(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つの前記C1−C12アルキル(メタ)アクリレートは、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、またはそれらの組み合わせである、請求項1〜2のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
前記1つ以上の第2のポリマーのうちの少なくとも1つは、モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重合単位を含むホモポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
前記1つ以上の第2のポリマーのうちの少なくとも1つは、1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、エチレン性不飽和スルホン酸モノマー、ならびに任意選択的に、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択されるさらなるモノマー、の重合単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
前記1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーは、アクリル酸であり、前記エチレン性不飽和スルホン酸モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、さらなるモノマーは、存在する場合、アクリル酸エチルである、請求項7に記載のポリマーブレンド。
前記1つ以上の第2のポリマーは、(a)モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重合単位を含むホモポリマーと、(b)1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、エチレン性不飽和スルホン酸モノマー、ならびに任意選択的に、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択されるさらなるモノマー、の重合単位を含むポリマーとの混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
【背景技術】
【0002】
粒状ポリマーは、大量の水が望ましくない調合物、例えば、衣類用粉末洗剤、食器用粉末洗剤、食器洗浄用タブレット、粉末/タブレット状水軟化剤/、及び活性成分を含有する粉末水和剤において広く使用されている。ポリマーは、例えば、分散剤として、そのような調合物中に含まれ得る。
【0003】
粒状ポリマーは、しばしば、2つ以上のポリマーのブレンドから形成されることが望ましく、そうすることにより、調合者は、構成ポリマーの望ましい特性を十分に生かすことができる。また、ポリマーのブレンドは、組成均一性、高かさ密度、低含水量、及び好ましい粒径を呈する単一顆粒(各個々のポリマーの顆粒の混合物ではない)を形成することが望ましい。
【0004】
しかしながら、特に、溶液/分散液中に混合されたポリマーがともすると非相溶性であり、したがって均質な固体の形成には適さない場合、ポリマーブレンドを均一な顆粒に調合することは困難である。
【0005】
ポリマーのブレンドであり、組成均一性、高かさ密度、低含水量、及び/または好ましい粒径を呈する顆粒を提供するプロセス、ならびにそれによって調製されるブレンドが、当該技術分野において望ましい。
【0006】
発明の記述
我々は、水性形態に混合されたときに、ともすると不安定になり得るアクリル系ポリマーのブレンドが、それにもかかわらず、本明細書に記載されるプロセスに従って乾燥した粒状ブレンドに好ましく混合され得ることを発見した。有利には、本発明のポリマーブレンドは、組成均一性を含むいくつかの好ましい特性を呈する。したがって、このブレンドは、例えば、タブレット、粉末、1回使用量単位、多構成成分1回使用量単位、またはサシェ形態等の洗浄剤の製造を含む様々な用途にすぐに使用することができる。
【0007】
したがって、一態様において、本発明は、
(i)各々独立して、35,000〜100,000g/molの重量平均分子量を有し、また各々独立して、
(a)22〜80重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、及び
(b)20〜78重量%の1つ以上のC1−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマー、の重合単位を含む、1つ以上の第1のポリマーと、
(ii)各々独立して、1,000〜45,000g/molの重量平均分子量を有し、また各々独立して、50〜100重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重量単位を含む、1つ以上の第2のポリマーと、を含む、ポリマーブレンドであって、
構成成分(i)は、(i)及び(ii)の総重量に基づいて1重量%〜50重量%を占め、ポリマーブレンドは粒状形態であり、ポリマーブレンドのうちの1つ以上のポリマーは、少なくとも部分的に中和されている、ポリマーブレンドを提供する。
【0008】
別の態様において、本発明は、
(a)pH5〜9の1つ以上の第1のポリマーの水溶液を提供することと、
(b)pH5〜12の1つ以上の第2のポリマーの水溶液を提供することと、
(c)ステップ(a)の溶液とステップ(b)の溶液とを一緒に混合することと、
(d)混合物の大規模な相分離の前に混合物を乾燥させることと、
を含むプロセスによって作製される前述のポリマーブレンドを提供する。
【0009】
さらなる態様において、ポリマーブレンドを作製するためのプロセスが提供され、該プロセスは、本明細書に記載されるステップを含む。
【0010】
なおもさらなる態様において、ビルダー、界面活性剤、及び本明細書に記載されるポリマーブレンドを含む洗浄剤組成物(洗濯用または食器用の洗浄剤組成物等)が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
