特許第6567547号(P6567547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーカ・テクノロジー・アーゲーの特許一覧

特許6567547シラン基含有有機ポリマーをベースとした速硬化性マイグレーションフリー組成物
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567547
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】シラン基含有有機ポリマーをベースとした速硬化性マイグレーションフリー組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/02 20060101AFI20190819BHJP
   C08K 5/31 20060101ALI20190819BHJP
   C08K 5/56 20060101ALI20190819BHJP
   C09J 201/10 20060101ALI20190819BHJP
   C09D 201/10 20060101ALI20190819BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20190819BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   C08L101/02
   C08K5/31
   C08K5/56
   C09J201/10
   C09D201/10
   C09D7/40
   C09K3/10 Z
【請求項の数】16
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2016-562545(P2016-562545)
(86)(22)【出願日】2015年4月16日
(65)【公表番号】特表2017-513982(P2017-513982A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015058332
(87)【国際公開番号】WO2015158863
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年4月5日
(31)【優先権主張番号】14164920.2
(32)【優先日】2014年4月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504274505
【氏名又は名称】シーカ・テクノロジー・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウルス・ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】リタ・カンナス
【審査官】 藤井 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−224439(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/113538(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/011329(WO,A1)
【文献】 特開2016−191061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−13/08
C09K 3/10−3/12
C09D 1/00−10/00、101/00−201/10
C09J 9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマー、および
− 式(I)
【化1】
(式中、
Aは、1〜100個の炭素原子を有し、不飽和部分を含んでもよく、ヘテロ原子を含んでもよく、かつアミノ基または水酸基を有してもよい、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であるか、またはRと一緒に、4〜12個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子を含んでもよい、分岐していてもよい2価のアルキレン基であり、
は、水素、または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基もしくはアラルキル基であるか、またはAと一緒に、4〜12個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子を含んでもよい、分岐していてもよい2価のアルキレン基であり、かつ
およびRは、それぞれ独立して、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはシクロヘキシルであり
ただし、AはRおよびRのそれぞれと異なる基である)
の少なくとも1種の触媒
を含む、組成物であって、
前記式(I)の触媒が芳香環または芳香族複素環系の一部に直接結合した窒素原子を含まず、また、前記式(I)の触媒がシラン基を含まず、
該組成物がカルボジイミドを含まない、組成物。
【請求項2】
およびRが、それぞれ独立して、3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはシクロヘキシルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
Aは、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、ラウリル、シクロヘキシル、ベンジル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、オキシエチレン単位および1,2−オキシプロピレン単位を有し、かつ分子量が180〜600g/molの範囲のポリオキシアルキレン基、N−メチル−3−アミノプロピル、N−(2−エチルヘキシル)−3−アミノプロピル、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、3−アミノペンチル、5−アミノ−4−メチルペンチル、5−アミノ−2−メチルペンチル、6−アミノヘキシル、6−アミノ−3,3(5),5−トリメチルヘキシル、6−アミノ−2,2(4),4−トリメチルヘキシル、8−アミノオクチル、10−アミノデシル、12−アミノドデシル、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル、3−アミノ−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルメチル、3−アミノメチルシクロヘキシルメチル、4−アミノメチルシクロヘキシルメチル、3−アミノメチルベンジル、5−アミノ−3−オキサペンチル、分子量が200〜500g/molの範囲のω−2−アミノプロピルポリオキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、および5−ヒドロキシ−3−オキサペンチルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
は水素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記シラン基含有有機ポリマーは、シラン基含有ポリオレフィン、もしくはシラン基含有ポリエステル、もしくはシラン基含有ポリ(メタ)アクリレート、もしくはシラン基含有ポリエーテル、またはこれらのポリマーの混合形態であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の有機チタネートがさらに存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
式(II)の少なくとも1種のアミンと式(III)の少なくとも1種のカルボジイミドを反応させて前記式(I)の触媒を調製する工程と、
【化2】
調製した触媒を、少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーまたは少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーを含む組成物に加える工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を製造する方法。
【請求項8】
少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーの存在下、または少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーを含む組成物中で、下記式(II)の少なくとも1種のアミンと式(III)の少なくとも1種のカルボジイミドを反応させて前記式(I)の触媒を調製する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法。
【化3】
【請求項9】
前記式(II)の前記アミンは、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、ラウリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、オキシエチレン単位および1,2−オキシプロピレン単位を有し、かつ平均分子量が180〜600g/molの範囲のポリオキシアルキレンアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,3−プロパンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、平均分子量が220〜500g/molの範囲のポリオキシプロピレンジアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、および2−(2−アミノエトキシ)エタノールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記式(III)の前記カルボジイミドは、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドからなる群から選択されることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を、接着剤、封止剤またはコーティング剤として基材に適用する工程、および、前記組成物を水と接触させる工程を含む、基材の接着、封止、またはコーティングする方法。
【請求項12】
水で硬化した後の、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物から得られる硬化組成物。
【請求項13】
組成物を水と接触させることを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物に含まれるシラン基含有有機ポリマーを触媒的に架橋する方法。
【請求項14】
少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーを含む組成物を硬化させるための、式(Ia)
【化4】
(式中、
A’は、6〜30個の炭素原子を有し、かつエーテル系酸素を含んでもよく、シラン基、水酸基またはアミノ基を含まない、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であり、かつ
およびRは、それぞれ独立して、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはシクロヘキシルであり、
ただし、A’はRおよびRのそれぞれと異なる基である)
の触媒。
【請求項15】
少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーを含む組成物を硬化させるための、式(Ib)
【化5】
(式中、
A’’は、3〜30個の炭素原子を有し、かつシラン基を含まず、エーテル系酸素を含んでもよく、かつ少なくとも1つの水酸基、または第一級もしくは第二級のアミノ基を有する脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であり、かつ RおよびRは、それぞれ独立して、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはシクロヘキシルであり、
ただし、A’’はRおよびRのそれぞれと異なる基である)
の触媒。
【請求項16】
少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマーを含む組成物を硬化させるための、式(Ic)
【化6】
(式中、
A’’’は、3〜30個の炭素原子を有し、シラン基を含まず、エーテル系酸素を含んでもよく、かつ少なくとも1つの第三級アミノ基を有する、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であり、かつ
およびRは、それぞれ独立して、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはシクロヘキシルであり、
ただし、A’’’はRおよびRのそれぞれと異なる基である)
の触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、接着剤、封止剤またはコーティング剤に適した、室温で硬化可能であり、かつシラン基含有有機ポリマーをベースとした組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
室温で硬化可能であり、かつシラン基含有有機ポリマーをベースとした組成物は、「シラン官能性ポリマー」、「シラン修飾ポリマー」(SMP)または「シラン末端ポリマー」(STP)とも呼ばれ、多くの工業用途で、例えば、接着剤、封止剤またはコーティング剤として大きい役割を果たしている。それらは、シラン基の架橋反応により硬化する。すなわち、水分の影響下で加水分解し、シラノール基として互いに縮合してシロキサン結合を形成する。硬化を促進するため、多くの場合、触媒が使用される。これらは、その殆どが毒性の懸念される物質であり、使用者および環境に、特に、硬化後、脱ガス、マイグレーションまたは洗浄の結果、触媒またはその分解生成物が放出されるときも潜在的な危険となる。
【0003】
従来、使用されている架橋触媒は、有機スズ化合物、特にジアルキルスズ(IV)カルボキシレートである。これらは、シラノール縮合に関し良好な活性を有することが知られており、高い耐加水分解性を有するが、健康に有害で、深刻な水質汚染の危険性がある。それらは、多くの場合、他の触媒、主に塩基性化合物、特にアミン類と併用される。アミン類は、特にシラン基の先行する加水分解を促進する。
【0004】
専門家組織およびユーザーによりEHS側面に対し示される重みが増しており、また、政府の規制がより厳しくなっているため、有機スズ化合物を他の毒性の低い触媒に替えようとする努力がこのところ増してきている。例えば、有機チタネート、有機ジルコネートおよび有機アルミネートが、代替の金属触媒として記載されている。しかしながら、これらは、通常、シラノール縮合に対する触媒活性が有機スズ化合物より低く、架橋速度をかなり遅くする。それらは加水分解安定性に欠けるため、組成物の貯蔵過程で、成分中の残存する水分の結果として、活性の大部分が失われ、硬化を大きく遅らせるか、または硬化を完全に止める可能性がある。
【0005】
有機スズ化合物に代わる他の知られた代替物は、アミジンおよびグアニジンに分類される強塩基性の窒素化合物であり、それらは上述の金属触媒と併用されるか、または単独で使用され得る。しかしながら、例えば、特に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)などの通常使用されているアミジン触媒およびグアニジン触媒の多くは、同様に健康に有害で環境にも悪い揮発性の臭気化合物である。さらに、それらは、相溶性が低いため、組成物中でマイグレーションを起こし、その結果、分離、滲出または基材の汚染を起こしやすい。報告されている室温で固体の芳香族のアミジンおよびグアニジンの使用は、これらの問題を改善するが、適切な溶媒が必要となり、触媒活性が失われ、そのため、架橋速度が遅くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、室温で硬化可能であり、かつシラン基含有有機ポリマーをベースとした組成物であって、低危険性の分類が許容され、放出性および臭気レベルが低く、良好な貯蔵安定性を有し、水分によるシラン基の架橋によって迅速に硬化し、同時に機械的品質および安定性に優れた材料を形成し、滲出および基材の汚染などのマイグレーション関連の欠点の傾向を殆ど示さない組成物を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、式(I)の触媒を含む請求項1に記載の組成物によって達成される。これらの特性は、また、金属含有化合物を共触媒として使用せずに、特に有機スズ化合物を少量使用するか否かに関わらず達成される。式(I)の触媒は、脂肪族グアニジン基を含み、高い触媒活性を示すが、芳香族グアニジンの触媒活性は、例えあったとしてもわずかである。
【0008】
驚くべきことに、本発明の組成物は、式(I)の触媒の存在により、非常に急速に硬化する。式(I)の触媒の活性は、驚くべきことに、類似の脂肪族グアニジン、例えば1,1,3,3−テトラメチルグアニジンと比べてはるかに大きい。さらに驚くべきことは、本発明の組成物が、触媒関連のマイグレーション現象が大きい役割を果たしている従来技術のアミジン触媒および/またはグアニジン触媒を含む多くの類似の組成物と大きく異なり、硬化後も硬化前も、分離、滲出または基材の汚染などのマイグレーション関連の欠点の傾向がないという事実である。
【0009】
さらに驚くべきことは、式(I)の触媒が、シラン基含有有機ポリマーの存在下で、すなわち、硬化性組成物自体において、その系を壊さずに調製することができるという事実である。
【0010】
本発明の他の態様は、さらなる独立請求項の主題である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、組成物であって、
− 少なくとも1種のシラン基含有有機ポリマー、および
− 式(I)
【化1】
(式中、
Aは、1〜100個の炭素原子を有し、不飽和部分を含んでもよく、ヘテロ原子を含んでもよく、かつアミノ基、水酸基またはシラン基を有してもよい、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であるか、またはRと一緒に、4〜12個、特には4〜8個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子を含んでもよい、分岐していてもよい2価のアルキレン基であり、
