(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568390
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】収容ボックス
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20190819BHJP
A01M 29/34 20110101ALI20190819BHJP
A01M 29/30 20110101ALI20190819BHJP
G01F 1/00 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
A01M29/34
A01M29/30
G01F1/00 G
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-86792(P2015-86792)
(22)【出願日】2015年4月21日
(65)【公開番号】特開2016-204952(P2016-204952A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002778
【氏名又は名称】特許業務法人IPシーガル
(74)【代理人】
【識別番号】100069903
【弁理士】
【氏名又は名称】幸田 全弘
(74)【代理人】
【識別番号】100101166
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100157509
【弁理士】
【氏名又は名称】小塩 恒
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和生
(72)【発明者】
【氏名】野里 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博一
(72)【発明者】
【氏名】大石 幸徳
【審査官】
田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
実公平04−002221(JP,Y2)
【文献】
特開2014−069804(JP,A)
【文献】
実開平05−065279(JP,U)
【文献】
米国特許第02694369(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/00−9/20
A01M 29/00−29/34
A47G 29/00−29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部に開口部を有するボックス本体と、前記開口部を閉止する蓋体とで構成され、
前記ボックス本体は、
その開口部の下部に指挿入部を形成するとともに、その先端部を、水平状態で内方に所要幅で延出させたのち、上方に起立させて防御壁を形成し、
前記蓋体は、
前記開口部と相対する裏面下方に、先端部が前記防御壁と当接し、かつ少なくとも前記指挿入部の上部および左右の一部を、それぞれ覆うことのできる閉止部材を有し、
前記指挿入部からボックス本体内に侵入しようとする害虫などを、前記閉止部材で阻止するよう構成したこと
を特徴とする収容ボックス。
【請求項2】
前記ボックス本体は、
その開口部上縁に、前記蓋体を回動自在に保持する支軸を有する蓋装着部が設けられ、
前記蓋体は、
その上縁部に、前記支軸を支点として上下方向に回動可能に保持する支軸保持部が、前記ボックス本体側に開口させて設けられていること
を特徴とする請求項1に記載の収容ボックス。
【請求項3】
前記防御壁は、
前記ボックス本体の開口部下部の全域に亘って形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の収容ボックス。
【請求項4】
前記指挿入部は、
前記開口部の下縁のほぼ中央部に形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の収容ボックス。
【請求項5】
前記閉止部材は、
先端部が前記防御壁と当接するとともに、横幅が前記指挿入部の横幅と対応し、その裏面の左右端部に、前記防御壁よりも低い高さの側面板を垂設した板状体の基端部を、前記ボックス本体の指挿入部と相対する、前記蓋体の裏面に突設させて構成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の収容ボックス。
【請求項6】
前記閉止部材は、
前記ボックス本体の指挿入孔の左右の側面に形成された、それぞれ高さが前記防御壁よりも低い高さの側壁に対して、前記各側壁の頂部と当接するよう前記蓋体の裏面に突設された板状体として構成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の収容ボックス。
【請求項7】
前記閉止部材は、
