特許第6567510号(P6567510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6567510直接燃焼される加熱方法、及びその実施のための設備
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  • 特許6567510-直接燃焼される加熱方法、及びその実施のための設備 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567510
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】直接燃焼される加熱方法、及びその実施のための設備
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20190819BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   C01B3/38
   F27D17/00 101A
   F27D17/00 104G
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-522705(P2016-522705)
(86)(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公表番号】特表2016-530187(P2016-530187A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】FR2014051622
(87)【国際公開番号】WO2014207391
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2017年6月21日
(31)【優先権主張番号】1356132
(32)【優先日】2013年6月26日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1356136
(32)【優先日】2013年6月26日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1356141
(32)【優先日】2013年6月26日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1362343
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1362346
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1362347
(32)【優先日】2013年12月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ボードワン、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】デル−ガルロ、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】フリン、マシュー
【審査官】 森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−231328(JP,A)
【文献】 特開2009−292661(JP,A)
【文献】 特開2002−212575(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/046522(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0134888(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0126172(US,A1)
【文献】 特開2001−158885(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02233432(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00 − 3/58
F27D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)加熱される供給原料が、炉(300)の中に導入され、
(b)燃料が、前記炉(300)で熱と煙道ガスとが発生するように、酸化剤を使用して燃焼され、
(c)前記供給原料が、発生された前記熱により前記炉(300)内で加熱され、
(d)加熱された前記供給原料と発生された煙道ガスとが、前記炉(300)から排出され、排出された前記煙道ガス(301)は、残留熱エネルギーを含み、
(e)合成ガス(110)が、(i)炭素系材料と(ii)水蒸気及び/又はCOとを含んだ反応物との間の吸熱化学反応により、合成反応器(100)内で生成され、前記合成反応器は、反応物が中に導入され、吸熱化学反応が生じる少なくとも1つの反応領域を有し、前記反応領域から合成ガスが取り出される、工程(a)乃至(e)を有する直熱燃焼式の加熱方法において、
前記残留熱エネルギーは、前記炉(300)から排出された前記煙道ガス(301)から、回収された残留熱エネルギーを含み加熱された熱交換流体(402)と冷却された煙道ガス(601)とを得るように、前記排出された煙道ガス(301,501)と熱交換流体(602,401)との間の熱交換によって、回収され、
この回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部は、前記合成反応器(100)の中に導入され、前記工程(e)の吸熱化学反応により消費され、ここで、加熱された熱交換流体(402)の少なくとも一部は、前記回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部を前記吸熱化学反応の工程(e)に与えるために、前記合成反応器(100)の中に導入されるものであり、
工程(b)において前記炉(300)内で燃焼された前記燃料の少なくとも一部は、工程(e)で生成された合成ガス(110,210)であり、
