特許第6567113号(P6567113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567113
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
   A63F9/30 502C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-49305(P2018-49305)
(22)【出願日】2018年3月16日
(62)【分割の表示】特願2015-155006(P2015-155006)の分割
【原出願日】2015年8月5日
(65)【公開番号】特開2018-89487(P2018-89487A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2018年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】515192483
【氏名又は名称】株式会社キュービック
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】増尾 一徳
【審査官】 彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−061584(JP,A)
【文献】 特開2006−122531(JP,A)
【文献】 特開2008−029512(JP,A)
【文献】 特開2004−097528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
当該筐体の内部に配置され、景品を並べて載置する載置台と、
当該載置台に形成される落下口と、
前記筐体に形成され、前記落下口から落下した景品を取り出す景品取出口と、
複数の把持アームを開閉可能に支持する移動体と、
当該移動体に設けられ、複数の把持アームを開閉させるアーム駆動部と、
前記載置台の上部に設けられ、前記移動体を水平方向及び上下方向に移動させる駆動機構と、
遊戯者によって操作され、前記移動体の移動方向を指示する操作部と、
コインを投入するコイン投入口と、
景品が前記落下口を通過したことを検知する景品検知センサと、
前記アーム駆動部及び前記駆動機構を制御し、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件として、前記落下口の上方に位置付けられている前記移動体を、遊戯者による前記操作部の操作に基づいて水平方向に移動させ、前記移動体を所望の景品の上部に配置した後、前記把持アームが開いた状態にある前記移動体を下方に移動させてから前記把持アームを閉じ、前記移動体を上方に移動させて更に前記落下口の上方に移動させて前記把持アームを開くという一連の動作をさせて、景品を前記落下口に落下させるというゲームを実行させる通常モード実行制御部と、
最後に景品が取得されてから実行されたゲームの回数をカウントし、前記景品検知センサが景品を検知した場合にカウントをリセットする実行ゲーム回数カウント部と、
当該実行ゲーム回数カウント部が所定数を越えている場合に、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずに、ゲームを実行させるフリープレイモード実行制御部と、
前記コイン投入口にコインが投入されてから次のコインが投入されるまでの時間を計測するゲーム時間間隔計測部と、を備え、
前記コイン投入口へコインが投入されてからゲームが実行され、そのゲームが終了した後に次のコインが投入されるように、コインの投入が規制され、
前記実行ゲーム回数カウント部は、前記ゲーム時間間隔計測部が計測した時間が所定時間を超えている場合にカウントをリセットし、前記ゲーム時間間隔計測部が計測した時間が所定時間以内の場合にカウントをリセットしない、ことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記フリープレイモード実行制御部は、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずに実行するゲームの回数を設定するフリープレイモードゲーム回数設定部を備え、
前記実行ゲーム回数カウント部は、前記フリープレイモードゲーム回数設定部が設定した回数のゲームが実行された場合にカウントをリセットすることを特徴とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記フリープレイモードゲーム回数設定部により設定される前記ゲームの回数は、発生させた乱数に基づいて決定される請求項2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記フリープレイモードゲーム回数設定部により設定される前記ゲームの回数は、ゲームの履歴に基づいて前記景品の取得の難易度を判断し、該難易度に応じて決定される請求項2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記難易度の判断は、所定期間のゲーム回数及び前記景品検知センサの検知回数から1回のゲームにおける景品獲得の期待値の変化に応じて判断され、前記フリープレイモードゲーム回数設定部により設定される前記ゲームの回数は、前記期待値の変化に応じた補正値を、予め設定したフリープレイモードゲーム回数に対して加えることで決定される請求項4に記載の景品取得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が、移動体を外部操作して景品を取得する景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品取得ゲーム装置としては、クレーンゲーム装置が広く知られている。クレーンゲーム装置においては、複数の把持アームを有する移動体を遊技者が外部操作して、複数の把持アームに景品を把持させ、落下口に景品を落下させることができた場合に景品を取得できるというゲームが実行される。
