(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568105
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】容器製品を検査する検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/90 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
G01N21/90 D
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-567424(P2016-567424)
(86)(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公表番号】特表2017-518490(P2017-518490A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】EP2015000883
(87)【国際公開番号】WO2015172865
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2017年8月3日
(31)【優先権主張番号】102014006835.8
(32)【優先日】2014年5月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514056207
【氏名又は名称】コッヒャー−プラスティック マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ハイノ プリンツ
【審査官】
越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−160305(JP,A)
【文献】
特開2001−059822(JP,A)
【文献】
特開2012−112938(JP,A)
【文献】
特開昭58−117442(JP,A)
【文献】
再公表特許第2005/031328(JP,A1)
【文献】
特開昭62−220844(JP,A)
【文献】
特開2011−033625(JP,A)
【文献】
特開昭63−205549(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0033372(US,A1)
【文献】
特開2015−010969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器製品であって、プラスチック材料からなり、ブロー成形−、充填−及び密封方法にしたがって形成されている容器製品を検査する検査装置であって、
前記容器製品が流体によって充填されており、
前記流体が製造に起因する汚れ粒子を有する可能性があり、
前記汚れ粒子は、容器(13)が静止している場合には容器壁に付着し、容器(13)が動いた場合には流体内に浮遊するように現出し、および/または移動によってその位置が変化し、それにより、検出器(37)によって検出可能であり、
振動装置(23)によって、それぞれの流体内の汚れ粒子(47)が確認できるように、予め定めることができる励振周波数によって、容器(13)を振動運動させることができ、
操作装置(3、5、7、9)が設けられており、
前記操作装置が、それぞれ検査すべき容器(13)を、
ステーション(31)内の水平位置へ移動させ、前記ステーション内で検出器(37)が容器(13)の下方に、そしてエミッター(35)が容器(13)の上方に配置されており、かつ
第2のステーション(33)内へ移動させ、前記第2のステーションにおいて検出器(37)が容器(13)の上方に、そしてエミッター(35)が容器(13)の下方に配置されており、
操作装置(3、5、7、9)及びそのカルーセル状に配置された取扱い補助装置(1)によって、容器製品が製造ライン内へ挿入可能かつ製造ラインから取り出し可能である、
ことを特徴とする容器製品を検査する検査装置。
【請求項2】
振動する運動の振動平面が、長手方向に沿って、容器(13)の中心平面に沿って、延伸している、ことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
容器(13)が、カード状に結合されたマルチ容器(14)の構成要素である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
励振周波数が、流体状の容器の中身の粘性に従って比較的大きい空気泡の場所が流体内で変化せず、かつそれぞれ検出すべき汚れ粒子(47)が流体の内部で移動するように、選択されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
検出器(37)が少なくともエミッター(35)を有し、
