特許第6567598号(P6567598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567598
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】コネクタカバー
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190819BHJP
   H01H 27/00 20060101ALI20190819BHJP
   H01R 13/717 20060101ALI20190819BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   H02J7/00 X
   H01H27/00 A
   H01H27/00 B
   H01R13/717
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-109079(P2017-109079)
(22)【出願日】2017年6月1日
(65)【公開番号】特開2018-207626(P2018-207626A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆也
(72)【発明者】
【氏名】松下 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘行
(72)【発明者】
【氏名】日野 啓太郎
【審査官】 猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−204079(JP,A)
【文献】 特開平11−297405(JP,A)
【文献】 特開2001−076820(JP,A)
【文献】 実開昭56−083947(JP,U)
【文献】 特開平11−126661(JP,A)
【文献】 特開2012−205371(JP,A)
【文献】 特開平11−178221(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3060482(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0083393(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0189256(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01821363(EP,A1)
【文献】 特開2000−057932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 27/00
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H01M 10/42−10/48
H01R 13/717
H01R 29/00
H01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池と当該二次電池を制御する制御ユニットとを備えた二次電池装置の制御用コネクタに取り付けられるコネクタカバーであって、
前記二次電池と前記制御ユニットとの間に配置された前記制御用コネクタのジャック端子に挿入され、当該ジャック端子を導通させるピン端子と、
前記ジャック端子への前記ピン端子の挿入に伴って前記二次電池に接続されるよう設けられ、前記二次電池の電力により当該二次電池の状態に係る情報を表示する電池状態表示部と
押圧および回転の少なくとも一方の操作を受け付け、当該操作に応じて、前記ジャック端子の導通と非導通を切り替えるスイッチ部と、を備える、
コネクタカバー。
【請求項2】
二次電池と当該二次電池を制御する制御ユニットとを備えた二次電池装置の制御用コネクタに取り付けられるコネクタカバーであって、
前記二次電池と前記制御ユニットとの間に配置された前記制御用コネクタのジャック端子に挿入され、当該ジャック端子を導通させるピン端子と、
前記ジャック端子への前記ピン端子の挿入に伴って前記二次電池に接続されるよう設けられ、前記二次電池の電力により当該二次電池の状態に係る情報を表示する電池状態表示部と、
前記コネクタカバーの位置から一定の範囲内にある所定の機器の操作を受け付け、当該操作に応じて、前記ジャック端子の導通と非導通を切り替えるスイッチ部と、を備える、 コネクタカバー。
【請求項3】
前記二次電池状態表示部は、前記二次電池の残量を表示する電池残量表示部を備える、
請求項1または2に記載のコネクタカバー。
