【文献】
Hu,S. et al.,Effect of modified organic-inorganic hybrid materials on thermal properties of cotton fabrics,Journal of Thermal Analysis and Calorimetry,2011年,Vol.103,p.423-427
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物または請求項8に記載の化合物の、接着剤およびシーリング材料、ラッカー、コーティング、サイズ、インクおよび/または印刷インクの製造のための使用。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムのコーティングのための、請求項11に記載の反応性1液型コーティングシステムの使用。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムの接着結合および/またはシーリングのための、請求項13に記載の反応性1液型接着剤システムの使用。
金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムの接着結合および/またはシーリングのための、請求項13に記載の反応性1液型接着剤システムを含むキット。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、式(I)の化合物が提供される:
【化2】
【0017】
式(I)中:
Xは、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができ;あるいはXは、−Hまたは−NCOを表す;
Rは、1〜40個の炭素原子を有する、少なくとも2価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができる;
R
1は、1〜12個の炭素原子を有する、少なくとも2価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができる;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、1〜12個の炭素原子を有する置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族基を表す;および
nは、0〜2の整数を表す。
【0018】
本発明に従う1つの実施形態において、式(I)の化合物が結果として提供される。
【0019】
本発明に従うさらなる実施形態において、式(IV)のシラン変性プレポリマーが提供される:
【化3】
【0020】
式中、R、R
1、R
2、R
3およびnは、上記で与えられた意味を有し、Yは、1〜40個の炭素原子を有するm価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式および/または芳香族構造単位であり、または多価アルコール(ポリオール)の、またはポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリエステルアミドまたはポリチオエーテルポリオールのm個のOHラジカルが減った構造単位を表し、mは、1〜10の数であり、この場合mはまた分数であることができる(たとえばYが2.4の平均OH基含有量を有するポリアクリレートである場合)。
【0021】
本発明に従うさらなる実施形態において、式(I)の化合物の調製のための方法が提供され、式(Ia)のシラン変性ホルムアミドを式(Ib)のイソシアネートと反応させる工程を含む:
【化4】
【0022】
式中、基X、R、R
1、R
2、R
3およびnは、請求項1に記載される通りである。
【0023】
本発明に従うさらなる実施形態において、式(IV)のシラン変性プレポリマーの調製のための方法(A)が開示される:
【化5】
【0024】
式中、変数は式(I)について定義された通りである。
【0025】
本発明に従うさらなる実施形態において、式(I)の少なくとも1つの化合物および/または式(IV)の少なくとも1つの化合物を含む反応性1液型接着剤システムまたはコーティングシステムが提供される。
【0026】
本発明によれば、式(I)の化合物および/または式(IV)の化合物は、接着剤およびシーリング材料、ラッカー、コーティング、サイズ、インクおよび/または印刷インクの製造のために使用される。
【0027】
本発明に従うさらなる実施形態において、金属、木材、木材系材料、ガラス、皮革、繊維製品、プラスチック材料、ミネラル材料、コーク、繊維、コンクリート、紙、段ボール、およびフィルムのコーティング、接着結合および/またはシーリングのための本発明に従う反応性1液型接着剤システムまたはコーティングシステムの使用が記載される。
【0028】
本発明に従う1液型接着剤システムによって結合される複合体が本発明に従ってさらに開示される。
【0029】
定義
本明細書で使用される場合、用語「脂環式」は、芳香族化合物に属さない炭素環式または複素環式化合物、たとえばシクロアルカン、シクロアルケン、またはオキサ−、チア−、アザ−またはチアザ−シクロアルカンを示す。これらの具体的な例は、シクロヘキシル基、シクロペンチル基であり、さらに1つまたは2つのNまたはO原子よって妨げられるこれらの誘導体であり、たとえばピリミジン、ピラジン、テトラヒドロピラン、またはテトラヒドロフランである。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「芳香脂肪族」は、アリール基によって置換されるアルキルラジカル、たとえばベンジル、フェニルエチル、ビフェニルなどを示す。
【0031】
本願において使用される場合、表現「置換されていてもよい」または「置換される」は、特に、−F、−Cl、−I、−Br、−OH、−OCH
3、−OCH
2CH
3、−O−n−プロピルまたは−O−イソプロピル、−OCF
3、−CF
3、−S−C
1−6−アルキルおよび/またはヘテロ原子を介して連結されていてもよい1〜12個の炭素原子を有する、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位による関連構造単位の置換を指す。好ましくは、これは、ハロゲン(特に−F、−Cl)、C
1−6−アルコキシ(特にメトキシおよびエトキシ)、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシによる置換を示す。
【0032】
本願において使用される場合、表現「低分子量」は、分子質量が、約800g・mol
−1を超えない化合物を示す。
【0033】
本願において使用される場合、表現「高分子量」は、分子質量が、約800g・mol
−1を超える化合物を示す。
【0034】
分子質量が正確に規定された構造式に従わない化合物の場合、たとえばポリマーの場合、分子質量は、それぞれの場合において重量平均分子量であると理解されるべきである。
【0035】
本願で使用される場合、用語「モノマー」は、オリゴマーおよび/または(プレ)ポリマーの合成に関与し、規定されたモル質量を有する官能基を有する低分子量化合物を示す。
【0036】
本願に使用される場合、用語「オリゴマー」は、同じタイプまたは異なるタイプのほんの少しのモノマーが互いに繰り返して連結される化合物を示す。
【0037】
本願において使用される場合、用語「プレポリマー」は、ポリマーの最終合成に関与する官能基を有するオリゴマー化合物を示す。
【0038】
