特許第6568182号(P6568182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568182
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/511 20060101AFI20190819BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20190819BHJP
   A61F 13/512 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   A61F13/511 100
   A61F5/44 H
   A61F13/511 300
   A61F13/512 300
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-226327(P2017-226327)
(22)【出願日】2017年11月24日
(65)【公開番号】特開2019-92944(P2019-92944A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2018年11月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大竹 雄也
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−116909(JP,A)
【文献】 特開2015−112187(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/030136(WO,A1)
【文献】 特開昭62−069867(JP,A)
【文献】 特開2002−105835(JP,A)
【文献】 特開平05−228173(JP,A)
【文献】 特開2008−073396(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/099625(WO,A1)
【文献】 特開2017−153915(JP,A)
【文献】 特表平08−507451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体と、この吸収体の表側を覆うトップシートとを有しており、
前記トップシートは不織布からなり、
前記トップシートに、表側に突出するドーム状の凸部が多数配列され、隣り合う凸部の間が溝となり、前記溝の底部の縁が前記凸部の周縁となっている、吸収性物品において、
前記溝の底部には、前記トップシートを厚み方向に貫通する貫通孔が前記凸部の周方向に間隔を空けて設けられており、
前記トップシートにおける前記貫通孔の周縁部は、前記不織布の構成繊維が前記貫通孔となる位置から前記貫通孔の周囲に押し寄せられた筒状の部分であり
前記凸部の周縁の一部が前記貫通孔の周縁部の一部により形成されており、
前記トップシートにおける前記貫通孔の周縁部を除く部分は、見かけの厚みの最大値と最小値との差が最大値の0〜50%である、
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記凸部は千鳥状に配列され、
前記貫通孔は、前記凸部の幅方向中央における前後方向両側、及び前後方向中央における幅方向両側にのみ配置されるとともに、前記貫通孔の周縁部は隣り合う凸部の両方の周縁の一部をなしており、
前記溝は、隣り合う凸部の間に沿う方向に隣り合う前記貫通孔間にわたり延びている、
請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記貫通孔の周縁部は少なくとも表側に膨らんだ堰状部分を有する、
請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記凸部は、前後方向の寸法が3〜10mm、かつ幅方向の寸法が3〜10mmであり、
前記貫通孔の前後方向の寸法は前記凸部の前後方向の寸法の15〜35%、前記貫通孔の幅方向の寸法は前記凸部の幅方向寸法の15〜35%である、
請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキンを含む吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の吸収性物品は、吸収体と、この吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートとを備えており、尿や経血等の排泄液はトップシートを透過して吸収体により吸収され保持されるようになっている。従来、吸収性物品用のトップシートとして、各種製法による不織布や、それに2次加工として穿孔を施したもの、ポリエチレン等の合成樹脂からなる有孔フィルム等が用いられている。
【0003】
