特許第6567592号(P6567592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6567592排水ユニット、排水システム、および排水方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567592
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】排水ユニット、排水システム、および排水方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/14 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
   E06B7/14
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-80476(P2017-80476)
(22)【出願日】2017年4月14日
(65)【公開番号】特開2018-178557(P2018-178557A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2018年6月12日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年3月7日東京ビッグサイトにおいて開催された「建築・建材展2017」で公開
(73)【特許権者】
【識別番号】500494499
【氏名又は名称】株式会社シマブン
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】藤戸 寛康
【審査官】 秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−242442(JP,A)
【文献】 特開平7−305569(JP,A)
【文献】 実開平5−10688(JP,U)
【文献】 特開平6−317074(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0250332(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/14
E06B 1/70
E06B 3/04−3/52
E05D 13/00
E03C 1/12−1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入する水を受容する有底箱状の本体部と、
該本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、前記本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部と、
扉の外周縁を受けて該扉を支持する長尺溝状の扉支持具と前記本体部との間に介設され、同扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部と、
前記本体部に連設され、該本体部内を排水路に連通する排水部とを備え
前記本体部は、底面に凹状の枡部を有し、該枡部の側壁部に、前記導水部に接続する第1連結口と前記排水部に接続する第2連結口とが対向して形成されると共に、前記導水部内から第1連結口を通る第1軸心と第2連結口から排水部内を通る第2軸心とが互いに平行に近接して配置される
排水ユニット。
【請求項2】
前記第1連結口の下縁は、
前記第2連結口の下縁よりも高位置に設定する
請求項1に記載の排水ユニット。
【請求項3】
前記第1連結口は、
前記第1軸心と第2軸心間にあって両軸心に平行な中間軸心の方向視において、前記第2連結口の内側に形成される
請求項1または請求項2に記載の排水ユニット。
【請求項4】
前記第2連結口の下縁の少なくとも一部は、
前記枡部の底面と略同一高さに設定する
請求項1、請求項2または請求項3に記載の排水ユニット。
【請求項5】
前記枡部には、
該枡部の底面から前記第2連結口を開口した側壁にかけて凹状の隅部を形成し、
該隅部に水を当てて水中の不純物の移動を抑える移動抑止構造を有する
請求項1、請求項2または請求項3に記載の排水ユニット。
【請求項6】
前記導水部は、
該導水部の流路底面に、
前記扉支持具側から第1連結口側に向かって下方傾斜する傾斜面を有する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の排水ユニット。
【請求項7】
前記通水部は、
前記本体部の内外を貫通する長尺のスリットであって、
該スリットは、前記扉支持具の長手方向に平行に複数形成される
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の排水ユニット。
【請求項8】
前記本体部は、
前記上部開口に、外側に張り出した長尺フランジ状の張出縁部を設け、
該張出縁部は、前記扉支持具の長手方向に略平行な部分のみに限定して配置することにより、同扉支持具の短手方向への水の流れを抑制する水切り構造を有する
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7に記載の排水ユニット。
【請求項9】
扉の外周縁を受けて該扉を支持する長尺溝状の扉支持具と、
流入する水を受容する有底箱状の本体部、該本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、前記本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部、前記扉支持具と本体部との間に介設され、同扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部、および、前記本体部に連設され、該本体部内を排水路に連通する排水部を有し、前記本体部は、底面に凹状の枡部を含み、該枡部の側壁部に、前記導水部に接続する第1連結口と前記排水部に接続する第2連結口とが対向して形成されると共に、前記導水部内から第1連結口を通る第1軸心と第2連結口から排水部内を通る第2軸心とが互いに平行に近接して配置される排水ユニットとを備える
排水システム。
【請求項10】
扉の外周縁を受けて該扉を支持する長尺溝状の扉支持具内に流入した水を、該扉支持具と排水ユニットの有底箱状の本体部との間に連通可能に介設された導水部を介して、前記本体部にまで導く導水ステップと、
