【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電気光学変調器装置であって、
−第1および第2の光導波路ならびに前記光導波路に電圧を印加する電極配置構造(電極装置)を含む少なくとも1つの電気光学変調器であって、
−前記電極配置構造が、前記第1の光導波路の上に配置された複数の第1の導波路電極および前記第2の光導波路の上に配置された複数の第2の導波路電極を有し、
−前記第1および第2の導波路電極が互いに容量結合している、少なくとも1つの電気光学変調器と、
−前記電極配置構造に電圧を供給する少なくとも1つのドライバユニットと、
−前記ドライバユニットと前記電極配置構造との間の電気接続部と、
を備え、
−前記ドライバユニットと前記電極配置構造との間の前記電気接続部が、可撓性のコプレーナストリップ線路を含み、前記電極配置構造が、前記第1の導路波電極に接続された第1の電線路および前記第2の導波路電極に接続された第2の電線路を有し、前記第1および第2の電線路がコプレーナストリップ線路を構成しており、
−前記ドライバユニットと前記電極配置構造との間の前記電気接続部が、可撓性のコプレーナストリップ線路を含み、
−前記可撓性のコプレーナストリップ線路が、少なくとも2つの電線路を有し、
−前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記電線路のうちの第1の電線路が、前記電極配置構造の前記第1の電線路に接続されており、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記電線路のうちの第2の電線路が、前記電極配置構造の前記第2の電線路に接続されており、
−前記ドライバユニットが、前記電極配置構造の前記第1および第2の電線路により構成される前記コプレーナストリップ線路に、差動電圧信号を、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1および第2の電線路を介して供給する、電気光学変調器装置を提供する。
【0006】
前記ドライバユニットと前記電極配置構造との間の前記電気接続部(すなわち、電気的リンク)は、前記可撓性のコプレーナストリップ線路から少なくとも本質的(実質的)に構成されてもよく、この可撓性のコプレーナストリップ線路により、前記ドライバユニットが前記電極配置構造に直接接続される。しかしながら、前記可撓性のコプレーナストリップ線路を、前記ドライバユニットと前記電極配置構造との前記電気接続部のうちの一部のみを構成するものとすることにより、その電気接続部を、可撓性のコプレーナストリップ線路によって構成されていない少なくとも1つの他の部位を有するものとすることも考えられる。
【0007】
具体的に述べると、前記可撓性のコプレーナストリップ線路は、前記変調器の前記電極配置構造の前記コプレーナストリップ線路に適応(適合)される(前記コプレーナストリップ線路とインピーダンス整合させる)ことが可能であり、これら前記可撓性のコプレーナストリップ線路と前記変調器側の前記コプレーナストリップ線路とは、均質で、向上した高周波特性を有するインピーダンス整合した線路を構成し得る。一具体例として、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記少なくとも2つの電線路は、少なくとも1つの可撓性の層に配置されており、かつ、2つの前記電線路は、互いからある距離をもって配置されているため、当該電線路同士が前記ドライバユニットから高周波モードを前記変調器に伝送する電気導波路として機能することが可能である。例えば、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1および第2の電線路間の距離は、25μm未満、10μm未満または5μm未満(例えば、2μm、3μmもしくは4μm)とされる。前記可撓性のコプレーナストリップ線路は、正に2つの電線路を有してもよい。一具体例として、2つの前記電線路は、いずれも接地されていない。
【0008】
例えば、変調器装置(すなわち、前記ドライバユニットと前記変調器との組合せ)を長距離用途等に利用した場合、その電力損失は400mW未満に抑えられ得る。また、消費電力を低く抑えられるだけでなく変調器の小型化も可能なので、コンパクトな(例えば、CFP4モジュールのサイズで、)(例えば、100ギガビット/秒以上の伝送レートを有する)高周波変調器モジュールを製造することが可能となる。また、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の熱伝導率は、従来のボンディングワイヤの熱伝導率よりも低くなり得る。そのため、前記ドライバユニットと前記変調器との間の熱的なクロストークが抑制され得る。また、前記ドライバユニット(例えば、集積回路の形態)と前記変調器との間の距離が大きくなり得ることで、前記変調器装置の組立が容易となる。例えば、前記変調器を熱電冷却器上に配置すると共に、前記ドライバユニットを前記変調器装置のハウジング部上に配置することが可能となる。