吸収性物品においては、排泄液の漏れを防止することだけでなく、排泄液が肌に再付着することによる不快感やかぶれ等を防止することも要求される。また、排泄前後における蒸れを防止することも要求される。このため近年では、トップシートに不織布を用いる場合において、例えば特許文献1、2に示すように、エンボス加工によりトップシートに多数のドーム状(半球形ないしそれに類似した凸状の構造)の凸部を形成し、トップシートと肌との接触面積を低減し、排泄液の再付着や通気性の向上を図ることも行われている。特に、特許文献1、2記載のもののように、トップシートにおける凸部の周囲(凸部間の溝)を、加熱エンボス加工により厚み方向に加圧し、必要に応じてその裏側の部材と接合する形態は、凸部がよりしっかりと形成され、流通過程を経て使用に供されるまで、包装袋内で加圧状態にあっても、凸部がしっかりと維持され、吸収性等に優れるのはもちろん、見栄えにも優れるため非常に好ましいものである。このような凹凸を有するトップシートは、高機能であることはもちろん、消費者に機能美を感じさせるものであるという点でも非常に重要である。
【0004】
しかし、凸部の周囲を囲む溝(凹部)の底部が厚み方向に圧縮されていると、底部の密度向上により底部の厚み方向の液透過性が低下する。いうまでもなく溝には排泄液が集中するため、溝の底部における厚み方向の液透過性の低下は全体としての吸収速度の低下をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−140251号公報
【特許文献2】特開2013−255557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溝の底部の液透過性を改善するために、溝の底部を厚み方向に圧縮しないという選択肢もありうるが、その場合、製造時又は製造後における加圧により凸部の周縁形状がはっきりしなくなり、機能美としての見栄えが悪化する。また、特許文献2記載のように、溝の底部に厚み方向に貫通する貫通孔を、溝の連続方向に間隔を空けて設けるのも一案であるが、孔を有しない部分の液透過性は改善せず、また十分な液透過性を確保するためには孔を多数設ける必要があり、いわゆる逆戻り(トップシートの裏側に移動した排泄液がトップシートの表側の肌に付着すること)しやすくなるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、凹凸の形状維持性に優れ、吸収速度の低下も起こりにくいトップシートを備えた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
吸収体と、この吸収体の表側を覆うトップシートとを有しており、
前記トップシートは不織布からなり、
前記トップシートに、表側に突出するドーム状の凸部が多数配列され、隣り合う凸部の間が溝となっている、吸収性物品において、
前記トップシートを厚み方向に貫通する貫通孔が前記凸部の周方向に間隔を空けて設けられており、
前記トップシートにおける前記貫通孔の周縁部は、前記不織布の構成繊維が前記貫通孔となる位置から前記貫通孔の周囲に押し寄せられた筒状の部分であり、
前記凸部の周縁の一部が前記貫通孔の周縁部の一部により形成されており、
前記トップシートにおける前記貫通孔の周縁部を除く部分は、見かけの厚みの最大値と最小値との差が最大値の0〜50%である、
ことを特徴とする吸収性物品。
【0009】
(作用効果)
本吸収性物品では、トップシートにおける貫通孔の周縁部を除く部分は、見かけの厚みの最大値と最小値との差が最大値の0〜50%であり、溝の底部においても凸部等と同程度の密度となっているため、溝の底部における厚み方向の液透過性は凸部等と同程度であり、溝の底部が厚み方向に圧縮されている従来例のように、溝の底部における厚み方向の液透過性が低いものとはならない。また貫通孔の周縁部は高密度部となっているが、不織布の構成繊維が貫通孔となる位置から貫通孔の周囲に押し寄せられた筒状の部分であり、厚み方向には圧縮されていない部分である。このような高密度部は厚み方向と直交する方向には非常に薄く、厚み方向の液透過性にはほとんど影響しない。よって、溝に排泄液が集中するとしても、溝の底部における厚み方向の液透過性の低下がほとんどないことと、貫通孔が液透過性を顕著に向上させることとが相まって、全体としての吸収速度の低下が起こりにくいものとなる。しかも、それだけではなく、凸部の周縁の一部は高密度部(貫通孔の周縁部)の一部により形成される。その結果、凸部の周縁は高密度部により補強され、凸部の周縁形状が崩れにくくなる、つまり凸部の形状維持性に優れるようになる。本態様では、溝の底部の液透過性が高いこともあり、貫通孔の主機能は凸部の形状維持機能にあるということができる。
【0010】
【0011】
【0012】
<第の態様>
前記凸部は千鳥状に配列され、
前記貫通孔は、前記凸部の幅方向中央における前後方向両側、及び前後方向中央における幅方向両側にのみ配置されるとともに、前記貫通孔の周縁部は隣り合う凸部の両方の周縁の一部をなしており、
前記溝は、隣り合う凸部の間に沿う方向に隣り合う前記貫通孔間にわたり延びている、
第1の態様の吸収性物品。
【0013】
(作用効果)
逆戻りの観点からは貫通孔の数は少ない方が好ましいが、貫通孔の数が少ないほど凸部の形状維持性が低下する。よって、逆戻り及び凸部の形状維持性の両立の観点から、凸部及び貫通孔は本態様の配置となっていることが好ましい。
