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特許6567090鉄道システムの消費電力を削減するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567090
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】鉄道システムの消費電力を削減するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60M 3/04 20060101AFI20190819BHJP
   B60M 3/02 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   B60M3/04 D
   B60M3/02 D
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-561982(P2017-561982)
(86)(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公表番号】特表2018-520929(P2018-520929A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】JP2016003984
(87)【国際公開番号】WO2017056393
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2017年11月28日
(31)【優先権主張番号】15187572.1
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ボワイエ、ニコラ
【審査官】 大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/026786(WO,A1)
【文献】 特開2015−168348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60M 3/02 − 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの架線と、列車と、架線の区間に接続され、かつ前記架線に電力を提供する少なくとも1つの変電所と、を備える鉄道システムの消費電力を削減し、前記列車の制動中、該制動中の列車は、前記架線に電力を提供する、システムであって、前記変電所は、前記消費電力を削減する1つの装置に関連づけられていること、及び、該システムは、
前記変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在を、該変電所に接続された各区間における電流を検知することにより、かつ該電流が同じ方向に流れているか否かを判断することにより、検出する第1の検出器と、
前記第1の検出器により前記変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける前記制動中の列車の存在が検出された場合、該変電所によって前記架線に提供される前記電力を遮断する遮断器と、
前記変電所によって前記架線に提供される前記電力を前記遮断器により遮断した後、経過した時間を所定値と比較することにより、前記変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在を検出する第2の検出器と、
前記第2の検出器により前記変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在が検出された場合、かつ前記変電所によって提供される前記電力が遮断されている場合、該変電所によって前記架線に電力を提供することができるようにすることと、
を含むことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記第1の検出器は、前記変電所に接続された1つの区間における電流を検知することにより、かつ該変電所によって前記架線に提供される電流を検知することにより、前記存在を検出することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の検出器は、前記変電所への前記架線の接続部における電圧を検知することにより、かつ該検知した電圧を所定値と比較することにより、前記不在を検出することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の検出器は、前記変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける電流を検知することにより、かつ該検知した電流が所定値未満であるか否かを比較することにより、前記不在を検出することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の検出器は、現在時刻を該時刻における制動中の列車の存在を示す所定のプロファイルと比較することにより、前記不在を検出することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の検出器又は前記第2の検出器は、サーバーからメッセージを受け取ることによって、前記不在又は前記存在を検出することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の検出器又は前記第2の検出器は、前記変電所が接続されている1つの区間に接続されている他の変電所から、測定された電流値を受け取ることにより、かつ前記変電所が接続されているそれぞれの区間について、前記区間において前記変電所によって検知される電流値と前記測定された電流値との差を計算することにより、前記不在又は前記存在を検出することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の検出器又は前記第2の検出器は、変電所から測定された電流値を受け取り、各区間に対して、該区間に接続された変電所によって検知され、かつ転送される電流値間の差を計算するサーバーに含まれることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の検出器又は前記第2の検出器は、前記変電所に含まれることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の検出器は、前記変電所及びサーバーに含まれ、該変電所によって前記架線に提供される前記電力は、該変電所又は前記サーバーが、該変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在を検出した場合に、遮断されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の検出器は、前記変電所及びサーバーに含まれ、該変電所によって前記架線に提供される前記電力は、該変電所及び前記サーバーが、該変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける制動中の列車の不在を検出した場合に、有効化されることを特徴とする、請求項1又は10に記載のシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの架線と、列車と、架線の区間に接続されかつ前記架線に電力を提供する少なくとも1つの変電所とを備える鉄道システムの消費電力を削減し、前記列車の制動中、該制動中の列車は前記架線に電力を提供する、方法であって、前記変電所は、前記消費電力を削減する1つの装置に関連づけられており、該方法は、
