特許第6567533号(P6567533)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567533
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】モジュール式外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】10
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-542220(P2016-542220)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公表番号】特表2017-500149(P2017-500149A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】US2014070802
(87)【国際公開番号】WO2015100098
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2017年12月15日
(31)【優先権主張番号】14/138,507
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−524451(JP,A)
【文献】 特表2013−541982(JP,A)
【文献】 特開2007−105481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
長手方向ツール軸を画定する細長シャフトアセンブリであって、
発射動作及び後退動作を発射システムから受けるために、前記発射システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側発射部材と、
関節屈曲システムから関節屈曲動作を受けるために、前記関節屈曲システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側関節屈曲アセンブリと、を備える、細長シャフトアセンブリを備え、前記外科用器具は、
外科用エンドエフェクタを更に備え、前記外科用エンドエフェクタは、
第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部であって、前記第1エンドエフェクタ部は外科用ステープルカートリッジを内部で動作可能に支持するように構成されているキャリアを備え、前記第2エンドエフェクタ部は、アンビルアセンブリを備え、開放動作を前記第2エンドエフェクタ部に適用すると、前記第1エンドエフェクタ部に対して、第1方向に選択的に動くことが可能であり、前記第2エンドエフェクタ部は更に、閉鎖動作を前記第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2方向に選択的に動くことが可能である、第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部;
前記第1エンドエフェクタ部を、関節屈曲軸の周りで、前記長手方向ツール軸に対して前記第1方向及び前記第2方向に、選択的に関節屈曲させるよう構成されている関節屈曲ジョイント;
前記関節屈曲動作を前記関節屈曲ジョイントに適用するために、前記関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続される、関節屈曲リンクアセンブリ;
駆動アセンブリであって、前記発射動作及び前記後退動作が前記駆動アセンブリに適用されると前記外科用エンドエフェクタ内で動作可能に動くように支持され、前記開放動作及び前記閉鎖動作を、前記第2エンドエフェクタ部に適用するよう構成されている、駆動アセンブリ;を備え、前記駆動アセンブリが:切断ヘッドを備え、前記切断ヘッドが、
上側端部、下側端部、及び前記上側端部と前記下側端部との間で配向された組織切断部を含む、垂直延伸部;
前記垂直延伸部の前記下側端部から突出し、前記キャリアの下側部に可動的に係合するように構成されている下側フット;
前記垂直延伸部の前記上側端部から突出し、前記アンビルアセンブリの一部に係合するよう構成されている上側タブ部;及び
前記切断ヘッドに動作可能に連結されている駆動梁アセンブリ;を備え、前記駆動梁アセンブリが:
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記上側端部に連結された上側発射バーセグメント;及び
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記下側端部に連結された下側発射バーセグメント;を備え、前記上側発射バーセグメント及び前記下側発射バーセグメントが枢動可能に近位側係合部材に連結され、前記上側発射バーセグメント及び前記下側発射バーセグメントが共に前記発射動作を伝達し、該外科用器具は、
同時に、
前記第1エンドエフェクタ部の近位端部を前記細長シャフトアセンブリに連結し、
前記関節屈曲リンクアセンブリを前記関節屈曲アセンブリに連結し、かつ
前記駆動アセンブリを前記近位側発射部材に連結するための手段を更に備える、外科用器具。
【請求項2】
前記外科用エンドエフェクタが、遠位端部及び近位端部を有するエンドエフェクタハウジングを更に備え、前記第1エンドエフェクタ部は、前記エンドエフェクタハウジングの前記遠位端部に、前記関節屈曲ジョイントにより可動的に連結され、かつ前記連結するための手段が、前記エンドエフェクタハウジングの前記近位端部を、前記細長シャフトアセンブリに連結する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記外科用エンドエフェクタが、使い捨て式装填ユニットを備える、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記外科用ステープルカートリッジが、内部に複数の外科用ステープルを動作可能に支持する、埋植可能なカートリッジ本体を備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記関節屈曲ジョイントが、前記第1エンドエフェクタ部に連結され、第1のセットのギア歯を含む関節球を備え、かつ前記関節屈曲リンクアセンブリが、前記関節球上の前記第1のセットのギア歯と噛合い係合する関節チューブを備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
外科用器具の細長シャフトアセンブリに取り付けるための使い捨て式装填ユニットであって:
遠位端部及び近位端部を有し、該近位端部が前記細長シャフトアセンブリに動作可能に連結可能である、ハウジングアセンブリ;
内部に外科用ステープルカートリッジを動作可能に支持するキャリア;
前記キャリアに可動的に支持されるアンビルであって、開放動作が該アンビルに適用されると、前記キャリアに対して第1方向に選択的に移動可能で、かつ前記アンビルに対して閉鎖動作が適用されると、更に第2方向に選択的に移動可能である、アンビル;
前記キャリアを、関節屈曲軸の周りで、前記第1方向及び前記第2方向に、選択的に関節屈曲させるように構成されている関節屈曲ジョイント;
節屈曲動作を前記関節屈曲ジョイントに適用するために、前記関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続され、かつ前記細長シャフトアセンブリの対応する部位に選択的に連結可能である、関節屈曲リンクアセンブリ;及び
前記細長シャフトアセンブリの対応する発射部からの発射動作及び後退動作が適用されると前記ハウジングアセンブリ内で動作可能に移動するように支持され、前記開放動作及び前記閉鎖動作を前記アンビルに適用するよう構成されている、駆動アセンブリ、を備え、前記駆動アセンブリが:
切断ヘッドを備え、前記切断ヘッドが、
上側端部、下側端部、及び前記上側端部と前記下側端部との間で配向された組織切断部を含む、垂直延伸部;
前記垂直延伸部の前記下側端部から突出し、前記キャリアの下側部に可動的に係合するように構成されている下側フット;
前記垂直延伸部の前記上側端部から突出し、前記アンビルの一部に係合するよう構成されている上側タブ部;及び
前記切断ヘッドに動作可能に連結され、前記細長シャフトアセンブリの前記対応する発射部とインターフェイス接続されるよう構成されている駆動梁アセンブリ;を備え、前記駆動梁アセンブリが:
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記上側端部に連結された上側発射バーセグメント;及び
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記下側端部に連結された下側発射バーセグメント;を備え、前記上側発射バーセグメント及び前記下側発射バーセグメントがそれぞれ、前記細長シャフトアセンブリの前記対応する発射部と動作可能にインターフェイス接続されるよう構成されている近位側係合部材に枢動可能に連結され、前記上側発射バーセグメント及び前記下側発射バーセグメントが共に前記発射動作を伝達する、使い捨て式装填ユニット。
【請求項7】
前記外科用ステープルカートリッジが、内部に複数の外科用ステープルを動作可能に支持する、埋植可能なカートリッジ本体を備える、請求項6に記載の使い捨て式装填ユニット。
【請求項8】
前記関節屈曲ジョイントが、前記キャリアに連結され、第1のセットのギア歯を含む関節球を備え、かつ前記関節屈曲リンクアセンブリが、前記関節球上の前記第1のセットのギア歯と噛合い係合する関節チューブを備える、請求項6に記載の使い捨て式装填ユニット。
【請求項9】
請求項1に記載の外科用器具であって、
前記連結するための手段は:
前記第1エンドエフェクタ部の近位端部を前記細長シャフトアセンブリに連結するよう構成されている第1カプラー部;
前記第1カプラー部が、前記第1エンドエフェクタ部の前記近位端部に連結されるのと同時に、前記関節屈曲リンクアセンブリを前記関節屈曲アセンブリに連結するよう構成されている第2カプラー部;及び
前記第1カプラー部が前記第1エンドエフェクタ部の前記近位端部を前記細長シャフトアセンブリに連結した場合、及び前記第2カプラー部が前記関節屈曲リンクアセンブリを前記関節屈曲アセンブリに連結した場合に、前記駆動アセンブリを前記近位側発射部材と連結するよう構成されている第3カプラー部を備える、外科用器具。
【請求項10】
前記外科用エンドエフェクタが、遠位端部及び近位端部を有するエンドエフェクタハウジングを更に備え、前記第1エンドエフェクタ部は、前記エンドエフェクタハウジングの前記遠位端部に、前記関節屈曲ジョイントにより可動的に連結され、かつ前記第1カプラー部が、前記エンドエフェクタハウジングの前記近位端部を、前記細長シャフトアセンブリに連結する、請求項9に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、またさまざまな構成において、組織の切断及びステープル留めを行うように設計された、外科用切断及びステープル留め器具並びにそのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下の本発明の実施形態の説明を添付図面と併せて参照することにより、本発明の特徴及び利点並びにそれらを実現する方法がより明白となり、本発明自体がより十分に理解されるであろう。
図1】本発明の外科用器具の構成の斜視図である。
図2】本明細書に開示されるさまざまな外科用器具と共に使用できる代表的な装填ユニットの斜視図である。
図3図2に図示されている装填ユニットの1つの部位の別の部分断面図である。
図4図2及び3の装填ユニットの分解斜視図である。
図5】キャリアの一部及び関節球アセンブリの一実施形態の部分斜視図である。
図6】関節チューブの一実施形態の斜視図である。
図7図2〜4の装填ユニットの部分断面図である。
図8】関節接合部が伸びた位置にある図7の装填ユニットの別の断面図である。
図9】キャリア及びアンビルアセンブリが第2方向に一体で関節部で屈曲した状態の、図7及び8の装填ユニットの別の断面図である。
図10】装填ユニットと細長シャフトアセンブリの遠位端部との間のカップリング作業開始に先立つ、装填ユニット及び細長シャフトアセンブリの一部分の部分斜視図である。
