【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的のために、本発明は、デバイスが使用されている間、電極が皮膚と直接的に接触しないように、イオン導入終片部に電極を配置することを提案する。
【0022】
実際のところ、本発明は、電極が皮膚に絶対触れないように、適用面から後退して電極を設定することを提案する。電極は、適用面から離して位置付けられる。
【0023】
より具体的には、本発明の主題は、電流によるケラチン物質の化粧処置のためのデバイスであって、
− 電力供給システムと、
− 化粧組成物(P)を収容する貯留器と、
− 電極および少なくとも1つの印加部材を備える終片部であって、前記印加部材が、貯留器に収容される製品で満たされ得る外壁を画定する、終片部と、
− 対電極と、
− 電極とケラチン物質との間で測定されるインピーダンスに基づいて、貯留器を出て行く組成物(P)の量を調節するためのシステムとを少なくとも備え、電極および印加部材が、デバイスが使用されている間、組成物(P)が皮膚と接触している唯一の導電性物質であるように設計される、デバイスである。
【0024】
本発明によれば、「電極」は、正に帯電される電極(陽極)、または、負に帯電される電極(陽極)であると理解される。この電極は、概して、ケラチン物質と直接的に接触するように、終片部の外部面に配置される。しかしながら、電極は、終片部の外壁に挿入されてもよい。この場合、電極はケラチン物質と直接的に接触しない。概して、電極は、処置される領域と接触している。
【0025】
本文を通じて、「電極」という用語は、単一の絶縁された電極を意味する。電極は、たとえば、ボールまたはパッドの形態であり得る。「対電極」は、負に帯電される電極(陽極)、または、正に帯電される電極(陽極)であると理解される。対電極の電荷は、電極の電荷の逆である。概して、前記対電極は、デバイスの本体に、または、ハンドピースに配置される。対電極は、ケア処置を受けるヒトの体の領域と接触するように意図されている。たとえば、対電極はヒトの指の間に保持され得る。一構成では、対電極は終片部に配置され得る。この場合には、対電極は絶縁空間によって電極から分離される。
【0026】
「電力供給システム」は、電極と対電極との間の電位差を誘導することができる電気的な組立体であると理解される。終片部が顔に置かれる場合、および、対電極が手に保持される場合、電位差が顔と手との間に作られる。
【0027】
「デバイスが使用されている間、組成物(P)が皮膚と接触している唯一の導電性物質である」という表現は、特に、電極が昼と接触していないことと、終片部が、皮膚と接触している導電性材料をまったく含んでいないこととを意味する。
【0028】
好ましくは、電極は終片部の内部に収められる。
【0029】
有利には、電極は、印加部材の外壁から0.2mmから5mmの間の距離(d
1)にある。
【0030】
距離(d
1)は、印加部材の電極と外壁との間の空間を表している。この距離(d
1)は、印加部材の電極と外壁との間で測定可能な最も短い距離である。測定される距離が最も短い距離であるという前提で、距離(d
1)は、電極における任意の位置と印加部材の外壁との間で測定される。
【0031】
調節システム
有利には、本発明によるデバイスは、電極と皮膚との間で検出される電流が所定の閾値(i
s)未満である場合、電極の電力供給をスタンバイにするように設計される電子ユニットを備える。電極と対電極との間の電位差は、電力供給がスタンバイにある状態で、電力供給回路によって閾値(U
s)に維持される。
【0032】
対照的に、電極と皮膚との間で検出される電流(i
m)がこの閾値(i
s)を上回っている場合、発生器は、i
sより高い所定値(I
c)へと電流を増加させる。電流は、電極と対電極との間で皮膚を通って流れる。
【0033】
より有利には、電子ユニットは、電極と皮膚との間の電流値を検出するための電流センサを備える。
【0034】
好ましくは、閾強度(i
s)は5μAから10μAの間である。
【0035】
有利には、電力供給回路は、電極および対電極の電圧(U)を制御するように設計される発生器を備え、それによって、発生器を電極と皮膚との間の目標電流(i
c)を制御することを可能にする。生成される電圧(U)は、「皮膚+化粧組成物」のシステムのインピーダンス(Z
s)に依存する。電圧(U)は、安全上の理由のため、最大値(U
max)に制限される(たとえば、50V)。
【0036】
電極と皮膚との間に十分な化粧組成物がない場合、インピーダンス(Z)は非常に高い。発生器は、送ることができる最大電圧であっても、電流(i
c)を維持できない。発電装置は低強度電圧を検出する。
【0037】
電極と皮膚との間の化粧組成物の量が増加した場合、発生器は、この時点でのインピーダンス(Z
