特許第6567688号(P6567688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6567688管理装置、管理方法、非一時的な記録媒体、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567688
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、非一時的な記録媒体、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20190819BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20190819BHJP
【FI】
   G06Q30/02 470
   G06Q30/06 330
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-556289(P2017-556289)
(86)(22)【出願日】2015年12月18日
(86)【国際出願番号】JP2015085457
(87)【国際公開番号】WO2017104064
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2018年6月18日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】趙 鏡淇
(72)【発明者】
【氏名】根布 隆二
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−215949(JP,A)
【文献】 特開2008−282098(JP,A)
【文献】 特開2007−102432(JP,A)
【文献】 特開2013−206144(JP,A)
【文献】 特開2014−048998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の販売店が出店し、前記複数の販売店の各販売店が商品ごとに作成した商品ページを公開し、カスタマは前記公開された商品ページを介して当該商品ページに係る商品を購入可能であり、前記複数の販売店が同じ商品を販売しうる電子市場を管理する管理装置であって、
カスタマが端末を介して管理装置に対するアクセスを始めた際、または、定期的に、当該カスタマの購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を複数取得する取得部、
前記取得された複数の推奨商品の各推奨商品を前記電子市場において販売する複数の販売店を検索する検索部、
前記検索された複数の販売店のそれぞれと、当該それぞれの販売店が目玉商品として設定し、販売している複数の商品であって前記取得された推奨商品と重複しない商品のそれぞれと、の組から、所定の基準を満たす組を抽出する手段、
前記端末において、1つの画面に、
前記取得された複数の推奨商品を表示し、
前記抽出された組に係る商品を、当該組に係る販売店を特定して表示する
ことにより、前記カスタマに推奨する推奨部、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記カスタマの購入履歴に前記カスタマが購入したことが記録されている商品、もしくは、
前記カスタマの閲覧履歴に前記カスタマが頻繁に閲覧したことが記録されている商品ページに係る商品であって前記カスタマの購入履歴に前記カスタマが購入したことが記録されていない商品
を、前記推奨商品として取得し、
前記推奨部は、前記取得された複数の推奨商品の各推奨商品を、当該各推奨商品について前記検索された複数の販売店を特定せずに表示し、
前記カスタマが、前記表示された複数の組からいずれかの組を選択すると、当該カスタマに、当該選択された組に係る販売店により作成された前記目玉商品の商品ページ、または、当該選択された組に係る販売店の売上上位である商品の商品ページを提示する提示部、
を備える請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記検索部は、前記電子市場から、前記推奨商品の売り上げが高いほうから順に、定められた数の、前記推奨商品を販売する販売店であって、互いに重複しない販売店を抽出する、
請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記検索された複数の販売店が設定した目玉商品のうち、前記電子市場における売上高が上位の目玉商品と、当該目玉商品を設定した販売店と、の組を抽出する、
請求項1または2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記推奨部は、前記複数の推奨商品のそれぞれと、前記組に係る目玉商品のそれぞれと、が互いに重複しないように、前記組を抽出して、前記カスタマに推奨する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記推奨部は、前記検索された販売店に対応付けられた前記目玉商品と、前記推奨商品とが同一であると判定した場合、前記推奨商品とは異なる商品で、かつ、前記検索された販売店における売上上位である商品を選択する、
請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
ネットワークを介して複数の販売店が出店し、前記複数の販売店の各販売店が商品ごとに作成した商品ページを公開し、カスタマは前記公開された商品ページを介して当該商品ページに係る商品を購入可能であり、前記複数の販売店が同じ商品を販売しうる電子市場を管理する管理方法であって、
カスタマが端末を介して管理装置に対するアクセスを始めた際、または、定期的に、当該カスタマの購入履歴に基づいて、前記管理装置が、当該カスタマに対する推奨商品を複数取得する取得ステップ、
前記管理装置が、前記取得された複数の推奨商品の各推奨商品を前記電子市場において販売する複数の販売店を検索する検索ステップ、