【0003】
具体的には、遊技者は、クレーンゲーム装置本体に設けられているコイン投入口にコインを投入することによって、コインと引き替えにゲームを所定回数行う権利を取得することができる。遊技者は、コインを投入した後、操作ボタンあるいは操作レバーを操作して移動体を移動させ、所望の景品の上方に移動体を位置付ける。その後、移動体は、自動的に複数の把持アームを開いてから下方に移動し、景品付近で複数の把持アームを閉じる。そして、移動体は、複数の把持アームを閉じたまま自動的に上方に移動し更に落下口の上方に移動して複数の把持アームを開く。このような一連の動作がクレーンゲーム装置における1回のゲームで実行される(特許文献1参照)。
【0004】
景品取得ゲーム装置に用いるコインとしては、100円硬貨あるいは500円硬貨使用される場合が多い。また、多くの場合、100円硬貨の投入で1回のゲームを行う権利を取得できるように設定されている。また、予め、複数の100円硬貨あるいは500円硬貨を投入した場合に、サービスとしてゲーム数を上乗せするように設定することが可能な機種もある。具体的には、2枚の100円硬貨の連続投入で3回のゲーム、5枚の100円硬貨の連続投入又は500円硬貨の投入で6回のゲームを行う権利が取得できる機種もある。
【0005】
また、景品としては、小型のぬいぐるみや、箱に収納された人形、更には一般にガチャガチャ(株式会社バンダイ登録商標)と称される遊戯用器具に用いられているカプセル入りのおもちゃ等、多種多様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−37594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、景品取得ゲーム装置の景品がカプセル入りのおもちゃであって、そのおもちゃがガチャガチャでは300円相当の景品であれば、その景品が景品取得ゲーム装置では、失敗のリスクはあるものの1回すなわち100円硬貨の投入で取得できる可能性がある。
【0008】
しかしながら、景品取得ゲーム装置においては、遊戯者が失敗を繰り返してなかなか景品を取得することができない場合もある。この場合、遊戯者は、ガチャガチャを実行するためのコインの投入枚数分のゲーム数までは、ゲームを続ける気になる可能性が高い。しかし、そのゲーム数を越えるような場合に、遊戯者は、欲しい景品の位置や1回のゲームでの景品の移動距離等を考慮して、ゲームを続けるか否かを決定するが、ゲームを続けたとしても遊戯者は景品を取得できるとは限らない。何度ゲームを行っても景品を取得できない状態(所謂、ハマリ状態)が続くと、遊戯者は、景品取得ゲーム装置によるゲームに対する興趣が低下し、今後、同種のゲーム装置によるゲームを行う気にならなくなるおそれがある。そこで、店によっては、ハマリ状態の遊戯者に対して、景品の位置を取得しやすい位置に変えてくれるサービスを行うところもある。
【0009】
その一方で、景品取得ゲーム装置によるゲームの興趣は、単に景品を取得するのではなく、遊戯者自らの操作で取得するという点にも存在する。例えば、遊戯者が年少の子供であれば、景品を自らの操作で取得したことに大きな喜びを感じ、取得した景品に対する思い入れが大きくなる。このため、より気軽に楽しめる景品取得ゲーム装置の出現が望まれる。
【0010】
本発明は、このような問題点に対して鑑みなされたものであり、より気軽に楽しめる景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0012】
(1) 筐体と、当該筐体の内部に配置され、景品を並べて載置する載置台と、当該載置台に形成される落下口と、前記筐体に形成され、前記落下口から落下した景品を取り出す景品取出口と、複数の把持アームを開閉可能に支持する移動体と、当該移動体に設けられ、複数の把持アームを開閉させるアーム駆動部と、前記載置台の上部に設けられ、前記移動体を水平方向及び上下方向に移動させる駆動機構と、遊戯者によって操作され、前記移動体の移動方向を指示する操作部と、コインを投入するコイン投入口と、景品が前記落下口を通過したことを検知する景品検知センサと、前記アーム駆動部及び前記駆動機構を制御し、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件として、前記落下口の上方に位置付けられている前記移動体を、遊戯者による前記操作部の操作に基づいて水平方向に移動させ、前記移動体を所望の景品の上部に配置した後、前記把持アームが開いた状態にある前記移動体を下方に移動させてから前記把持アームを閉じ、前記移動体を上方に移動させて更に前記落下口の上方に移動させて前記把持アームを開くという一連の動作をさせて、景品を前記落下口に落下させるというゲームを実行させる通常モード実行制御部と、最後に景品が取得されてから実行されたゲームの回数をカウントし、前記景品検知センサが景品を検知した場合にカウントをリセットする実行ゲーム回数カウント部と、当該実行ゲーム回数カウント部が所定数を越えている場合に、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずに、ゲームを実行させるフリープレイモード実行制御部と、を備えることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【0013】
