は、当該車両(401)の走行中に、1つ又は複数の車両検査を実施するための1つ又は複数の検査装置まで走行する(301,303)、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記車両(401)の前記走行を、車両外部の監視システムを用いて、少なくとも部分的に監視及び/又は記録する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両(401)の前記走行を、車両外部の監視システムを用いて、完全に監視及び/又は記録する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記走行中に生成される車両内部の車両データを監視及び/又は記録する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記車両(401)は、前記自律的な走行に関連するデータを受信し、当該データに基づいて、前記車両(401)は自律的に前記製造システム(501)内を走行する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記遠隔制御による走行に関して、前記車両(401)は、1つ又は複数の遠隔制御命令を受信し、
前記車両(401)は、前記1つ又は複数の遠隔制御命令に応答して、対応する遠隔制御により走行する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムにおいて、
当該コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されるときに、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含んでいることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項10】
車両(401)が、製造システム(501)を用いた前記車両(401)の製造の範囲において、請求項9に記載のコンピュータプログラムを実行することを特徴とする、車両を生産するための製造システム(501)を稼働させるための方法。
【請求項11】
請求項9に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されていることを特徴とする、車両(401)。
【請求項12】
請求項10に記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする、車両を生産するための製造システム(501)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を動作させるための方法、車両、車両を生産するための製造システム、車両を生産するための製造システムを稼働させるための方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
刊行物、独国特許出願公開第102012222562号明細書(DE 10 2012 222 562 A1)には、車両を起点位置から目標位置へと移動させるための、商用駐車場のためのシステムが開示されている。
【0003】
車両を製造するための製造システムにおいては、通常の場合、車両が組立コンベア上で、製造装置から次の製造装置へと運ばれる。製造装置の終端では、ドライバが車両を手動で駐車場まで運転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012222562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の開示
本発明が基礎とする課題は、車両を生産するための製造システムを効率的に稼働させることができる、車両を動作させるための方法を提供することにあると考えられる。
【0006】
本発明が基礎とする課題は、相応の車両、車両を生産するための相応の製造システム、製造システムを稼働させるための相応の方法、及び、コンピュータプログラムをそれぞれ提供することにあると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題は、各独立請求項に記載されている対象によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0008】
1つの態様によれば、車両が、自律的に又は遠隔制御により、車両を生産するための製造システム内を走行する、車両を動作させるための方法が提供される。
【0009】
更に1つの態様によれば、車両を動作させるための方法を実施するように構成されている車両が提供される。
【0010】
更に1つの態様によれば、車両が、製造システムを用いた当該車両の製造の枠内で、車両を動作させるための方法を実施する、車両を生産するための製造システムを稼働させるための方法が提供される。
【0011】
更に1つの態様によれば、車両を生産するための製造システムを稼働させるための方法を実施するように構成されている、車両を生産するための製造システムが提供される。
【0012】