前記管理装置が、前記検索された複数の販売店のそれぞれと、当該それぞれの販売店が目玉商品として設定し、販売している複数の商品であって前記取得された推奨商品と重複しない商品のそれぞれと、の組から、所定の基準を満たす組を抽出するステップ、
前記管理装置が、前記端末において、1つの画面に、
前記取得された複数の推奨商品を表示し、
前記抽出された組に係る商品を、当該組に係る販売店を特定して表示する
ことにより、前記カスタマに推奨する推奨ステップ、
を備える管理方法。
【請求項8】
ネットワークを介して複数の販売店が出店し、前記複数の販売店の各販売店が商品ごとに作成した商品ページを公開し、カスタマは前記公開された商品ページを介して当該商品ページに係る商品を購入可能であり、前記複数の販売店が同じ商品を販売しうる電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記コンピュータに、
カスタマが端末を介して管理装置に対するアクセスを始めた際、または、定期的に、当該カスタマの購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を複数取得する取得手順、
前記取得された複数の推奨商品の各推奨商品を前記電子市場において販売する複数の販売店を検索する検索手順、
前記検索された複数の販売店のそれぞれと、当該それぞれの販売店が目玉商品として設定し、販売している複数の商品であって前記取得された推奨商品と重複しない商品のそれぞれと、の組から、所定の基準を満たす組を抽出する手順、
前記端末において、1つの画面に、
前記取得された複数の推奨商品を表示し、
前記抽出された組に係る商品を、当該組に係る販売店を特定して表示する
ことにより、前記カスタマに推奨する推奨手順、
を実行させるプログラムを記録した非一時的な記録媒体。
【請求項9】
ネットワークを介して複数の販売店が出店し、前記複数の販売店の各販売店が商品ごとに作成した商品ページを公開し、カスタマは前記公開された商品ページを介して当該商品ページに係る商品を購入可能であり、前記複数の販売店が同じ商品を販売しうる電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
カスタマが端末を介して管理装置に対するアクセスを始めた際、または、定期的に、当該カスタマの購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を複数取得する取得手順、
前記取得された複数の推奨商品の各推奨商品を前記電子市場において販売する複数の販売店を検索する検索手順、
前記検索された複数の販売店のそれぞれと、当該それぞれの販売店が目玉商品として設定し、販売している複数の商品であって前記取得された推奨商品と重複しない商品のそれぞれと、の組から、所定の基準を満たす組を抽出する手順、
前記端末において、1つの画面に、
前記取得された複数の推奨商品を表示し、
前記抽出された組に係る商品を、当該組に係る販売店を特定して表示する
ことにより、前記カスタマに推奨する推奨手順、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法、非一時的な記録媒体、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介して多くの仮想店舗が出店する、いわゆる電子市場が普及している。電子市場においては、各販売店が商品ごとに販売ページを作成して公開しており、カスタマは、この販売ページを通じて欲しい商品を購入することができる。
【0003】
このような電子市場では、カスタマの利便性を図るとともに、カスタマの購買意欲を高め、ひいては電子市場全体の売り上げを増加させようとする技術が開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、インターネットを介して出店する仮想店舗を、売上高推定値や取り扱う商品数の観点から評価し、総合的な格付けを判定する技術が公開されている。
【0005】
特許文献2では、カスタマの購買履歴または閲覧履歴に基づいて、そのカスタマに、推奨される商品を提案する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−32442号公報
【特許文献2】特開2008−282098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来技術では、電子市場において、カスタマを、そのカスタマの属性や行動履歴に応じ、多数の店舗を訪問するように促すことができなかった。
【0008】
複数の店舗が出店する電子市場においては、同一の商品を複数の店舗が取り扱い、価格やサービスの質において競争を行っている。そのため、カスタマが、(扱う品が同じであっても)電子市場に存在する多数の店舗の存在を認識することは、そのカスタマにとってよりよい条件(価格およびサービスの質)で同一の商品を入手することにつながる。これは、電子市場全体としてそのカスタマへの吸引力が向上することにつながる。こういったことから、電子市場サービスの提供者には、カスタマに、当該電子市場に出店する多数の店舗について認知してもらうことへのニーズが存在する。
【0009】
特許文献1が開示する技術では、販売店に総合的な格付けを与え、あるいはランキング形式で表示するだけである。そのため、カスタマに、そのカスタマの属性や過去の行動履歴に応じた別の店舗を提案することはできない。
【0010】
特許文献2が開示する技術では、カスタマに、そのカスタマの属性や過去の行動履歴に適合する商品を提案するにとどまる。そのカスタマに別の販売店を提案するものではない。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電子市場において、カスタマを、そのカスタマの属性や行動履歴に適合する、多数の店舗を訪問するように促すことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる管理装置は、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理する管理装置であって、
