(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568186
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】高解像度AMOLEDディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20190819BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20190819BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20190819BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20190819BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20190819BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20190819BHJP
G09G 3/3225 20160101ALI20190819BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/10
H01L29/78 612Z
H01L29/78 618B
G09G3/3225
G09G3/20 624B
G09G3/20 680H
G09G3/20 680G
G09G3/20 621M
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-231644(P2017-231644)
(22)【出願日】2017年12月1日
(62)【分割の表示】特願2013-186831(P2013-186831)の分割
【原出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2018-77482(P2018-77482A)
(43)【公開日】2018年5月17日
【審査請求日】2017年12月28日
(31)【優先権主張番号】13/617,791
(32)【優先日】2012年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503055897
【氏名又は名称】ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ハック
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エス・ウィーバー
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア・ジェイ・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ウヨン・ソ
【審査官】
中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/070802(WO,A1)
【文献】
特開2009−099953(JP,A)
【文献】
特開2012−079690(JP,A)
【文献】
特開2012−146292(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/092732(WO,A1)
【文献】
特開2012−078798(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0128262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 − 9/46
G09G 3/00 − 3/38
H01L 21/336
H01L 27/32
H05B 33/00 − 33/28
H01L 29/786
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも400dpiの合計解像度を有する複数のピクセルを形成するように配置される複数の有機発光デバイスと、
前記複数の有機発光デバイスのうちの少なくとも1つを制御するようになっている回路とを含み、
前記回路が、2つのみのトランジスタとして、約10−15A/μm以下のリーク電流を有する1つのドライビングトランジスタ、及び約10−15A/μm以下のリーク電流を有する1つのスイッチングトランジスタと;電力線と、走査線と、データ線とを含み、
前記回路が、蓄積キャパシタを含まず、
前記ドライビングトランジスタは、前記走査線に接続されるゲート電極と、前記データ線に接続される第1電極と、前記スイッチングトランジスタに接続される第2電極とを有し、
前記スイッチングトランジスタは、前記ドライビングトランジスタに接続されるゲート電極と、前記電力線に接続される第1電極と、前記1つの有機発光デバイスの1つの電極に接続される第2電極とを有することを特徴とするデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つのトランジスタが、アクティブ層として金属酸化物を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記金属酸化物が、IGZO系酸化物である請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記金属酸化物が、結晶性の高いIGZO系酸化物である請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
有機発光デバイスのアクティブ領域の外側に配置されている補償ドライバを更に含む請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
