特許第6568056号(P6568056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568056
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】血管内デバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20190819BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20190819BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20190819BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20190819BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   A61B5/0215 C
   A61B5/0215 E
   A61M25/09
   A61B5/01 250
   A61B8/12
   A61B1/00 550
【請求項の数】19
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-521975(P2016-521975)
(86)(22)【出願日】2014年10月13日
(65)【公表番号】特表2016-533785(P2016-533785A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】US2014060264
(87)【国際公開番号】WO2015057568
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2017年10月12日
(31)【優先権主張番号】61/890,547
(32)【優先日】2013年10月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】ボルケーノ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー ダグ
(72)【発明者】
【氏名】バーネット ジョセフ
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−518900(JP,A)
【文献】 特開平10−075929(JP,A)
【文献】 特表2013−511372(JP,A)
【文献】 特表2009−517136(JP,A)
【文献】 米国特許第05545200(US,A)
【文献】 特開平08−089588(JP,A)
【文献】 特表2013−517863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/01 − 5/03
A61M 25/00 −25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管に挿入されるフレキシブルな細長い部材であって、前記フレキシブルな細長い部材は、近位部及び遠位部を有し、前記遠位部は、前記フレキシブルな細長い部材が前記患者の血管内にあるとき、前記患者の生理学的状態を検出するコンポーネントを含み、前記フレキシブルな細長い部材は、心線、及び前記心線に少なくとも部分的に沿って伸びる通信経路を含み、前記通信経路は、前記コンポーネントと通信し及び前記近位部まで伸びる、フレキシブルな細長い部材と、
検出された前記生理学的状態を表す信号をシステムに送信する通信要素と、
前記フレキシブルな細長い部材の前記近位部に、回転しないよう恒久的に固定されたコネクタ接合部であって、前記コネクタ接合部は、医療従事者が把持して回転させることで、前記フレキシブルな細長い部材が前記患者の血管内にあるときに前記フレキシブルな細長い部材を回転させることができ、検出された前記生理学的状態に関する信号を前記システムに伝送するため前記フレキシブルな細長い部材内の前記通信経路を前記通信要素に接続する、コネクタ接合部と
を含み、
前記コネクタ接合部は、前記通信経路におけるたるみとして、前記通信経路が曲がることを可能にするチャンバを含む、血管内プローブ。
【請求項2】
前記通信経路は、前記通信経路の前記たるみとしてループを含み、前記ループは前記チャンバ内に配置される、請求項に記載の血管内プローブ。
【請求項3】
前記コネクタ接合部は、コネクタチャンバ、及び前記コネクタチャンバ内に配置された回路基板を含み、前記通信経路は、前記回路基板と通信する、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項4】
前記通信要素は、前記コネクタ接合部から伸びるケーブルである、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項5】
前記通信経路は、少なくとも3本の別々の信号線を含む、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項6】
ハウジングが、接着剤によって前記フレキシブルな細長い部材の前記近位部に接着される、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項7】
前記コンポーネントは、圧力センサである、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項8】
前記フレキシブルな細長い部材は、前記コンポーネントの遠位に配置された第1のコイルと、前記コンポーネントの近位に配置された第2のコイルとを含み、前記第1及び第2の遠位コイルは、前記フレキシブルな細長い部材の前記遠位部に剛性を与える、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項9】
前記フレキシブルな細長い部材は、コンポーネントハウジングを含み、前記コンポーネントは、前記コンポーネントハウジング内に配置される、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項10】
前記遠位部は、約0.37mm未満の直径を有する、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項11】
患者の血管に挿入されるフレキシブルな細長い部材であって、前記フレキシブルな細長い部材は、近位部及び遠位部を有し、前記遠位部は、前記フレキシブルな細長い部材が前記患者の血管内にあるとき、前記患者の生理学的状態を検出するコンポーネントを含み、前記フレキシブルな細長い部材は、心線、及び前記心線に少なくとも部分的に沿って伸びる通信経路を含み、前記通信経路は、前記コンポーネントと通信し及び前記近位部まで伸びる、フレキシブルな細長い部材と、
検出された前記生理学的状態を表す信号をシステムに送信する通信要素と、
前記フレキシブルな細長い部材の前記近位部に、回転しないよう恒久的に固定されたコネクタ接合部であって、前記コネクタ接合部は、医療従事者が把持して回転させることで、前記フレキシブルな細長い部材が前記患者の血管内にあるときに前記フレキシブルな細長い部材を回転させることができ、検出された前記生理学的状態に関する信号を前記システムに伝送するため前記フレキシブルな細長い部材内の前記通信経路を前記通信要素に接続する、コネクタ接合部と
を含み、
前記コネクタ接合部上の切断ツールをさらに含み、前記切断ツールは、前記フレキシブルな細長い部材を恒久的に分離して前記コネクタ接合部を取り除き、前記フレキシブルな細長い部材の残りの部分上でバルーン又はステントカテーテルを血管に挿入することを可能にする、血管内プローブ。
