【0008】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の熱交換器用コルゲートフィンの要部断面正面図であり、
図4はそのコルゲートフィンを用いた熱交換器の一例である。
この熱交換器は、並列された多数の偏平チューブ1間に夫々コルゲートフィン10が介装され、その接触部がろう付けされて熱交換器を形成する。コルゲートフィン10は、アルミニウム、ステンレス等のフィンの条材が曲折されて、その長手方向に波形に形成された頂部と谷部とを有し、その立ち上げ部と立ち下げ部との各壁面3に凸条4と凹条5とが交互に並列されている。
その壁面3の表面は
図5に示す如く、その幅方向中心の中心線Mを境として二等分割され、一方側に第1区分15が形成され、他方側に第2区分16が形成されている。そして各区分毎に、凸条4と凹条5とが交互に配置されている。ここで、フィンの幅方向に対する、凸条4の頂が連なる線および凹条5の谷が連なる線の傾斜角度は相等しく、かつ30度となっている。そして第1区分15の凹条5は、第2区分16の凸条4に一直線上に接続されている。
また、第1区分15の凸条4は第2区分16の凹条5に一直線上に接続されている。すなわち、第1区分15と第2区分16の凹凸の周期は等しく、かつその凹凸の位相差は180度となっている。それらの接続部には、徐変部2が存在する。これを
図5,
図6において説明すると、第2区分16の凸条4は、徐変部2を介して第1区分15の凹条5に接続されている。逆に、第2区分16の凹条5は、第1区分15の凸条4に徐変部2を介して接続されている。なお、
図5において第1区分15及び第2区分16の両端にも、夫々徐変部2が存在する。
そして、第1区分15の凹条5と第2区分16の凸条4と、それらを接続する徐変部2とにより、第1凹凸体6を構成する。そして、それに隣接する第2区分16の凹条5と第1区分15の凸条4とにより第2凹凸体7を構成する。
なお、
図5に示す、壁面3の幅方向両側の縁部14には、凸条4も凹条5も存在しない。そして、
図5の縁部14は、偏平チューブ1に、
図1の如く、一体にろう付けされる。
なお、
図6は
図5のVI−VI矢視断面略図、
図7は
図5のVII−VII矢視断面略図である。
このような、コルゲートフィン10は、展開状態において、
図8の如く形成され、同図において縁部14の位置で交互に山折りと谷折りとに曲折される。
また、
図3は第1区分15及び第2区分16の凸条4及び凹条5並びに徐変部2を模型的に説明した説明図である。この第1凹凸体6,第2凹凸体7は、
図8に示す如く、交互に形成されている。
(作用)
一例として、コルゲートフィン10には、
図3に示す如く気流17が流入し、偏平チューブ1内には被冷却用の液体が流通する。そして気流17がコルゲートフィン10にその先端から流入すると、第1区分15に流入した気流17は、偏平チューブ1の面またはコルゲートフィン10の頂部もしくは谷部において、
図2に示したように偏向され、また第2区分16に流入した気流17は、第1区分15の凹条5から第2区分16の凸条4にかけての徐変部2の面(
図6参照)により、
図2に示したように偏向される。
その結果、その気流17は、偏平チューブ1と壁面3とで囲まれたセル8内で、旋回流9を形成しながらコアの幅方向に流通する。
これを模式的に表したのが
図2である。同図のセル8内の流れは、4つの区分に分割され、その各区分に旋回流9が発生しており、その旋回流9が紙面の表面側から裏面側に進行する。
なお、これらの旋回流9は、前記傾斜角度が10度〜60度、かつ前記位相差が90度〜270度のときに、好適に発生し、さらには、前記傾斜角度が20度〜40度、かつ前記位相差が150度〜210度のときに、より好適に発生する。
(比較例)
これに対して、
図12〜
図14に示す従来型のフィンでは、
図14に示す如く、コルゲートフィン13と偏平チューブ1とで囲まれたセル8内は、中心線Sの両側に旋回流9が2つのみ生じる。
本発明者の実験によれば、
図14に示すセル8内の2つの旋回流9に対して、本発明のように
図2に示す4つの旋回流9の場合には、各旋回流の旋回半径が小さいので、セル8内の中央部分の気体が、より速やかにフィンに導かれ、熱伝達が促進される。
図9は、本発明の熱交換器用コルゲートフィンと従来型コルゲートフィンとの比較を示したものであり、横軸にコア厚さをとり、縦軸に熱伝達率比率を示したものである。この例では、基準として、コア厚さ100mmの従来型コルゲートフィンにおける熱伝達率を100%としている。同図で▲の各点は、本発明の熱伝達率を各コア厚さごとにプロットしたものである。また、同図の●は従来型コルゲートフィンの熱伝達率を、各コア厚さに対してプロットしたものである。
図9の実験から、次のことが明らかとなった。
汎用されるコア厚さ範囲25〜125mmにおいて、従来型フィンよりも、本発明のフィンの熱伝達率は高くなる。
そして、特に、コア厚さが薄い程、従来型フィンに対する本発明のフィンの熱伝達率向上は顕著であり、例えば、コア厚さ25mmにおいては、約15%向上する。
(本願発明のコルゲートフィンの他の例)
図10は本願発明のコルゲートフィンの他の例を示すものであり、
図5に示されたコルゲートフィンとの違いは、第1区分15の凹条5と第2区分16の凸条4とが一直線上になく、また第1区分15の凸条4と第2区分16の凹条5とも一直線上にない点のみである。
図11は本発明のコルゲートフィンのさらに他の例を示すものであり、
図5に示されたコルゲートフィンとの違いは、第1区分15の領域の幅が広くなり、第2区分16の領域の幅が狭くなっている点である。逆に、第1区分15の領域の幅を狭くし、第2区分16の領域の幅を広くすることもできる。
(本願発明の適用範囲)
このコルゲートフィンは、ラジエータ,コンデンサ,EGRクーラ等の各種の熱交換器に適用できる。
また、そのコルゲートフィンに流通する気体を加熱する場合にも、冷却する場合にも適用できる。コルゲートフィンの頂部谷部の全体的なコルゲート波形の形状は、矩形波状、台形波状、三角波状、正弦波状、または、それらの組み合わせのいずれであってもよい。
また、頂部谷部以外のフィンの壁面に形成される凸条凹条は、矩形波状、台形波状、三角波状、正弦波状、または、それらの組み合わせのいずれであってもよい。