(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
障害の発生を示す障害割り込みと、タイマーにセットされた時間が経過したことを示すタイマー割り込みとを検出し、前記障害割り込みを検出したとき、前記障害割り込みをマスクして今回の通電期間における前記障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットし、前記タイマー割り込みを検出したとき、前記障害割り込みのマスクを解除する
ことを特徴とする障害処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態について説明する。
【0016】
図1に本実施形態の障害処理装置10の構成例を示す。
【0017】
障害処理装置10は、割込検出部11、割込制御部12およびタイマー制御部13により構成される。
【0018】
割込検出部11は、障害の発生を示す障害割り込みと、タイマーにセットされた時間が経過したことを示すタイマー割り込みを検出する部分である。
【0019】
割込制御部12は、障害割り込みを検出したとき、障害割り込みをマスクし、タイマー割り込みを検出したとき、障害割り込みのマスクを解除する部分である。
【0020】
タイマー制御部13は、障害割り込みを検出したとき、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする部分である。
【0021】
このように障害処理装置10を構成することによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0022】
次に、
図2に本実施形態の障害処理装置10の動作の例を示す。
【0023】
まず、障害処理装置10の割込検出部11は、障害割り込みとタイマー割り込みを検出する。
【0024】
そして、割込検出部11が障害割り込みを検出したとき(ステップS101)、割込制御部12は障害割り込みをマスクする(ステップS102)。また、タイマー制御部13は、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする(ステップS103)。
【0025】
割込検出部11がタイマー割り込みを検出したとき(ステップS104)、割込制御部12は障害割り込みのマスクを解除する(ステップS105)。
【0026】
このように障害処理装置10を動作させることによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0027】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする。これにより、障害割り込みの発生間隔が障害の初回発生時刻からの経過時間により変更可能となる。マスク時間を経過時間により変更することで、より多くの障害情報を収集したい経過時間はマスク時間を短くし、処理量や通信量を抑えたい経過時間はマスク時間を長くすることが可能になる。そのため、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0028】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。
【0029】
本実施形態は、障害処理装置内に、障害の初回発生時刻と、初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間とマスク時間との対応関係とを記憶させる形態である。
【0030】
図3に本実施形態の障害処理装置20の構成例を示す。障害処理装置20は、割込検出部11、割込制御部12、タイマー制御部13、テーブル記憶部25および障害記憶部26により構成される。障害処理装置10に対して、テーブル記憶部25と障害記憶部26を追加している。
【0031】
割込検出部11は、監視対象50からの障害割り込みとタイマー14からのタイマー割り込みを検出する部分である。監視対象50は一つ以上存在可能であるため、割込検出部11では、どの監視対象50からの障害割り込みかを判別する。
【0032】
割込制御部12は、障害割り込みを検出したとき、障害割り込みを出力した監視対象50の障害割り込みをマスクし、タイマー14からのタイマー割り込みを検出したとき、障害割り込みのマスクを解除する部分である。
【0033】
タイマー制御部13は、障害割り込みを検出したとき、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする部分である。
【0034】
テーブル記憶部25は、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間と、障害割り込みをマスクするマスク時間との対応関係を記憶する部分である。
【0035】
障害記憶部26は、障害割り込みの初回発生時刻やその他の障害情報を記憶する部分である。
【0036】
図4に本実施形態の障害処理装置20を演算処理装置100に適用した場合の構成例を示す。演算処理装置100は、DGP(Diagnostic Processor:診断プロセッサ)101、演算部102および主記憶部103により構成される。演算部102および主記憶部103は演算処理装置100に一つ以上存在する。
【0037】
DGP101は
