(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本発明による前記[標的]抗体もしくは抗原抗体の[標的]もしくは抗原、またはその[標的]もしくは抗原結合フラグメントがCD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER1、HER3、HER2、IGF−1R、Axlおよびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される、請求項1に記載の抗体−薬物複合体。
本発明による前記[標的]抗体もしくは抗原抗体の前記[標的]もしくは抗原、またはその[標的]もしくは抗原結合フラグメントが、HER2、IGF−1Rおよびタンパク質Axl、およびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される、請求項1に記載の抗体−薬物複合体。
前記[標的]抗体の[標的]もしくは前記抗原抗体の抗原、またはその前記[標的]結合フラグメントもしくはその抗原結合フラグメントが、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER1、HER3、HER2、IGF−1R、Axlおよびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される、請求項15に記載の抗体−薬物複合体。
[標的]または抗原発現癌の処置において使用するための、該[標的]または抗原が、好ましくはCD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER2、IGF−1R、Axlおよびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される、請求項21または22に記載の組成物。
前記[標的]または抗原発現癌が、乳癌、結腸癌、食道癌、肝細胞癌、胃癌、神経膠腫、肺癌、黒色腫、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、横紋筋肉腫、腎臓癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、中皮腫、口腔扁平上皮癌、カポジ肉腫、急性白血病、結腸直腸癌、黒色腫、膵管腺癌および任意の薬剤耐性癌から選択される癌である、請求項21〜23のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の概要】
【0008】
第1の側面において、本発明は、下記式(I)の抗体−薬物複合体またはその薬学的に許容可能な塩を対象とする:
Ab−(L−D)
n
(I)
[式中、
Abは、[標的]抗体もしくは抗原抗体、またはその[標的]結合フラグメントもしくはその抗原結合フラグメントであり、
Lは、リンカーであり、
Dは、下記式(II)の薬物部分であり:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
R
1は、HまたはOHであり、
R
2は、基:(C
1−C
6)アルキル、COOH、COO−((C
1−C
6)アルキル)またはチアゾリルであり、
R
3は、Hまたは(C
1−C
6)アルキル基であり、
Aは、下記であり:
式−Het−Alk−の基、ここで、Alkは(C
1−C
8)アルカンジイル基であり、かつ、NR
3に連結され、Hetは、(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよく、かつ、少なくとも1つの窒素原子を含有する複素環であり、前記窒素原子はLに連結されている)、または
式−A
a−A
b−の基、ここで、A
aはLに連結され、かつ、OまたはNR
9であり、ここで、R
9はHまたは(C
1−C
6)アルキルであり、A
bはNR
3に連結され、かつ、
・(C
1−C
8)アルカンジイル基、
・−(CH
2CH
2X
1)
a1(CH
2CH
2X
2)
a2(CH
2CH
2X
3)
a3(CH
2CH
2X
4)
a4CH
2CH
2−基、ここで、X
1、X
2、X
3およびX
4はそれぞれ互いに独立してOまたはNR
8を表し、a1、a2、a3およびa4はそれぞれ互いに独立して0または1を表し、かつ、R
8はHまたは(C
1−C
6)アルキル基を表す、
・アリール−(C
1−C
8)アルカンジイルまたは複素環−(C
1−C
8)アルカンジイル基、前記基は(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよく、アリールまたは複素環部分はA
aに連結され、かつ、(C
1−C
8)アルカンジイル部分はNR
3に連結され、
波線は、Lとの結合点を示す)、かつ、
nは、1〜12である]。
【0009】
1つの実施態様では、本発明は、本発明による前記[標的]抗体もしくは抗原抗体の[標的]もしくは抗原、またはその[標的]もしくは抗原結合フラグメントがCD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER1、HER3、HER2、IGF−1R、Axlおよびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0010】
1つの実施態様では、本発明は、本発明による前記[標的]抗体もしくは抗原抗体の前記[標的]もしくは抗原、またはその[標的]もしくは抗原結合フラグメントが、HER2、IGF−1Rおよびタンパク質Axl、好ましくは、ヒトHER2、ヒトIGF−1Rおよびヒトタンパク質Axl、およびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0011】
1つの実施態様では、本発明は、前記Abが、
i)抗体208F2、212A11、214F8、219D6および213B10、
ii)IGF−1Rとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、ならびに
iii)i)の抗体と同じIGF−1Rのエピトープと結合する抗体
から選択される、ヒトIGF−1Rと結合し得る抗体、またはその抗原結合フラグメントである、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0012】
1つの実施態様では、本発明は、前記Abが、
i)配列番号1、2および3の配列の3つの重鎖CDRと、配列番号4、5および6の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
ii)IGF−1Rとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、ならびに
iii)i)の抗体と同じIGF−1Rのエピトープと結合する抗体
から選択されるヒトIGF−1Rと結合し得る抗体、またはその抗原結合フラグメントである、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0013】
1つの実施態様では、本発明は、前記Abが、
a)配列番号33の配列の重鎖可変ドメイン(VH)、前記配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82または95から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる、ならびに
b)配列番号35の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)、前記配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77または87から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる、
を含んでなる抗体である、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0014】
1つの実施態様では、本発明は、前記Abが、
i)配列番号59、60および61の配列の3つの重鎖CDRと、配列番号56、57および58の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
ii)Axlとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、ならびに
iii)i)の抗体と同じAxlのエピトープと結合する抗体
から選択されるヒトタンパク質Axlと結合し得る抗体、またはその抗原結合フラグメントである、本発明による抗体−薬物複合体関する。
【0015】
1つの実施態様では、本発明は、前記Abが特にトラスツズマブからなるヒトHER2と結合し得る抗体、またはその抗原結合フラグメントである、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0016】
1つの実施態様では、本発明は、Lが下記式(III):
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
のリンカーであり、式中、
L
2は、(C
4−C
10)シクロアルキル−カルボニル、(C
2−C
6)アルキル、(C
2−C
6)アルキル−カルボニルであり、
Wは、アミノ酸単位であり、wは、0〜5の間を含んでなる整数であり、
Yは、PAB−カルボニルであり、ここで、PABは、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
であり、yは、0または1であり、
アスタリスクは、Dとの結合点を示し、かつ、
波線は、Abとの結合点を示す、
本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0017】
1つの実施態様では、本発明は、L
2が下記式:
【化4】
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のものであり、式中、
アスタリスクは、(W)
wとの結合点を示し、かつ、
波線は、マレイミド部分の窒素原子との結合点を示す、
本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0018】
1つの実施態様では、本発明は、
w=0、またはw=2そしてかつ、(W)
wが
【化5】
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から選択され、式中、
アスタリスクは(Y)
yとの結合点を示し、かつ、
波線は、L
2との結合点を示す、
本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0019】
1つの実施態様では、本発明は、Lが
【化6】
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から選択され、式中、アスタリスクはDとの結合点を示し、かつ、波線はAbとの結合点を示す、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0020】
1つの実施態様では、本発明は、Aが式−A
a−A
b−の基であり、式中、A
aは請求項1に定義される通りであり、かつ、A
bは基:
フェニル−(C
1−C
2)アルカンジイル、または
(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
2)アルカンジイル、前記複素環は、1または2個の窒素原子を含んでなる5または6員を有する飽和、不飽和または芳香環であり、特に、ピリジン、ピペリジンおよびイミダゾールの中から選択され、好ましくはピリジンである、本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0021】
1つの実施態様では、本発明は、Aが下記式:
【化7】
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の基であり、式中、
R
9は請求項1に定義される通りであり、mは1〜8の間を含んでなる整数であり、好ましくは、R
9=HまたはMeおよびm=1または2であり、
波線は、Lとの結合点を示し、かつ、
アスタリスクは、NR
3との結合点を示す、
本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0022】
1つの実施態様では、本発明は、(L−D)が
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、式中、
波線は、Abとの結合点を示す、
本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0023】
別の実施態様では、本発明は、
【化9】
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[この文献は図面を表示できません]
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される式を有し、
式中、Abは、[標的]抗体もしくは抗原抗体、またはその[標的]結合フラグメントもしくはその抗原結合フラグメントである、
本発明による抗体−薬物複合体に関する。
【0024】
1つの実施態様において、本発明によれば、前記Abは、[標的]抗体もしくは抗原抗体、またはその[標的]結合フラグメントもしくはその抗原結合フラグメントであり、前記[標的]または抗原は、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER1、HER3、HER2、IGF−1R、Axlおよびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される。
【0025】
1つの実施態様において、本発明によれば、前記Abは、[標的]抗体もしくは抗原抗体、またはその[標的]もしくは抗原結合フラグメントであり、前記[標的]または抗原は、HER2、IGF−1Rおよびタンパク質Axl、好ましくは、ヒトHER2、ヒトIGF−1Rおよびヒトタンパク質Axl、およびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントから選択される。
【0026】
1つの実施態様において、本発明によれば、前記Abは抗体、またはその抗原結合フラグメントであり、
a)
i)抗体208F2、212A11、214F8、219D6および213B10、
ii)IGF−1Rとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、ならびに
iii)i)の抗体と同じIGF−1Rのエピトープと結合する抗体
から選択されるヒトIGF−1Rと結合し得るAb、またはその抗原結合フラグメント、
b)
i)配列番号1、2および3の配列の3つの重鎖CDRと配列番号4、5および6の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
ii)IGF−1Rとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、ならびに
iii)i)の抗体と同じIGF−1Rのエピトープと結合する抗体
から選択されるヒトIGF−1Rと結合し得るAb、またはその抗原結合フラグメント、
c)
i)配列番号33の配列の重鎖可変ドメイン(VH)、前記配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82または95から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる、ならびに
ii)配列番号35の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)、前記配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77または87から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる、
を含んでなるAb、
d)
i)配列番号59、60および61の配列の3つの重鎖CDRと配列番号56、57および58の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
ii)Axlとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、ならびに
iii)i)の抗体と同じAxlのエピトープと結合する抗体
から選択されるヒトタンパク質Axlと結合し得るAb、またはその抗原結合フラグメント、ならびに
e)好ましくはトラスツズマブまたはペルツズマブからなるヒトHER2と結合し得るAb、またはその抗原結合フラグメント
から選択される。
【0027】
1つの実施態様において、本発明によれば、nは2であるか、またはnは4である。
【0028】
別の実施態様では、本発明は、薬剤として使用するための本発明による抗体−薬物複合体を対象とする。
【0029】
別の実施態様では、本発明は、本発明による少なくとも1つの抗体−薬物複合体を含んでなる組成物を対象とする。
【0030】
1つの実施態様では、本発明による組成物は、薬学的に許容可能なビヒクルをさらに含んでなる。
【0031】
別の実施態様では、本発明は、[標的]発現癌または抗原発現癌の処置において使用するための、前記標的]または抗原が好ましくはCD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER1、HER3、HER2、IGF−1R、Axlおよびそれらの細胞膜外(ECD)から、より好ましくは、HER2、IGF−1Rおよびタンパク質、またより好ましくは、ヒトHER2、ヒトIGF−1Rおよびヒトタンパク質Axl、およびそれらの細胞膜外(ECD)フラグメントからから選択される、本発明による組成物を対象とする。
【0032】
1つの実施態様では、前記[標的]発現癌または前記抗原発現癌は、乳癌、結腸癌、食道癌、肝細胞癌、胃癌、神経膠腫、肺癌、黒色腫、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、横紋筋肉腫、腎臓癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、中皮腫、口腔扁平上皮癌、カポジ肉腫、急性白血病、結腸直腸癌、黒色腫、膵管腺癌および任意の薬剤耐性癌から選択される癌である。
【0033】
1つの実施態様では、本発明は、必要とする対象における[標的]発現癌または抗原発現癌の処置のための方法であって、前記対象に有効量の少なくとも1つの本発明による抗体−薬物複合体または本発明による組成物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0034】
I−抗体(Ab)
用語「抗体(antibody)」、「抗体(複数)(antibodies)」、「ab」、「MAb」または「免疫グロブリン」は、最も広義で互換的に使用され、それらが所望の生物活性を示す限り、モノクローナル抗体、単離された、操作された、または組換え型の抗体(例えば、全長または完全モノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、多価抗体または多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)およびまたその抗体フラグメントが含まれる。
【0035】
1つの実施態様では、本発明の抗体は組換え抗体からなる。用語「組換え抗体」は、生細胞内での組換えDNAの発現から生じる抗体を意味する。本発明の組換え抗体は、生物学的有機体では見られないDNA配列を作り出す、当業者に周知の遺伝子組換えの実験法を使用することにより得られる。
【0036】
別の実施態様では、本発明の抗体は、化学的に合成された抗体からなる。
【0037】
より詳しくは、このような分子は、ジスルフィド結合により相互接続された少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖とを含んでなる糖タンパク質からなる。各重鎖は、重鎖可変領域(またはドメイン)(本発明ではHCVRまたはVHと略される)と重鎖定常領域とを含んでなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3を含んでなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本発明ではLCVRまたはVLと略される)と軽鎖定常領域とを含んでなる。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLを含んでなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散在した相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細分できる。各VHおよびVLは、3つのCDRと4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4に配置されている。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(Clq)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0038】
本発明による抗体の「抗原結合フラグメント」または「標的結合フラグメント」とは、抗体の標的(一般には抗原とも呼ばれる)と結合する能力を保持し、抗体のアミノ酸配列の少なくとも10個の連続するアミノ酸残基、少なくとも15個の連続するアミノ酸残基、少なくとも20個の連続するアミノ酸残基、少なくとも25個の連続するアミノ酸残基、少なくとも40個の連続するアミノ酸残基、少なくとも50個の連続するアミノ酸残基、少なくとも60個の連続するアミノ酸残基、少なくとも70個の連続するアミノ酸残基、少なくとも80個の連続するアミノ酸残基、少なくとも90個の連続するアミノ酸残基、少なくとも100個の連続するアミノ酸残基、少なくとも125個の連続するアミノ酸残基、少なくとも150個の連続するアミノ酸残基、少なくとも175個の連続するアミノ酸残基、少なくとも200個の連続するアミノ酸残基、または少なくとも250個の連続するアミノ酸残基のアミノ酸配列を含んでなる、いずれのペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質も示すものとする。
【0039】
1つの実施態様では、このような「抗原結合フラグメント」は、Fv、scFv(scは一本鎖)、Fab、F(ab’)
2、Fab’、scFv−Fcフラグメントもしくはダイアボディ、またはポリ(エチレン)グリコール(「ペグ化」)(Fv−PEG、scFv−PEG、Fab−PEG、F(ab’)
2−PEGまたはFab’−PEGと呼ばれるペグ化フラグメント)(「PEG」はポリ(エチレン)グリコール)などのポリ(アルキレン)グリコールの添加などの化学修飾により、または本発明による抗体の特徴的CDRのうち少なくとも1つを有する前記フラグメントをリポソーム内に組み込むことによりその半減期が延長されている任意のフラグメントからなる群において選択される。好ましくは、前記「抗原結合フラグメント」は、それらが由来する抗体の可変重鎖または軽鎖の部分配列から構成されるか、または含んでなり、前記部分配列は、それが由来する抗体と同じ結合特異性、および標的に対して十分な、好ましくは、それが由来する抗体の親和性の少なくとも1/100、より好ましい様式では少なくとも1/10に相当する親和性を保持するのに十分なものである。
【0040】
「結合」、または「結合する」などとは、抗体、またはその任意の抗原結合フラグメントが、生理学的条件下で比較的安定な、抗原との複合体を形成することが意図される。特異的結合は、少なくとも約1.10
−6Mの平衡解離定数を特徴とし得る。2分子が結合するかどうかを決定するための方法は当技術分野で周知であり、例えば、平衡透析、表面プラズモン共鳴、および放射性標識アッセイなどが挙げられる。疑念を避けるため、それは前記抗体が別の抗原と、低レベルで結合または干渉できないことを意味するものではない。しかしながら、1つの好ましい実施態様として、前記抗体は前記抗原のみと結合する。
【0041】
本明細書において使用する場合、「[標的]抗体」という表現は、「抗[標的]抗体」と同様に解釈されるべきであり、[標的]と結合し得る抗体を意味する。
【0042】
「標的」または[標的]という表現は、細胞、好ましくは、腫瘍細胞、より好ましくは、哺乳動物(mamals)およびヒト細胞の表面に存在し、かつ、薬物送達のために使用可能な任意の分子と解釈されるべきである。好ましくは、標的は、正常細胞と比較して腫瘍細胞の表面で特異的に発現するか、または過剰発現する。
【0043】
より詳しくは、前記標的は、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD33、CD40、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED−B、TMEFF2、EphB2、EphA2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG−72、GD2、CAIX、5T4、HER1、HER3、HER2、IGF−1RまたはAxl(B.A. Teicher, Current Cancer Drug Targets, 2009, 9, 982-1004)から選択することができる。
【0044】
好ましい標的としては、HER2、IGF−1RおよびAxl、好ましくは、ヒトHER2、IGF−1RおよびAxlを挙げることができる。
【0045】
非限定例として、「HER2抗体」、「IGF−1R抗体」または「Axl抗体」という表現は、「抗HER2抗体」、「抗IGF−1R抗体」または「抗Axl抗体」と同様に解釈されるべきであり、それぞれHER2、IGF−1RまたはAxlと結合し得る抗体を意味する。
【0046】
本出願では、抗体のエピトープは、優先的には、標的の細胞外ドメインに位置する。
【0047】
特定の実施態様では、抗体、またはその任意の抗原結合フラグメントは、10.10
−10〜1×10
−10の間、より優先的には8×10
−10〜2×10
−10の間を含むEC
50で標的と結合し得る。
【0048】
用語50%有効濃度(EC
50)は、ベースラインと明示されたある暴露時間後の最大値の半分の応答を誘導する薬物、抗体または毒物の濃度に対応する。それは薬物の効力の尺度として慣用されている。従って、漸増用量反応曲線のEC
50は、その最大効果の50%が見られる化合物の濃度を表す。素量的用量反応曲線のEC
50は、明示された暴露期間の後に集団の50%が応答を示す化合物の濃度を表す。濃度尺度は一般に、比較的小さな濃度変化で急激に増加するシグモイド曲線を描く。これはベストフィットラインの導出により数学的に決定できる。
【0049】
好ましい実施態様として、本発明で決定されたEC
50は、ヒト腫瘍細胞上に露出している標的ECDに結合する抗体の効力を特徴付ける。EC
50パラメーターは、FACS分析を用いて決定される。EC
50パラメーターは、ヒト腫瘍細胞上で発現されるヒト標的上で最大結合の50%が得られる抗体濃度を表す。各EC
50値は、4パラメーター回帰曲線フィッティングプログラム(Prism Software)を用いて用量反応曲線の中点として計算された。このパラメーターは生理学的/病理学的状態を代表するように選択された。
【0050】
用語「エピトープ」は、抗体により結合される抗原の領域である。エピトープは、構造的または機能的として定義され得る。機能的エピトープは一般に構造的エピトープのサブセットであり、相互作用の親和性に直接寄与する残基を有する。エピトープはまたコンフォメーション的でもあり得、すなわち、非直鎖アミノ酸から構成される。特定の実施態様では、エピトープは、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル基、またはスルホニル基などの化学的に活性な表面分子群である決定基を含み得、特定の実施態様では、特定の三次元構造特徴、および/または特定の変化特徴を有し得る。
【0051】
標的との結合に関する競合は、限定されるものではないが、放射能、Biacore、ELISA、フローサイトメトリーなどの当業者に公知のいずれの方法または技術によっても決定可能である。「標的との結合に関して競合する」とは、少なくとも20%、優先的には少なくとも50%、より優先的には少なくとも70%の競合を意味する。
【0052】
同じエピトープへの結合の決定は、限定されるものではないが、例では、放射能、Biacore、ELISA、フローサイトメトリーなどの当業者に公知のいずれの方法または技術によっても決定可能である。「標的の同じエピトープに結合する」とは、少なくとも20%、優先的には少なくとも50%、より優先的には少なくとも70%に競合を意味する。
【0053】
上述のように、一般的知識に反して、本発明は、それらの標的との結合後に高い内部移行能を示す特定の抗体に着目する。本明細書で使用される場合、「内部移行される」または「内部移行された」抗体(これらの2つの表現は同様である)は、哺乳動物細胞上の標的に結合した際に細胞により取り込まれる(それが入ることを意味する)ものである。このような抗体はADCの一部として着目され、従って、それは連結された細胞傷害剤を標的癌細胞にアドレス指定する。ひと度、内部移行されると、細胞傷害剤は癌細胞の死滅を誘導する。
【0054】
ADC療法で成功するための重要な鍵は、標的抗原の特異性と抗原−抗体複合体の癌細胞への内部移行であると思われる。明らかに内部移行しない抗原は内部移行する抗原よりも細胞傷害性薬剤送達効果が低い。内部移行プロセスは抗原によって異なり、抗体により影響を受け得る複数のパラメーターに依存する。
【0055】
ADCでは、細胞傷害剤が細胞傷害活性を付与し、使用する抗体が癌細胞に対する特異性、ならびに細胞傷害剤を適正にアドレス指定するよう細胞内に入れるためのベクターを担う。従って、ADCを改善するために、抗体は標的癌細胞への高い内部移行能を示さなければならない。抗体により媒介される内部移行の効率は、標的とされるエピトープによって有意に異なる。強力な内部移行性抗体の選択には、標的のダウンレギュレーションだけではなく、抗体の細胞への浸透を研究する様々な実験データが必要である。
【0056】
好ましい実施態様では、本発明による抗体の内部移行は、免疫蛍光もしくはFACS(フローサイトメトリー)(本出願の下記に例示される通り)または内部移行機構に特異的な当業者に知られている任意の方法もしくはプロセスによって評価することができる。好ましい実施態様では、本発明による抗体は、標的との結合後に少なくとも30%、優先的には50%およびより優先的には80%の内部移行を誘導し得る。
【0057】
複合体標的/抗体は、前記標的のECDへの抗体の結合の後に内部移行され、細胞表面の標的量の減少が誘導される。この減少は当業者に公知のいずれかの方法(ウエスタンブロット、FACS、および免疫蛍光など)によって定量することができる。
【0058】
複合体IGF−1R/抗体は、前記IGF−1RのECDへの抗体の結合の後に内部移行され、細胞表面のIGF−1R量の減少が誘導される。この減少は、限定されるものではないが、ウエスタンブロット、FACS、および免疫蛍光などの当業者に公知のいずれかの方法によって定量することができる。
【0059】
非限定例として、このΔは、i)本明細書に記載の抗体との4時間のインキュベーション後の癌細胞、例えばMCF7などと、ii)Alexa488で標識された二次抗体を用い、非処理細胞および抗体で処理した細胞で得られたMFIに基づいて決定される。このパラメーターは、下記式:Δ(MFI
4℃−MFI
37℃)で算出される通りに定義される。他の実施態様は、下記の例で詳説する。
【0060】
MFIは細胞表面で発現されるIGF−1Rに比例するので、このMFI間の差異は、GF−1Rのダウンレギュレーションを反映する。
【0061】
有利な側面において、本抗体は、一例として、MCF−7などの癌細胞上でΔ(MFI
4℃−MFI
37℃)を惹起する少なくとも280、好ましくは少なくとも400の抗体からなる。
【0062】
より詳細には、上述のΔは下記の過程に従って測定することができ、それは例示的な非限定例と見なされるべきである:
a)対象とする腫瘍細胞を低温(4℃)または温かい(37℃)完全培養培地中、本発明の抗体で処理し、インキュベートすること、
b)工程a)の処理細胞および並行して非処理細胞を二次抗体で処理すること、
c)本発明の抗体と結合し得る二次標的抗体で処理した細胞および非処理の細胞のMFIを測定すること(表面に存在するIGF−1Rの量を代表する)、および
d)Δを非処理細胞で得られたMFIから処理細胞で得られたMFIの減算として計算すること。
【0063】
このΔMFIから、内部移行パーセンテージ:
100×(MFI
4℃−MFI
37℃)/MFI
4℃
を求めることができる。
【0064】
本発明による抗体は、好ましくは、50%〜99%、70%〜90%、優先的には75%〜87%の間を含む内部移行パーセンテージで存在する。
【0065】
本明細書に記載の抗体の特定の利点は、それらの内部移行速度に頼る。
【0066】
ADCの場合、使用する抗体は急速な、好ましくは、抗体の投与から24時間以内、より好ましくは12時間以内、一層より好ましくは6時間以内の内部移行速度を示すことが望ましいことが一般に知られている。
【0067】
本発明では、細胞表面結合抗体減少または細胞表面抗体減衰とも呼ばれる内部移行率はt1/2(半減期)として表され、ΔMFIの50%の低下を得るために必要な時間に相当する(この側面は、下記の例に関して明確に理解される)。
【0068】
特定の利点は、本発明の抗体は、5〜25分の間、優先的には10〜20分の間を含むt1/2を有する。
【0069】
以下の明細書では、2つの好ましい標的を例示する。
【0070】
これらの2つの好ましい標的については、「本発明による抗体」、または「本発明の抗体」とは、それぞれ「本発明によるADCの抗体」または「本発明のADCの抗体」と理解されなければならない。
【0071】
I.1:IGF−1R抗体
本発明の特定の実施態様は、抗体Abが配列番号2の配列のCDR−H2を有する3つの重鎖CDRおよび配列番号3の配列のCDR−H3と、配列番号5の配列のCDR−L2を有する3つの軽鎖CDRとを含んでなるADCに関する。
【0072】
本発明の特定の実施態様は、抗体Abが配列番号1、2および3の配列の3つの重鎖CDRと、配列番号4、5および6の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなるADCに関する。
【0073】
ADCの実施態様は、配列番号1、2および3の配列、または配列番号1、2および3と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列とを含んでなる3つの重鎖CDR、ならびに配列番号4、5および6の配列、または配列番号4、5および6と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有する任意の配列を含んでなる3つの軽鎖CDRを含んでなる抗体を含んでなる。
【0074】
別の実施態様では、抗体、またはその任意の抗原結合フラグメントは、配列番号1、2および3の配列を含んでなる3つの軽鎖CDR、ならびに配列番号4、5および6の配列を含んでなる3つの重鎖CDRを含んでなる。
【0075】
IMGT独自ナンバリングは、抗原受容体であれ、鎖型であれ、または種であれ、可変ドメインを比較するために定義されている[Lefranc M.-P., Immunology Today 18, 509 (1997) / Lefranc M.-P., The Immunologist, 7, 132-136 (1999) / Lefranc, M.-P., Pommie, C, Ruiz, M., Giudicelli, V., Foulquier, E., Truong, L., Thouvenin-Contet, V. and Lefranc, Dev. Comp. Immunol, 27, 55-77 (2003)]。IMGT独自ナンバリングでは、保存されているアミノ酸は、常に同じ位置を持ち、例えば、システイン23(1st−CYS)、トリプトファン41(CONSERVED−TRP)、疎水性アミノ酸89、システイン104(2nd−CYS)、フェニルアラニンまたはトリプトファン118(J−PHEまたはJ−TRP)などである。IMGT独自ナンバリングは、フレームワーク領域の標準的な画定(FR1−IMGT:1〜26番、FR2−IMGT:39〜55番、FR3−IMGT:66〜104番およびFR4−IMGT:118〜128番)および相補性決定領域の標準的な画定:CDR1−IMGT:27〜38番、CDR2−IMGT:56〜65番およびCDR3−IMGT:105〜117番を提供する。ギャップは占有されていない位置を表すので、CDR−IMGT長(括弧内に示され、ドットで仕切られる、例えば[8.8.13])は重要な情報となる。IMGT独自ナンバリングは、IMGT Colliers de Perles[Ruiz, M. and Lefranc, M.-P., Immunogenetics, 53, 857-883 (2002) / Kaas, Q. and Lefranc, M.-P., Current Bioinformatics, 2, 21-30 (2007)]と呼ばれる2Dグラフ、およびIMGT/3Dstructure−DB[Kaas, Q., Ruiz, M. and Lefranc, M.-P., T cell receptor and MHC structural data. Nucl. Acids. Res., 32, D208-D210 (2004)]における3D構造において使用される。
【0076】
本明細書に相反する記載がなければ、相補性決定領域またはCDRは、IMGTナンバリングシステムに従って定義される免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域を意味する。
【0077】
CDRもやはりKabatナンバリングシステム(Kabat et al., Sequences of proteins of immunological interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH, 1991,および後続版)に従って定義することができる。3つの重鎖CDRと3つの軽鎖CDRが存在する。ここで、用語CDR(単数または複数)は、場合に応じて、抗体が認識する抗原またはエピトープに対するその抗体の親和性を担うアミノ酸残基の大多数を含むこれらの領域の1以上もしくはさらには全体を示すために使用される。本出願の通読を簡単にするために、KabatによるCDRは定義しない。しかしながら、IMGTによるCDRの定義を用いてKabatによるCDRを定義することは当業者には自明であろう。
【0078】
本発明の意味において、核酸またはアミノ酸の2配列間の「同一性」または「同一性パーセンテージ」は、最適なアラインメントの後に得られる、比較する2配列間の同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基のパーセンテージを意味し、このパーセンテージは、純粋に統計学的なものであり、2配列間の差異はそれらの長さに沿ってランダムに分布している。2つの核酸配列またはアミノ酸配列間の比較は、それらを最適にアラインした後に配列を比較することによって慣例的に行われ、前記比較はセグメントにより、または「アラインメントウインドウ」を使用することによって行うことができる。比較のための配列の最適なアラインメントは、手による比較の他、Smith and Waterman (1981) [Ad. App. Math. 2:482]のローカルホモロジーアルゴリズムの手段によるか、Neddleman and Wunsch (1970) [J. Mol. Biol. 48:443]のローカルホモロジーアルゴリズムの手段によるか、Pearson and Lipman (1988) [Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444]の類似性検索法の手段によるか、またはこれらのアルゴリズムを用いるコンピューターソフトウエア(the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA、または比較ソフトウエアBLAST NRもしくはBLAST Pによる)の手段によって行うことができる。
【0079】
同一性パーセンテージは、2配列間、好ましくは2つの全配列の間でアミノ酸ヌクレオチドまたは残基 (the amino acid nucleotide or residue)が同一である位置の数を決定し、その同一の位置の数をアラインメントウインドウ内の位置の総数で割り、その商に100を掛けて2配列間の同一性パーセンテージを得ることによって計算される。
【0080】
例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlのサイトで利用可能なBLASTプログラム、「BLAST 2 sequences」(Tatusova et al, "Blast 2 sequences - a new tool for comparing protein and nucleotide sequences", FEMS Microbiol, 1999, Lett. 174:247-250)をデフォルトパラメーター(特に、パラメーター「オープンギャップペナルティー」:5、および「エクステンションギャップペナルティー」:2に関して、選択されるマトリックスは、このプログラムによって提案される例えば「BLOSUM 62」マトリックスである)とともに使用し、比較する2配列間の同一性パーセンテージはこのプログラムによって直接計算される。
【0081】
参照アミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示すアミノ酸配列に関して、好ましい例としては、参照配列、特定の改変、特に、少なくとも1つのアミノ酸の欠失、付加もしくは置換、末端切断または延長を含有するものが含まれる。1以上の連続または非連続アミノ酸の置換の場合、置換アミノ酸が「等価な」アミノ酸により置換される置換が好ましい。ここで、「等価なアミノ酸」は、構造アミノ酸の1つに関しておそらく置換されるが、対応する抗体の、また、以下に定義される具体例の、生物活性を変更しないいずれのアミノ酸も示すものとする。
【0082】
等価なアミノ酸は、それらが置換されるアミノ酸との構造的相同性か、または生成される可能性のある種々の抗体間の生物活性の比較試験の結果かのいずれかに基づいて決定され得る。
【0083】
限定されない例として、下記表1は、対応する改変抗体の生物活性に有意な改変をもたらさずに行えると思われる潜在的置換をまとめたものであり、同じ条件下で逆の置換も当然可能である。
【0084】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0085】
本発明の特定の側面は、抗体がインスリン受容体(IR)に結合しないというものである。この側面は、本明細書に記載の抗体はIR、すなわち、インスリン代謝に悪影響を持たないので注目される。
【0086】
本発明のADCの抗体のさらに別の有利な側面は、ヒトIGF−1Rにだけでなく、サルIGF−1Rにも、より詳しくはカニクイザルIGF−1Rにも結合できるということである。この側面もまた、それが臨床試験に要される毒性評価を助けるので注目される。
【0087】
さらに別の実施態様では、本発明のADCの抗体は、モノクローナル抗体からなる。
【0088】
用語「モノクローナル抗体」または「Mab」は、本明細書で使用される場合、実質的に均質の抗体の集団から得られる抗体を意味し、すなわち、その集団の個々の抗体は、わずかな量で見られ得る潜在的な自然突然変異以外は同一である。モノクローナル抗体は特異性が高く、単一のエピトープに向けられている。このようなモノクローナル抗体は、B細胞の単一のクローンまたはハイブリドーマにより生産され得る。モノクローナル抗体はまた、組換え型であってもよく、すなわち、タンパク質工学または化学合成によっても生産され得る。モノクローナル抗体はまた、ファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。加えて、一般に種々の決定基またはエピトープに対する種々の抗体を含むポリクローナル抗体の作製とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原の単一のエピトープに対するものである。
【0089】
モノクローナル抗体は、本明細書において、以降に記載されるものなどのマウス、キメラおよびヒト化抗体を含む。
【0090】
抗体は好ましくは、微生物培養物の仏国コレクション(CNCM、パスツール研究所、25 Rue du Docteur Roux、75724 Paris Cedex 15、フランス)に提出されたマウス起源のハイブリドーマに由来し、前記ハイブリドーマは、Balb/C免疫マウス脾細胞/リンパ球と骨髄腫Sp 2/O−Ag 14細胞株の細胞の融合βにより得られたものである。
【0091】
1つの実施態様では、本発明のADCのIGF−1R抗体はマウス抗体からなり、従って、m[抗体の名称]と呼ばれる。
【0092】
1つの実施態様では、IGF−1R抗体はキメラ抗体からなり、従って、c[抗体の名称]と呼ばれる。
【0093】
1つの実施態様では、IGF−1R抗体はヒト化抗体からなり、従って、hz[抗体の名称]と呼ばれる。
【0094】
疑念を避けるため、以下の明細書において、「IGF−1R抗体」および「[抗体の名称]という表現は同等であり、前記IGF−1R抗体または前記「[抗体の名称]」のマウス型、キメラ型およびヒト化型を含む(相反する記載がない限り)。必要であれば、接頭辞m− (マウス)、c−(キメラ)またはhz−(ヒト化)が使用される。
【0095】
より明確にするために、下記表2に好ましい抗体に関してIMGTに従って定義されるCDR配列を示す。
【0096】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0097】
上記のような6つのCDRのいずれの組合せも本発明の一部と見なされるべきであることは当業者には自明であろう。
【0098】
この表2から見て取ることができるように、本明細書に記載の抗体は総て、CDR−H2、CDR−H3およびCDR−L2に関して同じ配列を有し、この特性は上記のように特に注目される。
【0099】
特定の側面は、マウスとは異種の、特にヒトの抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域も含んでなることを特徴とするマウス抗体に関する。
【0100】
別の特定の側面は、マウスとは異種の、特にヒトの抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域も含んでなることを特徴とするキメラ(c)抗体に関する。
【0101】
キメラ抗体は、所与の種の抗体に由来する天然可変領域(軽鎖および重鎖)を前記の所与の種とは異種の抗体の軽鎖および重鎖の定常領域と組み合わせて含有するものである。
【0102】
キメラ抗体は、組換え遺伝子の技術を使用することにより製造され得る。例えば、キメラ抗体は、プロモーターおよび非ヒト、特にマウスの本発明のADCのモノクローナル抗体の可変領域をコードする配列および異種、好ましくは、ヒトの抗体定常領域をコードする配列を含む組換えDNAをクローニングすることにより製造することができる。1つのこのような組換え遺伝子によりコードされている本発明によるADCのキメラ抗体は、例えば、マウス−ヒトキメラであり得、この抗体の特異性はマウスDNAに由来する可変領域により決定され、そのアイソタイプは、ヒトDNAに由来する定常領域により決定される。
【0103】
限定されるものではないが、好ましい実施態様では、本発明のADCの抗体は、
a)配列番号13の配列または配列番号13と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
b)配列番号14の配列または配列番号14と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号10、5および11の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
c)配列番号15の配列または配列番号15と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、
d)配列番号16の配列または配列番号16と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、ならびに
e)配列番号17の配列または配列番号17と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号9、5および12の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体
から選択される。
【0104】
「配列番号13〜17と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列」とは、配列番号1、2および3の3つの重鎖CDRを示し、加えて、CDRに相当する配列(すなわち、配列番号1、2および3)外の配列番号13〜17の全長配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す配列を表すものとする。
【0105】
限定されるものではないが、別の好ましい実施態様では、本発明のADCの抗体は、
a)配列番号18の配列または配列番号18と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体、
b)配列番号19の配列または配列番号19と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体、
c)配列番号20の配列または配列番号20と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体、
d)配列番号21の配列または配列番号21と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号8、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体、ならびに
e)配列番号22の配列または配列番号22と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体
から選択される。
【0106】
「配列番号18〜22と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列」とは、配列番号4、5および6の3つの軽鎖CDRを示す、および加えて、CDRに相当する配列(すなわち、配列番号4、5および6)外の配列番号18〜22の全長配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す配列を表すものとする。
【0107】
本発明の実施態様は、Abが、
a)配列番号13の配列または配列番号13と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号18の配列または配列番号18と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる抗体、
b)配列番号14の配列または配列番号14と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号19の配列または配列番号19と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる抗体、
c)配列番号15の配列または配列番号15と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号20の配列または配列番号20と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる抗体、
d)配列番号16の配列または配列番号16と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号21の配列または配列番号21と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる抗体、ならびに
e)配列番号17の配列または配列番号17と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号22の配列または配列番号22と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインとを含んでなる抗体
から選択される抗体であるADCに関する。
【0108】
本明細書に記載のキメラ抗体はまた定常ドメインによっても特徴付けることができ、より詳しくは、限定されるものではないが、IgG1、IgG2、IgG3、IgM、IgA、IgDまたはIgEなどの前記キメラ抗体が選択または設計され得る。より好ましくは、本発明に関して、前記キメラ抗体はIgG1またはIgG4である。
【0109】
本発明の実施態様は、Abが、形式IgG1において上記されているような可変ドメインVHおよびVLを含んでなるキメラ抗体であるADCに関する。より好ましくは、前記キメラ抗体は、配列番号43の配列のVHの定常ドメインと、配列番号45の配列のVLのKappaドメインとを含んでなる。
【0110】
本発明の実施態様は、Abが、形式IgG4において上記されているような可変ドメインVHおよびVLを含んでなるキメラ抗体であるADCに関する。より好ましくは、前記キメラ抗体は、配列番号44の配列のVHの定常ドメインと、配列番号45の配列のVLのKappaドメインとを含んでなる。
【0111】
限定されるものではないが、別の好ましい実施態様では、本発明のADCの抗体は、
a)配列番号23の配列または配列番号23と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号28の配列または配列番号28と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖とを含んでなるまたはからなる抗体、
b)配列番号24の配列または配列番号24と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号29の配列または配列番号29と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖とを含んでなるまたはからなる抗体、
c)配列番号25の配列または配列番号25と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号30の配列または配列番号30と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖とを含んでなるまたはからなる抗体、
d)配列番号26の配列または配列番号26と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号31の配列または配列番号31と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖とを含んでなるまたはからなる抗体、ならびに
e)配列番号27の配列または配列番号27と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号32の配列または配列番号32と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖とを含んでなるまたはからなる抗体
から選択される。
【0112】
より明確にするために、下記表3に好ましいキメラ抗体に関してそれぞれVHおよびVLの配列を示す。
【0113】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
本発明のさらに別の特定の側面は、Abが、ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖の定常領域がそれぞれλまたはκ領域およびγ−1、γ−2またはγ−4領域であることを特徴とするヒト化抗体である、ADCに関する。
【0115】
「ヒト化抗体」は、非ヒト起源の抗体に由来するCDR領域を含み、抗体分子の他の部分は1つの(またはいくつかの)ヒト抗体に由来する抗体を意味する。加えて、骨格セグメント残基(FRと呼ばれる)の一部を、結合親和性を保持するように改変することができる。
