(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロック装置(17)は、前記閉鎖位置(SS)の後ろに位置している超過押圧位置(US)への前記可動家具部分(2)の超過押圧によって、前記回転軸(X)と前記作用線(W)とが、互いに間隔をおいて位置する相対的なロック解除位置(ES)に達することにより、ロック解除可能である、請求項1記載のエジェクション装置。
前記エジェクションエレメント(4)に接触可能な作動装置(35)が設けられており、前記超過押圧時に、前記エジェクションエレメント(4)は前記作動装置(35)によって回転可能であり、これによって前記作用線(W)と前記回転軸(X)とは、相対的なロック解除位置(ES)に達する、請求項2記載のエジェクション装置。
前記相対的なロック解除位置(ES)を起点として、前記エジェクションエレメント(4)は、前記エジェクション蓄力器(5)によって前記回転軸(X)を中心にして回転可能であり、これにより前記エジェクションエレメント(4)は、前記可動家具部分(2)を開放方向(OR)に押し出す、請求項2記載のエジェクション装置。
前記作動装置(35)は前記ロック位置(VS)において、一方では前記エジェクションエレメント(4)に、かつ他方では前記可動家具部分(2)に当接している、請求項3記載のエジェクション装置。
前記エジェクション装置(1)は保持体(3)を有しており、前記エジェクション蓄力器(5)は、一方では保持体・蓄力器ベース(32)を介して前記保持体(3)に、かつ他方ではエジェクションエレメント・蓄力器ベース(29)を介して前記エジェクションエレメント(4)に係合しており、前記保持体・蓄力器ベース(32)と前記エジェクションエレメント・蓄力器ベース(29)とは、前記ロック位置(VS)において、前記エジェクションエレメント(4)の前記回転軸(X)と前記作用線(W)とを含む平面に位置している、請求項1から5までのいずれか1項記載のエジェクション装置。
家具本体(22)と、可動家具部分(2)と、該可動家具部分(2)のための、請求項1から8までのいずれか1項記載のエジェクション装置(1)とを備えた家具(21)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動家具部分のためのエジェクション装置であって、可動家具部分を閉鎖位置から開放位置に押し出す、回転軸を中心にして回転可能なエジェクションエレメントと、該エジェクションエレメントに力を加えるエジェクション蓄力器と、エジェクションエレメントをロック位置においてロックするロック装置と、を備えたエジェクション装置に関する。本発明はさらに、家具本体、可動家具部分およびこのようなエジェクション装置を備えた家具に関する。
【0002】
家具金物工業においては、可動家具部分の移動を助成するためおよび操作者の操作を簡単にするために、長年、様々な補助手段が製造され、かつ販売されている。特にエジェクション装置においては、そのために既に種々様々に異なったバリエーションが存在している。このようなエジェクション装置は、しばしばタッチラッチ機構またはチップオン装置とも呼ばれる。このような装置によって、閉鎖位置において、可動家具部分を押圧することが可能であり、これによってロック装置のロック解除が行われ、これによってもしくはその後で、可動家具部分はエジェクション装置によって押し出される。
【0003】
ロックのためには、数年来、制御ピンのための係止凹部を備えた心臓形の摺動軌道が良好であることが分かっている。例えばこれについては、オーストリア国特許出願公開第512699号明細書(AT 512 699 A1)を参照することができる。
【0004】
さらに、ボールペン原理をベースにするロック装置も存在する。
【0005】
国際公開第2014/082106号(WO 2014/082106 A1)に基づいて公知の他の形式のロック装置では、連行体のロック位置において、ロック解除位置におけるロック体の運動が、ロック体と連行体との間における機械的な接触によって阻止されている。開放方向とは逆向きの可動家具部分の移動によって、ロック体と連行体との間におけるこの機械的な接触は消滅可能であり、これによって再び可動家具部分は、次いで押し出される。
【0006】
ロック装置の他の択一的なバリエーションは、国際公開第2012/155165号(WO 2012/155165 A2)に開示されている。
図15に示されたロック位置において、屈曲レバーの真ん中の屈曲レバーピンは、保持突起ピンとエジェクション旋回軸との間における仮想線の上に位置している。
図16に示されているように閉鎖方向において可動家具部分が押圧されると、ロック解除エレメントは、屈曲レバーの一部と当接し、これによって屈曲レバーピンをエジェクション旋回軸と保持突起ピンとの間における仮想線の下に移動させる。これによって開放ばねのばね力は弛緩することができる。すなわち屈曲レバーピンが仮想線として形成された死点を上回るや否や、ロック装置はロック解除される。
【0007】
本発明とは異なる分野の国際公開第2007/116572号(WO 2007/116572 A1)には、引出しの摺動移動を促進する装置が開示されている。この装置は、しかしながら引出しを閉鎖位置から押し出すエジェクション装置を開示しておらず、既に開放している位置からさらに開放された位置への引出しの移動が促進される構成を示している。