本願に使用される場合、用語「ポリマー」は、同じタイプまたは異なるタイプのモノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーが互いに繰り返して連結され、重合度、モル質量分布または鎖長の観点で異なり得る高分子量化合物を示す。
【0039】
本発明に従う実施形態
本発明に従う実施形態を、以降で詳細に記載する。
【0040】
式(I)、(II)および(III)の化合物
1つの実施形態において、一般式(I)の化合物が提供される:
【化6】
【0041】
式(I)中:
Xは、水素、−NCOまたは1〜40個の炭素原子を有する置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式および/または芳香族構造単位を表し、ここで1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれOまたはSによって置き換えられることができる;
Rは、1〜40個の炭素原子を有する、少なくとも2価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができる;
R
1は、1〜12個の炭素原子を有する、少なくとも2価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および/または芳香族構造単位を表し、1つ以上の非隣接メチレン基はそれぞれ、OまたはSによって置き換えられることができる;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、1〜12個の炭素原子を有する置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族基を表す;および
nは、0〜2の整数を表す。
【0042】
好ましい実施形態において、式(II)の化合物が提供される:
【化7】
【0043】
式中、R、R
1、R
2、R
3およびnは、式(I)に関して定義された通りである。
【0044】
特に好ましい実施形態において、式(III)の化合物が提供される:
【化8】
【0045】
式中、R、R
1、R
2、R
3およびnは、式(I)に関して定義された通りである。
【0046】
式(I)、(II)および(III)における好ましい置換基の意味
式(I)、(II)および/または(III)の化合物が好ましくは提供され、ここで各場合において:
Rは、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、イソホリレン、4,4’−ジシクロヘキシルメチレン、ビス(シクロヘキシレン)、4,4’−ビスフェニレン、o−、m−またはp−トリレン、またはヘキシレン(特に−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−)、および特に好ましくはn−ヘキシレンを表す;
R
1は、メチレン(−CH
2−)またはプロピレン(特にn−プロピレン−CH
2CH
2CH
2−)、特に好ましくはn−プロピレンを表す;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、メチルまたはエチル、好ましくはエチルを表す;および
nは、0〜2の整数を表す。
【0047】
式(I)、(II)および/または(III)の化合物が特に好ましくは提供され、ここで各場合において:
Rは、イソホリレン、4,4’−ジシクロヘキシルメチレン、ビス(シクロヘキシレン)、ビスフェニレン、トリレンまたはn−ヘキシレンを表す;
R
1はn−プロピレンを表す;
R
2およびR
3はそれぞれ互いに独立に、メチルまたはエチルを表す;および
nは、0〜2の整数を表す。
【0048】
式(III)の化合物が最も特に好ましくは提供され、式中、Rは、イソホリレン、トリレンまたはn−ヘキシレンであり、R
1は、n−プロピレンであり、R
2およびR
3はメチルであり、n=0である。
【0049】
本発明に従う式(I)、(II)および(III)の化合物はそれら自体が、コーティングまたは接着剤および/またはシーリング材料のための低分子量バインダーとして好適である。あるいは、本発明に従う式(III)の化合物は、高分子量プレポリマーまたはポリマーの調製のために使用でき、これらは、コーティングまたは接着剤および/またはシーリング材料のためのバインダーとして好適である。
【0050】
本発明に従う式(I)の化合物は、100〜10,000mPa・s、好ましくは100〜7000mPa・s、特に好ましくは100〜5000mPa・sの範囲の粘度(23℃において、DIN EN ISO 3219に従って、Anton Paar Germany GmbH(DE)からのPhysica MCR51レオメーターによって測定される)を有する。
【0051】
本発明に従う式(I)の化合物は、シラン変性ポリ尿素とシラン変性ポリウレタンとの間で粘度について分類されるべきであり、結果としてシラン変性ポリ尿素に比べて粘度の安価な最適化が、本発明に従う化合物によって可能である。
【0052】
本発明に従う化合物の調製のための方法
本発明に従う式(I)の化合物は、以下の2段階プロセスによって調製でき、ここで基X、R、R
1、R
2、R
3およびnは、式(I)に関して定義された通りであり、R’は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す:
【化9】
【0053】
過剰のギ酸アルキルエステルR’O−CHOを好ましくはまず、アミンH
2N−R
1−Si(R
2)
n(OR
3)
3−nに滴下するが、R’は、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。ギ酸メチルまたはギ酸エチルが、ギ酸アルキルエステルR’O−CHOとして特に好ましい。好ましくは1molのアミンを、過剰の1.01mol〜6mol、特に好ましくは1.05〜4molのギ酸アルキルエステルR’O−CHOと、ギ酸アルキルエステルの沸点にて反応させる。反応が完了したとき、過剰のギ酸アルキルエステルR’O−CHOおよび得られたアルコールR’−OHを膜蒸留によって留去し、得られた生成物(Ia)を濾去してもよい。
【0054】
次いで式(Ia)の化合物を、好ましくは不活性条件下、20〜200℃、好ましくは40〜160℃の温度にてX−R−NCOと反応させる。X−R−NCOの置換基Xに依存して、2つの構成成分は、少なくとも1:1〜40:1以下、好ましくは8:1〜30:1以下、特に好ましくは10:1〜25:1以下のイソシアネート基とホルムアミド基との当量比で使用される。反応は、溶液中でまたは溶媒を含まず、好ましくは溶媒を含まずに行うことができる。過剰のX−R−NCOを分離するために、反応混合物を、続いて好適な供給速度、たとえば600ml/hで、薄膜エバポレーターにわたって減圧下、たとえば1.0mbar未満、好ましくは0.5mbar未満、特に好ましくは0.2mbar未満の圧力にて、可能な限り穏やかな条件下、たとえば100〜200℃、好ましくは120〜180℃で通過させる。
【0055】