前記変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在を、該変電所に接続された各区間における電流を検知することにより、かつ該電流が同じ方向に流れているか否かを判断することにより、検出する第1ステップと、
前記第1ステップにより、前記変電所に接続された前記区間のうちの1つにおける前記制動中の列車の存在が検出された場合、該変電所によって前記架線に提供される前記電力を遮断する第2ステップと、
前記第2ステップにより前記電力が遮断された後、前記変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在を検出する第3ステップと、
前記第3ステップにより前記変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在が検出された場合、かつ前記変電所によって提供される前記電力が遮断されている場合、該変電所によって前記架線に電力を提供することができるようにする第4ステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、鉄道システムの消費エネルギーを削減する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電化鉄道システムでは、列車が必要とする電力は、変電所を用いて、電力網から列車に供給される。変電所は、電力網電気を、電力を列車のパンタグラフに運ぶ架線電気に変換する。
【0003】
電化鉄道システムは、線路に沿って、通常は、互いから数キロメートル間隔を空けて配置された複数の変電所を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
列車は、回生機能を備える場合、その運動エネルギーの一部を電力に変換することもでき、その電力は、架線にフィードバックすることができる。架線における抵抗損失のため、電力が架線にフィードバックされるとき、パンタグラフにおける電圧が増大する。
【0005】
危険な過電圧を回避するために、回生機能を備えた列車は、レオスタットも含むことができる。架線及びレオスタットに注入される電力のレベルは、適度なパンタグラフ電圧を維持するために適合される。制動電流は、絞り込まれ、それは、実際には架線に一部のみが供給され、残りの部分は、レオスタットにおいて熱として放散されることを意味する。
【0006】
変電所は、一方向性である場合、架線電気を電力網に戻すように変換することができない。これにより、レオスタットにおいて著しい量の電力が浪費されることになる可能性がある。
【0007】
線路に沿った全ての列車の制動電力と加速電力との差により、過剰な電力が発生する可能性があり、それは、制動中の列車のレオスタットにおいて放散させなければならない。過剰な電力を回収するために、過剰な電力を電力網に戻す可逆的な変電所、又は、牽引電力の総和が制動電力の総和を超えるときに後に使用される過剰な電力を吸収することができる、エネルギー蓄積システム等の解決法が提案されてきた。
【0008】
過剰な制動エネルギーを回収するための解決法が存在しても、電力の絞り込みは、発生する可能性がある。こうした場合は、例として、変電所が加速中の列車を遠隔の制動中の列車から隠しているときに発生する。変電所は、加速電力の一部を提供する際、遠隔の制動中の列車に高電圧レベルをかけ、これにより、その減速電力の一部を絞り込まなければならず、損失がもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも幾つかの変電所が可逆的でない電気鉄道システムにおいて、過剰な電力の、より適切な使用を提供することを目的とする。
【0010】
その目的で、本発明は、少なくとも1つの架線と、列車と、架線の区間に接続され、かつ架線に電力を提供する少なくとも1つの変電所とを備える鉄道システムの消費電力を削減し、列車の制動中、制動中の列車は、架線に電力を提供する、方法であって、変電所は、消費電力を削減する1つの装置に関連づけられていること、及び、方法は、
変電所に接続された区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在を検出するステップと、
変電所に接続された区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在が検出された場合、変電所によって架線に提供される電力を遮断するステップと、
変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在を検出するステップと、
変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在が検出された場合、かつ変電所によって提供される電力が遮断されている場合、変電所によって架線に電力を提供することができるようにするステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0011】
本発明は、また、少なくとも1つの架線と、列車と、架線の区間に接続され、かつ架線に電力を提供する少なくとも1つの変電所とを備える鉄道システムの消費電力を削減し、列車の制動中、制動中の列車は架線に電力を提供する、システムであって、変電所は、消費電力を削減する1つの装置に関連づけられていること、及び、システムは、
変電所に接続された区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在を検出する第1の検出器と、
変電所に接続された区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在が検出された場合、変電所によって架線に提供される電力を遮断する遮断器と、
変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在を検出する第2の検出器と、
変電所に接続された各区間における制動中の列車の不在が検出された場合、かつ変電所によって提供される電力が遮断されている場合、変電所によって架線に電力を提供することができるようにする有効化回路と、
を含むことを特徴とする、システムに関する。
【0012】
したがって、列車が変電所に接続された区間で制動しているとき、変電所は、架線に高電圧をかけなくなる。その結果、制動中の列車のパンタグラフにおける電圧が低下し、高電圧による電流の絞り込みのリスクが低減する。架橋に注入される回生エネルギーの量は、増大し、制動エネルギーの機械式ブレーキ又は発電ブレーキへの浪費がなくなる。
【0013】
特定の特徴によれば、第1の検出器は、変電所に接続された各区間における電流を検知することにより、かつ電流が同じ方向に流れているか否かを判断することにより、存在を検出する。
【0014】
したがって、電流が同じ方向に流れる場合、第1の区間からの列車は、別の区間の列車に電流を提供する。制動中の列車は、必然的に架線に電流を注入しており、制動中であると検出することができる。変電所の付近で制動している列車の検出は、列車と変電所との間の無線通信にはよらず、したがって、トンネル内を含め、非常にロバストである。変電所は、完全に分散化して制動中の列車の存在を単独で検出することができる。
【0015】
特定の特徴によれば、第1の検出器は、変電所に接続された1つの区間における電流を検知することにより、かつ変電所によって架線に提供される電流を検知することにより、存在を検出する。
【0016】
したがって、架線の電流を検知するセンサーの数が最小限になる。保守が簡略化される。
【0017】
特定の特徴によれば、第1の検出器は、現在時刻を時刻における制動中の列車の存在を示す所定のプロファイルと比較することにより、存在を検出する。
【0018】