c)における低下のため、電流(i
c)の制御を復帰できる。
【0038】
本発明によるデバイスは、印加部材への化粧組成物の供給を起動させるように設計される電子ユニットを備えてもよい。この起動は、電極と皮膚との間で検出される電流が、目標値(i
c)より若干低い所定の閾値(i
s)より低い場合に起こる。
【0039】
この起動が起こったすぐ後、測定された電流強度(i
m)は目標値(i
c)まで増加する。電流強度(i
m)が目標値(i
c)に到達するとすぐに、印加部材への化粧組成物の供給は自動的に遮断される。
【0040】
好ましくは、電力供給回路はマイクロコントローラを備える。
【0041】
実際のところ、電極と皮膚との間の強度は、電力供給回路によって、閾強度(i
s)と目標強度(i
c)との間で維持される。
【0042】
電流(i
m)は、マイクロプロセッサによって、閾強度値(i
s)および目標強度値(i
c)と比較される。
【0043】
(i
m)<(i
s)の場合、印加部材への化粧組成物の供給が起動される。この供給は、所定の値(i
c)に等しい電流が検出されるまで続く。
【0044】
(i
m)≧(i
s)の場合、印加部材への化粧組成物の供給が遮断される。したがって、処方の飽和の状況がある。
【0045】
好ましくは、電流(i
c)は、0.01mA/cm
2〜0.5mA/cm
2、好ましくは0.1mA/cm
2〜0.3mA/cm2の単位面積当たりの電流強度に到達するために特定される。
【0046】
「マイクロコントローラ」という用語が、たとえば、マイクロプロセッサチップといった、単一の電子デバイスに対応する、または、たとえば、第三者の機器の品目(PC、PDAなど)によって管理を可能にする通信ゲートウェイといった、プログラム可能な電子要素のセットに対応することは、理解されるものである。
【0047】
電気パラメータ
電力供給源は、任意の再充電不可能な電池、または、任意の蓄電池を備えてもよい。電極同士の間の電圧は、たとえば、1.2Vから24Vの間であり、好ましくは1.2Vから3.3Vの間であり、適切な場合、電流の通路がスポットヒーティングを作り出してもよい。
【0048】
電力供給源は、たとえば、直流電圧供給源を備えてもよい。変形例では、電力供給源は、時間とともに生成される電圧の大きさを変えるための電子回路を備え得る。たとえば、この電子回路はチョッパであってもよい。
【0049】
同等の電流密度において、デバイスは、特に、皮膚において、好ましくは0.500mA/cm
2以下、たとえば、0.01mA/cm
2から0.500mA/cm
2の間、たとえば、0.1mA/cm
2から0.3mA/cm
2の間の電流密度を送ることができる。
【0050】
電極
電極は、たとえば、平坦な円板または多角形の形態で、平坦であってもよい。
【0051】
電極は多孔性であってもよい。
【0052】
電極は、中空であってもよく、たとえば、導電性金属シートを型打ちまたは曲げることで形成される。
【0053】
電極を製作するために使用することができる材料
電極は、たとえば、次のようなものを備え得る。
− たとえば、金属(クロム、ステンレス鋼)。
− 処方に対して不活性である貴金属(金、チタン)。
− 貴金属でメッキされた金属。
− 合金。
− 複合材料(炭素微小繊維が多く含まれた樹脂材料)。
− 導電性織布。
− 導電性不織布。
− ポリマ材料で下塗りされた導電体。
− 繊維性材料。
− たとえば、特許文献5に記載されているような、導電性ポリマ繊維。
− たとえば、特許文献6に記載されているような、炭素繊維。
− 銀、銅、または炭素などの導電性の充填材の追加による、シリコンで下塗りされた導電体。このようなシリコンは、たとえば、Saint Gobain、Plastics Performance、およびAquitaine Caoutchouc 2000という会社によって、供給される。
− たとえば、UtexbelおよびCousin Biotechという会社によって供給される導電性金属布。
− たとえば、CopemaおよびRexamという会社によって供給される、炭素が多く含まれたビニール。
− たとえば、Copemaおよび3Mという会社によって供給される電気外科プレート。
− たとえば、Paniplastという会社によって供給される本質的に導電性のポリマ。
【0054】
印加部材
印加部材は、任意の所望の幾何学的形状を有してもよい。
【0055】
印加部材は、導電性でなく、電力供給回路に連結されない。
【0056】
有利には、デバイスは複数の印加部材を備える。
【0057】
印加部材の外壁は、化学的な視点から、製品およびケラチン物質に対して完全に不活性であり得る。
【0058】
外壁はワニスで覆われてもよい。
