(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリマー(F)が、0.1モル%〜10モル%の、式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む、請求項1に記載の方法。
前記組成物(F)が、前記組成物の総量に基づき、5容量%超の、少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
卓越した耐薬品性、耐熱性及び機械抵抗を備えるフルオロポリマーを基材とする多孔質膜は、当分野において公知である。
【0004】
フッ化ビニリデン(VDF)ポリマーの多孔質膜を製造するためによく用いられている方法の中でも、膜の表面を(メト)アクリル系モノマーでコーティング又はこれと架橋させる方法が当分野では周知である。
【0005】
例えば、米国特許第4774132号明細書(PALL CORPORATION)(1988年9月27日)は、ポリフッ化ビニリデン支持体上にビニルモノマーをグラフト重合することによって得られるフッ化ビニリデンポリマーを基材とする多孔質膜を製造する方法を開示している。好ましいビニルモノマーとしては、特に、アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0006】
また、過去には、追加のグラフト化/コーティングステップを一切必要としないVDFポリマーの膜が提案されており;例えば、欧州特許出願第1621573A号明細書(株式会社クレハ)(2006年2月1日)は、エポキシ、ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、アミド及び酸無水物基から選択される少なくとも1つの基を有する0.01〜10モル%のモノマーを含有するフッ化ビニリデン(VDF)コポリマーと、可塑剤及び好適な溶媒を含む組成物によって製造される多孔質膜を開示している。このようにして得られた組成物をフィルムに溶融押出して、フィルムを冷却することにより凝固させた後、可塑剤の抽出に付し、さらに延伸する。
【0007】
さらに、国際公開第2008/129041号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)(2008年10月30日)は、0.05〜10モル%の(メト)アクリル系モノマーを含む直鎖状半結晶質VDFコポリマーの多孔質膜を開示しており、このコポリマーでは、(メト)アクリル系モノマー由来の反復単位が、フッ化ビニリデン骨格全体を通してランダムに分布している。VDFコポリマーの多孔質膜を製造するために一般に用いられている方法は、典型的に、照射、フィルム伸長、テンプレート抽出、溶液沈殿法の1つを含む、少なくとも1つのステップを含む。
【0008】
エチレン/クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)又はエチレン/テトラフルオロエチレン(ETFE)ポリマーを基材とする膜も過去に開示されている。
【0009】
例えば、米国特許第4702836号明細書(旭化成)(1987年10月27日)は、ECTFE、ETFE及び/又はポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)から選択されるフッ素化樹脂から成る多孔質膜を開示している。これらの膜は、フッ素化樹脂、無機微粉材料、並びにクロロトリフルオロエチレンオリゴマーと特定の有機耐熱物質の混合物を含む組成物を溶融成形し、好適な溶媒を用いた抽出により、得られた成形品からクロロトリフルオロエチレンオリゴマー及び有機耐熱物質を除去し、そこから、好適な溶媒を用いた抽出により、無機微粉材料をさらに除去することによって得られる。
【0010】
また、国際公開第03/068374号パンフレット(US FILTER WASTEWATER GROUP)(2003年8月21日)は、ECTFEを含む多孔質ポリマー限界濾過又は精密濾過膜、並びにその製造方法を開示しており、この方法では、ECTFEと溶媒系の混合物を加熱した後、急速に冷却して、非平衡液−液相分離を起こすことにより、ポリマーが豊富な連続相とポリマーが希薄な連続相を形成した後、固体ポリマー材料からポリマーが希薄な相を除去する。
【0011】
最後に、欧州特許出願第1236503A号明細書(AUSIMONT S.P.A.)(2002年9月4日)は、(a)エチレン、(b)クロロトリフルオロエチレン又はテトラフルオロエチレン、及び(c)水素化モノマーを含む半結晶質フルオロポリマーの多孔質膜を開示しており、水素化モノマーは、特に、アクリル系モノマー、例えば、中でも、アクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、(ヒドロキシ)エチルヘキシルアクリレートであってよい。これらの膜は、好適な可塑剤を含む前記フルオロポリマーの溶液を処理した後、膜を好適な溶媒に浸漬して、そこから溶媒を抽出することによって製造される。
【0012】
しかし、いくつかの環境上の懸念から、現在、より好ましい毒性プロフィールを有する別の溶媒を用いて、フルオロポリマーの多孔質膜を製造する方法をみいだすための取り組みがなされている。
【0013】