別段の指示のない限り、例えば、「2〜10(from 2 to 10)」または「2〜10(between 2 and 10)」のような数値の範囲は、その範囲を定義する数字(例えば、2及び10)を含むものとする。別段の指示のない限り、比、割合、部等は、重量によるものである。本明細書で使用される場合、別段の指示のない限り、「分子量」またはMwという表現は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)及びポリアクリル酸標準を用いて従来通りの様式で測定される重量平均分子量を指す。GPC技術は、Modern Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley−lnterscience,1979,and in A Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81−84に詳述されている。分子量は、本明細書においてダルトンまたはg/molの単位で報告される。本文書の目的のために、1,000以上かつ8,000g/mol未満の重量平均分子量のポリマーを低分子量と見なし、8,000〜45,000g/molの重量平均分子量のポリマーを中間的な分子量と見なす。「エチレン性不飽和」という用語は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、そのため重合可能である分子または部分を説明するために使用される。「エチレン性不飽和」という用語は、モノエチレン性不飽和(1つの炭素−炭素二重結合を有する)及び多エチレン性不飽和(2つ以上の炭素−炭素二重結合を有する)を含む。本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリル」という用語は、アクリルまたはメタクリルを指す。「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレートまたはメタクリレートを指す。組成物中の重量パーセント(または重量%)は、乾燥重量の割合であり、すなわち、組成物中に存在し得るいかなる水分も含まない。ポリマー中のモノマー単位の割合は、固体重量の割合であり、すなわち、ポリマーエマルジョン中に存在するいかなる水分も含まない。別段の指示のない限り、ポリマー中のモノマーの重合単位の割合は、ポリマーの総重量に基づく重量によるものである。「溶液」という用語は、ポリマー(複数可)が完全にまたは部分的に溶媒中に溶解され、かつ分散系を含む混合物だけではなく、裸眼で観察した場合に濁っている混合物も包含する。
【0013】
本明細書において使用される場合、「アルキル」は、示される数の炭素原子を有する、直鎖及び分岐鎖の脂肪族基を包含する。数が示されていない場合は、1−6アルキル炭素が企図される。好ましいアルキル基は、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、及びヘキシルを含む。
【0014】
上に示したように、一態様において、本発明は、
(i)各々独立して、35,000〜100,000g/molの重量平均分子量を有し、また各々独立して、
(a)22〜80重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、及び
(b)20〜78重量%の1つ以上のC1−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマー、の重合単位を含む、1つ以上の第1のポリマーと、
(ii)各々独立して、1,000〜45,000g/molの重量平均分子量を有し、また各々独立して、50〜100重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重量単位を含む、1つ以上の第2のポリマーと、を含む、ポリマーブレンドであって、
構成成分(i)は、(i)及び(ii)の総重量に基づいて1重量%〜50重量%を占め、ポリマーブレンドは粒状形態であり、ポリマーブレンドのうちの1つ以上のポリマーは、少なくとも部分的に中和されている、ポリマーブレンドを提供する。
【0015】
ポリマーブレンドの第1のポリマーは、単一ポリマーとして、または各々独立して定義された構造を有するポリマーの混合物として存在し得る。以下の記載が「第1のポリマー」に言及する場合、そのような記載は、一緒になって「1つ以上の第1のポリマー」を構成するポリマーの各々(1つより多く存在する場合)に独立して適用されることを理解されたい。
【0016】
第1のポリマーは、各々、第1のポリマーの総重量に基づいて、22〜80重量%のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、及び20〜78重量%のCl−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を含む。一実施形態において、第1のポリマーは、アクリルモノマーであり、例えば、第1のポリマーの総重量に基づいて、モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸単位の少なくとも22重量%の重合単位を有するものである。第1のポリマーは、各々、第1のポリマーの総重量に基づいて、10〜80重量%、代替として15〜75重量%、代替として20〜70重量%のメタクリル酸単位、0〜30重量%、代替として5〜25重量%、代替として10〜20重量%のアクリル酸単位、及び20〜70重量%、代替として25〜65重量%、代替として30〜60重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位を含んでもよい。
【0017】
一実施形態において、第1のポリマーは、各々、第1のポリマーの総重量に基づいて、10〜34重量%、代替として12〜32重量%、代替として14〜30重量%のメタクリル酸単位、10〜20重量%、代替として12〜18重量%、代替として14〜16重量%のアクリル酸単位、及び46〜70重量%、代替として44〜68重量%、代替として42〜66重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位を含んでもよい。
【0018】