(1)によれば、コインの投入を条件する通常モードのゲームを所定回数行っても景品が取得できなかった場合、次回からは、コインの投入を条件しないフリープレイモードのゲームに移行する。このモードは、景品を取得できるまで継続するため、確実に景品を取得することが可能になる。これにより、コインの消費を気にせずにより気軽に楽しむことが可能な景品取得ゲーム装置を提供することが可能になる。
【0014】
(2) (1)において、前記コイン投入口にコインが投入されてから次のコインが投入されるまでの時間を計測するゲーム時間間隔計測部を更に備え、前記実行ゲーム回数カウント部は、当該ゲーム時間間隔計測部が計測した時間が所定時間を越えている場合にカウントをリセットすることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【0015】
(2)によれば、遊戯者は、景品を取得できなかった場合において、ゲームを継続したくはないものの、次の遊戯者がフリープレイモードに近くなることを好まない場合に、例えば、所定時間を十分に使ってゲームを進行することにより、実行ゲーム回数カウンタをリセットさせることが可能になり、フリープレイモードを遠くすることが可能になる。
【0016】
(3) (1)、(2)において、前記フリープレイモード実行制御部は、前記コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずに実行するゲームの回数を設定するフリープレイモードゲーム回数設定部を備え、前記実行ゲーム回数カウント部は、前記フリープレイモードゲーム回数設定部が設定した回数のゲームが実行された場合にカウントをリセットすることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【0017】
(3)によれば、フリープレイモードにおけるゲーム回数を規定しているため、遊戯者は、フリープレイモードにおいても景品を取得すべく、真剣にゲームを行うようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より気軽に楽しめる景品取得ゲーム装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態における景品取得ゲーム装置2を用いた景品取得ゲームユニット1の外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態における景品取得ゲーム装置2の外観を示す正面図である。
図3】景品取得ゲーム装置2の制御系を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態における景品取得ゲーム装置2において実行される処理を示すフローチャートである。
図5図3におけるゲーム実行処理を示すフローチャートである。
図6図4の処理の続きを示すフローチャートである。
図7】本発明の第2実施形態における景品取得ゲーム装置2において実行される処理を示すフローチャートである。
図8図6におけるゲーム実行処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の第3実施形態において実行される処理の要部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における景品取得ゲーム装置2を用いた景品取得ゲームユニット1の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態における景品取得ゲーム装置2の外観を示す正面図である。
【0021】
景品取得ゲームユニット1は、基台3と、4台の景品取得ゲーム装置2とからなり、基台3の上に2台の景品取得ゲーム装置2が並べて載置され、これら2台の景品取得ゲーム装置2の上にそれぞれ景品取得ゲーム装置2が載置されている。
【0022】
下段の2台の景品取得ゲーム装置2は、背の低い遊戯者例えば年少の子供でもゲームが可能な高さに配置され、上段の景品取得ゲーム装置2は、背の高い遊戯者がゲーム可能な高さに配置されている。
【0023】
[第1実施形態]
景品取得ゲーム装置2は、筐体10と、突出部12と、載置台14と、落下口16と、景品取出口18と、駆動機構20と、移動体22と、表示体26と、操作部に相当する操作パネル30と、コイン投入口32と、景品検知センサ40と、を備えている。
【0024】
筐体10は、上下方向に長い直方体形であり、内部に載置台14、落下口16、駆動機構20、移動体22、表示体26が配置される。
【0025】
突出部12は、筐体10の一の側面の下部に配置される直方体形の筐体である。なお、以下の説明の便宜上、筐体10における4つの側面において、突出部12が配置されている側面を前面、この前面に対向する側面を後面、前面を正面視した場合に左手側の側面を左側面、右手側の側面を右側面と称する。また、筐体10の内部から見て前面側を前方、後面側を後方、左側面側を左方、右側面側を右方、上面側を上方、下面側を下方と称する。
【0026】
載置台14は、筐体10の内部における上下方向の中央部に配置される。この載置台14に景品50が並べて載置される。落下口16は、載置台14における左前方の角部に形成された空間である。景品取出口18は、筐体10における突出部12の左側に形成された空間であり、落下口16に連通している。ここで、筐体10の前側及び左右側の3つの側面部における載置台14よりも上方の部位には、透明のアクリル板が張られた窓が形成されており、筐体10の前側及び左右側から、載置台14に載置された景品50が視認可能である。