回路によって制御されている複数の有機発光デバイスのうちの少なくとも1つが、サブピクセルを含み、前記サブピクセルが、約60μm以下の最大寸法を有する請求項1から5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記サブピクセルが、横方向に60μm以下の最大寸法、及び、縦方向に60μm以下の最大寸法を有する請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
デバイスが、フルカラーディスプレイ、コンシューマデバイスにおけるフレキシブルディスプレイ、携帯電話、パッド型コンピュータ、スマートフォン、ポータブルコンピュータ、モニタ、テレビ、及びフレキシブルディスプレイを含むコンシューマデバイスからなる群から選択される種類のデバイスを含む請求項1から7のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
少なくとも1つのトランジスタが、約10−15A/μm〜約10−24A/μmのリーク電流を有する請求項1から8のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
少なくとも1つのトランジスタが、約10−20A/μm〜約10−24A/μmのリーク電流を有する請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
少なくとも400dpiの解像度を有するアクティブマトリクス有機発光ディスプレイであって、
複数のピクセルを含み、
各ピクセルが、独立して、2つのみのトランジスタとして、約10−15A/μm以下のリーク電流を有する1つのドライビングトランジスタ、及び約10−15A/μm以下のリーク電流を有する1つのスイッチングトランジスタと;電力線と、走査線と、データ線とを含む制御回路によってアドレス可能であり、
前記ドライビングトランジスタは、前記走査線に接続されるゲート電極と、前記データ線に接続される第1電極と、前記スイッチングトランジスタに接続される第2電極とを有し、
前記スイッチングトランジスタは、前記ドライビングトランジスタに接続されるゲート電極と、前記電力線に接続される第1電極と、前記1つの有機発光デバイスの1つの電極に接続される第2電極とを有し、
前記回路が、蓄積キャパシタを含まないことを特徴とするディスプレイ。
【請求項12】
少なくとも400dpiの解像度を有するアクティブマトリクス有機発光デバイスを製造する方法であって、
約10−15A/μm以下のリーク電流を有するトランジスタを得る工程と、
前記トランジスタと電気的に接触している有機発光デバイスを製造する工程とを含み、
前記トランジスタが、2つのみのトランジスタとして、1つのドライビングトランジスタ、及び1つのスイッチングトランジスタのみを含み、
前記有機発光デバイスの回路が、蓄積キャパシタを含まず、
前記ドライビングトランジスタは、走査線に接続されるゲート電極と、データ線に接続される第1電極と、前記スイッチングトランジスタに接続される第2電極とを有し、
前記スイッチングトランジスタは、前記ドライビングトランジスタに接続されるゲート電極と、電力線に接続される第1電極と、前記有機発光デバイスの1つの電極に接続される第2電極とを有し、
前記トランジスタが、前記有機発光デバイスを制御することを特徴とする方法。
【請求項13】
少なくとも400dpiの解像度を有するアクティブマトリクス有機発光ディスプレイであって、
複数のピクセルを更に含み、各ピクセルが、独立して、約10−15A/μm以下のリーク電流を有する少なくとも1つのトランジスタを含む制御回路によってアドレス可能であり、
前記回路が、蓄積キャパシタを含まず、
前記各ピクセルが、複数のサブピクセルを含み、前記サブピクセルが、約60μm以下の最大寸法を有し、
前記回路が、2つのみのトランジスタを含み、
少なくとも1つのトランジスタが、アクティブ層としてIGZOを含むことを特徴とするアクティブマトリクス有機発光ディスプレイ。
【請求項14】
少なくとも400dpiの解像度を有するアクティブマトリクス有機発光デバイスを製造する方法であって、
約10−15A/μm以下のリーク電流を有する少なくとも1つのトランジスタを得る工程と、
前記少なくとも1つのトランジスタと電気的に接触している有機発光デバイスを製造する工程とを含み、
蓄積キャパシタを含まないで、前記少なくとも1つのトランジスタが、少なくとも1つの有機発光デバイスを制御し、
前記有機発光デバイスが、複数のサブピクセルを含み、前記サブピクセルが、約60μm以下の最大寸法を有し、
前記回路が、2つのみのトランジスタを含み、
少なくとも1つのトランジスタが、アクティブ層としてIGZOを含むことを特徴とするアクティブマトリクス有機発光デバイスを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許請求されている発明は、大学・企業の共同研究契約の下記の当事者:University of Michigan、Princeton University、University of Southern California、及びUniversal Display Corporationの理事らの1又は複数によって、その利益になるように、且つ/又は関連して為されたものである。該契約は、特許請求されている発明が為された日付以前に発効したものであり、特許請求されている発明は、該契約の範囲内で行われる活動の結果として為されたものである。
【0002】
本発明は、有機発光デバイス、より具体的には、約400dpi以上の解像度を有するディスプレイ及び他のデバイスにおいて用いるのに適し得るデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