別の実施形態において、第1のポリマーは、各々、第1のポリマーの総重量に基づいて、55〜80重量%、代替として58〜74重量%、代替として61〜71重量%のメタクリル酸単位、及び25〜50重量%、代替として28〜45重量%、代替として31〜40重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位を含んでもよい。C1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位のうち、第1のポリマーは、各々、第1のポリマーの総重量に基づいて、10〜35重量%、代替として12〜30重量%、代替として14〜25重量%のアクリル酸エチル単位、及び10〜35重量%、代替として12〜30重量%、代替として14〜25重量%のアクリル酸ブチル単位を含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1のポリマーは、第1のポリマーの総重量に基づいて、少なくとも25重量%、代替として少なくとも30重量%、代替として少なくとも35重量%の重合単位のC1−C12アルキル(メタ)アクリレートを含んでもよい。一実施形態において、第1のポリマーは、第1のポリマーの総重量に基づいて、80重量%以下の重合単位のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート、代替として30〜75重量%、代替として30〜70重量%を含む。一実施形態において、C1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位は、C2−C4アルキル(メタ)アクリレート単位、代替としてアクリル酸エチル(EA)及び/またはアクリル酸ブチル(BA)単位である。一実施形態において、第1のポリマーは、C1−C12アルキル(メタ)アクリレートではない、15重量%以下の重合単位の(メタ)アクリレートエステル、代替として、10重量%以下、代替として7重量%以下、または4重量%以下の重合単位の(メタ)アクリレートエステルを含有する。C1−C12アルキル(メタ)アクリレートのうち、アクリル酸メチル(MA)、EA、及びBA単位は、0〜100重量%、代替として10〜90重量%、代替として20〜80重量%、または30〜70重量%、または40〜60重量%の量で、各々独立して存在し得る。一実施形態において、第1のポリマーは、第1のポリマーの総重量に基づいて、45〜70重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位、代替として50〜65重量%、代替として55〜60重量%を含む。第1のポリマーのモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸単位は、メタクリル酸単位、アクリル酸単位、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0020】
別の実施形態において、第1のポリマーは、第1のポリマーの総重量に基づいて、25〜45重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート単位、代替として30〜40重量%、代替として32〜38重量%を含んでもよい。第1のポリマーの総重量に基づいて、アクリル酸エチル単位が、12〜25重量%、代替として15〜20重量%の量で存在し、アクリル酸ブチル単位が、12〜25重量%、代替として15〜20重量%の量で存在する実施形態が、具体的に言及される。
【0021】
これらの実施形態において、第1のポリマーは、35,000〜100,000g/mol、代替として40,000〜90,000g/mol、代替として40,000〜70,000g/molの範囲内の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、第1のポリマーは、カルボン酸無水物のエステル、イミド、アミド、スチレン、スルホン酸、またはそれらの組み合わせ等の1つ以上のエチレン性不飽和モノマーをさらに含む。いくつかの実施形態において、このモノマーは、ポリマーの1〜30重量%で存在する。スルホン酸モノマーは、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、及び4−スルホブチル(メタ)アクリル酸、ならびにそれらの塩を含む。エチレン性不飽和モノマーのさらなる例は、限定されないが、無水マレイン酸、酢酸ビニル、アクリルオキシプロピオン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸イソブチル;アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸ヒドロキシプロピル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルアルコール、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ジメチルアミノアクリル酸エチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ホスホエチル、メタクリル酸ホスホノエチル(PEM)、及びメタクリル酸スルホノエチル(SEM)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、ジアルキル酸エチレングリコール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、フタル酸ジアリル、酢酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸アリル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩またはそれらの組み合わせを含む。
【0023】
第1のポリマーは、フリーラジカル重合、例えば、C2−C24アルカンチオールの存在下におけるフリーラジカル乳化重合によって作製されてもよい。好ましい実施形態において、第1のポリマーは、フリーラジカル乳化重合技術によって調製され、エチレン性不飽和モノマー、水、及び界面活性剤の撹拌混合物を、過硫酸アルカリ、アゾ化合物、または有機過酸、または過エステル等の前駆物質の分解によって発生するフリーラジカルの作用により反応させる。これらの前駆物質の活性化は、反応温度の上昇のみ(熱活性化)によるものであっても、または硫酸鉄(II)とアスコルビン酸との組み合わせ等の酸化還元活性物質の混合(酸化還元活性化)によるものであってもよい。これらの場合、ポリマー分子量を調節するために連鎖移動剤が典型的に使用される。乳化重合に用いられる好ましい連鎖移動剤の1つのクラスは、メルカプタン(アルカンチオール)である。n−ドデシルメルカプタン(n−ドデカンエチオール)等の直鎖状アルカンチオールが具体的に言及される。微量の連鎖移動剤、例えば、n−ドデシルメルカプタン等が、例えば、ポリマーの総重量に基づいて最大2重量%までポリマーに組み込まれてもよい。
【0024】
第1のポリマーが含まれるモノマーのうちの1つ以上は、遊離酸形態であり得るか、またはそれらは中和(塩)形態で存在し得る。
【0025】