【0027】
駆動機構20は、載置台14内部の上部に設けられ、移動体22を前後、左右、上下方向に移動させるものである。具体的に駆動機構20は、左右方向に延びる棒状部材と、棒状部材に取り付けられる上下方向に伸縮する伸縮部材と、伸縮部材を棒状部材に沿って左右方向に移動させるモータ、棒状部材を前後方向に移動させるモータ、及び伸縮部材を上下方向に伸縮させるモータとを備えている。
【0028】
移動体22は、駆動機構20の伸縮部材の先端に固定される。また、移動体22は、3本の把持アーム24と、3本の把持アーム24を開閉させるモータとを備えている。3本の把持アーム24の基端部は移動体22に回動自在に取り付けられており、3本の把持アーム24の先端部は弧状に形成されている。3本の把持アーム24は、先端部が伸縮部材の仮想中心軸を向くように移動体22に取り付けられている。そして、3本の把持アーム24を外側に回動させることにより、3本の把持アーム24が開いた状態となり、3本の把持アーム24を内側に回動させることにより、3本の把持アーム24が閉じた状態となる。
【0029】
表示体26は、矩形の平板状の液晶表示パネルによって構成されており、上側表示領域26aと下側表示領域26bとを備えている。表示体26は、筐体10の内部における後方の側面の中央部に配置されており、筐体10に固定されている。
【0030】
操作パネル30は、突出部12の上面に配置されており、操作レバー30aと、操作ボタン30bと、表示パネル30cとを備えている。操作レバー30aは、遊戯者の操作によって移動体22の移動方向を指示するものであり、操作レバー30aを倒した方向に移動体22が移動し、操作レバー30aを手放した時に移動体22が停止する。操作ボタン30bは、移動体22の下方への移動を指示するものである。表示パネル30cは、実行可能な残りゲーム回数を示すものであり、7セグメントのLEDによって構成されている。また、突出部12の内部には、操作レバー30a及び操作ボタン30bの操作に基づいて駆動機構20及び移動体22に備えたモータを駆動制御する制御部100(図3参照)を構成する回路基板が備えられている。
【0031】
コイン投入口32は、突出部12の前面に配置されている。コイン投入口32は500円硬貨が挿入可能なスリットによって構成されている。また、突出部12の内部には、コインの種類を判別するコイン判別部36(図3参照)と、コインを収容するコイン収容部(図示せず)とが備えられている。第1実施形態によれば、コインとして100円硬貨及び500円硬貨のいずれかが使用される。それ以外のコインであれば、返却口34に送り出されて遊戯者に返却される。コインがコイン投入口32に投入された場合、表示体26における上側表示領域26aに、投入したコインに関する情報が表示される。例えば、500円硬貨が挿入された場合には、上側表示領域26aに「500」と表示される。また、表示体26における下側表示領域26bには、表示パネル30cと同じ情報、すなわち実行可能な残りゲーム回数が表示される。
【0032】
景品検知センサ40は、落下口16付近に設けられ、景品が落下口16を通過したことを検知するものである。景品検知センサ40としては、例えば、発光素子と受光素子とからなる光学センサが適用可能である。すなわち、発光素子と受光素子とを対向配置し、発光素子の光を受光素子に受光させ、発光素子の受光量を制御部100(図3参照)にモニタさせる。そして、落下口16を通過した景品が発光素子から受光素子への光路を遮ることによる受光量の変化を、制御部100(図3参照)発光素子の出力に基づいて検出し、予め設定した閾値以上の受光量の変化があった場合に、景品が落下口16を通過したと判断する。
【0033】
図3は、本実施形態における景品取得ゲーム装置2の制御系を示すブロック図である。
景品取得ゲーム装置2は、遊戯の制御を行う制御部100を有している。制御部100には、駆動機構用モータ駆動部110、把持アーム用モータ駆動部112、景品検知センサ40、コイン判別部36、操作レバー30a、操作ボタン30bが接続されている。
【0034】
駆動機構用モータ駆動部110は、制御部100からの命令に基づいて駆動機構20のモータを駆動させ、移動体22を移動させる。
把持アーム用モータ駆動部112は、制御部100からの命令に基づいて把持アーム24のモータを駆動させ、把持アーム24を開閉させる。
【0035】
コイン判別部36は、コイン投入口32に投入されたコインが100円硬貨及び500円硬貨のいずれかであることを判別し、判別結果を制御部100に送信する。
【0036】
操作レバー30aが操作された場合に、操作レバー30aの操作方向に関する信号が制御部100に出力され、制御部100は、操作方向に移動体22を移動させるように駆動機構用モータ駆動部110を制御する。操作ボタン30bが押下された場合に、その旨の信号が制御部100に出力され、制御部100は、移動体22の移動を停止させ、移動体22の下方向に移動させるように駆動機構用モータ駆動部110を制御するとともに、把持アーム24を開放させるように把持アーム用モータ駆動部112を制御する。
【0037】
また、制御部100は、CPU102と、記憶部104を備えている。記憶部104には、景品取得ゲーム装置2の制御に必要な各種のプログラムが記憶されている。CPU102は、記憶部104に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、通常モード実行制御部、ゲーム回数設定部、実行ゲーム回数カウント部、フリープレイモード実行制御部、タイマ部、履歴取得部等の機能を果たすようになる。