図3の障害処理装置10に該当する。また、演算部102および主記憶部103は監視対象50に該当する。DGP101では、監視対象である演算部102および主記憶部103からの軽障害割り込みを受け取る。また、監視対象である演算部102および主記憶部103に対して軽障害割り込みのマスク制御を行う。
【0038】
このように障害処理装置20を構成することによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0039】
次に、監視対象50の動作の例として、主記憶部103の動作の例について説明する。監視対象50は、障害を検知して障害割り込みを障害処理装置20へ出力する。以下の主記憶部103の動作例は、この障害割り込みの出力方法の例であり、監視対象50の障害検知方法や割り込み出力方法等を限定するものではない。
【0040】
図5および
図6に主記憶部103の動作の例を示す。
図5(A)は書き込み時の動作の例、
図5(B)は読み出し時の動作の例、
図6は割り込み出力動作の例である。
【0041】
演算部102からの書き込み時、まず、主記憶部103は書き込みデータに対してチェックビットを生成する(
図5のステップS201)。そして、書き込みデータとチェックビットをメモリに書き込む(ステップS202)。
【0042】
演算部102からの読み出し時は、まず、主記憶部103はメモリからチェックビットを含むデータを読み出す(ステップS203)。そして、読み出したデータとチェックビットからシンドロームを生成し、誤り検出を行う(ステップS204)。誤りがある場合(ステップS205)、データの誤りを訂正する(ステップS206)。そして、障害の詳細情報、たとえば、障害の発生時刻や障害の原因(読み出しデータに誤りがあったこと、等)等を記憶する(ステップS207)。
【0043】
次に、誤りが軽障害か重障害かを判断する(ステップS208)。たとえば、誤り訂正可能なデータ誤りの場合には軽障害、誤り訂正不能な場合には重障害とする。軽障害のときは軽障害フラグをセットし(ステップS209)、重障害のときは重障害フラグをセットする(ステップS210)。
【0044】
図6の障害割り込み出力動作の例は、軽障害の場合と重障害の場合で共通である。軽障害(重障害)フラグがセットされたとき、主記憶部103は、軽障害(重障害)割り込みのマスクが解除されている場合(
図6のステップS301)、軽障害(重障害)割り込みを出力する(ステップS302)。
【0045】
また、軽障害(重障害)割り込みのマスクが解除されたとき、軽障害(重障害)フラグがセットされていれば(ステップS303)、軽障害(重障害)割り込みを出力する(ステップS304)。
【0046】
以上で主記憶部103の動作の例について説明したが、監視対象50が出力する障害割り込みは、誤り検出によるもの以外の障害についても可能である。また、監視対象50は主記憶部103に限られず、障害処理装置20内の各部や、障害処理装置20以外の装置を監視対象とすることも可能である。
【0047】
次に、
図7を用いて本実施形態の障害処理装置20の動作の例について説明する。
【0048】
本実施形態では、割込検出部11において、監視対象50の障害割り込みとタイマー割り込みを検出する。たとえば、前述の主記憶部103が監視対象50の場合には、軽障害割り込みについては割り込み間隔を制御し、重障害割り込みについては発生の都度割り込みを出力することが考えられる。この場合には、軽障害割り込みが
図7の障害割り込みに該当する。
【0049】
まず、割込検出部11は、障害割り込みとタイマー割り込みを検出する。そして、割込検出部11が障害割り込みを検出した場合(ステップS401)、割込制御部12は障害割り込みをマスクする(ステップS402)。より具体的には、障害割り込みを出力した監視対象50に対して、障害割り込みの出力を禁止する設定(マスク)を行う。
【0050】
複数の監視対象50があるとき、割込検出部11は、障害割り込みの検出時に、検出した障害割り込みがどの監視対象50からの障害割り込みなのかを特定しておく。各監視対象50からの障害割り込みが独立した割り込み入力端子に入力されている場合には、どの入力端子に割り込みが入力されたかによって割り込みを出力した監視対象50を特定可能である。複数の監視対象50の障害割り込みが一つの入力端子に入力されている場合には、たとえば、監視対象50の障害フラグを読み出し、フラグがセットされていればその割り込みが出力されていると判断する、等の方法で特定可能である。前述の主記憶部103の例の場合、軽(重)障害フラグを読み出し、フラグがセットされていれば軽(重)障害が発生していると判断することが可能である。なお、マスクが設定されている監視対象50の障害割り込みについては、検出対象外とする。
【0051】
次に、割込検出部11は、障害割り込みを出力した監視対象50から、障害分析等に必要となる障害の詳細情報を取得する(ステップS403)。たとえば、主記憶部103がステップS207で記憶した詳細情報を読み取る。そして、取得した詳細情報を障害記憶部26に記憶する。また、主記憶部103の軽障害フラグと記憶した詳細情報をクリアする。
【0052】
本実施形態では、少なくとも、各監視対象50について、障害が初めて発生した時刻を障害記憶部26に記憶する。発生時刻は、監視対象50から取得しても良いし、割込検出部11が障害割り込みを検出した時刻としても良い。また、初回発生時刻は、さらに、それぞれの障害の原因(訂正可能誤りなど)に対して記憶するようにしても良い。
【0053】