従って、汚染溶媒の使用を回避することにより、前記溶媒の大量処理に関する費用、安全及び環境面での課題も解消すると共に、好都合な方法で、多孔質膜の取得を有利に可能にするフルオロポリマーを基材とする多孔質膜を製造する方法が、当分野では依然として求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明の目的は、多孔質膜の製造方法であり、この方法は、以下のステップを含む:
(i)以下:
−式(I):
(式中、
−R
1、R
2及びR
3は、互いに同じか、又は異なり、独立して、水素原子及びC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
−R
Xは、水素原子であるか、又はヒドロキシル、カルボキシル、エポキシド、エステル及びエーテル基から選択される少なくとも1つの官能基を含むC
1〜C
5炭化水素部分である)
を有する少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F)]と、
−少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)
を含む組成物[組成物(F)]を用意するステップ;及び
(ii)前記組成物(F)を処理して、フィルムを形成するステップ;
(iii)このようにして得られたフィルムを水性組成物で処理することにより、前記多孔質膜を得るステップ。
【0015】
本出願人は、驚くことに、本発明の方法によって、有機溶媒の使用を回避することにより、費用及び環境面での課題も軽減すると共に、フルオロポリマーを基材とする多孔質膜が有利に得られることをみいだした。
【0016】
「フルオロポリマー[ポリマー(F)]」という用語は、本明細書において、少なくとも1種のフッ素化コモノマー(F)由来の反復単位を含むポリマーを意味するものとする。
【0017】
「フッ素化コモノマー[コモノマー(F)]」という用語は、本明細書において、少なくとも1個のフッ素原子を含むエチレン性不飽和コモノマーを意味するものとする。
【0018】
最も好ましいフッ素化コモノマー(F)は、フッ化ビニリデン(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)及びフッ化ビニルがある。
【0019】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F)は、さらに、少なくとも1種の水素化コモノマー[コモノマー(H)]由来の反復単位を含んでもよい。
【0020】
「水素化コモノマー[コモノマー(H)]」という用語は、本明細書において、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和コモノマーを意味するものとする。
【0021】
好適な水素化コモノマー(H)の非制限的例として、特に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどのビニルモノマーがある。
【0022】
本発明の目的のために、「フィルム」という用語は、連続的で、一般に薄いシートを意味するものとする。「連続的」という用語は、本明細書において、凝集体のないフィルムを意味するものとする。
【0023】
本発明の目的のために、「多孔質膜」という用語は、それと接触する化学種の透過を緩和する、個別の、一般に薄い、界面を指すものとし、前記膜は、有限次元の孔、穴若しくは間隙を含む。「孔」、「穴」及び「間隙」という用語は、本発明に関して同義語として用いる。
【0024】
本発明の方法から得られる多孔質膜は、有利には、対称多孔質膜である。
【0025】
膜の厚さ全体に孔がランダムに分布している膜が、一般に対称多孔質膜として知られており;膜の厚さ全体に孔が不均質に分布し、しかも凝集体が存在する膜は、一般に、非対称多孔質膜として知られている。
【0026】
多孔質膜は、一般に、平均孔径(d)及び多孔度(ε)を特徴とし、多孔度は、多孔質である膜の体積率の測度である。
【0027】
本発明の方法のステップ(i)のフルオロポリマー[ポリマー(F)]は、前述した式(I)を有する少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を、典型的に、0.1モル%〜10モル%含む。
【0028】
(メト)アクリル系モノマー(MA)は、好ましくは、以下の式(II)に従う:
式中、
−R’
1、R’
2及びR’
3は、水素原子であり、
−R’
Xは、ヒドロキシル、カルボキシル及びエステル基から選択される少なくとも1つの官能基を含むC
1〜C
5炭化水素部分である。
【0029】
(メト)アクリル系モノマー(MA)は、より好ましくは、以下の式(III)に従う:
式中、
−R’’
1、R’’
2及びR’’
3は、水素原子であり、
−R’’
Xは、少なくとも1つのヒドロキシル基を含むC
1〜C
5炭化水素部分である。
【0030】
(メト)アクリル系モノマー(MA)の非制限的例としては、特に、ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、ヒドロキシエチルヘキシル(メト)アクリレートがある。
【0031】
モノマー(MA)は、以下のものから選択するのがさらに好ましい:
−式:
のアクリル酸ヒドロキシエチル(HEA);
−式:
のいずれかのアクリル酸2−ヒドロキシプロピル(HPA);及び
−これらの混合物。
【0032】
モノマー(MA)が、アクリル酸ヒドロキシエチル(HEA)であるとき、非常に優れた結果が得られている。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の方法の第1の実施形態によれば、本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F)は、以下:
−フッ化ビニリデン(VDF)由来の反復単位と、
−前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位
を含むフルオロポリマー[ポリマー(F
1)]である。
【0034】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、典型的に、少なくとも70モル%、好ましくは少なくとも80モル%、より好ましくは少なくとも90モル%のフッ化ビニリデン(VDF)由来の反復単位を含む。
【0035】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、典型的に、少なくとも0.1モル%、好ましくは少なくとも0.2モル%、より好ましくは少なくとも0.3モル%の、前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む。
【0036】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、典型的に、多くとも10モル%、好ましくは多くとも3モル%、より好ましくは多くとも1.5モル%の前述した式(I)の、少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む。
【0037】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、少なくとも1種の前述した他のフッ素化コモノマー(F)由来の反復単位をさらに含んでもよい。
【0038】
別のフッ素化コモノマー(F)が存在する場合、本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、典型的に、0.1モル%〜10モル%、好ましくは0.2モル%〜8モル%、より好ましくは0.5モル%〜7.5モル%の前記フッ素化コモノマー(F)由来の反復単位を含む。
【0039】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、好ましくは、以下:
−0.3モル%〜1.5モル%の、前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位
を含み、フッ化ビニリデン(VDF)由来の反復単位が、全反復単位の100モル%までを補充する、
フルオロポリマーである。
【0040】
本発明の方法の第1の実施形態の一変形例によれば、本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、0.5モル%〜7.5モル%のヘキサフルオロプロピレン(HFP)由来の反復単位をさらに含んでもよい。
【0041】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F
1)は、好ましくは、以下:
−0.3モル%〜1.5モル%の、前述した式(III)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位
を含み、フッ化ビニリデン(VDF)由来の反復単位が、全反復単位の100モル%までを補充する、
フルオロポリマーである。
【0042】
本発明の方法のステップ(i)の第1実施形態のポリマー(F
1)は、水性懸濁重合法又は水性乳化重合法によって製造することができる。本発明の方法のステップ(i)の第1実施形態のポリマー(F
1)は、好ましくは、国際公開第2008/129041号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.)(2008年10月30日)に記載のように、水性懸濁重合法によって製造する。
【0043】
本発明の方法の第2の実施形態によれば、本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F)は、以下:
−エチレン(E)由来の反復単位と、
−テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)及びこれらの混合物から選択されるフッ素化コモノマー(F)由来の反復単位と、
−前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位
を含むフルオロポリマー[ポリマー(F
2)]である。
【0044】
本発明の方法のステップ(i)の第2実施形態のポリマー(F
2)は、典型的に、0.1モル%〜10モル%の、前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む。
【0045】
本発明の方法のステップ(i)の第2実施形態のポリマー(F
2)は、好ましくは、10:90〜70:30のエチレン(E)及びフッ素化コモノマー(F)のモル比を有する。