前記ボックス本体の指挿入孔の左右の側面に、それぞれ高さが前記防御壁より低い高さの側壁を形成し、前記側壁の内側面と当接する側面板を、その裏面側に垂設した板状体を前記蓋体の裏面に突設させて構成されていること
特徴とする請求項1又は2に記載の収容ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、収容ボックスに関するものである。
より詳しくは、計器類、特に水道メータ用の収容ボックスにおいて、蓋体に形成される開口部から、虫(害虫)や小動物などが、内部に侵入することを確実に防止することのできる収容ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水道の検針用メータ(水道メータ)や、散水栓などの計器類を収容する収容ボックスがある。
このような収容ボックスとしては、地中に埋設するタイプのものが一般的であるが、地域によっては、住宅などの外壁面に埋設するタイプのものがある。
【0003】
例えば、特開2001−108505号公報(特許文献1)では、凍結による水道メータの故障を防止でき、長期の機械的安定性を保証でき、しかも住宅外観とよく調和させ得る水道メータボックスが提案されている。
【0004】
この特許文献1に記載の水道メータボックスは、前面に扉を有し、コンクリート壁の前面に埋め込まれ内部に水道メータが収容されるもので、長繊維で補強された独立気泡の合成樹脂発泡板により製作されていることを特徴とするものである。
【0005】
さらに、実用新案登録第3121012号公報(特許文献2)では、メータの交換作業性がよく、検診時などに発見し易い水道用量水容器が提案されている。
【0006】
この特許文献2に記載の水道用量水容器は、容器本体と、この容器本体に開閉自在に取り付けられた蓋とを有し、前記容器本体には、壁面取付部が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
なお、前面に扉を有する収容ボックスの他の例として、特開2004−24524号公報(特許文献3)では、取出し扉は簡単には開かないように構成されたもので、郵便物の盗難の抑止を図ることができる、郵便ポストが提案されている。
【0008】
この特許文献3に記載の郵便ポストは、投函された郵便物を内部に収容する箱状の本体部を有し、この本体部に郵便物を取り出す取出口を形成し、この取出口を開閉自在にする取出し扉の上端部を、本体部に上下回転自在に軸支してなるもので、取出し扉の内面下端に内方に突出する突起部を幅方向に部分的に設け、本体部の底壁に突起部が係止する突起受け部を幅方向に部分的に設け、幅方向にスライドさせた取出し扉の突起部が突起受け部に対応する位置からずれるように、取出し扉を幅方向に移動自在にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−108505号公報(特許請求の範囲,
図1,3)
【特許文献2】実用新案登録第3121012号公報(実用新案登録請求の範囲,
図1)
【特許文献3】特開2004−24524号公報(特許請求の範囲,
図1,2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
外壁面に埋設するタイプの水道メータボックスは、開閉操作を容易にするため、ボックス本体の開口部の下部を切欠いて切欠きからなる指挿入部を形成するとともに、蓋体の下端の該指挿入部に対応する位置に、指掛部を設けている。
しかしながら、前記指挿入部は、ボックス本体の内部と外部とを連通するものであるため、この指挿入部を通って、外部からゴキブリやハエなどの虫、さらには小型のカエルなど小動物などが収容ボックス内に侵入し、内部を汚損するとともに、場合によっては内蔵した計器の働きを阻害するなどの問題を引き起こす。
【0011】
さらに、前記特許文献1に開示されている水道メータボックスおよび特許文献3に開示されている郵便ポストでは、いずれも前記指挿入部および指掛部を設けないで、扉の表面に開閉のための別製の取っ手を設けている。
したがって、両者ともコストが高くなるとともに、付設した取っ手が表面に顕出しているので、当該取っ手に身体の一部や被服を引っ掛け易く、怪我や被服の損傷が発生し易いという問題があった。
【0012】
前記特許文献2に記載の水道用量水容器は、容器本体の底部に開口部が形成されているので、この開口部を介して容器本体内に害虫や小動物が侵入し、内部を汚損したり、場合によっては内蔵した計器の働きを阻害するなどの問題を引き起こす。
【0013】
さらにまた、前記特許文献3に記載の郵便ポストは、取出し扉の開閉は、前記取出し扉の下縁部に突出形成した突起部を、箱状の本体部の底面に設けた突起受け部と係合させる方式を採用しているので、取出し扉の確実な閉止が常に求められ、確実な閉止ができていないと本体部内に害虫や小動物が侵入するなど解決すべき課題を有している。