図11図10の装填ユニット及び細長シャフトアセンブリがカップリングされた後の、それぞれの一部分の別の斜視図である。
図12図10の細長シャフトアセンブリ、カップリングアセンブリ、及び装填ユニットのそれぞれの部分の部分的分解斜視図である。
図13図10のシャフトアセンブリ、カップリングアセンブリ、及び装填ユニットの別の部分分解斜視図である。
図14図10の装填ユニットの遠位側取付部位の斜視図である。
図15図10の装填ユニットの遠位側取付部位の別の斜視図である。
図16図13の細長シャフトアセンブリの近位側取付部位の斜視図である。
図17図13の細長シャフトアセンブリの近位側取付部位の別の斜視図である。
図18】カラー及び発射シャフト装置の斜視図である。
図19図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの近位端部の部分斜視断面図であり、細長シャフトアセンブリに取り付けられた状態の装填ユニットを図示するものである。
図20図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分立面断面図であり、細長シャフトアセンブリに取り付けられていない状態の装填ユニットを図示している。
図21図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分立面断面図であり、細長シャフトアセンブリに取り付けられた状態の装填ユニットを図示している。
図22図20に示された平面に沿ってとった、図13のカップリングアセンブリ及び細長シャフトアセンブリの立面図である。
図23図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに取り付けられていない状態の装填ユニットを図示し、更に、細長シャフトアセンブリに対して初期配向状態のカップリングカラーを図示している。
図24図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、シャフトに取り付けられていない状態の装填ユニットを図示し、更に、細長シャフトアセンブリに対して初期配向状態のカップリングカラーを図示している。
図25図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに入りつつある状態の装填ユニットを図示し、更に細長シャフトアセンブリに対して初期配向状態のカップリングカラーを図示している。
図26図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに入りつつある状態の装填ユニットを図示し、更に細長シャフトアセンブリに対して、二次的な、回転した向きに向いた状態のカップリングカラーを図示している。
図27図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに入りつつある状態の装填ユニットを図示し、更に細長シャフトアセンブリに対して、二次的な、回転した向きに向いた状態のカップリングカラーを図示している。
図28図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに完全に挿入された状態の装填ユニットを図示し、更に、細長シャフトアセンブリに対して、二次的な、回転した向きに向いた状態のカップリングカラーを図示している。
図29図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに完全に挿入された状態の装填ユニットを図示し、更に細長シャフトアセンブリに対して初期配向状態のカップリングカラーを図示している。かつ、
図30図13の装填ユニット、カップリングアセンブリ、及び細長シャフトアセンブリの部分断面斜視図であり、細長シャフトアセンブリに完全に挿入された状態の装填ユニットを図示し、更に細長シャフトアセンブリに対して初期配向状態のカップリングカラーを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本願の出願人はまた、本願と同日に出願され、各々のすべての内容が参照によって本明細書に組み込まれる以下の特許出願を所有している:
−「Surgical Staples and Staple Cartridges」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7341USNP/130301号;
−「Surgical Staples and Staple Cartridges」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7331USNP/130304号;
−「Surgical Staples and Methods For Making the Same」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7335USNP/130305号;
−「Surgical Staples,Staple Cartridges and Surgical End Effectors」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7332USNP/130306号;
−「Surgical Fastener」と題された、米国意匠特許出願であり、代理人整理番号第END7338USDP/130307号;
−「Fastener Cartridge Comprising an Extendable Firing Member」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7344USNP/130308号;
−「Fastener Cartridge Comprising a Firing Member Configured to Directly Engage and Eject Fasteners From the Fastener Cartridge」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7339USNP/130309号;
−「Fastener Cartridge Comprising a Firing Member Including Fastener Surfaces」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7340USNP/130310号;
−「Surgical Instruments With Articulatable Shaft Arrangements」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7343USNP/130300号;
−「Articulatable Surgical Instruments With Separate and Distinct Closing and Firing Systems」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7333USNP/130322号;
−「Surgical Cutting and Stapling Instruments With Independent Jaw Control Features」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7336USNP/130303号;
−「Surgical Cutting and Stapling Instruments With Arciculatable End Effectors」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7334USNP/130312号;及び、
−「Surgical Cutting and Stapling Methods」と題された、米国特許出願であり、代理人整理番号第END7330USNP/130313号。
【0004】
ここで、本明細書に開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理を総合的に理解するために、特定の例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態の1つ以上の例が、添付の図面において示されている。本明細書に具体的に記載され、添付図面に示されるデバイス及び方法は、非限定的な例示的実施形態であること、並びに本発明のさまざまな実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されるものであることが、当業者には理解されるであろう。ある例示的実施形態との関連において例示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0005】
用語「備える(comprise、並びにcomprises及びcomprisingなど、compriseの任意の語形)」、「有する(have、並びにhas及びhavingなど、haveの任意の語形)」、「含む(include、並びにincludes及びincludingなど、includeの任意の語形)」、「含有する(contain、並びにcontains及びcontainingなど、containの任意の語形)」は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それら1つ以上の要素を有しているが、それら1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を有しているが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0006】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は臨床医から離れて位置する部分を指す。便宜上、及び明瞭にするため、「垂直」、「水平」、「上」、「下」などの空間的用語は、本明細書において、該当する図面中の方向を指すことがあることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの方向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
【0007】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手術を行うための、さまざまな代表的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、当業者は、本明細書に開示されるさまざまな方法及び装置が、例えば、切開式の外科手術含めて、多数の外科手術及び用途で用いられ得ることを容易に理解するであろう。この「発明の詳細な説明」を読んでいけば、本明細書に開示されるさまざまな器具は、例えば、身体にもともとある開口部を通じて、組織に形成された切開口又は穿刺穴を通じてなど、任意の方法で体内に挿入することが可能であるということを当業者は理解するであろう。これらの器具の作業部位又はエンドエフェクタ部分は、直接的に患者の体内に挿入することも可能であるが、それを通して外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを前進させることが可能な作業チャネルを有するアクセス装置を通して挿入されてもよい。
【0008】