【0116】
ヒト化抗体またはそのフラグメントは、当業者に公知の技術によって作製することができる。このようなヒト化抗体は、in vitro診断またはin vivoにおける予防的および/または治療的処置を含む方法におけるそれらの使用に好ましい。PDLにより特許EP0451216、EP0682040、EP0939127、EP0566647またはUS5,530,101、US6,180,370、US5,585,089およびUS5,693,761に記載されている例えば、「CDRグラフト」技術などの他のヒト化技術もまた当業者に公知である。米国特許第5,639,641号または同第6,054,297号、同第5,886,152号および同第5,877,293号も引用することができる。
【0117】
本発明の特定の実施態様として、以下の実施例においてより詳しく解説されるように、本明細書ではhz208F2からなる抗体が記載される。このようなヒト化は、本発明の他の抗体部分にも当てはまり得る。
【0118】
好ましい実施態様では、本発明によるADCの抗体は、
i)それぞれ配列番号7、2および3の配列のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3と、
ii)ヒト生殖系列IGHV1−46
*01(配列番号46)に由来するFR1、FR2およびFR3と、
iii)ヒト生殖系列IGHJ4
*01(配列番号48)に由来するFR4
を有する重鎖可変ドメイン(VH)を含んでなる。
【0119】
好ましい実施態様では、本発明によるADCの抗体は、
i)それぞれ配列番号9、5および11の配列のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3と、
ii)ヒト生殖系列IGKV1−39
*01(配列番号47)に由来するFR1、FR2およびFR3と、
iii)ヒト生殖系列IGKJ4
*01(配列番号49)に由来するFR4
を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含んでなる。
【0120】
限定されるものではないが、本発明の好ましい実施態様では、ADCの抗体は、
a)それぞれ配列番号7、2および3の配列のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3と、ヒト生殖系列IGHV1−46
*01(配列番号46)に由来するFR1、FR2およびFR3、ならびにヒト生殖系列IGHJ4
*01(配列番号48)に由来するFR4とを有する重鎖と、
b)それぞれ配列番号9、5および11の配列のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3と、ヒト生殖系列IGKV1−39
*01(配列番号47)に由来するFR1、FR2およびFR3、ならびにヒト生殖系列IGKJ4
*01(配列番号49)に由来するFR4とを有する軽鎖
を含んでなる。
【0121】
1つの実施態様では、本発明によるADCの抗体は、配列番号33の配列の重鎖可変ドメイン(VH)と、配列番号35の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)とを含んでなる。前記ヒト化抗体は、以下、hz208F2(「変異体1」または「Var.1」)と呼ぶ。
【0122】
別の実施態様では、本発明によるADCの抗体は、配列番号33の配列の重鎖可変ドメイン(VH)を含んでなり、前記配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82または95から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる。
【0123】
「復帰突然変異(”back-mutation” or “back mutation”)」という表現は、生殖系列中に存在するヒト残基の突然変異またはマウス配列に元々存在する対応する残基のよる置換を意味する。
【0124】
別の実施態様では、本発明によるADCの抗体は、配列番号33の配列の重鎖可変ドメイン(VH)を含んでなり、前記配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82または95から選択される2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の復帰突然変異を含んでなる。
【0125】
より明確にするために、下記表4に好ましい復帰突然変示す。
【0126】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0127】
1つの実施態様では、本発明によるADCの抗体は、配列番号35の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)を含んでなり、前記配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77または87から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる。
【0128】
1つの実施態様では、本発明によるADCの抗体は、配列番号35の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)を含んでなり、前記配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77または87から選択される2、3、4、5、6、7または8の復帰突然変異を含んでなる。
【0129】
別の実施態様では、本発明によるADCの抗体は、
a)配列番号33の配列の重鎖可変ドメイン(VH)、前記配列番号33の配列は、残基20、34、35、38、48、50、59、61、62、70、72、74、76、77、79、82または95から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる、と、
b)配列番号35の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)、前記配列番号35の配列は、残基22、53、55、65、71、72、77または87から選択される少なくとも1つの復帰突然変異を含んでなる
とを含んでなる。
【0130】
より明確にするために、下記表5に好ましい復帰突然変示す。
【0131】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
このような実施態様では、本発明によるADCの抗体は、上述の復帰突然変異の総てを含んでなり、配列番号34の配列の重鎖可変ドメイン(VH)と、配列番号36の配列の軽鎖可変ドメイン(VL)とを含んでなる抗体に相当する。前記ヒト化抗体を以下、hz208F2(「変異体3」または「Var.3」)と呼ぶ。
【0133】
別の実施態様では、変異体1〜変異体3の間を含むヒト化型もまた本発明により包含される。言い換えれば、本発明によるADCの抗体は、配列番号41の「コンセンサス」配列の重鎖可変ドメイン(VH)と、配列番号42の「コンセンサス」配列の軽鎖可変ドメイン(VL)とを含んでなる抗体に相当する。前記ヒト化抗体を以下、hz208F2(「変異体2」または「Var.2」)と呼ぶ。
【0134】
限定されるものではないが、好ましい実施態様では、本発明のADCの抗体は、
a)配列番号33の配列または配列番号33と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体、または
b)配列番号34の配列または配列番号34と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号9、5および11の配列の3つの軽鎖CDRとを含んでなる抗体
から選択される。
【0135】
「配列番号33または34と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列」とは、配列番号1、2および3の3つの重鎖CDRを示し、加えて、CDRに相当する配列(すなわち、配列番号1、2および3)外の配列番号33または34の全長配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す配列を表すものとする。
【0136】
限定されるものではないが、好ましい実施態様では、本発明のADCの抗体は、
a)配列番号35の配列または配列番号35と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体、ならびに
b)配列番号36の配列または配列番号36と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号7、2および3の配列の3つの重鎖CDRとを含んでなる抗体
から選択される。
【0137】
「配列番号35または36と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列」とは、配列番号4、5および6の3つの軽鎖CDRを示し、加えて、CDRに相当する配列(すなわち、配列番号4、5および6)外の全長配列番号35の配列または36と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示す配列を表すものとする。
【0138】
本明細書に記載のヒト化抗体はまた定常ドメインによっても特徴付けることができ、より詳しくは、限定されるものではないが、IgG1、IgG2、IgG3、IgM、IgA、IgDまたはIgEなどの前記ヒト化抗体が選択または設計され得る。より好ましくは、本発明に関して、前記ヒト化抗体はIgG1またはIgG4である。
【0139】
本発明の実施態様は、Abが、形式IgG1において上記されているような可変ドメインVHおよびVLを含んでなるヒト化抗体であるADCに関する。より好ましくは、前記ヒト化抗体は、配列番号43の配列のVHの定常ドメインと、配列番号45の配列のVLのKappaドメインとを含んでなる。
【0140】
本発明の実施態様は、Abが、形式IgG4において上記されているような可変ドメインVHおよびVLを含んでなるヒト化抗体であるADCに関する。より好ましくは、前記ヒト化抗体は、配列番号44の配列のVHの定常ドメインと、配列番号45の配列のVLのKappaドメインとを含んでなる。
【0141】
本発明のさら別の実施態様は、Abが、
a)配列番号37の配列または配列番号37と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号39の配列または配列番号39と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列軽鎖とを含んでなる抗体、ならびに
b)配列番号38の配列または配列番号38と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の重鎖と、配列番号40の配列または配列番号40と少なくとも80%の同一性を示す任意の配列の軽鎖とを含んでなる抗体
から選択される抗体であるADCに関する。
【0142】
より明確にするために、下記表6にヒト化抗体hz208F2の変異体1(Var.1)および変異体3(Var.3)に関するVHおよびVLの配列の非限定例を示す。それはまた、変異体2(Var.2)のコンセンサス配列も含んでなる。
【0143】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0144】
本発明の別の側面は、Abが、i)それぞれ2013年5月30日、2013年6月26日、2013年6月26日、2013年4月24日および2013年6月26日にCNCM、パスツール研究所、フランスに寄託されたハイブリドーマI−4757、I−4773、I−4775、I−4736もしくはI−4774により産生された抗体、ii)IGF−1Rとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、またはiii)i)の抗体と同じIGF−1Rエピトープと結合する抗体から選択される抗体であるADCである。
【0145】
それぞれ2013年5月30日、2013年6月26日、2013年6月26日、2013年4月24日および2013年6月26日にCNCM、パスツール研究所、フランスに寄託されたハイブリドーマI−4757、I−4773、I−4775、I−4736およびI−4774から選択されるマウスハイブリドーマが本明細書に記載される。
【0146】
また、本発明による、抗体をコードする単離された核酸、またはその抗原結合フラグメントも記載される。
【0147】
本明細書において互換的に使用される用語「核酸」、「核配列」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」および「ヌクレオチド配列」は、非天然ヌクレオチドを含有するまたは含有しない核酸のフラグメントまたは領域を定義し、二本鎖DNA、一本鎖DNAまたは前記DNAの転写産物のいずれかである、修飾されたまたは修飾されていないヌクレオチドの厳密な配列を意味する。
【0148】
本発明のADCの抗体の核酸配列は単離および/または精製されており、すなわち、それらは例えば複製により直接的または間接的にサンプリングされたものであり、それらの環境は少なくとも部分的に改変されている。組換え遺伝学により、例えば宿主細胞の手段により得られた、または化学合成により得られた単離された核酸もまた本明細書に記載されるべきである。
【0149】
また、本発明による、本発明のADCの抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸を含んでなるベクターも記載される。
【0150】
特に、このようなヌクレオチド配列を得る標的クローニングおよび/または発現ベクターも記載される。
【0151】
ベクターは好ましくは、所与の宿主細胞においてヌクレオチド配列の発現および/または分泌を可能とするエレメントを含む。従って、ベクターは、プロモーター、翻訳開始および終結シグナル、ならびに好適な転写調節領域を含み得る。ベクターは宿主細胞内で安定に維持可能でなければならず、場合により、翻訳されたタンパク質の分泌を指定する特異的シグナルを有してよい。これらの種々のエレメントは使用する宿主細胞に応じて当業者により選択および最適化される。この目的で、ヌクレオチド配列は、選択された宿主内でまたは自己複製するベクターに挿入できるか、または選択された宿主の組み込みベクターであり得る。
【0152】
ベクターは、例えば、プラスミドまたはウイルス起源のベクターである。ベクターは本発明のヌクレオチド配列をクローニングまたは発現するよう宿主細胞を形質転換させるために使用される。
【0153】
このようなベクターは当業者により一般に使用される方法によって作製され、得られたクローンは、リポフェクション、エレクトロポレーション、コンジュゲーション、熱ショックまたは化学法などの標準的方法により好適な宿主に導入することができる。
【0154】
また、上記のベクターによりされた、または上記のベクターを含んでなる単離された宿主細胞も開示される。
【0155】
宿主細胞は、細菌細胞などの原核生物系または真核生物系、例えば、また、酵母細胞または動物細胞、特に哺乳動物細胞(ヒトを除く)などの中から選択され得る。昆虫または植物細胞も使用可能である。
【0156】
また、本発明による抗体またはその抗原結合フラグメントの製造のための方法も開示され、前記方法は、以下の工程:
a)培地中、上記に開示されるような宿主細胞に好適な培養条件での培養、および
b)このようにして産生された抗体の、培養培地からまたは前記培養細胞からの回収
を含んでなることを特徴とする。
【0157】
形質転換細胞は、組換え抗体の生産方法で使用される。ベクターおよび/またはベクターにより形質転換された細胞を用いて組換え型の抗体を生産するための方法もまた本明細書に含まれる。好ましくは、上記のようなベクターにより形質転換された細胞は、前記抗体の発現および前記抗体の回収を可能とする条件下で培養される。
【0158】
既述のように、宿主細胞は、原核生物系または真核生物系の中から選択することができる。特に、このような原核生物系または真核生物系において分泌を促進するヌクレオチド配列を特定することができる。よって、このような配列を有する本発明によるベクターは、分泌される組換えタンパク質の製造に遊離に使用できる。実際に、対象とするこれらの組換えタンパク質の精製は、それらのタンパク質が宿主細胞内部ではなく細胞培養の上清中に存在するという事実により容易となる。
【0159】
本発明のADCの抗体はまた、化学合成によって作製することもできる。このような1つの作製方法もまた、本発明の目的である。当業者は、固相技術または部分的固相技術、フラグメントの縮合による、または溶液中での従来合成によるなどの化学合成のための方法を知っている。化学合成により得られた、また対応する非天然アミノ酸を含有し得るポリペプチドも本発明に含まれる。
【0160】
上記の方法により得られる可能性のある抗体を含んでなるADCもまた、本発明に含まれる。
【0161】
特定の側面によれば、本発明は、Abが、宿主標的部位に細胞傷害性薬剤を送達するためのアドレッシングビヒクルとして使用するための上記の抗体またはその抗原結合フラグメントである、ADCに関し、前記宿主標的部位は、IGF−1R、好ましくは、IGF−1R細胞外ドメイン、より好ましくは、ヒトIGF−1R(配列番号50)、いっそうより好ましくは、ヒトIGF−1R細胞外ドメイン(配列番号51)に、いっそうより好ましくは、ヒトIGF−1R細胞外ドメインのN末端(配列番号52)、またはその任意の天然変異体配列に局在するエピトープからなる。
【0162】
好ましい実施態様では、前記宿主標的部位は、哺乳動物細胞、より好ましくは、ヒト細胞、より好ましくは、天然にまたは遺伝子組換えの方法によりIGF−1Rを発現する細胞の標的部位である。
【0163】
I.2:Axl抗体
相反することが示されない限り、段落「I.1、IGF−1R抗体」で使用および定義される定義または表現は、本段落でも同じであり、本発明のADCの総てに適用できる。
【0164】
Axl抗体は、ヒトタンパク質Axlと結合し得る。より詳しくは、前記標的は、Axlの細胞外ドメイン(「Axl細胞外ドメイン」を表すAxl ECDと呼称される)に位置するエピトープである。
【0165】
Axl ECDは、配列番号103の配列のアミノ酸1〜451に相当する451アミノ酸のフラグメントであり、その配列は配列番号105として配列表に表される。アミノ酸1〜25はシグナルペプチドに相当し、シグナルペプチドを含まないヒトタンパク質AxlのECDは、配列番号106の配列により表される配列番号104の配列のアミノ酸26〜451に相当する。
【0166】
本発明のADC(yhe ADC)のAxl抗体は、配列番号56、57および58の配列、または配列番号56、57および58と少なくとも90%、好ましくは、95%および98%の同一性を示す任意の配列を含んでなる3つの軽鎖CDRと、配列番号59、60および61の配列、または配列番号59、60および61と少なくとも90%、好ましくは、95%および98%の同一性を示す任意の配列を含んでなる3つの重鎖CDRとを含んでなる。
【0167】
1つの実施態様では、Axl抗体は、配列番号56、57および58の配列をそれぞれ含んでなる3つの軽鎖CDRと、配列番号59、60および61の配列をそれぞれ含んでなる3つの重鎖CDRとを含んでなる。
【0168】
1つの実施態様では、Axl抗体は、i)配列番号62の配列、または配列番号62と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメイン、および/またはii)配列番号63の配列、または配列番号63と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインを含んでなるm1613F12からなる。
【0169】
より明確にするために、下記表7aにAxl抗体に相当する種々のアミノ酸配列をまとめる。
【0170】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
1つの実施態様では、Axl抗体は、配列番号56、57および58の配列、または配列番号56、57および58と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列を含んでなる3つの軽鎖CDRと、配列番号59、60および61の配列、または配列番号59、60および61と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列を含んでなる3つの重鎖CDRとを含んでなるc1613F12からなる。
【0172】
1つの実施態様では、c1613F12は、配列番号56、57および58の配列をそれぞれ含んでなる3つの軽鎖CDRと、配列番号59、60および61の配列をそれぞれ含んでなる3つの重鎖CDRとを含んでなる。
【0173】
1つの実施態様では、Axl抗体は、i)配列番号62の配列、または配列番号62と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメイン、および/またはii)配列番号63の配列、または配列番号63と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインを含んでなるc1613F12からなる。
【0174】
1つの実施態様では、Axl抗体は、配列番号56、57および58の配列、または配列番号56、57および58と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列を含んでなる3つの軽鎖CDR、および配列番号59、60および61の配列を含んでなる3つの重鎖CDR、または配列番号59、60および61と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列を含んでなるhz1613F12からなる。
【0175】
1つの実施態様では、hz1613F12は、配列番号56、57および58の配列をそれぞれ含んでなる3つの軽鎖CDRと、配列番号59、60および61の配列をそれぞれ含んでなる3つの重鎖CDRを含んでなる。
【0176】
1つの実施態様では、hz1613F12は、配列番号70の配列、または配列番号70と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列からなる軽鎖可変ドメインと、配列番号59、60および61の配列からなる3つの重鎖CDRを含んでなる。
【0177】
本発明の別の実施態様では、hz1613F12は、配列番号71〜81からなる群において選択される配列、または配列番号71〜81と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号59、60および61からなる3つの重鎖CDRを含んでなる。
【0178】
以上に定義された同一性パーセンテージを示すために、「配列番号70〜81と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列」により、3つの軽鎖CDR配列番号56、57および58を示し、および加えて配列番号70〜81の全長配列と、CDRに相当する配列(すなわち、配列番号56、57および58)外で少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す配列を表すものとする。
【0179】
より明確にするために、下記表7bに本発明のADCのヒト化Axl抗体軽鎖(VL)に相当する種々のアミノ酸配列をまとめる(ここで、hz.=ヒト化)。
【0180】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0181】
1つの実施態様では、hz1613F12は、配列番号82の配列、または配列番号82と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列からなる重鎖可変ドメインと、配列番号56、57および58の配列からなる3つの軽鎖CDRとを含んでなる。
【0182】
別の実施態様では、hz1613F12は、配列番号83〜102からなる群において選択される配列、または配列番号83〜102と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインと、配列番号56、57および58からなる3つの軽鎖CDRを含んでなる。
【0183】
以上に定義された同一性パーセンテージを示すために、「配列番号82〜102と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列」により、3つの重鎖CDR配列番号59、60および61を示し、および加えて配列番号82〜102の全長配列と、CDRに相当する配列(すなわち、配列番号59、60および61)外で少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す配列を表すものとする。
【0184】
より明確にするために、下記表7cに本発明のヒト化抗原結合タンパク質重鎖(VH)に相当する種々のアミノ酸配列をまとめる(ここで、hz.=ヒト化)。
【0185】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
1つの実施態様では、hz1613F12は、配列番号70からなる群において選択される配列および配列番号70と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号82からなる群において選択される配列および配列番号82と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインとを含んでなる。
【0187】
1つの実施態様では、hz1613F12は、配列番号71〜81からなる群において選択される配列、または配列番号71〜81と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の軽鎖可変ドメインと、配列番号83〜102からなる群において選択される配列、または配列番号83〜102と少なくとも80%、好ましくは、85%、90%、95%および98%の同一性を示す任意の配列の重鎖可変ドメインとを含んでなる。
【0188】
本発明の別の側面は、Abが、i)2011年7月28日にCNCM、パスツール研究所、フランスに寄託されたハイブリドーマI−4505により産生された抗体、ii)Axlとの結合に関してi)の抗体と競合する抗体、またはiii)i)の抗体と同じAxlのエピトープと結合する抗体から選択される抗体であるADCである。
【0189】
別の側面によれば、ハイブリドーマI−4505から選択されるマウスハイブリドーマが開示される。
【0190】
下記表8に1613F12のCDRに関するヌクレオチド配列をまとめる。
【0191】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0192】
1つの実施態様では、CDRの核酸配列は、配列番号64〜69の配列から選択され得る。
【0193】
非限定的実施態様では、抗体をコードする単離された核酸またはその組合せが本明細書で開示され、前記核酸またはその組合せは配列番号64〜69の配列の6つのCDRを含んでなることを特徴とする。
【0194】
I.3:HER2抗体
HER2抗体は、限定されるものではないが、TrasGEX(グリコトープ)、トラスツズマブ、ペルツズマブまたはその任意のバイオシミラーなどの、HER2と結合し得るいずれの抗体からなってもよい。
【0195】
好ましい実施態様では、HER2抗体は、トラスツズマブ(ハーセプチン(商標)、4D5、Genentech、サンフランシスコ、CA)である。
【0196】
II−薬物(D)
本発明による薬物部分は下記式(II)
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、
R
1は、HまたはOHであり、
R
2は、基:(C
1−C
6)アルキル(例えば、メチル)、COOH、COO−((C
1−C
6)アルキル)(例えば、COOMe)またはチアゾリル(例えば、チアゾール−2−イル)であり、
R
3は、Hまたは(C
1−C
6)アルキル基(例えば、メチル)、特に、(C
1−C
6)アルキル基であり、
Aは、
式−Het−Alk−の基(ここで、Alkは(C
1−C
8)アルカンジイル基であり、かつ、NR
3に連結され、Hetは、(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよく、かつ、少なくとも1つの窒素原子を含有する複素環であり、前記窒素原子はLに連結されている)、または
式−A
a−A
b−の基(ここで、A
aはLに連結され、かつ、OまたはNR
9であり、ここで、R
9はHまたは(C
1−C
6)アルキル(例えば、メチル)であり、A
bはNR
3に連結され、かつ、
・(C
1−C
8)アルカンジイル基(例えば、−(CH
2)
m−、ここで、mは1〜8の間を含んでなる)、
・−(CH
2CH
2X
1)
a1(CH
2CH
2X
2)
a2(CH
2CH
2X
3)
a3(CH
2CH
2X
4)
a4CH
2CH
2−基、ここで、X
1、X
2、X
3およびX
4はそれぞれ互いに独立してOまたはNR
8を表し、a1、a2、a3およびa4はそれぞれ互いに独立して0または1(特に、ここで、a1+a2+a3+a4=1または2、特に、1)を表し、かつ、R
8はHまたはa(C
1−C
6)アルキル基(例えば、メチル)を表す、
・アリール−(C
1−C
8)アルカンジイルまたは複素環−(C
1−C
8)アルカンジイル基、前記基は(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよく、アリールまたは複素環部分はA
aに連結され、かつ、(C
1−C
8)アルカンジイル部分はNR
3に連結されている
であり、
波線は、Lとの結合点を示す。
【0197】
ラジカルR
2、R
3およびAはキラル基であり得、それらの異なる立体異性体の形態であってよく、場合により、立体異性体の混合物の形態であってよい。
【0198】
≪立体異性体≫は、本発明の意味において、幾何異性体または光学異性体を意味する。
【0199】
幾何異性体は二重結合上の置換基の位置の違いから生じ、従って、Z配置またはE配置を有する。
【0200】
光学異性体は、特に、4つの異なる置換基を含んでなる炭素原子上の置換基の空間の位置の違いから生じる。よって、この炭素原子はキラルまたは不斉中心を形成する。光学異性体は、ジアステレオ異性体および鏡像異性体を含んでなる。互いに鏡像であるが、重ね合わせることができない光学異性体は、≪鏡像異性体≫と呼ばれる。互いに重ね合わせることができる鏡像ではない光学異性体は、≪ジアステレオ異性体≫と呼ばれる。
【0201】
反対のキラリティーの2つの個々の鏡像異性体形態を等量含有する混合物は≪ラセミ混合物≫と呼ばれる。
【0202】
≪アルキル≫とは、本発明において、一価の直鎖または分岐型の飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシル基が挙げられる。
【0203】
≪C
x−C
y)アルキル≫とは、本発明の意味において、x〜y個の炭素原子を含んでなる、上記で定義されるものなどのアルキル鎖を意味する。よって、(C
1−C
6)アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル鎖である。(C
1−C
6)アルキルは有利には(C
1−C
4)アルキル、好ましくは(C
1−C
2)アルキルである。
【0204】
≪アルカンジイル≫とは、本発明において、二価直鎖または分岐型の飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、メタンジイル、エタンジイル、プロパンジイル、ブタンジイル、ペンタンジイル、およびヘキサンジイルなどが挙げられる。
【0205】
≪(C
x−C
y)アルカンジイル≫とは、本発明の意味において、x〜y個の炭素原子を含んでなる、上記で定義されるものなどのアルカンジイル鎖を意味する。従って、(C
1−C
8)アルカンジイル基は、1〜8個の炭素原子を有するアルカンジイル鎖である。
【0206】
≪アリール≫とは、本発明の意味において、好ましくは、6〜10個の炭素原子を有し、かつ、1または2個の縮合環を含んでなり得る芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニルまたはナフチルが挙げられる。有利には、それはフェニルである。
【0207】
≪複素環≫とは、本発明の意味において、1または2個の縮合環を有し、そこで、1以上、有利には1〜4個、より有利には1または2個の炭素原子がそれぞれ、酸素、窒素および硫黄の中から選択されるヘテロ原子で置換されている、飽和、不飽和または芳香族炭化水素基を意味する。有利には、複素環は、5〜10個の炭素原子とヘテロ原子を含んでなる。例えば、フラン、ピロール、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピペラジン、ピペリジン、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリン、インドリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾピラン、ベンズオキサゾール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾイソキサゾール、ベンズイミダゾール、クロマン、クロメン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソキサゾール、イソキノリン、ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、フロ[2,3−c]ピリジン、2,3−ジヒドロ−1H−インデン、[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン、ピロロ[1,2−c]ピリミジン、ピロロ[1,2−a]ピリミジン、テトラヒドロナフタレンおよびベンゾ[b][1,4]オキサジンが挙げられる。
【0208】
本発明において、複素環は、より詳しくは、1または2個の窒素原子を含んでなる5〜6員を有する飽和、不飽和または芳香環である。例えば、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピペラジンおよびピペリジン環が挙げられる。好ましくは、それはピリジン、ピペリジン、またはイミダゾールである。
【0209】
本発明の薬物部分のうち、1つの特に有価なクラスの薬物部分は、R
1がOHであり、R
2が(C
1−C
6)アルキル基、例えば、メチルを表す式(II)の薬物部分に相当する。
【0210】
別の特に有価なクラスの薬物部分は、R
1が水素であり、R
2がチアゾリル(特に、チアゾール−2−イル基)である、式(II)の薬物部分に相当する。
【0211】
別のクラスの特に有価な薬物部分は、R
1が水素であり、R
2がCOO−((C
1−C
6)アルキル)基、例えば、COOMeである、式(II)の薬物部分に相当する。
【0212】
別のクラスの特に有価な薬物部分は、R
1が水素であり、R
2がCOOH基である、式(II)の薬物部分に相当する。
【0213】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、R
2はメチル、COOH、COOMeまたはチアゾール−2−イル基である。
【0214】
よって、本発明の薬物部分は有利には、
・R
1=OHおよびR
2=Me(メチル)、または
・R
1=HおよびR
2=COOH、COOMeまたはチアゾール−2−イル
である式(II)の薬物部分である。
【0215】
好ましい実施態様によれば、R
1=HおよびR
2=COOH、COOMeまたはチアゾール−2−イル、好ましくは、R
2=COOHまたはCOOMe、より好ましくは、R
2=COOHである。
【0216】
R
3は特に、Hまたはメチル基、有利にはメチル基を表す。
【0217】
好ましい実施態様では、R
1はHであり、R
2はCOOHであり、R
3はメチル基である。
【0218】
Aの定義において、
・(C
1−C
8)アルカンジイル基は、有利には、(C
1−C
6)アルカンジイル基、好ましくは、(C
1−C
4)アルカンジイル基、より好ましくは、(C
1−C
2)アルカンジイル基であり、特に、それは式−(CH
2)
m−を有する直鎖であり、式中、mは1〜8の間、有利には1〜6の間、好ましくは1〜4の間を含んでなる整数であり、より好ましくは、mは1または2である、
・アリール基は、有利には、フェニル基である、かつ
・複素環は、有利には、1または2個の窒素原子を有する5または6員の飽和、不飽和または芳香環、例えば、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピペラジン、またはピペリジン環、好ましくは、ピリジン、ピペリジンまたはイミダゾール、より好ましくは、ピリジンである。
【0219】
Aが式−Het−Alk−の基である場合、Hetはより詳しくは、ピペリジンおよびイミダゾールの中から選択される複素環である。
【0220】
Aは式−A
a−A
b−の基であり、式中、A
bは、(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい複素環−(C
1−C
8)アルカンジイル基であり、複素環はより詳しくはピリジンである。
【0221】
好ましい実施態様によれば、Aは、上記で定義された式−A
a−A
b−の基である。
【0222】
A
aはOまたはNR
9、好ましくはNR
9であり、ここで、R
9は上記で定義された通りであり、好ましくは、R
9=HまたはMeである。
【0223】
本発明の特定の実施態様によれば、A
bは基:
・(C
1−C
6)アルカンジイル、特に、(C
2−C
6)アルカンジイル(例えば、−(CH
2)
m−、ここで、mは1〜6の間、好ましくは2〜6の間を含んでなる)、
・−(CH
2CH
2X
1)
a1(CH
2CH
2X
2)
a2CH
2CH
2−、ここで、a1+a2は有利には1または2、特に1を表す、
・アリール−(C
1−C
6)アルカンジイル、または
・(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
6)アルカンジイル
を表す。
【0224】
本発明の別の特定の実施態様によれば、A
bは基:
・(C
1−C
4)アルカンジイル、特に、(C
2−C
4)アルカンジイル(例えば、−(CH
2)
m−、ここで、mは1〜4の間を含んでなり、好ましくは2、3または4である)、
・−(CH
2CH
2X
1)CH
2CH
2−または−(CH
2CH
2X
1)(CH
2CH
2X
2)CH
2CH
2−、
・アリール−(C
1−C
4)アルカンジイル、または
・(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
4)アルカンジイル
を表す。
【0225】
本発明の別の特定の実施態様によれば、A
bは基:
・(C
1−C
4)アルカンジイル、特に、(C
2−C
4)アルカンジイル(例えば、−(CH
2)
m−、ここで、mは1〜4の間を含んでなり、好ましくは2、3または4である)、
・−(CH
2CH
2X
1)CH
2CH
2−、
・アリール−(C
1−C
2)アルカンジイル、または
・(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
2)アルカンジイル
を表す。
【0226】
別の特定の実施態様によれば、A
bは、
アリール−(C
1−C
8)アルカンジイル基、または(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
8)アルカンジイル基、
特に、アリール−(C
1−C
6)アルカンジイル基、または(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
6)アルカンジイル基、
有利には、アリール−(C
1−C
4)アルカンジイル基、または(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
4)アルカンジイル基、
好ましくは、アリール−(C
1−C
2)アルカンジイル基、または(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
2)アルカンジイル
を表す。
【0227】
さらに別の特定の実施態様によれば、A
bは、アリール−(C
1−C
8)アルカンジイル基、特に、アリール−(C
1−C
6)アルカンジイル基、有利には、アリール−(C
1−C
4)アルカンジイル基、好ましくは、アリール−(C
1−C
2)アルカンジイル基である。
【0228】
A
bに関する上記の特定の実施態様では、アリール基は有利にはフェニル基である。
【0229】
A
bに関する上記の特定の実施態様では、複素環は有利には1または2個の窒素原子を有する5または6員の飽和、不飽和または芳香環である。例えば、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピペラジン、またはピペリジン環が挙げられる。好ましくは、それはピリジン、ピペリジンまたはイミダゾール、より好ましくは、それはピリジンである。
【0230】
有利には、A
bは基:
・フェニル−(C
1−C
2)アルカンジイル、または
・(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよい(特に非置換型の)複素環−(C
1−C
2)アルカンジイル、前記複素環は、1または2個の窒素原子を含んでなる5または6員の飽和、不飽和または芳香環であり、特に、ピリジン、ピペリジンおよびイミダゾールの中から選択され、好ましくはピリジンである、
を表す。
【0231】
好ましい実施態様では、A
bは、フェニル−(C
1−C
2)アルカンジイル基である。
【0232】
好ましい実施態様によれば、Aは、下記式:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
好ましくは下記式:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、
R
9およびmは、従前に定義された通りであり、好ましくは、R
9=HまたはMeおよびm=1または2であり、
波線は、Lとの結合点を示し、かつ、
アスタリスクは、NR
3との結合点を示す。
【0233】
有利には、薬物部分は、下記の部分:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
の中から選択される。
【0234】
(式DHの)薬物の製造:
薬物は、必要であれば場合により、文献に記載のまたは当業者に周知の、または本明細書の実験の部の例に記載される任意の標準的操作を補って、下記の合成スキームに記載の一般法を用いて製造することができる。
【0235】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
スキーム1は、薬物を製造するために使用可能な第1の一般法を示す。上記一般式において、R
1、R
2およびR
3は従前に定義されたものなどであり、R
4は−AHを表し、R
4aは、場合により保護型の、従前に定義されたものなどのR
4基を表し、かつ、Gは保護基である。
【0236】
第1の工程は、そのアミン官能基上で保護基Gにより保護された化合物(II)と化合物(III)の縮合からなる。Xは、塩素などの脱離基を表し得る。この場合、この第1の工程は、酸塩化物とアミンの間の反応からなる。この反応は、当業者に周知の方法および技術を用いて行うことができる。1つの特に有価な方法では、これら2つの実体を、特に−20℃〜100℃の間の温度で、THF、ジクロロメタン、DMF、DMSOなどの溶媒中、有機または無機塩基、例えば、Et
3N、iPr
2NEt、ピリジン、NaH、Cs
2CO
3、K
2CO
3の存在下で反応させる。Xはまたヒドロキシル(OH)であってもよい。この場合、第1の工程は、カルボン酸(II)とアミン(III)の間の縮合反応である。この反応は、当業者に周知の方法および技術に従って行うことができる。1つの特に有価な方法では、これら2つの実体を、特に−15℃〜40℃の間の温度で、ジクロロメタンまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド(EDC)、3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オンなどのカップリング剤、ジイソプロピルエチルアミンなどの第3級アミンの存在下で反応させる。別の特に有価な方法では、これら2つの実体を−15℃〜40℃の間の温度で、ジクロロメタンまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中、ジエチルホスホロシアニデート(DEPC)、トリエチルアミンなどの第3級アミンの存在下で反応させる。別の特に有価な方法は、−15℃〜100℃の間の温度で、ジクロロメタンまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、第3級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンの存在下でこれら2つの実体を反応させることからなる。
【0237】
当業者に周知の技術(<< Protective Groups in Organic Synthesis >>, T.W. Greene, John Wiley & Sons, 2006 and << Protecting Groups >>, P.J. Kocienski, Thieme Verlag, 1994)を用いた中間体の脱保護後に、化合物(IV)を上記の方法および技術に従って化合物(V)と縮合させると、脱保護工程後に化合物(VI)が得られる。この化合物を次に、中間体(VII)と縮合させ、任意選択の脱保護の後に薬物の形成に至り得る。化合物(VI)はまた、R’
3がR
3の前駆体、特に、保護基により保護されたR
3基である化合物(VII’)とカップリングさせることもできる。カップリングおよびその後のR
3を得るための基R’
3の脱保護は従前に記載されたものと同じ手順に従って行うことができる。
【0238】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
スキーム2は、薬物を製造するために使用可能な第2の一般法を示す。上記一般式において、Gは保護基であり、R
1、R
2、R
3およびR
4aは従前に定義されたものなどであり、かつ、R
4bは−A
c−A
aHを表し、ここで、A
aは従前に定義された通りであり、かつ、A
cは、を表し
・(C
1−C
7)アルカンジイル基、
・−(CH
2CH
2X
1)
a1(CH
2CH
2X
2)
a2(CH
2CH
2X
3)
a3(CH
2CH
2X
4)
a4CH
2*−基、ここで、アスタリスクでマークされたCH
2基はR
4bCHOのCHO基に連結されている、または
・アリールまたは複素環基、
・アリール−(C
1−C
7)アルカンジイルまたは複素環−(C
1−C
7)アルカンジイル基、前記基は(C
1−C
6)アルキル基で置換されていてもよく、(C
1−C
7)アルカンジイル部分はR
4bCHOのCHO基に連結されている。
【0239】
第1の工程において、そのアミン官能基上で保護基Gにより保護された化合物(IX)を化合物(VI)と縮合させる。Xは、脱離基、例えば、塩素を表し得る。この場合、第1の工程は、酸塩化物とアミンの間の反応からなる。この反応は、当業者に周知の方法および技術を用いて行うことができる。1つの特に有価な方法では、これら2つの実体を、特に−20℃〜100℃の間の温度で、THF、ジクロロメタン、DMF、DMSOなどの溶媒中、Et
3N、iPr
2NEt、ピリジン、NaH、Cs
2CO
3、K
2CO
3などの有機または無機塩基の存在下で反応させる。Xはまたヒドロキシルを表してもよい。この場合、第1の工程は、カルボン酸(IX)とアミン(VI)の間の縮合反応である。この反応は当業者に周知の方法および技術に従って行うことができる。1つの特に有価な方法では、これら2つの実体を、特に−15℃〜40℃の間の温度で、ジクロロメタンまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド(EDC)、3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン、第3級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミンの存在下で反応させる。別の特に有価な方法では、これら2つの実体を、特に−15℃〜40℃の間の温度で、ジクロロメタンまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中、ジエチルホスホロシアニデート(DEPC)、第3級アミン、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させる。
【0240】
当業者に周知の技術を用いた中間体の脱保護の後、得られた化合物(VIII)はR
4Yとの反応の後に薬物となり得る。この場合、Yは、Cl、Br、I、OSO
2CH
3、OSO
2CF
3またはO−トシルなどの脱離基である。この反応は、特に−20℃〜100℃の間の温度で、ジクロロメタン、THF、DMF、DMSOなどの極性無水溶媒中、Et
3N、iPr
2NEt、NaH、Cs
2CO
3、K
2CO
3などの有機または無機塩基の存在下で行われる。別の特に有価な方法では、化合物(VIII)を、R
4bがR
4の前駆体に相当する式R
4b−CHOのアルデヒドと反応させる。この場合、この反応は、特に−20℃〜100℃の間の温度で、酢酸などの酸の添加により制御可能なpHにて、任意選択のチタンイソプロポキシド(IV)の存在下、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、THF、DMF、MeOHなどの極性溶媒中、NaBH
4、NaBH
3CN、NaBH(OAc)
3などの還元剤の存在下での還元的アミノ化である。
【0241】
以上の合成スキームでは、薬物は、例えば、当業者に周知の方法を用いた鹸化などの付加的反応工程後に別の薬物となり得、それにより、エステル(COOMe)を表すR
2基がカルボン酸(COOH)を表すR
2基に変化する。
【0242】
少なくとも1つの塩基官能基を含有する薬物を酸付加塩の状態で単離することが望まれる場合には、これは薬物の遊離塩基(少なくとも1つの塩基官能基を含有する)を好ましくは等量の好適な酸で処理することにより可能となる。好適な酸は特にトリフルオロ酢酸であり得る。
【0243】
III−リンカー(L)
「リンカー」、「リンカー単位」、「L」または「連結」は、本発明において、共有結合を含んでなる化学部分または抗体を少なくとも1つの薬物に共有結合させる原子の鎖を意味する。
【0244】
リンカーは、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデートHCl)、活性エステル(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、2,6−ジイソシアン酸トルエン)、およびビス活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などの種々の二官能性タンパク質カップリング剤を用いて作製され得る。炭素−14標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)が、細胞傷害性薬剤とアドレス指定系のコンジュゲーションのための例示的キレート剤である。他の架橋試薬は、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、およびスルホ−SMPB、ならびに(例えば、Pierce Biotechnology,Inc.、ロックフォード、Ill.、U.S.Aから)市販されているSVSB(スクシンイミジル−(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)であり得る。
【0245】
リンカーは、「切断不能」であっても、または「切断可能」であってもよい。
【0246】
好ましい実施態様では、リンカーは、細胞内での薬物の放出を助ける「切断可能なリンカー」からなる。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、光解離性リンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカーが使用可能である。リンカーは、好ましい実施態様では、リンカーの切断が細胞内環境において抗体から薬物を放出するように、細胞内条件下で切断可能である。
【0247】
例えば、いくつかの実施態様では、リンカーは、細胞内環境(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオラ内)に存在する切断因子により切断可能である。リンカーは、例えば、細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素(限定されるものではないが、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含む)により切断されるペプチジルリンカーであり得る。一般に、ペプチジルリンカーは、少なくとも2つの連続するアミノ酸もしくは少なくとも3つの連続するアミノ酸を含んでなるか、または少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。切断因子はカテプシンBおよびDおよびプラスミンを含むことができ、これらは総て、ジペプチド薬誘導体を加水分解して標的細胞内で活性薬物の放出をもたらすことが知られている。例えば、癌組織で発現の高いチオール依存性プロテアーゼカテプシン−Bにより切断可能なペプチジルリンカーが使用可能である(例えば、Phe−LeuまたはGly−Phe−Leu−Glyを含んでなる、またはそのものであるリンカー)。特定の実施態様では、細胞内プロテアーゼにより切断可能なペプチジルリンカーは、Val−CitまたはPhe−Lysを含んでなる、またはそのものである。薬物の細胞内タンパク質分解性放出を使用することの1つの利点は、薬物がコンジュゲートされた場合には一般に減弱され、かつ、その複合体の血清安定性が一般に高いことである。
【0248】
他の実施態様では、切断可能なリンカーはpH感受性、すなわち、特定のpH値での加水分解に対して感受性である。一般に、pH感受性リンカーは酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソーム中で加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス−アコニットアミド、オルトエステル、アセタール、またはケタールなど)が使用できる。このようなリンカーは、血中などの中性pH条件下で比較的安定であるが、リソソームのおよそのpHであるpH5.5または5.0以下では不安定である。特定の実施態様では、加水分解可能なリンカーは、チオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合を介して薬物と結合されているチオエーテル)である。
【0249】
さらに他の実施態様では、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。種々のジスルフィドリンカーが当技術分野で公知であり、例えば、SATA(N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート)、SPDP(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N−スクシンイミジル−オキシカルボニル−α−メチル−α−(2−ピリジル−ジチオ)トルエン)を用いて形成可能なものが含まれる。
【0250】
特定の好ましい実施態様では、リンカー単位は、下記一般式:
−(T)
a−(W)
w−(Y)
y−
を有してよく、式中、
Tは、延伸単位であり、
aは、0または1であり、
Wは、アミノ酸単位であり、
wは、0〜12の範囲の整数であり、
Yは、スペーサー単位であり、
yは、0、1または2である。
【0251】
