特許第6567550号(P6567550)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567550
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】可撓性バッグ及びその充填方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/20 20060101AFI20190819BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20190819BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   B65D30/20 D
   B65D33/00 Z
   B65D77/06 F
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-564089(P2016-564089)
(86)(22)【出願日】2015年4月16日
(65)【公表番号】特表2017-513780(P2017-513780A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015058226
(87)【国際公開番号】WO2015162048
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年4月13日
(31)【優先権主張番号】14/258,058
(32)【優先日】2014年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598041463
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ウェレット,マシュー・ディビッド
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−517602(JP,A)
【文献】 特開2012−121611(JP,A)
【文献】 特開2008−105752(JP,A)
【文献】 特開2004−142789(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0021685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00 − 33/38
B65D 77/06
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部部分及び下部部分を有し、前記上部部分の上面及び前記下部部分の底面が互いに対向する直平行六面体で構成され、空の場合には前記直平行六面体が折り畳まれている可撓性バッグであって、
前記上面に設けられた少なくとも1つの固定手段を備えており、
前記空の場合に、前記直平行六面体が折りたたまれて前記上部部分は2つの上部翼部を形成し、該2つの上部翼部は、前記固定手段によって一緒に保持され、なおかつ前記下部部分から離れた状態であり、
前記固定手段は、前記下部部分がある量まで充填されると開放され、前記固定手段により一緒に保持されている前記2つの上部翼部が接触を失うことになるように設計されている可撓性バッグ。
【請求項2】
前記空の場合に、前記直平行六面体が折りたたまれて前記上部部分が前記2つの上部翼部を形成するほか、さらに前記下部部分が2つの下部翼部を形成し、
前記2つの上部翼部及び前記2つの下部翼部のうち、前記2つの上部翼部のみが、前記固定手段によって一緒に保持され、なおかつ前記下部翼部から離れた状態である、請求項1に記載の可撓性バッグ。
【請求項3】
前記直平行六面体を形成する4枚のシートを有し、
該4枚のシートが、前記直平行六面体の前記上面、前記底面、2つの対向する側面、正面及び背面を形成しており、
前記2つの対向する側面、前記正面及び前記背面のうち、前記上面側の部分と、前記上面が、前記上部翼部を形成し、
前記2つの対向する側面、前記正面及び前記背面のうち、前記底面側の部分と、前記底面が、前記下部翼部を形成する、請求項2に記載の可撓性バッグ。
【請求項4】
前記4枚シートの各々が、左部分、中央部分及び右部分を有し、前記4枚のシートの前記中央部分は、前記直平行六面体の前記上面、前記底面、前記正面及び前記背面を形成し、前記4枚のシートの前記左部分及び前記右部分は、前記2つの対向する側面を形成する、請求項3に記載の可撓性バッグ。
【請求項5】
前記固定手段は、少なくとも1対の係合固定手段で構成され該少なくとも1対の係合固定手段は、前記可撓性バッグの少なくとも2つの上部部分を一緒に保持することができるように設けられている、請求項1に記載の可撓性バッグ。
【請求項6】
前記固定手段が、面ファスナ、テープ、接着剤、または雄/雌結合デバイスである、請求項1に記載の可撓性バッグ。
【請求項7】
上部部分及び下部部分を有し、前記上部部分の上面及び前記下部部分の底面が互いに対向する直平行六面体で構成され、空の場合には前記直平行六面体が折り畳まれている可撓性バッグを充填するための方法であって、
該可撓性バッグは、
前記上面に設けられた少なくとも1つの固定手段を備えており、
前記空の場合に、前記直平行六面体が折りたたまれて前記上部部分は2つの上部翼部を形成するようになっており、
前記方法は、
a)前記可撓性バッグの前記2つの上部翼部を、前記少なくとも1つの固定手段を使用することにより、前記下部部分から離れた状態で一緒に保持するステップ、および
b)前記可撓性バッグを、前記下部部分が最初に充填されるように充填し、その後、前記部部分のある量が充填されると、前記2つの上部翼部間の接触が自動的に開放され、前記上部部分が充填されるステップを含む方法。
【請求項8】
前記可撓性バッグを、前記充填の開始前に支持容器の内部に設置するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性バッグ、および可撓性バッグを流体で満たすための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性バッグは、例えば、バイオプロセスおよび食品産業において、様々なタイプの液体を保持するために使用される。多くの場合、可撓性バッグは、支持容器に設けられているか、または結合されている。
