(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567558
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】外科手術ロボットシステムにおいてカメラ位置を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20190819BHJP
A61B 1/00 20060101ALN20190819BHJP
【FI】
A61B34/35
!A61B1/00 650
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-567614(P2016-567614)
(86)(22)【出願日】2015年5月6日
(65)【公表番号】特表2017-525401(P2017-525401A)
(43)【公表日】2017年9月7日
(86)【国際出願番号】US2015029427
(87)【国際公開番号】WO2015175278
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2018年3月13日
(31)【優先権主張番号】61/993,379
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】パイネ, ウィリアム
【審査官】
吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0059391(US,A1)
【文献】
特表2012−513845(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0161129(US,A1)
【文献】
特開2012−050887(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0310847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/35
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術システムであって、
少なくとも1つのロボットアームと、
カメラと、
コンソールと
を備え、
前記コンソールは、
第1のハンドルと、
第2のハンドルと、
ロボット制御モードとカメラ制御モードとの間で選択するように構成されているセレクタスイッチと、
前記ロボット外科手術システムの動作を制御するように構成されているコントローラと
を含み、
前記第1のハンドルまたは前記第2のハンドルは、前記ロボット制御モードにおいて、前記少なくとも1つのロボットアームを制御し、前記第1のハンドルおよび前記第2のハンドルは、前記カメラ制御モードにおいて、前記カメラを制御し、
前記カメラ制御モードが選択されると、前記コントローラは、前記第1のハンドルのための第1の設定点および前記第2のハンドルのための第2の設定点を記録し、
前記コントローラは、前記第1の設定点の周囲に第1の不感帯を生成し、前記第2の設定点の周囲に第2の不感帯を生成し、
前記第1のハンドルが前記第1の不感帯を越えて移動させられ、かつ、前記第2のハンドルが前記第2の不感帯を越えて移動させられると、カメラ機能が前記カメラによって実行され、
前記カメラ機能は、前記カメラの移動であり、前記カメラの移動速度は、(i)第1のハンドル位置と前記第1の設定点との間の距離、および、(ii)第2のハンドル位置と前記第2の設定点との間の距離に基づく、ロボット外科手術システム。
【請求項2】
前記コンソールからの信号に基づいて前記少なくとも1つのロボットアームを制御するように構成されている制御ユニットをさらに備えている、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項3】
前記コンソールは、
前記第1のハンドルを制御するように構成されている第1のモータと、
前記第2のハンドルを制御するように構成されている第2のモータと
を含む、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項4】
前記カメラ制御モードを起動すると、前記第1のハンドルおよび前記第2のハンドルは、位置制御状態に入り、前記位置制御状態において、前記第1のモータが前記第1のハンドルの設定位置を維持し、前記第2のモータが前記第2のハンドルの設定位置を維持する、請求項3に記載のロボット外科手術システム。
【請求項5】
前記第1のハンドルがユーザによって移動させられた後、前記第1のモータは、前記第1のハンドルを前記第1のハンドルの設定位置に戻す、請求項4に記載のロボット外科手術システム。
【請求項6】
前記第2のハンドルがユーザによって移動させられた後、前記第2のモータは、前記第2のハンドルを前記第2のハンドルの設定位置に戻す、請求項5に記載のロボット外科手術システム。
【請求項7】
ロボット外科手術システムにおいてカメラを制御する方法であって、前記ロボット外科手術システムは、第1のハンドルと、第2のハンドルと、セレクタスイッチと、コントローラと、記憶媒体とを有するコンソールを有し、前記記憶媒体は、命令を含み、前記命令は、前記コントローラによって実行されると、前記方法を実行することを前記ロボット外科手術システムに行わせ、前記方法は、
前記セレクタスイッチの起動に基づいて、前記コントローラが、前記ロボット外科手術システムをロボット制御モードからカメラ制御モードに遷移させることと、