前記扉支持具内からの水を、前記本体部の上部開口に着脱可能に覆設された蓋部の通水部を通って本体部内に流入する水と一緒に、前記本体部に連設された排水部を介して排水路へ排出する排水ステップとを備え、
前記本体部が、底面に凹状の枡部を有し、該枡部の側壁部に、前記導水部に接続する第1連結口と前記排水部に接続する第2連結口とが対向して形成されると共に、前記導水部内から第1連結口を通る第1軸心と第2連結口から排水部内を通る第2軸心とが互いに平行に近接して配置される構造であり、前記排水ステップにおいて、前記第1連結口から前記枡部内に流入した水が前記第2連結口に向かって直線的に流動する
排水方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水ユニット、排水システム、および排水方法に関する。詳しくは、簡単な構成でありながら、扉の外周縁の下端を受ける扉支持具に溜まる水を、排水ユニットを介して効率良く排水することができる、排水ユニット、排水システム、および排水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の出入口に設置されるスライド式扉には、このスライド式扉の外周縁の下端部を受けて摺動可能に支持する扉支持具として、長尺溝状のレールが採用され、このレールは、その溝部が地面よりも低くなるようにして埋設される場合が多い。
【0003】
このようなレールの一例として、特許文献1の図3に記載されているような下部ガイドレール91が提案されており、この下部ガイドレール91の構成を図13(a)および(b)に示す。下部ガイドレール91には、図13(b)に示すように、長尺溝状のガイド溝92が形成されており、この下部ガイドレール91は、スライド式扉90に一般的に使用される態様のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−321445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述の下部ガイドレール91にガイド溝92を介して摺動可能に支持されたスライド式扉90を、建物の屋外との出入口に設置した場合、雨水、雪解け水、洗浄水など(以下、「雨水等」とする)が、スライド式扉90の外表面に付着してそのまま流下したり、あるいは、地面上を伝って下部ガイドレール91まで流動したりするため、地面F1よりも低い位置にあるガイド溝92内部には雨水等が流入して溜まりやすく、しかも、溜まった水を排水路へ排出する経路もないことから、ガイド溝92からの排水は手作業で行う必要があり、排水作業の作業負荷が大きい。
【0006】
更に、風雨が続いてガイド溝92の容量を超えた水が流入すると、ガイド溝92の屋内側でスライド式扉90との隙間部分から屋内へ水が溢れ、屋内側に溢れた水は、屋内の床面F2を濡らしたり、あるいはフロアマット等に染みを作ったりするため、ガイド溝92内の水の拭き取りを頻繁に行う必要があり、この排水作業の作業頻度が高く、雨が長引けば長期間にわたって排水作業に拘束される恐れがある。
【0007】
加えて、ガイド溝92からの排水作業時には、スライド式扉90を一度開放してからガイド溝92を露出させる必要があり、強い風雨が続くような状況下では、排水作業を行うことで却って屋内の床面F2を濡らしてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、簡単な構成でありながら、扉の外周縁を受ける扉支持具に溜まる水を、排水ユニットを介して効率良く排水することができる、排水ユニット、排水システム、および排水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の排水ユニットは、流入する水を受容する有底箱状の本体部と、本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部と、扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具と本体部との間に介設され、扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部と、本体部に連設され、本体部内を排水路に連通する排水部とを備える。
【0010】
そして、流入する水を受容する有底箱状の本体部を備えるので、上部開口から本体部内に直接流入する水に加え、並設された扉支持具内に溜まる水も、例えば後述する導水部を介し流入させるようにして、この本体部を様々な排水の集水器として機能させることができる。
【0011】
更に、本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部を備えるので、歩行者が上部開口に足下を取られることなく蓋部上を通って扉に向かうことができると共に、蓋部を取り外して本体部内に容易にアクセスして清掃作業ができる。しかも、扉支持具内から溢れ出てきた水も、蓋部上に溜まることなく、孔やスリットのような通水部を介して本体部内に円滑に流入するため、歩行者が蓋部上で滑ることがない。これにより、本体部の集水器としての機能を充分に発揮させつつ、歩行者の通行性や清掃作業の作業性を高めることができる。
【0012】
加えて、扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具と本体部との間に介設され、扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部を備えるので、この導水部を介することにより、扉支持具内に溜まる水を排水ユニットの本体部に流入させることができる。
【0013】
そして、本体部に連設され、本体部内を排水路に連通する排水部を備えるので、この排水部を介することにより、本体部内に流入して集まった水を排水路へ排出することができる。このような、導水部、本体部、排水部を連設しただけの簡単な構成で、扉支持具内に溜まる水を、この排水部から排水路へ効率よく排出することができる。
【0014】
以上のような構成により、本発明の排水ユニットは、雨水等がスライド式扉の外表面に付着してそのまま流下する等して扉支持具内に溜まった際においても、従来のような手作業による排水作業を行うことなく、排水ユニットへの排水が自動的に行われるようにすることができる。これにより、排水作業の作業負荷が低減できると共に、扉支持具から水が溢れたり、排水作業のために扉を一度開放したりして、屋内の床面を濡らす等のトラブルを確実に防止することができる。