有機材料を利用する光電子デバイスは、いくつもの理由から、次第に望ましいものとなりつつある。そのようなデバイスを作製するために使用される材料の多くは比較的安価であるため、有機光電子デバイスは無機デバイスを上回るコスト優位性の可能性を有する。加えて、柔軟性等の有機材料の固有の特性により、該材料は、フレキシブル基板上での製作等の特定用途によく適したものとなり得る。有機光電子デバイスの例は、有機発光デバイス(OLED)、有機光トランジスタ、有機光電池及び有機光検出器を含む。OLEDについて、有機材料は従来の材料を上回る性能の利点を有し得る。例えば、有機放出層が光を放出する波長は、概して、適切なドーパントで容易に調整され得る。
【0004】
OLEDはデバイス全体に電圧が印加されると光を放出する薄い有機膜を利用する。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明及びバックライティング等の用途において使用するためのますます興味深い技術となりつつある。数種のOLED材料及び構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、特許文献1、特許文献2及び特許文献3において記述されている。
【0005】
リン光性放出分子の1つの用途は、フルカラーディスプレイである。そのようなディスプレイの業界標準は、「飽和」色と称される特定の色を放出するように適合された画素を必要とする。特に、これらの標準は、飽和した赤色、緑色及び青色画素を必要とする。色は、当技術分野において周知のCIE座標を使用して測定することができる。
【0006】
緑色放出分子の一例は、下記の構造:
【化1】
を有する、Ir(ppy)
3と表示されるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムである。
【0007】
この図面及び本明細書における後出の図面中で、本発明者らは、窒素から金属(ここではIr)への配位結合を直線として描写する。
【0008】
本明細書において使用される場合、用語「有機」は、有機光電子デバイスを製作するために使用され得るポリマー材料及び小分子有機材料を含む。「小分子」は、ポリマーでない任意の有機材料を指し、且つ「小分子」は実際にはかなり大型であってよい。小分子は、いくつかの状況において繰り返し単位を含み得る。例えば、長鎖アルキル基を置換基として使用することは、「小分子」クラスから分子を除去しない。小分子は、例えばポリマー骨格上のペンダント基として、又は該骨格の一部として、ポリマーに組み込まれてもよい。小分子は、コア部分上に構築された一連の化学的シェルからなるデンドリマーのコア部分として役立つこともできる。デンドリマーのコア部分は、蛍光性又はリン光性小分子エミッターであってよい。デンドリマーは「小分子」であってよく、OLEDの分野において現在使用されているデンドリマーはすべて小分子であると考えられている。
【0009】
本明細書において使用される場合、「頂部」は基板から最遠部を意味するのに対し、「底部」は基板の最近部を意味する。第一層が第二層「の上に配置されている」と記述される場合、第一層のほうが基板から遠くに配置されている。第一層が第二層「と接触している」ことが指定されているのでない限り、第一層と第二層との間に他の層があってもよい。例えば、間に種々の有機層があるとしても、カソードはアノード「の上に配置されている」と記述され得る。
【0010】
本明細書において使用される場合、「溶液プロセス可能な」は、溶液又は懸濁液形態のいずれかの液体媒質に溶解、分散若しくは輸送することができ、且つ/又は該媒質から堆積することができるという意味である。
【0011】
配位子は、該配位子が放出材料の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合、「光活性」と称され得る。配位子は、該配位子が放出材料の光活性特性に寄与していないと考えられる場合には「補助」と称され得るが、補助配位子は、光活性配位子の特性を変化させることができる。
【0012】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の「最高被占分子軌道」(HOMO)又は「最低空分子軌道」(LUMO)エネルギー準位は、第一のエネルギー準位が真空エネルギー準位に近ければ、第二のHOMO又はLUMOエネルギー準位「よりも大きい」又は「よりも高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は、真空準位と比べて負のエネルギーとして測定されるため、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有するIP(あまり負でないIP)に相当する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さい絶対値を有する電子親和力(EA)(あまり負でないEA)に相当する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMO又はLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMO又はLUMOエネルギー準位よりもそのような図の頂部に近いように思われる。
【0013】
本明細書において使用される場合、当業者には概して理解されるであろう通り、第一の仕事関数がより高い絶対値を有するならば、第一の仕事関数は第二の仕事関数「よりも大きい」又は「よりも高い」。仕事関数は概して真空準位と比べて負数として測定されるため、これは「より高い」仕事関数が更に負であることを意味する。頂部に真空準位がある従来のエネルギー準位図において、「より高い」仕事関数は、真空準位から下向きの方向に遠く離れているものとして例証される。故に、HOMO及びLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に準ずる。