式(I)を有する化合物の調製は、触媒を使用することなく行うことができる。しかし、既知の触媒が、反応を加速させるために添加されることもできる。たとえば三級アミン、たとえばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラ−メチルジアミノジエチルエーテル、ビス−(ジメチルアミノプロピル)−尿素、N−メチル−またはN−エチル−モルホリン、N−ココモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルピペリジン、N−ジメチル−アミノエチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルイミダゾール−β−フェニルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン(DABCO)およびビス−(N,N−ジメチルアミノエチル)アジペート、アミジン、たとえば1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセ−7−エン(DBU)および2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、アルカノールアミン化合物、たとえばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル−ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールおよび2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N’,N’’−トリス−(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、たとえばN,N’,N’’−トリス−(ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルおよび同様に金属塩、たとえば金属の通常の酸化状態における鉄、鉛、ビスマス、亜鉛および/またはスズの無機および/または有機化合物、たとえば塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、ビスマス(III)2−エチルヘキサノエート、ビスマス(III)オクトエート、ビスマス(III)ネオデカノエート、塩化亜鉛、亜鉛2−エチルカプロエート、亜鉛(II)トリフルオロメタンスルホネート(亜鉛トリフレート)、スズ(II)オクトエート、スズ(II)エチルカプロエート、スズ(II)パルミテート、ジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)、ジブチルスズ(IV)ジクロライドまたは鉛オクトエートが使用できる。
【0056】
使用されるべき好ましい触媒は、上述のタイプの三級アミン、アミジンおよびスズ化合物または亜鉛化合物である。特に好ましい触媒は、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ−7−エン(DBU)ならびにジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)および亜鉛(II)トリフルオロメタンスルホネート(亜鉛トリフレート)である。
【0057】
上記の例によって述べられた触媒は、個々にまたは任意に混合物の形態で反応に使用でき、あるとしても、使用される出発化合物の総量に基づいて、使用される触媒の総量として計算される場合、0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用される。
【0058】
反応の進行は、滴定法によりNCO含有量を決定することによってモニターできる。所望のNCO含有量に到達したら、反応を終了する。
【0059】
特に好ましくは、本発明に従う式(III)の化合物は、上述のプロセスによって調製され、ここで基R、R
1、R
2、R
3およびnは、式(I)に関して定義された通りである:
【化10】
【0060】
式(Ia)を有するシラン変性ホルムアミドは、ここでジイソシアネートOCN−R−NCOと、好ましくは不活性保護ガス雰囲気(たとえば窒素またはアルゴン)下で反応させる。
【0061】
式(III)のシラン変性ホルムアミドの調製のための好適なジイソシアネートOCN−R−NCOは、たとえば1,4−、1,3−および/または1,2−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアナト−シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、H
6−2,4−および/または−2,6−ジイソシアナト−トルエン、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,2’−ジイソシアナトジフェニル−メタン、メタ−および/またはパラ−キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアナトトルエンおよび/または2,6−ジイソシアナトトルエン、イソプロペニルジメチルトルイレンジイソシアネート、α,α,α’,α,’−テトラ−メチル−m−および/または−p−キシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート、ノナントリイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または2,2’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよびこれらのモノ−およびジ−メチル−置換誘導体からなる群から選択される。
【0062】
OCN−R−NCOに関してヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−ジイソシアナトトルエン(TDI)および/または2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,2’−ジイソシアナトジフェニル−メタンまたはこれらの異性体混合物を使用するのが特に好ましい。
【0063】
OCN−R−NCOを有する式(Ia)の化合物の反応は、20〜200℃、好ましくは40〜160℃の温度にて行われる。2つの構成成分は、それに関して、少なくとも6:1〜40:1以下、好ましくは8:1〜30:1以下、特に好ましくは10:1〜25:1以下のイソシアネート基とホルムアミド基との当量比で使用される。反応は、溶液中でまたは溶媒を含まず、好ましくは溶媒を含まずに行うことができる。
【0064】
式(III)を有する化合物の調製は、触媒を使用することなく行うことができる。しかし、式(I)の化合物の調製に関して上述された触媒はまた、反応を促進するために併用して使用できる。
【0065】
特に好ましい触媒は、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ−7−エン(DBU)ならびにジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)および亜鉛(II)トリフルオロメタンスルホネート(亜鉛トリフレート)である。
【0066】
上記の例によって述べられた触媒は、個々にまたは任意に混合物の形態で反応に使用でき、あるとしても、使用される出発化合物の総量に基づいて、使用される触媒の総量として計算される場合、0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用される。
【0067】
反応の進行は、たとえば同様に滴定法によりNCO含有量を決定することによってモニターできる。所望のNCO含有量に到達したら、反応を終了する。
【0068】
好ましい実施形態において、ジイソシアネートOCN−R−NCOを有する式(Ia)の化合物の反応後、未反応の過剰モノマージイソシアネートOCN−R−NCOは、反応生成物の総質量に基づいて、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満の残留含有量まで、反応生成物から分離される。反応混合物は、好ましくは、1.0mbar未満、好ましくは0.5mbar未満、特に好ましくは0.2mbar未満の圧力にて、可能な限り穏やかな条件下、たとえば100〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度にて、真空下での膜蒸留によって、過剰のモノマージイソシアネートOCN−R−NCOを含まない。