延伸単位(T)は、存在する場合、抗体を、存在する場合にアミノ酸単位(W)と、または存在する場合にスペーサー単位と、または直接的に薬物と連結する。天然にまたは化学的操作を介して抗体上に存在し得る有用な官能基としては、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、炭水化物のアノマーヒドロキシル基、およびカルボキシルが含まれる。好適な官能基はスルフヒドリルおよびアミノである。スルフヒドリル基は、存在する場合、抗体の分子内ジスルフィド結合の還元により作製することができる。あるいは、スルフヒドリル基は、抗体のリシン部分のアミノ基と2−イミノチオランまたは他のスルフヒドリル生成試薬との反応により生成することもできる。特定の実施態様では、抗体は、1以上のリシンを有するように操作される。より好ましくは、抗体は、1以上のシステインを有するように操作することができる(ThioMabs参照)。
【0252】
ある特定の実施態様では、延伸単位は、抗体の硫黄原子と結合を形成する。硫黄原子は、還元型の抗体のスルフヒドリル(−SH)基に由来し得る。
【0253】
他のある特定の実施態様では、延伸単位は、抗体の硫黄原子と延伸単位の硫黄原子の間のジスルフィド結合を介して抗体に連結される。
【0254】
他の特定の実施態様では、延伸部の反応性基は、抗体のアミノ基に反応し得る反応性部位を含む。このアミノ基は、アルギニンまたはリシンのものであり得る。好適なアミン反応性部位としては、限定されるものではないが、活性化エステル(例えば、スクシンイミドエステル、4−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル)、無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネートおよびイソチオシアネートが挙げられる。
【0255】
さらに別の側面では、延伸部の反応性官能基は、抗体上に存在し得る修飾炭水化物基に反応性のある反応性部位を含む。特定の実施態様では、抗体は、炭水化物部分を提供するように酵素的にグリコシル化されているか、または天然にグリコシル化されている。炭水化物は過ヨウ素酸ナトリウムなどの試薬で温和に酸化されてもよく、結果として得られる酸化炭水化物のカルボニル単位は、ヒドラジド、オキシム、反応性アミン、ヒドラジン、チオセミカルバジド、カルボン酸ヒドラジン、またはアリールヒドラジドなどの官能基を含む延伸部と縮合させることができる。
【0256】
特定の実施態様によれば、延伸単位は下記式:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、
L
2は、(C
4−C
10)シクロアルキル−カルボニル、(C
2−C
6)アルキルまたは(C
2−C
6)アルキル−カルボニル(前記シクロアルキルまたはアルキル部分は、マレイミド部分の窒素原子に献血される)であり、
アスタリスクは、存在する場合にアミノ酸単位との、存在する場合にスペーサー単位との、または薬物Dとの結合点を示し、かつ
波線は、抗体Abとの結合点を示す。
【0257】
「(C
4−C
10)シクロアルキル」は、本発明において、4〜10個の炭素原子を有する炭化水素環を意味し、限定されるものではないが、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが含まれる。
【0258】
L
2は、有利には(C
2−C
6)アルキル−カルボニル、例えば、下記式:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
のペンチル−カルボニルであり得、式中、
アスタリスクは、存在する場合にアミノ酸単位、存在する場合にスペーサー単位、または薬物Dとの結合点を示し、かつ
波線は、マレイミド部分の窒素原子との結合点を示す。
【0259】
アミノ酸単位(W)は、存在する場合、存在する場合に延伸単位(T)を連結し、またはそうでなければ、抗体を、スペーサー単位が存在する場合にスペーサー単位(Y)に、もしくはスペーサー単位が存在しない場合には薬物に連結する。
【0260】
上述のように、(W)
wは存在しないか(w=0)、またはジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、ウンデカペプチドもしくはドデカペプチド単位であり得、ここで、ペプチドを形成するアミノ酸は互いに異なり得る。
【0261】
よって、(W)
wは、下記式:(W1)
w1(W2)
w2(W3)
w3(W4)
w4(W5)
w5により表すことができ、式中、各W1〜W5は互いに独立してアミノ酸単位を表し、各w1〜w5は0または1である。
【0262】
いくつかの実施態様では、アミノ酸単位(W)
wは、天然に存在するものなどのアミノ酸残基、ならびにシトルリンなどの希少アミノ酸および非天然アミノ酸類似体を含んでなり得る。
【0263】
アミノ酸単位(W)
wのアミノ酸残基としては、限定されるものではないが、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、アセチルまたはホルミルで保護されたまたは保護されていないリシン、アルギニン、トシルまたはニトロ基で保護されたまたは保護されていないアルギニン、ヒスチジン、オルニチン、アセチルまたはホルミルで保護されたオルニチン、およびシトルリンが挙げられる。例示的アミノ酸リンカー成分としては、好ましくは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはペンタペプチド、特に、ジペプチドまたはトリペプチドが挙げられる。
【0264】
例示的ジペプチドとしては、Val−Cit、Ala−Val、Ala−Ala、Val−Ala、Lys−Lys、Cit−Cit、Val−Lys、Ala−Phe、Phe−Lys、Ala−Lys、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp−Cit、Phe−Ala、Phe−N
9−トシル−Arg、Phe−N
9−ニトロ−Argが挙げられる。
【0265】
例示的トリペプチドとしては、Val−Ala−Val、Ala−Asn−Val、Val−Leu−Lys、Ala−Ala−Asn、Phe−Phe−Lys、Gly−Gly−Gly、D−Phe−Phe−Lys、Gly−Phe−Lysが挙げられる。
【0266】
例示的テトラペプチドとしては、Gly−Phe−Leu−Gly(配列番号53)、Ala−Leu−Ala−Leu(配列番号54)が挙げられる。
【0267】
例示的ペンタペプチドとしては、Pro−Val−Gly−Val−Val(配列番号55)が挙げられる。
【0268】
特定の実施態様によれば、(W)
wは、Val−Citなどのジペプチド(すなわち、w=2)であり得、またはリンカーはアミノ酸単位を欠いている(w=0)。リンカーがアミノ酸単位を欠く場合、好ましくは、それはスペーサー単位も欠く。
【0269】
好ましい実施態様によれば、w=0(すなわち、(W)
wは一重結合である)またはw=2(すなわち、(W)
wはジペプチドである)および従って、(W)
wは
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
から選択することができ、特に、Val−Citであり、式中、
アスタリスクは、存在する場合にスペーサー単位との、または薬物Dとの結合点を示し、かつ
波線は、L
2との結合点を示す。
【0270】
アミノ酸リンカー成分は、特定の酵素、例えば、腫瘍関連プロテアーゼ、カテプシンB、CおよびD、またはプラスミンプロテアーゼによる酵素的切断に関するそれらの選択性において設計および最適化することができる。
【0271】
リンカーのアミノ酸単位は、限定されるものではないが、腫瘍関連プロテアーゼを含む酵素により酵素的に切断されて薬物を遊離し得る。
【0272】
アミノ酸単位は、特定の腫瘍関連プロテアーゼによる酵素的切断に関するそれらの選択性において設計および最適化することができる。好適な単位は、その切断がプロテアーゼ、カテプシンB、CおよびD、ならびにプラスミンにより触媒されるものである。
【0273】
スペーサー単位(Y)は、存在する場合、存在する場合にアミノ酸単位を、または存在する場合に延伸単位を、またはそうでなければ、抗体を薬物に連結する。スペーサー単位は、自壊的および非自壊的の2つの一般的タイプのものである。非自壊的スペーサー単位は、抗体−薬物複合体からのアミノ酸単位の酵素的切断後にそのスペーサー単位の一部または全部が薬物に結合して残るものである。非自壊的スペーサー単位の例としては、限定されるものではないが、(グリシン−グリシン)スペーサー単位およびグリシンスペーサー単位が挙げられる。薬物を遊離させるためには、非依存的加水分解反応がグリシン−薬物単位の結合を切断するように標的細胞内で起こるべきである。
【0274】
特定の実施態様では、非自壊的スペーサー単位(Y)はGlyである。
【0275】
あるいは、自壊的スペーサー単位を含有する抗体−薬物複合体は、独立した加水分解工程の必要なく薬物を放出することができる。これらの実施態様では、(Y)は、PAB基の窒素原子を介して(W)
wに連結され、かつ、エステル基、炭酸基、カルバミン酸基またはエーテル基を介して薬物に直接接続されたp−アミノベンジルアルコール(PAB)単位の残基である。
【0276】
自壊的スペーサーの他の例としては、限定されるものではないが、PAB基と電気的に等価な芳香族化合物、例えば、2−アミノイミダゾール−5−メタノール誘導体およびオルトまたはパラ−アミノベンジルアセタールの残基が挙げられる。スペーサーは、アミド結合の加水分解時に容易に環化を受けるもの、例えば、置換および非置換4−アミノ酪酸アミド、適宜置換されたビシクロ[2.2.1]およびビシクロ[2.2.2]環系ならびに2−アミノフェニルプロピオン酸アミドが使用可能である。
【0277】
別の実施態様では、スペーサー単位は、分岐型のビス(ヒドロキシメチル)スチレン(BHMS)単位であり、これは付加的薬物を組み込むために使用可能である。
【0278】
特定の実施態様では、スペーサー単位(Y)はPAB−カルボニルであり、ここで、PABは
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(PAB単位の酸素は、カルボニルに連結されている)であり、かつ、y=1またはリンカーはスペーサー単位を欠いている(y=0)。
【0279】
特定の実施態様では、リンカーは下記式(III):
【化20】
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を有し、式中、
L
2は、(C
4−C
10)シクロアルキル−カルボニル、(C
2−C
6)アルキルまたは(C
2−C
6)アルキル−カルボニル(これらの部分のカルボニルは、存在する場合、(W)
wに連結されている)であり、
Wは、アミノ酸単位を表し、ここで、wは、0〜5の間を含む整数を表し、
Yは、PAB−カルボニルであり、ここで、PABは、
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
(PAB単位の酸素は、カルボニルに連結されている)であり、かつ、yは0または1であり(好ましくは、wが0である場合、yは0であり、wが1〜5の間を含む場合、yは0または1である)、
アスタリスクは、薬物Dとの結合点を示し、かつ
波線は、抗体Abとの結合点を示す。
【0280】
有利には、L
2は、(C
2−C
6)アルキル−カルボニル、例えば、下記式:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
のペンチル−カルボニルであり、式中、
アスタリスクは、(W)
wとの結合点を示し、かつ
波線は、マレイミド部分の窒素原子との結合点を示す。
【0281】
好ましい実施態様によれば、リンカーLは、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、式中、
アスタリスクは、薬物Dとの結合点を示し、かつ、波線は、抗体Abとの結合点を示す。
【0282】
IV−抗体−薬物複合体(ADC)
好ましい実施態様では、本発明の抗体−薬物複合体は、例えば、限定されるものではないが、i)抗体の求核基と二価リンカー試薬との反応およびその後の薬物の求核基との反応、またはii)薬物の求核基と二価リンカー試薬との反応およびその後の抗体の求核基との反応など、当業者に公知のいずれの方法によって作製されてもよい。
【0283】
抗体上の求核基としては、限定されるものではないが、N末端アミン基、側鎖アミン基(例えば、リシン)、側鎖チオール基、および抗体がグリコシル化されている場合には糖のヒドロキシル基またはアミノ基が挙げられる。
【0284】
薬物上の求核基としては、限定されるものではないが、アミン、チオール、およびヒドロキシル基、好ましくは、アミン基が挙げられる。
【0285】
アミン、チオール、およびヒドロキシル基は求核性であり、リンカー部分およびリンカー試薬上の求電子基と反応して共有結合を形成することができ、限定されるものではないが、活性エステル、例えば、NHSエステル、HOBtエステル、ハロホルメート、および酸ハリド、アルキルおよびベンジルハリド、例えば、ハロアセトアミド、アルデヒド、ケトン、カルボキシル、およびマレイミド基が挙げられる。抗体は、還元可能な鎖内ジスルフィド、すなわち、システイン架橋を有してもよい。抗体は、DTT(ジチオトレイトール)などの還元剤での処理により、リンカー試薬とのコンジュゲーションに反応性とすることができる。従って、各システイン架橋は理論上2つの反応性チオール求核部分を形成する。当業者に公知の任意の反応を介して抗体に付加的求核基を導入することができる。非限定例として、反応性チオール基は、1以上のシステイン残基を導入することにより抗体に導入され得る。
【0286】
抗体−薬物複合体はまた、リンカー試薬上の求核置換基と反応し得る求電子部分を導入するための抗体の修飾によっても作製され得る。グリコシル化抗体の糖を酸化してアルデヒドまたはケトン基を形成させてもよく、これはリンカー試薬または薬物のアミン基と反応し得る。生じたイミンシッフ塩基基は安定な結合を形成し得るか、または還元して安定なアミン結合を形成させてもよい。一実施態様では、グリコシル化抗体の炭水化物部分とガラクトースオキシダーゼまたはメタ過ヨウ素酸ナトリウムのいずれかとの反応はタンパク質中に、薬物上の適当な基と反応し得るカルボニル(アルデヒドおよびケトン)基を生じ得る。別の実施態様では、N末端セリンまたはトレオニン残基を含有するタンパク質はメタ過ヨウ素酸ナトリウムと反応して、その結果、最初のアミノ酸に代わってアルデヒドの生成をもたらし得る。
【0287】
好ましい実施態様では、本発明の抗体−薬物複合体は、薬物−リンカー部分の形成とその後の抗体の求核基(例えば、システイン部分のSH基)と薬物−リンカー部分の求電子基(例えば、マレイミド)との間のカップリングにより作製される。
【0288】
1.薬物−リンカー
薬物−リンカー部分は、
リンカーと薬物、
リンカーの合成が完了する前のリンカーの一部と薬物、
薬物の合成が完了する前のリンカーと薬物の一部または前駆体、または
リンカーおよび薬物の合成が完了する前のリンカーの一部と薬物の一部または前駆体
をカップリングすることにより作製され得る。
【0289】
カップリング反応は、求核基と求電子基の間の当業者に周知の反応である。
【0290】
求核基は特に、アミン、チオールまたはヒドロキシル基、特にアミンまたはヒドロキシル基であり得る。好ましい実施態様では、求核基は第1級または第2級アミン基である。
【0291】
求電子基は、場合により活性化形態のカルボン酸基(COOH)、または活性化された炭酸エステル部分であり得る。
【0292】
カルボン酸の「活性化形態」とは、COOH官能基のOH部分が、アミド結合を形成して化合物LG−Hを放出するために活性化カルボン酸基とアミノ基のカップリングを可能とする活性化脱離基(LG)で置換されている、カルボン酸を意味する。活性化形態は、活性化エステル、活性化アミド、無水物またはアシルハリド、例えば、塩化アシルであり得る。活性化エステルとしては、カルボン酸基とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはN−ヒドロキシスクシンイミドの反応により形成される誘導体が含まれる。
【0293】
「活性化炭酸エステル」は、−OC(O)OR部分を含んでなる炭酸エステルを意味し、ここで、ORは、カルバミン酸部分を形成して化合物ROHを放出するために活性化炭酸エステルとアミノ基のカップリングを可能とする良好な脱離基を表す。活性化炭酸エステルのR基としては、限定されるものではないが、p−ニトロ−フェニル、ペンタフルオロフェニル、2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イルおよびベンジル基、好ましくはp−ニトロ−フェニルおよびペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
【0294】
リンカーが下記式(III):
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
を有する場合、薬物−リンカー部分は下記式(IV):
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、薬物−リンカー部分の合成の最終工程は一般に、下記式(V):
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、L
2は従前に定義された通りであり、LGは、脱離基、特に、ハリド、例えば、クロリドまたはN−ヒドロキシスクシンイミドに由来する基を表す)
の化合物と下記式(VI):
H−(W)
w−(Y)
y−D (VI)
(式中、y=1およびY=PAB−カルボニル)
の化合物の間のカップリングであり、式(VI)の化合物は、薬物(DH)と下記式(VII)の化合物、またはその保護形態:
H−(W)
w−PAB−CO−OR (VII)
(式中、Wおよびwは従前に定義された通りであり、Rは、「活性化炭酸エステル」の定義に定義された通りである)
の間のカップリングにより作製され得る。
【0295】
式(VII)の化合物が保護形態である場合、脱保護の最終工程が必要である。
【0296】
y=0である場合、化合物(VI)は式H−(W)
w−Dを有し、式中、(W)
wおよびDはアミノ酸単位から構成される。結果として、化合物(VI)はこの場合、当業者に周知の従来のペプチド合成方法により作製され得る。
【0297】
2.Ab−リンカー−薬物
本発明による好ましい実施態様は、抗体上に存在するシステインと薬物−リンカー部分の求電子基、好ましくは、薬物−リンカー部分上に存在するマレイミド部分との間のカップリングからなる。
【0298】
マレイミド−システインのカップリングは、当業者に周知の方法により行うことができる。
【0299】
一般に、抗体は、たとえあるとしても、薬物成分に連結可能な多くの遊離の反応性システインチオール基を含まない。抗体中のほとんどのシステインチオール残基はジスルフィド架橋として存在し、部分的または完全な還元条件下でジチオトレイトール(DTT)またはTCEPなどの還元剤を用いて還元しなければならない。ADCの負荷量(薬物/抗体比)は、薬物−リンカー中間体(D−L)または抗体に対するリンカー試薬のモル過剰率の制限、(ii)コンジュゲーション反応時間または温度の制限、および(iii)システインチオール修飾に対する部分的還元条件または還元条件の制限を含む、いくつかの異なる方法で制御可能である。
【0300】
ヒトIgGのジスルフィド結合構造は、現在、非常に確立されている(Liu and May, mAbs 4 (2012): 17-23に総説)。実際に、4つのヒトIgGサブクラス、すなわち、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4のジスルフィド結合構造に関して、多くの類似性といつくかの相違がある。総てのIgGサブクラスが常に12の鎖内ジスルフィド架橋と、重鎖と軽鎖の間で形成されるそれらの鎖内ジスルフィド結合内に存在する相違を含む。各鎖内ジスルフィド結合は、個々のIgGドメイン、すなわち、可変(VLおよびVH)および定常(CL、CH1、CH2およびCH3)ドメインに関連する。2本の重鎖はそれらのヒンジ領域で様々な数:IgG1およびIgG4では2つ、IgG2では4つ、IgG3では11のジスルフィド架橋により連結されている。IgG1の重鎖と軽鎖は軽鎖の最後のシステイン残基と重鎖の5番目の残基の間のジスルフィド結合により接続されているが、他のサブクラスIgG2、IgG3およびIgG4では、軽鎖は、軽鎖の最後のシステイン残基とVHドメインとCH1ドメインの境界に存在する、重鎖の3番目のシステイン残基の間のジスルフィド結合により重鎖に連結されている。IgG2およびIgG4では、これらの古典的構造以外のジスルフィド結合構造が記載されている(Liu and May, mAbs 4 (2012): 17-23に総説)。鎖内ジスルフィド結合は溶媒露出性が高く、結果として、各ドメイン内で逆平行β−シート構造に埋もれて溶媒に曝されていない鎖内ジスルフィド結合よりもはるかに反応性が高い。これらの理由で、抗体のアイソタイプによらず、カップリングは、軽い還元の後に露出した鎖内システイン残基で起こる。従って、各鎖内ジスルフィド架橋は、理論上、2つのコンジュゲーション部位を形成し得る。
【0301】
付加的な求核基は、リシンと2−イミノチオラン(トロート試薬)との反応によるアミンのチオールへの変換を介して抗体に導入することができる。反応性チオール基はまた、1、2、3、4、またはそれを越えるシステイン残基を操作すること(例えば、1以上の非天然システインアミノ酸残基を含んでなる変異型抗体を作製すること)によって抗体(またはそのフラグメント)に導入してもよい。米国特許第7521541号は、反応性システインアミノ酸の導入による抗体の操作を教示している。
【0302】
システインアミノ酸は、抗体中の、鎖内または分子間ジスルフィド結合を形成しない反応性部位で操作し得る(Junutula, et al., 2008b Nature Biotech., 26(8):925-932、 Dornan et al (2009) Blood 114(13):2721-2729、米国特許第7521541号、米国特許第7723485号、WO2009/052249)。操作されたシステインチオールは、マレイミドまたはα−ハロアミドなどのチオール反応性求電子基を有する本発明のリンカー試薬または薬物−リンカー試薬と反応させて、システイン操作抗体と薬物部分を有するADCを形成することができる。従って、薬物成分の位置は設計、制御可能であり、既知である。操作されたシステインチオール基は一般に高収率でチオール反応性リンカー試薬または薬物−リンカー試薬と反応するので、薬物負荷量は制御可能である。重鎖または軽鎖上の単一部位における置換によるシステインアミノ酸の導入のためのIgG抗体の操作から、対称抗体上に2つの新たなシステインが得られる。ほぼ均質なコンジュゲーション産物ADCで、2に近い薬物負荷量が達成できる。
【0303】
抗体の2以上の求核基または求電子基が薬物−リンカー中間体、またはリンカー試薬次いで薬物成分試薬と反応する場合、得られる産物は、抗体と結合した一定の分布、例えば、1、2、3などの薬物部分を持ったADC化合物の混合物である。ポリマー逆相(PLRP)および疎水性相互作用(HIC)などの液体クロマトグラフィー法で、混合物中の化合物を薬物負荷値によって分離することができる。単一薬物負荷値(p)を有するADCの調製物は単離可能であるが、薬物部分はリンカーを介して抗体の異なる部位に結合されている可能性があるので、これらの単一薬物負荷値のADCはなお異質な混合物であり得る。
【0304】
一部の抗体−薬物複合体では、薬物比は抗体上の結合部位の数によって制限を受け得る。高い薬物負荷、例えば、薬物比>5は、特定の抗体−薬物複合体の凝集、不溶性、毒性、または細胞透過性の低下を招く場合がある。一般には、コンジュゲーション反応では、理論的最大値より少ない薬物部分が抗体にコンジュゲートされる。
【0305】
薬物負荷量はまた薬物−抗体比(DAR)とも呼ばれ、細胞結合剤当たりの薬物の平均数である。
【0306】
抗体IgG1およびIgG4アイソタイプの場合、部分的抗体還元の後に薬物がシステインに結合される場合、薬物負荷量は抗体当たり1〜8薬物(D)の範囲であり得、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、および8つの薬物部分が抗体と共有結合される。
【0307】
抗体IgG2アイソタイプの場合、部分的抗体還元の後に薬物がシステインに結合される場合、薬物負荷量は抗体当たり1〜12薬物(D)の範囲であり得、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12の薬物部分が抗体と共有結合される。
【0308】
ADCの組成物は、一定範囲の、1〜8または1〜12の薬物とコンジュゲートされた細胞結合剤、例えば抗体の集合体を含む。
【0309】
コンジュゲーション反応からのADCの調製における抗体当たりの薬物の平均数は、UV、逆相HPLC、HIC、質量分析、ELISAアッセイ、および電気泳動などの従来の手段によって特徴付けることができる。
【0310】
非限定実施態様として、本明細書では、IGF−1R抗体c208F2とのコンジュゲーションが提供される。この場合、薬物は、i)配列番号28の配列の軽鎖では214番の残基Cys、およびii)配列番号23の配列の重鎖では223、229および232番の残基Cysから選択される少なくとも1つのシステインとカップリングされる。
【0311】
非限定実施態様として、本明細書では、IGF−1R抗体c208F2とのコンジュゲーションが提供される。この場合、薬物は、i)配列番号28の配列の軽鎖では214番の残基Cys、およびii)配列番号23の配列の重鎖では、223、229および232番の残基Cysから選択される2、3または4つのシステインとカップリングされる。
【0312】
非限定実施態様として、本明細書では、IGF−1R抗体hz208F2(ar.1)とのコンジュゲーションが提供される。この場合、薬物は、i)配列番号39の配列の軽鎖では214番の残基Cys、およびii)配列番号37の配列の重鎖では223、229および232番の残基Cysから選択される少なくとも1つのシステインとカップリングされる。
【0313】
非限定実施態様として、本明細書では、IGF−1R抗体hz208F2(var.3)とのコンジュゲーションが提供される。この場合、薬物は、i)配列番号40の配列の軽鎖では214番の残基Cys、およびii)配列番号38の配列の重鎖では223、229および232番の残基Cysから選択される2、3または4つのシステインとカップリングされる。
【0314】
同じアプローチが例えばAxl抗体などの他の抗体にも容易に適合できる。
【0315】
別の例はリシンカップリングからなる。抗体は、薬物−リンカー中間体(D−L)またはリンカー試薬と反応しない、例えば、多数のリシン残基を含み得る。最も反応性の高いリシン基だけがアミン反応性リンカー試薬と反応し得る。また、最も反応性の高いシステインチオール基だけがチオール反応性リンカー試薬と反応し得る。
【0316】
本発明の化合物がリシンと結合される場合、薬物負荷量は細胞抗体当たり1〜80薬物(D)の範囲であり得るが、上限は40、20、10または8が好ましいものであり得る。ADCの組成物は、一定範囲の、1〜80、1〜40、1〜20、1〜10または1〜の薬物とコンジュゲートされた細胞結合剤、例えば抗体の集合体を含む。
【0317】
本発明による式(I)のADCは、薬学的に許容可能な塩の形態であり得る。
【0318】
本発明において、「薬学的に許容可能な」とは、一般に、安全、無毒で、生物学的もその他の点でも望ましくないものではなく、かつ、獣医学的使用ならびにヒト医薬的使用に許容可能な医薬組成物の作製に使用できるものを意味する。
【0319】
化合物の「薬学的に許容可能な塩」とは、本明細書で定義されるように薬学上許容可能であり、かつ、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。
【0320】
薬学的に許容可能な塩は特に、下記を含んでなる:
(1)塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および類似の酸などの薬学的に許容可能な無機酸を伴って形成される、または酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ステアリン酸、乳酸および類似の酸などの薬学的に許容可能な有機酸を伴って形成される、薬学的に許容可能な酸の付加塩、ならびに
(2)親化合物中に存在する酸プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオンのいずれかにより置換されている、またはリシン、アルギニンおよび類似のものなどの薬学的に許容可能な有機塩基、もしくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび類似のものなどの薬学的に許容可能な無機塩基とともに配位している場合に形成される薬学的に許容可能な塩基の付加塩。
【0321】
これらの塩は、塩基または酸官能基を含有する本発明の化合物および対応する酸または塩基から、従来の化学法を用いて作製することができる。
【0322】
V−処置
最後に、本発明は、特に、癌の処置における薬剤として使用するための上記のADCに関する。
【0323】
本発明のさらなる主題は、特に、癌の処置のために医薬品として使用するための、上記で定義されるものなどの式(I)の化合物である。
【0324】
本発明はまた、特に癌の処置のために意図される医薬品を製造するための、上記で定義されるものなどの式(I)の化合物の使用に関する。
【0325】
本発明はまた、癌を処置するための方法であって、それを必要とする人に有効量の上記で定義されるものなどの式(I)の化合物を投与することを含んでなる方法に関する。
【0326】
癌は好ましくは、それらの表面で標的の全部または一部を発現または過剰発現する腫瘍細胞を含む標的関連癌から選択することができる。
【0327】
より詳しくは、前記癌は、乳癌、結腸癌、食道癌、肝細胞癌、胃癌、神経膠腫、肺癌、黒色腫、骨肉腫、卵巣癌、前立腺癌、横紋筋肉腫、腎臓癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、神経鞘腫、神経芽腫、口腔扁平上皮癌、中皮腫、平滑筋肉腫、カポジ肉腫、急性白血病、結腸直腸癌、黒色腫、膵管腺癌および任意の薬物耐性現象または癌である。
【0328】
疑念を避けるため、薬物耐性抗体発現癌とは、元々抗体を発現する耐性癌だけなく、元々は抗体を発現または過剰発現しないが、それらがひと度従前の処置に対して耐性となった場合に抗体を発現する癌もそうであると理解されるべきである。
【0329】
本発明のもう1つの目的は、本明細書に記載のようなADCを含んでなる医薬組成物である。
【0330】
より詳しくは、本発明は、本発明のADCを少なくとも賦形剤および/または薬学的に許容可能なビヒクルを含んでなる医薬組成物に関する。
【0331】
本明細書において、「薬学的に許容可能なビヒクル」または「賦形剤」は、二次反応を誘発せずに医薬組成物中に入り、かつ、1または複数の有効化合物の投与の助長、内体でのその寿命および/またはその有効性の増強、溶液中でのその溶解度の増大またはその保存の改善を可能とする化合物または化合物の組合せを表すものとする。これらの薬学的に許容可能なビヒクルおよび賦形剤は周知であり、選択された1または複数の化合物の性質および投与様式の関数として当業者により適合される。
【0332】
有効成分は、従来の医薬担体との混合物として単位投与形で動物またはヒトに投与することができる。好適な単位投与形は、経口経路を介する形態および非経口経路(皮下、皮内の、筋肉内または静脈内)を介する投与形態を含んでなる。
【0333】
経口投与用の固体組成物として、錠剤、丸剤、散剤(ゼラチン硬または軟カプセル)または顆粒の使用が可能である。これらの組成物では、本発明の有効成分は、アルゴン流中でデンプン、セルロース、スクロース、ラクトースまたはシリカなどの1以上の不活性希釈剤と混合する。これらの組成物はまた、希釈剤以外の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはタルクなどの1以上の滑沢剤、着色剤、コーティング剤(コーティング錠)またはワニスも含んでなり得る。
【0334】
非経口投与用の無菌組成物は、好ましくは、水性または非水性溶液、懸濁液またはエマルションであり得る。溶媒またはビヒクルとして、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特に、オリーブ油、注射用有機エステル、例えば、オレイン酸エチルまたは他の好適な有機溶媒の使用が可能である。これらの組成物は、アジュバント、特に、湿潤剤、等張剤、乳化剤、分散剤および安定剤も含有してよい。滅菌は、例えば、除菌濾過、組成物への滅菌剤の配合、照射または加熱によるなどのいくつかの方法で行うことができる。それらはまた、使用時に無菌水または他の任意の注射用無菌媒体に溶かすことができる固体無菌組成物の形態で調製することもできる。
【0335】
好ましくは、これらのADCは、全身経路により、特に、静脈内経路により、筋肉内、皮内、腹腔内または皮下経路により、または経口経路により投与される。より好ましい様式では、本発明によるADCを含んでなる組成物は、連続的に数回投与される。
【0336】
本発明は、従って、また、少なくともi)本発明による抗体−薬物複合体、および/または本発明による医薬組成物と、ii)前記抗体−薬物複合体および/または医薬組成物が配分されているシリンジまたはバイアルまたはアンプルとを含んでなるキットにも関する。
【0337】
それらの投与様式、用量および最適な剤形は、例えば、患者の年齢または体重、患者の健康状態の重篤度、処置に対する忍容性および示される二次的影響など、患者に適合された処置の確立において一般に考慮される基準に従って決定することができる。
【0338】
本発明の他の特徴および利点は、実施例および判例が以下に表される図面とともに本明細書の続きで明らかとなる。
【実施例】
【0340】
実施例1:IGF−1R ECDに対するマウス抗体の作製
ヒトIGF−1受容体(hIGF1R)のヒト細胞外ドメイン(ECD)に対して生成したマウスモノクローナル抗体(Mab)を作製するために、5個体のBALB/cマウスを10μgのrhIGF−1Rタンパク質(R&D Systems、カタログ番号391−GR)で3回皮下免疫した。別途、一部の動物で、10μgのIGF−1Rマウス細胞外ドメイン(ECD)(R&D Systems、カタログ番号6630−GR/Fc)での3回の付加的免疫誘導も行った。初回の免疫誘導はフロイントの完全アジュバント(Sigma、セントルイス、MD、USA)の存在下で行った。以降の免疫誘導にはフロイントの不完全アジュバント(Sigma)を加えた。融合3日前に、免疫マウスに10μgのrhIGF−1Rタンパク質で追加免疫を行った。次に、脾細胞およびリンパ球をそれぞれ脾臓の灌流および近位リンパ節の細断により調製し、5個体の免疫マウスのうち1個体(総てのマウスの血清力価測定の後に選択)から採取し、SP2/0−Ag14骨髄腫細胞(ATCC、ロックヴィル、MD、USA)と融合させた。融合プロトコールはKohler and Milstein (Nature, 256:495-497, 1975)に記載されている。融合細胞に対してHAT選択を行う。一般に、特にマウス起源のモノクローナル抗体またはそれらの機能的フラグメントの調製には、特に手引き書“Antibodies” (Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor NY, pp. 726, 1988)に記載されている技術を参照することができる。融合のおよそ10日後に、ハイブリッド細胞のコロニーをスクリーニングした。一次スクリーニングとして、ハイブリドーマの上清を、ヒト乳房MCF7腫瘍細胞(ATCC)および/または細胞表面にサルIGF−1Rを発現するCOS7細胞(アフリカミドリザル腎臓SV40形質転換)を用いたFACS分析によって、IGF−1R ECDタンパク質に対して生成したMabの分泌に関して評価した。より厳密には、フローサイトメトリーによる選択のために、10
5細胞(MCF7またはCOS7のいずれか)を96ウェルプレートの各ウェルの1%BSAおよび0.01%アジ化ナトリウムを含有するPBS(FACSバッファー)中に4℃で播種した。2000rpmで2分の遠心分離後に、バッファーを除去し、供試するハイブリドーマ上清を加えた。4℃で20分のインキュベーション後、細胞を2回洗浄し、FACSバッファー(#A11017、Molrcular Probs Inc.、ユージーン、USA)で1/500°希釈したAlexa 488コンジュゲートヤギ抗マウス抗体を加え、4℃で20分間インキュベートした。FACSバッファーでの最終洗浄後、各試験管に終濃度40μg/mlでヨウ化プロピジウムを加えた後に、FACS(Facscalibur、Becton−Dickinson)により細胞を分析した。細胞単独およびAlexa 488コンジュゲート二次抗体ともにインキュベートした細胞を含有するウェルを陰性対照として含めた。アイソタイプ対照を各実験で使用した(Sigma、ref M90351MG)。蛍光強度の平均値(MFI)を算出するために少なくとも5000細胞を評価した。
【0341】
加えて、内部移行する抗体のみを選択するために内部移行アッセイを行った。このアッセイでは、MCF7腫瘍細胞株を試験前にフェノールレッド不含の、1%L−グルタミンおよび10%のFACSを含むRMPI 1640中で3日間培養した。次に、トリプシンを用いて細胞を解離させ、100μlの細胞懸濁液を4.10
5細胞/mlで、96マルチウェルプレートのフェノールレッド不含の、1%L−グルタミンおよび5%FBSを含むRPMI1640中に播種した。2000rpmで2分の遠心分離後に、細胞を50μlのハイブリドーマ上清または対照抗体溶液(1μg/mlの陽性対照およびアイソタイプ対照)のいずれかに再懸濁させた。4℃で20分のインキュベーション時間の後、細胞を2000rpmで2分遠心分離し、冷(4℃)または温(37℃)いずれかの完全培養培地に再懸濁させた。次に、細胞を37℃または4℃のいずれかで2時間インキュベートした。その後、細胞をFACSバッファーで3回洗浄した。Alexa 488標識ヤギ抗マウスIgG抗体を20分間インキュベートし、細胞を3回洗浄した後、ヨウ化プロピジウム陰性細胞集団でのFACS分析を行った。
【0342】
FACS分析の後、(i)イブリドーマ上清とともに、4℃でインキュベートした細胞の表面上で検出された蛍光シグナルと、37℃でインキュベートした細胞で得られたものとの差異と、(ii)細胞表面上に残留するIGF1Rのパーセンテージの、2つのパラメーターを決定した。
【0343】
残留hIGF 1Rのパーセンテージは、下記のように算出される:%残留IGF−1R=(MFI
Ab 37℃/MFI
Ab 4℃)×100。
【0344】
加えて、組換えヒト(hIGF−1R)およびマウス(mIGF−1R)タンパク質、ならびに組換えヒトインスリン受容体(hIR)タンパク質への抗体結合を検討するために、3種類のELISAを行った(クローニング前または後のいずれか)。rh−IGF−1Rおよび/またはrm−IGF−1Rへの結合を示し、rhIRには結合しない抗体を分泌するハイブリドーマを保持した。簡単に述べれば、96ウェルELISAプレート(Costar 3690、Corning、NY、USA)を4℃にて一晩、PBS中0.6μg/mlのrhIGF−1Rタンパク質(R&D Systems、カタログ番号391−GR)または1μg/mlのrmIGF−1Rタンパク質(R&D Systems、カタログ番号6630−GR/Fc)または1μg/mlのrhIRタンパク質(R&D Systems、カタログ番号1544−IR/CF)100μl/ウェルでコーティングした。次に、これらのプレートを37℃にて2時間、0.5%ゼラチンを含有するPBS(#22151、Serva Electrophoresis GmbH、ハイデルベルク、ドイツ)でブロッキングした。プレートを軽く打ち付けることで飽和バッファーを排出したところで、各ウェルに100μlの各上清希釈液(無希釈ハイブリドーマ上清も上清連続希釈液も)を加え、37℃で1時間インキュベートした。3回の洗浄後、100μlセイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートポリクローナルヤギ抗マウスIgG(#115−035−164、Jackson Immuno−Research Laboratories,Inc.、ウェストグローブ、PA、USA)を、0.1%ゼラチンおよび0.05%Tween 20(w:w)を含有するPBS中1/5000希釈で37℃にて1時間加えた。次に、ELISAプレートを3回洗浄し、TMB(#UP664782、Uptima、Interchim、フランス)基質を加える。室温で10分のインキュベーション時間後、1M硫酸を用いて反応を停止させ、450nmでの光学密度を測定する。
【0345】
対象とする抗体を分泌するハイブリドーマを拡大培養し、限界希釈によりクローニングした。アイソタイプ分類を行ったところで、各コードの1クローンを拡大培養し、凍結させた。さらなる特性決定のため、対象とする各抗体をCellLine(Integra Biosciences)と呼ばれるin vitro生産系で生産した。
【0346】
結合特異性FACS分析に取り組むためのさらなるアッセイを、IM9細胞(ヒトIR発現Bリンパ芽球)ならびにhIGF−1Rトランスフェクト細胞と非トランスフェクト細胞に対して行った。
【0347】
選択された抗体に対応するデータを総て表9にまとめ、5つの選択抗体がMCF−7乳癌細胞またはトランスフェクト細胞のいずれかで発現された天然ヒトIGF−1Rを強く認識することを示した。それらの抗体はまたCOS−7細胞でサルIGF−1Rも認識する。これらの抗体は、IM9細胞で発現の高いヒトインスリン受容体とは交差反応しない。これらの抗体はELISAプレートに直接コーティングされた場合のrhIGF−1R ECDタンパク質をあまり認識しないことを述べておかなければならない。
【0348】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
実施例2:FACS分析によるヒト天然IGF−1Rへの抗体結合
5つのマウスIGF−1R抗体をキメラ化した。マウスおよびキメラ両方のIGF−1R抗体の結合特性をヒトMCF−7乳腺癌細胞株(ATCC#HTB−22)にて漸増抗体濃度を用い、FACS分析により評価した。この目的で、細胞(1×10
6細胞/ml)を4℃にてFACSバッファー(PBS、0.1%BSA、0.01%NaN
3)中、IGF−1R抗体とともに20分間インキュベートした。次に、それらの細胞を3回洗浄し、暗所、4℃にてさらに20分間、Alexa 488とカップリングした適当な二次抗体とともにインキュベートした後、FACSバッファー中で3回洗浄した。すぐに生細胞に抗IGF−1R抗体の結合がなされ、これを、ヨウ化プロピジウム(死細胞を染色する)を用いて確認した。各抗体で得られたシグナル強度の最大値をB
maxと呼び、蛍光強度の平均(MFI)で表した。モル濃度(M)で表される結合のEC
50は、非直線回帰分析(GraphPad Prims 4.0)を用いて算出した。
【0350】
各マウスまたはキメラAbの力価測定曲線は、生成した総ての抗体が典型的な飽和特性で天然IGF−1R型を認識できることを示した(
図1A)。抗体のランク付けを行い、マウスおよびキメラの両Abの結合特性を比較するために、各化合物の結合EC
50を、非直線回帰分析を用いて決定した。各マウスAbとその対応するキメラ型のEC
50の比較は、これら2つの形態が同じ結合特性を示し、Abのキメラ化がIGF−1R認識に影響を及ぼさなかったことを示した(
図1B−C)。キメラ抗体のEC
50値およびB
max値を表10にまとめた。
【0351】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0352】
実施例3:有意なレベルのIRを発現するIGF−1RまたはIRトランスフェクト細胞またはIM9細胞のいずれかを使用することによる抗体特異性の確認
生成された抗体のIGF−1RとIRに対する特異性を確認するために、hIGF−1RまたはhIRのいずれかを発現する安定なトランスフェクト体を、FACS分析により評価した。簡単に述べれば、漸増濃度のキメラmAbをFACSバッファー(PBS、0.1%BSA、0.01%NaN
3)中、4℃で20分間、細胞とともにインキュベートした。次に、細胞を3回洗浄し、Alexa 488とカップリングした適当な二次抗体とともにインキュベートした後、暗所、4℃にてさらに20分間インキュベートし、その後、FACSバッファー中で3回洗浄した。すぐに生細胞に抗IGF−1R抗体の結合がなされ、これを、ヨウ化プロピジウム(死細胞を染色する)を用いて確認した。モル濃度(M)で表される結合EC
50は、非直線回帰分析(GraphPad Prims 4.0)を用いて算出した。
【0353】
hIGF−1Rトランスフェクト細胞株(
図2A)と非トランスフェクト細胞で得られた力価測定曲線(
図2B)から、ヒトIGF−1Rに対するキメラAbの結合特異性が確認された。EC
50値およびB
max値を表11にまとめた。
【0354】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0355】
hIRへのマウスおよびキメラの両抗体の結合の不在を確認するために、ヒトIR(hIR)を発現する安定な細胞株を用いた。マウスおよびキメラの両Abによるヒト細胞表面hIRの認識は、FACS分析により行った。漸増濃度のマウスまたはキメラいずれのmAbをFACSバッファー(PBS、0.1%BSA、0.01%NaN
3)中、4℃にて20分間、hIR
+トランスフェクト細胞株上でインキュベートした。次に、細胞を3回洗浄し、Alexa 488とカップリングした適当な二次抗体とともにインキュベートした後、暗所、4℃にてさらに20分間インキュベートし、その後、FACSバッファー中で3回洗浄した。すぐに生細胞に抗IGF−1R抗体の結合がなされ、これを、ヨウ化プロピジウム(死細胞を染色する)を用いて確認した。モル濃度(M)で表される結合EC
50は、非直線回帰分析(GraphPad Prims 4.0)を用いて算出した。抗hIR抗体クローンGRO5を陽性対照として用いた。マウスおよびキメラ9G4抗体を無関連抗体として導入した。
【0356】
トランスフェクト細胞の細胞表面での高レベルのhIR発現は、市販の抗hIR抗体GRO5を用いて確認した(
図3Aおよび3B)。高濃度のマウス(
図3A)またはキメラ(
図3B)いずれかのhIGF−1R Abを用いても、hIR
+トランスフェクト細胞の細胞表面での結合は見られなかった。これらの結果は、マウス抗hIGF−1R Abもキメラ抗hIGF−1R AbもhIRを認識しなかったことを示した。
【0357】
hIGF−1RとIRの認識のこの特異性はまた、hIRを発現するBリンパ腫細胞株であるIM9細胞を用いたFACS分析によっても示された(
図4)。このFACS分析では、プロトコールは上記のものと同じであり、抗ヒト二次Abの交差反応性を避けるためにマウス抗体を用いた(IM9細胞はそれらの細胞表面にヒトIgを発現する)。
図4に示す結果は、ここでも、GRO5抗hIR抗体を用いた場合にも予想されたシグナルが見られたが、評価したマウス抗体にこの細胞株上で有意な結合シグナルを示したものはなかったことを示した。
【0358】
実施例4:FACS分析およびBiacore分析によるサル天然IGF−1Rへの抗体結合
規制毒性試験の第1の前提条件の1つは、選択された化合物を評価するために適切な動物種を見つけることである。本明細書に記載の抗体系列はマウスIGF−1Rを認識できないので、毒性評価に最も可能性のある種は非ヒト霊長類(NHP)である。
【0359】
サルIGF−1Rに対する抗IGF−1R抗体の結合を評価するために、マウスおよびキメラの両抗hIGF−1R抗体の結合をまず、漸増抗体濃度を用い、COS−7細胞株でFACS分析により評価した。細胞(1×10
6細胞/ml)をFACSバッファー(PBS、0.1%、BSA、0.01%NaN
3)中、4℃で20分間、抗IGF−1R抗体とともにインキュベートした。次に、細胞を3回洗浄し、Alexa 488とカップリングした適当な二次抗体とともにインキュベートした後、暗所、4℃にてさらに20分間インキュベートし、最後にFACSバッファー中で3回洗浄した。ヨウ化プロピジウム(死細胞を染色する)を用いて確認される生細胞に対する抗IGF−1R抗体の結合をすぐに評価した。モル濃度(M)で表される結合EC
50は、非直線回帰分析(GraphPad Prims 4.0)を用いて算出した。
【0360】
COS−7サル細胞株で得られた力価測定曲線は、総ての抗hIGF−1R Abがサル細胞株の表面で発現されたIGF−1Rを特異的に認識したことを示した(
図5A)。マウスおよびキメラの各Abに関するEC
50の決定は、これらの2形態はサルIGF−1Rに対するそれらの結合特性に関して十分匹敵したことを示した(
図5B)。これらの結果は、生成された総ての抗hIGF−1RがサルIGF−1Rを認識したことを示した。
【0361】
ヒトとサルのIGF−1Rに対するキメラ抗体認識の大きさを確認するために、COS−7細胞とトランスフェクトIGF−1R細胞での結合EC
50の比較を行った。
図5Cに示される結果は、総ての抗体によるヒトおよびサルIGF−1Rの同等の認識を示した。
【0362】
別の種類のサルにおける認識を確認するために、細胞をIGF−1R型カニクイザルでトランスフェクトして可溶性サルIGF−1R ECDを作製し、hIGF−1RまたはカニクイザルIGF−1Rのいずれかに対するその結合特性を比較するためにキメラ抗体の1つ(c208F2)を用いてBiacore試験を行った。
【0363】
認識試験は、X100装置にて、抗Tag His抗体(HisキャプチャーキットGE Healthcare カタログ番号28−9950−56)により活性化したCM5センサーチップを用いて行った。アミンキット化学を用い、11000RUを越える抗体をカルボキシメチルデキストラン(carboxymethyldextan)マトリックスに化学的にグラフトした。これらの試験は、ランニングおよびサンプル希釈バッファーとしてHBS−EPバッファー(GE Healthcare)を用い、25℃にて流速30μl/分で行った。マカク属IGF−1Rと比較してhIGF−1Rに対する208F2抗体のキメラ型(c208F2)の結合の速度パラメーターを定義するためにシングルサイクル動態スキームを用いた。
【0364】
ヒト(R&D Systemsカタログ番号305−GR−50)またはカニクイザル(自家作製)のうち1つのいずれかの配列に基づく、2本のα鎖と、付加的なC末端10Hisタグとともに発現される2本のβ鎖の細胞外ドメインから構成されるIGF1Rヘテロ四量体の可溶性組換え型の溶液を、160RU前後の抗原を捕捉するために定義された希釈で第2のフローセルに1分注入した。捕捉相の後、両フローセルにランニングバッファーを5回注入するか(各90秒注入)、または漸増する5種類の濃度範囲のc208F2を注入した(各90秒注入)。5回目の注入の終了時に、解離速度を定義するためにランニングバッファーを通した。
【0365】
次に、10mMグリシン、HCl pH1.5バッファーを30秒間注入して表面を再生した。
【0366】
コンピューターで計算されたシグナルは、フローセル2(捕捉されたIGF1Rを含む)の応答とフローセル1(IGF−1R分子を含まない)の応答の間の差異に相当する(
図6)。
【0367】
各IGF1R分子(ヒトまたはカニクイザル)に関して、漸増濃度範囲のc208F2の注入によるシグナルを、5回のバッファー注入で得られたシグナル(二重参照)の減算により補正した。得られたセンサーグラムを、Biaevaluationソフトウエアを1:1モデルとともに用いて分析した。動態速度は独立に(各IGF−1Rに対するc208F2の結合の2つの動態速度)または一般に(ヒトおよびカニクイザルIGF1Rに対するc208F2の結合の同じ動態速度)評価する。フィッティングの質は、0.05RU未満のChi2/Rmax比により評価した。
【0368】
各IGF−1Rに関して個別に定義された結合の動態速度(表12参照)は近く、同じ動態速度を有する両センサーグラムのフィッティングは良好な質である。
【0369】
c208F2抗体は、組換えヒトIGF−1RとカニクイザルIGF−1Rを約0.2nMの解離定数(KD)で同様に認識する。この研究で(in tis study)定義された親和性は、160RU前後の捕捉ヒトおよびカニクイザルIGF−1Rレベルに関しての抗体の機能的親和性(アビディティー)に相当する。
【0370】
【表14】
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実施例5:IGF−1Rリン酸化に対する生成抗体の固有の効果
抗体チロシンキナーゼ受容体と結合した際に促進作用を誘導し得ることはよく知られている。本発明者らはこのようなアゴニスト抗体を選択したくはなかったので、キメラ抗体を用いてhIGF−1Rリン酸化の評価を検討した。
【0371】
この目的で、MCF−7細胞を無血清培地で一晩インキュベートした。次に、IGF−1(100nM)または供試Abのいずれかを37℃で10分間加えた(10μg/ml)。培地を排出し、細胞を4℃にて90分間、HClバッファー(pH7.5)、15%NaCl(1M)、10%洗剤混合物(10mM Tris−HCl、10%Igepal溶解バッファー)(Sigma Chemical Co.)、5%デオキシコール酸ナトリウム(Sigma Chemical Co.)、1個のプロテアーゼ阻害剤カクテルコンプリートTM錠(Roche)、1%ホスファターゼ阻害剤カクテルSet II(Calbiochem)を含有する溶解バッファー(pH7.5)中で崩壊させた。これらの溶解液を4℃での遠心分離により明澄化し、100℃で5分間加熱し、−20℃で維持するか、またはそのまま4〜12%SDS−PAGEゲルにロードした。一次抗体のインキュベーションを室温で2時間行った後、HRP結合二次抗体とのインキュベーションを室温で1時間行った。メンブランをTBST中で洗浄した後、タンパク質をECLで可視化した。ブロットを、Image Jソフトウエアを用いて定量した。GAPDHを用いてホスホタンパク質値を正規化した。IGF−1に応答したhIGF−1Rのリン酸化を100%の刺激と見なした。hIGF−1Rのリン酸化に対する抗hIGF−1R Abの効果を、IGF−1により誘導されたリン酸化の%として求めた。
【0372】
図7に記載される結果は、IGF−1と比較した場合の3回の独立した実験のキメラ抗IGF−1R Abに応答したpIGF−1Rの%の平均+/−S.D.を表す。示されたように、MCF−7細胞が10μgの抗IGF−1R Abとともにインキュベートされた場合に、hIGF−1Rの有意なリン酸化は検出されなかったか、または低い(<10%)しか検出されなかった。
【0373】
実施例6:マウスIGF−1R抗体による、IGF−1に応答したIGF−1Rリン酸化の阻害
選択された抗体の特性決定を行うために、IGF1により誘導されたリン酸化を阻害するそれらの能力を検討した。この目的で、MCF−7細胞を無血清培地で一晩インキュベートした。次に、細胞をマウス抗hIGF−1R Abとともに5分間インキュベートした後、37℃で2分間IGF−1を添加した。培地を排出し、細胞を4℃で90分間、10mM Tris HClバッファー(pH7.5)、15%NaCl(1M)、10%洗剤混合物(10mM Tris−HCl、10%Igepal溶解バッファー)(Sigma Chemical Co.)、5%デオキシコール酸ナトリウム(Sigma Chemical Co.)、1個のプロテアーゼ阻害剤カクテルコンプリートTM錠(Roche)、1%ホスファターゼ阻害剤カクテルSet II(Calbiochem)を含有する溶解バッファー(pH7.5)中で崩壊させた。これらの溶解液を4℃での遠心分離により明澄化し、100℃で5分間加熱し、−20℃で維持するか、またはそのまま4〜12%SDS−PAGEゲルにロードした。一次抗体のインキュベーションを室温で2時間行った後、HRP結合二次抗体とのインキュベーションを室温で1時間行った。メンブランをTBST中で洗浄した後、タンパク質をECLで可視化した。ブロットを、Image Jソフトウエアを用いて定量した。GAPDHを用いてホスホタンパク質値を正規化した。IGF−1に応答したhIGF−1Rのリン酸化を100%の刺激と見なした。hIGF−1Rのリン酸化に対する抗hIGF−1R Abの効果を、IGF−1により誘導されたリン酸化の%として求めた。