【0046】
本発明の方法のステップ(i)の第2実施形態のポリマー(F
2)は、より好ましくは、以下:
−35モル%〜65モル%、好ましくは45モル%〜55モル%、より好ましくは48モル%〜52モル%の、エチレン(E)由来の反復単位と、
−65モル%〜35モル%、好ましくは55モル%〜45モル%、より好ましくは52モル%〜48モル%の、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)及び/又はテトラフルオロエチレン(TFE)由来の反復単位と、
−0.5モル%〜5モル%、好ましくは1モル%〜3モル%の、前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位
を含む。
【0047】
本発明の方法のステップ(i)の第2実施形態のポリマー(F
2)は、さらに好ましくはECTFEポリマーである。すなわち、フッ素化コモノマー(F)は、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)である。
【0048】
ポリ(アルキレンオキシド)(PAO)は、典型的に、100,000〜5,000,000、好ましくは200,000〜4,000,000、より好ましくは300,000〜2,000,000の数平均分子量を有する。
【0049】
ポリ(アルキレンオキシド)(PAO)は、典型的に、100,000〜5,000,000、好ましくは200,000〜4,000,000、より好ましくは300,000〜2,000,000の数平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)(PEO)であるのがより好ましい。
【0050】
一般に、本発明の範囲を制限することなく、本発明の方法のステップ(i)で用いられる少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の量が、本発明の方法によって得られる多孔質膜の多孔度(ε)及び平均孔径(d)を決定することは一般に理解されよう。
【0051】
本発明の方法のステップ(i)の組成物(F)は、典型的に、組成物の総量に基づき、5容量%超、好ましくは20容量%超、より好ましくは30容量%超の、少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を含む。
【0052】
少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の量の上限は特に重要ではない。しかし、組成物(F)は、一般に、組成物の総量に基づき、多くとも80容量%、好ましくは多くとも70容量%、より好ましくは多くとも65容量%の少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を含む。
【0053】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F)は、典型的に、標準的方法によって調製する。
【0054】
スタティックミキサー、強力ミキサーなど、通常の混合装置を用いることができる。優れた混合効率を得るためには、強力ミキサーが好ましい。
【0055】
本発明の方法のステップ(i)のポリマー(F)は、好ましくは、粉末の形態で、少なくとも1種のポリマー(F)と、少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を含む粉末状組成物(F
p)である。
【0056】
本発明の方法のステップ(ii)では、従来の方法によって、組成物(F)からフィルムを製造することができる。
【0057】
本発明の方法のステップ(ii)では、組成物(F)は、典型的に、フィルム押出によって処理する。この方法によれば、ダイを介して、組成物を押し出すことにより、溶融テープを取得し、次に、このテープを正確に測定してから、必要な厚さ及び幅が得られるまで、2方向に引っ張る。
【0058】
本発明の方法のステップ(ii)の好ましい実施形態によれば、溶融組成物を得るために、組成物(F)を溶融混合する。一般に、溶融混合は押出機で実施する。典型的には、一般に250℃未満、好ましくは200℃未満の温度で、ダイを介して組成物を押し出すことにより、ストランドを取得し、これを切断して、ペレットを得る。
【0059】
本発明の方法の組成物(F)の溶融混合を達成するためには、二軸スクリュー押出機が好ましい。
【0060】
次に、このようにして得られたペレットを従来のフィルム押出法により処理することによって、フィルムを製造することができる。フィルム押出は、好ましくは、フラットキャストフィルム押出法又はホットインフレートフィルム押出法により達成する。フィルム押出は、ホットインフレートフィルム押出法により達成するのが好ましい。
【0061】
このようにして得られたフィルムは、有利には、ポリマー(F)及びポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の連続フィルムである。
【0062】
特に好ましいフィルムは、250μm未満、好ましくは200μm未満、より好ましくは150μm未満の厚さを有するものである。
【0063】