【0069】
この様式で処理された反応混合物は、一般に、反応生成物の総質量に基づいて、85重量%を超える、好ましくは95重量%を超える本発明に従う式(III)の化合物、1重量%未満のモノマー(未反応)ジイソシアネートおよび15重量%未満、好ましくは10重量%未満の以降の式(IIIa)の化合物を含む生成物混合物を生じる。
【化11】
【0070】
式中、変数は式(I)に関して定義された通りである。
【0071】
この様式で調製された式(III)の化合物は、クリアで、実質的に無色の生成物であり、選択された出発ジイソシアネートに依存して、低粘度から高粘度の液体であり、反応生成物の総質量に基づいて1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満のモノマー出発ジイソシアネートの残留含有量を有する。
【0072】
本発明に従う調製の間に式(I)および/または(III)の化合物のシラン基の早期架橋を防止するために、水受容体を添加することが有利であり得る。たとえばオルトギ酸エステル、たとえばトリエチルオルトホルメート、ビニルシラン、たとえばビニルトリメトキシシランまたは有機ホスフェート、たとえばジブチルホスフェートが使用できる。水受容体は、必要に応じて、出発材料の総量に基づいて、5重量%まで、好ましくは2重量%までの量で使用される。
【0073】
触媒および/または水受容体が使用される場合、これらは実際の反応の開始前に出発化合物に添加できる。しかし、反応の間にいずれかの所望の時点において反応混合物にこれらの補助物質を添加することもできる。
【0074】
好ましい実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、保護ガス雰囲気、たとえば窒素下で行われる。
【0075】
式(IV)のシラン変性化合物
特に好ましくは、上記で定義される通りの式(III)の化合物は、式(IV)を有するシラン変性化合物またはプレポリマーの調製のために使用される:
【化12】
【0076】
式中、R、R
1、R
2、R
3およびnは、請求項1に与えられる意味を有し、Yは、1〜40個の炭素原子を有するm価の置換されていてもよい、線状または分岐状、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式および/または芳香族構造単位あるいはポリオール、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリエステルアミドまたはポリチオエーテルポリオールのmOHラジカルが減った構造単位であり、mは、1〜10の数(同様に有理数であってもよい)である。
【0077】
特に好ましくは、Rがn−ヘキシレンであり、R
1がn−プロピレンであり、R
2およびR
3がメチルであり、n=0である式(IV)の化合物が提供される。
【0078】
式(IV)のシラン変性化合物の調製のための方法
本発明に従う式(IV)のシラン変性プレポリマーは、以降に記載される方法(A)によって調製できる:
【化13】
【0079】
式中、R、R
1、R
2、R
3、n、Yおよびmは請求項7に定義される通りである。
【0080】
本発明によれば、式(IV)の化合物は、Y−(OH)
mと、上記で記載されるように調製された式(III)の化合物とを反応させることによって調製できる。
【0081】
Y−(OH)
mに関して、たとえば2〜14個の炭素原子、好ましくは4〜10個の炭素原子を有する多価アルコールおよび/またはエーテルまたはエステルアルコール、たとえば1,2−エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、この異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオールおよびオクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−および1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン(ペルヒドロ−ビスフェノール)、1,2,3−プロパントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−ヒドロキノン、1,2,4−および1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、3(4),8(9)−ビス−(ヒドロキシメチル)−トリシクロ−[5.2.1.0
2’
6]デカン、ジ−トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(ペンタエリスリトール)、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)−4−オキサ−ヘプタン−1,7−ジオール(ジペンタエリスリトール)、マンニトールまたはソルビトール、低分子量エーテルアルコール、たとえばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはジブチレングリコール、または低分子量エステルアルコール、たとえばヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステル、および/または上述の化合物の混合物が使用できる。
【0082】
ラジカルYは、ポリウレタン化学において既知であるような、好ましくはポリマー性ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよび/またはポリアクリレートポリオールから誘導されるラジカルである。これらのポリマー性ポリオールは、通常、200〜22,000、好ましくは250〜18,000、特に好ましくは250〜12,000の数平均分子量を有する。好適なポリマー性ポリオールの広範囲の概要は、たとえばN.Adam et al.: 「Polyurethanes」,Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release,7th ed.,chap.3.2−3.4,Wiley−VCH,Weinheim2005に見出される。
【0083】
好適なポリエーテルポリオールは、たとえばDE2622951Bの第6欄65行〜第7欄26行において、EP−A0978523の第4頁45行〜第5頁14行において、またはWO2011/069966の第4頁20行〜第5頁23行に記述されるタイプのものであるが、ただしこれらは、官能性および分子量の観点で上記で与えられる要件に従う。特に好ましいポリエーテルポリオールは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンおよび/またはペンタエリスリトール、または400g/mol〜4000g/molの数平均分子量を有するポリテトラメチレンエーテルグリコールへの付加生成物であり、たとえばテトラヒドロフランの重合によってAngew.Chem.72,927(1960)に従って得ることができる。
【0084】