【0009】
前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記電線路は、前記変調器の前記電極配置構造の前記電線路に、(例えば、半田付けされるか、もしくは(導電性接着剤を用いて)接着されるか、または金属接続によって、接合され得る。
【0010】
また、前記可撓性のコプレーナストリップ線路は、薄膜技術を用いて形成されたものであり得る(具体的に述べると、薄膜技術は、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記電線路を高精度で作製することが可能である)。例えば、前記可撓性のコプレーナストリップ線路は、少なくとも1つの絶縁層上に配置された2つの電線路を有するものとされ得て、かつ、その絶縁層は、ポリイミド、液晶ポリマー(LCP)、ベンゾシクロブテン(BCB)等の高分子材料から形成され得る。ここで、複数の高分子層が用いられてもよい。なお、"Multilayer polyimide film substrates for interconnections in microsystems(「マイクロシステムにおける相互接続用多層ポリイミドフィルム基板」)", A. Fach, Y. Athanassov, U. Brunner, D. Hablutzel, B. Ketterer, J. Link, MicrosystemTechnologies 5 (1999) 166 - 168の論文に、可撓性の電線路用の絶縁層の作製原理の一例が記載されている。この論文のうち、可撓性のコプレーナストリップ線路の少なくとも1つの絶縁層の作製に関する内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
【0011】
例えば、前記少なくとも1つの絶縁層の層厚は、50μm未満、25μm未満または15μm未満とされ得る。また、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記電線路は、リソグラフィ法を用いて作製されてもよい。このとき、前記電線路は、金属堆積(例えば、電気めっき、蒸着、スパッタリング等を用いる)によって可撓性の基板に配され得る。しかしながら、前記可撓性のコプレーナストリップ線路は、上記のような薄いポリイミド層ではなく、より厚い(例えば、箔状の)(例えば、単一の)絶縁性基板を備えるものであってもよい。
【0012】
一具体例として、前記変調器装置における他の部品が、別の可撓性の電線路(例えば、前記可撓性のコプレーナストリップ線路と共に作製される別の可撓性の電線路)によって接続されていてもよい。具体的に述べると、前記ドライバユニット(例えば、ドライバIC)が、可撓性の基板上に、前記可撓性のコプレーナ線路の前記電線路および他の配線と共に(例えば、フリップチップ技術を用いて)配置され得る。これにより、テスト可能なドライバユニットであって、当該ドライバユニットとの間での接続部が集積されたドライバユニットを製作することが可能となる。このような構成のドライバユニットは、簡単に且つ経済的にモジュールに集積することができる。
【0013】
例えば、前記第1および第2の電線路により構成される前記コプレーナストリップ線路は、進行波電極(例えば、マッハツェンダー変調器の進行波電極)として動作される。また、前記第1および第2の電線路は、前記第1の導波路電極と第2の導波路電極とが容量結合していることを介して、互いに容量結合している。例えば、前記変調器の各々の前記光導波路は、互いに離間した複数の容量性セグメントを有しており、かつ、それぞれの容量性セグメントは、電気キャパシタを構成している。そして、前記第1および第2の導波路電極は、それら容量性セグメントの上に配置されている。これにより、前記第1および第2の導波路電極は、それら前記容量性セグメントを介して互いに容量結合している。
【0014】