前記合成反応器(100)は、また、中に前記回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部が導入される少なくとも1つの加熱室を有し、前記少なくとも1つの加熱室は、回収された残留熱エネルギーが、前記少なくとも1つの加熱室から吸熱化学反応が生じる前記少なくとも1つの反応領域へと、前記少なくとも1つの加熱室と前記少なくとも1つの反応領域との間の少なくとも1つの隔壁を介して伝達されるように、前記少なくとも1つの反応領域に対して位置していることを特徴とする、方法。
【請求項2】
各反応領域は、近接した加熱室に囲まれているか、2つの近接した加熱室間にある、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記合成反応器(100)は、複数の加熱室と複数の反応領域とが交互に位置した層構造を有し、前記複数の加熱室と反応領域とは、2つの連続したプレート間に配置されている、請求項又はに記載の方法。
【請求項4】
前記加熱された熱交換流体(402)の少なくとも一部は、前記回収された残留熱エネルギーの一部を、前記少なくとも1つの隔壁を介して前記少なくとも吸熱化学反応の工程(e)に与えるために、前記少なくとも1つの加熱室の中に導入される、請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記排出された煙道ガスは、600℃と800℃との間の温度で凝縮可能な埃及び/又は揮発性物質を含んでおり、又、前記炉(300)から排出された前記煙道ガス(301)からの残留熱エネルギーの回収の工程は、前記煙道ガスの第1の温度範囲での回収の第1の段階と、前記第1の温度範囲よりも低い、前記煙道ガスの第2の温度範囲での回収の第2の段階とを、少なくとも有し、
前記第1の温度範囲の温度で、前記煙道ガス中にある揮発性物質の凝縮は無く、
前記煙道ガスは、回収の前記第1の段階と第2の段階との間でクリーニング操作がなされ、このクリーニング操作は、前記第2の温度範囲の温度で凝縮可能な埃及び/又は揮発性物質を除去することを含んでいる、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
熱交換流体(602)が、回収の前記第2の段階での前記煙道ガス(501)との熱交換により部分的に加熱され、回収の前記第1の段階で部分的に加熱された前記熱交換流体(603,401)は、回収の第1の段階での前記煙道ガス(301)との熱交換により加熱される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱交換流体は、空気と、窒素と、水蒸気とから選ばれる、請求項又はに記載の方法。
【請求項8】
燃料の少なくとも一部は、酸素リッチ酸化剤を使用して、前記炉(300)内で燃焼される、請求項1乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記炉(300)は、ガラス溶融炉、又は、金属の溶融のための炉である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記吸熱化学反応は、SMR、DMR、又は、これら両者の混合である、請求項1乃至の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記排出された煙道ガスから回収された熱エネルギーの一部は、
a)炭素系材料が、吸熱化学反応で反応物として使用される前に、この炭素系材料を予加熱するため、
b)水蒸気が、吸熱化学反応で反応物として使用される前に、この水蒸気を発生及び/又は過加熱するため、
c)COが、吸熱化学反応で反応物として使用される前に、このCOを予加熱するため、
d)前記燃料の燃焼での酸化剤の使用の上流で、前記酸化剤を予加熱するため、
の目的の少なくとも1つに使用される、請求項1乃至1の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
水が、前記炉(300)内で燃料として使用される前に、凝縮により前記合成ガスから取り出される、請求項1乃至1の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1乃至1のいずれか1項に記載の方法の実施のための加熱プラントであって、この加熱プラントは、
加熱されるべき供給原料のための入口と、加熱された前記供給原料のための出口と、酸化剤を使用した燃料の燃焼、及び、供給原料を加熱するための熱の発生のための少なくとも1つのバーナーと、煙道ガスのための少なくとも1つの出口とを備えた炉(300)と、
加熱された熱交換流体のための出口を備え、前記排出された煙道ガス(301)と前記熱交換流体(602)との間の熱交換により熱エネルギーを回収するための熱回収プラント(400,500,600)と、
合成ガスの合成のための合成反応器(100)とを具備し、
前記合成反応器(100)は、前記炉(300)の少なくとも1つのバーナーに対する燃料として前記合成反応器(100)内で生成された合成ガス(210)の供給を可能にするように、熱エネルギーを回収するための前記熱回収プラント(400,500,600)に接続されており、
前記炉(300)からの前記煙道ガスのための前記出口は、前記炉(300)から熱エネルギー回収のための熱回収プラント(400,500,600)へと行く煙道ガスを提供することができるように、前記熱回収プラント(400,500,600)に接続されており、
熱エネルギーを回収するための前記熱回収プラント(400,500,600)からの加熱された熱交換流体のための前記出口が、前記加熱された熱交換流体の少なくとも一部を前記合成反応器(100)に供給することが可能なように、前記合成ガスの合成のための前記合成反応器(100)に接続されており、
前記合成反応器(100)は、また、中に前記回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部が導入される少なくとも1つの加熱室を有し、前記少なくとも1つの加熱室は、回収された残留熱エネルギーが、前記少なくとも1つの加熱室から吸熱化学反応が生じる前記少なくとも1つの反応領域へと、前記少なくとも1つの加熱室と前記少なくとも1つの反応領域との間の少なくとも1つの隔壁を介して伝達されるように、前記少なくとも1つの反応領域に対して位置している、加熱プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、供給原料が、炉の中に導入され、炉内で燃料を燃焼させることにより、加熱される工業的な加熱方法に関している。
【背景技術】
【0002】