は、水素、または1〜8個、特には1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基もしくはアラルキル基であるか、またはAと一緒に、4〜12個、特には4〜8個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子を含んでもよい、分岐していてもよい2価のアルキレン基であり、かつ
およびRは、それぞれ独立して、1〜18個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子を含んでもよい、アルキル基、シクロアルキル基またはアラルキル基である)
の少なくとも1種の触媒
を含み、式(I)の触媒が、芳香環または芳香族複素環系の一部に直接結合した任意の窒素原子、例えばイミダゾールまたはピリミジンを含まない、組成物に関する。
【0012】
本明細書において、「アルコキシシラン基」または略して「シラン基」という用語は、有機基に結合し、1〜3個、特に2または3個の加水分解性アルコキシ基がケイ素原子に結合したシリル基を指す。同様に、「アルコキシシラン」または略して「シラン」という用語は、少なくとも1つのシラン基を有する有機化合物を指す。
【0013】
「ヒドロキシシラン」、「イソシアネートシラン」、「アミノシラン」および「メルカプトシラン」は、有機基上に、シラン基に加えて、それぞれ、1つ以上の水酸基、イソシアネート基、アミノ基およびメルカプト基を有するシランを指す。
【0014】
ポリオールまたはポリイソシアネートなどの「ポリ」で始まる物質名は、正式には、1分子当たり、その名前で存在する官能基を2個以上含む物質を指す。
【0015】
「有機ポリマー」という用語は、高分子反応(重合、重付加、重縮合)によって製造され、ポリマー骨格に多数の炭素原子を有する、化学的に均質であるが、重合度、モル質量および分子鎖長は異なる高分子の集合体、ならびにそのような高分子の集合体の反応生成物を包含する。ポリジオルガノシロキサン骨格を有するポリマー(一般に「シリコーン」と呼ばれる)は、本明細書との関連においては、有機ポリマーではない。
【0016】
「シラン基含有ポリエーテル」という用語は、また、シラン基を含み、かつポリエーテル単位に加えて、ウレタン基、尿素基またはチオウレタン基もまた含み得る有機ポリマーを包含する。そのようなシラン基含有ポリエーテルは、「シラン基含有ポリウレタン」とも呼ばれ得る。
【0017】
「分子量」は、本明細書においては、分子、または分子の一部(「基」とも呼ばれる)のモル質量(1モル当たりのグラム数で)を意味すると理解される。「平均分子量」は、分子または基のオリゴマーまたはポリマー混合物の数平均Mnを意味すると理解され、通常、ポリスチレンをスタンダードとしたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定される。
【0018】
「貯蔵安定性を有する」または「貯蔵可能な」は、適切な容器中、室温で長期間、通常、少なくとも3カ月〜6カ月以上、その適用または使用特性、特に粘度および架橋速度が変化せず、貯蔵の結果として、その使用にある程度適した状態に貯蔵し得るときの物質または組成物を指す。
【0019】
本明細書の式中の点線はいずれも、置換基と対応する分子基間の結合を示す。「室温」は、約23℃の温度をいう。
【0020】
式(I)の触媒はまた、互変異性型であり得る。式(I)の触媒の可能な互変異性型はすべて、本発明との関連においては、同等と認められる。
【0021】
さらに、式(I)の触媒は、プロトン型であり得る。
【0022】
式(I)の触媒は、さらに、錯体型、特に亜鉛、鉄またはモリブデンのカチオンを有する錯体型であり得る。
【0023】
式(I)の触媒において、Aは、特には、2〜50個、好ましくは3〜30個の炭素原子を有し、不飽和部分を含んでもよく、ヘテロ原子、特に酸素または窒素原子を含んでもよく、かつアミノ基、水酸基またはシラン基を含んでもよい、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基である。
【0024】
より好ましくは、Aは、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、ラウリル、シクロヘキシル、ベンジル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、オキシエチレン単位および1,2−オキシプロピレン単位を有し、かつ分子量が約180〜600g/molの範囲のポリオキシアルキレン基、N−メチル−3−アミノプロピル、N−(2−エチルヘキシル)−3−アミノプロピル、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、3−アミノペンチル、5−アミノ−4−メチルペンチル、5−アミノ−2−メチルペンチル、6−アミノヘキシル、6−アミノ−3,3(5),5−トリメチルヘキシル、6−アミノ−2,2(4),4−トリメチルヘキシル、8−アミノオクチル、10−アミノデシル、12−アミノドデシル、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル、3−アミノ−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルメチル、3−アミノメチルシクロヘキシルメチル、4−アミノメチルシクロヘキシルメチル、3−アミノメチルベンジル、5−アミノ−3−オキサペンチル、分子量が約200〜500g/molの範囲のω−2−アミノプロピルポリオキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル、3−トリメトキシシリルプロピル、3−トリエトキシシリルプロピル、3−ジメトキシメチルシリルプロピル、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−アミノエチルおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−アミノエチルからなる群から選択される。
【0025】
本発明の一実施形態においては、6〜30個の炭素原子を有し、エーテル系酸素は別として、さらなる官能基を有さないヒドロカルビル基、すなわち、特には、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ラウリル、シクロヘキシル、ベンジル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、またはオキシエチレン単位および1,2−オキシプロピレン単位を有し、かつ分子量が約180〜600g/molの範囲のポリオキシアルキレン基が、A基として好ましい。そのような式(I)の触媒は、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、安価な原料から非常に簡単な方法でかつ高純度に製造することができる。
【0026】
驚くべきことに、そのようなシラン基を含まない触媒は、硬化の過程で有機ポリマーに加えられないとはいえ、ポリマーの表面にマイグレートしない。
【0027】
本発明のさらなる好ましい実施形態においては、シラン基を有さず、3〜30個の炭素原子を有し、エーテル系酸素を有してもよく、さらに、少なくとも1つの水酸基、または第一級もしくは第二級アミノ基を有するヒドロカルビル基、すなわち、特には、N−メチル−3−アミノプロピル、N−(2−エチルヘキシル)−3−アミノプロピル、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、3−アミノペンチル、5−アミノ−4−メチルペンチル、5−アミノ−2−メチルペンチル、6−アミノヘキシル、6−アミノ−3,3(5),5−トリメチルヘキシル、6−アミノ−2,2(4),4−トリメチルヘキシル、8−アミノオクチル、10−アミノデシル、12−アミノドデシル、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル、3−アミノ−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルメチル、3−アミノメチルシクロヘキシルメチル、4−アミノメチルシクロヘキシルメチル、3−アミノメチルベンジル、5−アミノ−3−オキサペンチル、分子量が約200〜500g/molの範囲のω−2−アミノプロピルポリオキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、または5−ヒドロキシ−3−オキサペンチルが、A基として好ましい。そのような式(I)の触媒は、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ臭気レベルが低い。驚くべきことに、それはかなりの不揮発性である。水酸基、または第一級もしくは第二級アミノ基を有するため、それは非常に高い触媒活性を有するか、またはシラン基含有有機ポリマーと非常に良好な相互作用を有し得る。驚くべきことに、そのようなシラン基を含まない触媒は、硬化の過程で有機ポリマーに組み込まれないが、ポリマーの表面にマイグレートすることはない。
【0028】
これらのなかでも、第一級もしくは第二級アミノ基を有するA基が好ましい。これらの式(I)の触媒は、非常に高い触媒活性を有する。
【0029】
本発明のさらなる実施形態においては、シラン基を有さず、3〜30個の炭素原子を有し、エーテル系酸素を有してもよく、さらに、少なくとも1つの第三級アミノ基を有するヒドロカルビル基、特に3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルが、A基として好ましい。そのような式(I)の触媒は非常に高い触媒活性を有する。さらに、それは湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ臭気レベルが低い。驚くべきことに、そのようなシラン基を含まない触媒は、硬化の過程で有機ポリマーに組み込まれないが、ポリマーの表面にマイグレートすることはない。
【0030】
本発明のさらなる実施形態においては、シラン基を有するヒドロカルビル基、すなわち、特には、3−トリメトキシシリルプロピル、3−トリエトキシシリルプロピル、3−ジメトキシメチルシリルプロピル、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−アミノエチルまたはN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−アミノエチルが好ましい。そのような式(I)の触媒は、組成物の硬化において共有結合的に付着し、それによりマイグレーション現象が実質的に妨げられる。
【0031】
そのようなシラン基を含有する式(I)の触媒はまた、縮合し、したがってオリゴマー体で存在し得る。この場合、式(I)の分子が2分子以上、シロキサン結合によって縮合して、鎖状または環状化合物を形成する。
【0032】
Aは、RおよびRと同じ基ではないことが好ましい。具体的には、RおよびRがそれぞれシクロへキシル基であるとき、Aはシクロへキシル基ではない。A、RおよびRが同じ基である式(I)の触媒は、それらの高い対称性のために結晶化しやすく、それは、それらの処理を困難にする。
【0033】
は、水素であることがより好ましい。このような式(I)の触媒は、非常に良好な製造性と、非常に高い活性とを有する。RおよびRは、それぞれ独立して、1〜12個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有し、かつヘテロ原子、特に窒素原子を含んでもよい、アルキル基またはシクロアルキル基であることが好ましい。
【0034】
およびRは、それぞれ独立して、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはシクロヘキシルであることが好ましく、特にはイソプロピルまたはシクロヘキシルであり、最も好ましくはシクロヘキシルである。
【0035】
触媒の好ましい実施形態は、商業的に入手可能な安価な原料から調製することができ、触媒活性および触媒の相溶性に関し非常に良好な特性を有する。
【0036】
式(I)の触媒は、室温で液体であることが好ましい。そのような触媒は、運搬および添加が容易であり、かつ組成物に対する混入性に優れるが、一方、固体は、通常、溶媒を必要とする。
【0037】
シラン基含有有機ポリマーと式(I)の触媒との重量比は、少なくとも10/1が好ましく、特には少なくとも20/1であり、より好ましくは少なくとも40/1である。
【0038】
シラン基含有有機ポリマーと式(I)の触媒との重量比は、最大でも10,000/1が好ましく、特には最大でも2,000/1であり、より好ましくは最大でも1,000/1である。
【0039】
シラン基含有有機ポリマーと式(I)の触媒との重量比は、10/1〜2,000/1の範囲が好ましく、20/1〜1,000/1の範囲がより好ましく、特には40/1〜1,000/1である。
【0040】
そのような組成物は良好な貯蔵可能性と速硬化性とを有する。
【0041】
式(I)の触媒は、特に、式(II)の少なくとも1種のアミンと式(III)の少なくとも1種のカルボジイミドとの反応によって得ることができる。
【化2】
A、R、RおよびRは、上で既に記載されている。
【0042】
アミンとカルボジイミドとの反応は、高温で、特に40〜160℃で行うことが好ましく、60〜140℃で行うことがより好ましい。この反応はVOC溶媒を使用せずに完全に行うことができる。反応を促進するため、任意選択により、触媒、特に酸、例えばカルボン酸もしくは炭酸、またはルイス酸、例えば三フッ化ホウ素エーテラート、塩化アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトナート、塩化鉄(III)、過塩素酸リチウム、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、亜鉛トリフラートもしくはランタントリフラートを使用することができる。
【0043】
反応は一段もしくは多段で行うことができる。
【0044】
反応は、式(III)のカルボジイミドに関して、準化学量論的乃至化学量論的な比率で、好ましくは、式(II)のアミン1モル当たり、式(III)のカルボジイミドが0.1〜1.0mol使用される比率で行われることが適切である。したがって、式(II)のアミンが2個以上のアミノ基を有していても、式(II)のアミン1個につき、多くとも1個のアミノ基のみが使用される。
【0045】
このプロセスによる反応生成物は、揮発性化合物を任意選択により減圧して蒸留除去することを除き、仕上げおよび/または精製せずに組成物に使用することが好ましい。
【0046】
式(II)のアミンは、通常、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を有する脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族アミンであり、特には、以下の群から選択される:
− エーテル基を有してもよい脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族モノアミン、特にメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、3−メチル−2−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ならびに天然脂肪酸混合物から誘導される脂肪アミン、例えばココアルキルアミン、C16〜C22−アルキルアミン、ソヤアルキルアミン、オレイルアミンおよびタロウアルキルアミン(例えば、Armeen(登録商標)(Akzo Nobelから)またはRofamin(登録商標)(Ecogreen Oleochemicalsから)の商品名で得られる)、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、2−ブトキシエチルアミン、2−シクロヘキシルオキシエチルアミン、2−ベンジルオキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−ヘキシルオキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−シクロヘキシルオキシプロピルアミン、3−フェニルオキシプロピルアミン、3−(2−メトキシエトキシ)プロピルアミン、2(4)−メトキシフェニルエチルアミン、モルフォリン、2,6−ジメチルモルフォリンおよび2−アミノエチルモルフォリン、ポリエーテルアミン、特にポリオキシアルキレンアミン、特に商業的に入手可能なタイプ、例えば、特に、Jeffamine(登録商標)XTJ−581、Jeffamine(登録商標)M−600、Jeffamine(登録商標)M−1000、Jeffamine(登録商標)M−2005、Jeffamine(登録商標)M−2070(いずれもHuntsmanから)、および脂肪アルコールまたはアルキルフェノールアルコキシレートのアミン、例えば、特に、Jeffamine(登録商標)XTJ−247、Jeffamine(登録商標)XTJ−248、Jeffamine(登録商標)XTJ−249、Jeffamine(登録商標)XTJ−435およびJeffamine(登録商標)XTJ−436(いずれもHuntsmanから)、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、メチルブチルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、メチルベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、N−メチルピペラジンおよびN−エチルピペラジン;