【0038】
通常モード実行制御部は、駆動機構20のモータや把持アーム24のモータを制御し、コイン投入口32にコインが投入されたことを条件に、景品取得ゲーム装置2におけるゲームを実行させる。
【0039】
ゲーム回数設定部は、コイン投入口32に投入されたコインに応じて遊戯者がプレイできるゲーム回数を設定する。具体的に、ゲーム回数設定部は、記憶部104の記憶領域の一部をゲーム回数記憶領域として使用し、例えば、100円硬貨が投入された場合には、コイン判別部36(図3参照)が100円硬貨であると判別し、その判別結果に基づいて、ゲーム回数設定部が、ゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数に「1」加算し、500円硬貨が投入された場合には、コイン判別部36(図3参照)が500円硬貨であると判別し、その判別結果に基づいて、ゲーム回数設定部が、ゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数に「5」加算する処理を行う。ゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数は、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示される。
【0040】
実行ゲーム回数カウント部は、最後に景品が取得されてから実行されたゲーム回数(以下、実行ゲーム回数と称する)をカウントする。具体的に、実行ゲーム回数カウント部は、記憶部104の記憶領域の一部を実行ゲーム回数カウンタとして使用し、ゲームが実行される毎に「1」加算され、遊戯者が景品を取得した場合に、すなわち景品検知センサ40が景品を検知した場合にリセットする(「0」にする)。
【0041】
フリープレイモード実行制御部は、実行ゲーム回数カウント部がカウントした実行ゲーム回数が所定数を越えているか否かを判定し、越えていると判定した場合に、コイン投入口にコインが投入されたことを条件とせずにゲームが実行可能なフリープレイモードに移行する。
【0042】
タイマ部は、現在時刻を計時するものであり、履歴取得部は、コインが投入された時刻や景品検知センサ40が景品を検知した時刻を、投入したコインの情報や景品検知センサ40が景品を検知した旨の情報に関連付けて記憶部104の所定の記憶領域に記憶する。
【0043】
次に、景品取得ゲーム装置2によるゲームの流れについて、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
遊戯者が、コイン投入口32にコインを投入すると(S1)、コインに対応するゲーム回数が記憶部104に記憶されることでゲーム回数が設定されるとともに(S2)、表示パネル30c及び下側表示領域26bにゲーム回数が表示される。そして、景品取得ゲーム装置2は、遊戯者が操作レバー30a及び操作ボタン30bの操作に基づいて移動体22を制御するゲーム実行処理を行う(S3)。
【0044】
具体的に、遊戯者が、例えば、コイン投入口32に500円硬貨を投入すると、表示パネル30c及び下側表示領域26bに「5」と表示され、5回ゲームができることを遊戯者に報知される。
【0045】
次に、遊戯者が、操作レバー30aを操作し、所望の景品の上方に移動体22を位置付ける。その後、移動体22は、自動的に複数の把持アーム24を開いてから下方に移動し、景品付近で複数の把持アーム24を閉じる。そして、移動体22は、複数の把持アーム24を閉じたまま自動的に上方に移動し、更に落下口16の上方に移動して複数の把持アーム24を開く。この際、移動体22が景品を落下口16に運んだり、あるいは把持アーム24が閉じた際に把持アーム24によって押されて景品が落下口16に転がり落ちたりするなどして、景品が落下口16に落下した場合に、景品検知センサ40が景品を検知し、制御部100(図3参照)が筐体10に取り付けられているスピーカや発光素子、表示体26等を駆動させて、景品の取得を祝う演出を実行させる。
【0046】
移動体22が落下口16の上方に戻って把持アーム24を開いた後、記憶部104に記憶されているゲーム回数が1減算され、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示されている数字が「4」に更新される。そして、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示されている数字が「0」になるまでゲームを繰り返し行うことが可能である。
【0047】
なお、ゲーム中であってもコイン投入口32にコインが投入されると、記憶部104に記憶されているゲーム回数に、コインに対応するゲーム回数が加算される。上述した例の場合、表示パネル30c及び下側表示領域26bに表示されている数字が「4」に更新された後、コイン投入口32に100円硬貨を投入すると、記憶部104に記憶されているゲーム回数に1加算され、表示パネル30c及び下側表示領域26bの表示が「4」から「5」に更新される。
【0048】
次に、景品取得ゲーム装置2において実行されるゲーム実行処理について、図5を参照しながら詳細に説明する。