カスタマの閲覧履歴または購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を取得する取得部、
前記取得された推奨商品を前記電子市場において販売する販売店を検索する検索部、
前記検索された販売店と、当該販売店に対応付けられた目玉商品との組を前記カスタマに推奨する推奨部、
を備える。
【0013】
上記第1の観点に係る管理装置は、
前記カスタマが、前記推奨された販売店と目玉商品との組を選択すると、当該カスタマに、当該組に含まれる販売店により作成された前記目玉商品の商品ページ、または、当該組に含まれる販売店の売上上位である商品の商品ページ、を提示する提示部、を備える、
ものであってもよい。
【0014】
上記第1の観点に係る管理装置において、
前記検索部は、前記電子市場から、前記推奨商品の売り上げが高いほうから順に、定められた数の、前記推奨商品を取り扱う販売店を抽出する、
ものであってもよい。
【0015】
上記第1の観点に係る管理装置において、
前記取得部は、複数の前記推奨商品を取得し、
前記検索部は、前記抽出された販売店から、重複する販売店を除外する、
ものであってもよい。
【0016】
上記第1の観点に係る管理装置において、
前記推奨部は、前記検索された販売店に対応付けられた前記目玉商品と、前記推奨商品とが同一であるか否かを判定し、同一であると判定した場合、前記検索された販売店が取り扱う品から、前記推奨商品とは異なる商品を選択し、前記検索された販売店と、前記選択された商品との組を前記カスタマに推奨する、
ものであってもよい。
【0017】
上記第1の観点に係る管理装置において、
前記推奨部は、前記検索された販売店に対応付けられた前記目玉商品と、前記推奨商品とが同一であると判定した場合、前記推奨商品とは異なる商品で、かつ、前記検索された販売店における売上上位である商品を選択する、
ものであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる管理方法は、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理する管理方法であって、
カスタマの閲覧履歴または購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を取得する取得ステップ、
前記取得された推奨商品を前記電子市場において販売する販売店を検索する検索ステップ、
前記検索された販売店と、当該販売店に対応付けられた目玉商品との組を前記カスタマに推奨する推奨ステップ、
を備える。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかるコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体は、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記コンピュータに、
カスタマの閲覧履歴または購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を取得する取得手順、
前記取得された推奨商品を前記電子市場において販売する販売店を検索する検索手順、
前記検索された販売店と、当該販売店に対応付けられた目玉商品との組を前記カスタマに推奨する推奨手順、
を実行させるプログラムを記録する。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかるプログラムは、
ネットワークを介して複数の販売店が出店する電子市場を管理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
カスタマの閲覧履歴または購入履歴に基づいて、当該カスタマに対する推奨商品を取得する取得手順、
前記取得された推奨商品を前記電子市場において販売する販売店を検索する検索手順、
前記検索された販売店と、当該販売店に対応付けられた目玉商品との組を前記カスタマに推奨する推奨手順、
を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電子市場において、カスタマを、そのカスタマの属性や行動履歴に適合する、多数の店舗を訪問するように促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態にかかる管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】記憶装置に記録されているデータ内容を示す図である。
図4】推奨販売店提示処理のフローチャートである。
図5】推奨商品データの内容の一例を示す図である。
図6】推奨販売店データの内容の一例を示す図である。
図7】推奨候補組データの内容の一例を示す図である。
図8】カスタマに提示されるウェブサイトの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0024】
<実施の形態>
本発明の実施形態にかかる管理装置100は、インターネットを介して複数の販売店が出店する電子市場としての機能を提供する情報処理装置である。管理装置100は、販売店の担当者が作成した、商品に関するウェブページ(商品ページ)に関するデータを記録しており、インターネット等のネットワークを介してカスタマから要求があると、その要求に応じて商品ページに関する情報を提供する。また、管理装置100は、商品ページを閲覧したカスタマが、当該商品ページを介してその商品に関する注文を入力すると、その注文を受け付け、受け付けた注文を販売店に伝達する。
【0025】
