【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式1:
【化1】
の7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物、N−メチル−1−{trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メタンスルホンアミド、またはその獣医学的に許容される塩、及びその中間体の改善された製造方法を提供する。
【0006】
本発明の一態様は、(4−(メチルアミノ)フェニル)−メタンスルホン酸である中間体B
【化2】
を調製する方法であって、
中間体a1
【化3】
(式中、Xは臭素またはヨウ素であり、YはCl、Br、I、O−トシル、O−メシル、またはO−トリフレート(または亜硫酸塩による求核置換を受けやすい任意の官能基))を亜硫酸塩(MSO
3、ここでMはNa、K、またはCaである)と、水または水性有機溶媒中で約50℃から還流温度で反応させ、合成された亜硫酸塩である中間体a2
【化4】
を得る工程を含む方法である。
【0007】
好ましくは、中間体a1の変数X及びYは、いずれもBr(すなわち、4−ブロモベンジルブロミド)であり、中間体a2のMはNaまたはKである。一態様では、亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウムである。別の態様では、亜硫酸塩は亜硫酸カリウムである。上記に定める反応において、4−ブロモベンジルブロミドの存在下で亜硫酸ナトリウムを使用すると、中間体A、(4−ブロモフェニル)メタン−スルホン酸ナトリウム(すなわち、中間体a2)(以下に示す通り、XはBrであり、MはNaである)を得る。この亜硫酸塩変換のための水性有機溶媒は、約1%〜約50%の有機溶媒である。有機溶媒の好ましい量は、約10%〜約30%である。有機溶媒のより好ましい量は、約15%である。好ましい有機溶媒はアセトニトリルである。本発明の別の態様では、有機溶媒はまた、アセトン、水混和性アルコール、及び水混和性エーテルから選択することができる。反応温度は約50℃から還流温度である。好ましい反応温度は、約80℃で約4時間、その後、反応物を約10℃に冷却する。得られるスルホン酸ナトリウ固体、中間体A
【化5】
を濾過により単離する。続いて中間体Aを少なくとも約50℃の温度のメチルアミン水溶液中で触媒の銅または銅塩と反応させる。反応物を冷却し、水を添加する。酸を加えてpHを約3.2に調整する。得られたスラリーをさらに冷却し、得られた固体、中間体Bを単離する。少なくとも約50℃の反応温度とは好ましくは約90℃であり、反応時間は約16時間である。銅触媒は、Cu(0)塩またはCu(1)塩であり得る。好ましい銅触媒はCu(1)塩である。より好ましい銅触媒はCuBrである。触媒充填量は、約0.25mol%を超える任意の量であり得る。好ましい銅触媒の充填量は約2mol%である。メチルアミン水溶液のメチルアミン濃度は約5%〜約40%である。反応にとって好ましいメチルアミンの量は、約10%〜約25%のメチルアミンである。反応にとって、より好ましいメチルアミンの量は、約17%のメチルアミンである。この反応物を約90℃から約65℃に冷却する。クエン酸溶液を反応物に添加し、約20分間撹拌して銅残渣を除去する。水を加え、濃塩酸水溶液でpHを約3.2に調整する。得られたスラリーを約15℃に冷却し、得られた固体、中間体Bを濾過により単離し、水で洗浄する。
【0008】
本発明の別の態様は、(4−(メチルアミノ)フェニル)−メタンスルホン酸である中間体B
【化6】
を調製する方法であって、
4−ブロモベンジルブロミドと亜硫酸ナトリウムとを水または約15%のアセトニトリルを含む水性有機溶媒中、温度約80℃で約4時間反応させた後、反応物を約10℃に冷却する工程を含む。得られたスルホン酸ナトリウム固体、中間体Aを濾過により単離し、約17%のメチルアミンを含む水性有機溶媒中で、2mol%CuBr触媒と温度約90℃で約16時間反応させる。反応物を約65℃に冷却する。クエン酸溶液を添加し、反応物を約20分間撹拌して銅残渣を除去した後、水を添加する。濃HCl水溶液でpHを約3.2に調整する。得られたスラリーを約15℃に冷却し、得られた固体、中間体Bを濾過により単離し、水で洗浄する。
【0009】
本発明の別の態様は、トランス型アキラル幾何異性体、trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸、中間体C
【化7】
の、高温での中間体Bの接触水素化による調製である。中間体Bを触媒の存在下、温度約40℃〜約100℃で約12時間〜約20時間、水性有機溶媒中で水素と反応させる。好ましい反応温度は、約14時間〜約18時間、約50℃〜約80℃である。より好ましい反応温度は、約16時間、約70℃である。水素化は、加圧された水素ガスまたは他の水素移動条件下で、例えば水素源としてギ酸またはギ酸塩を使用して達成することができる。好ましい水素源は、約20psi〜約70psiの圧力下にある水素ガスである。好ましい圧力は約30psiである。触媒は、反応性金属触媒、例えば、パラジウム(例えば、Pd(0);またはPd(II);水酸化パラジウム(Pd(OH)