【0015】
しかも、たとえ、扉支持具内に土砂、小石、塵芥、木の枝等(以下、「不純物」とする)が溜まっても、このような不純物は、溜まった水と一緒に排水ユニットを介して排水路へ排出されるので、以前は、扉支持具と排水ユニットの各々について行っていた清掃作業を、排水ユニットのみで済ませることができる。これにより、扉支持具に関する清掃作業による作業負荷の削減も図ることができる。
【0016】
また、本体部が、底面に凹状の枡部を有し、枡部の側壁部に、導水部に接続する第1連結口と排水部に接続する第2連結口とが対向して形成されると共に、導水部内から第1連結口を通る第1軸心と第2連結口から排水部内を通る第2軸心とが互いに平行に近接して配置される場合は、第1連結口から枡部内に流入した水を第2連結口に向かって直線的に流動させることができる。これにより、枡部内の水の通過距離が短くなると共に、水の流れが層流的なものとなって排水速度が安定し、排水効率を向上させることができる。
【0017】
更に、枡部を、本体部の底面より低い位置に設定することができ、この高低差に伴って生じる水の流れにより、上部開口から本体部内に流入した水が導水部からの水に合流しても流速が低下しにくくなって、排水効率を更に向上させることができる。
【0018】
加えて、枡部を、水中の不純物を沈降させて貯留するトラップ構造部として機能させることができ、本体部内に水と一緒に流れ込んだ不純物の大半が枡部の底に沈積するので、枡部を中心とした清掃によって清掃作業の作業性を更に高めることができる。
【0019】
また、第1連結口の下縁を、第2連結口の下縁よりも高位置に設定する場合は、第1連結口から枡部内に流入した水を第2連結口の方向へ流下させるようにすることができ、互いに平行に近接配置される各軸心上に各連結口が対向して形成されることによる効果と相俟って、水を一層直線的に流動させることができる。
【0020】
更に、枡部内に水が溜まりすぎても、第2連結口からの排水が優先されて水面が第1連結口の下縁を超えにくくすることができ、枡部内の水が導水部へ逆流するのを防止することができる。
【0021】
また、第1連結口が、第1軸心と第2軸心間にあって両軸心に平行な中間軸心の方向視において、第2連結口の内側に形成される場合は、第1連結口から枡部内に流入した水の大部分を、周囲に分散させることなく第2連結口の方向に向かって流動させることができ、互いに平行に近接配置される各軸心上に各連結口が対向して形成されることによる効果等と相俟って、水を一層直線的に流動させることができる。
【0022】
また、第2連結口の下縁の少なくとも一部を、枡部の底面と略同一高さに設定する場合は、枡部内から第2連結口へ向かう水の流れを一層円滑にして、排水効率を更に向上させることができる。
【0023】
また、枡部が、枡部の底面から第2連結口を開口した側壁にかけて凹状の隅部を形成し、隅部に水を当てて水中の不純物の移動を抑える移動抑止構造を有する場合は、たとえ流水下部に粗大で重い不純物が存在しても、この粗大で重い不純物は隅部によって跳ね返され、それ以上の第2連結口内への移動が難しくなり、粗大で重い不純物の第2連結口内への流入を防いで、第2連結口に接続される排水部等の詰まりを確実に防止することができる。
【0024】
更に、前述したトラップ構造による効果と相俟って、本体部内に水と一緒に流れ込んだ不純物のほとんどを枡部の底に沈積させることができ、枡部を中心とした清掃によって清掃作業の作業性を更に一層高めることができる。
【0025】
また、導水部の流路底面に、扉支持具側から第1連結口側に向かって下方傾斜する傾斜面を有する場合は、導水部内に流入した水をこの傾斜面に沿うようにして流下させることで流速を速めることができ、枡部内の水の流速も速めて、排水効率を更に向上させることができる。
【0026】
なお、この傾斜面は、例えば、導水部の上面側が平坦で底面側が下り傾斜した側面視直角三角形状に形成された態様、導水部の底面側において、この側面視直角三角形状に形成した部分と平坦部分が組み合わされて側面視直角台形状に形成された態様、筒状の導水部内に傾斜面を形成する部材を挿着して形成した態様等が挙げられ、特に限定するものではない。
【0027】
更に、排水時には、扉支持具内に溜まった不純物が水と一緒に導水部内に流れ込むことがあるが、このような傾斜面が形成されていることによって、不純物、特に丸い砂等が転動して下方に移動しやすく、かつ、前述の如く水の流速も速くなるので、砂等が導水部内に溜まらずに枡部方向へ効率よく排出されると共に、排出された砂等は本体部や枡部の底に沈積してまとまる。
【0028】
これにより、前述の傾斜面は、排水効率の向上のみならず、導水部内の清掃を不要とし、排水ユニット内の清掃作業の効率を更に高めることができる。
【0029】
また、通水部が、本体部の内外を貫通する長尺のスリットであって、スリットは、扉支持具の長手方向に平行に複数形成される場合は、扉支持具内から溢れ出てきた水だけでなく、扉支持具と反対側から流れてきた水も、蓋部上を伝うように流さずに本体部内に円滑に流入するため、蓋部上に溜まるがない。これにより、扉へ向かう歩行者が蓋部上で滑らないようにして、歩行者の通行性を一層高めることができる。
【0030】
ここで、各スリットが扉支持具の長手方向と直交する場合は、扉へ向かう歩行者の進行方向とスリット間の蓋部が延びる方向とが一致して足裏と蓋部表面との接触面積が増加し、摩擦抵抗が減少して滑りやすくなる。特に、蓋部表面が厚い水膜で覆われたような状態では滑りやすい。
【0031】
これに対し、本発明のようにスリットが扉支持具の長手方向と平行する場合は、扉へ向かう歩行者の進行方向とスリット間の蓋部が延びる方向とが交差して足裏と蓋部表面との接触面積が減少し、摩擦抵抗が増加して滑りにくくなる。特に、足裏に、このような細いスリットと蓋部表面が交互に連続して配置されていると、蓋部の角の係止作用も加わり、たとえ蓋部表面が厚い水膜で覆われたような状態であっても滑りにくくなるため、各スリットは、扉へ向かう歩行者の足下について優れた滑り止め効果を発揮することができる。
【0032】