1つの別の態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、このコンピュータプログラムは、コンピュータにおいて実行されるときに、車両を動作させるための方法、及び/又は、車両を生産するための製造システムを稼働させるための方法を実施するためのプログラムコードを含んでいる。
【0013】
即ち本発明は、特に、車両が、自律的に又は遠隔制御により、製造システム内を走行するという着想を含んでいる。つまりこのことは、もはやドライバが車両を手動で運転する必要はないということを意味している。従って、製造システムにとって貴重なリソースが自由になる。更に、自律的な走行又は遠隔制御による走行によって、時間を節約することができる。何故ならば、ドライバが車両に乗って、車両を停止した後に再び車両から降りることはもはや必要なくなるからである。この乗り降りにドライバの時間が取られる。更に有利には、自律的な走行又は遠隔制御による走行に関する車両の機能性を、まだなお製造システム内で検査することができ、それによって、場合によっては起こり得る誤動作を、まだなお製造システム内で解決することができる。これによって、製造システムから離れた際に初めて、例えばエンドユーザのもとで初めて誤動作が確認されるという状況に比べれば、煩雑性は遥かに低くなっている。
【0014】
また、車両はよりフレキシブルに製造システム内を、自律的に又は遠隔制御により移動することができる。何故ならば、製造システム内での車両の移動に関して、もはやコンベアベルト又は組立コンベアを使用する必要がないからである。それらは、その幾何学的配置に関して事後的な変更を行うことはもはや不可能である。従って、一般的に、製造システムをフレキシブルに構成することができる。特に、コンベアベルト又は組立ベルトを節約することができる。
【0015】
即ち、本発明によれば、製造システムを効率的且つ廉価に稼働させることができるコンセプトが提供される。
【0016】
本発明の範囲において「自律的」とは、特に、車両が自動的に、即ちドライバが介入することなく、製造システム内を、特に駐車場を移動若しくは走行すること、又は、遠隔制御により誘導されることを意味している。即ち、車両は自動的に駐車場を走行し、その際に、ドライバはその走行に関して車両を制御する必要はない。誘導には特に車両の横方向及び/又は縦方向の誘導が含まれる。更に付加的に、自動的に入庫及び出庫することができるその種の自律的に走行する車両は、例えばAVP車両とも称される。AVPとは「Automatic Valet Parking」の略記であり、「自動駐車プロセス」と翻訳することができる。このAVP機能を備えていない車両は、例えば、通常の車両と称される。
【0017】
本発明の範囲における駐車場は、駐車フロアと称することもでき、車両を駐車する場所として使用される。従って、駐車場は、特に(私有地の駐車場における)複数の駐車マス又は(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有している、1つの繋がったスペースを形成している。1つの実施の形態によれば、駐車場にパーキングビルを含ませることができる。特に、駐車場にはガレージが含まれる。
【0018】
本発明の範囲における駐車位置とは、車両が自律的に駐車すべき位置である。
【0019】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置に入庫するか、又は、遠隔制御により駐車位置に入庫する。
【0020】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置から出庫するか、又は、遠隔制御により駐車位置から出庫する。
【0021】
1つの別の実施の形態によれば、製造システムが、車両製造のための組立ラインを有している。
【0022】
1つの実施の形態によれば、組立ラインは、製造すべき車両の多数の製造ステップを時間的に連続して実施する、空間的に連続する一連の製造装置を含んでいる。
【0023】
1つの別の実施の形態においては、製造システムが駐車場を含んでいる。
【0024】
1つの実施の形態によれば、製造システムが、車両製造のための組立ライン及び駐車場を有しており、その場合、車両は組立ラインが終端すると駐車場まで走行して、その駐車場に停止する。これによって、特に、車両の完成後に、車両にAVP(Automatic Valet Parking)機能が適切に実装されたか否かを、即座に且つ直接的に検査することができるという技術的な利点が得られる。つまりこのことは、車両のAVP機能性に問題はないか否かを検査することができるか、又は、車両のAVP機能性に問題はないか否かが検査されることを意味している。特に、組立ラインが終端してから駐車場まで自律的に又は遠隔制御により走行することによって、このタスクのために人間のドライバを派遣する必要はもはやなくなる。これによって、リソース及び時間を節約することができる。
【0025】
1つの別の実施の形態によれば、製造システムが、車両製造のための組立ラインを有しており、その場合、車両はその組立ラインの1つの製造装置から別の製造装置まで走行する。これによって、特に、製造装置から次の製造装置まで車両を移動させるために、組立コンベア又はコンベアベルトをもはや使用する必要がないという技術的な利点が得られる。またこれによって、有利にはコストを削減することができる。特に、これによって、組立コンベア又はコンベアベルトに関するメンテナンスコストを削減することができる。特に、ここでもまた、車両のAVP機能性を検査することができる。特に、ここでは、車両が正確に自律的に走行しているか否か、又は、車両が正確に遠隔制御により走行しているか否かを検査することができる。
