特許第6568443号(P6568443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6568443セラミック積層体の製造方法及び切断装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568443
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】セラミック積層体の製造方法及び切断装置
(51)【国際特許分類】
   B28B 11/12 20060101AFI20190819BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20190819BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20190819BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20190819BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20190819BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20190819BHJP
   B26D 3/10 20060101ALI20190819BHJP
   B26D 1/09 20060101ALI20190819BHJP
【FI】
   B28B11/12
   H01G4/30 311A
   H01G13/00 391H
   H05K1/03 610D
   H05K3/00 J
   B26D3/00 601Z
   B26D3/10 L
   B26D1/09
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-193041(P2015-193041)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-65059(P2017-65059A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樽谷 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】三橋 慎介
【審査官】 西垣 歩美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−103445(JP,A)
【文献】 米国特許第04898056(US,A)
【文献】 特開2005−096328(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/050883(WO,A1)
【文献】 特開平09−136319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 11/12
B26D 1/09
B26D 3/00−3/16
B26F 1/00−3/16
H01G 13/00
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック積層体の製造方法であって、
セラミックグリーンシートを載せる四角形の載置面と、前記載置面に隣接する4つの側面とを備える載置台と、前記載置面と垂直な方向から見たとき、前記載置台の上方に位置する板状の切断刃と、を備えた切断装置を用いて、
前記載置台の四角形の各辺において前記セラミックグリーンシートを切断刃で切断する切断工程と、
切断された複数枚の前記セラミックグリーンシートを積層する積層工程と、
積層された前記セラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、を含み、
前記切断工程において、前記載置面の前記四角形の一対の対角部における前記セラミックグリーンシートから切断が開始されることを特徴とする、セラミック積層体の製造方法。
【請求項2】
セラミックグリーンシートを切断する切断装置であって、
前記セラミックグリーンシートを載せる四角形の載置面と、前記載置面に隣接する4つの側面とを備える載置台と、
前記載置台の四角形の各辺において前記セラミックグリーンシートを切断する板状の切断刃と、を備え、
前記載置面と平行な方向から見たとき、前記切断刃は刃先の一端部が刃先の他端部よりも前記載置台と近くなるように傾斜しており、
複数の前記切断刃は、前記載置面と垂直な方向から見たとき、前記載置台の四角形の各辺に沿って前記載置台の上方に配置されており、
複数の前記切断刃は前記刃先の前記一端部から前記載置面までの高さがすべて同一であることを特徴とする、切断装置。
【請求項3】
請求項2に記載の切断装置であって、
複数の前記切断刃の前記刃先の前記一端部と複数の前記切断刃の前記刃先の前記一端部とが隣接していることを特徴とする、切断装置。
【請求項4】
請求項2に記載の切断装置であって、
複数の前記切断刃の前記刃先の前記一端部と複数の前記切断刃の前記刃先の前記他端部とが隣接していることを特徴とする、切断装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の切断装置であって、
前記切断刃を内側に付勢する付勢部を備えることを特徴とする、切断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の切断装置であって、
前記一端部は、前記他端部と比較して、前記刃先を鈍らせていることを特徴とする、切断装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の切断装置であって、