前記コントローラが、前記第1のハンドルのための第1の設定点および前記第1の設定点の周囲の第1の不感帯を設定することと、
前記コントローラが、前記第2のハンドルのための第2の設定点および前記第2の設定点の周囲の第2の不感帯を設定することと、
前記第1のハンドルが前記第1の不感帯を越えて移動させられ、かつ、前記第2のハンドルが前記第2の不感帯を越えて移動させられると、前記カメラが、カメラ機能を実行することと
を含み、
前記カメラ機能は、前記カメラの移動であり、前記カメラの移動速度は、前記第1のハンドルが前記第1の設定点を越えて移動させられた距離および前記第2のハンドルが前記第2の設定点を越えて移動させられた距離に基づく、方法。
【請求項8】
前記外科手術システムは、第1のモータをさらに含み、前記方法は、力が前記第1のハンドルに加えられていないとき、前記第1のモータが、前記第1のハンドルを前記第1の設定点に維持することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記外科手術システムは、第2のモータをさらに含み、前記方法は、力が前記第2のハンドルに加えられていないとき、前記第2のモータが、前記第2のハンドルを前記第2の設定点に維持することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/993,379号(2014年5月15日出願、名称「CONTROLLING CAMERA POSITION IN A SURGICAL ROBOTIC SYSTEM」)に対する優先権を主張し、上記出願の内容は、参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
外科手術ロボットシステムは、外科医が低侵襲的外科手術を行うことをより容易にし、かつ疲れ難くする。従来の腹腔鏡下外科手術中、外科医は、外科手術中、外科手術器具を患者内で手動で方向づけ、移動させ、作動させていた。外科医は、長時間、扱いにくい位置において、外科手術器具を操縦し、保持し、起動させる必要があり、これは、不快感および疲労を生じさせていた。外科手術ロボットシステムは、不快感および疲労を低減させるために、外科医が外科手術器具のモータ式移動および作動を命令するために操作することを可能にする別個のコンソールおよび入力デバイスを有し得る。
【0003】
外科手術手技中、外科医は、患者の中に外科手術ポートを通して挿入される内視鏡カメラまたは腹腔鏡カメラを通して、手術部位の視覚的フィードバックを受信し得る。カメラ運動の制御は、音声制御(「左にパン」、「下にパン」、「ズームイン」等)、外科医がディスプレイ画面上の内視鏡画像を見るときの外科医の眼の追跡等の方法を使用して、または3次元マウスに類似した多軸力センサ等の別個の入力コントローラの使用(パンするために左、右、上、または下に押すこと、およびズームするために押し引きすること)によって遂行されている。
【0004】
前述に照らして、ユーザが、外科手術手技中、迅速かつ単純にカメラを移動させること、および/または視角を変更することを可能にするカメラ運動制御スキームの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボット外科手術システムが、本開示の側面において提供される。ロボット外科手術システムは、少なくとも1つのロボットアームと、カメラと、コンソールとを含む。コンソールは、第1のハンドルと、第2のハンドルと、ロボット制御モードとカメラ制御モードとの間で選択するように構成されているセレクタスイッチとを含む。システムにおいて、第1のハンドルまたは第2のハンドルは、ロボット制御モードにおいて、少なくとも1つのロボットアームを制御し、第1のハンドルおよび第2のハンドルは、カメラ制御モードにおいて、カメラを制御する。
【0006】
実施形態では、ロボット外科手術システムはまた、コンソールからの信号に基づいて少なくとも1つのロボットアームを制御するように構成されている制御ユニットを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、コンソールは、第1のハンドルを制御するように構成されている第1のモータと、第2のハンドルを制御するように構成されている第2のモータとを含む。カメラ制御モードを起動すると、第1のハンドルおよび第2のハンドルは、第1のモータが第1のハンドルの設定位置を維持し、第2のモータが第2のハンドルの設定位置を維持する、位置制御状態に入る。第1のハンドルがユーザによって移動させられた後、第1のモータは、第1のハンドルを第1のハンドルの設定位置に戻し、第2のハンドルがユーザによって移動させられた後、第2のモータは、第2のハンドルを第2のハンドルの設定位置に戻す。
【0008】
他の実施形態では、コンソールは、ロボット外科手術システムの動作を制御するように構成されているコントローラを含む。カメラ制御モードが選択されると、コントローラは、第1のハンドルのための第1の設定点および第2のハンドルのための第2の設定点を記録する。コントローラはまた、第1の設定点の周囲に第1の不感帯および第2の設定点の周囲に第2の不感帯を生成する。カメラ機能は、第1のハンドルが第1の不感帯を越えて移動させられ、かつ第2のハンドルが第2の不感帯を越えて移動させられると、カメラによって行われる。カメラ機能は、カメラの移動であり得、カメラ移動の速度は、(i)第1のハンドル位置と第1の設定点との間の距離、および、(ii)第2のハンドル位置と第2の設定点との間の距離に基づく。カメラ機能は、パン、フォーカス、機械的ズーム、デジタルズーム、または視認モード間の切り替えのうちの1つを含み得る。