前記エミッターが、可視光、赤外線、レーザー光又はX線のような、光線を放射し、
前記光線が少なくとも容器壁と流体を通過し、かつ対向して配置された検出器(37)上に当接した後に、評価ユニットによって評価可能な測定信号を発生する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
流体を充填された容器(13)の振動プロセス後に、カメラ記録装置として形成されている検出器(37)が、流体内でそれぞれ移動する汚れ粒子(47)の複数の記録を行い、かつ
評価ユニットが、汚れ粒子(47)なしで記録されたイメージ部分と、汚れ粒子(47)と共に記録されたイメージ部分とを互いに比較する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
予め定めることができる沈静化時間の間、容器(13)内の流体が沈静化するまで、操作装置(5、7)によって容器(13)が静止位置に保持されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項8】
評価ユニットが測定信号評価のために、グレイスケール変換、ドット演算子及び/又はクロスフェードディソルブ方法のような、コンピュータ支援されるイメージ処理方法を使用する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはプラスチック材料からなり、かつブロー成形−、充填−および密封方法に従って形成された、容器製品を検査するための検査装置に関するものであって、容器製品は流体で満たされており、その流体は製造に基づいて汚れ粒子を有する可能性があり、その汚れ粒子は容器が静止している場合に容器壁に堆積し、かつ容器を動かした場合には流体内で自由に浮遊するように現れ、および/または少なくともその位置を変化させ、かつそのようにしてセンサ装置によって検出可能となる。
【背景技術】
【0002】
専門用語ではBFS方法とも称される、ブロー成形−、充填−及び密封方法に従って形成された容器製品は、特にアンプル形状で、たとえば既知の登録商標bottelpack方法によって、大量の個数で形成される。
この種のアンプルは、通常、治療又は美容目的のための液体の収容と排出のために用いられる。
特に、注射目的のために設けられているアンプルにおいては、充填物質の無菌性のほかに純度、すなわち何らかの汚れ粒子が存在しないことも、利用のための基本前提である。
したがって製造安全性に関して、供給する前に各容器製品を充填物質の完璧な状態について検査することが不可避である。
アンプル形状もしくはビン形状の容器製品がBFS方法に従って形成される個数が多く、かつそれによって製造シーケンスにおけるサイクル時間が短い場合に、各容器を手動で検査することは実際的ではないので、検査方法を用いて検査を自動化せざるを得ない。
【0003】
これに関する従来技術として、特許文献1は、冒頭で挙げた種概念の装置を開示しており、それにおいて汚れ粒子を検出するためのセンサ装置が複数のカメラと1つの揺動ミラーを有しており、その揺動ミラーは、発光手段から発生された光ビームを容器を通過した後に該当するカメラ上へ向けて反射させる。
この既知の装置には、複数の欠点が伴う。
製造速度が高い場合に、円軌跡上を直立して検査区間を通って移動される容器の各々をカメラによって検出するために、比較的大きい数のカメラとそれに応じた数の発光手段が必要であって、その発光手段の光線が円形の移動の間それぞれ対応づけられたカメラへ向けて反射される。
【0004】
構造的手間と費用が高い他に、検査の然るべき確実性を可能にするためには、ミラーの揺動運動を極めて正確に同期して行われなければならないので、それなりの制御の手間が生じる。さらに検査結果の確実性に改めるべき点が残る。
というのは、円軌跡上を容器が直立して移動する場合に、汚れ粒子が容器の底に優先的に堆積するからである。
それに対処するために、既知の装置においては、検査すべき各容器のために回転皿が設けられており、その上で容器が、流体を舞い上がらせるために、その垂直軸を中心に回転される。
それによってもたらされる高い構造的手間と費用にもかかわらず、検査確実性に改めるべき点が残る。
特別な欠点は、この既知の装置は、BSF方法に従って、複数の並べて配置され、かつつながりあった複数の容器を有する、いわゆる容器カードの形式で効率的に形成される容器の検査には、使用できないことにある。
というのは、各容器をその垂直軸を中心に回転させることはできないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許公開第10339473(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来技術から出発して、本発明の課題は、結果の確実性を改良して効率的な検査を可能にする、検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、その全体において特許請求項1の特徴を有する検査装置によって解決される。