2))、ルテニウム(Rh)、白金(Pt及びPtO
2))などである。好ましい触媒はパラジウムである。好ましいパラジウム触媒は炭素担持Pd(0)である。Pd(0)の好ましい担持量は、炭素に対して約10%である。水性有機溶媒は、水とメタノールである。メタノールの好ましい量は約25%である。この反応により、トランス(70%)及びシス(30%)両方のアキラル幾何異性体、(4−(メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸溶液を得る。トランス/シスのスラリーを精製してトランス異性体を得るために、反応物の容量を濃縮し、アルコールを水性スラリーに添加する。好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールである。より好ましいアルコールはエタノールである。エタノール水溶液は、水が約10%〜約20%である。好ましくは、エタノール水溶液は、水が約16%〜約17%である。スラリーを約45℃に加熱した後、約4時間かけて約0℃に冷却する。固体(中間体C)を濾過により単離し、アルコール、好ましくはエタノールで洗浄する。
【0010】
本発明の別の態様は、以下の工程を含む、中間体Cを調製する方法である:
a)4−ブロモベンジルブロミドと亜硫酸ナトリウム塩とを水または約10%〜約30%のアセトニトリルを含む水性溶媒中、約80℃で反応させ、固体、中間体Aを濾過により単離する;
b)固体、中間体Aをメチルアミンが約10%〜約25%であるメチルアミン水溶液及びCuBr触媒中で、少なくとも約50℃の温度で約16時間反応させた後、反応物を約65℃に冷却し、クエン酸を添加して残留銅を除去し、水を加えて濃HClでpHを3.2に調整し、反応物を約15℃に冷却し、固体、中間体Bを濾過により単離する;
c)固体、中間体Bを、約25%のメタノールを含有する水性有機溶媒中で、パラジウム触媒及び水素と約50℃〜約80℃で約14時間〜約18時間反応させる;
d)前の反応で得た容量を濃縮し、アルコールを添加して、約45℃に加熱した後、反応物を約4時間かけて約0℃に冷却し、固体、中間体Cを濾過により単離し、アルコールで洗浄する。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、以下の工程を含む、中間体Cを調製する方法である:
a)4−ブロモベンジルブロミドと亜硫酸ナトリウム塩とを約15%のアセトニトリルを含む水性有機溶媒中、約80℃で約4時間反応させ、次いで反応物を約10℃に冷却した後、固体、中間体Aを濾過により単離する;
b)固体、中間体Aをメチルアミンが約17%であるメチルアミン水溶液及び約2mol%であるCuBr触媒と約90℃で約16時間反応させた後、反応物を約65℃に冷却し、クエン酸を添加して残留銅を除去する;
c)水を加えて濃塩酸水溶液でpHを約3.2に調整し、反応物を約15℃に冷却し、固体、中間体Bを濾過により単離する;
d)固体、中間体Bを、約25%のメタノールを含有する水性有機溶媒中で、約20psi〜約70psiの水素ガス及びPd(0)触媒と温度約70℃で約16時間反応させる;
e)反応物の容量を濃縮し、エタノールを添加する;
f)反応物を約45℃に加熱した後、約4時間かけて約0℃に冷却する;
g)固体、中間体(C)を濾過により単離し、固体をエタノールで洗浄する。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、以下の工程を含む、化合物、中間体Cを調製する方法である:
a)中間体Bを水性有機溶媒中で、約30psiの水素ガス、及び炭素に約10%担持されているPd(0)触媒と約70℃で約16時間反応させる(この場合の水性有機溶媒は約25%のメタノール水溶液である);
b)反応物の容量を濃縮し、エタノールを添加する;
c)反応物を約45℃に加熱した後、約4時間かけて約0℃に冷却する;
d)固体、中間体Cを濾過により単離し、固体をエタノールで洗浄する。
【0013】
本発明の別の態様は、trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸カリウム塩、中間体E
【化8】
を調製する方法であって、
中間体Cを7H−ピロロ{2,3−d}ピリミジン類似体、中間体D1
【化9】