ポリマーブレンドの第2のポリマーは、単一ポリマーとして、または各々独立して定義された構造を有するポリマーの混合物として存在し得る。以下の記載が「第2のポリマー」に言及する場合、そのような記載は、一緒になって「1つ以上の第2のポリマー」を構成するポリマーの各々(1つより多く存在する場合)に独立して適用されることを理解されたい。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、少なくとも50重量%、代替として50〜100重量%、代替として60〜95重量%のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸単位、例えば、(メタ)アクリル酸単位を含有するホモポリマーまたはコポリマーである。これらのポリマーの重量平均分子量は、1,000〜45,000g/mol、好ましくは1,000〜40,000g/mol、最も好ましくは2,000〜35,000g/molである。モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸と併せて使用され得るモノマー単位は、エチレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸及びイタコン酸等)、スルホン酸モノマーまたはそれらの塩(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩等)、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、及びポリエチレングリコールモノアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステルを含有するモノマーを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、好ましくはアクリル酸の重合単位を含むホモポリマーである。
【0028】
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、好ましくはアクリル酸;エチレン性不飽和スルホン酸モノマー、好ましくは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩;ならびに任意選択的に、好ましくは、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択され、より好ましくはアクリル酸エチルであるさらなるモノマー、の重合単位を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、50〜95重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、好ましくはアクリル酸;5〜50重量%のエチレン性不飽和スルホン酸モノマー、好ましくは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩;ならびに、好ましくは、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択され、より好ましくはアクリル酸エチルである0〜22重量%のさらなるモノマー、の重合単位を含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、上記第2のポリマーのポリマー混合物である。いくつかの実施形態において、第2のポリマーは、(a)モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重合単位を含むホモポリマーと、(b)1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、エチレン性不飽和スルホン酸モノマーまたはその塩、ならびに任意選択的に、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択されるさらなるモノマー、の重合単位を含むポリマーとの混合物である。
【0031】
第2のポリマーは、フリーラジカル重合によって調製されてもよい。これらのポリマーを調製するための好ましい方法は、溶媒中の均一な重合によるものである。溶媒は、水またはアルコール性溶媒、例えば、2−プロパノールまたは1,2−プロパンジオールであってもよい。フリーラジカル重合は、過硫酸アルカリまたは有機過酸及び過エステル等の前駆体化合物の分解によって開始される。これらの前駆物質の活性化は、反応温度の上昇のみ(熱活性化)によるものであっても、または硫酸鉄(II)とアスコルビン酸との組み合わせ等の酸化還元活性物質の混合(酸化還元活性化)によるものであってもよい。これらの場合、ポリマー分子量を調節するために連鎖移動剤が典型的に使用される。溶液重合に用いられる好ましい連鎖移動剤の1つのクラスは、アルカリまたは亜硫酸水素アンモニウムである。具体的に言及されるのは、二亜硫酸ナトリウムである。
【0032】
第2のポリマーは、スルホネートまたはホスホネート等の種々の基を末端に導入されてもよい。
【0033】
第2のポリマーが含まれるモノマーのうちの1つ以上は、遊離酸形態であり得るか、またはそれらは中和(塩)形態で存在し得る。
【0034】
本発明のポリマーブレンドにおいて、第1のポリマーは、第1のポリマーと第2のポリマーとの総重量に基づいて、少なくとも1重量%、代替として少なくとも2重量%、または代替として少なくとも3重量%、かつ最大50重量%、代替として最大30重量%、代替として最大10重量%、または代替として最大5重量%を占めてもよい。第2のポリマーは、第1のポリマーと第2のポリマーとの総重量に基づいて、少なくとも50重量%、代替として少なくとも70重量%、代替として少なくとも90重量%、または代替として少なくとも95重量%、かつ最大99重量%、代替として最大98重量%、または代替として最大97重量%を占めてもよい。
【0035】
ポリマーブレンドの第1または第2のポリマーのうちの1つ以上は、少なくとも部分的に中和された(塩)形態であり得る。各中和ポリマーに好適な対イオンの例は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムを独立して含む。
【0036】
上に示したように、本発明はまた、ポリマーブレンドを作製するためのプロセスも提供する。本プロセスは、(a)pH5〜9の1つ以上の第1のポリマーの水溶液を提供することと、(b)pH5〜12の1つ以上の第2のポリマーの水溶液を提供することと、(c)ステップ(a)の溶液とステップ(b)の溶液とを一緒に混合することと、(d)混合物の大規模な相分離の前に混合物を乾燥させることとを含む。
【0037】
本発明のプロセスのステップ(a)は、ある特定のpHの1つ以上の第1のポリマーの水溶液を提供することを含む。第1のポリマーは、通常、酸性基を含有するため、ある特定のpHを提供するステップは、典型的には、第1のポリマー(または第1のポリマーの混合物)を少なくとも部分的に中和させて所望のpHにすることを含む。pHは、少なくともpH5、代替として少なくともpH6、または代替として少なくとも6.5、かつ最大pH9、代替として最大pH8、または代替として最大7.5であり得る。好ましくは、pHは7である。