【0374】
総ての抗IGF−1R AbがIGF−1に応答してhIGF−1Rのリン酸化を強く阻害した(80%を越える低下)(
図8)。IGF1により誘導されたhIGF−1Rのリン酸化の最良の阻害剤は、m208F2、m212A11およびm214F8 Mabである。
【0375】
実施例7:FACS分析による生成IGF−1R抗体の結合後のIGF−1R内部移行の研究
MCF−7細胞を4℃で20分間、10μg/mlのキメラ抗体とともにインキュベートした。次に、細胞を洗浄し、4℃または37℃で4時間インキュベートした。細胞表面結合抗体の量を、二次抗体を用いて決定した。4時間のインキュベーション時間後に4℃で測定されたMFIと37℃で測定されたMFIとの間の差異として定義されるΔMFIは、内部移行されたAbの量に相当した。ΔMFIを
図9および表11に示した。10μg/mlのAbの内部移行パーセンテージは、次のように算出され100
*(4℃でのMFI−37℃でのMFI)/4℃でのMFI、表13に示した。
【0376】
【表15】
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【0377】
サルIGF−1Rも認識した抗体がこの受容体を内部移行することができたかどうかを決定するために、同じ内部移行試験を行った。表14にまとめた結果は、総ての供試抗体がサルIGF−1R内部移行を媒介できたことを示した。
【0378】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
細胞表面結合抗体減少の動態をさらに評価した。この目的で、MCF−7細胞を96ウェルプレートに播種し、4℃で20分間、10μg/mlのマウスとともにインキュベートした。次に、37℃にて10、20、30、60または120分間、培地中で細胞を洗浄して結合してない抗体を除去した。各時点で、細胞を遠心分離した後、氷上にて二次抗マウスIgG−Alexa488で表面標識して、細胞表面に残留する抗体の量を決定した。各マウスAbおよび各時点の蛍光強度を4℃でのシグナル(残留IGF−1R%)により正規化し、指数減衰に当てはめて半減期(t1/2)を求めた。t1/2は、シグナルの50%の低下を得るために必要な時間と考えた。
図10に示されるように、総てのマウスAbの表面レベルは最初の30分で急速に低下し、低下は60分のインキュベーション後にほぼ最大となった(
図10A)。算出された半減期はマウスAbに応じて10〜18分の間を含んだ(
図10B)。
【0380】
細胞表面シグナルの低下がAbの内部移行によるものであって、受容体の脱落によるものではなかったことを確認するために、細胞を37℃で0、30および60分間、マウスAbとともにインキュベートした(
図11)。次に、細胞結合抗体(w/o透過処理)および細胞表面結合+内部移行Ab(透過処理有り)に相当する全抗体シグナルを決定するために、細胞を固定し、透過処理を施すか、または施さなかった。内部移行Ab(細胞質)の量は次のように決定した:透過処理後のMFI−MFI w/o透過処理。この試験は、細胞表面結合Abの減少は細胞質Abの増加によるものであり、Abが内部移行したことを示すということを示した(
図11)。加えて、透過処理後のシグナル(全体)の低下により示されるように、Abの分解は1時間のインキュベーション後に始まった。
【0381】
実施例8:共焦点分析による生成IGF−1R抗体の結合後のIGF−1R内部移行の研究
抗体の内部移行をさらに確認するため、細胞輸送後の抗体の細胞下分布を評価するために共焦点顕微鏡観察を行った。細胞を抗hIGF−1R Ab 37℃とともにインキュベートし、固定し、透過処理を施した。従って、細胞を、二次抗体Alexa−488をウサギ抗Lamp−1抗体(二次抗ウサギIgG Alexa 555を用いて可視化した)を用いて染色した。37℃でのインキュベーション前に、マウス208F2 AbはMCF−7細胞の膜上に局在した(
図12A)。ImageJソフトウエアの共局在化ハイリター(highliter)プラグインを用いてリソソームマーカーlamp−1との共局在化は見られなかった。細胞表面結合抗体は、37℃で15分のインキュベーション後に劇的に減少した。細胞表面結合抗体の減少と同時に、細胞内抗体が小胞に検出された。lamp−1との共局在化はまれにしか見られなかった。30分のインキュベーション後に、細胞表面結合抗体はほとんど検出されなかった。しかしながら、リソソームでのAbの共局在化は増加した。1時間のインキュベーション後には、細胞内Ab染色ならびにlamp−1との共局在化数は低下した。細胞表面結合抗体のこの動態およびその細胞内蓄積は、FACSによる抗体表面減衰尺度の動態と相関していた。加えて、FACS試験ですでに記載したように、マウスAbの分解は、共焦点顕微鏡によれば、1時間のインキュベーション後に始まった。
【0382】
他の総てのhIGF−1Rマウス抗体の内部移行およびそれらのLamp−1との共局在化もまた評価した(
図12B)。37℃で30分のインキュベーション後に、細胞内抗体が検出され、lamp−1との共局在化が見られ、このことは選択された総ての抗IGF−1R抗体がリソソームに効果的に内部移行されたことを示す。
【0383】
実施例9:リソソーム阻害剤バフィロマイシンA1を用いたAb分解の阻害
抗体がリソソームに到達してそこで分解されることを確認するために、細胞をリソソーム機能の強力な阻害剤であるバフィロマイシンA1で処理したか、または非処理とした。次に、細胞を4℃で10μg/mlの供試Abとともにインキュベートし、洗浄し、37℃で2時間インキュベートした。内部移行したAbは細胞透過処理後に二次抗マウスIgG−Alexa 488 Abを用いて検出された。バフィロマイシンA1の添加は細胞内Abの分解を防ぎ(
図13)、このことはAbが効果的に内部移行され、リソソームで分解されたことを示す。
【0384】
実施例10:抗体−IGF−1R結合に対するpHの影響
抗体はそれらの内部移行能に基づいて選択され、リソソームコンパートメントに入る前に初期エンドソームと共局在化することが上記で示されたので、対象とするアプローチは、Ab/hIGF−1R結合の安定性がpH環境によって調節された抗体、優先的には、pH環境が酸性となった場合にIGF−1Rから優先的に解離される抗体を選択することからなった。実際に、初期エンドソームとリソソームの間の主要な違いはそれらの管腔pHであり、エンドソームコンパートメントではpHはおよそ6であり、リソソームコンパートメントではpHは約4.5である。
【0385】
リガンド結合(IGF1)後にひと度、内部移行されると、hIGF−1Rは再循環経路を介して細胞表面に戻ることがよく知られている。
【0386】
特定の理論に関連付けるものではないが、本明細書の仮説は、酸性pHで早期にそれらの標的からより放出されやすい抗体はおそらく膜への標的再循環に有利であり、結果として、ADCアプローチのより良い候補と考えられるはずであるというものである。本発明者らの抗体にこのような特性を示すものがあるか、また、この特性が細胞傷害活性と相関するかどうかを検討するために、MCF−7細胞株でのマウス抗hIGF−1R Mabの結合を、種々のpHのバッファー中で行った。漸増濃度のマウスmAbをMCF−7細胞株上で4℃にて20分間、5〜8の範囲の種々のpHでインキュベートした。次に、細胞を3回洗浄し、FACSバッファー中で、Alexa 488とカップリングした適当な二次抗体とともにインキュベートした。細胞を暗所、4℃にてさらに20分間インキュベートした後、FACSバッファー中で3回洗浄した。すぐに生細胞に抗hIGF−1R抗体の結合がなされ、これを、ヨウ化プロピジウム(死細胞を染色する)を用いて確認した。モル濃度(M)で表される結合のEC
50は、非直線回帰分析(GraphPad Prims 4.0)を用いて算出した。
図14に示されるように、選択された総てのマウス抗IGF−1R抗体が酸性pHでより低い結合能を示した。
【0387】
実施例11:208F2 Mabのヒト化型の評価
c208F2 mAbの第1のヒト化型の結合をMCF−7、COS−7およびNIH 3T3 IR
+細胞株で評価した。漸増濃度のm208F2、c208F2またはhz208F2 VH3VL3を各細胞株に4℃で20分間加えた。次に、細胞を洗浄し、供試mAbの結合を、対応する二次抗体を用いて可視化した。トランスフェクト細胞株上でのヒトIRの発現を確認するために、市販の抗hIR抗体クローンGRO5を用い、その認識特性を例示した(
図15D)。
【0388】
MCF−7細胞(
図15A)またはサルCOS−7(
図15B)細胞でヒト化型とマウス型またはキメラ型のいずれかと比較したところ、供試したこれら3つの型に近似した特性が示された。ヒト化のプロセスは、ヒトインスリン受容体に対する交差反応性に関してマウス型およびキメラ型に完全に匹敵する抗体の認識特異性を改変しなかった(
図15C)。
【0389】
ヒト細胞株MCF−7およびサル細胞株COS−7に対する208F2の第1のヒト化型の算出されたEC
50は、mAb 208F2のマウス型またはキメラ型のいずれで決定されたものとも同等であった。
【0390】
mAb hz208F2 VH3/VL3の内部移行能をフローサイトメトリーにより評価した。MCF−7細胞を4℃で20分間、10μg/mlの抗体とともにインキュベートした。次に、細胞を洗浄し、4℃または37℃で4時間インキュベートした。細胞表面結合抗体の量を、二次抗体を用いて決定した。4時間のインキュベーション時間後に4℃で測定されたMFIと37℃で測定されたMFIの間の差異として定義されるΔMFIは、内部移行されたAbの量に相当した。ΔMFIを
図16および表13に示した。10μg/mlのAbにおける内部移行のパーセンテージは、次のように算出され:100
*(4℃でのMFI−37℃でのMFI)/4℃でのMFI、表15に示す。よって、ヒト化hz208F2 VH3/VL3は、対応するマウスおよびキメラ208F2抗体で測定されたものと同等の結合および内部移行特性を有していた。
【0391】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
実施例12:可溶性組換えヒトIGF1Rに対する208F2抗体の5つのキメラ抗IGF1R抗体(c208F2、c213B10、c212A11、c214F8およびc219D6)およびヒト化型(VH3/VL3)の結合の解離定数(KD)の定義
組換え可溶性ヒト−IGF1Rに対する抗体の結合の解離定数(K
D)は、解離速度(k
off)と会合速度(k
on)の間の比により定義した。動態試験は、Biacore X100装置にて、マウス抗Tag Hisモノクローナル抗体により活性化したCM5センサーチップを用いて行った。12000RU前後の抗体を、アミンキット化学を用いてカルボキシメチルデキストラン(carboxymethyldextan)マトリックスに化学的にグラフトする。
【0393】
これらの試験は、ランニングおよびサンプル希釈バッファーとしてHBS−EP+バッファー(GE Healthcare)を用い、25℃にて流速30μl/分で行った。
【0394】
その2つのC末端10ヒスチジンタグにより捕捉された可溶性組換えヒトIGF1Rへの抗IGF1R抗体の結合の動態パラメーターを定義するためにシングルサイクル動態スキームを用いた。
【0395】
1−2本のα鎖と付加的C末端10−Hisタグとともに発現される2本β鎖の細胞外ドメインのヒトIGF1Rヘテロ四量体の可溶性組換え型(R&D Systemsカタログ番号305−GR−50)の溶液を第2のフローセルに10μg/mlの濃度で1分間注入した。本試験で実現した24サイクルのそれぞれにおいて平均587RU(標準偏差24RU)の可溶性受容体が捕捉された。
【0396】
2−この捕捉相の後、両フローセルにランニングバッファーを5回注入するか(各90秒注入)、または漸増する5種類の濃度範囲の、6種類の抗体のうちの1つを注入した(各90秒注入)。5回目の注入の終了時に、解離速度を定義するためにランニングバッファーを5分間通した。
【0397】
3−次に、10mMグリシン、HCl pH1.5のバッファーを45秒間注入して表面を再生した。
【0398】
コンピューターで計算されたシグナルは、フローセル2(捕捉されたIGF1Rを含む)の応答とフローセル1(IGF1R分子を含まない)の応答の間の差異に相当する。
【0399】
各IGF−1R分子に関して、漸増濃度範囲の1つの抗体の注入によるシグナルを、5回のバッファー注入で得られたシグナル(二重参照)の減算により補正した(
図17参照)。
【0400】
得られたセンサーグラムを、Biaevaluationソフトウエアを1:1モデルとともに用いて分析した。
【0401】
各抗体について、2つの異なる濃度範囲、すなわち、各抗体について実施した最初の2回の試験では40、20、10、5および2.5nMおよびあとの2回の試験では24、12、6、3および1.5nMを用いて4回の試験を行った。
【0402】
本試験で供試した6つの抗体について、試験データは、より高い濃度が定数と定義された場合に有意なk
off値を有する1:1モデルによく適合し、他の4つの濃度が計算される(
図18参照)。
【0403】
比:k
off/k
onとして算出される解離定数(K
D)および比:Ln(2)/k
offとして算出されるそれらの複合体の半減期を
図19および20に示す。これらは各抗体について行った4回の独立した試験の平均に相当する。エラーバーは値の標準誤差(n=4)に相当する。
【0404】
解離定数は10〜100pMの範囲である。c208F2抗体は、h−IGF1Rに対してより弱い親和性(より高い解離定数値)を示し(K
D 75pM前後)、そのヒト化型は少なくともキメラ型と同等に良好である(K
D 60pM前後)。他の4つの抗IGF1Rキメラ抗体は、hIGF1−Rに対して全く同等の親和性を示す(K
D 30pM前後)。この親和性の違いは主として解離速度または結果としての複合体の半減期に関連している。208F2では、キメラ型およびヒト化型(VH3/VL3)の場合、複合体の半減期は2〜3時間の間である。他の4つのキメラ抗体では、平均半減期は7.0〜9.4時間の間である。
【0405】
これらの極めて緩慢な解離速度は、それらの両Fabアームにより2つの隣接するh−IGF1R分子に同時に結合できる抗体の二価構造に明らかに関連している。この場合、捕捉されたIGF1R分子のレベルは解離速度に影響を持ち得る。本試験で定義された親和性は、捕捉された600RU前後のh−IGF1Rのレベルに対する抗体の機能的親和性(アビディティー)に相当する。上記に示されるデータ(表10)と実施例13に示される値の間に見られるKDの3倍の違いは、hIGF−1Rの捕捉レベルの違い(実施例4では600RUと160RU)に関連している。
【0406】
実施例13:1613F12の作出
Axl受容体のヒト細胞外ドメイン(ECD)に対するマウスモノクローナル抗体(Mab)を作出するために、5個体のBALB/cマウスを皮下(s.c.)、15〜20.10
6のCHO−Axl細胞で5回、および20μgのrh Axl ECDで2回免疫した。初回の免疫誘導はフロイントの完全アジュバント(Sigma、セントルイス、MD、USA)の存在下で行った。以降の免疫誘導にはフロイントの不完全アジュバント(Sigma)を加えた。
【0407】
融合3日前に、免疫マウスに20.10
6のCHO−Axl細胞と20μgのrhAxl ECDの両方でIFAを伴って追加免疫を行った。
【0408】
ハイブリドーマを作製するために、脾細胞およびリンパ球をそれぞれ脾臓の灌流および近位リンパ節の細断により調製し、5個体の免疫マウスのうち1個体(血清力価測定後に選択)から採取し、SP2/0−Ag14骨髄腫細胞(ATCC、ロックヴィル、MD、USA)と融合させた。融合プロトコールはKohler and Milstein (Nature, 256:495-497, 1975)に記載されている。融合細胞に対してHAT選択を行う。一般に、特にマウス起源のモノクローナル抗体またはそれらの機能的フラグメントの調製には、特に手引き書“Antibodies” (Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor NY, pp. 726, 1988)に記載されている技術を参照することができる。
【0409】
融合のおよそ10日後に、ハイブリッド細胞のコロニーをスクリーニングした。一次スクリーニングとして、ハイブリドーマの上清を、ELISAを用い、Axl ECDタンパク質に対して生成したMabの分泌に関して評価した。並行して、CHOとAxl発現CHO細胞の両方を用い、細胞表面に存在する細胞型のAxlに結合し得るMabを選択するためにFACS分析を行った。
【0410】
できるだけ速やかに選択されたハイブリドーマを限界希釈によりクローニングした後、それらのAxl ECDタンパク質に対する反応性に関してスクリーニングした。次に、クローニングしたMabを、アイソタイピングキット(カタログ番号5300.05、Southern Biotech、バーミンガム、AL、USA)を用いてアイソタイプを同定した。各ハイブリドーマから得られた1つのクローンを選択し、拡大培養した。
【0411】
ELISAアッセイは、次のように、純粋なハイブリドーマ上清を用いて行うか、または上清中のIgG含量が決定された場合には、5μg/mlで始めて力価測定を実行した。次に、以下の11列で1/2連続希釈を行った。簡単に述べれば、96ウェルELISA プレート(Costar 3690、Corning、NY、USA)を4℃にて一晩、PBS中2μg/mlのrh Axl−Fcタンパク質(R and D Systems、カタログ番号154−AL)またはrhAxl ECD 50μl/ウェルでコーティングした。次に、これらのプレートを37℃にて2時間、0.5%ゼラチン(#22151、Serva Electrophresis GmbH、ハイデルベルク、ドイツ)を含有するPBSでブロッキングした。プレートを軽く打ち付けることで飽和バッファーを排出したところで、ELISAプレートに50μlの純粋なハイブリドーマ上清または50μlの5μg/ml溶液を加え、37℃で1時間インキュベートした。3回の洗浄後、50μlセイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲートポリクローナルヤギ抗マウスIgG(#115−035−164、Jackson Immuno−Research Laboratories,Inc.、ウェストグローブ、PA、USA)を、0.1%ゼラチンおよび0.05%Tween 20(w:w)を含有するPBS中1/5000希釈で37℃にて1時間加えた。次に、ELISAプレートを3回洗浄し、TMB(#UP664782、Uptima、Interchim、フランス)基質を加えた。室温で10分のインキュベーション時間後、1M硫酸を用いて反応を停止させ、450nmでの光学密度を測定した。
【0412】
フローサイトメトリーによる選択のために、10
5細胞(CHO wtまたはCHO−Axl)を96ウェルプレートの各ウェルの、1%BSAおよび0.01%アジ化ナトリウムを含有するPBS(FACSバッファー)中に4℃で播種した。2000rpmで2分の遠心分離の後、バッファーを除去し、供試するハイブリドーマ上清または精製Mab(1μg/ml)を加えた。4℃で20分のインキュベーション後、細胞を2回洗浄し、FACSバッファー(#A11017、Molecular Probes Inc.、Eugene、USA)で1/500°希釈したAlexa 488コンジュゲートヤギ抗マウス抗体を加え、4℃で20分間インキュベートした。FACSバッファーでの最終洗浄の後、各試験管に終濃度40μg/mlでヨウ化プロピジウムを加えた後、細胞をFACS(Facscalibur、Becton−Dickinson)により分析した。細胞単独およびAlexa 488コンジュゲート二次抗体とともにインキュベートした細胞を含有するウェルを陰性対照として含めた。各試験でアイソタイプ対照を使用した(Sigma、参照M90351MG)。少なくとも5000細胞を評価して、蛍光強度の平均値(MFI)を算出した。
【0413】
1613F12を産生するハイブリドーマを候補として選択した。
【0414】
実施例14:1613F12のヒト化
ヒトにおける治療適用のためのマウス抗体(Mab)の使用は一般に大きな有害作用をもたらし、患者はヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を生じ、それにより、治療および予防の継続的投与の有効性が低下する。この問題を克服するための1つのアプローチが、抗原結合活性を改変することなくマウス配列をそれらのヒト対応物で置換することによりマウスMabをヒト化することである。これは、(i)マウス可変領域がヒト定常領域に連結されるマウス/ヒトキメラ抗体の構築(Boulianne et al., 1984)および(ii)マウス可変領域由来の相補性決定領域(CDR)を慎重に選択したヒト可変領域にグラフトした後、これらの「再形成ヒト」可変領域をヒト定常領域に連結すること(Riechmann et al., 1988)による2つの主要な方法で達成することができる。
【0415】
14.1 軽鎖可変ドメインVLのヒト化
予備工程として、1613F12 VLのヌクレオチド配列をIMGTデータベース(http://www.imgt.org)のマウス生殖系列遺伝子配列部分と比較した。マウスIGKV16−104
*01およびIGKJ5
*01生殖系列遺伝子を同定した。CDRグラフトの最良のヒト候補を特定するために、1613F12 VLマウス配列と最も同一性を示すヒト生殖系列遺伝子を検索した。IMGTデータベース分析ツールの助けで、マウス1613F12 VL CDRの可能性のあるアクセプターヒトV領域を特定した:IGKV1−27
*01およびIGKJ4
*02。軽鎖可変ドメインに対してヒト化を行うために、ヒト配列とマウス配列の間で異なる各残基に優先順位を付けた。これらの優先度(1〜4)を用い、最大14の復帰突然変異を有する軽鎖可変領域の11の異なるヒト化変異体を作出した。
【0416】
【表18】
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14.2 重鎖可変ドメインVHのヒト化
CDRグラフトのための最良のヒト候補を特定するために、1613F12 VHと最も同一性を示すマウスおよびヒト生殖系列遺伝子を検索した。IMGTデータベースの一部である配列アラインメントソフトウエア「IMGT/V−QUEST」を用い、1613F12 VHのヌクレオチド配列をマウスおよびヒトの両方の生殖系列遺伝子配列とアラインした。また、VectorNTIパッケージの「Align X」ソフトウエアを用いてヌクレオチド配列アラインメントの結果を確認するためのアミノ酸配列アラインメントも実行した。マウス生殖系列遺伝子とのアラインメントは、マウス生殖系列V−遺伝子IGHV14−3
*02およびJ−遺伝子IGHJ2
*01が最も相同なマウス生殖系列遺伝子であることを示した。IMGTデータベースを用い、マウスD遺伝子生殖系列IGHD1−1
*01を相同配列として特定した。CDRグラフトに適当なヒト生殖系列を選択するために、1613F12 VHマウス配列と最高の相同性を有するヒト生殖系列遺伝子を特定した。IMGTデータベースおよびツールの補助で、ヒトIGHV1−2
*02生殖系列遺伝子およびヒトIGHJ5
*01 J生殖系列遺伝子をマウス1613F12 VH CDRのヒトアクセプター配列として選択した。重鎖可変ドメインに対するヒト化を行うために、ヒト配列とマウス配列の間で異なる各残基に優先順位(1〜4)を付けた。これらの優先度を用い、最大18の復帰突然変異を有する軽鎖可変領域の20の異なるヒト化変異体を作出した。
【0417】
【表19】
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【0418】
実施例15:Axl結合特異性
この例では、1613F12の結合が、rhAxl−Fcタンパク質に対する最初の試験であった。次に、TAMファミリーの他の2つのメンバーrhDtk−FcおよびrhMer−Fcに対するその結合を試験した。
【0419】
簡単に述べれば、組換えヒトAxl−Fc(R and D systems、カタログ番号154AL/CF)、rhDtk(R and D Systems、カタログ番号859−DK)またはrhMer−Fc(R and D Systems、カタログ番号891−MR)タンパク質を4℃で一晩Immulon II96ウェルプレートにコーティングし、0.5%ゼラチン溶液で1時間のブロッキング工程の後、1613F12を5μg/ml(3.33 10
−8M)の濃度で始め、37℃でさらに1時間加えた。次に、1/2連続希釈を12列に行った。プレートを洗浄し、ヤギ抗マウス(Jackson)特異的IgG−HRPを37℃で1時間加えた。TMB基質溶液を用いて反応を進行させた。アイソタイプ対照抗体mIgG1および市販の抗Axl Mab 154抗体も並行して用いた。コーティング対照はHRPで標識されたヤギ抗ヒトIgG Fcポリクローナル血清(Jackson、参照109−035−098)の存在下および/またはHRP結合抗ヒスチジン抗体(R and D Systems、参照:MAB050H)の存在下で行った。
【0420】
結果をそれぞれ
図24A、24Bおよび24Cに表す。
【0421】
この実施例は、1613F12はrhAxl−Fcタンパク質とのみ結合し、TAMファミリーの他の2つのメンバーrhDtkまたはrhMerには結合しないことを示す。1613F12の結合の交差特異性はTAMメンバー間では見られない。一次抗体の不在下(希釈剤)で、非特異的結合は見られなかった。アイソタイプ対照抗体の存在下で結合は見られなかった。
【0422】
実施例16:1613F12はヒト腫瘍細胞上で発現される細胞型のAxlを認識する
まず、ヒト腫瘍細胞上での細胞表面Axl発現レベルを、Axl発現レベルの定量を可能とするため較正ビーズと並行して市販のAxl抗体(R and D Systems、参照:MAB154)を用いて確認した。次に、細胞表面Axlの結合を、1613F12を用いて試験した。
【0423】
細胞表面結合試験については、10μg/ml(6.66 10
−8M)一次抗体溶液(1613F12、MAB154またはmIgG1アイソタイプ対照9G4 Mab)の2倍連続希釈系を作製し、2.10
5の細胞に4℃で20分間適用する。1%BSAおよび0.01%NaN
3を添加したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄した後、細胞を二次抗体ヤギ抗マウスAlexa 488(1/500°希釈)とともに4℃で20分間インキュベートした。1%BSAおよび0.1%NaN
3を添加したPBS中でさらに3回洗浄した後、細胞をFACS(Facscalibur、Becton−Dickinson)により分析した。少なくとも5000細胞を評価して、蛍光強度の平均値を算出した。
【0424】
MAB154を用いた定量的ABCの決定については、QIFIKIT(商標)較正ビーズを用いる。次に、これらの細胞をQIFIKIT(商標)ビーズと並行して、飽和濃度のポリクローナルヤギ抗マウス免疫グロブリン/FITC、ヤギF(ab’)
2とともにインキュベートする。次に、検体細胞上の抗原部位の数を検量線(ビーズ上のMab分子の数に対する個々のビーズ集団の蛍光強度)の補間によって決定する。
【0425】
16.1.細胞表面Axl発現レベルの定量
ヒト腫瘍細胞の表面でのAxl発現レベルを、細胞表面抗原を評価するための定量的フローサイトメトリーキットである間接的免疫蛍光アッセイ(QIFIKIT(商標)法(Dako、デンマーク)を用いたフローサイトメトリーで決定した。較正グラフによるビーズの既知の抗原レベルの平均蛍光強度(MFI)の比較から、細胞株の抗体結合能(ABC)の決定を可能となる。
【0426】
表16は、MAB154(R and D Systems)を用い、 QIFIKIT(商標)を用いて決定した際の、種々のヒト腫瘍細胞株(SN12C、Calu−1、MDA−MB435S、MDA−MB231、NCI−H125、MCF7、Panc1)の表面で検出されたAxl発現レベルを示す。値は抗原結合複合体(ABC)として示される。
【0427】
【表20】
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【0428】
MAB154で得られた結果は、Axl受容体は考慮するヒト腫瘍細胞によって様々なレベルで発現されことを示した。
【0429】
16.2. ヒト腫瘍細胞での1613F12によるAxl検出
より具体的に、1613F12を用いて結合を試験した。
【0430】
1613F12用量反応曲線を作成した。次に、種々のヒト腫瘍細胞を用いて得られたMFIを、Prismソフトウエアを用いて分析した。データを
図25に示す。
【0431】
データは、飽和曲線特性により証明されるように、1613F12が膜Axl受容体と特異的に結合することを示す。しかしながら、異なる強度の標識が見られ、ヒト腫瘍細胞上の細胞表面Axl受容体の様々なレベルが明らかになった。MCF7ヒト乳房腫瘍細胞株を用いた場合には、Axl受容体の結合は見られなかった。
【0432】
実施例17:hz1613F12とm1613F12のバリデーション
hz1613F12がそのマウス型に匹敵したかどうかを確認するために、rhAxl−Fcタンパク質アッセイを用いたELISAにより結合試験を行った。
【0433】
このアッセイでは、96ウェルプレート(Immulon II、Thermo Fisher)を4℃で一晩、1×PBS中の1613F12溶液5μg/mlでコーティングした。飽和工程の後、一定範囲のAxl−Fcタンパク質(R and D Systems、参照:154−AL)を前記コーティングプレート上で37℃にて1時間インキュベートする。可視化工程については、ビオチン化−Axl抗体(自家製品)を加え0.85μg/mlで37℃にて1時間加えた。このAxl抗体は異なるエピトープ基に属す。次に、希釈バッファー中1/2000°のアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ溶液をこれらのウェルに加える。その後、TMB基質溶液を5分間加える。ペルオキシダーゼ停止溶液の添加後、マイクロプレートリーダーを用い、405nmで吸光度を測定した。
【0434】
図26は、1613F12のマウス型およびヒト化型の両方が同様にrhAxl−Fcタンパク質と結合することを示す。
【0435】
実施例18:蛍光免疫細胞化学標識を用いた1613F12内部移行試験
相補的内部移行結果は、間接的蛍光標識法を用いた共焦点顕微鏡を用いて得られる。
【0436】
簡単に述べれば、SN12C腫瘍細胞株を試験前3日間、1%L−グルタミンおよび10%のFCSを含むRMPI1640で培養した。次に、トリプシンを用いて細胞を剥離し、カバーガラスを含む6マルチウェルプレートの、1%L−グルタミンおよび5%FCSを含むRPMI1640中に播種した。翌日、10μg/mlの1613F12を加えた。無関連抗体で処理した細胞も含めた。次に、これらの細胞を37℃、5%CO
2で1時間および2時間インキュベートした。T0時間では、細胞を4℃で30分間インキュベートして細胞表面での抗体結合を決定した。細胞をPBSで洗浄し、パラホルムアルデヒドで15分間固定した。細胞をすすぎ、4℃で60分間、ヤギ抗マウスIgG Alexa 488抗体とともにインキュベートし、細胞表面に残留する抗体を同定した。細胞内への抗体の浸透を追跡するために、細胞を固定し、サポニンで透過処理を施した。ヤギ抗マウスIgG Alexa 488(Invitrogen)を用いて、膜および細胞内の両方の抗体を染色した。初期エンドソームは、ヤギ抗ウサギIgG−Alexa 555抗体(Invitrogen)で可視化されるEEA1に対するウサギポリクローナル抗体を用いて同定した。細胞を3回洗浄し、Draq5を用いて核を染色した。染色後、細胞をProlong Gold封入剤(Invitrogen)中に封入し、Zeiss LSM 510共焦顕微鏡を用いて分析した。
【0437】
写真を
図2727−4Cに示す。
【0438】
共焦点顕微鏡により画像を得た。mIgG1アイソタイプ対照(9G4)の存在下では、膜染色も細胞内標識も見られない(
図27A)。SN12C細胞を1613F12とともに1時間インキュベートした後に間もなく、段階的な膜抗Axl標識の低下が見られる(
図27B)。1時間および2時間の時点で1613F12抗体の細胞内蓄積が明らかに見られる(
図27C)。細胞内抗体は、初期エンドソームマーカーであるEEA1と共局在化する。これらの写真により1613F12のSN12C細胞への内部移行が確認される。
【0439】
実施例19:本発明の薬物の合成
以下の実施例では下記の略号を使用する。
aq. 水性
ee 鏡像体過剰率
equiv 当量
ESI エレクトロスプレーイオン化
LC/MS 液体クロマトグラフィーと質量分析の組み合わせ
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
NMR 核磁気共鳴
sat. 飽和
UV 紫外線
【0440】
化合物1
(S)−2−((S)−2−((3−アミノプロピル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,ビストリフルオロ酢酸
【化27】
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化合物1A:(4R,5S)−4−メチル−5−フェニル−3−プロパノイル−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【化28】
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(4R,5S)−4−メチル−5−フェニル−1,3−オキサゾリジン−2−オン(5.8g、32.7mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中でテトラヒドロフラン(THF、120mL)に溶かした。この混合物を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(14.4mL)を滴下した。−78℃で30分間振盪した後、塩化プロパノイル(5.7mL)を加えた。−78℃で30分間、次いで、周囲温度で一晩振盪を続けた。この反応混合物を濃縮した後、200mLの水に再溶解させた。溶液のpHを重炭酸ナトリウム飽和水溶液で7に調整した。この水相を100mLの酢酸エチル(EtOAc)で3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、6.8g(89%)の化合物1Aを黄色油状物の形態で得た。
【0441】
化合物1B:(2S)−2−[(1R,2R)−1−ヒドロキシ−2−メチル−3−[(4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−3−オキソプロピル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化29】
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化合物1A(17.6g、75.45mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、ジクロロメタン(DCM、286mL)に溶かした。この溶液を氷浴で冷却した。トリエチルアミン(TEA、12.1mL、1.15当量)およびBu
2BOTf(78.3mL、1.04当量)を、反応混合物の温度を2℃より低く保持しながら滴下した。0℃で45分分間振盪を続け、その後、この反応物を−78℃に冷却した。DCM(42mL)中、(2S)−2−ホルミルピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(8.5g、42.66mmol、0.57当量)の溶液を滴下した。−78℃で2時間、次いで0℃で1時間、最後に周囲温度で1時間振盪を続けた。この反応物を72mLのリン酸バッファー(pH=7.2〜7.4)および214mLのメタノールで中和し、0℃に冷却した。メタノール中30%過酸化水素の溶液(257mL)を、温度を10℃より低く維持しながら滴下した。0℃で1時間振盪を続けた。この反応物を142mLの水で中和した後、減圧下で濃縮した。得られた水溶液を200mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカカラムにてEtOAcおよび石油エーテルの混合物(EtOAc:PE=1:8)を用いて精製し、13.16g(40%)の化合物1Bを無色の油状物の形態で得た。
【0442】
化合物1C:(2R,3R)−3−[(2S)−1−[(tert−ブトキシ)カルボニル]ピロリジン−2−イル]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸
【化30】
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化合物1B(13.16g、30.43mmol、1.00当量)を過酸化水素(水中30%、15.7mL)の存在下でTHF(460mL)に溶かした後、氷浴で冷却した。水酸化リチウム水溶液(0.4mol/L、152.1mL)を、反応温度を4℃より低く保持しながら滴下した。この反応混合物を0℃で2.5時間振盪した。Na
2SO
3水溶液(1mol/L、167.3mL)を、温度を0℃に保持しながら滴下した。この反応混合物を周囲温度で14時間振盪した後、150mLの冷重炭酸ナトリウム飽和溶液で中和し、50mLのDCMで3回洗浄した。水溶液のpHを1M KHSO
4水溶液で2〜3に調整した。この水溶液を100mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和NaCl溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、7.31g(88%)の化合物1Cを無色の油状物の形態で得た。
【0443】
化合物1D:(2R,3R)−3−[(2S)−1−[(tert−ブトキシ)カ
ルボニル]ピロリジン−2−イル]−3−メトキシ−2−メチルプロパン酸
【化31】
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化合物1C(7.31g、26.74mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、ヨードメタン(25.3mL)の存在下でTHF(135mL)に溶かした。この反応媒体を氷浴で冷却し、その後、NaH(油中60%、4.28g)を少量ずつ加えた。この反応物を0℃で3日、振盪下で放置した後、100mLの重炭酸ナトリウム飽和水溶液で中和し、50mLのエーテルで3回洗浄した。水溶液のpHを1M KHSO
4水溶液で3に調整した。この水溶液を100mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、100mLのNa
2S
2O
3(水中5%)で1回、NaCl飽和溶液で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、5.5g(72%)の化合物1Dを無色の油状物の形態で得た。
【0444】
化合物1E:N−メトキシ−N−メチル−2−フェニルアセトアミド
【化32】
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2−フェニル酢酸(16.2g、118.99mmol、1.00当量)をジメチルホルムアミド(DMF、130mL)に溶かした後、−10℃に冷却した。ジエチルホスホロシアニデート(DEPC、19.2mL)、メトキシ(メチル)アミン塩酸塩(12.92g、133.20mmol、1.12当量)およびトリエチルアミン(33.6mL)を加えた。この反応混合物を−10℃で30分、次いで、周囲温度で2.5時間振盪した。次に、これを1リットルのEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、500mLのNaHCO
3(飽和)で2回、400mLの水で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100から1:3)を用いて精製し、20.2g(95%)の化合物1Eを黄色油状物の形態で得た。
【0445】
化合物1F:2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エタン−1−オン
【化33】
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テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、27.2mL)を不活性雰囲気中、THF 300mLに溶かした後、−78℃に冷却し、その後、n−BuLi(67.6mL、2.5M)を滴下した。2−ブロモ−1,3−チアゾール(15.2mL)を滴下し、−78℃で30分振盪を続けた。THF(100mL)に溶かした化合物1E(25g、139.50mmol、1.00当量)を滴下した。−78℃で30分間、次いで、−10℃で2時間振盪を続けた。この反応物を500mLのKHSO
4(飽和)で中和した後、1リットルのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、400mLの水で2回および700mLのNaCl(飽和)で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100から1:10)を用いて精製し、25g(88%)の化合物1Fを黄色油状物の形態で得た。
【0446】
化合物1G:(1R)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エタン−1−オール
【化34】
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不活性雰囲気中、(+)−B−クロロジイソピノカンフェイルボラン(chlorodiisopinocampheylborane)((+)−Ipc
2BCl、110.8mL)に、エーテル(300mL)中、化合物1F(15g、73.8mmol、1.00当量)の溶液を滴下した。この反応混合物を0℃で24時間振盪した後、NaOH(水中10%)とH
2O
2(水中30%)の(1:1)混合物300mLで中和し、最後に500mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、300mLのK
2CO
3(飽和)で2回および500mLのNaCl(飽和)で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:20から1:2)を用いて精製し、6.3g(42%)の化合物1Gを白色固体の形態で得た。
【0447】
化合物1H:2−[(1S)−1−アジド−2−フェニルエチル]−1,3−チアゾール
【化35】
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化合物1G(6g、29.23mmol、1.00当量)を、不活性雰囲気中、トリフェニルホスフィン(13g、49.56mmol、1.70当量)の存在下でTHF(150mL)に溶かした後、0℃に冷却した。アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD、7.6mL)、次いで、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA、11mL)を滴下した後、冷却浴を外し、溶液を振盪下、周囲温度で48時間放置した。この媒体を減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100から1:30)を用いて精製し、8gの部分的に精製された化合物1Hを黄色油状物の形態で得た。化合物1Hはそのまま次の工程で使用した。
【0448】
化合物1I:N−[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
【化36】
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化合物1H(6.5g、28.2mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、トリフェニルホスフィン(6.5g、33.9mmol、1.20当量)の存在下でTHF(100mL)に溶かし、2時間50℃に加熱した。次に、アンモニア(70mL)を加え、3時間加熱を続けた。この反応物を冷却し、500mLの水で中和した後、500mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、500mLの1N HClで2回抽出した、水相を合わせ、水酸化ナトリウム溶液(水中10%)を加えることによりpH8〜9とした後、500mLのDCMで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、4.8g(83%)の(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エタン−1−アミンを黄色油状物の形態で得た。次に、この化合物を、それが精製可能となるように、Boc基((tert−ブトキシ)カルボニル)で保護した。これを不活性雰囲気中、1,4−ジオキサン(40mL)に溶かした後、0℃に冷却した。20mLの1,4−ジオキサンに希釈した(Boc)
2O(10.26g、47.01mmol、2.00当量)を滴下した。冷却浴を外し、溶液を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、300mLの水で中和し、500mLのEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100から1:20、ee=93%)を用いて精製した。次に、これをヘキサン/アセトン混合物(約5〜10/1、1g/10mL)中で再結晶させ、6g(84%)の化合物1Iを白色固体の形態で得た(ee>99%).
【0449】
化合物1J:(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−2−[[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]カルバモイル]エチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化37】
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化合物1I(3g、9.86mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、10mLのDCMに溶かした。トリフルオロ酢酸(TFA、10mL)を加え、溶液を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、減圧下で濃縮し、2.0g(64%)の(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エタン−1−アミン、トリフルオロ酢酸を黄色油状物の形態で得た。この中間体を20mLのDCMに再溶解させ、その後、化合物1D(1.8g、6.26mmol、1.05当量)、DEPC(1.1g、6.75mmol、1.13当量)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.64g、12.71mmol、2.13当量)を加えた。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100から1:3)を用いて精製し、2.3g(81%)の化合物1Jを淡黄色固体の形態で得た。
【0450】
化合物1K:(2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−N−[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]−3−[(2S)−ピロリジン−2−イル]プロパンアミド、トリフルオロ酢酸
【化38】
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化合物1J(2.25g、4.75mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、10mLのDCMに溶かした。TFA(10mL)を加え、溶液を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、減圧下で濃縮し、2.18g(94%)の化合物1Kを黄色油状物の形態で得た。
【0451】
化合物1L:(2S,3S)−2−(ベンジルアミノ)−3−メチルペンタン酸
【化39】
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2N水酸化ナトリウム溶液(375mL)に、(2S,3S)−2−アミノ−3−メチルペンタン酸(98.4g、750mmol、1.00当量)を周囲温度で少量ずつ加えた。ベンズアルデヒド(79.7g、751.02mmol、1.00当量)を手早く加え、得られた溶液を30分振盪した。水素化ホウ素ナトリウム(10.9g、288.17mmol、0.38当量)を、温度を5〜15℃の間に保持しながら少量ずつ加えた。周囲温度で4時間振盪を続けた。この反応混合物を200mLの水で希釈した後、200mLのEtOAcで2回洗浄した。水溶液のpHを2N塩酸溶液で7に調整した。生じた沈澱を濾取し、149.2g(90%)の化合物1Lを白色固体の形態で得た。
【0452】
化合物1M:(2S,3S)−2−[ベンジル(メチル)アミノ]−3−メチルペンタン酸
【化40】
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化合物1L(25g、112.97mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、ホルムアルデヒド(水中36.5%、22.3g)の存在下でギ酸(31.2g)に溶かした。溶液を90℃で3時間振盪した後、減圧下で濃縮した。残渣を250mLのアセトン中で摩砕した後、濃縮した。この摩砕/蒸発操作を、500mLのアセトンを用いて2回繰り返し、21.6g(81%)の化合物1Mを白色固体の形態で得た。
【0453】
化合物1N:(2S,3S)−2−[ベンジル(メチル)アミノ]−3−メチルペンタン−1−オール
【化41】
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LiAlH
4(0.36g)を不活性雰囲気中、0℃で10mLのTHFに懸濁させた。化合物1M(1.5g、6.37mmol、1.00当量)を、温度を0〜10℃の間に保持しながら少量ずつ加えた。この反応混合物を65℃で2時間振盪した後、再び0℃に冷却し、その後、360μlの水、1mLの15%水酸化ナトリウムおよび360μlの水を順次加えて中和した。沈澱したアルミニウム塩を濾去した。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:50)を用いて精製し、820mg(58%)の化合物1Nを淡黄色油状物の形態で得た。
【0454】
化合物1O:(2S,3S)−2−[ベンジル(メチル)アミノ]−3−メチルペンタナール
【化42】
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塩化オキサリル(0.4mL)を不活性雰囲気中、DCM(15mL)に溶かした。溶液を−70℃に冷却し、DCM(10mL)中、ジメチルスルホキシド(DMSO(0.5mL)の溶液を15分間滴下した。この反応混合物を30分振盪し、その後、DCM(10mL)中、化合物1N(820mg、3.70mmol、1.00当量)の溶液を15分間滴下した。この反応混合物をさらに30分、低温で振盪した後、トリエチルアミン(2.5mL)をゆっくり加えた。この反応混合物を−50℃で1時間振盪した後、冷却浴を外し、温度を常温に戻しながら、反応物を25mLの水で中和した。この溶液を30mLのNaCl飽和水溶液で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:200)を用いて精製し、0.42g(52%)の化合物1Oを黄色油状物の形態で得た。
【0455】
化合物1P:(2S,3S)−N−ベンジル−1,1−ジメトキシ−N,3−ジメチルペンタン−2−アミン
【化43】
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化合物1O(4.7g、21.43mmol、1.00当量)を0℃で20mLのメタノールに溶かした。濃硫酸(4.3mL)を滴下し、0℃で30分間振盪を続けた。オルトギ酸トリメチル(21.4mL)を加え、冷却浴を外し、反応媒体を周囲温度で3時間、振盪下で放置した。この反応媒体を200mLのEtOAcで希釈し、100mLの10%Na
2CO
3および200mLの飽和NaClで順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、3.4g(60%)の化合物1Pを淡黄色油状物の形態で得た。
【0456】
化合物1Q:[[1−(tert−ブトキシ)エテニル]オキシ](tert−ブチル)ジメチルシラン
【化44】
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ジイソプロピルアミン(20g、186.71mmol、1.08当量)を不活性雰囲気中、170mLのTHFに溶かし、−78℃に冷却した。nBuLi(2.4M、78.8mL)を滴下し、溶液を低温で30分振盪し(LDA−リチウムジイソプロピルアミドを得るため)、その後、酢酸tert−ブチル(20g、172.18mmol、1.00当量)を加えた。この反応混合物を−78℃で20分振盪した後、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA、25.8mL)および35mLのTHF中、tertブチルジメチルクロロシラン(TBDMSCl、28g、185.80mmol、1.08当量)の溶液を加えた。低温でさらに20分間振盪を続けた後、冷却浴を外した。この溶液を減圧下で濃縮した。残渣を100mLの水に再溶解させ、100mLのPEで3回抽出した。有機相を合わせ、500mLのNaCl飽和水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を蒸留により精製し、16.6g(83%)の化合物1Qを無色の油状物の形態で得た。
【0457】
化合物1R:(3R,4S,5S)−4−[ベンジル(メチル)アミノ]−3−メトキシ−5−メチルヘプタン酸tert−ブチル
【化45】
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化合物1P(2.0g、7.54mmol、1.00当量)および化合物1Q(2.6g、11.28mmol、1.50当量)を不活性雰囲気中、33mLのDCMに溶かした。この溶液を0℃に冷却した。DMF(1.2g)を7.5mLのDCM中、BF
3・Et
2O(2.1g)の溶液とともに滴下した。0℃で24時間振盪を続けた。この反応媒体を30mLの炭酸ナトリウム(10%)で1回および50mLのNaCl飽和水溶液で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100)を用いて精製し、1.82g(91%)の化合物1Rを黄色油状物の形態で得た。
【0458】
化合物1S:(3R,4S,5S)−3−メトキシ−5−メチル−4−(メチルアミノ)ヘプタン酸塩酸塩
【化46】
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化合物1R(2.4g、6.87mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、Pd/C(0.12g)および濃塩酸(0.63mL)の存在下で35mLのエタノールに溶かした。窒素雰囲気を水素雰囲気に置き換え、反応媒体を周囲温度で18時間、振盪下で放置した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を50mLのヘキサン中で摩砕し、上清を取り出し、減圧下で乾燥させた後、1.66g(82%)の化合物1Sを白色固体の形態で得た。
【0459】