【請求項12】
前記フレキシブルな細長い部材は、約1300〜4000mmの長さを有する、請求項1に記載の血管内プローブ。
【請求項13】
患者の血管に挿入されるフレキシブルな細長い部材であって、前記フレキシブルな細長い部材は、近位部及び遠位部を有し、前記遠位部は、前記フレキシブルな細長い部材が患者の血管内にあるとき、前記患者の生理学的状態を検出するコンポーネントを含み、前記フレキシブルな細長い部材は、心線、及び前記心線に少なくとも部分的に沿って伸びる通信経路を含み、前記通信経路は、前記コンポーネントと通信し、前記近位部まで伸びる、フレキシブルな細長い部材を提供するステップと、
コネクタ接合部を前記通信経路に接続するステップと、
医療従事者が把持して回転させることで、前記フレキシブルな細長い部材が前記患者の血管内にあるときに前記フレキシブルな細長い部材を回転させることができるように、前記コネクタ接合部を前記フレキシブルな細長い部材の前記近位部に恒久的に取り付けるステップと
前記フレキシブルな細長い部材が曲がりくねった血管に挿入された結果、前記通信経路にかかる張力を受け止めるための前記通信経路のたるみを前記コネクタ接合部内に作成するステップと
を含む、血管内デバイスを製造するための方法。
【請求項14】
前記たるみを作成するために前記通信経路を環状にするステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フレキシブルな細長い部材の前記コンポーネントの遠位に第1のコイルを形成するステップと、前記フレキシブルな細長い部材の前記コンポーネントの近位に第2のコイルを形成するステップとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記コネクタ接合部は、トルクデバイスとして使用できる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記通信経路は導体を含み、前記コネクタ接合部を接続するステップは、前記導体を、前記コネクタ接合部内に保持された回路に半田付けするステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ケーブルは当該ケーブルの近位端に配置される電気コネクタで終点となる、請求項に記載の血管内プローブ。
【請求項19】
前記コネクタ接合部は、前記電気コネクタ及び前記ケーブルの遠位に配置される、請求項18に記載の血管内プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管内デバイス、システム、及び方法に関する。一部の実施形態では、血管内デバイスは、1つ又は複数の電子、光学、又は電子光学部品を含む血管内プローブである。
【背景技術】
【0002】
心疾患は非常に深刻であり、多くの場合、緊急救命手術を要する。心疾患の主因は、やがて血管を閉塞することになる血管内のプラークの蓄積である。閉塞された血管を開通するために使用可能な一般的な治療オプションは、バルーン血管形成術、回転性アテレクトミー、及び血管内ステントを含む。従来、術者は、治療のガイドにおいて、血管内腔のシルエットの外形を表す平面画像であるX線透視画像に頼ってきた。残念ながら、X線透視画像では、閉塞を引き起こしている狭窄の正確な範囲及び向きについて大きな不確実性があり、これは、狭窄の正確な位置の特定を困難にする。さらに、同じ場所で再狭窄が起こり得ることが知られているが、手術後、X線によって血管内部の状態を確認することは難しい。
【0003】
多くの場合、血管内カテーテル及びガイドワイヤーは、血管内の圧力を測定し、血管内腔を視覚化し、及び/又は他の方法で血管に関するデータを取得するために使用される。圧力センサ、撮像素子、及び/又は他の電子、光学、又は電子光学部品を含むカテーテルは、ボディの直径が大きいという問題を有し、これは、曲がりくねった血管の通過をより困難にし、場合によっては、狭窄領域を安全に通過するには大き過ぎる可能性がある。圧力センサ、撮像素子、及び/又は他の電子、光学、又は電子光学部品を含むガイドワイヤーは、通常、ガイドワイヤーに沿って挿入されるカテーテルを受け入れるために着脱される、壊れやすい電気接続部を含むため、電気的な問題がより発生しやすい可能性がある。これらの壊れやすい電気接続部は、しばしば、電気接続を保ちつつ、ガイドワイヤーが近位コネクタに対して回転することを可能にする導体バンドを含む。しかしながら、導体バンドは、材料費及び労務費のためにコストが高い。また、これらの接続部は、所望のレベルの一貫性及び予測可能性を提供しないおそれがある。
【0004】
さらに、典型的には約0.25mm〜1.5mmという非常に小さい直径のため、現在のガイドワイヤーは、通常、ガイドワイヤーを操作するための取り付け可能なトルクデバイスを必要とする。トルクデバイスの着脱は、煩わしく、時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、1つ又は複数の電子、光学、又は電子光学部品を含む改良された血管内デバイス、システム、及び方法へのニーズが依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、血管内デバイス、システム、及び方法を対象とする。
【0007】
例示的な側面では、本開示は、患者の血管に挿入されるよう構成されたフレキシブルな細長い部材を含む血管内プローブを対象とする。フレキシブルな細長い部材は、近位部及び遠位部を含み得る。遠位部は、フレキシブルな細長い部材が患者の血管内にあるとき、患者の生理学的状態を検出するコンポーネントを含み得る。フレキシブルな細長い部材は、心線、及び心線に少なくとも部分的に沿って伸びる通信経路を含み、導体は、コンポーネントと通信し及び近位部まで伸びる。プローブは、さらに、検出された生理学的状態を表す信号をシステムに送信する通信要素と、フレキシブルな細長い部材の近位部に回転しないよう恒久的に固定されたコネクタ接合部とを含み得る。コネクタ接合部は、医療従事者が把持し、及びフレキシブルな細長い部材が患者の血管内にあるときにフレキシブルな細長い部材を回転させるよう回転させるためのサイズを有し得る。コネクタ接合部は、フレキシブルな細長い部材内の導体を通信要素に接続し、検出された生理学的状態に関する信号をシステムに伝送し得る。
【0008】
一側面では、コネクタ接合部は、導体におけるたるみとして、導体が曲がることを可能にするチャンバを含む。一側面では、導体は、導体のたるみとして、ループを含み、ループはチャンバ内に配置される。一側面では、コネクタ接合部は、コネクタチャンバ、及びコネクタチャンバ内に配置された回路基板を含み、導体は、回路基板と通信する。一側面では、通信要素は、コネクタ接合部から伸びるケーブルである。一側面では、導体は、少なくとも3本の別々の信号線を含む。一側面では、ハウジングは、接着剤によってフレキシブルな細長い部材の近位部に接着される。
【0009】
一側面では、コンポーネントは、圧力センサである。一側面では、フレキシブルな細長い部材は、コンポーネントの遠位に配置された第1のコイルと、コンポーネントの近位に配置された第2のコイルとを含み、第1及び第2の遠位コイルは、フレキシブルな細長い部材の遠位部に剛性を与える。一側面では、フレキシブルな細長い部材は、コンポーネントハウジングを含み、コンポーネントは、コンポーネントハウジング内に配置される。一側面では、遠位部は、約.37mm未満の直径を有する。一側面では、血管内プローブは、コネクタ接合部上の切断ツールをさらに含み、切断ツールは、フレキシブルな細長い部材を恒久的に分離してコネクタ接合部を取り除き、残りのフレキシブルな細長い部分上でバルーン又はステントカテーテルを血管に挿入することを可能にする。一側面では、フレキシブルな細長い部材は、約1300〜4000mmの長さを有する。