【0038】
溶液中の第1のポリマーの濃度は、重要ではなく、例えば、10〜60重量パーセント、代替として20〜40重量パーセントの範囲であってもよい。
【0039】
プロセスのステップ(b)は、1つ以上の第2のポリマーの水溶液を提供することを含む。第2のポリマーもまた酸性基を含有するため、このステップは、典型的には、第2のポリマー(または第2のポリマーの混合物)の水溶液を少なくとも部分的に中和させて規定のpHにすることを含む。したがって、このステップにおいて、第2のポリマーの溶液は、少なくともpH5、代替として少なくともpH6、または代替として少なくともpH6.5、かつ最大pH12、代替として最大pH10、代替として最大pH8、または代替として最大pH7.5で調製される。いくつかの実施形態において、pHは7であり得る。いくつかの実施形態において、第2のポリマーの溶液のpHを第1のポリマーの溶液のpHと一致させることが好ましい場合がある。例えば、両方の溶液を6.5〜7.5、代替としてpH7のpH範囲で提供することが好ましい場合がある。そのようなpHの一致は、混合時の凝結を防止することができ、ポリマーの全体的な相溶性を高め得る。
【0040】
溶液中の第2のポリマーの濃度は、重要ではなく、例えば、10〜60重量パーセント、代替として20〜50重量パーセント、または30〜50重量パーセントの範囲であってもよい。
【0041】
ステップ(a)及び(b)におけるpHは、後続ステップで使用されるポリマーの水溶液について直接測定されてもよい:すなわち、pHを測定する目的のために溶液を希釈する必要はない。典型的には、pHは、室温(例えば、18〜25℃)で測定される。中和は、好ましくは60℃未満に温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(例えば、5〜50重量%の水酸化ナトリウム水溶液)または他の塩基を第1または第2のポリマー溶液に徐々に加えることによって達成され得る。ポリマー溶液は、中和すると非常に粘稠になり得るため、粘性を制御するために必要に応じて、ポリマー濃度を低下させるために追加の水が加えられてもよい。
【0042】
ステップ(a)及び(b)の各々は、任意の順序で実行されてもよいか(例えば、最初にステップ(a)、次いでステップ(b)、または最初にステップ(b)、次いでステップ(a))、またはそれらは同時に実行されてもよい。
【0043】
ステップ(c)において、ステップ(a)の少なくとも部分的に中和された第1のポリマーの溶液と、ステップ(b)の少なくとも部分的に中和された第2のポリマーの溶液とが一緒に混合される。これは、例えば、一方の溶液を他方の溶液に加えることによって、2つの溶液を別の容器に加えることによって、及び/またはステップ(a)及びステップ(b)の溶液を後続ステップ(複数可)で使用される機器に同時供給することによって、達成することができる。混合は、混合物の液体構成成分の全体的な均一性を概して維持する任意の技術によって達成することができ、例えば、オーバーヘッドミキサー、磁気撹拌棒、流通式静電混合ユニット、または流通式回転固定子ミキサーを使用した混合を含む。
【0044】
ステップ(c)の混合は、通常、物理的に不安定であり、短期間で(例えば、1〜2時間以内に、または時には数分程度で)相分離する傾向がある。したがって、混合物を乾燥させることを含む本発明のステップ(d)は、混合物の大規模な相分離の前に実行される。本明細書で使用される場合の「大規模な相分離」は、約1パーセント以上の溶液中の体積濃度で0.5mm以上のサイズの観察可能な粒子の形成をもたらす相分離を意味する。任意選択的に、ステップ(c)の混合物の大規模な相分離を遅らせるために、連続的な混合を用いることを含む、種々の手法が使用され得る。
【0045】
ステップ(d)の乾燥のために用いられ得る技術は、限定されないが、噴霧乾燥または流動層造粒を含む。好ましい実施形態において、ステップ(d)は、混合物の噴霧乾燥を含む。典型的な噴霧乾燥プロセスにおいて、ステップ(a)及び(b)の溶液は、貯留タンクに同時供給され得、噴霧を可能にするために、例えば、約25〜35重量%の濃度まで希釈され得る。ポリマーブレンドは、相分離を防止するために、例えば、50〜60℃に加熱され、撹拌され得る。希釈されたポリマーブレンドは、操作者によって容易に決定される入口温度及び供給速度に設定された噴霧ノズルを備える流動層乾燥機に供給され得る。例えば、400〜450g/分の溶液の供給速度で130〜170℃の温度が好適であり得る。
【0046】
上で述べたように、さらなる態様において、本発明のポリマーブレンド顆粒は、洗濯用洗浄剤組成物または食器用洗浄剤組成物等の洗浄剤組成物に利用されてもよい。そのような組成物の中で、ポリマーブレンドは、効果的な分散剤及び/または汚れ落とし剤として機能し得る。本発明の洗浄剤組成物は、好ましくは、ビルダー、界面活性剤、及びポリマーブレンドを含む。洗浄剤組成物中に存在するポリマーブレンドの量(第1のポリマー(複数可)と第2のポリマー(複数可)との合計量)は、典型的には、組成物の総重量に基づいて0.5〜15重量%、代替として1〜10重量%の範囲であり得るが、他の量が用いられてもよく、また調合者によって容易に決定され得る。
【0047】
洗浄剤組成物の界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、または非イオン性であってもよい。洗濯用洗浄剤の場合、陰イオン性界面活性剤、例えば、スルホン酸塩系界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸エーテルナトリウム)が好ましい。食器用洗浄剤のための好ましい界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であり、より好ましくは、低泡性の非イオン性界面活性剤である。例示的な非イオン性界面活性剤は、限定されないが、アルコキシレート界面活性剤、特に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/またはブチレンオキシドに基づくものを含む。その例は、式RO−(M)x−(N)n−OHまたはR−O−(M)x−(N)y−O−R’を有する化合物を含み、式中、M及びNは、アルキレンオキシド(そのうちの1つはエチレンオキシドである)に由来する単位であり、x及びyは、0〜20の整数であるが、但し、それらのうちの少なくとも1つはゼロではないものとし、Rは、C6−C22直鎖または分岐鎖アルキル基を表し、R’は、アルコール前駆体と、C6−C22直鎖もしくは分岐鎖ハロゲン化アルキル、エポキシアルカン、またはグリシジルエーテルとの反応から生じる基を表す。他の好適な非イオン性界面活性剤は、限定されないが、ポリエーテルポリオールを含む。界面活性剤は、食器洗浄用組成物の総重量に基づいて、0.1〜15重量%、代替として0.5〜10重量%、代替として1〜6重量%の量で存在し得るが、他の量が用いられてもよく、また調合者によって容易に決定され得る。