次に、タイマー制御部13は、障害割り込みを出力した監視対象50について、障害の初回発生時刻を障害記憶部26から取得する(ステップS404)。初回発生時刻を各障害原因に対して記憶している場合には、今回の障害内容について、初回発生時刻を取得する。
【0054】
そして、タイマー制御部13は、初回発生時刻から今回の障害の発生時刻までの経過時間を計算する(ステップS405)。今回の障害が初めての場合には、経過時間は0とする。
【0055】
次に、タイマー制御部13は、経過時間に対応する、障害割り込みをマスクするマスク時間をテーブル記憶部25から取得する。テーブル記憶部25には経過時間に対応するマスク時間を記憶しておく。
【0056】
図8に、経過時間とマスク時間との対応関係の例を示す。この例では、障害の初回発生時刻からの経過時間が長くなるほど、マスク時間を長くする設定としている。
【0057】
図9に、経過時間とマスク時間の対応関係が
図8の場合の、障害割り込みの発生間隔を示す。初回発生時刻からの経過時間が長くなるほどマスク時間を長くすることによって、障害分析に重要な障害発生初期については短い間隔で障害情報を取得し、時間の経過に伴い、障害情報取得の間隔を長くして障害処理負荷を低減することが可能になる。
【0058】
そして、タイマー制御部13は、テーブル記憶部25から取得したマスク時間をタイマー14にセットする(ステップS406)。タイマーはセットされたマスク時間が経過した時、割込検出部11へタイマー割り込みを出力する。
【0059】
割込検出部11がタイマー割り込みを検出すると(ステップS407)、割込制御部12は、タイマー割り込みに対応する監視対象50の障害割り込みマスクを解除する(ステップS408)。
【0060】
このように障害処理装置20を動作させることによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0061】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、第一の実施形態と同様に、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする。これにより、障害割り込みの発生間隔が障害の初回発生時刻からの経過時間により変更可能となる。マスク時間を経過時間により変更することで、より多くの障害情報を収集したい経過時間はマスク時間を短くし、処理量や通信量を抑えたい経過時間はマスク時間を長くすることが可能になる。そのため、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0062】
また、経過時間が長いほどマスク時間を長くすることによって、障害分析に重要な障害発生初期については短い間隔で障害情報を取得し、時間の経過に伴い、障害情報取得の間隔を長くして障害処理負荷を低減することが可能になる。
【0063】
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。
【0064】
本実施形態では、障害の初回発生時刻を障害管理装置で管理する場合の例について説明する。
【0065】
図10に本実施形態の障害処理装置30の構成例を示す。障害処理装置20に対し、障害記憶部26を削除し、通信部37を追加している。
【0066】
通信部37は、障害管理装置70と通信を行う部分である。障害の詳細情報を障害管理装置70へ送信し、障害の初回発生時刻あるいは経過時間を障害管理装置70から受信する。詳細情報としては、すくなくとも、障害が発生した監視対象50を特定する情報と、障害の発生時刻を送信する。また、障害の原因や、障害の分析に必要となる情報を送信する。
【0067】
タイマー制御部13では、障害管理装置70から初回発生時刻を受信した場合には、初回発生時刻と今回の発生時刻とから経過時間を計算する。
【0068】
図11に、本実施形態の障害処理装置30を演算処理装置に適用した場合の構成例を示す。演算処理装置100A、100Xの構成例は、
図4の演算処理装置100と同様である。DGP101は障害処理装置30に該当する。また、演算部102および主記憶部103は監視対象50に該当する。
【0069】
SVP(Service Processor)200は障害管理装置70に該当する。SVP200では、一つ以上のDGP101からの障害情報をまとめて管理する。
【0070】
図12に障害管理装置70の構成例を示す。障害管理装置70は障害記憶部71と通信部72から構成される。通信部72は障害処理装置30と通信を行う部分である。障害処理装置30から障害の詳細情報や発生時刻を受信し、障害記憶部71に記憶する。また、障害の初回発生時刻を障害処理装置30へ送信する。
【0071】
障害管理装置は、
図13の障害管理装置80のように構成することも可能である。
図12の障害管理装置70に対して、計算部83を追加している。計算部83は、障害の初回発生時刻から今回の障害の発生時刻までの経過時間を計算する部分である。
【0072】
このように障害処理装置30および障害管理装置70(80)を構成することによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0073】
次に、
図14から
図16を用いて、本実施形態の障害処理装置30および障害管理装置70(80)の動作例について説明する。
【0074】
まず、割込検出部11は障害割り込みを検出し(
図14のステップS501)、障害割り込みを出力した監視対象50の障害割り込みをマスクする(ステップS502)。また、監視対象50から障害の詳細情報を取得する(ステップS503)。
