(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フリープレイモード実行制御部は、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずに実行するゲームの回数を設定するフリープレイモードゲーム回数設定部を備え、
前記実行ゲーム回数カウント部は、前記フリープレイモードゲーム回数設定部が設定した回数のゲームが実行された場合にカウントをリセットすることを特徴とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
前記フリープレイモードゲーム回数設定部により設定される前記ゲームの回数は、ゲームの履歴に基づいて前記景品の取得の難易度を判断し、該難易度に応じて決定される請求項2に記載の景品取得ゲーム装置。
前記難易度の判断は、所定期間のゲーム回数及び前記景品検知センサの検知回数から1回のゲームにおける景品獲得の期待値の変化に応じて判断され、前記フリープレイモードゲーム回数設定部により設定される前記ゲームの回数は、前記期待値の変化に応じた補正値を、予め設定したフリープレイモードゲーム回数に対して加えることで決定される請求項4に記載の景品取得ゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における景品取得ゲーム装置2を用いた景品取得ゲームユニット1の外観を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態における景品取得ゲーム装置2の外観を示す正面図である。
【0021】
景品取得ゲームユニット1は、基台3と、4台の景品取得ゲーム装置2とからなり、基台3の上に2台の景品取得ゲーム装置2が並べて載置され、これら2台の景品取得ゲーム装置2の上にそれぞれ景品取得ゲーム装置2が載置されている。
【0022】
下段の2台の景品取得ゲーム装置2は、背の低い遊戯者例えば年少の子供でもゲームが可能な高さに配置され、上段の景品取得ゲーム装置2は、背の高い遊戯者がゲーム可能な高さに配置されている。
【0023】
[第1実施形態]
景品取得ゲーム装置2は、筐体10と、突出部12と、載置台14と、落下口16と、景品取出口18と、駆動機構20と、移動体22と、表示体26と、操作部に相当する操作パネル30と、コイン投入口32と、景品検知センサ40と、を備えている。
【0024】
筐体10は、上下方向に長い直方体形であり、内部に載置台14、落下口16、駆動機構20、移動体22、表示体26が配置される。
【0025】
突出部12は、筐体10の一の側面の下部に配置される直方体形の筐体である。なお、以下の説明の便宜上、筐体10における4つの側面において、突出部12が配置されている側面を前面、この前面に対向する側面を後面、前面を正面視した場合に左手側の側面を左側面、右手側の側面を右側面と称する。また、筐体10の内部から見て前面側を前方、後面側を後方、左側面側を左方、右側面側を右方、上面側を上方、下面側を下方と称する。
【0026】
載置台14は、筐体10の内部における上下方向の中央部に配置される。この載置台14に景品50が並べて載置される。落下口16は、載置台14における左前方の角部に形成された空間である。景品取出口18は、筐体10における突出部12の左側に形成された空間であり、落下口16に連通している。ここで、筐体10の前側及び左右側の3つの側面部における載置台14よりも上方の部位には、透明のアクリル板が張られた窓が形成されており、筐体10の前側及び左右側から、載置台14に載置された景品50が視認可能である。
【0027】
駆動機構20は、載置台14内部の上部に設けられ、移動体22を前後、左右、上下方向に移動させるものである。具体的に駆動機構20は、左右方向に延びる棒状部材と、棒状部材に取り付けられる上下方向に伸縮する伸縮部材と、伸縮部材を棒状部材に沿って左右方向に移動させるモータ、棒状部材を前後方向に移動させるモータ、及び伸縮部材を上下方向に伸縮させるモータとを備えている。
【0028】
移動体22は、駆動機構20の伸縮部材の先端に固定される。また、移動体22は、3本の把持アーム24と、3本の把持アーム24を開閉させるモータとを備えている。3本の把持アーム24の基端部は移動体22に回動自在に取り付けられており、3本の把持アーム24の先端部は弧状に形成されている。3本の把持アーム24は、先端部が伸縮部材の仮想中心軸を向くように移動体22に取り付けられている。そして、3本の把持アーム24を外側に回動させることにより、3本の把持アーム24が開いた状態となり、3本の把持アーム24を内側に回動させることにより、3本の把持アーム24が閉じた状態となる。
【0029】
表示体26は、矩形の平板状の液晶表示パネルによって構成されており、上側表示領域26aと下側表示領域26bとを備えている。表示体26は、筐体10の内部における後方の側面の中央部に配置されており、筐体10に固定されている。
【0030】