【0008】
特許請求項1の特徴部分によれば、本発明の本質的な特殊性は、それぞれの容器が振動装置によって予め定めることができる励振周波数により、それぞれの汚れ粒子が流体内で検出可能になるように振動運動できることにある。
実験が明らかにするように、容器の振動運動がそれぞれ粒子の種類に従って異なる運動パターンで粒子を自由に運動させるので、既知の容器の回転運動に比較して、検出の確実性が高められるだけでなく、粒子種類の区別の改良も可能になる。
特に、励振周波数が適切なやり方で流体の特性に適合されている場合には、検出の高い確実性が達成可能であり、その場合に流体の粘性が極めて高い場合には、周波数は2kHzまでの低い周波数領域にあり、粘性が低く流動しやすい流体の場合には2から10kHzのより高い領域内におくことができる。
【0009】
特に好ましくは、振動運動の振動平面は、長手方向の方向付けの内部に、好ましくはそれぞれの容器の中心平面に沿って、行うことができ、その場合に容器は、カード形状に結合されたマルチ容器の構成要素とすることができる。
【0010】
好ましい実施例においては、励振周波数は次のように、すなわち流体状の容器の中身の粘性に従って流体内で比較的大きい空気泡の場所は変化しないが、それぞれ検出すべき汚れ粒子は流体の内部で移動するように、選択されている。それによって空気泡の検出に起因するエラーが回避される。
励振周波数は、好ましくは、空気泡の形成が回避され、あるいは最小限に抑えられるようにも、調節される。
【0011】
センサ装置は、少なくとも1つのエミッターを有することができ、そのエミッターが、可視光、赤外線、レーザー光あるいはX線のような光線を放射し、その光線が少なくとも容器壁と流体を通過して、対向して配置されている検出器へ当接した後に、評価装置によって評価可能な測定信号を発生する。
光線種類の選択は、容器壁の透明性又は不透明性に従って適切なやり方で行うことができる。たとえば容器壁が不透明である場合に、X線を使用することができる。
【0012】
特に好ましい実施例において、好ましくは、流体を充填された容器の振動プロセス後に、カメラ記録装置として形成された検出器が、流体内でそれぞれ移動し、あるいは移動される汚れ粒子の複数の記録を行い、その場合に評価ユニットが、一度は汚れ粒子なしで、もう一度は汚れ粒子と共に記録されたイメージ部分を互いに調節する。複数の記録の調節が、高い結果確実性を可能にする。
記録シリーズの記録は、短い時間間隔で、たとえば1秒内に、実施されるので、本発明に係る装置は高い製造速度に適している。
【0013】
特に好ましい実施例において、操作装置が設けられており、その操作装置がそれぞれ検査すべき容器をステーション内の水平の位置へ移動させ、そのステーション内で検出器は容器の下方かつエミッターは容器の上方に配置されており、かつ第2のステーションへ移動させ、その第2のステーションにおいて検出器は容器の上方かつエミッターが容器の下方に配置されている。
この配置において、特にカメラの形式の、検出器は、下から容器の下方の側壁へ合焦させることができ、第2のステーションにおいてはカメラは上から液体表面へ合焦されている。それによって誤って汚れ粒子として認識され得る空気泡が確実に検出される。
というのは、その空気泡は水平位置において上方の側壁に位置し、移動する他の実際の汚れ粒子から区別されるからである。
またそれによって、移動される粒子及びプラスチック粒子のように側壁に付着する傾向のある粒子を液体内で自由に浮遊する粒子から区別することも可能である。
【0014】
汚れ粒子の検出は、振動運動後に静止状態にある、容器内の粒子の自由な運動の認識に支援される。しかし、振動の静止直後には、流体はまだ運動し、かつ記録内に移動する影を発生させ、その影が誤った検査結果をもたらすことがある。
それに関して、本発明の好ましい実施例において、装置は、操作装置によって容器が予め定めることができる沈静化時間の間、容器内の流体がほぼ静止するまで静止位置に保持されるように、行われる。
【0015】
操作装置は、カルーセル状に配置された取扱い補助装置を搭載することができ、それを用いて容器製品を製造ラインへ挿入し、かつそこから取り出すことができる。
それによって検査装置は、BFS方法に従って形成される容器製品の製造ラインの構成要素を形成することができる。
【0016】
評価ユニットにおいて、測定信号の評価のために、従来技術においてグレイ値変換として、ゼロ演算及び/又はラップディソルブ方法として一般的であり、かつそれ自体知られたアルゴリズムに基づく、コンピュータ制御されるイメージ処理方法を使用することができる。
【0017】
以下、図面に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る検査装置の実施例をブロック表示の形式で略図的に簡単に示している。