なお、"45 GHz Bandwidth Travelling Wave Electrode Mach-Zehnder Modulator with Integrated Spot Size Converter(「スポットサイズ変換器が集積された45GHz帯域幅進行波電極マッハツェンダー変調器」)", D. Hoffmann, Proceedings International Conference on Indium Phosphide and Related Materials, p. 585, 2004の論文に、進行波型マッハツェンダー変調器の光学的・電気的レイアウト原理の一例が記載されている。この論文のうち、マッハツェンダー変調器の光学的・電気的設計原理に関する内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。当然ながら、本発明は、特定の電極構造に限定されるものではなく、その他の電気回路に適用されてもよく、あるいは、その他の電気回路を構成するように適用されてもよい。また、国際公開第2012/175551号には、別の設計例が記載されている。この国際公開のうち、変調器の光学的・電気的設計原理に関する内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。例えば、前記変調器装置は、(例えば、PIC(フォトニックIC)の形態の)IQ変調器および/または少なくとも1つのOFDM変調器を備えるものとされる。
【0015】
前記第1および第2の電線路は、対称的に駆動される(「差動駆動」)。すなわち、前記ドライバユニットは、前記可撓性のコプレーナストリップ線路に(したがって、前記変調器側の前記コプレーナストリップ線路に)差動電圧信号を供給するように構成されている。例えば、前記電極配置構造および/または前記可撓性のコプレーナストリップ線路の、前記電線路はいずれも接地されていない。例えば、前記ドライバユニットは、前記電極配置構造の前記第1の電線路に、第1の可変信号を、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1の電線路を介して、かつ、前記電極配置構造の前記第2の電線路に、第2の可変信号を、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第2の電線路を介して供給するように構成され得る。
【0016】
また、前記第1および第2の電線路は、少なくとも部分的に、幾何学的に対称な構造として形成され得る。例えば、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1および第2の電線路は、少なくとも本質的に(ほぼ)互いに平行に延びる長手構造(縦長形状)として形成される。
【0017】
前記ドライバユニットの、当該ドライバユニットの2つのポートのうちの各ポートにおけるインピーダンスは、前記電極配置構造のインピーダンスの、本質的に半分とされ得る。また、前記ドライバユニットは、前記第1の電線路に供給される前記第1の可変信号と前記第2の電線路に供給される前記第2の可変信号とが反対の極性を有するように構成され得る(このとき、前記第1の可変信号の電圧絶対値と前記第2の可変信号の電圧絶対値とは、少なくとも本質的に同一となり得る)。
【0018】
なお、欧州特許出願公開第2615489号および欧州特許出願公開第2615490号に、対称的に駆動される電極の例が開示されている。これら欧州特許出願公開のうち、それに関する内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
【0019】
一例として、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1および第2の電線路は、(例えば、可撓性の)絶縁層に接して、それらの長手方向に垂直な方向で少なくとも部分的に互いに隣接して配置される。しかしながら、前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1および第2の電線路は、前記少なくとも1つの絶縁層に垂直な方向で少なくとも部分的に一方が他方の真上に配置されてもよい。
【0020】
前記可撓性のコプレーナストリップ線路の前記第1および/または第2の電線路は、第1の絶縁層(例えば、第1のポリイミド層)に配置され得て且つ第2の絶縁層(例えば、第2のポリイミド層)により覆われ得る。例えば、第2の絶縁層は、前記第2の電線路の第1の部位と第2の部位との間に延在するものとされる。また、さらなる2つの線路が、前記絶縁層上に配置されていて、接地されてもよい。
【0021】