したがって、システムは、電流検知が不要であり、したがって、電流検知による損失が制限される。架線は、センサーの設置に対して隔離される必要がないため、システムの設置は、容易である。通常運転時、列車は、スケジュールに従って線路を走行しており、所定のプロファイルが、制動時刻及び位置を容易に決定する。
【0019】
特定の特徴によれば、第2の検出器は、変電所によって架線に提供される電力の遮断以来、経過した時間を所定値と比較することにより、不在を検出する。
【0020】
したがって、変電所は、制動期間の終了の後に、加速中又は惰行中の列車に電力を供給し始めることができる。制動期間は、一般に、数秒間又は数十秒間に限られる。変電所が架線への電力の供給を有効にするため、加速中の列車は、そのタイムスケジュールを維持するために十分に加速することができる。遅延が制限される。
【0021】
特定の特徴によれば、第2の検出器は、変電所への架線の接続部における電圧を検知することにより、かつ検知した電圧を所定値と比較することにより、不在を検出する。
【0022】
したがって、架線への電力の提供を遮断した変電所は、加速中の列車の電力が不足しており、そのパンタグラフ電圧が低下したときを検出することができる。この状況は、区間における回生の不足によってもたらされる可能性がある電力供給不足を示し、変電所は、架線への電力の供給を再開することができる。
【0023】
特定の特徴によれば、第2の検出器は、変電所に接続された区間のうちの1つにおける電流を検知することにより、かつ検知した電流が所定値未満であるか否かを判断することにより、不在を検出する。
【0024】
したがって、架線への電力の提供を遮断した変電所は、1つの区間から他の区間に移る電流の流れが低いことを検出することができる。変電所が、電力の提供を遮断したため、電力は、制動中の列車の位置における高いパンタグラフ電圧の原因ではない。したがって、低レベルの電流は、単に、高電圧による絞り込みによるのではなく、制動電力の低減によってもたらされる。電流は、低いため、加速モード又は惰行モードにある周囲の列車に十分な電力を供給するほど十分ではない可能性がある。
【0025】
特定の特徴によれば、第2の検出器は、現在時刻を時刻における制動中の列車の存在を示す所定のプロファイルと比較することにより、不在を検出する。
【0026】
したがって、システムは、電流又は電圧検知が不要であり、したがって、電流検知による損失が制限される。架線は、センサーの設置に対して隔離される必要がないため、システムの設置は容易である。通常運転時、列車は、スケジュールに従って線路を走行しており、所定のプロファイルが、制動時刻及び位置を容易に決定する。
【0027】
特定の特徴によれば、第1の検出器又は第2の検出器は、サーバーからメッセージを受け取ることによって、不在又は存在を検出する。
【0028】
したがって、システムは、電流又は電圧検知が不要であり、通常の状況及び異常な状況の両方において、列車の現実の運転状態に動的に適合させることができる。
【0029】
特定の特徴によれば、第1の検出器又は第2の検出器は、変電所が接続されている1つの区間に接続されている変電所から、測定された電流値を受け取ることにより、かつ変電所が接続されている各区間に対して、区間において変電所によって検知される電流値と受け取られた電流値との差を計算することにより、不在又は存在を検出する。
【0030】
したがって、架線の所与の区間において列車によって消費/注入されている電流の総和は、変電所によって、例えばキルヒホフの法則を用いて、容易に推定することができる。この瞬間情報は、信頼性が高く、通常の状況及び異常な状況の両方をカバーする。さらに、それは、変電所に接続された区間において、変電所が依然としてその区間に電流を注入している場合であっても、制動中の列車の存在を示す。こうした状況は、変電所間の協働なしには検出することができない。その結果、周囲の変電所によってかけられる過電圧による制動中の列車の電流絞り込みが最小限になり、浪費損失が更に低減する。
【0031】
特定の特徴によれば、第1の検出器又は第2の検出器は、変電所から測定された電流値を受け取り、各区間に対して、区間に接続された変電所によって検知され、かつ転送される電流値間の差を計算するサーバーに含まれる。
【0032】
したがって、情報は集中化される。情報は、正確であり、エネルギー消費又は遅延回復を優先させるように、サーバーに対して柔軟性も与えられる。
【0033】
特定の特徴によれば、第1の検出器又は第2の検出器は、変電所に含まれる。
【0034】
したがって、判断の遅延が最小限になる。情報は、より正確である。
【0035】
特定の特徴によれば、第1の検出器は、変電所及びサーバーに含まれ、変電所によって架線に提供される電力は、変電所又はサーバーが、変電所に接続された区間のうちの1つにおける制動中の列車の存在を検出した場合に、遮断される。
【0036】
したがって、制動エネルギーの回生が優先される。1つの手段が制動中の列車の存在を検出した場合、変電所は、架線への電力の供給を停止する。これにより、遅延がもたらされる可能性があるが、変電所は、制動中の列車によって架線に電力が供給されることも有り得た場合に、その架線にエネルギーを供給しないことが確実になる。
【0037】
特定の特徴によれば、第2の検出器は、変電所及びサーバーに含まれ、変電所によって架線に提供される電力は、変電所又はサーバーが、変電所に接続された区間のうちの1つにおける制動中の列車の不在を検出した場合に、有効化される。
【0038】
したがって、制動エネルギーの回生が優先される。1つの手段のみが制動中の列車の不在を検出した場合、依然として、変電所に接続された区間に制動中の列車がある可能性がある。変電所による架線への電力の供給を有効化することにより、制動中の列車において過電圧及び望ましくない絞り込み損失が課される可能性がある。
【0039】
本発明の特性は、例示の実施形態の以下の説明を読むことから更に明らかになり、その説明は添付の図面を参照しながら行われる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明が実施される電気鉄道システムの一例を表す図である。
図2A】本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の一例を表す図である。
図2B】本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の一例を表す図である。
図2C】本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の一例を表す図である。
図3】本発明による変電所有効化/遮断コントローラーのアーキテクチャの一例を表す図である。
図4】本発明によるサーバーのアーキテクチャの一例を表す図である。
図5A】本発明による変電所有効化/遮断コントローラーのセンサーの一例を表す図である。
図5B】本発明による変電所有効化/遮断コントローラーのセンサーの一例を表す図である。
図6】本発明の第1の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す図である。
図7】本発明の第2の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す図である。
図8A】本発明の第3の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す図である。
図8B】本発明の第3の具現化モード及び第4の具現化モードによるサーバーによって実行されるアルゴリズムを表す図である。
図9】本発明の第4の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明が実施される電気鉄道システムの一例を表す。
【0042】
電気鉄道システムは、ST1〜ST4で示す複数の変電所と、T1〜T4で示す列車と、線路RAと、架線CAとを備える。
