(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6567765
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20190819BHJP
G03F 7/32 20060101ALI20190819BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G03F7/32
H01L21/304 647A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-511415(P2018-511415)
(86)(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公表番号】特表2018-527618(P2018-527618A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】KR2016009495
(87)【国際公開番号】WO2017043788
(87)【国際公開日】20170316
【審査請求日】2018年3月1日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0128081
(32)【優先日】2015年9月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516210942
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YOUNG CHANG CHEMICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ユン サンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジホン
【審査官】
塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−086743(JP,A)
【文献】
特開平08−286387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/00 − 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される水溶性ポリマー、
下記
化学式2で表される1種以上の非イオン性界面活
性剤、
下記化学式3で表される1種以上の非イオン性界面活性剤、及び
アルカリ化合物を含むことを特徴とする、カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物。
【化1】
(式中、nは1〜50の整数である。)
【化2】
(式中、RはHまたはOHであり、x、y、zはそれぞれ0〜100の中から選ばれる整数であるが、x、y及びzの中から選ばれるいずれかが0である場合、残りは1乃至100の中から選ばれる整数である。)
【化3】
(式中、w、x、y、zはそれぞれ0〜20の中から選ばれる整数である。)
【請求項2】
前記アルカリ化合物は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸水素ナトリ
ウムよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のカラー
フィルターイメージセンサー用現像液組成物。
【請求項3】
前記組成物は、組成物の総重量に対して、水溶性ポリマー0.1乃至5重量%、非イオン
性界面活性剤0.01乃至5重量%及びアルカリ化合物0.1乃至5重量%を含有し、残
部が脱イオン水からなることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルターイメージ
センサー用現像液組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残渣除去性に優れたカラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサー(Image Sensor)は、光学的画像(Optical image)を電気信号に変換してディスプレイ装備に表示または保存することができるようにする半導体素子である。イメージセンサーの適用部分は、デジタルカメラ、携帯電話カメラ、カムコーダ、セキュリティ機器、車両用ブラックボックス、医療機器など、その活用度が広範囲であって、需要が幾何級数的に増加している。
【0003】
一般に、イメージセンサーは、大きく、固体撮像素子(Charge coupleddevice、CCD)と相補性金属酸化膜半導体イメージセンサー(CMOS image sensor、CIS)の二つに分けられる。イメージセンサーは複数のピクセルを備え、それぞれのピクセルは入射光に相応するピクセル信号を出力する。このとき、複数のピクセルそれぞれは、フォトダイオードに代表される光電変換素子を介して入射光に相応する光電荷を蓄積し、蓄積された光電荷に基づいてピクセル信号を出力する。
【0004】
固体撮像素子(CCD)または相補性金属酸化物半導体イメージセンサー(CIS)などに用いられるカラー撮像素子は、その受光素子上に赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の加算混合原色のフィルターセグメント(Filter segment)を備えるカラーフィルター(Color filter)をそれぞれ設置し、色を分解するのが一般的である。
【0005】
最近、このようなカラー撮像素子に装着されるカラーフィルターのパターンサイズは2μm以下の大きさであって、従来のLCD用カラーフィルターパターンの1/100乃至1/200に減少した。これにより、カラー撮像素子に装着されるカラーフィルターは、解像度の増加及び残渣の減少が性能を左右するさらに重要な項目となった。
【0006】
したがって、現像の際に残渣を減少させることが可能な物質を一緒に使用して現像液組成物を提供することにより、残渣が残留しないようにするための開発が求められている。
【0007】
上述したような残渣除去性能を向上させるための技術として、韓国登録特許公報第1174082号の「顔料分散液組成物、これを含むカラーフィルター用感光性樹脂組成物及びこれを用いて製造されるカラーフィルター」には、(A)顔料、(B)下記化学式1で表されるモノマー、(C)下記化学式2で表される化合物を含む分散剤、(D)下記化学式3で表されるカド系バインダー樹脂を含むバインダー樹脂、及び(E)溶剤を含んでなる顔料分散液組成物であって、パターンの残渣を減少させることができ且つ解像度を向上させることができる顔料分散液組成物、これを含むカラーフィルター用感光性樹脂組成物及びこれを用いて製造されるカラーフィルターが開示されている。また、韓国登録特許公報第0904068号の「カラーフィルター用感光性樹脂組成物及びこれを用いたカラーフィルター」には、(a)アクリル系樹脂、(b)光重合性モノマー、(c)光重合開始剤、(d)顔料、および(e)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、前記(a)アクリル系樹脂は、カルボキシ基及びアルコキシ4−オキソブタン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを繰り返し単位として含む共重合体であり、前記(b)光重合性モノマーは、下記化学式2の構造を有するグリセロールメタクリレートを含んでなる、カラーフィルター用感光性樹脂組成物を提供する。