【0009】
第1のハンドルと、第2のハンドルと、セレクタスイッチとを伴うコンソールを有するロボット外科手術システムにおいてカメラを制御する方法もまた、本開示の側面において提供される。方法は、セレクタスイッチを起動し、ロボット外科手術システムをロボット制御モードからカメラ制御モードに遷移させることを含む。方法はまた、第1のハンドルのための第1の設定点および第1の設定点の周囲の第1の不感帯を設定することと、第2のハンドルのための第2の設定点および第2の設定点の周囲の第2の不感帯を設定することとを含む。カメラ機能は、第1のハンドルが第1の不感帯を越えて移動させられ、かつ第2のハンドルが第2の不感帯を越えて移動させられると、行われる。
【0010】
いくつかの実施形態では、カメラ機能は、パン、フォーカス、機械的ズーム、デジタルズーム、または視認モード間の切り替えのうちの1つを含む。カメラ機能は、カメラの移動であり得、カメラ移動の速度は、第1のハンドルが第1の設定点を越えて移動させられた距離および第2のハンドルが第2の設定点を越えて移動させられた距離に基づく。
【0011】
他の実施形態では、方法は、力が第1のハンドルに加えられていないとき、第1のハンドルを第1の設定点に維持することと、力が第2のハンドルに加えられていないとき、第2のハンドルを第2の設定点に維持することとを含む。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ロボット外科手術システムであって、
少なくとも1つのロボットアームと、
カメラと、
コンソールと
を備え、
前記コンソールは、
第1のハンドルと、
第2のハンドルと、
ロボット制御モードとカメラ制御モードとの間で選択するように構成されているセレクタスイッチと
を含み、
前記第1のハンドルまたは前記第2のハンドルは、前記ロボット制御モードにおいて、前記少なくとも1つのロボットアームを制御し、前記第1のハンドルおよび前記第2のハンドルは、前記カメラ制御モードにおいて、前記カメラを制御する、ロボット外科手術システム。
(項目2)
前記コンソールからの信号に基づいて前記少なくとも1つのロボットアームを制御するように構成されている制御ユニットをさらに備えている、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目3)
前記コンソールは、
前記第1のハンドルを制御するように構成されている第1のモータと、
前記第2のハンドルを制御するように構成されている第2のモータと
を含む、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目4)
前記カメラ制御モードを起動すると、前記第1のハンドルおよび前記第2のハンドルは、位置制御状態に入り、前記位置制御状態において、前記第1のモータが前記第1のハンドルの設定位置を維持し、前記第2のモータが前記第2のハンドルの設定位置を維持する、項目3に記載のロボット外科手術システム。
(項目5)
前記第1のハンドルがユーザによって移動させられた後、前記第1のモータは、前記第1のハンドルを前記第1のハンドルの設定位置に戻す、項目4に記載のロボット外科手術システム。
(項目6)
前記第2のハンドルがユーザによって移動させられた後、前記第2のモータは、前記第2のハンドルを前記第2のハンドルの設定位置に戻す、項目5に記載のロボット外科手術システム。
(項目7)
前記コンソールは、前記ロボット外科手術システムの動作を制御するように構成されているコントローラを含む、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目8)
前記カメラ制御モードが選択されると、前記コントローラは、前記第1のハンドルのための第1の設定点および前記第2のハンドルのための第2の設定点を記録する、項目7に記載のロボット外科手術システム。
(項目9)
前記コントローラは、前記第1の設定点の周囲に第1の不感帯および前記第2の設定点の周囲に第2の不感帯を生成する、項目8に記載のロボット外科手術システム。
(項目10)
カメラ機能は、前記第1のハンドルが前記第1の不感帯を越えて移動させられ、かつ前記第2のハンドルが前記第2の不感帯を越えて移動させられると、前記カメラによって行われる、項目9に記載のロボット外科手術システム。
(項目11)
前記カメラ機能は、前記カメラの移動であり、前記カメラ移動の速度は、(i)第1のハンドル位置と前記第1の設定点との間の距離、および、(ii)第2のハンドル位置と前記第2の設定点との間の距離に基づく、項目10に記載のロボット外科手術システム。
(項目12)
前記カメラ機能は、パン、フォーカス、機械的ズーム、デジタルズーム、または視認モード間の切り替えを含む、項目10に記載のロボット外科手術システム。
(項目13)
ロボット外科手術システムにおいてカメラを制御する方法であって、前記ロボット外科手術システムは、第1のハンドルと、第2のハンドルと、セレクタスイッチとを伴うコンソールを有し、前記方法は、
前記セレクタスイッチを起動し、前記ロボット外科手術システムをロボット制御モードからカメラ制御モードに遷移させることと、
前記第1のハンドルのための第1の設定点および前記第1の設定点の周囲の第1の不感帯を設定することと、
前記第2のハンドルのための第2の設定点および前記第2の設定点の周囲の第2の不感帯を設定することと、