【0014】
<第の態様>
前記貫通孔の周縁部は少なくとも表側に膨らんだ堰状部分を有する、
第1又は2の態様の吸収性物品。
【0015】
(作用効果)
針刺し加工により貫通孔を形成すると、不織布の構成繊維が前記貫通孔となる位置から前記貫通孔の周囲に押し寄せられる際、繊維が針の側面に沿って表裏両側に逃げることにより、貫通孔の周縁部が表裏両側に隆起する(膨らむ又は反り返る)。この隆起は、いずれがトップシートの表側に位置していても、貫通孔への液体の流入に対しては堰として機能する。よって、このような堰状部分を有する場合、吸収が進み、溝内の液位が堰状部分より低くなった後には、溝の底部における液透過性が吸収速度を左右することとなる。よって、前述のトップシートの構造は、本態様のように堰状部分を有する場合に特に効果がある。
【0016】
<第の態様>
前記凸部は、前後方向の寸法が3〜10mm、かつ幅方向の寸法が3〜10mmであり、
前記貫通孔の前後方向の寸法は前記凸部の前後方向の寸法の15〜35%、前記貫通孔の幅方向の寸法は前記凸部の幅方向寸法の15〜35%である、
第1〜のいずれか1つの態様の吸収性物品。
【0017】
(作用効果)
前述のトップシートの構造では、凸部及び貫通孔の寸法が本態様の範囲内であると好ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上のとおり本発明によれば、凹凸の形状維持性に優れるとともに、吸収速度の低下も起こりにくい、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。
図2】要部のみを示す平面図である。
図3図1のY−Y断面図である。
図4図1のX−X断面図である。
図5】(a)展開状態の要部拡大平面図、(b)2−2断面図、及び(c)3−3断面図である。
図6図1のX−X断面に相当する断面図である。
図7】吸収体の吸収機構を概略的に示す断面図である。
図8】吸収体の吸収機構を概略的に示す断面図である。
図9】他の吸収体の平面図である。
図10】展開状態の要部拡大平面図である。
図11】展開状態の要部拡大平面図である。
図12】トップシートの要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら吸収性物品の例について詳説する。なお、用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向LDの中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向LDの中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向LDの中間あるいは吸収体の前後方向LDの中間に幅の狭いくびれ部分を有する場合は、いずれか一方又は両方のくびれ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。また、「前側部分(腹側部分)」は股間部よりも前側の部分を意味し、「後側部分(背側部分)」は股間部よりも後側の部分を意味する。また、断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
【0021】
図1図4は、吸収性物品の一例としてのパッドタイプ使い捨ておむつ200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Lは350〜700mm程度、全幅W1は130〜400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より広い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10〜150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50〜350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50〜350mm程度とすることができる。また、股間部C2の幅W3は、大人用の場合、150mm以上、特に200〜260mm程度とすることができる。
【0022】
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、液不透過性シート21と、液透過性を有するトップシート22との間に、吸収体23A,23Bが介在された基本構造を有している。
【0023】
吸収体23A,23Bの裏側には、液不透過性シート21が吸収体23A,23Bの周縁より若干はみ出すように設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
【0024】
また、液不透過性シート21の外面は、不織布からなる外装シート27により覆われており、この外装シート27は、所定のはみ出し幅をもって液不透過性シート21の周縁より外側にはみ出している。外装シート27としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。外装シート27は省略することもできる。