【0008】
本発明の課題は、従来技術に代わる、もしくは従来技術に対して改善されたエジェクション装置を提供することにある。特に、超過押圧経路(前板と家具本体との間における間隙寸法)は、可能な限り小さくて良いことが望まれている。
【0009】
この課題は、請求項1に記載の特徴を備えたエジェクション装置によって解決される。したがって本発明によれば、ロック位置において、エジェクション蓄力器の作用線が、回転軸を通って延びているように構成されている。言い換えれば、ロック装置のこのようなロック位置は、振り子の不安定位置と同等である。ロック位置に相当する「不安定な」位置から移動させるためには、極めて小さな力もしくは移動で十分である。作用線は、空間における力(この場合エジェクション蓄力器の力)の瞬間的な位置を生ぜしめる直線である。この作用線は、方向と一緒に生ぜしめられる。この作用線が回転軸を通って延びていると、エジェクション蓄力器は、エジェクションエレメントを移動させることができない。それというのは、この回転軸を中心にした回転のための衝撃力は存在しないからである。したがってこのロック装置は、一種の死点ロック装置を形成している。振動によってこのロック装置が不所望に作動(Ausloesen)もしくはロック解除することは、関与する部材の間における相応に調節された摩擦および慣性によって達成される。
【0010】
基本的には、ロックを別体の作動ボタンの操作によって行うことが可能である。しかしながら好適な実施形態によれば、ロック装置は、回転軸と作用線とが、互いに間隔をおいて位置する相対的なロック解除位置に達することによって、閉鎖位置の後ろに位置している、即ち閉鎖位置から閉鎖方向に変位した超過押圧位置への可動家具部分の超過押圧によって、ロック解除可能である。つまり作用線がもはや回転軸を通って延びなくなるや否や、エジェクション蓄力器の力は、エジェクションエレメントにおいて偏心的に作用し、これによってエジェクションエレメントは、回転し始める。特に、エジェクションエレメントに接触可能な作動装置が設けられており、このとき超過押圧時に、エジェクションエレメントは作動装置によって回転可能であり、これによって作用線と回転軸とは、相対的なロック解除位置に達する。次いで、相対的なロック解除位置を起点として、エジェクションエレメントは、エジェクション蓄力器によって回転軸を中心にして回転可能であり、これによりエジェクションエレメントは、好ましくは間接的にテンショニングエレメントを介して、可動家具部分を開放方向に押し出すようになっている。ロック解除のために特に好適には、作動装置はロック位置において、一方ではエジェクションエレメントに、かつ他方では可動家具部分に接触しているようになっている。基本的には、エジェクションエレメント自体直接、可動家具部分に接触している構成も十分に可能である。しかしながら、少なくとも1つの中間部材、つまりテンショニングエレメント(または他の変換機構)として形成された中間部材が設けられていると好適である。つまりエジェクションエレメントは、エジェクション蓄力器によって直接力を加えられかつロック位置においてロックされるエレメントである。
【0011】
原理的には、エジェクション蓄力器は脚付ばねとして形成されていてよい。このとき脚付ばねは、ロック位置においてこの脚付ばねの作用線が回転軸を通って延びるように、エジェクション装置に配置されていなくてはならない。ロックを簡単な形式で保証するために、好ましくは、エジェクション装置は保持体を有しており、このときエジェクション蓄力器は、一方では保持体・蓄力器ベースを介して保持体に、かつ他方ではエジェクションエレメント・蓄力器ベースを介してエジェクションエレメントに係合しており、このとき保持体・蓄力器ベースとエジェクションエレメント・蓄力器ベースとは、ロック位置において、エジェクションエレメントの回転軸と作用線とを含む平面に位置している。このように構成されていると、保持体・蓄力器ベース、エジェクションエレメント・蓄力器ベースおよび回転軸が平面図で見てほぼ一列に位置することによって、確実なロック位置が与えられていることを、最も簡単に検査可能に保証することができる。
【0012】
好ましくは、さらに、エジェクション蓄力器は、引張りばねとしてまたは圧縮ばねとして形成されている。エジェクション蓄力器が引張りばねとして形成されている場合には、回転軸はロック位置において正確にエジェクションエレメント・蓄力器ベースと保持体・蓄力器ベースとの間に位置している。これに対してエジェクション蓄力器が圧縮ばねとして形成されている場合には、ロック位置においてエジェクションエレメント・蓄力器ベースは正確に回転軸と保持体・蓄力器ベースとの間に位置している。つまり全体として保持体(特に保持体の保持体・蓄力器ベース)、エジェクション蓄力器およびエジェクションエレメント(特にエジェクションエレメントのエジェクションエレメント・蓄力器ベース)は、ロック装置を形成している。
【0013】
本発明においてはまた、家具本体と、可動家具部分と、該可動家具部分のための、本発明に係るエジェクション装置とを備えた家具に対する保護も求められる。このときエジェクション装置は、家具本体に配置されていても、または可動家具部分に配置されていてもよい。また、追加的に、可動家具部分を開放位置から閉鎖位置に引き込む、好ましくは緩衝作用を有する引込み装置が設けられていてもよい。