前記第1のハンドルが前記第1の不感帯を越えて移動させられ、かつ前記第2のハンドルが前記第2の不感帯を越えて移動させられると、カメラ機能を行うことと
を含む、方法。
(項目14)
前記カメラ機能は、パン、フォーカス、機械的ズーム、デジタルズーム、または視認モード間の切り替えを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記カメラ機能は、前記カメラの移動であり、前記カメラ移動の速度は、前記第1のハンドルが前記第1の設定点を越えて移動させられた距離および前記第2のハンドルが前記第2の設定点を越えて移動させられた距離に基づく、項目13に記載の方法。
(項目16)
力が前記第1のハンドルに加えられていないとき、前記第1のハンドルを前記第1の設定点に維持することをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目17)
力が前記第2のハンドルに加えられていないとき、前記第2のハンドルを前記第2の設定点に維持することをさらに含む、項目16に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の前述および他の側面、特徴、ならびに利点は、付随の図面と関連して検討されることによって、以下の発明を実施するための形態に照らしてより明白になるであろう。
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、ロボット外科手術システムのシステムブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンソールのシステムブロック図である。
【
図3A】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3B】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3C】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3D】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3E】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3F】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3G】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3H】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3I】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3J】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3K】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【
図3L】
図3A−3Lは、
図1の内視鏡カメラを制御するために使用される運動を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示される種々の実施形態は、ロボット外科手術システムと協働するようにも構成され得、これは、一般に、「遠隔外科手術」と称される。そのようなシステムは、種々のロボット要素を用いることにより、外科医を補助し、外科手術器具類の遠隔動作(または部分的遠隔動作)を可能にする。種々のロボットアーム、ギヤ、カム、プーリ、電気的および機械的モータ等が、この目的のために用いられ得、手術または治療の過程中、外科医を補助するように、ロボット外科手術システムとともに設計され得る。そのようなロボットシステムは、遠隔操向可能システム、自動フレキシブル外科手術システム、遠隔フレキシブル外科手術システム、遠隔関節運動外科手術システム、ワイヤレス外科手術システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔で動作させられる外科手術システム等を含み得る。
【0014】
ロボット外科手術システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する1つ以上のコンソールとともに用いられ得る。この事例では、外科医または看護士の1チームが、外科手術のために患者を準備し、ロボット外科手術システムを本明細書に開示される器具のうちの1つ以上のもので構成し、別の外科医(または外科医群)が、ロボット外科手術システムを介して、器具を遠隔で制御し得る。理解され得るように、高度な技術を持つ外科医は、その遠隔コンソールから離れずに、複数の場所における複数の手術を行い得、これは、患者または患者群に経済的に有利かつ有益であり得る。
【0015】
外科手術システムのロボットアームは、典型的には、コントローラによって、一対のマスタハンドルに結合される。ハンドルは、外科医によって移動させられ、本明細書に説明される実施形態のうちの1つ以上のものの使用を補完し得る任意のタイプの外科手術器具(例えば、エンドエフェクタ、把持装置、メス、剪刀等)の作業端の対応する移動をもたらすことができる。マスタハンドルの移動は、スケーリングされ得、作業端は、外科医の操作を行う手によって行われる移動と異なる、それより小さい、またはそれより大きい対応する移動を有する。スケーリング係数またはギヤ比は、オペレータが外科手術器具の作業端の分解能を制御し得るように調節可能であり得る。