【0043】
各変電所STは、架線CA及び線路を介して列車Tに電力を提供する。
【0044】
変電所ST1〜ST4は、本発明の第2の具現化モードによれば、通信ネットワークNTを介して互いに接続することができる。
【0045】
変電所ST1〜ST4は、本発明の第3の具現化モード及び第4の具現化モードによれば、通信ネットワークNTを介して互いに、及びサーバーServに接続することができる。
【0046】
本発明の理解を簡略化するために、線路及び架線は、区間S01、S12、S23、S34及びS45に分割される。
【0047】
区間S01は、変電所ST1と図1には図示しない別の変電所との間に線路及び架線を備える。
【0048】
区間S12は、隣接する変電所STである変電所ST1及びST2の間に線路及び架線を備える。
【0049】
区間S23は、隣接する変電所STである変電所ST2及びST3の間に線路及び架線を備える。
【0050】
区間S34は、隣接する変電所STである変電所ST3及びST4の間に線路及び架線を備える。
【0051】
列車T1は、区間S12に位置している。列車T2は、区間S23に位置し、列車T3及びT4は、区間S34に位置している。
【0052】
区間S45は、変電所ST4と図1には図示しない別の変電所との間に線路及び架線を備える。
【0053】
図2A図2Cは、本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の例を表す。
【0054】
変電所STは、電力網GRにかつ架線CA及び線路RAに接続されている。電力網GRからのAC電圧、例えば、25kVが、少なくとも1つの変圧器TRを通して降圧し、整流器REを通してDC電圧、例えば1.5kVに変換され、フィルターFLを通してフィルタリングされた後、線路と架線との間に供給される。
【0055】
本発明によれば、変電所は、有効化/遮断コントローラーEIC及び有効化/遮断装置EIDを更に備える。
【0056】
図2Aは、本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の第1の例を表す。
【0057】
図2Aによれば、有効化/遮断装置EIDaは、変圧器TRと整流器REとの間に位置し、位相毎に少なくとも1つのAC電流遮断器を備える。有効化/遮断コントローラーEICが架線から変電所を切断するように判断すると、対応する位相の電圧又は電流がゼロクロスする時点で、電流遮断器が作動してオフになる。有効化/遮断コントローラーEICが架線CAに変電所STを再接続するように判断すると、対応する位相の電圧又は電流がゼロクロスする時点で、位相毎の電流遮断器が作動してオンになる。
【0058】
位相毎の電流遮断器は、サイリスター、IGBT、機械式リレー又は制御可能な遮断器とすることができる。
【0059】
図2Bは、本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の第2の例を表す。
【0060】
図2Bの例によれば、有効化/遮断装置EIDbは、整流器REとフィルターFLとの間に直列で接続される1つのDC電流遮断器である。有効化/遮断コントローラーEICが架線CAから変電所STを切断するように判断すると、電流遮断器が作動してオフになる。有効化/遮断コントローラーEICが架線CAから変電所STを再接続するように判断すると、電流遮断器が作動してオンになる。
【0061】
電流遮断器は、電源スイッチ(例として、サイリスター、IGBT、MOSFET)、機械式リレー又は制御可能な遮断器である。本発明の好ましい具現化では、電流遮断器は、電源スイッチであり、ターンオン遷移及びターンオフ遷移中、電源スイッチのdi/dt速度は、フィルターFL容量における電圧オーバーシュートを制限するために、高いゲート抵抗を用いて制御される。
【0062】
図2Cは、本発明による、有効化/遮断コントローラー及び有効化/遮断装置を含む変電所の第3の例を表す。
【0063】
整流器REは、制御可能な電力変換器EIDcとして実装される。制御可能な電力変換器EIDcは、ACからDCへの電圧変換を行うが、架線CAに注入される電流の量を制御するようにも動作させることができる。有効化/遮断コントローラーEICが架線CAから変電所STを切断するように判断すると、制御可能な電力変換器EIDcによって供給される電流は、滑らかにゼロに誘導される。そして、制御可能な電力変換器EIDcの電源スイッチは、開いたままである。有効化/遮断コントローラーEICが架線CAに変電所STを再接続するように判断すると、制御可能な電力変換器EIDcによって供給される電圧は、通常の架線電圧に滑らかに誘導される。
【0064】
本発明は、図2A図2Cに示さない本発明の変形にも適用され、そこでは、変電所STが架線にAC電圧を供給する。整流器は、AC/AC変換器に置き換えられるか、又は省略される。
【0065】
図3は、本発明による変電所有効化/遮断コントローラーのアーキテクチャの一例を表す。
【0066】
各変電所STに、変電所有効化/遮断コントローラーEICを含めることができる。
【0067】
変電所有効化/遮断コントローラーEICは、例えば、バス301によって共に接続されたコンポーネントに基づくアーキテクチャと、図6又は図7又は図8A又は図9に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ300とを有する。
【0068】
バス301は、プロセッサ300をリードオンリーメモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、検出器305、有効化/遮断インターフェースEII306及び通信インターフェース307にリンクする。
【0069】
メモリ303は、図6又は図7又は図8A又は図9に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受け取るように意図されたレジスタを含む。発明の変形では、メモリ303は、隣接する制動中の列車の存在及び/又は不在を経時的に示すプロファイルを含むことができる。プロセッサ300は、通信インターフェース207を通して受け取られるプロファイルをメモリ303に記憶することができる。
【0070】
リードオンリーメモリ、又は場合によっては、フラッシュメモリ302は、変電所有効化/遮断コントローラーEICの電源が投入されたときに、ランダムアクセスメモリ303に対する、図6又は図7又は図8A又は図9に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。
【0071】
検出器305は、電流、電圧及び/又は時間のセンサーである。例として、検出器305は、変電所STによって架線CAに供給される電流を検知する。
【0072】
別の例として、検出器305は、変電所STが架線CAに電流を注入する点の両側において架線CAを流れる電流を検知する。
【0073】
別の例として、検出器305は、変電所STが架線CAに電流を注入する点において架線CAの電圧を検知する。
【0074】
別の例として、検出器305は、図2Aにおける変電所STの変圧器TRによって提供される各位相の電圧及び/又は電流を検知する。
【0075】
更に別の例として、検出器305は、時間を測定するクロックを備える。検出器305は、検知した情報をデジタル形式に変換し、この検知した情報を、バス301を通してプロセッサ300に送出する。
【0076】
有効化/遮断インターフェース306は、架線CAに変電所STを接続する/架線CAから変電所STを切断するために有効化/遮断装置EICを制御する手段である。
【0077】