化合物1T:(3R,4S,5S)−4−[(2S)−2−[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−N,3−ジメチルブタンアミド]−3−メトキシ(mthoxy)−5−メチルヘプタン酸tert−ブチル
【化47】
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(2S)−2−[[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ]−3−メチルブタン酸(15g、0.40mmol、1.00当量)をDIEA(38.3mL)およびブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrOP、32.3g)の存在下で300mLのDCMに溶かした。この溶液を周囲温度で30分振盪した後、化合物1S(15.99g、0.42mmol、1.07当量)を加えた。この反応媒体を2時間振盪した後、濃縮した。残渣をアセトニトリル(ACN)と水の混合物(40分で30:70から100:0)を用いて逆相(C18)で精製し、17g(58%)の化合物1Tを無色の油状物の形態で得た。
【0460】
化合物1U:(3R,4S,5S)−4−[(2S)−2−アミノ−N,3−ジメチルブタンアミド]−3−メトキシ−5−メチルヘプタン酸tert−ブチル
【化48】
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化合物1T(76mg、0.15mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、Pd/C(0.05g)の存在下で10mLのエタノールに溶かした。窒素雰囲気を水素雰囲気に置き換え、この反応物を周囲温度で2時間振盪した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、64mgの化合物1Uを無色の油状物の形態で得た。
【0461】
化合物1V:(3R,4S,5S)−4−[(2S)−2−[[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ]−N,3−ジメチルブタンアミド]−3−メトキシ−5−メチルヘプタノエート
【化49】
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化合物1U(18.19g、50.74mmol、1.00当量)を重炭酸ナトリウム(12.78g、152mmol、3.00当量)およびクロロギ酸9H−フルオレン−9−イルメチル(Fmoc−Cl、19.69g、76mmol、1.50当量)の存在下で400mLの1,4−ジオキサン/水混合物(1:1)に溶かした後、周囲温度で2時間振盪した。次に、この反応媒体を500mLの水で希釈し、200mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、200mLのNaCl飽和水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、40gの部分的に精製された化合物1Vを淡黄色油状物の形態で得た。
【0462】
化合物1W:(3R,4S,5S)−4−[(2S)−2−[[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ]−N,3−ジメチルブタンアミド]−3−メトキシ−5−メチルヘプタン酸
【化50】
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化合物1V(40g、68.88mmol、1.00当量)を中性雰囲気中、600mLのDCMに溶かした。TFA(300mL)を加えた。この溶液を周囲温度で2時間振盪した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムにてメタノールとDCMの混合物(1:10)を用いて精製し、23.6g(65%)の化合物1Wを無色の油状物の形態で得た。
【0463】
化合物1X:N−[(1S)−1−[[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−[(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−2−[[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]カルバモイル]エチル]ピロリジン−1−イル]−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル](メチル)カルバモイル]−2−メチルプロピル]カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチル
【化51】
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化合物1W(2.53g、4.82mmol、1.08当量)を化合物1K(2.18g、4.47mmol、1.00当量)、DEPC(875mg、5.37mmol、1.20当量)およびDIEA(1.25g、9.67mmol、2.16当量)の存在下で20mLのDCMに溶かした。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、50mLの飽和KHSO
4および100mLの水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてメタノールとDCMの混合物(1:200から1:40)を用いて精製し、2.8g(71%)の化合物1Xを淡黄色固体の形態で得た。
【0464】
化合物1Y:(2S)−2−アミノ−N−[(3R,5S)−3−メトキシ−1−[(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−2−[[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]カルバモイル]エチル]ピロリジン−1−イル]−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N,3−ジメチルブタンアミド
【化52】
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化合物1X(2.8g、3.18mmol、1.00当量)をピペリジン(3mL)の存在下でアセトニトリル(ACN、12mL)に溶かし、周囲温度で18時間、振盪シアで放置した。この反応物を50mLの水で中和した後、100mLのDCMで2回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてメタノールとDCMの混合物(1:100から1:40)を用いて精製し、1.2g(57%)の化合物1Yを黄色固体の形態で得た。
【0465】
化合物1ZA:(2S)−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ]−3−メチルブタン酸
【化53】
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(2S)−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]−3−メチルブタン酸(63g、289.97mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、ヨードメタン(181mL)の存在下でTHF(1000mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、水素化ナトリウム(116g、4.83mol、16.67当量)を少量ずつ加えた。この反応混合物を0℃で1.5時間振盪した後、冷却浴を外し、18時間振盪を続けた。この反応物を200mLの水で中和した後、減圧下で濃縮した。残った水相を4リットルの水で希釈し、200mLのEtOAcで1回洗浄し、そのpHを1N塩酸溶液で3〜4の間に調整した。得られた混合物を1.2LのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、60g(89%)の化合物1ZAを黄色油状物の形態で得た。
【0466】
化合物1ZB:(2S)−2−[[(tert−ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ]−3−メチルブタン酸ベンジル
【化54】
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化合物1ZA(47g、203.21mmol、1.00当量)をLi
2CO
3(15.8g、213.83mmol、1.05当量)の存在下でDMF(600mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、臭化ベンジル(BnBr 57.9g、338.53mmol、1.67当量)を滴下した。この反応混合物を一晩振盪下で放置した後、400mLの水で中和し、濾過した。得られた溶液を500mLのEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:100から1:20)を用いて精製し、22.5g(34%)の化合物1ZBを黄色油状物の形態で得た。
【0467】
化合物1ZC:(2S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタン酸ベンジル塩酸塩
【化55】
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化合物1ZB(22.5g、70.00mmol、1.00当量)を150mLのDCMに溶かした。気体塩酸をバブリングさせた。この反応物を周囲温度で1時間振盪した後、減圧下で濃縮し、17g(94%)の化合物1ZCを黄色固体の形態で得た。
【0468】
化合物1ZD:N−(3,3−ジエトキシプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
【化56】
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3,3−ジエトキシプロパン−1−アミン(6g、40.76mmol、1.00当量)をTEA(4.45g、43.98mmol、1.08当量)の存在下で1,4−ジオキサン(30mL)に溶かした後、0℃に冷却した。20mLの1,4−ジオキサンに希釈した(Boc)
2O(9.6g、43.99mmol、1.08当量)を滴下した。この溶液を0℃で2時間、次いで、周囲温度で一晩振盪した後、10mLの水で中和した。pHをHCl(1%)で5に調整した。この溶液を50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、8.21g(81%)の化合物1ZD淡黄色油状物の形態で得た。
【0469】
化合物1ZE:N−(3−オキソプロピル)カルバミン酸tert−ブチル
【化57】
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化合物1ZD(8.20g、33.15mmol、1.00当量)を18.75mLの酢酸に溶かし、周囲温度で一晩、振盪下で放置した。次に、この反応媒体を30mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、30mLの飽和NaCl溶液で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、5g(87%)の化合物1ZEを暗赤色油状物の形態で得た。
【0470】
化合物1ZF:(2S)−2−[(3−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]プロピル)(メチル)アミノ]−3−メチルブタン酸
【化58】
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化合物1ZE(2.4g、13.86mmol、1.00当量)を化合物1ZC(3.56g、13.81mmol、1.00当量)およびDIEA(9.16mL、4.00当量)の存在下で50mLのTHFに溶かした。この反応混合物を周囲温度で30分振盪した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.87g、27.70mmol、2.00当量)を加えた。一晩振盪を続けた後、反応物を100mLの水で中和し、50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:4)を用いて部分的に精製した。得られた粗生成物をPd/C(1.2g)の存在下で20mLのメタノールに再溶解させ、常温および常圧で20分間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、200mg(5%)の化合物1ZFを白色固体の形態で得た。
【0471】
化合物1ZG:N−(3−[[(1S)−1−[[(1S)−1−[[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−[(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−2−[[(1S)−2−フニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]カルバモイル]チル]ピロリジン−1−イル]−5−メチル−1−オキソヘプタン−4イル](メチル)カルバモイル]−2−メチルプロピル]カルバモイル]−2−メチルプロピル](メチル)アミノ]プロピル)カルバミン酸tert−ブチル
【化59】
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化合物1Y(50mg、0.08mmol、1.00当量)を化合物1ZF(26.2mg、0.09mmol、1.20当量)、DIEA(37.7mL)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、43.3mg、0.11mmol、1.50当量)の存在下で2mLのDMFに溶かした。この反応物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、10mLの水で希釈し、5mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、100mgの化合物1ZGを部分的に精製された無色の油状物の形態で得た。
【0472】
化合物1ZG(90mg、0.10mmol、1.00当量)を中性雰囲気中、2mLのDCMに溶かし、この溶液を氷浴で冷却した。TFA(1mL)を加え、この反応物を周囲温度で2時間振盪した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%のTFAで緩衝させた水/ACN、7分で18%から31%ACNへ、次いで、2分で31%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物1を25%(23mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0473】
LC/MS/UV(Atlantis T3カラム、3μm、4.6×100mm、35℃、 1mL/分、水中30%から60%ACNへ(6分で20mM酢酸アンモニウム)、ESI(C
44H
73N
7O
6S、正確な質量827.53)m/z:829(MH
+)、5.84分(93.7%、254nm)。
1H NMR(300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.85 - 7.80 (m, 1H)、 7.69 - 7.66 (m, 1H), 7.40 - 7.10 (m, 5H), 5.80 - 5.63 (m, 1H), 4.80 - 4.65 (m, 2H), 4.22 -4.00 (m, 1H), 3.89 - 0.74 (m, 58H)。
【0474】
化合物2
(S)−2−((S)−2−(((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化60】
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【0475】
化合物2A:(S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化61】
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化合物1D(2.5g、8.70mmol、1.00当量)および(1S,2R)−2−アミノ−1−フェニルプロパン−1−オール(1.315g、8.70mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、DMF(35mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、DEPC(1.39mL)およびTEA(1.82mL)を滴下した。この反応混合物を0℃で2時間、次いで、周囲温度で4時間振盪した。この反応混合物を200mLの水で希釈し、50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、50mLのKHSO
4(1mol/L)で1回、50mLのNaHCO
3(飽和)で1回、50mLのNaCl(飽和)で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、3.6g(98%)の化合物2Aを黄色固体の形態で得た。
【0476】
化合物2B:(2R,3R)−N−((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチル−3−((S)−ピロリジン−2−イル)プロパンアミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化62】
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化合物2A(2.7g、6.42mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、DCM(40mL)に溶かした後、0℃に冷却した。TFA(25mL)を加え、この溶液を0℃で2時間振盪した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、4.4gの化合物2Bを黄色油状物の形態で得た。
【0477】
化合物2C:((S)−1−(((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)(メチル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバミン酸(9H−フルオレン−9−イル)メチル
【化63】
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化合物2B(4.4g、10.13mmol、1.00当量)および1W(5.31g、10.12mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、DCM(45mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、DEPC(1.62mL)およびDIEA(8.4mL)を滴下した。この反応混合物を0℃で2時間、次いで、周囲温度で一晩振盪した。この反応混合物を100mLの水で希釈し、50mLのDCMで3回抽出した。有機相を合わせ、50mLのKHSO
4(1mol/L)で1回、50mLのNaHCO
3(飽和)で1回、50mLのNaCl(飽和)で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、圧力下で濃縮し、3.3g(39%)の化合物2Cを黄色固体の形態で得た。
【0478】
化合物2D:(S)−2−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド
【化64】
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化合物2C(300mg、0.36mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、ACN(2mL)およびピペリジン(0.5mL)に溶かした。この溶液を周囲温度一晩、振盪下で放置した後、減圧下で蒸発乾固した。残渣をシリカカラムにてDCMとMeOHの混合物(1:100)を用いて精製し、150mg(68%)の化合物2Dを白色固体の形態で得た。
【0479】
化合物2E:2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)イソニコチン酸メチル
【化65】
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2−アミノピリジン−4−カルボン酸メチル(2g、13.14mmol、1.00当量)をtert−ブタノール(20mL)に溶かし、その後、二炭酸ジ−tert−ブチル(4.02g、18.42mmol、1.40当量)を加えた。この反応混合物を60℃で一晩振盪した後、この反応を1M NaHCO
3水溶液(50mL)の添加により停止させた。固体を濾別し、50mLのEtOHで洗浄した後、真空乾燥させ、2.5g(75%)の化合物2Eを白色固体の形態で得た。
【0480】
化合物2F:(4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
化合物2E(2.5g、9.91mmol、1.00当量)およびCaCl
2(1.65g)をEtOH(30mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、NaBH
4(1.13g、29.87mmol、3.01当量)を徐々に加えた。この溶液を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、この反応を水(50mL)の添加により停止させた。この混合物を20mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、20mLのNaCl(飽和)で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2.0g(90%)の化合物2Fを無色の固体の形態で得た。
【0481】
化合物2G:(4−ホルミルピリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
化合物2F(2.5g、11.15mmol、1.00当量)をDCE(25mL)に溶かした後、19.4g(223.14mmol、20.02当量)のMnO
2を加えた。この混合物を70℃で一晩、振盪下で放置した後、固体を濾去した。濾液を蒸発乾固させ、1.4g(57%)の化合物2Gを白色固体の形態で得た。
【0482】
化合物2H:(S)−2−(((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸ベンジル
【化68】
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化合物2G(2.3g、10.35mmol、1.00当量)を化合物1ZC(2.93g、11.37mmol、1.10当量)、DIEA(5.39g、41.71mmol、4.03当量)およびNaBH(OAc)
3(4.39g、20.71mmol、2.00当量)の存在下で25mLのTHFに溶かした。この反応混合物を周囲温度で6時間振盪した後、60mLのNaHCO
3(飽和)で中和し、20mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、20mLのNaCl(飽和)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:15)を用いて精製し、2.7g(61%)の化合物2Hを白色固体の形態で得た。
【0483】
化合物2I:(S)−2−(((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化69】
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化合物2H(500mg、1.17mmol、1.00当量)をPd/C(250mg)の存在下でに10mLのAcOEtおよび2mLのメタノール溶かし、周囲温度および大気圧で3時間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、254mg(64%)の化合物2Iを無色の固体の形態で得た。
【0484】
化合物2J:(4−((3S,6S,9S,10R)−9−((S)−sec−ブチル)−10−(2−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−3,6−ジイソプロピル−2,8−ジメチル−4,7−ジオキソ−11−オキサ−2,5,8−トリアザドデシル)ピリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化70】
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化合物2Jは、DMF(3mL)中、アミン2D(85.2mg、0.14mmol、1.50当量)、酸2I(31.7mg、0.09mmol、1.00当量)、HATU(42.9mg、0.11mmol、1.20当量)およびDIEA(36.7mg、0.28mmol、3.02当量)から、化合物1ZGと同様にして製造された。蒸発乾固の後、100mgの粗生成物を白色固体の形態で得た。
【0485】
化合物2J(100mg、0.11mmol、1.00当量)を2mLのDCMおよび1mLのTFAに溶かした。この反応物を周囲温度で1時間振盪した後、減圧下で濃縮した。残渣(80mg)を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物2を6%(6.3mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0486】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.8mL/分、6分で水(0.05%TFA)中10%から95%ACNへ)、ESI(C
45H
73N
7O
7、正確な質量823.56)m/z:824.5(MH
+)および412.9(M.2H
+/2、100%)、3.21分(99.2%、210nm)
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.81 - 7.79 (m, 1H)、 7.39 - 7.29 (m, 5H)、 6.61 - 6.59 (m, 2H)、 4.84 - 4.52 (m, 1H)、 4.32 - 4.02 (m, 1H)、 3.90 - 2.98 (m, 10H)、 2.90 - 2.78 (m, 1H)、 2.55 - 0.81 (m, 39H)。
【0487】
参照化合物3
((S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(ピリジン−4−イルメチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,トリフルオロ酢酸
【化71】
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化合物3A:(S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−3−(((S)−1−メトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化72】
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化合物1D(3g、10.44mmol、1.00当量)および(S)−2−アミノ−3−フェニルプロパン酸メチル(2.25g、12.55mmol、1.20当量)を不活性雰囲気中、DMF(40mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、DEPC(1.67mL、1.05当量)およびTEA(3.64mL、2.50当量)を滴下した。この反応混合物を0℃で2時間、次いで、周囲温度で一晩振盪した。この反応混合物を100mLの水で希釈し、50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、100mLのKHSO
4(1mol/L)で1回、100mLのNaHCO
3(飽和)で1回、100mLのNaCl(飽和)で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、圧力下で濃縮し、4g(85%)の化合物3Aを無色の油状物の形態で得た。
【0488】
化合物3B:(S)−2−((2R,3R)−3−メトキシ−2−メチル−3−((S)−ピロリジン−2−イル)プロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチルの2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化73】
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化合物3A(5g、11.15mmol、1.00当量)は、不活性雰囲気中、DCM(40mL)に溶かした。TFA(25mL)を加え、溶液を2時間振盪した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、8gの化合物3Bを黄色油状物の形態で得た。
【0489】
化合物3C:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化74】
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化合物3B(8.03g、17.36mmol、1.00当量)および1W(9.1g、17.34mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、DCM(80mL)に溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、DEPC(2.8mL)およびDIEA(12mL)を滴下した。この反応混合物を0℃で2時間、次いで、周囲温度で一晩振盪した。反応混合物を200mLの水で希釈し、50mLのDCMで3回抽出した。有機相を合わせ、50mLのKHSO
4(1mol/L)で1回、50mLのNaHCO
3(飽和)で1回、50mLのNaCl(飽和)で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5g(34%)の化合物3Cを黄色固体の形態で得た。
【0490】
化合物3D:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−アミノ−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化75】
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化合物3C(5.5g、6.43mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、DMF(100mL)中、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF、2.61g、9.98mmol、1.55当量)の溶液に溶かした。この溶液を周囲温度で2時間振盪した後、100mLの水で希釈し、50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせた後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、3.3g(81%)の化合物3Dを黄色固体の形態で得た。
【0491】
化合物3E:(S)−3−メチル−2−(メチル(ピリジン−4−イルメチル)アミノ)ブタン酸ベンジル
【化76】
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ピリジン−4−カルバルデヒド(1g、9.34mmol、1.00当量)を化合物1ZC(2.9g、11.25mmol、1.21当量)およびチタンイソプロポキシド(IV)(4.19mL、1.40当量)の存在下で10mLの1,2−ジクロロエタン(DCE)に溶かした。この混合物を周囲温度で30分間振盪した後、2.77gのNaBH(OAc)
3(13.07mmol、1.40当量)を加えた。この反応媒体を振盪下で一晩放置した後、100mLの水で中和し、この混合物を50mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、蒸発乾固させた。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:20)を用いて精製し、1.3g(45%)の化合物3Eを無色の油状物の形態で得た。
【0492】
化合物3F:(S)−3−メチル−2−(メチル(ピリジン−4−イルメチル)アミノ)ブタン酸
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
化合物3E(800mg、2.56mmol、1.00当量)をPd/C(300mg)の存在下で30mLのAcOEtに溶かし、周囲温度および大気圧下で3時間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムにてDCMとMeOHの混合物(100:1から5:1)を用いて精製し、100mg(18%)の化合物3Fを白色固体の形態で得た。
【0493】
化合物3D(50mg、0.08mmol、1.00当量)および3F(26.34mg、0.12mmol、1.50当量)を3mLのDCMに溶かした。この溶液を0℃に冷却した後、0.018mLのDEPCおよび0.0392mLのDIEAを加えた。この反応物を0℃で2時間、次いで、周囲温度で一晩振盪した。この反応媒体を減圧下で濃縮し、残基(70mg)を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%のTFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物3を27%(20mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0494】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%ACN)、ESI(C
46H
72N
6O
8、正確な質量836.5)m/z:837.5(MH
+)および419.4(M.2H
+/2(100%))、7.04分(90.0%、210nm)
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.76 - 8.74 (m, 2H)、 8.53 - 8.48 (m, 0.4H, NHCO不完全交換)、 8.29 - 8.15 (m, 0.8H, NHCO不完全交換)、 8.01 (s, 2H), 7.31 - 7.22 (m, 5H), 4.88 - 4.68 (m, 3H)、 4.31 - 4.07 (m, 2H)、 3.94 - 2.90 (m, 18H)、 2.55 - 0.86 (m, 38H)。
【0495】
参照化合物4
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(ピリジン−4−イルメチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸、トリフルオロ酢酸
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
化合物3(100mg、0.11mmol、1.00当量)を水(5mL)、ACN(5mL)およびピペリジン(2.5mL)の混合物に溶かした。この反応混合物を振盪下で一晩放置した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、20mg(20%)の化合物4を白色固体の形態で得た。
【0496】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%ACNへ)、ESI(C
45H
70N
6O
8、正確な質量822.5)m/z:823.5(MH
+)および412.4(M.2H
+/2、100%)、6.84分(89.1%、210nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.79 - 8.78 (m, 2H)、 8.09 (m, 2H)、 7.30 - 7.21 (m, 5H)、 4.80 - 4.80 (m, 1H), 4.36 - 0.87 (m, 58H)。
【0497】
化合物6
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−アミノプロピル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,ビストリフルオロ酢酸
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
化合物6A:(2S)−2−[(2R)−2−[(R)−[(2S)−1−[(3R,4S,5S)−4−[(2S)−2−[(2S)−2−[(3−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]プロピル)(メチル)アミノ]−3−メチルブタンアミド]−N,3−ジメチルブタンアミド]−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル]ピロリジン−2−イル](メトキシ)メチル]プロパンアミド]−3−フェニルプロパン酸メチル
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
化合物3D(157.5mg、0.25mmol、1.00当量)を0℃で不活性雰囲気中、カルボン酸1ZF(78.7mg、0.27mmol、1.10当量)、DEPC(46μl)およびDIEA(124μl)の存在下で3mLのDCMに溶かした。この反応混合物を低温で2時間振盪した後、冷却浴を外し、4時間振盪を続けた。次に、これを減圧下で濃縮し、200mgの化合物6Aを粗黄色油状物の形態で得た。これはそのまま次の工程で使用した。
【0498】
化合物6A(200mg、0.22mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、0℃で、2mLのDCMに溶かした。TFA(1mL)を滴下し、冷却浴を外した。この反応混合物を周囲温度で1時間振盪した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、60mg(2工程の収率26%)の化合物6を白色固体の形態で得た。
【0499】
LC/MS/UV(Zorbax Eclipse Plus C8、3.5μm、4.6×150mm、1mL/分、40℃、18分で水(0.1%H
3PO
4)中30から80%メタノール)、ESI(C
43H
74N
6O
8、正確な質量802.56)m/z:804(MH
+)、11.50分(91.5%、210nm)。
1H NMR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.52 (d, 0.3H, NHCO不完全交換)、 8.25 (d, 0.5H, NHCO不完全交換)、 7.30-7.22 (m, 5H)、 4.9-4.6 (m, 3H)、 4.2-4.0 (m, 1H)、 4.0-0.86 (m, 61H)。
【0500】
化合物7
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−アミノプロピル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,ビストリフルオロ酢酸
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
化合物6(70mg、0.08mmol、1.00当量)を水(5mL)、ACN(2.5mL)とピペリジン(5mL)の混合物に溶かした。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:で緩衝させた0.05%FA水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、UV Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、14.6mg(21%)の化合物7を白色固体の形態で得た。
【0501】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18、2.7μm、4.6×100mm、1.5mL/分、40℃、8分で水(0.05%TFA)中0から80%メタノール、ESI(C
42H
72N
6O
8、正確な質量788.54)m/z:790(MH
+)、5.71分(96.83%、210nm)。
1H NMR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.42 (d, 0.3H, NHCO不完全交換)、 8.15 (d, 0.2H, NHCO不完全交換)、 7.31-7.21 (m, 5H)、 4.9-4.6 (m, 3H)、 4.25-4.0 (m, 1H)、 4.0-0.86 (m, 59H)。
【0502】
化合物8
(S)−2−((S)−2−(((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8A:(4−((3S,6S,9S,10R)−9−((S)−sec−ブチル)−3,6−ジイソプロピル−10−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2,8−ジメチル−4,7−ジオキソ−11−オキサ−2,5,8−トリアザドデシル)ピリジン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8Aは、DCM(3mL)中、アミン1Y(39mg、0.06mmol、1.00当量)、酸2I(20mg、0.06mmol、1.00当量)、HATU(27mg、0.07mmol、1.20当量)およびDIEA(23.2mg、0.18mmol、3.01当量)から、化合物2Jと同様にして合成された。粗生成物を精製しなかった。
【0503】
化合物8:化合物8は、中間体8A(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物(100mg)を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、7分で18%から31%ACNへ、次いで、2分で31%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物8を8%(8mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0504】
LC/MS/UV(Atlantis T3カラム、3μm、4.6×100mm、35℃、 1.8mL/分、7分で水(0.05%TFA)中25%から80%ACNへ)、ESI(C
47H
72N
8O
6S、正確な質量876.5)m/z:877.5(MH
+)および439.5(M.2H
+/2、100%)、4.87分(95.1%、254nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.83 - 7.78 (m, 2H)、 7.56 - 7.52 (m, 1H)、 7.34 - 7.17 (m, 5H)、 6.64 - 6.62 (m, 2H)、 5.77 - 5.61 (m, 1H)、 4.86 - 4.68 (m, 2H)、 4.25 - 4.05 (m, 1H)、 3.87 - 2.83 (m, 17H)、 2.56 - 0.84 (m, 37H)。
【0505】
化合物9
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,トリフルオロ酢酸
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0506】
化合物9A:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
化合物9Aは、DCM(5mL)中、アミン3D(170mg、0.27mmol、1.00当量)、酸2I(99.7mg、0.30mmol、1.10当量)、DEPC(0.049mL、1.05当量)およびDIEA(0.133mL、3.00当量)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物をシリカカラムにてEtOAcとPE(1:1)の混合物を用いて精製し、200mg(78%)の化合物9Aを淡黄色固体の形態で得た。
【0507】
化合物9:化合物9は、DCM(4mL)およびTFA(2mL)中、中間体9A(200mg、0.21mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物9を10%(20mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0508】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
46H
73N
7O
8、正確な質量851.6)m/z:852.5(MH
+)および426.9(M.2H
+/2、100%)、6.92分(92.7%、254nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.51 - 8.45 (m, 0.5H, NH不完全交換)、 8.30 - 8.24 (m, 0.3H, NH不完全交換)、 8.17 - 8.07 (m, 0.8H, NH不完全交換)、 7.79 - 7.77 (m, 1H)、 7.36 - 7.18 (m, 5H)、 7.21 - 7.16 (m, 1H)、 6.94 - 6.89 (m,1H)、 4.85 - 4.65 (m, 3H)、 4.20 - 3.10 (m, 20H)、 3.00 - 2.85 (m, 2H)、 2.55 - 0.80 (m, 36H)。
【0509】
化合物10
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,トリフルオロ酢酸
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
化合物10:化合物9(100mg、0.11mmol、1.00当量)を水(5mL)、ACN(5mL)およびピペリジン(2.5mL)の混合物に溶かした。この反応混合物を振盪下、周囲温度で一晩放置した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、32.2mg(33%)の化合物10を白色固体の形態で得た。
【0510】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%〜95%MeOH)、ESI(C
45H
71N
7O
6、正確な質量837.5)m/z:838.5(MH
+)および419.9(M.2H
+/2、100%)、6.81分(97.7%、220nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.41 - 8.32 (m, 0.3H, NH不完全交換)、 8.20 - 8.07 (m, 0.8H, NH不完全交換)、 7.82 - 7.75 (m, 1H)、 7.36 - 7.158 (m, 5H)、 7.12 - 7.03 (m, 1H)、 6.94 - 6.88 (m,1H)、 4.85 - 4.66 (m, 3H)、 4.20 - 3.10 (m, 16H)、 3.00 - 2.85 (m, 2H)、 2.57 - 0.80 (m, 37H)。
【0511】
化合物11
(S)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(4−(メチルアミノ)フェネチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化87】
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化合物11A:N−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]カルバミン酸tert−ブチル
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
THF(200mL)中、2−(4−アミノフェニル)エタノール(10g、72.9mmol、1当量)の溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(16.7g、77mmol、1.05当量)を加え、この反応物を周囲温度で一晩撹拌した。この混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(200mL)、次いで、HCl 1M(100mL)、次いで、飽和NaHCO
3水溶液(100mL)、次いで、ブライン(100mL)で洗浄した。有機相をMgSO
4で乾燥させた後、減圧下で蒸発乾固させた。粗生成物をヘプタン(150mL)で2回摩砕し、真空下で乾燥させ、化合物11Aを白色固体として得た(14.7g、84%)。
【0512】
化合物11B:N−[4−(2−オキソエチル)フェニル]カルバミン酸tert−ブチル
【化89】
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化合物11A(2.5g、10.5mmol、1.00当量)を25mLのDCMに溶かした後、−78℃に冷却した。DCM(10mL)中デス・マーチン・ペルヨージナン溶液(DMP、6.71g、15.8mmol、1.5当量)を滴下した。冷却浴を外し、周囲温度で1時間振盪を続けた。この反応物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液とNa
2S
2O
3飽和水溶液の50/50混合物60mLで中和した。得られた溶液を30mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、NaCl飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE 1/15)で精製し、1.0g(40%)の化合物11Bを淡黄色固体の形態で得た。
【0513】
化合物11C:(2S)−2−[[2−(4−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]フェニル)エチル](メチル)アミノ]−3−メチルブタン酸ベンジル
【化90】
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化合物1ZC(3.5g、13.6mmol、1.1当量)をDIEA(6.4g、49.7mmol、4.0当量)、アルデヒド11B(2.9g、12.3mmol、1.0当量)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.23g、49.7mmol、2.0当量)の存在下でTHF(30mL)に溶かした。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、60mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液で中和した。得られた溶液を30mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、NaCl飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE 1:20)で精製し、3.7g(68%)の化合物11Cを黄色油状物の形態で得た。
【0514】
化合物11D:(2S)−2−[[2−(4−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]フェニル)エチル](メチル)アミノ]−3−メチルブタン酸
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
化合物11C(2g、4.5mmol、1当量)をPd/C(2g)の存在下で10mLのメタノールに溶かし、常温および常圧で2時間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、1.2g(75%)の化合物11Dを黄色油状物の形態で得た。
【0515】
化合物11E:(2S)−2−[[2−(4−[[(tert−ブトキシ)カルボニル](メチル)アミノ]フェニル)エチル](メチル)アミノ]−3−メチルブタン酸
【化92】
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化合物11D(1.2g、3.4mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、THF(20mL)に溶かした。反応媒体を氷浴で冷却し、その後、NaH(油中60%、549mg、13.7mmol、4.0当量)を少量ずつ加えた後、ヨードメタン(4.9g、34mmol、10当量)を加えた。この反応物を周囲温度で(at ambient teperature)一晩、振盪下で放置した後、水で中和し、100mLのEtOAcで洗浄した。水溶液のpHを1N HClで6〜7に調整した。この水溶液を100mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、800mg(64%)の化合物11Eを黄色固体の形態で得た。
【0516】
化合物11F:N−[4−(2−[[(1S)−1−[[(1S)−1−[[(3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−[(2S)−2−[(1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−2−[[(1S)−2−フェニル−1−(1,3−チアゾール−2−イル)エチル]カルバモイル]エチル]ピロリジン−1−イル]−5−メチル−1−オキソヘプタン−4イル](メチル)カルバモイル]−2−メチルプロピル]カルバモイル]−2−メチルプロピル](メチル)アミノ]エチル)フェニル]−N−メチルカルバミン酸tert−ブチル
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
化合物11Fは、アミン1Y(150mg、0.22mmol、1.2当量)および酸11E(70mg、0.19mmol、1.0当量)から、化合物6Aと同様にして製造された。シリカゲル(EtOAc/PE 1:1)での精製後、100mg(52%)の目的生成物を淡黄色固体の形態で得た。
【0517】
化合物11は、中間体11F(100mg、0.1mmol)から、化合物1と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物11を39%(39.7mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0518】
LC/MS/UV(Eclipse Plus C8、3.5μm、4.6×150mm、1mL/分、40℃、18分で水(0.05%TFA)中50から95%メタノール)、ESI(C
50H
77N
7O
6S、正確な質量903.57)m/z:904.5(MH
+)、7.53分(93.68%、254nm)。
1H NMR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.84 (d, 0.5H, NHCO不完全交換)、 8.7-8.5 (m, 0.9H, NHCO不完全交換)、 7.76-7.73 (m, 1H)、 7.55 - 7.4 (m, 1H)、 7.28-7.22 (m, 7H)、 7.08-7.05 (m, 2H)、 5.51-5.72 (m, 1H)、 4.9-4.80 (m, 2H)、 4.3-0.7 (m, 60H)。
