(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568259
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】アンテナおよび端末装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/42 20060101AFI20190819BHJP
H01Q 5/321 20150101ALI20190819BHJP
H01Q 5/10 20150101ALI20190819BHJP
H01Q 5/328 20150101ALI20190819BHJP
【FI】
H01Q9/42
H01Q5/321
H01Q5/10
H01Q5/328
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-85577(P2018-85577)
(22)【出願日】2018年4月26日
(62)【分割の表示】特願2016-541285(P2016-541285)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2018-137811(P2018-137811A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2018年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】517332063
【氏名又は名称】華為終端有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】李 建▲銘▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲漢▼▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲暁▼菊
【審査官】
倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−266311(JP,A)
【文献】
特開2012−182726(JP,A)
【文献】
特開2013−110624(JP,A)
【文献】
特開平10−028013(JP,A)
【文献】
特開2012−244608(JP,A)
【文献】
特開2001−136019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャパシタ構成要素と少なくとも1つの放射器とを備えるアンテナであって、
前記少なくとも1つの放射器の各放射器の一方の終端が接続されて第1のノードを形成
し、前記第1のノードは前記キャパシタ構成要素の一方の終端に接続されて第2のノード
を形成し、前記第2のノードは接地ケーブルを介して接地され、
前記キャパシタ構成要素の他方の終端はフィード信号を受け取り、
前記アンテナは、少なくとも1つの整合回路をさらに備え、前記少なくとも1つの整合
回路の各整合回路の一方の終端は接続されて第3のノードを形成し、前記第3のノードは
前記キャパシタ構成要素の他方の終端に接続され、前記キャパシタ構成要素の他方の終端
は前記少なくとも1つの整合回路の各整合回路を使用することによってフィード信号を受
け取り、
前記整合回路はインダクタまたはキャパシタの少なくとも一つを備え、前記キャパシタ
構成要素および前記接地ケーブルの分散インダクタは低周波共振を生成することが可能で
あり、前記接地ケーブルの長さは前記低周波共振の波長の1/8未満であることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
少なくとも1つの調整可能な回路をさらに備え、前記少なくとも1つの調整可能な回路
の各調整可能な回路の一方の終端は、接続されて第4のノードを形成し、前記第4のノー
ドは前記第2のノードに接続され、前記第2のノードは前記少なくとも1つの調整可能な
回路の各調整可能な回路を使用することによって接地され、
前記調整可能な回路は、容量性または誘導性であることを特徴とする請求項1に記載の
アンテナ。
【請求項3】
前記調整可能な回路は特に、整合回路またはフィルタであることを特徴とする請求項2
に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記調整可能な回路は特に、単極双投スイッチであり、前記単極双投スイッチの可動の
終端は、前記第4のノードを形成する前記調整可能な回路の前記一方の終端として働き、