【0014】
OLEDについての更なる詳細及び上述した定義は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4において見ることができる。
【発明の概要】
【0015】
少なくとも300dpi、400dpi、又はそれ以上の合計解像度を有する複数のピクセルを形成するように配置された複数の有機発光デバイスを含む発光デバイスを提供する。前記発光デバイスは、前記有機発光デバイスのうちの少なくとも1つを制御するようになっている回路であって、約10
−15A/μm以下のリーク電流を有するトランジスタを含む回路を更に含む。前記回路は、蓄積キャパシタを含んでいなくてもよい。一部の構成では、前記回路は、僅か2つのトランジスタしか含まない。本発明の実施形態で用いられるトランジスタは、金属酸化物アクティブ層を含んでいてもよい。前記発光デバイスのアクティブ領域の外側に配置された外部の補償ドライバによって、ディスプレイを均一にすることができる。本発明の実施形態により、約60μm以下の最大寸法を有するサブピクセルを得ることができる。
【0016】
1つの実施形態では、少なくとも300dpi、400dpi、又はそれ以上の解像度を有するアクティブマトリクス有機発光ディスプレイを提供する。前記ディスプレイは、複数のピクセルを含んでいてよく、前記ピクセルは、各々複数のサブピクセルを含んでいてよい。ピクセル及び/又はサブピクセルは、独立して、約10
−15A/μm以下のリーク電流を有する少なくとも1つのトランジスタを含む制御回路によってアドレス可能であり得る。前記回路は、蓄積キャパシタを含んでいなくてもよい。一部の構成では、一部の構成では、前記回路は、僅か2つのトランジスタしか含まない。本発明の実施形態で用いられるトランジスタは、金属酸化物アクティブ層を含んでいてもよい。前記発光デバイスのアクティブ領域の外側に配置された外部の補償ドライバによって、ディスプレイを均一にすることができる。本発明の実施形態により、約60μm以下の最大寸法を有するサブピクセルを得ることができる。
【0017】
また、アクティブマトリクス有機発光デバイスを製造する方法も提供する。例えば、1つの実施形態では、約10
−15A/μm以下のリーク電流を有するトランジスタを得、前記トランジスタと電気的に接触している有機発光デバイスを製造することによって前記デバイスを製造することができる。前記トランジスタは、前記有機発光デバイスを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【0019】
【
図2】
図2は、別個の電子輸送層を有しない反転型有機発光デバイスを示す。
【0020】
【
図3】
図3は、従来のOLEDと共に使用するのに適した回路を示す。
【0021】
【
図4】
図4は、リーク電流が約10
−15A/μm以下であるトランジスタを有する回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
概して、OLEDは、アノード及びカソードの間に配置され、それらと電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が印加されると、アノードが正孔を注入し、カソードが電子を有機層(複数可)に注入する。注入された正孔及び電子は、逆帯電した電極にそれぞれ移動する。電子及び正孔が同じ分子上に局在する場合、励起エネルギー状態を有する局在電子正孔対である「励起子」が形成される。光は、励起子が緩和した際に、光電子放出機構を介して放出される。いくつかの事例において、励起子はエキシマー又はエキシプレックス上に局在し得る。熱緩和等の非放射機構が発生する場合もあるが、概して望ましくないとみなされている。
【0023】
初期のOLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第4、769、292号において開示されている通り、その一重項状態から光を放出する放出分子(「蛍光」)を使用していた。蛍光発光は、概して、10ナノ秒未満の時間枠で発生する。
【0024】
ごく最近では、三重項状態から光を放出する放出材料(「リン光」)を有するOLEDが実証されている。参照によりその全体が組み込まれる、Baldoら、「Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices」、395巻、151〜154、1998;(「Baldo−I」)及びBaldoら、「Very high−efficiency green organic light emitting devices based on electrophosphorescence」、Appl.Phys.Lett.、75巻、3号、4〜6(1999)(「Baldo−II」)。リン光については、参照により組み込まれる米国特許第7,279,704号5〜6段において更に詳細に記述されている。
【0025】
図1は、有機発光デバイス100を示す。図は必ずしも一定の縮尺ではない。デバイス100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子ブロッキング層130、放出層135、正孔ブロッキング層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、カソード160、及び障壁層170を含み得る。カソード160は、第一の導電層162及び第二の導電層164を有する化合物カソードである。デバイス100は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。これらの種々の層の特性及び機能並びに材料例は、参照により組み込まれるUS7,279,704、6〜10段において更に詳細に記述されている。