【請求項4】
前記二次電池状態表示部は、前記二次電池の接続状態を表示する接続状態表示部を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタカバー。
【請求項5】
前記制御用コネクタと係合する部分に設けられ、当該係合する部分の隙間を塞ぐ防水部材をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載のコネクタカバー。
【請求項6】
前記制御用コネクタに着脱可能に設けられ、前記制御用コネクタからの抜け落ちを防止する抜け止め部をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載のコネクタカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コネクタカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池等の車両用バッテリと、当該バッテリを制御するBMU(Battery Management Unit)等の制御ユニットとを備えた二次電池装置が知られている。制御ユニットは、上位装置であるエンジンコントロールユニット等とCAN(Controller Area Network)通信を行い、バッテリの電圧、温度等を上位装置に送信する。
【0003】
また、上位装置と通信を行わないで、制御ユニットが単独でバッテリの監視、評価を行う運用がされることがある。この場合、二次電池装置の制御用コネクタへの接続により制御ユニットを起動させるコネクタ(ダミーコネクタ)が使用される。
【0004】
ダミーコネクタが制御用コネクタに接続されている間は、制御ユニットの動作によってバッテリの電力が消費される。そのため、ダミーコネクタを制御用コネクタの保護キャップとユーザが誤認して、二次電池装置に取り付けたままにしておくと、ユーザの意図に反してバッテリの電力が消費されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−285968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの意図に反して二次電池装置のバッテリが消費されるのを抑制可能なコネクタカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態のコネクタカバーは、二次電池と当該二次電池を制御する制御ユニットとを備えた二次電池装置の制御用コネクタに取り付けられるコネクタカバーであって、前記二次電池と前記制御ユニットとの間に配置された前記制御用コネクタのジャック端子に挿入され、当該ジャック端子を導通させるピン端子と、前記ジャック端子への前記ピン端子の挿入に伴って前記二次電池に接続されるよう設けられ、前記二次電池の電力により当該二次電池の状態に係る情報を表示する電池状態表示部と、押圧および回転の少なくとも一方の操作を受け付け、当該操作に応じて、前記ジャック端子の導通と非導通を切り替えるスイッチ部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るコネクタカバーが取り付けられる二次電池装置の外観を示した模式図である。
図2図1に示したコネクタカバーが二次電池装置に取り付けられる部分の拡大図である。
図3】(a)は二次電池装置に取り付けられる前のコネクタカバーを上から見た図である。(b)は二次電池装置に取り付けられたコネクタカバーを上から見た図である。
図4】(a)は二次電池装置に取り付けられる前のコネクタカバーの内部を示した図である。(b)は二次電池装置に取り付けられたコネクタカバーの内部を示した図である。
図5】(a)は二次電池装置に取り付けられる前の接続端子収容部の状態を示した図である。(b)は二次電池装置に取り付けられた接続端子収容部の状態を示した図である。
図6】コネクタカバーおよび二次電池装置の回路構成を示した図である。
図7】(a)はピン端子がジャック端子に挿入されていないときのガイド溝におけるガイド片の位置を示した図である。(b)はピン端子がジャック端子に挿入されているときのガイド溝におけるガイド片の位置を示した図である。
図8】第1の実施の形態の第1変形例に係るコネクタカバーを示した図である。
図9】第1の実施の形態の第2変形例に係るコネクタカバーを示した図である。
図10】第1の実施の形態の第3変形例に係るコネクタカバーの接続構成を示した図である。
図11図10に示したコネクタカバーおよび二次電池装置の回路構成を示した図である。