【0014】
この発明はかかる現状に鑑み、計器類、特に水道メータなどの収容ボックスにおいて、蓋体に取っ手などの突出物を設けることがなく、しかも、当該収容ボックスに、外部から虫や小動物などが侵入することを防止する機構を設けることによって、害虫などの侵入によるボックス本体内の汚損や機器の損傷あるいは動作異常を、確実に防止することのできる収容ボックスを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するため、この発明にかかる請求項1に記載の発明は、
前面部に開口部を有するボックス本体と、前記開口部を閉止する蓋体とで構成され、
前記ボックス本体は、
その開口部の下部に指挿入部を形成するとともに、その先端部を、水平状態で内方に所要幅で延出させたのち、上方に起立させて防御壁を形成し、
前記蓋体は、
前記開口部と相対する裏面下方に、先端部が前記防御壁と当接し、かつ少なくとも前記指挿入部の上部および左右の一部を、それぞれ覆うことのできる閉止部材を有し、
前記指挿入部からボックス本体内に侵入しようとする害虫などを、前記閉止部材で阻止するよう構成したこと
を特徴とする収容ボックスである。
【0016】
この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の収容ボックスにおいて、
前記ボックス本体は、
その開口部上縁に、前記蓋体を回動自在に保持する支軸を有する蓋装着部が設けられ、
前記蓋体は、
その上縁部に、前記支軸を支点として上下方向に回動可能に保持する支軸保持部が、前記ボックス本体側に開口させて設けられていること
を特徴とするものである。
【0017】
この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の収容ボックスにおいて、
前記防御壁は、
前記ボックス本体の開口部下部の全域に亘って形成されていること
を特徴とするものである。
【0018】
この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の収容ボックスにおいて、
前記指挿入部は、
前記開口部の下縁のほぼ中央部に形成されていること
を特徴とするものである。
【0019】
この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の収容ボックスにおいて、
前記閉止部材は、
先端部が前記防御壁と当接するとともに、横幅が前記指挿入部の横幅と対応し、その裏面の左右端部に、前記防御壁よりも低い高さの側面板を垂設した板状体の基端部を、前記ボックス本体の指挿入部と相対する、前記蓋体の裏面に突設させて構成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の収容ボックスにおいて、
前記閉止部材は、
前記ボックス本体の指挿入孔の左右の側面に
形成された、それぞれ高さが前記防御壁よりも低い高さの側壁
に対して、前記各側壁の頂部と当接する
よう前記蓋体の裏面に突設された板状体
として構成されていること
を特徴とするものである。
【0021】
この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の収容ボックスにおいて、
前記閉止部材は、
前記ボックス本体の指挿入孔の左右の側面に、それぞれ高さが前記防御壁より低い高さの側壁を形成し、前記側壁の内側面と当接する側面板を、その裏面側に垂設した板状体を前記蓋体の裏面に突設させて構成されていること
特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
この発明の収容ボックスにおいては、前面部が開口するボックス本体と、前記開口部を開閉する蓋体とで構成するに際し、前記ボックス本体は、その開口部の下部の所要幅の指挿入部を形成するとともに、その先端部を水平状態で内方に所要幅で延出させたのち、上方に起立させて防御壁を形成し、前記蓋体は、その裏面下方に、前記防御壁と先端部が当接し、かつ少なくとも前記指挿入部の上部および左右の一部を閉塞する閉止部材が設けられているので、ボックス本体内に侵入しようとする害虫や小動物は、前記閉止部材によってその侵入が阻止される。
よって、前記ボックス本体内が汚損されることがなく、収蔵された計器類も損傷されることがない。
【0023】
さらに、前記防御壁を、ボックス本体の開口部全域に形成することによって、前記蓋体は、前記防御壁によってボックス本体内への侵入が阻止されるので、蓋体がボックス本体内に不必要に入り込むことがなく、前記防御壁と前記蓋体の当接によって、害虫などのボックス本体内への侵入を阻止することができる。
【0024】