【0025】
吸収体23A,23Bの表側は、液透過性を有するトップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23A,23Bが一部はみ出しているが、吸収体23A,23Bの側縁がはみ出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては各種の不織布を用いることができる。不織布の構成繊維は、短繊維であっても、長繊維(連続繊維)であってもよく、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維(単成分繊維でも、複数の成分からなる芯鞘構造等の複合繊維でもよい)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いることができる。また、不織布の繊維の結合方法は特に限定されず、接着剤や溶剤などの化学的手段によるほか、又は機械的交絡、熱的接着などの物理的手段を用いることができる。トップシートとして好ましい不織布の一つは、熱可塑性合成繊維を熱風接着してなるエアスルー不織布が好適である。トップシート22の詳細については後述する。
【0026】
トップシート22と吸収体23A,23Bとの間には、中間シート25を介在させるのが望ましい。この中間シート25は、吸収体23A,23Bにより吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く、かつ液透過性の高い素材、例えば各種の不織布やメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、中間シート25の前端は0〜11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート25の後端は92〜100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート25の幅W4は後述する吸収体23A,23Bのくびれ部分23nの最小幅W5の50〜100%程度であるのが好ましい。中間シート25は省略することもできる。
【0027】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向LDの両端部では、外装シート27及びトップシート22が吸収体23A,23Bの前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23A,23Bの存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、外装シート27が吸収体23A,23Bの側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面には、立体ギャザー24を形成するギャザーシート24sの幅方向WDの外側の部分24xが前後方向LDの全体にわたり貼り付けられ、吸収体23A,23Bの存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図1では斜線模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。外装シート27を設けない場合、外装シート27に代えて液不透過性シート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
【0028】
ギャザーシート24sの素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
【0029】
ギャザーシート24sの幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0030】
また、両ギャザーシート24sは、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面及び外装シート27内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図1に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して弾力的に起立する漏れ防止壁となる部分であり、その起立基端24bはギャザーシート24sにおける幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
【0031】
吸収体23A,23Bとしては、パルプ繊維23fの積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマー粒子23pを混合、固着等してなるものを用いることができる。吸収体23A,23Bは、図3及び図5に示すように、下層吸収体23Bと、その表側に設けられた上層吸収体23Aとからなる二層構造の他、単層構造であってもよい。吸収体23A,23Bを二層構造とする場合、下層吸収体23Bは、少なくともパルプ繊維23fの集積物であるのが好ましく、特にパルプ繊維23f及び高吸収性ポリマー粒子23pの混合集積物であるのが好ましい。一方、上層吸収体23Aはパルプ繊維23f及び高吸収性ポリマー粒子23pの混合集積物であるのが好ましい。