【0075】
次に、通信部37は障害の詳細情報と発生時刻を障害管理装置70(80)に送信する。障害管理装置70(80)は、障害の発生時刻を受信し(
図15のステップS601、
図16のステップS701)、障害の発生が初回のときは発生時刻を記憶する。また、障害管理装置が障害管理装置70の場合、障害管理装置70は、障害記憶部71から障害の初回発生時刻を取得し、障害処理装置30へ送信する(ステップS602)。障害管理装置が障害管理装置80の場合には、障害管理装置80の計算部83が、障害の初回発生時刻から今回の障害の発生時刻までの経過時間を計算し(ステップS702)、経過時間を障害処理装置30へ送信する(ステップS703)。そして、通信部37は、障害管理装置(70または80)から初回発生時刻または経過時間を取得する。(ステップS504)
次に、タイマー制御部13は、経過時間に対応するマスク時間をテーブル記憶部25より取得し、タイマー14へセットする(ステップS505)。障害管理装置70から初回発生時刻を受信した場合には、タイマー制御部13で経過時間を計算する。
【0076】
タイマー14は、マスク時間が経過した時、タイマー割り込みを割込検出部11へ出力し、割込検出部11ではタイマー割り込みを検出する(ステップS506)。
【0077】
そして、割込制御部12は障害割り込みのマスクを解除する(ステップS507)。
【0078】
このように障害処理装置30および障害管理装置70(80)を動作させることによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0079】
以上で説明したように、本発明の第三の実施形態では、第一、第二の実施形態と同様に、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする。これにより、障害割り込みの発生間隔が障害の初回発生時刻からの経過時間により変更可能となる。マスク時間を経過時間により変更することで、より多くの障害情報を収集したい経過時間はマスク時間を短くし、処理量や通信量を抑えたい経過時間はマスク時間を長くすることが可能になる。そのため、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0080】
また、経過時間が長いほどマスク時間を長くすることによって、障害分析に重要な障害発生初期については短い間隔で障害情報を取得し、時間の経過に伴い、障害情報取得の間隔を長くして障害処理負荷を低減することが可能になる。
【0081】
さらに、本実施形態では、障害情報の管理を障害管理装置で行うため、障害処理装置への障害情報の記憶が不要となり、障害処理装置を小さくすることが可能になる。
【0082】
[第四の実施形態]
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。
【0083】
本実施形態では、障害の初回発生時刻を障害管理装置で管理し、障害の初回発生時刻からの経過時間とマスク時間との対応関係を障害管理装置に記憶させる場合の例について説明する。
【0084】
図17に本実施形態の障害処理装置40の構成例を示す。障害処理装置30からテーブル記憶部25を削除している。通信部37では、障害の今回の発生時刻を障害管理装置90へ送信し、障害管理装置90からマスク時間を取得する。タイマー制御部13では、障害管理装置90から受信したマスク時間をタイマーにセットする。
【0085】
また、
図18に本実施形態の障害管理装置90の構成例を示す。障害管理装置80にテーブル記憶部94を追加している。テーブル記憶部94は、障害の初回発生時刻からの経過時間とマスク時間との対応関係を記憶する部分である。なお、この対応関係は、監視対象50ごとに異なるものとすることが可能である。
【0086】
計算部83では障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間を計算し、経過時間に対応するマスク時間をテーブル記憶部94から取得する。通信部72はマスク時間を障害管理装置90へ送信する。
【0087】
このように障害処理装置40および障害管理装置90を構成することによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0088】
次に、
図19および
図20を用いて、本実施形態の障害処理装置40および障害管理装置90の動作例について説明する。
【0089】
まず、割込検出部11は障害割り込みを検出し(ステップS801)、障害割り込みを出力した監視対象50の障害割り込みをマスクする(ステップS802)。また、監視対象50から障害の詳細情報を取得する(ステップS803)。
【0090】
次に、通信部37は障害の発生時刻を障害管理装置90に送信する。障害管理装置90では、障害の発生時刻を受信し(ステップS901)、障害の発生が初回の場合には、障害記憶部71に初回発生時刻を記憶させる。そして、障害記憶部71から初回発生時刻を取得し、初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間を計算する(ステップS902)。また、経過時間に対応するマスク時間をテーブル記憶部94から取得する。通信部72ではマスク時間を障害処理装置40へ送信する(ステップS903)。そして、障害処理装置40の通信部37では、障害管理装置90からマスク時間を受信する(ステップS804)。
【0091】