このような工業上の加熱方法は、例示すれば、
・例えば、ガラスの融解のような、ガラス化、
・例えば、材料の二次的溶融(second melting)のような金属の溶融、及び、
・金属の再加熱、である。
これらの加熱方法は、連続、又は、バッチ式でなされ得る。
【0003】
工業上の加熱方法は、一般的に、天然ガス、燃料油、石炭のような化石資源の燃料に頼っている。
【0004】
そして、燃焼は、空気による燃焼か、酸素がエンリッチな空気、又は実質的に純粋な酸素のような、空気よりも酸素を多く含んでいる酸化剤による燃焼か、である。空気よりも酸素がリッチである酸化剤を使用する燃焼は、オキシ燃焼の名前で知られている。
【0005】
オキシ燃焼は、空気燃焼として知られている空気を使用する燃焼に比べて、例えば、以下のような幾つかの効果を有している。
・NOxの排出の減少、
・発生された燃料ガスの体積の減少、
・燃料消費の減少、かくして、また、化石資源のCOの排出の減少。
【0006】
しかし、前記燃料消費の減少は、オキシ燃焼が、燃焼により発生された燃料ガスからの回収(recovery)による燃焼用空気の予加熱を可能にしている空気燃焼処理と比較された場合には、制限される。
【0007】
オキシ燃焼の経済的な性能を改善するために、以下のことにより、燃料の消費を減少させることが試みられている。
・オキシ燃料のバナーのタイプ及びデザイン、
・特に、炉の出口での燃料ガスの温度を低くすること及び、熱損失を減少させること、等を可能にする、燃焼室のデザイン
・発生された燃料ガスからの熱の回収による酸化剤及び/又は燃料の予加熱。
【0008】
しかし、これら技術は、オキシ燃焼による最大効率の処理と、予加熱されて少ないままでの空気による最大効率の燃焼処理との間の上限と相違とに比較的早く達してしまう。このことは、工業上の加熱方法でのオキシ燃焼のためのマーケットを制限することになる。
【0009】
US-A-20090011290は、熱化学回収方法を開示している。この方法によれば、燃焼炉からの燃料ガスの一部が、燃料の改質のための反応物として使用されている。改質された燃料は、燃焼炉内で燃焼される。改質のための反応物として使用される前に、炉からの燃料ガスは、回収熱交換器内の改質された燃料と燃焼酸化剤との予加熱のための熱酸化剤として、燃焼炉の中へのこれらの導入の上流で、使用されている。
【0010】
回収熱交換器内での前記燃料の予加熱と酸化剤とのための燃料ガスのこのような使用は、燃料ガスが、回収熱交換器の壁に沈積される恐れがある汚染(凝縮可能な材料)が少ない場合のみ、工業プラントで可能である。
【0011】
EP-A-1 143 200は、ガラス融解炉のような炉内での燃焼プロセスを開示している。このプロセスでは、合成されたガス、即ち、合成ガスのような、吸熱化学反応から得られる合成生成物が、燃料として使用されている。このような合成生成物の生成は、合成生成物が燃料として使用されている炉以外の源からの煙道ガスにより加熱され、交互に動作する2つの回収熱交換器内で行われている。
【0012】
これは、ガラス融解炉からの煙道ガスは、凝縮可能な物質多く含んでいるからである。煙道ガスの前記他の源は、比較的クリーンな煙道ガスを生成する工業現場での他のプラント、又は、2つの回収熱交換器の加熱のための温かい煙道ガスの生成のために特に供給される空気で燃料を燃焼させるためのプラントであり得る。
【0013】
第1のシナリオは、炉の近くに比較的クリーンな煙道ガスを生成するプラントがある場合にのみ考えられうる。尚、この場合には、炉内での燃焼プロセスの使用は、この他のプラントの同時の操作に依存するであろうからである。第2のシナリオは、更なる燃焼プラントの構築と作動とが必要になり、特に高価となる。
【0014】
いずれの場合でも、EP-A-1 143 200に記載されている方法は、この方法が、更なる外部の熱エネルギー源に依存している限りは、炉のエネルギーバランスを充分に改良することができない。
【発明の概要】
【0015】
本願発明は、燃料の消費を減じるとともに、高温の工業加熱プロセスでの化石資源のCOの放出を減じるための技術の状況でなされている。本願発明の目的は、上述された既知の方法に関連された問題を少なくとも部分的に解決することである。
本願発明は、特に、記載された加熱方法を改良している。
【0016】
この方法に係われば、加熱される供給原料が、炉の中に導入される。そして、燃料がこの炉内で酸化剤を使用して燃焼される。供給原料は、前記燃焼により発生された熱で、炉内で加熱され、加熱された供給原料は、炉から排出される。燃焼により発生された煙道ガスもまた、炉から排出される。排出された煙道ガスは、炉内の供給原料により吸収されない残留熱エネルギーを含んでいる。
【0017】
この方法に係われば、合成ガスが、又、合成反応器内で生成される。これは、一方では、炭素系材料で、又、他方では、水蒸気及び/又はCOとを含んでいる反応物間の吸熱化学反応によりなされる。この目的のために、合成反応器は、反応物が中に導入され、又吸熱化学反応が生じる少なくとも1つの反応領域を有し、前記反応領域から合成ガスが取り出される。
【0018】
本願発明に係われば、残留熱エネルギーは、排出された煙道ガスから回収され、この回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部は、前記合成反応器の中に導入され、ここで、回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部は、上記発熱化学反応により消費される。
【0019】
反応により生成された合成ガスの少なくとも一部は、炉の中に導入され、この結果、炉内で燃焼された燃料の少なくとも一部は、合成反応器からの合成ガスである。
【0020】
本願発明は、かくして、合成ガスの合成で回収された残留エネルギーの少なくとも一部を使用することと、炉内の熱の発生で燃料として生成された合成ガスの少なくとも一部を使用することとによって、煙道ガスと共に炉から排出された残留熱エネルギーの少なくとも一部を、回収することによりエネルギー効率を改善することができる。
【0021】
特別な実施の形態に係われば、前記合成反応器は、少なくとも1つの反応領域を有しているだけではなく、回収された残留エネルギーの少なくとも一部が、中に導入される少なくとも1つの加熱室を有している。
【0022】