管理装置100が管理する電子市場では、すでに取り扱っている販売店が存在する商品を、他の販売店が取り扱うことに何も制限はない。そのため、同じ商品を、複数の店舗が、それぞれ独自に価格を設定し、またそれぞれ独自のサービス(送料の設定や納期など)により販売することが起こりうる。
【0026】
カスタマは、カスタマ自身が操作することのできる端末装置(パーソナルコンピュータ、またはスマートフォンなど)を用い、電子市場のウェブページにアクセスする。カスタマが操作する端末装置は、インターネット等のネットワークを介して管理装置100に接続されている。カスタマは、端末装置を介して管理装置100が管理する電子市場のウェブサイトにアクセスし、所望の商品を検索し、商品ページを閲覧することができる。
【0027】
また、管理装置100は、カスタマから注文を受け付けると、その注文の内容を示す情報(注文日時、商品名、商品の識別情報、購入価格、購入元の販売店など)を記載した電子メールをカスタマに送信する。カスタマは、送信された電子メールを参照することにより、自身の注文内容を参照することができる。他にも、管理装置100は、一般的な電子市場の機能を提供する情報処理装置が有する機能を一通り備えるものとする。
【0028】
また、管理装置100は、カスタマの行動履歴に基づき、そのカスタマに、商品の購入を提案する機能を備える。具体的には、管理装置100は、電子市場の機能として、対象のカスタマがその電子市場にて購入した商品の履歴(購入履歴)、および、対象のカスタマがその電子市場において、商品ページを閲覧した商品の履歴(閲覧履歴)を、行動履歴として記録する。管理装置100は、記録した行動履歴に基づいて、対象のカスタマが今後購入することが期待される商品(推奨商品)を特定する。管理装置100は、特定した商品(推奨商品)をカスタマに提示することにより、カスタマに、当該商品を購入することを提案する。
【0029】
さらに、管理装置100は、カスタマに、購入が期待される商品だけでなく、その商品を扱う販売店そのものを提案する機能を備える。具体的には、管理装置100は、対象のカスタマが今後購入することが期待される商品を特定すると、電子市場においてその商品を取り扱っている販売店を検索する。管理装置100は、検索の結果ヒットした販売店と、その販売店が目玉商品として販売している商品と、を合わせてカスタマに提示することにより、カスタマに、新たな販売店を推奨する。
【0030】
目玉商品とは、その販売店が取り扱う商品の中でも特に注力して販売しようとしている商品である。販売店は、商品ごとに商品ページを作成するが、特に目玉商品については、商品ページだけでなく、目玉商品と自身の販売店との組をカスタマに推奨するためのデータ(画像データ、または特設の販売用ウェブページなど)を作成する。また、各販売店は、目玉商品として販売しようとする商品については、その商品が当該販売店の目玉商品であることを管理装置100に入力し設定する。管理装置100は、電子市場に属する各販売店が、それぞれ目玉商品として設定した商品を特定するための情報を記録する。
【0031】
本実施形態にかかる管理装置100は、図1に示すように、機能面では、取得部11、検索部12、推奨部13を備える。また、管理装置100は、必要に応じ、行動履歴データ21、推奨商品データ22、推奨販売店データ23、販売店−目玉商品対応データ24、推奨候補組データ25、電子市場データ27などにアクセスする。
【0032】
取得部11は、カスタマCの行動履歴(閲覧履歴または購入履歴)に基づいて、カスタマCに対する推奨商品を取得する。具体的には、取得部11は、カスタマCによる電子市場における行動を記録した行動履歴データ21を解析することにより、カスタマCに購入を推奨する商品をリストアップし、推奨商品データ22に記録する。
【0033】
取得部11が、推奨商品を取得する手法は様々な形態が考えられる。例えば、取得部11は、カスタマCが頻繁に閲覧したことが閲覧履歴に記録されており、かつ、カスタマCが購入したことが購入履歴に記録されていない商品を特定し、特定した商品を推奨商品データ22に記録してもよい。または、取得部11は、カスタマCが購入した商品と、セットで購入されることが多い商品を特定し、推奨商品データ22に加えてもよい。さらに、対象のカスタマが過去に購入した商品で、定期的に購入される傾向のある商品がある場合、カスタマが購入してから所定の期間が経過したものについて推奨商品データ22に加えてもよい。
【0034】
さらに、電子市場の利用者全体からの傾向分析を応用することも可能である。この場合、例えば、取得部11は、カスタマCと行動履歴データ21の内容が類似する利用者を、電子市場の利用者から抽出する。取得部11は、抽出された利用者によって購入されることが多く、かつ、対象のカスタマが未購入の商品を特定する。取得部11は、このようにして特定された商品を、推奨商品データ22に加えるものであってもよい。また、ここまで述べた例に限られず、取得部11は、カスタマの購買履歴や属性情報などに基づき、任意のレコメンデーション手法により推奨商品を取得するものであってもよい。
【0035】
取得部11が推奨商品データ22に記録する商品は、1つに限定されない。取得部11は、一度の処理で複数の商品を推奨商品データ22に記録するものであってもよい。また、取得部11が複数回に分けて取得した推奨商品のデータを、推奨商品データ22に蓄積した結果、複数の推奨商品が推奨商品データ22に記録されていてもよい。
【0036】
推奨商品データ22は、電子市場のカスタマごとに取得部11が取得し、記録される。そのため、カスタマごとに異なる推奨商品が推奨商品データ22に記録される。
【0037】
検索部12は、取得部11が取得した各商品について、電子市場で販売する販売店を検索し、ヒットした販売店を推奨販売店データ23に記録する。検索部12は、推奨商品データ22に記録されている商品を読み出し、読み出した商品を取り扱っている販売店を電子市場データ27で検索する。検索部12は、検索の結果ヒットした販売店を、推奨販売店データ23に記録する。
【0038】