(式中、WはCl、F、Br、I、O−トリフラート、O−メシル、またはO−トシルである)、さらに塩基と、水または約1%〜約50%の有機溶媒を含有する水性有機溶媒中で、温度約60℃〜約105℃で反応させることにより調製する。好ましいピリミジン類似体は、中間体D、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(すなわち、WがClである中間体D1)である。有機溶媒の好ましい量は、約1%〜約20%である。有機溶媒のより好ましい量は、約5%である。有機溶媒としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエトキシ)エタンなど)、及び極性非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、スルホランなど)が挙げられる。反応にとって好ましい溶媒は極性非プロトン性溶媒である。より好ましい有機溶媒はNMPまたはスルホランである。好ましい水性有機溶媒は、約5%のNMPまたはスルホラン水溶液である。好ましい水性有機溶媒は、約5%のNMPである。反応は水中で行うのが好ましい。塩基は、炭酸塩(例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム、セシウムなど)、水酸化物(例えば、リチウム、カリウム、ナトリウム、セシウムなど)、及びトリアルキルアミン、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エンなどである有機塩基からなる塩基の群から選択される。好ましい塩基は炭酸塩である。より好ましい塩基は、炭酸カリウムである。この反応工程の好ましい温度は約12時間、約98℃である。反応物を約30℃に冷却すると得られる沈殿固体が中間体Eであり、これを濾過により単離する。固体を水とアルコールの混合物(1:1)、次いでアルコールで洗浄するか、またはアルコールのみで洗浄し、減圧乾燥する。好ましいアルコールはメタノールである。
【0014】
本発明の別の態様は、中間体Cを中間体Dと、水中で、炭酸カリウムの存在下、約98℃で約12時間反応させ、反応物を約30℃に冷却し、固体を濾過により単離し、固体を水:メタノール(1:1)、次いでメタノールで洗浄するか、またはメタノールのみで洗浄し、固体を乾燥させることにより、中間体Eを調製する方法である。
【0015】
本発明の別の態様は、中間体E、((trans)−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホン酸カリウム塩から、スルホニルクロリド、中間体F、((trans)−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホニルクロリドへの変換を、
【化10】
この変換を生じさせることが知られている試薬と中間体Eを反応させることにより調製する方法である。反応物の温度は約−20℃〜約30℃の範囲である。好ましい温度は約−10℃〜約20℃の範囲である。この反応にとってより好ましい温度は約10℃である。この変換を生じさせることが知られている一般的な試薬として、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、五塩化リン、ホスゲン、トリホスゲンなどが挙げられる。好ましい試薬は、塩化オキサリル、塩化チオニル、または塩化ホスホリルである。スルホン酸塩からスルホニルクロリドへの変換は、塩化物試薬と相溶性のある有機溶媒、例えば、塩化メチレン、アセトニトリル(ACN)、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジイソプロピルホルムアミド(DIPF)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジメトキシメタン、ジオキサンなど、及びそれらの混合物中で実施することができる。この反応にとって好ましい溶媒はACNまたはTHFである。好ましい溶媒はACNである。別の好ましい溶媒はTHFである。溶媒混合物は、85:15〜99:1の範囲であり得る。溶媒混合物として、例えば、ACN:DMA(98:2)、ACN:DIPF(97:3)、THF:NMP(95:5)、THF:DIPF(95:5)、THF/DIPF(98:2)、THF:DMA(90:10)、ACN:DMF(85:15)などが挙げられる。この場合、約5%のDIPFが反応の触媒としてTHFに添加される。スルホネートと有機溶媒を混合し、約10℃に冷却する。塩化オキサリル、塩化チオニル、または塩化ホスホリルを、温度を約10℃に維持して、約1時間〜約24時間(好ましくは約3時間〜約10時間、より好ましくは約1時間〜約3時間)撹拌しながら溶媒混合物に添加し、中間体Fを調製する。中間体Fは単離しないが、単離してもよい。
【0016】