本発明の他の実施形態において、前記ドライバユニットは、オープンコレクタモードまたは終端帰還(back termination)のオープンコレクタモードで動作される。同様に、(前記ドライバユニットがCMOSデバイスである場合)当該ドライバユニットは、オープンドレインモードまたは終端帰還のオープンドレインモードで動作され得る。
【0022】
具体的に述べると、前記ドライバユニット(例えば、ドライバチップ)、前記可撓性のコプレーナストリップ線路、前記第1および第2の電線路、終端抵抗体、ならびに前記終端抵抗体同士を直流的に分離する(ブロッキング)容量性構造は(さらに、用いられている組立・接合技術等も)、後で詳述するように、このようなオープンコレクタ回路(例えば、高周波オープンコレクタ回路)における互いに一体化された部品と見なすことができる。さらなる詳細として、前記ドライバユニット、前記可撓性のコプレーナストリップ線路、前記電線路、および前記変調器の(前記終端抵抗体を少なくとも1つ含む)終端ネットワークのイマーシブ(immersive)電気的設計が、特に、これら構成部品の統合インピーダンスを適合させることで前記変調器の性能を最適化するように実行される。当然ながら、必ずしもオープンコレクタ回路が使用されなくてもよい。むしろ、前記ドライバユニットは、前記電極配置構造のインピーダンスと等しい内部終端抵抗を含むものとされてもよい。このとき、前記ドライバユニットのこの内部終端抵抗に、前記可撓性コプレーナストリップ線路のインピーダンス、前記第1および第2の電線路のインピーダンス、ならびに他の電気部品(例えば、前記終端抵抗体など)のインピーダンスが整合される。
【0023】
上記のように、前記変調器は、前記第1および第2の電線路により構成される前記コプレーナストリップ線路を終端する、少なくとも1つの終端抵抗体を含み得る。このような終端抵抗体は、前記電極配置構造の前記第1の電線路と前記第2の電線路との間に(物理的に)配置され得る。例えば、前記終端抵抗体は、(例えば、抵抗値が50Ωである)単一の抵抗体とされる。前記終端抵抗体は、材料層(例えば、薄膜層、薄膜層パケット(薄膜層群)など)により構成され得る。前記終端抵抗体は、前記第1および第2の電線路とモノリシックに集積されたものであってもよく、すなわち、前記終端抵抗体は、前記第1および第2の電線路と同じ基板に配置されてもよい。この場合、前記ドライバユニットのみが、可撓性のコプレーナストリップ線路を介して、前記変調器の前記電極配置構造の前記第1および第2の電線路に接続されることとなる。しかしながら、前記終端抵抗体についても、前記変調器の前記電線路とは異なる基板(例えば、セラミックス基板)等に配置された別体の部品として形成されてもよいし、および/または、可撓性のコプレーナストリップ線路(あるいは、短いボンディングワイヤなど)を介して前記変調器の前記第1及び第2の電線路に接続されたものとされてもよい。
【0024】
また、前記変調器は、端部接点を介して互いに接続された2つの終端抵抗体を含むものとされてもよい。具体的に述べると、前記終端抵抗体のうちの第1の終端抵抗体における第1の端部が前記第1の電線路に接続されて、その第2の端部が前記端部接点に接続される。同様に、第2の終端抵抗体における第1の端部が前記第2の電線路に接続されて、その第2の端部が前記端部接点に接続される。これら2つの終端抵抗体は、前記端部接点を構成する端部接点層によって互いに接続された材料層により形成されたものであってもよい。これら2つの終端抵抗体は、当該終端抵抗体同士をキャパシタを介して互いに接続することにより、直流的に分離されたものとすることも可能である。具体的に述べると、これら2つの終端抵抗体を直流的に分離する少なくとも1つの容量性構造が設けられ得る。例えば、前記容量性構造は、前記第1および第2の電線路間に配置された少なくとも2つの導電層を有し、かつ、これら少なくとも2つの層は、少なくとも1つの誘電層によって隔てられている。
【0025】
また、前記可撓性のコプレーナストリップ線路は、外部の装置を前記ドライバユニットの入力接点に接続するための複数の導電線路を有する可撓性のコンタクト構造体の、一部であり得る。
【0026】
本発明の他の構成は、電気光学変調器装置であって、
−第1および第2の光導波路ならびに前記光導波路に電圧を印加する電極配置構造を含む少なくとも1つの電気光学変調器であって、
−前記電極配置構造が、前記第1の光導波路の上に配置された複数の第1の導波路電極および前記第2の光導波路の上に配置された複数の第2の導波路電極を有し、
−前記第1および第2の導波路電極が互いに容量結合している、少なくとも1つの電気光学変調器と、
−前記ドライバユニットと前記電極配置構造との間の電気接続部と、
−複数のドライバユニットと、