動力付き外科用器具は、Zemlokらの「POWERED SURGICAL STAPLING DEVICE」という名称の米国特許出願公開第2009/0090763 A1号(以下、「Zemlok‘763」)に開示されており、この開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。動力付き外科用器具は、Zemlokらの「POWERED SURGICAL INSTRUMENT」という名称の米国特許出願公開第2011/0278344 A1号(以下、「Zemlok‘344」、現在は米国特許第8,201,721号)にも開示されており、この開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。図1は、例えば、Zemlok‘763及び/又はZemlok‘344(それぞれがその全体を参照することによって本明細書に組み込まれている)に開示されている外科用器具(そのさまざまな特徴部、構成部品、及びサブコンポーネントを含む)に多くの点で類似し得る、動力付き外科用器具10を示す。同様に、外科用器具10は、Sheltonらの、「ATTACHMENT PORTIONS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」と題された、米国特許出願第13/974,205号(2013年8月23日出願)に開示されている外科用器具に類似のものであり得る。なお、同特許出願の開示内容全体が、参照により、本明細書に組み込まれるものとする。図1に示される外科用器具10は、ハウジング12を備え、そのハウジング12は、器具の手動操作操縦を容易にするためのハンドル部14を有する。したがって、本明細書で使用するとき、用語「ハウジング」は、手持ち型、ないしは別の方法で手動操作可能な装置を包含してよい。しかしながら、用語「ハウジング」は、手持ち型であることは意図されないが、システムのさまざまな構成要素、部分、及び/又は作動装置によって別の方法で操作され、作動可能な、ロボット制御システムなどの自動外科用器具システムの部分も包含してよい。例えば、本明細書に記載の外科用器具をさまざまに実施したものは、「ROBOTICALLY POWERED SURGICAL DEVICE WITH MANUALLY ACTUATABLE REVERSING SYSTEM」と題された、米国特許出願第13/536,323号(2012年6月28日出願)に開示されているロボットシステム及び装置と連携させて用いることができる。なお、同特許出願の開示内容全体が、参照により、本明細書に組み込まれるものとする。更に、本明細書に開示のカップリング装置及びエンドエフェクタ装置は、動力付きではない手持ち式外科用器具とともにも効果的に用いることが可能である。したがって、本明細書に開示されるエンドエフェクタ装置及びカップリング装置は、手持ち式であるか、その他の自動式であるかに関わらず、動力付きの器具と連携して用いる使用法に、限定されるべきではない。
【0009】
内視鏡部の形態の細長シャフトアセンブリ116は、ハウジング12から突出し、それに加えられる発射運動に反応して少なくとも1つの外科的手技を行うように構成されている外科用エンドエフェクタに、動作可能に取り付けられるように構成されている。外科用エンドエフェクタは、図2〜9に示されるような「装填ユニット」20などの、組織を切断かつステープル留めするように構成されている装置を備え得る。本明細書に詳述されるように、例えば装填ユニット20などの外科用エンドエフェクタを、動力付き外科用器具10の細長シャフトアセンブリ116に、取り外し可能に取り付けることができる。
【0010】
図2〜9は、外科用器具10とともに用いられ得る、エンドエフェクタ又は装填ユニット20の1つの代表的な形態を図示している。図2に示すように、装填ユニット20は、内部のステープルカートリッジ260を動作可能に支持する、キャリア240に対して、旋回移動可能に支持されているアンビルアセンブリ220を備える。ステープルカートリッジ260は、患者の体内に「埋植」されるように設計されている外科用ステープルカートリッジを含み得る。埋植可能な外科用ステープルカートリッジ260は、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH A VARIABLE STAPLE FORMING SYSTEM」と題された、米国特許出願公開第2012−0080484号(2010年9月30日出願)に開示されているさまざまな外科用ステープルカートリッジ装置のうちの任意のものを含み得る(なお、この特許文献の全開示内容は、参照により、本明細書に組み込まれる)。例えば、少なくとも1つの実施のあり方において、ステープルカートリッジ260は、例えば、酸化再生セルロース(「ORC」)又は生体吸収性発泡体のような圧縮可能な止血材料からなる本体部分261を含み、その内部には、未形成の金属製ステープルが列状に支持されている。少なくともいくつかの実施形態において、ステープルが影響を受け、止血材料が導入及び配置工程中に活性化することを防ぐため、カートリッジ全体が、生分解性フィルム、例えば、商標名PDS(登録商標)で販売されるポリジオキサノンフィルム、又はポリグリセロールセバケート(PGS)フィルム、又はPGA(Vicrylの商標名で販売されるポリグリセロール酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA、若しくはPLLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PGCL(商標名Monocrylで販売されるポリグレカプロン25)、又はPGA、PCL、PLA、PDSの複合物(破裂するまでは不透過性である)から形成される他の生分解性フィルムで、コーティング又は被覆されうる。図示されるように、ステープルカートリッジ260の本体261は、キャリア240内に取り外し可能に支持されるような大きさであり、それにより、その内部のそれぞれのステープルが、アンビルアセンブリ220内の、対応するステープル形成ポケットに位置合わせされるようになっている。
【0011】
アンビルアセンブリ220は、その上に形成され、キャリア240の近位端部241のトラニオンスロット242内に枢動可能に受容されるように適合されている一対のトラニオン221を有しているが、それにより、アンビルアセンブリ220は、アンビル枢動軸ANV−ANVの周りにキャリア240に対して、開放位置と閉鎖位置との間で、動く又は枢動することができるようになっている。アンビル枢動軸ANV−ANVは、細長シャフトアセンブリ116によって画定される長手方向に延びるツール軸LA−LAを横切っている。アンビルアセンブリ220が、開放位置から閉鎖位置に枢動する場合には、アンビルアセンブリ220は、アンビル枢動軸ANV−ANVの周りを閉鎖方向「CD」に動く。逆に、アンビルアセンブリ220が閉鎖位置から開放位置に動く場合には、アンビルアセンブリ220は、アンビル枢動軸ANV−ANVの周りを開放方向「OD」に動く。
【0012】
装填ユニット20は、独自のかつ新しい関節屈曲ジョイント270を採用しており、同ジョイント270は、キャリア240及びアンビルアセンブリ220が、長手方向ツール軸「LA−LA」を横切る関節屈曲軸「AA−AA」の周りに枢動する、関節屈曲するのを容易にする。例えば、装填ユニット20は、外側ケーシング450内に受容されるように構成されている、エンドエフェクタハウジング400を含む。エンドエフェクタハウジング400の遠位端部402は、そこに、2つの遠位方向に突出しているタブ406により形成されたクレビス404を有し得る。それぞれのタブ406は、そこに形成されたピボット穴408を有し、同穴408は、その中に、関節球アセンブリ272上に形成された、対応するピボットピン274を受容するように適合されている。図4を参照されたい。関節球アセンブリ272は、例えば溶接又は他の好適な締結装置により、キャリア240の近位端部241に堅固に固定されていてよい。更に詳しくは以下で論じるように、組み立てられた場合に、キャリア240及びアンビルアセンブリ220は、一体で、アンビル閉鎖方向「CD」と同じ方向である第1方向「FD」と、アンビル開放方向「OD」と同じ方向である第2方向「SD」とに、選択的に関節屈曲軸AA−AAの周りに関節屈曲可能である。図9を参照されたい。
【0013】
なおも図4を参照すると、エンドエフェクタハウジング400には、関節屈曲リンク420をその中に、摺動可能に受容するためのチャネル410が設けられ得る。関節屈曲リンク420は、近位端部422及び遠位端部424を含む。この遠位端部424に固定的に取り付けられているのは、関節チューブ426である。関節チューブ426は中空のチューブを備え得るが、遠位端部424に、例えば溶接又はその他の好適な手段により取り付けられ得る。図6に示すように、関節チューブ426は、その内部に形成された一連の関節歯428を有し、その関節歯428は、関節球272上に形成された遠位側関節歯276のセットに噛み合い係合するように構成されている。したがって、関節屈曲リンク420が遠位方向「DD」に動くと、キャリア240及びアンビルアセンブリ220が、関節屈曲軸AA−AAの周りを第1の方向「FD」に枢動する。逆に、関節屈曲リンク420が、近位方向「PD」に動くと、キャリア240及びアンビルアセンブリ220が、関節屈曲軸AA−AAの周りを第2の方向「SD」に枢動する。関節屈曲リンク420及び関節チューブ426は、本明細書では、関節屈曲リンクアセンブリ425と集合的に呼ぶ場合もある。図4を参照されたい。
【0014】
また装填ユニット20は、駆動アセンブリ460をも装備しているが、その駆動アセンブリ460は、エンドエフェクタハウジング400を通って軸方向に動くように構成されている。少なくとも1つの実施のあり方においては、駆動アセンブリ460は、駆動梁アセンブリ461を含み、駆動梁アセンブリ461は、ともに切断ヘッド470に取り付けられている上側駆動梁462及び下側駆動梁464を含む。切断ヘッド470は、本体部分471と、その上に形成された繊維切断エッジ472とを備え得る。本体部分471の上側部473は、その上に形成された上側タブ474を有する。下側フット又はダブ476は、本体部分471の下側部475上に形成されている。垂直方向に向いた本体部分471は、キャリア240内の長手方向に延びるスロット245と、アンビルアセンブリ220内の長手方向に延びるスロット222とを通じて延びている。組み立てられた場合、下側フット476は、キャリア240の底に沿って摺動するように構成されている。上側タブ部474は、前記アンビルアセンブリ220に形成された細長チャネル223内に摺動して受容されるように構成されている。
【0015】
図4に示すように、上側発射バー462は、上端部473に取り付けられ、かつ、下側発射バー464は、上側発射バー462から間を空けて設けられ、切断ヘッド470の垂直延伸部471の下側端部475に取り付けられている。そのような装置は、発射動作を切断ヘッド470の上側及び下側部に均衡したあり方で伝達し、アンビルアセンブリ220、外科用ステープルカートリッジ260、及びキャリア240を通じて、切断ヘッド470を位置合わせする動きを容易にするように機能する。例えば、さまざまな装置において、上側発射バー462は上端部473に、上側タブ474のすぐ背後で取り付けられ得るが、それにより、上側発射バー462は、上端部473から横方向に上側タブ474が突出する点と、本質的に軸方向に位置合わせされる。同様に、下側発射バー464は、下端部475に、下側フット476のすぐ背後で、又は下側発射バー464が、その点と軸方向に位置合わせされるように、横方向に突出する下側タブ476が、横方向に、下端部475から突出する点のすぐ背後で、取り付けられ得る。上側発射バー462及び下側発射バー464は、上の位置で、垂直延伸部471に溶接されてもよい。例えば、溶接は、発射バーに対して、その横方向一方の側から施されても、その両方の側から施されてもよい。切断ヘッド470が遠位方向「DD」に駆動されるにつれて、アンビルアセンブリ220は上側タブ474及び下側タブ又はフット476との間を枢動し、閉鎖する。切断ヘッドアセンブリ470を更に前進させると、外科用ステープルカートリッジ260が、アンビルアセンブリ220とキャリア240との間で押しつぶされ、それによりその内部で支持される外科用ステープルが、アンビルアセンブリ220のステープル形成下面に接触するにつれて、組織切断線の両側で形成されるようになっている。切断ヘッドアセンブリ470を、キャリア240の遠位端部にまで前進させた後、ユーザーが切断ヘッドアセンブリ470を開始位置まで後退させ、そしてすぐにアンビルアセンブリ220が開かれて、ステープルカートリッジ260及びステープル留めされた組織を放つようになっていてもよい。例えば、1つの実施のあり方においては、上側タブ474は、アンビルアセンブリ220の上面と相互作用するように構成されており、カムを使った動き又は枢動により、アンビルアセンブリ220を開放位置に戻すようになっている。代替的な装置においては、ばね又はその他の付勢部材(不図示)を用いて、切断ヘッドアセンブリ470が開始位置にある時に、アンビルアセンブリ220を開放位置に付勢するようにしてもよい。