操作パネル30は、突出部12の上面に配置されており、操作レバー30aと、操作ボタン30bと、表示パネル30cとを備えている。操作レバー30aは、遊戯者の操作によって移動体22の移動方向を指示するものであり、操作レバー30aを倒した方向に移動体22が移動し、操作レバー30aを手放した時に移動体22が停止する。操作ボタン30bは、移動体22の下方への移動を指示するものである。表示パネル30cは、実行可能な残りゲーム回数を示すものであり、7セグメントのLEDによって構成されている。また、突出部12の内部には、操作レバー30a及び操作ボタン30bの操作に基づいて駆動機構20及び移動体22に備えたモータを駆動制御する制御部100(
図3参照)を構成する回路基板が備えられている。
【0031】
コイン投入口32は、突出部12の前面に配置されている。コイン投入口32は500円硬貨が挿入可能なスリットによって構成されている。また、突出部12の内部には、コインの種類を判別するコイン判別部36(
図3参照)と、コインを収容するコイン収容部(図示せず)とが備えられている。第1実施形態によれば、コインとして100円硬貨及び500円硬貨のいずれかが使用される。それ以外のコインであれば、返却口34に送り出されて遊戯者に返却される。コインがコイン投入口32に投入された場合、表示体26における上側表示領域26aに、投入したコインに関する情報が表示される。例えば、500円硬貨が挿入された場合には、上側表示領域26aに「500」と表示される。また、表示体26における下側表示領域26bには、表示パネル30cと同じ情報、すなわち実行可能な残りゲーム回数が表示される。
【0032】
景品検知センサ40は、落下口16付近に設けられ、景品が落下口16を通過したことを検知するものである。景品検知センサ40としては、例えば、発光素子と受光素子とからなる光学センサが適用可能である。すなわち、発光素子と受光素子とを対向配置し、発光素子の光を受光素子に受光させ、発光素子の受光量を制御部100(
図3参照)にモニタさせる。そして、落下口16を通過した景品が発光素子から受光素子への光路を遮ることによる受光量の変化を、制御部100(
図3参照)発光素子の出力に基づいて検出し、予め設定した閾値以上の受光量の変化があった場合に、景品が落下口16を通過したと判断する。
【0033】
図3は、本実施形態における景品取得ゲーム装置2の制御系を示すブロック図である。
景品取得ゲーム装置2は、遊戯の制御を行う制御部100を有している。制御部100には、駆動機構用モータ駆動部110、把持アーム用モータ駆動部112、景品検知センサ40、コイン判別部36、操作レバー30a、操作ボタン30bが接続されている。
【0034】
駆動機構用モータ駆動部110は、制御部100からの命令に基づいて駆動機構20のモータを駆動させ、移動体22を移動させる。
把持アーム用モータ駆動部112は、制御部100からの命令に基づいて把持アーム24のモータを駆動させ、把持アーム24を開閉させる。
【0035】
コイン判別部36は、コイン投入口32に投入されたコインが100円硬貨及び500円硬貨のいずれかであることを判別し、判別結果を制御部100に送信する。
【0036】
操作レバー30aが操作された場合に、操作レバー30aの操作方向に関する信号が制御部100に出力され、制御部100は、操作方向に移動体22を移動させるように駆動機構用モータ駆動部110を制御する。操作ボタン30bが押下された場合に、その旨の信号が制御部100に出力され、制御部100は、移動体22の移動を停止させ、移動体22の下方向に移動させるように駆動機構用モータ駆動部110を制御するとともに、把持アーム24を開放させるように把持アーム用モータ駆動部112を制御する。
【0037】
また、制御部100は、CPU102と、記憶部104を備えている。記憶部104には、景品取得ゲーム装置2の制御に必要な各種のプログラムが記憶されている。CPU102は、記憶部104に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、通常モード実行制御部、ゲーム回数設定部、実行ゲーム回数カウント部、フリープレイモード実行制御部、タイマ部、履歴取得部等の機能を果たすようになる。
【0038】
通常モード実行制御部は、駆動機構20のモータや把持アーム24のモータを制御し、コイン投入口32にコインが投入されたことを条件に、景品取得ゲーム装置2におけるゲームを実行させる。
【0039】
ゲーム回数設定部は、コイン投入口32に投入されたコインに応じて遊戯者がプレイできるゲーム回数を設定する。具体的に、ゲーム回数設定部は、記憶部104の記憶領域の一部をゲーム回数記憶領域として使用し、例えば、100円硬貨が投入された場合には、コイン判別部36(
図3参照)が100円硬貨であると判別し、その判別結果に基づいて、ゲーム回数設定部が、ゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数に「1」加算し、500円硬貨が投入された場合には、コイン判別部36(
図3参照)が500円硬貨であると判別し、その判別結果に基づいて、ゲーム回数設定部が、ゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数に「5」加算する処理を行う。ゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数は、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示される。