【0014】
次に、本発明のさらなる詳細および利点を、図面を参照しながら図面に示した実施形態について詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係るエジェクション装置を備えた家具を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るエジェクション装置を示す分解図である。
【
図3】組み立てられた状態におけるエジェクション装置を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図11】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図13】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図14】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図15】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図16】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図17】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図18】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図19】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図20】第1実施形態に係るエジェクション装置の押出し時および緊張時における運動経過を示す図である。
【
図21】第2実施形態に係るエジェクション装置を備えた家具を示す図である。
【
図22】第2実施形態に係るエジェクション装置を示す分解図である。
【
図23】組み立てられた状態におけるエジェクション装置を示す図である。
【
図24】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図25】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図26】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図27】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図28】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図29】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図30】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図31】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図32】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図33】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図34】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図35】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図36】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【
図37】第2実施形態に係るエジェクション装置の運動経過を示す図である。
【0016】
図1には、家具本体22と、家具扉として形成された可動家具部分2とを備えた家具21が示されている。この可動家具部分2は、2つのヒンジ23を介して家具本体22に、鉛直な軸線を中心にして旋回可能に支持されている。これらのヒンジ23のうちの少なくとも1つには、閉鎖運動のための緩衝装置(図示せず)が組み込まれていてよい。家具本体22には、第1実施形態に係るエジェクション装置1が配置されている。このエジェクション装置1の連結対応部材24は、可動家具部分2に固定されている。純粋に図示のために、この連結対応部材24は、直接、エジェクション装置1の領域に示されている。実際にはもちろん、このような連結対応部材24だけが可動家具部分2に設けられている。基本的には、すべての実施形態において、エジェクション装置1が可動家具部分2に配置されていて、連結対応部材24が家具本体22に配置されている、もしくは形成されていることが可能である。これによってエジェクション装置1はいわば、家具本体22において突き放す作用をする。
【0017】