【0016】
駆動梁アセンブリ460は、更に詳しくは後ほど論じるように、発射ロッド104の遠位端部522と動作可能に係合するように構成されている一対の係合指部468を含む、近位側係合部材467を更に含み得る。例えば、図4に示されているように、近位側係合部材467は、上側発射バー462及び下側発射バー464に枢動可能に連結され、駆動梁アセンブリ461を拘束することなく関節屈曲軸AA−AAの周りをキャリア240が関節式動作する間、関節式動作屈曲を容易にする。例えば、少なくとも1つの実施のあり方においては、近位側係合部材467は、上側発射バー462及び下側発射バー464に、一対のピボット連結具466により枢動可能に連結されている。そのような連結具466により、上側発射バー462が、近位側係合部材467に対して、下側発射バー464とは独立して枢動すること、及びその逆のことが可能になる。
【0017】
図1に示されているように、外科用器具10は、例えば、以下に更に詳しく論じるように、発射動作を装填ユニット20に対して加えるために使用され得る、回転作動運動を生み出すように構成されたモーター100を備えていてよい。少なくとも1つの形態では、例えば、モーター100は、符号82で広く代表される発射部材アセンブリに、回転作動運動を加えるように構成されている。例えば、1つの構成では、発射部材アセンブリ82は、ハウジング12内に回転可能に支持され、内部に形成された雌ねじ(不図示)を有する、駆動チューブ102を備える。発射部材又は発射ロッド104の近位側ねじ切り部は、駆動チューブ102と螺合して支持され、それにより、駆動チューブ102の回転が、結果として、発射ロッド104の軸方向移動を生じさせるようになっている。発射ロッド104は、装填ユニット20内の駆動アセンブリ460の内面と、インターフェイス接続される場合がある。更なる詳細は、本明細書に組み込まれる、前述のZemlok‘763及びZemlok‘344において論じられているが、駆動チューブ102が第1方向(例えば、反時計回り)に回転すると、発射ロッド104が駆動アセンブリ460を遠位方向に前進させるようになっている。
【0018】
図1に更に示されるように、外科用器具10は、符号109で広く代表される、関節屈曲システムを備えてよい。しかしながら、外科用器具10は、本明細書に詳細に開示されるさまざまなその他の関節屈曲システム装置を備えてよい。少なくとも1つの形態では、関節屈曲システム109は、関節屈曲モーター112と、手動関節屈曲ノブ114と、を備える関節屈曲機構110を備えてよい。関節屈曲モーター112を、動力付き関節屈曲スイッチ116によって、又は、手動関節屈曲ノブ114を旋回させることによって作動できる。関節屈曲モーター112の作動は、関節屈曲機構110の関節屈曲歯車118の回転につながる。関節屈曲機構110の作動により、エンドエフェクタ(例えば、装填ユニット20のカートリッジ/アンビル部)を、その軸が、細長シャフトアセンブリ116の器具の長手方向軸「LA−LA」と実質的に一直線である第1位置から、エンドエフェクタの軸が、細長いシャフトアセンブリの器具の長手方向軸「LA−LA」に対して、例えば関節屈曲軸「AA−AA」を中心にある角度で配置される位置まで移動させることができる。関節屈曲機構110のさまざまな態様に関する更なる説明は、その全体を参照することによって先に本明細書に組み込まれたZemlok‘763において見いだすことができる。加えて、その全体を参照することによって開示全体が本明細書に組み込まれる、「SURGICAL STAPLING APPARATUS WITH POWERED ARTICULATION」という名称の米国特許第7,431,188号は、外科用器具10と共に使用できるモーター動力付きの関節屈曲可能なエンドエフェクタを開示する。しかしながら、本明細書において開示される独自かつ新しいカップリング及びエンドエフェクタ装置は、当該技術分野においては既知の、手動式(すなわち、動力付きではない)関節屈曲システムとともにも、効果的に用い得るということを、当業者ならば理解するであろう。
【0019】
さまざまな実施形態では、外科用器具は少なくとも1つのモーターを備えてよく、これは、別の場所に詳述されるように、装填ユニット20に対する発射運動、及び/又は、関節屈曲システム109に対する関節屈曲をもたらすことができる。モーター100は、例えば、Zemlok‘763において更に詳述されている種類の電源200によって、給電されてよい。例えば、電源200は、再充電可能電池(例えば、鉛系、ニッケル系、リチウムイオン系など)を含んでよい。電源200が少なくとも1つの使い捨て電池を含んでよいことも想定される。使い捨て電池は、例えば、約9〜約30ボルトであってよい。しかしながら、他の電源も使用できる。図1は、電源200が複数の電池202を備える1つの例を示す。使用される電池202の数は、器具10の電流負荷要件に依存して変化し得る。
【0020】
図1を参照すると、例えば、電源200などの電源は、外科用器具10の操作のための電力を供給できる。例えば、電源200は、例えば、モーター100などのモーターに電力を供給し、駆動チューブ102の第1方向への回転と、最終的には、装填ユニット20を通して駆動アセンブリ460を遠位に駆動する発射ロッド104の軸方向の前進を起こすことができる。別の方法としては、電源200は、モーター100に電力を供給し、駆動チューブ102の第1方向と反対の第2方向への回転と、最終的には、駆動梁60をその最初の及び/又は既定の位置まで近位に移動し得る発射ロッド104の軸方向の後退を起こすことができる。
【0021】
例えば、使い捨て式の装填ユニット20のような外科用エンドエフェクタを、動力付き外科用器具10(図1)の細長シャフトアセンブリ116に動作可能に連結することができる。さまざまな実施形態においては、外科用器具10は、例えば装填ユニット20と係合可能な細長シャフトアセンブリ116を含むことが可能である。さまざまな実施形態においては、例えば回転可能なカップリングカラー500を含むカップリングアセンブリ115は、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して、解除可能にロックすることが可能である。更に、さまざまな実施形態においては、カップリングカラー500の回転により、本明細書に記載されているような発射アセンブリ及び/又は関節屈曲アセンブリの取り付け及び/又は位置合わせを容易にすることが可能である。さまざまな実施形態においては、装填ユニット20は、遠位側取付部位480を含むことが可能であり、かつ細長シャフトアセンブリ116は、外側チューブ30及び遠位側取付部位32を含むことが可能である。装填ユニット20の遠位側取付部位480は、装填ユニット20が、細長シャフトアセンブリ116に固定された時に(図11)、シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32を受容することが可能である。更に、回転可能なカップリングカラー500は、装填ユニット20の遠位側取付部位480も、回転可能なカップリングカラー500内に位置することが可能となるように、シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32の近くに位置することが可能である。回転可能なカップリングカラー500を細長シャフトアセンブリ116に固定することが可能であり、かつ/又は近位側取付部位480を、ある実施形態においては、例えば、シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32に回転可能に固定することが可能である。ある実施形態においては、装填ユニット20がシャフトアセンブリ116に固定される時に、シャフトアセンブリ116の近位側取付部位が、装填ユニット20の遠位側取付部位480を受容することが可能である。更に、ある実施形態においては、カップリングカラー500を、装填ユニット20に回転可能に固定することが可能である。
【0022】
図10及び11を参照すると、装填ユニット20が非取り付け位置と取り付け位置との間を、外科用器具10の細長シャフトアセンブリ116に対して動くにつれて、装填ユニット20は、細長シャフトアセンブリ116により画定される長手方向ツール軸LA−LAに沿って移動することが可能である。装填ユニット20が非取り付け位置から取り付け位置に移動するにつれて、装填ユニット20の遠位側取付部位480は、細長シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32に挿入されることが可能である。例えば、装填ユニット20が非取り付け位置と取り付け位置との間を移動されると、装填ユニット20は、近位方向「PD」に移動可能である(図11)。ある実施形態においては、遠位側取付部位480と遠位側取付部位32との間の溝−スロット係合により、細長シャフトアセンブリ116により画定される長手方向ツール軸LA−LAに沿って装填ユニット20が導かれる。主に図14を参照すると、遠位側取付部位480はガイドレール482を備えることができる。更に、主に図16を参照すると、遠位側取付部位32は、ガイドスロット34を含むことが可能である。ガイドスロット34の寸法及び構造は、装填ユニット20の近位側取付部位480が、細長シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32に挿入されるにつれて、ガイドレール482を受容し及び導くように設定することが可能である。例えば、ガイドスロット34は長手方向スロットを備えてよく、ガイドレール482は、例えば長手方向隆起部を備えてよい。ある実施形態においては、ガイドスロット34及びガイドレール482は、装填ユニット20が、長手方向ツール軸LA−LAに対してねじれること及び/又は回転することを防止することができる。
【0023】
主に図10を参照すると、遠位側取付部位480は、例えば、第1の矢のような、第1位置合わせ指標484を含むことが可能であり、細長シャフトアセンブリ116及び/又はカップリングカラー500は、例えば第2の矢のような、第2位置合わせ指標502を含むことが可能である。第1位置合わせ指標484と第2位置合わせ指標502とを位置合わせすると、ガイドレール482とガイドスロット34とを位置合わせすることができ、それにより、遠位側取付部位480を遠位側取付部位32に取り付けるのを容易にすることが可能である。本明細書に記載されるように、装填ユニット20が長手方向の経路に沿って細長シャフトアセンブリ116に向かって移動すると、装填ユニット20を、細長シャフトアセンブリ116に対して、解除可能にロックすることが可能である。そのような実施形態においては、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して回転させることは、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ160に対して取り付けるのに必要ではない場合がある。本明細書に記載されるように、実際に、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して回転させることを、遠位側取付部位32と遠位側取付部位480との間の溝−スロット係合により、制約したり、かつ/又は防止したりすることが可能である。さまざまな実施形態においては、カップリングカラー500は、装填ユニット20及び/又は細長シャフトアセンブリ116に対して相対的に回転可能であり、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して、解除可能にロックすることができる。例えば、本明細書に記載されるように、カップリングカラー500は、初期配向(図25)から第2配向(図26)に向かって回転し、更に初期配向(図29)向かって戻り、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116にロックすることができる。
【0024】