【0032】
上層吸収体23A及び下層吸収体23Bに含有される高吸収性ポリマー粒子23pとしては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば上層吸収体23A及び下層吸収体23Bに同じ粒度分布の高吸収性ポリマー粒子を用いる場合等、通常の場合には、500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。また、上層吸収体23A及び下層吸収体23Bに異なる粒度分布の高吸収性ポリマー粒子を用いる場合には、上層吸収体23Aに用いる高吸収性ポリマー粒子の粒度分布は、上述の500μm及び180μmの標準ふるいを用いたふるい分けを行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以上のものが望ましく、下層吸収体23Bに用いる高吸収性ポリマー粒子の粒度分布は、上述の500μm及び180μmの標準ふるいを用いたふるい分けを行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が25重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が70重量%以上のものが望ましい。
【0033】
高吸収性ポリマー粒子23pとしては、特に限定されるものではないが、吸水速度が20〜50秒で、吸水量50〜80g/gのものを好適に用いることができる。高吸収性ポリマー粒子23pとしては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。
【0034】
上層吸収体23A及び下層吸収体23Bは、必要に応じて形状及び高吸収性ポリマー粒子23p保持等のため、一体的又は個別に、クレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート26により包むことができる。
【0035】
吸収体23A,23Bは、前側部分F2から後側部分B2にかけて延在される。上層吸収体23Aは下層吸収体23Bと同じ寸法とすることもできるが、図示形態のように上層吸収体23Aの全長及び全幅は下層吸収体23Bのそれよりも短いことが望ましい。通常の場合、上層吸収体23Aの全長は下層吸収体23Bの全長の60〜90%程度とすることができ、上層吸収体23Aの全幅は下層吸収体23Bの全幅の60〜90%程度とすることができる。
【0036】
上層吸収体23A及び下層吸収体23Bの形状は適宜定めることができ、それぞれ長方形状とすることもできるが、少なくとも大きい方の吸収体23A,23B(図示例では下層吸収体23B)は、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭いくびれ部分23nとして形成されていると好ましい。このくびれ部分23nの最小幅W5は、くびれ部分23nの前後に位置する非くびれ部分の幅W2の50〜65%程度であるのが好ましい。また、物品前端を0%とし物品後端を100%としたとき、くびれ部分23nの前端は10〜25%の範囲に位置しているのが好ましく、くびれ部分23nの後端は40〜65%の範囲に位置しているのが好ましく、くびれ部分23nの最小幅W5となる部位(最小幅部位)は25〜30%の範囲に位置しているのが好ましい。
【0037】
図1及び図2に示すように、上層吸収体23Aにのみ少なくとも股間部C2と対応する前後方向領域に、左右一対の所定幅のスリット40が前後方向に延在されていると好ましい。図4に示すように、下層吸収体23Bには所定幅のスリット40を設けない形態(この場合、下層吸収体23Bには幅の無い切れ目を有していても良い)とする他、図6に示すように上層吸収体23A及び下層吸収体23Bを厚み方向に貫通する一体的なスリット40を形成してもよい。このようなスリット40を有する場合、トップシート22は図示例のようにスリット40内に落ち込んだ落ち込み部分30を有していてもよいし、スリット40内にほとんど落ち込んでいなくてもよい。
【0038】
スリット40の前後方向の長さ40Lは特に限定されず、したがって上層吸収体23Aの前後方向全体にわたり設けることもできるが、図示形態のように前側部分F2の股間側端部から後側部分B2の股間側端部まで延在させることが望ましい。また、図9に示すように、スリット40の後側の部分を幅方向外側に向かうように曲げることもできる(前側も同様に曲げることができる)。より具体的には、使い捨ておむつ200の前端を0%とし、使い捨ておむつ200の後端を100%としたとき、スリット40の前端は15〜30%の範囲に位置しているのが好ましく、スリット40の後端は40〜70%の範囲に位置しているのが好ましい。
【0039】