【0016】
マスタハンドルは、種々の触知センサを含み、触知センサは、種々の組織パラメータまたは条件(例えば、操作、切断、または別様に治療することに起因する組織抵抗、組織上への器具による圧力、組織温度、組織インピーダンス等)に関連するフィードバックを外科医に提供し得る。理解され得るように、そのようなセンサは、外科医に、実際の動作条件をシミュレートする向上した触覚フィードバックを提供する。マスタハンドルは、繊細な組織操作または治療のための種々の異なるアクチュエータも含み、実際の動作条件を模倣するための外科医の能力をさらに向上させ得る。
【0017】
外科手術システムは、いくつかの事例では、外科手術ポートを通して患者の中(腹腔または胸腔であり得る)に挿入される内視鏡カメラまたは腹腔鏡カメラも用い得る。マスタハンドルは、パンおよびズーム等のカメラ機能を制御するために、外科医によって使用され得る。
【0018】
最初に、
図1を参照すると、外科手術ロボットシステムが、概して、システム10として示され、概して、複数のロボットアーム12、14と、制御デバイス16と、制御デバイス16と結合されるオペレーティングコンソール18とを含み得る。オペレーティングコンソール18は、特に、2次元(2D)画像または3次元(3D)画像を表示するように設定され得るディスプレイデバイス20と、マスタハンドル22、24とを含み得、人(図示せず)、例えば、外科医は、マスタハンドルを用いて、第1の動作モードにおいてロボットアーム12、14を遠隔操作可能であり得る。
【0019】
ロボットアーム12、14の各々は、関節を通して接続される複数の部材と、取り付けデバイス26、28とを含み得、例えば、以下により詳細に説明されるように、本明細書に開示されるいくつかの実施形態のうちの任意の1つによるエンドエフェクタ30を支持する外科手術ツール「ST」が、取り付けデバイスに取り付けられ得る。
【0020】
ロボットアーム12、14は、制御デバイス16に接続される電気駆動部(図示せず)によって駆動され得る。制御デバイス16(例えば、コンピュータ)は、特に、コンピュータプログラムによって駆動部を起動させるように設定され得、それによって、ロボットアーム12、14、それらの取り付けデバイス26、28、したがって、外科手術ツール(エンドエフェクタ30を含む)は、マスタハンドル22、24を用いて定義された移動に従って、所望の移動を実行する。制御デバイス16は、それがロボットアーム12、14および/または駆動部の移動を調整するようにも設定され得る。
【0021】
システム10は、エンドエフェクタ30を用いて低侵襲的様式で治療されるべき患者台34上に横たわる患者32に対する使用のために構成され得る。システム10は、3つ以上のロボットアーム12、14も含み得、追加のロボットアームは、同様に、制御デバイス16に接続され、オペレーティングコンソール18を用いて遠隔操作可能である。医療器具または外科手術ツール(エンドエフェクタ30を含む)はまた、追加のロボットアームに取り付けられ得る。システム10は、特に、制御デバイス16に結合されたデータベース36を含み得、例えば、患者/生物32からの術前データおよび/または解剖学的図表が、データベースに記憶され得る。
【0022】
コンソール18は、コンソールをロボット制御モードからカメラ制御モードに切り替えるためのセレクタスイッチ38を含み得る。ロボット制御モードにおいて、マスタハンドル22、24は、ロボットアーム12、14および/またはエンドエフェクタ30の動作を制御する。セレクタスイッチ38の起動に応じて、コンソールは、カメラ制御モードに切り替わり、マスタハンドル22、24は、カメラ40を制御するために使用され得る。本開示の実施形態とともに使用され得る例示的カメラとして、限定ではないが、2012年4月9日出願の米国特許出願第13/442,009号「TWIN CAMERA ENDOSCOPE」に記載のものが挙げられる。セレクタスイッチ38は、マスタハンドル22、24上のボタンまたはボタンの組み合わせ、フットペダル、認識される音声コマンドを判別可能な音声認識システム、またはユーザによるアクションを認識し、カメラ制御モードに入るための信号をコンソール18に提供することが可能な任意の他のデバイスであり得る。
【0023】
図2は、
図1のコンソール18のシステムブロック図である。前述のように、コンソール18は、ディスプレイ20と、マスタハンドル、22、24と、セレクタスイッチ38とを含む。コンソール18は、コントローラ42と、メモリ44とをさらに含む。コントローラ42は、種々の入力信号を制御デバイス16、マスタハンドル22、24、データベース36、セレクタスイッチ38、およびカメラ40から受信する。コントローラ42は、メモリ44内に記憶されたアルゴリズムに従って入力信号を処理し、出力信号を制御デバイス16、ディスプレイ20、カメラ40、およびモータ46、48に提供する。
【0024】
カメラ制御モードの動作は、
図1および2と併せて