前記刃先の一端部に近い前記付勢部は、前記刃先の他端部に近い前記付勢部よりも、小さい力で前記切断刃を付勢することを特徴とする、切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック積層体の製造方法及び切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切断装置を用いて、部材を所望の寸法に切断する技術が知られている。例えば、特許文献1には、こうした切断装置として、部材を載置する四角形の載置面を備える載置台と、載置台の上方に設けられた切断刃とを備える分割装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−136319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の分割装置は、向かい合う2辺の切断刃の高さが同じであり、隣り合う2辺の切断刃の高さが異なる。このような分割装置を用いて、強度が比較的弱く、変形しやすい部材であるセラミックグリーンシートを切断する場合、以下のような課題が生じうる。
【0005】
図9は、特許文献1の分割装置において、セラミックグリーンシート120が切断される様子を説明する図である。図9に示すように、セラミックグリーンシート120を四角形に切断する場合、特許文献1の分割装置は、向かい合う2辺の切断刃の高さが同じであり、隣り合う2辺の切断刃の高さが異なるため、まず、一方の向かい合う2辺H1,H2が切断され、続いて、他方の向かい合う2辺H3,H4が切断される。図9において、切断される方向を矢印Cで示す。
【0006】
図10は、他方の向かい合う2辺H3,H4が切断される様子を説明する図である。図10に示すように、向かい合う2辺ずつ切断されることにより、他方の向かい合う2辺H3,H4が切断される際、すでに切断が終了している2辺H1,H2が方向Fに引っ張られて、セラミックシート120が変形したり、その結果として、破れたりする虞があった。このため、セラミックグリーンシートを切断する際、セラミックグリーンシートが変形することを抑制する技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、セラミック積層体の製造方法が提供される。セラミック積層体の製造方法は、セラミックグリーンシートを載せる四角形の載置面と、前記載置面に隣接する4つの側面とを備える載置台と、前記載置面と垂直な方向から見たとき、前記載置台の上方に位置する板状の切断刃と、を備えた切断装置を用いて、前記載置台の四角形の各辺において前記セラミックグリーンシートを切断刃で切断する切断工程と、切断された複数枚の前記セラミックグリーンシートを積層する積層工程と、積層された前記セラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、を含み、前記切断工程において、前記載置面の前記四角形の一対の対角部における前記セラミックグリーンシートから切断が開始されることを特徴とする。この形態のセラミック積層体の製造方法によれば、載置面の四角形の一対の対角部におけるセラミックグリーンシートから切断が開始されることにより、切断工程においてセラミックグリーンシートが変形することを抑制できる。
【0009】
(2)本発明の他の形態によれば、セラミックグリーンシートを切断する切断装置が提供される。切断装置は、前記セラミックグリーンシートを載せる四角形の載置面と、前記載置面に隣接する4つの側面とを備える載置台と、前記載置台の四角形の各辺において前記セラミックグリーンシートを切断する板状の切断刃と、を備え、前記載置面と平行な方向から見たとき、前記切断刃は刃先の一端部が刃先の他端部よりも前記載置台と近くなるように傾斜しており、複数の前記切断刃は、前記載置面と垂直な方向から見たとき、前記載置台の四角形の各辺に沿って前記載置台の上方に配置されており、複数の前記切断刃は前記刃先の前記一端部から前記載置面までの高さがすべて同一であることを特徴とする。この形態の切断装置によれば、複数の切断刃は刃先の一端部から載置面までの高さがすべて同一であるため、セラミックグリーンシートを切断する際に、セラミックグリーンシートが変形することを抑制できる。
【0010】
(3)上記形態の切断装置において、複数の前記切断刃の前記刃先の前記一端部と複数の前記切断刃の前記刃先の前記一端部とが隣接していてもよい。この形態の切断装置によれば、セラミックグリーンシートを切断する際に、セラミックグリーンシートが変形することを抑制できる。
【0011】
(4)上記形態の切断装置において、複数の前記切断刃の前記刃先の前記一端部と複数の前記切断刃の前記刃先の前記他端部とが隣接していてもよい。この形態の切断装置によれば、セラミックグリーンシートを切断する際に、セラミックグリーンシートが変形することを抑制できる。
【0012】
(5)上記形態の切断装置において、前記切断刃を内側に付勢する付勢部を備えてもよい。この形態の切断装置によれば、付勢部を備えるため、セラミックグリーンシートを切断する際に、切断刃が外側に逃げることを抑制できる。
【0013】
(6)上記形態の切断装置において、前記一端部は、前記他端部と比較して、前記刃先を鈍らせていてもよい。この形態によれば、一端部は、他端部と比較して、刃先を鈍らせているため、一端部の刃毀れを抑制でき、切断刃の耐久性が向上する。
【0014】
(7)上記形態の切断装置において、前記刃先の一端部に近い前記付勢部は、前記刃先の他端部に近い前記付勢部よりも、小さい力で前記切断刃を付勢してもよい。この形態によれば、一端部の刃毀れを抑制でき、切断刃の耐久性が向上する。