− 脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族ポリアミンおよびヒドロキシルアミン、特にエチレンジアミン、1,2−および1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,2−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−および1,4−ブタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン(DAMP)、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン(C11ネオジアミン)、1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−、1,3−および1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチルシクロヘキシル)メタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミンまたはIPD)、2−および4−メチル−1,3−ジアミノシクロへキサン、その混合物、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,4−ジアミノ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)、1,8−メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N−メチル−1,2−エタンジアミン、N−エチル−1,2−エタンジアミン、N−ブチル−1,2−エタンジアミン、N−ヘキシル−1,2−エタンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,2−エタンジアミン、N−シクロヘキシル−1,2−エタンジアミン、4−アミノメチルピペリジン、3−(4−アミノブチル)ピペリジン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−エチル−1,3−プロパンジアミン、N−ブチル−1,3−プロパンジアミン、N−ヘキシル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,3−プロパンジアミン、N−ドデシル−1,3−プロパンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、3−メチルアミノ−1−ペンチルアミン、3−エチルアミノ−1−ペンチルアミン、3−ブチルアミノ−1−ペンチルアミン、3−ヘキシルアミノ−1−ペンチルアミン、3−(2−エチルヘキシル)アミノ−1−ペンチルアミン、3−ドデシルアミノ−1−ペンチルアミン、3−シクロヘキシルアミノ−1−ペンチルアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノプロピル)ピペラジン、N−((3−ジメチルアミノ)プロピル)−1,3−ジアミノプロパン、ならびに3−アミノプロピル化脂肪アミン、例えば、特に、N−ココアルキル−1,3−プロパンジアミン、N−オレイル−1,3−プロパンジアミン、N−ソヤアルキル−1,3−プロパンジアミン、N−タロウアルキル−1,3−プロパンジアミンおよびN−(C16〜22−アルキル)−1,3−プロパンジアミン(例えば、Duomeen(登録商標)(Akzo Nobelから)の商品名で得られる)、N,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン、N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ペンタンジアミン、2−アミノエチルピペリジン、2−アミノプロピルピペリジン、2−モリフォルノエチルアミン、3−モリフォルノプロピルアミン、N,N’−ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)プロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−2−エチルヘキシルアミン、天然脂肪酸から誘導される脂肪アミンの二重シアノエチル化、およびそれに続く還元による生成物、例えばN,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンおよびN,N−ビス(3−アミノプロピル)タロウアルキルアミン(例えば、Triameen(登録商標)Y12DおよびTriameen(登録商標)YT(Akzo Nobelから)として得られる)、4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、5〜7個のエチレンアミン単位を有するポリエチレンポリアミン(「高級エチレンポリアミン」と呼ばれる、HEPA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(N3−アミン)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン(N4−アミン)、ビスヘキサメチレントリアミン(BHMT)、N3−(3−アミノペンチル)−1,3−ペンタンジアミン、N5−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミンおよびN5−(3−アミノ−1−エチルプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−2,9−ジアミン、4,9−ジオキサドデカ−1,12−ジアミン、5,8−ジオキサドデカン−3,10−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、1,4−ジメチロールシクロヘキサンのプロポキシル化およびそれに続くアミノ化により得られるエーテル基含有脂環式ジアミン(具体的には、Jeffamine(登録商標)RFD−270(Huntsmanから)として得られる)、平均分子量が200〜2000g/molの範囲のポリオキシアルキレンアミン(例えば、Jeffamine(登録商標)(Huntsmanから)、Polyetheramine(BASFから)、およびPC Amine(登録商標)(Nitroilから)という商品名で商業的に入手可能で、それらは2−アミノプロピル末端基または2−アミノブチル末端基を有するという特徴を有する)、特にJeffamine(登録商標)D−230、Jeffamine(登録商標)D−400、Jeffamine(登録商標)D−2000、Jeffamine(登録商標)XTJ−582、Jeffamine(登録商標)XTJ−578、Jeffamine(登録商標)HK−511、Jeffamine(登録商標)ED−600、Jeffamine(登録商標)ED−900、Jeffamine(登録商標)ED−2003、Jeffamine(登録商標)XTJ−569、Jeffamine(登録商標)XTJ−533、Jeffamine(登録商標)XTJ−536、Jeffamine(登録商標)THF−100、Jeffamine(登録商標)THF−170、Jeffamine(登録商標)THF−140、Jeffamine(登録商標)THF−230、Jeffamine(登録商標)SD−231、Jeffamine(登録商標)SD−401、Jeffamine(登録商標)SD−2001、Jeffamine(登録商標)T−403、Jeffamine(登録商標)XTJ−566、Jeffamine(登録商標)ST−404(いずれも、Huntsmanから)、およびBASFとNitroilからの類似品、ポリオキシアルキレンアミンとアクリロニトリルと反応させ、その後水素化することによって得られるアミノプロピル化ポリオキシアルキレンアミン、ポリエチレンイミン、特に、Lupasol(登録商標)(BASFから)またはEpomin(登録商標)(株式会社日本触媒から)の商品名で商業的に入手可能な製品、例えば、Lupasol(登録商標)FG、Lupasol(登録商標)G20無水物、Epomin(登録商標)SP−003、Epomin(登録商標)SP−006、Epomin(登録商標)SP−012およびEpomin(登録商標)SP−018、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、(2−アミノ−1−プロパノール)、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、7−アミノ−1−ヘプタノール、8−アミノ−1−オクタノール、10−アミノ−1−デカノール、12−アミノ−1−ドデカノール、4−(2−アミノエチル)−2−ヒドロキシエチルベンゼン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール;第一級アミノ基を有するグリコール誘導体、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ならびにこれらのグリコールの高級オリゴマーおよびポリマー、特に2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エタノール、アルファ−(2−ヒドロキシメチルエチル)−ω−(2−アミノメチルエトキシ)ポリ(オキシ(メチル−1,2−エタンジイル))、1つの水酸基および1つの第1級アミノ基を有するポリアルコキシル化トリ−またはより高次の多価アルコール、グリコールの単一のシアノエチル化、およびそれに続く水素化により得られる生成物、特に3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルアミン、3−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミンおよび3−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)プロピルアミン;
− アミノシラン、特に3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−メチルブチルジメトキシメチルシラン、4−アミノ−3、3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3、3−ジメチルブチルジメトキシメチルシラン、およびケイ素原子上のメトキシ基に代えてエトキシ基を有するその類似物。
【0047】
これらのなかでも、少なくとも1つの第一級アミノ基を有するアミンが好ましい。
【0048】
これらのなかでも、さらに、2〜50個の炭素原子を有するアミンが好ましく、3〜30個の炭素原子を有するアミンが特に好ましい。
【0049】
特に好ましいアミンは、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、ラウリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、オキシエチレン単位および1,2−オキシプロピレン単位を有し、かつ平均分子量が約180〜600g/molの範囲のポリオキシアルキレンアミン、特にJeffamine(登録商標)M−600、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,3−プロパンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,3−ペンタンジアミン(DAMP)、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミンまたはIPD)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、平均分子量が約220〜500g/molの範囲のポリオキシプロピレンジアミン、特にJeffamine(登録商標)D−230およびJeffamine(登録商標)D−400、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される。
【0050】
これらのなかでも、シラン基または水酸基を有さず、かつ6〜30個の炭素原子を有する第一級モノアミン、すなわち、より特には、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−デシルアミン、ラウリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、2−メトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ならびにオキシエチレンおよび1,2−オキシプロピレン単位を有し、かつ平均分子量が約180〜600g/molの範囲のポリオキシアルキレンアミン、特にJeffamine(登録商標)M−600が好ましい。これらのアミンによれば、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、安価な原料から非常に簡単な方法でかつ高純度に製造可能な式(I)の触媒を得ることができる。
【0051】
これらのなかでも、さらに、シラン基を有さず、かつ3〜30個の炭素原子を有するヒドロキシルアミンおよびポリアミン、特にN−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,3−プロパンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,3−ペンタンジアミン(DAMP)、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、1,6−ヘキサンジアミン、2,2(4),4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミンまたはIPD)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、ビス(2−アミノプロピル)エーテル、分子量が約220〜500g/molの範囲のポリオキシプロピレンジアミン、特にJeffamine(登録商標)D−230およびJeffamine(登録商標)D−400、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよび2−(2−アミノエトキシ)エタノールが好ましい。これらのアミンによれば、驚くべきことに、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、臭気レベルの低い、および水酸基またはアミノ基により、極めて高い活性、またはシラン基含有有機ポリマーとの非常に良好な相互作用などのさらなる効果を有することができる、不揮発性の式(I)の触媒を得ることができる。
【0052】
これらのなかでも、さらに、シラン基を有さず、3〜30個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの第3級アミノ基を有するポリアミン、特に、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンが好ましい。これらのアミンによれば、驚くべきことに、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ臭気レベルの低い式(I)の活性触媒を得ることができる。
【0053】
これらのなかでも、シラン基を含むアミン、すなわち、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらのアミンによれば、驚くべきことに、組成物の硬化の過程で共有結合的に付着し、それによりマイグレーション現象が実質的に妨げられる式(I)の触媒を得ることができる。
【0054】
適切なカルボジイミドは、通常、脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族カルボジイミドであり、特に、単純な、商業的に入手可能な脂肪族および脂環式カルボジイミドである。
【0055】
式(III)のカルボジイミドは、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)およびN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)からなる群から選択されることが好ましい。N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、特にDCCが特に好ましい。
【0056】
好ましい実施形態においては、式(I)の触媒は、「インサイチューで」、すなわち、シラン基含有有機ポリマーの存在下で調製される。この目的のために、式(II)のアミンおよび式(III)のカルボジイミドが、シラン基含有有機ポリマーと混合され、40〜120℃の範囲の温度で転換される。インサイチュー反応は、特にまた、シラン基含有有機ポリマーをベースとした組成物に典型的なさらなる成分の存在下に、特に、以下にさらに記載するような補助剤および添加剤の存在下に行うことができる。驚くべきことに、式(I)の触媒を得る反応はまた、それぞれシラン基含有有機ポリマーをベースとした、完全に処方された封止剤、接着剤またはコーティング剤において、すなわち、例えば、乾燥剤および/または可塑剤および/または充填剤および/またはレオロジー改質剤の存在下に、インサイチューで行うことができる。このように触媒はある特定の時間の遅延を持って形成され、そのため、コンパウンディングプロセスをわずかに中断させるのみであるため、式(I)の触媒は、組成物においてインサイチューで調製することが特に好ましい。これは、実際に大きい利点を構成し得る。例えば、充填剤などの湿気を含む構成成分の場合、充填剤は乾燥剤を含む組成物中で乾燥させることができ、その水分が触媒の関与によってシラン基含有有機ポリマーと反応することはない。その結果、組成物の粘度が不必要に上昇することはない。
【0057】