【0010】
他の例示的な側面では、本開示は、患者の血管に挿入されるフレキシブルな細長い部材であって、フレキシブルな細長い部材は、近位部及び遠位部を有する、フレキシブルな細長い部材を含む血管内プローブを対象とする。遠位部は、フレキシブルな細長い部材が患者の血管内にあるとき、患者の血圧を検出する圧力センサを含む。フレキシブルな細長い部材は、視覚化のために、圧力センサの遠位に配置された放射線不透過性コイルを含み得る。フレキシブルな細長い部材は、さらに、圧力センサと電気通信し及び近位部まで伸びる導体を含み得る。プローブは、さらに、フレキシブルな細長い部材の近位部に回転しないよう恒久的に固定されたコネクタ接合部を含み得る。コネクタ接合部は、ハウジング、ハウジング内の中空チャンバ、及び中空チャンバ内に配置された回路基板を含み得る。導体は、回路基板と電気通信し、また、フレキシブルな細長い部材が患者の血管内で操作される際、導体が曲がることを可能にするたるみを中空チャンバ内に有し得る。
【0011】
他の例示的な側面では、本開示は、患者の血管に挿入されるフレキシブルな細長い部材であって、フレキシブルな細長い部材は、近位部及び遠位部を有し、遠位部は、フレキシブルな細長い部材が患者の血管内にあるとき、患者の生理学的状態を検出するコンポーネントを含み、フレキシブルな細長い部材は、心線、及び心線に少なくとも部分的に沿って伸びる通信経路を含み、導体は、コンポーネントと通信し及び近位部まで伸びる、フレキシブルな細長い部材を提供するステップと、コネクタ接合部を通信経路に接続するステップと、コネクタ接合部をフレキシブルな細長い部材の近位部に恒久的に取り付けるステップであって、コネクタ接合部は、医療従事者が把持し、及びフレキシブルな細長い部材が患者の血管内にあるときにフレキシブルな細長い部材を回転させるよう回転させるためのサイズを有する、ステップとを含む、方法を対象とする。
【0012】
一側面では、方法は、フレキシブルな細長い部材が曲がりくねった血管に挿入された結果、通信経路にかかる張力を受け止めるたるみを通信経路内に作成するステップを含む。一側面では、方法は、たるみを作成するために通信経路を環状にするステップを含む。一側面では、方法は、フレキシブルな細長い部材のコンポーネントの遠位に第1のコイルを形成すステップと、フレキシブルな細長い部材のコンポーネントの近位に第2のコイルを形成するステップとを含む。一側面では、方法は、医療処置中、コネクタ接合部をトルクデバイスとして使用するステップを含む。一側面では、コネクタ接合部を接続するステップは、導体を、コネクタ接合部内に保持された回路に半田付けするステップを含む。
【0013】
本開示のさらなる側面、特徴、及び利点が以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
次に、本開示の例示的実施形態を、以下の添付図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る血管内デバイスの様式化された模式図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る血管内デバイスの模式側面図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係るフレキシブルな細長い部材の模式断面図である。
図4図4は、本開示の一実施形態に係るコネクタ接合部の模式側面図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る図4のコネクタ接合部の長さ方向の模式断面図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る図4のコネクタ接合部の長さ方向の模式断面図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係る図4のコネクタ接合部の長さ方向の模式断面図である。
図8図8は、本開示の実施形態に係る図4のコネクタ接合部の横方向の模式断面図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係る図4のコネクタ接合部の横方向の模式断面図である。
図10図10は、本開示の他の実施形態に係るコネクタ接合部の模式側面図である。
図11図11は、本開示の他の実施形態に係る図10のコネクタ接合部の模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の原理の理解を助けるため、以下、図面に表された実施形態を参照し、これらを説明するために具体的な言葉が使用される。しかしながら、本開示の範囲を制限することは意図されないことを理解されたい。本開示に関連する技術分野の当業者が通常考え付くであろう、記載されるデバイス、システム、及び方法へのあらゆる変更及びさらなる改良、並びに本開示の原理のあらゆる他の応用が完全に考慮され、本開示の範囲に含まれる。特に、一実施形態に関して説明された特徴、構成要素、及び/又はステップが、本開示の他の実施形態に関して説明された特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせられることは完全に考慮される。しかしながら、簡潔さのため、これらの組み合わせは個別に何度も繰り返し説明されない。
【0017】
本明細書で使用される場合、「フレキシブルな細長い部材」又は「細長いフレキシブルな部材」は、患者の血管に挿入可能な任意の細長いフレキシブルな構造物を少なくとも含むことを理解されたい。本開示の「フレキシブルな細長い部材」の図示された実施形態は、フレキシブルな細長い部材の外径を定める円形断面を有する円筒状のプロフィールを有するが、他の実施形態では、フレキシブルな細長い部材の全て若しくは一部が他の幾何学的断面形状(例えば、楕円形、長方形、正方形等)、又は非幾何学的断面形状を有し得る。
【0018】
本開示のフレキシブルな細長い部材は、1つ又は複数の電子、光学、又は電子光学部品を含む。例えば、限定はされないが、フレキシブルな細長い部材は、圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、リフレクタ、ミラー、プリズム、アブレーション要素、RF電極、導体、及び/又はこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含み得る。一般的に、これらの構成要素は、血管、又はフレキシブルな細長い部材が配置された対象の他の部分に関するデータを取得するよう構成される。
【0019】
多くの場合、構成要素は、さらに、処理及び/又は表示のために外部デバイスにデータを送信するよう構成される。一部の側面では、本開示の実施形態は、医療用及び非医療用を含め、導管の内腔の中でイメージングを行うための撮像デバイスを含む。しかしながら、本開示の一部の実施形態は、人間の血管における使用に特に適している。血管内空間、特に人間の血管の内壁のイメージングは、超音波(一般的に、血管内超音波検査(「IVUS」)及び心臓超音波検査(「ICE」)と呼ばれる)及び光干渉断層法(「OCT」)を含む多様な技術によって行われ得る。他の場合では、赤外線、サーマル、又は他の撮像法が使用される。
【0020】
本開示の電子、光学、及び/又は電子光学部品は、多くの場合、フレキシブルな細長い部材の遠位部内に配置される。本明細書で使用される場合、フレキシブルな細長い部材の「遠位部」は、フレキシブルな細長い部材の中心点から遠位端までのあらゆる部分を含む。フレキシブルな細長い部材は中実であり得るので、本開示の一部の実施形態は、遠位部において、電子部品を収容するためのハウジング部を含む。かかるハウジング部は、細長い部材の遠位部に取り付けられた管状構造物であり得る。一部のフレキシブルな細長い部材は、管状であり、電子部品を遠位部内に配置することを可能にする1つ又は複数の管腔を有する。