【0015】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、切断方法等の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態におけるセラミック積層体100の製造方法を示すフローチャート。
図2】本実施形態に用いる切断装置200の模式図。
図3】載置面215と平行な方向から見たときの切断刃220の模式図。
図4】切断装置200の載置面215にセラミックグリーンシート120が載置された状態を模式的に示す断面図。
図5】セラミックグリーンシート120が切断される様子を説明する図。
図6】本実施形態に用いる切断装置200Aの模式図。
図7】セラミックグリーンシート120が切断される様子を説明する図。
図8】切断刃220Bの刃先を示す模式図。
図9】特許文献1の分割装置において、セラミックグリーンシート120が切断される様子を説明する図。
図10】他方の向かい合う2辺H3,H4が切断される様子を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.実施形態
A1.第1実施形態
図1は、本実施形態におけるセラミック積層体100の製造方法を示すフローチャートである。セラミック積層体100は、例えば、移動体通信用モジュールやコンピュータ用のマルチチップモジュールなどの電子部品として使用される。
【0018】
セラミックグリーンシート成形工程(ステップS100)は、予め準備したキャリアフィルム110上に、セラミック材料を含むスラリーを所望の厚みでキャスティングすることにより、セラミックグリーンシート120を成形する工程である。本実施形態において、セラミックグリーンシート120の厚みは、15μmから400μmとする。本実施形態において、セラミック材料としては、アルミナを用いる。
【0019】
剥離工程(ステップS105)は、セラミックグリーンシート120からキャリアフィルム110を剥離する工程である。
【0020】
切断工程(ステップS110)は、後述する切断装置200を用いて、セラミックグリーンシート120を所望の形状となるように切断する工程である。
【0021】
積層工程(ステップS110)は、切断工程(ステップS110)によって切断された複数枚のセラミックグリーンシート120を積層する工程である。本実施形態においては、10枚のセラミックグリーンシート120を積層する。
【0022】
焼成工程(ステップS120)は、前記積層工程にて積層されたセラミックグリーンシート120を焼成する工程である。本実施形態においては、焼成温度1450℃を60分保持して、セラミック積層体100を製造する。
【0023】
図2は、本実施形態に用いる切断装置200の模式図である。切断装置200は、載置台210と、切断刃220と、を備える。載置台210は、セラミックグリーンシート120を載せる四角形の載置面215と、載置面215に隣接する4つの側面217とを備える。
【0024】
切断刃220は、切断装置200に複数設けられており、載置面215と垂直な方向から見たとき、載置台210の上方に位置する板状の刃である。具体的には、複数の切断刃220は、載置面215と垂直な方向から見たとき、載置台210の四角形の各辺に沿って載置台210の上方に配置されている。本実施形態において、切断刃220は4つ設けられている。切断刃220は、切断刃の下刃として機能する載置台210の各辺において、セラミックグリーンシート120を切断する。
【0025】
図3は、載置面215と平行な方向から見たときの切断刃220の模式図である。図3に示すとおり、この方向から見たとき、切断刃220は、刃先の一端部222が、刃先の他端部224よりも載置台210と近くなるように傾斜している。つまり、切断刃220がセラミックグリーンシート120を切る際、一端部222から他端部224へ向かって次第にセラミックグリーンシート120が切断される。
【0026】
図2に示すとおり、複数の切断刃220は、刃先の一端部222から載置面215までの高さh1がすべて同一である。また、本実施形態において、複数の切断刃220は、刃先の一端部222から載置面215までの高さh2が全て同一である。高さh1は高さh2に比べて短い。
【0027】
本実施形態において、複数の切断刃220の刃先の一端部222と複数の切断刃220の刃先の一端部222とが隣接している。つまり、4つの切断刃220は、互いに、隣接する切断刃の一端部222同士が隣接し、かつ、隣接する切断刃の他端部224同士が隣接する。
【0028】
図4は、切断装置200の載置面215にセラミックグリーンシート120が載置された状態を模式的に示す断面図である。図4に示すように、載置面215の中心部には、吸着板216が設けられている。吸着板216は多孔質体により形成されている。吸着板216の下方に存在する真空穴211が真空に保たれることにより、吸着板216は、吸着板216の上に載置されたセラミックグリーンシート120を吸着固定する。
【0029】
図4に示すように、切断装置200は、さらに、切断刃220を内側に付勢する付勢部230を備える。本実施形態において、付勢部230として、ばねを用いる。本実施形態によれば、付勢部230を備えるため、セラミックグリーンシート120を切断する際に、切断刃220が外側に逃げることを抑制できるため、精度よくセラミックグリーンシート120を切断できる。本実施形態において、付勢部230は、1つの切断刃220に一端部222側と他端部224側との2つずつ設けられており、切断装置200は、8つの付勢部230を備える。本実施形態において、各付勢部230が切断刃220を付勢する力はすべて同じ力とする。
【0030】