図12】本発明の第2の実施の形態に係るコネクタカバーの構成を示した図である。
図13図12に示したコネクタカバーおよび二次電池装置の回路構成を示した図である。
図14】第2の実施の形態の第1変形例に係るコネクタカバーの接続構成を示した図である。
図15図14に示したコネクタカバーおよび二次電池装置の回路構成を示した図である。
図16】第2の実施の形態の第2変形例に係るコネクタカバーの接続構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0010】
(第1の実施形態)
図1に示すように、二次電池装置100は、車両用バッテリとして用いられるリチウムイオン電池100aと、BMU(Battery Management Unit)100bとを備える。BMU100bは、リチウムイオン電池100aの電圧や温度を監視し、リチウムイオン電池100aを保護(制御)する制御ユニットである。本実施形態では、説明の便宜上、リチウムイオン電池100aが1つである場合について説明するが、リチウムイオン電池100aの数量や接続の態様(並列、直列)は適宜に変更できる。
【0011】
コネクタカバー1は、制御用コネクタ101に取り付けられる。制御用コネクタ101は、例えばCAN(Controller Area Network)通信コネクタ等から構成される、コネクタカバー1は、リチウムイオン電池100aの監視、評価をBMU100bに単独で行わせる場合に用いられる。
【0012】
コネクタカバー1は、図2に示すように、制御用コネクタ101の上方から制御用コネクタ101を覆うように取り付けられ、制御用コネクタ101を外部から保護する。また、コネクタカバー1は、上面にリチウムイオン電池100aの状態に係る情報を表示する電池状態表示部12を備える。
【0013】
電池状態表示部12は、電池残量表示部12aと接続状態表示部12bとを備える。例えば、図3に示すように、電池残量表示部12aは、リチウムイオン電池100aの残量(SOC:State of charge)を表示する。接続状態表示部12bは、リチウムイオン電池100aの接続状態を表示する。
【0014】
図2に戻り、コネクタカバー1は、収容部10と、抜け止め部20と、操作部30とを備える。
【0015】
収容部10は、図4(a)および(b)に示すように、ピン端子11と電池残量表示部12aと接続状態表示部12bとを備える。ピン端子11、電池残量表示部12a、接続状態表示部12bは、それぞれ一対のプラグピンP1〜P6を備える。なお、以下、各プラグピンについて区別しない場合はプラグピンPと総称する。
【0016】
ピン端子11、電池残量表示部12aおよび接続状態表示部12bの各プラグピンPは、収容部10から露出されている。また、ピン端子11、電池残量表示部12aおよび接続状態表示部12bのプラグピンP以外の部分は収容部10の内部に密閉収納されている。
【0017】
ピン端子11は、プラグピンP1,P2とスイッチSWを備える。プラグピンP1,P2は、制御用コネクタ101のジャック端子J1,J2に挿入される。ジャック端子J1,J2は、図5に示すように、リチウムイオン電池100aとBMU100bとの間に配置されている。
【0018】
スイッチSWは、例えば、ロータリスイッチ等から構成され、操作部30の操作に応じてプラグピンP1,P2の接点の開閉がされる。スイッチSWは、図6(a)および(b)に示すように、その上部に設けられた軸受Bを所定量回転させることにより、図5に示したプラグピンP1,P2の接点の開閉(オンオフ)を切り替える。軸受Bは、操作部30と係合され、操作部30の動作に応じて回転される。ジャック端子J1,J2は、プラグピンP1,P2の接点が閉じた場合に導通される。
【0019】
また、収容部10は、制御用コネクタ101と係合する部分に防水リング10rを備える。防水リング10rは、Oリング等から構成され、制御用コネクタ101と係合する部分の隙間を防ぐことにより、制御用コネクタ101を防水する。
【0020】
図5に戻り、ピン端子11のスイッチSWによってジャック端子J1,J2が導通されると、BMU100bはリチウムイオン電池100aから供給される電力によって起動される。BMU100bは、リチウムイオン電池100aの電圧、温度等について監視、評価を行い、その結果を順次、記憶する。
【0021】
電池残量表示部12aは、電圧センサ、LED(Light Emitting Diode)等を備えた電圧計測器から構成され、収容部10の上面に配置される。電池残量表示部12aの両端のプラグピンP3,P4は、ピン端子11のプラグピンP1,P2がジャック端子J1,J2に挿入されるのと同時に、ジャック端子J3,J4に挿入される。