【0021】
電子、光学、及び/又は電子光学部品、並びに付随する通信線は、フレキシブルな細長い部材の直径を非常に小さくすることを可能にするサイズ及び形状を有する。例えば、本明細書に記載される1つ又は複数の電子、光学、及び/又は電子光学部品を含む細長い部材の外径は、約0.0007″(0.0178mm)〜0.118″(3.0mm)であり、特定の実施形態は、約0.014″(0.3556mm)〜0.035″(0.889mm)の外径を有する。したがって、本願の電子、光学、及び/又は電子光学部品を含むフレキシブルな細長い部材は、心臓の一部又は周囲のもののほか、人間の患者の体内の様々な内腔、例えば末梢血管及び動脈、腎動脈、脳内及び脳周辺の血管、並びに他の内腔等における使用に適している。
【0022】
本明細書で使用される場合、「接続された」及びそのバリエーションは、他の要素に接着又は他の方法で直接固定されている等の直接接続、並びに1つ又は複数の要素が接続された要素間に配置されている間接接続を含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、「固定された」及びそのバリエーションは、要素が他の要素に接着又は他の方法で直接固定されている等、要素が他の要素に直接固定される方法、並びに1つ又は複数の要素が固定された要素間に配置される、2つの要素を間接的に結合する技術を含む。
【0024】
本開示は、患者の生理学的状態をモニタリングするために、カテーテルの通過を制限し得る部分狭窄又は他の障害物を越えることを含め、患者の血管を通過することが可能なサイズを有する、プローブ等の血管内デバイスを対象とする。本明細書に開示されるデバイスは、小さい直径にも関わらず、接続接合部内に保持される固定かつ常置の頑丈な電気接続部を有するため、従来のデバイスよりも強固である。接続部が固定かつ常置であるため、単純な接続方式を採用し、信頼性を高めるとともにコストを削減することができる。接続接合部による保護に加えて、接続部は、プローブが血管に挿入される際に、プローブから接続部に負荷がかかる可能性を下げるたるみを導電体が含むよう導電体を構成することによって保護される。接続接合部は、把持可能なサイズを有し、血管内で血管内デバイスを操作するために回転可能な常置のトルクデバイスとして使用され得る。したがって、本明細書で配置されるデバイスは、従来のデバイスと比較して操作しやすく、より信頼でき、作製費がより低い可能性がある。さらに、ガイドワイヤーと比較すると、本明細書に記載されるデバイスは、他のデバイスを載せる必要がないため、より短い長さを有し得る。したがって、医療従事者にとって、従来のガイドワイヤー又はカテーテルよりも操作が容易であり得る。
【0025】
次に、図1を参照すると、本開示の一実施形態に係る血管内デバイス100の一部が示されている。これに関して、血管内デバイス100は、フレキシブルな細長い部材102、コネクタ接合部104、ケーブル106、及び電気コネクタ108を含む。
【0026】
フレキシブルな細長い部材102は、図2を参照して説明され、遠位端114に隣接する遠位部112、及び近位端118に隣接する近位部116を含む。ハイポチューブ119が、フレキシブルな細長い部材102の長さ全体又は一部を形成する。コンポーネント120が、コンポーネントハウジング122に沿って、遠位端114の近位のフレキシブルな細長い部材102の遠位部112内に配置される。通常、コンポーネント120は、1つ又は複数の電子、光学、又は電子光学部品を表す。これに関して、コンポーネント120は圧力センサ、温度センサ、撮像素子、光ファイバ、超音波トランスデューサ、リフレクタ、ミラー、プリズム、アブレーション要素、RF電極、導体、及び/又はこれらの組み合わせである。具体的なコンポーネントの種類又は組み合わせは、血管内デバイス100の用途に基づき選択され得る。一部の実施形態では、コンポーネント120は、遠位端114から10cm、5cm、又は3cm未満の位置に配置される。図2に示される例示的な実施形態では、コンポーネント120は、フレキシブルな細長い部材102のコンポーネントハウジング122内に配置される。これに関して、一部の実施形態では、コンポーネントハウジング122は、ハイポチューブ119等の本体の一部とは別個の要素であり、合わせてフレキシブルな細長い部材102の一部を形成し得る。他の実施形態では、コンポーネントハウジング122は、本体の一部として、又は、フレキシブルな細長い部材102の一部を形成するハイポチューブ119の一部として、一体的に形成される。
【0027】
図示の例示的実施形態では、フレキシブルな細長い部材102は、さらに、コンポーネントハウジング122に隣接し、コンポーネントハウジング122の両側に位置する遠位コイル124及び近位コイル126を含む。一部の実施形態では、遠位及び近位コイル124、126は、コンポーネントハウジング122に取り付けられることによって、又はコンポーネントハウジング122の一部を形成されることによってコンポーネントハウジング120と隣接する。遠位及び近位コイル124、126は、フレキシブルな細長い部材102の遠位部112の周囲に延在し、フレキシブルな細長い部材102が、例えば、約0.25mm〜1.5mmの外径を有するようなサイズを有し、適切な直径を有するワイヤーによって形成され得る。より大きい又は小さいコイル及びワイヤーのサイズも考慮される。
【0028】
一部の実施形態では、遠位及び近位コイル124、126は、同一に形成され、金属材料等の放射線不透過性材料から形成される。一部の実施形態では、遠位及び近位コイル124、126は、ステンレス鋼から形成される。一部の実施形態では、遠位及び近位コイル124、126は異なる材料から形成され、一方又は両方が、パラジウム又はタングステン白金合金等の放射線不透過性が高い材料から形成され得る。一部の実施形態では、2つのコイルは異なる軸方向長さを有する。例えば、一部の実施形態では、近位コイル126は、例えばわずか約10〜40cmの適切な長さを有し、一方、遠位コイル126は、約2〜20cmの長さを有し得る。より長い及び短いコイル長も考慮される。一部の実施形態では、コイルは同じ長さを有する。一部の実施形態では、コンポーネントハウジング122は、例えば1〜10mm等の適切な長さを有するが、他の長さも考慮される。コンポーネントハウジング122の両端に2つのコイル124、126を使用することにより、フレキシブルな細長い部材102にフレキシブルかつ柔軟な先端が提供される。
【0029】
通信経路(図2では不図示)は、コンポーネント120から近位端118に、そしてフレキシブルな細長い部材102の外部まで伸び、コンポーネント120とコネクタ接合部104(図1)との間の通信を提供する。一般的に、通信経路は、コネクタ接合部104とコンポーネント120との間でフレキシブルな細長い部材102の長さに沿って延在し得る、任意の数の導電体、光路、及び/又はこれらの組み合わせであり得る。一部の実施形態では、1〜10の導電体及び/又は光路が、コネクタ接合部104とコンポーネント120との間でフレキシブルな細長い部材102の長さに沿って延在する。明確さ及び単純さのため、後述される本開示の実施形態は、通信経路として3つの導電体を含む。しかしながら、他の実施形態では、通信経路の総数並びに/又は導電体及び/若しくは光路の数は異なることを理解されたい。より具体的には、フレキシブルな細長い部材102の長さに沿って延在する通信経路の数、並びに導電体及び光路の数は、コンポーネント120の所望の機能、及びかかる機能を提供する、コンポーネント120を規定する対応する要素によって決定される。