【
図2】実施例の機能部材を簡略化して図式的に示す斜視図である。
【
図3】装置の実施例の操作装置の部分を実際の実施形態の実寸に近づけて示す側面図である。
【
図4】装置の検査ステーション内に収容した、4つのアンプルを有する容器カードの4つのイメージを有するイメージシリーズを示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、中央の取扱いカルーセルが符号1で示されており、それによって把持器3、5、7及び9が反時計方向に移動可能である。
ベルトコンベア11によって、検査すべきアンプル13(
図2)が直立して容器バンドとして、装填ステーション30内にある把持器3へ供給され、その把持器は取扱いカルーセル1によって形成される検査区間の始端に位置している。
把持器3のすぐ前で、セパレータ15が容器バンドから、この場合においては4つのアンプル13を有する容器カードをそれぞれ分離する。
【0020】
把持器3、5、7、9はそれぞれ支持体ユニット17を有しており、
図2にはそのうちの1つがカルーセル1から取り外された位置でベルトコンベア11の隣に示されている。
この表示から明らかなように、各支持体ユニット17は4つのアンプル収容部19を有しており、その各々の中に、4つのアンプル13を有する容器カード14が収容可能である。
その場合にアンプル13の、
図2に示すように回転トグルを有する閉鎖部分が収容部19の内部に位置し、流体を包含するアンプルボディは、
図2の把持器3に見られるように、露出している。
同様に
図2が示すように、把持器3の位置は、アンプル13が垂直かつ直立して方向づけされるように、したがってベルトコンベア11上と同一の位置に配置されるようになる。
【0021】
各把持器3、5、7、9の支持体ユニット17と支持構造21(
図3)との間には、間隔をもって配置された1対の電気的に操作可能な振動発生機23が配置されている。
これらは、駆動において振動を発生させ、その振動方向が
図3に双方向矢印25で示されており、かつアンプル13をその長手方向に往復移動させる。
【0022】
各把持器3、5、7、9の支持構造21は、水平の揺動軸27(
図3)を中心に回転可能である。各把持器3、5、7、9の支持構造21は、そのためにギアモータ29(
図2)と結合されている。
図2に示すように、把持器3にそれぞれ4つの垂直下方へ懸架されたアンプル13を備えた4つの容器カード14が装填された後に、カルーセル1が把持器3を反時計方向に90°行われる回転運動をもって移動させるので、把持器3が第1の検査ステーション31へ向けて方向付けされた位置へ来て、その位置にはその前に把持器5が見られ、その把持器は同時に第2の検査ステーション33へ移動する。
この回動ステップの間、把持器3のギアモータ29が支持構造21を90°移動させるので、第1の検査ステーション31においてアンプル13を有する容器カード14が水平の位置に達し、その水平の位置において容器ボディがカルーセル1から離れる方向へ向けられている。
第1の検査ステーション31において、アンプル13の上方にLEDプレート35の形式の照明装置があり、その照明装置は水平の位置にあるアンプル13の上側の領域全体にわたって延びており(
図2を参照)、図では第1の検査ステーション31に属するLEDプレート35のみが見られる。
アンプル13の下方には、LEDプレート35から放射されて、水平の位置にあるアンプル13を上から下へ向かって通過する光を検出するための検出器としてカメラ37が設けられている。その場合に、それぞれ4つのアンプル13を有する4つの容器カード14の各々について、それぞれカメラ37が設けられている。
図1の簡略化したブロック表示において、第1の検査ステーション31に属する4台のカメラ37は、符号38で示すカメラブロックで表されており、かつそれぞれ4つのアンプル13を有する4つの容器カード14の代わりに、各容器カード14について1つのアンプル13のみが示されている。
【0023】
駆動において、第1の検査ステーション31に達した場合に、カメラ37による記録が操作される前に、振動発赤23がアンプル13を有する支持体ユニット17を振動させる。
記録は、振動発生機23が静止した後に行われ、その場合に、各カメラ37が第1の記録を行う前に、静止時間が経過し、その静止時間の間にアンプル13の振動された流体が静止するので、自由に浮遊する、検出すべき粒子のみが移動しており、もしくはその位置が変化している。そうでないと、流体が移動している場合に移動する影は、誤って汚れ粒子として検出されることがあり得る。
振動の終了後約500ms行われる、流体運動の静止直後に、カメラ37が対応づけられた容器カード14の第1の記録を行い、その場合に各カード14の4つのアンプル13が上から下へ照射される。第1の記録に続いて短い時間間隔で他の振動および記録サイクルが、たとえば200msの領域内で3つの他の記録が行われるので、4つの記録の記録シリーズ全体は、先行する静止化期間を含めて、約1秒以内、最大で2から3秒以内に終了する。