を備え、前記ドライバユニットのそれぞれが、前記第1の導波路電極のうちの1つおよび前記第2の導波路電極のうちの1つに、可撓性のコプレーナストリップ線路を含む電気接続部によって接続されている、電気光学変調器装置を提供する。
【0027】
これにより、"10 Gb/s - 80-km operation of full C-band InP MZ modulator with linear-accelerator-type tiny in-line centipede electrode structure directly driven by logic IC of 90-nm CMOS process(「90nmCMOSプロセスロジックIC直接駆動対応線形加速器型縦列電極構造フルCバンドInPMZ変調器の10Gb/秒−80km動作」)", T. Kato et al., Optical Fiber Communication Conference and Exposition, 2011, p. 1との論文に記載されているように、導波路電極を別個に(互いに独立して)駆動可能となる。この論文のうち、複数ドライバ配置構成に関する内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
【0028】
本発明のさらなる他の構成は、電気光学変調器装置であって、
−少なくとも1つのアクティブな(活性的な、有効な)光導波路および前記アクティブな光導波路に電圧を印加する電極配置構造を含む少なくとも1つの電気光学位相変調器であって、
−前記電極配置構造が、前記光導波路により構成される容量性セグメントの上に配置された複数の導波路電極を有する、少なくとも1つの電気光学位相変調器と、
−少なくとも1つの光学的に非アクティブな(非活性な、無効な)容量性エレメントと、
−前記電極配置構造に電圧を供給する少なくとも1つのドライバユニットと、
−前記ドライバユニットと前記電極配置構造との間の電気接続部と、
を備え、
前記導波路電極が、前記少なくとも1つのドライバユニットに、前記容量性セグメント、前記容量性エレメントおよび前記電気接続部を介して容量結合しており、
−前記少なくとも1つのドライバユニットと前記電極配置構造との間の前記電気接続部が、可撓性のコプレーナストリップ線路を含む、電気光学変調器装置に関する。
【0029】
複数の容量性エレメントが、光学的に非活性な第2の導波路により構成される容量性セグメントの形態で設けられ得る。この第2の導波路の上に(第2の)導波路電極が設けられた場合、前記位相変調器は前述した進行波型マッハツェンダー変調器と同様の構造を有することになるが、それら2つの光導波路のうちの一方のみが光学的に活性であって光信号の位相を変調させるのに利用される。マッハツェンダー変調器とは異なり、前記位相変調器の前記第2の非活性な導波路は(したがって、前記位相変調器の前記第2の導波路電極も)、前記活性的な光導波路およびこの光学的に活性な導波路の上に位置する(第1の)導波路電極よりも幅広とされ得る。
【0030】
他の実施形態において、前記位相変調器装置は、前記導波路電極を前述したように別個に駆動可能とする複数のドライバユニットを備える。
【0031】
しかしながら、前記位相変調器装置の前記容量性エレメントは、必ずしも(非活性な)導波路により構成されるものでなくてもよい。むしろ原則として、どのような種類の容量性構造が使用されてもよい。具体的に述べると、その場合の容量性構造は、前記活性的な光導波路により構成される前記容量性セグメントと直列に接続されることとなる。
【0032】
本発明のさらなる他の構成は、電気光学変調器装置、特には、前述した電気光学変調器装置であって、
−少なくとも1つの光導波路および前記光導波路に電圧を印加する電極配置構造を含む少なくとも1つの電気光学変調器であって、
−前記電極配置構造が、コプレーナストリップ線路を構成している第1および第2の電線路を有する、少なくとも1つの電気光学変調器と、
−前記第1および第2の電線路を終端する少なくとも1つの終端抵抗体と、
−前記終端抵抗体と前記第1および第2の電線路との間の電気接続部と、
を備え、
−前記終端抵抗体と前記第1および第2の電線路との間の前記電気接続部が、可撓性のコプレーナストリップ線路を含む、電気光学変調器装置に関する。
【0033】
具体的に述べると、前記第1および第2の電線路は互いに容量結合し得る。例えば、前記電気光学変調器は、前述したマッハツェンダー変調器または前述した位相変調器とされる。
【0034】
以下では、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。