【0048】
ビルダーは、炭酸ナトリウム等の無機ビルダー、または生分解性ビルダーであってもよく、クエン酸ナトリウム及び/またはクエン酸等のキレート剤を含む。アミノカルボキシレート、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、及びそれらのナトリウム塩、ならびに2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸ジナトリウム塩(HEIDA)が、ビルダー中に生分解性キレート剤を提供するために含まれてもよい。ビルダーは、組成物の総重量に基づいて、5〜99重量%、代替として10〜96重量%、代替として15〜92重量%の量で洗浄剤組成物中に存在し得るが、他の量が用いられてもよく、また調合者によって容易に決定され得る。
【0049】
好適な水溶性ビルダー化合物は、水溶性のモノマー性カルボキシレート、またはそれらの酸形態を含む。ビルダーはまた、脂肪酸及び/または任意選択的にその塩、具体的にはナトリウム塩も含み得る。他のビルダー/キレート化合物は、ニトリロ三酢酸、N.N’エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン−N,N−二酢酸、メチルグリシン−N,N−二酢酸、2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸−N,N−二酢酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジスクシネート、Ν,Ν’−エチレンジアミンジスクシネート、アスパラギン酸−二酢酸、Ν,Ν’−エチレンジアミン二コハク酸、イミノ二コハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸−N,N−二酢酸、β−アラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、それらの塩、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、ビルダーは、クエン酸ナトリウム、クエン酸、もしくは炭酸ナトリウム、ポリ(イタコン酸)、ポリ(アスパラギン酸)、またはそれらに組み合わせである。
【0050】
洗浄剤組成物は、他の任意選択的な構成成分、例えば、アルカリ源、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、及び任意選択的に漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))及び/または漂白触媒(例えば、酢酸マンガン(II)、または塩化コバルト(II));酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼ);抑泡剤;着色剤;芳香剤;抗菌剤、及び/または充填剤のうちの1つ以上を含有してもよい。タブレットまたは粉末の充填剤は、不活性な水溶性物質であり、典型的には、ナトリウム塩またはカリウム塩、例えば、硫酸ナトリウムもしくは硫酸カリウム及び/または塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムであり、典型的には、0重量%〜75重量%の範囲の量で存在する。芳香剤、染料、抑泡剤、酵素、及び抗菌剤は、通常、合計で組成物の10重量%以下、代替として5重量%以下である。
【0051】
好ましい実施形態において、洗浄剤組成物は、リン酸塩を含まない。「リン酸塩を含まない」とは、洗浄剤組成物がリン酸塩含有化合物を実質的に含まないため、洗浄剤組成物をより環境的に受容できるものにすることを意味する。リン酸塩を含まないとは、リン酸塩及び/またはオリゴリン酸塩含有化合物が添加されていない組成物、混合物、または成分を指す。リン酸塩を含まない組成物、混合物、または成分の汚染を介してリン酸塩含有化合物が存在する場合、組成物は本発明のこの実施形態によって包含され、得られた清浄組成物中のリン酸塩含有化合物のレベルは、実質的にリン酸塩を含まない、すなわち、洗浄剤組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、または約0.05重量%未満、または約0.01重量%であることを意味する。種々の実施形態において、洗浄剤組成物は、リン酸塩含有化合物を含まない、すなわち、リン酸塩化合物の量は検出不能である。
【0052】
洗浄剤組成物は、好ましくは、(水中1重量%で)少なくとも9、代替として少なくとも10.5、かつ12.5以下、代替として11.5以下のpHを有する。
【0053】
洗浄剤組成物は、洗濯機または食器洗浄機等の自動洗浄機において使用され得る。実際には、組成物は、タブレット、粉末、1回使用量単位、多構成成分1回使用量単位、サシェ、ペースト、液体、またはゲル等の任意の好適な形態に調合され得る。洗浄剤組成物の構成成分は、異なる区画内に位置してもよく、例えば、洗浄サイクルの間に選択された時点で、例えば、生分解性充填剤が存在する場合は、その放出とは異なる時点で放出するように、水溶性ポリマーを含むパウチ内に密封されてもよい。本組成物は、各チャンバの内容量が同じかまたは異なる複数チャンバパウチ内に密封されてもよい。例えば、芳香剤は、選択されたサイクルの間に放出を提供するように、カプセル内に配置されてもよい。適切な生成物の形態及び添加時間の選択によって、洗浄剤組成物は、予備洗浄、主洗浄、最後から2番目のすすぎ、最終すすぎ、またはこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在し得る。食器洗浄機内の全液体の割合としての洗浄剤組成物の濃度は、例えば、0.1〜1重量%、代替として0.2〜0.7重量%であり得るが、他の量が用いられてもよく、また調合者によって容易に決定され得る。
【0054】
洗浄剤組成物は、種々の方法によって形成され得る。洗浄剤組成物は、全ての構成成分を接触させること、例えば、一緒に混合することによって、形成されてもよい。洗浄剤組成物は、いずれか特定の製造方法に限定されない。
【0055】
洗浄剤組成物は、洗浄される表面を組成物と接触させることによって使用され得る。
【0056】