本発明の別の態様は、スルホニルクロリド(中間体F)をスルホンアミド(式1の化合物)へ変換する方法である。既に約10℃であるスルホニルクロリドのスラリー(中間体F)を約−10℃のメチルアミン冷水溶液に徐々に添加する。メチルアミン溶液は、メチルアミンが約40%である。添加後、混合物に約10〜15容量(1容量≒1mL/グラム)、好ましくは11〜14容量、より好ましくは約14容量の水を加え、懸濁液を徐々に加熱還流する。約8〜12容量、好ましくは約10容量の溶媒を、約65℃〜約75℃で留去する(すなわち、10g規模の反応の場合、約100mL)。スラリーを約35℃まで冷却して、固体を濾過し、室温にて水で洗浄し、乾燥させる。得られた固体の収率は約92%である。別法として、冷メチルアミンの添加後に、約8容量の水を混合物に加え、ゆっくりと還流させて、約5容量の溶媒を約65℃〜約75℃で留去し、次いで蒸留しながら約6容量の水を添加し、合計約10容量の溶媒が除去されるまで蒸留を継続してもよい。上記のようにスラリーを約35℃まで冷却し、濾過し、洗浄して、固体を乾燥させる。
【0017】
本発明の別の態様は、式1の化合物、N−メチル−1−{trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メタンスルホンアミド、
【化11】
またはその獣医学的に許容される塩の調製方法であって、
a)化合物、trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸を、水または水性有機溶媒中で、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン類似体、さらに塩基と、反応温度約60℃〜約105℃で反応させ、スルホン酸塩を調製すること;
b)有機溶媒中でスルホン酸塩をスルホニルクロリド中間体に変換すること;
c)スルホニルクロリド中間体をメチルアミン冷水溶液と反応させることにより、スルホニルクロリド中間体を式1の化合物に変換することを含む方法である。
【0018】
工程(a)において、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン類似体は、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンであり、反応は、水または5%N−メチルピロリドンまたはスルホランである水性有機溶媒中で行われ、塩基は炭酸カリウムであり、反応温度は約12時間、約98℃である。工程(b)において、スルホン酸塩からスルホニルクロリドへの変換は、スルホン酸塩を塩化オキサリル、塩化チオニル、または塩化ホスホリルと、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを含む有機溶媒中で、反応温度約10℃で反応させることにより調製される。さらに有機溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、またはN,N−ジメチルホルムアミドをさらに含む。好ましい溶媒には、テトラヒドロフラン及びN,N−ジイソプロピルホルムアミドを含む。工程(c)において、メチルアミン冷水溶液は約40%であり、約−10℃である。好ましい反応では、スルホニルクロリド中間体をメチルアミン冷溶液に添加した後に反応物に水を添加する。次いで、反応物をゆっくりと加熱還流させ、溶媒を温度約65℃〜約75℃で留去し、得られた固体を約35℃まで冷却した後、固体を濾過し、室温にて水で洗浄し、濾過し、乾燥させる。得られた固体は、式1の化合物となる。
【0019】
本発明のさらに別の態様は、以下の工程を含む、式1の化合物、N−メチル−1−{trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メタンスルホンアミドの調製方法である:
a)化合物、trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(中間体C)を4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(中間体D)及び塩基と、水または約5%NMPまたはスルホランを含む水性有機溶媒中で、温度約60℃〜約105℃で反応させ、反応物を約30℃まで冷却し、固体を濾過により単離し、固体を水とメタノール(1:1)、次いでメタノールで洗浄するか、または固体をメタノールのみで洗浄し、スルホネート固体(中間体E)を乾燥させる;
b)アセトニトリルまたはアセトニトリル/DMA(98:2)またはTHF:DIPF(90:10〜98:2)またはTHF:DMF(97:3〜99:1)の有機溶媒にスルホネート固体を添加し、反応物を約10℃まで冷却し、反応温度を約10℃に維持したまま塩化オキサリル、塩化チオニル、または塩化ホスホリルを添加してスルホニルクロリド中間体Fを調製することにより、スルホネート(中間体E)をスルホニルクロリド(中間体F)に変換する;
c)冷却した(約−10℃)40%メチルアミン水溶液に工程(b)の反応物を添加することにより、中間体Fを式1の化合物に変換する;
d)水(約14容量)を添加し、スラリーをゆっくりと加熱還流させ、約65℃〜約75℃で約10容量の溶媒を留去する。次いで、反応混合物を再び約35℃まで徐々に冷却する;
e)固体を濾過により単離し、室温にて固体を水で洗浄し、濾過して固体を乾燥させる。