前記単極双投スイッチの1つの不動の終端は、前記調整可能な回路の接地終端として働き
、前記単極双投スイッチの他の不動の終端は、空いていることを特徴とする請求項2に記
載のアンテナ。
【請求項5】
前記調整可能な回路は、第1の整合回路と、第2の整合回路と、単極双投スイッチとを
特に備え、
前記単極双投スイッチの可動の終端は、前記第4のノードを形成する前記調整可能な回
路の前記一方の終端として働き、
前記単極双投スイッチの2つの不動の終端は、前記第1の整合回路の一方の終端、およ
び前記第2の整合回路の一方の終端にそれぞれ接続され、
前記第1の整合回路の他方の終端は、前記第2の整合回路の他方の終端に接続されて第
5のノードを形成し、前記第5のノードは、前記調整可能な回路の接地終端として働くこ
とを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記調整可能な回路は、入力キャパシタと、低周波数キャパシタと、高周波数キャパシ
タと、単極双投スイッチとを特に備え、
前記入力キャパシタの一方の終端は、前記単極双投スイッチの可動の終端に接続され、
前記入力キャパシタの他方の終端は、前記第4のノードを形成する前記調整可能な回路の
前記一方の終端として働き、
前記低周波数キャパシタの一方の終端、および前記高周波数キャパシタの一方の終端は
、前記単極双投スイッチの2つの不動の終端にそれぞれ接続され、前記低周波数キャパシ
タの他方の終端は、前記高周波数キャパシタの他方の終端に接続されて第6のノードを形
成し、前記第6のノードは、前記調整可能な回路の接地終端として働くことを特徴とする
請求項2に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記キャパシタ構成要素は、櫛形キャパシタおよび可変キャパシタの少なくともいずれ
かを特に備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアンテナを備えることを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、詳細には、アンテナおよび端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信ネットワークにおける端末装置は、アンテナを使用して信号を送信および受信する。技術の開発および応用に伴い、端末装置製品のアンテナ帯域幅は、より広い帯域をカバーする必要がある。さらに、美的な外観を求めるために、アンテナのために確保されるスペースは、ますます小さくなっている。明らかに、従来の受動アンテナでは、適用シナリオの要件をほとんど満たすことができず、受動アンテナと調整可能なデバイスを組み合わせた調整可能なアンテナに、より注目が集まっている。
【0003】
図1に、従来技術におけるIFA(Inverted−F Antenna、逆Fアンテナ)アーキテクチャに基づく調整可能なアンテナが示される。IFAは、古典的な受動アンテナである。単極双投スイッチがIFAの接地点に直列に接続され、さらにインダクタまたは不変キャパシタが、単極双投スイッチを使用して接地を実現するように直列に接続される。IFAがインダクタまたは不変キャパシタを使用して接地されることは、
図1に示される調整可能なアンテナのインピーダンス特性を必然的に変更し、その結果、動作帯域の変更を実現する。アンテナのすべての状態においてカバー可能な帯域幅の合計が、アンテナ帯域幅である。
【0004】
しかし、調整可能なアンテナにおける低周波数の共振周波数は、アンテナの放射器(radiator)のうち中間周波数または低周波数の放射器の長いブランチの長さに依存する。放射器の長さは、アンテナの全体的なサイズに影響する。すなわち、アンテナのサイズがある程度、限定される事例において、アンテナ帯域幅は、比較的狭い可能性があり、適用要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、アンテナ帯域幅が拡張されたアンテナおよび端末装置を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、キャパシタ構成要素と、少なくとも1の放射器とを含むアンテナであって、
その少なくとも1の放射器の各放射器の1の終端が、第1のノードを形成するように接続され、第1のノードは、第2のノードを形成するようにキャパシタ構成要素の1の終端に接続され、第2のノードは、接地され、
キャパシタ構成要素の他方の終端は、フィード信号を受け取るアンテナが提供される。
【0007】