まず、CPU102は、記憶部104におけるゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数が「0」より大きい場合に(S10のYES)、実行ゲーム回数の値が予め設定された設定数(例えば、11回)以上であるか否かを判定する(S12)。CPU102は、設定数(例えば、11回)以上であると判定した場合には(S12のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオンにして(S14)、景品を取得するゲームを実行する(S16)。設定数(例えば、11回)未満であると判定した場合には(S12のNO)、景品を取得するゲームを実行する。この際、CPU102は、記憶部104におけるゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数を「1」減算するとともに、実行ゲーム回数を「1」加算する(S18)。
【0049】
次に、CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)か否かを判定する(S20)。CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知したと判定した場合には(S20のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオフにし、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S22)、記憶部104におけるゲーム回数記憶領域に記憶されているゲーム回数に基づいて表示パネル30c及び下側表示領域26bの表示を更新する(S24)。CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知したと判定しない場合に(S20のNO)、表示パネル30c及び下側表示領域26bの表示内容を更新する(S24)。CPU102は、ステップS24の処理が終了した場合に、ステップS10に処理を移行する。
【0050】
つまり、ステップS10〜ステップS24の処理によれば、実行ゲーム回数が10回になった場合、言い換えれば、9回連続して景品を取得できなかった状態で、10回目のゲームを実行した場合にフリープレイモード実行フラグがオンになる。
【0051】
そして、ステップS10において、ゲーム回数が「0」の場合に(S10のNO)、図6のステップS30に移行する。
【0052】
ステップS30において、CPU102は、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグがオンであるか否かを判定する。CPU102は、フリープレイモード実行フラグがオンである場合に(S30のYES)、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S32)、フリープレイモードを実行する(S34)。フリープレイモードは、コインを投入することなく景品が取得できるまで繰り返しゲームを実行できるモードである。言い換えれば、景品検知センサ40が景品を検知する(景品検知センサオン)まで(S36のYES)、フリープレイモードは継続される。そして、CPU102が、景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)と判定した場合に、CPU102は、フリープレイモード実行フラグをオフにして、待機状態に入る(S38)。
【0053】
このように構成した第1実施形態においては、設定数(例えば10回)ゲームを実行しても景品が取得できなかった遊戯者に対して、フリープレイモードを行う権利を与えることにより、遊戯者は少なくとも1000円分のコインを投入することにより、必ず1個の景品を取得することができるため、安心して、景品取得ゲーム装置2によるゲームを行うことが可能になる。特に年少の子供のように遊戯の技量を持っていない遊戯者の場合であっても、繰り返しゲームを行うことで景品を取得することができるため、ゲームの達成感を与えることが可能になる。
【0054】
なお、前の遊戯者が、例えば、3回ゲームを行ってあきらめた場合、実行ゲーム回数カウンタの値は「3」のままであるが、実行ゲーム回数カウンタの値は遊戯者に報知されない。このため、前の遊戯者がゲームを行ってあきらめた場合には、少ないゲーム回数でフリープレイモードを行う権利を取得する可能性があるという興趣を持たせることも可能になる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2について説明する。ここで、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2の構成は、第1実施形態の景品取得ゲーム装置2におけるコイン投入口32の形状と、CPU102が果たす機能の一部において異なっている。
【0056】
第2実施形態の景品取得ゲーム装置2は、第1実施形態の景品取得ゲーム装置2におけるコイン投入口32を特定のコイン(例えば、100円硬貨)のみが投入可能な大きさとし、コイン投入口32にコインが連続投入されても2枚目以降は返却口に払い戻されるように構成したものである。
【0057】
また、第2実施形態における景品取得ゲーム装置2のCPU102は、記憶部104に記憶されている各種のプログラムを実行することにより、コインが投入されてから次のコインが投入されるまでの時間を計測するゲーム時間間隔計測部の機能を更に果たすようになる。
【0058】
ゲーム時間間隔計測部は、コインが投入されてからの時間を計測し、記憶部104の所定の記憶領域に記憶する。記憶部104には、コインが投入されてからの時間を記憶する記憶領域として、記憶領域(0)と記憶領域(1)とを備えている。記憶領域(0)には、コインが投入されてからの時間が記憶され、次のコインが投入された時点で、記憶領域(0)が記憶している時間を記憶領域(1)にシフトさせ、記憶領域(0)には、新たにコインが投入されてからの時間が記憶される。