【0020】
本発明のさらに別の態様は、以下の工程を含む、式1の化合物、N−メチル−1−{trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メタンスルホンアミドの調製方法である:
a)化合物、trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(中間体C)を4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(中間体D)及び炭酸カリウムと、水中にて温度約98℃で約12時間反応させ、反応物を約30℃まで冷却し、固体を濾過により単離し、固体を水とメタノール(1:1)、次いでメタノールで洗浄するか、または固体をメタノールのみで洗浄し、スルホネート固体(中間体E)を乾燥させる;
b)THF:DIPF(95:5)の有機溶媒にスルホネート固体を添加し、反応物を約10℃まで冷却し、反応温度を約10℃に維持したまま塩化オキサリルまたは塩化ホスホリルを添加してスルホニルクロリド、中間体Fを調製することにより、スルホネート(中間体E)をスルホニルクロリド(中間体F)に変換する;
c)冷却した(約−10℃)40%メチルアミン水溶液に工程(b)の反応物を添加することにより、スルホニルクロリド固体、中間体Fを式1の化合物に変換する;
d)約14容量の水を添加し、スラリーをゆっくりと加熱還流させ、約65℃〜約75℃で約10容量の溶媒を留去した後、反応物を約35℃まで冷却する;
e)固体を濾過により単離し、室温にて固体を水で洗浄し、濾過して固体を乾燥させる。
【0021】
本発明のさらに別の態様は、化合物、(trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタン−スルホン酸カリウム塩(中間体H)
【化12】
の調製方法であり、以下の工程を含む:
a)trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(中間体C)及び4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(SigmaAldrich)を、アセトニトリル水溶液中、約75℃で塩基と反応させる;
b)約80℃に加温し、約70%の有機溶媒を蒸留により除去する;
c)n−ブタノールを添加し、下側の水層を廃棄する;
d)残った有機物を加熱し、n−ブタノールを添加する;
e)冷却して結晶化固体、中間体Hを得る。
【0022】
本発明のさらに別の態様は、以下の工程を含む、中間体Hの調製方法である:
a)trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸(中間体C)及び4−クロロ−7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(SigmaAldrich)を、約40%のアセトニトリル水溶液中、約75℃で約4時間炭酸カリウムと反応させる;
b)約80℃に加温し、約70%の有機溶媒を蒸留により除去する;
c)n−ブタノールを添加し、下側の水層を廃棄する;
d)残った有機物を約65℃に加熱し、n−ブタノールを添加する;
e)反応物を約3時間かけて約15℃に冷却し、結晶化固体、中間体Hを得る。
【0023】
本発明のさらに別の態様は、以下の工程を含む、式1の化合物、N−メチル−1−{trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メタンスルホンアミドの調製方法である:
a)(trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタンスルホン酸カリウム塩(中間体H)を塩化チオニルと、THF及びDMFを含む有機溶媒中で反応させ、約35℃で約4時間加熱する;
b)反応物を約0℃まで冷却し、温度を約15℃未満に維持しながら水を徐々に添加する;
c)温度を約15℃未満に維持しながら反応物を20%メチルアミン水溶液に添加する;
d)反応物を約35℃に加温し、相分離させ、下側の水層を廃棄する;
e)KOH水溶液を添加し、約4時間加熱還流する;
f)水を加え、内部温度が約70℃になるまで溶液を蒸留する;
g)スラリーを約10℃まで冷却する;
h)濾過により固体(式1の化合物)を単離する。
【0024】
本発明の別の態様は、以下の工程を含む、式1の化合物のマレイン酸塩を調製する方法である:
a)N−メチル−1−{trans−4−[メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]シクロヘキシル}−メタンスルホンアミドをマレイン酸と水中で反応させる;
b)反応物を約60℃に加熱する;
c)溶液を約55℃に冷却し、先に調製した式1の化合物のマレイン酸塩を種晶として添加する;
d)毎時約1℃の速度で約37℃まで、次いで毎時約3℃の速度で約5℃まで冷却する;