さらに、前記ボックス本体の前面板に指を挿入するための切欠きからなる指挿入部を形成するとともに、その上部に位置する蓋体の下縁部に指掛部を形成しているので、収容ボックスから突出する取っ手などの突出物を別部材で設ける必要性がなく、デザイン性に優れ、安全性が高く、かつコストの廉価な収容ボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】この発明にかかる害虫防除機能を有する収容ボックスの正面部の半截図である。
【
図2】
図1に示す収容ボックスの要部の正面側の斜視図である。
【
図4】図中、(A)〜(D)は、いずれも害虫防除機能を構成する他の実施例の要部を示すものであって、(A)は、ボックス本体に設けた一対の側壁と、この側壁間に架橋する板状体からなる閉止部材の例を、(B)は、ボックス本体に設けた一対の側壁と、この側壁に内接する係合片を板状体からなる閉止部材の例を、(C)は、ボックス本体に設けた一対の側壁と、この側壁を抱持する係合片を板状体からなる閉止部材の例を、(D)は、板状体の裏面にボックス本体に形成された指挿入部を跨設する一対の側壁からなる閉止部材の例を示す。
【
図5】この発明にかかる収容ボックスの一例を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示す収容ボックスを、ボックス本体と蓋体に分離した状態を示す説明図である。
【
図7】
図6に示す蓋体の開閉状況を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明にかかる収容ボックスの実施の形態を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明の収容ボックスは、図示の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲内で改良を加えることができるものである。
【0027】
この発明において、収容ボックス1は、
図5および
図6に示すように、ボックス本体2と蓋体8とから構成されている。
なお、この実施例においては、前記収容ボックス1はFRP製であるが、素材については特段の制限はないので、他の樹脂素材や金属素材(例えばステンレス)などで構成してもよい。
【0028】
前記ボックス本体2は、検針用メータや散水栓など何らかの機能を有する機械や電気機器などを納めるもので、所要の大きさの箱体の前面に開口部2aを有するものである。
前記開口部2aの上縁部には、前記蓋体8を装着するための所要の深さの切欠きからなる蓋装着部3,3が形成されるとともに、各蓋装着部3にはそれぞれ支軸4,4が設けられている。
【0029】
前記蓋体8は、前記ボックス本体2の蓋装着部3,3に装着するため、
図6に示すように、その上縁端には、前記ボックス本体2の支軸4,4と対応する位置に、支軸保持部9を有する連結部10,10が形成されている。
【0030】
前記支軸保持部9には、
図7に示すように、前記蓋体8を上方に持上げ可能なように、上下方向に保持溝9aが形成されている。
この支軸保持部9は、その底部を前記支軸4の太さの1/2程度深く掘り下げて形成しているので、前記蓋体8を上方に持上げても、前記支軸4が前記連結部10から離脱するおそれがない。
【0031】
さらに、この蓋体8は、
図8に示すように、閉止状態で蓋体8が不用意に開閉しないように、前記ボックス本体2の、開口部2aの下縁部に付設した係合突部2cと係合する係合部8aが下縁部裏面に形成されているので、回動に際しては、前記係合を解除するため蓋体8を上方に持上げる必要がある。
なお、前記ボックス本体2の下縁前面部に、円弧状の傾斜面2bを形成することによって、前記蓋体8の閉操作に際し、蓋体8の下部前縁部が前記傾斜面2bにガイドされ、円滑に蓋体8を閉方向に導くことができる。
【0032】
さらに、前記係合突部2cの背面部に、段部2dを介して下部前面部の側壁を下り傾斜面2eを形成することによって、前記蓋体8の下部底面との当接面を少なくすることが開方向への操作を容易なものとしている。
反面、前記蓋体8の開操作に際しては、当該蓋体8の下縁部の先端が、前記段部2d方向に移動するにしたがって、前記下り傾斜面2eの基端側と当接するため摩擦が大きくなって、蓋体8の急激な開放を阻止することができる。
【0033】
さらにまた、前記蓋体8は、その下端表面の、前記ボックス本体2の指挿入部6と対応する位置に、
図6で明らかなように、切欠きからなる所要の大きさの指掛部11が形成され、前記指挿入部6および指掛部11を利用して、蓋体8の開閉を容易に行うことができるよう構成されている。
【0034】
一方、前記ボックス本体2の開口部2aの下部の前面板5のほぼ中央部には、
図2〜3に示されるように、内方に向かって、開口部2aに装着される前記蓋体8の下端部を、指先で上方に持ち上げるための、切欠きからなる所要の大きさの指挿入部6が形成されている。
【0035】
他方、前記開口部2aの下部前縁部には、
図2および