【0059】
外壁は研磨されてもよい。
【0060】
外壁は殺菌性材料を備えてもよい。
【0061】
有利には、印加部材は回転軸(X)の周りに回転できる。
【0062】
さらに、印加部材の外壁は、製品貯留器の近くに配置されてもよく、それによって、特に製品を貯留器からこの外壁へと運ぶための特定のダクトの存在を、回避することを可能にする。
【0063】
本発明のある実施の例では、外壁は、対称の軸の周りに実質的に回転対称であり、外壁は、この対称の軸の周りに回転することができる。
【0064】
変形例では、印加部材は、この対称の軸とは別の回転軸の周りに回転できてもよい。
【0065】
印加部材の外壁は、実質的に細長い楕円シェルを有してもよく、または変形例では、実質的に平坦にされた楕円形を有してもよい。
【0066】
本発明の別の実施の例では、外壁は、実質的に球体の形を有する(ロールオン)。特に、印加部材はボールである。
【0067】
印加部材は、外壁が取り付けられる中心部を備えてもよい。この中心部は、たとえば、浮き彫りが設けられた表面を備えてもよく、外壁は、浮き彫りと接触するように、適用の間に変形することができてもよい。変形することで、印加部材が処置される表面と接触している間、マッサージ効果を作り出すことを可能にし、そのため、何よりも、製品の皮膚への浸透を容易にし、製品の作用を促進する。
【0068】
変形例では、外壁は硬くてもよい。
【0069】
本発明のある実施の例では、外壁は浮き彫りを備え、浮き彫りは、たとえば、突起またはリブを備えてもよい。
【0070】
代替的に、浮き上がった要素は除去可能であってもよい。したがって、たとえば、浮き上がった要素の寸法、表面特性、または粗さを変更するために、デバイスの浮き上がった要素を変えることが可能である。
【0071】
有利には、印加部材は、デバイスに取り外し可能な手法で搭載される。
【0072】
さらに有利には、印加部材は少なくとも1つの浮き彫りを備える。
【0073】
貯留器
貯留器は、出口オリフィスが出現する壁を備えてもよく、この壁は、実質的に印加部材の少なくとも一部の形に追従する。
【0074】
処方を貯留器の出口で分注するための機構は、ポンプを備えてもよい。
【0075】
有利には、分注システムは、貯留器の壁とその筐体との間で空気を圧縮するために、空気ポンプを備えてもよい。貯留器の壁は好ましくは可撓性であり、筐体の壁は好ましくは硬くてもよい。
【0076】
より有利には、筐体は気密である。貯留器は、空気ポンプによって、制御された手法で圧縮される。これは、処方の流量を一定とさせるために、筐体において特定の圧力を作り出す。貯留器の端における一方向弁は、処方を空気との接触から保護することを可能にできる。
【0077】
電流発生器は、電流の低下を検出したとき、処方を貯留器から押し出すためにポンプを作動できる。したがって、インピーダンスは再び平衡される。この原理は、電極と皮膚との間に十分な量の組成物を確保することを可能にする。これは、組成物の浸透を最適化することを可能にする。
【0078】
貯留器は、可変内部容積を有してもよく、内部容積を減らすために、弾性的に変形可能である少なくとも1つの壁であって、特に、互いと相対する2つの弾性的に変形可能な壁を有してもよい。
【0079】
貯留器は、空にされたとき、別のものと交換できるように、または、貯留器が充填オリフィスを有している場合、充填させるために取り外しできるように、デバイスに取り外し可能な手法で搭載されるように設計され得る。
【0080】
有利には、貯留器は、弾性的に変形可能な外壁を有する。
【0081】
好ましくは、貯留器は、印加部材の外壁において、ダクトを通じて出現する出口オリフィスを備える。
【0082】
有利には、変形領域は軸方向に変形可能な領域である。
【0083】
「軸方向に変形可能な領域」は、終片部の長手方向軸Xに沿って変形可能である領域であると理解される。
【0084】
有利には、変形可能な領域は蛇腹を備える。
【0085】
蛇腹の厚さは、たとえば、0.1mmから1mmの間、好ましくは、0.3mmから0.8mmの間である。
【0086】
有利には、蛇腹の折り目の数は、2つから6つの間とでき、3つから5つの間であればなおよい。
【0087】
有利には、貯留器は一体品で形成される。
【0088】
貯留器は、好ましくは一体品で成型され、特に、たとえば、LDPE、HDPE、LDPEおよびHDPEの混合物、PP、または、任意の割合でのPEおよびPPの混合物から、同じ熱可塑性プラスチック材料から成型される。貯留器の壁の厚さは、たとえば、0.1mmから1mmの間であり、第2の領域では0.3mmから0.8mmの間である。
【0089】
有利には、貯留器の全内部容積は、変形領域の残りの構成において、1cm
3から100cm