次に、本発明のいくつかの実施例を以下に詳細に記載する。
【実施例】
【0057】
概要
ポリマー。以下の実施例において使用されるポリマーは、次の通りである。
本発明の第1のポリマーを代表するポリマー1Aは、65重量%のメタクリル酸(MAA)、17.5重量%のアクリル酸エチル(EA)、及び17.5重量%のアクリル酸ブチル(BA)に基づくコポリマーである。このコポリマーの重量平均MWは、約50,000である。
【0058】
本発明の代替の第1のポリマーを代表するポリマー1Bは、27重量%のメタクリル酸(MAA)、15%のアクリル酸(AA)、及び58重量%のアクリル酸エチル(EA)に基づくコポリマーである。このコポリマーの重量平均MWは、約50,000である。
【0059】
以下のポリマーは、本発明の第2のポリマーを代表し、累積的にポリマー2と称される。
【0060】
ポリマー2Aは、アクリル酸(AA)と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)とのコポリマーである。このコポリマーは、スルホネート末端基及び中間的なMWを有する。
【0061】
ポリマー2Bは、AA、AMPS、及びEAのコポリマーである。このコポリマーは、スルホネート末端基及び中間的なMWを有する。
【0062】
ポリマー2Cは、スルホネート末端基及び低いMWを有するアクリル酸のホモポリマーである。
【0063】
ポリマー2Dは、ホスホネート末端基及び中間的な重量平均MWを有するアクリル酸のホモポリマーである。
【0064】
ポリマー分子量。分子量は、以下の典型的なパラメータとともに既知の方法を用いてゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
【0065】
【表1】
【0066】
造粒。以下の実施例における造粒のための典型的なプロトコルは、次の通りである。
ステップ1.ポリマー1の水溶液(約25〜30重量%の固形分)を水性NaOH(例えば、5〜50重量%の溶液)を用いた連続混合により中和し、pH値を7に調整する。
ステップ2.ポリマー(複数可)2の水溶液(約38〜42重量%の固形分)を水性NaOH(例えば、5〜50重量%の溶液)を用いた連続混合により中和し、pH値を7に調整する。
ステップ3.ポリマー2(またはポリマー2のの混合物)の中和溶液を188g(固体28.90g)のポリマー1で乳化し(例えば、溶液中のポリマー濃度及び最終粒状ブレンドにおける望ましい比に基づいて、約10:1の溶液比で、または必要に応じて他の比で)、55〜56℃まで加熱する。エマルジョンを水で約30重量%の固形分になるまで希釈して噴霧性を促進する。最終エマルジョンのpH値は約7である。全噴霧造粒プロセスの間、相分離を遅らせるために混合及び加熱の組み合わせによってエマルジョンを分散させる。
ステップ4.ステップ3からの溶液を、Glatt社製の実験室規模の流動層造粒装置GPGC3.1モデルを使用して噴霧乾燥させる。典型的な噴霧乾燥プロセスパラメータは、次の通りである。
入口温度:130℃
入口空気流:50〜65m
3/時間
出口温度:60〜65℃
生成物温度:70〜75℃
ズル/圧力/位置:2.0mm/1.7〜1.5バール/DP3−4(上)
供給温度:55℃
固形分エマルジョン:30%
前述のように調製された以下の実施例1〜4の顆粒は、約3〜約6重量%のポリマー1、及び約94〜約97重量%のポリマー(複数可)2(例えば、ポリマー2A及びポリマー2B等)を含有する。
【0067】
実施例1(本発明例)
ポリマー1Aとポリマー2A及び2Cとの粒状ブレンドを、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製した。得られた顆粒は、自由流動性で白色であり、4〜6%の低い残留含水量とともに360g/lのかさ密度を呈する。粒径分布は次の通りである。
<200μm:1.3%
200〜1180μm:98.7%
>1180μm:0.0%
【0068】
図1に示されるブレンドの光学顕微鏡画像から、材料が粒状であり、粉塵または大きな凝集体のないことが分かる。
【0069】
実施例2(本発明例)
ポリマー1Aとポリマー2B及び2Cとの粒状ブレンドを、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製した。得られた顆粒は、上記実施例1と類似する。
図2に示されるブレンドの光学顕微鏡画像から、材料が粒状であり、粉塵または大きな凝集体のないことが分かる。
【0070】
実施例3(本発明例)
ポリマー1Aとポリマー2A及び2Dとの粒状ブレンドを、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製した。得られた顆粒は、実施例1と類似する。
図3に示されるブレンドの光学顕微鏡画像から、材料が粒状であり、粉塵または大きな凝集体のないことが分かる。
【0071】
実施例4(本発明例)
ポリマー1Aとポリマー2B及び2Dとの粒状ブレンドを、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製した。得られた顆粒は、上記実施例1と類似する。
図4に示されるブレンドの光学顕微鏡画像から、材料が粒状であり、粉塵または大きな凝集体のないことが分かる。
【0072】
実施例5(比較例)
ポリマー1Bとポリマー2Aとの液体ブレンドを、中和ステップを用いずに調製した。ポリマー2Aの撹拌溶液にポリマー1Bを加えると、混合物が凝固し、得られた混合物を撹拌することができなかった。
【0073】
以下の仮想例6〜9は、本発明をさらに例示するものであり、前述の技術を用いて当業者によって調製され得る。
【0074】
実施例6.1Bと2A及び2Cとのブレンド
ポリマー1Bとポリマー2B及び2Dとの粒状ブレンドは、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製され得る。得られる顆粒は、上記実施例1と類似することが予想される。
【0075】
実施例7.1Bと2Aとのブレンド
ポリマー1Bとポリマー2Aとの粒状ブレンドは、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製され得る。得られる顆粒は、上記実施例1と類似することが予想される。
【0076】
実施例8.1Bと2Cとのブレンド
ポリマー1Bとポリマー2Cとの粒状ブレンドは、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製され得る。得られる顆粒は、上記実施例1と類似することが予想される。
【0077】
実施例9.1Bと2A、2B、2Cとのブレンド