図4は、4台のカメラ37によって記録される4つの記録シリーズの例を示しており、したがって同じ容器カード14の4つの記録が示されている。
【0024】
続いてカルーセル1がさらに90°回転移動することにより、該当する把持器が第1の検査ステーション31から第2の検査ステーション33へ移動され、その場合にアンプル13は同じ水平位置に留まる。
図2に示すように、カメラ37は第2の把持ステーション33内では、アンプル13を有する支持体ユニット17の上方に位置し、照明するLED支持体ユニット17は下方にあるので、カメラ37は、下方から上方へ向かってアンプル13を通過する光線を検出する。
第2の検査ステーション33において検査サイクルは、第1の検査ステーション31におけるのと同じように進行し、したがって振動、それに連続する、たとえば約500msの領域内の緩衝段階及びそれに連続する4つの記録と振動サイクルを有する記録シリーズを含んでいる。
【0025】
続いてカルーセル1がさらに90°回転した場合に、その前に第2の検査ステーション33内にあった把持器(
図2の表示において把持器7)が、検査区間の後に続く排出ステーション34内へ移動する。
移動の間に付属のギアモータ39が軸27(
図3)を中心とする揺動運動をもたらすので、容器カード14は排出ステーション34内で垂直下方へ懸架され、したがって装填ステーション30内と同じに方向づけされている。
第1の検査ステーション31と第2の検査ステーション33内で行われた記録の評価により、アンプル13に欠陥がないことが明らかになった場合に、排出ステーション34内へ移動した把持器、図の表示において把持器9が、容器カード14を、
図1に図式化して示唆されるだけの排出コンベア41上へ排出する。
排出コンベア41は、欠陥のない容器カード14を矢印43で示す移送方向へ移動させる。
検査の結果、汚れ粒子の存在が明らかになった場合に、欠陥のあるアンプルを含む容器カード14の排出コンベア41上への排出は行われない。
その代わりに、この容器カード14は、
図1に矢印45で示すように、排出コンベア41の移送路から取り出されて、
図1に矢印45で示すように、欠陥品として側方へ取り除かれる。
【0026】
検査ステーション31と33のその時の検査シーケンスが、500msecの沈静相とそれに続く撮影シリーズを含めて約1500msec続く場合に、本発明に係る装置は、アンプル形状の容器製品を形成するための通常のBFS設備の製造速度に相当する、検査すべきアンプル13の流量で駆動される。
したがって本発明に係る検査装置は、直接製造ラインに組み込まれる。
【0027】
金属粒子又はプラスチック粒子のような、種類と密度の異なる粒子において示される、様々な運動パターンにおいて、流体が先行する振動後に沈静化した後に、本発明に係る装置において、特に記録シリーズが一度は水平のアンプル13の上方に位置するカメラ位置と流体表面への合焦により、そしてもう一度は下方に位置するカメラ位置と下方の容器壁への合焦によって行われることによって、高い検査確実性が得られる。
たとえば剥離の形式でBFS製造装置に由来し、かつ通常その密度に基づいて下方の容器壁の領域内に位置する金属粒子は、透明ではなく、コントラストが強く、かつ容器壁上に合焦する下方のカメラ37によって良好に検出することができる。
BFS充填方法の際に容器材料に由来する可能性のある、PP材料のような、プラスチック粒子は、半透明であり、コントラストが強くなく、好ましくは流体表面に浮遊しており、かつ、コントラストが弱いにもかかわらず流体表面へ合焦する上方のカメラ37によって確実に検出可能である。
容器壁近傍で浮遊するプラスチック粒子は、隣接する壁にいわば吸い付けられ、かつ壁に付着する傾向もあり、それによってそれらはプラスチック部分片として認識される。
【0028】
図4は、個々の容器カード14の記録シリーズを示している。
下方に位置し、かつアンプル13の下方の容器壁へ合焦するカメラによって記録された、図示の例において、金属の粒子47が認識可能であり、それはイメージ列において右方向かつわずかにアンプルネック49の方向へ移動している。したがって
図4に示す容器カード14は、排出ステーション34において排出コンベア41の移送路から取り出されて、矢印45の方向へ運び出される。
【0029】
図4に例示されるイメージ列を評価するために、グレイ値変換、点演算及び/又はラップディソルブ方法のような、従来技術から知られたイメージ認識方法を使用することができる。その場合に、一度は下から上へ向かって、もう一度は上から下へ向かって記録されたイメージシリーズの調整が行われる。さらに、汚れのない容器によって記録され、かつ利用されたイメージ認識システムの校正を可能にする、参照記録との比較を実施することができる。