【0026】
これらの層のそれぞれについて、更なる例が利用可能である。例えば、フレキシブル及び透明基板−アノードの組合せは、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5,844,363号において開示されている。p−ドープされた正孔輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、50:1のモル比でm−MTDATAをF4−TCNQにドープしたものである。放出材料及びホスト材料の例は、参照によりその全体が組み込まれるThompsonらの米国特許第6,303,238号において開示されている。n−ドープされた電子輸送層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号において開示されている通りの、1:1のモル比でBPhenにLiをドープしたものである。参照によりその全体が組み込まれる米国特許第5,703,436号及び同第5,707,745号は、上を覆う透明の、導電性の、スパッタリング蒸着したITO層を持つMg:Ag等の金属の薄層を有する化合物カソードを含むカソードの例を開示している。ブロッキング層の理論及び使用は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,097,147号及び米国特許出願公開第2003/0230980号において更に詳細に記述されている。注入層の例は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において提供されている。保護層についての記述は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第2004/0174116号において見ることができる。
【0027】
図2は、反転させたOLED200を示す。デバイスは、基板210、カソード215、放出層220、正孔輸送層225、及びアノード230を含む。デバイス200は、記述されている層を順に堆積させることによって製作され得る。最も一般的なOLED構成はアノードの上に配置されたカソードを有し、デバイス200はアノード230の下に配置されたカソード215を有するため、デバイス200は「反転させた」OLEDと称されることがある。デバイス100に関して記述されたものと同様の材料を、デバイス200の対応する層において使用してよい。
図2は、いくつかの層が如何にしてデバイス100の構造から省略され得るかの一例を提供するものである。
【0028】
図1及び2において例証されている単純な層構造は、非限定的な例として提供されるものであり、本発明の実施形態は多種多様な他の構造に関連して使用され得ることが理解される。記述されている特定の材料及び構造は、事実上例示的なものであり、他の材料及び構造を使用してよい。機能的なOLEDは、記述されている種々の層を様々な手法で組み合わせることによって実現され得るか、又は層は、設計、性能及びコスト要因に基づき、全面的に省略され得る。具体的には記述されていない他の層も含まれ得る。具体的に記述されているもの以外の材料を使用してよい。本明細書において提供されている例の多くは、単一材料を含むものとして種々の層を記述しているが、ホスト及びドーパントの混合物等の材料の組合せ、又はより一般的には混合物を使用してよいことが理解される。また、層は種々の副層を有してもよい。本明細書における種々の層に与えられている名称は、厳しく限定することを意図するものではない。例えば、デバイス200において、正孔輸送層225は正孔を輸送し、正孔を放出層220に注入し、正孔輸送層又は正孔注入層として記述され得る。一実施形態において、OLEDは、カソード及びアノードの間に配置された「有機層」を有するものとして記述され得る。有機層は単層を含んでいてよく、又は、例えば
図1及び2に関して記述されている通りの異なる有機材料の多層を更に含んでいてよい。
【0029】
参照によりその全体が組み込まれるFriendらの米国特許第5,247,190号において開示されているもののようなポリマー材料で構成されるOLED(PLED)等、具体的には記述されていない構造及び材料を使用してもよい。更なる例として、単一の有機層を有するOLEDが使用され得る。OLEDは、例えば、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第5,707,745号において記述されている通り、積み重ねられてよい。OLED構造は、
図1及び2において例証されている単純な層構造から逸脱してよい。例えば、基板は、参照によりその全体が組み込まれる、Forrestらの米国特許第6,091,195号において記述されている通りのメサ構造及び/又はBulovicらの米国特許第5,834,893号において記述されている通りのくぼみ構造等、アウトカップリングを改良するための角度のついた反射面を含み得る。
【0030】