【0030】
したがって、画像情報、圧力情報、又は他の検出された情報等の情報が、コネクタ接合部104から、細長い部材の遠位部112に配置されたコンポーネント120に送信され得る。同様に、情報、制御、又は作動信号がコンポーネント120に送信され得る。したがって、一部の実施形態では、フレキシブルな細長い部材102は、ハイポチューブによって部分的に形成され、通信経路は、遠位部112におけるコンポーネント120からハイポチューブを介して近位端118まで伸びる。一部の実施形態では、通信経路は、近位端118の開口から外に伸び、コネクタ接合部104(図1)に入る。
【0031】
フレキシブルな細長い部材102の全長は任意の長さであり得るが、一部の実施形態では、全長は約1300mm〜4000mmであり、一部の特定の実施形態では、1400mm、1900mm、及び3000mmである。
【0032】
図3は、通信経路(例えば、導電体及び/又は光ファイバ)をフレキシブルな細長い部材102の長さに沿って延在させる例示的な構成を示す、本開示の血管内デバイス100の例示的な断面図を示す。この例では、明瞭さ及び単純さのため、図3の実施形態は、3つの導電体を含む。より具体的には、図3の実施形態は、3本線として構成された3つの導電体を含む。既存の3本線は、通常、色分けされた絶縁材料でそれぞれ包まれた3本の個別の銅線によって形成される。単一の3本線コンポーネントとしてまとめるため、3本の銅線全てが最終的に被覆される。
【0033】
図3は、本開示の一実施形態に係る血管内デバイス100の長さ方向の断面図を示す。フレキシブルな細長い部材102は、フレキシブルな細長い部材102の外周を定める外壁152と、後に詳述されるフレキシブルな細長い部材102の追加部品を収容する管腔163を定める内壁とを有する本体151を含む。図示の実施形態では、本体151は、外径154を有する円形断面を有する。一部の実施形態では、直径154は約.014″(.3556mm)〜0.035″(.889mm)であり、特定の実施形態は、約0.014″(0.3556mm)又は0.035″(0.889mm)の外径を有する。一部の実施形態では、本体151はその長さの全体又は大部分に渡って一定のプロフィールを有する。例えば、図3に示されるように、本体151が円形断面を有する場合、本体151の各部分は、フレキシブルな細長い部材102の長さの全体又は大部分に渡って一定の外径を維持する。一部の実施形態では、患者の体内でフレキシブルな細長い部材102を前進させ又は軸方向に回転させている間に患者を傷つけることが無いよう、少なくとも、患者の体内に配置されることが予定される本体151の部分は一定のプロフィールを有する(又は、少なくともテーパ状にされ/異なる外形を有する部分の間で滑らかに遷移する)。また、一部の実施形態では、本体151の組成が血管内デバイスの長さに渡って変化することが認識される。例えば、一部の実施形態では、本体151は、ハイポチューブ、コイル、バルーン、ポリマースリーブ、並びに/又は他の構造及びこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数の間で遷移する。一部の実施形態では、本体151は、遷移に渡って一定のプロフィールを維持する。一部の実施形態では、本体151は、ハイポチューブ又は他のチューブである。一部の実施形態では、本体151は、導電コイルが埋め込まれたポリマーチューブであり、又はかかるポリマーチューブを含む。
【0034】
フレキシブルな細長い部材102は、さらに、内壁153によって定められる本体151の管腔内に配置された3本線155を含む。これに関して、3本線155は、限定はされないが、銅、銅合金、銀、銀合金、アルミニウム、及び/又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な導電材料から形成され得る、3つの導電体又は導線156、157、及び158からなる。導線156、157、及び158は、それぞれ絶縁層159、160、及び161によって包まれる。限定はされないが、ポリイミド、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンラバー、フルオロポリマー、及び/又はこれらの組み合わせを含む任意の適切な絶縁層が使用され得る。一部の実施形態では、対応する導体156、157、及び158の識別を容易にするために、絶縁層159、160、及び161は色分けされ、又は他の態様で印又は識別子を含む。単一の3本線コンポーネント155として導体を結合するために、3つの導体156、157、及び158、並びに絶縁層159、160、及び161の上に被覆層162が形成される。一部の実施形態では、層162は、絶縁材料からなる。例えば、一部の実施形態では、層162は、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーンラバー、及び/又はこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数から形成される。図示されるように、3本線155は、本体151の管腔163内に配置される。一部の実施形態では、管腔163は空洞である。他の実施形態では、管腔163は物質によって部分的に又は完全に充填される。例えば、一部の実施形態では、管腔163の一部は、ポリウレタン、シアノアクリレート、アクリレート、シリコーン、及び/又はこれらの組み合わせ等、フレキシブルな細長い部材102の構成要素を結合するために使用される接着剤によって充填される。したがって、一部の実施形態では、管腔163を充填する物質は、層164及び心線166も包囲する。これに関して、一部の実施形態では、層164はPET(polyethylene terephthalate)から形成され、心線166の長さの全体若しくは一部に沿って延在し、又は心線166の長さに沿って延在しなくてもよい(すなわち、層164は省かれてもよい)。一部の実施形態では、層164は、約0.0001″(0.0025mm)〜0.0005″(0.0127mm)の厚さを有する。一部の実施形態では、層164は、特定の接合部における絶縁体として、及び/又は3本線155を心線166に固定するために、心線166の長さに沿って間欠的に使用される。
【0035】
図示されるように、本体151の内壁153は、直径167を有する管腔163を定める。直径167は、本体151の外径154、及び外壁152と内壁153との間の本体の厚さに依存する。上記したように、一部の実施形態では、直径154は約0.014″(0.3556mm)〜0.035″(.889mm)であり、特定の実施形態は、約0.014″(0.3556mm)又は0.035″(0.889mm)の外径を有する。また、外表面152と内表面153との間の本体151の厚さは、約.0005″又は0.0157mm〜約.003″又は.0762mmである。特定の実施形態では、厚さは約0.0254mm、約0.047mm、又は約0.0508mmである。内径167、3本線155のサイズ及び向き、並びに層164の厚さに基づき、コア166は最大直径168を有する。
【0036】
一部の実施形態では、図3に示される構成要素の配置は、コア166の最大外径168を、本体151の外径154の約46%に制限する。例えば、外径が0.014″の撮像デバイスの場合、コアの直径168は、約0.0065″に制限される。
【0037】