ネットワークインターフェース307は、変電所有効化/遮断コントローラーEICと、隣接する変電所を制御する有効化/遮断コントローラーEIC及び/又はサーバーServとの間で、メッセージの交換を可能にすることができる。
【0078】
変電所有効化/遮断コントローラーEICは、PC(パーソナルコンピューター)、DSP(デジタル信号プロセッサ)若しくはマイクロコントローラー等のプログラム可能なコンピューティングマシンによる1組の命令若しくはプログラムの実行によってソフトウェアにおいて実施することができるか、又はそうでない場合、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)等のマシン若しくは専用コンポーネントによってハードウェアにおいて実施することができる。
【0079】
言い換えれば、変電所有効化/遮断コントローラーEICは、変電所有効化/遮断コントローラーEICに、図6又は図7又は図8A又は図9に開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムを実行させる、回路、又は回路を含む装置を含む。
【0080】
図4は、本発明によるサーバーのアーキテクチャの一例を表す。
【0081】
サーバーServは、例えば、バス401によって共に接続されたコンポーネントに基づくアーキテクチャと、図8Bに開示されているようなプログラムによって制御されるプロセッサ400とを有する。
【0082】
バス401は、プロセッサ400を、リードオンリーメモリROM402、ランダムアクセスメモリRAM403及び通信インターフェース407にリンクする。
【0083】
メモリ403は、図8Bに開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【0084】
リードオンリーメモリ、又は場合によっては、フラッシュメモリ402は、図8Bに開示されているような、サーバーServの電源が投入されたときに、ランダムアクセスメモリ403に対するアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。
【0085】
ネットワークインターフェース407は、変電所有効化/遮断コントローラーEICとのメッセージの交換を可能にすることができる。
【0086】
サーバーServは、PC(パーソナルコンピューター)、DSP(デジタル信号プロセッサ)若しくはマイクロコントローラー等のプログラム可能なコンピューティングマシンによって、1組の命令若しくはプログラムの実行によってソフトウェアにおいて実施することができるか、又はそうでない場合、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)等のマシン又は専用コンポーネントによってハードウェアにおいて実施することができる。
【0087】
換言すれば、サーバーServは、図8Bに開示されているようなアルゴリズムに関連したプログラムをサーバーServに実行させる、回路、又は回路を含む装置を備える。
【0088】
図5A及び図5Bは、本発明による変電所有効化/遮断コントローラーのセンサーの例を表す。
【0089】
変電所STは、注入点Pにおいて架線CAに電流を注入し、注入された電流は、線路RAを通って戻される。
【0090】
図5Aは、本発明の具現化モードに従って変電所有効化/遮断コントローラーEICの検出器305に含まれるセンサーの位置を表す。電流センサー501及び502は、変電所STが架線CAに電流を注入する注入点Pの両側において、架線CAを流れている電流を検知する。
【0091】
一変形では、検出器305は、変電所STが架線CAに電流を注入する注入点Pにおいて架線電圧を測定する電圧センサー503を更に備える。センサー503によって検知される電圧が所定閾値未満になると、プロセッサ300は、周囲に制動中の列車が不在であると判断することができる。
【0092】
図5Aには示さないが、本発明によれば、変電所STは、2つ以上の線路と2つ以上の架線とに電力を供給することができる。変電所STによって電力が供給される各架線CAに対して、検出器305は、一対のセンサー501及び502を備える。
【0093】
図5Bは、本発明の別の具現化モードに従って変電所有効化/遮断コントローラーEICの検出器305に含まれる電流センサーの位置を表す。
【0094】
電流センサー501は、変電所STが架線CAに電流を注入する注入点Pの一方の側において、架線CAを流れている電流を検知する。電流センサー504は、変電所STによって架線CAに注入される電流を検知する。センサー501及び504によって検知される電流を用いて、プロセッサ300は、センサー501及び504によって検知される電流の差であるものとして、注入点Pの他方の側において架線CAを流れている電流を求めることができる。
【0095】
架線CAの両側を通って同じ方向に流れている電流は、1つの第1の側が第2の側に実際に電流を供給していることを示し、したがって、変電所STの付近における制動中の列車の存在を示す。
【0096】
図6は、本発明の第1の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーEICによって実行されるアルゴリズムを表す。
【0097】
より厳密には、本アルゴリズムは、各変電所有効化/遮断コントローラーEICのプロセッサ300によって実行される。
【0098】
ステップS60において、プロセッサ300は、変電所有効化/遮断コントローラーEICによって制御される変電所STとその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに、制動中の列車が存在しているか否かを判断する。
【0099】
例えば、プロセッサ300は、架線CAの両側を流れている電流の方向を比較することによって、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。架線CAの両側を流れている電流は、検出器305によって検知されるか、又は、注入された電流と検出器305によって検知される架線CAの一方の側を流れている電流との差によって求められる。架線CAの両側を流れている電流が同じ方向に流れる場合、プロセッサ300は、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。
【0100】
例えば、本発明の別の変形では、プロセッサ300は、検出器305によって測定される時刻とRAMメモリ303内に含まれる所定のプロファイルとを比較して、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。所定のプロファイルが、測定時刻における隣接する制動中の列車の存在を示す場合、プロセッサ300は、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。
【0101】
例えば、本発明の別の変形では、プロセッサ300は、通信インターフェース307を通して、隣接する制動中の列車の存在を示すメッセージを受け取っているとき、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。
【0102】
変電所STは、また、第2の列車にも電流を供給している場合、架線に高電圧をかけ、隣接する制動中の列車のパンタグラフに更に高い架線電圧をもたらす。こうした状況では、隣接する制動中の列車のモードが、その回生電力の一部を絞り込んでおり、望ましくないエネルギー損失をもたらしている可能性がある。
【0103】
プロセッサ300は、隣接する制動中の列車が存在すると判断した場合、ステップS61に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS60に戻る。
【0104】