図2には、第1実施形態に係るエジェクション装置1が、分解図で示されている。このエジェクション装置1は、ベースエレメントとして保持体3を有しており、この保持体3を介してエジェクション装置1は家具21に取り付けられている。図示されていないカバーと一緒に、この保持体3は、エジェクション装置1の残りのコンポーネントのためのハウジングを形成している。保持体3内には、テンショニングエレメント7が移動可能に支持されている。このテンショニングエレメント7の移動運動は、緩衝装置36によって緩衝される。戻し蓄力器15は、一方ではテンショニングエレメント7に、かつ他方では保持体3に係合している。テンショニングエレメント7は、ストッパとして形成された運動伝達エレメント8と一緒に、テンショニング装置6を形成している。さらにエジェクションエレメント4が、回転軸Xを中心にして、保持体3の回転軸受57内に回転可能に支持されている。引張りばねとして形成されたエジェクション蓄力器5は、一方ではエジェクションエレメント・蓄力器ベース29を介してエジェクションエレメント4に、かつ他方では保持体3の保持体・蓄力器ベース32に係合している。変位エレメント(Auslenkelement)38は、回転軸受ジャーナル58を介してテンショニングエレメント7に旋回可能に支持されている。変位エレメント38とテンショニングエレメント7との間には、追加的に、引張りばねとして形成された変位蓄力器39が設けられている。さらに連結装置26が設けられている。この連結装置26は、主として連結部材25と連結対応部材24とによって形成される。連結部材25は、テンショニングエレメント7の案内軌道28内に移動可能に支持されている。連結兼連結解除エレメント27もまた、この案内軌道28内に移動可能に配置されている。さらに連結レバー41が設けられており、この連結レバー41は、テンショニングエレメント7の回転軸受44内に回転可能に支持されており、一方では連結部材25の長孔48内において案内されていて、かつ他方では、連結対応部材ストッパ43の端部に枢着結合されている。さらに、引張りばねとして形成された連結蓄力器40が設けられており、この連結蓄力器40は、一方では連結兼連結解除エレメント27に係合し、かつ他方では連結部材25に係合している。さらに、同様に引張りばねとして形成された連結レバー蓄力器42が設けられている。この連結レバー蓄力器42は、一方では連結レバー41に係合し、かつ他方ではテンショニングエレメント7に係合している。さらに、保持体3に結合可能なヘッド部分37が設けられている。
【0018】
図3には、第1実施形態に係るエジェクション装置1が、組み立てられた状態で示されている。既に
図3に示した図面から良好に認識できるように、保持体・蓄力器ベース32およびエジェクションエレメント・蓄力器ベース29は、エジェクションエレメント4の回転軸Xおよび作用線Wを含む平面内に位置している。さらに連結兼連結解除エレメント27に形成されたストッパ45も示されている。さらにまたこの
図3においては、エジェクションエレメント4が、テンショニングエレメント7におけるストッパとして形成された作動装置35に接触していることが認識できる。
【0019】
図4には、
図3に示したエジェクション装置1が平面図で示されている。可動家具部分2に固定された連結対応部材24は、このとき可動家具部分2の位置を示している。したがって可動家具部分2は閉鎖位置SSにある。ロック装置17は、ロック位置VSにあり、このロック位置VSにおいてエジェクション蓄力器5の作用線Wは、回転軸Xを通って延びている。作用線Wの作用方向は、矢印によって示されていて、閉鎖方向SRを指している。この作用線Wは回転軸Xを通って延びているので、緊張させられたエジェクション蓄力器5の力を発揮することはできない。これによってエジェクションエレメント4は、いわば死点において保持される。保持体・蓄力器ベース32(保持体3を含む)、エジェクション蓄力器5およびエジェクションエレメント4は、これによって一緒にロック装置17を形成している。連結装置26は、連結部材25が連結対応部材24と連結されているので、連結位置Kにある。
【0020】
図4に示された位置を起点として閉鎖方向SRに、可動家具部分2が押圧されると、この可動家具部分2は、
図5に示された超過押圧位置USに達する。このとき連結対応部材24を介して、テンショニングエレメント7も同様に閉鎖方向SRに一緒に移動させられ、これによって作動装置35のストッパは、エジェクションエレメント4を回転方向Dに、つまり反時計回り方向に、回転軸Xを中心にして回転させる。したがってこの超過押圧によって回転軸Xと作用線Wとは、互いに間隔をおいて位置する相対的なロック解除位置ESに達する。これによってロック装置17はロック解除される。
【0021】
図5に示されたロック解除位置を起点として、エジェクション蓄力器5は弛緩することができ、これによってエジェクションエレメント4は、さらに回転方向Dに回転する(
図6参照)。これによってエジェクションエレメント4の、エジェクションエレメント・蓄力器ベース29とは反対側の端部は、テンショニングエレメント7に形成されたエジェクションストッパ46と接触する。これに基づいて、テンショニングエレメント7全体は開放方向ORに保持体3に対して相対的に移動させられ、これによってまた可動家具部分2は、たとえ僅かに開放されるとしても、開放位置OSに達する。同時にエジェクションエレメント4もまた変位エレメント38を、時計回り方向に変位蓄力器39の力に抗して旋回させる。
【0022】
図7においてエジェクション蓄力器5はさらに弛緩しており、これによって家具部分2(連結対応部材24によって再現されている)は、さらに開放位置OSへと移動させられている。可動家具部分2は、これによって間接的にエジェクションエレメント4によってテンショニングエレメント7および連結部材25を介してエジェクトされる。テンショニングエレメント7は開放方向ORに移動するので、引張りばねとして形成された戻し蓄力器15もまた緊張し始める。