【0059】
すなわち、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2の制御部100は、第1実施形態の景品取得ゲーム装置2の制御部100が有しているゲーム回数設定部としての機能を備えていないが、その代わりにゲーム間隔計測部としての機能を備えている。
【0060】
次に、第2実施形態における景品取得ゲーム装置2によるゲームの流れについて説明する。
図7に示すように、遊戯者が、コイン投入口32にコインを投入すると(S51)、景品取得ゲーム装置2は、遊戯者が操作レバー30a及び操作ボタン30bの操作に基づいて移動体22を制御するゲーム実行処理を行う(S53)。
【0061】
次に、景品取得ゲーム装置2において実行されるゲーム実行処理について詳細に説明する。
【0062】
図8は、図7のゲーム実行処理を示すフローチャートである。
まず、CPU102は、記憶部104において、コインが投入されてからの時間が記憶している記憶領域における記憶領域(1)に記憶されている時間が、予め設定した設定時間(例えば、90秒)を越えているか否かを判定する(S60)。CPU102が越えていると判定しない場合には(S60のNO)、ステップS64に処理を移行する。CPU102が越えていると判定した場合には(S60のYES)、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S62)、ステップS64に処理を移行する。
【0063】
ステップS64において、CPU102は、実行ゲーム回数の値が予め設定された設定数(例えば、11回)以上であるか否かを判定する。CPU102は、設定数(例えば、11回)以上であると判定した場合には(S64のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオンにして(S66)、景品を取得するゲームを実行する(S68)。設定数(例えば、11回)未満であると判定した場合には(S64のNO)、景品を取得するゲームを実行する(S68)。この際、CPU102は、記憶部104に記憶されている実行ゲーム回数に「1」加算する(S70)。
【0064】
次に、CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)か否かを判定する(S72)。CPU102は、景品検知センサ40が景品を検知した判定した場合には(S72のYES)、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグをオフに、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S74)、図6に示すステップS30に処理を移行する。ステップS30以降の処理は、第1実施形態において図6を用いて説明した通りであるため、説明は省略する。
【0065】
このように構成した第2実施形態においては、コインを投入してからゲームを実行し、更にコインを投入するタイミングが、前回のコイン投入から90秒以内であれば、実行ゲーム回数カウンタがリセットされない。このため、ゲームを連続して10回行って景品を取得できなかった場合に、フリープレイモードの権利が得られるが、コインの投入間隔が長い場合には、フリープレイモードの権利が得られない場合がある。
【0066】
通常、遊戯者は、狙う景品を決定してからコインを投入してゲームを実行する。このため、コイン投入からゲーム実行まで時間を掛けることはほとんどない。また、1回のゲーム時間は30秒程度であることから、第2実施形態においては、ゲーム終了後、約1分の間にコインを投入すれば、実行ゲーム回数カウンタの値に「1」加算され、フリープレイモードに近づくことになる。ゲーム終了後、約1分あれば、例えば千円札を両替機に投入して10枚の100円硬貨に両替してから、100円硬貨を投入してゲームを継続するのに十分である。このように、遊戯者は、フリープレイモードの権利が得られるようにゲームを継続することが可能になる。逆に、遊戯者は、ゲームを継続したくないものの、次の遊戯者がフリープレイモードに近くなることが好まない場合に、例えば、90秒を十分に使ってゲームを進行することにより、実行ゲーム回数カウンタをリセットさせることが可能になる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2について説明する。ここで、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2は、第1、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2において実行される図6に示す処理を一部変更したものである。
【0068】
具体的に、第1、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2は、フリープレイモードが景品を取得するまで継続することに対し、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2は、フリープレイモードの回数が設定される。
【0069】
図9は、第3実施形態の景品取得ゲーム装置2の要部を示すフローチャートである。