e)固体を濾過により単離する。
【0025】
本発明の別の態様は、(4−(メチルアミノ)フェニル)メタンスルホン酸;trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸;trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸カリウム塩;trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸ナトリウム塩;((trans)−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホニルクロリド;(trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタン−スルホン酸カリウム塩;及び(trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタン−スルホン酸ナトリウム塩から選択される化合物である。
【0026】
さらに別の態様は、化合物(4−(メチルアミノ)フェニル)メタンスルホン酸である。さらに別の態様は、化合物trans−4−((メチルアミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホン酸である。さらに別の態様は、化合物trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸カリウム塩である。さらに別の態様は、化合物trans−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)メタンスルホン酸ナトリウム塩である。さらに別の態様は、化合物((trans)−4−(メチル(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−メタンスルホニルクロリドである。さらに別の態様は、化合物(trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタン−スルホン酸カリウム塩である。さらに別の態様は、化合物(trans−4−(メチル(7−トシル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ)−シクロヘキシル)メタン−スルホン酸ナトリウム塩である。
【0027】
本発明の別の態様は、獣医学的に許容される担体及び本明細書に記載の方法から調製される式1の化合物を含む動物薬組成物である。
【0028】
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物における、アレルギー反応、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、掻痒症、喘息、ならびに慢性喘息、難治性喘息、遅発性喘息、気道過敏性気管支炎、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵喘息、再発気道閉塞、及び慢性閉塞性肺疾患から選択されるその他の閉塞性気道疾患、関節リウマチ、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血、全身性エリテマトーデス、水疱性類天疱瘡、及び脱毛症から選択される自己免疫疾患、乳癌、骨癌、前立腺癌、膀胱癌、メラノーマ、肥満細胞癌、扁平上皮細胞癌、リンパ腫、及び白血病から選択されるがん、炎症性腸疾患、好酸性胃腸炎、肥満細胞症、角膜結膜炎、ならびに乾性角結膜炎から選択される障害または病態を抑制または治療するために、本明細書に記載の方法から調製される式1の化合物を使用する方法またはその使用である。
【0029】
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物における、アレルギー反応、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、掻痒症、喘息、ならびに慢性喘息、難治性喘息、遅発性喘息、気道過敏性気管支炎、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵喘息、再発気道閉塞、及び慢性閉塞性肺疾患から選択されるその他の閉塞性気道疾患から選択される障害または病態を抑制または治療するために、本明細書に記載の方法から調製される式1の化合物を使用する方法またはその使用である。好ましいその使用方法または使用には、アレルギー反応、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及び掻痒症から選択される障害または病態の抑制または治療が含まれる。
【0030】
本発明のさらに別の態様は、本明細書に記載の方法から調製される式1の化合物を、それを必要とする哺乳動物に投与するための医薬品の調製に使用することである。