図3A−3Lを参照しながら論じられる。カメラ制御モードに入ると、マスタハンドル22、24のうちの1つ以上のものは、トルク制御状態等の非位置制御状態から位置制御状態に入り得る。位置制御状態入ることは、電力をモータ46、48のうちの1つ以上のものに印加し、ユーザがセレクタスイッチ38を起動しカメラ制御モードに入ったときに観察された角度にそれぞれのマスタハンドル22、24の関節の全部または一部の位置を維持することをもたらし得る。位置制御状態に入ることは、マスタハンドル22、24またはマスタハンドル22、24の特定の運動軸が定位置に「固定」されることをもたらし得る。コントローラ42は、各マスタハンドル22、24に対する固定設定点50a、50bを記録する。マスタハンドル22、24は、少なくとも所定の最小力が加えられると、「固定」設定点50a、50bから押しのけられ得るが、マスタハンドル22、24は、加えられた力が低減させられると、「固定」設定点位置に戻り得る。マスタハンドル22、24は、したがって、XYZ方向(図示せず)における仮想ばね52(
図3A)およびロール、ピッチ、およびヨー(RPY)における仮想ねじりばねによって設定点に結び付けられているかのように行動し得る。
【0025】
各ロボットアーム12、14およびエンドエフェクタ30は、位置制御状態に入ると、各マスタハンドル22、24に接続されたままであり得るが、平行移動および/または向きに対する運動スケーリング係数は、より大きい値(例えば、3:1〜5:1の代わりに、100:1〜1000:1)に設定され得る。カメラ制御モードに切り替えられた1つ以上のマスタハンドル22、24の運動は、依然として、ロボット制御モードにおけるように、それぞれのマスタハンドル22、24に関連付けられた外科手術器具を移動させ得るが、外科手術器具の運動は、カメラ制御モードに切り替えられると、スケーリング係数変化に起因して、ロボット制御モードにおけるものよりマスタハンドル22、24に対して小さくあり得る。いくつかの事例では、異なる軸は、そのスケーリング係数を不変のままにされるか、または異なる量だけ調節され得る。例えば、ハンドルの向きの軸およびグリッパ軸が、1:1スケーリングのままである場合、外科医は、依然として、カメラ制御モードにある間、器具の微細な運動およびジョーの把持力を制御可能であろう。
【0026】
カメラ位置を制御するために、外科医は、カメラ制御モードに切り替えられたマスタハンドル22、24のうちの1つ以上のものを固定設定点50a、50bから離れるようにXYZ方向に変位させ、各関節の位置制御によって生じさせられる仮想ばね52に対して押し得る。カメラは、次いで、外科医が1つ以上のマスタハンドル22、24を押す方向にパンし得る。マスタハンドル22、24の2つが、カメラ制御モードに切り替えられる場合、外科医は、カメラをパンさせるために、マスタハンドル22、24の両方を同一方向に押すように要求され得る。例えば、外科医が、両マスタハンドル22、24を上に押す場合、カメラは、上にパンする。3つ以上のマスタハンドルが、カメラ制御モードに切り替えられる場合、外科医は、カメラをパンさせるために、所定の数のハンドルを同一方向に押すように要求され得る。
【0027】
図3B−3Lに関して本明細書に説明される実施例は、2つのハンドルを伴う入力デバイスが、両ハンドルをカメラ制御モードに切り替えられる状況に関するが、他の状況では、入力デバイスは、同一または異なる数の入力デバイスハンドルを有し得、同一または異なる数のその入力デバイスハンドルをカメラ制御モードに切り替えられ得る。カメラ制御モード中、コントローラ42は、各マスタハンドル22、24に対して固定設定点50a、50bの周囲に仮想「不感帯」54a、54bを生成する(
図3B参照)。外科医は、カメラを移動させるために、ハンドルをこの不感帯を越えて変位させる必要があるであろう。例えば、
図3Cに示されるように、左手および右手の両方が、マスタハンドル22、24を不感帯54a、54b内で変位させると、カメラの移動をもたらさない。
図3Dでは、左手は、マスタハンドルのうちの1つを不感帯54a内で移動させる一方、右手は、他方のマスタハンドルを不感帯54bを越えて移動させる。そのようなアクションは、両マスタハンドル22、24が不感帯54a、54bを越えて移動させられていないため、依然として、カメラの移動40をもたらさない。これは、雑音またはわずかなオフセットに起因する偶発的運動および低速ドリフトを最小化し得る。
【0028】
両マスタハンドル22、24が、不感帯54a、54bを越えて移動させられると、カメラ40は、マスタハンドル22、24が移動させられる方向にパンする。例えば、
図3Eおよび3Fでは、カメラ40は、上向きにパンする。パン運動のスピードは、外科医がマスタハンドル22、24を押した設定点50a、50bからの距離に関連し得る。
図3Eに示されるように、マスタハンドル22、24は、設定点50a、50bから比較的に短い距離に押されており、カメラ40の比較的に低速のパン動作をもたらす。
図3Fでは、マスタハンドル22、24は、設定点50a、50bから比較的に長い距離に押されており、カメラ40の比較的に高速パン動作をもたらす。外科医が、マスタハンドル22、24を下に押す場合、カメラは、
図3Gに示されるように、下にパンし得る。いくつかの事例では、運動は、外科医が(外科医の手の各々を用いてハンドルを1つずつ)マスタハンドル22および24を下に移動させることを要求し、制御をよりロバストにし、一方のハンドルだけの不注意による移動に対して影響を受けにくくし得る。同様に、マスタハンドル22および24を右に変位させると、カメラ40を右にパンさせ得(
図3H参照)、マスタハンドル22および24を左に移動させると、カメラ40を左にパンさせ得(
図3I参照)、マスタハンドル22および24を斜めに移動させると、カメラ40を斜めにパンさせ得る(
図3J参照)。
【0029】