第1、第2実施形態の景品取得ゲーム装置2において図5又は図8に示す処理が実行された後、CPU102は、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されているフリープレイモード実行フラグがオンであるか否かを判定する(S100)。CPU102は、フリープレイモード実行フラグがオンである場合に(S100のYES)、実行ゲーム回数カウンタをリセットして(S102)、フリープレイ回数を設定する(S104)。具体的に、CPU102は、店側で予め設定したフリープレイ回数あるいは景品取得ゲーム装置2において乱数抽選を実行して決定したフリープレイ回数を、記憶部104の所定の記憶領域に記憶してから、フリープレイモードを実行する(S106)。ここで、乱数抽選とは、記憶部104の所定の記憶領域に乱数を発生させ、例えば、遊戯者が操作ボタン30bを押下したタイミングでCPU102が乱数を抽出し、乱数とフリープレイ回数とを関連付けたテーブルを参照してフリープレイ回数を設定することである。なお、乱数抽選の際に、表示体26に操作ボタン30bを操作させるミニゲームを表示させ、このミニゲームによる操作ボタン30bの操作に基づいて乱数抽選を行ってフリープレイ回数を設定してもよい。
【0070】
CPU102は、フリープレイが実行される毎に、記憶部104の所定の記憶領域に記憶されたフリープレイ回数を「1」減算する。フリープレイにおいて景品検知センサ40が景品を検知した(景品検知センサオン)と判定した場合(S112のYES)、又はフリープレイ回数分ゲームを実行した場合(S108のNO)にCPU102は、フリープレイモード実行フラグをオフにして、待機状態に入る(S114)。
【0071】
このように構成した第3実施形態においては、フリープレイモードにおけるゲーム回数を規定しているため、遊戯者は、フリープレイモードにおいても景品を取得すべく、真剣にゲームを行うようになる。例えば、第1、第2実施形態においては、景品を取得できるまでゲームを継続して行えるため、例えば、遊戯者が、フリープレイモードにおいて景品を取る意識がなく、いいかげんなゲームを繰り返すことによって、他の遊戯者がゲームをできなくなるおそれがある。しかし、第3実施形態においては、フリープレイモードにおけるゲーム回数を規定しているため、このような迷惑行為を防止することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、第2実施形態においては、コインを投入してからの時間を計測しているが(図7に示すS60)、それに限らず、移動体22が初期位置に戻った時点からの時間を計測し、設定時間よりも長い場合に、実行ゲーム回数カウンタをリセットしてもよい。
【0073】
また、第1、第2実施形態においては、10回の連続プレイに対して、景品取得までのフリープレイの権利を与えているが、例えば、5回の連続プレイに対して、1回のフリープレイの権利を与えてもよい。なお、フリープレイは、実行ゲーム回数に含めないことが望ましい。
【0074】
また、第1実施形態においては、表示体26における上側表示領域26aには、投入したコインに関する情報が表示され、下側表示領域26bには、表示パネル30cと同様に実行可能な残りゲーム回数が表示されるが、表示体26に表示させる内容はそれに限るものではない。例えば、上側表示領域26aには、前回景品が取得されてからの投入された硬貨の累積額を表示し、下側表示領域26bに実行ゲーム回数を表示してもよい。これにより、遊戯者は、表示体26を見ることによって、遊戯を継続するかあきらめるかを判断する機会を持つことが可能になる。なお、表示体26にはそれ以外の情報、例えば、店の宣伝広告や、遊戯可能な時間の案内等を表示してもよい。
【0075】
また、第3実施形態においては、フリープレイ回数として、店側で予め設定したフリープレイ回数あるいは景品取得ゲーム装置2において乱数抽選を実行して決定したフリープレイ回数が設定されるが、それ以外であってもよい。例えば、記憶部104に記憶されている履歴に基づいて、所定期間のゲーム回数及び景品検査センサの検知回数から1回のゲームにおける景品獲得の期待値を求め、この期待値の変化に応じて、店側で予め設定したフリープレイ回数に対して自動的に補正値を加えてもよい。このように、制御部100が、ゲームの履歴に基づいて景品取得の難易度を判断し、フリープレイモードにおいて実行されるプレイ回数を、フリープレイとする基準を難易度に応じて適切に設定することにより、遊戯者は、ゲームを楽しくプレイすることができる。
【0076】
また、上述した実施形態においては、筐体10の内部に表示体26が配置されているが、表示体26については省略してもよい。この場合、表示パネル30cに、残りゲーム回数と、投入したコインに関する情報とをまとめて表示してもよい。更には、表示パネル30cに、残りゲーム回数に加えて、上述した表示体26の表示内容を表示してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 景品取得ゲームユニット
2 景品取得ゲーム装置
3 基台
10 筐体
12 突出部
14 載置台
16 落下口
18 景品取出口
20 駆動機構
22 移動体
24 把持アーム
26 表示体
30 操作パネル
30a 操作レバー
30b 操作ボタン
30c 表示パネル
32 コイン投入口
34 返却口
36 コイン判別部
40 景品検知センサ
50 景品
100 制御部
102 CPU
104 記憶部
110 駆動機構用モータ駆動部
112 把持アーム用モータ駆動部
120 景品検知センサ
122 コイン判別部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9