また、本体部が、上部開口に、外側に張り出した長尺フランジ状の張出縁部を設け、張出縁部は、扉支持具の長手方向に略平行な部分のみに限定して配置することにより、扉支持具の短手方向への水の流れを抑制する水切り構造を有する場合は、扉支持具と反対側から流れてきた水の流れに対して平行な上部開口の外周縁には、前述の張出縁部が設けられておらず、本体部の板厚方向断面のみからなる薄い縁部が露出するにすぎないため、水はこの縁部の上面を伝うように流れることができずに水切りされて本体部内に流下する。これにより、排水ユニットの上面を伝って扉まで流れる水の量を減少させ、扉支持具内に溜まる水自体を減らすことができる。
【0033】
上記の目的を達成するために、本発明の排水システムは、扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具と、流入する水を受容する有底箱状の本体部、本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部、扉支持具と本体部との間に介設され、扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部、および本体部に連設され、本体部内を排水路に連通する排水部を有する排水ユニットとを備える。
【0034】
そして、扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具を備えるので、扉の支持開閉に必要な部材を、扉外部の扉支持具に配置して扉自体には取り付けないようにすることができ、扉の大きさや重量の増加を抑制し、扉の設置性や開閉操作性の向上を図ることができる。
【0035】
更に、流入する水を受容する有底箱状の本体部、本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部、扉支持具と本体部との間に介設され、扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部、および本体部に連設され、本体部内を排水路に連通する排水部を有する排水ユニットを備えるので、雨水等がスライド式扉の外表面に付着してそのまま流下する等して扉支持具内に溜まった際においても、従来のような手作業による排水作業を行うことなく、排水ユニットへの排水が自動的に行われるようにすることができる。これにより、排水作業の作業負荷が低減できると共に、扉支持具から水が溢れたり、排水作業のために扉を一度開放したりして、屋内の床面を濡らす等のトラブルを確実に防止することができる。
【0036】
しかも、たとえ、扉支持具内に不純物が溜まっても、このような不純物は、溜まった水と一緒に排水ユニットを介して排水路へ排出されるので、以前は、扉支持具と排水ユニットの各々について行っていた清掃作業を、排水ユニットのみで済ませることができる。これにより、扉支持具に関する清掃作業による作業負荷の削減も図ることができる。
【0037】
詳しくは、流入する水を受容する有底箱状の本体部を有するので、上部開口から本体部内に直接流入する水に加え、並設された扉支持具内に溜まる水も、例えば後述する導水部を介し流入させるようにして、この本体部を様々な排水の集水器として機能させることができる。
【0038】
本体部の上部開口に着脱可能に覆設されると共に、本体部の内外を連通する通水部が形成された蓋部を有するので、歩行者が上部開口に足下を取られることなく蓋部上を通って扉に向かうことができると共に、蓋部を取り外して本体部内に容易にアクセスして清掃作業ができる。しかも、扉支持具内から溢れ出てきた水も、蓋部上に溜まることなく、孔やスリットのような通水部を介して本体部内に円滑に流入するため、歩行者が蓋部上で滑ることがない。これにより、本体部の集水器としての機能を充分に発揮させつつ、歩行者の通行性や清掃作業の作業性を高めることができる。
【0039】
扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具と本体部との間に介設され、扉支持具と本体部の両内部間を連通する導水部を有するので、この導水部を介することにより、扉支持具内に溜まる水を排水ユニットの本体部に流入させることができる。
【0040】
本体部に連設され、本体部内を排水路に連通する排水部を有するので、この排水部を介することにより、本体部内に流入して集まった水を排水路へ排出することができる。このような、導水部、本体部、排水部を連設しただけの簡単な構成で、扉支持具内に溜まる水を、この排水部から排水路へ効率よく排出することができる。
【0041】
上記の目的を達成するために、本発明の排水方法は、扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具内に流入した水を、扉支持具と排水ユニットの有底箱状の本体部との間に連通可能に介設された導水部を介して、本体部にまで導く導水ステップと、扉支持具内からの水を、本体部の上部開口に着脱可能に覆設された蓋部の通水部を通って本体部内に流入する水と一緒に、本体部に連設された排水部を介して、排水路へ排出する排水ステップとを備える。
【0042】
そして、扉の外周縁を受けて扉を支持する長尺溝状の扉支持具内に流入した水を、扉支持具と排水ユニットの有底箱状の本体部との間に連通可能に介設された導水部を介して、本体部にまで導く導水ステップを備えるので、雨水等がスライド式扉の外表面に付着してそのまま流下する等して扉支持具内に溜まった際においても、従来のような手作業による排水作業を行うことなく、雨水等を自動的に本体部に移動させることができる。これにより、排水作業の作業負荷が低減できると共に、扉支持具から水が溢れたり、排水作業のために扉を一度開放したりして、屋内の床面を濡らす等のトラブルを確実に防止することができる。
【0043】
しかも、たとえ、扉支持具内に不純物が溜まっても、このような不純物は、溜まった水と一緒に本体部に移動されるので、以前は、扉支持具と排水ユニットの各々について行っていた清掃作業を、排水ユニットのみで済ませることができる。これにより、扉支持具に関する清掃作業による作業負荷の削減も図ることができる。
【0044】
更に、扉支持具内からの水を、本体部の上部開口に着脱可能に覆設された蓋部の通水部を通って本体部内に流入する水と一緒に、本体部に連設された排水部を介して、排水路へ排出する排水ステップを備えるので、本体部を様々な排水の集水器として機能させるようにして、扉支持具内に溜まる水を、導水部、本体部、排水部を連設しただけの簡単な構成を介して排水部から排水路へ効率よく排出することができる。
【0045】