次に、タイマー制御部13は、受信したマスク時間をタイマー14へセットする(ステップS805)。
【0092】
タイマー14は、マスク時間が経過した時、タイマー割り込みを割込検出部11へ出力し、割込検出部11ではタイマー割り込みを検出する(ステップS806)。
【0093】
そして、割込制御部12は障害割り込みのマスクを解除する(ステップS807)。
【0094】
このように障害処理装置40および障害管理装置90を動作させることによって、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0095】
以上で説明したように、本発明の第四の実施形態では、第一から第三の実施形態と同様に、障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットする。これにより、障害割り込みの発生間隔が障害の初回発生時刻からの経過時間により変更可能となる。マスク時間を経過時間により変更することで、より多くの障害情報を収集したい経過時間はマスク時間を短くし、処理量や通信量を抑えたい経過時間はマスク時間を長くすることが可能になる。そのため、障害分析に必要な障害情報を収集し、かつ、障害処理の処理量や通信量を抑制することが可能になる。
【0096】
また、経過時間が長いほどマスク時間を長くすることによって、障害分析に重要な障害発生初期については短い間隔で障害情報を取得し、時間の経過に伴い、障害情報取得の間隔を長くして障害処理負荷を低減することが可能になる。
【0097】
さらに、本実施形態では、障害情報の管理を障害管理装置で行うため、障害処理装置への障害情報の記憶が不要となり、障害処理装置を小さくすることが可能になる。
【0098】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【0099】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0100】
(付記1)
障害の発生を示す障害割り込みと、タイマーにセットされた時間が経過したことを示すタイマー割り込みとを検出する割込検出部と、
前記障害割り込みを検出したとき、前記障害割り込みをマスクし、前記タイマー割り込みを検出したとき、前記障害割り込みのマスクを解除する割込制御部と、
前記障害割り込みを検出したとき、前記障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットするタイマー制御部と
を備えることを特徴とする障害処理装置。
【0101】
(付記2)
前記タイマー制御部は、前記経過時間が長いほど前記マスク時間を長くする
ことを特徴とする付記1に記載の障害処理装置。
【0102】
(付記3)
前記割り込み検出部は、前記障害の障害原因を取得し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記1あるいは付記2に記載の障害処理装置。
【0103】
(付記4)
前記タイマー制御部は、前記経過時間と前記マスク時間との対応関係を記憶するテーブル記憶部の前記対応関係から、前記経過時間に対応する前記マスク時間を取得する
ことを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の障害処理装置。
【0104】
(付記5)
前記割込検出部は、前記障害の前記初回発生時刻を障害記憶部に記憶させ、
前記タイマー制御部は、前記障害記憶部から取得した前記初回発生時刻と前記今回の発生時刻とから前記経過時間を計算する
ことを特徴とする付記4に記載の障害処理装置。
【0105】
(付記6)
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記初回発生時刻を受信する通信部
を備え、
前記タイマー制御部は、前記初回発生時刻と前記今回の発生時刻とから前記経過時間を計算する
ことを特徴とする付記4に記載の障害処理装置。
【0106】
(付記7)
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記経過時間を受信する通信部
を備えることを特徴とする付記4に記載の障害処理装置。
【0107】
(付記8)
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記マスク時間を受信する通信部
を備えることを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の障害処理装置。
【0108】
(付記9)
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記障害の前記初回発生時刻を送信する通信部
を備えることを特徴とする障害管理装置。
【0109】
(付記10)
前記通信部は、さらに、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記9に記載の障害管理装置。
【0110】
(付記11)
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻から前記今回の発生時刻までの経過時間を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記経過時間を送信する通信部と、
前記経過時間を計算する計算部と
を備えることを特徴とする障害管理装置。
【0111】
(付記12)