【0003】
空の折り畳まれている可撓性バッグを充填する場合、バッグの他の部分による干渉のためバッグの一部が充填されないという問題が生ずる場合がある。これは、バッグ表面間の摩擦、およびバッグ表面と支持容器との摩擦により生じることがある。そのため、バッグの完全な膨張が妨げられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1803657号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、手作業でのやりとりを必要とせずに、可撓性バッグを流体で満たすための方法を提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、手作業でのやりとりを必要とせずに、完全に充填することができる可撓性バッグを提供することである。
【0007】
本発明の目的は、空の場合には折り畳まれている可撓性バッグであって、少なくとも1つの固定手段が、可撓性バッグの少なくとも2つの上部部分を、可撓性バッグの充填の第1の段階中、この少なくとも1つの固定手段により一緒に保持することができるように可撓性バッグの表面に設けられており、固定手段が、バッグがある量まで充填されると開放され、固定手段により一緒に保持されている2つの上部部分が接触を失うことになるように設計されている可撓性バッグにより達成される。
【0008】
また、本発明の目的は、空の場合には折り畳まれている可撓性バッグを充填するための方法であって、
可撓性バッグの2つの上部部分を、可撓性バッグの表面に設けられている少なくとも1つの固定手段を使用することにより接続するステップ、
可撓性バッグを、バッグの底部部分が最初に充填されるように充填し、その後、底部部分のある量が充填されると、2つの上部部分間の接続が自動的に開放され、上部部分が充填されるステップを含む方法により達成される。
【0009】
これにより、バッグの底部部分が最初に充填されることになり、その後、固定手段が開放されると、バッグの上部部分が充填されることになる。固定手段の開放は自動的であるため、充填中に手作業によるやりとりは必要ではない。底部部分が最初に充填される際は、底部部分の充填を妨げる可能性のある上部部分による干渉のおそれはない。これにより、バッグは完全に充填されることになる。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、少なくとも1対の係合固定手段は、可撓性バッグの少なくとも2つの上部部分を、この少なくとも1対の係合固定手段により一緒に保持することができるように、可撓性バッグの表面に設けられている。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、可撓性バッグは、直平行六面体である。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、上記可撓性バッグは、直平行六面体の2つの対向する側面で一緒に密閉されている4枚のシートで構成されており、空の段階では、可撓性バッグは、一緒に折り畳まれて2つの上部翼部および2つの底部翼部を示し、2つの上部翼部は、可撓性バッグを充満する前は固定手段で互いに固定されている。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、固定手段は、面ファスナ、テープ、接着剤、または雄/雌結合デバイスである。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、本方法は、可撓性バッグを、充填の開始前に支持容器の内部に設置するステップを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本発明の1つの実施形態による可撓性バッグの模式図である。
図1B図1Aに示されている可撓性バッグの上部または底部シートの模式図である。
図1C図1Aに示されている可撓性バッグの側面シートの模式図である。
図1D】空の折り畳み配置にある、図1Aと同じ可撓性バッグの模式図である。
図1E】空の折り畳み配置にあり、2つの上部部分が、固定手段により互いに固定されている、図1Aと同じ可撓性バッグの模式図である。
図1F】バッグの表面に1対の係合固定手段しか設けられていない、本発明の別の実施形態を示す図である。
図1G】バッグの表面に1つの固定手段しか設けられてない、本発明の別の実施形態を示す図である。
図2A】本発明の別の実施形態による可撓性バッグの模式図である。
図2B】本発明の別の実施形態による可撓性バッグの模式図である。
図3】本発明の別の実施形態による可撓性バッグの模式図である。
図4】本発明の別の実施形態による可撓性バッグの模式図である。
図5】上記に示されている可撓性バッグのいずれか1つを設置することができる支持容器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、空に場合には折り畳まれている可撓性バッグに関する。少なくとも1つの固定手段が、可撓性バッグの少なくとも2つの上部部分を、可撓性バッグの充填の第1の段階中、この少なくとも1対の固定手段により一緒に保持することができるように、可撓性バッグの表面に設けられている。固定手段は、バッグがある量まで充填されると開放され、固定手段により一緒に保持されている2つの上部部分が、接触を失うことになるように設計されている。
【0017】