【0023】
図8において、エジェクションエレメント4は四分の一回転している。エジェクション蓄力器5は、既にほぼ半分弛緩している。可動家具部分2は開放位置OSにあり、ロック装置17はロック解除位置ESにあり、かつ連結装置26は連結位置Kにある。変位蓄力器39は、完全に緊張させられている。
【0024】
図9によればエジェクションエレメント4は既にさらに移動させられているので、エジェクションエレメント4の、エジェクションエレメント・蓄力器ベース29とは反対側の端部もまた、再び逆向きに(つまりこの場合右に向かって)移動させられている。これにより変位蓄力器39もまた再び弛緩することができ、これによって変位エレメント38はエジェクションエレメント4に追従させられる。
【0025】
図9と
図10との間においてエジェクション装置1は、ロック位置VSとは反対側の死点が得られる位置(図示せず)に達し、この死点において保持体・蓄力器ベース32、エジェクションエレメント・蓄力器ベース29および回転軸Xは、平面図で見て一列に位置している。この中立位置もしくは死点位置を起点として、エジェクションエレメント4はしかしながらさらに移動するので、変位蓄力器39はさらに弛緩し、これによって変位エレメント38はエジェクションエレメント4を、
図10に示された位置へと移動させる。この位置においてエジェクション装置1の押出し移動行程Aは完全に終了する。したがってこの位置から、可動家具部分2がアクティブに引っ張られる緊張移動行程Sが始まる。テンショニングエレメント7は、連結装置26を介して可動家具部分2に連結されているので、エジェクションエレメント4もまた、
図11に示されているように、ストッパとして形成された運動伝達エレメント8を介して開放方向ORに移動させられる。これによってエジェクション蓄力器5の緊張時に、エジェクションエレメント4は、可動家具部分2の押出し時における回転方向と同じ回転方向D(反時計回り方向)において回転させられる。
【0026】
図12によればエジェクションエレメント4は、運動伝達エレメント8によってなおさらに回転軸Xを中心にして回転方向Dに回転させられている。
【0027】
図13において最終的に、テンショニング装置6の緊張移動行程Sが終了している。これによってエジェクション装置1は、開放移動行程O(押出し移動行程Aと緊張移動行程Sとから成る)だけ開放方向ORに移動している。同時にエジェクションエレメント4も完全に1回転しており、これによって再びロック位置VSが得られており、このロック位置VSにおいてエジェクション蓄力器5の作用線Wは、回転軸Xを通って延びている。戻し蓄力器15は、完全に緊張している。連結兼連結解除エレメント27におけるストッパ45は、ヘッド部分37に接触しており、これによって、連結兼連結解除エレメント27によって形成された、連結装置26用の制御装置のための、予め設定された開放移動行程VOが得られているもしくは進められている。連結兼連結解除エレメント27の先端47は、なお連結部材25の最前位の領域にあり、これによって連結部材25のヘッド領域はなお拡開されており、もしくはヘッド領域の、互いに間隙だけ間隔をおいて位置する両方の突出部は、互いに向かってなお曲がることができない。ヘッド部材25のヘッド領域と連結対応部材24の収容領域との間における連結箇所Kは、形状結合式(formschluessig)の保持部によって与えられている。
【0028】
図13に示されたこの位置を起点として、可動家具部分2がさらに引っ張られると、連結装置26の離反制御された連結解除が行われる(
図14参照)。最初に連結部材25を介して、さらにテンショニングエレメント7が開放方向ORに移動させられる。しかしながら制御装置を形成する連結兼連結解除エレメント27は、ヘッド部分37に接触しているので、テンショニングエレメント7と一緒に連結部材25だけが、開放方向ORにおいて保持体3に対して相対的に移動する。これによって連結兼連結解除エレメント27の先端47は、連結部材25のヘッド領域から離れ、これによりこのヘッド領域は、ほとんど僅かしか拡開されなくなる、もしくはもはや拡開されなくなる。これによりヘッド領域の突出部は互いに向かって曲がることができる。これによって連結解除位置EKが得られ、連結部材25のヘッド領域と連結対応部材24の収容領域との間においては、もはや単にルーズな結合状態しか存在しない。これによりもはや拡開していない連結部材25は、連結対応部材24から
図14に示されているように既に解離することができる。連結部材25に対する連結兼連結解除エレメント27の相対運動時に、連結蓄力器40は一方で連結部材25に係合しかつ他方において連結兼連結解除エレメント27に係合しているので、この連結蓄力器40もまた緊張する。
【0029】