特に好ましい式(I)の触媒は、1−ヘキシル−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−ヘキシル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−オクチル−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−オクチル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(2−エチルヘキシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(2−エチルヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−デシル−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−デシル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−ラウリル−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−ラウリル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−シクロヘキシル−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン、1−ベンジル−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−ベンジル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(2−メトキシエチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(2−メトキシエチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(2−メトキシプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(2−メトキシプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、分子量が約320〜750g/molの範囲の1−(ω−メトキシ−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、分子量が約400〜830g/molの範囲の1−(ω−メトキシ−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(2−アミノプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(2−アミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−アミノプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−アミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−メチルアミノプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−メチルアミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−(2−エチルヘキシルアミノ)プロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−(2−エチルヘキシルアミノ)プロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−シクロヘキシルアミノプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−シクロヘキシルアミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−アミノペンチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−アミノペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(5−アミノ−4−メチルペンチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(5−アミノ−4−メチルペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(5−アミノ−2−メチルペンチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(5−アミノ−2−メチルペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(6−アミノヘキシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(6−アミノヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(6−アミノ−2,2(4),4−トリメチルヘキシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(6−アミノ−2,2(4),4−トリメチルヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(6−アミノ−3,3(5),5−トリメチルヘキシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(6−アミノ−3,3(5),5−トリメチルヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(8−アミノオクチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(8−アミノオクチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(10−アミノデシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(10−アミノデシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(12−アミノドデシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(12−アミノドデシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−アミノ−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルメチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−アミノ−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルメチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−アミノメチルシクロヘキシルメチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−アミノメチルシクロヘキシルメチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(4−アミノメチルシクロヘキシルメチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(4−アミノメチルシクロヘキシルメチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−アミノメチルベンジル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−アミノメチルベンジル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(5−アミノ−3−オキサペンチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(5−アミノ−3−オキサペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、分子量が約340〜650g/molの範囲の1−(ω−2−アミノプロピルポリオキシプロピレン)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、分子量が約420〜750g/molの範囲の1−((アミノポリオキシプロピレン)イル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−ヒドロキシプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−アミノエチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン、1−(N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−アミノエチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1−(N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−アミノエチル)−2,3−ジイソプロピルグアニジンおよび1−(N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−アミノエチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジンからなる群から選択される。
【0058】
これらのなかでも、シラン基、アミノ基および水酸基を有さないグアニジンが好ましい。これらのグアニジンは、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ非常に純度の高い形態で調製することができる。
【0059】
これらのなかでも、さらに、第一級もしくは第二級アミノ基または水酸基を有し、かつシラン基を有さないグアニジンが好ましい。これらのグアニジンは、驚くべきことに、不揮発性で、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ臭気レベルが低く、および水酸基またはアミノ基の結果として、さらなる効果、例えば、非常に高い活性、またはシラン基含有有機ポリマーと非常に良好な相互作用を有し得る。
【0060】
これらのなかでも、さらに、第三級アミノ基を有し、かつシラン基を有さないグアニジンが好ましい。これらのグアニジンは、驚くべきことに、高い活性を有し、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、低い臭気レベルを有する。これらのなかでも、さらに、シラン基を含有するグアニジンが好ましい。これらのグアニジンは、組成物の硬化の過程で共有結合的に付着し、これによりマイグレーション現象が実質的に妨げられる。
【0061】
シラン基含有有機ポリマーは、それぞれが1個、好ましくは複数のシラン基を有する、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレートもしくはポリエーテル、またはこれらのポリマーの混合形態であることが好ましい。シラン基は、側鎖の位置にあっても末端の位置にあってもよく、炭素原子を介して有機ポリマーに結合している。
【0062】
シラン基含有有機ポリマーは、シラン基含有ポリオレフィン、もしくはシラン基含有ポリエステル、もしくはシラン基含有ポリ(メタ)アクリレート、もしくはシラン基含有ポリエーテル、またはこれらのポリマーの混合形態であることがより好ましい。シラン基含有ポリエーテルが最も好ましい。
【0063】
有機ポリマーの好ましいシラン基は、式(IV)
【化3】
(式中、
は、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状の1価のヒドロカルビル基、特にメチル、エチルまたはイソプロピルであり;
は、1〜8個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状の1価のヒドロカルビル基、特にメチルまたはエチルであり;
xは、0、1または2、好ましくは0または1、特には0である)
の末端基である。より好ましくは、Rはメチルまたはエチルである。
【0064】
特定の用途では、R基は、エチル基が好ましく、この場合、組成物の硬化の過程で、生態学的にも毒物学的にも無害なエタノールが放出されるからである。
【0065】
トリメトキシシラン基、ジメトキシメチルシラン基またはトリエトキシシラン基が特に好ましい。これに関連して、メトキシシラン基は反応性が非常に高いという利点を有し、エトキシシラン基は毒物学的に有利であり、かつ貯蔵安定性に非常に優れるという利点を有する。
【0066】
シラン基含有有機ポリマーは、1分子中に平均で好ましくは1.3〜4個、特に1.5〜3個、より好ましくは1.7〜2.8個のシラン基を有する。シラン基は末端であることが好ましい。
【0067】
シラン基含有有機ポリマーは、ポリスチレンをスタンダードとしたGPCにより測定される平均分子量が、1000〜30,000g/mol、特には2000〜20,000g/molの範囲にあることが好ましい。シラン基含有有機ポリマーは、シラン当量が300〜25,000g/eq、特には500〜15,000g/eqの範囲にあることが好ましい。
【0068】
シラン基含有有機ポリマーは、室温で固体または液体であり得る。それは室温で液体であることが好ましい。
【0069】
シラン基含有有機ポリマーは、室温で液体のシラン基含有ポリマーであることが最も好ましく、そのシラン基は、特にはジアルコキシシラン基および/またはトリアルコキシシラン基であり、より好ましくはトリメトキシラン基またはトリエトキシラン基である。
【0070】
シラン基含有ポリエーテルの調製方法は、当業者には知られている。
【0071】
1つの方法では、シラン基含有ポリエーテルは、アリル基を含むポリエーテルをヒドロシランと反応させることにより得ることができ、反応は、任意選択により、例えばジイソシアネートを用いる鎖延長を含んでもよい。
【0072】
他の方法では、シラン基含有ポリエーテルは、アルキレンオキサイドとエポキシシランとの共重合により得ることができ、そこでは、任意選択により、例えばジイソシアネートを用いる鎖延長を含んでもよい。
【0073】
他の方法では、シラン基含有ポリエーテルは、イソシアネート基含有ポリエーテルポリオールとイソシアネートシランとの反応により得ることができ、そこでは、任意選択により、ジイソシアネートを用いる鎖延長を含んでもよい。
【0074】
他の方法では、シラン基含有ポリエーテルは、イソシアネート基含有ポリエーテル、特に、ポリエーテルポリオールを超化学量論的な量のポリイソシアネートと反応させることにより得られるNCO末端ウレタンポリエーテルと、アミノシラン、ヒドロキシシランまたはメルカプトシランとの反応により得ることができる。この方法によるシラン基含有ポリエーテルが特に好ましい。この方法によれば、商業的入手性に優れる多くの安価な原料の使用が可能となり、この方法により、種々のポリマー特性、例えば高伸展性、高強度、低弾性率、低ガラス転移点または高耐候性を得ることができる。
【0075】
より好ましくは、シラン基含有ポリエーテルは、NCO末端ウレタンポリエーテルと、アミノシランまたはヒドロキシシランとの反応により得ることができる。好適なNCO末端ウレタンポリエーテルは、ポリエーテルポリオール、特にポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオール、好ましくはポリオキシプロピレンジオールまたはポリオキシプロピレントリオールと、超化学量論的な量のポリイソシアネート、特にジイソシアネートとの反応により得ることができる。
【0076】
ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応は、湿気を除いた状態で、50℃〜160℃の温度で、任意選択により適切な触媒の存在下に、ポリイソシアネートを、そのイソシアネート基がポリオールの水酸基に対し化学量論的に過剰に存在するように定量添加して行うことが好ましい。具体的には、ポリイソシアネートの過剰量は、すべての水酸基が反応した後の生成ウレタンポリエーテル中に、ポリマー全体の0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.2重量%〜4重量%、より好ましくは0.3重量%〜3重量%の量の遊離イソシアネート基が残存するように選択することが好ましい。
【0077】
好ましいジイソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1−イソシアネート−3,3−5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートとこれらの異性体との任意の所望の混合物(TDI)、ならびに4,4’−、2,4’−および2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートとこれらの異性体との任意の所望の混合物(MDI)からなる群から選択される。IPDIまたはTDIが特に好ましい。IPDIが最も好ましい。このような方法で、非常に良好な耐光性を有するシラン基含有ポリエーテルが得られる。
【0078】
ポリエーテルポリオールとして特に適しているのは、不飽和度が0.02meq/g未満、特に0.01meq/g未満であり、かつ平均分子量が400〜25,000g/mol、特に1000〜20,000g/mol未満のポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオールである。
【0079】
ポリエーテルポリオールのみならず、他のポリオール、特にポリアクリレートポリオールおよび低分子量のジオールまたはトリオールの一部を使用することもできる。
【0080】
NCO末端ウレタンポリエーテルとの反応に適したアミノシランは、第一級および第二級アミノシランである。3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、またはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどの第一級アミノシランと、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジエステルもしくはフマル酸ジエステル、シタラコン酸ジエステルもしくはイタコン酸ジエステルなどのマイケル受容体から生成された付加物、特に、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジメチルもしくはN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチルが好ましい。ケイ素原子上のメトキシ基に代えてエトキシ基またはイソプロポキシ基を有する上記のアミノシランの類似物もまた同様に適している。
【0081】
NCO末端ウレタンポリエーテルとの反応に適したヒドロキシシランは、特に、アミノシランのラクトン、環状炭酸エステルまたはラクチドへの付加から得ることができる。
【0082】
この目的のために適したアミノシランは、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシランまたは2−アミノエチルトリエトキシシランである。3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシランまたは4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリエトキシシランが特に好ましい。
【0083】
好適なラクトンは、特にγ−バレロラクトン、γ−オクタラクトン、δ−デカラクトンおよびε−デカラクトンであり、特にγ−バレロラクトンである。好適な環状炭酸エステルは、特に4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4−(フェノキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オンである。好適なラクチドは、特に1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(2−ヒドロキシ酢酸から生成されるラクチドで、「グリコリド」とも呼ばれる)、3,6−ジメチル−1、4−ジオキサン−2,5−ジオン(乳酸から生成されるラクチドで、「ラクチド」とも呼ばれる)および3,6−ジフェニル−1、4−ジオキサン−2,5−ジオン(マンデル酸から生成されるラクチド)である。