別段の規定がない限り、種々の実施形態の層のいずれも、任意の適切な方法によって堆積され得る。有機層について、好ましい方法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,013,982号及び同第6,087,196号において記述されているもの等の熱蒸発、インクジェット、参照によりその全体が組み込まれるForrestらの米国特許第6,337,102号において記述されているもの等の有機気相堆積(OVPD)、並びに参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願第10/233,470号において記述されているもの等の有機気相ジェットプリンティング(OVJP)による堆積を含む。他の適切な堆積法は、スピンコーティング及び他の溶液ベースのプロセスを含む。溶液ベースのプロセスは、好ましくは、窒素又は不活性雰囲気中で行われる。他の層について、好ましい方法は熱蒸発を含む。好ましいパターニング法は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,294,398号及び同第6,468,819号において記述されているもの等のマスク、冷間圧接を経由する堆積、並びにインクジェット及びOVJD等の堆積法のいくつかに関連するパターニングを含む。他の方法を使用してもよい。堆積する材料は、特定の堆積法と適合するように修正され得る。例えば、分枝鎖状又は非分枝鎖状であり、且つ好ましくは少なくとも3個の炭素を含有するアルキル及びアリール基等の置換基は、溶液プロセシングを受ける能力を増強するために、小分子において使用され得る。20個以上の炭素を有する置換基を使用してよく、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造を持つ材料は、対称構造を有するものよりも良好な溶液プロセス性を有し得、これは、非対称材料のほうが再結晶する傾向が低くなり得るからである。溶液プロセシングを受ける小分子の能力を増強するために、デンドリマー置換基が使用され得る。
【0031】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、障壁層を更に含んでいてもよい。障壁層の1つの目的は、電極及び有機層を、水分、蒸気及び/又はガス等を含む環境における有害な種への損傷性暴露から保護することである。障壁層は、基板、電極の上、下若しくは隣に、又はエッジを含むデバイスの任意の他の部分の上に堆積し得る。障壁層は、単層又は多層を含んでよい。障壁層は、種々の公知の化学気相堆積技術によって形成され得、単相を有する組成物及び多相を有する組成物を含み得る。任意の適切な材料又は材料の組合せを障壁層に使用してよい。障壁層は、無機若しくは有機化合物又は両方を組み込み得る。好ましい障壁層は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,968,146号、PCT特許出願第PCT/US2007/023098号及び同第PCT/US2009/042829号において記述されている通りの、ポリマー材料及び非ポリマー材料の混合物を含む。「混合物」とみなされるためには、障壁層を構成する前記のポリマー及び非ポリマー材料は、同じ反応条件下で且つ/又は同時に堆積されるべきである。ポリマー材料対非ポリマー材料の重量比は、95:5から5:95の範囲内となり得る。ポリマー材料及び非ポリマー材料は、同じ前駆体材料から作成され得る。一例において、ポリマー材料及び非ポリマー材料の混合物は、ポリマーケイ素及び無機ケイ素から本質的になる。
【0032】
本発明の実施形態に従って製作されたデバイスは、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、医療モニター、テレビ、掲示板、屋内若しくは屋外照明及び/又は信号送信用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全透明ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダー、ファインダー、マイクロディスプレイ、車、大面積壁、劇場又はスタジアムのスクリーン、或いは看板を含む多種多様な消費者製品に組み込まれ得る。パッシブマトリックス及びアクティブマトリックスを含む種々の制御機構を使用して、本発明に従って製作されたデバイスを制御することができる。デバイスの多くは、摂氏18度から摂氏30度、より好ましくは室温(摂氏20〜25度)等、ヒトに快適な温度範囲内での使用が意図されている。
【0033】
本明細書において記述されている材料及び構造は、OLED以外のデバイスにおける用途を有し得る。例えば、有機太陽電池及び有機光検出器等の他の光電子デバイスが、該材料及び構造を用い得る。より一般的には、有機トランジスタ等の有機デバイスが、該材料及び構造を用い得る。
【0034】
用語ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、複素環式基、アリール、芳香族基及びヘテロアリールは当技術分野において公知であり、参照により本明細書に組み込まれるUS7,279,704、31〜32段において定義されている。
【0035】
一部の場合、アクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイは、薄膜トランジスタ及びパターン化されたサブピクセルを所与の領域内に正確に配置する必要があるので、解像度が限られる場合がある。本発明の実施形態では、300dpi(ドット/インチ)、400dpi、又はそれ以上の解像度を有するAMOLEDディスプレイを提供する。
【0036】