3の間であり、好ましは20cm
3から50cm
3の間である。この容積は、数週間にわたっての多くの使用または繰り返しの処置のために最適である。
【0090】
好ましくは、貯留器の内部容積は、変形可能領域の残りの構成において、前記容器の内部容積の10%から50%の間の容積で小さくすることができる。容積におけるこの変動は、視認可能で測定可能であるという利点を有する。
【0091】
貯留器は、射出ブロー成形または押出ブロー成形によって製造されてもよい。
【0092】
有利には、貯留器は取り外し可能である。
【0093】
より有利には、貯留器は使い捨ての貯留器である。
【0094】
貯留器は、一回分の貯留器であってもよいし、または、一回分の貯留器でなくてもよい。
【0095】
補助的な機能
デバイスは、選択的に作動され得る1つまたは複数の処置モジュールを備えてもよく、後で詳細に説明するように、たとえば、終片部を、光に、熱の供給源に、または振動に曝すことが考えられる。
【0096】
i)光の供給源
本発明によれば、デバイスは、有利には、光の供給源を備える。
【0097】
光の供給源は、たとえば、特許文献7、特許文献8、または特許文献9に記載されているような、少なくとも1つのLEDであってもよい。
【0098】
ii)熱の供給源
本発明によれば、デバイスは、有利には、熱の供給源を備える。
【0099】
この場合、終片部の外部面の温度および/もしくは処置される領域の温度を変更すること、ならびに/または、エネルギーを終片部の外部面および/もしくは処置される領域へと伝達することが可能である。
【0100】
デバイスは、たとえば、終片部の下で位置決めされる加熱抵抗器、熱電素子、または赤外線供給源を備えてもよい。
【0101】
好ましくは、熱の供給源が赤外線供給源または抵抗器を備える。
【0102】
デバイスは、加熱モジュールを備えてもよく、たとえば、35℃から45℃の間の温度といった所定の温度への終片部の外部面を加熱するように構成されてもよい。加熱モジュールを備えるデバイスの場合、加熱面は、加熱モードにおいて、室温より10℃から35℃高い温度に、好ましくは、15℃から25℃高い温度に、到達できる。加熱モジュールによって送られる電力は、0.25Wから10Wの間で、好ましくは0.5Wから5Wの間であり得る。
【0103】
より好ましくは、熱の供給源は、デバイスの内部に全体的に収められる。
【0104】
抵抗器は、たとえば、スイッチの場所を用いて、2つの絶縁されたコネクタによって基板に連結されてもよい。
【0105】
赤外線供給源は、取っ手など、デバイスの本体に内蔵されてもよい。たとえば、シェルといったデバイスの外部部品は、終片部に向かって赤外線放射を案内するように作用できる。
【0106】
電気回路は、加熱部材と直列に連結され、たとえば、加熱部材に所望の比率で電力を供給することを可能にする少なくとも1つの電子スイッチを備えてもよい。
【0107】
化粧組成物
少なくとも1つの化粧組成物をデバイスとともに用いることが可能である。
【0108】
使用される組成物は、たとえば、水溶液、オイル、乳液、パウダー、またはジェルの形態でといった、すべての形態で可能性がある。使用される組成物は皮膚に噴霧されてもよい。
【0109】
使用される組成物がジェルの形態であるとき、ジェルは、前述のように、適用される電極の形を取ることができる。
【0110】
組成物は活性成分を含んでもよい。
【0111】
有利には、化粧製品は以下の中から選択される。
− 特に、湿潤もしくは保湿活性剤、老化防止活性剤、たとえば脱色活性剤、皮膚微小循環に作用する活性剤、または、脂漏抑制活性剤から選択される活性剤を含むフェイスケアまたはボディケアの組成物。
− 顔または体を化粧するための組成物。
− 毛髪組成物、特に、毛髪を洗浄するための組成物、毛髪のケアもしくはコンディショニング、毛髪の一時的な形態保持もしくは成形のための組成物、毛髪の一時的、半永久的、もしくは永久的な染色のための組成物、または、ストレートにする、もしくは、永久的なウェーブを掛けるための組成物、特に、毛根および毛髪をストレートにする、染色する、または漂白するための組成物。
− 頭皮のための組成物、特に、フケ防止の組成物、抜け毛防止のための組成物、毛髪の再生を促進するための組成物、脂漏防止組成物、炎症防止組成物、刺激の防止もしくは鎮静の組成物、跡を防止する組成物、または、頭皮を刺激もしくは保護するための組成物。
【0112】
デバイスは、たとえば、シワ、ヘルペス、ニキビを食い止めるため、または、皮膚または毛髪の密度を再び高めるため、様々な化粧処置で使用され得る。
【0113】
本発明のさらなる特徴および利点が、以下の詳細な説明を読むことで明らかとなり、その詳細な説明は、添付の図面に示されている非限定的な実施形態を参照して提供されている。