連結対応部材24が、連結部材25から完全に解離されるや否や、可動家具部分2は自由可動状態(Freilauf)になる。同時に連結蓄力器40もまた再び弛緩することができ、これによって連結部材25は、閉鎖方向SRにおいてテンショニングエレメント7に対して相対的に移動させられる。これによって連結レバー41もまた、回転軸受44を中心にして旋回する。この移動と共に連結対応部材ストッパ43もまた、連結レバー蓄力器42が弛緩することによって、テンショニングエレメント7から進出させられる。連結部材25の戻り移動時に、この連結部材25のヘッド領域は連結部材案内49の側壁の間に達し、これによって連結部材25のヘッド領域の互いに間隔をおいて位置する部分が、互いに対して押圧される。これによって連結兼連結解除エレメント27の先端47は、連結部材25内において前方に向かって完全には移動することができない。これにより連結蓄力器40は、完全にではなく、単にほぼ半分だけ弛緩することができる。
【0030】
しかしながら連結部材25を完全に連結部材案内49内に進入させるために、
図16に示されているように連結レバー蓄力器42は弛緩し、連結部材25がテンショニングエレメント7のストッパ59に接触するまで、連結レバー41を旋回させる。これによって連結対応部材ストッパ43も完全に進出させられている。連結兼連結解除エレメント27の先端47は、なお完全には連結部材25の最前位の領域に位置していない。
【0031】
図16から、もしくは既に
図15から、戻し蓄力器15の弛緩も始まっており、これによってまず、
図17に示された位置が得られる。
【0032】
さらなる続きにおいて、弛緩する戻し蓄力器15を介して、テンショニングエレメント7はさらに
図18に示されている位置にまで進入移動させられ、この進入移動は、最終的に
図19において戻し位置Rが得られるまで行われる。
図18から
図19への間に、この戻し運動は緩衝装置36によって緩衝される。可動家具部分2はいまなお開放位置OSにある。ロック装置17はロック位置VSにある。
【0033】
最終的に
図20に示されているようにまた可動家具部分2が、閉鎖されると、まず連結対応部材24が連結対応部材ストッパ43と接触する。これによってまず連結部材25が連結レバー41の回転運動によって開放方向ORに移動させられ、これによって連結部材25の、最初は拡開していないヘッド領域は、連結対応部材24の収容領域内に係合する。次いで連結部材25は連結部材案内49の側面の間においては狭窄作用をもってもはや保持されていないので、
図20に示されているように、連結蓄力器40もまた弛緩しており、これによって連結兼連結解除エレメント27の先端47は、再び完全に、連結部材25のヘッド領域内に押し込まれており、かつこれによってこのヘッド領域を拡開させる。これによって
図20におけるように、連結装置26の連結位置Kが得られる。この
図20は、また再び
図4に示された出発位置に相当している。
【0034】
図21には、家具本体22および可動家具部分2を備えた家具21が、エジェクション装置1の第2実施形態と共に示されている。本実施形態においても可動家具部分2は、同様にヒンジ23を介して家具本体22に枢着結合されている。可動家具部分2には、エジェクション装置1の連結対応部材24が取り付けられている。
【0035】
図22に示された分解図においてエジェクション装置1の第2実施形態が詳細に示されている。本実施形態においても保持体3が設けられており、この保持体3は、図示されていないカバーと一緒に、エジェクション装置1の残りのコンポーネントのためのハウジングを形成することができる。保持体3内には、テンショニングエレメント7が移動可能に支持されている。このテンショニングエレメント7は、緩衝装置36によって緩衝されて保持体3に可動に支持されている。戻し蓄力器15を介してテンショニングエレメント7は、保持体3に結合されている。テンショニングエレメント7内には、連結兼連結解除エレメント27のための案内軌道28が設けられている。この連結兼連結解除エレメント27は、連結蓄力器40によって左方向においてテンショニングエレメント7に対して予荷重をかけられている。連結蓄力器40は、この場合ほぼV字形の引張りばねとして形成されており、このときこの引張りばねは、その両方の端部でテンショニングエレメント7内において保持されていて、かつ中央領域において連結兼連結解除エレメント27に接触している。さらに、保持体3に結合された連結エレメントテンショナ56が設けられており、この連結エレメントテンショナ56は、連結兼連結解除エレメント27のストッパ45に接触可能である。さらに本実施形態においても、ヘッド部分37が保持体3に取り付けられている。テンショニングエレメント7には、全部で3つのエジェクションストッパ46が設けられており、これらのエジェクションストッパ46は、エジェクションエレメント4に配置されたエジェクションローラ51に対応する。エジェクションエレメント4自体は、回転軸Xを介して保持体3の回転軸受57に回転可能に支持されている。さらにエジェクションエレメント4には、テンショニングローラ52が配置されている。偏心ピン50が、エジェクションエレメント4に偏心的に配置されている。エジェクション蓄力器5は、一方ではエジェクションエレメント・蓄力器ベース29を介してエジェクションエレメント4に結合されていて、かつ他方では保持体・蓄力器ベース32を介して保持体3に結合されている。さらにまた作動装置35が設けられており、この作動装置35は、本実施形態では、作動エレメント55、作動ばね54および作動ヨーク53によって形成されている。この作動ヨーク53は、保持体3の凹部60内に保持されている。
【0036】