【0026】
1つの実施の形態においては、車両がその走行中に、1つ又は複数の車両検査を実施するための1つ又は複数の検査装置に向かって走行する。これによって、特に、ここでもまた検査装置までの走行のために人間のドライバを派遣する必要がないという点において、車両の効率的な検査を実施することができるという技術的な利点が得られる。車両は、自動的に、即ち自律的に又は遠隔制御により、1つ又は複数の検査装置に向かって走行する。
【0027】
1つの実施の形態によれば、1つ又は複数の検査装置が、凹み検査、塗装検査、車両照明の照明検査のうちの少なくとも1つ又は複数を実施するように構成されている。
【0028】
1つの別の実施の形態によれば、車両の走行が、車両外部の監視システムを用いて、少なくとも部分的に、特に完全に監視及び/又は記録される。これによって、特に、走行後であっても、その走行を追跡することができるという技術的な利点が得られる。特に、例えば、走行中に生じたエラー又は誤動作を追跡することができる。この監視によって、特に、車両のエラー又は誤動作が生じた場合、それによって障害が発生してしまう前に、即座に且つ直接的に介入することができるという技術的な利点が得られる。走行の記録には、特に、走行の映像による記録、一般的には録画が含まれる。
【0029】
1つの実施の形態によれば、走行中に生成される車両内部の車両データが監視及び/又は記録される。ここでは特に、車両の走行の監視又は記録との関係において説明した技術的な利点と同じ技術的な利点が得られる。
【0030】
1つの実施の形態によれば、車両内部の車両データが車両自体に記憶され、例えば車両内部のメモリに記憶される。
【0031】
1つの実施の形態によれば、記憶されている車両内部の車両データが、走行中及び/又は走行後に、車両内部のメモリから読み出される。
【0032】
これに付加的又は選択的に、1つの別の実施の形態によれば、走行中に生成される車両内部の車両データが、通信ネットワークを介してサーバに送信又は伝送される。例えばその種のサーバは、有利には、車両内部の車両データを評価することができる。このために、サーバは例えば、車両内部の車両データを評価するように構成されているプロセッサを含んでいる。1つの実施の形態によれば、サーバは製造システムに含まれている。このことは、車両内部のデータが通信ネットワークを介して製造システムに送信されることを意味している。
【0033】
1つの実施の形態によれば、通信ネットワークには、WLANネットワーク及び/又は移動無線網が含まれる。
【0034】
1つの実施の形態によれば、通信ネットワークを介する通信が暗号化されている、又は、暗号化される。
【0035】
1つの実施の形態によれば、監視システムは、1つ又は複数のビデオカメラ、及び/又は、1つ又は複数のレーダセンサ、及び/又は、1つ又は複数の超音波センサ、及び/又は、1つ又は複数のライダセンサ、及び/又は、1つ又は複数のレーザセンサ、及び/又は、1つ又は複数のライトバリヤ、及び/又は、1つ又は複数のドア開放センサを含んでいる。
【0036】
1つの実施の形態によれば、車両が、車両周囲をセンサにより検出するための周囲センサ系を含んでいる。周囲センサ系は、有利には、レーダセンサ、ライダセンサ、超音波センサ、ビデオセンサ及びレーザセンサのうちの1つ又は複数を含んでいる。
【0037】
1つの実施の形態によれば、車両が、通信ネットワークの1つ又は複数の加入者装置と通信するように構成されている通信インタフェースを含んでいる。例えば、通信インタフェースは、データを、特に車両内部の車両データを、通信ネットワークを介して1つ又は複数の加入者装置に送信するように構成されている。特に、通信インタフェースは、データを、例えば制御命令を、通信ネットワークを介して受信するように構成されている。即ち、1つの実施の形態によれば、製造システムが車両を遠隔制御するように構成されている。これは制御命令を用いて行われる。
【0038】
通信ネットワークの加入者装置は、例えば、車両を生産するための製造システムである。
【0039】
1つの別の実施の形態によれば、製造システムが通信インタフェースを含んでおり、この通信インタフェースは、通信ネットワークの1つ又は複数の加入者装置と通信するように構成されている。ここでは、通信ネットワークの加入者装置が、例えば車両である。
【0040】
1つの別の実施の形態によれば、車両が自律的な走行に関連するデータを受信し、このデータに基づいて車両は自律的に製造システム内を走行する。これによって、特に、製造システムにおける又は製造システム内での、車両の効率的且つ自律的な走行が実現されるという技術的な利点が得られる。何故ならば、このために、車両は関連するデータを受信しているからである。それらの関連するデータは、例えば、製造システムを用いて車両に送信される。
【0041】