【0022】
ジャック端子J3,J4は、リチウムイオン電池100aとBMU100bに並列に配置されている。プラグピンP3,P4がジャック端子J3,J4に挿入された状態で電池残量表示部12aは非表示(消灯)となっている。一方、プラグピンP3,P4がジャック端子J3,J4に挿入された状態でスイッチSWを閉じると、電池残量表示部12aは、リチウムイオン電池100aの電圧を計測し、図3に示したように、リチウムイオン電池100aの残量を表示する。
【0023】
接続状態表示部12bは、LED等の表示器から構成され、収容部10の上面に配置される。接続状態表示部12bは、例えば、複数のLEDによって文字「ON」を配列する。接続状態表示部12bの両端のプラグピンP5,P6は、ピン端子11のプラグピンP1,P2がジャック端子J1,J2に挿入されるのと同時に、ジャック端子J5,J6に挿入される。
【0024】
ジャック端子J5,J6は、リチウムイオン電池100a、BMU100bに並列に配置されている。プラグピンP5,P6がジャック端子J5,J6に挿入された状態でピン端子11のスイッチSWが開いている場合は、接続状態表示部12bの配列された文字「ON」は非表示(消灯)となっている。一方、プラグピンP5,P6がジャック端子J5,J6に挿入された状態でスイッチSWを閉じると、接続状態表示部12bは、リチウムイオン電池100aから供給される電流によって文字「ON」を点灯する。
【0025】
抜け止め部20は、両端が開口された筒状に形成され、収容部10の外周面に沿って軸方向および周方向に移動可能に設けられる。また、抜け止め部20は、収容部10の下端で外周面から延びた段部10bと係合する係合部20aを備える。収容部10は、当該係合部20aによって抜け止めされる。
【0026】
また、抜け止め部20は、制御用コネクタ101に着脱可能に設けられる。抜け止め部20は、筒内部に雌ネジ20bが形成されている。雌ネジ20bは、制御用コネクタ101の外周に形成された雄ネジ101aと螺合し、制御用コネクタ101から抜け止めされる。
【0027】
操作部30は、下端が開口され、上端が閉じた筒状に形成されている。操作部30は、ツマミ部を構成し、ユーザによって押圧および回転による手操作がされる。操作部30は、収容部10の上部外側に設けられたバネ等の弾性部材によって上方向(プラグピンPの挿入方向と反対方向)に付勢されて支持される。
【0028】
また、操作部30は、その内側中心から下方向にシャフト30aが形成されている。シャフト30aは、収容部10の上部中央に設けられた軸孔10hに挿入され、軸孔10hにおいて軸方向に移動される。また、シャフト30aの先端部は、軸孔10hにおいてシャフト30aと同軸上に設けられたスイッチSWの軸受Bと係合され、操作部30の回転に応じて軸受Bを回転させる。
【0029】
また、操作部30は、その内周面にガイド溝30bを備える。ガイド溝30bは、収容部10の外側から突出されたガイド片10aに係合される。シャフト30aによるスイッチSWの軸受Bとの係合および回転は、ガイド片10aおよびガイド溝30bによって案内される。
【0030】
ガイド溝30bは、例えば図7(a)および(b)に示すように、連続的にL字状に形成される。シャフト30aが図6(a)に示した位置にある場合は、ガイド片10aは図7(a)に示したガイド溝30bの位置にある。一方、操作部30を支持する弾性部材の付勢力に抗してユーザが操作部30を押圧し、回転させると、シャフト30aが図6(b)に示した位置に移動する。この場合、ガイド片10aは図7(b)に示したガイド溝30bの位置に移動する。
【0031】
また、操作部30は、収容部10の外周面との隙間を防ぐ防水リング30rを備える。防水リング30rは、Oリング等から構成され、操作部30内側における収容部10の移動スペースを防水する。
【0032】
また、操作部30の上面は、図3に示したように、コネクタカバー1の操作をガイドする情報が印字されている。例えば、コネクタカバー1を押圧して右方向に回転させるとON、コネクタカバー1を押圧して左方向に回転させるとOFFとなる旨が印字されている。ユーザは、当該情報によって、押圧、回転による2アクションの手操作を行う。
【0033】
また、操作部30は、収容部10の上面に配置された電池残量表示部12aおよび接続状態表示部12bをユーザが視認できるよう、少なくとも当該位置に対応する部分が透明の材料で形成されることが好ましい。
【0034】