主に図14及び15を参照すると、装填ユニット20の近位側部位480は、回転キー又はリブ486を備えることが可能である。装填ユニット20が、非取り付け位置(図10)と取り付け位置(図11)との間を近位方向「PD」に動くにつれて(図10)、回転キー486は、カップリングカラー500の回転に影響を及ぼすことが可能となる。例えば、回転キー486は、カップリングカラー500を、B方向(図11)に、初期配向から第2配向に、回転及び/又は付勢可能である。遠位側取付部位480は、カップリングカラー500が第2配向に付勢される時、遠位側取付部位32に挿入可能である。更に、遠位側取付部位480が遠位側取付部位32の中に完全に挿入されてしまった時には、回転キー486は、カップリングカラー500が、第2配向から初期配向に向かってC方向に回転するのを可能にする(図11)。本明細書において用いられる場合、装填ユニット20の細長シャフトアセンブリ116への連結に関して用いる「完全に挿入された」という用語は、装填ユニット20の遠位側取付部位480が、完全に挿入され、細長シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32と、噛み合い又は動作可能に係合するということを意味する。例えば、方向Cは方向Bの反対方向であってよい。本明細書に記載されるように、カップリングカラー500が初期配向に戻ると、カップリングカラー500は、遠位側取付部位480を、遠位側取付部位32に対してロックすることが可能である。図14及び15を参照すると、回転キー486は、その近位端部に、回転ランプ488を備えることができる。回転ランプ488は、例えば、シャフトアセンブリ116の1つの要素と係合し、回転可能なカップリングカラー500の回転を実現することが可能である。
【0025】
さまざまな実施形態においては、回転ランプ488は、細長シャフトアセンブリ116内に位置している発射シャフト104の回転に影響を及ぼすことが可能である。例えば、主に図19〜22を参照すると、発射シャフト104は、発射シャフト104から径方向外側に延出し得る発射シャフト回転子600を含むことが可能である。装填ユニット20が細長シャフトアセンブリ116に挿入されると、回転キー486の回転ランプ488が、発射シャフト回転子600と係合することが可能である。さまざまな実施形態では、回転ランプ448は発射シャフト回転子600を回転させ、それによって発射シャフト104を回転させることができる。例えば、発射シャフト104及び発射シャフト回転子600は、第1配向(図25)と第2配向(図26)との間を、B方向に回転することが可能である。なおも図19〜22を参照すると、発射シャフト104は、回転可能なカップリングカラー500と係合することが可能である。例えば、回転可能なカップリングカラー500は、回転子溝502を含むことが可能であるが、この回転子溝502は、その構造及び寸法は、発射シャフト回転子600を受容及び/又は保持することが可能なものとなっている。発射シャフト回転子600は、回転子溝600により保持され得るが、その結果、発射シャフト回転子600の回転により、回転可能なカップリングカラー500を回転させることができる。そのような実施形態においては、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に挿入することで、回転可能なカップリングカラー500がB方向に(図26)回転するのに、例えば、発射シャフト回転子600のB方向への回転を通じて、影響を及ぼすことが可能である。
【0026】
主に図16及び17を参照すると、遠位側取付部位32は、回転キースロット510を含むことが可能であるが、同スロット510は、遠位側取付部位480が遠位側取付部位32に挿入された場合に、回転キー486を受容することが可能である。さまざまな実施形態では、回転キースロット510は、発射シャフト回転子600を収容するための間隙ノッチ512を備えてよい。例えば、回転キー486の近位端にある回転ランプ488は、発射シャフト回転子600を第2配向に、間隙ノッチ512内まで回転させることができる(図26)。回転キー486は、装填ユニット20が細長シャフトアセンブリ116内に挿入されるにつれて、回転キースロット510に沿って動き続けることが可能である。更に、回転キー486の遠位端部490が、発射シャフト回転子600を通り過ぎて移動する場合、発射シャフト回転子600は、第1配向(図30)に向かって戻るように回転することが可能であり、それに対応して、回転可能なカップリングカラー500を、その初期配向に向かって戻るように回転させることが可能である。
【0027】
さまざまな実施形態においては、回転可能なカップリングカラー500を、細長シャフトアセンブリ116及び/又は遠位側取付部位32に対する初期配向に付勢することが可能である。例えば、ばね514で、カップリングカラー500を初期配向に付勢することが可能である。ばね514は、細長シャフトアセンブリ116に対して固定することが可能な近位端部516を含むことが可能であり、かつ、カップリングカラー500に対して固定することが可能な遠位端部550を含むことが可能である。例えば、ばね514の近位端部516が、シャフトアセンブリ116の近位側ばねスロット556(図23)内に保持可能であり、かつ、例えば、ばね514の遠位端部550が、回転可能なカップリングカラー500の遠位側ばねスロット552(図18)内に保持可能である。そのような実施形態においては、カップリングカラー500が回転することにより、ばね514の遠位端部550がばね514の近位端部516に対して変位し得るので、それによりねじり力が生じ得る。したがって、カップリングカラー500は、初期配向から第2配向への回転に抵抗することが可能であり、またカップリングカラーが第2配向に回転すると、ばね514がカップリングカラー500を、初期配向に戻す方向に付勢することが可能となる。発射シャフト回転子600がカップリングカラー500と係合されているため、ばね514はまた、発射シャフト104をもその第1配向に付勢することが可能となる。
【0028】
さまざまな実施形態においては、回転可能なカップリングカラー500は、装填ユニット20を解除可能に細長シャフトアセンブリ116に対してロックする、ロック移動止め518を備えていてよい。主に図18を参照すると、ロック移動止め518は、回転可能なカップリングカラー500の内周面から径方向内側に向かって延出し得る。さまざまな実施形態においては、ロック移動止め518は、遠位側取付部位32内の移動止めスロット520(図16)の中に延出することが可能である。主に図16を参照すると、移動止めスロット520は、ガイドスロット34内にノッチを形成し得る。さまざまな実施形態では、移動止めスロット520はガイドスロット34から延出し得るが、例えば、ガイドスロット34に対して垂直又は実質的に垂直であってよい。更に、回転可能なカップリングカラー500が、細長シャフトアセンブリ116に対して初期配向と第2配向との間で回転する時、ロック移動止め518は、移動止めスロット520に沿って移動可能である。
【0029】
さまざまな実施形態においては、ロック移動止め518は、装填ユニット20の遠位側取付部位480と係合可能であり、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対してロックする。例えば、再度図14を参照すると、遠位側取付部位480はガイドレール482を備えてよく、これは、内部に画定されるロックノッチ489を有することができる。ロックノッチ489の構造及び寸法は、装填ユニット20が完全に遠位側取付部位32内に挿入される際、回転可能なカップリングカラー500のロック移動止め518を、受容可能なように設定されている。例えば、遠位側取付部位480が遠位側取付部位32内に完全に挿入される時、遠位側取付部位480のロックノッチ489は、遠位側取付部位32の移動止めスロット520に位置合わせされ得る。したがって、ロック移動止め518は、遠位側取付部位32の移動止めスロット520に沿って、かつ遠位側取付部位480のロックノッチ489内に摺動可能である。更に、ロック移動止め518は、ねじりばね514によってロックノッチ489と係合する方向に付勢されてよい。例えば、発射シャフト回転子600が回転キー486の遠位端490を通過した後、発射シャフト104は第1配向に向かって再度付勢され得、回転可能なカップリングカラー500は、ねじりばね514によって初期配向に向かって再度付勢され得る。更に、カップリングカラー500が第2配向から初期配向に戻るように回転されると、そのロック移動止め518は、ガイドレール482中のロックノッチ489と位置合わせされて、係合され得る。
【0030】
さまざまな実施形態においては、カップリングカラー500の回転により、発射アセンブリを取り付け及び/又は位置合わせすることが容易になる。例えば、発射シャフト104は、近位端部524と遠位端部522との間を延在できる。近位端部524は回転継手を有してよく、これによって、発射シャフト104が、第1構成と第2構成との間を回転できる。更に、遠位端部522は、駆動梁アセンブリ461の近位側係合部材467を発射シャフト104に対して取り付けるためのカプラーを有し得る。発射シャフト104の回転により、近位側係合部材467の取り付けが容易になり得る。例えば、発射シャフト104の遠位端部522のカプラーが回転するにつれて、遠位端部522が、近位側係合部材467に動作可能に連結する。ある実施形態においては、カプラーはバヨネット式のマウントを含み得るが、そのマウントは、装填ユニット20の切断要素の、対応するバヨネット受け部に係合可能である。主に図12及び13を参照すると、発射アセンブリは、例えば、近位端部524と遠位端部522との間の発射シャフト104の周囲に位置づけられるスリーブ526を更に備えてよい。
【0031】
さまざまな実施形態においては、発射シャフト104が細長シャフトアセンブリ116内で回転する場合、発射シャフト104は、装填ユニット20内の発射シャフトスロット528に位置合わせされるように回転可能である。例えば、装填ユニット20が細長シャフトアセンブリ116内に完全に挿入され、かつ取り付けられた場合には、発射シャフト回転子600を、発射シャフトスロット528に位置合わせすることが可能である。しかしながら、さまざまな実施形態においては、装填ユニット20が部分的にのみしか細長シャフトアセンブリ116内に挿入されていない場合、発射シャフト回転子600は、発射シャフトスロット528との位置合わせから外れて、回転キー486を介して回転可能である。換言すれば、発射シャフト回転子600は、発射シャフト104が第1配向にあるとき、発射シャフトスロット482と位置合わせされることができ、発射シャフト104が第2配向に向かって回転すると、発射シャフトスロット482と位置合わせがずれ得る。そのような実施形態においては、装填ユニットが部分的にのみしか細長シャフトアセンブリ116内に挿入されていない場合、かつ/又は装填ユニット20が、回転可能なカップリングカラー500により、解除可能に細長シャフトアセンブリ116と係合される前に、発射シャフト回転子600の発射経路は、遠位側取付部位480によりブロックされ得る。発射シャフト104及びカップリングカラー500を一体化することにより、発射シャフト104が発射及び/又は前進することが可能になる前に、装填ユニット20が、細長シャフトアセンブリ116にしっかり取り付けられることを確実なものとすることが可能である。例えば、装填ユニット20内の切断要素が発射シャフト104に連結されるまで、かつ/又は発射シャフト104が細長シャフトアセンブリ116内で適切に位置合わせされるまで、外科用器具は、発射することができない場合がある。
【0032】
ある実施形態においては、カップリングカラー500の回転により、関節屈曲アセンブリ530を取り付け及び/又は位置合わせすることが容易にできるようになる。主に図12及び13を参照すると、関節屈曲アセンブリ530は、近位側関節屈曲バー538と、遠位側関節屈曲バー420と、関節屈曲コネクタ532と、を備え得る。更に、例えば、シャフトアセンブリ116は、近位側関節屈曲バースロット534を含み、かつ装填ユニット20は、遠位側関節屈曲バースロット410を含み得る。特定の実施形態では、近位側関節屈曲バー538は近位側関節屈曲バースロット534と位置合わせされ、遠位側関節屈曲バー420は遠位側関節屈曲バースロット410と位置合わせされ得る。ここで図18を参照すると、関節屈曲コネクタ532は、回転可能なカップリングカラー500内に収容され得る。例えば、回転可能なカップリングカラー500は、関節屈曲コネクタスロット536を備え得るが、関節屈曲コネクタ532は、同スロット536内部に移動可能に位置することが可能である。