外科医は、マスタハンドル22および24をコンソール18に向かって、もしくはその中に押すか、またはマスタハンドル22および24をコンソール18から離れるように引くことによって、カメラ40をズーム可能であり得る。カメラ40のズームは、組織等の物体により近づくように、またはそこから離れるように、カメラ40を移動させることによって遂行され得るが、カメラ上のモータ式レンズを使用しても行われ得る。カメラ40の回転は、マスタハンドル22、24を上と下とに異なるように移動させることによって制御され得る。画像を時計回りに回転させるために、外科医は、マスタハンドル22を下に、マスタハンドル24を上に押し得る。反時計回り回転は、マスタハンドル22を上に、マスタハンドル24を下に移動させることによって、遂行され得る。カメラ40の回転はまた、マスタハンドル22、24の回転自由度のうちの1つを使用して遂行され得る。例えば、カメラ40画像を時計回りに回転させるために、外科医は、ジンバルの最後の関節の周りに少なくとも1つまたは両方のマスタハンドル22、24を時計回りに回転させ得る。反時計回り回転は、少なくとも1つまたは両方のマスタハンドル22、24を反時計回りに回転させることによって、行われ得る。2つの代わりに、1つのハンドルを回転させること、またはカメラを回転させるように他の方法でハンドルのうちの1つ以上のものを操作すること等、他の回転スキームもまた、可能であり得る。マスタハンドル22、24の回転は、さらにまたは代わりに、レンズを使用して、カメラのフォーカスまたは機械的ズームを制御し得る。
【0030】
外科医が、セレクタスイッチ38を起動し、いくつかの事例では、カメラボタンまたはフットペダルを解放すること等によって、カメラ制御モードから切り替えると、運動スケーリング係数は、所定の値(例えば、3:1)またはカメラ制御モードに切り替えられる前に設定されていた値に戻り得る。コンソール18は、重力補償および外科医によるロボットアームの容易な操作のために、トルク制御状態等の非位置制御状態に戻り得る。
【0031】
他の構成もまた、可能であり得る。例えば、いくつかの事例では、ハンドル向き変更は、カメラビューをパンし得る。入力デバイスにおける任意の余分なまたは未使用の自由度が、カメラ40の1つ以上の側面を制御するために使用され得る。これらの側面は、限定ではないが、フォーカス、機械的ズーム、デジタルズーム、または画像をフィルタ処理し、隠された構造をハイライトする視認モード間の切り替えを含み得る。
【0032】
本明細書に説明されるような外科手術ロボットシステム10のカメラ40の制御は、外科手術手技の効率を改善し得る。効率は、例えば、カメラ制御モードに入り、カメラ40を移動させ、次いで、前のモードにおけるアクティビティを再開する(外科手術器具操作モードにおける外科手術器具の操作の再開等)ために必要とされる時間を短縮することによって、改善され得る。現在の外科手術ロボットシステムは、位置ベースのアプローチを使用してカメラ制御モードを行っている。これは、外科医がインターフェースハンドルを移動させるにつれて、カメラがハンドルの位置変化に追従することを意味する。ハンドルは、したがって、カメラを移動させるために、その元の位置からさらに変位される必要がある。入力デバイスハンドルは、次いで、外科医がカメラ制御モードから切り替えるとき、この変位された位置に留まる。その結果、外科医は、多くの場合、触知インターフェースのハンドルがインターフェース機構の作業空間内に再位置付けおよび/または再心合わせされ得るように、システムをクラッチ操作するように要求され、これは、追加の時間消費ステップを要求する。本明細書に説明されるカメラ制御スキームは、速度制御モードを使用して、カメラ40を移動させる。この速度制御モードでは、マスタハンドル22、24は、外科医がカメラ制御モードに入ったときにあった元の位置に留まる。マスタハンドル22、24は、外科医がカメラ制御モードを終了させるまで、元の位置に留まり続け、その時点で、外科医は、外科医がカメラ制御モードに入ったときと同一位置から前のモードにおける同一アクティビティを再開し得る。これは、カメラ制御モードを終了させた後、マスタハンドル22、24をクラッチ操作または再位置付けする必要性を排除し得る
カメラ移動のために使用される速度ベースの制御モードは、他のカメラシステムの制御スキームから容易に学習可能である、より直感的インターフェースも提供する。その結果、外科医がカメラ制御モードを用いて学習し、快適であると感じるために必要とされる時間は、短縮され得る。外科医はまた、カメラ移動スピードが、マスタハンドル22、24が設定点から変位される距離によって制御され得るので、カメラ40の位置を慎重に制御することが可能であり得る。速度ベースの制御はまた、外科医がマスタハンドル22、24を再位置付けまたはクラッチ操作することを要求せずに、マスタハンドル22、24を設定点からより遠くに移動させ、保持することによって、外科医がカメラ40を迅速に長距離移動させることをより容易にし得る。これは、外科医の手が速度ベースの制御モードにおいてわずかに移動することしか必要としないので、疲労を低減させ得る。
【0033】