本発明の方法のステップ(iii)では、典型的に、90℃未満、好ましくは75℃未満、より好ましくは65℃未満の温度で、フィルムを水性組成物で処理する。
【0064】
本発明の方法のステップ(iii)では、典型的に、10時間未満、好ましくは8時間未満の時間にわたって、フィルムを水性組成物で処理する。
【0065】
当業者であれば、要求される平均孔径(d)及び多孔度(ε)を有する多孔質膜を取得するために、上記のように得られたフィルムを水性組成物で処理することを可能にする好適な標準的方法は周知である。
【0066】
本発明の方法のステップ(iii)の水性組成物は、1種以上の他の液体媒質をさらに含んでもよい。
【0067】
本発明の方法のステップ(iii)で用いることができる好適な液体媒質としては、特に、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族アルコール、例えば、メタノール及びイソプロパノールなどがある。
【0068】
50重量%超、好ましくは60重量%超、より好ましくは80重量%超の量で水を含む水性組成物を用いて、優れた結果が得られている。
【0069】
ほぼ水から成る水性組成物を用いて、非常に優れた結果が得られている。
【0070】
本発明の方法のステップ(iii)では、好ましくは、90℃未満の温度の水浴にフィルムを浸漬する。
【0071】
本出願人は、本発明の範囲を制限することなく、本発明の方法のステップ(ii)で得られたフィルムを水性組成物で処理することにより、有利なことに、ポリ(アルキレンオキシド)(PAO)が、少なくとも部分的に、さらには、ほぼ完全に(特定のケースにおいて)前記フィルムから抽出され、稠密フィルムの初期連続構造に穴を残し、これによって、本発明の方法から多孔質膜が好適に得られると考える。
【0072】
本発明の範囲を制限することなく、多孔質膜の多孔度(ε)は、一般に、本発明の方法のステップ(ii)によって得られるフィルムから抽出されるポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の量の増加と共に、典型的に、増大すると理解される。
【0073】
当業者は、本発明の方法のステップ(iii)で適切な処理条件を選択することにより、本発明の方法のステップ(iii)によって得られる多孔質膜に残留しうる少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の割合を調整する。
【0074】
本発明の方法のステップ(iii)によって得られる多孔質膜は、典型的に、前記多孔質膜の総量に基づき、20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の量で、少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を含んでもよい。
【0075】
本出願人は、驚くべきことに、前述した少なくとも1種のポリマー(F)を基材とし、さらに少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を含む多孔質膜が、有利なことに、増強された親水性を備えていることをみいだした。
【0076】
本発明の方法のステップ(iii)の液体組成物での、本発明の方法のステップ(ii)によって得られるフィルムの処理後、通常、少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)をさらに含む水性組成物が得られる。公知の技術(例えば、T.G.M.,Van de Ven,et al.PEO−induced flocculation of fines:effects of PEO dissolution conditions and shear history.Colloids and Surfaces A:Physicochem.Eng.Aspects.2004,vol.248,p.151−156.を参照)を用いて、前記液体組成物から、ポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を濾過することができる。従って、本発明の方法から、ポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を有利に回収することができる。
【0077】
このようにして得られた多孔質膜は、フラットシート状であってもよいし、又は薄いチューブ若しくは線維(中空糸膜)の形態で製造することもできる。高い流束が要求される場合、フラットシート膜が一般に好ましい。中空糸への膜の形成は、大きな表面積を含むコンパクトモジュールが要求される場合、特に有利である。
【0078】
本発明の方法のステップ(iii)によって得られる多孔質膜は、典型的に、液体組成物から回収され、典型的に、概して150℃未満、好ましくは100℃未満の温度で乾燥させることにより、乾燥した多孔質膜を取得する。
【0079】
乾燥多孔質膜は、典型的に、有利には、少なくとも0.01μm、好ましくは少なくとも0.05μm、より好ましくは少なくとも0.1μm、また、有利には、多くとも25μm、好ましくは多くとも10μm、より好ましくは多くとも5μm、さらに好ましくは多くとも1μmの平均孔径(d)を有する。
【0080】