自律的な走行に関連するデータは、例えば、ディジタルマップの地図データ、製造システム内に存在する1つ又は複数の固定の物体の位置データ、製造システム内に存在する1つ又は複数の可動の物体の位置データ、製造システム内に存在する1つ又は複数の可動の物体の将来の移動に関する予測データ、車両が自律的に走行して向かうべき1つ又は複数の目標地に関する目標位置データ、を単独で含んでいるか又はそれらのデータの組み合わせを含んでいる。その種の目標地は、例えば、製造装置若しくは検査装置の位置若しくは場所、又は、組立ラインが終端する位置若しくは場所、又は、駐車場の位置若しくは場所、又は、駐車場における駐車位置の位置若しくは場所である。
【0042】
自律的な走行に関連するデータは、有利には、例えば製造システムを用いて、通信ネットワークを介して車両によって受信される、又は、車両に送信される。このことは、製造システムがそれらのデータを車両に送信することを意味している。
【0043】
1つの別の実施の形態においては、遠隔制御による走行のために、1つ又は複数の遠隔制御命令又は制御命令が、車両によって受信され、その場合、車両は1つ又は複数の遠隔制御命令(制御命令とも称される)に応答して、対応する遠隔制御により走行する。ここでもまた、受信を例えば通信ネットワークを介して実施することができる。つまりこのことは、車両が通信ネットワークを介して1つ又は複数の遠隔制御命令を受信することを意味している。遠隔制御命令は、例えば、製造システムから車両に通信ネットワークを介して送信される。即ち、車両は遠隔制御命令に基づいて走行する。この実施の形態は、特に、車両自体が、製造システムに関する知識を、特に製造システムのトポロジに関する知識を有している必要はないという技術的な利点を有している。例えば、車両は製造システム内のどこに可動の又は固定の物体が存在しているかを知る必要はない。また車両は、走行すべき目標軌跡も、その車両自体で求める必要はない。全ての知識を車両外部で形成することができ、例えば、製造システムがこの知識を有する。車両には、どこに向かってどのように走行すべきか、即ち、例えばどれ程の速度で走行すべきかだけが設定される。特に、車両は製造システムのディジタルマップを有している必要はない。即ち、これによって車両のためにディジタルマップを作成する必要もなくなる。ディジタルマップの作成は、通常の場合、コストが掛かるので、それによって時間、費用及びリソースを節約することができる。
【0044】
1つの別の実施の形態においては、車両がその走行中に、車両外部のナビゲーションインフラストラクチャによって位置を確認する。
【0045】
ナビゲーションインフラストラクチャは、例えば、1つ又は複数の信号発生器を、例えば光信号発生器を、例えば視覚的なランドマークを含んでいる。これは、車両が製造システム内の移動時に位置を確認する際に用いるビーコン又は標識灯に類似するものである。ナビゲーションインフラストラクチャは、例えば1つ又は複数の無線送信器を、例えばWLAN送信器を含んでいる。これはまたビーコンに類似するものである。即ち、車両は、特に光信号及び/又は無線信号、例えばWLAN信号に従う。それら一連の信号によって、特に、車両は1つ又は複数の目標位置に到達することができる。つまりこのことは、信号に従えば、車両は1つ又は複数の目標位置に到達することができる、あるいは、1つ又は複数の目標位置に到達することを意味している。
【0046】
これによって、有利には、製造システム内での車両の改善されたナビゲーションが実現される。
【0047】
1つの実施の形態によれば、車両のルートが人間又は別の車両に関して遮断される。つまりこのことは、車両のルートが、少なくともルートの部分区間が、遮断されることを意味している。例えば、1つ又は複数のバリヤを用いて遮断を実施することができる。特に、信号装置が、特に光信号装置が赤色又は緑色の信号を送出して、ルートを、特にルートの部分区間を遮断又は解放するように、信号装置を制御することができる。つまりこのことは、有利にはベルトが終端してから、即ち組立ラインが終端してから駐車位置までの経路が特別に確保されることを意味している。1つの実施の形態によれば、この経路は可能な限り無人である。
【0048】
方法に関する実施の形態は、車両及び製造システムに関する対応する実施の形態からも同様に明らかになり、またそれとは反対に、車両及び製造システムに関する実施の形態は、方法に関する対応する実施の形態からも同様に明らかになる。つまりこのことは、装置の特徴又はシステムの特徴又は車両の特徴は、対応する方法の特徴から明らかになり、またそれとは反対に、方法の特徴は、装置の特徴又はシステムの特徴又は車両の特徴から明らかになることを意味している。
【0049】
以下では、複数の有利な実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】車両を動作させるための方法のフローチャートを示す。
図2】車両を動作させるための別の方法のフローチャートを示す。
図3】車両を動作させるための更に別の方法のフローチャートを示す。
図4】車両を示す。
図5】製造システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1には、車両を動作させるための方法のフローチャートが示されている。
【0052】