【0519】
化合物12
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(4−(メチルアミノ)フェネチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,トリフルオロ酢酸
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1の合成の最終段階と同様にして、化合物12をアミン3D(118mg、0.19mmol)および酸11E(82mg、0.22mmol)から2段階で製造した。最終残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物12を7%(13.7mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0520】
LC/MS/UV(Eclipse Plus C8、3.5μm、4.6×150mm、1mL/分、40℃、18分で水(0.05%TFA)中40から95%メタノール)、ESI(C
49H
78N
6O
8、正確な質量878.59)m/z:879.7(MH
+)、10.07分(90.6%、254nm)。
1H:NMR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.40 (se, 2H)、 7.38-7.22 (m, 7H)、 4.95-4.7 (m, 3H)、 4.2-4.0 (m, 1H)、 3.9-0.86 (m, 62H)。
【0521】
化合物13
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(4−(メチルアミノ)フェネチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,トリフルオロ酢酸
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
化合物13は、化合物12(100mg、0.10mmol)から、化合物7と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物13を20%(20mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0522】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18、2.7μm、4.6×100mm、1.5mL/分、40℃、8分で水(0.05%TFA)中10から95%メタノール)、ESI(C
48H
76N
6O
8、正確な質量864.57)m/z:865.6(MH
+)、6.05分(90.9%、210nm)。
1H NMR: (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.32-7.19 (m, 9H)、 4.9-4.65 (m, 3H)、 4.2-4.0 (m, 1H)、 3.9-0.86 (m, 59H)。
【0523】
化合物14
(S)−2−((S)−2−((3−アミノベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化96】
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化合物14A:(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
(3−アミノフェニル)メタノール(3g、24.36mmol、1.00当量)をTHF(60mL)に溶かし、その後、二炭酸ジ−tert−ブチル(6.38g、29.23mmol、1.20当量)を加えた。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、この反応物を200mLの水を加えて希釈した。生成物を100mLのAcOEtで3回抽出した後、有機相を再び合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物(13.85gの化合物14A)を黄色油状物の形態で得た。
【0524】
化合物14B:(3−ホルミルフェニル)カルバミン酸tert−ブチル
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
化合物14A(13.8g、61.81mmol、1.00当量)をDCE(400mL)に溶かした後、MnO
2(54g、621.14mmol、10.05当量)を加えた。この混合物を周囲温度で3日間、振盪下で放置し、その後、これらの固体を濾去した。濾液を蒸発乾固させ、残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:30)を用いて精製し、3g(22%)の化合物14Bを白色固体の形態で得た。
【0525】
化合物14C:(S)−2−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸ベンジル
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
化合物14B(1g、4.52mmol、1.00当量)を化合物1ZC(1.16g、4.50mmol、1.00当量)、DIEA(3mL)およびNaBH(OAc)
3(1.92g、9.06mmol、2.01当量)の存在下で20mLのTHFに溶かした。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、100mLの水で中和し、50mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:50)を用いて精製し、1.9g(99%)の化合物14Cを白色固体の形態で得た。
【0526】
化合物14D:(S)−2−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
化合物14C(1g、2.34mmol、1.00当量)をPd/C(400mg)の存在下で30mLのAcOEtおよび4mLのメタノールに溶かし、周囲温度および大気圧で1時間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、680mg(86%)の化合物14Dを白色固体の形態で得た。
【0527】
化合物14E:(3−((3S,6S,9S,10R)−9−((S)−sec−ブチル)−3,6−ジイソプロピル−10−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2,8−ジメチル−4,7−ジオキソ−11−オキサ−2,5,8−トリアザドデシル)フェニル) カルバミン酸tert−ブチル
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
化合物14Eは、DCM(3mL)中、アミン1Y(100mg、0.15mmol、1.00当量)、酸14D(102.27mg、0.30mmol、2.00当量)、DEPC(0.053mL)およびDIEA(0.046mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(80mg)をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:1)を用いて精製し、100mg(67%)の化合物14Eを淡黄色固体の形態で得た。
【0528】
化合物14は、中間体14E(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物(80mg)を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物14を10%(10mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0529】
LC/MS/UV(Eclipse plus C8カラム、3.5μm、4.6×150mm、40℃、1.0mL/分、18分で水(0.05%TFA)中40%から95%MeOH)、ESI(C
48H
73N
7O
6S、正確な質量875.5)m/z:876.5(MH
+)および438.9(M.2H
+/2、100%)、11.35分(95.6%、210nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.92 - 8.86 (m, 0.4H, NH不完全交換)、 8.70 - 8.54 (m, 0.6H, NH不完全交換)、 7.88 - 7.78 (m, 1H)、 7.60 - 7.50 (m, 1H)、 7.45 - 6.97 (m, 9H)、 5.80 - 5.65 (m, 1H)、 4.85 - 4.70 (m, 1H)、 4.40 - 0.80 (m, 56H)。
【0530】
化合物15
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−アミノベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,トリフルオロ酢酸
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
化合物15A:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化103】
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化合物15Aは、DCM(5mL)中、アミン3D(200mg、0.32mmol、1.00当量)、酸14D(212.6mg、0.63mmol、2.00当量)、DEPC(0.1103mL)およびDIEA(0.157mL、3.00当量)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物をシリカカラムにてEtOAcとPEの混合物(1:1)を用いて精製し、200mg(67%)の化合物15Aを黄色固体の形態で得た。
【0531】
化合物15は、中間体15A(200mg、0.21mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters UV検出器 2545 254nmおよび220nm)により精製した。化合物15を19%(38.6mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0532】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOH)、ESI(C
47H
74N
6O
8、正確な質量850.5)m/z:851.5(MH
+)および426.4(M.2H
+/2、100%)、6.61分(91.1%、210nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.53 - 7.42 (m, 1H)、 7.35 - 7.18 (m, 8H)、 4.88 - 4.79 (m, 2H)、 4.42 - 4.00 (m, 3H)、 3.93 - 2.71 (m, 22H)、 2.61 - 0.81 (m, 33H)。
【0533】
化合物16〜20
【化104】
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化合物16〜20は、アミン1Yおよび1ZCおよび対応するアルデヒドから、化合物1と同様にして製造された。
【0534】
化合物16の製造に関与する(4−オキソブチル)カルバミン酸tert−ブチルは、4,4−ジエトキシブタン−1−アミンから、化合物1ZEと同様に2工程で製造された。
【0535】
化合物17の製造に関与するtert−ブチル−N−メチル−N−(2−オキソエチル)カルバメートは市販品であった。
【0536】
化合物18の製造に関与する2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)アセトアルデヒドは、次のように2工程で製造した:
2−(2−ヒドロキシエトキシ)エタン−1−オール(7g、66mmol、9.9当量)を不活性雰囲気中、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、80mg、0.65mmol、0.1当量)の存在下でピリジン(10mL)に溶かした。溶液を0℃に冷却した後、TBDMSCl(1g、6.6mmol、1.0当量)を少量ずつ加えた。この反応混合物を振盪下、周囲温度で一晩放置し、100mLのEtOAcで希釈し、100mLの1N HClで2回およびNaCl飽和水溶液で2回順次洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、1.3g(88%)の2−[2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]エトキシ]エタン−1−オールを無色の油状物の形態で得た。
【0537】
塩化オキサリル(760mg、6mmol、1.3当量)を不活性雰囲気中、DCM(40mL)に溶かし、−78℃に冷却した。DCM(5mL)に希釈したジメチルスルホキシド(DMSO、1.07g、13.7mmol、3当量)を滴下した。低温度で30分の振盪時間の後、5mLのDCMに溶かした2−[2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]エトキシ]エタン−1−オール(1g、4.5mmol、1.0当量)を加えた。低温度で1時間振盪を続けた後、TEA(2.78g、27mmol、6当量)を添加した。この反応混合物を−78℃で15分および周囲温度で一晩振盪した後、100mLの水で中和した。次に、これを100mLのDCMで3回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE 1:20)で精製し、0.8g(80%)の2−[2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]エトキシ]アセトアルデヒドを無色の油状物の形態で得た。
【0538】
化合物19の製造に関与する4−ホルミルフェニル炭酸tert−ブチルは、次のように一工程で製造した:4−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.5g、20.5mmol、1.0当量)を不活性雰囲気中、18−クラウン−6(0.25g)および炭酸カリウム(5g)の存在下でTHF(20mL)に溶かした。この反応混合物を0℃に冷却した後、二炭酸ジ−tert−ブチル(5.8g、26.58mmol、1.30当量)を加えた。低温で1時間振盪を続け、その後、この反応物を30mLの水で中和した。得られた溶液を200mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE 1:10)で精製し、4.2g(92%)の4−ホルミルフェニル炭酸tert−ブチルを淡黄色固体の形態で得た。
【0539】
化合物20の製造に関与する4−ニトロベンズアルデヒド市販品であった。
【0540】
化合物18の合成は、シリル化アルコールの脱保護により完了した。これは次に用に行った:(S)−N−((S)−1−(((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)(メチル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−11−イソプロピル−2,2,3,3,10−ペンタメチル−4,7−ジオキサ−10−アザ−3−シラノデカン−12−アミド(40mg、0.04mmol、1.0当量)を不活性雰囲気中、TBAF(2mg、0.09mmol、2当量)の存在下でTHF(10mL)に溶かし、周囲温度で4時間振盪した。この反応物を50mLの水で中和した後、50mLのEtOAで3回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、化合物18を粗状態で得た。
【0541】
化合物20の合成は、ニトロ基を還元することにより完了した。これは次のように行った:(2S)−N−[(3R,4S,5S)−1−[(2S)−2−[(1R,2R)−2−[[(1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル]カルバモイル]−1−メトキシ−2−メチルエチル]ピロリジン−1−イル]−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル]−N,3−ジメチル−2−[(2S)−3−メチル−2−[メチル[(4−ニトロフェニル)メチル]アミノ]ブタンアミド]ブタンアミド(40mg、0.05mmol、1.0当量)を15mLのエタノールに溶かした。二水和塩化スズ(II)(317mg、1.4mmol、30当量)を加え、この溶液を振盪下、周囲温度で3日間放置した。この反応物を50mLの水で中和した後、50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、化合物20を粗状態で得た。
【0542】
【表21】
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【0543】
*これらの化合物は、分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、対応するTFA塩を白色固体の形態で得た。
【0544】
最終生成物の同定:化合物16 LC/MS/UV(Eclipse Plus C8、3.5μm、4.6×150mm、1mL/分、40℃、18分で水(0.05%TFA)中5から95%メタノールへ)、ESI:(C
45H
75N
7O
6S、正確な質量841.55)m/z842.5(MH
+)、421.9(100%、(M.2H
+)/2)、UV:14.02分(94.9%、210nm)。
1HMNR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.55-8.2 (m, 0.8H, NHCO不完全交換)、 8.0 (0.55H, NHCO不完全交換)、 7.70 (d, 1H)、 7.44 (d, 1H)、 7.21-7.15 (m, 5H)、 5.65-5.45 (m, 1H)、 4.8-4.5 (m, 2H)、 4.15-3.9 (m, 2H)、 3.8-0.6 (m, 59H)。化合物17 LC/MS/UV ESI:(C
44H
73N
7O
6S、正確な質量827.53)m/z828(MH
+)、415[100%、(M.2H
+)/2]、 UV:RT=6.72分(99.6%、254nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.82-7.80 (m, 1H)、 7.56-7.54 (m, 1H)、 7.35-7.20 (m, 5H)、 5.8-5.55 (m, 1H)、 4.85-4.6 (m, 1H)、 4.25-4.05 (m, 1H)、 3.95-0.8 (m, 60H)。化合物18 LC/MS/UV(Atlantis T3、3μm、4.6×100mm、1.2mL/分、40℃、7分で水(0.05%TFA)中5から95%メタノールへ)i、ESI:(C
45H
74N
6O
8S、正確な質量858.53)m/z859(MH
+)、881(MNa
+)、430(100%、(M.2H
+)/2)、UV:4.85分(96.8%、220nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.75-8.55 (m, 0.5H, NHCO不完全交換)、 7.85-7.80 (m, 1H)、 7.6-7.5 (m, 1H)、 7.40-7.15 (m, 5H)、 5.8-5.6 (m, 1H)、 4.8-4.55 (m, 2H)、 4.15-4.0 (m, 1H)、 4.0-0.8 (m, 60H)。化合物19 LC/MS/UV ESI:(C
48H
72N
6O
7S、正確な質量876.52)m/z877(MH
+)、439[100%、(M.2H
+)/2]、UV:RT=1.76分(93.2%、220nm)。化合物20
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.85-7.80 (m, 1H)、 7.6-7.5 (m, 1H)、 7.4-7.15 (m, 5H)、 7.1-7.05 (m, 2H)、 6.73-6.70 (m, 2H)、 5.8-5.55 (m, 1H)、 5.0-4.7 (m, 2H)、 4.25-4.05 (m, 1H)、 4.0-0.8 (m, 54H)。LC/MS/UV ESI:(C
48H
73N
7O
7S、正確な質量875.53)m/z876(MH
+)、439[75%、(M.2H
+)/2]、UV:RT=4.83分(96.8%、254nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.85-7.80 (m, 1H)、 7.6-7.5 (m, 1H)、 7.4-7.1 (m, 7H)、 6.76-6.72 (m, 2H)、 5.8-5.55 (m, 1H)、 4.9-4.65 (m, 2H)、 4.25-4.05 (m, 1H)、 4.0-0.8 (m, 54H)。
【0545】
化合物21〜24
【化105】
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化合物21〜24は、アミン1Yをアミン2Dに置き換え、化合物17〜20と同様にして製造された。
【0546】
【表22】
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【0547】
*これらの化合物は、分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、対応するTFA塩を白色固体の形態で得た。
【0548】
最終生成物の同定:化合物21 LC/MS/UV(ESI)(C
42H
74N
6O
7、正確な質量774.56)m/z775(MH
+)、797(MNa
+)、388(100%、(M.2H
+)/2)、UV:3.14分(97.6%、215nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.05-7.7 (m, 0.8H, NHCO不完全交換)、 7.45-7.15 (m, 5H)、 4.9-4.45 (m, 2H)、 4.35-4.00 (m, 2H)、 3.95-0.8 (m, 61H)。化合物22 LC/MS/UV ESI)(C
43H
75N
5O
9、正確な質量805.56)m/z806(MH
+)、828(MNa
+)、404(100%、(M.2H
+)/2)、UV:4.47分(95.6%、215nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.1-7.7 (m, 0.4H, NHCO不完全交換)、 7.45-7.15 (m, 5H)、 4.9-4.5 (m, 3H)、 4.4-4.05 (m, 2H)、 4.05-0.8 (m, 61H)。化合物23 LC/MS/UV(ESI)(C
46H
73N
5O
8、正確な質量823.55)m/z824(MH
+)、846(MNa
+)、413(100%、(M.2H
+)/2)、UV:4.76分(98.5%、215nm)。
1H NMR (400MHz, CDCl
3, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.5-7.2 (m, 5H)、 7.9-7.75 (m, 2H)、 5.5-5.3 (m, 1H)、 4.9-4.6 (m, 2H)、 4.55-4.15 (m, 4H)、 4.0-0.8 (m, 55H)。化合物24 LC/MS/UV(ESI)(C
46H
74N
6O
7、正確な質量822.56)m/z823(MH
+)、845(MNa
+)、861(MK
+)、UV:3.68分(99.15%、254nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.0-7.7 (m, 0.5H, NHCO不完全交換)、 7.5-7.0 (m, 7H)、 6.75-6.65 (m, 2H)、 4.85-4.5 (m, 2H)、 4.4-4.05 (m, 2H)、 4.0-0.8 (m, 56H)。
【0549】
化合物26
(S)−2−((S)−2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド、ビストリフルオロ酢酸
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
化合物26A:(S)−2−((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸ベンジル
【化107】
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化合物26Aは、THF(25mL)中、アミン1ZC(1.3g、5.04mmol、1.00当量)、(2−オキソエチル)カルバミン酸tert−ブチル(800mg、5.03mmol、1.00当量)、DIEA(3.52g、27.24mmol、5.42当量)およびNaBH(OAc)
3(2.25g、10.62mmol、2.11当量)から、化合物2Hと同様にして製造された。混合物を振盪下で一晩放置し、50mLの水で中和した。残渣をEtOAcとPE(10:1)の混合物を用いてシリカカラムで精製し、0.6g(33%)の化合物26Aを無色の油状物の形態で得た。
【0550】
化合物26B:(S)−2−((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化108】
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化合物26A(600mg、1.65mmol、1.00当量)をPd/C(300mg)の存在下で40mLのTHFに溶かし、周囲温度および大気圧で1時間水素化した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcとMeOHの混合物を用いてシリカカラムで精製し、0.4g(89%)の化合物26Bを無色の油状物の形態で得た。
【0551】
化合物26C:((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化109】
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化合物26Cを、DCM(3mL)中、アミン1Y(70mg、0.11mmol、1.00当量)、酸26B(58.4mg、0.21mmol、2.00当量)、DEPC(0.032mL)およびDIEA(0.053mL)から、化合物3と同様にして製造された。蒸発乾固の後、化合物26Cを黄色油状物の形態で得た(100mg)。
【0552】
化合物26:化合物26をDCM(3mL)およびTFA(1.5mL)中、中間体26C(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%〜45%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物26を38%(38.1mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0553】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.0mL/分、18分で水(0.05%TFA)中5%から95%MeOHへ)、ESI(C
43H
71N
7O
6S、正確な質量813.52)m/z:814.5(MH
+)および407.9(M.2H
+/2、100%)、15.78分(91.2%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.90 - 8.82 (m, 0.5 H, NH不完全交換)、 8.71 - 8.65 (m, 0.3H, NH不完全交換)、 (7.85 - 7.77 (m, 1H)、 7.60 - 7.49 (m, 1H)、 7.37 - 7.15 (m, 5H)、 5.78 - 5.55 (m, 1H)、 4.82 - 4.62 (m, 1.6H)、 4.32 - 3.83 (m, 3.6H)、 3.75 - 3.35 (m, 7.4H)、 3.30 - 2.60 (m, 13H)、 2.58 - 0.80 (m, 42H)。
【0554】
化合物27
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−ヒドロキシフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,トリフルオロ酢酸
【化110】
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【0555】
化合物27:化合物27は、DCM(3mL)中、アミン3D(70mg、0.11mmol、1.00当量)、酸49C(55.5mg、0.22mmol、2.00当量)、DEPC(0.034mL、2.00当量)およびDIEA(0.055mL、3.00当量)から、化合物3と同様にして得た。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から45%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへのの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物27を3%(2.9mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0556】
LC/MS/UV(Eclipse Plus C8カラム、3.5μm、4.6×150mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
48H
75N
5O
9、正確な質量866.56)m/z:866.5(MH
+)および433.9(M.2H
+/2、100%)、6.61分(89.1%、210nm)。
1H NMR (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.70 - 8.49 (m, 0.9 H, NH/OH不完全交換)、 8.30 - 8.22 (m, 0.3H, NH不完全交換)、 7.36 - 7.02 (m, 7H)、 6.86 - 6.62 (m, 2H)、 4.82 - 4.69 (m, 2H)、 4.20 - 4.03 (m, 1H)、 3.91 - 3.33 (m, 12H)、 3.30 - 2.90 (m, 17H)、 2.55 - 0.80 (m, 35H)。
【0557】
化合物28
(S)−2−((S)−2−((3−アミノベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化111】
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【0558】
化合物28A:(3−((3S,6S,9S,10R)−9−((S)−sec−ブチル)−10−(2−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−3,6−ジイソプロピル−2,8−ジメチル−4,7−ジオキソ−11−オキサ−2,5,8−トリアザドデシル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル
【化112】
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化合物28Aは、DCM(3mL)中、アミン2D(100mg、0.17mmol、1.00当量)、酸14D(111.25mg、0.33mmol、2.00当量)、DEPC(0.058mL)およびDIEA(0.05mL)から、化合物3と同様にして製造された。残渣をEtOAcとびヘキサン(1:1)の混合物を用いてシリカカラムで精製し、100mg(66%)の化合物28Aを白色固体の形態で得た。
【0559】
化合物28:化合物28は、中間体28A(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物(80mg)を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物28を20%(20mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0560】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
46H
74N
6O
7、正確な質量822.56)m/z:823.5(MH
+)および412.4(M.2H
+/2、100%)、12.45分(87.2%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.47 - 7.20 (m, 5H)、 7.10 - 7.01 (m, 1H)、 6.80 - 6.56 (m, 3H)、 4.82 - 4.52 (m, 3H)、 4.33 - 4.03 (m, 2H)、 3.91 - 3.82 (m, 0.5H)、 3.75 - 3.35 (m, 9.5H)、 3.28 - 3.10 (m, 2H)、 2.79 - 2.90 (m, 1H)、 2.60 - 2.40 (m, 2H)、 2.30 - 0.80 (m, 40H)。
【0561】
化合物29
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−アミノベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,トリフルオロ酢酸
【化113】
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化合物15(100mg、0.10mmol、1.00当量)を水(5mL)、ACN(5mL)とピペリジンの混合物(2.5mL)に溶かした。この反応混合物を周囲温度で一晩、振盪下で放置した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、20mg(20%)の化合物29を白色固体の形態で得た。
【0562】
LC/MS/UV(Eclipse Plus C8カラム、3.5μm、4.6×150mm、40℃、1.0mL/分、18分で水(0.05%TFA)中40%から95%MeOH)、ESI(C
46H
72N
6O
8、正確な質量836.54)m/z:837.5(MH
+)および419.4(M.2H
+/2、100%)、10.61分(92.5%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.38 - 7.15 (m, 6H)、 7.00 - 6.99 (m, 3H)、 4.85 - 4.68 (m, 2H)、 4.37 - 3.38 (m, 11H)、 3.31 - 2.70 (m, 8H)、 2.60 - 0.82 (m, 35H)。
【0563】
化合物30
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−アミノブチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,ビストリフルオロ酢酸
【化114】
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化合物30は、アミン3Dおよび対応するカルボン酸から、化合物16と同様にして製造された。
【0564】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18、2.7μm、4.6×100mm、1.5mL/分、40℃、15分で水(0.05%TFA)中10〜95%メエタノール)、ESI(C
44H
76N
6O
8、正確な質量816.57)m/z:817.6(MH
+)、409.4(M.2H
+/2)、12.0分(90%、210nm)。
1H NMR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.7-8.2 (m, 1H, NHCOs,不完全交換)、 7.4-7.1 (m, 5H)、 4.95-4.7 (m, 3H)、 4.2-4.0 (m, 1H)、 3.9-0.8 (m, 63H)。
【0565】
化合物31
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−アミノブチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,ビストリフルオロ酢酸
【化115】
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化合物31は、メチルエステル30から化合物4と同様にして製造された。
【0566】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18、2.7μm、4.6×100mm、1.5mL/分、40℃、18分で水(0.05%TFA)中10から95%メタノールへ)、ESI(C
43H
74N
6O
8、正確な質量802.56)m/z:803.6(MH
+)、402.4(M.2H
+/2)、13.68分(98.9%、210nm)。
1H NMR (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.4-7.1 (m, 5H)、 4.95-4.7 (m, 3H)、 4.2-4.0 (m, 1H)、 3.9-0.8 (m, 61H)。
【0567】
化合物32
(S)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(3−(メチルアミノ)プロピル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド,ビストリフルオロ酢酸
【化116】
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化合物32A:(3,3−ジエトキシプロピル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化117】
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化合物1ZD(247mg、1mmol、1.00当量)を不活性雰囲気中、THFとDMFの1:1混合物30mLに溶かした。反応媒体を氷浴上で冷却し、その後、NaH(油中60%、60mg、1.5当量)を少量ずつ加えた後、MeI(0.28mL)を滴下した。この反応物を振盪下、周囲温度で2日間放置した後、5mLのNH
4Cl飽和水溶液で中和し、15mLのEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、200mg(77%)の化合物32Aを黄色固体の形態で得た。
【0568】
化合物32B:(S)−2−((3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロピル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化118】
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化合物32Bを、化合物1ZDを化合物32Aに置き換え、化合物1ZFの製造に関して記載したものと同じプロトコールに従って製造した。
【0569】
化合物32:化合物32を、アミン1Yおよびカルボン酸32Bから、化合物1の製造に関して記載したものと同じプロトコールに従って2工程で製造した。
【0570】
LC/MS/UV(Zorbax SB−Aq、1.8μm、4.6×100mm、40℃、13分で水(0.05%TFA)中10から95%メタノールへ)、ESI(C
45H
75N
7O
6S、正確な質量842.19)m/z:843(MH
+)、421.9(M.2H
+/2)、11.91分(88%、210nm)。
1H NMR: (300MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 8.5 - 9.0 (m, 0.5H,不完全交換 NHCOs), 7.85 - 7.80 (m, 1H)、 7.60 - 7.50 (m, 1H), 7.35 - 7.15 (m, 5H), 5.80 - 5.63 (m, 1H), 4.80 - 4.65 (m, 2H), 4.30 - 4.00 (m, 1H), 3.95 - 0.80 (m, 61H)。
【0571】
化合物33および34
【化119】
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化合物33および34は、カルボン酸1ZFを化合物32Bに置き換え、化合物6および7と同様にして製造された。
【0572】
【表23】
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【0573】
*これらの化合物は、分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、対応するTFA塩を白色固体の形態で得た。
【0574】
最終生成物の同定:化合物33 LC/MS/UV(ESI)(C
44H
76N
6O
8,正確な質量816.57)m/z817.6(MH
+)、409.4(M.2H
+/2)、UV:5.94分(95%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) δ 8.6 - 8.2 (m, 0.8H, NHCO不完全交換) 7.30 - 7.22 (m, 5H), 4.80 (m, 2H), 4.23 - 0.86 (m, 66H)。化合物34 LC/MS/UV(ESI)(C
43H
74N
6O
8,正確な質量802.56)m/z803.6(MH
+)、402.4(M.2H
+/2)、UV:5.94分(97.5%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ(回転異性体の存在) 7.30 - 7.20 (m, 5H), 4.80 (m, 2H), 4.25 - 0.86 (m, 63H)。
【0575】
化合物35
(S)−2−((S)−2−((2−(2−アミノエトキシ)エチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,ビストリフルオロ酢酸
【化120】
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化合物35A:(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化121】
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0℃にて、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(5g、47.56mmol、1.00当量)をTHF(100mL)に溶かした後、水酸化ナトリウム(2g、50.00mmol、1.05当量)(25mLの水中の溶液)を加えた。THF(20mL)中、二炭酸ジ−tert−ブチル(10.38g、47.56mmol、1.00当量)の溶液を滴下した後、反応物を振盪下、周囲温度で一晩放置した。この反応物を50mLの水を加えることにより希釈し、生成物を75mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、100mLのNaCl(飽和)で1回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、9g(92%)の化合物35Aを黄色油状物の形態で得た。
【0576】
化合物35B:(2−(2−オキソエトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化122】
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DCM(20mL)中、DMSO(3.46mL、5.00当量)の溶液を、−78℃、窒素下で、DCM(20mL)中、塩化オキサリル(1.9mL、2.30当量)の溶液に滴下した。添加(30分)後、この溶液を30分間振盪し、20mLのDCM中、化合物35A(2g、9.74mmol、1.00当量)の溶液を添加した。TEA(12.2mL)の添加後、この反応物を−78℃で30分間、次いで、周囲温度で一晩振盪した。この反応物を100mLの水を加えることで希釈し、生成物を50mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、1.9gの化合物35Bを黄色油状物の形態で得た。
【0577】
化合物35C:ベンジル(S)−12−イソプロピル−2,2,11−トリメチル−4−オキソ−3,8−ジオキサ−5,11−ジアザトリデカン−13−オエート
【化123】
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化合物35Cは、THF(40mL)中、アミン1ZC(2.4g、9.31mmol、1.00当量)、アルデヒド35B(1.9g、9.35mmol、1.00当量)、NaBH(OAc)
3(3.96g、18.68mmol、2.00当量)およびDIEA(6.2mL)から、化合物14Cと同様にして合成された。この反応混合物を200mLの水で中和し、100mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、2.3gの化合物35Cを黄色油状物の形態で得た。
【0578】
化合物35D:(S)−12−イソプロピル−2,2,11−トリメチル−4−オキソ−3,8−ジオキサ−5,11−ジアザトリデカン−13−酸
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
化合物35C(200mg、0.49mmol、1.00当量)を、Pd/C(200mg)の存在下で10mLのEtOHに溶かし、一晩水素化した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、150mg(96%)の化合物35Dを白色固体の形態で得た。
【0579】
化合物35E:((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2,14−ジオキサ−5,8,11−トリアザヘキサデカン−16−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
化合物35Eを、DCM(3mL)中、アミン1Y(70mg、0.11mmol、1.00等量)、酸35D(40.6mg、0.13mmol、1.20当量)、DEPC(0.0324mL)およびDIEA(0.0527mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(100mg、98%)を黄色油状物の形態で単離し、続いてそのまま使用した。
【0580】
化合物35:化合物35は、中間体35E(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−010)、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへ勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物35を23%(22.9mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0581】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOH)、ESI(C
45H
75N
7O
7S、正確な質量857.54)m/z:858.5(MH
+)および429.9(M.2H
+/2、100%)、5.89分(89.7%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) δ 8.9 - 8.5 (m, 0.5H, NHCO不完全交換), 7.8 - 7.7 (m, 1H), 7.55 - 7.45 (m, 1H), 7.35 - 7.1 (m, 5H), 5.45 - 5.5 (m, 1H), 4.9 -4.6 (m, 1H), 4.3 - 0.75 (m, 62H)。
【0582】
化合物36
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((7S,10S,13S,14R)−1−アミノ−13−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−14−メトキシ−6,12−ジメチル−8,11−ジオキソ−3−オキサ−6,9,12−トリアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,ビストリフルオロ酢酸
【化126】
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化合物36A:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((12S,15S,18S,19R)−18−((S)−sec−ブチル)−12,15−ジイソプロピル−19−メトキシ−2,2,11,17−テトラメチル−4,13,16−トリオキソ−3,8−ジオキサ−5,11,14,17−テトラアザヘニコサン−21−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化127】
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化合物36Aは、DCM(3mL)中、アミン3D(50mg、0.08mmol、1.00当量)、酸35D(25mg、0.11mmol、1.48当量)、DEPC(0.0337mL)およびDIEA(0.0548mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(100mg)を黄色油状物の形態で単離し、続いてそのまま使用した。
【0583】
化合物36:化合物36は、中間体36A(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物36を13%(12.7mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0584】
LC/MS/UV(Agilent ZORBAX SB−Aqカラム、1.8μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、1分間、水(0.05%TFA)中2%MeOH、次いで、13分で水中2%から95%MeOHへ、次いで、2分間、水中95%MeOH)、ESI(C
44H
76N
6O
9、正確な質量832.57)m/z:833.5(MH
+)および417.4(M.2H
+/2、100%)、11.58分(98.5%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.1 - 8.5 (m, 0.8H, NHCO不完全交換), 7.30 - 7.1 (m, 5H), 4.9 - 4.6 (m, 3H), 4.2 - 0.8 (m, 64H)。
【0585】
化合物37
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((7S,10S,13S,14R)−1−アミノ−13−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−14−メトキシ−6,12−ジメチル−8,11−ジオキソ−3−オキサ−6,9,12−トリアザヘキサデカン−16−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,ビストリフルオロ酢酸
【化128】
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化合物37は、化合物36(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物4と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、Atlantis Prep OBD T3カラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、18.4mg(19%)の化合物37を白色固体の形態で得た。
【0586】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)10%から95%MeOHへ)、ESI(C
43H
74N
6O
9、正確な質量818.6)m/z:819.6(MH
+)および410.4(M.2H
+/2、100%)、5.48分(96.7%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.35 - 7.2 (m, 5H), 5.0 - 4.65 (m, 3H), 4.3 - 0.8 (m, 61H)。
【0587】
化合物38
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,ビストリフルオロ酢酸
【化129】
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化合物38A:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((9S,12S,15S,16R)−15−((S)−sec−ブチル)−9,12−ジイソプロピル−16−メトキシ−2,2,8,14−テトラメチル−4,10,13−トリオキソ−3−オキサ−5,8,11,14−テトラアザオクタデカン−18−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化130】
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化合物38Aは、DCM(3mL)中、アミン3D(70mg、0.11mmol、1.00当量)、酸26B(60.7mg、0.22mmol、2.00当量)、DEPC(0.0337mL)およびDIEA(0.0548mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(100mg)を黄色油状物の形態で単離した。
【0588】
化合物38:化合物38は、中間体38A(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLCPre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物38を10%(10.3mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0589】
LC/MS/UV(Agilent ZORBAX SB−Aqカラム、1.8μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、1分間、水(0.05%TFA)中2%MeOH、次いで、13分で水中2%から95%MeOHへ、次いで、2分間、水中95%MeOH)、ESI(C
42H
72N
6O
8、正確な質量788.5)m/z:789.5(MH
+)および395.4(M.2H
+/2、100%)、12.97分(91.0%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.30 - 7.1 (m, 5H), 4.9 - 4.6 (m, 3H), 4.2 - 0.8 (m, 60H)。
【0590】
化合物39
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,ビストリフルオロ酢酸
【化131】