図5は、セラミックグリーンシート120が切断される様子を説明する図である。本実施形態の切断装置200において、複数の切断刃220は、刃先の一端部222から載置面215までの高さh1がすべて同一である(図2参照)。このため、図5に示すように、切断工程(ステップS110)では、載置面215の四角形の一対の対角部Tにおけるセラミックグリーンシート120から切断が開始される。ここで、一対の対角部Tとは、対角線上に対峙する点同士をいう。なお、載置面215の四角形の頂点部分に対応するセラミックグリーンシート120の部分に予め孔が開いている場合には、切断刃220と載置台210の側面217とが接することにより、セラミックグリーンシート120が最初に切断される部分を一対の対角部Tとみなす。
【0031】
本実施形態において、載置面215の四角形の一対の対角部Tにおけるセラミックグリーンシート120から切断が開始されることにより、一対の対角部Tと接する辺の切断が同時に開始される。図5において、切断される方向を矢印Cで示す。このため、各辺は同時に切断が開始されることによって、セラミックグリーンシート120に係る力は均等に分散する。この結果として、切断工程(ステップS110)において、セラミックグリーンシート120が変形することを抑制できる。
【0032】
また、本実施形態において、複数の切断刃220は、刃先の他端部224から載置面215までの高さh2がすべて同一である。このため、各辺は同時に切断が終了することによって、セラミックグリーンシート120に係る力は均等に分散する。この結果として、切断工程(ステップS110)において、セラミックグリーンシート120が変形することをより抑制できる。
【0033】
A2.第2実施形態
第2実施形態は、第1実施形態と比較して、切断刃220Aが異なるが、それ以外は同じである。
【0034】
図6は、本実施形態に用いる切断装置200Aの模式図である。本実施形態において、複数の切断刃220Aの刃先の一端部222と複数の切断刃220Aの刃先の他端部224とが接している。つまり、複数の切断刃220Aは、互いに、隣接する切断刃220Aの一端部222と他端部224とが隣接する。
【0035】
図7は、セラミックグリーンシート120が切断される様子を説明する図である。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、複数の切断刃220は、刃先の一端部222から載置面215までの高さh1がすべて同一である。このため、図7に示すように、切断工程(ステップS110)では、載置面215の四角形の一対の対角部Tにおけるセラミックグリーンシート120から切断が開始され、矢印Cの方向へ切断される。この結果、各辺は同時に切断されることによって、セラミックグリーンシート120に係る力が均等に分散されることにより、切断工程(ステップS110)において、セラミックグリーンシート120が変形することを抑制できる。
【0036】
A3.第3実施形態
第3実施形態は、第1実施形態と比較して、切断刃220Bが異なるが、それ以外は同じである。
【0037】
図8は、切断刃220Bの刃先を示す模式図である。図8(A)は、切断刃220Bの他端部224の刃先を示し、図8(B)、(C)は、切断刃220Bの一端部222の刃先の例を示す。本実施形態において、切断刃220Bの刃先の一端部222は、他端部224と比較して、刃先を鈍らせている点が異なるが、それ以外は同じである。刃先を鈍らせているとは、(i)図8(B)に示すように、切断刃220Bの一端部222が、他端部224と比較して、刃先が丸まっている態様や、(ii)図8(C)に示すように、切断刃220Bの一端部222が、他端部224と比較して、刃先の角度が大きい態様を含む。他端部224と比較して、セラミックグリーンシート120と先に接触する一端部222の刃先を鈍らせているため、一端部222の刃毀れを抑制でき、切断刃220の耐久性が向上する。
【0038】
B.変形例
B1.変形例1
上述の実施形態において、各付勢部230(図3参照)が切断刃220を付勢する力はすべて同じ力としているが、すべて同じでなくてもよい。付勢部230が切断刃220を付勢する力は、各付勢部230が設けられている場所により異ならせてもよい。例えば、刃先の一端部222に近い付勢部230は、刃先の他端部224に近い付勢部230よりも、小さい力で切断刃220を付勢してもよい。つまり、付勢部230は、一端部222に対して、他端部224のほうが小さい力で切断刃220を付勢してもよい。このようにすることにより、一端部222の刃毀れを抑制でき、切断刃220の耐久性が向上する。
【0039】
B2.変形例2
上述の実施形態において、切断装置200は、付勢部230を備えるが、付勢部230を備えなくてもよい。
【0040】
B3.変形例3
上述の第3実施形態では、切断刃220Bの一端部222の刃先を鈍らせているが、この代わりに、切断刃220の一端部222と接する載置面215の頂点を鈍らせてもよい。このようにすることにより、一端部222の刃毀れを抑制でき、切断刃220の耐久性が向上する。
【0041】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
100…セラミック積層体
110…キャリアフィルム
120…セラミックグリーンシート
200…切断装置
200A…切断装置
210…載置台
211…真空穴
215…載置面
216…吸着板
217…側面
220…切断刃
220A…切断刃
220B…切断刃
222…一端部
224…他端部
230…付勢部
C…矢印
T…対角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10