検索部12が、一回の検索で複数の販売店がヒットした場合、推奨販売店データ23に記録する販売店の数には上限が設定される。例えば、上限として3店舗が設定されている場合に、検索によりある商品について取り扱う販売店が4以上ヒットすると、検索部12は、任意の基準によって上限の数だけヒットした販売店を抽出し、推奨販売店データ23に記録する。抽出に用いられる基準は任意であり、例えば、検索部12は、推奨商品の売り上げが高いほうから順に、予め定められた数の販売店を抽出してもよい。また検索部12は、カスタマCの行動履歴データ21を参照し、カスタマCになじみのない順に、予め定められた数の販売店を抽出してもよい。カスタマCになじみがないとは、カスタマCの行動履歴データ21に、当該販売店での購入履歴または当該販売店の閲覧履歴がない、あるいは少ないことをさす。検索部12は、カスタマCの、当該販売店での購入回数および当該販売店の閲覧回数にもとづき、なじみのある度合いを算出し、その度合いの少ない順に販売店を抽出してもよい。
【0039】
推奨部13は、検索部12により検索された販売店と、当該販売店に対応付けられた目玉商品との組をカスタマCに推奨する。推奨部13は、推奨販売店データ23に記録されている販売店を示す情報を読み出す。推奨部13は、販売店−目玉商品対応データ24を参照し、推奨販売店データ23から読み出した販売店に対応する目玉商品に関する情報を特定し、カスタマCに推奨候補組データ25に記録する。
【0040】
さらに、推奨部13は、推奨候補組データ25から販売店と、目玉商品との組を示す情報を読み出し、読み出した組をカスタマCに推奨するための情報(画像データ等)を、カスタマCの端末装置T1に送信する。端末装置T1がカスタマCに、受信した情報を表示することにより、カスタマCは、自身の行動履歴に応じた販売店と、その販売店の目玉商品との組の推奨を受けることができる。
【0041】
管理装置100は、ここまで述べた各機能部を有することにより、カスタマCに、販売店と目玉商品との組を推奨する。これにより、管理装置100は、商品だけでなく、販売店をカスタマCに推奨することができる。
【0042】
本実施形態にかかる管理装置100は、図2に示すように、ハードウェアとして、制御部110、記憶装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150を備え、これらが内部バス190を介して互いに接続された構成を有する。
【0043】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部110のCPUが、ROMまたはRAMに記録されているプログラムを実行することにより、制御部110は、管理装置100全体の動作を制御する。制御部110は、必要に応じて記憶装置120からプログラム等のデータを読み出し、また記憶装置120にデータを保存する。
【0044】
記憶装置120は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の記憶装置を備え、管理装置100が稼動するために必要なデータを記憶する。
【0045】
記憶装置120は、例えば、制御部110が実行するためのプログラム、あるいは制御部110がプログラムを実行する上で参照するデータを記録し、制御部110からの要求に応じて制御部110に提供する。また、記憶装置120は、制御部110からの要求に応じ、制御部110から出力されたデータを記録する。
【0046】
操作デバイス130は、キーボードやマウス等を備え、操作者による入力操作を受け付けて制御部110に伝達する。
【0047】
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイ等を備え、管理装置100が操作者に提示すべき情報を表示する。
【0048】
もっとも、管理装置100が操作デバイス130およびディスプレイ140を備えていることは必須ではなく、例えば後述するネットワークインターフェース150を介して、操作者からの操作入力を受けつけ、あるいは操作者に情報を提示することができるなら、管理装置100は操作デバイス130あるいはディスプレイ140を備えていなくともよい。
【0049】
ネットワークインターフェース150は、管理装置100をネットワーク(図示せず)に接続する。管理装置100が、ネットワークを介して他機器に情報を送信し、あるいは他機器から情報を受信する際、ネットワークインターフェース150は、制御部110から後述する内部バス190を介して受信した情報を、ネットワークを介して他機器へ送信し、また他機器からネットワークを介して受信した情報を、内部バス190を介して制御部110へ送信する。特に、管理装置100は、ネットワークを介して接続されたカスタマCの端末装置T1と通信することができる。管理装置100は、端末装置T1から送信された操作内容を受け付ける。管理装置100は、端末装置T1に、画面に表示する情報(商品ページを示す情報や、販売情報を示す情報など)を送信する。
【0050】
ネットワークインターフェース150は、例えばケーブルを介して管理装置100をネットワークに接続してもよいし、あるいは無線通信により管理装置100をネットワークに接続してもよい。ケーブルによる場合も無線通信による場合も、その通信規格は任意である。
【0051】
内部バス190は、管理装置100内の構成要素(制御部110、記憶装置120、操作デバイス130、ディスプレイ140、ネットワークインターフェース150等)間での情報のやり取りを中継する。例えば、制御部110が必要なデータを記憶装置120から読み出すとき、制御部110は、内部バス190を介して記憶装置120からデータを読み出す。
【0052】