好適なポリエステルポリオールは、たとえばEP−A0978523の第5頁17行〜47行において、またはEP−A0659792の第6頁32行〜45行において記述されるタイプのものであるが、ただしこれらは、官能性および分子量の観点から上記で与えられる要件に従う。特に好ましいポリエステルポリオールは、多価アルコール、たとえば1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ペルヒドロビスフェノール、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,3−プロパントリオール、ペンタエリスリトールおよび/またはソルビトールと、不完全な量の多価カルボン酸またはカルボン酸無水物、たとえばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物および/またはテトラヒドロフタル酸無水物との縮合生成物、あるいはラクトン、たとえばε−カプロラクトンと単純1価アルコール、たとえばスターター分子として上述のものとから開環を伴ってこれ自体既知の様式で得ることができるものである。
【0085】
好適なポリカーボネートポリオールは、特に、2価アルコール、たとえば多価アルコールのリストにおいて上記の例によって記述されるものと、ジアリールカーボネート、たとえばジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはホスゲンとの、これ自体既知の反応生成物である。好適なポリカーボネートポリオールはまた、カーボネート構造を含むと共に、さらにエステル基を含むものである。これらは、2価アルコールとラクトン、たとえば特にε−カプロラクトンとの反応および得られたポリエステルジオールとジフェニルカーボネートまたはジメチルカーボネートとの後続反応によって、たとえばDE−AS1770245の教示に従って得ることができる、特にこれ自体既知のポリエステルカーボネートジオールである。好適なポリカーボネートポリオールはまた、さらにエーテル基を含むカーボネート構造を含むものである。これらは、H官能性スターター物質の存在下、アルキレンオキシド(エポキシド)と二酸化炭素との触媒反応によって、たとえばEP−A2046861の方法によって得ることができる、特にこれ自体が既知のポリエーテルカーボネートポリオールである。
【0086】
好適なポリアクリレートポリオールは、たとえばWO2011/124710の第10頁32行〜第13頁18行に記述されるタイプのものであるが、ただしこれらは、官能性および分子量の観点で上記で与えられた要件に従う。特に好ましいポリアクリレートポリオールは、アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステル、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、スチレンまたは他の共重合性エチレン性不飽和モノマー、たとえばアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸ジメチルエステルを伴ってもよい)のポリマーまたはコポリマーである。
【0087】
好適なポリオールはまた、たとえば単純なグリコール、たとえばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4,4’−ジオキシエトキシ(dioxethoxy)−ジフェニル−ジメチルメタン(2molのエチレンオキシドのビスフェノールAへの付加体)またはヘキサンジオールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得ることができる既知のポリアセタールポリオール、または同様に環状アセタール、たとえばトリオキサンの重縮合によって調製されたポリアセタールである。
【0088】
さらに好適なポリオールはまた、たとえば脂肪族または芳香族ポリオールとのエポキシ化脂肪酸エステルのエポキシド開環を伴う反応によって得ることができる、たとえばEP−A0689556およびEP−A0937110に記載される特定のポリオールである。
【0089】
ヒドロキシル基含有ポリブタジエンは、同様にポリオールとして使用できる。本発明の好ましい実施形態において、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリアクリレートポリオールは、構成成分Y−(OH)
mとして使用される。
【0090】
ポリオールは、個々にまたは互いに任意の混合物の形態で本発明に従う方法に使用される。これらは、溶媒を含まない形態および従来の溶媒中の溶液の両方において存在できる。
【0091】
式Y−(OH)
mの化合物と式(III)の化合物との反応は、20〜200℃、好ましくは40〜160℃の温度にて行われる。0.7:1〜1.2:1、好ましくは0.8:1〜1.1:1、特に好ましくは0.9:1〜1.05:1のイソシアネート基とヒドロキシル基との当量比が、維持される。
【0092】
本発明に従う方法は、触媒作用を使用せずに行うことができる。しかし、ウレタン化反応を加速するために、イソシアネート化学における従来の触媒は、併用して使用できる。好適な触媒は、式(I)の化合物の調製に関して既に記載されている。
【0093】
特に好ましい触媒は、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ−7−エン(DBU)ならびにジブチルスズ(IV)ジラウレート(DBTL)である。
【0094】
これらの触媒は、個々にまたは互いの任意の混合物の形態で本発明に従う方法に使用でき、必要に応じて、出発材料の総量に基づいて、使用される触媒の総量として計算される場合、0.001〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用される。
【0095】
上記方法によって調製される本発明に従う式(IV)のシラン変性化合物またはプレポリマーは、クリアであり、実質的に無色の生成物であり、これは選択された出発ジイソシアネートおよびポリオールに依存して、低粘度から高粘度の液体であり、反応生成物の総質量に基づいて1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満のモノマー出発ジイソシアネートの残留含有量を含有する。
【0096】
依然として検出可能ないずれかの残留NCO含有量は、一般にメタノールの添加によって取り込まれることができる。
【0097】
本発明に従う方法の間にシラン基の早期架橋を防止するために、水受容体を添加することが有利であり得る。たとえばオルトギ酸エステル、たとえばトリエチルオルトホルメート、ビニルシラン、たとえばビニルトリメトキシシランまたは有機ホスフェート、たとえばジブチルホスフェートが使用できる。水受容体は、必要に応じて、出発材料の総量に基づいて、5重量%まで、好ましくは2重量%までの量で使用される。
【0098】
触媒および/または水受容体が併用して使用される場合、これらは実際の反応の開始前に出発化合物に添加できる。しかし、ウレタン化反応の間にいずれかの所望の時点において反応混合物にこれらの補助物質を添加することもできる。
【0099】
反応の進行は、たとえばNCO含有量の滴定決定によってまたはIR分光法によって、本発明に従ってモニターできる。ウレタン化反応の後、すなわちイソシアネートおよびヒドロキシル基またはホルムアミド基が、完全に反応した場合、本発明に従う方法の生成物として、本発明に従う式(IV)のシラン変性アシル尿素基含有プレポリマーが得られる。
【0100】
適用分野に依存して、本発明に従う式(IV)の化合物またはプレポリマーは、10〜1,000,000mPa・s、好ましくは50〜500,000mPa・s、特に好ましくは500〜200,000mPa・sの範囲の粘度を有する。
【0101】
本明細書に開示される式(IV)のシラン変性プレポリマーは、接着剤およびシーリング材料、コーティング、サイズ、インクおよび/または印刷インクの製造のために本発明に従って使用できる。
【0102】
この方法の利点は、式(IV)のシラン変性プレポリマーの特性が、使用される式Y−(OH)