【0040】
実行ゲーム回数カウント部は、最後に景品が取得されてから実行されたゲーム回数(以下、実行ゲーム回数と称する)をカウントする。具体的に、実行ゲーム回数カウント部は、記憶部104の記憶領域の一部を実行ゲーム回数カウンタとして使用し、ゲームが実行される毎に「1」加算され、遊戯者が景品を取得した場合に、すなわち景品検知センサ40が景品を検知した場合にリセットする(「0」にする)。
【0041】
フリープレイモード実行制御部は、実行ゲーム回数カウント部がカウントした実行ゲーム回数が所定数を越えているか否かを判定し、越えていると判定した場合に、コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずにゲームが実行可能なフリープレイモードに移行する。
【0042】
タイマ部は、現在時刻を計時するものであり、履歴取得部は、コインが投入された時刻や景品検知センサ40が景品を検知した時刻を、投入したコインの情報や景品検知センサ40が景品を検知した旨の情報に関連付けて記憶部104の所定の記憶領域に記憶する。
【0043】
次に、景品取得ゲーム装置2によるゲームの流れについて、
図4のフローチャートを参照しながら説明する。
遊戯者が、コイン投入口32にコインを投入すると(S1)、コインに対応するゲーム回数が記憶部104に記憶されることでゲーム回数が設定されるとともに(S2)、表示パネル30c及び下側表示領域26bにゲーム回数が表示される。そして、景品取得ゲーム装置2は、遊戯者が操作レバー30a及び操作ボタン30bの操作に基づいて移動体22を制御するゲーム実行処理を行う(S3)。
【0044】
具体的に、遊戯者が、例えば、コイン投入口32に500円硬貨を投入すると、表示パネル30c及び下側表示領域26bに「5」と表示され、5回ゲームができることを遊戯者に報知される。
【0045】
次に、遊戯者が、操作レバー30aを操作し、所望の景品の上方に移動体22を位置付ける。その後、移動体22は、自動的に複数の把持アーム24を開いてから下方に移動し、景品付近で複数の把持アーム24を閉じる。そして、移動体22は、複数の把持アーム24を閉じたまま自動的に上方に移動し、更に落下口16の上方に移動して複数の把持アーム24を開く。この際、移動体22が景品を落下口16に運んだり、あるいは把持アーム24が閉じた際に把持アーム24によって押されて景品が落下口16に転がり落ちたりするなどして、景品が落下口16に落下した場合に、景品検知センサ40が景品を検知し、制御部100(
図3参照)が筐体10に取り付けられているスピーカや発光素子、表示体26等を駆動させて、景品の取得を祝う演出を実行させる。
【0046】
移動体22が落下口16の上方に戻って把持アーム24を開いた後、記憶部104に記憶されているゲーム回数が1減算され、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示されている数字が「4」に更新される。そして、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示されている数字が「0」になるまでゲームを繰り返し行うことが可能である。
【0047】
なお、ゲーム中であってもコイン投入口32にコインが投入されると、記憶部104に記憶されているゲーム回数に、コインに対応するゲーム回数が加算される。上述した例の場合、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示されている数字が「4」に更新された後、コイン投入口32に100円硬貨を投入すると、記憶部104に記憶されているゲーム回数に1加算され、表示パネル30c及び下側表示領域26bの表示が「4」から「5」に更新される。
【0048】
次に、景品取得ゲーム装置2において実行されるゲーム実行処理について、
図5を参照しながら詳細に説明する。
まず、CPU102は、記憶部104におけるゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数が「0」より大きい場合に(S10のYES)、実行ゲーム回数の値が予め設定された設定数(例えば、11回)以上であるか否かを判定する(S12)。CPU102は、設定数(例えば、11回)以上であると判定した場合には(S12のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオンにして(S14)、景品を取得するゲームを実行する(S16)。設定数(例えば、11回)未満であると判定した場合には(S12のNO)、景品を取得するゲームを実行する。この際、CPU102は、記憶部104におけるゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数を「1」減算するとともに、実行ゲーム回数を「1」加算する(S18)。
【0049】