従来のAMOLEDデバイスには、ディスプレイのタイムフレーム中ピクセル内に電荷を保持するために蓄積キャパシタが組み込まれている。各キャパシタは、典型的に、サブピクセルとインタフェースする回路に組み込まれるので、サブピクセルに利用可能なスペースは、前記キャパシタに必要なスペースを考慮しなければならない。従来のAMOLED回路におけるキャパシタの役割は、スイッチングトランジスタからの僅かなリーク電流が、フレームタイム中ドライビングトランジスタによってOLEDに供給される電流を大きく変化させないように、前記ドライビングトランジスタのゲートに電荷を蓄え、それによって、望ましいOLED輝度をもたらすことである。また、前記回路において他のコンポーネントを用いてもよい。例えば、低温ポリシリコン(LTPS)技術を利用する構成において均一性をもたらしたり、アモルファスシリコンが用いられる場合安定性をもたらしたりするために、マルチTFT駆動回路を用いもよい。典型的に、任意のかかるコンポーネントは、サブピクセルと略同じ大きさの領域に組み込まれる。更に、従来のOLEDパターン化アプローチでは、例えば、赤、緑、及び青のサブピクセルのシャドーマスクのアライメントにアライメント許容値が必要であるため、比較的小さなアクティブ領域しか得られない。
図3は、従来のOLED構成で用いるのに適した回路の一例であって、蓄積キャパシタ及びマルチTFT駆動回路を含む回路を示す。
【0037】
300dpi〜400dpi及びそれ以上等の高解像度では、これら制約によって、許容可能なOLED寿命を有するディスプレイを支持するにはピクセルフィルファクタが小さくなりすぎる。即ち、OLEDは、駆動回路によって必要とされるスペースのため、望ましい大きさよりも小さくなる場合がある。したがって、望ましい光出力を提供するためにOLEDをより強く駆動する必要があり、それによって、ピクセルの寿命が短くなる。例えば、400dpiでは、ピクセルのサイズは、約60μm×約60μmになる。一部の構成では、これによって、フルカラーディスプレイではサブピクセルサイズが約60μm×約20μmになる。これでは、従来のOLED製造技術にとって望ましい又は必要とされる全てのコンポーネントに対して十分なスペースを提供できない場合がある。したがって、少なくとも300dpi〜400dpi又はそれ以上の解像度を有するAMOLEDディスプレイを得るためには、比較的小さなスペースしか占めないサブピクセル回路を用いながら正確な駆動電流を供給し得るバックプレーン構成を提供すること、及び/又は比較的高精度でサブピクセルを製造するための技術を提供することが望ましい。
【0038】
1つの実施形態では、サブピクセル回路に必要なスペースの低減は、ディスプレイのフレーム期間中等において、データ電圧を保持するためにスイッチングTFTを用いることによって実現することができる。これによって、従来の蓄積キャパシタを省略することができ、延いては、サブピクセル回路に必要なスペースを低減することができる。構成の一例では、スイッチングTFTが1/60秒間データ電圧を保持する場合、2番目に高いグレースケール電圧に望ましくない影響を及ぼすのを防ぐために、スイッチングTFTは約10
−15A/μm以下のリーク電流を有することが望ましい。それに対して、従来のLTPS TFTは、典型的に、約10
−12A/μm以上のリーク電流が生じる。本発明の実施形態では、約10
−15A/μm以下のリーク電流が生じる酸化物トランジスタ又は他の種類及び構成のトランジスタを用いてよい。具体例として、結晶性の高いIGZO TFTでは、室温で約10
−24A/μmのリーク電流が生じ得る。
【0039】
トランジスタの具体的なリーク電流は、300dpi〜400dpi未満等の比較的低い解像度を有する従来のディスプレイ用の従来のAMOLEDピクセル回路においては問題ではない。LTPS TFT等の従来のトランジスタにより生じるリーク電流及び他の属性は、従来のAMOLEDサブピクセルについて予測される動作パラメータ内である。しかし、これら構成は、典型的に、ディスプレイのフレーム中ドライビングトランジスタにデータ電圧を蓄えるために蓄積キャパシタ又は他の機構を必要とする。データ電圧を蓄えるためのキャパシタを有しない従来のスイッチングトランジスタを使用すると、高解像度AMOLEDディスプレイにおける従来のスイッチングトランジスタのリーク電流が比較的高いことから、ドライビングトランジスタの電流供給が不適当になる場合がある。したがって、本発明の実施形態では、上記の通り比較的低いリーク電流を有することが好ましい場合がある。
【0040】
1つの実施形態では、更にディスプレイを均一にするために補償ドライバを備えていてもよい。かかる補償ドライバは、例えば、外部のドライバチップを用いることによって、サブピクセルのアクティブ領域及び/又はディスプレイ領域の外側に設けてよい。また、これにより、ドライバの利点を得ると同時にサブピクセル領域を比較的小さく保つことができる。
【0041】
本発明の実施形態では、本明細書に開示する他の技術を用いて比較的高精度でサブピクセルのサイズを小さくすることもできる。例えば、サブピクセルは、既に開示したOVJP技術を用いてパターン化してよい。OVJPは、サブピクセルを400ppi以上の精度でパターン化することを可能にする。望ましい精度を実現する他の技術を用いてもよい。例えば、OVPD技術は、僅か20μmのフィーチャーを製造することができ、かかる技術は、参照により全文が本明細書に援用される.J.McGraw,D.L.Peters,S R.Forrest,Applied Physics Letters,98,013302(2011)に記載の通り僅か1.5μmのフィーチャーを成膜するのに適している場合があることが見出されている。別の例として、サブピクセルの上又は下にカラーフィルタが配置されている白色サブピクセルを用いてもよい。カラーフィルタの構成は、僅か1μmのフィーチャーサイズが可能であるフォトリソグラフィー等の技術を用いて製造することができる。また、サブピクセルは、本明細書に開示するフィーチャーサイズを実現するのに適しているインクジェット印刷等の高解像度溶液印刷技術を用いて製造することができる。
【0042】
1つの実施形態では、複数のTFT及びキャパシタ等のピクセル回路全体にOLEDを配置する、及び/又は各サブピクセルにピクセル回路を配置するために共形平坦化層を用いてよい。共形平坦化層は、例えば、参照により全文が本明細書に援用される米国特許第7,012,363号明細書及び米国特許出願公開第2005/0269943号に更に詳細に記載されている。