前記通信部は、さらに、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記11に記載の障害管理装置。
【0112】
(付記13)
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の発生を示す障害割り込みをマスクするマスク時間を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記マスク時間を送信する通信部と、
前記障害の前記初回発生時刻から前記今回の発生時刻までの経過時間を計算し、前記経過時間と前記マスク時間との対応関係を記憶したテーブル記憶部から前記経過時間に対応する前記マスク時間を取得する計算部と
を備えることを特徴とする障害管理装置。
【0113】
(付記14)
前記通信部は、さらに、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記13に記載の障害管理装置。
【0114】
(付記15)
付記6に記載の障害処理装置と、
付記9あるいは付記10に記載の障害管理装置と
を備え、
前記障害処理装置の前記通信部は、前記障害管理装置の前記通信部へ前記今回の発生時刻を送信し、前記障害管理装置の前記通信部から前記初回発生時刻を受信する
ことを特徴とする障害処理システム。
【0115】
(付記16)
付記7に記載の障害処理装置と、
付記11あるいは付記12に記載の障害管理装置と
を備え、
前記障害処理装置の前記通信部は、前記障害管理装置の前記通信部へ前記今回の発生時刻を送信し、前記障害管理装置の前記通信部から前記経過時間を受信する
ことを特徴とする障害処理システム。
【0116】
(付記17)
付記8に記載の障害処理装置と、
付記13あるいは付記14に記載の障害管理装置と
を備え、
前記障害処理装置の前記通信部は、前記障害管理装置の前記通信部へ前記今回の発生時刻を送信し、前記障害管理装置の前記通信部から前記マスク時間を受信する
ことを特徴とする障害処理システム。
【0117】
(付記18)
障害の発生を示す障害割り込みと、タイマーにセットされた時間が経過したことを示すタイマー割り込みとを検出し、前記障害割り込みを検出したとき、前記障害割り込みをマスクして前記障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットし、前記タイマー割り込みを検出したとき、前記障害割り込みのマスクを解除する
ことを特徴とする障害処理方法。
【0118】
(付記19)
前記経過時間が長いほど前記マスク時間を長くする
ことを特徴とする付記18に記載の障害処理方法。
【0119】
(付記20)
前記障害処理方法は、前記障害の障害原因を取得し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記18あるいは付記19に記載の障害処理方法。
【0120】
(付記21)
前記経過時間と前記マスク時間との対応関係を記憶するテーブル記憶部に記憶された前記対応関係から、前記経過時間に対応する前記マスク時間を取得する
ことを特徴とする付記18から付記20のいずれかに記載の障害処理方法。
【0121】
(付記22)
前記初回発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記障害記憶部から取得した前記初回発生時刻と前記今回の発生時刻とから前記経過時間を計算する
ことを特徴とする付記21に記載の障害処理方法。
【0122】
(付記23)
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記初回発生時刻を受信し、前記初回発生時刻と前記今回の発生時刻とから前記経過時間を計算する
ことを特徴とする付記21に記載の障害処理方法。
【0123】
(付記24)
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記経過時間を受信する
ことを特徴とする付記21に記載の障害処理方法。
【0124】
(付記25)
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記マスク時間を受信する
ことを特徴とする付記18から付記20のいずれかに記載の障害処理方法。
【0125】
(付記26)
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記障害の前記初回発生時刻を送信する
ことを特徴とする障害管理方法。
【0126】
(付記27)
前記障害管理方法は、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記26に記載の障害管理方法。
【0127】
(付記28)
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻から前記今回の発生時刻までの経過時間を計算して前記経過時間を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記経過時間を計算して前記経過時間を送信する
ことを特徴とする障害管理方法。
【0128】
(付記29)
前記障害管理方法は、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記28に記載の障害管理方法。
【0129】
(付記30)