第1の態様を参照して、第1の可能な実施様態において、アンテナは、少なくとも1の整合回路をさらに含み、その少なくとも1の整合回路の各整合回路の1の終端は、第3のノードを形成するように接続され、第3のノードは、キャパシタ構成要素の他方の終端に接続され、キャパシタ回路の他方の終端は、その少なくとも1の整合回路の各整合回路を使用することによってフィード信号を受け取り、
整合回路は、インダクタおよび/またはキャパシタを含む。
【0008】
第1の態様、または第1の態様の第1の可能な実施様態を参照して、第2の可能な実施様態において、アンテナは、少なくとも1の調整可能な回路をさらに含み、その少なくとも1の調整可能な回路の各調整可能な回路の1の終端は、第4のノードを形成するように接続され、第4のノードは、第2のノードに接続され、第2のノードは、その少なくとも1の調整可能な回路の各調整可能な回路を使用することによって接地され、
調整可能な回路は、静電性または誘導性である。
【0009】
第1の態様の第2の可能な実施様態を参照して、第3の可能な実施様態において、調整可能な回路は特に、整合回路またはフィルタである。
【0010】
第1の態様の第2の可能な実施様態を参照して、第4の可能な実施様態において、調整可能な回路は特に、単極双投スイッチであり、単極双投スイッチの可動の終端は、第4のノードを形成する調整可能な回路の1の終端として働き、単極双投スイッチの1の不動の終端は、調整可能な回路の接地終端として働き、単極双投スイッチの他方の不動の終端は、空いている。
【0011】
第1の態様の第2の可能な実施様態を参照して、第5の可能な実施様態において、調整可能な回路は、第1の整合回路と、第2の整合回路と、単極双投スイッチとを特に含み、
単極双投スイッチの可動の終端は、第4のノードを形成する調整可能な回路の1の終端として働き、
単極双投スイッチの2の不動の終端は、第1の整合回路の1の終端、および第2の整合回路の1の終端にそれぞれ接続され、
第1の整合回路の他方の終端は、第5のノードを形成するように第2の整合回路の別の終端に接続され、第5のノードは、調整可能な回路の接地終端として働く。
【0012】
第1の態様の第2の可能な実施様態を参照して、第6の可能な実施様態において、調整可能な回路は、入力キャパシタと、低周波数キャパシタと、高周波数キャパシタと、単極双投スイッチとを特に含み、
入力キャパシタの1の終端は、単極双投スイッチの可動の終端に接続され、入力キャパシタの他方の終端は、第4のノードを形成する調整可能な回路の1の終端として働き、
低周波数キャパシタの1の終端、および高周波数キャパシタの1の終端は、単極双投スイッチの2の不動の終端にそれぞれ接続され、低周波数キャパシタの他方の終端は、第6のノードを形成するように高周波数キャパシタの他方の終端に接続され、第6のノードは、調整可能な回路の接地終端として働く。
【0013】
第1の態様、または第1の態様の第2の可能な実施様態、または第1の態様の第3の可能な実施様態、または第1の態様の第4の可能な実施様態、または第1の態様の第5の可能な実施様態、または第1の態様の第6の可能な実施様態を参照して、第7の可能な実施様態において、キャパシタ構成要素は、櫛形キャパシタおよび/または可変キャパシタを特に含む。
【0014】
第2の態様によれば、前述されるアンテナのうちのいずれか1つを含む端末装置が提供される。
【0015】
第1の態様において提供されるアンテナ、または第2の態様において提供される端末装置によれば、キャパシタ構成要素は、アンテナの信号フィード終端において追加され、そのキャパシタ構成要素と接地ケーブルの分散インダクタは、低周波数共振を生成することが可能である。その低周波数共振の周波数は、放射器の長さを変更する必要なしに、キャパシタ構成要素または分散インダクタを変更することによって調整されることが可能である。したがって、アンテナサイズがある程度、限定される事例において、本発明の実施形態において提供されるソリューションは、アンテナ帯域幅を拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付の図面は、本発明のさらなる理解のために意図され、本明細書の一部分を形成する。それらは、本発明を解釈するのに本発明の実施形態と一緒に使用されるが、本発明に対する限定は全く構成しない。添付の図面において、
【
図2】本発明の実施形態によるアンテナの第1の概略図である。
【
図3】本発明の実施形態によるアンテナの第2の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態によるアンテナにおけるキャパシタ構成要素の概略図である。