ステップ101によれば、車両は、自律的に又は遠隔制御により、車両を生産するための製造システム内を走行する。
【0053】
図2には、車両を動作させるための別の方法のフローチャートが示されている。
【0054】
ステップ201においては、車両が、製造システムの組立ラインの終端から、製造システムの駐車場まで走行する。ステップ203によれば、車両が駐車場において、例えば駐車位置に停止する。
【0055】
つまりこのことは、車両がその完成後に、自律的に又は遠隔制御により、駐車場における駐車位置まで走行することを意味している。
【0056】
これによって、有利には、車両の自律的な走行機能性又は遠隔制御機能性を検査することができる。特に、これによって、車両の駐車機能性を検査することができる。車両は、例えばAVP車両である。
【0057】
図3には、車両を動作させるための更に別の方法のフローチャートが示されている。
【0058】
ステップ301によれば、車両は、製造システム内の走行中に、第1の検査装置に向かって走行する。続けて、この第1の検査装置のもとで、1つ又は複数の検査を実施することができる。続けて、ステップ303においては、車両が別の検査装置に向かって走行し、この別の検査装置のもとでも同様に、車両の1つ又は複数の検査を実施することができる。続けて、ステップ305によれば、車両が、製造システムの駐車場における駐車位置まで走行する。
【0059】
図示していない1つの実施の形態においては、車両が2つより多くの検査装置へと向かう。
【0060】
図4には、車両を動作させるための方法を実施するように構成されている車両401が示されている。
【0061】
図5には、車両を、例えば図4の車両401に即した車両を生産するための製造システム501が示されており、この製造システム501は、車両を生産するための製造システムを稼働させるための方法を実施するように構成されており、車両は、製造システムを用いた製造の枠内で、車両を動作させるための方法を実施する。
【0062】
つまりこのことは、特に、車両がその製造又は生産の枠内で、自律的に駐車場内を走行するか、又は、遠隔制御により製造システム内を走行することを意味している。
【0063】
要約すると、本発明は、特にまたとりわけ、バレーパーキング機能を、即ち自動的な駐車機能を、製造業者のもとでの製造(OEMとも称される。ここで、OEMはOriginal Equipment Manufacturerの略記であり、従って、相手先ブランド製造を表す)において、製作プロセス又は生産プロセス又は製造プロセスを支援するために使用することができる技術的なコンセプトを提供する。これによって、有利には、製造に加えて、このバレーパーキング機能を並行して検査及び/又は確認することができる。
【0064】
本発明の核心となる着想は、特に、AVP車両が、ベルトにおける製作プロセスが終端すると、即ち組立ラインの終端から、製作された車両のOEM駐車場まで、即ち、製作とは無関係の駐車場まで、自動的に又は自律的に又は遠隔制御により走行する、ということである。
【0065】
これによって、有利には、車両又はバレーパーキング機能若しくはバレーパーキング機能性が、同時的に、その機能に関して検査及び/又は確認される。このことは、製造現場又は作業現場が、即ち一般的には製造システムが、AVP機能性のために、駐車場に、特にパーキングビルになることを意味している。製造業者又は製造者又はOEMは、この適用事例に関しては、例えば駐車場管理システムになる。つまりこのことは、製造システムがAVP機能性に関して、駐車場管理システム又は駐車場運用システムの機能性を担うことを意味している。
【0066】
通常のバレーパーキングとの相異点は、特に、車両が駐車場に停止させられた後に、即ち、特に駐車位置に停止させられた後に、その駐車位置に留まり続け、バレーパーキングの枠内ではドライバが車両を引き取ることができる引き取り位置には再び戻らない、ということである。
【0067】
別の相異点は、特に、本発明によれば並行した検査及び/又は確認が実現される、又は、並行した検査及び/又は確認が実施されるということである。
【0068】
その場合、有利には、走行が監視システムによって監視及び記録される。
【0069】
有利には、車両内部のデータも一緒に監視及び記録される。
【0070】
1つの別の実施の形態においては、経路上で、即ち組立ラインが終端してから駐車場まで存在する経路上で、1つ又は複数の検査作業及び/又は確認作業が実行又は実施される。
【0071】
1つの実施の形態によれば、ベルトが終端してから、即ち組立ラインが終端してから駐車場までの経路上で、付加的な動作のために所定の停止が実施される。つまり、車両が1つ又は複数の検査装置へと向かう。例えば、検査をランダムに選択することができる。検査として、例えば、凹み検査又は塗装検査が考えられる。特に、複数の検査が実施される。
【0072】
AVP機能又はAVP機能性を、最後の製作ステップ又は製造ステップの前に既に導入可能である限りにおいて、1つの実施の形態によれば、AVP機能性が製作又は製造中に既に導入され、例えば、それによって車両は自動的に、即ち自律的に又は遠隔制御により、製作ステップ又は製造ステップAの実施場所から別の製造ステップBの実施場所まで走行する。
図1
図2
図3
図4
図5