ステップS61において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されていない状態に起動するために、接続/切断インターフェース306に命令する。
【0105】
次のステップS62において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であるか否かを判断する。
【0106】
例えば、プロセッサ300は、ステップS61から出て以来、経過した時間が所定値を上回る場合、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。
【0107】
例えば、プロセッサ300は、検出器305における電圧センサー503によって検知される変電所と架線との間の接続部における架線電圧が、事前定義された値未満になった場合、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。架線電圧は低く、1つの列車は少なくとも低い電圧絞り込み状態にあり、必要な加速電流は低い。これは、両区間において制動中の列車が不在であることによってもたらされる可能性がある、加速中の列車への供給電流の不足を示す。
【0108】
例えば、プロセッサ300は、検知された電流が事前定義された値未満である場合に、区間のうちの1つを流れている電流を検知することにより、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。これは、以前制動中であった周囲の列車がその回生を徐々に停止していることと、変電所が再接続された場合に、隠れ効果による絞り込み損失がわずかなままとなることとを示す。
【0109】
例えば、プロセッサ300は、検出器305によって検出された時刻とメモリ303に記憶されたプロファイルとを比較することにより、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。メモリ303に記憶されたプロファイルが、検知された時刻において隣接する制動中の列車の不在を示す場合、プロセッサは、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。例えば、プロセッサ300は、通信インターフェース307を通して、隣接する制動中の列車の不在を示すメッセージを受け取っているとき、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。
【0110】
有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間である場合、プロセッサ300は、ステップS63に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS62に戻る。
【0111】
ステップS63において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動するために、有効化/遮断インターフェース306に命令する。
【0112】
そして、プロセッサ300はステップS60に戻る。
【0113】
図7は、本発明の第2の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す。
【0114】
より厳密には、本アルゴリズムは、各変電所有効化/遮断コントローラーのプロセッサ300によって実行される。
【0115】
ステップS70において、プロセッサ300は、架線CAの第1の区間に流れている第1の電流と架線CAの第2の区間に流れている第2の電流とを求める。
【0116】
例として、第1の電流及び第2の電流は、検出器305によって検知される。図1の例によれば、区間S12及びS23を流れている電流は、変電所ST2の検出器305によって検知され、区間S23及びS34を流れている電流は、変電所ST3の検出器によって検知される。
【0117】
他の例として、第1の電流と変電所によって架線CAに注入される電流とが、検出器305によって検知され、プロセッサ300は、第1の電流と変電所によって架線に注入される電流との差として第2の電流を求める。
【0118】
次のステップS71において、プロセッサ300は、隣接する変電所を制御している変電所有効化/遮断コントローラーEICにメッセージを転送するようにネットワークインターフェース307に命令し、そのメッセージは、検知された電流の値を含む。
【0119】
図1の例によれば、メッセージは、変電所ST2の変電所有効化/遮断コントローラーEICによって変電所ST1及びST3の変電所有効化/遮断コントローラーEICに送出される。
【0120】
次のステップS72において、プロセッサ300は、ネットワークインターフェース307を通して、隣接する変電所を制御している変電所有効化/遮断コントローラーEICからメッセージを受け取り、各メッセージは、隣接する変電所の検出器305による検知された電流の値を含む。
【0121】
図1の例によれば、変電所ST2は、区間S01及びS12の検知された電流の値を含む変電所ST1からのメッセージと、区間S23及びS34の検知された電流の値を含む変電所ST3からのメッセージとを受け取る。
【0122】
次のステップS73において、プロセッサ300は、変電所とその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに、制動中の列車があるか否かを判断する。
【0123】
例えば、プロセッサ300は、各区間に対して、ステップS70において検知された電流とその区間に対して隣接する変電所から受け取られた電流との差を計算する。差が所定の正の値より大きい場合、その区間における少なくとも1つの列車が架線に電力を提供し、すなわち、その区間に制動中の列車が位置している。
【0124】
変電所STとその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに制動中の列車がある場合、プロセッサ300は、ステップS74に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS73に戻る。
【0125】
ステップS74において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されていない状態に起動するために、接続/切断インターフェース306に命令する。
【0126】
次のステップS75において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態、すなわち架線に電力を提供している状態に起動する時間であるか否かを判断する。
【0127】
例えば、プロセッサ300は、架線への電力の提供の停止と現在時刻との間で経過した時間が所定値を上回る場合、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。
【0128】
例えば、プロセッサ300は、ステップS70において開示されているように区間を流れている電流を検知することにより、ステップS71に開示されているように、隣接する変電所にメッセージを転送することにより、ステップS72に開示されているように、隣接する変電所からメッセージを受け取ることにより、かつ、ステップS72に開示されているように各区間に対して、変電所において検知された電流とその区間に対する隣接する変電所から受け取られた電流との差を計算することにより、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。その差が負の所定値を下回る場合、その区間は、制動中の列車等の電力源より加速中の列車等のより大きい電力負荷を含み、区間内で電力が制動中の列車から加速中の列車に直接流れることができるため、制動中の列車は、変電所によって隠されないとみなすことができる。