次に、CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)か否かを判定する(S20)。CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知したと判定した場合には(S20のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオフにし、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S22)、記憶部104におけるゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数に基づいて表示パネル30c及び下側表示領域26bの表示を更新する(S24)。CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知したと判定しない場合に(S20のNO)、表示パネル30c及び下側表示領域26bの表示内容を更新する(S24)。CPU102は、ステップS24の処理が終了した場合に、ステップS10に処理を移行する。
【0050】
つまり、ステップS10〜ステップS24の処理によれば、実行ゲーム回数が10回になった場合、言い換えれば、9回連続して景品を取得できなかった状態で、10回目のゲームを実行した場合にフリープレイモード実行フラグがオンになる。
【0051】
そして、ステップS10において、ゲーム回数が「0」の場合に(S10のNO)、
図6のステップS30に移行する。
【0052】
ステップS30において、CPU102は、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグがオンであるか否かを判定する。CPU102は、フリープレイモード実行フラグがオンである場合に(S30のYES)、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S32)、フリープレイモードを実行する(S34)。フリープレイモードは、コインを投入することなく景品が取得できるまで繰り返しゲームを実行できるモードである。言い換えれば、景品検知センサ40が景品を検知する(景品検知センサオン)まで(S36のYES)、フリープレイモードは継続される。そして、CPU102が、景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)と判定した場合に、CPU102は、フリープレイモード実行フラグをオフにして、待機状態に入る(S38)。
【0053】
このように構成した第1実施形態においては、設定数(例えば10回)ゲームを実行しても景品が取得できなかった遊戯者に対して、フリープレイモードを行う権利を与えることにより、遊戯者は少なくとも1000円分のコインを投入することにより、必ず1個の景品を取得することができるため、安心して、景品取得ゲーム装置2によるゲームを行うことが可能になる。特に年少の子供のように遊戯の技量を持っていない遊戯者の場合であっても、繰り返しゲームを行うことで景品を取得することができるため、ゲームの達成感を与えることが可能になる。
【0054】
なお、前の遊戯者が、例えば、3回ゲームを行ってあきらめた場合、実行ゲーム回数カウンタの値は「3」のままであるが、実行ゲーム回数カウンタの値は遊戯者に報知されない。このため、前の遊戯者がゲームを行ってあきらめた場合には、少ないゲーム回数でフリープレイモードを行う権利を取得する可能性があるという興趣を持たせることも可能になる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2について説明する。ここで、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2の構成は、第1実施形態の景品取得ゲーム装置2におけるコイン投入口32の形状と、CPU102が果たす機能の一部において異なっている。
【0056】
第2実施形態の景品取得ゲーム装置2は、第1実施形態の景品取得ゲーム装置2におけるコイン投入口32を特定のコイン(例えば、100円硬貨)のみが投入可能な大きさとし、コイン投入口32にコインが連続投入されても2枚目以降は返却口に払い戻されるように構成したものである。
【0057】
また、第2実施形態における景品取得ゲーム装置2のCPU102は、記憶部104に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、コインが投入されてから次のコインが投入されるまでの時間を計測するゲーム時間間隔計測部の機能を更に果たすようになる。
【0058】
ゲーム時間間隔計測部は、コインが投入されてからの時間を計測し、記憶部104の所定の記憶領域に記憶する。記憶部104には、コインが投入されてからの時間を記憶する記憶領域として、記憶領域(0)と記憶領域(1)とを備えている。記憶領域(0)には、コインが投入されてからの時間が記憶され、次のコインが投入された時点で、記憶領域(0)が記憶している時間を記憶領域(1)にシフトさせ、記憶領域(0)には、新たにコインが投入されてからの時間が記憶される。
【0059】