本明細書に説明されるカメラ制御スキームでは、触知マスタハンドル22、24は、カメラ制御モードに切り替わる場合、外科手術器具の制御から係合解除される必要がない。器具制御から係合解除されないことによって、マスタハンドル22、24が、器具制御から係合解除され、次いで、器具制御に再係合される場合に生じ得る運動不連続を回避することが可能であり得る。さらに、向きおよび/またはグリッパ軸が、1:1スケーリングで有効なままである場合、外科医は、カメラ移動の間、器具の微細な制御を維持する能力を有する。外科手術手技に応じて、これは、外科医が、より効率的であり、手術時間を短縮させることを可能にし得る。外科医は、制御可能なままであり、組織が器具のジョーから滑落し始める場合、迅速に反応することができる。
【0034】
前述の実施形態は、カメラを特定の方向に特定の速度で移動させるために、両ハンドルが移動させられることを要求するが、他の実施形態では、マスタハンドルのうちの1つが、大まかな移動のために使用され得る一方、他方のマスタハンドルは、微細な移動のために使用され得る。
【0035】
本明細書に開示される実施形態は、本開示の実施例であり、種々の形態で具現化され得る。本明細書に開示される具体的構造および機能詳細は、限定としてではなく、請求項の基礎として、かつ事実上任意の適切に詳述される構造において本開示を種々に採用することを当業者に教示するための代表的基礎として解釈されるべきである。類似参照番号は、図の説明全体を通して、類似または同じ要素を指し得る。
【0036】
語句「ある実施形態では」、「実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、または「他の実施形態では」は、それぞれ、本開示による同一または異なる実施形態のうちの1つ以上のものを指し得る。「AまたはB」の形態における語句は、「(A)、(B)、または(AおよびB)」を意味する。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形態における語句は、「(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、B、およびC)」を意味する。
【0037】
本明細書に説明されるシステムはまた、1つ以上のコントローラを利用して、種々の情報を受信し、受信された情報を変換し、出力を生成し得る。コントローラは、任意のタイプのコンピューティングデバイス、算出回路、またはメモリ内に記憶される一連の命令を実行可能である任意のタイプのプロセッサもしくは処理回路を含み得る。コントローラは、複数のプロセッサおよび/またはマルチコア中央処理ユニット(CPU)を含み得、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、または同等物等の任意のタイプのプロセッサを含み得る。コントローラはまた、メモリを含み、データおよび/またはアルゴリズムを記憶し、一連の命令を行い得る。
【0038】
本明細書に説明される方法、プログラム、アルゴリズム、またはコードのいずれも、プログラミング言語またはコンピュータプログラムに変換される、もしくはそれで表され得る。「プログラミング言語」および「コンピュータプログラム」は、コンピュータへの命令を規定するために使用される任意の言語を含み、(限定ではないが)これらの言語およびその派生物、すなわち、Assembler、Basic、バッチファイル、BCPL、C、C+、C++、Delphi、Fortran、Java(登録商標)、Java(登録商標)Script、機械コード、オペレーティングシステムコマンド言語、Pascal、Perl、PL1、スクリプト言語、Visual Basic、それ自体がプログラムを規定するメタ言語、ならびにあらゆる第1、第2、第3、第4、および第5世代コンピュータ言語を含む。また、データベースおよび他のデータスキーマならびに任意の他のメタ言語も含まれる。解釈されるもの、コンパイルされるもの、またはコンパイルおよび解釈アプローチの両方を使用するものの言語間の区別は行わない。プログラムのコンパイルバージョンとソースバージョンとの間の区別もまた行わない。したがって、プログラムについての言及は、プログラミング言語が2つ以上の状態(ソース、コンパイル、オブジェクト、またはリンク等)で存在し得る場合、あらゆるそのような状態の言及である。プログラムについて言及は、実際の命令および/またはそれらの命令の意図も包含し得る。
【0039】
本明細書で説明される方法、プログラム、アルゴリズム、またはコードのいずれも、1つ以上の機械読み取り可能な媒体もしくはメモリ上に含まれ得る。用語「メモリ」は、プロセッサ、コンピュータ、またはデジタル処理デバイス等の機械によって読み取り可能な形態で情報を提供(例えば、記憶および/または伝送)する、機構を含み得る。例えば、メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、または任意の他の揮発性もしくは不揮発性メモリ記憶デバイスを含み得る。その上に含まれるコードまたは命令は、搬送波信号、赤外線信号、デジタル信号、および他の同様の信号によって表されることができる。
【0040】
前述の説明は、本開示の例証にすぎないことを理解されたい。種々の代替および修正が、本開示から逸脱することなく、当業者によって考案されることができる。例えば、本明細書に説明される拡張画像のいずれかは、臨床医に表示されるべき単一拡張画像に組み合わせられることができる。故に、本開示は、あらゆるそのような代替、修正、および変形例を包含することが意図される。添付の図面を参照して説明される実施形態は、本開示のある実施例を実証するためだけに提示される。前述および/または添付の請求項におけるものと実質的に異ならない、他の要素、ステップ、方法、および技法もまた、本開示の範囲内であることが意図される。