図2は、フレキシブルな細長い部材102の近位部116の上に配置され、又は近位部116に接続されたコネクタ接合部104の一部を示す。一部の実施形態では、近位端118は、コネクタ接合部104の一部に収容されるよう構成される。したがって、一部の実施形態では、コネクタ接合部104は、近位端118に配置される。
【0038】
上記されたように、コネクタ接合部104は、血管内デバイス100のコンポーネント120と、他の外部デバイスとの間の通信を援助するよう構成される。より具体的には、一部の実施形態では、コネクタ接合部104は、コンポーネント120によって取得されたデータを他のデバイス、例えばコンピュータデバイス又はプロセッサに送信することを援助するよう構成される。したがって、一部の実施形態では、コネクタ接合部104は、電気コネクタ接合部である。かかる場合、コネクタ接合部104は、フレキシブルな細長い部材102の長さに沿って伸び、コンポーネント120に電気結合された1つ又は複数の導電体156、157、158への電気接続を提供する。他の実施形態では、コネクタ接合部104は光学コネクタである。かかる場合、コネクタ接合部104は、フレキシブルな細長い部材102の長さに沿って伸び、コンポーネント120に光結合された1つ又は複数の光通信経路(例えば、光ファイバケーブル)への光接続を提供する。さらに、一部の実施形態では、コネクタ接合部104は、コンポーネント120に結合された導電体及び光通信経路の両方への電気及び光接続両方を提供する。これに関して、一部の実施形態では、コンポーネント120は複数の要素から構成されることに再度留意されたい。一部の実施形態では、コネクタ接合部104は、他のデバイスへの直接的又は間接的な物理的接続を提供するよう構成される。
【0039】
図1に示されるように、ケーブル106は、コネクタ接合部104からコネクタ108まで伸びる。コネクタ108は、血管内デバイス100から追加の処理又は制御システムまでの電気光接続を提供するよう構成される。これらは、例えば、血管内デバイス100によって検出又は取得されたデータを処理し、及び血管内デバイス100を制御するよう構成されたポータブルコンピュータシステム又は手術用コンソール上に保持され得るコンピュータシステムを含み得る。一部の実施形態は、血管内デバイス100と他の外部デバイスとの間の無線通信を援助する送信機又は送受信機をコネクタ接合部104内に含む。一般的に、任意の現在の又は将来開発される無線プロトコルが使用され得る。他の実施形態では、コネクタ110は、他の外部デバイスへの物理的接続及び無線接続の両方を援助する。
【0040】
図4図9は、コネクタ接合部104をより詳細に示す。図5図7は、コネクタ接合部104の長さ方向の断面図を示す。図8及び図9は、それぞれ図4の線8−8及び9−9に沿って切断されたコネクタ接合部104の横方向の断面図を示す。図4図7から分かるように、コネクタ接合部104は、遠位ノーズ204及び近位シェル206から形成されるハウジングとして、把持可能なボディ202を含む。コネクタ接合部104内には、フレキシブルな細長い部材102内の導電体156、157、158、及びケーブル106内の追加の導体と電気接続する回路基板209が配置される。回路基板209は、上記光学コネクタと置き換えられてもよい。しかし、説明を容易にするため、ここでは回路基板209に言及する。ケーブル106は、回路基板209からの信号を受け取り、コネクタ108(図1)に信号を伝送することができる1つ又は複数の導電体182、183、184を含み得る。
【0041】
遠位ノーズ204は、遠位円筒部208、テーパ部210、及び近位円筒部212を含む。遠位ノーズ204は、さらに、近位端216を含む(図5図7に示されている)。近位端216は、近位シェル206の一部を受け入れるよう形成された環状溝218を有するボディ部217を含む。この環状溝218は、図9において最も良く見ることができ、近位シェル206の先端部が挿入された状態の環状溝218が示されている。
【0042】
フレキシブルな細長い部材102の近位端118は、遠位円筒部208内まで伸び、近位円筒部212に向かう。図5図7、及び図9から分かるように、遠位ノーズ204は、中空領域214を含む。3本線155は、中空領域214を通り、回路基板209まで伸びる導体によって形成される。引き続き図9を参照して、遠位ノーズ204のボディ部217は、さらに、中空領域214の内表面から半径方向外側に伸びる溝215を含む。溝215は、回路基板209を受け入れ、しっかりと固定する。したがって、コネクタ接合部104が組み立てられた状態のとき、回路基板209は、動かないよう安定に遠位ノーズ204内に保持される。テーパ及び円筒部を有するよう図示されているが、近位シェル206の他の実施形態は、異なる外形を有する。
【0043】
近位シェル206は、遠位開端220及び近位閉端222を有する。近位シェル206は、ユーザーにとって把持しやすいサイズを有し、本実施形態では、約2インチ〜1.5インチの直径を有する。したがって、ユーザーは近位シェル206を簡単につかむことができるので、コネクタ接合部104は、後述されるようにハンドトルクデバイスとして使用することができる。他のサイズも考慮される。本実施形態では、近位シェル206は、心地よい、しっかりとしたグリップを与える追加の摩擦強化を可能にするテクスチャー加工された外表面を有する。本実施形態では、テクスチャー加工された外表面は、凸又は凹ディボットを有する滑り止めゴムから形成され、他の実施形態は、他の材料からなり、又は他のテクスチャー加工された表面を有する。近位シェル206は、遠位開端220を介して外部と通じる中空領域224を含む。
【0044】
図5図7の断面図を参照すると、遠位開端220は、遠位ノーズ204内の環状溝218と嵌合するサイズを有し、把持可能なボディ202を形成する。一部の実施形態では、遠位開端220は締まり嵌めによって嵌合し、一方、他の実施形態では、近位シェル206の遠位開端220は遠位ノーズ204の環状溝218に挿入され、接着剤、突出若しくは干渉タブ、ねじ山、又は他の接続構造によって固定される。遠位ノーズ204の中空領域214、及び近位シェル206の中空領域224は、合わせて、回路基板209を収容するコネクタチャンバ230を形成する。図8から分かるように、近位シェル206は、中空領域224から半径方向外側に伸びる溝221を含む。遠位ノーズ204内の溝215と同様に、近位シェル206の溝221は、回路基板209を受け入れてしっかりと固定する。したがって、コネクタ接合部104が組み立てられた状態のとき、回路基板209は、動かないよう安定に遠位ノーズ204及び近位シェル206内で保持される。ケーブル106は、近位シェル206の近位閉端222内の開口部を通過し、導体182、183、184は、回路基板209に接続する。
【0045】
回路基板209は、両側に第1及び第2の表面302、304(図6に示されている)を有し、第1の表面302は、複数の遠位コネクタ端子308、及び複数の近位コネクタ端子(図5に示されている)を含む。図5及び図6から分かるように、3本のリード又はコネクタ156、157、158を含む3本線155は、フレキシブルな細長い部材102から伸び、複数の遠位コネクタ端子308において回路基板209に電気接続される。同様に、ケーブル106内の3本の例示的コネクタ182、183、184も、複数の近位コネクタ端子310において回路基板209に電気接続される。
【0046】
一部の実施形態では、回路基板209は、導電トレース、又は他の回路構成を含む。一部の実施形態では、回路基板209は、コンデンサ、抵抗器、又は回路基板209に埋め込まれ若しくは取り付けられた他の部品を含む。回路基板209は、遠位ノーズ204及び近位シェル206の一方又は両方に取り付けられ又は固定されるよう構成される。上記したように、回路基板209は、遠位ノーズ204及び近位シェル206の中空領域214、224のうちの一方に挿入され、遠位ノーズ204及び近位シェル206の構造によって中空領域内で固定され得る。他の実施形態では、回路基板209を定位置に固定するために、柔軟な又は剛性の充填材が使用され得る。