【0084】
この方法で得られる好ましいヒドロキシシランは、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシペンタンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシオクタンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−5−ヒドロキシデカンアミドおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロピルカルバメートである。
【0085】
さらに、好適なヒドロキシシランはまた、アミノシランのエポキシドへの付加、またはアミンのエポキシシランへの付加から得ることができる。この方法で得られる好ましいヒドロキシシランは、2−モルフォリノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルフォリノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、または1−モルフォリノ−3−(3−(トリエトキシシリル)プロポキシ)プロパン−2−オールである。
【0086】
他の好適なシラン基含有ポリエーテルは、商業的に入手可能な製品、特に次のものである:MS PolymerTM(株式会社カネカから;特に、S203H、S303H、S227、S810、MA903およびS943製品);MS PolymerTMまたはSilylTM(株式会社カネカから;特に、SAT010、SAT030、SAT200、SAX350、SAX400、SAX725、MAX450、MAX951製品);Excestar(登録商標)(旭硝子株式会社から;特に、S2410、S2420、S3430、S3630製品);SPUR+(Momentive Performance Materialsから;特に、1010LM、1015LM、1050MM製品);VorasilTM(Dow Chemical Co.;特に、602および604製品);Desmoseal(登録商標)(Bayer Material Science AGから;特に、S XP 2458、S XP 2636、S XP 2749、S XP 2774およびS XP 2821製品);TEGOPAC(登録商標)(Evonik Industries AGから;特に、Seal 100、Bond 150、Bond 250製品)、Polymer ST(Hanse Chemie AG/Evonik Industries AGから、特に、47、48、61、61LV、77、80、81製品);Geniosil(登録商標)STP(Wacker Chemie AGから;特に、E10、E15、E30、E35製品)。
【0087】
特に好ましい式(IV)の末端基は、式(V)
【化4】
(式中、
は、1〜12個の炭素原子を有し、環状部分および/または芳香族部分を有してもよく、かつ1個以上のヘテロ原子、特に1個以上の窒素原子を有してもよい、直鎖状もしくは分岐状の2価のヒドロカルビル基であり;
Yは、−О−、−S−、−N(R10)−、−O−CO−N(R10)−、−N(R10)−CO−O−および−N(R10)−CO−N(R10)−(但し、R10は、水素原子、または1〜20個の炭素原子を有し、環状部分を有してもよく、かつアルコキシシリル基、エーテル基またはカルボン酸エステル基を有してもよい、直鎖状もしくは分岐状のヒドロカルビル基である)から選択される2価の基であり、かつ
、Rおよびxは、上で既に示された定義を有する)
の末端基である。
【0088】
は、1,3−プロピレンまたは1,4−ブチレン(但し、ブチレンは1または2個のメチル基で置換されていてもよい)であることが好ましい。Rは、1,3−プロピレンであることがより好ましい。
【0089】
本発明の組成物は、式(I)の触媒に加えて、シラン基架橋用のさらなる触媒を含有していてもよい。好適なさらなる触媒は、特に金属触媒および/または塩基性の窒素もしくはリン化合物である。
【0090】
可能な金属触媒は、特に、スズ、チタン、ジルコニウム、アルミニウムまたは亜鉛の化合物、特に、ジオルガノスズ(IV)化合物、例えば、特に、ジブチルスズ(IV)ジアセテート、ジブチルスズ(IV)ジラウレート、ジブチルスズ(IV)ジネオデカノエートまたはジブチルスズ(IV)ビス(アセチルアセトナート)、およびジオクチルスズ(IV)ジラウレートであり、また、チタン(IV)、ジルコニウム(IV)、アルミニウム(III)または亜鉛(II)錯体、特に、アルコキシ、カルボキシレート、1,3−ジケトナート、1,3−ケトエステラートまたは1,3−ケトアミダートのリガンドを含むものである。
【0091】
可能な塩基性の窒素もしくリン化合物は、特に、イミダゾール、ピリジン、ホスファゼン塩基、または好ましくはアミン、ヘキサヒドロトリアジン、ビグアニジン、アミジンもしくは式(I)に相当しないグアニジンである。
【0092】
好適なアミンは、特に、アルキル−、シクロアルキル−またはアラルキルアミン、例えば、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、1−ブチルアミン、2−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−メチル−1−ブチルアミン、3−メチル−2−ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、ステアリルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン;天然脂肪酸混合物から誘導される脂肪族アミン、例えば、特に、ココアルキルアミン、N,N−ジメチルココアアルキルアミン、C16〜22−アルキルアミン、N,N−ジメチル−C16〜22−アルキルアミン、ソヤアルキルアミン、N,N−ジメチルソヤアルキルアミン、オレイルアミン、N,N−ジメチルオレイルアミン、タロウアルキルアミンまたはN,N−ジメチルタロウアルキルアミン(例えば、Armeen(登録商標)(Akzo Nobelから)またはRofamin(登録商標)(Ecogreen Oleochemicalsから)の商品名で得られる);脂肪族、脂環式または芳香脂肪族ジアミン、例えば、エチレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミン、ネオペンタンジアミン、2−メチル−ペンタメチレンジアミン(MPMD)、2,2(4),4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、イソホロンジアミン(IPD)、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、1,3−キシレンジアミン(MXDA)、N,N’−ジ(tert−ブチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、脂肪ポリアミン、例えばN−ココアルキル−1,3−プロパンジアミン、N−オレイル−1,3−プロパンジアミン、N−ソヤアルキル−1,3−プロパンジアミン、N−タロウアルキル−1,3−プロパンジアミンまたはN−(C16〜22−アルキル)−1,3−プロパンジアミン(例えば、Duomeen(登録商標)(Akzo Nobelから)の商品名で得られる);ポリアルキレンジアミン、例えばジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタメチレンヘキサミン(PEHA)、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N−(3−アミノプロピル)−N−メチルプロパンジアミン、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン(N−AEP)、N−(2−アミノプロピル)ピペラジン、N,N’−ジ(2−アミノエチル)ピペラジン、1−メチル−4−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、ポリエチレンイミン(例えば、Lupasol(登録商標)(BASFから)およびEpomin(登録商標)(日本触媒日本触媒から)の商品名で得られる);エーテルアミン、例えば、特に、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−(2−メトキシエトキシ)プロピルアミン、2(4)−メトキシフェニルエチルアミン、モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、2−アミノエチルモルフォリン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(ジモルフォリノエチル)エーテル、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビス(2−アミノエチル)エーテル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−2,9−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、5,8−ジオキサドデカン−3,10−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、または2−アミノプロピル末端グリコール(例えば、Jeffamine(登録商標)の商品名で得られる(Huntsmanから));アミノアルコール、例えば、特に、エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロピルアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−ジイソプロパノールアミン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールアミン、またはモノ−もしくはポリアミンとエポキシドもしくはジエポキシドから生成される付加物;フェノール基含有アミン、例えば、特に、フェノール、アルデヒドおよびアミンから生成される縮合生成物(マンニッヒ塩基およびフェナルカミンと呼ばれるもの)、例えば、特に、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、またはフェノール、ホルムアルデヒドおよびN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンから生成されるポリマー、およびまたCardolite(登録商標)(Cardoliteから)、Aradur(登録商標)(Huntsmanから)およびBeckopox(登録商標)(Cytecから)という商品名で商業的に入手可能なフェナルカミン;ポリアミドアミンと呼ばれるアミド基含有ポリアミド(例えば、Versamid(登録商標)(Cognisから)、Aradur(登録商標)(Huntsmanから)、Euretek(登録商標)(Huntsmanから)またはBeckopox(登録商標)(Cytecから)という商品名で商業的に入手可能);あるいはアミノシラン、例えば、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、またはケイ素原子上のメトキシ基に代えてエトキシ基を有するその類似物である。
【0093】
好適なトリアジンは、特に1,3,5−ヘキサヒドロトリアジンまたは1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ヘキサヒドロトリアジンである。
【0094】
好適なビグアニドは、特にビグアニド、1−ブチルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1−ブチルビグアニド、1−フェニルビグアニドまたは1−(o−トリル)ビグアニド(OTBG)である。
【0095】
好適なアミジンは、特に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、N,N’−ジ−n−ヘキシルアセトアミジン(DHA)、2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2,5,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールまたはN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールである。
【0096】
好適な式(I)に相当しないグアニジンは、特に1−ブチルグアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、2−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,1,3,3−トラメチルグアニジン、2−(3−(メチルジメトキシシリル)プロピル)−1,1,3,3−トラメチルグアニジン、2−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−1,1,3,3−トラメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−シクロヘキシル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン(OTG)、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ(o−トリル)グアニジンまたは2−グアニジノベンズイミダゾールである。
【0097】
さらに、本発明の組成物は、共触媒として、酸、特にカルボン酸を含み得る。脂肪族カルボン酸、例えばギ酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、2−エチル−2、5−ジメチルカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、天然の脂肪および油の加水分解からの脂肪酸混合物、またはジ−およびポリカルボン酸、特にポリ(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0098】
好ましい実施形態においては、本発明の組成物は、有機スズ化合物を実質的に含まない。有機スズ非含有組成物は、健康および環境保護の観点から有利である。具体的には、組成物のスズ含有量は、0.1重量%未満、特に0.05重量%未満である。
【0099】
さらなる好ましい実施形態においては、本発明の組成物は、少なくとも1種の式(I)と少なくとも1種の有機スズ化合物、特に、上述したようなジオルガノスズ(IV)化合物との組み合わせを含む。そのような組成物は、既に、スズ含有量が少ないことに加えて、硬化速度が大きく、それは毒物学的および環境的理由から有利である。組成物のスズ含有量は、特には、1重量%未満である。
【0100】
本発明の一実施形態において、組成物は、シラン基含有有機ポリマーおよび式(I)の触媒とともに、少なくとも1種の有機チタネートをさらに含む。式(I)の触媒と有機チタネートとの組み合わせは、特に高い触媒活性を有する。これにより、式(I)の触媒を比較的少ない量で使用して、組成物を迅速に硬化させることが可能になる。
【0101】
好適な有機チタネートは、特にチタン(IV)錯体である。好ましい有機チタネートは、特に
− 2個の1,3−ジケトネートリガンド、特に2,4−ペンタンジオネート(=アセチルアセトネート)、および2個のアルコキシドリガンドを有するチタン(IV)錯体、
− 2個の1,3−ジケトエステレートリガンド、特にエチルアセトアセテート、および2個のアルコキシドリガンドを有するチタン(IV)錯体、
− 1個以上のアミノアルコキシドリガンド、特にトリエタノールアミンまたは2−((2−アミノエチル)アミノ)エタノール、および1個以上のアルコキシドリガンドを有するチタン(IV)錯体
− 4個のアルコキシドリガンドを有するチタン(IV)錯体、ならびに
− より高縮合の有機チタネート、特にポリブチルチタネートとも呼ばれるオリゴマーチタン(IV)テトラブトキシド
(ここで、好適なアルコキシドリガンドは、特にイソブトキシ、n−ブトキシ、イソプロポキシ、および2−エチルヘキソキシである)
から選択される。
【0102】
商業的に入手可能な製品Tyzor(登録商標)AA、GBA、GBO、AA−75、AA−65、AA−105、DC、BEAT、BTP、TE、TnBT、KTM、TOT、TPTまたはIBAY(いずれもDorf Ketalから);Tytan PBT、TET、X85、TAA、ET、S2、S4またはS6(いずれもBorica Company Ltd.)およびKen−React(登録商標)KR(登録商標)TTS、7、9QS、12、26S、33DS、38S、39DS、44、134S、138S、133DS、158FSまたはLICA(登録商標)44(いずれもKenrich Petrochemicals)が特に適している。
【0103】
非常に適した有機チタネートは、ビス(エチルアセトアセタト)ジイソブトキシチタン(IV)(例えば、Dorf KetalからTyzor(登録商標)IBAYとして商業的に入手可能)、ビス(エチルアセトアセタト)ジイソプロポキシチタン(IV)(例えば、Dorf KetalからTyzor(登録商標)DCとして商業的に入手可能)、ビス(アセチルアセトナト)ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト)ジイソブトキシチタン(IV)、トリス(オキシエチル)アミン−イソプロポキシチタン(IV)、ビス[トリス(オキシエチル)アミン]ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(2−エチルヘキサン−1,3−ジオキシ)チタン(IV)、トリス[2−((2−アミノエチル)アミノ)エトキシ]エトキシチタン(IV)、ビス(ネオペンチル(ジアリル)オキシ)ジエトキシチタン(IV)、チタン(IV)テトラブトキシド、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタネート、テトラ(イソプロポキシ)チタネートおよびポリブチルチタネートから選択される。最も好ましいのは、ビス(エチルアセトアセタト)ジイソブトキシチタン(IV)またはビス(エチルアセトアセタト)ジイソプロポキシチタン(IV)である。
【0104】
有機チタネート含有組成物において、シラン基含有有機ポリマーと式(I)の触媒との重量比は、40/1〜2,000/1の範囲であることが好ましい。
【0105】
有機チタネートと式(I)の触媒との重量比は、好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは5/1〜1/5、特には5/1〜1/3の範囲である。
【0106】
本発明の組成物は、さらなる成分、特に以下の補助剤および添加剤を含み得る:
− 接着促進剤および/または架橋剤、特に、アミノシラン、例えば、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、またはメトキシ基に代えてエトキシ基を有するそれらの類似物、およびまたN−フェニル−、N−シクロヘキシル−もしくはN−アルキルアミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリロイルシラン、アンハイドライドシラン、カルバメートシラン、アルキルシランもしくはイミノシラン、これらのシランのオリゴマー、第一級アミノシランとエポキシシラン、(メタ)アクリロイルシランもしくはアンハイドライドシランとから生成される付加物。特に適しているのは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシ−シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランもしくは3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、またはこれらのシランのオリゴマー;
− 乾燥剤、特に、テトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、もしくはシラン基のα位に官能基を有するオルガノアルコキシシラン、特にN−(メチルジメトキシシリルメチル)−O−メチルカルバメート、(メタクリロイルオキシメチル)シラン、メトキシメチルシラン、オルトギ酸エステル、酸化カルシウムまたはモレキュラーシーブ、特に、ビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシラン;
− 可塑剤、特に、カルボン酸エステル、例えば、フタル酸エステル、特にジオクチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ビス(3−プロピルヘプチル)フタレート、ジイソノニルフタレートもしくはジイソデシルフタレート、オルト−シクロヘキサンジカルボン酸のジエステル、特に1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、アジピン酸エステル、特にジオクチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、アゼライン酸エステル、特にビス(2−エチルヘキシル)アゼレート、セバシン酸エステル、特にビス(2−エチルヘキシル)セバケートまたはジイソノニルセバケート、ポリオール、特にポリオキシアルキレンポリオール、またはポリエステルポリオール、グリコールエーテル、グリコールエステル、有機リン酸エステルもしくは有機スルホン酸エステル、スルホンアミド、ポリブテン、または天然脂肪もしくは油から誘導される脂肪酸のメチルもしくはエチルエステル(「バイオディーゼル」とも呼ばれる);
− 溶媒;
− 無機もしくは有機充填剤、特に、脂肪酸、特にステアリン酸で被覆されていてもよい天然の重質もしくは沈降炭酸カルシウム、バライト(重晶石)、タルク、石英粉、石英砂、ドロマイト、珪灰石、カオリン、か焼カオリン、マイカ(ケイ酸アルミニウムカリウム)、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、熱分解法により生成された微粉シリカと含むシリカ、工業的に製造されたカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、鉄、銀または鋼鉄などの金属粉、PVC粉末または中空球;
− 繊維、特にガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、またはポリマー繊維、例えばポリアミド繊維もしくはポリエチレン繊維;
− 染料
− 顔料、特に酸化チタンまたは酸化鉄;
− レオロジー改質剤、特に増粘剤、特に層状ケイ酸塩、例えばベントナイト、キャスターオイルの誘導体、水素化キャスターオイル、ポリアミド、ポリウレタン、尿素化合物、フュームドシリカ、セルロースエーテル、または疎水的に改質されたポロキシエチレン;
− 酸化、熱、光またはUVに対する安定剤;
− 天然樹脂、脂肪または油、例えば、ロジン、セラック、亜麻仁油、キャスターオイルもしくは大豆油;
− 非反応性ポリマー、例えば、特に、特にエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニルもしくは(メタ)アクリル酸アルキルを含む群からの不飽和モノマーのホモ−もしくはコポリマー、特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)またはアタクチックポリ−α−オレフィン(APAO);
− 難燃性物質、特に、既述の充填剤、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム、または特に、有機リン酸エステル、例えば、特にトリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリス(1,3−ジクロロ−2−プロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、イソプロピル化度の異なるモノ−、ビス−もしくはトリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、またはアンモニウムポリホスフェート;
− 界面活性物質、特に、湿潤剤、レベリング剤、脱泡剤または消泡剤;
− 殺生物剤、特に、殺藻剤、殺菌剤または菌の増殖を抑制する物質;ならびに
水分硬化性組成物において通常使用されている他の物質。それらを組成物に混合する前に、ある特定の成分は化学的または物理的に乾燥させることが所望され得る。
【0107】
好ましい実施形態においては、組成物は少なくとも1種の乾燥剤と少なくとも1種の接着促進剤および/または架橋剤とを含む。好ましい実施形態においては、組成物は、可塑剤としてフタル酸エステルを含まない。そのような組成物は、毒物学的に有利であり、かつマイグレーション現象の問題がより少ない。
【0108】
本発明の組成物は、湿分を除いた状態で製造し貯蔵することが好ましい。通常、組成物は、適切な包装または配置、例えば、特に、瓶、容器、袋、バケツ、タンクまたはカートリッジに、湿分を除いた状態で貯蔵安定性を有する。
【0109】
本発明の組成物は、一液型、または多液型、特に2液型の組成物の形態を取り得る。本発明の組成物は、一液型組成物であることが好ましい。
【0110】
本明細書において、「一液型」は、組成物の全成分が同じ容器に混合物として貯蔵され、かつ湿分で硬化し得る組成物をいう。
【0111】
本明細書において、「ニ液型」は、組成物の成分が、個別の容器に貯蔵される2つの異なるコンポーネントで存在する組成物をいう。組成物を適用する少し前、または適用する過程でのみ、2つのコンポーネントが相互に混合され、そうすると直ぐに混合組成物は硬化する。硬化は湿分の作用によってのみ進み、完了する。
【0112】
本発明の組成物は、特に、5〜45℃の温度範囲で、好ましくは周囲温度で適用され、その条件下で硬化する。
【0113】
少なくとも1つの固体または製品に、記載された組成物が適用されると、組成物に含まれるシラン基が湿分と接触する。湿分と接触するとシラン基は加水分解する。これによりシラノール基(Si−OH基)が形成され、それに続く縮合反応がシロキサン基(Si−O−Si基)を形成する。さらなる湿分で反応する基が含まれるなら同様に、存在する湿分と反応する。これらの反応の結果、組成物が硬化する。式(I)の触媒はこの硬化を促進する。硬化に必要な水分は、空気(空気中の湿分)に由来させることができ、あるいは上記組成物を、水含有成分と、例えば平滑剤を、例えば塗布または噴霧することによって、接触させることができ、あるいは水または水含有成分を、組成物を適用する過程で、水性または水放出性の液体またはペーストの形態で、組成物に添加することができる。組成物自体がペーストの形態であれば、ペーストが特に好ましい。それは、特に、静的ミキサーまたは動的ミキサーによって混入される。そのような水含有成分は、通常、本発明の組成物に、本発明の組成物と水含有成分との重量比で、5:1〜200:1、好ましくは10:1〜100:1、特に10:1〜50:1の範囲で添加される。空気中の湿分による硬化の場合には、組成物は、その表面にスキン層を初期形成し、外側から内部に向けて硬化する。スキンタイムと呼ばれるのは、組成物の硬化速度の尺度である。硬化速度は一般に、様々な因子、例えば、水の利用可能度、温度などによって決定される。
【0114】
本発明の組成物は、良好な貯蔵可能性を有し、式(I)の触媒の低毒性および低揮発性から、低危険に分類することを可能にし、かつ低放出性で低臭気の組成物を可能にし、速やかに硬化し、その際、高い機械的品質を有する耐久性材料を形成する。この材料が、従来の触媒、例えば、DBU、TMG、DHAまたはチタン(IV)錯体を含む組成物と比較して、滲出または基材の汚染などのマイグレーションに関連する欠点を生じる傾向が殆どないのは、特に有利な点である。そのような触媒を含む組成物は、硬化後、マイグレーション現象を生じる傾向があるが、それは、硬化後、表面の粘着性および/または脂っぽさ、ならびに/あるいは基材の汚染によって現れ得る。表面の粘着性および/または脂っぽさは急速な汚染を招き、その上への塗布を困難にし、基材の汚染は長期の変色をもたらし得るため、そのような現象はあまり望ましくない。
【0115】
本発明の組成物は、多くの用途、特に、塗料、ラッカーまたはプライマーとして、繊維複合材料を製造するための樹脂として、構造用のポッティング材、封止剤、接着剤、被覆剤、コーティング剤または塗料として、また工業用途、例えば、継ぎ目シール、キャビティシール、電気絶縁材、スパックリング材、目地材、溶接もしくは圧着継ぎ目封止剤、組立て接着剤、構造接着剤、ガラス用接着剤、サンドイッチ要素用接着剤、貼り合わせ用接着剤、ラミネート接着剤、包装用接着剤、木用接着剤、寄木細工用接着剤、固着用接着剤、床用被覆剤、床用コーティング剤、バルコニー用コーティング剤、屋根用コーティング剤、コンクリート保護用コーティン剤、駐車場用コーティング剤、シール、パイプコーティング剤、耐食用コーティング剤、織物用コーティング剤、プライマー、減衰要素、シーリング要素、またはスパックリング材として適している。
【0116】
本願においては、本発明の組成物は、少なくとも1種の基材に適用される。好適な基材は、特に、
− ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、石こう、および石灰石、花崗岩または大理石などの天然石;
− 金属および合金、例えばアルミニウム、鉄、鋼および非鉄金属、ならびにまた表面仕上げ金属または合金、例えば亜鉛めっき金属またはクロムめっき金属;
− 革、布、紙、木、樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂またはエポキシ樹脂で接合された木質系材料、樹脂−布複合材、および他のポリマー複合材;
− プラスチック、例えばポリ塩化ビニル(硬質および軟質PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、エポキシ樹脂、ポリウレタン(PUR)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)およびエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)、ならびにまた繊維強化プラスチック、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFP)、ガラス維強化プラスチック(GFP)およびシート成形化合物(SMC)(ここで、プラスチックは、プラズマ、コロナまたは火炎により表面処理されていることが好ましい場合があり得る);
− 被覆基材、例えば、粉末で被覆された金属または合金;
− 塗料およびラッカー、特に、自動車のトップコート
である。
【0117】
必要に応じて、基材は、組成物の適用前に、特に、化学的および/または物理的洗浄法により、または接着促進剤、接着促進溶媒もしくはプライマーにより、前処理しておくことができる。
【0118】
本発明の組成物は、特に移行性基材によって引き起こされる欠点、特に、変色または汚染による欠点を生じやすい基材との接触に特に適している。具体的には、これらは細孔性基材、例えば、大理石、石灰石もしくは他の天然石、石こう、セメントモルタルまたはコンクリートであり、さらにプラスチックでもある。特に、PVCについては、触媒、例えばDBUまたはTMGの存在で、激しい変色が観察され、それは洗浄により除去することはできない。式(I)の触媒では、そのような現象は観察されない。
【0119】
組成物は特に、接着剤および/または封止剤、特に、構造および工業用途における目地材および弾性接着剤用の接着剤および/または封止剤、ならびにクラックブリッジング特性を有する弾性コーティング材、特に、例えば、屋根、バルコニー、パーキングデッキまたはコンクリートパイプの保護および/またはシーリング用の弾性コーティング材として適している。
【0120】
さらに、このように本発明はまた、上記組成物の、接着剤、封止剤またはコーティング剤としての使用に関する。そのような組成物は、通常、可塑剤、充填剤、接着促進剤ならびに/または架橋剤および乾燥剤を含み、かつ任意選択により、さらなる補助剤および添加剤を含む。
【0121】
本発明の組成物中のシラン基含有有機ポリマーの含有量は、通常、組成物の全重量に対して10重量%〜80重量%、特に15重量%〜60重量%、好ましくは15重量%〜50重量%である。
【0122】
接着剤または封止剤としての適用では、組成物は、構造的粘性のあるペースト状の稠度を有することが好ましい。そのようなペースト状の封止剤または接着剤は、特に、手動で操作される標準カートリッジから圧縮空気または電池により、またはタンクもしくはバケツから吐出ポンプもしくは押し出し機により、任意選択により塗布用ロボットを使用して基材に適用される。
【0123】
コーティング剤としての適用では、自己平滑化性のある室温で液体の稠度を有することが好ましい。それはわずかにチキソトロピー性を有し得るため、傾斜面から垂直面まで直ぐに流出させずにコーティングすることができる。それは特に、ローラーもしくはブラシにより、または例えばローラー、スクレーパーもしくはギザギザのついたコテを用いて塗布し広げることにより適用される。
【0124】
2つの同じ、または2つの異なる基材、特に上記基材を結合またはシールすることができる。
【0125】
本発明は、さらに、上記組成物が水、特に空気中の湿分の形態の水で硬化して得られる硬化組成物に関する。
【0126】
滲出または基材汚染などのマイグレーションに関連する欠点を生じる傾向が、たとえあったとしてもわずかであることが、硬化組成物の特徴である。これは、従来技術で知られているような、シラン基含有有機ポリマーをベースとし、アミジンまたはグアニジン触媒を含有する硬化組成物(これは、既に記載したように、触媒に関連するマイグレーション現象が知られている)と対照的である。
【0127】
接着剤、封止剤またはコーティング剤としての使用により、本発明の組成物で結合、封止またはコーティングされた製品が形成される。製品は、特に建造物、特に構造工学または土木工学によって建造された構造物、工業製品または消費材、特に窓、家庭用器具または交通機関、例えば、特に、自動車、バス、トラック、鉄道車両、船、エアクラフトもしくはヘリコプターであり、あるいは製品は、それらに実装可能な部品であり得る。
【0128】
本発明はさらに、上述したような式(I)の触媒の、硬化性組成物のための、特にシラン基を含有する硬化性組成物のための、特に上記組成物のための架橋触媒としての使用に関する。
【0129】
式(I)の触媒の好ましい使用においては、湿分硬化性組成物は有機スズ化合物を実質的に含まない。具体的には、組成物のスズ含有量は、0.06重量%未満、特に0.01重量%未満である。
【0130】
本発明はさらに、式(Ia)
【化5】
(式中、
A’は、6〜30個の炭素原子を有し、かつエーテル系酸素を含んでもよく、任意のシラン基、任意の水酸基または任意のアミノ基を含まない、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であり、かつ
およびRは、既述の定義を有する)
の触媒を提供する。
【0131】
式(Ia)の触媒は、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、臭気レベルが低く、かつ簡単な方法で高純度に製造することができる。
【0132】
それは特に、シロキサン基の形成用触媒として適している。特に、シラン基含有ポリマー、例えば、特に、末端シラン基を有するポリオルガノシロキサンまたは上記したようなシラン基含有有機ポリマー用の架橋触媒として適している。
【0133】
驚くべきことに、それはシラン基を有さないにもかかわらず、たとえ硬化の過程でポリマーに組み込まれなくとも、そうした硬化ポリマーの表面にマイグレートしない。
【0134】
本発明はさらに、式(Ib)
【化6】
(式中、
A’’は、3〜30個の炭素原子を有し、かつシラン基を含まず、エーテル系酸素を含んでもよく、かつ少なくとも1つの水酸基、または第一級もしくは第二級のアミノ基を有する脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であり、かつ
およびRは、既述の定義を有する)
の触媒を提供する。式(Ib)の触媒は、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ臭気レベルが低い。それはかなりの不揮発性であり、驚くべきことに、シラン基含有ポリマーと非常に良好な相溶性を有する。水酸基、または第一級もしくは第二級アミノ基を有するため、それは非常に高い触媒活性を有するか、またはシラン基含有有機ポリマーと非常に良好な相互作用を有する。驚くべきこきことに、それはシラン基を有さないにもかかわらず、たとえ硬化の過程でポリマーに組み込まれなくとも、そうした硬化ポリマーの表面にマイグレートしない。そのような触媒はまた、他のグアニジン官能性化合物の生成にも適している。
【0135】
式(Ib)の触媒は、特に、シロキサン基の形成用の触媒として適している。
【0136】
それは特に、シラン基含有ポリマー、例えば、特に、末端シラン基を有するポリオルガノシロキサンまたはシラン基含有有機ポリマーのための架橋触媒として適している。
【0137】
本発明はさらに、式(Ic)
【化7】
(式中、
A’’’は、3〜30個の炭素原子を有し、シラン基を含まず、エーテル系酸素を含んでもよく、かつ少なくとも1つの第三級アミノ基を有する、脂肪族または脂環式またはアリール脂肪族ヒドロカルビル基であり、かつ
およびRは、既述の定義を有する)