乾燥多孔質膜は、典型的に、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、有利には、多くとも90%、好ましくは多くとも80%の多孔度(ε)を有する。
【0081】
乾燥多孔質膜は、典型的に、250μm未満、好ましくは200未満、より好ましくは150μm未満の厚さを有する。
【0082】
本発明の別の目的は、以下:
式(I):
(式中、
−R
1、R
2及びR
3は、互いに同じか、又は異なり、独立して、水素原子及びC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
−R
Xは、水素原子であるか、又はヒドロキシル、カルボキシル、エポキシド、エステル及びエーテル基から選択される少なくとも1つの官能基を含むC
1〜C
5炭化水素部分である)
を有する少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F)]と、
−少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)
を含む組成物から成るフィルムである。
【0083】
本発明のフィルムのフルオロポリマー[ポリマー(F)]及びポリ(アルキレンオキシド)(PAO)は、上に定義した通りである。
【0084】
本発明のフィルムは、好ましくは、以下:
−前述した式(I)の少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F)]と、
−少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)
から構成される組成物から製造される。
【0085】
本発明のフィルムは、本発明の方法のステップ(i)の組成物(F)を処理することによって、本発明の方法のステップ(ii)に従い、有利に得られる。
【0086】
また、本発明の別の目的は、本発明のフィルムから製造される多孔質膜である。
【0087】
本発明の多孔質膜は、本発明の方法のステップ(iii)に従い、有利に得られる。
【0088】
さらに、本発明の別の目的は、以下:
式(I):
(式中、
−R
1、R
2及びR
3は、互いに同じか、又は異なり、独立して、水素原子及びC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
−R
Xは、水素原子であるか、又はヒドロキシル、カルボキシル、エポキシド、エステル及びエーテル基から選択される少なくとも1つの官能基を含むC
1〜C
5炭化水素部分である)
を有する少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F)]と、
−前述した多孔質膜の総重量に基づき、20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の量の、少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)
を含む多孔質膜である。
【0089】
本発明の多孔質膜のフルオロポリマー[ポリマー(F)]及びポリ(アルキレンオキシド)(PAO)は、上に定義した通りである。
【0090】
本発明の多孔質膜は、好ましくは、以下:
前述の式(I)を有する少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F)]と、
−前記多孔質膜の総重量に基づき、20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の量の少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)
から構成される。
【0091】
本発明の多孔質膜は、本発明の方法のステップ(iii)に従い、有利に得られる。
【0092】
さらに、本発明の別の目的は、以下:
式(I):
(式中、
−R
1、R
2及びR
3は、互いに同じか、又は異なり、独立して、水素原子及びC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
−R
Xは、水素原子であるか、又はヒドロキシル、カルボキシル、エポキシド、エステル及びエーテル基から選択される少なくとも1つの官能基を含むC
1〜C
5炭化水素部分である)
を有する少なくとも1種の(メト)アクリル系モノマー(MA)由来の反復単位を含む少なくとも1種のフルオロポリマー[ポリマー(F)]と、
−少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)
を含む組成物である。
【0093】
本発明の組成物のフルオロポリマー[ポリマー(F)]及びポリ(アルキレンオキシド)(PAO)は、上に定義した通りである。
【0094】
本発明の組成物は、有利には、本発明の方法のステップ(i)の組成物(F)である。
【0095】
また、本発明の別の目的は、リチウムイオン電池のセパレータとしての本発明の多孔質膜の使用である。
【0096】
リチウムイオン電池のセパレータとしての使用に好適な多孔質膜の非制限的例としては、特に、50μm未満、好ましくは25μm未満の厚さを有するものがある。
【0097】
ポリマー(F)が前述のポリマー(F
1)である、前述の組成物から製造される多孔質膜は、リチウムイオン電池のセパレータとしての使用に特に好適であることがわかっている。