【0047】
図6において最も良く示されるように、遠位ノーズ204は、近位開端216と通信するたるみチャンバ250を含む。たるみチャンバ250は、中空領域214の一部を形成し、回路基板209の厚さより大きい高さを有し、導体156、157、158から形成される3本線155のたるみを収容可能なサイズ及び配置を有する。一部の実施形態では、3本線155又は導体156、157、158は、フレキシブルな細長い部材102が曲げられたとき、導体156、157、158が損傷する可能性が低くなるよう、コイル状に巻き上げることによってたるめられる。さらに、たるみはたるみチャンバ250内に収容されるため、フレキシブルな細長い部材102が曲がるのに伴い、遠位コネクタ端子308に追加の負荷を与えることなく、たるみを増減することができる。
【0048】
本実施形態では、心線166も、フレキシブルな細長い部材102の近位端118から伸びてたるみチャンバ250を通過し、回路基板209の第2の表面304に接続する。図7は、第2の表面304の方向から見た図を示す。一部の実施形態では、心線166は、回路基板209の端子に接続する。本実施形態では、心線166は、それを固定するように、回路基板209に半田付けされる。ここで、回路基板209は遠位ノーズ204の中央に配置され、よって、図6に示されるように、心線166はフレキシブルな細長い部材102を出ると曲がり、回路基板209の第2の表面304に向かって伸びる。
【0049】
図6から分かるように、心線166はたるみを含まず、導電体156、157、158はたるみを含むため、導電体156、157、158は、フレキシブルな細長い部材102の近位端118と回路基板209の遠位端との間の距離よりも長い軸方向長さを有し、一方、心線166は、フレキシブルな細長い部材102の近位端118と回路基板209の遠位端との間の距離とほぼ等しい軸方向長さを有する。
【0050】
一部の実施形態では、導体156、157、158内のたるみは巻き上げられているが、他の実施形態では、たるみは部分的なコイルであり、余分な長さを収容するためにウェーブがかけられ、又は他の態様で曲げられている。一部の実施形態では、たるみの長さは約5〜50mmである。他の実施形態では、たるみは約5〜25mmである。また、フレキシブルな細長い部材が曲げられたときに接続部にかかる追加の負荷を排除するのに十分なたるみである限り、他の長さのたるみも考慮される。
【0051】
上記によれば、血管内デバイス100は、患者の血管に挿入される上記フレキシブルな細長い部材102を提供することによって製造又は組み立てられ得る。フレキシブルな細長い部材102は、心線166及び1つ又は複数の導体156、157、158を含み、導体156、157、158は、心線166に沿って伸びる。導体は、フレキシブルな細長い部材102の遠位部112に配置されたコンポーネント120と接続し、近位端118から伸びる。フレキシブルな細長い部材102の近位端118は、遠位ノーズ204内に配置されることにより、コネクタ接合部104に挿入される。一部の実施形態では、フレキシブルな細長い部材102の近位端118は、遠位ノーズ204の遠位側に挿入され、その後、接着剤、スポット若しくはレーザー溶接、又は他の方法を使用して遠位ノーズ204に固定される。
【0052】
導体がたるみチャンバ250内に延在している状態で、回路基板209が遠位ノーズ204又は近位シェル206に挿入され、固定され得る。回路基板209は、溝215、221、又は遠位ノーズ204若しくは近位シェル206に形成された他の機構に挿入されることによって固定され得る。その後、導体156、157、158が回路基板209上の端子308に電気接続される。一部の実施形態では、導体156、157、158を端子308に半田付けすることによって電気接続が得られる。他の実施形態では、導体156、157、158はピン接続又は他の接続を介して接続される。その後、コネクタ接合部104が回転され、心線166が回路基板209に半田付けされ得る。一部の実施形態では、導体156、157、158の前に心線166が回路基板209に接続される。このようにすることで、導体を取り付ける際、心線166が回路基板209の固定を補助することができる。
【0053】
導体156、157、158を回路基板209に接続する前又は接続した後、導体が巻き上げられ若しくは環状にされ、又は他の方法で圧縮されて、フレキシブルな細長い部材102の近位端118と回路基板209上の端子308との間の導体にたるみが作成される。このたるみは、たるみチャンバ250内に収容され得る。たるみチャンバ250は、たるみによって形成される導体のコイル、ループ、又は湾曲若しくは屈曲を収容可能なサイズを有する。たるみチャンバ250は、フレキシブルな細長い部材102が患者の血管に挿入されるに伴いたるみが増減するのに十分な大きさを有する。
【0054】
一部の実施形態では、近位シェル206の遠位開端220から突き出すよう、近位シェル206の近位端222にケーブル106が挿入される。その後、ケーブル導体182、183、184が、半田付け又は他の接続によって回路基板209上の近位端子310に接続される。導体182、183、184が回路基板209に取り付けられた状態で、近位シェル206がケーブル106に沿って前進させられ、回路基板209が中空領域224に入り得る。最終的に、近位シェル206は遠位ノーズ204の開端に挿入され、回路基板209が、遠位ノーズ204及び近位シェル206によって形成されるコネクタチャンバ224内に密閉され得る。近位シェル206の遠位端220が遠位ノーズ204の近位端216内に配置された状態で、遠位ノーズ204の近位端を近位シェル206に固定することによって、コネクタ接合部104が密閉され得る。これは、接着剤、溶接、ねじ切り、又は他の方法を使用して実行され得る。
【0055】
遠位ノーズ204及び近位シェル206は、回路基板209をフレキシブルな細長い部材102に対してしっかりと定位置に固定するよう構成されるため、接続接合部104にトルクが加えられたとしても、回路基板209上の端子はフレキシブルな細長い部材102に対して回転しない。
【0056】
組み立ての順序は上記と異なり得ることに留意されたい。例えば、一部の実施形態では、組み立ては、遠位ノーズ及び近位シェルを回路基板209のまわりに配置する前に、導体を端子に取り付けることを含む。さらに、一部の実施形態では、回路基板は、遠位ノーズに挿入される前に、近位シェルに挿入される。他の方法も考慮される。
【0057】
図8及び図9は、上記血管内デバイス100の一部を形成するために使用され得る、本明細書では参照番号400によって示される、接続接合部の他の実施形態を示す。本実施形態では、血管内デバイス100はプローブであり、常置のコネクタ接合部104のため、ガイドワイヤーとして使用することができないので、接続接合部400は、フレキシブルな細長い部材の一部からコネクタ接合部を恒久的に除去するためのシステムを含む。その後、残りのフレキシブルな細長い部材の部分はガイドワイヤーとして使用することができる。したがって、医療従事者は診断検査を行った後、所望であれば、フレキシブルな細長い部材を分断することによって接続接合部を恒久的に除去し、フレキシブルな細長い部材の残りの部分に沿ってカテーテル又は他の医療器具をガイドするためにフレキシブルな細長い部材の残りの部分を使用することができる。