図23には、エジェクション装置1の第2実施形態が組み立てられた状態で示されている。このとき連結兼連結解除エレメント27のストッパ45は、連結エレメントテンショナ56に接触している。さらに図面から分かるように、保持体・蓄力器ベース32およびエジェクションエレメント・蓄力器ベース29は、図示のロック位置VSにおいて、エジェクションエレメント4の回転軸Xおよび作用線Wを含む平面に位置している。
【0037】
図24には、
図23に適合するエジェクション装置1の平面図が示されている。連結対応部材24の位置は、閉鎖位置SSにある可動家具部分2の位置に相当している。さらにロック装置17はロック位置VSにある。それというのは、エジェクション蓄力器5の作用線Wは回転軸Xを通って延びているからである。作動ヨーク53はその端面で、偏心ピン50に接触している。またこの作動ヨーク53の屈曲領域(Kniebereich)には、作動エレメント55の端部領域が接触している。作動エレメント55の他端部は、連結対応部材24に接触している。連結部材25のヘッド領域は、連結兼連結解除エレメント27の先端47によって確かに拡開されているが、しかしながら連結部材25のヘッド領域は、連結対応部材24の収容領域に位置していないので、連結装置26はなお連結解除位置EKにある。
【0038】
図24に示されたこの閉鎖位置SSを起点として、いまや閉鎖方向SRにおいて可動家具部分2が押圧されると、可動家具部分2は
図25に示された超過押圧位置USに達する。作動エレメント55が連結対応部材24に接触していて、また可撓性の作動ヨーク53がその屈曲領域を介して作動エレメント55に接触しているので、作動ヨーク53の端面は偏心ピン50に押圧され、これによってエジェクションエレメント4は、回転方向Dにおいて回転軸Xを中心にして回転させられる。これによって回転軸Xと作用線Wとは、互いに間隔をおいて位置する相対的なロック解除位置ESに達する。これによってロック装置17はロック解除される(図示された実施形態において、ロックのためには常にエジェクションエレメント・蓄力器ベース29が移動させられる。しかしながらまた原則的には、超過押圧時に回転軸Xが、作用線Wに対して間隔をおいた位置に達するように、移動させられる態様も可能である。これによって作用線Wは、保持体3に関して不変のままであり、しかしながら回転軸Xは、保持体3に対して相対的に移動させられる。)。
【0039】
家具21の操作者が、可動家具部分2をもはや押圧しなくなるや否や、
図26に示されているようにエジェクション蓄力器5はさらに弛緩し始める。このエジェクション蓄力器5は、エジェクションエレメント4を連行し、このエジェクションエレメント4をさらに回転方向Dにおいて反時計回り方向に回転させる。これによって3つのエジェクションローラ51のうちの第1のエジェクションローラ51は、3つのエジェクションストッパ46のうちの第1のエジェクションストッパ46と接触し、これによってテンショニングエレメント7は、エジェクションエレメント4によって開放方向ORにおいて移動させられる。連結部材25は、テンショニングエレメント7と一体に形成されているので、連結部材25のヘッド領域を介して、連結対応部材24もまた、かつこの連結対応部材24と共に可動家具部分2も、開放方向ORに移動させられる。これによって可動家具部分2は、たとえ僅かに開放されるとしても、開放位置OSにある。ロック装置17は、ロック解除位置ESにある。連結装置26は、今なお連結解除位置EKにある。
図26によれば、テンショニングエレメント7は、開放方向ORにおいて保持体3に対して相対的に既に幾分移動させられている。しかしながら連結エレメントテンショナ56は、保持体3に固定されていて、ストッパ45はこの連結エレメントテンショナ56に接触しているので、制御装置を形成する連結兼連結解除エレメント27は、テンショニングエレメント7と共に開放方向ORにおいて一緒に移動しない。これによって連結兼連結解除エレメント27の先端47は、連結部材25のヘッド領域から離れる。連結部材25のヘッド領域は、これによって既に僅かに拡開される。
【0040】
図27によれば先端47は、連結部材25に対して相対的になおさらに戻されているので、連結部材25のヘッド領域は、もはや拡開されておらず、このヘッド領域は、その両方の突出部の互いに向かって屈曲可能な構成に基づいて、連結対応部材24における収容領域内に滑り込むことができる。そしてこれによって初めて、連結部材25と連結対応部材24との間におけるルーズな結合部が得られる。案内軌道28に沿ったテンショニングエレメント7に対する連結兼連結解除エレメント27の相対運動によって、
図27に示されているように、連結蓄力器40は緊張させられている。
図27によれば、エジェクションエレメント4もまた既にさらに回転させられており、これによって第2のエジェクションローラ41が、第2のエジェクションストッパ46と接触する。
【0041】
図28に示されているようにエジェクションエレメント4のさらなる回転時に、弾性の連結エレメントテンショナ56の一端部が、エジェクションエレメント4と接触し、これによって連結エレメントテンショナ56は幾分左に向かって屈曲される。これによって連結兼連結解除エレメント27のストッパ45は、もはや連結エレメントテンショナ56によって保持されなくなり、これによって連結蓄力器40は弛緩することができる。これによって連結兼連結解除エレメント27もまた再びテンショニングエレメント7に対して相対的に開放方向ORに移動し、これにより連結兼連結解除エレメント27の先端47は、連結部材25のヘッド領域内に達し、このヘッド領域を拡開する。これによって確実な形状結合式の保持部が得られ、ひいては連結部材25と連結対応部材24との間における連結位置Kが得られ、この連結位置Kは、連結部材25に対する連結兼連結解除エレメント27の相対運動なしには解離不能である。