【0129】
有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間である場合、プロセッサ300は、ステップS76に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS75に戻る。
【0130】
ステップS76において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動するために、有効化/遮断インターフェース306に命令する。
【0131】
図8Aは、本発明の第3の具現化モード及び第4の具現化モードによる変電所有効化/遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す。
【0132】
より厳密には、本アルゴリズムは、各変電所有効化/遮断コントローラーのプロセッサ300によって実行される。
【0133】
ステップS800において、ステップS70において開示されているように、プロセッサ300は、架線CAの第1の区間に流れている第1の電流と架線CAの第2の区間に流れている第2の電流とを求める。
【0134】
次のステップS801において、プロセッサ300は、サーバーServにメッセージを転送するようにネットワークインターフェース307に命令し、メッセージは、求められた電流の値を含む。
【0135】
次のステップS802において、プロセッサ300は、ネットワークインターフェース307を通してサーバーServから、変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきではないことを示すメッセージが受け取られているか否かを判断する。
【0136】
変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきではないことを示すメッセージが受け取られた場合、プロセッサ300は、ステップS803に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS804に進む。
【0137】
ステップS803において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されていない状態に起動するために、有効化/遮断インターフェースEII306に命令する。
【0138】
次のステップS804において、プロセッサ300は、ネットワークインターフェース307を通してサーバーServから、変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきことを示すメッセージが受け取られているか否かを判断する。
【0139】
変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきであることを示すメッセージが受け取られた場合、プロセッサ300は、ステップS805に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS800に進む。
【0140】
ステップS805において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されている状態に起動するために、有効化/遮断インターフェースEII306に命令する。
【0141】
図8Bは、本発明の第3の具現化モード及び第4の具現化モードによるサーバーによって実行されるアルゴリズムを表す。
【0142】
より厳密には、本アルゴリズムは、サーバーServのプロセッサ400によって実行される。
【0143】
ステップS850において、プロセッサ400は、ネットワークインターフェース407を通して、各変電所STの有効化/遮断コントローラーEICからメッセージを受け取り、各メッセージは、図8AのステップS800において開示されているように各変電所STの変電所検出器305による検知された電流の値を含む。
【0144】
次のステップS851において、プロセッサ400は、各変電所STに対して、変電所STとその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに制動中の列車があるか否かを判断する。
【0145】
例えば、プロセッサ300は、各変電所ST及び各区間に対して、ステップS850において変電所STから受け取られた電流値と、区間に対して隣接する変電所STから受け取られた電流との差を計算する。この差が所定値を上回る場合、区間STにおける少なくとも1つの列車が他の区間における別の列車に電力を提供し、すなわち、その区間に制動中の列車がある。
【0146】
例えば、プロセッサ400は、各変電所STに対して、接続タイムテーブルに従って、変電所とその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに制動中の列車があるか否かを判断する。接続テーブルは、列車の運転プロファイル及びタイムテーブルに従って、通過する列車のあり得る加速時刻及び減速時刻に従って確定される。切断及び再接続手順は、決定論的であり、全ての列車運転士に可視である。接続テーブルは、切断がない場合の絞り込み電力の確定された測定値である。
【0147】
区間のうちの1つに制動中の列車がない場合、プロセッサ400は、ステップS853に進む。少なくとも1つの変電所STの区間のうちの1つに制動中の列車がある場合、プロセッサ400は、ステップS852に進む。
【0148】
ステップS852において、プロセッサは、区間のうちの1つに制動中の列車がある各変電所STへのメッセージの転送を命令する。メッセージは、変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきでないことを示す。
【0149】
次のステップS853において、プロセッサ400は、各変電所STに対して、変電所STとその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに制動中の列車があるか否かを判断する。
【0150】
例えば、プロセッサ400は、各変電所ST及び各区間に対して、ステップS850において変電所STから受け取られた電流値と、区間に対して隣接する変電所STから受け取られた電流との差を計算する。この差が所定値を下回る場合、その区間における列車は他の区間における別の列車に電力を提供せず、すなわち、その区間に制動中の列車がない。
【0151】
例えば、プロセッサ400は、各変電所STに対して、接続タイムテーブルに従って、変電所とその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに制動中の列車があるか否かを判断する。接続テーブルは、列車の運転プロファイル及びタイムテーブルに従って、通過する列車のあり得る加速時刻及び減速時刻に従って確定される。切断及び再接続手順は、決定論的であり、全ての列車運転士に可視である。接続テーブルは、切断がない場合の絞り込み電力の確定された測定値である。
【0152】
区間のうちの1つに制動中の列車がない場合、プロセッサ400は、ステップS853に進む。少なくとも1つの変電所STの区間のうちの1つに制動中の列車がある場合、プロセッサ400は、ステップS852に進む。
【0153】
区間のうちの1つに制動中の列車がない場合、プロセッサ400は、ステップS851に進む。少なくとも1つの変電所STの区間のうちの1つに制動中の列車がない場合、プロセッサ400は、ステップS854に進む。
【0154】
ステップS854において、プロセッサは、区間のうちの1つに制動中の列車がない各変電所STへのメッセージの転送を命令する。メッセージは、変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきであることを示す。