本実施形態にかかる管理装置100は、以上の構成により、一般的な電子市場管理装置が提供する機能、例えば、インターネットを介してカスタマCに商品ページを閲覧させる機能、および、カスタマCが入力したクエリにマッチする商品ページを検索し、ヒットした商品ページをカスタマCに提示する機能、商品ページを介してカスタマCからの商品を購入するための注文を受け付ける機能等を実現する。管理装置100は、インターネットを介し、カスタマCの端末装置T1から送信される各種要求(商品ページの参照要求や、商品の購入申し込みの処理要求など)を受け付ける。管理装置100は、受け付けた処理要求を実行し、その結果となる情報を、カスタマCの端末装置T1に送信する。端末装置T1は、管理装置100から送信された情報を受信し、受信したデータを液晶ディスプレイなどの表示装置に表示することにより、カスタマCに情報を提示する。すなわち、管理装置100は、カスタマCからの要求に応じたデータを端末装置T1に送信することにより、カスタマCに提示することができる。
【0053】
本実施形態にかかる管理装置100において、記憶装置120は、図3に示す各データを記録する。すなわち、記憶装置120は、行動履歴データ21、推奨商品データ22、推奨販売店データ23、販売店−目玉商品対応データ24、推奨候補組データ25、電子市場データ27を記録する。また、ほかに任意のデータとして、販売店ごとの商品別売上データ26を記録するものであってもよい。
【0054】
行動履歴データ21は、カスタマCの行動履歴を記録したデータである。行動履歴データ21には、カスタマCが、過去に電子市場で商品を購入した履歴を記録した購入履歴、および、過去に電子市場で商品ページを閲覧した履歴を記録した閲覧履歴などが記録される。管理装置100は、カスタマCが、電子市場で商品を購入し、またはカスタマCが電子市場で商品ページを閲覧すると、その購入行動および閲覧行動の内容を行動履歴データ21に記録する。
【0055】
推奨商品データ22は、管理装置100がカスタマごとに作成するデータであり、対象のカスタマ(カスタマC)に推奨する商品を記録したデータである。管理装置100は、取得部11の機能により、カスタマCの行動履歴を行動履歴データ21から読み出して解析することにより、カスタマCに推奨する推奨商品を取得し、推奨商品データ22に記録する。
【0056】
推奨販売店データ23は、管理装置100がカスタマごとに作成するデータであり、対象のカスタマ(カスタマC)に推奨する販売店を記録したデータである。管理装置100は、検索部12の機能により、推奨商品データ22から読み出した推奨商品を示すデータに基づき、電子市場において推奨商品を取り扱う販売店を検索する。管理装置100は、検索の結果ヒットした販売店を、推奨販売店データ23に記録する。
【0057】
販売店−目玉商品対応データ24は、電子市場に出店する各販売店と、その販売店での目玉商品とを対応付けるデータである。管理装置100は、各販売店に、それぞれ一つ以上の目玉商品を対応づけたデータを、販売店−目玉商品対応データ24に記録する。さらに、管理装置100は、販売店が、自身と目玉商品との組をカスタマに推奨するためのデータ(画像データ、または特設の販売用ウェブページなど)を入力すると、入力されたデータを販売店−目玉商品対応データ24に記録する。
【0058】
推奨候補組データ25は、推奨販売店データ23に記録された各販売店に、販売店−目玉商品対応データ24で対応付けられる目玉商品と、その目玉商品をカスタマCに推奨するためのデータとを対応付けるデータである。管理装置100は、後述する推奨販売店提示処理において、カスタマCに推奨する販売店を特定した後、特定した販売店が設定した目玉商品を販売店−目玉商品対応データ24から読み出し、対応付けて推奨候補組データ25に記録する。さらに、管理装置100は、販売店により入力された、販売店と目玉商品との組をカスタマに推奨するための画像データ、リンク情報なども、販売店と対応付けて推奨候補組データ25に記録する。
【0059】
販売店ごとの商品別売上データ26は、管理装置100が管理する電子市場に出店する販売店ごとに、その販売店における賞品別の売上を記録したデータである。販売店ごとの商品別売上データ26を参照することにより、その販売店でどの商品の売り上げが多いかを判別することができる。販売店ごとの商品別売上データ26には、商品ごとに、その販売店での売上額、および売上個数が記録される。
【0060】
電子市場データ27は、管理装置100が電子市場の機能を提供するために必要なデータ一式を含むものであり、例えばウェブサーバとして機能するためのプログラムや、販売店により作成された商品ページを示すデータ、またカスタマの情報(氏名および住所、電子メールのアドレスや会員IDなど)や販売店の情報(連絡先電話番号や住所、責任者氏名など)を含むデータベースなどを含む。管理装置100は、必要に応じて電子市場データ27を参照することにより、電子市場としての機能を実現する。
【0061】
図3に記載した例においては、電子市場データ27から独立して行動履歴データ21および販売店ごとの商品別売上データ26が示されている。しかし、行動履歴データ21および販売店ごとの商品別売上データ26は、電子市場データ27に内包されたものであってもよい。
【0062】
管理装置100は、図4に示す推奨販売店提示処理を行うことにより、カスタマCに、端末装置T1を介して販売店と目玉商品との組を提示し、推奨する。管理装置100は、例えばカスタマCが端末装置T1にアクセスした際、または、定期的に、推奨販売店提示処理を実行する。管理装置100は、制御部110が図4に示された各ステップを実行することにより、推奨販売店提示処理を実行する。
【0063】
推奨販売店提示処理の最初に、制御部110は、推奨商品を取得する(ステップS11)。制御部110は、行動履歴データ21から、カスタマCの購入履歴または閲覧履歴を読み出して解析する。制御部110は、解析の結果、カスタマCへ推奨すべき推奨商品を特定し、推奨商品データ22に記録する。その結果、推奨商品データ22には、図5に示すように、対象のカスタマを示すデータDと、そのカスタマに対応付けられた推奨商品を示すデータDA1〜DA3が記録される。なお、図5に示した例においては、一人のカスタマ(カスタマ1)に対し、3つの推奨商品(商品AA、商品AB、商品AC)が記録されているが、一人のカスタマに対して取得される推奨商品の数は任意である。ステップS11を実行することにより、制御部110は、取得部11として機能する。