の触媒を提供する。式(Ic)の触媒は、湿分に対する感受性がゼロであるかまたは低く、かつ臭気レベルが低い。驚くべきことに、それは、シラン基含有ポリマーの硬化を促進する触媒活性が非常に高く、そこでは非常に良好な相溶性を有する。驚くべきことに、それはシラン基を有さないにもかかわらず、たとえ硬化の過程でポリマーに組み込まれなくとも、そうした硬化ポリマーの表面にマイグレートしない。
【0138】
式(Ic)の触媒は、特に、シロキサン基の形成用触媒として適している。
【0139】
特に、それは、シラン基含有ポリマー、例えば、特に、末端シラン基を有するポリオルガノシロキサンまたはシラン基含有有機ポリマー用の架橋触媒として適している。
【0140】
好適なシラン基含有ポリマーは、既に上で記載されている。
【0141】
好ましい末端シラン基を有するポリオルガノシロキサンは、特に式(VI)
【化8】
(式中、
R、R’およびR’’は、それぞれ独立して、1〜12個の炭素原子を有する1価のヒドロカルビル基であり、
Xは、水酸基、または1〜13個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ基、ケトキシマト基、アミド基もしくはエネオキシ基であり、
aは、0、1または2であり、かつ
mは、50〜約2,500の範囲の整数である)
を有する。Rは、メチル基、ビニル基またはフェニル基であり、R’およびR’’は、好ましくは、それぞれ独立して、1〜5個、好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基である。Xは、好ましくは、水酸基、または1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基もしくはケトキシマト基、特に水酸基、メトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトキシマト基もしくはメチルイソブチルケトキシマト基である。より好ましくは、Xは、水酸基である。aは、好ましくは0または1であり、特に0である。
【0142】
さらに、mは、式(VI)のポリオルガノシロキサンが室温で100〜500,000mPa・s、特に100〜100,000mPa・sの範囲の粘度を有するように選択されることが好ましい。
【0143】
そのようなポリオルガノシロキサンは、取り扱いやすいうえに、湿分および/またはシラン架橋剤で架橋して、弾性を有する固体シリコーンポリマーを容易に得ることができる。
【0144】
好ましい商業的に入手可能なポリオルガノシロキサンは、例えば、Wacker、Momentive Performance Materials、GE Advanced Materials、Dow Corning、Bayerまたは信越化学工業株式会社から入手できる。
【0145】
末端シラン基を有するポリオルガノシロキサンは、シラン架橋剤、特に、式(VII)
(R’’’)−Si−(X’)4−q(VII)
(式中、
R’’’は、1〜12個の炭素原子を有する1価のヒドロカルビル基であり、
X’は、水酸基、または1〜13個の炭素原子を有するアルコキシ基、アセトキシ基、ケトキシマト基、アミド基もしくはエネオキシ基であり、かつ
qは、好ましくは0、1または2、特に0または1の値である)
のシランを含み得る。
【0146】
特に好ましい式(VII)のシランは、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シランおよびメチルトリス(イソブチルケトキシモ)シランである。
【実施例】
【0147】
以下に実施例を記載するが、それらは、詳細に記載した本発明を明らかにすることを意図するものである。本発明はこれらの記載された実施例に限定されないことは理解されよう。
【0148】
「標準気候条件」は、23±1℃および相対空気湿度50±5%をいう。
【0149】
H NMRスペクトルは、Bruker Ascend 400型スペクトロメーターにより、400.14MHzで測定した。化学シフトδはテトラメチルシラン(TMS)に対しppm単位で記録する。真のカップリングパターンとプソイドのカップリングパターンの区別はしなかった。
【0150】
赤外線スペクトル(FT−IR)は、Thermo Sientificからの、ダイヤモンドクリスタルの水平型ATR装置を備えたNicolet iS5 FT−IR装置により測定した。液体サンプルは希釈せずに膜として用い、固体サンプルはCHClに溶解した。吸収帯は、波数(cm−1)で記録する(測定ウインドウ:4000−650cm−1)。
【0151】
粘度は、温度調節機能付きRheotec RC30コーンプレート粘度計(コーン径50mm、コーン角1°、コーンチップ−プレート距離0.05mm、剪断速度10−1)で測定した。
【0152】
スキンタイム(ST)は、数グラムの組成物を層厚約2mmのボール紙に塗布し、標準気候条件下、組成物表面をLDPEピペットで軽くタップしたときに、ピペットに何も残らなくなる最初の時間を測定することにより決定した。表面特性は、手で触れることによって試験した。
【0153】
引張強さ、破断伸びおよび弾性率(伸び0−5%時、および伸び0−50%時)の機械的特性は、DIN EN 53504にしたがい、引張速度200mm/分で測定した。
【0154】
式(I)の触媒の調製
触媒K−1:1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、6.69gの3−アミノプロピルトリエトキシシランと5.17gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら100℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。40時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、無色で低臭気の油11.38gを得た。
1H NMR(CDCl3):δ 0.5−0.75(m,2H,CH2Si),1.1−1.4(m,21H),1.55−2.0(m,10H),2.95−3.1(m,2H,NCHCy),3.1−3.3(m,2H,CH2N),3.85(q,6H,CH2O).
FT−IR:2972,2924,2851,1641(C=N),1496,1447,1389,1363,1326,1297,1237,1165,1101,1074,953,888,773.
【0155】
触媒K−2:1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、6.42gの3−アミノプロピルトリメトキシシランと5.73gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら110℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。24時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油10.66gを得た。
H NMR(CDCl):δ 0.5−0.75(m,2H,CHSi),1.1−1.4(m,12H),1.55−2.0(m,10H),2.95−3.1(m,2H,NCHCy),3.1−3.3(m,2H,CHN),3.55(s,9H,CHO).
FT−IR:3405(N−H),2923,2849,1639(C=N),1498,1448,1327,1305,1237,1189,1081,979,889,814,787,713.
【0156】
触媒K−3:1−(N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−アミノエチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、6.11gのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest(登録商標)A−1120、Momentiveから)と5.16gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。25時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、無色で低臭気の油を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.6−0.7(m,2H,CHSi),1.0−1.5(m,10H),1.55−2.0(m,12H),2.60(m,2H,CHN),2.75(m,2H,CHN),2.9(m,1H,NCHCy),3.11(m,2H,CHN),3.23(m,1H,NCHCy),3.5−3.6(br s,9H,CHO).
FT−IR:3233,2924,2839,1637(C=N),1605,1538,1448,1409,1364,1330,1269,1257,1189,1079,889,813,781.
【0157】
触媒K−4:1−(N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−アミノエチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、7.27gのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Geniosil(登録商標)GF−94、Wacker Chemieから)と5.16gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。12時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、無色で低臭気の油を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.6−0.7(m,2H,CHSi),1.05−1.45(m,19H),1.55−2.1(m,12H),2.60(m,2H,CHN),2.75(m,2H,CHN),2.9(m,1H,NCHCy),3.11(m,2H,CHN),3.23(m,1H,NCHCy),3.70−3.85(m,6H,OCHCH).
FT−IR:3232,2972,2924,2851,1640(C=N),1605,1544,1448,1389,1344,1269,1257,1165,1101,1074,954,889,772,671.
【0158】
触媒K−5:1−ヘキシル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、2.05gのn−ヘキシルアミンと3.68gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。17時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、無色で低臭気の油5.20gを得た。
H NMR(CDCl):δ 0.9(t,3H,CHCH),1.1−1.25(m,6H),1.25−1.4(m,10H),1.45−1.65(m,4H),1.7−1.8(m,4H),1.85−1.95(m,4H),2.95−3.05(m,2H,CHN),3.1−3.3(m,2H,NCHCy).
FT−IR:3305(N−H),2952,2850,1636(C=N),1495,1448,1361,1322,1253,1147,1112,1031,977,888,723.
【0159】
触媒K−6:1−ヘキシル−2,3−ジイソプロピルグアニジン
丸底フラスコ内で、2.93gのn−ヘキシルアミンと2.89gのN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。4.5時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油4.96gを得た。
FT−IR:3304(N−H),2959,2926,2857,1633(C=N),1510,1466,1378,1363,1336,1172,1125,723.
【0160】
触媒K−7:1−ベンジル−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、6.43gのベンジルアミンと10.32gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。70時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油15.67gを得た。
H NMR(CDCl):δ 1.1−1.5(m,10H),1.55−2.0(m,10H),3.11(m,2H,NCHCy),3.6(br s,1H,NH),4.31(m,2H,CHPh),4.37(br s,1H,NH),7.15−7.35(m,5H,Ph−H).
FT−IR:3432,3270,3060,3025,2923,2849,1633(C=N),1493,1448,1335,1328,1253,1236,1188,1146,1112,1072,1028,1002,977,888,860,802,730,696.
【0161】
触媒K−8:1−(2−エチルヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、7.76gの2−エチルヘキシルアミンと10.32gのN,N’−ジシクロ−ヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。70時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、橙黄色で低臭気の油16.78gを得た。
H NMR(CDCl):δ 0.88(m,6H,CH),1.06−1.2(m,7H),1.2−1.4(m,10H),1.4−1.5(m,2H),1.55−2.0(m,10H),2.86−3.0(m,2H,CHN),3.0−3.2(m,2H,NCHCy).
FT−IR:3440,2954,2923,2851,1644(C=N),1493,1448,1361,1335,1255,1236,1188,1145,1090,1050,1027,978,927,888,845,769,726.
【0162】
触媒K−9:1−(5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、3.55gの2−(2−アミノエトキシ)エタノール(Diglycolamine(登録商標)Agent、Huntsmanから)と6.81gのN,N’−ジシクロ−ヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。24時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油10.29gを得た。
H NMR(CDCl):δ 1.05−1.3および1.3−1.45(2×m,10H,CH),1.54−1.78(m,8H),1.88−2.0(m,4H),3.13(t,2H,CHN),3.69(m,4H,CHO),3.81(t,2H,OCHCHN).
FT−IR:3355(O−H),2922,2849,1617(C=N),1520,1447,1340,1257,1240,1117,1066,888,717.
【0163】
触媒K−10:1−(3−アミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、2.50gの1,3−ジアミノプロパンと6.89gのN,N’−ジシクロ−ヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。1時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油9.36gを得た。
H NMR(CDCl):δ 1.05−1.2および1.25−1.40(2×m,10H),1.54−1.78(m,10H),1.88−2.0(m,4H),2.73(m,2H),3.12(m,2H),3.22(br s,2H).
FT−IR:3371(N−H),2921,2849,1627(C=N),1502,1447,1324,1238,1147,1111,888,713.
【0164】
触媒K−11:1−(3−シクロヘキシルアミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、25.78gの3−(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン(BASFから)と30.95gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。48時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油54.4gを得た。
FT−IR:3283(N−H),2921,2849,1634(C=N),1493,1447,1322,1256,1145,1111,888,713.
【0165】
触媒K−12:1−(3−シクロヘキシルアミノプロピル)−2,3−ジイソプロピルグアニジン
丸底フラスコ内で、34.38gの3−(シクロヘキシルアミノ)プロピルアミン(BASFから)と25.24gのN,N’−ジイソプロピルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。2時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油56.50gを得た。
FT−IR:3292(N−H),2960,2924,2852,1633(C=N),1505,1448,1361,1329,1176,1125,889,714.
【0166】
触媒K−13:1−(6−アミノ−2,2(4),4−トリメチルヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジンおよび1−(6−アミノ−3,3(5),5−トリメチルヘキシル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、16.62gのVestamin(登録商標)TMD(2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンの混合物、Evonikから)と20.63gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。3時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油36.5gを得た。
FT−IR:3281(N−H),2923,2850,1635(C=N),1496,1463,1448,1362,1325,1284,1237,1188,1146,1112,1090,1071,1051,1027,977,888,860,845,804,785,714.