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化合物39は、化合物38(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物4と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)より精製し、8.2mg(8%)の化合物39を白色固体の形態で得た。
【0591】
LC/MS/UV(Eclipse Plus C18カラム、3.5μm、4.6×150mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
41H
70N
6O
8、正確な質量774.5)m/z:775.5(MH
+)および388.4(M.2H
+/2、100%)、6.47分(93.6%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.35 - 7.15 (m, 5H), 4.9 - 4.6 (m, 3H), 4.2 - 0.8 (m, 57H)。
【0592】
化合物40
(S)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(4−(メチルアミノ)ブチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド,ビストリフルオロ酢酸
【化132】
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化合物40A:(4,4−ジエトキシブチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化133】
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化合物40Aは、THF/DMF(40/20mL)中、(4,4−ジエトキシブチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(5.5g、19.97mmol、1.00当量)、NaH(油中60%、3.2g、80.00mmol、4.01当量)およびヨードメタン(14mL)から、化合物11Eと同様にして製造された。反応物を50mLのNH
4Cl(水溶液)で中和した。化合物40Aを黄色油状物の形態で単離した5.5g(95%)。
【0593】
化合物40B:メチル(4−オキソブチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化134】
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化合物40A(3g、10.89mmol、1.00当量)をAcOHと水(15/4mL)の混合物に溶かし、この溶液を振盪下で一晩放置した。pHをNaHCO
3飽和水溶液で7〜8とした後、50mLのEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、50mLのNaCl飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。化合物40Bを黄色油状物の形態で単離した2.1g(96%)。
【0594】
化合物40C:(S)−2−((4−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)ブチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸ベンジル
【化135】
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化合物40Cは、THF(15mL)中、アミン1ZC(2.45g、9.53mmol、0.80当量)、アルデヒド40B(2.4g、11.92mmol、1.00当量)、NaBH(OAc)
3(5.06g、23.87mmol、2.00当量)およびDIEA(6.16g、47.66mmol、4.00当量)から、化合物14Cと同様にして合成された。この反応混合物を100mLの水で中和し、100mLのAcOEtで2回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(1:100−1:20))で精製し、1.2g(25%)の化合物40Cを黄色油状物の形態で得た。
【0595】
化合物40D:(S)−2−((4−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)ブチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化136】
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化合物40C(500mg、1.23mmol、1.00当量)を、Pd/C(550mg)の存在下、20mLのEtOHに溶かし、周囲温度および大気圧で1時間水素化した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、350mg(90%)の化合物40Dを無色の油状物の形態で得た。
【0596】
化合物40E:((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザペンタデカン−15−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化137】
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化合物40Eは、DCM(3mL)中、アミン1Y(60mg、0.09mmol、1.00当量)、酸40D(57.8mg、0.18mmol、2.00当量)、DEPC(0.0278mL)およびDIEA(0.0452mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(100mg)を続いてそのまま使用した。
【0597】
化合物40:化合物40は、中間体40E(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm 溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物40を24%(24.6mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0598】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
46H
77N
7O
6S、正確な質量855.6)m/z:856.6(MH
+)および428.8(M.2H
+/2、100%)、5.89分(97.0%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.9 - 8.5 (0.7H, NHCO不完全交換), 7.8 - 7.7 (m, 1H), 7.55 - 4.45 (m, 1H), 7.35 - 7.1 (m, 5H), 5.5 - 5.75 (m, 1H), 4.9 - 4.6 (m, 2H), 4.2 - 0.8 (m, 64H)。
【0599】
化合物41
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((8S,11S,14S,15R)−14−((S)−sec−ブチル)−8,11−ジイソプロピル−15−メトキシ−7,13−ジメチル−9,12−ジオキソ−2,7,10,13−テトラアザヘプタデカン−17−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,ビストリフルオロ酢酸
【化138】
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化合物41A:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((11S,14S,17S,18R)−17−((S)−sec−ブチル)−11,14−ジイソプロピル−18−メトキシ−2,2,5,10,16−ペンタメチル−4,12,15−トリオキソ−3−オキサ−5,10,13,16−テトラアザイコサン−20−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化139】
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化合物41Aは、DCM(5mL)中、アミン3D(170mg、0.27mmol、1.00当量)、酸40D(170mg、0.54mmol、2.09当量)、DEPC(0.0819mL)およびDIEA(0.133mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(200mg)を続いてそのまま使用した。
【0600】
化合物41:化合物41は、中間体41A(100mg、0.11mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)のより精製した。化合物41を25%(25mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0601】
LC/MS/UV(Agilent Zorbax SB−Aqカラム、1.8μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、1分間、水(0.05%TFA)中2%MeOH、次いで、13分で水中2%から95%MeOHへ、次いで、2分間、水中95%MeOH)、ESI(C
45H
78N
6O
8、正確な質量830.6)m/z:831.6(MH
+)および416.4(M.2H
+/2、100%)、11.58分(97.2%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.55 - 8.15 (0.75H, NHCO不完全交換), 7.30 - 7.1 (m, 5H), 4.9 - 4.6 (m, 3H), 4.2 - 0.8 (m, 67H)。
【0602】
化合物42
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((8S,11S,14S,15R)−14−((S)−sec−ブチル)−8,11−ジイソプロピル−15−メトキシ−7,13−ジメチル−9,12−ジオキソ−2,7,10,13−テトラアザヘプタデカン−17−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,ビストリフルオロ酢酸
【化140】
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化合物42は、化合物41(100mg、0.11mmol、1.00当量)から化合物4と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、Atlantis Prep OBD T3カラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、30.6mg(31%)の化合物42を白色固体の形態で得た。
【0603】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中0%から95%MeOHへ)、ESI(C
44H
76N
6O
8、正確な質量816.6)m/z:817.6(MH
+)および409.4(M.2H
+/2、100%)、5.75分(100%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.5 - 8.1 (0.3H, NHCO不完全交換), 7.30 - 7.1 (m, 5H), 4.9 - 4.6 (m, 3H), 4.2 - 0.8 (m, 64H)。
【0604】
化合物43
(S)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチル−2−((R)−3−メチル−2−(メチル(2−(2−(メチルアミノ)エトキシ)エチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド,ビストリフルオロ酢酸
【化141】
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化合物43A:(2−(2−((tertブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化142】
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化合物35A(((2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル)(8.21g、40.00mmol、1.00当量)およびイミダゾール(6g、88.14mmol、2.20当量)を不活性雰囲気中、DCM(200mL)に溶かした。tertブチルジメチルシランクロリド(TBDMSCl、6.62g、43.92mmol、1.10当量)を滴下し、反応媒体を振盪下、周囲温度で一晩放置した。反応混合物を100mLのDCMで希釈した後、200mLの0.5M HClで2回、200mLのNaHCO
3(飽和)で2回、次いで、300mLのNaCl(飽和)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(1:3)で精製し、10g(78%)の化合物43Aを白色固体の形態で得た。
【0605】
化合物43B:(2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)エチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化143】
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化合物43Bは、DMF(200mL)中、化合物43A(10g、31.30mmol、1.00当量)、NaH(油中60%、5g、208.33mmol、4.00当量)およびヨードメタン(22g、5.00当量)から、化合物11Eと同様にして製造された。反応媒体を200mLの水で中和し、100mLのAcOEtで3回、次いで、300mLのNaCl(飽和)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、10g(96%)の化合物43Bを白色固体の形態で得た。
【0606】
化合物43C:(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化144】
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化合物43B(10g、29.89mmol、1.00当量)およびTBAF.3H
2O(20.8g、65.93mmol、2.20当量)をTHF(200mL)に溶かした。この混合物を周囲温度で2時間振盪した後、100mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、300mLの水で2回、次いで、300mLのNaCl(飽和)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(1:3−1:1)で精製し、6.6gの化合物43Cを無色の油状物の形態で得た。
【0607】
化合物43D:メチル(2−(2−オキソエトキシ)エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化145】
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化合物43Dは、化合物43C(2g、9.12mmol、1.00当量)、塩化オキサリル(1.9mL)、TEA(11.3mL)およびDMSO(3.3mL)から、化合物35Bと同様にして製造された。化合物43D(2g)を黄色油状物の形態で単離した。
【0608】
化合物43E:ベンジル(S)−12−イソプロピル−2,2,5,11−テトラメチル−4−オキソ−3,8−ジオキサ−5,11−ジアザトリデカン−13−オエート
【化146】
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化合物43Eは、THF(100mL)中、アミン1ZC(2.4g、9.31mmol、1.00当量)、アルデヒド43D(2g、9.16mmol、1.00当量)、NaBH(OAc)
3(4g、18.87mmol、2.06当量)およびDIEA(6mL)から、化合物14Cと同様にして合成された。この反応混合物を100mLの水で中和し、100mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(4:1)で精製し、1g(37%)の化合物43Eを白色固体の形態で得た。
【0609】
化合物43F:(S)−12−イソプロピル−2,2,5,11−テトラメチル−4−オキソ−3,8−ジオキサ−5,11−ジアザトリデカン−13−酸
【化147】
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化合物43E(1g、2.37mmol、1.00当量)をPd/C(1g)の存在下で40mLのMeOHに溶かし、周囲温度および大気圧で1時間水素化した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、600mg(76%)の化合物43Fを白色固体の形態で得た。
【0610】
化合物43G:((3R,4S,7S,10R)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2,14−ジオキサ−5,8,11−トリアザヘキサデカン−16−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
化合物43Gは、DCM(1mL)中、アミン1Y(50mg、0.08mmol、1.00当量)、酸43F(50mg、0.08mmol、1.00当量)、DEPC(24.79mg、0.15mmol、2.00当量)およびDIEA(29.46mg、0.23mmol、3.00当量)から、化合物3と同様にして合成した。粗生成物(59mg)を続いてそのまま使用した。
【0611】
化合物43:化合物43は、中間体43G(81mg、0.08mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物43を64%(52.6mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0612】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分間、水(0.05%TFA)中10%から95%MeCNへ、次いで、2分間、水中95%MeCN)、ESI(C
48H
77N
7O
7S、正確な質量871.6)m/z:872.5(MH
+)および436.9(M.2H
+/2、100%)、3.90分(100%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.8 - 7.7 (m, 1H), 7.55 - 4.45 (m, 1H), 7.35 - 7.1 (m, 5H), 5.5 - 5.75 (m, 1H), 4.9 - 4.6 (m, 2H), 4.2 - 0.8 (m, 64H)。
【0613】
化合物44
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((9S,12S,15S,16R)−15−((S)−sec−ブチル)−9,12−ジイソプロピル−16−メトキシ−8,14−ジメチル−10,13−ジオキソ−5−オキサ−2,8,11,14−テトラアザオクタデカン−18−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,ビストリフルオロ酢酸
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
化合物44A:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((12S,15S,18S,19R)−18−((S)−sec−ブチル)−12,15−ジイソプロピル−19−メトキシ−2,2,5,11,17−ペンタメチル−4,13,16−トリオキソ−3,8−ジオキサ−5,11,14,17−テトラアザヘニコサン−21−オイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化150】
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化合物44AはDCM(1.5mL)中、アミン3D(60mg、0.09mmol、1.00当量)、酸43F(47mg、0.14mmol、1.50当量)、DEPC(31mg、0.19mmol、2.00当量)およびDIEA(37mg、0.28mmol、3.00当量)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(58mg)を続いてそのまま使用した。
【0614】
化合物44:化合物44は、中間体44A(58mg、0.06mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物44を40%(23.7mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0615】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分間で、水(0.05%TFA)中10%から95%MeCNへ、次いで、2分間、水中95%MeCN)、ESI(C
45H
78N
6O
9、正確な質量846.6)m/z:847.6(MH
+)および424.4(M.2H
+/2、100%)、3.20分(100%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.3 - 7.1 (m, 5H), 4.9 - 4.6 (m, 3H), 4.2 - 0.8 (m, 67H)。
【0616】
化合物45
(S)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド,トリストリフルオロ酢酸
【化151】
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化合物45A:4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
2−(ピペラジン−1−イル)エタン−1−オール(5g、38.41mmol、1.00当量)をDCM(100mL)に溶かし、DCM(20mL)中、二炭酸ジ−tert−ブチル(8.38g、38.40mmol、1.00当量)の溶液を滴下した。この反応物を振盪下、周囲温度で一晩放置した。反応物を蒸発乾固させ、残渣を200mLのAcOEtに溶かし、NaCl(飽和)で5回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、8.5g(96%)の化合物45Aを白色固体の形態で得た。
【0617】
化合物45B:4−(2−オキソエチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化153】
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化合物45Bは、化合物45A(1g、4.34mmol、1.00当量)、塩化オキサリル(610mg、4.80mmol、1.12当量)、TEA(2.13g、21.09mmol、4.90当量)およびDMSO(0.82g、2.40当量)から、化合物35Bと同様にして製造した。化合物45B(0.8g、81%)を無色の油状物の形態で単離した。
【0618】
化合物45C:(S)−4−(2−((1−(ベンジルオキシ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)(メチル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化154】
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化合物45Cは、THF(50mL)中、アミン1ZC(720mg、2.79mmol、0.80当量)、アルデヒド45B(800mg、3.50mmol、1.00当量)、NaBH(OAc)
3(1.6g、7.55mmol、2.15当量)およびDIEA(2.5mL)から、化合物14Cと同様にして合成された。反応混合物を5mLの水で中和し、5mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(3:1)で精製し、400mg(33%)の化合物45Cを無色の油状物の形態で得た。
【0619】
化合物45D:(S)−2−((2−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル)エチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化155】
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化合物45C(400mg、0.92mmol、1.00当量)をPd/C(400mg)の存在下、30mLのMeOHに溶かし、周囲温度および大気圧で1時間水素化した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、300mg(95%)の化合物45Dを白色固体の形態で得た。
【0620】
化合物45E:4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
化合物45Eは、DCM(3mL)中、アミン1Y(60mg、0.09mmol、1.00当量)、酸45D(62.7mg、0.18mmol、2.00当量)、DEPC(0.0278mL)およびDIEA(0.0452mL)から、化合物3と同様にして合成した。粗生成物(100mg)を続いてそのまま使用した。
【0621】
化合物45:化合物45は、中間体45E(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物45を19%(19.4mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0622】
LC/MS/UV(Agilent ZORBAX SB−Aqカラム、1.8μm、4.6×100mm、40℃、1.0mL/分、1分間、水(0.05%TFA)中2%MeOH、次いで、13分で水中2%から95%MeOHへ、次いで、2分間、水中95%MeOH)、ESI(C
47H
78N
8O
6S、正確な質量882.6)m/z:883.5(MH
+)および442.4(M.2H
+/2、100%)、10.95分(98.8%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在), 7.80 - 7.70 (m, 1H), 7.52 - 7.43 (m, 1H), 7.31 - 7.09 (m, 5H), 5.70 - 5.51 (m, 1H), 4.80 - 4.60 (m, 1H), 4.20 - 0.75 (m, 66H)。
【0623】
化合物46
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3− フェニルプロパン酸メチル,トリストリフルオロ酢酸
【化157】
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化合物46A:4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−3−(((S)−1−メトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化158】
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化合物46Aは、DCM(5mL)中、アミン3D(170mg、0.27mmol、1.00当量)、酸45D(184.6mg、0.54mmol、2.00当量)、DEPC(0.0819mL)およびDIEA(0.133mL)から、化合物3と同様にして合成された。粗生成物(200mg)を続いてそのまま使用した。
【0624】
化合物46:化合物46は、中間体46A(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物2と同様にして合成された。粗生成物を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物46を19%(19.1mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0625】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分間で水(0.05%TFA)中10%から95%MeCNへ、次いで、2分間、水中95%MeCN)、ESI(C
46H
79N
7O
8、正確な質量857.6)m/z:858.6(MH
+)および429.9(M.2H
+/2、100%)、5.93分(100%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.58 - 8.50 (m, 0.5 H, NHCO,不完全交換), 8.29 - 8.22 (m, 0.4 H, NHCO,不完全交換), 7.35 - 7.15 (m, 5H), 4.87 - 4.69 (m, 3H), 4.22 - 0.82 (m, 68H)。
【0626】
化合物47
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−N,3−ジメチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチル(2−(ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,トリストリフルオロ酢酸
【化159】
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化合物47は、化合物46(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物4と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、Atlantis Prep OBD T3カラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、32.6mg(33%)の化合物47を白色固体の形態で得た。
【0627】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
46H
77N
7O
8、正確な質量843.6)m/z:844.6(MH
+)および422.9(M.2H
+/2、100%)、5.73分(100%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.66 - 8.57 (m, 0.3 H, NHCO,不完全交換), 8.41 - 8.32 (m, 0.3 H, NHCO,不完全交換), 8.13 - 8.06 (m, 0.2 H, NHCO,不完全交換), 7.30 - 7.10 (m, 5H), 4.80 - 4.61 (m, 3H), 4.19 - 0.78 (m, 65H)。
【0628】
化合物48
(S)−2−((S)−2−(((1H−イミダゾール−2−イル)メチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
化合物48は、アミン1Yおよび1ZCおよび1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドから、化合物1と同様にして製造された。最終生成物を以下の条件下の分取HPLCにより精製した:SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、0.05%TFAで緩衝させた移動相、10分で水中15.0から30%ACNへ、次いで、2分で95.0%ACNまでの勾配、UV検出 UV220nm。
【0629】
LC/MS/UV(Zorbax Eclipse Plus C8、1.8μm、4.6×100mm、1mL/分、40℃、1分間水中2%メタノール(0.05%TFAで緩衝させた溶離相)、次いで、12分間で2%から95%メタノールへ、ESI(C
45H
70N
8O
6S、正確な質量850.51)m/z:851.2(MH
+)、873.5(MNa
+)、426.3(M.2H
+/2)、12.75分(90.5%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.83 - 7.81 (m, 1H), 7.80 - 7.53 (m, 3H), 7.53 - 7.22 (m, 5H), 5.6 -5.8 (m, 1H), 5.0 - 4.6 (m, 2H)、 4.6 - 0.85 (m, 55H)。
【0630】
化合物49
(S)−2−((S)−2−((4−ヒドロキシフェネチル)(メチル(mthyl)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ(mthoxy)−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド,トリフルオロ酢酸
【化161】
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化合物49A:2−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアルデヒド
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール(4g、28.95mmol、1.00当量)をDMSO(32mL)に溶かした後、TEA(8.8mL、2.20当量)を滴下した。DMSO(36mL)中、SO
3.Py(10g、2.20当量)の溶液を加え、この混合物を振盪下、周囲温度で一晩放置した。この反応混合物を250mLの水で中和し、100mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、水(100mL)で5回、次いで、150mLのNaCl(飽和)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(1:10)で精製し、1g(25%)の化合物49Aを無色の油状物の形態で得た。
【0631】
化合物49B:(S)−2−((4−ヒドロキシフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸ベンジル
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
化合物49Bは、THF(25mL)中、アミン1ZC(1.5g、5.82mmol、0.99当量)、アルデヒド49A(800mg、5.88mmol、1.00当量)、NaBH(OAc)
3(2.7g、12.74mmol、2.17当量)およびDIEA(4.23mL)から、化合物14Cと同様にして合成された。反応混合物を50mLの水で中和し、50mLのAcOEtで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(EtOAc/PE(1:10)で精製し、600mg(37%)の化合物49Bを白色固体の形態で得た。
【0632】
化合物49C:(S)−2−((4−ヒドロキシフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
化合物49B(0.5g、1.46mmol、1.00当量)を、Pd/C(250mg)の存在下で40mLのMeOHに溶かし、周囲温度および大気圧で3時間水素化した。反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、0.4gの化合物49Cを白色固体の形態で得た。
【0633】
化合物49:化合物49は、DCM(3mL)中、アミン1Y(53.4mg、0.08mmol、2.00当量)、酸49C(70mg、0.28mmol、1.00当量)、DEPC(0.032mL、2.00当量)およびDIEA(0.053mL、3.00当量)から、化合物3と同様にして合成された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、Atlantis Prep OBD T3カラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から45%ACNへ、次いで、2分で%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、3mg(1%)の化合物49を白色固体の形態で得た。
【0634】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOH)、ESI(C
49H
74N
6O
7S、正確な質量890.5)m/z:891.5(MH
+)および446.4(M.2H
+/2、100%)、6.69分(100%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.92 - 8.87 (m, 0.5 H, NHCO,不完全交換), 8.70 - 8.63 (m, 0.4 H, NHCO,不完全交換), 8.85 - 8.77 (m, 1H), 7.59 - 7.51 (m, 1H), 7.35 - 7.03 (m, 7H), 6.82 - 6.71 (m, 2H), 5.77 - 5.58 (m, 1H), 5,81 - 5.70 (m, 1H), 4.21 - 0.80 (m, 58H)。
【0635】
化合物50
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−ヒドロキシフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸,トリフルオロ酢酸
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
化合物50は、化合物27(100mg、0.10mmol、1.00当量)から、化合物4と同様にして製造された。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−001 SHIMADZU、Atlantis Prep OBD T3カラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で20%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から100%ACNへの勾配、Waters 2545 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製し、10.7mg(11%)の化合物50を白色固体の形態で得た。
【0636】
LC/MS/UV(Ascentis Express C18カラム、2.7μm、4.6×100mm、40℃、1.5mL/分、8分で水(0.05%TFA)中10%から95%MeOHへ)、ESI(C
47H
73N
5O
9、正確な質量851.5)m/z:852.5(MH
+)および426.8(M.2H
+/2、100%)、6.46分(91.7%、210nm)。
1H NMR: (400MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 7.34 - 7.15 (m, 5H)、 7.15 - 7.04 (se, 2H), 6.82 - 6.83 (m, 2H), 4.83 - 4.70 (m, 1H), 4.21 - 4.00 (m, 1H), 3.90 - 3.80 (m, 1H), 3.74 - 3.62 (m, 1H), 3.57 - 2.86 (m, 20H), 2.56 - 0.80 (m, 36H)。
【0637】
化合物51
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−ヒドロキシベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル,トリフルオロ酢酸
【化166】
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化合物51A:(4−ホルミルフェニル)炭酸tert−ブチル
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0g、24mmol)を、4−DMAP(300mg、2.46mmol、0.1当量)および二炭酸ジ−tert−ブチル(5.35g、24mmol、1.0当量)の存在下で30mLのDCMに溶かし、周囲温度で1時間振盪した。次に、この溶液を200mLの水で希釈し、100mLのDCMで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5g(92%)の化合物51Aを白色固体の形態で得た。
【0638】
化合物51B:(S)−2−((4−((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸ベンジル
【化168】
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化合物51A(220mg、0.99mmol)を、化合物1ZC(255mg、0.99mmol、1.0当量)、NaBH(OAc)
3(420mg、2mmol、2.0当量)およびDIEA(654μl)の存在下で5mLのTHFに溶かし、周囲温度で一晩振盪した。次に、この溶液を100mLの水で希釈し、50mLのEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcとPE(1:100)の混合物を用いてシリカカラムで精製し、200mg(47%)の化合物51Bを白色固体の形態で得た。
【0639】
化合物51C:(S)−2−((4−((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタン酸
【化169】
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化合物51Cは、化合物3Fの製造に使用したプロトコールに従い、化合物51B(200mg)の水素化により製造された。
【0640】
化合物51D:(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((tert−ブトキシカルボニル)オキシ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸メチル
【化170】
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化合物51Dは、化合物3の製造に使用したプロトコールに従い、化合物51Cとアミン3Dのカップリングにより製造し、目的生成物を60%の収率で黄色油状物の形態で得た。
【0641】
化合物51:化合物51D(80mg、0.08mmol)を0.5mLのTFAの存在下で1mLのDCMに溶かし、周囲温度で2時間振盪した後、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(Pre−HPLC−010、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×150mm、溶出相:0.05%TFAで緩衝させた水/ACN、10分で23%から40%ACNへ、次いで、2分で40%から95%ACNへの勾配、Waters 2489 UV検出器 254nmおよび220nm)により精製した。化合物51を24%(20mg)の収率で白色固体の形態で得た。
【0642】
LC/MS/UV(Zorbax SB−Aq、1.8μm、4.6×100mm、1分間、水(0.05%TFA)中2%MeOH、次いで、13分で2%から95%MeOHへ)、ESI(C
47H
73N
5O
9、正確な質量851.54)m/z:874.5(MNa
+)、426.9(M.2H
+/2)、12.48分(96%、210nm)。
1H NMR: (300MHz, CD
3OD, ppm): δ (回転異性体の存在) 8.1 - 8.6 (m, 0.9H, NHCO不完全交換)、 7.29 - 7.27 (m, 2H), 7.25 - 6.86 (m, 5H), 6.84 - 6.83 (m, 2H), 4.83 - 4.72 (m, 3H), 4.26 - 0.82 (m, 58H)。
【0643】
化合物61
(S)−2−((S)−2−((4−アミノフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0644】
化合物61A:N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル−L−バリン二塩酸塩
【化172】
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化合物11D(962mg、2.75mmol)をプロパン−2−オール中HClの市販溶液(5〜6M)10mlに溶かし、室温で2時間撹拌した。TLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた黄色固体をEt
2O(2×10ml)で摩砕した。生成物を真空下で乾燥させ、化合物61Aを黄色固体として得た(322mg、47%)。
【0645】
化合物61:カルボン酸61A(73mg、0.23mmol、1当量)およびアミン1Y(150mg、0.23mmol、1当量)を乾燥DMF(2ml)に溶かした。DIEA(158μl、0.90mmol、4当量)およびDECP(51μl、0.34mmol、1.5当量)を加え、この反応物を室温で4時間撹拌した。LC−MSによる分析は、出発材料の完全な消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製し、化合物61を淡黄色固体として得た(83mg、40%)。
【0646】
1H NMR: (500MHz, DMSO-d
6, ppm): δ(回転異性体の存在), 8.86 (d, 0.5H, NHCO)、 8.65 (d, 0.5H, NHCO), 8.11-8.05 (m, 1H, NHCO), 7.80 (d, 0.5H, チアゾール), 7.78 (d, 0.5H, チアゾール), 7.65 (d, 0.5H, チアゾール), 7.63 (d, 0.5H, チアゾール), 7.32 - 7.12 (m, 5H), 6.83 (d, J=8.3 Hz, 2H), 6.45 (d, J=8.3 Hz, 2H), 5.56 - 5.49 (m, 0.5 H), 5.42 - 5.35 (m, 0.5H), 4.78 (s, 2H, NH
2), 4.74 - 4.46 (m, 2H), 4.01 - 0.66 (m, 57H)。
HPLC(Xbridge Shield C18、3.5μm、4.6×50mm、 3.5ml/分、40℃、2.25分で水(0.1%TFA)中0から95%MeCN、次いで、0.5分間95%MeCN、Tr=1.31分(96.5%、220nm)。
m/z(Q−TOF ESI
+)890.5558(2%、MH
+、C
49H
76N
7O
6S理論値890.5572)、445.7834(100%、(MH
2)
2+、C
49H
77N
7O
6S理論値445.7823)。
【0647】
化合物62
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−アミノフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル
【化173】
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化合物62は、カルボン酸61A(69mg、0.21mmol、1当量)、アミン3D(135mg、0.21mmol、1当量)、DIEA(75μl、0.43mmol、2当量)およびDECP(49μl、0.32mmol、1.5当量)を用い、化合物61と同様にして製造された。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製し、化合物62を帯黄色固体として得た(82mg、45%)。
【0648】
1H NMR: (500MHz, DMSO-d
6, ppm): δ(回転異性体の存在), 8.50 (d, J=8.3, 0.5H, NHCO)、 8.27 (d, J=8.0, 0.5H, NHCO), 8.15-8.04 (m, 1H, NHCO), 7.27 - 7.13 (m, 5H), 6.86 - 6.79 (m, 2H), 6.48 - 6.42 (m, 2H), 4.78 (s, 2H, NH
2), 4.74 - 4.44 (m, 3H), 4.01 - 3.72 (m, 1.5H), 3.66 (s, 1.5H, CO
2Me), 3.63 (s, 1.5H, CO
2Me), 3.57 - 0.65 (m, 55.5H)。
HPLC(Xbridge Shield C18、3.5μm、4.6×50mm、3.5ml/分、40℃、2.25分で水(0.1%TFA)中0から95%MeCN、次いで、0.5分間95%MeCN、Tr=1.29分(95.3%、220nm)。
m/z(Q−TOF ESI
+)865.5800(2%、MH
+、C
48H
77N
6O
8理論値865.5797)、433.2937(100%、(MH
2)
2+、C
48H
78N
6O
8理論値433.2935)。
【0649】
化合物63
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−アミノフェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化174】
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化合物62(23mg、0.03mmol)を水(1ml)とアセトニトリル(1ml)の混合物に溶かした。ピペリジン(0.75ml)を加え、この混合物を室温で5時間撹拌した。TLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を分取HPLC(SunFire Prepカラム C18 OBD、5μm、19×150mm、移動相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、10分で20%から40%MeCNへ、次いで、2分で40%から100%MeCNへの勾配、検出器 UV Waters 2545 254nmおよび220nm)により精製した。化合物63を白色固体として得た(14mg、66%)。
【0650】
1H NMR: (500MHz, DMSO-d
6, ppm): δ(回転異性体の存在), 12.7 (s(br), 1H, CO
2H), 9.58 (m(br), 1H)、 9.04 - 8.89 (m, 1H), 8.41 (d, 0.6H, NHCO), 8.15 (d, 0.4H, NHCO), 7.27 - 7.13 (m, 5H), 7.13 - 6.99 (m(br), 2H), 6.90 - 6.64 (s(br), 2H), 4.77 - 3.40 (m, 10H), 3.34 - 2.75 (m, 20H), 2.34 - 1.94 (m, 4H), 1.90 - 0.7 (m, 25H)。
HPLC(Xbridge Shield C18, 3.5μm、4.6×50mm、3.5ml/分、40℃、2.25分で水(0.1%TFA)中0から95%MeCNへ、次いで、0.5分間95%MeCN、Tr=1.24分(100%、220nm)。
m/z(Q−TOF ESI
+)851.5641(6%、MH
+、C
47H
75N
6O
8理論値851.5641)、426.2854(100%、(MH
2)
2+、C
47H
76N
6O
8理論値426.2857)。
【0651】
実施例20:薬物の抗増殖性の活性
方法:
細胞培養 A549(非小細胞肺癌−ATCC CCL−185)細胞およびMDA−MB−231(乳腺癌−ATCC HTB−26)細胞をそれぞれ、5%ウシ胎児血清(FCS)を含むイーグルの最小必須培地(MEM)および10%FCSを含むダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)で培養した。MCF7(乳管癌−ATCC HTB−22)細胞およびSN−12C(腎臓癌−ATCC)細胞は、10%FCSを含有するRPMI1640培地(MCF7細胞の場合にはフェノールレッド不含)で維持した。総ての培地にファンギゾン(1.25μg/mL)およびペニシリン−ストレプトマイシン(100U/100μg/mL)を添加した。細胞を37℃のインキュベーターにて、5%CO
2および95%大気湿度の標準条件下で培養した。
【0652】
4つの腫瘍細胞株での抗増殖性活性 選択された薬物を、4細胞株の包括的パネルでATPlite増殖アッセイ(Perkin Elmer、Villebon sur Yvette、フランス)を用い、それらの抗増殖性の活性に関して調べた。0日目に、細胞を96ウェルプレートに、細胞が72時間の薬物処理期間に対数細胞増殖期に留まることを保証する濃度で播種した(A549では10
3細胞/ウェル、MCF7、MDA−MB−231およびSN12Cでは2.10
3)。24時間のインキュベーション期間の後、総ての細胞を供試化合物の希釈系で処理した(1%DMSO中10倍溶液11μL−6ウェル/条件)。チップ上への化合物の接着を避けるため、2つの連続する希釈の間でチップを交換した。次に、細胞を37℃、5%CO
2インキュベーターに入れた。4日目に、細胞の生存率を、生細胞により放出されるATPを定量することにより評価した。生細胞の数を溶媒処理細胞の数と比較して分析した。EC
50値は、GraphPadソフトウエア(GraphPad Software Inc.,CA、USA)により提供されているアルゴリズムを用いて実行される曲線フィッティング分析(シグモイド用量反応、可変ヒル傾き係数を用いる非線形回帰モデル)で評価した。
【0653】
結果:
種々の薬物:
上記の方法に従いMDA−MB−231細胞株でのそれらの抗増殖活性を決定するために種々の薬物を試験した。測定された活性はEC
50<0.1μMの値を示した。
【0654】
上記で例示した薬物の中から選択された少数の下記の例は、それらの十分に顕著な抗増殖活性を示す:
実施例12:EC
50=5.80×10
−10M、実施例13:EC
50=7.95×10
−8M、実施例15:EC
50=1.70×10
−10M、実施例27:EC
50=1.20×10
−10 M。
【0655】
種々の細胞株:
化合物15を、上記の方法に従い種々の細胞株(A549、MDA−MB−231、MCF−7、SN12C)で試験した。測定された活性は、総ての供試細胞株でEC
50 < 0.1μMの値を示した。
【0656】
【表24】
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【0657】
比較例:
以下の比較例でフェニル環上での置換(アミノ/ヒドロキシル対カルボキシル)を検討したところ、アミノまたはヒドロキシル置換基を含んでなる本発明による薬物の抗増殖活性の向上が示された。
【0658】
【表25】
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【0659】
実施例21:薬物−リンカー部分の合成
化合物E−11
(4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)フェニル)(メチル)カルバミン酸4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化175】
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化合物E−11−1:(S)−2−アミノ−5−ウレイドペンタン酸メチル塩酸塩
【化176】