この場合には、前記少なくとも1つの加熱室は、回収された熱エネルギーが加熱室から反応領域へと、加熱室から反応領域を隔離している隔壁を介して伝えられるように、少なくとも1つの反応領域に対して位置されている。
【0023】
各反応領域は、例えば、近接した加熱室に囲まれているか、2つの近接した加熱室間に配置されている。効果的な実施の形態に係われば、前記合成反応器は、複数の加熱室と複数の反応領域とが交互に位置した、即ち、加熱室に反応領域が続き、又加熱室が続き、そして、同様の配置で続いた層構造を有している。又、前記複数の加熱室と複数の反応領域は、2つの連続したプレート間に配置されている。
【0024】
特に効果的な実施の形態に係われば、更なる熱エネルギーの回収が、反応炉内で生成された合成ガスに対して行われる。
【0025】
この目的のために、合成反応の終わりで得られた温かい合成ガスは、前記合成反応器内に配置され、更なる加熱室と称されている加熱室内で循環される。この結果、生成された合成ガスからの熱の少なくとも一部は、少なくとも1つの反応領域に伝達される。この伝達は、再び、前記更なる加熱室と少なくとも1つの反応領域とを隔離している隔壁を介して行われる。
【0026】
本願発明のこの実施の形態は、水が、炉内で燃料として使用される前に、この水が合成ガスから排出される場合に、特に有用である(以下を参照)。
【0027】
特別な実施の形態に係われば、熱エネルギーは、排出された煙道ガスの1又は複数の流れを少なくとも1つの室の中に、1又は複数の熱エネルギー源として導入することにより、少なくとも1つの加熱室の中に導入される。
【0028】
このような実施の形態は、排出された煙道ガスが、ほとんどか全く埃を含んでおらず、又、ほとんどか全く揮発性物質を含んでいないときに、特に有効である。埃や揮発性物質は、加熱室の内側に沈積、又は、所定の温度で凝縮し、室内に、特に反応領域の隔壁に残る恐れがある。
【0029】
原理的には、排出された煙道ガスの1又は複数の流れの導入の前に、高温で、排出された煙道ガスから埃を除去することが、想定される。しかし、このような除去プロセスは、一般的に、高価である。
【0030】
本願発明の一実施の形態に係われば、熱エネルギーは、熱交換流体との熱交換により、排出された煙道ガスから回収される。
【0031】
残留熱エネルギーは、かくして、回収された残留熱エネルギーを有し、加熱された熱交換流体を得るように、熱交換流体との熱交換により、炉から排出された煙道ガスから回収される。前記加熱された熱交換流体の少なくとも一部は、合成反応炉の中に続いて導入されて、吸熱化学反応のための熱エネルギー源として使用される。この場合、熱エネルギーは、効果的には、加熱された熱交換流体の少なくとも一部を、前記少なくとも1つの加熱室の中に導入することにより、少なくとも1つの加熱室の中に導入される。
【0032】
反応炉からの煙道ガスは、度々、一般的には600℃乃至800℃、特に、600℃乃至700℃の、「凝縮範囲」と称されている範囲の温度で凝縮可能な埃及び/又は揮発性物質を含んでいる。このような埃及び/又は凝縮可能な物質は、特に、合成ガスのみが焼成される燃料でない場合に、炉内で生じる燃焼により生じ得る。煙道ガス中に存在している埃及び/又は凝縮可能な物質は、又、例えば、炉内で加熱又は溶融される供給原料の一部の飛沫又は揮発の原因となり得る。
【0033】
本願発明の好ましい実施の形態に係われば、熱エネルギーの回収の工程は、前記煙道ガスの第1の温度範囲での回収の第1の段階と、第2の温度範囲での回収の第2の段階とを、少なくとも有している。
【0034】
そして、第1の温度範囲は、このような温度で煙道ガス中にある揮発性物質の凝縮が生じないように選定されている。炉からの煙道ガスが、上述したような揮発性物質を含んでいるときには、上記凝縮範囲の範囲が、かくして、第1の温度範囲として選ばれる。
【0035】
前記煙道ガスは、回収の前記第1の段階と第2の段階との間で、前記第2の温度範囲の温度で凝縮可能な埃及び/又は揮発性物質を除去することを含んでいるクリーニング操作がなされる。
【0036】
この工程で、煙道ガスが、部分的に冷却されという事実により、このクリーニング操作は、減じられたコストで可能である。
【0037】
前記煙道ガスが、上述したような揮発性物質を含んでいるときには、クリーニング工程は、例え、前記第2の温度範囲が、凝縮温度とオーバラップ又は凝縮温度以下であっても、第2の温度範囲で煙道ガスから熱エネルギーの更なるかつ効率的な回収を可能にする。
【0038】
かくして、本願発明は、排出された煙道ガスが、埃及び/又は揮発性物質を含んでいたとしても、炉から排出された煙道ガス内に存在している熱エネルギーの効果的かつ連続した回収を可能にしている。回収の第1及び/又は第2の段階の間の残留熱エネルギーの回収は、上述されたように、特に、排出された煙道ガスと熱交換流体との間の熱交換によりなされ得、及び/又は、吸熱化学反応への回収された残留エネルギーの伝達は、又上述されたように、1又は複数の加熱室によりなされ得る。特別な実施の形態に係われば、1種類かつ同じ熱交換流体が、回収の第1の段階と第2の段階とで使用されている。
【0039】
この場合には、前記熱交換流体は、好ましくは、工程の回収の第2の段階で、換言すると、煙道ガスの第2の温度範囲で、煙道ガスとの熱交換により、部分的に加熱される。回収の第2の段階で部分的に加熱された前記熱交換流体は、続いて、回収の第1の段階で、換言すると、第2の範囲よりも高い、煙道ガスの第1の温度範囲で、煙道ガスとの熱交換により、加熱される。
【0040】
吸熱化学反応の反応物である炭素系材料は、効果的には、気体状の炭素系材料、好ましくは天然ガス、即ちメタンである。
【0041】
例えば、天然ガスのような前記炭素系材料は、効果的には、吸熱化学反応の上流側の水素処理工程を受ける。有用には、
・Hが、炭素系材料に含まれているSをHSに転化し、又、炭素系材料に含まれている可能性のあるClをHClに転化し、そして、不飽和炭素系化合物を飽和炭素系化合物に転化するように、触媒水素化反応器内で炭素系材料に導入される。
【0042】
・このようにしてつくられHSとHClとは、続いて、炭素系材料から分離される。
【0043】
炭素系材料からつくられた前記HS及びHClの分離は、好ましくは、吸着によりなされる。
【0044】
前記HSは、酸化亜鉛の吸着床に、又、HClは、Clが炭素系材料に含まれている場合には、カリウム系吸着剤の吸着床に、吸着させることが、得に、可能である。この吸着剤の吸着床は、飽和の所望のレベルが、達成されているときに、変更され、他の吸着床に交換される。