しかも、前述のような蓋部を覆設するので、歩行者が上部開口に足下を取られることなく蓋部上を通って扉に向かうことができると共に、蓋部を取り外して本体部内に容易にアクセスして清掃作業ができる。加えて、扉支持具内から溢れ出てきた水も、蓋部上に溜まることなく、孔やスリットのような通水部を介して本体部内に円滑に流入するため、歩行者が蓋部上で滑ることがない。これにより、本体部の集水器としての機能を充分に発揮させつつ、歩行者の通行性や清掃作業の作業性を高めることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明の排水ユニット、排水システム、および排水方法は、簡単な構成でありながら、扉の外周縁の下端を受ける扉支持具に溜まる水を、排水ユニットを介して効率良く排水することができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の第1実施形態に係る排水システムを示し、その中間部を一部省略した斜視図である。
図2図1に示す排水システムの分解斜視図である。
図3図1に示す排水システムの中間部を一部省略した平面図である。
図4図1に示す排水システムのX−X矢視断面図である。
図5図4に示す矢印Q方向から見た説明図である。
図6】本発明に係る排水システムの設置状態を示す斜視図であり、(a)は蓋部の通水部がスリットであり、(b)は蓋部の通水部が孔である。
図7】本発明の排水ユニットにおける導水部の変形例を示し、(a)は変形例1の断面図、(b)は変形例2の断面図、(c)は変形例3の断面図である。
図8】本発明の排水ユニットにおける枡部の変形例(変形例4)を示す断面図である。
図9】本発明の排水ユニットにおける本体部の変形例(変形例5)を示し、(a)は分解斜視図であり、(b)は(a)のY−Y矢視断面図である。
図10】本発明の排水ユニットにおける本体部の変形例(変形例6)の斜視図である。
図11】本発明の排水ユニットにおける本体部の変形例(変形例7)の分解斜視図である。
図12】本発明の排水方法のステップを示すフローチャートである。
図13】特許文献1記載の下部ガイドレールに摺動可能に支持されたスライド式扉を示し、(a)はスライド式扉の正面図、(b)は(a)のZ−Z矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1ないし図12を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする範囲内で付している。
【0049】
〔第1実施形態〕
本発明に係る排水システムAについて説明する。この排水システムAは、扉支持具1と本発明に係る排水ユニット2とを備えており、各部については以下詳述する。
【0050】
(扉支持具1)
図1ないし図6に示すように、扉支持具1は、扉の外周縁(本実施形態では図6に示すように、スライド式扉3の下縁)を受けて支持するステンレススチール製の器具であり、長尺かつ断面視凹溝状であって、溝部10の底面11には水抜き孔12が形成されると共に、この溝部10は、地面F1よりも下に位置するように埋設される部材である。
【0051】
そして、扉支持具1の上部開口1aの外周縁1a1には、外側に張り出した長尺フランジ状の張出縁部131、132が設けられている。この部分は、設置時において屋内側の床面F2と略面一となると共に、このうち排水ユニット2側に配置された張出縁部131は、後述する排水ユニット2の張出縁部202と当接して並設すべく適当な間隔を保持するためのスペーサーとして機能する。
【0052】
更に、スライド式扉3の支持開閉に必要な部材を、スライド式扉3の外部に設けた扉支持具1に配置してスライド式扉3自体には取り付けないようにしている。これにより、スライド式扉3の大きさや重量の増加を抑制し、スライド式扉3の設置性や開閉操作性の向上を図ることができる。
【0053】
(排水ユニット2)
排水ユニット2は、流入する水を受容する本体部20、本体部20の上部開口20aに着脱可能に覆設される蓋部22、前述の扉支持具1と本体部20との間に介設された導水部23、および本体部に連設された排水部24を有する。
【0054】
このうちの本体部20は、水密に設けられたステンレススチール製の直方形の有底箱体であり、扉支持具1と略同じ長さに形成されている。
【0055】
そして、本体部20は、上部が開口しており、この上部開口20aの外周縁20a1にも、扉支持具1の張出縁部131、132と同様、外側に張り出した長尺フランジ状の張出縁部201、202が設けられている。
【0056】
ただし、この張出縁部201、202は、外周縁20a1において、扉支持具1の長手方向に略平行な部分のみに限定して配置されており、短手方向の外周縁20a1には、本体部20の板厚方向断面のみからなる薄い縁部が露出することとなる。これにより、水がこの縁部の上面を伝うように流れることができずに水切りされることとなり、扉支持具1の短手方向への水の流れを抑制可能な水切り構造が構成される。
【0057】
更に、本体部20には、底面203の所要箇所に、凹状の枡部21が設けられている。この枡部21は、本体部20の長手方向と平行な長辺を有する長方形の底板210と、底板210の各辺から立設され、上縁が本体部20の底面203に接続する側壁部211と、枡部21の上部開口に着脱可能で複数の通水孔を有する排水皿219により構成される。
【0058】
この側壁部211のうち、扉支持具1側には、導水部23に接続する第1連結口230が形成され、扉支持具1と反対側には、排水部24に接続する第2連結口240が形成されている。そして、この第1連結口230と第2連結口240とは対向して形成されると共に、導水部23内から第1連結口230を通る第1軸心51と、第2連結口240から排水部24内を通る第2軸心52とが互いに平行に近接して配置されている。
【0059】
加えて、図5に示すように、第1連結口230の下縁230aは、第2連結口240の下縁240aよりも高位置に設定され、かつ、第1軸心51と第2軸心52間にあって両軸心に平行な中間軸心53の方向視において、第1連結口230は第2連結口240の内側に形成されている。
【0060】
蓋部22には、前述の如く、本体部20の上部開口20aに着脱可能に覆設されるものであって、本体部20の内外を連通する通水部が形成されている。そして、本実施形態においては、図6(a)に示すように、蓋部22は、本体部20の底面203に載置する簀子型であって、通水部として長尺のスリット221が形成され、このスリット221は、扉支持具1と略同じ長さであって、長手方向に平行に複数形成された態様である。