【0155】
図9は、本発明の第4の具現化モードによる変電所接続及び遮断コントローラーによって実行されるアルゴリズムを表す。
【0156】
より厳密には、本アルゴリズムは、各変電所有効化/遮断コントローラーEICのプロセッサ300によって実行される。
【0157】
ステップS900において、プロセッサ300は、図7のステップS70において開示されているように、架線CAの第1の区間を流れている第1の電流と、架線CAの第2の区間を流れている第2の電流とを求める。
【0158】
次のステップS901において、プロセッサ300は、サーバーServにメッセージを転送するようにネットワークインターフェース307に命令し、このメッセージは、ステップS900において求められた電流の値を含む。
【0159】
ステップS902において、プロセッサ300は、変電所有効化/遮断コントローラーEICによって制御される変電所STとその隣接する変電所STとの間の区間のうちの1つに、制動中の列車が存在しているか否かを判断する。
【0160】
例えば、プロセッサ300は、架線CAの両側を流れている電流の方向を比較することによって、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。架線CAの両側を流れている電流は、検出器305によって検知されるか、又は、注入された電流と検出器305によって検知される架線CAの一方の側を流れている電流との差によって求められる。架線CAの両側を流れている電流が同じ方向に流れる場合、プロセッサ300は、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。
【0161】
例えば、本発明の別の変形では、プロセッサ300は、検出器305によって測定される時刻とRAMメモリ303内に含まれる所定のプロファイルとを比較して、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。所定のプロファイルが、測定時刻における隣接する制動中の列車の存在を示す場合、プロセッサ300は、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。
【0162】
例えば、本発明の別の変形では、プロセッサ300は、通信インターフェース307を通して、隣接する制動中の列車の存在を示すメッセージを受け取っているとき、隣接する制動中の列車が存在すると判断する。
【0163】
変電所STは、また、第2の列車にも電流を供給している場合、架線に高電圧をかけ、隣接する制動中の列車のパンタグラフに更に高い架線電圧をもたらす。こうした状況では、隣接する制動中の列車のモードが、その回生電力の一部を絞り込んでおり、望ましくないエネルギー損失をもたらしている可能性がある。
【0164】
プロセッサ300は、隣接する制動中の列車が存在すると判断した場合、ステップS904に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS903に進む。
【0165】
ステップS903において、プロセッサ300は、ネットワークインターフェース307を通してサーバーServから、変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきではないことを示すメッセージが受け取られているか否かを判断する。
【0166】
変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されるべきではないことを示すメッセージが受け取られた場合、プロセッサ300は、ステップS904に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS905に進む。
【0167】
ステップS904において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されていない状態に起動するために、有効化/遮断インターフェースEII306に命令する。
【0168】
次のステップS905において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所STによって架線CAに電力網GRからの電力が提供されている状態に起動する時間であるか否かを判断する。
【0169】
例えば、プロセッサ300は、ステップS904から出て以来経過した時間が所定値を上回る場合、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。
【0170】
例えば、プロセッサ300は、検出器305における電圧センサー503によって検知される変電所と架線との間の接続部における架線電圧が、事前定義された値未満になった場合、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。架線電圧は低く、1つの列車は少なくとも低い電圧絞り込み状態にあり、必要な加速電流は低い。これは、両区間において制動中の列車が不在であることによってもたらされる可能性がある、加速中の列車への供給電流の不足を示す。
【0171】
例えば、プロセッサ300は、検知された電流が事前定義された値未満である場合に、区間のうちの1つを流れている電流を検知することにより、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。これは、以前制動中であった周囲の列車がその回生を徐々に停止していることと、変電所が再接続された場合に、隠れ効果による絞り込み損失がわずかなままとなるということを示す。
【0172】
例えば、プロセッサ300は、検出器305によって検出された時刻とメモリ303に記憶されたプロファイルとを比較することにより、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。メモリ303に記憶されたプロファイルが、検知された時刻において隣接する制動中の列車の不在を示す場合、プロセッサは、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。例えば、プロセッサ300は、通信インターフェース307を通して、隣接する制動中の列車の不在を示すメッセージを受け取っているとき、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間であると判断する。
【0173】
有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されている状態に起動する時間である場合、プロセッサ300は、ステップS906に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS905に戻る。
【0174】
次のステップS906において、プロセッサ300は、ネットワークインターフェース307を通してサーバーServから、変電所によって架線に電力網からの電力が提供されるべきであることを示すメッセージが受け取られているか否かを判断する。
【0175】
変電所によって架線に電力網からの電力が提供されるべきであることを示すメッセージが受け取られた場合、プロセッサ300は、ステップS907に進む。そうでない場合、プロセッサ300は、ステップS905に戻る。
【0176】
ステップS907において、プロセッサ300は、有効化/遮断装置EID用の手段を変電所によって架線に電力網からの電力が提供されていない状態に起動するために、有効化/遮断インターフェース306に命令する。その後、プロセッサ300は、ステップS900に戻る。
【0177】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9