【0042】
図29によれば、エジェクションエレメント4の半回転が終了している。これによりエジェクション蓄力器5は完全に弛緩しており、エジェクションエレメント4は、再び中立位置にある。エジェクション装置1の押出し移動行程Aは、これによって終了している。戻し蓄力器15は、既にほぼ半分弛緩している。この
図29を起点として、いまや可動家具部分2は開放方向ORに引っ張られる。
【0043】
図30において既に始まっているこのさらなる引張り運動によって、テンショニングエレメント7はさらに開放方向ORにおいて、保持体3に対して相対的に移動させられる。第3のエジェクションローラ51はいまなお第3のエジェクションストッパ46と接触しているので、エジェクションエレメント4もまたエジェクション蓄力器5のこの緊張時に、可動家具部分2の押出し時と同じ回転方向Dにさらに回転させられる。同時にテンショニングローラ52もまた、運動伝達エレメント8と接触する。ストッパとして形成されたこの運動伝達エレメント8は、テンショニングエレメント7と一緒に、エジェクション蓄力器5のためのテンショニング装置6を形成している。エジェクション蓄力器5は、
図30において既に再び部分的に緊張している。
【0044】
図31によれば、可動家具部分2はなおさらに開放方向ORに移動させられており、かつ同時にエジェクションエレメント4はさらに回転方向Dにおいて回転させられており、これによって偏心ピン50は、作動ヨーク53の側面に接触していて、この作動ヨーク53をその可撓性に基づいて既に僅かに右に向かって屈曲している。このことは、右上に示された詳細部分図において良好に認識することができる。
【0045】
図32において可動家具部分2は、なおさらに開放方向ORにおいて移動させられており、これによってエジェクションエレメント4は、なおさらに回転させられている。これによって偏心ピン50は、作動ヨーク53をさらに明瞭に屈曲している(右上の詳細図参照)。
【0046】
さらなる移動時に、偏心ピン50は、最終的に作動ヨーク53を通過し、これによって両方のコンポーネントは、
図33に示されているように再びその出発位置に達する。作動ばね54によって作動エレメント55の位置も再び、作動エレメント55が間隙値(Spaltmass)だけ保持体3から突出するように適合させられる。
図33によれば、押出し移動行程Aと一緒にエジェクション装置1の開放移動行程Oを生ぜしめる緊張移動行程Sも終了している。
図32から
図33へのエジェクション装置1の移動時に、連結兼連結解除エレメント27のストッパ45は、ヘッド部分37と接触する。これにより予め設定された開放移動行程VOが得られる。これによってこの連結兼連結解除エレメント27もまた、連結蓄力器40の荷重を受けながらテンショニングエレメント7に対して相対的に移動させられ、これによって連結兼連結解除エレメント27の先端47は、連結部材25のヘッド領域から進出し、このヘッド領域の突出部をもはや拡開しない。これによって連結装置26の連結解除位置EKが得られる。しかしながら連結部材25のヘッド領域と連結対応部材24の収容領域との間におけるルーズな簡単に解離可能な結合は、なお存在している。
【0047】
図33に示されたこの位置を起点としてさらに、可動家具部分2が引っ張られると、連結対応部材24は連結部材25から、ヘッド領域の突出部の相互の屈曲によって解離し、そしてこのルーズな結合状態も消滅する。
【0048】
連結解除位置EKが得られた後で、戻し蓄力器15もまた再び弛緩することができ、まずテンショニングエレメント7を閉鎖方向SRにおいて、
図35に示された位置に達するまで移動させる。この移動と同時に、もしくはストッパ45がもはやヘッド部分37に接触しなくなった時点から、連結蓄力器40もまた弛緩することができる。これによって連結兼連結解除エレメント27の先端47は、連結部材25のヘッド領域内に移動させられ、これによってヘッド領域は再び拡開される。
【0049】
図36において戻し蓄力器15は完全に弛緩している。この戻し運動は緩衝装置36のピストンを介して緩衝される。これによって戻し装置13もしくは戻し蓄力器15の戻し位置Rが得られる。可動家具部分2は、連結対応部材24によって再現されて、しかしながらなお開放位置OSにある。
【0050】
最終的に
図37に示されているように、またなお可動家具部分2が閉鎖方向SRにおいて移動させられると、可動家具部分2は閉鎖位置SSに達する。この閉鎖位置SSにおいて連結対応部材24は、再び作動エレメント55に接触している。ロック装置17はロック位置VSにある。連結装置26は連結解除位置EKにある。
図37は、再び
図24に示された出発位置に相当している。
【0051】
最後にさらに付言すると、実施形態においては同じ機能を有するコンポーネントには、同じ参照符号が付されている。また実施形態に対する利点および述べられた可能性は、それぞれ他の実施形態に対しても同様に言える。