図示形態の上層吸収体23Aでは、スリット40の前後端は上層吸収体23Aの周縁に突き抜けていないが、図9に示す例のように後端(前端又は両端でもよい)を周縁に達するようにしてもよい。なお、スリット40の前後両端が上層吸収体23Aの側縁に達する形態では、スリット40よりも側方の部分はスリット40間の部分とは別体となる。
【0040】
スリット40は幅方向に間隔を空けて左右両側に各1本設けることが好ましいが、幅方向WDの中央に一本のみ設けてもよい。この場合、スリット40の幅方向WDの位置は左右対称となることが好ましい。パッドタイプ使い捨ておむつは、吸収体23A,23Bの幅が装着者の股間幅よりも広く、股間部の幅方向両端部は装着者の内腿に対向する部分となり、幅方向中間部が股間と対向する部分となる形態が一般的であるため、これらの部分の境界に沿ってスリットを設けることが望ましい。このため、スリット40の間隔40Dは、通常の場合、吸収体23A,23Bのくびれ部分23nの最小幅W5の10〜30%程度であるのが好ましい。
【0041】
スリット40の幅40Wは、対向する側壁が離間している限り特に限定されないが、通常の場合、吸収体23A,23Bのくびれ部分23nの最小幅W5の10〜20%程度とすることが望ましく、具体的に大人用製品の場合5〜32mm程度とすることができる。
【0042】
また、図7及び図8に示すように、上層吸収体23Aにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率は、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率よりも高いものとされていると好ましい。すなわち、吸収体23A,23Bでは、図7及び図8にそれぞれ吸収状態の変化を示すように、排泄物の液分Uは上層吸収体23Aにも供給されるが、それよりも優先的にスリット40を通して下層吸収体23Bに供給される。ここで、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率が上層吸収体23Aのそれよりも低いと、上層吸収体23Aよりもゲルブロッキングが生じにくく排泄物の液分が下層吸収体23B内でより広範囲に拡散する。図中、液分の移動が矢印で示されている。そして下層吸収体23Bに吸収された液分は、少なくとも下層吸収体23Bの吸収飽和後には、上層吸収体23Aに吸い上げられるようにして上層吸収体23Aに移行するようになり、上層吸収体23Aに吸収保持される。このとき、上層吸収体23Aはパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率が高く、より多量の液分を吸収保持できるとともに、下層吸収体23Bが優先的に吸収を行うため、上層吸収体23Aの表側(肌側)には最後まで吸収余力が残されることになる。その結果、逆戻り防止性に一段と優れたものとなる。なお、いうまでもないが、図7及び図8では、高吸収性ポリマー粒子23pの含有比率や吸収膨張変化を分かりやすくするために、高吸収性ポリマー粒子23pの大きさを誇張して示している。
【0043】
このような吸収メカニズムを考慮すると、下層吸収体23Bに含まれる高吸収性ポリマー粒子23pは液透過性に優れるもの、具体的には吸収速度が20〜35秒かつ吸収量が50〜70g/gであるものが好ましく、上層吸収体23Aに含まれる高吸収性ポリマー粒子23pは吸収量が多いもの、具体的には吸収速度が60〜80秒かつ吸収量が50〜80g/gであるものが好適である。
【0044】
また、上層吸収体23Aにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率を、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率よりも高くする場合、上層吸収体23A及び下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23p,23pの重量比率は適宜定めることができるが、上層吸収体23Aの総目付け(パルプ19f及び高吸収性ポリマー粒子23pの合計)が350〜700g/m2である場合、上層吸収体23Aにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率が55〜100%程度、特に65〜90%であることが好ましい。また、下層吸収体23Bの総目付け(パルプ18f及び高吸収性ポリマー粒子23pの合計)が250〜450g/m2である場合、下層吸収体23Bにおけるパルプ繊維23fに対する高吸収性ポリマー粒子23pの重量比率が0〜50%程度、特に30〜40%であることが好ましい。
【0045】