【0167】
触媒K−14:1−(5−アミノ−2−メチルペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジンおよび1−(5−アミノ−2−メチルペンチル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、12.20gの2−メチルペンタン−1,5−ジアミン(MPMD、Invistaから)と20.63gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。3時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色で低臭気の油32.3gを得た。
FT−IR:3304(N−H),2922,2849,1636(C=N),1495,1462,1447,1361,1324,1285,1237,1188,1145,1112,1071,1051,1027,977,926,888,859,845,802,786,715.
【0168】
触媒K−15:1−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、6.64gの3−(N,N’−ジメチルアミノ)プロピルアミンと10.32gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。48時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、橙黄色で低臭気の油15.43gを得た。
H NMR(CDCl):δ 1.05−1.38(m,10H),1.54−1.65(m,2H),1.65−1.80(m,6H),1.80−2.0(m,4H),2.0(s,6H,NMe),2.30(m,2H,CHNMe),3.06−3.25(m,4H).
FT−IR:3291,2922,2850,2814,1635(C=N),1494,1447,1361,1322,1256,1236,1147,1098,1068,1040,996,977,888,845,785,713.
【0169】
触媒K−16:分子量が810g/molの1−(ω−メトキシ−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、14.32gの平均分子量が600g/molのポリオキシプロプロピレンモノアミン(HuntsmsnからのJeffamine(登録商標)M−600、アミン含有量約1.7meq/g)と4.14gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。72時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、淡黄色、無臭の油18.45gを得た。
FT−IR:3367(N−H),2969,2926,2854,1640(C=N),1449,1372,1342,1297,1255,1100,1014,925,889,861,715.
【0170】
触媒K−17:1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、7.99gのシクロヘキシルアミンと15.83gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。48時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、低臭気の茶色の固体23.44gを得た。
H NMR(CDCl):δ 1.05−1.38(m,16H),1.54−1.65(m,4H),1.65−1.80(m,6H),1.8−2.0(m,6H),3.06−3.25(br s,3H).
FT−IR:2923,2851,1643(C=N),1491,1448,1363,1335,1322,1281,1254,1234,1145,1111,978,927,846,749,720,668.
【0171】
触媒K−18:1−(3−(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)アミノプロピル)−2,3−ジシクロヘキシルグアニジン
丸底フラスコ内で、9.40gのN−((3−ジメチルアミノ)プロピル)−1,3−ジアミノプロパンと11.65gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。3時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。その後、減圧化、反応混合物から揮発性成分を除去した。これにより、黄色で低臭気の油を得た。
H NMR(CDCl):δ 1.05−1.38(m,10H),1.54−1.70(m,10H),1.80−2.0(m,4H),2.21(s,6H,NMe),2.30(m,2H,CHNMe),2.58−2.70(m,4H,CHNH),3.06−3.25(m,4H).
FT−IR:3270,2922,2850,2813,2784,2763,1633(C=N),1495,1447,1359,1335,1321,1257,1237,1097,1041,977,888,842,785,719.
【0172】
触媒Ref−1:1−ヘキシル−2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)グアニジン
丸底フラスコ内で、1.20gのn−ヘキシルアミンと4.01gのビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(RaschigからのStabilisator7000)を混合し、この混合物を攪拌しながら120℃まで加熱した。一定の間隔で、反応混合物をFT−IR分光法により調べた。2時間後、約2120cm−1のカルボジイミドバンドが完全に消えた。これにより、黄色で低臭気の油を得た。
FT−IR:3442,3397,2957,2925,2866,1637(C=N),1585,1513,1459,1434,1391,1361,1324,1300,1255,1198,1179,1126,1098,1058,1044,956,934,895,831,804,764,699.
【0173】
触媒Ref−2:1−フェニル−2,3−ジイソプロピルグアニジン
試験管内で、2.24gのアニリンと2.52gのN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)を混合し、この混合物を電子レンジで、220℃の温度および150Paの圧力で10分間反応させた。得られた生成物を、酢酸エチルおよびヘプタンの1:1の比の混合物から再結晶化した。これにより、白色固体2.77gを得た。
H NMR(CDCl):δ 1.08(d,24H,CH),3.65(m,2H,CH aliph.),6.75−6.80(m,2H,CH arom.),6.82−6.88(m,1H,CH arom.),7.14−7.20(m,2H,CH arom.).
FT−IR:3346,3055,2966,2930,2869,1705,1630(C=N),1587,1532,1500,1487,1464,1455,1444,1383,1364,1313,1225,1174,1124,1069,1030,996,941,898,864,831,810,755,698.
【0174】
シラン基含有ポリエーテルの調製
ポリマーSTP−1:
湿分を除いて、1000gのAcclaim(登録商標)12200ポリオール(不飽和度の低いポリオキシプロピレンジオール、Bayerから、水酸基価11.0mgKOH/g)、43.6gのイソホロンジイソシアネート(IPDI;Vestanal(登録商標)IPDI、Evonikから)、126.4gのフタル酸ジイソデシル(DIDP)、および0.1gのビスマストリス(ネオデカノエート)(DIDP中、10重量%)を常時攪拌しながら90℃まで加熱し、滴定法で測定される遊離イソシアネート基の含有量が0.63重量%の安定値に達するまで、この温度に置いた。その後、63.0gのジエチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネート(3−アミノプロピルトリメトキシシランとマレイン酸ジエチルから生成される付加物;米国特許第5,364,955号明細書中の詳細にしたがって調製)を混入し、その混合物を90℃で、遊離イソシアネートがFT−IR分光法で検出できなくなるまで攪拌した。このようにして得られた、シラン当量が約6880g/eq(使用量から算出)のトリメトキシシラン基含有ポリエーテルを室温にまで冷却し、湿分を除いて貯蔵した。
【0175】
ポリマーSTP−2:
湿分を除いて、1000gのAcclaim(登録商標)12200ポリオール(不飽和度の低いポリオキシプロピレンジオール、Bayerから、水酸基価11.0mgKOH/g)、43.6gのイソホロンジイソシアネート(IPDI;Vestanal(登録商標)IPDI、Evonikから)、126.4gのフタル酸ジイソデシル(DIDP)、および0.1gのビスマストリス(ネオデカノエート)(DIDP中、10重量%)を常時攪拌しながら90℃まで加熱し、滴定法で測定される遊離イソシアネート基の含有量が0.64重量%の安定値に達するまで、この温度に置いた。その後、70.6gのジエチルN−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノスクシネート(3−アミノプロピルトリエトキシシランとマレイン酸ジエチルから生成される付加物)を混入し、その混合物を90℃で、遊離イソシアネートがFT−IR分光法で検出できなくなるまで攪拌した。このようにして得られた、シラン当量が約6920g/eq(使用量から算出)のトリエトキシシラン基含有ポリエーテルを室温にまで冷却し、湿分を除いて貯蔵した。
【0176】
使用した市販触媒およびその略語:
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
TMG 1,1,3,3−テトラメチルグアニジン
DHA N,N’−ジ−n−ヘキシルアセトアミジン
IBAY Tyzor(登録商標)IBAY,ビス(エチルアセトアセタト)ジイソブトキシチタン(IV),DorfKetaから
MTHP 2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン
TMTHP 2,5,5−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン
DBTDL ジブチルスズ(IV)ジラウレート
【0177】
シラン基含有ポリマーをベースとした組成物:
表1〜10において、比較例は(Ref)で特定される。
【0178】
組成物B1〜B22および比較物B23〜B31:
96.5gのポリマーSTP−1、0.5gのビニルトリメトキシシランおよび3.0gの3−アミノプロピルトリメトキシシランを、各種触媒と表1に示した量で混合し、その混合物について、貯蔵前および貯蔵後の粘度およびスキンタイム(ST)を、標準気候条件下で試験した。スキンタイムは、シラン基の架橋反応に対する触媒活性、すなわち、架橋速度の尺度となり、貯蔵後の粘度およびスキンタイムの変化は、貯蔵安定性の尺度である。さらに、適用された混合物について、24時間後、標準気候条件下で、表面が所望するように乾燥しているか否か、または脂っぽい膜が形成されているか否か(これらは、硬化ポリマーとの純粋な相溶性のため、触媒の滲出性を示す)、および/または表面が粘着性であるか否か(これは、硬化が不完全であることを示す)を試験した。さらに、混合物を使用して厚さ2mmの膜を生成し、標準気候条件下で7日間放置して硬化させ、機械的特性を試験した。結果を表1および2に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition」を表す。
【0179】
【表1】
【0180】
【表2】
【0181】
組成物B32〜B49および比較物B50〜B56:
95.9gのポリマーSTP−2、0.4gのビニルトリメトキシシランおよび3.7gのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランを、各種触媒と表3に示した量でブレンドし、その混合物について、粘度、スキンタイム(ST)、表面特性および機械的特性を、組成物B1で記載したように試験した。結果を表3および4に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition」を表す。
【0182】
【表3】
【0183】
【表4】
【0184】
組成物B57〜B61および比較物B62:
遊星型ミキサー内で、36.2gのポリマーSTP−1、60.2gのチョーク(Omyacarb(登録商標)5GU、Omyaから)、下記のように調製された1.2gのチキソトロピー性ペースト、1.2gのビニルトリメトキシシラン、1.2gの3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および表5に示す量の各種触媒をブレンドし、その混合物について、粘度、スキンタイム(ST)、表面特性および機械的特性を、組成物B1で記載したように試験した。結果を表5に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition」を表す。チキソトロピー性ペーストは、まず真空ミキサーに、300gのフタル酸ジイソデシル(Palatinol(登録商標)Z、BASFから)および48gの4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(Dasmodur(登録商標)44MCL,Bayerから)を投入し、内容物を緩やかに加熱し、その後、激しく攪拌しながら、27gのn−ブチルアミンを徐々に滴下することによって調製した。得られたペーストを、さらに1時間攪拌して冷却した。
【0185】
【表5】
【0186】
組成物B63〜B67および比較物B68およびB69:
遊星型ミキサー内で、36.2gのポリマーSTP−2、60.2gのチョーク(Omyacarb(登録商標)5GU、Omyaから)、組成物Z27で記載にように調製された1.2gのチキソトロピー性ペースト、1.2gのビニルトリエトキシシラン、1.2gの3−アミノプロピルトリエトキシシラン、および表6に示す量の各種触媒をブレンドし、その混合物について、スキンタイム(ST)、表面特性および機械的特性を、組成物B1で記載のようにして試験した。結果を表6に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition」を表す。
【0187】
【表6】
【0188】
組成物B70(組成物のインサイチュー調製):
20.0gのポリマーSTP−1および0.6gの3−アミノプロピルトリメトキシシランからなる組成物を、湿分を除いて、0.95gのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液(N−エチルピロリドン中、49.8重量%)とブレンドし、その混合物を、内面を被覆したアルミニウム管に入れ、オーブンで80℃に加熱した。表7に示す時間の経過後に、混合物について、標準気候条件下のスキンタイム(ST)およびカルボジイミドの転化率(FT−IRの約2120cm−1のカルボジイミドバンドの強度の減少により、初期強度=転化率0%、バンドがもはや検出されない=転化率100%)を試験した。結果を表7に示す。
【0189】
【表7】
【0190】
組成物B71〜B76および比較物B77〜B79:
98gのMS PolymerTMS203H、シラン基含有ポリエーテル(株式会社カネカから)、および2gの3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる組成物と、表8に示す量の各種触媒をブレンドし、その混合物について、標準気候条件下で、スキンタイム(ST)および7日後の表面特性を、既述のようにして試験した。結果を表8に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition」を表す。
【0191】
【表8】
【0192】
組成物B80〜B85および比較物B86〜B89:
96.5gのTEGOPAC(登録商標)BOND 150、シラン基含有ポリエーテル(Evonikから)、0.5gのビニルトリエトキシシランおよび3.0gの3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる組成物を、表9に示す量の各種触媒とブレンドし、その混合物について、標準気候条件下で、スキンタイム(ST)および7日後の表面特性を、既述のようにして試験した。結果を表9に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition」を表す。
【0193】
【表9】
【0194】
組成物B90〜B95および比較物B96およびB97:
96.0gのシラン基含有ポリエーテル、GENIOSIL(登録商標)STP−E(Wackerから)またはDesmoseal(登録商標)S XP 2821(Bayerから)、0.35gのビニルトリエトキシシランおよび3.72gの3−アミノプロピルトリメトキシシランからなる組成物を、表10に示す量の各種触媒とブレンドし、その混合物について、組成物B1で記載のように試験した。結果を表10に示す。「組成物(Comp.)」は、「組成物(composition)」を表す。
【0195】
【表10】