【0033】
再度図12及び13を参照すると、さまざまな実施形態では、近位側関節屈曲バー538は近位側ノッチ540を有し得るが、遠位側関節屈曲バー420は遠位側ノッチ423を有し得る。更に、関節屈曲コネクタ532は、近位側関節屈曲ラグ533と、遠位側関節屈曲ラグ540と、を備え得る。近位側関節屈曲ラグ533を、近位側関節屈曲バー538の近位側ノッチ540内に保持することが可能である。特定の実施形態では、遠位側関節屈曲ラグ535は、遠位側関節屈曲バー420の遠位側ノッチ423を動作可能に係合し得る。本明細書に記載されるように、回転可能なカップリングカラー500は、初期構成と二次構成との間を回転可能である。カップリングカラー500が回転すると、その中に収容されている関節屈曲コネクタ532も、シャフトアセンブリ116により画定される長手方向の軸に対して回転することが可能である。さまざまな実施形態では、関節屈曲コネクタ532が回転するとき、関節屈曲コネクタ532の近位側関節屈曲ラグ533は、近位関節屈曲バー538の近位側ノッチ540内に位置したままであってよい。更に、関節屈曲コネクタ532がカップリングカラー500とともに、第2配向から初期配向に向かって回転すると、関節屈曲コネクタ532の遠位側関節屈曲ラグ535は、遠位側関節屈曲バー420の遠位側ノッチ423に係合するように移動可能である。例えば、装填ユニット20がシャフト488内に完全に挿入される時、遠位側関節屈曲バー420の遠位側ノッチ423は、関節屈曲コネクタ532の遠位側関節屈曲ラグ533に位置合わせされ得る。かかる実施形態では、回転可能なカラー500が初期構成に戻るように回転されると、遠位側関節屈曲ラグ533は遠位側関節屈曲バー420の遠位側ノッチ423内に滑り込む。遠位側関節屈曲ラグ533が遠位側ノッチ423内に位置するとき、関節屈曲アセンブリ530は完全に組み立てられ得る。
【0034】
主に図17を参照すると、さまざまな実施形態では、近位側関節屈曲バースロット534は、第1間隙542と、第2間隙544と、を備え得る。関節屈曲コネクタ532の近位側関節屈曲ラグ533及び遠位側関節屈曲ラグ535は、それぞれ第1間隙542及び第2間隙544内に延出し得る。特定の実施形態では、第1間隙542及び第2間隙544は、例えば、カラー500が回転するとき、及び/又は、関節屈曲アセンブリ530が関節屈曲するときの、近位側関節屈曲ラグ533及び遠位側関節屈曲ラグ535が移動する空間を提供できる。
【0035】
ここで図23〜30を参照すると、装填ユニットを外科用器具の細長シャフトアセンブリ116に接続するために、ユーザーは、装填ユニット20の位置合わせ指標484を、細長シャフトアセンブリ116及び/又はカップリングカラー500(図23)の位置合わせ指標502と位置合わせさせることが可能である。位置合わせ指標484と位置合わせ指標502との位置が合った状態を維持しつつ、ユーザーは装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して、長手方向の軸線LA−LAに沿って移動することが可能である。ユーザーは、装填ユニット20を、真っ直ぐな又は実質的に真っ直ぐな経路に沿って移動することが可能であり、かつさまざまな実施形態においては、例えば、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して回転させる必要はない。主に図25を参照すると、装填ユニット20は、細長シャフトアセンブリ116に対して相対的に移動を続けて、遠位側取付部位480のガイドレール482が、細長シャフトアセンブリ116の遠位側取付部位32のガイドスロット34(図16)内に嵌入することが可能である。遠位側取付部位480が遠位側取付部位32の内部に移動すると、例えば、ガイドスロット34がガイドレール482を導くことが可能となり、かつ位置合わせ指標484と位置合わせ指標502との位置が合った状態を維持することが可能となる。換言すれば、ガイドスロット34及びガイドレール482は、細長シャフトアセンブリ116の長手方向の軸線に対して、装填ユニット20が回転するのを防ぐことが可能である。主に図24を参照すると、例えば、関節屈曲コネクタ32の近位側関節屈曲ラグ533は第1間隙542内に延出でき、近位関節屈曲バー420の近位側ノッチ540に位置し得るが、関節屈曲コネクタ32の遠位側関節屈曲ラグ535は第2間隙544を通って延出できる。
【0036】
主に図26を参照すると、遠位側取付部位480が遠位側取付部位32内に挿入されると、回転キー486の回転キーランプ488は、発射シャフト回転子600に当接し得る。回転キーランプ488は、回転キースロット510から延在する間隙ノッチ512内に、発射シャフト回転子600を導く、及び/又は方向付けることができる。更に、発射シャフト回転子600が間隙ノッチ512内に移動すると、発射シャフト104がB方向に移動可能になる。発射シャフト104は、第1配向から第2配向に回転可能である。このように発射シャフト104が回転することにより、発射シャフト104の遠位端部522を、駆動梁アセンブリ461に枢動可能に結合される近位側係合部材467に取り付けるのが容易になり得る。更に、発射シャフト回転子600の回転により、カップリングカラー500内での、発射シャフト回転子600と発射シャフト回転子溝600との間の係合を介して、カップリングカラー500がB方向に回転することが可能となる。カップリングカラー500は、例えば、初期配向から第2配向へ回転することが可能である。また、カップリングカラー500が回転するにつれ、ロック移動止め518は、シャフトアセンブリ116内の移動止めスロット520に沿って移動することが可能である。また、カップリングカラー500の回転により、また、ばね514の遠位端部550が、カップリングカラー500内の遠位側ばねスロット552(図18)内に保持できるため、ばね514の遠位端部550が回転可能になる。近位端部516に対して遠位端部550を変位させると、ねじりばね戻り力が生じ得るが、その力は、カップリングカラー500を、例えば、第2配向から初期配向に向かって付勢し、かつ発射シャフト104を、例えば、第2配向から第1配向に向かって付勢することが可能である。
【0037】
主に図27を参照すると、カップリングカラー500が第2配向に向かって回転するとき、近位側関節屈曲ラグ533は、近位側関節屈曲バー538中の近位側ノッチ540と係合したままであり得る。更に、遠位側関節屈曲ラグ535は、遠位側関節屈曲ラグ535が装填ユニット20の遠位側関節屈曲バー420のための間隙を提供するように回転することが可能である。図28を参照すると、カップリングカラー500及びその内部に位置する関節屈曲コネクタ532が第2配向に回転する時、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116内に、完全に挿入することが可能である。さまざまな実施形態では、関節屈曲コネクタ532が第2の方向に回転するとき、遠位側関節屈曲バー420は関節屈曲コネクタ532の遠位側関節屈曲ラグ535を通過できる。更に、遠位側関節屈曲ラグ535は、関節屈曲コネクタ532中の遠位側ノッチ423と回転可能に整列できる。更に図28を参照すると、装填ユニット20が細長シャフトアセンブリ116内に完全に挿入される時、発射ロッド回転子600が、回転キー486の遠位端部490を通過できる。
【0038】
ここで図29を参照すると、回転キー486の遠位端部490が発射シャフト回転子600を通過すると、発射シャフト回転子600はC方向に回転できる。例えば、発射シャフト回転子600は、第2配向から第1配向に向かってC方向に回転できる。更に、発射シャフト回転子600の回転により、第2配向から初期配向に向かってC方向へのカップリングカラー500の回転に、影響を及ぼし得る。さまざまな実施形態では、ばね514は、発射ロッド104をその第1配向に向けて付勢し、カラー500をその初期配向に向けて付勢できる。例えば、発射シャフト回転子600は、カップリングカラー500内の発射シャフト回転子溝602(図18)内に位置することができ、それにより、発射シャフト回転子600が回転することにより、カップリングカラー500が回転するようになる。関節屈曲コネクタ532の遠位側関節屈曲ラグ535と遠位側関節屈曲バー420の遠位側ノッチ423とが整列しているため、カップリングカラー500が回転すると関節屈曲コネクタ532が回転することができ、かつ、遠位側関節屈曲ラグ535が遠位側ノッチ423と係合するように回転することが可能となる。遠位側関節屈曲ラグ535が遠位側ノッチ423と係合すると、関節屈曲アセンブリ530を組み立てることができる。更に、発射シャフト回転子600がC方向に回転すると、発射シャフト104の遠位端部522はC方向に回転可能であり、これにより、駆動梁アセンブリ461の近位側係合部材467を発射シャフト104の遠位端部522に取り付けるのが容易になる。
【0039】
ここで図30を参照すると、カップリングカラー500の回転により、遠位側取付部位480のガイドレール482中のロックノッチ489内に、カラー500のロック移動止め518も回転できる。例えば、装填ユニット20が細長シャフトアセンブリ116内に完全に挿入されると、ロック移動止め518が移動止めスロット520を通ってロックノッチ489内へと回転可能なように、ロックノッチ489が、移動止めスロット520に位置合わせされ得る。本明細書に記載されるように、発射シャフト回転子600が、回転キー486の遠位端部490を通過した後、ばね514は、カップリングカラー500を付勢して、C方向に回転させる(図29)ことが可能である。更に図30を参照すると、発射シャフト回転子600が方向Cに回転すると、発射シャフト回転子600は、装填ユニット20内の発射シャフトスロット528に整列するように動くことができる。発射シャフト回転子600が発射シャフトスロット528に整列すると、例えば、発射シャフト104が遠位側に前進し、装填ユニット20を発射することが可能となる。
【0040】
本明細書に記載されるように、回転可能なカップリングカラー500は、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して、解除可能にロックすることが可能である。更に、カップリングカラー500の回転により、例えば、関節屈曲アセンブリ530を、装填ユニット20内の切断ヘッドアセンブリに同時に取り付け及び/又は整列すること、並びに発射シャフト104を装填ユニット20内の切断ヘッドアセンブリに及び/又は整列することが容易になり得る。更に、カップリングカラー500を回転すると、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116とのロック状態から解除して、関節屈曲アセンブリ530を装填ユニット20の切断要素から切り離し、かつ/又は、発射シャフト104を装填ユニット20の切断要素から切り離すことを同時に行うことが可能となる。例えば、カップリングカラー500を再度、初期配向から第2配向に向かって回転させると、ロック移動止め518を、遠位側取付部位480内のロックノッチ489との係合から係合解除することができる。したがって、例えば、遠位側取付部位480を、遠位側取付部位32から、細長シャフトアセンブリ116によって画定される長手方向の軸線に沿って引き出すことが可能になる。さまざまな実施形態においては、装填ユニット20を細長シャフトアセンブリ116に対して回転することなく、装填ユニット20を、細長シャフトアセンブリ116から取り外すことが可能である。しかしながら、カップリングカラー500は、細長シャフトアセンブリ116に対して回転可能であり、それにより、例えば、遠位側関節屈曲バー420をカップリングカラー500内の関節屈曲コネクタ532から切り離すことが可能であり、更に発射シャフト104を装填ユニット20内の切断要素又は駆動梁アセンブリから切り離すことが可能である。