図5に示すように、トップシート22は、表側に突出するドーム状の凸部31が多数配列され、隣り合う凸部31の間が溝32となっているとともに、トップシート22を厚み方向に貫通する貫通孔80が凸部31の周方向に間隔を空けて設けられている。また、図5に示すように、トップシート22における貫通孔80の周縁部81は、不織布の構成繊維が貫通孔80となる位置から貫通孔80の周囲に押し寄せられた筒状の部分となっている。また、凸部31の周縁の一部が貫通孔80の周縁部81の一部により形成されている。さらに、トップシート22における貫通孔80の周縁部81を除く部分は、見かけの厚み22tの最大値と最小値との差が最大値の0〜50%となっている。この見かけの厚み22tの最大値と最小値との差は最大値の0〜40%であると好ましく、0〜30%であるとより好ましく、0〜20%であると特に好ましい。このように、トップシート22における貫通孔80の周縁部81を除く部分で、見かけの厚み22tの最大値と最小値との差が小さいと、溝32の底部32bにおいても凸部31等と同程度の密度となっているため、溝32の底部32bにおける厚み方向の液透過性は凸部31等と同程度であり、溝32の底部32bが厚み方向に圧縮されている従来例のように、溝32の底部32bにおける厚み方向の液透過性が低いものとはならない。また貫通孔80の周縁部81は高密度部となっているが、不織布の構成繊維が貫通孔80となる位置から貫通孔80の周囲に押し寄せられた筒状の部分であり、厚み方向には圧縮されていない部分である。このような高密度部は厚み方向と直交する方向には非常に薄く(例えば見かけの肉厚で1〜3mm程度)、厚み方向の液透過性にはほとんど影響しない。よって、溝32に排泄液が集中するとしても、溝32の底部32bにおける厚み方向の液透過性の低下がほとんどないことと、貫通孔80が液透過性を顕著に向上させることとが相まって、全体としての吸収速度の低下が起こりにくいものとなる。しかも、それだけではなく、凸部31の周縁の一部は高密度部(貫通孔80の周縁部81)の一部により形成される。その結果、凸部31の周縁は硬く圧縮された高密度部により補強され、凸部31の周縁形状が崩れにくくなる、つまり凸部31の形状維持性に優れるようになる。本態様では、溝32の底部32bの液透過性が高いこともあり、貫通孔80の主機能は凸部31の形状維持機能にあるということができる。
【0046】
ドーム状の凸部31及び溝32は、エンボス加工を用いてトップシート22を裏側から表側に押し出す(厚み方向両側から挟まない)ことにより形成することができる。また、貫通孔80は、針刺し加工により形成することができる。この場合、図12に示すように、貫通孔80の周縁部81には、不織布の構成繊維22fが貫通孔80となる位置から貫通孔80の周囲に押し寄せられるだけであり、厚み方向には圧縮されることがない。よって、貫通孔80の周縁部81にはそれ以外の部分の厚み22t以上の厚み81tが残ることとなる。特に、針刺し加工により貫通孔80を形成すると、不織布の構成繊維が貫通孔80となる位置から貫通孔80の周囲に押し寄せられる際、繊維が針の側面に沿って表裏両側に逃げることにより、貫通孔80の周縁部81が表裏両側に隆起する(膨らむ又は反り返る)。この隆起はトップシート22における針の進入側で小さく、反対側で大きくなるものの、いずれがトップシート22の表側に位置していても、貫通孔80への液体の流入に対しては堰として機能する。よって、このような堰状部分を有する場合、吸収が進み、溝32内の液位が堰状部分より低くなった後には、溝32の底部32bにおける液透過性が吸収速度を左右することとなる。しかし、前述のように溝32の底部32bの液透過性が高いと、総合的な吸収速度への影響は少ないものとなる。
【0047】
トップシート22の繊維の繊度は、1.0〜3.0dtex、特に1.5〜2.5dtexとすることができる。また、トップシート22としてはエアスルー不織布が好適である。トップシート22は厚み方向に繊度及び親水度の少なくとも一方が変化する不織布、例えば繊度及び親水度の少なくとも一方が異なる複数の層が積層された不織布であってもよい。
【0048】
凸部31の配列及び貫通孔80の配置・数は特に限定されない。貫通孔80は、凸部31の周方向に等間隔で3以上、特に4以上設けられていると好ましい。貫通孔80は、その周縁部81の一部が凸部31の周縁の一部を形成する(貫通孔80の周縁部81と凸部31の周縁とが接する場合、交わる場合の両方を含む)限り、図5に示す例のように隣り合う凸部31の両方の周縁の一部を形成する形態に限定されず、図11に示すように一方の凸部31の周縁の一部を形成する形態としてもよい。
【0049】
特に、逆戻りの観点からは貫通孔80の数は少ない方が好ましいが、貫通孔80の数が少ないほど凸部31の形状維持性が低下する。よって、逆戻り及び凸部31の形状維持性の両立の観点から、図5に示すように、凸部31は千鳥状に配列され、貫通孔80は、凸部31の幅方向WDの中央における前後方向LDの両側、及び前後方向LDの中央における幅方向WDの両側にのみ配置されるとともに、その周縁部81は隣り合う凸部31の両方の周縁の一部をなし、溝32は、隣り合う凸部31の間に沿う方向に隣り合う貫通孔80間にわたり延びているのは好ましい。
【0050】
他の配列としては、図10に示すように、凸部31及び貫通孔80を正方格子状又は矩形格子状に配置することもできる。
【0051】
凸部31の形状はドーム状である限り特に限定されない。ここで、用語「ドーム状」は、半球状のものに限られず、任意の高さで任意の平面形状のもの、例えば平面視でほぼ楕円状や、ほぼ多角形状等のものも含む意味である。