【0045】
前記炭素系材料は、又、天然ガスの場合に、予備の「予加熱」工程にもたらされる。この工程は、特定の反応器内で生じ、又、重炭化水素(2つ以上の炭素原子を含んでいる)を除去するのを目的としている。
【0046】
この工程は、合成反応器内での炭化水素の熱分解による固体炭素の形成の起こり得る問題を防ぐために、合成反応器の上流でなされ得る。また、交互に操作される2つの合成反応器で合成ガスを生成することができる。
【0047】
好ましい実施の形態に係われば、燃料の一部、実際は、全ては、酸素リッチ酸化剤を使用して炉内で燃焼される。この用語「酸素リッチ酸化剤」は、空気の酸素含有量よりも多い酸素含有量の酸化剤を意味していると、理解される。好ましくは、酸素リッチ酸化剤は、少なくとも80vol%、より好ましくは、少なくとも90vol%、そして、好ましくは更に少なくとも95vol%、実際に、少なくとも99vol%で100vol%までの酸素含有量である。
【0048】
かくして、本願発明に係わるプロセスは、酸化剤として酸素富化空気を使用している方法か、オキシブースタ(oxyboosting)を使用している方法、即ち、炉内での燃料の燃焼により発生された熱の少なくとも25%であるが100%未満が、少なくとも80vol%の酸素含有量の酸化剤を使用した燃焼により発生される方法か、混合の空気−酸素の燃焼方法、即ち、燃料の燃焼により発生された熱の少なくとも25%が、少なくとも80vol%の酸素含有量の酸化剤を使用した炉内の燃焼により発生され、残りが、酸化剤として空気を使用した燃焼により発生される方法か、全オキシ方法、即ち、炉内での燃焼により発生された熱の全てが、少なくとも80vol%の酸素含有量の酸化剤を使用して発生される方法か、であり得る。
【0049】
前記炉は、予加熱炉、又は、溶融炉であり得る。この炉は、例えば、溶解室と、精製室と、ガラスフイダーとの少なくとも1つを備えたガラス融解炉のようなガラス化炉で、特に、有り得る。溶解室は、溶解領域と精製領域とを備えた溶解及び精製室であり得る。
【0050】
前記炉は、又、アルミニウム、鉛、等の金属の二次的溶融のための炉のような金属の溶融のための炉であり得る。
【0051】
前記吸熱化学反応は、代表的には、SMR(スチーム−メタン改質)、DMR(ドライ−メタン改質)、又は、両者の混合である。
【0052】
一実施の形態に係われば、回収工程で得られ、排出された煙道ガスの、実際にはクリーンにされた煙道ガスの一部は、少なくとも、合成ガスを生成するための工程の吸熱化学プロセスでの反応物として使用される。
【0053】
これは、クリーンにされた煙道ガスは、COと水蒸気とを含んでおり、かくして、吸熱化学反応では反応物と使用され得る、ためである。
【0054】
この方法が、回収の第2の段階を有している場合に、煙道ガスからの熱エネルギーは、少なくとも、回収の工程の第1の段階と、回収の工程の第2の段階とで、熱交換流体と熱交換されることにより、効果的に、回収される。煙道ガスと熱交換流体との間の熱交換は、1又は複数の回収熱交換器により、効果的に、なされる。
【0055】
かくして、回収の工程の第1の段階での煙道ガスと熱交換流体との間の熱交換のために第1の回収熱交換器が、そして、回収の工程の第2の段階での煙道ガスと熱交換流体との間の熱交換のために第2の回収熱交換器が、有用的に使用される。
【0056】
好ましい熱交換流体は、空気、窒素、及び水蒸気である。
【0057】
熱交換流体が、水蒸気のときには、回収の工程で加熱される熱交換流体の、即ち、合成ガスの生成のための吸熱化学プロセスでの反応剤としての回収の工程で加熱された水蒸気の少なくとも一部が、使用可能である。
【0058】
前記熱交換流体は、例えば、熱交換流体として空気を使用して、又は、熱交換流体が、続いて反応物として使用される水蒸気の場合には、開回路で使用可能である。又、熱交換流体はも閉回路でも使用可能である。
【0059】
この場合、熱交換流体の少なくとも一部は、これが、吸熱化学反応で熱エネルギーとして使用された後に、回収工程へと戻される。
【0060】
排出された煙道ガスから回収された熱エネルギーが、吸熱化学反応により消費された熱エネルギーよりも高い場合には、回収された過剰の熱エネルギーは、吸熱化学反応/合成反応器の下流で、又はこれに平行して、他の目的のために使用され得る。
【0061】
かくして、炭素系材料を、これが、吸熱化学反応で反応物として使用される前に、予加熱するために、回収された熱エネルギーの一部を使用することが可能である。
【0062】
他の可能性は、水蒸気が、発熱化学反応で反応物として使用される前に、この水蒸気を発生及び/又は過加熱するために、回収された熱エネルギーの一部を使用すること、及び/又は、COが、発熱化学反応で反応物として使用される前に、このCOを予加熱するために、回収された熱エネルギーの一部を使用すること、である。
【0063】
回収された熱エネルギーの一部は、又、燃料の燃焼でのこれの使用の上流で、酸化剤を予加熱するためにも使用され得る。
【0064】
効果的には、水は、これが炉内で燃料として使用される前に、凝縮により合成ガスから抽出される。
【0065】
本願発明は、又、上述された実施の形態のいずれか1に係わる方法の実施に適した加熱プラントに関している。
【0066】
このようなプラントは、特に、以下に記載の構成部材を具備している。
・合成ガスの合成のための反応器、
・酸化剤を使用した燃料の燃焼のための1又は複数のバナーと、煙道ガスのための少なくとも1つの出口とを備えた炉、
・加熱された熱交換流体のための出口を備え、煙道ガスと熱交換流体との間の熱交換により熱エネルギーを回収するためのプラント。
【0067】
本願発明に係われば、前記構成部材は、本願発明に従った方法の実施を可能にするように、互いに接続されている。これは、特に以下を有している。
・炉の少なくとも1つのバナーに燃料として、反応器で生成された合成ガスの供給を可能にするように、前記炉に接続された合成反応器、
・炉からの煙道ガスの反応プラントへの供給を可能にするように、熱エネルギーの回収のためのプラントに接続された炉からの煙道ガスのための出口、
・加熱された熱交換流体の少なくとも一部を合成反応器に供給可能なように、合成ガスの合成のための反応器に接続された熱エネルギーの回収のためのプラント。
【0068】