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻から前記今回の発生時刻までの経過時間を計算し、前記経過時間と前記マスク時間との対応関係を記憶したテーブル記憶部から前記経過時間に対応する前記障害の発生を示す障害割り込みをマスクするマスク時間を取得して前記マスク時間を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記経過時間を計算し、前記テーブル記憶部から前記経過時間に対応する前記マスク時間を取得して前記マスク時間を送信する
ことを特徴とする障害管理方法。
【0130】
(付記31)
前記障害管理方法は、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記30に記載の障害管理方法。
【0131】
(付記32)
コンピュータに、
障害の発生を示す障害割り込みと、タイマーにセットされた時間が経過したことを示すタイマー割り込みとを検出する割込検出機能と、
前記障害割り込みを検出したとき、前記障害割り込みをマスクし、前記タイマー割り込みを検出したとき、前記障害割り込みのマスクを解除する割込制御機能と、
前記障害割り込みを検出したとき、前記障害の初回発生時刻から今回の発生時刻までの経過時間に対応するマスク時間をタイマーにセットするタイマー制御機能と
を実現させることを特徴とする障害処理プログラム。
【0132】
(付記33)
前記タイマー制御機能は、前記経過時間が長いほど前記マスク時間を長くする
ことを特徴とする付記32に記載の障害処理プログラム。
【0133】
(付記34)
前記割り込み検出機能は、前記障害の障害原因を取得し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記32あるいは付記33に記載の障害処理プログラム。
【0134】
(付記35)
前記タイマー制御機能は、前記経過時間と前記マスク時間との対応関係を記憶するテーブル記憶部の前記対応関係から、前記経過時間に対応する前記マスク時間を取得する
ことを特徴とする付記32から付記34のいずれかに記載の障害処理プログラム。
【0135】
(付記36)
前記タイマー制御機能は、前記初回発生時刻を記憶する障害記憶部から取得した前記初回発生時刻と前記今回の発生時刻とから前記経過時間を計算する
ことを特徴とする付記35に記載の障害処理プログラム。
【0136】
(付記37)
コンピュータに、さらに、
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記初回発生時刻を受信する通信機能
を実現させ、
前記タイマー制御機能は、前記初回発生時刻と前記今回の発生時刻とから前記経過時間を計算する
ことを特徴とする付記35に記載の障害処理プログラム。
【0137】
(付記38)
コンピュータに、さらに、
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記経過時間を受信する通信機能
を実現させることを特徴とする付記35に記載の障害処理プログラム。
【0138】
(付記39)
コンピュータに、さらに、
前記障害割り込みを検出したとき、前記今回の発生時刻を送信し、前記マスク時間を受信する通信機能
を実現させることを特徴とする付記32から付記34のいずれかに記載の障害処理プログラム。
【0139】
(付記40)
コンピュータに、
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記障害の前記初回発生時刻を送信する通信機能
を実現させることを特徴とする障害管理プログラム。
【0140】
(付記41)
前記通信機能は、さらに、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記40に記載の障害管理プログラム。
【0141】
(付記42)
コンピュータに、
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の初回発生時刻から前記今回の発生時刻までの経過時間を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、前記初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記経過時間を送信する通信機能と、
前記経過時間を計算する計算機能と
を実現させることを特徴とする障害管理プログラム。
【0142】
(付記43)
前記通信機能は、さらに、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記42に記載の障害管理プログラム。
【0143】
(付記44)
コンピュータに、
障害の今回の発生時刻の受信に対して、前記障害の発生が初回でない場合には、前記障害の発生を示す障害割り込みをマスクするマスク時間を送信し、前記障害の発生が初回の場合には、初回発生時刻として前記今回の発生時刻を障害記憶部に記憶させ、前記マスク時間を送信する通信機能と、
前記障害の前記初回発生時刻から前記今回の発生時刻までの経過時間を計算し、前記経過時間と前記マスク時間との対応関係を記憶したテーブル記憶部から前記経過時間に対応する前記マスク時間を取得する計算機能と
を実現させることを特徴とする障害管理プログラム。
【0144】
(付記45)
前記通信機能は、さらに、前記障害の障害原因を受信し、
前記初回発生時刻は、前記障害原因の前記障害が初回に発生した時刻である
ことを特徴とする付記44に記載の障害管理プログラム。