【0058】
コネクタ接合部400は、上記接続接合部104と全く同じ特徴を含み、それらはここでは繰り返さない。図10及び図11を参照すると、コネクタ接合部400は、遠位ノーズ402及び近位シェル406を含む。しかしながら、本実施形態では、遠位ノーズ402は、フレキシブルな細長い部材の残りの部分の上で、例えばバルーンカテーテル等の他のデバイスを使用することができるよう、フレキシブルな細長い部材102を遠位ノーズ402から切り離すために使用可能な組み込み切断ツール410を含む。フレキシブルな細長い部材102が一度切断されると、フレキシブルな細長い部材102は以後患者の生理学的情報を測定するために使用することができない。ここで、切断ツール410は、遠位ノーズ402の遠位方向に伸びる第1のアーム420及び第2のアーム422を含む。アーム420、422は、互いに実質的に同一に形成され、遠位ノーズ402から突出してフレキシブルな細長い部材102の両側に延在する。アーム420、422は、それぞれ、切刃等の切断歯426を含み、これらは合わせて切断顎430を形成する。
【0059】
第1のアーム420は、第1のアーム420の方向に対して横方向に加えられる負荷によって曲がり得る第1の小さい太さを有する領域432を含む。第1のアーム420は、フレキシブルな細長い部材102内の心線及び導体を含め、フレキシブルな細長い部材102を切断するための主な負荷が加えられる場所に追加の剛性を提供するために使用され得る第2のより大きな太さを有する遠位領域434を含む。本実施形態では、遠位領域434は湾曲された又は丸められたバッキングを有するよう形成されているが、他の形状も使用可能である。本実施形態では、形状は、医療従事者が、指で2本のアーム420、422をつまむことによってフレキシブルな細長い部材102を切断するのに快適な形状であり得る。同様に、第2のアーム422も領域442及び遠位領域444を含み、領域442の太さは、遠位領域444の太さより小さい。
【0060】
図示の例示的実施形態では、フレキシブルなアーム420、422は、遠位ノーズ402から遠位方向に伸びる。これらは、遠位ノーズ402の先端の近位の接続位置448から伸びる。したがって、歯426から遠位ノーズ402の遠位先端450までの軸方向距離はd1であり、一方、遠位ノーズ402の遠位先端450から、アームと遠位ノーズ402との接続位置448までの距離はd2であり、d2はd1より大きい。これは、アーム420、422が、フレキシブルに変形するのに、又は弾性的に曲がるのに適切なてこの作用及びフレキシビリティを提供するのに十分な長さを有する一方、歯426が、フレキシブルな細長い部材102を保持し又はサポートする遠位先端450の近くに維持されることを保証する。さらに、アーム420、422は、それぞれ、開口部454を含む。開口部454は、遠位ノーズ402の遠位先端450と位置合わせされ、歯426がフレキシブルな細長い部材102を切断するようアーム420、422が曲げられたとき、遠位先端450が開口部454に入り、遠位先端450が干渉する前にアーム420、422がさらに曲がることを可能にする。これは、図8及び図9に示されるニュートラル位置においても、歯426同士が近接することを可能にする。したがって、切断ツール410をより小さくし、邪魔にならないようすることができる。
【0061】
図示の実施形態では、開口部454は長方形として形成されているが、開口部は任意の所望の形状を有し得る。切断ツール410は、任意のフレキシブルな材料から形成され、一部の実施形態では、ポリマーからなり、弾性的に曲がってフレキシブルな細長い部材102を切断するよう構成される。歯426は、適切な成形可能な材料から形成され、一部の実施形態では、ステンレス鋼、チタン、又は他の材料等の金属材料から形成される。
【0062】
使用時、医療従事者は、当該技術分野において知られている方法を使用して、モニタリングされるべき血管等の患者の血管内にフレキシブルな細長い部材102を挿入することによって、血管造影検査を実行し、又は患者の疾患を治療し得る。その後、フレキシブルな細長い部材102は、コンポーネント120が調査領域に到達するまで、血管中をガイドされる。フレキシブルな細長い部材102が患者の体内に挿入される際、医療従事者はコネクタ接合部104をつかみ、コネクタ接合部104にトルクを加えることによって、フレキシブルな細長い部材102を血管内で回転させ得る。これは、医療従事者がフレキシブルな細長い部材102を血管内で操作することを可能にする。コネクタ接合部104は回転しないようフレキシブルな細長い部材102に固定されているため、医療従事者は思いどおりにフレキシブルな細長い部材を向けることができる。コンポーネント120が所望の位置に配置された状態で、及びフレキシブルな細長い部材102が血管内で移動されている間であっても、コンポーネント120は、患者の疾患に関する生理学的情報を取得することができる。例えば、コンポーネント120は、血管内の圧力を検出するよう構成された圧力トランスデューサであり得る。検出された情報は、信号として、コンポーネントから導体を介して回路基板209に送信され得る。実施形態に応じて、回路基板209は信号を処理した後に追加の信号をケーブル106を介して送信してもよく、又は、直接、信号を回路基板209を介してケーブル106に、そして最終的に処理用の分離したシステムに送信してもよい。
【0063】
切断ツール410を含む実施形態が使用される場合、コンポーネント120から所望の情報を取得した後、術者は、オプションで、フレキシブルな細長い部材102をガイドワイヤーとして使用することを決定し得る。このために、術者はフレキシブルな細長い部材102を切断して、コネクタ接合部104をフレキシブルな細長い部材の残りの部分から切り離す。このために、術者は、切断ツール410を単純につまんでフレキシブルな細長い部材102を切断するだけでよい。これは、歯426がフレキシブルな細長い部材102と嵌合して切断するまでアームを押し寄せることによってなされ得る。歯426に近いため、遠位ノーズ402の遠位先端450は、フレキシブルな細長い部材102を歯426の間の位置にしっかりと維持する。アーム420、422が押し寄せられる際、遠位ノーズ402の一部が、アームに形成された開口部454内に収容されてもよい。これは、遠位ノーズ402の遠位先端450と干渉することなくアーム420、422を押し寄せることを可能にする。
【0064】
血管内デバイスは、生理学的状態が測定可能な領域において使用され得る。例えば、本明細書に記載される血管内デバイスは、脚の末梢動脈、大動脈、腎臓等における圧力又は生理学的状態を測定するために使用され得る。血管内デバイスは、カテーテルとともに圧力を測定するために使用され、カテーテルの管腔を介して測定を行う圧力トランスデューサよりも忠実な圧力信号を提供し得る。例えば、血管内デバイス100は、肺動脈圧を測定するために肺動脈カテーテルの遠位管腔の下に配置され得る。
【0065】
さらに、当業者は、上記装置、システム、及び方法が、様々な方法で変更され得ることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示が包含する実施形態は、上記実施形態の具体例に限定されないことを理解する。これに関して、例示的実施形態が図示及び記載されてきたが、本開示は、広範な改変、変更、及び置換を考慮する。本開示の範囲から逸脱することなく、上記に対してかかる変更がなされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示に則して広く解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11