ポリマー1Bとポリマー2A、2B、及び2Cとの粒状ブレンドは、前述したものと実質的に同じ手順を用いて調製され得る。得られる顆粒は、上記実施例1と類似することが予想される。
(態様)
(態様1)
(i)各々独立して、35,000〜100,000g/molの重量平均分子量を有し、また各々独立して、
(a)22〜80重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、及び
(b)20〜78重量%の1つ以上のC1−C12アルキル(メタ)アクリレートモノマー、の重合単位を含む、1つ以上の第1のポリマーと、
(ii)各々独立して、1,000〜45,000g/molの重量平均分子量を有し、また各々独立して、50〜100重量%の1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重量単位を含む、1つ以上の第2のポリマーと、を含む、ポリマーブレンドであって、
構成成分(i)は、(i)及び(ii)の総重量に基づいて1重量%〜50重量%を占め、前記ポリマーブレンドは粒状形態であり、前記ポリマーブレンドのうちの1つ以上のポリマーは、少なくとも部分的に中和されている、ポリマーブレンド。
(態様2)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つの前記モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーは、メタクリル酸、アクリル酸、またはそれらの組み合わせである、態様1に記載のポリマーブレンド。
(態様3)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つは、
10〜80重量%のメタクリル酸、
0〜30重量%のアクリル酸、及び
20〜70重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート、の重合単位を含む、態様1または2のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様4)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つの前記C1−C12アルキル(メタ)アクリレートは、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、またはそれらの組み合わせである、態様1〜3のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様5)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つは、
10〜34重量%のメタクリル酸、
10〜20重量%のアクリル酸、及び
46〜70重量%のC1−C12アルキル(メタ)アクリレート、の重合単位を含む、態様1〜4のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様6)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つは、
55〜80重量%のメタクリル酸単位、
10〜35重量%のアクリル酸エチル単位、及び
10〜35重量%のアクリル酸ブチル単位、の重合単位を含む、態様1〜4のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様7)
前記1つ以上の第1のポリマーのうちの少なくとも1つは、C2−C24アルカンチオールの存在下におけるフリーラジカル乳化重合の生成物である、態様1〜6のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様8)
前記1つ以上の第2のポリマーのうちの少なくとも1つは、モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重合単位を含むホモポリマーである、態様1〜7のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様9)
前記1つ以上の第2のポリマーのうちの少なくとも1つは、1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、エチレン性不飽和スルホン酸モノマー、ならびに任意選択的に、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択されるさらなるモノマー、の重合単位を含む、態様1〜7のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様10)
前記1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーは、アクリル酸であり、前記エチレン性不飽和スルホン酸モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、さらなるモノマーは、存在する場合、アクリル酸エチルである、態様9に記載のポリマーブレンド。
(態様11)
前記1つ以上の第2のポリマーは、(a)モノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマーの重合単位を含むホモポリマーと、(b)1つ以上のモノエチレン性不飽和C3−C6カルボン酸モノマー、エチレン性不飽和スルホン酸モノマー、ならびに任意選択的に、アクリル酸エチル、ブチルアクリルアミド、及び無水マレイン酸から選択されるさらなるモノマー、の重合単位を含むポリマーとの混合物である、態様1〜7のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様12)
(a)pH5〜9の前記1つ以上の第1のポリマーの水溶液を提供することと、
(b)pH5〜12の前記1つ以上の第2のポリマーの水溶液を提供することと、
(c)ステップ(a)の前記溶液とステップ(b)の前記溶液とを一緒に混合することと、
(d)前記混合物の大規模な相分離の前に前記混合物を乾燥させることと、を含むプロセスによって作製される、態様1〜11のいずれか一項に記載のポリマーブレンド。
(態様13)
(a)pH5〜9の1つ以上の第1のポリマーの水溶液を提供することと、
(b)pH5〜12の1つ以上の第2のポリマーの水溶液を提供することと、
(c)ステップ(a)の前記溶液とステップ(b)の前記溶液とを一緒に混合することと、
(d)前記混合物の大規模な相分離の前に前記混合物を乾燥させることと、を含む、態様1〜11のいずれか一項に記載のポリマーブレンドを作製するためのプロセス。
(態様14)
界面活性剤、ビルダー、及び態様1〜11のいずれか一項に記載のポリマーブレンドを含む、洗浄剤組成物。