すなわち、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2の制御部100は、第1実施形態の景品取得ゲーム装置2の制御部100が有しているゲーム回数設定部としての機能を備えていないが、その代わりにゲーム間隔計測部としての機能を備えている。
【0060】
次に、第2実施形態における景品取得ゲーム装置2によるゲームの流れについて説明する。
図7に示すように、遊戯者が、コイン投入口32にコインを投入すると(S51)、景品取得ゲーム装置2は、遊戯者が操作レバー30a及び操作ボタン30bの操作に基づいて移動体22を制御するゲーム実行処理を行う(S53)。
【0061】
次に、景品取得ゲーム装置2において実行されるゲーム実行処理について詳細に説明する。
【0062】
図8は、
図7のゲーム実行処理を示すフローチャートである。
まず、CPU102は、記憶部104において、コインが投入されてからの時間が記憶している記憶領域における記憶領域(1)に記憶されている時間が、予め設定した設定時間(例えば、90秒)を越えているか否かを判定する(S60)。CPU102が越えていると判定しない場合には(S60のNO)、ステップS64に処理を移行する。CPU102が越えていると判定した場合には(S60のYES)、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S62)、ステップS64に処理を移行する。
【0063】
ステップS64において、CPU102は、実行ゲーム回数の値が予め設定された設定数(例えば、11回)以上であるか否かを判定する。CPU102は、設定数(例えば、11回)以上であると判定した場合には(S64のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオンにして(S66)、景品を取得するゲームを実行する(S68)。設定数(例えば、11回)未満であると判定した場合には(S64のNO)、景品を取得するゲームを実行する(S68)。この際、CPU102は、記憶部104に記憶されている実行ゲーム回数に「1」加算する(S70)。
【0064】
次に、CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)か否かを判定する(S72)。CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知した判定した場合には(S72のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオフに、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S74)、
図6に示すステップS30に処理を移行する。ステップS30以降の処理は、第1実施形態において
図6を用いて説明した通りであるため、説明は省略する。
【0065】
このように構成した第2実施形態においては、コインを投入してからゲームを実行し、更にコインを投入するタイミングが、前回のコイン投入から90秒以内であれば、実行ゲーム回数カウンタがリセットされない。このため、ゲームを連続して10回行って景品を取得できなかった場合に、フリープレイモードの権利が得られるが、コインの投入間隔が長い場合には、フリープレイモードの権利が得られない場合がある。
【0066】
通常、遊戯者は、狙う景品を決定してからコインを投入してゲームを実行する。このため、コイン投入からゲーム実行まで時間を掛けることはほとんどない。また、1回のゲーム時間は30秒程度であることから、第2実施形態においては、ゲーム終了後、約1分の間にコインを投入すれば、実行ゲーム回数カウンタの値に「1」加算され、フリープレイモードに近づくことになる。ゲーム終了後、約1分あれば、例えば千円札を両替機に投入して10枚の100円硬貨に両替してから、100円硬貨を投入してゲームを継続するのに十分である。このように、遊戯者は、フリープレイモードの権利が得られるようにゲームを継続することが可能になる。逆に、遊戯者は、ゲームを継続したくないものの、次の遊戯者がフリープレイモードに近くなることが好まない場合に、例えば、90秒を十分に使ってゲームを進行することにより、実行ゲーム回数カウンタをリセットさせることが可能になる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2について説明する。ここで、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2は、第1、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2において実行される
図6に示す処理を一部変更したものである。
【0068】
具体的に、第1、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2は、フリープレイモードが景品を取得するまで継続することに対し、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2は、フリープレイモードの回数が設定される。
【0069】
図9は、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2の要部を示すフローチャートである。