以上のように構成されたコネクタカバー1を使用する場合、はじめにユーザは、抜け止め部20を制御用コネクタ101の上方から被せる。ユーザは、抜け止め部20を回転させることにより、抜け止め部20の雌ネジ20bを制御用コネクタ101の雄ネジ101aに螺合させる。これにより、図6(a)に示したように、各プラグピンPはジャック端子Jに挿入される。具体的には、ピン端子11のプラグピンP1,P2は、ジャック端子J1,J2に挿入され、電池残量表示部12aのプラグピンP3,P4は、ジャック端子J3,J4に挿入され、接続状態表示部12bのプラグピンP5,P6は、ジャック端子J5,J6に挿入される。なお、この場合、ピン端子11のスイッチSWは開いた状態となっている。
【0035】
次に、ユーザは操作部30を押圧して右方向に回転すると、図6(b)に示したように、シャフト30aは軸受Bと係合され、軸受Bが回転される。これにより、スイッチSWは閉じた状態となり、ジャック端子J1,J2は導通される。この場合、リチウムイオン電池100aから供給される電力によってBMU100bが起動される。BMU100bは、リチウムイオン電池100aの電圧、温度等について監視、評価を行い、その結果を順次、記憶する。
【0036】
また、このとき、電池残量表示部12aは、リチウムイオン電池100aの残量(SOC)を表示し、接続状態表示部12bは、複数のLEDによって配列された文字「ON」を点灯する。
【0037】
なお、コネクタカバー1の使用を終了する場合は、ユーザは、上記と逆の動作を行って、コネクタカバー1を制御用コネクタ101から取り外す。
【0038】
以上、本実施形態に係るコネクタカバー1は、押圧と回転の2アクションの手操作によってBMU100bの起動と停止を切り替え、電池状態表示部12(電池残量表示部12a,接続状態表示部12b)に、リチウムイオン電池100aの状態に係る情報を表示できる。これにより、ユーザは、リチウムイオン電池100aの残量、接続状態を知ることができる。また、電池残量表示部12aや接続状態表示部12bの表示によって、BMU100bが動作中であるか否かをユーザが簡単に確認できるため、コネクタカバー1の取り忘れ等、ユーザの意図に反してリチウムイオン電池100aの電力が消費されるのを抑制できる。
【0039】
また、コネクタカバー1の収容部10は、制御用コネクタ101と係合する部分に防水リング10rを備えるので、制御用コネクタ101を防水できる。また、コネクタカバー1の操作部30は、収容部10の外周面との隙間を防ぐ防水リング30rを備えるので、操作部30内側における収容部10の移動スペースを防水できる。
【0040】
なお、コネクタカバー1においてスイッチSWの開閉を行うための操作部30の操作は、上記実施形態で説明したものに限定されない。例えば、図8図9に示すように、操作部30の回転操作または押圧操作を行うことによりピン端子11のプラグピンP1,P2の接点が開閉されるようスイッチSWを構成してもよい。
【0041】
また、収容部10は、図10および図11に示すように、一対のピン端子11,11’と、電池残量表示部12aと、接続状態表示部12bとを備え、電池残量表示部12aおよび接続状態表示部12bが一対のピン端子11,11’に接続されてもよい。この場合、一対のピン端子11,11’は、それぞれ、両端のプラグピンP1,P2,P7,P8が、制御用コネクタ101のジャック端子J1,J2,J3,J4に挿入される。この場合も、ピン端子11に備えられたスイッチSWの開閉により、ジャック端子J1,J2の非導通、導通が切り替えられる。なお、この場合、電池残量表示部12aおよび接続状態表示部12bは、プラグピンPを要しない。
【0042】
(第2の実施形態)
本実施形態では、コネクタカバー1の位置から一定の範囲内で行われるユーザの非接触操作に応じて、スイッチSWの開閉を切り替えるコネクタカバー1について説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【0043】
収容部10は、図12に示すように、ピン端子11と電池残量表示部12aと接続状態表示部12bとを備え、各プラグピンPは、それぞれ対応する制御用コネクタ101の各ジャック端子Jに挿入される。ピン端子11は、非接触操作によって開閉を切り替えるスイッチSWを備える。スイッチSWは、収容部10の内部に密閉収納されている。
【0044】
スイッチSWは、例えば、マグネットスイッチ等である。具体的には、図13に示すように、磁石MのN極側を近づけるとプラグピンP1,P2の接点が閉じ、磁石MのS極側を近づけるとプラグピンP1,P2の接点が開くように構成されている。