好ましい実施の形態に係われば、前記回収のプラントは、熱エネルギーを回収するための第1の構成部材と、熱エネルギーの回収のための第2の構成部材とを有している。これら第1及び第2の構成部材は、好ましくは、上述されているように、熱交換器である。炉からの煙道ガスのための出口は、かくして、炉からの煙道ガスを第1の構成部材に供給可能とするように、熱エネルギーを回収するための第1の構成部材に接続されている。この第1の構成部材は、効果的には、第1の構成部材からの煙道ガスをクリーニングプラントに供給することを可能なように、煙道ガスをクリーニングするためのプラントに接続されている。
【0069】
前記クリーニングプラントは、クリーニングプラントからのクリーンにされた煙道ガスを回収のための第2の構成部材に供給可能なように、熱エネルギーの回収のための第2の構成部材に接続されている。
【0070】
熱エネルギーの回収のためのプラントは、好ましくは、熱エネルギーとの熱交換により、煙道ガスからの熱エネルギーの回収が可能な少なくとも1つの熱交換器を有している。
【0071】
本願発明に係わるプラントは、本願発明に係わる加熱方法の実施のために適用可能である。かくして、酸素酸化剤を使用した燃料の燃焼のために、前記炉は、1又は複数の燃料源に接続されている、特に、燃料としての合成ガスの源として合成反応炉に少なくとも接続されているばかりではなく、1又は複数の酸化剤の源にも接続されている。
【0072】
効果的な実施の形態に係われば、前記炉は、空気の酸素含有量よりも多い酸素含有量の酸化剤の少なくとも1つの源に接続されている。この酸化剤は、炉の少なくとも1つのバナーに燃料酸化物として供給される。有用的には、この酸化剤は、80vol%のOより多い、好ましくは、90vol%のOより多い、より好ましくは、95vol%のOより多い、そして更に好ましくは、99vol%のOより多い、酸素含有量である。
【0073】
以下の比較例は、SMRにより合成ガスの合成での炭素系材料として天然ガスを使用している本願発明に係わる加熱方法/プラントを概略的に示している図を参照して、本願発明、及び、その効果を詳細に示している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1図1は、ガラス融解炉の加熱に特に適している、本願発明に係わる方法/プラントを特に示している。
【発明を実施するための形態】
【0075】
一例に係われば、合成ガスは、予加熱された天然ガス101と水蒸気102との間の吸熱触媒反応により、合成反応器100内で合成される。これら2種の反応物は、反応器100の入口の所で、少なくとも300℃、特に325℃の温度を有している。
【0076】
反応器100内で触媒を使用したSMRにより発生され、主としてHとCOとからなる合成ガス110は、炉300(図示されていない)に続いて送られる。合成ガス110は、この炉内で燃料として機能する。この炉300内で、燃焼により発生された熱エネルギーは、ガラス化材料の融解のために使用される。表1は、このようにして天然ガスから発生された合成ガスの成分と、NCV(正味の発熱量)とを示し、発生された合成ガスの1NmのNCVと、1Nmの合成ガスの製造のために消費される0.209Nmの天然ガス(CH)のNCVとを比較している。
【0077】
【表1】
【0078】
反応器100内で発生された合成ガス110は、炉300に直接に送られ得るか、図示さけた場合のように、燃料として使用される前に、合成ガスの中にある水蒸気の少なくとも一部の凝縮の工程に、最初にもたらされる。
【0079】
これは、合成ガスのNCVを増加させると共に、炉の雰囲気に含まれている水蒸気の量を制御する(減じる)ことを可能にしている。この凝縮は、コンデンサー200内で生じる。例えば、水回収器201が、反応器100の上流での水蒸気102の生成で使用され得る。好ましくは、水の凝縮のエネルギーは、回収される。かくして、コンデンサー200内での水蒸気の凝縮のために冷却水202を使用することと、反応器100の上流での水蒸気102の生成に基づいた、一般的には熱エネルギー源としてのコンデンサー200からの加熱された水/水蒸気203を使用することと、を可能にしている。
【0080】
前記コンデンサー200からの乾燥された合成ガス210は、続いて炉300に送られ、ここで、乾燥された合成ガスは、燃料として使用される。
【0081】
図示されている例では、合成ガスは、炉300内で使用される唯一の燃料である。この炉は、全オキシ炉(all-oxy furnace)である。即ち、炉で使用される唯一の燃料酸化剤は、80vol%乃至100vol%の酸素含有量を有する酸化剤である。
【0082】
他の実施の形態に係われば、合成ガスは、他の燃料と組合わせて使用され得る。
【0083】
同様に、炉は、又、組み合わされ得、一方では、上述したようにオキシ燃焼であり、他方では、例えば、空気のように、酸素が比較的少ない酸化剤である。
【0084】
燃焼により発生された煙道ガス301が、炉300から排出される。これらガスは、図示の例では、1250℃のオーダの高温である。これらガスは、最初に、「高温回収熱交換器」と称されている第1の回収熱交換器400に送られる。この回収熱交換器400では、燃料ガスは、熱交換流体402(図示されている例では、空気)を加熱するために使用されている。少なくとも、かくして加熱された熱交換流体402の一部404は、反応器100に送られて、この中で、合成ガスの合成のための吸熱化学反応でのエネルギー源として使用される。
【0085】
前記加熱された熱交換流体402の他部405は、熱を消費する装備の他の箇所に送られる。
【0086】
図示されている例では、熱交換流体として使用されている空気は、回収熱交換器400で800℃の温度に加熱される。この回収熱交換器400は、煙道ガス301中の揮発性物質が、第1の回収熱交換器内で凝縮されないように、動作される。
【0087】
図示されている例では、煙道ガス403は、800℃の温度で第1の回収熱交換器から排出される。
【0088】
炉300から排出された煙道ガスが、粒子(埃)を含んでいるときには、回収熱交換器400内に粒子が堆積することを防止するために、回収熱交換器400内の煙道ガスの流量を比較的高いレベルに保つことが必要である。
【0089】
このように調整された煙道ガス403は、クリーニングプラント500に送られる。このプラントで、前記煙道ガス403は、クリーニグ処理が、即ち、埃の除去のための処理がなされ、及び/又は、凝縮され得る揮発物質の除去の工程を受ける。
【0090】