【0098】
また、本発明のさらに別の目的は、特に、水性媒体における、及び生物医学的用途での、精密濾過及び限外濾過膜などの濾過膜としての本発明の多孔質膜の使用であり、例えば、血液透析、薬物の徐放、腎臓、肺及び膵臓などの人工臓器のためのその使用である。
【0099】
ポリマー(F)が前述のポリマー(F
2)である、前述の組成物から製造される多孔質膜は、濾過膜としての使用及び生物医学的用途での使用に特に好適であることがわかっている。
【0100】
万一、参照として本明細書に組み込まれるいずれかの特許、特許出願及び刊行物の開示内容が、ある用語を不明にする程度まで、本願の記載内容と矛盾する場合には、本明細書の記載内容が優先されるものとする。
【0101】
以下の実施例を参照にしながら、本発明をさらに詳しく説明することにする。尚、これらの実施例の目的はあくまで説明であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0102】
原材料
ASTM D1238に従い(190℃、5Kg)測定して、メルトフローインデックスが、9.3g/10分のVDF/HFPポリマー。
以下に記載するように調製され、ASTM D1238に従い(190℃、5Kg)測定して、メルトフローインデックスが、4.3g/10分のVDF/HFP/HEAポリマー。
ASTM D1238に従い(190℃、5Kg)測定して、メルトフローインデックスが、2.3g/10分のSOLEF(登録商標)21510VDF/HFPポリマー。
ASTM D1238に従い(190℃、5Kg)測定して、メルトフローインデックスが、8.5g/10分のSOLEF(登録商標)6008VDFホモポリマー。
PEO−1:数平均分子量が、600,000〜800,000のポリ(エチレンオキシド)。
PEO−2:数平均分子量が、1,000,000〜1,200,000のポリ(エチレンオキシド)。
PEO−3:数平均分子量が、約400,000のポリ(エチレンオキシド)。
【0103】
多孔度の決定
乾燥した多孔質膜の多孔度[体積%]を以下の式に従って測定した:
式中、
−Xは、フィルムから抽出されるポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の量を表し、
−Yは、フィルム中のポリ(アルキレンオキシド)(PAO)の重量%を表す。
【0104】
イオン導電率の決定
ポリマーのフィルムを、炭酸エチレン/炭酸プロピレン(1:1重量比)中のLiPF
61Mの電解質溶液に浸漬し、乾燥グローブボックス内に24時間室温で保存した。得られたポリマー電解質を2つのステンレス鋼電極の間に配置して、容器内に密封した。ポリマー電解質の抵抗を測定した後、以下の等式を用いて、イオン導電率([σ])を計算した:
式中、dは、フィルムの厚さであり、R
bは、体抵抗であり、Sは、ステンレス鋼電極の面積である。
【0105】
VDF/HFP/HEAポリマーの調製
880rpmの速度で作動するインペラーを備えた4リットル反応器内に、2410gの脱イオン水と0.723gのMETHOCEL(登録商標)K100GR沈殿防止剤を順に導入した。反応器をガス抜きしてから、窒素で1バールまで加圧し、イソドデカン中のt−アミルパーピバレート開始剤の75容量%溶液8.1gを反応器に導入した後、323gのHFPモノマーと882gのVDFモノマーを導入した。次に、最終圧力110バールまで反応器を55℃に徐々に加熱した。試験全体を通して、温度を55℃に一定に維持した。合計682mlまでHEAモノマーの13.28g/l水溶液を供給することにより、試験全体を通して圧力を110バールに一定に維持した。372分後、大気圧に達するまで懸濁液をガス抜きすることにより、重合ランを停止した。このようにして得られたポリマーを回収し、脱イオン水で洗浄した後、50℃のオーブンで乾燥した(825g)。このようにして得られたポリマーは、NMRにより測定して、6.6モル%のHFP及び0.5モル%のHEAを含有していた。
【0106】
フィルム製造のための一般的手順
粉末混合及び顆粒化
ポリマーとポリ(アルキレンオキシド)(PAO)を粉末状でブレンドし、3段パドルミキサーを備える高速ミキサーで混合することにより、必要な容量比を有する均質な粉末混合物を取得した。混合物を300rpmで3分間撹拌した後、6つの温度ゾーンと4mm−2ホールダイを備えるLEISTRITZ LSM30/34二軸スクリュー押出機での押出により処理した。押出機における温度のセットは、140℃から180℃まで変動する。押出されたストランドを空気中で冷却し、乾燥させた後、ペレット製造機で切断した。
【0107】
このようにして得られたペレットから、フラットキャストフィルム押出又はホットインフレートフィルム押出のいずれかにより、フィルムを製造した。
【0108】
フラットキャストフィルム押出
210℃に維持した5つの温度ゾーン及び0.5mmx100mmテープダイを備える一軸スクリューBraebender押出機(スクリュー速度=25rpm)でペレットを処理した。ダイからの排出後、溶融テープを温度115℃に維持した2つの連続したチルロール上に巻き出し、これらの速度を、約50μmのフィルム厚さを得るように調整した。
【0109】
ホットインフレートフィルム押出