【0041】
前述のことから理解できるように、本明細書で開示されるさまざまな外科用器具は、臨床医に操作性の改善及び、組織を切断及び締結するように構成されている先行技術の外科用器具を用いた場合には得られないようなさまざまな他の利点、並びに外科用器具の細長シャフトにエンドエフェクタを素早く連結する方法を提供する。例えば、本明細書において開示されるさまざまな実施のあり方において、エンドエフェクタは、顎部をそれぞれに対して動かせるのと同じ方向に選択的に関節屈曲可能である。換言すると、外科用エンドエフェクタの顎部は、1つの平面内で動くように制約されている。本明細書において開示されるさまざまな実施のあり方において、エンドエフェクタはまた、その同じ平面内で動くことが可能となっている。先行技術のエンドエフェクタは、顎部が動く平面とは異なる平面内を動くように、一般に制約されている。
【0042】
本明細書に開示の実施のあり方の多くによってもたらされる他の1つの利点としては、積層された構造体を形成する、少なくとも1つの上側発射バー及び少なくとも1つの下側発射バーを備える発射バーの使用がある。上側バーは切断ヘッドの上側端部に取り付けられ、及び下側バーは、下側ヘッドに取り付けられて、両者が、それぞれが切断ヘッドに取り付けられている点において、互いから間を空けて位置するようになっていてよい。そのような装置は、作動中に、ねじれたりゆがんだりしにくい、より安定的な切断ヘッド装置を提供するために役立つものである。加えて、切断ヘッドは、アンビルの1つの部位に係合する、横方向に突出する上側タブと、キャリアと係合する下側タブとを装備していてよい。上側発射バーは、上側タブが取り付けられている点のすぐ背後に、軸方向に両者が整列するように取り付けられていてよい。同様に、下側発射バーは、下側部分に、下側タブが取り付けられている点のすぐ背後に、両者が軸方向に整列するように取り付けられていてよい。そのように軸方向に整列していることで、駆動又は作動動作を切断ヘッドに、切断ヘッドがアンビル及びキャリアと係合している点で伝えるのが容易になり、作動中に切断ヘッドがねじれたりゆがんだりすることを防ぐことも更に可能となる。
【0043】
本明細書ではここまで、駆動梁アセンブリ及び関節屈曲梁を外科用器具の対応する作動部位に素早く同時に連結するための連結システムとの関連で装填ユニットを説明して来たが、本明細書で開示される、独自の関節屈曲能力を有するさまざまなエンドエフェクタが、本明細書で開示されるカプラーアセンブリを持たない外科用器具とともにも、効果的に用いられ得ることを、当業者であれば理解するであろう。
【0044】
少なくとも1つの形態によれば、長手方向ツール軸を画定する、細長シャフトアセンブリを含み得る外科用器具が提供される。細長シャフトアセンブリは、そこからの発射動作及び後退動作を受容するために、発射システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側発射部材を含み得る。細長シャフトアセンブリは、そこからの関節屈曲動作を受容するために、関節屈曲システムと、動作可能にインターフェイス接続される近位側関節屈曲アセンブリを更に含み得る。外科用器具は、外科用エンドエフェクタを更に備え得る。さまざまな実施のあり方において、外科用エンドエフェクタは、第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部を備え、開放動作を第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2のエンドエフェクタ部は、第1のエンドエフェクタ部に対して、第1方向に、選択的に移動可能であり得る。第2エンドエフェクタ部は、更に、閉鎖動作を第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2方向に、選択的に移動可能であり得る。エンドエフェクタはまた、第1エンドエフェクタ部を、関節屈曲軸の周りで、長手方向ツール軸に対して、第1方向及び第2方向に、選択的に関節屈曲するように構成されている関節屈曲ジョイントをも含み得る。関節屈曲リンクアセンブリは、関節屈曲ジョイントに対して関節屈曲動作を適用するために、関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続され得る。駆動アセンブリは、それに対して、発射動作及び後退動作が適用されると、外科用エンドエフェクタ内で、動作可能に動けるように支持され得る。駆動アセンブリは、開放動作及び閉鎖動作を第2エンドエフェクタ部に適用するよう構成され得る。外科用器具は、同時に:(i)第1エンドエフェクタ部の遠位端部を細長シャフトアセンブリに連結し;(ii)関節屈曲リンクを関節屈曲アセンブリに連結し;かつ(ii)駆動アセンブリを近位側発射部材に連結するための手段を更に備える。
【0045】
少なくとも1つの他の一般的な形態によれば、外科用器具の細長シャフトアセンブリに取り付けられる使い捨て式の装填ユニットが提供される。さまざまな実施のあり方においては、使い捨て式の装填ユニットは、遠位端部及び近位端部を有するハウジングアセンブリを含み得るが、近位端部は、細長シャフトアセンブリに動作可能に連結されている。使い捨て式装填ユニットは、外科用ステープルカートリッジをその内部に、動作可能に支持するキャリアを更に含み得る。アンビルが、キャリア上に可動的に支持され得るが、アンビルに開放動作が適用されると、アンビルは、キャリアに対して第1方向に、選択的に動くことが可能であり得る。アンビルに閉鎖動作が適用されると、アンビルは、更に、キャリアに対して第2方向に、選択的に動くことが可能であり得る。関節屈曲ジョイントは、キャリアを、関節屈曲軸の周りで、第1方向及び第2方向に、選択的に屈曲させるように構成され得る。関節屈曲リンクアセンブリは、関節屈曲動作を関節屈曲ジョイントに適用するために動作可能に関節屈曲ジョイントとインターフェイス接続され得るが、更に細長シャフトアセンブリの対応する部位に選択的に連結可能であり得る。駆動アセンブリは、細長シャフトアセンブリの対応する発射部位から、発射動作及び後退動作が適用されると、外科用エンドエフェクタ内で、動作可能に動けるように支持され得る。駆動アセンブリは、開放動作及び閉鎖動作をアンビルに適用するよう構成され得る。
【0046】
更に別の一般的な形態によれば、長手方向ツール軸を画定する、細長シャフトアセンブリを含み得る外科用器具が提供される。細長シャフトアセンブリは、そこからの発射動作及び後退動作を受容するために、発射システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側発射部材を備え得る。細長シャフトアセンブリは、そこから関節屈曲動作を受容するため、関節屈曲システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側関節屈曲アセンブリを更に備え得る。外科用器具は、外科用エンドエフェクタを更に備え得る。さまざまな実施のあり方において、外科用エンドエフェクタは、第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部を備え、開放動作を第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2エンドエフェクタ部は、第1エンドエフェクタ部に対して、第1方向に、選択的に移動可能であり得る。第2エンドエフェクタ部は、更に、閉鎖動作を第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2方向に、選択的に移動可能であり得る。関節屈曲ジョイントは、第1エンドエフェクタ部を、関節屈曲軸の周りで、長手方向ツール軸に対して、第1方向及び第2方向に、選択的に関節屈曲するように構成され得る。関節屈曲リンクアセンブリは、関節屈曲ジョイントに対して関節屈曲動作を適用するために、関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続され得る。駆動アセンブリは、それに対して、発射動作及び後退動作が適用されると、外科用エンドエフェクタ内で、動作可能に動けるように支持され得る。駆動アセンブリは、開放動作及び閉鎖動作を自身に適用するよう構成され得る。外科用器具は、第1エンドエフェクタ部の遠位端部を細長シャフトアセンブリに連結するよう構成されている第1カプラー部を含み得る、カプラーアセンブリを更に備え得る。カプラーアセンブリは、第1カプラー部が第1エンドエフェクタ部の遠位端部に連結されるのと同時に、関節屈曲リンクを関節屈曲アセンブリに連結するよう構成されている第2カプラー部を更に含み得る。第3カプラー部は、第1カプラー部が第1エンドエフェクタ部の遠位端部を細長シャフトアセンブリに連結し、かつ第2カプラー部が関節屈曲リンクを関節屈曲アセンブリと連結した場合には、駆動アセンブリを近位側発射部材に連結するよう構成され得る。
【0047】
本明細書に開示した装置は、一回の使用後に廃棄されるように設計され得るか、又は複数回使用されるように設計され得る。しかしながら、いずれの場合も、装置は少なくとも一回の使用後に再使用のために再調整することができる。こうした再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。詳細には、装置は分解可能であり、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除くことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換する際に、装置は、再調整設備で、又は外科的処置の直前に外科チームによって、後で使用するために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのさまざまな技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術、及び結果として得られる再調整された装置の使用は、全て本発明の範囲内にある。
【0048】
好ましくは、本明細書に記載する発明は、手術の前に処理されるであろう。最初に、新しい又は使用済みの器具が得られ、必要に応じて洗浄される。次いで器具を滅菌してもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉じられた密封容器に器具を入れる。次に、容器及び器具は、ガンマ線、X線、及び高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に入れられる。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。次に、滅菌された器具を滅菌容器に格納することができる。封止された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0049】
全体又は部分において、参照により本明細書に組み込まれるとされるいずれの特許公報又は他の開示物も、援用される内容が現行の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれるものとする。このように、また、必要な範囲で、本明細書に明確に記載される開示内容は、本明細書に参照により援用されるいずれの矛盾する文献にも優先するものとする。参照により本明細書に援用されると述べられるが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾するあらゆる文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用するものとする。
【0050】
以上、本発明を例示的な設計を有するものとして説明したが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に改変することができる。したがって、本出願は、その一般的原理を利用した本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は従来の実施に含まれるところの本開示からの発展形を網羅するものとする。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