使用されるクリーニング処理は、このクリーニング処理の間に、クリーニングの間の熱エネルギー損失を制限するために、煙道ガスが過度に冷却されないように、選定されている。
【0091】
クリーンにされた煙道ガス501は、「低温回収熱交換器」と称されている第2の回収熱交換器600に送られる。
【0092】
この第2の回収熱交換器では、クリーンにされた煙道ガス501からの残留エネルギーが、熱交換流体602と熱交換されることにより回収される。そして、冷却された煙道ガス601は、大気に解放される前に、又は処理されて集められる前に、抽出器700に送られる。
【0093】
クリーニング工程で、低温回収熱交換器600内の煙道ガスの温度で凝縮する可能性のある揮発物質が、煙道ガスから除去されるクリーニングプラントでの煙道ガスのクリーニングにより、低温回収熱交換器600を汚染しないで煙道ガスから残留熱エネルギーを回収することが可能である。かくして、本願発明は、炉300の出口の所で、煙道ガス301の熱の最適な回収を可能にしている。
【0094】
図示されている例では、第2の回収熱交換器600のための熱交換流体602は、ブロワー(800)により与えられた圧縮空気である。
【0095】
前記第1及び第2の回収熱交換器400,600のために、2種類の異なる熱交換流体401,600と、本願発明に従った処理での熱エネルギー源としての加熱された2種類の熱交換流体402,603とが、例えば、合成反応器100で、使用することが可能である。
【0096】
図示されている例では、同じ熱交換流体が、第1及び第2の回収熱交換器400,600で使用されている。
【0097】
ブロワー800により与えられる圧縮空気602は、最初に、低温回収熱交換器600に送られる。この回収熱交換器600で、空気は、クリーニングプラント500からのクリーンにされた煙道ガス501との熱交換により、加熱される。図示されている例では、500℃のオーダの温度に加熱されている空気(熱交換流体)603は、続いて高温回収熱交換器400の中に導入される。
【0098】
高温回収熱交換器400内で、低温回収熱交換器600からの加熱された空気は、炉300からのクリーンにされていない煙道ガス301との熱交換により、再度加熱される。図示されている例では、温かい空気(熱交換流体)402は、約800℃で高温回収熱交換器から出る。
【0099】
第1の回収熱交換器400のクリーニングプラント500の入口での煙道ガスの温度の良好な制御を可能にするために(例えば、材料の熱抵抗の理由のために、そして、クリーンニングを最適にするために)、パイプが、第1の回収熱交換器の上流の煙道ガス301の中に、及び/又はクリーニングプラント500の上流の煙道ガス403の中に、夫々調整された(moderated)ガス901、902の制御された流量の基での射出のために設けらされている。前記調整されたガスは、例えば、反応器100の、及び/又は、回収熱交換器/熱交換器10,20又は30の出口での周囲空気及び/又は熱交換流体107の一部であり得る。
【0100】
反応器100の出口の所での熱交換流体に存在している残留熱エネルギーは、本願発明に係わる方法で使用される反応剤の予加熱のために、効果的には、使用される。
【0101】
かくして、図示されている例では、熱交換流体の第1の部分104は、合成ガスの合成で使用される水蒸気102の発生のために、回収熱交換器/ボイラー10に送られる。
【0102】
前記熱交換流体の第2の部分105は、合成ガスの合成のための反応用の炭素系材料(天然ガス)の予加熱のために、回収熱交換器20に送られる。
【0103】
前記熱交換流体の第3の部分106は、燃料酸化剤(酸素)の予加熱のために、これが、炉に導入される前に、第2の熱交換器30に送られる。
【0104】
炉300の上流で合成ガス210の予加熱のために、反応器100からの熱交換流体103の一部を少なくとも使用することが可能である。
【0105】
第2の燃料が炉300内で、又、燃焼されると、熱交換流体103の少なくとも一部は、炉300の上流で、第2の燃料及び/又は合成ガス210の予加熱のために使用され得る。
【0106】
炉300の燃料として、熱交換器20内で予加熱された天然ガスの一部を、例えば、使用することが可能である。
【0107】
一般的な目的は、炉の出口の所での。煙道ガス301に存在している熱エネルギーの回収と使用とである。
【0108】
図示されている例では、熱交換流体は、閉回路を循環する。即ち、反応器100からの熱交換流体は、回収熱交換器400.600で熱交換流体602として再使用される。又、開回路で熱交換流体を使用することも、又、可能である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] (a)加熱される供給原料が、炉の中に導入され、
(b)燃料が、前記炉(300)で熱と煙道ガスとが発生するように、酸化剤を使用して燃焼され、
(c)前記供給原料が、発生された前記熱により炉(300)内で加熱され、
(d)加熱された前記供給原料と発生された煙道ガスとが、前記炉(300)から排出され、排出された煙道ガス(301)は、残留熱エネルギーを含み、
(e)合成ガス(110)が、(i)炭素系材料と(ii)水蒸気及び/又はCO2とを含んだ反応物との間の吸熱化学反応により、合成反応器(100)内で生成され、前記合成反応器は、反応物が中に導入され、又吸熱化学反応が生じる少なくとも1つの反応領域を有し、前記反応領域から合成ガスが取り出される、工程(a)乃至(e)を有する直熱燃焼式の加熱方法において、
前記残留熱エネルギーは、前記炉(300)から排出された煙道ガス(301)から回収され、この回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部は、前記合成反応器(100)の中に導入され、前記工程(e)の発熱化学反応により消費されることを特徴とする方
法。
[2] 前記合成反応炉(100)は、又、中に回収された残留熱エネルギーが導入される少なくとも1つの加熱室を有し、前記少なくとも1つの加熱室は、前記少なくとも1つの反応領域に、回収された残留熱エネルギーが、少なくとも1つの加熱室から発熱化学反応が生じる少なくとも1つの反応領域へと、前記少なくとも1つの加熱室及び少なくとも1つの反応領域を介して伝達される、[1]に記載された方法。
[3] 各合成反応器(100)は、近接した加熱室に囲まれているか、2つの近接した加熱室間にある[2]に記載された方法。