図3で明らかなように、前記前面板5の先端部を水平に延出させるとともに、その先端縁を上方に起立させて所要高さの防御壁7を形成したものである。
なお、前記防御壁7は、この実施例においては、開口部2aの下部前縁部の全域に形成されているが、少なくとも前記指挿入部6の幅と同程度の幅を有するものであればよい。
【0036】
かかる構成の収容ボックス1において、この発明は、害虫などが前記ボックス本体2の前面板5の中央部に形成した、前記蓋体8を開くための指挿入部6からボックス本体2内部に侵入することを防止する構成を採用している。
【0037】
すなわち、
図3に示す閉止部材12は、前記ボックス本体2の指挿入部6と相対する蓋体8の裏面に、先端部が前記防御壁7と当接するとともに、前記指挿入部6の横幅とほぼ等しいか、やや幅広の板状体12aと、前記板状体12aの左右の端面を閉止する側面板12b,12bからなるもので、前記指挿入部6と相対する蓋体8の下部を指掛部11としたものである。
したがって、前記閉止部材12は、前記板状体12aの先端縁を防御壁7に当接させることで、左右の側面板12b,12bが指挿入部6の左右端部を閉止するので、害虫などがボックス本体2内に侵入することを確実に防止することができる。
【0038】
その際、前記防御壁7を、開口部2aの下部前縁部の全域に形成することによって、前記蓋体8の下縁部が防御壁7と当接するので、蓋体8が前記ボックス本体2に入り過ぎることを防止するストッパーの役割を果たすため、前記蓋体8がボックス本体2内に必要以上に入り込むことがない。
さらに、前記ボックス本体2に指挿入部6が形成されていても、前記指挿入部6あるいは防御壁7と蓋体8の当接する部位から害虫などが侵入するおそれがない。
【0039】
なお、前記蓋体8に設ける前記閉止部材6は、少なくとも虫などが通過しない大きさの網目を有する網部材で形成してもよい。
【0040】
さらにまた、前記閉止部材12の他の例を、
図4に基づいて説明する。
図中、(A)に示す閉止部材12は、前記ボックス本体2の指挿入部6の左右に、先端部が前記防御壁7と当接し、高さが、閉止部材12を構成する板状体12aの板厚分だけ低い防御壁7よりも低い側面板SW,SWを立設し、前記側面板SW,SWの頂部と当接する板状体12aの基端部を、蓋体8の裏面の所要位置に突出形成して閉止部材としたものである。
したがって、指挿入部6の上部および左右の側面部は、閉止部材12によって指挿入部6の開口部以外の3辺が完全に閉止され、害虫などがボックス本体2内に侵入することがない。
【0041】
図中、(B)に示す閉止部材12は、前記ボックス本体2の指挿入部6の左右に、基端が前記防御壁7と当接し、高さが、閉止部材12を構成する板状体12aの板厚分だけ低い防御壁7よりも低い側面板SW,SWを立設し、前記側面板SWの頂部と当接する板状体12aの裏面に、前記各側面板SWの内側面と当接する側面板12b,2bを、前記蓋体8の裏面の所要位置に突出形成して構成したものである。
【0042】
図中、(C)に示す閉止部材12は、前記ボックス本体2の指挿入部6の左右に、基端が前記防御壁7と当接し、高さが、閉止部材12を構成する板状体12aの板厚分だけ低い側面板SW,SWを立設し、かつ前記指挿入部6の左右の各側面板SWを上方から挟持可能な、断面が逆U字状のスリットを有する側面板12b,2bを、前記蓋体8の裏面の所要位置に突出形成して構成したものである。
【0043】
図中、(D)に示す閉止部材12は、基端が前記防御壁7と当接し、高さが前記防御壁7よりも、閉止部材12を構成する板状体12aの板厚分だけ低く、かつ先端麺が前記指挿入部6の開口縁部と当接する側面板12b,12bを下面に垂設した板状体12aを、前記蓋体8の裏面の所要位置に突出形成して構成したものである。
【0044】
かかる構成からなる収容ボックス1では、前記ボックス本体2の開口部2aを開放する場合、ボックス本体2に形成した指挿入部6と相対する蓋体8の下縁部を上方に持上げることによって、蓋体8の連結部10に係合保持された支軸4が下方に移動し、前記支軸4を支点として前記蓋体8を上方に回動させることができる。
なお、前記ボックス本体2の開口部2aを蓋体8で閉止する場合は、その逆である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明にかかる収容ボックスは、外部から虫や小動物などが収容ボックス内に侵入することを抑止することができるので、計器類、特に水道メータを収容するための収容ボックスとして幅広く利用されるものである
【符号の説明】
【0046】
1 収容ボックス
2 ボックス本体
2a 開口部
2b 傾斜面
2c 係合突部
2d 段部
2e 下り傾斜面
3 蓋装着部
4 支軸
5 前面板
6 指挿入部
7 防御壁
8 蓋体
8a 係合部
9 支軸保持部
9a 保持溝
10 蓋体の連結部
11 指掛部
12 閉止部材
12a 板状体
12b 側面板
SW 側面板