長手方向ツール軸を画定する細長シャフトアセンブリであって、
発射動作及び後退動作を発射システムから受けるために、発射システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側発射部材と、
関節屈曲システムから関節屈曲動作を受けるために、関節屈曲システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側関節屈曲アセンブリと、を備える、細長シャフトアセンブリを備え、前記外科用器具は、
外科用エンドエフェクタを更に備え、前記外科用エンドエフェクタは、
第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部であって、前記第2エンドエフェクタ部は、開放動作を前記第2エンドエフェクタ部に適用すると、前記第1エンドエフェクタ部に対して、第1方向に選択的に動くことが可能であり、前記第2エンドエフェクタ部は更に、閉鎖動作を前記第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2方向に選択的に動くことが可能である、第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部;
前記第1エンドエフェクタ部を、関節屈曲軸の周りで、前記長手方向ツール軸に対して前記第1方向及び前記第2方向に、選択的に関節屈曲させるよう構成されている関節屈曲ジョイント;
前記関節屈曲動作を前記関節屈曲ジョイントに適用するために、前記関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続される、関節屈曲リンクアセンブリ;
駆動アセンブリであって、前記発射動作及び前記後退動作が前記駆動アセンブリに適用されると前記外科用エンドエフェクタ内で動作可能に動くように支持され、前記開放動作及び前記閉鎖動作を、前記第2エンドエフェクタ部に適用するよう構成されている、駆動アセンブリ;を備え、該外科用器具は、
同時に、
前記第1エンドエフェクタ部の遠位端部を前記細長シャフトアセンブリに連結し、
前記関節屈曲リンクを前記関節屈曲アセンブリに連結し、かつ
前記駆動アセンブリを前記近位側発射部材に連結するための手段を更に備える、外科用器具。
(2) 前記外科用エンドエフェクタが、遠位端部及び近位端部を有するエンドエフェクタハウジングを更に備え、前記第1エンドエフェクタ部は、前記エンドエフェクタハウジングの前記遠位端部に、前記関節屈曲ジョイントにより可動的に連結され、かつ前記連結手段が、前記エンドエフェクタハウジングの前記近位端部を、前記細長シャフトアセンブリに連結する、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記外科用エンドエフェクタが、使い捨て式装填ユニットを備える、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記外科用器具の前記第1部は、外科用ステープルカートリッジを内部に、動作可能に支持するよう構成されているキャリアを備え、かつ前記第2部は、アンビルアセンブリを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記駆動アセンブリが:
切断ヘッドを備え、前記切断ヘッドが、
上側端部、下側端部、及び前記上側端部と前記下側端部との間で配向された組織切断部を含む、垂直延伸部;
前記垂直延伸部の前記下側端部から突出し、前記キャリアの下側部に可動的に係合するように構成されている下側フット;
前記垂直延伸部の前記上側端部から突出し、前記アンビルアセンブリの一部に係合するよう構成されている上側タブ部;及び
前記切断ヘッドに動作可能に連結され、前記連結手段とインターフェイス接続されるよう構成されている駆動梁アセンブリ、を備える、実施態様4に記載の外科用器具。
【0052】
(6) 前記駆動梁アセンブリが:
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記上側端部に連結された上側発射バーセグメント;及び
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記下側端部に連結された下側発射バーセグメント、を備える、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記上側発射バー及び前記下側発射バーが、前記連結手段と動作可能にインターフェイス接続されるよう構成されている近位側係合部材に連結された、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記上側発射バー及び前記下側発射バーが、それぞれ枢動可能に前記近位側係合部材に連結された、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記外科用ステープルカートリッジが、内部に複数の外科用ステープルを動作可能に支持する、埋植可能なカートリッジ本体を備える、実施態様4に記載の外科用器具。
(10) 前記関節屈曲ジョイントが、前記第1エンドエフェクタ部に連結され、第1のセットのギア歯を含む関節球を備え、かつ前記関節屈曲リンクアセンブリが、前記関節球上の前記第1のセットのギア歯と噛合い係合する関節チューブを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
【0053】
(11) 外科用器具の細長シャフトアセンブリに取り付けるための使い捨て式装填ユニットであって:
遠位端部及び近位端部を有し、該近位端部が前記細長シャフトアセンブリに動作可能に連結可能である、ハウジングアセンブリ;
内部に外科用ステープルカートリッジを動作可能に支持するキャリア;
前記キャリアに可動的に支持されるアンビルであって、開放動作が該アンビルに適用されると、前記キャリアに対して第1方向に選択的に移動可能で、かつ前記アンビルに対して閉鎖動作が適用されると、更に第2方向に選択的に移動可能である、アンビル;
前記キャリアを、関節屈曲軸の周りで、前記第1方向及び前記第2方向に、選択的に関節屈曲させるように構成されている関節屈曲ジョイント;
前記関節屈曲動作を前記関節屈曲ジョイントに適用するために、前記関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続され、かつ前記細長シャフトアセンブリの対応する部位に選択的に連結可能である、関節屈曲リンクアセンブリ;及び
前記細長シャフトアセンブリの対応する発射部からの発射動作及び後退動作が適用されると前記外科用エンドエフェクタ内で動作可能に移動するように支持され、前記開放動作及び前記閉鎖動作を前記アンビルに適用するよう構成されている、駆動アセンブリ、を備える、使い捨て式装填ユニット。
(12) 前記駆動アセンブリが:
切断ヘッドを備え、前記切断ヘッドが、
上側端部、下側端部、及び前記上側端部と前記下側端部との間で配向された組織切断部を含む、垂直延伸部;
前記垂直延伸部の前記下側端部から突出し、前記キャリアの下側部に可動的に係合するように構成されている下側フット;
前記垂直延伸部の前記上側端部から突出し、前記アンビルの一部に係合するよう構成されている上側タブ部;及び
前記切断ヘッドに動作可能に連結され、前記細長シャフトアセンブリの前記対応する発射部とインターフェイス接続されるよう構成されている駆動梁アセンブリ、を備える、実施態様11に記載の使い捨て式装填ユニット。
(13) 前記駆動梁アセンブリが:
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記上側端部に連結された上側発射バーセグメント;及び
前記切断ヘッドの前記垂直延伸部の前記下側端部に連結された下側発射バーセグメント、を備える、実施態様12に記載の使い捨て式装填ユニット。
(14) 前記上側発射バー及び前記下側発射バーが、前記細長シャフトアセンブリの前記対応する発射部と動作可能にインターフェイス接続されるよう構成されている近位側係合部材に連結された、実施態様13に記載の使い捨て式装填ユニット。
(15) 前記上側発射バー及び前記下側発射バーが、それぞれ枢動可能に前記近位側係合部材に連結された、実施態様14に記載の使い捨て式装填ユニット。
【0054】
(16) 前記外科用ステープルカートリッジが、内部に複数の外科用ステープルを動作可能に支持する、埋植可能なカートリッジ本体を備える、実施態様11に記載の使い捨て式装填ユニット。
(17) 前記関節屈曲ジョイントが、前記キャリアに連結され、第1のセットのギア歯を含む関節球を備え、かつ前記関節屈曲リンクアセンブリが、前記関節球上の前記第1のセットのギア歯と噛合い係合する関節チューブを備える、実施態様1に記載の使い捨て式装填ユニット。
(18) 外科用器具であって、
長手方向ツール軸を画定する細長シャフトアセンブリであって、
発射動作及び後退動作を発射システムから受けるために、発射システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側発射部材と、
関節屈曲システムから関節屈曲動作を受けるために、関節屈曲システムと動作可能にインターフェイス接続される近位側関節屈曲アセンブリと、を備える、細長シャフトアセンブリを備え、前記外科用器具は、
外科用エンドエフェクタを更に備え、前記外科用エンドエフェクタは、
第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部であって、前記第2エンドエフェクタ部は、開放動作を前記第2エンドエフェクタ部に適用すると、前記第1エンドエフェクタ部に対して、第1方向に選択的に動くことが可能であり、前記第2エンドエフェクタ部は更に、閉鎖動作を前記第2エンドエフェクタ部に適用すると、第2方向に選択的に動くことが可能である、第1エンドエフェクタ部及び第2エンドエフェクタ部;
前記第1エンドエフェクタ部を、関節屈曲軸の周りで、前記長手方向ツール軸に対して前記第1方向及び前記第2方向に、選択的に関節屈曲させるよう構成されている関節屈曲ジョイント;
前記関節屈曲動作を前記関節屈曲ジョイントに適用するために、前記関節屈曲ジョイントと動作可能にインターフェイス接続される、関節屈曲リンクアセンブリ;
駆動アセンブリであって、前記発射動作及び前記後退動作が前記駆動アセンブリに適用されると前記外科用エンドエフェクタ内で動作可能に動くように支持され、前記開放動作及び前記閉鎖動作を、前記外科用エンドエフェクタに適用するよう構成されている、駆動アセンブリ;を備え、該外科用器具は、
カプラーアセンブリを更に備え、該カプラーアセンブリは:
前記第1エンドエフェクタ部の遠位端部を前記細長シャフトアセンブリに連結するよう構成されている第1カプラー部;
前記第1カプラー部が、前記第1エンドエフェクタ部の前記遠位端部に連結されるのと同時に、前記関節屈曲リンクを前記関節屈曲アセンブリに連結するよう構成されている第2カプラー部;及び
前記第1カプラー部が前記第1エンドエフェクタ部の前記遠位端部を前記細長シャフトアセンブリに連結した場合、及び前記第2カプラー部が前記関節屈曲リンクを前記関節屈曲アセンブリに連結した場合に、前記駆動アセンブリを前記近位側発射部材と連結するよう構成されている第3カプラー部を備える、外科用器具。
(19) 前記外科用エンドエフェクタが、遠位端部及び近位端部を有するエンドエフェクタハウジングを更に備え、前記第1エンドエフェクタ部は、前記エンドエフェクタハウジングの前記遠位端部に、前記関節屈曲ジョイントにより可動的に連結され、かつ前記第1カプラー部が、前記エンドエフェクタハウジングの前記近位端部を、前記細長シャフトアセンブリに連結する、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 前記外科用器具の前記第1部は、外科用ステープルカートリッジを内部に、動作可能に支持するよう構成されているキャリアを備え、かつ前記第2部は、アンビルアセンブリを備える、実施態様18に記載の外科用器具。
図1
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