【0064】
次に制御部110は、推奨販売店を抽出する(ステップS12)。制御部110は、推奨商品データ22にアクセスし、推奨商品を示すデータを読み出す。制御部110は、電子市場データ27を、読み出したデータが示す商品(推奨商品)を検索キーとして検索することにより、推奨商品を取り扱う販売店を特定する。制御部110は、特定した販売店を、推奨販売店として推奨販売店データ23に記録する。その結果、推奨販売店データ23には、図6に示すように、例えば推奨商品として記録されていた商品AA(データDA1に提示)に対しては、これを取り扱う販売店BA(データDB11に提示)、販売店BB(データDB12に提示)、販売店BC(データDB13に提示)がそれぞれ検索結果として記録される。また、他の推奨商品(商品ABおよびAC)についても同様であり、これらを取り扱う販売店がそれぞれ検索され、推奨販売店データ23に記録される。ステップS12を実行することにより、制御部110は、検索部12として機能する。
【0065】
なお、ステップS12において、推奨商品を検索キーとして検索した時にヒットした販売店が多数に上るケースが存在する。そのような場合、制御部110は、ヒットした販売店から、基準に基づいて所定の数の販売店を抽出し、推奨販売店データ23に記録する。抽出する際の基準は任意であり、例えば制御部110は、ヒットした販売店から、カスタマCが購入経験のある販売店(行動履歴データ21に、カスタマCが当該販売店で商品を購入したことが記録されている販売店)を除外してもよい。また、制御部110は、ヒットした販売店を、当該商品の売上高(売上個数、または売上総額)に基づいてソートし、売上高の高い順から所定の数だけ抽出してもよい。
【0066】
次に制御部110は、推奨する販売店と目玉商品との組を特定する(ステップS13)。制御部110は、ステップS12で抽出した販売店ごとに、その販売店が目玉商品として設定している商品を、販売店−目玉商品対応データ24から読み出し、推奨候補組データ25に記録する。その結果、推奨候補組データ25には、図7に示すように、推奨販売店として特定された各販売店における目玉商品が記録される。具体的には、例えば、推奨販売店として記録されていた販売店(データDB11)に対し、その目玉商品に関する情報(データDCA1、DCA2、DCA3)が記録される。他の推奨販売店として記録されていた販売店(データDB12)にも、その販売店が設定していた目玉商品に関する情報(データDCB1およびDCB2)が記録される。推奨販売店として記録されていた他の販売店についても同様であり、各販売店が設定していた目玉商品に関する情報が記録される。
【0067】
次に制御部110は、特定した組の販売店と目玉商品を、カスタマCに推奨する(ステップS14)。制御部110は、ステップS13で記録した推奨候補組データ25から、カスタマCに推奨する販売店と目玉商品との組を抽出する。制御部110は、抽出した販売店と目玉商品との組を推奨するデータへアクセスするためのリンク情報を、カスタマCの端末装置T1に送信する。端末装置T1が、受信したリンク情報をもとに、販売店と目玉商品との組を推奨するウェブサイト等の情報を管理装置100から読み出し、カスタマCに提示することにより、カスタマCは、販売店と目玉商品との組の推奨を受ける。ステップS13からS14を実行することにより、制御部110は、推奨部13として機能する。
【0068】
ステップS14を完了すると、制御部110は、推奨販売店提示処理を終了する。ここまで説明した処理を経て、管理装置100は、カスタマCに、端末装置T1を介して販売店と目玉商品との組を推奨する。
【0069】
推奨部13がカスタマCに販売店と目玉商品とを推奨する場合、実際に端末装置T1がカスタマCに向けて表示する画面の例を、図8に示す。一例として、端末装置T1のディスプレイT1aには、管理装置100から送信された電子メールが表示されている。この電子メールには、メール本文の情報を示す欄A10だけでなく、推奨商品を提示する欄(欄B11、B12、B13)、および推奨販売店と目玉商品との組を表示する欄(欄C11〜C16)が表示されている。管理装置100は、欄C11〜C16に対応するフレームに、それぞれ販売店BA〜BFの目玉商品の商品を示す画像データを表示するとともに、それぞれの目玉商品の商品ページへアクセスするためのリンク情報(URL:Uniform Resource Locator など)を付加して送信する。管理装置100は、端末装置T1のディスプレイT1a上に欄C11〜C16を表示させ、カスタマCに閲覧させることにより、カスタマCに、端末装置T1を介して販売店と目玉商品との組を推奨する。
【0070】
図7に記載したように、目玉商品は、販売店ごとに複数設定することが可能である。そのため、推奨部13は、任意の基準により、推奨する販売店と目玉商品との組を抽出し、抽出した組をカスタマCに推奨する。抽出する際の基準としては、例えば目玉商品が、推奨商品データ22に記録された推奨商品および他の目玉商品と重複しないこと、各販売店における目玉商品の売上高が上位であること、カスタマCにより過去にその商品が購入されたことが行動履歴データ21に記録されていること(または、記録されていないこと)などが可能である。他にも、任意の基準により、推奨部13は推奨する組を抽出するものであってもよい。
【0071】
図8に示した例では、推奨商品を提示する欄(欄B11、B12、B13)と、推奨販売店と目玉商品との組を表示する欄(欄C11〜C16)との両方がカスタマCに提示されている。しかし、推奨商品の提示は任意であり、欄B11〜B13は提示されなくともよい。もっとも、推奨商品は、カスタマCの行動履歴(購入履歴および閲覧履歴)から直接的に導出されるものであるのに対し、推奨販売店と目玉商品との組は、推奨商品を取り扱う販売店群から間接的に導出されるものである。そのため、管理装置100は、推奨商品と、推奨販売店と目玉商品との組と、の両方をカスタマCに提示することで、カスタマCの行動に即した商品購入の提案(推奨商品)と、カスタマCがそれまでさほど関わりのなかった商品を購入する提案(推奨販売店と目玉商品との組)とを同時に行うことができる。