[4] 前記合成反応器(100)は、複数の加熱室と複数の反応領域とが交互に位置した層構造を有し、前記複数の加熱室と反応領域とは、2つの連続したプレート間に配置されている、[2]又は[3]に記載された方法。
[5] 前記残留熱エネルギーは、回収された残留熱エネルギーを含み加熱された熱交換流体(402)と調整された煙道ガス(601)とを得るように、排出された煙道ガス(301,501)と熱交換流体(602,401)との間の熱交換により、排出された煙道ガス(301.501)から回収され、又、加熱された熱交換流体(402)の少なくとも一部は、回収された残留熱エネルギーの少なくとも一部を、発熱化学反応の工程(e)に与えるために、前記合成反応器(100)の中に導入される、[1]に記載された方法。
[6] 前記残留熱エネルギーは、回収された残留熱エネルギーを含む加熱された熱交換流体(402)と調整された煙道ガス(601)とを得るように、排出された煙道ガス(301,501)と熱交換流体(402)との間の熱交換により、排出された煙道ガス(301,501)から回収され、又、前記加熱された熱交換流体(402)の少なくとも一部は、前記回収された残留熱エネルギーの一部を少なくとも反熱化学反応の工程(e)に与えるために、少なくとも1つの加熱室の中に導入される[2]乃至[4]の何れか1項に記載された方法。
[7] 前記排出された煙道ガスは、600℃と800℃との間の温度で凝縮可能な埃及び/又は揮発性物質を含んでおり、又、前記炉(300)から排出された前記煙道ガス(301)からの残留熱エネルギーの回収の工程は、前記煙道ガスの第1の温度範囲での回収の第1の段階と、前記第1の温度範囲よりも低い、煙道ガスの第2の温度範囲での回収の第2の段階とを、少なくとも有し、
前記第1の温度範囲の温度で、煙道ガス中にある揮発性物質の凝縮は無く、
前記煙道ガスは、回収の前記第1の段階と第2の段階との間で、クリーニング操作がなされ、このクリーニング操作は、前記第2の温度範囲の温度で凝縮可能な埃及び/又は揮発性物質を除去することを含んでいる、[1]乃至[6]のいずれか1項に記載された方法。
[8] 熱交換流体(602)は、回収の前記第2の段階での煙道ガス(501)との熱交換により部分的に加熱され、又、回収の前記第1の段階で部分的に加熱された熱交換流体(603)は、回収の第1の段階での煙道ガス(301)との熱交換により加熱される、[7]に記載された方法。
[9] 前記熱交換流体は、空気と、窒素と、水蒸気とから選ばれる[7]又は[8]に記載された方法。
[10] 燃料の少なくとも一部、好ましくは全部は、酸素リッチ酸化剤を使用して、炉(300)内で燃焼される[1]乃至[9]の何れか1項に記載された方法。
[11] 前記炉(300)は、ガラス溶融炉、又は、金属の溶融のための炉である[8]に記載された方法。
[12] 前記吸熱化学反応は、SMR、DMR、又は、これら両者の混合である[1]乃至[11]の何れか1項に記載された方法。
[13] 前記排出された煙道ガスから回収された熱エネルギーの一部は、
a)炭素系材料が、発熱化学反応で反応物として使用される前に、この炭素系材料を予加熱するため、
b)水蒸気が、発熱化学反応で反応物として使用される前に、この水蒸気を発生及び/又は過加熱するため、
c)CO2が、発熱化学反応で反応物として使用される前に、このCO2を予加熱するため、
d)燃料の燃焼での酸化剤の使用の上流で、酸化剤を予加熱するため、の目的の少なくとも1つ、好ましくは、幾つかのために使用される、[1]乃至[12]の何れか1項に記載された方法。
[14] 水が、炉(300)内で燃料として使用される前に、凝縮により合成ガスから取り出される[1]乃至[13]の何れか1項に記載された方法。
[15] [1]乃至[14]のいずれか1項に記載された方法の実施のための加熱プラントであって、この加熱プラントは、
供給原料のための入口と、加熱された供給原料のための出口と、酸化剤を使用した燃料の燃焼、及び、供給原料を加熱するための熱の発生のための少なくとも1つのバナーとを備えた炉(300)と、
加熱された熱交換流体のための出口を備え、排出された煙道ガス(301)と熱交換流体(602)との間の熱交換により熱エネルギーを回収するためのプラント(400,500,600)と、
合成ガス(100)の合成のための反応器とを具備し、
前記合成のための反応器(100)は、炉(300)の少なくとも1回の燃焼に対する燃料として反応器(100)内で生成された合成ガス(210)の供給を可能にするように、熱エネルギーを回収するための前記プラント(400,500,600)に接続されており、又、
熱エネルギーを回収するための前記プラント(400,500,600)からの加熱された熱交換流体のための出口が、加熱された熱交換流体の少なくとも一部を合成するための反応器(100)に供給することが可能なように、合成ガスの合成のための反応器(100)に接続されている、加熱プラント。
【0109】
ガラス融解炉に与えられる、本願発明に係わる方法のエネルギー効率が、ガラスの融解のための最も効率の良い既知の方法のエネルギー効率と比較された。
【0110】
表2及び3を以下に示す。
・AA:燃料酸化剤として、新しい回収熱交換器により予加熱された空気を使用した、天然ガスの燃焼を利用した従来技術に係わるガラス融解炉に関する、
・AA:燃料酸化剤として、予加熱されなかった空気を使用した、天然ガスの燃焼を利用した従来技術に係わるガラス融解炉に関する、
・AA:EP-A-0 872 690に記載された出願人の会社により開発された技術により予加熱された酸素を使用した、天然ガスの燃焼を利用した従来技術に係わるガラス融解炉に関する、
・Inv 1:燃料酸化剤として、予加熱された酸素を使用し、炉内で唯一の燃料として発生された合成然ガスの燃焼を利用したガラス融解炉内での本願発明に係わる方法の実施に関する。
【0111】
表2は、炉内で燃料として使用される100Nm/hの天然ガスの燃焼を利用した、例AAで製造されたものと同じ融解プロセス又は技術的貢献に対する、本願発明に係わる方法(Ex.1)と従来技術に係わる方法(AA乃至AA)との比較を与えている。
【0112】
表3は、ガラス融解炉の同じ引出し(pull)に対する、本願発明に係わる方法と従来技術に係わる方法との比較を与えている。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
図1