【0061】
より詳しくは、蓋部22は、複数本(本実施例では5本)の簀子部材222を所要間隔で並設して連結してなるものである。この簀子部材222は、細長帯状のステンレス板を上部の二箇所で下方に折曲して形成してあり、頂面222aが平面で蓋部22の上面を構成し、頂面の一端側から垂設した部分が支脚壁222bを構成する。なお、各支脚壁222bは、蓋部22を本体部20に設置したとき、上からの加重を支える高い剛性を付与するものである。
【0062】
各支脚壁222bには、並べたときに軸線を同じにした貫通孔(符号省略)が水平方向に複数(本実施形態では長さ方向の両側に一箇所ずつ、中央部分に一箇所の合計三箇所)を設けられ、この貫通孔に連結ボルト(符号省略)を挿入し、挿入端にナットを螺着して簀子部材222を連結する。隣接する支脚壁の間には間隔保持管(符号省略)が配され、間隔保持管に連結ボルトを嵌挿しており、これによって各支脚壁同士は一定の間隔を保持した状態(通水部であるスリット221が形成された状態)で固定される。
【0063】
導水部23は、前述の如く、扉支持具1と本体部20との間に介設されるものであって、扉支持具1と本体部20の両内部間を連通している。そして、本実施形態においては、導水部23は、上面231が略水平となる角パイプによって形成され、上面231において、前述した扉支持具1の水抜き孔12と対応する位置には、導水孔232が形成されている(図2参照)。
【0064】
排水部24は、本体部20内を図示せぬ排水路に連通するものであって、本実施形態では、先部に外ネジ241が切られた丸パイプによって形成されると共に、第2連結口240の下縁240aの一部が枡部21の底板210の底面210aと略同一高さに設定されている(図4参照)。なお、排水路としては、下水道、家庭用貯留槽、河川、湖畔、海までの水路等が挙げられるが、排水が可能なものであればよく、特に限定されるものではない。
【0065】
本実施形態において、扉支持具1は、前述の態様であるが、これに限定するものではなく、例えば、水抜き孔12は、溝部10内の側壁にも形成可能であるが、扉開閉時の音鳴り防止や排水効率の観点から、底面11に形成されることが好ましい。また、溝部10は、床面よりも上に位置してもよいが通行者が躓くおそれがあるので、安全性や見た目のまとまりの良さの観点から、埋設されることが好ましい。
【0066】
そして、本実施形態において、扉支持具1は、アルミニウム合金等の他の金属、あるいは合成樹脂等の他の材料で形成してもよいし、またはこれら材料の組み合わせによるものであってもよい。また、上部開口1aの外周縁1a1に、前述のような張出縁部131、132を設けない態様であってもよい。
【0067】
本実施形態において、蓋部22の通水部はスリット221であるが、これに限定するものではなく、図6(b)に示すように、通水部が貫通した複数の孔である態様の蓋部22aであってもよく、また、通水部が網状である(図示省略)等、本体部の内外を連通して通水可能なもので、所定の耐荷重性があればよい。
【0068】
(作 用)
図1ないし図6(特に図4)により、本発明の作用効果を説明する。図6(a)に示すように、扉支持具1は、前述の如くスライド式扉3の外周の下縁を受けて支持すると共に、溝部10に沿って開閉方向への動きをガイドできるようにしている。
【0069】
そして、このスライド式扉3は、建物の屋外との出入口に設置されているため、雨天時に、雨水は外表面に付着してそのまま流下したり、あるいは、地面上を伝う雨水が扉支持具1まで流動して流入したりする。
【0070】
しかしながら、本発明の排水システムAによれば、扉支持具1内に溜まった水は、水抜き孔12から導水部23に排出され、導水部23を介することで本体部20内へ流入させることができる。図4に、この水の流れW1を矢印線で示す。
【0071】
更に、覆設された蓋部22のスリット221を介し、地面上を伝う雨水も本体部20内に流入し、本体部20を様々な排水の集水器として機能させることができ、これは、図6(b)に示す、通水部が貫通した複数の孔の排水システムA1の場合も同様である。図4に、スリット221を介して本体部20に流入する水の流れW2、W3を矢印線で示す。
【0072】
加えて、本体部20は、前述の如く、上部開口20aに水切り構造を有するため、扉支持具1と反対側から流れてきた水を、例えば流れW3に示すように本体部20内に流下させることができ、排水ユニット2の上面を伝って扉まで流れる水の量を減少させ、扉支持具1内に溜まる水自体を減らすことができる。
【0073】
そして、本体部20の底面203に形成された枡部21では、前述の如く、側壁部211に第1連結口230と第2連結口240とが対向して形成されると共に、第1軸心51と第2軸心52とが互いに平行に近接して配置され、更に、第1連結口230の下縁230aが第2連結口240の下縁240aよりも高位置に設定され、加えて、第1連結口230が、中間軸心53の方向視において、第2連結口240の内側に形成されることによって、流れW1に示すように、第1連結口230から枡部21内に流入した水の大部分を、周囲に分散させることなく第2連結口240の方向に向かって直線的に流動させることができる。
【0074】
これにより、枡部21内の水の通過距離が短くなると共に、水の流れが層流的なものとなって排水速度が安定し、排水効率を向上させることができる。更に、枡部21を、本体部20の底面203より低い位置にあるので、この高低差によって、流れW2、W3に示す上部開口1aから本体部20内に流入する水の流れが加速されるため、導水部23からの水の流れW1の流速は低下しにくくなり、排水効率を更に向上させることができる。
【0075】
なお、第1連結口230の下縁230aが第2連結口240の下縁240aよりも高位置であるため、枡部21内に水が溜まりすぎても、第2連結口240からの排水が優先されて水面が第1連結口230の下縁230aを超えにくくすることができ、枡部21内の水が導水部23へ逆流するのを防止することができる(図4図5参照)。
【0076】