【
図5】本発明の実施形態によるアンテナにおける調整可能な回路の概略図である。
【
図6】本発明の実施形態1によるアンテナの概略図である。
【
図7】本発明の実施形態2によるアンテナの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
アンテナ帯域幅を拡張するソリューションを与えるのに、本発明の実施形態は、下記のアンテナおよび端末装置を提供する。以下は、本明細書の添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を説明する。本明細書で説明される例示的な実施形態は、本発明を説明し、明らかにするのに使用されるに過ぎず、本発明を限定することは意図されないことを理解されたい。本出願における実施形態、および実施形態における特徴は、矛盾のない状況下で互いに組み合わされてもよい。
【0018】
図2に示されるとおり、本発明の実施形態はキャパシタ構成要素Cと、少なくとも1の放射器BNとを含むアンテナを提供するものであって、
その少なくとも1の放射器の各放射器BNの1の終端は、第1のノードを形成するように接続され、第1のノードは、第2のノードを形成するようにキャパシタ構成要素Cの1の終端に接続され、第2のノードは、接地され、
キャパシタ構成要素Cの他方の終端は、フィード信号を受け取る。
【0019】
すなわち、各放射器BNの1の終端が接続され、次に、キャパシタ構成要素Cの1の終端に接続された後に形成されるノードが、第2のノードとして働き、第2のノードは、アンテナの接地終端Gとして働き、キャパシタ構成要素Cの他方の終端は、アンテナの信号フィード終端Fとして働く。
【0020】
キャパシタ構成要素Cは、アンテナの信号フィード終端Fにおいて追加される。キャパシタ構成要素Cと接地ケーブルの分散インダクタは、低周波数共振を生成することが可能である。その低周波数共振の周波数は、キャパシタ構成要素Cまたは分散インダクタを変更することによって調整が可能である。
【0021】
好ましくは、
図3に示されるとおり、アンテナは少なくとも1の整合回路Mをさらに含み、その少なくとも1の整合回路の各整合回路Mの1の終端は第3のノードを形成するように接続され、第3のノードはキャパシタ構成要素Cの他方の終端に接続され、該キャパシタ構成要素Cの他方の終端は、その少なくとも1の整合回路の各整合回路Mを使用することによってフィード信号を受け取り、整合回路Mは、インダクタおよび/またはキャパシタを含む。
【0022】
すなわち、2つのタイプのデバイス、すなわちインダクタおよびキャパシタが、整合回路M内に存在することが可能であり、インダクタまたはキャパシタの特定の数量や、それらの接続様態は限定されない。任意の数量のインダクタおよびキャパシタの直列接続、並列接続、またはハイブリッド接続が、本発明のこの実施形態において提供されるアンテナにおける整合回路Mの特定の実施様態として使用可能である。
【0023】
整合回路Mが追加されると、アンテナ帯域幅は、信号フィード終端Fにインダクタまたはキャパシタを直列に接続することによって、拡張が可能である。
【0024】
好ましくは、
図3に示されるとおり、アンテナは、少なくとも1の調整可能な回路Tをさらに含み、その少なくとも1の調整可能な回路の各調整可能な回路Tの1の終端は、第4のノードを形成するように接続され、第4のノードは、第2のノードに接続され、第2のノードは、その少なくとも1の調整可能な回路の各調整可能な回路Tを使用することによって接地され、調整可能な回路Tは、静電性または誘導性である。
【0025】
調整可能な回路Tを使用することによって、低周波数共振の周波数が調整されることが可能であり、アンテナのインピーダンス特性が変更されることが可能であり、アンテナのより多くの調整可能な状態が追加されることが可能である。
【0026】
さらに、キャパシタ構成要素Cは、複数の様態で特に実施されることが可能であり、
図4は、4つの様態を列挙する。
【0027】
キャパシタ構成要素Cの第1の実施様態において、キャパシタ構成要素Cは特に、帯域幅が比較的広いが、不変である櫛形キャパシタである。
【0028】
キャパシタ構成要素Cの第2の実施様態において、キャパシタ構成要素Cは特に、帯域幅が比較的狭く、不変である不変キャパシタC
1である。
【0029】
キャパシタ構成要素Cの第3の実施様態において、キャパシタ構成要素Cは特に、帯域幅が比較的狭いが、可変である可変キャパシタVACである。
【0030】