【0072】
また、ここまでの説明では、推奨部13は、販売店と、その販売店が設定した目玉商品との組をカスタマCに推奨する。しかし、管理装置100がカスタマに推奨するのは販売店と目玉商品との組でなく、販売店と、(推奨商品および目玉商品とは)別の商品との組であってもよい。例えば、目玉商品がカスタマCの購入済みの商品であった場合に、管理装置100は、目玉商品に代えて、例えばその販売店で売上上位にある商品を選択し、選択した商品と販売店との組をカスタマCに推奨するものであってよい。
【0073】
さらに、管理装置100がカスタマCに、販売店との組で推奨する商品は、推奨商品データ22に記録されている推奨商品とは異なる商品であることが望ましい。推奨商品と、推奨販売店とは、図8で示すように同じ画面で表示されるケースがあるため、同一の商品であると販売店を推奨する効果が薄れるおそれがあるからである。そのため、管理装置100は、例えば、推奨商品データ22に記録されている推奨商品と、販売店が設定していた目玉商品とが同一の商品である場合には、目玉商品を差し替えるものであってもよい。この場合、管理装置100は、販売店と、目玉商品に代わる他の商品との組をカスタマCに推奨するものであってもよい。さらにこの場合、目玉商品に代わる商品として、その販売店で売上上位にある商品を選択するものでもよい。その場合、管理装置100は、販売店ごとの商品別売上データ26にアクセスし、目玉商品と差し替える商品を特定してもよい。こうすることにより、管理装置100は、販売店と、その販売店の売上上位である商品との組をカスタマCに推奨する。
【0074】
また、図8に示した例のように、管理装置100は、推奨する販売店と目玉商品(または、目玉商品と差し替えた商品)とを推奨する欄(欄C11〜C16)に対応するフレームに、それぞれの商品の商品ページへアクセスするためのリンク情報を付加して送信する。そのため、端末装置T1を介し、カスタマCが販売店と目玉商品との組を選択しクリックすると、管理装置100は、リンク情報により特定される商品ページ(目玉商品の商品ページ、または、その販売店の売上上位である商品の商品ページ)を提示する。そのため、カスタマCは、提示されたリンク情報を介して推奨された販売店の商品ページに簡易にアクセスすることができる。
【0075】
また、ここまで説明したように、推奨商品データ22に複数の商品が記録され、それぞれの推奨商品を取り扱う販売店を抽出した場合、抽出された販売店が重複する場合がある。そのため、検索部12は、商品ごとに取り扱う販売店を抽出した後で、重複する販売店を除外する機能を備えるものであってもよい。
【0076】
一例として、推奨商品データ22には3つの推奨商品が記録されており、検索部12は、推奨商品ごとに、取り扱う販売店を6つ抽出するものとする。検索部12は、推奨商品データ22に記録されている3つの推奨商品について、それぞれ6つ、計18の販売店を示すデータを、電子市場データ27から検索し、抽出する。検索部12は、抽出された18の販売店を示すデータのうち、同一の販売店を示すデータが複数存在した場合、それらについては重複を除外する。具体的には、例えば、抽出された販売店を示すデータに、同一の販売店BAを示すデータが複数存在した場合には、販売店BAを示すデータを一つだけ残し、他の販売店BAを示すデータを削除する。このようにすることで、重複する販売店を推奨することを回避することができる。
【0077】
また、この場合、重複する販売店が含まれなかった場合に、多数の販売店(最大で18の販売店)を示すデータが存在する。重複する販売店があった場合であっても、少なくとも3つの販売店を示すデータが存在する。この中から、カスタマCに推奨する販売店を選択する場合、検索部12は、対応する推奨商品の売り上げが高いほうから順に、定められた数の販売店を抽出するものであってもよい。
【0078】
本発明の実施形態にかかる管理装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、コンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet Optical disk)など、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して配布し、これをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行する管理装置を構成しても良い。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0079】
また、本発明の実施形態にかかる管理装置は、一台で実現されるものに限定されない。複数のコンピュータが上述した各部の機能を分担することにより、それらの複数のコンピュータからなる一つのシステムとして各機能を提供するものであってもよい。
【0080】
また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0081】
11:取得部
12:検索部
13:推奨部
21:行動履歴データ
22:推奨商品データ
23:推奨販売店データ
24:販売店−目玉商品対応データ
25:推奨候補組データ
26:販売店ごとの商品別売上データ
27:電子市場データ
100:管理装置
110:制御部
120:記憶装置
130:操作デバイス
140:ディスプレイ
150:ネットワークインターフェース
190:内部バス
C:カスタマ
T1:端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8