mの化合物または使用されるジイソシアネートを介して多数の全く異なる用途に適合できることである。
【0103】
反応性1液型接着剤システム
本発明によれば、上記で記載されるような式(I)の化合物および/または上記で記載されるような式(IV)の化合物は、反応性1液型接着剤システムのために使用される。反応性1液型接着剤システムは、式(I)の少なくとも1つの化合物および/または式(IV)の少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする。
【0104】
湿分または水の作用下、シラン基の加水分解性ラジカルの加水分解が行われ、この後水の開裂を伴ってそれによって形成されたシラノールの架橋(硬化)を行う。
【0105】
シラノール基の加水分解および縮合を加速する触媒も併用して使用できる。こうした触媒は当業者に既知である。たとえば酸、たとえば硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸およびジブチルホスフェート、塩基、たとえばN置換アミジン、たとえば1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)および1,5−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)だけでなく、金属塩および金属キレート、たとえばテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタン(IV)アセチルアセトネート、アルミニウムトリ−secブチレート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムトリフレートまたはスズトリフレートが使用できる。
【0106】
これらの触媒は、あるとしても、使用されるシラン変性プレポリマーの重量に基づいて、5重量%まで、好ましくは2重量%までの量で使用される。使用される触媒の特性および量に依存して、本発明に従う式(I)および/または(IV)の化合物から配合された1液型接着剤システムの硬化は、広範囲の温度、たとえば20〜200℃、好ましくは0〜180℃、特に好ましくは20〜160℃にわたって行うことができる。
【0107】
本発明に従う反応性1液型接着剤システムに、反応パートナーとして、いずれかの所望のさらなる加水分解性シラン化合物、たとえばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−メチルジエトキシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランまたはUS4499150に記述されるタイプのシラン−官能性コポリマーまたはこうしたシラン化合物の混合物も添加できる。
【0108】
本発明の反応性1液型接着剤システムは、同様に、先行技術において既知であるさらなる添加剤および/または補助物質を含むことができる。たとえば顔料、酸化防止剤、水受容体、フィラー、スリップ剤、フロー剤、レオロジー添加剤、発泡安定剤、疎水化剤、気泡形成剤、接着向上添加剤(接着促進剤)、コンパウンド剤、可塑剤、アンチエイジング剤、難燃剤および/またはUV安定剤を挙げることができる。
【0109】
好適なフィラー剤として、たとえばカーボンブラック、沈澱シリカ、焼成シリカ、鉱物チョークおよび沈澱チョークを挙げることができる。挙げることができる好適な可塑剤の例は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、フェノールのアルキルスルホン酸エステル、リン酸エステルまたは高分子量ポリプロピレングリコールである。
【0110】
水受容体として、特にアルコキシシリル化合物、たとえばビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシ−シランを挙げることができる。
【0111】
接着促進剤として、既知の官能性シラン、たとえば上記で挙げたタイプのアミノシランだけでなく、N−アミノエチル−3−アミノ−プロピル−トリメトキシ−および/またはN−アミノエチル−3−アミノプロピル−メチル−ジメトキシ−シラン、エポキシシランおよび/またはメルカプトシランが使用できる。
【0112】
1液型接着剤システムとして使用できるだけでなく、本発明に従う式(I)および/または(IV)の化合物はまた、従来の1液型および/または2成分ポリウレタン接着剤システムに、たとえば添加剤として添加できる。
【0113】
上記で記載されるような本発明に従う反応性1液型接着剤システムは、結合されるべき基材に予め適用される場合、基材の永久結合またはシーリングは上述の架橋の結果として生じる。
【0114】
結合されるべき基材の表面が、物理的、化学的および/または物理化学的プロセスによってプレ処理されることが必要な場合がある。たとえばプライマーまたは接着促進剤組成物の適用は有利ではあるが、本発明によれば完全には必要ではない。
【0115】
基材
本発明に従う反応性1液型接着剤システムによって接着結合および/またはシーリングに好適な基材は、金属、ガラス、木材、コンクリート、石、セラミック、繊維製品および/またはプラスチック材料である。結合されるべき基材は、同じまたは異なることができる。
【0116】
好ましい実施形態において、本発明に従う反応性1液型接着剤システムは、金属、ガラスおよび/またはプラスチック材料の接着結合および/またはシーリングのために使用される。
【0117】
好適な金属基材は、一般に、分野で慣習的であるすべての金属または金属合金から製造できる。金属、たとえばアルミニウム、ステンレススチール、スチール、チタン、鉄含有金属および合金が、好ましくは使用される。結合されるべき基材はさらに、異なる金属を含むことができる。
【0118】
結合されるべきプラスチック基材は、たとえばポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリビニルクロリド、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアクリレートまたはポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンおよび/またはポリエステル、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)および/またはポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0119】
基材はさらに、ラッカー塗りできまたは印刷できる。
【0120】
結合されるべき基材はさらに、得られた複合体の使用のために必要とされるいずれかの所望の形態を有することができる。最も単純な形態において、基材は平坦である。しかし3次元基材はまた、本発明に従う反応性1液型接着剤システムを用いて結合できる。
【0121】
複合体
同様に、上記で定義される本発明に従う反応性1液型接着剤システムによって結合される複合体が本発明に従って提供される。
【0122】
[実施例]
以下の実施例は、本発明を例示するように作用するが、保護の範囲の限定であると解釈されるべきではない。
【0123】
すべてのパーセンテージは、特に断らない限り、重量に関する。
【0124】
NCO含有量は、DIN EN ISO11909に従って滴定により決定した。
【0125】
OH価は、DIN53240−2:2007−11に従って滴定決定し、酸価はDIN36825に従って決定した。示されたOH含有量は、分析決定されたOH価から計算した。
【0126】
残留モノマー含有量は、内部標準を用いるガスクロマトグラフィによってDIN EN ISO10283に従って測定された。