好ましくは、キャパシタ構成要素Cの第4の実施様態において、キャパシタ構成要素Cは、櫛形キャパシタと、帯域幅が比較的狭いが、可変である可変キャパシタVACとを特に含む。
【0031】
前述の4つの特定の実施様態は、単に例示的であり、本発明を限定することは意図されていない。他の任意のキャパシタタイプのデバイス、またはキャパシタタイプのデバイスの組合せが、本発明のこの実施形態において提供されるアンテナにおけるキャパシタ構成要素Cの特定の実施様態として使用可能である。
【0032】
さらに、調整可能な回路Tは特に、複数の様態において実施されることが可能であり、
図5は、5つの様態を列挙する。
【0033】
調整可能な回路Tの第1の実施様態において、調整可能な回路Tは特に、整合回路Mであり、好ましくは、整合回路Mは、可変キャパシタを含む。整合回路Mが可変キャパシタを含む場合、調整可能な状態は、限定されない。調整可能な状態が多くなるほど、アンテナ帯域幅は広くなる。
【0034】
調整可能な回路Tの第2の実施様態において、調整可能な回路Tは特に、フィルタ(Filter)である。この事例において、調整可能な状態は限定される。
【0035】
調整可能な回路Tの第3の実施様態において、調整可能な回路Tは特に、単極双投スイッチであり、単極双投スイッチの可動の終端は、第4のノードを形成する調整可能な回路の1の終端として働き、単極双投スイッチの1の不動の終端は、調整可能な回路の接地終端として働き、単極双投スイッチの他方の不動の終端は、空いている。この事例において、スイッチング損失が存在し、調整可能な状態は限定される。
【0036】
調整可能な回路Tの第4の実施様態において、調整可能な回路Tは、第1の整合回路M
1と、第2の整合回路M
2と、単極双投スイッチとを特に含み、
単極双投スイッチの可動の終端は、第4のノードを形成する調整可能な回路の1の終端として働き、単極双投スイッチの2の可動の終端は、第1の整合回路の1の終端、および第2の整合回路の1の終端にそれぞれ接続され、第1の整合回路の他方の終端は、第5のノードを形成するように第2の整合回路の別の終端に接続され、第5のノードは、調整可能な回路の接地終端として働く。この事例において、スイッチング損失が存在し、調整可能な状態は、その2つの整合回路の特定の実施に依存する。
【0037】
調整可能な回路Tの第5の実施様態において、調整可能な回路Tは、入力キャパシタC
0と、低周波数キャパシタC
Lと、高周波数キャパシタC
Hと、単極双投スイッチとを特に含み、
入力キャパシタの1の終端は、単極双投スイッチの可動の終端に接続され、入力キャパシタの他方の終端は、第4のノードを形成する調整可能な回路の1の終端として働き、低周波数キャパシタの1の終端、および高周波数キャパシタの1の終端は、単極双投スイッチの2の不動の終端にそれぞれ接続され、低周波数キャパシタの他方の終端は、第6のノードを形成するように高周波数キャパシタの他方の終端に接続され、第6のノードは、調整可能な回路の接地終端として働く。この事例においてスイッチング損失が存在し、調整可能な状態は限定される。
【0038】
前述の5つの特定の実施様態は、単に例示的であり、本発明を限定することは意図されない。任意の他の静電性または誘導性のデバイスまたは回路が、本発明のこの実施形態において提供されるアンテナにおける調整可能な回路Tの特定の実施様態として働くことが可能である。
【0039】
以下は、特定の実施形態を使用することによって添付の図面を参照して、本発明において提供されるアンテナについて詳述する。
【0040】
実施形態1
本発明の実施形態1において提供されるアンテナは、GSM900/1800/1900、およびWCDMA2100に適用可能である。
【0041】
図6は、キャパシタ構成要素と、2つの放射器BN
1およびBN
2と、整合回路Mとを含む、本発明の実施形態1において提供されるアンテナであって、
キャパシタ構成要素は特に、可変キャパシタVACであり、
放射器BN
1の1の終端、放射器BN
2の1の終端、および可変キャパシタVACの1の終端は接続され、その3つの終端が接続された後に形成されるノードが、アンテナの接地終端Gとして働き、
可変キャパシタVACの他方の終端は、整合回路Mの1の終端に接続され、整合回路Mの別の終端は、アンテナの信号フィード終端Fとして働くアンテナを示す。
【0042】
本発明の実施形態1において提供されるアンテナにおいて、可変キャパシタVACと接地ケーブルの分散インダクタは、低周波数共振周波数f
1を生成する。
【0043】
低周波数共振周波数f