そして、枡部21の底面210aと第2連結口240の下縁240aの少なくとも一部とが略同一高さに設定されることによって、前述の第1連結口230の配置による作用効果と相俟って、枡部21内から第2連結口240へ向かう水の流れを一層円滑にして、排水効率を更に向上させることができる。そして、この第2連結口240に接続する排水部24により、本体部20内に溜まった水を排水路へ排出することができる(図5参照)。
【0077】
更に、蓋部22に、前述のようなスリット221が形成されることによって、扉支持具1内から溢れ出てきた水(流水W2)だけでなく、扉支持具1と反対側から流れてきた水(流水W3)も、蓋部22上を伝うように流さずに本体部20内に円滑に流入するため、蓋部22上に溜まるがことないことに加え、足裏と蓋部表面との接触面積が減少して摩擦抵抗が増加するため、扉へ向かう歩行者の足下について優れた滑り止め効果を発揮し、歩行者の通行性を一層高めることができる。
【0078】
なお、蓋部22は、大型の不純物が本体部20内に入り込むことを防止すると共に、蓋部22は、取り外すことで本体部20内に簡単にアクセスでき、内部を清掃できるようにしてある。
【0079】
加えて、枡部21を、水中の不純物を沈降させて貯留するトラップ構造部として機能させることができ、本体部20内に水と一緒に流れ込んだ不純物の大半を、流水によって枡部21内に集めて底に沈積させ、前述の蓋部22を取り外しての清掃の際には、枡部21を中心に清掃作業を行えばよく、清掃作業の作業性を更に高めることができる。
【0080】
以上のような構成により、本発明の排水システムA、A1は、雨水等がスライド式扉3の外表面に付着してそのまま流下する等して扉支持具1内に溜まった際においても、従来のような手作業による排水作業を行うことなく、排水ユニット2への排水が自然に行われるようにすることができる。これにより、簡易な構成でありながら、排水作業の作業負荷が低減できると共に、扉支持具1から水が溢れたり、排水作業のために扉を開放したりして、屋内の床面を濡らす等のトラブルを確実に防止することができる。
【0081】
しかも、たとえ、扉支持具1内に不純物が溜まっても、このような不純物は、溜まった水と一緒に排水ユニット2を介して排水路へ排出されるので、以前は、扉支持具1と排水ユニット2の各々について行っていた清掃作業を、排水ユニット2のみで済ませることができる。これにより、扉支持具1に関する清掃作業による作業負荷の削減も図ることができる。
【0082】
〔変形例1〜7〕
次に、本発明の変形例について説明する。なお、先に説明した各部と同様の構造部分については、その構造および作用効果の説明を省略する。先に説明した各部と同様の構造部分については、符号は一部省略するか、共通の符号を付している。
【0083】
〔変形例1:導水部23A〕
図7(a)に示す変形例1(導水部23A)は、導水部23の他の態様であり、略水平な上面231aに対し、底面233aにおいては、上面231aに形成された導水孔232の鉛直下方位置に、第1連結口230側に向かって大きく下方傾斜する傾斜面233a1が部分的に形成され、側面視直角台形状に設けられている。
【0084】
本変形例の導水部23Aによれば、扉支持具1側の水抜き孔12から排出された水が、底面233aの傾斜面233a1に沿って流下するので、導水部23Aの底面全体が水平である場合と比較して、扉支持具1側から第1連結口側230に向かう水の流速を速めることができる。
【0085】
〔変形例2:導水部23B〕
図7(b)に示す変形例2(導水部23B)は、導水部23の他の態様であり、略水平な上面231bに対し、底面233b全体が第1連結口230側に向かって下方傾斜するようにして、側面視直角三角形状に設けられている。
【0086】
本変形例の導水部23Bによれば、扉支持具1側から第1連結口230側に向かって下方傾斜が連続しているので、傾斜面である底面233bに沿って流下する水の流速を更に速めることができると共に、丸い砂等の不純物が底面233bに沿って転動して下方に向かいやすくすることができる。
【0087】
〔変形例3:導水部23C〕
図7(c)に示す変形例3(導水部23C)は、導水部23の他の態様であり、角パイプ状の導水部23C内に傾斜面を形成可能な傾斜形成部材235を挿着することによって、扉支持具1側から第1連結口230側に向かって下方傾斜する傾斜面235aが導水部23C内に形成されている。
【0088】
本変形例の導水部23Cによれば、扉支持具1側から第1連結口230側に向かって下方傾斜が連続しているので、傾斜面235aに沿って流下する水の流速を更に速めることができると共に、丸い砂等の不純物が傾斜面235aに沿って転動して下方に向かいやすくすることができる。
【0089】
加えて、前述の傾斜形成部材235を合成樹脂により形成し、導水部23C内に挿着することにより、溶接等の特殊技術を伴わない簡易な方法で、かつ安価に、導水部23C内に傾斜面を設けることができる。
【0090】
変形例1〜3の導水部23A、23B、23Cによれば、導水部23A、23B、23C内に流入した水を、傾斜面233a1、233b、235aに沿うように流下させることで、流速を速めることができる。これにより、枡部21内の水の流速も速めて、排水効率を更に向上させることができる。
【0091】
加えて、この排水の際に、扉支持具1内から水と一緒に排出された不純物が導水部23A、23B、23C内に溜まらずに枡部21方向へ効率良く排出され、そして、排出された不純物は、本体部20や枡部21の底に沈積してまとまるので、清掃作業時に取り出しやすい。このように、前述の傾斜面は、排水効率の向上のみならず、導水部23A、23B、23C内の清掃を不要とし、排水ユニットA内の清掃作業の効率を更に高めることができる。
【0092】
〔変形例4:枡部21A〕
図8に示す変形例4(枡部21A)は、枡部21の他の態様であり、底面に移動抑止構造218を有するものである。この移動抑止構造218は、枡部21Aの底面から第2連結口240を開口した側壁211にかけて凹状の隅部217を形成し、この隅部217に水を滞留させて水中の不純物の移動を抑えるものである。
【0093】
本変形例の枡部21Aによれば、たとえ流水下部に粗大で重い不純物が存在しても、この粗大で重い不純物は、この隅部217によって跳ね返され、それ以上の第2連結口240内への移動が難しくなり、粗大で重い水中の不純物を隅部217に留めるようにして、第2連結口240に接続された排水部24、及びそれにつながる下水管(図示省略)内に不純物が流入しにくくすることができ、排水部24等の詰まりを防止することができる。更に、前述したトラップ構造による効果と相俟って、本体部20内に水と一緒に流れ込んだ不純物のほとんどを枡部21Aの底に沈積させることができ、枡部21Aを中心とした清掃によって清掃作業の作業性を更に一層高めることができる。