【0052】
凸部31の寸法は特に限定されないが、凸部31の前後方向寸法31mは3〜10mm(特に4〜7mm)であるのが好ましい。凸部31の幅方向寸法31cは3〜10mm(特に4〜7mm)であるのが好ましい。凸部31の前後方向寸法31mは凸部31の幅方向寸法31cの0.5〜2.0倍(特に1.1〜1.5倍)であるのが好ましい。また、前後方向LDに並ぶ凸部31の列における凸部31の前後方向の中心間隔31yは3.5〜18mm(特に5〜8mm)であるのが好ましい。幅方向WDに並ぶ凸部31の列における凸部31の幅方向の中心間隔31xは3.3〜16mm(特に4.5〜7.5mm)であるのが好ましい。前後方向の中心間隔31yは幅方向の中心間隔31xの0.4〜2.0倍(特に0.8〜1.3倍)であるのが好ましい。また、凸部31の高さ31zは、通常の場合0.7〜1.8mm(特に1.0〜1.5mm)程度とすることが好ましい。
【0053】
また、貫通孔80の形状は適宜定めることができ、真円形、楕円形、三角形、長方形、ひし形等の多角形、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。
【0054】
貫通孔80の寸法は特に限定されないが、貫通孔80の前後方向の寸法80mは凸部31の前後方向寸法31mの5〜30%(特に7〜14%)であるのが好ましい。貫通孔80の幅方向の寸法80cは凸部31の幅方向寸法31cの5〜30%(特に7〜14%)であるのが好ましい。貫通孔80の前後方向の寸法80mは貫通孔80の幅方向の寸法80cの0.5〜2.0倍(特に0.7〜1.5倍)であるのが好ましい。
【0055】
凸部31及び貫通孔80は、トップシート22の全体に設けられていても、前後方向LD及び幅方向WDの少なくとも一方において一部のみ設けられていてもよい。例えば、凸部31及び貫通孔80はトップシート22の表面露出部分における幅方向の中間部にのみ設けられていてもよい。
【0056】
トップシート22の裏側の部材に対する接合はホットメルト接着剤により行うことができる。トップシート22をホットメルト接着剤により裏側の部材に接合する場合、吸収体23A,23Bと重なる部分ではサミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などによりホットメルト接着剤を間欠的に塗布することが好ましい。一方、トップシート22の前後端部のように、吸収体23A,23Bと重ならない部分では、ホットメルト接着剤をベタ塗布し、強固に固定することが好ましい。
【0057】
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・製法における「MD方向(マシンダイレクション又はライン流れ方向)」及び「CD方向(MD方向と直交する横方向)」とは、凸部31の加工設備の「MD方向」及び「CD方向」を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。また、製品におけるMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。図示形態は、殆ど多くの使い捨ておむつの製品と同様に、前後方向がMD方向となり、幅方向がCD方向となるものである。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・トップシートの「厚み」は「見かけの厚み」を意味し、以下の方法により測定する。すなわち、測定に際しては、縦30mm×横30mmの測定片を切り出す。この際、測定部分を通る切断面を作る。例えば、トップシートにおける貫通孔の周縁部を除く部分について、見かけの厚みを測定する場合、MD方向に平行で、貫通孔及びその周縁部を通らない切断面を形成する。そして、この切断面の拡大写真をキーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−1000等を用いて撮影し、この拡大写真に基づいてトップシートの目的部分の見かけの厚みを測定する。最大値及び最小値を求める場合には10点以上測定し、最大値及び最小値を決定する。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、パンツタイプ使い捨ておむつ等、形態を問わず利用でき、また、生理用ナプキン等、使い捨ておむつ以外の吸収性物品にも利用できるものである。
【符号の説明】
【0059】
200…パッドタイプ使い捨ておむつ、21…液不透過性シート、22…トップシート、22t…厚み、23A,23B…吸収体、23A…上層吸収体、23B…下層吸収体、24…立体ギャザー、24s…ギャザーシート、25…中間シート、26…包装シート、27…外装シート、30…落ち込み部分、31…凸部、32…溝、32b…底部、40…スリット、80…貫通孔、81…周縁部、B2…後側部分、C2…股間部、F2…前側部分、LD…前後方向、WD…幅方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12