前記カラーフィルター用感光性樹脂組成物は、残渣特性に優れるうえ、微細ピクセルの製造が可能であって高解像度用カラーフィルターを製造することができるカラーフィルター用感光性樹脂組成物、及びこれを用いたカラーフィルターが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、現像後に基板上にフォトレジスト残渣が残らずに、より均一にパターンを形成することができる現像力に優れたカラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で表される水溶性ポリマー、下記化学式2または化学式3で表される1種以上の非イオン性界面活性剤、及びアルカリ化合物を含むことを特徴とする、カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を提供する。
【化1】
式中、nは1〜50の整数である。
【化2】
式中、RはHまたはOHであり、x、y、zはそれぞれ0〜100の中から選ばれる整数である。
【化3】
式中、w、x、y、zはそれぞれ0〜20の中から選ばれる整数である。
【0010】
本発明の好適な一実施形態において、アルカリ化合物は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸水素ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0011】
本発明の好適な一実施形態において、前記組成物は、組成物の総重量に対して、水溶性ポリマー0.1乃至5重量%、非イオン性界面活性剤0.01乃至5重量%及びアルカリ化合物0.1乃至5重量%を含有し、残部が脱イオン水からなることを特徴とする。
【0012】
本発明の好適な一実施形態において、前記カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を用いて製造されたカラーフィルターを提供する。
【0013】
本発明の好適な一実施形態において、前記カラーフィルターを含むイメージセンサーを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るカラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物は、現像後に基板上にフォトレジスト残渣が残らずに、より均一にパターンを形成することができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
別に定義しない限り、本明細書で使用されたすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を持つ。一般に、本明細書で使用された命名法は、本技術分野でよく知られており、通常使用されるものである。
【0016】
本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0017】
本発明において、「フォトレジスト(Photoresist)」とは、高分子と感光剤とが混合された混合物であって、光によりその化学的な性質が変化して、ある波長の光に露出させると特定の溶媒に対する溶解度が変わるが、その溶媒に対する露光部と非露光部との溶解速度に差が生じ、一定時間の溶解時間が経過すると、まだ溶けなかった部分が残ってパターン形成がなされることを意味する。
【0018】
本発明において、「カラーフィルター(Color filter)」とは、デジタルカメラ、携帯電話カメラなどに適用されるCMOSイメージセンサーなどにおいて色を表現する核心部品であることを意味する。
【0019】
本発明において、「イメージセンサー(Image Sensor)とは、光学的画像(Optical image)を電気信号に変換してディスプレイ装備に表示または保存することができるようにする半導体素子を意味する。
【0020】
本発明において、「ウエハー(Wafer)」とは、半導体集積回路の製作に使用する主な材料となる薄いディスク、すなわちシリコンやガリウム砒素などの単結晶棒を薄切りした丸い板を意味する。
【0021】
本発明の一実施形態は、下記化学式1で表される水溶性ポリマーと、下記化学式2または化学式3で表される1種以上の非イオン性界面活性剤と、アルカリ化合物とを含むことを特徴とする、カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を提供する。
【化1】
式中、nは1〜50の整数である。
【化2】
式中、RはHまたはOHであり、x、y、zはそれぞれ0〜100の中から選ばれる整数である。
【化3】
式中、w、x、y、zはそれぞれ0〜20の中から選ばれる整数である。
【0022】
前記組成物は、組成物の総重量に対して、水溶性ポリマー0.1乃至5重量%、非イオン性界面活性剤0.01乃至5重量%及びアルカリ化合物0.1乃至5重量%を含有し、残部が脱イオン水からなるものであり得る。
【0023】
前記水溶性ポリマーは、組成物の総重量に対して0.1乃至5重量%を含むことが好ましい。もし前記水溶性ポリマーを0.1重量%未満で使用する場合には、現像残留物が生じ、もし前記水溶性ポリマーを5重量%超過で使用する場合には、現像速度が著しく遅くなるので好ましくない。
【0024】
前記非イオン性界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.01乃至5重量%を含むことが好ましい。もし前記非イオン性界面活性剤を0.01重量%未満で使用する場合には、現像残留物が生じ、前記非イオン性界面活性剤を5重量%超過で使用する場合には、現像速度が急激に速くなって所望の形状のパターンが形成されないおそれがあるため好ましくない。
【0025】
前記アルカリ化合物は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上であり得る。
【0026】
また、アルカリ化合物は、組成物の総重量に対して0.1乃至5重量%を含むことが好ましい。もし前記アルカリ化合物を0.1重量%未満で使用する場合には、現像がまともに行われず、 前記アルカリ化合物を5重量%超過で使用する場合には、現像速度があまり速くてパターンが崩壊するおそれがあるので好ましくない。
【0027】
前述したように、本発明から提供される本発明のカラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物は、化学式1で表される水溶性ポリマーと、化学式2または化学式3で表される1種以上の非イオン性界面活性剤と、アルカリ化合物とをすべて含んでなることにより、現像後に基板上にフォトレジスト残渣が残らずに、現像力にも優れた現像液組成物を提供することができる。
【0028】