図1Aは、本発明の1つの実施形態による可撓性バッグの模式図である。このバッグは、立方体に近似するように示されているが、全ての側面が同じ大きさである必要はない。したがって、この例示的なバッグを、直平行六面体と呼ぶ。本発明のこの実施形態では、可撓性バッグは、直平行六面体の2つの対向密閉側面5、7で互いに密閉されている4枚のシートで製作されている。上部シート11および底部シート13は、同じ寸法を有し、各8つの密閉縁部15を有する。直平行六面体へと密閉される前の上部シートおよび底部シートの形状は、図1Bに示されている。上部シートおよび底部シートは、中央部分17が長方形であり、2つの対向同一側面部分19が各々台形である形状を有する。この中央部分17および2つの側面部分19は、上部シートおよび底部シート11、13を形成する1つの連続したフィルム片として一体的に提供される。また、2つの側面シート27、29(図1Cに表示)は、同じ寸法を有するが、上部シートおよび底部シート11、13とは同じではない。側面シートは、各々わずか6つの密閉縁部31しか有していない。密閉する前、平らにされている状態では、側面シート27、29は、中央部分33が長方形であり、2つの対向同一側面部分35が、各々中央部分からから離れる方向を指す三角形である形状を有する。これにより、2つの密閉側面5、7は、4枚の異なるシート11、13、27、29の台形および三角形の側面部分(19、35)で構成される。
【0018】
固定手段は、本発明によると、可撓性バッグの少なくとも2つの上部部分を一緒に保持することができるように、可撓性バッグの表面に設けられている。この実施形態では、2対の係合固定手段41a、41b、42a、42bが、可撓性バッグの上部表面に示されている。ここでは、上部表面は、上部シート11の中央部分17である。固定手段は、密閉縁部の近くに設けられている。この例では、面ファスナまたは雄/雌結合デバイス等の2対の係合固定手段が示されている。無論、図1Fに示されているように、中央にある1対の固定手段41a、41bのみ等、別の数の固定手段を設けることが可能である。必要に応じて、2つを超える固定手段も可能である。別の代替形態としては、上部シートの1つの側面にのみ固定手段を設けることだろう。そのような場合、固定手段は、それが係合することになる随意の表面と係合することになるテープまたは接着剤であってもよい。これは、図1Gの実施形態に示されている。ここでは、1つの固定手段43が、可撓性バッグの上部部分の1つの側面に設けられているように示されているが、無論、その数は様々であってもよい。
【0019】
図1Dは、空の折り畳み配置にある、図1Aと同じ可撓性バッグの模式図である。この折り畳まれている折り畳み配置では、2つの底部翼部51a、51bおよび2つの上部翼部53a、53bが形成される。そのようなバッグを充填すると、2つの上部翼部が、底部翼部の前に充填され、バッグの充填が不完全になってしまうという問題が生じる場合がある。
【0020】
図1Eは、2つの上部部分が、固定手段により互いに固定されており、空の折り畳み配置にある、図1Aと同じ可撓性バッグの模式図である。この図では、固定手段41a、41b、42a、42bが係合しており、2つの上部翼部(上部部分)53a、53bが共に保持されている。これにより、可撓性バッグの充填中、2つの底部翼部51a、51bの前に2つの上部翼部が充填されることになるというおそれがなくなる。
【0021】
固定手段41a、41b、42a、42bは、バッグがある量まで充填されると、互いから開放され(またはテープもしくは接着剤が使用される場合は、結合表面から)、固定手段により共に保持されている2つの上部部分が接触を失うことになるように設計されている。固定手段にかかる力は、充填中に増加することになり、固定手段は、底部翼部51a、51bがある量まで充填されると開放され、上部翼部53a、53bからの干渉のおそれがなくなるように設計されるべきである。
【0022】
図2Aは、本発明による可撓性バッグの別の実施形態の模式図である。図1A〜1Gに示されている実施形態との唯一の差異は、方向性であり、つまり上部および底部シートと呼ばれるもの、ならびに側面シートと呼ばれるものである。図1A〜1Gで規定されているような側面シートは、ここでは上部および底部シートであり、固定手段は、それらの1つに設けられている。
【0023】
図2Bには、図1A〜1Gの規定による密閉側面5、7が、上部および底部側面として設けられている図1A〜1Gの代替形態が示されている。これにより、固定手段は、密閉側面に設けられる。
【0024】
図3には、本発明を提供することができる別のタイプの可撓性バッグが示されている。これは、円柱状の可撓性バッグである。固定手段は、上部表面に設けられている。
【0025】
図4には、4枚のシートの代わりに6枚の同一シートで構成されている、直平行六面体可撓性バッグの別のデザインが示されている。本発明による固定手段は、そのような可撓性バッグの上部側面に設けることができる。
【0026】
図5は、支持体が必要な場合、上記に示されている可撓性バッグのいずれか1つを設置することができる支持容器51の模式図である。支持容器51は、可撓性バッグよりも硬質である。支持容器がないと、可撓性バッグ内部の流体の質量により、バッグが引き裂かれてしまうおそれがある。支持容器を使用する場合、可撓性バッグは、充填の開始前に支持容器51の内部に設置される。
【0027】
本発明の特定の実施形態が表示および記載されているが、本発明の教示から逸脱することなく変更および改変をなすことができることは、当業者であれば明白だろう。上述の説明および添付図面に示されている主題は、限定としてではなく、例示のために示されているに過ぎない。本発明の実際の範囲は、従来技術に基づき適切な観点で検討した場合の添付の特許請求の範囲に規定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0028】
5、7 対向密閉側面、密閉側面
11 上部シート
13 底部シート
15、31 密閉縁部
17、33 中央部分
19、35 対向同一側面部分、側面部分
27、29 側面シート
41a、41b、42a、42b 係合固定手段、固定手段
43 固定手段
51 支持容器
51a、51b 底部翼部
53a、53b 上部翼部
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図3
図4
図5