【0043】
図4は、低リーク電流TFTを備え且つ蓄積キャパシタが省略されている本発明の実施形態に係る回路の一例を示す。フルカラーディスプレイにおけるピクセルのサブピクセル等のOLED420は、ドライビングトランジスタ410及び/又はスイッチングトランジスタ450に電気的に接続することができる。参考のために電力線430及び走査線440も示す。上記の通り、また
図3の回路と比較して、
図4の例の回路は、蓄積キャパシタを含んでいない。トランジスタ410、450は、酸化物トランジスタ等の比較的リーク電流の低いトランジスタであってよい。トランジスタ410、450は、各々約10
−15A/μm以下のリーク電流を有することが好ましい。1つの実施形態では、各トランジスタ410、450のリーク電流は、10
−15A/μm〜10
−24A/μm、10
−15A/μm〜10
−19A/μm、10
−18A/μm〜10
−21A/μm、又は10
−20A/μm〜10
−24A/μmの範囲内になるように選択してよい。一般的に、リーク電流は低い方が好ましいが、一部の構成では、不所望のコスト増大又は収量の低下を避けるために、可能な最低リーク電流よりも高いリーク電流が好ましい場合もある。
【0044】
より一般的には、本発明の実施形態は、少なくとも300dpi、400dpi、又はそれ以上の解像度を有するアクティブマトリクス有機発光ディスプレイを提供することができる。1つの実施形態では、デバイスは、少なくとも300dpi〜400dpiの合計解像度を有するピクセルに配置された複数の有機発光デバイスを含んでいてよい。本明細書で使用するとき、ピクセル一式の「合計解像度」とは、当業者には容易に理解される通り、ピクセルが組み込まれるディスプレイ、スクリーン、又は類似のデバイスの解像度を指す。本明細書に開示する回路は、各OLEDを制御するように製造され且つ各OLEDを制御するようになっており、約10
−15A/μm以下のリーク電流を有し得る
図4に示すトランジスタ450等の少なくとも1つのトランジスタを含み得る。回路は、
図4に示すトランジスタ410、450等、僅か2つのトランジスタしか含んでいなくてよく、各トランジスタは、約10
−15A/μm以下のリーク電流を有してよい。
【0045】
具体例として、トランジスタは、金属酸化物トランジスタ、即ち、金属酸化物を含むアクティブ層を有するトランジスタであってよい。また、回路は、補償ドライバを含んでいてもよく、補償ドライバと電気的に連通していてもよい。各発光サブピクセルに必要なサイズが増大するのを防ぐために、補償ドライバをデバイスのアクティブ領域の外側に設けてもよい。
【0046】
上記の通り、本発明の実施形態は、基板に略平行に測定される最大寸法が約60μm以下であるサブピクセルを提供することができる。例えば、
図1〜2を参照すると、図示する配置におけるサブピクセルは、ページを横切る方向に測定したとき約60μm以下であってよい、及び/又はページに対して垂直な方向に測定したとき約60μm以下であってよい。
【0047】
上記の通り、本発明の実施形態は、様々な層が縦に積み重なるように成膜又は他の方法で製造することによって製造することができる。例えば、1つの実施形態では、AMOLEDは、約10
−15A/μm以下のリーク電流を有するトランジスタを得、前記トランジスタが有機発光デバイスを制御するように前記トランジスタと電気的に接触している有機発光デバイスを製造することによって製造することができる。有機発光デバイスは、OVJP又は類似のパターン化技術を用いて製造することができ、また、有色OLED及び/又はカラーフィルタを備える白色OLEDを含んでよい。
【0048】
本発明の実施形態は、様々なデバイスを含んでいてもよく又は様々なデバイスに組み込まれていてもよい。例えば、本発明の実施形態は、フルカラーディスプレイ、コンシューマデバイスにおけるフレキシブルディスプレイ、携帯電話、パッド型コンピュータ、スマートフォン、ポータブルコンピュータ、モニター、テレビ、及びフレキシブルディスプレイを含むコンシューマデバイスを含み得る。
【0049】
本明細書において記述されている種々の実施形態は、単なる一例としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。例えば、本明細書において記述されている材料及び構造の多くは、本発明の趣旨から逸脱することなく、他の材料及び構造に置き換えることができる。したがって、特許請求されている通りの本発明は、当業者には明らかとなるように、本明細書において記述されている特定の例及び好ましい実施形態からの変形形態を含み得る。なぜ本発明が作用するのかについての種々の理論は限定を意図するものではないことが理解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】米国特許第5,844,363号明細書
【特許文献2】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献3】米国特許第5,707,745号明細書
【特許文献4】米国特許第7,279,704号明細書
【符号の説明】
【0051】
100 有機発光デバイス
110 基板
115 アノード
120 正孔注入層
125 正孔輸送層
130 電子ブロッキング層
135 放出層
140 正孔ブロッキング層
145 電子輸送層
150 電子注入層
155 保護層
160 カソード
170 障壁層
162 第一の導電層
164 第二の導電層
200 反転させたOLED、デバイス
210 基板
215 カソード
220 放出層
225 正孔輸送層
230 アノード