本発明の別の一実施形態は、前記カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を用いて製造されたカラーフィルターに適用することができ、前記カラーフィルターを含むイメージセンサーにも適用することができる。前記カラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を用いて製造されたカラーフィルターの収得工程の一例は、以下の通りである。まず、イメージセンサーカラーフィルター用レジストをウエハー上にスピン塗布、スリット塗布などの適切な方法を用いて塗布する。レジスト塗布後には、イメージセンサー用カラーフィルターに必要なパターンを形成するように光を照射し、適切な温度でベークを行う。光照射後にイメージセンサー用現像液組成物を用いて現像過程を行う。上述したように光を照射すると、塗布層の未照射部分が溶解され、イメージカラーフィルターに必要なパターンが形成される。このような過程を必要な赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の数に応じて繰り返し行うことより、所望のパターンを有するイメージセンサーカラーフィルターを得るものであり得る。
【0029】
実施例
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎない。本発明の範囲がこれらの実施例に制限されるものと解釈されないのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【0030】
実施例1
200mLのフラスコに化学式1におけるn=20の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=9、z=0の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g、アルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水(DI)91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造した。
【0031】
次のような処理工程を行ってカラーフィルターフォトレジストパターンのあるウエハーをスピン方式で処理して残渣除去性を確認した。
【0032】
カラーフィルター現像工程は、シリコンウエハーにスピンコーターを用いて有機膜をコーティングし、200℃で5分間ベークを行った後、カラーフィルターフォトレジストをコーティングし、100℃で3分間ベークを行った。その後、100mJ/cm
2の露光量で露光し、25℃で1分間テスト液にて現像した後、脱イオン水(DI)で洗浄し、スピン方式で乾燥させ、しかる後に、200℃で5分間ハードベークを行った。これをCD−SEM(Hitachi S−8820 series)で測定した結果、残渣がすべて除去されたカラーフィルターフォトレジストパターンを形成した。
【0033】
実施例2
200mLのフラスコに化学式1におけるn=10の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=9、z=0の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0034】
実施例3
200mLのフラスコに化学式1におけるn=30の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=7、z=0の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0035】
実施例4
200mLのフラスコに化学式1におけるn=40の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=9、z=0の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0036】
実施例5
200mLのフラスコに化学式1におけるn=50の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=9、z=0の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0037】
実施例6
200mLのフラスコに化学式1におけるn=20の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=7、z=0の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0038】
実施例7
200mLのフラスコに化学式1におけるn=20の水溶性ポリマー3g、化学式2におけるR=H、x=12、y=9、z=1の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを仕込み、これに脱イオン水91.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0039】
比較例1
実施例1における化学式1の水溶性ポリマーと化学式2および3の非イオン性界面活性剤を除き、アルカリ化合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gを用いて、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0040】
比較例2
実施例1における化学式1の水溶性ポリマーを除き、化学式2におけるR=H、x=12、y=9、z=1の非イオン性界面活性剤3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gに脱イオン水94.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0041】
比較例3
実施例1における化学式2の非イオン性界面活性剤を除き、化学式1におけるn=20の水溶性ポリマー3g、化学式3におけるw=6、x=6、y=4、z=4の非イオン性界面活性剤0.8g及びアルカリ化合物としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2gに脱イオン水97.2gを投入し、12時間機械攪拌を行った後、それぞれ濾過径0.1μm、0.05μm、0.02μmの濾過器を用いて3段に濾過することで現像液組成物を製造し、実施例1と同様にしてウエハーを処理して残渣除去性を確認した。
【0042】
特性測定
実施例1乃至7および比較例1乃至3に対する残渣除去性を測定した。残渣除去性はCD−SEM(Hitachi S−8820 series)を用いて測定した。結果値に対する基準は、次のとおりである。
【0043】
<残渣除去性>
1.非常に悪い:30%以下除去される
2.不良:50%除去される
3.普通:70%除去される
4.良い:80%除去される
5.非常に良い:90%以上除去される
このように測定した結果を下記表1に示す
【表1】
【0044】
表1から、実施例1乃至7は比較例1乃至3に比べて残渣除去性に優れるが、比較例1乃至3は残渣除去性が不良であるか或いは非常に悪いことを確認することができた。
【0045】
その結果、本発明のカラーフィルターイメージセンサー用現像液組成物を最適の含量で全て含む場合には、現像後に基板上にフォトレジスト残渣が残らず、現像力にも優れた現像液組成物を提供することができることを確認した。
【0046】
発明の単純な変形または変更はいずれも、当該分野における通常の知識を有する者によって容易に実施でき、それらの変形や変更も全て本発明の範囲に含まれるものと理解すべきである。