1は、分散インダクタを変更すること、すなわち、接地ケーブルの長さを変更することによって調整が可能である。実験は、接地ケーブルの長さが、一般に、導波路波長の1/8未満であることを証明し、導波路波長は、アンテナ適用帯域幅の中心周波数の信号波長である。所与のインダクタンス値範囲において、分散インダクタンスが大きくなるほど、低周波数共振周波数f
1は高くなる。
【0044】
また、低周波数共振周波数f
1は、可変キャパシタVACのキャパシタンス値を変更することによっても微調整可能である。所与のキャパシタンス値範囲において、可変キャパシタVACのキャパシタンス値が大きくなるほど、低周波数共振周波数f
1は低くなる。
【0045】
放射器BN
1を使用することによって、高周波数共振周波数f
2が生成されることが可能であり、放射器BN
2を使用することによって、高周波数共振周波数f
3が生成されることが可能である。
【0046】
低周波数共振周波数f
1が、キャパシタ構成要素のキャパシタンス値、すなわち、可変キャパシタVACを変更することによって調整された場合、高周波数共振周波数f
2およびf
3がわずかに影響される。
【0047】
すなわち、本発明の実施形態1において提供されるアンテナの帯域幅は、共振周波数f
1、f
2およびf
3によって範囲に含まれる帯域である。
【0048】
実施形態2
本発明の実施形態2において提供されるアンテナは、GSM/DCS/PCS/WCDMA/LTEに適用可能である。
【0049】
図7は、キャパシタ構成要素と、3つの放射器BN
1、BN
2、およびBN
3と、整合回路Mと、調整可能な回路とを含む、本発明の実施形態2において提供されるアンテナであって、
キャパシタ構成要素は特に、不変キャパシタC
1であり、調整可能な回路は特に、可変キャパシタVACであり、
5つの終端、すなわち、放射器BN
1の1の終端、放射器BN
2の1の終端、放射器BN
3の1の終端、可変キャパシタVACの1の終端、および不変キャパシタC
1の1の終端が接続され、
不変キャパシタC
1の他方の終端は、整合回路Mの1の終端に接続され、整合回路Mの他方の終端は、アンテナの信号フィード終端Fとして働き、
可変キャパシタVACの他方の終端は、アンテナの接地終端Gとして働くアンテナを示す。
【0050】
本発明の実施形態2において提供されるアンテナにおいて、不変キャパシタC
1と接地ケーブルのインダクタは、低周波数共振周波数f
1を生成する。
【0051】
接地ケーブルのインダクタンス値は、可変キャパシタVACのキャパシタンス値を変更することによって変更が可能であり、さらに低周波数共振周波数f
1が調整可能である。所与のキャパシタンス値範囲において、可変キャパシタVACのキャパシタンス値が大きくなるほど、低周波数共振周波数f
1は高くなる。
【0052】
放射器BN
1を使用して、高周波数共振周波数f
2を生成可能であり、放射器BN
2を使用して、高周波数共振周波数f
3を生成可能であり、放射器BN
3を使用して、高周波数共振周波数f
4を生成可能である。
【0053】
低周波数共振周波数f
1が、調整可能な回路を変更することによって、すなわち可変キャパシタVACのキャパシタンス値を変更することによって調整された場合、高周波数共振周波数f
2、f
3、およびf
4は影響されない。
【0054】
すなわち、本発明の実施形態2において提供されるアンテナの帯域幅は、共振周波数f
1、f
2、f
3、およびf
4によってカバーされる帯域である。
【0055】
アンテナサイズがある程度限定される事例において、本発明のこの実施形態において提供されるソリューションは、帯域幅を拡張でき、より多くの適用シナリオの要件を満たせることを見て取ることができる。
【0056】
実施形態3
本発明の実施形態3は、
図2、
図3、
図6、および
図7のいずれかに示されるアンテナを含む端末装置をさらに提供する。
【0057】
本発明のいくつかの例示的な実施形態が説明されてきたものの、当業者は、当業者が、基本的な発明の概念を学んだ後、これらの実施形態に変更および変形を行うことができることを理解するはずである。したがって、添付の特許請求の範囲は、例示的な実施形態、ならびに本発明の範囲内に入るすべての変更および変形を範囲に含むように解釈されることが意図される。
【0058】
明らかに、当業者は、本発明の実施形態の趣旨および範囲を逸脱することなく、本発明の実施形態に様々な変形および改変を行うことができる。本発明は、これらの変形および改変を、それらが、添付の特許請求の範囲、およびそれらと均等の技術によって規定される保護の範囲内に入るという条件付きで、範囲に含むように意図される。