第1、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2において
図5又は
図8に示す処理が実行された後、CPU102は、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグがオンであるか否かを判定する(S100)。CPU102は、フリープレイモード実行フラグがオンである場合に(S100のYES)、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S102)、フリープレイ回数を設定する(S104)。具体的に、CPU102は、店側で予め設定したフリープレイ回数あるいは景品取得ゲーム装置2において乱数抽選を実行して決定したフリープレイ回数を、記憶部104の所定の記憶領域に記憶してから、フリープレイモードを実行する(S106)。ここで、乱数抽選とは、記憶部104の所定の記憶領域に乱数を発生させ、例えば、遊戯者が操作ボタン30bを押下したタイミングでCPU102が乱数を抽出し、乱数とフリープレイ回数とを関連付けたテーブルを参照してフリープレイ回数を設定することである。なお、乱数抽選の際に、表示体26に操作ボタン30bを操作させるミニゲームを表示させ、このミニゲームによる操作ボタン30bの操作に基づいて乱数抽選を行ってフリープレイ回数を設定してもよい。
【0070】
CPU102は、フリープレイが実行される毎に、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されたフリープレイ回数を「1」減算する。フリープレイにおいて景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)と判定した場合(S112のYES)、又はフリープレイ回数分ゲームを実行した場合(S108のNO)にCPU102は、フリープレイモード実行フラグをオフにして、待機状態に入る(S114)。
【0071】
このように構成した第3実施形態においては、フリープレイモードにおけるゲーム回数を規定しているため、遊戯者は、フリープレイモードにおいても景品を取得すべく、真剣にゲームを行うようになる。例えば、第1、第2実施形態においては、景品を取得できるまでゲームを継続して行えるため、例えば、遊戯者が、フリープレイモードにおいて景品を取る意識がなく、いいかげんなゲームを繰り返すことによって、他の遊戯者がゲームをできなくなるおそれがある。しかし、第3実施形態においては、フリープレイモードにおけるゲーム回数を規定しているため、このような迷惑行為を防止することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、第2実施形態においては、コインを投入してからの時間を計測しているが(
図7に示すS60)、それに限らず、移動体22が初期位置に戻った時点からの時間を計測し、設定時間よりも長い場合に、実行ゲーム回数カウンタをリセットしてもよい。
【0073】
また、第1、第2実施形態においては、10回の連続プレイに対して、景品取得までのフリープレイの権利を与えているが、例えば、5回の連続プレイに対して、1回のフリープレイの権利を与えてもよい。なお、フリープレイは、実行ゲーム回数に含めないことが望ましい。
【0074】
また、第1実施形態においては、表示体26における上側表示領域26aには、投入したコインに関する情報が表示され、下側表示領域26bには、表示パネル30cと同様に実行可能な残りゲーム回数が表示されるが、表示体26に表示させる内容はそれに限るものではない。例えば、上側表示領域26aには、前回景品が取得されてからの投入された硬貨の累積額を表示し、下側表示領域26bに実行ゲーム回数を表示してもよい。これにより、遊戯者は、表示体26を見ることによって、遊戯を継続するかあきらめるかを判断する機会を持つことが可能になる。なお、表示体26にはそれ以外の情報、例えば、店の宣伝広告や、遊戯可能な時間の案内等を表示してもよい。
【0075】
また、第3実施形態においては、フリープレイ回数として、店側で予め設定したフリープレイ回数あるいは景品取得ゲーム装置2において乱数抽選を実行して決定したフリープレイ回数が設定されるが、それ以外であってもよい。例えば、記憶部104に記憶されている履歴に基づいて、所定期間のゲーム回数及び景品検査センサの検知回数から1回のゲームにおける景品獲得の期待値を求め、この期待値の変化に応じて、店側で予め設定したフリープレイ回数に対して自動的に補正値を加えてもよい。このように、制御部100が、ゲームの履歴に基づいて景品取得の難易度を判断し、フリープレイモードにおいて実行されるプレイ回数を、フリープレイとする基準を難易度に応じて適切に設定することにより、遊戯者は、ゲームを楽しくプレイすることができる。
【0076】
また、上述した実施形態においては、筐体10の内部に表示体26が配置されているが、表示体26については省略してもよい。この場合、表示パネル30cに、残りゲーム回数と、投入したコインに関する情報とをまとめて表示してもよい。更には、表示パネル30cに、残りゲーム回数に加えて、上述した表示体26の表示内容を表示してもよい。