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塩化アセチル(10mL)を、0℃で撹拌しながらMeOH(120mL)に滴下した。20分後、L−シトルリン(10g、57mmol、1.00当量)を加え、この混合物を一晩還流下で加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、15g(116%)の化合物E−11−1を白色固体として得た。この生成物をそれ以上乾燥させずに次の工程で使用した。
【0660】
化合物E−11−2:(S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタン酸メチル
【化177】
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化合物E−11−1(13g、57.6mmol、1.1当量)を0℃で不活性雰囲気下、DMF(140mL)に溶かした。DIEA(30mL、173mmol、3.0当量)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt−10.59g、69.1mmol、1.2当量)およびBoc−L−バリンヒドロキシスクシンイミドエステル(Boc−Val−OSu−18.1g、57.6mmol、1.0当量)を加えた。この反応混合物を周囲温度で一晩振盪した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を水(100mL)に溶かしDCM(150mL)で2回抽出した。有機相を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(DCM/MeOH)で精製し、18.8g(84%)の化合物E−11−2を白色固体として得た。
【0661】
化合物E−11−3:(S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタン酸
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
化合物E−11−2(18.8g、48.4mmol、1当量)を0℃でMeOH(200mL)に溶かした。NaOH 1M溶液(72mL、72mmol、1.5当量)を加え、この混合物を室温で2時間撹拌した。MeOHを減圧下で除去し、残った水溶液をHCl 1Mで酸性化した。水相を蒸発乾固させ、残渣をシリカゲル(DCM/MeOH)で精製し、18g(99%)の化合物E−11−3を白色固体として得た。
【0662】
化合物E−11−4:((S)−1−(((S)−1−((4−(ヒドロキシメチル)フェニル) アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化179】
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化合物E−11−3(5g、13.4mmol、1当量)を乾燥DCM(65ml)と乾燥MeOH(35ml)の混合物に溶かした。(4−アミノフェニル)メタノール(1.81g、14.7mmol、1.1当量)およびN−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ−6.60g、26.7mmol、2当量)を加え、この混合物を暗所で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲル(DCM/MeOH)で精製し、5.2g(73%)の化合物E−11−4を灰白色固体として得た。
【0663】
化合物E−11−5:((S)−3−メチル−1−(((S)−1−((4−((((4−ニトロフェノキシ)カルボニル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−1−オキソブタン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化180】
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化合物E−11−4(1.1g、2.29mmol、1当量)を不活性雰囲気下、周囲温度で乾燥DMF(5ml)に溶かした。炭酸ビス(4−ニトロフェニル)(1.40g、4.59mmol、2当量)、次いで、DIEA(600μl、3.44mmol、1.5当量)を加え、得られた黄色溶液を一晩撹拌した。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲル(DCM/MeOH)で精製し、1.27g(84%)の化合物E−11−5を灰白色固体として得た。
【0664】
化合物E−11−6:(4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)フェニル)(メチル)カルバミン酸4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化181】
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カーボネートE−11−5(114mg、0.177mmol、1.2当量)およびアニリン11F(150mg、0.147mmol、1当量)を乾燥DMF(4mL)に溶かした。HOBt(38mg、0.295mmol、2当量)およびDIEA(54μL、0.295mmol、2当量)を加え、この混合物を週末にわたって室温で撹拌した。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣を、DCMで溶出するシリカでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により再精製した。選択された画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物E−11−6を白色固体として得た(89mg、39%)。
【0665】
化合物E−11:
【化182】
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化合物E−11−6(21mg、0.014mmol、1.0当量)をDCM(0.25mL)に溶かし、TFA(40μL)を加えた。この溶液を室温で2時間撹拌し、その後、LC−MS分析は出発材料の完全な消費を示した。この混合物を軽く冷却(液体窒素浴)すると同時にDMF(0.5mL)、次いで、TFAを中和するためのDIEA(100μL)を加えた。その後、冷却浴を外し、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(4mg、0.012mmol、1当量)を加えた。この混合物を室温で48時間撹拌し、生成物を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物E−11を白色固体として得た(11mg、54%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1524.8282(2%、MNa
+、C
79H
115N
13NaO
14S理論値1524.8299)、751.9283(100%、(MH
2)
2+、C
79H
117N
13O
14S理論値751.9276)。
【0666】
化合物E−12
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化183】
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化合物E−12−1:((S)−3−メチル−1−オキソ−1−(((S)−1−オキソ−1−((4−((((ペルフルオロフェノキシ)カルボニル)オキシ)メチル)フェニル)アミノ)−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)ブタン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル
【化184】
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化合物E−11−4(670mg、1.26mmol、1当量)を0℃で不活性雰囲気下、乾燥DMF(6ml)に溶かした。炭酸ビス(ペルフルオロフェニル)(991mg、2.51mmol、2当量)、次いで、DIEA(329μl、1.89mmol、1.5当量)を加え、得られた無色の溶液を室温で30分間撹拌した。DMFを減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲル(DCM/MeOH)で精製し、836mg(96%)の化合物E−12−1を灰白色固体として得た。
【0667】
化合物E−12−2:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化185】
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アニリン12(165mg、0.189mmol、1.0当量)を0℃で不活性雰囲気下、DMF(5mL)に溶かした。カーボネートE−12−1(194mg、0.282mmol、1.5当量)、HOBt(51mg、0.375mmol、2当量)およびDIEA(66μL、0.375mmol、2当量)を加え、この混合物を室温で8時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物E12−7を白色固体として得た(247mg、77%)。
【0668】
化合物E−12−3:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル ビス(2,2,2−トリフルオロ酢酸塩)
【化186】
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化合物E−12−2(5.6mg、4.04μmol、1.0当量)をTFA(100μL)に溶かした。5分後、2mlの水を加え、この混合物を一晩凍結乾燥させ、化合物E−12−3を灰白色固体として得た(5.6mg、98%)。
【0669】
化合物E−12:
【化187】
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化合物E−12−3(5.6mg、4μmol、1.0当量)をアセトニトリル(0.5mL)に溶かし、DIEA(5μL、7当量)、次いで、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(2.5mg、8μmol、2当量)を加えた。この混合物を室温で6時間撹拌した。LC−MSにより反応を管理した後、200μlの水を加え、得られた溶液を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物E−12を白色固体として得た(4.6mg、70%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)739.4389(100%、(MH
2)
2+、C
78H
118N
12O
16理論値739.4389)。
【0670】
化合物E−13
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化188】
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化合物E−13−1:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン
【化189】
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化合物E−12−2(185mg、0.123mmol、1.0当量)を室温で水(5mL)とアセトニトリル(5mL)の混合物に溶かした。ピペリジン(3.67mL、300当量)を加え、この混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をEt
2O(60mL)で摩砕した。この固体をEt
2O(20ml)で2回すすぎ、真空下で乾燥させ、化合物E−13−1を灰白色固体として得た(175mg、95%)。
【0671】
化合物E−13−2:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン ビス(2,2,2−トリフルオロ酢酸塩)
【化190】
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化合物E−13−1(175mg、0.128mmol、1.0当量)をTFA(200μL)に溶かした。5分後、水(1mL)およびアセトニトリル(1mL)を加え、この溶液を一晩凍結乾燥させ、化合物E−13−2を灰白色固体として得た(180mg、87%)。
【0672】
化合物E−13:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン、2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化191】
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化合物E−13−2(80mg、0.058mmol、1.0当量)をアセトニトリル(1.5mL)とDMF(0.4mL)の混合物に溶かした。DIEA(50μL、0.289mmol、5当量)、次いで、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(36mg、0.116mmol、2当量)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。LC−MSにより反応を管理した後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物E−13を白色固体として得た(32mg、35%)。
m/z(Q−TOF MS ESI−)1461.8336(100%、(M−H)
−、C
77H
113N
12O
16理論値1461.8403)。m/z(Q−TOF MS ESI+)1463.8565(2%、MH
+、C
77H
115N
12O
16理論値1463.8549)、732.4317(100%、(MH
2)
2+、C
77H
116N
12O
16理論値732.4311)。
【0673】
化合物E−15
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−((((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化192】
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化合物E−15−1:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−((((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化193】
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化合物E−15−1は、DMF(2mL)中、カーボネートE−11−5(28mg、0.044mmol、1当量)、アニリン15(42mg、0.044mmol、1当量)、HOBt(3mg、0.022mmol、0.5当量)、およびDIEA(15μL、0.087mmol、2当量)を用い、化合物E−11−6と同じ方法に従って製造された。化合物E−15−1を白色固体として単離した(8.2mg、13%)。
【0674】
化合物E−15−2:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−((((4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル ビス(2,2,2−トリフルオロ酢酸塩)
【化194】
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化合物E−15−1(8.2mg、5.58μmol、1.0当量)をTFA(200μL)に溶かしたた。5分後、水(1mL)を加え、この溶液を一晩凍結乾燥させ、化合物E−15−8を白色固体として得た(7.6mg、99%)。
【0675】
化合物E−15:
【化195】
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化合物E−15は、アセトニトリル(0.5mL)中、アミンE−15−2(7.6mg、5.55μmol、1当量)、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(2mg、6.65μmol、1.2当量)およびDIEA(5μL、0.028mmol、5当量)を用い、化合物E−12と同じ方法に従って製造された。化合物E−15を白色固体として単離した(4.2mg、48%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1471.8169(2%、MNa
+、C
76H
112N
12NaO
16理論値1471.8211)、725.4223(100%、(MH
2)
2+、C
76H
114N
12O
16理論値725.4232)、483.9482(10%、(MH
3)
3+、C
76H
115N
12O
16理論値483.9513)。
【0676】
化合物F−13
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−N−メチル−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン 2,2,2−トリフルオロ酢酸酸
【化196】
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化合物F−13−1:N−(4−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ) フェネチル)−N−メチル−L−バリン酸ベンジル
【化197】
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化合物11C(250mg、0.567mmol、1当量)をTHF(10ml)に溶かした後、NaH(鉱油中60%懸濁液、68mg、1.702mmol、3当量)を加えた。この混合物を5分間撹拌した後、ヨードメタン(106μL、1.702mmol、3当量)を加えた。この反応物を室温で2時間撹拌した後、水で急冷し、EtOAc(100mL)と水(50mL)とで分離した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させ、化合物F−13−1を黄色油状物として得(250mg、97%)、これをそれ以上精製せずに用いた。
【0677】
化合物F−13−2:N−メチル−N−(4−(メチルアミノ)フェネチル)−L−バリン酸ベンジル
【化198】
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Boc保護アニリンF−13−1(250mg、0.550mmol、1当量)をMeOH(5mL)に溶かした後、
iPrOH中HClの市販溶液(5〜6M)1mLを加えた。この溶液を室温で2時間撹拌した後、減圧下で蒸発乾固させた。得られた黄色油状物をEt
2Oで摩砕し、化合物F−13−2を黄色固体として得た(202mg、94%)。
【0678】
化合物F−13−3:N−(4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチル−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)−N−メチル−L−バリン酸ベンジル
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
酸E−11−3(190mg、0.508mmol、1.5当量)を乾燥DMF(1ml)に溶かした後、DIEA(118μL、0.677mmol、2当量)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP−264mg、0.508mmol、1.5当量)およびアニリンF−13−2(120mg、0.339mmol、1当量)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物F−13−3を白色固体として得た(140mg、45%)。
【0679】
化合物F−13−4:N−(4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチル−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)−N−メチル−L−バリン
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
化合物F−13−3(116mg、0.163mmol、1当量)をPd/C10%(30mg)の存在下でMeOH(5ml)に溶かし、周囲温度および大気圧下で2時間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、110mg(99%)の化合物F−13−4をベージュの固体として得た。
【0680】
化合物F−13−5:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチル−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化201】
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アミン3D(89mg、0.140mmol、1当量)および酸F−13−4(145mg、0.210mmol、1.5当量)を乾燥DMF(4mL)に溶かし、PyBOP(109mg、0.210mmol、1.5当量)およびDIEA(73μL、0.420mmol、3当量)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcと水とで分離し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物F−13−5を白色固体として得た(140mg、73%)。
【0681】
化合物F−13−6:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチル−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化202】
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化合物F−13−5(140mg、0.104mmol、1当量)を水(4mL)、アセトニトリル(4mL)およびピペリジン(2mL)の混合物に溶かし、室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物F−13−6を白色固体として得た(115mg、83%)。
【0682】
化合物F−13:
【化203】
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化合物F−13は、化合物E−11と同じ方法に従い、DCM(0.5mL)およびTFA(100μL、30当量)中、Boc保護アミンF−13−6(55mg、0.041mmol、1.0当量)を用い、次いで、DMF(1mL)で希釈し、DIEA(320μL、45当量)で急冷した後、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(15mg、0.049mmol、1.2当量)と反応させて製造された。分取HPLCによる精製および凍結乾燥の後に、化合物F−13を白色固体として得た(14mg、24%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1314.8067(2%、MH
+、C
69H
108N
11O
14理論値1314.8072)、657.9067(100%、(MH
2)
2+、C
69H
109N
11O
14理論値657.9072)。
【0683】
化合物F−61
N−((S)−1−(((S)−1−((4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)−6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化204】
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化合物F−61−1:N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル−L−バリン酸ベンジル二塩酸塩
【化205】
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化合物11C(1.0g、2.27mmol、1当量)を
iPrOH中HClの市販溶液(5〜6M)8mLに溶かした。この混合物を室温で2時間撹拌した後、減圧下で蒸発乾固させた。残渣をEt
2O(30mL)で2回摩砕し、真空下で乾燥させ、化合物F−61−1を白色固体として得た(916mg、98%)。
【0684】
化合物F−61−2:N−(4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)−N−メチル−L−バリン酸ベンジル
【化206】
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酸E−11−3(769mg、2.05mmol、1.5当量)を乾燥DMF(2.5ml)に溶かした後、DIEA(957μL、5.48mmol、4当量)およびPyBOP(1.07g、2.05mmol、1.5当量)を加えた。アニリンF−61−1(566mg、1.369mmol、1当量)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をシリカゲル(DCM/MeOH)で精製し、969mg(102%)の化合物F−61−2を白色固体として得た。
【0685】
化合物F−61−3:N−(4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)−N−メチル−L−バリン
【化207】
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化合物F−61−2(969mg、1.28mmol、1当量)をPd/C10%(270mg)の存在下でMeOH(20ml)に溶かし、周囲温度および大気圧下で3時間水素化した。この反応媒体を濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル(DCM/MeOH/AcOH)で精製し、520mg(67%)の化合物F−61−3を白色固体として得た。
【0686】
化合物F−61−4:((S)−1−(((S)−1−((4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)フェニル)アミノ)−1−オキソ−5−ウレイドペンタン−2−イル)アミノ)−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバミン酸tert−ブチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化208】
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酸F−61−3(67.5mg、0.111mmol、1.5当量)を乾燥DMF(2mL)およびDECP(17μL、0.111mmol、1.5当量)に溶かし、DIEA(39μL、0.223mmol、3当量)を加えた。室温で15分間撹拌した後、アミン1Y(50mg、0.074mmol、1当量)を加え、この溶液を一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物F61−4を白色固体として得た(28mg、28%)。
【0687】
化合物F−61−5:(S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−N−(4−((3R,4S,7S,10S)−4−((S)−sec−ブチル)−7,10−ジイソプロピル−3−(2−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)−5,11−ジメチル−6,9−ジオキソ−2−オキサ−5,8,11−トリアザトリデカン−13−イル)フェニル)−5−ウレイドペンタンアミド ビス(2,2,2−トリフルオロ酢酸塩)
【化209】
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化合物F−61−4(28mg、0.021mmol、1.0当量)をTFA(200μL)に溶かした。5分後、水(2mL)およびアセトニトリル(0.5mL)を加え、溶液を一晩凍結乾燥させ、化合物F−61−5を無色の油状物として得た(38mg、134%)。
【0688】
化合物F−61:
【化210】
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化合物F−61−5(28.3mg、0.020mmol、1当量)をアセトニトリル(0.5mL)、次いで、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(9mg、0.029μmol、1.4当量)およびDIEA(25μL、0.143mmol、7当量)に溶かした。この混合物を4.5時間撹拌し、その後、HPLC分析は出発材料の存在、スクシンイミドの完全な消費を示した。従って、補助的に6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(3mg、0.01μmol、0.5当量)を加え、この反応物を1.5時間撹拌した。HPLC分析は出発材料の完全な消費を示した。溶媒を蒸発させて乾固し、残渣をEtOAc/Et
2O(80/20)の混合物で2回摩砕し、化合物F−61を灰白色固体として得た(19.4mg、70%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1361.7725(2%、MNa
+、C
70H
106N
12NaO
12S理論値1361.7666)、670.3961(100%、(MH
2)
2+、C
70H
108N
12O
12S理論値670.3960)。
【0689】
化合物F−62:
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化211】
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化合物F−62−1:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化212】
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化合物F−62−1は、DMF(2mL) 中、アミン3D(100mg、0.158mmol、0.9当量)、酸F−61−3(108mg、0.178mmol、1当量)、DECP(41μL、0.267mmol、1.5当量)およびDIEA(93μL、0.534mmol、3当量)から、化合物F−61−4と同様にして製造された。分取HPLCによる精製の後、化合物F−62−1を白色固体として得た(93mg、39%)。
【0690】
化合物F−62−2:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル ビス(2,2,2−トリフルオロ酢酸塩)
【化213】
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化合物F−62−1(35mg、0.026mmol、1.0当量)をTFA(200μL)に溶かした。10分後、水(2mL)およびアセトニトリル(0.5mL)を加え、溶液を一晩凍結乾燥させ、化合物F−62−2を白色固体として得た(34mg、105%)。
【0691】
化合物F−62:
【化214】
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アミンF−62−2(34mg、5.55μmol、1当量)をアセトニトリル(3mL)に溶かした。DIEA(5μL、0.028mmol、5当量)および6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(2mg、6.65μmol、1.2当量)を加えた。HPLC 分析は出発材料の完全な消費を示した。溶媒を蒸発させて乾固し、残渣をEtOAc/Et
2O(80/20)の混合物で摩砕した。粗生成物を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物F−62を白色固体として得た(5.5mg、13%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1336.7859(2%、MNa
+、C
69H
107N
11NaO
14理論値1336.7891)、657.9073(100%、(MH
2)
2+、C
69H
109N
11O
14理論値657.9072)。
【0692】
化合物F−63:
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化215】
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化合物F−63−1:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン
【化216】
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化合物F−62−1(157mg、0.118mmol、1当量)を水(4.5mL)、アセトニトリル(4.5mL)およびピペリジン(3.5mL)の混合物に溶かし、室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をEt
2O(60mL)で摩砕した。固体を濾取し、Et
2O(10mL)で2回すすぎ、化合物F−63−1を灰白色固体として得た(153mg、100%)。
【0693】
化合物F−63−2:((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−((S)−2−((S)−2−アミノ−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン ビス2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化217】
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化合物F−63−1(153mg、0.127mmol、1.0当量)をTFA(200μL)に溶かした。10分後、水(2mL)およびアセトニトリル(0.5mL)を加え、この溶液を一晩凍結乾燥させ、化合物F−63−2を白色固体として得た(34mg、105%)。
【0694】
化合物F−63:
【化218】
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アミンF−63−2(100mg、0.082mmol、1当量)をアセトニトリル(2mL)とDMF(0.5mL)の混合物に溶かし、6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(45mg、0.147mmol、1.8当量)およびDIEA(71μL、0.409mmol、5当量)を加えた。室温で4.5時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、その後、化合物F−63を白色固体として得た(42mg、36%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1300.7901(2%、MH
+、C
68H
106N
11O
14理論値1300.7915)、650.8990(100%、(MH
2)
2+、C
68H
107N
11O
14理論値650.8994)。
【0695】
化合物G−12
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化219】
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化合物G−12−1:N−(4−アミノフェネチル)−N−メチル−L−バリン酸ベンジル二塩酸塩
【化220】
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塩化オキサリル(3mL)に6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサン酸(200mg、0.947mmol、1当量)を溶かした。この溶液を室温で5時間撹拌した後、減圧下で蒸発乾固させた。化合物G−12−1をベージュの固体として得(217mg、100%)、精製せずに次の工程で用いた。
【0696】
化合物G−12:
【化221】
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アニリン12(40mg、0.045mmol、1当量)を0℃で乾燥DCM(1mL)に溶かし、DIEA(8μL、0.045mmol、1当量)を加えた。30分間撹拌した後、乾燥DCM(1mL)中、化合物G−12−1(10mg、0.45mmol、1当量)の溶液を導入し、この反応物を0℃で1時間撹拌した。この混合物をDCM(25ml)で希釈し、水(20mL)で2回、ブライン(10mL)で1回洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、粗生成物を淡褐色固体として得た(54mg)。これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)、次いで、分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。単離された生成物を凍結乾燥させ、白色固体を得(23mg)、これを分取HPLCにより再精製し、選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物G−12を白色固体として得た(9mg、16%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1094.6543(20%、MNa
+、C
59H
89N
7NaO
11理論値1094.6512)、1072.6722(16%、MH
+、C
59H
90N
7O
11理論値1072.6693)、536.8358(100%、(MH
2)
2+、C
59H
91N
7O
11理論値536.8383)。
【0697】
化合物G−13
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((4−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−N−メチルヘキサンアミド)フェネチル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン 2,2,2−トリフルオロ酢酸酸
【化222】
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化合物G−13:
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
アニリン13(15mg、0.015mmol、1当量)を0℃で乾燥DCM(1.5mL)に溶かし、DIEA(8μL、0.046mmol、3当量)を加えた。乾燥DCM(0.5mL)中、化合物G−12−1(3.5mg、0.046mmol、1当量)の溶液を導入し、この反応物を0℃で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物G−13を白色固体として得た(11.4mg、62%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1058.6510(30%、MH
+、C
58H
88N
7O
11理論値1058.6536)、529.8285(100%、(MH
2)
2+、C
58H
89N
7O
11理論値529.8305)。
【0698】
化合物G−15
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−((3−(6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンアミド)ベンジル)(メチル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン酸メチル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【化224】
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化合物G−15:
【化225】
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アニリン15(40mg、0.047mmol、1当量)を0℃で乾燥DCM(2mL) に溶かし、DIEA(10μL、0.056mmol、1.2当量)を加えた。乾燥DCM(1mL)中、化合物G−12−1(108mg、0.47mmol、10当量)の溶液を導入し、この反応物を0℃で1.5時間撹拌した。この混合物をDCM(10ml)で希釈し、水(5mL)で2回洗浄した。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、粗生成物をベージュの固体として得た。これを分取HPLC(Waters 600E、SunFire Prep C18 OBDカラム、5μm、19×100mm、溶出相:0.1%TFAで緩衝させた水/MeCN、15分で5%から100%MeCNへの勾配、Waters 2487 UV検出器 220nm)により精製した。選択した画分を合わせ、凍結乾燥させ、化合物G15を白色固体として得た(27mg、50%)。
m/z(Q−TOF MS ESI+)1066.6517(2%、MNa
+、C
57H
85N
7NaO
11理論値1066.6199)、522.8224(100%、(MH
2)
2+、C
57H
87N
7O
11理論値522.8226)。
【0699】
実施例22:ADCの合成、精製および特性決定
下記の手順はキメラおよびヒト化IgG1形態に当てはまる。IgG2、IgG4などの他の形態については、当業者ならば一般知識を用いてこの手順を適合させることができると理解されなければならない。
【0700】
抗体(1〜5mg/ml)を、37℃にて2時間、150mM NaClおよび2mM EDTAを含有する10mMホウ酸バッファー pH8.4中、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)で部分的に還元した。一般に、それぞれ4前後の薬物−抗体比(DAR)を目標とするために2.5〜3mol当量のTCEPを使用した。部分的抗体還元は、非還元条件下でのSDS−PAGE分析により確認した。遊離した鎖内システイン残基へのリンカー−薬物のカップリングの前に、還元混合物を室温まで放冷した。次に、抗体濃度を150mM NaClおよび2mM EDTAを含有する10mMホウ酸バッファー pH8.4で1mg/mlに調整し、ジメチルスルホキシド(DMSO)中10mM溶液から、抗体に対して5モル過剰の薬物を加えた。カップリング中に水性媒体での薬物の溶解度を維持するために、最終DMSO濃度は10%に調整した。反応は室温で1時間行った。薬物過剰分は、薬物1モル当たり1.5モルのN−アセチルシステインを加えて室温で1時間インキュベートすることによって急冷した。150mM NaClを含有する25mM Hisバッファー pH6.5に対して4℃で一晩透析した後、抗体−薬物複合体を、市販のクロマトグラフィーカラムおよび限外濾過装置に基づく当業者に公知の方法を使用することにより精製した。まず、非結合薬物とADC凝集物をS200(GE Life Sciences)またはTSK G3000 SW(Tosoh)カラムでのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により除去した。次に、精製されたADCモノマーを30または50kDa MWCO濾過装置での限外濾過またはプロテインAでのアフィニティークロマトグラフィーにより2〜3mg/mlまで濃縮した。精製されたADCを0.2μmフィルターで濾過除菌した後に4℃で保存した。それらをさらに、薬物コンジュゲーションを確認するために還元条件および非還元条件下でSDS−PAGEにより、また、モノマーおよび凝集形態の含量を決定するために分析的S200またはTSK G3000 SWXLカラムでのSECにより分析した。タンパク質濃度は、標品としてIgGを用いたビシンコニン酸(BCA)アッセイを使用することにより決定した。DARは各精製ADCに関してHICおよびLC−MSにより評価した。一般に、凝集形態の含量は5%未満であり、DARは3.5〜5の間を含んだ。
【0701】
実施例23:種々の薬物とカップリングされたIGF−1R抗体の細胞傷害性評価
5つのIGF−1R抗体は急速にリソソームへ内部移行されること、および酸性環境になると低結合能を有することが示された。この点で、これらのAbはADCとして使用されるべき総ての特性を備えていた。従って、これら5つのキメラ抗IGF−1R抗体を3つの異なる化合物(G−13、E−13およびF−63)とカップリングさせた。これらのADCの薬物抗体比は約4であった。非特異的細胞傷害性を評価するために、無関連キメラ抗体c9G4も同じDARでこれらの化合物とカップリングさせた。MCF−7細胞を完全培養培地で、37℃にて6日間、漸増濃度の各ADCとともにインキュベートした。細胞生存率は、発光細胞生存率アッセイ(CellTiter−Glo、Promega)を用いて評価した。発光シグナルはMithrasプレートリーダー(Berthold Technologies)を用いて読み取った。E−13、G−13またはF−63のいずれかとカップリングさせた無関連キメラ抗体c9G4は、MCF−7細胞で細胞傷害活性を全く示さなかったかまたは低活性であった(
図21)。これに対して、抗IGF−1R抗体をE−13、G−13またはF−63のいずれかとカップリングさせた後に得られた他の総てのADCを加えると、MCF−7細胞の生存率は劇的に低下した。
【0702】
実施例24:MCF−7異種移植モデルにおけるE−13、G−13またはF−63化合物のいずれかとコンジュゲートされたc208F2抗体のin vivo活性
G−13、E−13またはF−63化合物とカップリングされたc208F2のin vitro有効性がin vivoで翻訳可能であったことを確認するために、それらがMCF−7異種移植モデルで試験された。
【0703】
総ての動物手順は、科学目的で使用される動物の保護に関する2010/63/UE指令のガイドラインに従って実施した。プロトコールはピエール・ファーブル研究所の動物倫理委員会により承認されたものである。500万のMCF−7細胞を7週齢のスイス/ヌードマウスに皮下注射した。細胞注入前に、MCF−7腫瘍のin vivo成長に必要なエストロゲンを放出させるために、マウスの左側腹部にエストロゲンペレット(Innovative Research of America)を移植した。
【0704】
MCF−7細胞移植の20日後、腫瘍が120〜150mm
3の平均サイズに達した際に、腫瘍のサイズと外観に従って動物を5個体ずつの群に分けた。種々の処置剤を腹腔内注射により接種した。動物の健康状態を毎日監視した。腫瘍体積を電子カリパスで週に2回、試験の終了まで測定した。腫瘍体積は式:π/6×長さ×幅×高さで計算する。毒性は週に3回、動物の体重に従って評価した。統計分析は各尺度においてマン・ホイットニー検定を用いて行った。総ての化合物を腹膜内に(i.p.)注射した。この実施例では、E−13、F−13またはF−63のいずれかと約DAR4でカップリングされたc208F2 mAbの抗腫瘍活性は、D20およびD27に7mg/kg用量の2回の注射の後に評価した(
図22A、22Bおよび22C)。並行して、キャップされた薬物部分E−13、F−13およびF−63を、7mg/kgのc208F2−E−13、c208F2−F−13およびc208F2−F−63 DAR 約4に相当するものと同等の用量で注射した。
【0705】
c208−E−13(
図22A)、c208F2−G−13(
図22B)またはc208F2−F−63(
図22C)のいずれかの注射は、腫瘍成長を有意に阻害し、完全な腫瘍成長の退縮を誘導しさえした(対応するキャップ薬物に対してp<0.05)。c208−E−13、c208F2−G−13およびc208F2−F−63の間に統計的な活性の違いは認めることができなかった。キャップ薬物はMCF−7腫瘍の成長に影響を及ぼさなかった(対照群に対してp>0.05)。
【0706】
従前に記載したMCF−7異種移植モデルにおいて、E−13またはG−13のいずれかとカップリングされたc208F2およびE−13またはG−13のいずれかとカップリングされた無関連抗体c9G4を用いて第2の試験セットを実施した。D20およびD27に、マウスに7mg/kgの各ADCをi.p.注射した(
図23Aおよび23B)。
【0707】
c9G4−E−13とc9G4−F−13の両方の注射は、MCF−7異種移植腫瘍の成長にあまり大きくない一時的な影響を及ぼすだけであった。しかしながら、この第2の試験により、D43にADCの高い抗腫瘍活性が示されたことから、c208−E−13またはc208F2−G−13のいずれの注射も完全な腫瘍退縮を誘導したことが確認された。
【0708】
実施例25:種々の薬物とカップリングしたAxl ADCのin vitroにおける有効な細胞傷害性
腫瘍細胞成長の阻害に関するADCの細胞傷害活性を、SN12C(Axl
+ヒト腎細胞癌)およびMCF−7(Axl
−ヒト乳腺癌)を用いた細胞増殖アッセイで試験した。簡単に述べれば、薬物処理の前日に細胞を96ウェルマルチウェルプレートに2500細胞/ウェルで播種した。ADCおよび対照を連続希釈した後、mw−96プレートに加えた。次に、細胞を37℃および5%CO
2で6日間インキュベートした。細胞生存率を、CellTiter−Glo(商標)発光細胞生存率アッセイ(Promegaカタログ番号#G7571)を用いてウェル中のATPのレベルを測定することにより定量した。細胞生存率のパーセンテージを、無処理細胞を100%として計算した。非線形回帰分析(GraphPad Prism 4.0)を用い、無処理細胞(対照=100%)と比較して生存率に50%の低下をもたらすのに必要な化合物の濃度であるIC
50を求め、モル濃度で表した(
図28)。
【0709】
図28Aおよび28Bのデータは、E−13またはG−13のいずれかとコンジュゲートしたhz1613F12はそれぞれ1.048 10
−10M、1.413 10
−10MのIC
50値を示すことを示した。よって、E−13およびG−13は、1613F12などのAxl抗体とカップリングした際に強い細胞傷害性を誘発し得る。MCF7細胞(Axl
−)では細胞傷害性は見られない。
【0710】
実施例26:Calu−3異種移植モデルにおいてE−13またはG−13いずれかの化合物とコンジュゲートしたトラスツズマブ抗体のin vivo活性
G−13またはE−13化合物とカップリングした抗体のin vivo有効性を確認するために、それらをトラスツズマブとカップリングし、HER2増幅および(3
+)発現に関して既知のHER2感受性異種移植モデルCalu−3で試験した。抗体トラスツズマブ(Tratuzumab)は、Euromedex、24 Rue des Tuileries 67460 SOUFFELWEYERSHEIM/フランスから購入した。
【0711】
総ての動物手順は、科学目的で使用される動物の保護に関する2010/63/UE指令のガイドラインに従って実施した。プロトコールはピエール・ファーブル研究所の動物倫理委員会により承認されたものである。700万のCalu−3細胞を7週齢のSCIDマウスに皮下注射した。
【0712】
Calu−3細胞移植の6日後、腫瘍が250〜260mm
3の平均サイズに達した際に、腫瘍のサイズと外観に従って動物を6個体ずつの群に分けた。種々の処置剤を腹腔内注射により接種した。動物の健康状態を毎日監視した。腫瘍体積を電子カリパスで週に2回、試験の終了まで測定した。腫瘍体積は下記式:(長さ×幅
2)/2で計算する。毒性は週に3回、動物の体重に従って評価した。統計分析は各尺度においてマン・ホイットニー検定を用いて行った。総ての化合物を腹膜内に(i.p.)注射した。この実施例では、E−13またはG−13のいずれかと約DAR4でカップリングされたトラスツズマブ(Tratuzumab) mAbの抗腫瘍活性は、D6に3mg/kg用量の1回の注射の後に評価した。並行して、トラスツズマブ単独を、3mg/kg用量の裸の抗体に相当するものと同等の用量で注射した。
【0713】
トラスツズマブ−E−13(
図29A)またはトラスツズマブ−G−13(
図29B)のいずれかの注射は、腫瘍成長を有意に阻害し、総ての処置マウスで完全な腫瘍成長の退縮を誘導しさえした(対応する裸の抗体に対してp<0.05)。トラスツズマブ−E−13群とトラスツズマブ−G−13群の間に統計的な活性の違いは見られなかった。このCalu−3モデルにおいて公開されているデータ(Cretella et al. Molecular Cancer 2014, 13:143)、TDM−1は、その用量がトラスツズマブ−E−13またはトラスツズマブ−G−13のいずれに関して使用したものよりも高い場合であっても(6日ごとに各1回の注射3mg/kgに対して15mg/kg)、完全な退縮を誘導しなかった。
【0714】
実施例27:JIMT−1異種移植モデルにおけるE−13またはG−13いずれかの化合物とコンジュゲートしたトラスツズマブ抗体のin vivo活性
【0715】
トラスツズマブ抗体複合体がトラスツズマブに対して耐性であることが知られるモデルに対しても活性を示すかどうかを知るために、HER2発現が高いがトラスツズマブ療法に耐性であったJIMT−1異種移植モデルを評価した。総ての動物手順は、科学目的で使用される動物の保護に関する2010/63/UE指令のガイドラインに従って実施した。プロトコールはピエール・ファーブル研究所の動物倫理委員会により承認されたものである。700万のJIMT−1細胞を7週齢のSCIDマウスに皮下注射した。
【0716】
JIMT−1細胞移植の4日後、腫瘍が220〜230mm
3の平均サイズに達した際に、腫瘍のサイズと外観に従って動物を5個体ずつの群に分けた。種々の処置剤を腹腔内注射により接種した。動物の健康状態を毎日監視した。腫瘍体積を電子カリパスで週に2回、試験の終了まで測定した。腫瘍体積は下記式:(長さ×幅
2)/2で計算する。毒性は週に3回、動物の体重に従って評価した。統計分析は各尺度においてマン・ホイットニー検定を用いて行った。総ての化合物を腹膜内に(i.p.)注射した。この実施例では、E−13またはG−13のいずれかと約DAR4でカップリングされたトラスツズマブ mAbの抗腫瘍活性は、D6に3mg/kg用量の1回の注射の後に評価した(
図30Aおよび30B)。最初の試験では、本発明者らは、トラスツズマブ単独では抗腫瘍効果を持たなかったことを示した(
図30C)。この結果は、公開されているデータと一致する。
【0717】
トラスツズマブ−E−13(
図30A)またはトラスツズマブ−G−13(
図30B)のいずれかの注射は腫瘍成長を有意に阻害し、34日目にそれぞれ73%および70%の成長阻害まで低下させた。トラスツズマブ−E−13とトラスツズマブ−G−13の間に統計的な活性の違いは認めることができなかった。このCalu−3モデルにおいてすでに見られているように、また、このJIMT−1モデルにおいて公開されているデータ(Barok et al. Breast Cancer Research 2011, 13:R46)に比べて、TDM−1は、その用量がトラスツズマブ−E−13またはトラスツズマブ−G−13のいずれに関して使用したものよりも高い場合であっても(6日ごとに各1回の注射3mg/kgに対して15mg/kg)、効力が低いと思われる。