【0127】
ビス付加体の割合および分子量は、ポリスチレン標準に対して、1.0ml/分の代わりに0.6ml/分の流速を使用した以外はDIN55672−1に従うゲル透過クロマトグラフィ(ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)−パート1:溶出液としてテトラヒドロフラン(THF))によって決定した。ソフトウェアを活用して決定されたクロマトグラムから得られる単位面積による%単位のビス付加体の割合は、それぞれ重量%単位の割合にほぼ等しく、そういうものとして、モノ付加体およびビス付加体の総量に基づいて示された。
【0128】
すべての粘度測定は、DIN EN ISO3219に従ってAnton Paar Germany GmbH(DE)からのPhysica MCR51レオメーターを用いて行われた。
【0129】
式(Ia)を有するシラン変性ホルムアミドの合成:
[実施例1]:N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド
1075.8g(6mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、378.6g(6.3mol)のギ酸メチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸メチルおよび得られたメチルアルコールを減圧下(50℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて11mPa・sの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0130】
[実施例2]:N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ホルムアミド
99.6g(0.6mol)の3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、40.3g(0.67mol)のギ酸メチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸メチルおよび得られたメチルアルコールを減圧下(50℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて11mPasの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0131】
[実施例3]:N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ホルムアミド
221.4g(1mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコ中に、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、77.8g(1.05mol)のギ酸エチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸エチルおよび得られたエチルアルコールを減圧下(80℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて13mPa・sの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0132】
[実施例4]:N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)ホルムアミド
497.9g(2.6mol)の3−アミノプロピルメチルジエトキシシランを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、室温にて入れる。温度が50℃を超えないような様式で撹拌しながら、212.1g(2.8mol)のギ酸エチルを滴下する。発熱反応が弱まったとき、撹拌を室温で4時間継続し、次いで過剰のギ酸エチルおよび得られたエチルアルコールを減圧下(80℃にて0.1mbar)で留去する。23℃にて12mPasの粘度を有する無色の液体が得られる。
【0133】
一般式(I)を有するシラン変性化合物の合成:
[実施例5]:
672g(4mol)のHDI(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて入れる。207.1g(1mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を次いで、1時間の期間にわたって撹拌しながら計量する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(34.7重量%)に到達するまで、バッチを80℃で撹拌する。過剰のHDIを除去するために、得られた反応混合物を0.03mbarの圧力および130℃の温度にて薄膜エバポレーターにわたって600ml/hの供給速度で通す。23℃にて103mPa・sの粘度、10.36重量%のイソシアネート含有量、0.07重量%の遊離HDI含有量および15.7%のビス付加体の割合を有する無色液体が得られる。
【0134】
得られた生成物の主要構成成分は、式(VI)に対応する:
【化14】
【0135】
[実施例6]:(実施例5の比較実施例)
3150g(18.75mol)のHDI(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて入れる。448.2g(2.5mol)の3−アミノプロピルトリメトキシシランを次いで、1時間の期間にわたって撹拌しながら計量する。第1の滴下直後に、へーズの形成が観察されることになり、これは添加の過程で増大し、アグロメレートして固体を形成する。実施例5と同様のバッチの建設的なさらなる加工処理は不可能である。
【0136】
[実施例7]:
1667.3g(7.5mol)のIPDI(イソホロンジイソシアネート)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて入れる。207.1g(1mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を次いで、1時間の期間にわたって撹拌しながら計量する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(31.3重量%)に到達するまで、バッチを80℃に撹拌する。過剰のIPDIを除去するために、得られた反応混合物を0.02mbarの圧力および140℃の温度にて薄膜エバポレーターにわたって800ml/hの供給速度で通す。23℃にて6900mPa・sの粘度、9.9重量%のイソシアネート含有量、0.32重量%の遊離IPDI含有量および10.3%のビス付加体の割合を有する無色液体が得られる。
【0137】
[実施例8]:
3960.0g(22.5mol)のTDI(2,4−トルエンジイソシアネート)を、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃にて入れる。621.3g(3mol)のN−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホルムアミド(実施例1から)を次いで、1時間の期間にわたって撹拌しながら計量する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(38.1重量%)に到達するまで、バッチを80℃に撹拌する。過剰のTDIを除去するために、得られた反応混合物を0.02mbarの圧力および140℃の温度にて薄膜エバポレーターにわたって400ml/hの供給速度で通す。23℃にて7080mPa・sの粘度、11.6重量%のイソシアネート含有量、0.41重量%の遊離TDI含有量および14.7%のビス付加体の割合を有する黄色がかった液体が得られる。