直径30mm、L/Dが28の一軸スクリューDr.Collin GmbH押出機でペレットを処理した。押出機は、以下の表1に詳細に示すように設定した5つの加熱ゾーン、外径51.5mm及びギャップ0.25mmの円環状ダイを備えており、このダイは、225℃に維持した4つの加熱ゾーンを有していた。
【0110】
【表1】
【0111】
押出速度は、20rpmに設定し、線速度は、フィルムの所望の厚さを得るように調節した。融液温度は214℃であった。膨脹比は、気泡内空気圧により制御した。押出時に、収束フレーム内で気泡を崩壊させ、低温ローラで冷却した後、巻取りした。
【0112】
実施例1−VDF/HFP/HEAポリマー/PEO−1(50:50容量比)のブレンド
VDF/HFP/HEAポリマーとPEO−1の容量比50:50の混合物からのフラットキャストフィルム押出により、厚さ50μmのフィルムを製造したが、前記混合物は、ASTM D1238に従い、5Kgの荷重下、190℃で測定して、メルトフローインデックスが13.0g/10分であった。このようにして得られたフィルムから取得した2.29gのサンプルを、60℃に保持した0.5リットルの水浴中に約6時間配置した。このようにして多孔質膜を取得し、これを前記水浴から回収し、70℃で乾燥させた。非処理フィルム中のポリ(エチレンオキシド)の重量パーセンテージは、38.5%であり、フィルムから抽出したポリ(エチレンオキシド)の量は、0.73gであった。このようにして得られた乾燥多孔質膜は、上に詳述した手順に従い測定して、41%の多孔度を有し、9.6重量%のPEO−1を含有していた。
【0113】
実施例2−VDF/HEAポリマー/PEO−2(50:50容量比)のブレンド
VDF/HEAポリマーとPEO−2の容量比50:50の混合物からのフラットキャストフィルム押出により、厚さ50μmのフィルムを製造したが、前記混合物は、ASTM D1238に従い、5Kgの荷重下、190℃で測定して、メルトフローインデックスが11.0g/10分であった。このようにして得られたフィルムから取得した1.98gのサンプルを用いた以外は、実施例1に詳述した手順に従った。非処理フィルム中のポリ(エチレンオキシド)の重量パーセンテージは、38.5%であり、フィルムから抽出したポリ(エチレンオキシド)の量は、0.74gであった。このようにして得られた乾燥多孔質膜は、上に詳述した手順に従い測定して、48%の多孔度を有し、1.8重量%のPEO−2を含有していた。
【0114】
実施例3−VDF/HEAポリマー/PEO−2(60:40容量比)のブレンド
VDF/HEAポリマーとPEO−2の容量比60:40の混合物からのホットインフレートフィルム押出により、厚さ20μmのフィルムを製造した。このようにして得られたフィルムから取得した6.5gのサンプルを、25℃に保持した5リットルの水浴中に約6時間配置した。このようにして多孔質膜を取得し、これを前記水浴から回収し、70℃で乾燥させた。非処理フィルム中のポリ(エチレンオキシド)の重量パーセンテージは、29.7%であり、フィルムから抽出したポリ(エチレンオキシド)の量は、1.92gであった。このようにして得られた乾燥多孔質膜は、上に詳述した手順に従い測定して、40%の多孔度を有し、0.2重量%のPEO−2を含有していた。乾燥多孔質膜のイオン導電性は、1.25x10
−4S/cmであった。
【0115】
比較例1−SOLEF(登録商標)6008VDFホモポリマー/PEO−2(50:50容量比)のブレンド
SOLEF(登録商標)6008VDFホモポリマーとPEO−2の容量比50:50の混合物からのフラットキャストフィルム押出により、厚さ50μmのフィルムを製造したが、前記混合物は、ASTM D1238に従い、5Kgの荷重下、190℃で測定して、メルトフローインデックスが、2.2g/10分であった。次に、実施例1に詳述したのと同じ手順に従ったが、凝集体が存在する非対称多孔質膜が得られた。
【0116】
実施例4−VDF/HFP/HEAポリマー/PEO−3(50:50容量比)のブレンド
VDF/HFP/HEAポリマーとPEO−3の容量比50:50の混合物からのフラットキャストフィルム押出により、厚さ200μmのフィルムを製造した。このようにして得られたフィルムから取得した2.4gのサンプルを用いた以外は、実施例1に詳述したのと同じ手順に従った。非処理フィルム中のポリ(エチレンオキシド)の重量パーセンテージは、38.5%であり、フィルムから抽出したポリ(エチレンオキシド)の量は、0.82gであった。このようにして得られた乾燥多孔質膜は、上に詳述した手順に従い測定して、44%の多孔度を有し、6.6重量%のPEO−3を含有していた。
【0117】
比較例2−SOLEF(登録商標)21510VDF/HFPポリマー/PEO−3(50:50容量比)のブレンド
SOLEF(登録商標)21510VDF/HFPポリマーとPEO−3の容量比50:50の混合物からのフラットキャストフィルム押出により、厚さ200μmのフィルムを製造した。次に、実施例1に詳述したのと同じ手順に従ったが、凝集体が存在する非対称多孔質膜が得られた。
【0118】
このように、凝集体が存在した比較例1及び2から得られた膜と比較して、特に本発明の実施例1〜4によって具体化される本発明の方法から、対称多孔質膜が好適に得られることが証明された。