【0045】
スイッチSWが閉じた場合には、ジャック端子J1,J2は導通され、BMU100bはリチウムイオン電池100aから供給される電力によって起動される。このとき、電池残量表示部12aは、図3に示したように、リチウムイオン電池100aの残量を表示する。また、このとき、接続状態表示部12bは、リチウムイオン電池100aから供給される電流によって文字「ON」を点灯する。
【0046】
一方、スイッチSWが開いた場合には、ジャック端子J1,J2は非導通となり、BMU100bは停止される。このとき、電池残量表示部12a、接続状態表示部12bは、いずれも非表示(消灯)の状態となる。
【0047】
このように、本実施形態に係るコネクタカバー1によれば、収容部10の内部で防水されたスイッチSWの開閉を非接触操作によって切り替えることができ、コネクタカバー1の操作性の向上を図ることができる。
【0048】
また、収容部10は、図14および図15に示すように、一対のピン端子11,11’と、電池残量表示部12aと、接続状態表示部12bとを備え、電池残量表示部12aおよび接続状態表示部12bが一対のピン端子11,11’に接続されるように構成されてもよい。また、この場合、スイッチSWは、一対のピン端子11,11’の何れか一方に備えればよい。
【0049】
なお、スイッチSWは、図16に示すように、常開端子と常閉端子の何れかに接続されるよう制御されてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、磁石MによってスイッチSWの開閉を切り替える例を説明したが、スイッチSWは、非接触操作によって接点が切り替えられる構成であればよく、例えば、NFC(Near Field Communication)、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、または赤外線等の通信を行う通信装置を用いてスイッチSWの開閉を切り替えてもよい。なお、コネクタカバー1には、当該通信装置と通信を行う通信部を備えてもよい。この場合、通信部は、ジャック端子Jが導通された場合に、リチウムイオン電池100aから供給される電力によって、BMU100bが起動した旨やリチウムイオン電池100aの状態に係る情報(電池残量や接続状態等)を通信装置に送信し、当該通信装置で受信された当該情報を表示させてもよい。
【0051】
また、コネクタカバー1は、ピン端子11にスイッチSWを備えず、プラグピンP1,P2のジャック端子J1,J2への挿抜に応じて、リチウムイオン電池100aの電力によってBMU100bの起動と停止が切り替えられるよう構成されてもよい。例えば、ピン端子11、電池残量表示部12a、接続状態表示部12bが密閉収納された収容部10を制御用コネクタ101の上方にて鉛直方向に移動可能に設け、収容部10の下方向への移動によってピン端子11のプラグピンP1,P2をジャック端子J1,J2に挿入することにより、ジャック端子J1,J2を導通させてもよい。また、この場合、電池残量表示部12a、接続状態表示部12bは、ピン端子11の挿入に伴ってリチウムイオン電池100aに接続されるよう設けられ、当該リチウムイオン電池100aの電力により、リチウムイオン電池100aの残量や接続状態を表示してもよい。
【0052】
また、コネクタカバー1は、ユーザの手操作(直接操作)と非接触操作の組み合わせによって、制御用コネクタ101のジャック端子Jの導通、非導通の切り替えを行うように構成してもよい。この場合、ジャック端子Jは、ユーザの手操作(直接操作)と非接触操作の両方(AND)、片方(OR)の何れを設定してもよく、ジャック端子J1,J2の導通、非導通は、当該設定によって切り替えられる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1…コネクタカバー
10…収容部
10a…ガイド片
10b…段部
10r…防水リング
10h…軸孔
SW…スイッチ
B…軸受
11,11’…ピン端子
12…電池状態表示部
12a…電池残量表示部
12b…接続状態表示部
20…抜け止め部
20a…係合部
20b…雌ネジ
30…操作部
30a…シャフト
30b…ガイド溝
30r…防水リング
100…二次電池装置
100a…リチウムイオン電池(二次電池)
100b…BMU(制御ユニット)
101…制御用コネクタ
101a…雄ネジ
P,P1〜P8…プラグピン
J,J1〜J6…ジャック端子
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