【0138】
式(IV)を有するシラン変性プレポリマーの合成:
[実施例9]:
262.5gのヒマシ油および13mgのDBTLを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、80℃で入れ、307.3gの実施例6からのシラン変性ホルムアミドを、反応温度が90℃を超えない様式で滴下する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(0.7重量%)に到達するまで、反応混合物を60℃で撹拌する。残留イソシアネート含有量は、メタノールの添加によって取り込まれる。得られたバインダーはクリアであり、23℃で13,500mPa・sの粘度を有する。
【0139】
さらなる加工処理のために、バインダーは、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(MPA)を用いた50%の固形分含有量に調節し、0.25%のBASF SEからのLupragen(登録商標)N700(1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセ−7−エン)を添加する;その全体は、50μmの層厚さ(湿潤)でガラスプレートにナイフで適用する。23℃および50%の相対湿度で4時間の乾燥時間の後、コーティングはタッチドライであり、4日後にはキシレン、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチルアセテートおよびアセトンに対する良好な溶媒耐性を示す。
【0140】
[実施例10]:
92.8gのDesmophen(登録商標)A160SN(溶媒ナフサ100中の60%アクリル樹脂;固形分樹脂に関してヒドロキシル含有量2.7%)、Bayer MaterialScience AG、67.3gの2−エチル−1,3−ヘキサンジオールおよび9gのオルトギ酸トリエチルエステルを、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、80℃で10mgのDBTLと共に、窒素雰囲気下で入れ、413.0gのシランホルムアミド−HDI付加体(実施例5から)を、反応温度が90℃を超えない様式で滴下する。添加が完了したとき、さらなるイソシアネートが検出できなくなるまで、反応混合物を60℃で撹拌する。得られたバインダーはクリアで、23℃にて230,000mPasの粘度を有する。
【0141】
さらなる加工処理のために、バインダーは、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(MPA)を用いた50%の固形分含有量に調節し、0.25%のBASF SEからのLupragen(登録商標)N700(1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセ−7−エン)を添加する;その全体は、50μmの層厚さ(湿潤)でガラスプレートにナイフで適用する。23℃および50%の相対湿度で4時間の乾燥時間の後、コーティングはタッチドライであり、4日後にはキシレン、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、エチルアセテートおよびアセトンに対する良好な溶媒耐性を示す。
【0142】
[実施例11]:
1024g(0.12mol)のポリプロピレングリコール(Acclaim Polyol8200N;OH価14mgKOH/g)を、50mgのDBTLと共に、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、60℃にて入れ、109gのシランホルムアミド−HDI付加体(実施例5から)を、反応温度が80℃を超えない様式で滴下する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(0.05重量%)に到達するまで、反応混合物を60℃で撹拌する。残留イソシアネート含有量は、メタノールの添加によって取り込まれ、反応塊は、100mgのジブチルホスフェートおよび2gのビニルトリメトキシシランを水受容体として添加することによって安定化させる。得られたバインダーはクリアで、23℃にて11,600mPasの粘度を有する。
【0143】
[実施例12]:
950g(0.1mol)のポリプロピレングリコール(Acclaim Polyol18200N;OH価6.5mgKOH/g)を、50mgのDBTLと共に、温度計、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、60℃で入れ、50gのシランホルムアミド−HDI付加体(実施例5から)を、反応温度が80℃を超えない様式で滴下する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(0.08重量%)に到達するまで、反応混合物を60℃で撹拌する。残留イソシアネート含有量は、メタノールの添加によって取り込まれ、反応塊は、50mgのジブチルホスフェートおよび2gのビニルトリメトキシシランを水受容体として添加することによって安定化させる。得られたバインダーはクリアで、23℃にて75,700mPasの粘度を有する。
【0144】
[実施例13]:
999g(0.12mol)のポリプロピレングリコール(Acclaim(登録商標) Polyol8200N;OH価14mgKOH/g;Bayer MaterialScience AG)を、60mgのDBTLと共に、KPGスターラー、還流冷却器および滴下漏斗を有するフラスコに、窒素雰囲気下、60℃で入れ、101.0gのシランホルムアミド−TDI付加体(実施例8から)を、反応温度が80℃を超えない様式で滴下する。添加が完了したとき、一定のイソシアネート含有量(0.02重量%)に到達するまで、反応混合物を60℃で撹拌する。残留イソシアネート含有量は、メタノールの添加によって取り込まれ、反応塊は、60mgのジブチルホスフェートおよび2.2gのビニルトリメトキシシランを水受容体として添加することによって安定化させる。得られたバインダーはクリアで、23℃にて163,000mPasの粘度を有する。
【0145】
接着剤およびシーリング材料のための適用実施例
異なるポリマーの適用特性を評価するために、これらは、以下の配合物に加工処理された:
【表1】
【0146】
配合物を調製するために、フィラー(SolvayからのSocal(登録商標)U1S2)、可塑剤(ExxonからのJayflex(商標)DINP)および乾燥剤(EvonikからのDynasylan(登録商標)VTMO)を、バインダーに添加し、混合をウォールスクレーパーで真空ディゾルバーにて3000rpmで行う。接着促進剤(EvonikからのDynasylan(登録商標)1146)を次いで添加し、1000rpmで5分間の撹拌により組み込む。最後に触媒(BASF SEからのLupragen(登録商標)N700)は、1000rpmにて撹拌し、最終混合物は、最終的に真空中で空気に曝される。
【0147】
物理的特性を測定するために、ガラス基材上にて2mmの厚さを有する膜およびテスト試験片の両方を、DIN EN ISO11600に従って調製する。Shore硬度の試験を、DIN53505に従って膜にて行った。50%伸びでの弾性率は、23℃でDIN EN ISO11600に従って測定される。
【0148】
以下の表は、得られた結果を示す:
【表2】