【0094】
〔変形例5:本体部20A〕
図9(a)(b)に示す変形例5(本体部20A)は、本体部20の他の態様であり、底面203aに枡部が設けられておらず、本体部20Aの側壁部204aに第1連結口230と第2連結口240が直接形成されているものである。なお、本変形例においては、第1実施形態と同様に、第1連結口230と第2連結口240とが互いに平行に近接して配置されると共に、中間軸心53の方向視において、第1連結口230が第2連結口240の内側に形成されている。
【0095】
本変形例の本体部20Aによれば、第1連結口230と第2連結口240が形成された枡部を設けないことで、構成を簡略化することができ、これにより、製造効率の向上、製造コストの抑制を図ることができる。
【0096】
〔変形例6:本体部20B〕
図10に示す変形例6(本体部20B)は、本体部20Aの他の態様であり、導水部23が間隔を開けて複数(本変形例では3つ)設けられている。
【0097】
本変形例の本体部20Bによれば、導水部23が複数設けられていることによって、扉支持具1内からの排水を迅速かつ円滑に行うことができる。
【0098】
〔変形例7:本体部20C〕
図11に示す変形例7(本体部20C)は、本体部20の他の態様であり、前述の枡部21と同じ構成の枡部が、本体部20Cの長手方向に間隔を開けて複数(本変形例では3つ)設けられている。
【0099】
本変形例の本体部20Cによれば、導水部23および排水部24が対になって複数設けられていることによって、扉支持具1内からの排水を迅速かつ円滑に行うことができる共に、本体部20Cからの排水も迅速かつ円滑に行うことができる。
【0100】
〔排水方法〕
次に、前述した排水ユニット2を用いた排水方法について、図12により説明する。本発明の排水方法は、導水ステップS1と排水ステップS2を備える。
【0101】
導水ステップS1は、扉(本実施の形態では、前述の通りスライド式扉3)の外周縁を受けてスライド式扉3を支持する長尺溝状の扉支持具1内に流入した水を、扉支持具1と排水ユニット2の有底箱状の本体部20との間に連通可能に介設された導水部23を介して、本体部20にまで導くステップである。
【0102】
排水ステップS2は、扉支持具1内からの水を、本体部20の上部開口20aに着脱可能に覆設された蓋部22の通水部(本実施の形態では、前述の通りスリット221)を通って本体部20内に流入する水と一緒に、本体部20に連設された排水部24を介して排水路へ排出するステップである。
【0103】
導水ステップS1によれば、雨水等がスライド式扉3の外表面に付着してそのまま流下する等して扉支持具1内に溜まった際においても、従来のような手作業による排水作業を行うことなく、雨水等を自動的に本体部20に移動させることができる。これにより、排水作業の作業負荷が低減できると共に、扉支持具1から水が溢れたり、排水作業のためにスライド式扉3を一度開放したりして、屋内の床面F2を濡らす等のトラブルを確実に防止することができる。
【0104】
しかも、たとえ、扉支持具1内に不純物が溜まっても、このような不純物は、溜まった水と一緒に本体部20に移動されるので、以前は、扉支持具1と排水ユニット2の各々について行っていた清掃作業を、排水ユニット2のみで済ませることができる。これにより、扉支持具1に関する清掃作業による作業負荷の削減も図ることができる。
【0105】
更に、排水ステップS2によれば、本体部20を様々な排水の集水器として機能させるようにして、扉支持具1内に溜まる水を、導水部23、本体部20、排水部24を連設しただけの簡単な構成を介して排水部24から排水路へ効率よく排出することができる。
【0106】
しかも、前述のような蓋部22を覆設するので、歩行者が上部開口に足下を取られることなく蓋部22上を通ってスライド式扉3に向かうことができると共に、蓋部22を取り外して本体部20内に容易にアクセスして清掃作業ができる。加えて、扉支持具1内から溢れ出てきた水も、蓋部22上に溜まることなく、スリット221や孔を介して本体部20内に円滑に流入するため、歩行者が蓋部22上で滑ることがない。これにより、本体部20の集水器としての機能を充分に発揮させつつ、歩行者の通行性や清掃作業の作業性を高めることができる。
【0107】
以上のように、本発明を適用した排水ユニット、排水システム、および排水方法は、簡単な構成でありながら、扉の外周縁を受ける扉支持具に溜まる水を、排水ユニットを介して効率良く排水することができるものとなっている。
【0108】
本明細書および特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書および特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。また、第一、第二などの言葉は、等級や重要度を意味するものではなく、一つの要素を他の要素から区別するために使用したものである。
【符号の説明】
【0109】
A、A1 排水システム
1 扉支持具
1a 上部開口
1a1 外周縁
10 溝部
11 底面
12 水抜き孔
131、132 張出縁部
2 排水ユニット
20、20A、20B、20C 本体部
20a 上部開口
20a1 外周縁
201、202 張出縁部
203、203a 底面
204a 側壁部
21、21A 枡部
210 底板
210a 底面
211 側壁部
217 隅部
218 移動抑止構造
219 排水皿
22、22a 蓋部
221 スリット
222 簀子部材
222a 頂面
222b 支脚壁
23、23A、23B、23C 導水部
230 第1連結口
231、231a、231b 上面
232 導水孔
233a、233b 底面
233a1 傾斜面
235 傾斜形成部材
235a 傾斜面
24 排水部
240 第2連結口
240a 下縁
241 外ネジ
3 スライド式扉
51 第1軸心
52 第2軸心
53 中間軸心
F1 地面
F2 床面
S1 導水ステップ
S2 排水ステップ
W1、W2、W3 流水
90 スライド式扉
91 下部ガイドレール
92 ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13